説明

画像形成装置

【課題】光学走査ユニットの振動を抑え、且つ光学走査ユニットの着脱作業性を向上させるとともに、小型化及び低価格化を実現させた画像形成装置を提供する。
【解決手段】レーザスキャナ装置5の着脱方向に対して画像形成装置本体の手前側及び奥側にそれぞれ設けられ、レーザスキャナ装置5を支持する奥側スキャナ支持部材27,手前側スキャナ支持部材28と、着脱方向と実質的に直交する方向であるレーザスキャナ装置5の左右方向においてレーザスキャナ装置5と画像形成装置本体とが係合することによって構成され、レーザスキャナ装置5の着脱方向の移動を案内する1つのガイド機構(ガイドレール29、レーザスキャナ装置の突リブ5b)と、を備え、ガイド機構は、レーザスキャナ装置5のうち左右方向の一端側のみを案内するように設けられ、レーザスキャナ装置5の着脱動作の際には、レーザスキャナ装置5の左右方向の位置を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な電子写真方式を採用する画像形成装置は、像担持体としての感光体上に静電潜像を形成する手段(光学走査ユニット)としてレーザビームを使用するレーザスキャナ装置が使用される。このレーザスキャナ装置はユニット化されて清掃や点検の際に画像形成装置本体に対して着脱できるような構成が多くとられている。
【0003】
また、感光体とレーザスキャナ装置との位置関係は、高画質を得るために、高精度に位置決めする必要がある。
【0004】
そこで、レーザスキャナ装置を画像形成装置本体に収納する場合、装置本体側の位置決め穴に対してレーザスキャナ装置の位置決めピン(又は、装置本体側の位置決めピンに対してレーザスキャナ装置の位置決め穴)を嵌合させて所定の位置決めがなされる。
【0005】
しかしながら、このような場合、限られたスペースの装置本体内部で、挿入方向奥側にあるピンと穴とを嵌合させなければならず、この位置決め作業は、通常、目視での確認が困難なため、その作業に時間を要するという課題があった。
【0006】
また、レーザスキャナ装置が振動してしまうと、画像が縞状になるなどの影響が出ることが懸念され、レーザスキャナ装置の振動を抑える必要がある。1つの大きな平面状の支持部材でレーザスキャナ装置を支持すると、支持部材が低周波で振動し、レーザスキャナ装置が大きく共振し易くなることが懸念される。
【0007】
そこで、支持部材を2つに分割し、それぞれの支持部材を強固にする(例えば板をコの字形状にする)手段をとることで振動を抑えることができる。しかし、支持部材を分割したことで、レーザスキャナ装置を画像形成装置本体に収納する際に、2つの支持部材の間のスペースにレーザスキャナ装置が脱落してしまうことが懸念される。
【0008】
このような課題を解決するために、従来の画像形成装置では、挿入方向に対してレーザスキャナ装置の左右両端の下面を支持し、且つ左右方向を規制して案内するガイドレールを有したものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−50671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような従来例においては、ガイドレールをレーザスキャナ装置の左右両端に2つ配設する必要があり、そのためのスペースを必要とし、画像形成装置本体サイズが大きくなってしまうことが懸念される。
【0010】
また、ガイドレール2つ分のコストが嵩むことが懸念される。
【0011】
また、レーザスキャナ装置を画像形成装置本体に挿入する際、レーザスキャナ装置の左右両端をガイドレールの入り口形状に合わせる必要があり、特に大型のレーザスキャナ装置の場合、左右両端を目視で確認するのが困難となることが懸念される。
【0012】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、光学走査ユニットの振動を抑え、且つ光学走査ユニットの着脱作業性を向上させるとともに、小型化及び低価格化を実現させた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
少なくとも1つの像担持体と、
画像信号に応じてレーザ光線を走査しながら照射して前記像担持体に静電潜像を形成する光学走査ユニットと、
を備え、前記光学走査ユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられた画像形成装置において、
前記光学走査ユニットの着脱方向に対して該画像形成装置本体の手前側と奥側に離間して設けられ、前記光学走査ユニットを支持する2つの支持部材と、
該着脱方向と実質的に直交する方向である前記光学走査ユニットの左右方向において前記光学走査ユニットと該画像形成装置本体とが係合することによって構成され、前記光学走査ユニットの該着脱方向の移動を案内する1つのガイド機構と、
を備え、
前記ガイド機構は、前記光学走査ユニットのうち該左右方向の一端側のみを案内するように設けられ、前記光学走査ユニットの着脱動作の際には、画像形成装置が設置された状態で前記光学走査ユニットの該左右方向の位置を規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光学走査ユニットの振動を抑え、且つ光学走査ユニットの着脱作業性を向上させるとともに、小型化及び低価格化を実現させた画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の実施例1に係る画像形成装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図9は、本実施例に係る画像形成装置を正面から見た概略構成図である。
【0018】
図9において、1Y,1M,1C,1Kは像担持体としての感光体ドラムである。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、それぞれイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の現像剤(トナー)を備えたプロセスカートリッジ2Y,2M,2C,2K毎に回転自在にその両端を支持されて設けられている。そして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、図示しない駆動モータ及び駆動伝達手段により、一方の端部から駆動伝達され、図9において時計回りに回転駆動される。
【0019】
また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの表面には、それぞれ有機光導電体層が塗布されている。
【0020】
以下に、画像形成動作について説明する。ここで、感光体ドラム1Y,1M,1C,1
Kにおいては、単に感光体ドラム1と記す場合もある。
【0021】
感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、帯電ローラ3Y,3M,3C,3Kに帯電バイアスが印加されることにより、その表面が一様に帯電させられる。そして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの表面は、光学走査ユニット(光学走査装置、露光手段)としてのレーザスキャナ装置5から発せられたレーザ光により選択的に露光され、静電潜像が形成される。ここで、レーザスキャナ装置5は、画像信号に応じてレーザ光線を走査しながら照射して感光体ドラム1に静電潜像を形成するものである。
【0022】
この静電潜像は、現像手段4Y,4M,4C,4Kにより各色のトナーを付着させられ、トナー像として現像される。
【0023】
中間転写ベルト6は、駆動ローラ7、及び従動ローラ8により張架されている。そして、中間転写ベルト6は、1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kに付勢されることにより感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに当接しながら、駆動ローラ7の回転により図9において反時計回りに回転駆動される。ここで、駆動ローラ7は、図示しない駆動モータ及び駆動伝達手段により駆動されて回転する。
【0024】
また、1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kには所定の転写バイアスが印加され、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面上の各色トナー像が中間転写ベルト6上に順次重ね合わされて転写され、4色のトナー像となる。
【0025】
給送カセット10には記録材11が積載されている。記録材11は、図示しない駆動モータ及び駆動伝達手段により所定のタイミングで駆動される給送ローラ12により給送された後、搬送ローラ対13、レジストローラ対14を通って中間転写ベルト6と2次転写ローラ15とが当接する2次転写位置に搬送される。
【0026】
2次転写位置では、所定のバイアスを印加された2次転写ローラ15により、中間転写ベルト6上の4色のトナー像が記録材11に転写される。
【0027】
4色のトナー像が転写された記録材11は定着ローラ対16に搬送され、トナー像が熱と圧力により記録材11上に溶融固着されることによりカラー画像が得られる。定着ローラ対16により搬送された記録材11は、排出ローラ対17を通過して排出トレイ18上に排出、積載される。
【0028】
レーザスキャナ装置5は、画像形成装置の左側の外装を外してできる開口部から矢印A方向に着脱可能に設けられている。
【0029】
次に、本実施例の特徴的な構成である、レーザスキャナ装置5を画像形成装置本体(以下、装置本体)内に挿入する際のガイド機構について、図1〜7を用いて説明する。
【0030】
図1は、装置本体左側の開口部、装置本体フレーム及び装置本体内部部品を示している。
【0031】
図1において、20は前側板、21は後側板、22,23,24,25,26は装置本体支持部材であり、これらの部材が互いにビスにより締結されて骨格となる装置本体フレームを形成している。
【0032】
27は奥側の支持部材としての奥側スキャナ支持部材、28は手前側の支持部材としての手前側スキャナ支持部材であり、レーザスキャナ装置5は着脱方向に対して離間したこ
れら2つの支持部材により支持される。ここで、レーザスキャナ装置5が装置本体に挿入される方向を挿入方向とした場合には、挿入方向上流側が手前側となり、挿入方向下流側が奥側となる。また、レーザスキャナ装置5の着脱方向は、上述したように図10に示す矢印A方向であり、このうち、図10における右方向(装置本体内に向かう方向)が挿入方向となる。
【0033】
スキャナ支持部材27,28は、レーザスキャナ装置5の振動を抑えるために、断面が略コの字形状の強固な板金で構成されており、その両端部はそれぞれ前側板20と後側板21にビスにより締結されている。
【0034】
29はレーザスキャナ装置5を装置本体内に挿入する際の案内となるガイドレールである。ガイドレール29は、挿入時のレーザスキャナ装置5の左右方向(着脱方向(挿入方向)と実質的に直交する方向である左右方向)及び下方向を規制するために略コの字状の溝部29aを有しており、その入り口は手前側が広くなる略テーパ形状を有している。ここで、本実施例の説明では、装置本体が設置された状態で、上下や左右をいうものとする。また、装置本体に設けられたガイドレール29と、後述するようにレーザスキャナ装置5に設けられた突リブであってガイドレール29に規制(係合)されて案内される突リブ5bとにより、ガイド機構が構成される。本実施例においては、このガイド機構が1つのみ設けられている。
【0035】
レーザスキャナ装置5は開口部30から装置本体内に着脱される。また、31は低圧電源装置であり、レーザスキャナ装置5の下側に配設されており、同様に開口部30から装置本体内に着脱される。
【0036】
図2は、レーザスキャナ装置5を示している。
【0037】
レーザスキャナ装置5においては、図示しないレーザ光源及びその回路が形成されたレーザ基板5aが箱の一側面に配設されており、その反対側面(左右方向の一端側)にガイドレール29の溝部29aに嵌る突リブ5bが形成されている。また、5cは、レーザ光が感光体ドラム1へ向かって出射される窓である。5d,5eは、奥側スキャナ支持部材27に支持される凸部としての奥側支持突起である。奥側支持突起5d,5eは、レーザスキャナ装置5本体から着脱方向に突出して設けられている。
【0038】
図3は、レーザスキャナ装置5が装置本体内に途中まで挿入された状態を示す図である。図8は、ガイド機構を構成するガイドレール29と突リブ5bとの概略構成を示す断面図である。
【0039】
ガイドレール29の溝部29aに突リブ5bが入り込む(嵌る、係合する)ことで、レーザスキャナ装置5の挿入(着脱)方向と実質的に直交する方向である左右方向が規制されている。より詳細に説明すると、溝部29aの側面29a1と突リブ5bの側面5b1とが嵌る(係合する)ことで、レーザスキャナ装置5の左右方向が規制されている。側面29a1と側面5b1とは、左右方向と実質的に直交する面(着脱方向に沿って設けられた面)である。
【0040】
また、溝部29aと突リブ5bとは、鉛直方向下部位置規制部を構成している。より詳細に説明すると、溝部29aに突リブ5bが入り込むことで、突リブ5bの下端5b2とガイドレール29の溝部29aの底面29a2とが接触する。これにより、レーザスキャナ装置5の下方向への移動が規制されて、レーザスキャナ装置5の下方向(鉛直下方向)の位置が規制されることとなる。
【0041】
また、レーザスキャナ装置5は、着脱(着脱動作)の際、図3に示されるB部、C部、D部の3点で支持されている。ここで、B部においては、突リブ5bの下端5b2とガイドレール29の溝部29aの底面29a2とが接触している。また、C部(開口部30、装置本体手前側)においては、レーザスキャナ装置5の上部(鉛直方向上部)と、上部規制部材としての支持部材22とが接触している。また、D部においては、レーザスキャナ装置5の底部(鉛直方向下部)と手前側スキャナ支持部材28とが接触している。
【0042】
このため、レーザスキャナ装置5の上下方向の傾きが規制され、レーザスキャナ装置5の挿入(着脱)時、レーザスキャナ装置5の装着部より下方に位置する低圧電源装置31の各電気素子に接触することが防止される。また、5fは手前側スキャナ支持部材28の後述する位置決め穴に嵌合する位置決めピンであり、5gは手前側スキャナ支持部材28の後述する突き当て部に突き当て支持される手前側支持突起である。また、5hはレーザスキャナ装置5を装置本体内に着脱する際に、作業者が把持するための把持部である。
【0043】
図4は、レーザスキャナ装置5の挿入途中の奥側の様子を示す図である。
【0044】
奥側スキャナ支持部材27には凹部としての支持穴27aが形成されており、第1付勢手段としての奥側付勢バネ32が支持穴27aの上部を塞ぐようにバネ掛け部33,34,35,36に掛けられている。
【0045】
奥側支持突起5dの先端はテーパ形状になっており、このテーパ部が支持穴27aから外れないように溝部29aと突リブ5bの嵌合の左右方向ガタが規定されている。なお、本図では説明の便宜上、奥側支持突起5d側のみ図示したが、奥側支持突起5e側も同様である。
【0046】
図5は、レーザスキャナ装置5が装置本体に(所定の位置に)装着されているときの奥側の様子を示す図である。
【0047】
奥側支持突起5d,5eは、レーザスキャナ装置5の挿入時、奥側付勢バネ32を押し上げて支持穴27aに挿入される。このとき、奥側付勢バネ32の付勢により、奥側支持突起5d,5eの下端は支持穴27aの下端に突き当てられてレーザスキャナ装置5の奥側の上下方向の位置が決められている。また、奥側支持突起5eと支持穴27aとは挿入方向に対して左右方向に嵌合されており、レーザスキャナ装置5の奥側の挿入方向に対して左右方向の位置決めがなされている。
【0048】
ここで、凸部としての奥側支持突起5d,5eと、凹部としての支持穴27aと、第1付勢手段としての奥側付勢バネ32とは、第1位置決め機構を構成している。
【0049】
図6は、手前側スキャナ支持部材28の形状を説明するための図である。
【0050】
28aは位置決め穴、28bは第1当接部としての突き当て部であり、28c,28dは後述する第2付勢手段としての手前側付勢バネ37を掛けるためのバネ掛け部である。
【0051】
図7は、レーザスキャナ装置5が装置本体に(所定の位置に)装着されているときの手前側の様子を示す図である。
【0052】
レーザスキャナ装置5の挿入時、レーザスキャナ装置5の手前側を少し持ち上げてから下に落として位置決めピン5fを位置決め穴28aに嵌合させる。これにより、レーザスキャナ装置5の挿入方向の位置決め、及び、レーザスキャナ装置5の手前側の挿入方向に対して左右方向の位置決めがなされる。ここで、位置決めピン5fと位置決め穴28aと
は、手前側位置決め手段を構成している。
【0053】
また、手前側付勢バネ37を図のようにバネ掛け部28c,28dと手前側支持突起5gの上面に掛けることにより、第2当接部として手前側支持突起5gの下端部と、突き当て部28bとが手前側付勢バネ37の付勢により突き当たる。これにより、レーザスキャナ装置5の手前側の上下方向の位置決めがなされる。
【0054】
ここで、第1当接部としての突き当て部28bと、第2当接部として手前側支持突起5gの下端部と、第2付勢手段としての手前側付勢バネ37と、手前側位置決め手段としての位置決めピン5f及び位置決め穴28aとは第2位置決め機構を構成している。
【0055】
このように本実施例では、挿入方向に対して奥側と手前側に支持部材27,28を設け、挿入方向に対して左右方向の位置を規制しながらレーザスキャナ装置5の着脱方向の移動を案内する1つのガイド機構(ガイドレール29と突リブ5b)を設けている。このガイド機構は、レーザスキャナ装置5の挿入時においては、レーザスキャナ装置5を奥側スキャナ支持部材27へ案内する。
【0056】
これにより、目視できないような装置本体の奥側の位置決め機構へとレーザスキャナ装置5を案内することが、簡易な構成で実現可能となり、小型で低価格な画像形成装置を提供することができる。
【0057】
また、ガイドレール29がレーザスキャナ装置5の片側端部(1箇所)に配設されるため、ガイドレール29の入り口(挿入部)にレーザスキャナ装置5の嵌め合い部が挿入されるのをより確実に目視することができ、作業性をより向上させることができる。
【0058】
また本実施例では、レーザスキャナ装置5の着脱時に、レーザスキャナ装置5の上下方向の位置を規制することができるので、レーザスキャナ装置5の着脱作業中に、レーザスキャナ装置5が脱落してしまったり、傾いてしまうようなことを防止することができる。これにより、レーザスキャナ装置5の着脱作業中に、レーザスキャナ装置5が周囲の内部部品に接触してしまうことを防止することができる。
【0059】
なお、本実施例においては、凸部としての奥側支持突起5d,5eがレーザスキャナ装置5に設けられ、凹部としての支持穴27aが奥側スキャナ支持部材27に設けられていたがこれに限るものではない。レーザスキャナ装置5と奥側スキャナ支持部材27とのうちいずれか一方に凸部が設けられ、いずれか他方に凸部に嵌合する凹部が設けられるものであればよい。
【0060】
また、本実施例では、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを有するカラー画像形成装置について説明したが、これに限るものではない。すなわち、少なくとも1つの感光体ドラムを有する画像形成装置であれば、本発明を好適に適用することができる。
【実施例2】
【0061】
以下、実施例2の画像形成装置について、図10,11に基づいて詳細に説明する。尚、画像形成装置の概略構成については上述した実施例1と同様であり、同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
図10は、装置本体左側の開口部、装置本体フレーム及び装置本体内部部品を示す図である。図11は、レーザスキャナ装置5が装置本体内に途中まで挿入された状態を示す図である。
【0063】
本実施例の特徴は、実施例1の構成に加えて、図10,11に示す補助受け部としての補助受け台40が設けられていることである。
【0064】
補助受け台40は、レーザスキャナ装置5に対して、ガイドレール29が設けられている側とは左右方向反対側に配設されている。さらに、補助受け台40は、手前側スキャナ支持部材28からの着脱方向の距離がレーザスキャナ装置5の着脱方向長さLの半分(L/2)以上の位置に設けられている。
【0065】
このように補助受け台40を設けることで、レーザスキャナ装置5の挿入時、レーザスキャナ装置5の重心が手前側スキャナ支持部材28を通過したときに、レーザスキャナ装置5のガイドレール29と反対側の奥側が下がるのを受け止めることができる。
【0066】
このような構成とすることで、レーザスキャナ装置5の上下方向のガタがより小さくなり、低圧電源装置31の各電気素子との接触をより確実に回避できる。
【0067】
なお、本実施例では、手前側スキャナ支持部材28からの距離がレーザスキャナ装置5の挿入方向長さLの半分以上(L/2以上)の位置に補助受け台40を設けることとしているが、これに限るものではない。レーザスキャナ装置5に対して、ガイドレール29が設けられている側とは左右方向反対側に補助受け台40が設けられるものであれば、レーザスキャナ装置5の上下方向の位置を効果的に規制することができる。
【0068】
また、上述した実施例1,2では、ガイドレール29とレーザスキャナ装置5の形状は挿入(着脱)方向に対して左右方向の位置を規制するものであったが、さらに、上下方向の位置を規制する形状が追加されていても良い。これには、例えば、図8に示すようなガイドレール29が、レーザスキャナ装置5の突リブ5bの上端面5b3に当接する当接部をさらに備えるように構成されるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施例1において、装置本体左側の開口部、装置本体フレーム及び装置本体内部部品を示す概略図である。
【図2】実施例1に係るレーザスキャナ装置を示す概略図である。
【図3】実施例1において、レーザスキャナ装置が装置本体内に途中まで挿入された状態を示す概略図である。
【図4】実施例1において、レーザスキャナ装置の挿入途中の奥側の様子を示す概略図である。
【図5】実施例1において、レーザスキャナ装置が所定の位置に装着されているときの奥側の様子を示す概略図である。
【図6】実施例1において、手前側スキャナ支持部材の形状を説明する概略図である。
【図7】実施例1において、レーザスキャナ装置が所定の位置に装着されているときの手前側の様子を示す概略図である。
【図8】実施例1において、ガイド機構を説明するための図である。
【図9】本発明を適用できる画像形成装置を示す概略断面図である。
【図10】実施例2において、装置本体左側の開口部、装置本体フレーム及び装置本体内部部品を示す概略図である。
【図11】実施例2において、レーザスキャナ装置が装置本体内に途中まで挿入された状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0070】
1 感光体ドラム
5 レーザスキャナ装置
5b 突リブ
27 奥側スキャナ支持部材
28 手前側スキャナ支持部材
29 ガイドレール
29a 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの像担持体と、
画像信号に応じてレーザ光線を走査しながら照射して前記像担持体に静電潜像を形成する光学走査ユニットと、
を備え、前記光学走査ユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられた画像形成装置において、
前記光学走査ユニットの着脱方向に対して該画像形成装置本体の手前側と奥側に離間して設けられ、前記光学走査ユニットを支持する2つの支持部材と、
該着脱方向と実質的に直交する方向である前記光学走査ユニットの左右方向において前記光学走査ユニットと該画像形成装置本体とが係合することによって構成され、前記光学走査ユニットの該着脱方向の移動を案内する1つのガイド機構と、
を備え、
前記ガイド機構は、前記光学走査ユニットのうち該左右方向の一端側のみを案内するように設けられ、前記光学走査ユニットの着脱動作の際には、画像形成装置が設置された状態で前記光学走査ユニットの該左右方向の位置を規制することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記手前側の支持部材は、前記光学走査ユニットの着脱動作の際には、前記光学走査ユニットの鉛直方向下部の位置を規制するように設けられており、
さらに前記光学走査ユニットの鉛直方向上部を規制する上部規制部材が、該着脱方向に対して該画像形成装置本体の手前側に設けられ、
前記ガイド機構は、前記光学走査ユニットの鉛直方向下部の位置を規制する鉛直方向下部位置規制部を有し、
前記光学走査ユニットの着脱動作の際、前記ガイド機構が有する前記下部位置規制部と、前記手前側の支持部材と、前記上部規制部材とにより、前記光学走査ユニットの鉛直方向の位置が規制されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記奥側の支持部材と前記光学走査ユニットとが係合することによって構成され、前記光学走査ユニットの該画像形成装置本体に対する位置決めを行う第1位置決め機構と、前記手前側の支持部材と前記光学走査ユニットとが係合することによって構成され、前記光学走査ユニットの該画像形成装置本体に対する位置決めを行う第2位置決め機構と、をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1位置決め機構は、
前記奥側の支持部材と前記光学走査ユニットとのうちいずれか一方に設けられ、該着脱方向に突出した凸部と、
前記奥側の支持部材と前記光学走査ユニットとのうちいずれか他方に設けられ、前記凸部に嵌合する凹部と、
前記凸部及び前記凹部が嵌合した場合に、前記凸部を前記凹部に向けて付勢する第1付勢手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2位置決め機構には、
前記手前側の支持部材に設けられた第1当接部と、
前記光学走査ユニットに設けられ、前記光学走査ユニットが該画像形成装置本体に装着された場合に前記第1当接部に当接する第2当接部と、
前記第1当接部及び前記第2当接部が当接するように、前記第2当接部を前記第1当接部に付勢する第2付勢手段と、
前記光学走査ユニットが該画像形成装置本体に装着された場合の該着脱方向及び該左右方
向の位置決めを行う手前側位置決め手段と、
を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光学走査ユニットに対して、前記ガイド機構が設けられている側とは該左右方向の反対側に設けられ、前記光学走査ユニットの鉛直方向下部を受ける補助受け部を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記手前側の支持部材から前記補助受け部までの該着脱方向の長さが、前記光学走査ユニットの該着脱方向の長さの半分以上の長さとなるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−75447(P2009−75447A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245678(P2007−245678)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】