説明

画像形成装置

【課題】製造コストを安価にすることが可能で、かつ、潜像書込手段の振動を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像書込手段たる光書込ユニット70が動作位置にあるとき、ケーシング71の各位置決め軸71a、71cを、それぞれ対応する右側板80の光学位置決め溝81と左側板90の光学位置決め溝91の底面に当接させ、ケーシング71の係合部71eに設けた支持突起71bを後側板120の上面に当接させて、光書込ユニット70を装置本体に支持する。光書込ユニット70が動作位置にあるとき、回動軸51と光書込ユニット70とを非接触とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜像書込手段を動作位置から待避位置へ待避させることのできる複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、一様帯電せしめた感光体等の潜像担持体に対し、レーザー光を光走査するレーザー書込装置などの潜像書込手段たる光書込ユニットによって潜像を書き込む構成が広く採用されている。このような画像形成装置では、装置内のレイアウトによっては、光書込ユニットが邪魔になって潜像担持体やこれの周囲に配設される現像装置などといった各種の周囲装置のメンテナンス性を悪化させてしまうことがある。
【0003】
特許文献1には、潜像担持体に潜像を書き込むための書込動作を行う動作位置と書込動作を行わない待避位置との間で移動可能な光書込ユニットを備えた画像形成装置が記載されている。かかる構成によれば、光書込ユニットを潜像担持体との対向する動作位置から待避位置へ待避させることで、潜像担持体やその周囲装置を外部に露出させることができ、それらのメンテナンス性を向上させることができる。
【0004】
図11は、特許文献1に記載の画像形成装置の内部構成を示す斜視図である。
図に示すように、図示しないポリゴンモータ、ポリゴンミラー、反射ミラーなどを内包する光書込ユニット270のケーシング271を保持する保持体たる保持フレーム230を有している。
【0005】
保持フレーム230の第1保持板232は、所定の距離をおいて並ぶ第1開口232aと第2開口232bとを有している。そして、ケーシング271の左側面から突出している左側第1位置決め軸271aを第1開口232a内にある程度のガタツキをもって貫通させるとともに、ケーシング271の左側面から突出している左側第2位置決め軸271bを第2開口232b内にある程度のガタツキをもって貫通させる。
【0006】
また、保持フレーム230の第2保持板233は、所定の距離をおいて並ぶ第1開口233aと第2開口233bとを有している。そして、ケーシング271の右側面から突出している右側第1位置決め軸271cを第1開口232a内にある程度のガタツキをもって貫通させるとともに、ケーシング271の右側面から突出している右側第2位置決め軸271dを第2開口233b内にある程度のガタツキをもって貫通させている。
【0007】
第1保持板232と第2保持板233は、装置本体の第1支持板280と第2支持板290とに架け渡された回動軸200に回転可能に支持されている。回動軸200を中心にして保持フレーム230を回動させることで、書込ユニット270を動作位置から待避位置へ待避させることができる。
【0008】
また、第1支持板280の上端部には、所定の深さで窪んでいる左側第1光学位置決め溝281aと左側第2光学位置決め溝281bとが所定の距離をおいて並ぶように形成されている。また、第2支持板290の上端部には、所定の深さで窪んでいる右側第1光学位置決め溝291aと右側第2光学位置決め溝291bとが、所定の距離をおいて並ぶように形成されている。
【0009】
光書込ユニット270が動作位置にあるときは、ケーシング271の各位置決め軸(271a〜d)を、それぞれ対応する光学位置決め溝(281a,281b,291a,291b)の底面に突き当てて、光書込ユニット270を支持するとともに、光書込ユニット270を鉛直方向に位置決めする。
【0010】
また、特許文献1には、図12に示すように、動作位置において、光書込ユニット270を3点支持にした画像形成装置も記載されている。具体的には、ケーシング271の左側面および右側面からそれぞれひとつずつ位置決め軸271a、271cが突出しており、これら位置決め軸271a、271cが、第1支持板280と第2支持板290の上端部にそれぞれ設けられた光学位置決め溝281、291の底面によって支持される。また、ケーシング後側板の左右方向中央に設けられた回動軸係合部271eが回動軸200に係合して、回動軸200に光書込ユニット270のケーシング271を支持する。
【0011】
【特許文献1】特開2007−164141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図11に示すように光書込ユニット270を4点で支持する場合は、4点の支持部の位置決め精度を出す必要があり、製造コストなどが嵩むおそれがある。一方、図12の3点で支持する場合は、3点の位置決め精度を出せばよいため、4点で支持するものに比べて、製造コストを安価にすることができる。
【0013】
しかしながら、図12に示す画像形成装置においては、支持する3点のうち、一点が回動軸200に支持されている。回動軸200は、側板に比べて剛性が弱いため、ユーザーが装置本体にぶつかるなどの外乱により、回動軸200が振動し、その振動がケーシング271に伝達され、ケーシング内の反射ミラーなどが振動する。反射ミラーなどが振動すると、光の反射方向が変化し、照射位置がずれて、色ずれが生じるなどの不具合が発生する。
【0014】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、製造コストを安価にすることが可能で、かつ、潜像書込手段の振動を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に、前記潜像担持体表面に潜像を書き込むための書込動作を前記潜像書込手段が行う動作位置と前記書込動作を前記潜像書込手段が行わない待避位置との間を回動可能な保持体とを備えた画像形成装置において、前記動作位置に前記保持体があるとき、前記潜像書込手段を装置本体に対して3点で支持するとともに、前記潜像書込手段と前記回動軸とを非接触にしたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記動作位置に前記保持体があるとき、前記潜像担持体の一端を支持する第1支持板と、前記潜像担持体の他端を支持する第2支持板と、前記第1支持板および前記第2支持板と直交する直交板とで、前記潜像書込手段を支持したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記第1支持板と前記第2支持板とに、前記潜像書込手段の前記直交板に対して直交する方向の位置決めをする第1位置決め手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の画像形成装置において、前記動作位置にあるとき、前記第1支持板または前記第2支持板側に前記潜像書込手段を寄せて、前記潜像書込手段の前記第1支持板または前記第2支持板に対して直交する方向の位置決めをする第2位置決め手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、前記第1支持板または前記第2支持板は、前記潜像担持体を回転駆動するための駆動源を支持しており、前記駆動源が支持されている支持板側に前記潜像書込手段を寄せて、前記潜像書込手段を位置決めするよう前記第2位置決め手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至5いずれかの画像形成装置において、前記待避位置において、前記回動軸に係合する係合部を前記潜像書込手段に設けるとともに、前記直交板の上方、かつ、鉛直投影形状の一部が前記直交板と重なるよう前記回動軸を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記回動軸の前記係合部と係合する係合箇所または前記係合部の前記回動軸と係合する係合箇所に弾性部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項2乃至7いずれかの画像形成装置において、前記直交板に支持される前記潜像書込手段の支持部を、前記潜像書込手段のケーシングとは、別の部品で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、前記直交板に支持される前記潜像書込手段の支持部を、前記潜像書込手段のケーシングと別材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、前記支持部を、摺動性の良い材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項2乃至10いずれかの画像形成装置において、前記直交板に、前記潜像書込手段を制御する制御装置を収納する収納部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、前記潜像書込手段と前記制御装置とを電気的に接続するハーネスの一部を、前記回動軸に回動可能に取り付けたハーネス保持部材に固定したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項2乃至12いずれかの画像形成装置において、前記直交板に嵌合するための嵌合ピンを前記第1支持板および第2支持板にそれぞれ一箇所設け、前記第1支持板の嵌合ピンの設置面からの高さと、前記第2支持板の嵌合ピンの設置面からの高さとを同じにしたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、前記待避位置において、前記回動軸に係合する前記潜像書込手段の係合部の回動軸との係合箇所と平行に、前記第1支持板と前記第2支持板とに前記回動軸を架け渡したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1乃至14いずれかの画像形成装置において、前記第1支持板と前記第2支持板とを樹脂材料で一体成型した一体成型物としたたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至15の発明によれば、動作位置に保持体があるとき、潜像書込手段を装置本体に対して3点で支持するので、潜像書書込手段の鉛直方向の位置決めの精度出しが3点でよく、4点で支持するものに比べて、製造コストを安価にすることができる。
また、動作位置に保持体があるとき、潜像書込手段と回動軸とを非接触にしたので、動作位置に保持体があるとき潜像書込手段と回動軸とが接触するもののように、外乱により回動軸が振動してもその振動が直接潜像書込手段に伝播しない。よって、動作位置に保持体があるとき潜像書込手段と回動軸とが接触するものに比べて、外乱による潜像書込手段の振動を抑制することができ、色ずれを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0018】
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0019】
上記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0020】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kやトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0021】
図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0022】
先に示した図1において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0023】
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ18、従動ローラ17、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0024】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ18、従動ローラ17、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ18の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0025】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0026】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
【0027】
Y用のプロセスユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0028】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されながら、ループ内側の従動ローラ17との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
【0029】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0030】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0031】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0032】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0033】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0034】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、図8に示すように、切替爪42が実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0035】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
【0036】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中点線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖されるとともに、排紙路36から反転前搬送路41に向かう通路が切替爪42によって連結される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0037】
図1は、本プリンタを正面側から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、本プリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。本プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0038】
上述の反転ユニット40は、外部カバー45と揺動体46とを有している。具体的には、反転ユニット40の外部カバー45は、プリンタ本体の筺体に設けられた回動軸40aを中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー45は、その内部に保持している揺動体46とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー45がその内部の揺動体46とともに開かれると、反転ユニット40とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36が縦に2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0039】
また、揺動体46は、外部カバー45が開かれた状態で、外部カバー45に設けられた図示しない揺動軸を中心にして回動するように外部カバー45に支持されている。この回動により、揺動体46が外部カバー45に対して開かれると、反転前搬送路41や反転搬送路44が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路41内や反転搬送路44内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0040】
プリンタの筺体の上カバー50は、図中矢印で示すように、回動軸51を中心にして回動自在に支持されており、図中反時計回り方向に回転することで、筺体に対して開いた状態になる。そして、筺体の上部開口を外部に向けて大きく露出させる。これにより、光書込ユニット71が露出する。
【0041】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
先に示した図1において、筐体の上カバー50を開いても、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kは、それぞれ最も上方にある光書込ユニット70の直下に位置しているため、上方からそれらを見ることができない。また、光書込ユニット70が邪魔になるので、そのままでは上カバー50の開放によって出現した上部開口からそれらプロセスユニットに対してメンテナンス作業を行うことができない。
【0042】
そこで、本プリンタでは、光書込ユニット70を保持フレーム130に保持し、必要に応じて保持フレームを光書込ユニット70とともに4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kの真上の位置である動作位置から待避させて、それらプロセスユニットを露出させるようにしている。
【0043】
図3は、本プリンタの内部構成を示す斜視図である。図4は、光書込ユニット70を待避位置に待避させた状態のプリンタの内部構成を示す斜視図である。図5は、後側板120周辺の要部拡大概略構成図である。
図3、図4に示すように、プリンタの筐体内には、各種機器を支持するための本体フレームが立設せしめられており、この本体フレームは、第1支持板たる左側板80、第2支持板たる右側板90、図示しない前側板、梁板110、直交板たる後側板120などから構成されている。左側板80と右側板90とは、所定の距離をおいて対向しながら直立するように、後側板120によって連結されている。また、左側板80と右側板90との間に配設された梁板110によっても連結されている。左側板80には、図示してないが、感光体を駆動するための駆動源たる感光体駆動モータや、感光体駆動モータの駆動を感光体に伝達するための駆動伝達装置などが支持されている。
【0044】
左側板80と右側板90と梁板110とを樹脂で一体成型した一体形成物としてもよい。一体成型物とすることで、部品点数を削減することができる。
【0045】
所定の距離をおいて相対向する左側板80と右側板90との間には、図示しない転写ユニット、4つのプロセスユニット、潜像書込手段たる光書込ユニット70、保持体たる保持フレーム130などが配設されている。
【0046】
左側板80の上端部には、所定の深さで窪んでいる左側光学位置決め溝81が形成されている。また、右側板90の上端部には、所定の深さで窪んでいる右側光学位置決め溝91が、形成されている。右側板90の右側光学位置決め溝91には、板バネ94が設けられている。
【0047】
右側板90における左側板80との対向面には、右側作像支持部93が突設せしめられている。この右側作像支持部93は、右側板90の本体と一体形成されたものであり、本体、右側作像支持部93ともに樹脂から構成されている。右側作像支持部93には、上端から下端に向けて延びる4つの右側作像位置決め溝93Y,M,C,Kが形成されている。図4には示していないが、本体フレームの左側板80における右側板90との対向面には、同様の4つの左側作像位置決め溝を有する左側作像支持部が形成されている。
【0048】
4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kの図示しない感光体(2Y,M,C,K)は、それぞれ筒部たるドラム部と、これの軸線方向の両端面からそれぞれ突出する軸部たる左ドラム軸及び右ドラム軸とを有している。プロセスユニット1Y,M,C,Kは、そのケーシングに設けられた図示しない軸穴を通してこれら左ドラム軸や右ドラム軸をケーシング外に突き出している。そして、各プロセスユニットの左ドラム軸を本体フレームの左側板80の左側作像支持部における図示しない左側作像位置決め溝にそれぞれ係合させつつ、右ドラム軸を本体フレームの右側板90の右側作像支持部における右側作像位置決め溝93Y、M、C、Kに係合させる。これらの係合により、各プロセスユニット1Y、M、C、Kが前後方向に位置決めされる。また、左ドラム軸が、左側作像位置決め溝の底面に当接し、右ドラム軸が、右側作像位置決め溝93Y、M、C、Kの底面に当接することで、プロセスユニット1Y、M、C、Kが左側板80と右側板90とに支持されるとともに、鉛直方向に位置決めされる。
また、右側作像支持部93には、4つの板バネ95Y、M,C,Kが設けられており(図4では、板バネ95Yのみ図示)、各板バネ95Y、M、C、Kにより、それぞれ対応するプロセスユニット1Y、M、C、Kを左側作像支持部に突き当てて、各プロセスユニット1Y、M、C、Kを左右方向に位置決めする。
【0049】
一方、光書込ユニット70は、図示しないポリゴンモータや、ポリゴンミラー、反射ミラー、レンズ等からなる光学系を内包するケーシング71を有し、このケーシング71が保持フレーム130に保持されている。
【0050】
保持フレーム130は、左保持板72、右保持板73、前連結棒74、引張コイルバネ75などを有している。
保持フレーム130の左保持板72と右保持板73とは、プリンタの前後方向に所定の距離をおいて対向するように、それらの前側端部付近が前連結棒74によって連結されている。また、左保持板72、右保持板73は、回動軸51に回動自在に取り付けられている。保持フレーム130の左保持板72、右保持板73の下面には、図示してないが、各プロセスユニットに対応する4つのコイルバネが取り付けられており、保持フレーム130が動作位置にあるとき、各コイルバネが、対応するプロセスユニットの上面に当接して、プロセスユニットをそれぞれ下方へ付勢している。
【0051】
光書込ユニット70のケーシング71の左側面には、左側位置決め軸71aが突設せしめられている。また、ケーシング71の右側面には、右側位置決め軸71cが突設せしめられている。また、ケーシング71の後壁における側板対面方向(左右方向)の中央には、回動軸係合部71eが設けられている。回動軸係合部71eは、図5に示すように、U字状の切り欠き部を有しており、光書込ユニット70が動作位置にあるときは、回動軸51と係合部71eとが非接触となるように、切欠き部の鉛直方向の距離Aや、水平方向の距離Bが設定されている(図5(b)参照)。一方、図5(a)に示すように、光書込ユニット70を動作位置から待避位置へ移動させると、係合部71eが回動軸51と係合する。これによって、光書込ユニット70が、待避位置において、回動軸51に支持される。
また、係合部71eの下面には、支持突起71bが設けられており、図5(b)に示すように、動作位置において、後側板120の上面に当接している。
【0052】
図3に示すように、左保持板72と右保持板73とを連結している前連結棒74の長手方向の中央には、引張コイルバネ75の一端側が固定されており、バネの他端側はケーシング71の前側面に固定されている。これにより、左保持板72と右保持板73との間の光書込ユニット70がプリンタの後側から前側に向けて引っ張られている。
【0053】
左保持板72は、開口72aを有し、ケーシング71の左側面から突出している左側位置決め軸71aを開口72a内に貫通させている。また、右保持板73は、開口73aを有し、ケーシング71の右側面から突出している右側位置決め軸71cを貫通させている。
【0054】
光書込ユニット70のケーシング71の各位置決め軸71a、71cが保持フレーム130の左保持板72や右保持板73の開口内にある程度のガタツキをもって貫通することで、光書込ユニット70が保持フレーム130に保持されている。なお、左保持板72の開口72a、右保持板73の開口73aは、それぞれ、保持板72、73に設けられた「U」字状の切り欠き部の端が切り欠き端部閉鎖部材によって閉鎖されることで、楕円状の開口をなしている。これら切り欠き端部閉鎖部材は保持板72、73にネジ止めされており、そのネジ操作によって保持板から取り外すことができる。光書込ユニット70を左保持板72と右保持板73との間にセットする際には、それぞれの保持板72、73から切り欠き端部閉鎖部材を取り除いて、開口を「U」字状の切り欠き部にする。そして、光書込ユニット70の各位置決め軸を保持板72、73の「U」字状の切り欠き部内に挿入した後、切り欠き端部閉鎖部材の取り付けによって各切り欠き部を開口にする。このようにして、光書込ユニット70が、保持フレーム130に保持される。
【0055】
保持フレーム130に保持された光書込ユニット70をプリンタ内にセットするときには、支持体たる本体フレームの右側板80と左側板90との間に架け渡されている図示の回動軸51がまだ存在していない。この状態で、光書込ユニット70を保持した保持フレーム130を第1支持板たる右側板80と第2支持板たる左側板90との間に入れ込む。このとき、光書込ユニット70のケーシング71の右側位置決め軸71aを右側板80の右側光学位置決め溝81内に挿入する。また、ケーシング71の左側位置決め軸71cを左側板90の左側光学位置決め溝91内に挿入する。また、図5(b)に示すように、支持突起71bを後側板120の上面に当接させる。
【0056】
このようにして光書込ユニット70を右側板80と左側板90との間に入れ込んだら、回動軸51を差し込む。具体的には、回動軸51を、左側板80に設けられた図示しない回動穴と、保持フレーム130の左保持板72に設けられた図示しない回動穴と、上カバー50の図示しない回動穴と、右保持板73に設けられた図示しない回動穴と、右側板90に設けられた図示しない回動穴とに通す。そして、回動軸51の左側端部をフランジ、Eリング、差し込みピンなどによって左側板80に固定するとともに、右側端部を右側板90に固定する。
【0057】
光書込ユニット70のケーシング71の各位置決め軸71a、71cを、それぞれ対応する光学位置決め溝81,91の底面に当接させ、ケーシング71の係合部71eに設けた支持突起71bを後側板120の上面に当接させることで、書込ユニット70が、装置本体の第1支持板たる左側板80と第2支持板たる右側板90と直交板たる後側板120との3点で支持されるとともに、鉛直方向に位置決めされる。
【0058】
また、引張コイルバネ75によって光書込ユニット70を前方向に引っ張ることで、各位置決め軸71a、71cを、光学位置決め溝81,91の前側内壁に突き当てて、光書込ユニット70が前後方向に位置決めされる。すなわち、本実施形態においては、ケーシング71の各位置決め軸71a、71cと、光学位置決め溝81,91の前側内壁と、引張コイルバネ75とで、光書込ユニット70の直交板たる後側板120に対して直交する方向(前後方向)の位置決めをする第1位置決め手段が構成されている。
【0059】
また、板バネ94によって、ケーシング71の右側位置決め軸71cを左側板80側へ付勢して、光書込ユニット70を左保持板72に突き当て、光書込ユニット70を感光体モータが支持されている左側板側に寄せて、光書込ユニット70を左右方向に位置決めしている。すなわち、本実施形態においては、ケーシング71の右側位置決め軸71cと、板バネ94と、保持フレーム130の左保持板72とで光書込ユニットの第1支持板たる左側板80または第2支持板たる右側板90に対して直交する方向(左右方向)の位置決めをする第2位置決め手段が構成されている。
【0060】
左側板80と右側板90との間にセットされた保持フレーム130は、第1支持板たる左側板80と第2支持板たる右側板90との間に架け渡された回動軸51を中心にして、回動軸51に対して光書込ユニット70とともに摺動回動することができる。具体的には、光書込ユニット70のケーシング71の各位置決め軸71a、71cは、それぞれ対応する光学位置決め溝81,91)の幅よりも小径に形成されており、溝内を溝幅方向に移動することができる。但し、光書込ユニット70が図示のように動作位置にセットされている状態では、引張コイルバネ75の張力によってプリンタの前側に向けて引っ張られることで、光学位置決め溝の前内壁に突き当たっている。図示の状態から、回動軸51を中心にして保持フレーム130を反時計回り方向に回転させると、ケーシング71の位置決め軸71a、71cがそれぞれ対応する光学位置決め溝81,91の前内壁に摺擦しながら、溝内を鉛直方向下側から上側に向けて移動し、やがて、溝内から出る。そして、図4に示すように、保持フレーム130が光書込ユニット70を保持して、概ね11時の位置である待避位置まで待避させていく過程で、図5(a)に示すように、引っ張りコイルバネ張力に抗って、光書込ユニット70が自重で下がって、ケーシング71の係合部71eの切か欠き部が回動軸51と係合する。これにより、回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたつくのを防止することができる。そして、図4に示す待避位置まで保持フレーム130とともに光書込ユニット70を移動させたら、図示しない係止機構によってそこに係止される。これにより、光書込ユニット70の直下に位置していた4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kが露出する。
【0061】
図4に示したように、光書込ユニット70を待避位置に待避させて各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kを大きく露出させることで、それらを容易に着脱することができる。なお、これらプロセスユニット1Y,M,C,Kは、現像装置内のトナーが無くなった時点で、新たなものと交換される。
【0062】
本プリンタでは、3点で光書込ユニット70を支持するので、光学位置決め溝(81,91)の底面と、後側板上面と、光書込ユニット70の位置決め軸71a、71cと、支持突起71bの6箇所の位置決め精度を出すだけで、精度よく光書込ユニット70を鉛直方向に位置決めすることができる。よって、光書込ユニットを4点で支持するものに比べて、支持点が少ないので、位置決め精度を出すための箇所が少なくてすみ、安価に装置を製造することができる。
【0063】
また、左側板80と右側板90とで光書込ユニット70を支持することで、光書込ユニット70の前後に延びる仮想軸中心にした回転方向の位置決めを行うことができ、さらに、後側板120で光書込ユニット70を支持することで、光書込ユニットの左右に延びる仮想軸を中心とした回転方向の位置決めを行うことができる。
【0064】
また、本プリンタでは、光書込ユニット70が動作位置にあるときは、回動軸51と非接触となるように、係合部71eの切り欠き部が設定されている。これにより、作像時にユーザーが上カバー50にぶつかり、回動軸50が撓んで振動しても、回動軸の振動が、直接光書込ユニット70に伝達することがない。これにより、光書込ユニット70の振動が抑制され、書込位置がずれるのを抑制することができ、色ずれやバンディングなどの異常画像を抑制することができる。
【0065】
また、図5に示すように、回動軸51を、直交板たる後側板120の上方で、鉛直投影形状の一部が後側板120と重なるよう配置している。これにより、支持突起71bと係合部71eとを近接配置することができる。例えば、光書込ユニット70が傾いて支持されたとき、係合部71eと支持突起71bとの距離が遠いと、係合部71eの鉛直方向の変位が、係合部71eと支持突起71bとの距離が近いものに比べて大きくなる。その結果、係合部71eの切欠き部の鉛直方向の距離Aが小さいと、動作位置において、係合部71eと回動軸51とが当接してしまい、回動軸51の振動が直接光書込ユニット70に伝達されてしまう。また、係合部71eの切欠き部の鉛直方向の距離Aを大きくすると、動作位置から待避位置への回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたついてしまう。
一方、支持突起71bと係合部71eとの距離が近いと、光書込ユニット70が傾いて支持されたときにおける、係合部71eの鉛直方向の変位を小さくすることができ、係合部71eの切欠き部の鉛直方向の距離Aを小さくても、動作位置において、回動軸51と係合部71eとが接触するのを抑制することができる。よって、動作位置から待避位置への回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたつかない範囲に係合部71eの切欠き部の鉛直方向の距離Aを設定することができる。そして、回動軸51を、直交板たる後側板120の上面の上方で、鉛直投影形状の一部が後側板120と重なるよう配置することで、支持突起71bと係合部71eとを近接配置することができ、光書込ユニット70が傾いて支持されたとしても、動作位置で、回動軸51と係合部71eとが接触するのを抑制することができる。
【0066】
また、本プリンタでは、自らの図示しない左側作像位置決め溝に対し、感光体2Y,M,C,Kの左ドラム軸を光書込ユニット70の動作位置に向けてスライド移動可能に係合させ、且つ動作位置に向けて所定の距離をスライド移動した左ドラム軸を左側作像位置決め溝の上端部から離脱させて左ドラム軸との係合を解除させるように左側板80を構成している。更に、自らの右側作像位置決め溝93Y,M,C,Kに対し、感光体2Y,M,C,Kの右ドラム軸を光書込ユニット70の動作位置に向けてスライド移動可能に係合させ、且つ動作位置に向けて所定の距離をスライド移動した右ドラム軸を右側作像位置決め溝93Y,M,C,Kの上端部から離脱させて右ドラム軸との係合を解除させるように右側板90を構成している。かかる構成では、光書込ユニット70の回動によって障害物がなくなった動作位置に向けて各感光体2Y,M,C,Kをスライド移動させたり、逆方向に向けてスライド移動させたりすることで、感光体2Y,M,C,Kを左側板80や右側板90に対して容易に着脱することができる。
【0067】
また、本プリンタでは、光書込ユニット70として、1つのユニットによって4つの感光体2Y,M,C,Kに対してそれぞれ潜像を書き込み可能なものを用いている。かかる構成では、それぞれの感光体2Y,M,C,Kへの光書込のための専用の光書込装置をそれぞれ個別に設ける場合とは異なり、1つのユニットの位置決めにより、各感光体2Y,M,C,Kに対する光書込位置を決めることができる。これにより、位置決め操作や光書込装置のセット操作をより簡略化させてメンテナンス性を向上させることができる。
【0068】
上述のように、光書込ユニット70は、左側板80と右側板90との間に架け渡された回動軸51を中心に回動することで、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kとの対面位置である動作位置と、非対面位置である待避位置との間を移動する。かかる構成では、光書込ユニット70における回動軸51との摺動位置を常に左側板80や右側板90に対して同一位置に固定しながら、光書込ユニット70を動作位置と待避位置との間で移動させる。これにより、スライド移動させる場合に比べて、光書込ユニット70を容易に位置決めすることができる。
【0069】
次に、変形例について説明する。
【0070】
[変形例1]
図6は、変形例1のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図である。
図6(a)に示すように、変形例1においては、係合部71eの切欠き部に弾性部材77cを設けている。また、図6(b)に示すように、位置決め軸71a、71cの保持板72、73との対向位置に弾性部材77a、77bを設けている。
このように、弾性部材77a、77b、77cを設けることによって、動作位置から待避位置へ回動するときに、自重で光書込ユニット70が後側板側へ移動して、係合部71eが回動軸51と突き当たったり、位置決め軸71a、71cが保持板72、73の開口72a、73aの後壁と突き当たったりしたときの衝撃を、弾性部材77a〜cで吸収することができ、光書込ユニット70への衝撃を緩和することができ、光書込ユニット70の破損を抑制することができる。
【0071】
[変形例2]
図7は、変形例2のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図である。
支持突起71bとケーシング71とを一体成型した場合は、支持突起71bの高さが高い場合は、削るなどによって対応可能であるが、低い場合は、対応することができない。
そこで、図7に示す変形例2のプリンタでは、支持突起71bを光書込ユニット70のケーシング71と別体とした。このように、支持突起76を別体とすることで、例えば、シート材を挟んで、支持突起71bをケーシング71に固定するなどして、支持突起71bが低い場合でも容易に調整することができる。よって、支持突起71bとケーシング71とを一体成型した場合に比べて、歩留まりを高めることができる。
【0072】
また、支持突起76は、ケーシング71と別材料で構成するのが好ましく、特に、摺動性の良い材料で形成するのが好ましい。ケーシング71は、剛性を高めるためにガラス繊維強化樹脂が使用される。光書込ユニット70を待避位置から動作位置へ回動させて、板バネ94や引張コイルバネ75で光書込ユニット70を位置決めするときに、支持突起71bは、後側板120と摺動する。このとき、支持突起71bが、ケーシング71と同じガラス繊維強化樹脂であると、支持突起71bのガラス繊維によって、後側板120が削られて磨耗してしまう。その結果、後側板120の支持突起71bとの当接位置が磨耗により凹んで、位置決め精度が低下するおそれがある。よって、ケーシング71と別材料で構成することで、後側板120の磨耗を抑制し、位置決め精度が低下するのを抑制することができる。特に、支持突起71bを摺動性の良い材料で形成することで、後側板120の上面を支持突起71bがスムーズ移動し、後側板120の磨耗をより抑制することができる。
【0073】
[変形例3]
図8は、変形例3のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図である。
図8に示すように、変形例3においては、左側板80の後側板120との対向面には、左側位置決めボス84が設けられており、右側板90の後側板120との対向面には、右側位置決めボス94が設けられている。そして、左側位置決めボス84を後側板100の左側位置決め穴122に嵌合し、右側位置決めボス94を後側板100の右側位置決め穴123に嵌合させることで、後側板120に左側板80と右側板90とを取り付けたものである。左側位置決めボス84と右側位置決めボス94は、設置面から同じ高さに設けられている。
【0074】
図9は、プリンタの右側(図中の左側)から外力が加わったときの変形例3のプリンタの内部構造を示した概略構成図である。
図9に示すように、プリンタの右側から外力が加わると、右側板90が後側板120との嵌合部を中心にして図中時計回りに回動する。右側板90と左側板90とには、梁板110がネジ止めなどによって固定されていたり、右側板90と左側板80と梁板110とが樹脂で一体成型されていたりするので、右側板90が回動すると、左側板80も後側板120との嵌合部を中心にして回動する。このとき、左側板80の後側板120との嵌合部の設置面の高さが、右側板80と後側板120との嵌合部の設置面高さと同じなので、左側板80は、右側板90と同角度嵌合部を中心として図中時計回りに回動する。このように、左側板80が、右側板90と同方向、同角度に回動するので、回動軸51と係合部71eの切欠き部との平行が保たれる。回転軸51と係合部71eの切欠き部との平行が保たれるので、係合部71eの切欠き部に対して、回動軸51が傾斜するものに比べて、動作位置で係合部71eと回動軸51とが接触するのを抑制することができる。その結果、回動軸51と係合部71eの切欠き部との鉛直方向クリアランスを狭く設定することができ、光書込ユニット70回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたつくのを抑制することができる。
【0075】
また、図9に示すように、右側板80と左側板90とが傾いた場合、回動軸51は、係合部71eに対して相対的に下方へ移動するが、回動軸51は、係合部71eの回動軸係合箇所である切欠き部と平行に取り付けられているので、回動軸51が係合部71eに対して相対的に下方へ移動しても、斜めに取り付けられているものに比べて、係合部71eと当接しにくくすることができる。よって、回動軸51を係合部71eの切欠き部に対して斜めに取り付けたものに比べて、回動軸51と係合部71eの切欠き部との鉛直方向クリアランスを狭く設定することができる。
【0076】
なお、本プリンタでは、回動軸51を左側板80と右側板90とに架け渡して、左側板80と右側板90とで回動軸51を支持しているが、回動軸51を後側板120で支持してもよい。後側板120で支持することによって、図9に示すように左側板80、右側板90が傾斜した場合でも、係合部71eの切欠き部と回動軸51との位置関係が変わらないので、より、回動軸51と係合部71eの切欠き部との鉛直方向クリアランスを狭く設定することができる。
【0077】
また、例えば、設置面に段差があって、右側板90または左側板80の位置が、下がった場合は、後側板120、回動軸51、光書込ユニット70が同角度傾くので、回動軸51と係合部71eとの平行を保つことができる。
【0078】
[変形例4]
図10は、変形例4のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図である。
図に示すように、変形例4は、後側板120の外側面に光書込ユニット70を制御するための制御装置たるコントローラ103を収納したものである。この変形例4の後側板120は、板金材料を箱型に形成して、剛性を高めるとともに、コントローラ103から電磁ノイズが放出されるのを抑制している。コントローラ103と光書込ユニット70とは、ハーネス104によって電気的に接続されている。
このように、後側板120にコントローラ103を収納することで、コントローラ103を収納する収納ケースが不要となり、部品点数を削減することができる。
【0079】
回動軸51には、ハーネスクランプ105が回動自在に取り付けられており、回動軸51と光書込ユニット70の間のハーネス104をハーネスクランプ105のクランプ部105aで固定している。動作位置に光書込ユニット70があるとき、図に示すようにハーネス104は、張った状態で光書込ユニット70とコントローラ103とを接続しているが、光書込ユニット70が待避位置あるときは、ハーネス104が弛んでしまう。このようにハーネス104が弛んだ状態から光書込ユニット70を回動させて動作位置に移動させるとき、ハーネス104が、装置内の部材に引っ掛かって、光書込ユニット70を後側板120側に引っ張るおそれがある。光書込ユニット70がハーネス104により引っ張られると、動作位置において、係合部71eが回動軸51に当接するおそれがある。
しかし、本プリンタでは、ハーネスクランプ105によって、回動軸51と光書込ユニット70の間のハーネス104を固定している。これにより、回動位置にあるとき、少なくとも、クランプ部105aと光書込ユニット70間のハーネス104は、弛まないので、待避位置から動作位置へ光書込ユニット70を回転させても、この間のハーネス104は、装置内の他の部材に引っ掛かることがない。よって、ハーネス104が、光書込ユニット70を後側板側へ引っ張ることがない。一方、クランプ部105aからコントローラ103までのハーネス104は、待避位置にあるとき、弛んで、光書込ユニット70を動作位置へ回動させるときに、ハーネス104が他の部材に引っ掛かったとしてもハーネス104による引っ張る力は、クランプ部105aで阻止され、光書込ユニット70におよぶことがない。よって、動作位置において、光書込ユニット70が、後側板側へ引っ張られて、係合部71eが回動軸51に当接してしまうのを防止することができる。
【0080】
以上、本実施形態の画像形成装置たるプリンタによれば、潜像を担持する潜像担持体たる感光体2と、感光体上に潜像を書き込む潜像書込手段たる光書込ユニット70と、光書込ユニット70を保持しながら装置本体に設けられた回動軸51を中心に、感光体表面に潜像を書き込むための書込動作を光書込ユニット70が行う動作位置と書込動作を光書込ユニット70が行わない待避位置との間を回動可能な保持体たる保持フレーム130とを備えている。そして、動作位置に保持フレーム130があるとき、光書込ユニット70を装置本体に対して3点で支持するとともに、光書込ユニット70と回動軸51とを非接触にした。
このように構成することで、4点で支持するものに比べて、位置精度を出す箇所を削減することができ、安価に製造することが可能となる。また、動作位置において、回動軸51と接触しないので、回動軸51の振動が直接光書込ユニット70に伝達するのを防止することができ、振動による色ずれやバンディングなどの異常画像を抑制することができる。
【0081】
また、動作位置に保持フレーム130があるとき、装置本体の感光体2の一端を支持する第1支持板たる左側板80と、感光体2の他端を支持する第2支持板たる右側板90と、左側板80および右側板90と直交する直交板たる後側板120とで、光書込ユニット70を支持した。右側板90と左側板80とで光書込ユニット70を支持することで、前後方向に延びる仮想軸を中心とした回転方向の位置決めを行うことができ、後側板120で光書込ユニット70を支持することで、左右方向に延びる仮想軸を中心とした回転方向の位置決めを行うことができる。これにより、光書込ユニット70を鉛直方向に精度よく位置決めすることができる。
【0082】
また、左側板80と右側板90とに、光書込ユニット70の左側板80または右側板90に対して平行方向の位置決めをする第1位置決め手段を設けた。これにより、光書込ユニット70を、後側板120に対して直交する方向(前後方向)に位置決めをすることができる。
【0083】
また、動作位置にあるとき、左側板80または右側板90に光書込ユニット70を寄せて、光書込ユニット70の左側板80または右側板80に対して直交する方向の位置決めをする第2位置決め手段を設けた。これにより、光書込ユニットを、左側板80または右側板90に対して直交する方向(左右方向)に位置決めをすることができる。
【0084】
特に、第2位置決め手段を、感光体2を回転駆動するための駆動源たる感光体モータが支持されている支持板である左側板80に光書込ユニット70を寄せて、光書込ユニット70を位置決めするよう構成するとよい。これは、感光体2を備えたプロセスユニットは、駆動ギヤとの連結が外れないように、感光体モータが支持されている支持板である左側板80側に寄せて、位置決めされている。よって、光書込ユニット70をプロセスユニットが寄せられている方向と同方向の感光体モータが支持されている左側板側80に寄せて位置決めすることで、感光体と光書込ユニット70との左側板80または右側板90に対して直交方向(左右方向)のズレをなくすことができるからである。
【0085】
また、少なくとも、待避位置において、回動軸51に係合する係合部71eを設けるとともに、後側板120の上方、かつ、鉛直投影形状の一部が後側板120と重なるよう回動軸51を配置した。このように構成することで、係合部71eと支持突起71bと近接配置することができ、光書込ユニット70が傾いて支持されたときにおける係合部71eの鉛直方向の位置変動を抑えることができる。これにより、係合部71eの切欠き部と回動軸51とのがたが小さくても、光書込ユニット70が傾いて支持されたときに動作位置において係合部71eと回転軸51とを非接触にすることができる。これにより、少なくとも、光書込ユニット70が待避位置にあるときに保持フレーム内で光書込ユニットががたつくのを抑制することができる。
【0086】
また、変形例1のプリンタによれば、回動軸51の係合部当接箇所または係合部71eの回動軸当接箇所たる切欠き部に弾性部材77cを設けることにより、動作位置から回動位置への回動時に、係合部71eの切欠き部が回動軸51に突き当たったときの衝撃を緩和することができる。これにより、光書込ユニット70の破損を抑制することができる。
【0087】
また、変形例2のプリンタによれば、後側板120に支持される光書込ユニット70の支持部たる支持突起71bを、光書込ユニット70のケーシングとは別の部品で構成することで、支持突起71bをケーシング71と一体物としたものに比べて、支持突起71bの高さ調整を容易に行うことができ、支持突起71bをケーシング71と一体物としたものに比べて、歩留まりを高めることができる。
【0088】
また、支持突起71bを、光書込ユニット70のケーシング71と別材料で構成することで、支持突起71bが後側板120と摺動したときに、後側板120が支持突起71bによって削られてしまうのを抑制することができる。これにより、後側板120の支持突起71bを支持する部分が凹んで位置決め精度が低下するのを抑制することができる。
【0089】
特に、支持突起71bを摺動性の良い材料で構成することで、後側板120と良好に摺動して、後側板120の磨耗を抑制することができ、位置決め精度の低下をさらに抑制することができる。
【0090】
また、変形例4のプリンタによれば、後側板120に光書込ユニット70を制御する制御装置たるコントローラ103を収納する収納部を設けたことで、コントローラ103を収納する収納ケースを無くすことができ、部品点数を削減することができる。
【0091】
また、光書込ユニット70とコントローラ103とを電気的に接続するハーネス104の一部を、回動軸51に回動可能に取り付けたハーネス保持部材たるハーネスクランプ105に固定することによって、待避位置のときに、ハーネスクランプ105と光書込ユニット70との間のハーネス104の弛みを抑制することができる。これにより、待避位置から動作位置へ光書込ユニット70を回動させた際に、ハーネス104が装置内の他の部品に引っ掛かって、光書込ユニット70を後側板側へ引っ張るのを抑制することができる。その結果、動作位置において、光書込ユニット70が回転軸51と接触するのを防止することができる。
【0092】
また、変形例3のプリンタによれば、後側板120に嵌合するための嵌合ピン84、94を左側板80および右側板90にそれぞれ一箇所設け、左側板80の嵌合ピン84の設置面からの高さと、右側板90の嵌合ピン94の設置面からの高さとを同じにしている。これにより、外力などがプリンタの左右方向から加わった場合、右側板90と左側板80とを、同方向、同角度に回動させることができ、回動軸51と係合部71eの切欠き部とを平行に保つことができる。よって、回動軸51が係合部71eの切欠き部に対して傾くものに比べて、回動軸51と係合部71eの切欠き部との間のクリアランスを狭めることができ、光書込ユニット回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたつくのを抑制することができる。
【0093】
また、係合部71eの回動軸係合箇所たる切欠き部と平行に、回動軸51を左側板80と右側板90とに架け渡している。これにより、右側板90と左側板80とが傾いたときに、回動軸51が係合部71eに対して、下方へ位置が変動しても、回動軸51を係合部71eの切欠き部に対して傾斜させて支持したものに比べて、回動軸51が係合部71eと接触するのを抑制することができる。これにより、回動軸51を係合部71eの切欠き部に対して傾斜させて支持したものに比べて、回動軸51と係合部71eの切欠き部との間のクリアランスを狭めることができ、光書込ユニット回動時に光書込ユニット70が保持フレーム内でがたつくのを抑制することができる。
【0094】
また、左側板80と右側板90とを樹脂材料で一体成型した一体成型物とすることで、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタの内部構成を示す斜視図。
【図4】光書込ユニットを待避位置に待避させた状態の同内部構成を示す斜視図。
【図5】後側板周辺の要部拡大概略構成図。
【図6】(a)、(b)は、変形例1のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図。
【図7】変形例2のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図。
【図8】変形例3のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図。
【図9】同プリンタ。
【図10】変形例4のプリンタの特徴的な構成点を示した概略構成図。
【図11】従来の画像形成装置の内部構成を示す図。
【図12】従来の画像形成装置のその他の内部構成を示す図。
【符号の説明】
【0096】
1Y,M,C,K:プロセスユニット
2Y,M,C,K:感光体
4K:帯電装置
5K:現像装置
15:転写ユニット
16:中間転写ベルト
34:定着装置
51:回動軸
70:光書込ユニット
71:ケーシング
71a:左側位置決め軸
71b:支持突起
71c:右側位置決め軸
71e:回動軸係合部
72:左保持板
73:右保持板
80:左側板
90:右側板
103:コントローラ
104:ハーネス
120:後側板
130:保持フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、
前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に、前記潜像担持体表面に潜像を書き込むための書込動作を前記潜像書込手段が行う動作位置と前記書込動作を前記潜像書込手段が行わない待避位置との間を回動可能な保持体とを備えた画像形成装置において、
前記動作位置に前記保持体があるとき、前記潜像書込手段を装置本体に対して3点で支持するとともに、前記潜像書込手段と前記回動軸とを非接触にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記動作位置に前記保持体があるとき、前記潜像担持体の一端を支持する第1支持板と、前記潜像担持体の他端を支持する第2支持板と、前記第1支持板および前記第2支持板と直交する直交板とで、前記潜像書込手段を支持したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記第1支持板と前記第2支持板とに、前記潜像書込手段の前記直交板に対して直交する方向の位置決めをする第1位置決め手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3の画像形成装置において、
前記動作位置にあるとき、前記第1支持板または前記第2支持板側に前記潜像書込手段を寄せて、前記潜像書込手段の前記第1支持板または前記第2支持板に対して直交する方向の位置決めをする第2位置決め手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記第1支持板または前記第2支持板は、前記潜像担持体を回転駆動するための駆動源を支持しており、前記駆動源が支持されている支持板側に前記潜像書込手段を寄せて、前記潜像書込手段を位置決めするよう前記第2位置決め手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2乃至5いずれかの画像形成装置において、
前記待避位置において、前記回動軸に係合する係合部を前記潜像書込手段に設けるとともに、
前記直交板の上方、かつ、鉛直投影形状の一部が前記直交板と重なるよう前記回動軸を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
前記回動軸の前記係合部と係合する係合箇所または前記係合部の前記回動軸と係合する係合箇所に弾性部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項2乃至7いずれかの画像形成装置において、
前記直交板に支持される前記潜像書込手段の支持部を、前記潜像書込手段のケーシングとは、別の部品で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
前記直交板に支持される前記潜像書込手段の支持部を、前記潜像書込手段のケーシングと別材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9の画像形成装置において、
前記支持部を、摺動性の良い材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2乃至10いずれかの画像形成装置において、
前記直交板に、前記潜像書込手段を制御する制御装置を収納する収納部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
前記潜像書込手段と前記制御装置とを電気的に接続するハーネスの一部を、前記回動軸に回動可能に取り付けたハーネス保持部材に固定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項2乃至12いずれかの画像形成装置において、
前記直交板に嵌合するための嵌合ピンを前記第1支持板および第2支持板にそれぞれ一箇所設け、前記第1支持板の嵌合ピンの設置面からの高さと、前記第2支持板の嵌合ピンの設置面からの高さとを同じにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13の画像形成装置において、
前記待避位置において、前記回動軸に係合する前記潜像書込手段の係合部の回動軸との係合箇所と平行に、前記第1支持板と前記第2支持板とに前記回動軸を架け渡したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1乃至14いずれかの画像形成装置において、
前記第1支持板と前記第2支持板とを樹脂材料で一体成型した一体成型物としたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−75522(P2009−75522A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246938(P2007−246938)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】