画像形成装置
【課題】定着装置の周囲温度が低い場合でも、転写材の定着を行うときには排気ファンが作動して排気を行うので、転写材から発生した水分を外部に排出することができ、画像形成装置内部における結露を確実に防止することができるようにする。
【解決手段】転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、転写材を搬送する搬送手段と、搬送手段によって転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、制御手段は、温度検出手段の検出結果と搬送検出手段の検出結果とに基づいて、排気ファンの動作条件を切り替える。
【解決手段】転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、転写材を搬送する搬送手段と、搬送手段によって転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、制御手段は、温度検出手段の検出結果と搬送検出手段の検出結果とに基づいて、排気ファンの動作条件を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式のプリンタ、複写機、ファクシミリ機等の画像形成装置においては、感光体等から成る画像形成部で形成されたトナー像は、給紙部から感光体位置に給送されてきた印刷媒体等の転写紙に転写された後、定着装置で転写紙に定着されて、排出されるようになっている。
【0003】
前記定着装置としては、一般に、加熱ローラと加圧ローラとによって構成される熱ローラ定着方式のものが採用されている。該熱ローラ定着方式の定着装置では、加圧ローラが加熱ローラに所定の圧力で押し付けられ、トナー像が転写された転写紙が加熱ローラと加圧ローラとの間を通過する際に、定着温度にまで加熱された加熱ローラからの熱と、加圧ローラからの圧力とを受けることによって、トナー像が転写紙に溶融定着されるようになっている。なお、加熱ローラが備える発熱ヒータには、熱変化を防ぐために熱容量が大きく、消費電力も大きいものが採用されている。
【0004】
また、前記画像形成装置は、定着装置の近傍に配設された冷却用の排気ファンを備えており、該排気ファンによって熱を画像形成装置の筐(きょう)体の外へ放出することにより、定着装置の周辺に配設された部材の温度上昇を抑制する。
【0005】
前記排気ファンの運転は、加熱ローラの発熱ヒータに通電されたと同時に開始されるのが通常であるが、この場合、定着装置の温度が定着可能な温度に上昇する前に排気ファンを駆動することになるので、電力が無駄に消費されることとなる。また、排気ファンの作動による騒音発生時期が必要以上に早くなる。
【0006】
そこで、前記排気ファンを、定着装置近辺の温度が画像を定着させるのに十分な温度に上昇するまで運転しないように制御することによって、画像定着性を向上させるとともに、排気ファンの作動に伴う消費電力を低減し、さらに、騒音発生時間を短縮する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−160178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、定着の際に転写紙を加熱するので、該転写紙が含有する水分が気化し、気化した水分が定着装置周辺の冷たい画像形成装置の筐体に冷やされて結露となってしまうという問題がある。定着装置近辺の温度が画像を定着させるのに十分な温度に上昇するまで排気ファンを運転しないようにしても、結露の問題を解決することができなかった。
【0008】
本発明は、前記従来の画像形成装置における問題点を解決して、定着装置の周囲温度の検出結果と転写材の搬送の検出結果とに基づいて排気ファンの動作条件を切り替えることによって、定着装置の周囲温度が低い場合でも、転写材の定着を行うときには排気ファンが作動して排気を行うので、転写材から発生した水分を外部に排出することができ、画像形成装置内部における結露を確実に防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成装置においては、転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置は、定着装置の周囲温度の検出結果と転写材の搬送の検出結果とに基づいて排気ファンの動作条件を切り替える。これにより、定着装置の周囲温度が低い場合でも、転写材の定着を行うときには排気ファンが作動して排気を行うので、転写材から発生した水分を外部に排出することができ、画像形成装置内部における結露を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す断面図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるファンの位置を示す斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるファンの排気構造を示す上面図である。
【0013】
図において、10は画像形成装置としてのプリンタであり、例えば、モノクロ電子写真式プリンタ、ファクシミリ機、複写機、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよい。なお、本実施の形態においては、前記画像形成装置がいわゆるタンデム方式のカラー電子写真式プリンタである場合について説明する。
【0014】
この場合、プリンタ10は、給紙部11、画像形成部17、定着装置としての定着ユニット14、両面印刷ユニット18及び用紙排出部19を有し、搬送路に沿って搬送される転写材としての用紙上に画像を形成するようになっている。
【0015】
前記給紙部11には、印刷用紙等の用紙を複数枚積層した状態で収納するための給紙カセット31、該給紙カセット31からの用紙の給紙を開始するための給紙ローラ32、印刷開始前に用紙の斜行を矯正するためのレジストローラ33、給紙された用紙の搬送を検出する給紙センサ34、走行する用紙の正確な位置を検出する印刷タイミング用紙センサ28等が配設される。
【0016】
また、前記画像形成部17には、給紙部11から給紙された用紙を画像形成部17内において搬送するための転写搬送ベルト25、及び、現像剤像としてのトナー像を用紙上に形成するための複数の画像形成ユニット13が配設される。
【0017】
本実施の形態においては、プリンタ10がカラー電子写真式プリンタであるので、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色のトナー像を形成するための画像形成ユニット13が4つ配設されている。また、各画像形成ユニット13には、ブラックのトナーを収容するトナーカートリッジ12K、イエローのトナーを収容するトナーカートリッジ12Y、マゼンタのトナーを収容するトナーカートリッジ12M及びシアンのトナーを収容するトナーカートリッジ12Cが、それぞれ、装着されている。なお、トナーカートリッジ12K、12Y、12M及び12Cを統合的に説明する場合には、トナーカートリッジ12として説明する。そして、画像形成ユニット13とトナーカートリッジ12とは分離可能な構造となっている。また、各色に対応する画像形成ユニット13及びトナーカートリッジ12は、収納された現像剤としてのトナー(の色)を除き、同様の構成を有する。
【0018】
各画像形成ユニット13は、周面が光導電性材料で形成された像担持体としての感光体ドラム20と、該感光体ドラム20の表面を帯電させるための帯電手段としての帯電器21と、前記感光体ドラム20上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像器としての現像ローラ22と、前記感光体ドラム20上に残ったトナーを掻(か)き取るためのクリーナ23とを有する。なお、前記帯電器21、現像ローラ22及びクリーナ23は、感光体ドラム20の周囲に順次配設されている。
【0019】
また、画像データに基づいて感光体ドラム20の表面をLED(Light Emitting Diode)等の光によって露光して静電潜像を形成するための露光手段としての印字ヘッド27の各々は、プリンタ10の筐体のカバー29を閉じることにより各画像形成ユニット13に当接する。さらに、感光体ドラム20上に形成されたトナー像を用紙に転写するための転写器24の各々は、転写搬送ベルト25を介して各画像形成ユニット13の感光体ドラム20に当接する。
【0020】
そして、後述される現像モータ43によって感光体ドラム20が回転すると、帯電器21は、電荷付与によって、感光体ドラム20の周面を一様に帯電する。続いて、印字ヘッド27は、印字情報に基づく光書き込みを行い、感光体ドラム20の周面に静電潜像を形成する。そして、現像ローラ22による現像処理によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。このとき、感光体ドラム20の周面に形成されるトナー像の色は、トナーカートリッジ12に収納されたトナーの色である。そして、感光体ドラム20の周面に形成されるトナー像は、感光体ドラム20の矢印方向の回動に伴って転写器24の位置に到達し、感光体ドラム20の直下を矢印で示される方向に移動する用紙に転写される。このようにして、用紙の上面にはブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のトナー像が順次転写され、減法混色に従った色の印刷が行われる。
【0021】
さらに、用紙の搬送方向に関してシアンのトナーカートリッジ12C及び画像形成ユニット13の下流側には、定着ユニット14が配設されている。該定着ユニット14は、用紙上のトナーを加熱する熱ローラ15及び16を備え、用紙が前記熱ローラ15と16との間を挟持搬送される間に、用紙に転写された、例えば、複数色のトナー像が溶融されて用紙に熱定着する。
【0022】
そして、定着ユニット14によってトナー像が定着された用紙は、定着ユニット14から排出されたことが排出センサ35により検知された後、切替板30を介して、両面印刷ユニット18又は用紙排出部19に搬送される。前記両面印刷ユニット18に搬送された用紙は、反転された状態で再び画像形成部17に送られ、反対側の面に印刷が行われる。また、前記用紙排出部19に搬送された用紙は、プリンタ10の筐体外に排出される。
【0023】
なお、定着ユニット14の左側面には、該定着ユニット14の周辺の空気を排気するための排気ファンとしてのファン36が配設されている。そして、図3に示されるように、ファン36の排気口はプリンタ10の左側面に設けられている。また、図4に示されるように、ファン36に対して明確な吸気口はなく、定着ユニット14の周囲の空気を緩やかに排気するようになっている。定着ユニット14が吸気の影響で局部的に温度が低下しないため、このような構造となっている。
【0024】
また、定着ユニット14の周囲の温度検出するための温度検出手段として、温度検出サーミスタ等から成る温度センサ37が、図2に示される位置で、転写搬送ベルト25に当接して配設されており、該転写搬送ベルト25の温度を定着ユニット14の周辺温度として検出する。
【0025】
次に、前記プリンタ10の動作の概要を説明する。
【0026】
まず、給紙部11の給紙ローラ32が回転して、給紙カセット31から用紙を給紙する。給紙された用紙の走行は給紙センサ34によって検出される。そして、前記用紙は、レジストローラ33によって斜行が矯正され、印刷タイミング用紙センサ28によって走行の正確な位置が検出された後に、画像形成ユニット13におけるトナー像の形成のタイミングと同期させられて、転写搬送ベルト25上に送られる。
【0027】
該転写搬送ベルト25によって搬送される用紙は、各転写部、すなわち、各画像形成ユニット13の感光体ドラム20に転写器24が当接する部分を通過する。そして、各転写部において用紙にトナー像が転写される。該トナー像が転写された用紙は、転写搬送ベルト25の移動に従って、矢印に示される方向に移動し、定着ユニット14に送られる。
【0028】
該定着ユニット14を通過することによって、トナー像が用紙に定着する。そして、定着ユニット14からの排出が排出センサ35によって検知された用紙は、切替板30を介して、両面印刷ユニット18又は用紙排出部19に送られる。
【0029】
次に、前記プリンタ10の制御システムについて説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0031】
図において、50は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備える制御手段としての制御部であり、プリンタ10の各部の動作を制御する。そして、転写搬送ベルト25の温度を検出する温度センサ37の出力信号は、制御部50のAD入力として入力され、その電圧値より温度の検出が行われる。
【0032】
また、制御部50には用紙搬送の検出センサである給紙センサ34、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号が入力され、用紙の走行状態が検出される。なお、制御部50は、ファン36の動作を制御するファン駆動制御部51を備え、温度センサ37、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号は、前記ファン駆動制御部51に入力される。そして、該ファン駆動制御部51は、ファン駆動回路41への制御信号を出力する。すると、該ファン駆動回路41は、ファン駆動制御部51からの制御信号に従ってファン36の起動及び停止の制御を行う。
【0033】
なお、プリンタ10は、給紙部11、画像形成ユニット13、転写搬送ベルト25及び定着ユニット14を、それぞれを駆動するモータとして、給紙モータ45、現像モータ43、ベルトモータ44及び定着モータ42を有する。そして、これらモータは、モータ駆動回路部46によって駆動される。制御部50は、給紙センサ34、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号による用紙の走行状態の検出結果に基づき、モータ駆動回路部46を介して、給紙モータ45、現像モータ43、ベルトモータ44及び定着モータ42の動作を制御する。
【0034】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。まず、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0035】
図5は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0036】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。これにより、給紙部11の給紙ローラ32によって給紙カセット31から用紙が給紙され、搬送される。
【0037】
次に、印刷タイミング用紙センサ28によって用紙先端の検出待ちの処理が行われる。すなわち、制御部50は、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の先端を検出しなかった場合には、用紙の先端を検出するまで待機する。また、用紙の先端を検出した場合、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0038】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満の場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が低く、結露が発生する条件であると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。
【0039】
また、温度Tが30〔℃〕以上である場合、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、結露するほどの低い温度ではないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0040】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0041】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0042】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0043】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 用紙搬送を開始する。
ステップS2 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS3に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS3 温度Tの検出を行う。
ステップS4 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS5に進み、温度Tが30〔℃〕未満の場合はステップS7に進む。
ステップS5 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS6に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS7に進む。
ステップS6 ファン36の駆動を停止する。
ステップS7 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS8 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS9に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS9 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS10に進み、最終頁でない場合はステップS3に戻る。
ステップS10 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS11に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS11 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0044】
次に、印刷時以外の、つまり、待機状態でのファン36の制御について説明する。
【0045】
図6は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0046】
プリンタ10の待機時に、制御部50は、一定時間の割り込み処理、すなわち、待機時時間の割り込み処理を実行する。まず、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0047】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させ、処理を終了する。
【0048】
一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、待機状態であるので用紙の定着を行っていないから結露することがないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
【0049】
このような待機時時間の割り込み処理は、プリンタ10の待機時において一定時間毎に繰り返し行われる。そのため、結果として、定着ユニット14の周囲の温度が上昇してきた場合はファン36の駆動が開始され、プリンタ10内部の冷却が行われる。また、定着ユニット14の周囲の温度が低下してきた場合は、排気の必要がないためファン36の駆動が停止される。
【0050】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 温度Tの検出を行う。
ステップS22 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS23に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS24に進む。
ステップS23 ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
ステップS24 ファン36の駆動を開始させ、処理を終了する。
【0051】
次に、ファン36の動作状態の推移について説明する。
【0052】
図7は本発明の第1の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャート、図8は本発明の第1の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【0053】
本実施の形態においては、図7に示されるように、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が、t1のタイミングで、用紙の先端位置を検出する。そして、t1のタイミングを基準としてファン36の駆動が開始される。
【0054】
その後、用紙の搬送状態が排出センサ35で検出され、用紙の先端がt2−n(nは自然数)のタイミングで断続的に検出されるとともに、用紙の後端がt3−nで断続的に検出される。なお、排出センサ35が用紙の後端を検出してから次の用紙の先端を検出するまでの時間がXnである。そして、該Xnが30秒を超えると、制御部50は、次の用紙なし、すなわち、印刷終了と判断し、ファン36の駆動を停止する。
【0055】
また、本実施の形態においては、図8に示されるような条件でファン36の駆動が行われる。例えば、印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態において、温度センサ37によって検出された温度が45〔℃〕を下回る場合は、プリンタ10内部の温度が上昇しないと考えられるので、ファン36の駆動は停止される。
【0056】
また、印刷状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態において、温度センサ37によって検出された温度が30〔℃〕を下回った場合は、定着によって用紙から蒸発した水分が、冷えたプリンタ10の筐体に接触して結露する恐れがあるので、ファン36の駆動が行われる。しかし、温度が45〔℃〕未満、かつ、30〔℃〕以上の場合は、結露の恐れがないと考えられるので、ファン36の駆動が停止される。
【0057】
ただし、待機状態及び印刷状態のいずれにおいても、温度センサ37によって検出された温度が45〔℃〕以上の場合は、プリンタ10内部を冷却するためにファン36の駆動が行われる。
【0058】
このように、本実施の形態においては、定着ユニット14の周囲の温度と用紙の搬送状態とに基づいてファン36の駆動を制御するので、定着ユニット14の周囲の温度が上昇した場合にファン36による排気を行うだけではなく、結露が発生しやすい条件、すなわち、定着ユニット14の周囲の温度が低く、かつ、用紙の定着が行われる条件でも、ファン36による排気を行うため、プリンタ10内部の結露を防ぐことができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0060】
図9は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0061】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図9に示されるように、制御部50の内部に、用紙の定着タイミングを算出するための定着タイミング算出部52を有する。そして、該定着タイミング算出部52からのタイミング情報がファン駆動制御部51に入力される。
【0062】
なお、その他の点の構成においては、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。
【0064】
図10は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0065】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。これにより、給紙部11の給紙ローラ32によって給紙カセット31から用紙が給紙され、搬送される。
【0066】
次に、印刷タイミング用紙センサ28によって用紙先端の検出待ちの処理が行われる。すなわち、制御部50は、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の先端を検出しなかった場合には、用紙の先端を検出するまで待機する。また、用紙の先端を検出した場合、制御部50は、用紙の先端を検出してからの経過時間をカウントし、時間Yが経過したか否かを判断する。そして、時間Yが経過していない場合は時間Yが経過するまで待機する。
【0067】
なお、Yは、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出してから定着ユニット14へ用紙の先端が到達するまでの時間であり、次の式(1)で示される時間である。
Y=(印刷タイミング用紙センサ28から定着ユニット14までの距離)÷用紙搬送速度 ・・・式(1)
また、時間Yが経過した場合、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0068】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満の場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が低く、結露が発生する条件であると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。
【0069】
また、温度Tが30〔℃〕以上である場合、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、結露するほどの低い温度ではないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0070】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0071】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0072】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0073】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 用紙搬送を開始する。
ステップS32 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS33に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS33 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS34に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS34 温度Tの検出を行う。
ステップS35 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS36に進み、温度Tが30〔℃〕未満の場合はステップS38に進む。
ステップS36 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS37に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS38に進む。
ステップS37 ファン36の駆動を停止する。
ステップS38 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS39 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS40に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS40 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS41に進み、最終頁でない場合はステップS34に戻る。
ステップS41 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS42に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS42 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0074】
次に、本実施の形態におけるファン36の動作状態の推移について説明する。
【0075】
図11は本発明の第2の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【0076】
前記第1の実施の形態においては、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が、t1のタイミングで、用紙の先端位置を検出する。そして、t1のタイミングを基準としてファン36の駆動が開始される。
【0077】
これに対し、本実施の形態においては、図11に示されるように、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端位置を検出してから時間Yが経過した後、ファン36の駆動が開始される。すなわち、用紙の先端が、印刷タイミング用紙センサ28によって検出された後に定着ユニット14に到達するタイミングで、ファン36の駆動が開始される。このような駆動タイミングを計算してタイミング処理を行うことが、定着タイミング算出部52の有する機能である。
【0078】
その後、用紙の搬送状態が排出センサ35で検出され、用紙の先端がt2−nのタイミングで断続的に検出されるとともに、用紙の後端がt3−nで断続的に検出される。なお、排出センサ35が用紙の後端を検出してから次の用紙の先端を検出するまでの時間がXnである。そして、該Xnが30秒を超えると、制御部50は、次の用紙なし、すなわち、印刷終了と判断し、ファン36の駆動を停止する。
【0079】
このように、本実施の形態においては、ファン36を駆動することが必要となるタイミングである用紙の定着が開始されるタイミングで、ファン36の駆動を開始させることが可能となる。したがって、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端位置を検出したタイミングでファン36の駆動を開始させる前記第1の実施の形態と比較して、余分な廃熱処理が減り、電力消費量を抑制することができる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0081】
図12は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0082】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図12に示されるように、定着ユニット14の周囲の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ38を有する。そして、該湿度センサ38の湿度を示す出力信号が制御部50のAD入力として入力され、その電圧値より湿度の検出が行われる。なお、前記湿度センサ38の出力信号は、温度センサ37及び排出センサ35の信号並びに定着タイミング算出部52のタイミング情報とともに、ファン駆動制御部51に入力される。
【0083】
なお、その他の点の構成においては、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、ファン36の動作条件について説明する。
【0085】
図13は本発明の第3の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【0086】
本実施の形態においては、図13に示されるような条件でファン36の駆動が行われ、温度センサ37によって検出された温度とともに、湿度センサ38によって検出された湿度に基づいてファン36の駆動を制御する。
【0087】
まず、温度センサ37によって検出された周囲の温度が45〔℃〕以上の場合には、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによらず、かつ、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が行われる。これは、プリンタ10内部の温度上昇が激しいため、冷却する必要があるからである。
【0088】
また、温度センサ37によって検出された周囲の温度が45〔℃〕未満、かつ、30〔℃〕以上の場合は、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによって、かつ、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替え、駆動又は停止とする。例えば、プリンタ10が印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が停止される。一方、プリンタ10が印刷を行っている印刷状態、すなわち、用紙が搬送されている状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替える。具体的には、湿度が50〔%RH〕以上のときにはファン36の駆動が行われ、湿度が50〔%RH〕未満であるときにはファン36の駆動が停止される。これは、湿度が高いときに定着によって用紙に含まれた水分が蒸発する量が増加し、プリンタ10内で結露する可能性があるので、蒸発した水分を排出する必要があるからである。
【0089】
さらに、温度センサ37によって検出された周囲の温度が30〔℃〕未満の場合も、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによって、かつ、湿度センサ38により検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替え、駆動又は停止とする。例えば、プリンタ10が印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が停止される。一方、プリンタ10が印刷を行っている印刷状態、すなわち、用紙が搬送されている状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替える。具体的には、湿度が30〔%RH〕以上のときにはファン36の駆動が行われ、湿度が30〔%RH〕未満であるときにはファン36の駆動が停止される。これは、湿度が高いときに定着によって用紙に含まれた水分が蒸発する量が増加し、プリンタ10内で結露する可能性があるので、蒸発した水分を排出する必要があるからである。なお、検出された周囲の温度が比較的低いので、プリンタ10内で結露する可能性が比較的高いため、湿度が比較的低くても、ファン36の駆動が行われる。なお、1枚目の用紙を印刷する前に一定時間だけファン36の駆動が行われるようにしてもよい。
【0090】
次に、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0091】
図14は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0092】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。なお、用紙搬送を開始してから、温度Tの検出を行うまでの動作、すなわち、図14におけるステップS51〜S54までの動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
温度Tの検出が行われた後、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。
【0094】
ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は低いが、湿度がある程度高いので、結露が発生する条件であると考えられるため、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合には、湿度が低いので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0095】
一方、温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断して、30〔℃〕以上である場合、制御部50は、さらに、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、温度Tが45〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが50〔%RH〕未満であるか否かを判断する。
【0096】
そして、湿度Hが50〔%RH〕未満でない場合、すなわち、50〔%RH〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の湿度が高いので、結露が発生する条件であると考えられるため、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、湿度Hが50〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度もある程度低いので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0097】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0098】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0099】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0100】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 用紙搬送を開始する。
ステップS52 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS53に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS53 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS54に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS54 温度Tの検出を行う。
ステップS55 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS57に進み、温度Tが30〔℃〕未満である場合はステップS56に進む。
ステップS56 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS59に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS57 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS58に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS58 検出された周囲の湿度Hが50〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが50〔%RH〕未満である場合はステップS59に進み、湿度Hが50〔%RH〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS59 ファン36の駆動を停止する。
ステップS60 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS61 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS62に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS62 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS63に進み、最終頁でない場合はステップS54に戻る。
ステップS63 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS64に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS64 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、温度条件に加えて、湿度条件を加味してファン36の制御を行うことができるので、結露が発生しやすい条件を高い精度で規定することが可能となり、プリンタ10内部の結露を確実に防止することができる。
【0102】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0103】
図15は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0104】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図15に示されるように、制御部50の内部に、ファン36の駆動制御のためのPWM(Pulse Width Modulation)信号制御部53を有する。そして、該PWM信号制御部53が出力するPWM信号としてのPWMデューティがファン36に入力される。前記PWMデューティによって、ファン36の駆動速度、すなわち、回転速度の可変コントロールが可能になる。
【0105】
なお、その他の点の構成においては、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0106】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、定着ユニット14周辺の湿度とファン36の回転速度との関係について説明する。
【0107】
図16は本発明の第4の実施の形態における湿度とファンの回転速度との関係を示す図である。図において、横軸に湿度、縦軸にファン36の回転速度を採ってある。
【0108】
前記第1〜第3の実施の形態においては、ファン36の駆動制御は、駆動(ON)及び停止(OFF)の2種類の状態を切り替えるのみであったが、本実施の形態においては、条件によってファン36の回転速度を変化させるようになっている。
【0109】
図16には、湿度センサ38によって検出された湿度に応じてファン36の回転数をいかに変化させるかが示されている。
【0110】
まず、湿度が30〔%RH〕未満の場合には、ファン36の回転速度は0、すなわち、ファン36の駆動を停止してOFFの状態とする。また、湿度が30〔%RH〕以上の場合は、次の式(2)に従ってファン36の回転速度を変化させる。これにより、湿度が高い場合には、ファン36の回転速度を高めて排気量を増やし、湿度が低い場合には、ファン36の回転速度を下げて排気量を少なくすることができる。
回転速度〔%〕=20〔%〕+(検出湿度〔%RH〕−30〔%RH〕)×(80〔%〕÷50〔%RH〕) ・・・式(2)
なお、該式(2)は、湿度30〔%RH〕以上の場合のファン回転速度算出式である。また、ファン36の回転速度の上限は100〔%〕である。
【0111】
次に、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0112】
図17は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0113】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。なお、用紙搬送を開始してから、温度Tの検出を行うまでの動作、すなわち、図17におけるステップS71〜S74までの動作については、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0114】
温度Tの検出が行われた後、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、ファン36による排気量を最大とする必要があるため、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を100〔%〕にする。
【0115】
また、温度Tが45〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は上昇していないが、湿度がある程度高いので、結露が発生する可能性があると考えられるため、制御部50は、湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。すなわち、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hに基づき、前記式(2)に従ってファン36の回転速度を決定する。そして、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を前記式(2)に従って決定した値とする。
【0116】
一方、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度も低いので、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を停止する。
【0117】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0118】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0119】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0120】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS71 用紙搬送を開始する。
ステップS72 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS73に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS73 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS74に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS74 温度Tの検出を行う。
ステップS75 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS77に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS76に進む。
ステップS76 ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。
ステップS77 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS78に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS79に進む。
ステップS78 ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。
ステップS79 湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。
ステップS80 ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。
ステップS81 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS82に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS82 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS83に進み、最終頁でない場合はステップS74に戻る。
ステップS83 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS84に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS84 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0121】
次に、印刷時以外の、つまり、待機状態でのファン36の制御について説明する。
【0122】
図18は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0123】
プリンタ10の待機時に、制御部50は、一定時間の割り込み処理、すなわち、待機時時間の割り込み処理を実行する。まず、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0124】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、ファン36による排気量を最大とする必要があるため、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を100〔%〕にして、処理を終了する。
【0125】
また、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は上昇していないが、湿度がある程度高いので、結露が発生する可能性があると考えられるため、制御部50は、湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。すなわち、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hに基づき、前記式(2)に従ってファン36の回転速度を決定する。そして、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を前記式(2)に従って決定した値として、処理を終了する。
【0126】
一方、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度も低いので、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
【0127】
このような待機時時間の割り込み処理は、プリンタ10の待機時において一定時間毎に繰り返し行われる。そのため、結果として、定着ユニット14の周囲の温度又は湿度が上昇してきた場合はファン36の駆動が開始され、プリンタ10内部からの排気が行われる。また、定着ユニット14の周囲の温度又は湿度が低下してきた場合は、排気の必要がないためファン36の減速又は停止が行われる。
【0128】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS91 温度Tの検出を行う。
ステップS92 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS94に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS93に進む。
ステップS93 ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とし、処理を終了する。
ステップS94 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS95に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS96に進む。
ステップS95 ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とし、処理を終了する。
ステップS96 湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。
ステップS97 ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とし、処理を終了する。
【0129】
このように、本実施の形態においては、温度条件に加えて、湿度条件を加味してファン36の回転速度の制御、すなわち、風量の制御を行うことができるので、結露が発生しやすい条件で効率よくファン36を駆動することが可能となり、プリンタ10内部の結露を確実に防止することができるとともに、電力消費を抑制し、騒音を低減することができる。
【0130】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、画像形成装置がプリンタ10、特に、タンデム方式のプリンタ10である例について説明したが、本発明は、MFP(Multi Function Printer)、ファクシミリ機、複写装置等の他の画像形成装置にも同様に適用することができる。
【0131】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるファンの位置を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるファンの排気構造を示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態における湿度とファンの回転速度との関係を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
10 プリンタ
14 定着ユニット
36 ファン
37 温度センサ
38 湿度センサ
50 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式のプリンタ、複写機、ファクシミリ機等の画像形成装置においては、感光体等から成る画像形成部で形成されたトナー像は、給紙部から感光体位置に給送されてきた印刷媒体等の転写紙に転写された後、定着装置で転写紙に定着されて、排出されるようになっている。
【0003】
前記定着装置としては、一般に、加熱ローラと加圧ローラとによって構成される熱ローラ定着方式のものが採用されている。該熱ローラ定着方式の定着装置では、加圧ローラが加熱ローラに所定の圧力で押し付けられ、トナー像が転写された転写紙が加熱ローラと加圧ローラとの間を通過する際に、定着温度にまで加熱された加熱ローラからの熱と、加圧ローラからの圧力とを受けることによって、トナー像が転写紙に溶融定着されるようになっている。なお、加熱ローラが備える発熱ヒータには、熱変化を防ぐために熱容量が大きく、消費電力も大きいものが採用されている。
【0004】
また、前記画像形成装置は、定着装置の近傍に配設された冷却用の排気ファンを備えており、該排気ファンによって熱を画像形成装置の筐(きょう)体の外へ放出することにより、定着装置の周辺に配設された部材の温度上昇を抑制する。
【0005】
前記排気ファンの運転は、加熱ローラの発熱ヒータに通電されたと同時に開始されるのが通常であるが、この場合、定着装置の温度が定着可能な温度に上昇する前に排気ファンを駆動することになるので、電力が無駄に消費されることとなる。また、排気ファンの作動による騒音発生時期が必要以上に早くなる。
【0006】
そこで、前記排気ファンを、定着装置近辺の温度が画像を定着させるのに十分な温度に上昇するまで運転しないように制御することによって、画像定着性を向上させるとともに、排気ファンの作動に伴う消費電力を低減し、さらに、騒音発生時間を短縮する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−160178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、定着の際に転写紙を加熱するので、該転写紙が含有する水分が気化し、気化した水分が定着装置周辺の冷たい画像形成装置の筐体に冷やされて結露となってしまうという問題がある。定着装置近辺の温度が画像を定着させるのに十分な温度に上昇するまで排気ファンを運転しないようにしても、結露の問題を解決することができなかった。
【0008】
本発明は、前記従来の画像形成装置における問題点を解決して、定着装置の周囲温度の検出結果と転写材の搬送の検出結果とに基づいて排気ファンの動作条件を切り替えることによって、定着装置の周囲温度が低い場合でも、転写材の定着を行うときには排気ファンが作動して排気を行うので、転写材から発生した水分を外部に排出することができ、画像形成装置内部における結露を確実に防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成装置においては、転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置は、定着装置の周囲温度の検出結果と転写材の搬送の検出結果とに基づいて排気ファンの動作条件を切り替える。これにより、定着装置の周囲温度が低い場合でも、転写材の定着を行うときには排気ファンが作動して排気を行うので、転写材から発生した水分を外部に排出することができ、画像形成装置内部における結露を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す断面図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるファンの位置を示す斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるファンの排気構造を示す上面図である。
【0013】
図において、10は画像形成装置としてのプリンタであり、例えば、モノクロ電子写真式プリンタ、ファクシミリ機、複写機、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよい。なお、本実施の形態においては、前記画像形成装置がいわゆるタンデム方式のカラー電子写真式プリンタである場合について説明する。
【0014】
この場合、プリンタ10は、給紙部11、画像形成部17、定着装置としての定着ユニット14、両面印刷ユニット18及び用紙排出部19を有し、搬送路に沿って搬送される転写材としての用紙上に画像を形成するようになっている。
【0015】
前記給紙部11には、印刷用紙等の用紙を複数枚積層した状態で収納するための給紙カセット31、該給紙カセット31からの用紙の給紙を開始するための給紙ローラ32、印刷開始前に用紙の斜行を矯正するためのレジストローラ33、給紙された用紙の搬送を検出する給紙センサ34、走行する用紙の正確な位置を検出する印刷タイミング用紙センサ28等が配設される。
【0016】
また、前記画像形成部17には、給紙部11から給紙された用紙を画像形成部17内において搬送するための転写搬送ベルト25、及び、現像剤像としてのトナー像を用紙上に形成するための複数の画像形成ユニット13が配設される。
【0017】
本実施の形態においては、プリンタ10がカラー電子写真式プリンタであるので、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色のトナー像を形成するための画像形成ユニット13が4つ配設されている。また、各画像形成ユニット13には、ブラックのトナーを収容するトナーカートリッジ12K、イエローのトナーを収容するトナーカートリッジ12Y、マゼンタのトナーを収容するトナーカートリッジ12M及びシアンのトナーを収容するトナーカートリッジ12Cが、それぞれ、装着されている。なお、トナーカートリッジ12K、12Y、12M及び12Cを統合的に説明する場合には、トナーカートリッジ12として説明する。そして、画像形成ユニット13とトナーカートリッジ12とは分離可能な構造となっている。また、各色に対応する画像形成ユニット13及びトナーカートリッジ12は、収納された現像剤としてのトナー(の色)を除き、同様の構成を有する。
【0018】
各画像形成ユニット13は、周面が光導電性材料で形成された像担持体としての感光体ドラム20と、該感光体ドラム20の表面を帯電させるための帯電手段としての帯電器21と、前記感光体ドラム20上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像器としての現像ローラ22と、前記感光体ドラム20上に残ったトナーを掻(か)き取るためのクリーナ23とを有する。なお、前記帯電器21、現像ローラ22及びクリーナ23は、感光体ドラム20の周囲に順次配設されている。
【0019】
また、画像データに基づいて感光体ドラム20の表面をLED(Light Emitting Diode)等の光によって露光して静電潜像を形成するための露光手段としての印字ヘッド27の各々は、プリンタ10の筐体のカバー29を閉じることにより各画像形成ユニット13に当接する。さらに、感光体ドラム20上に形成されたトナー像を用紙に転写するための転写器24の各々は、転写搬送ベルト25を介して各画像形成ユニット13の感光体ドラム20に当接する。
【0020】
そして、後述される現像モータ43によって感光体ドラム20が回転すると、帯電器21は、電荷付与によって、感光体ドラム20の周面を一様に帯電する。続いて、印字ヘッド27は、印字情報に基づく光書き込みを行い、感光体ドラム20の周面に静電潜像を形成する。そして、現像ローラ22による現像処理によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。このとき、感光体ドラム20の周面に形成されるトナー像の色は、トナーカートリッジ12に収納されたトナーの色である。そして、感光体ドラム20の周面に形成されるトナー像は、感光体ドラム20の矢印方向の回動に伴って転写器24の位置に到達し、感光体ドラム20の直下を矢印で示される方向に移動する用紙に転写される。このようにして、用紙の上面にはブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のトナー像が順次転写され、減法混色に従った色の印刷が行われる。
【0021】
さらに、用紙の搬送方向に関してシアンのトナーカートリッジ12C及び画像形成ユニット13の下流側には、定着ユニット14が配設されている。該定着ユニット14は、用紙上のトナーを加熱する熱ローラ15及び16を備え、用紙が前記熱ローラ15と16との間を挟持搬送される間に、用紙に転写された、例えば、複数色のトナー像が溶融されて用紙に熱定着する。
【0022】
そして、定着ユニット14によってトナー像が定着された用紙は、定着ユニット14から排出されたことが排出センサ35により検知された後、切替板30を介して、両面印刷ユニット18又は用紙排出部19に搬送される。前記両面印刷ユニット18に搬送された用紙は、反転された状態で再び画像形成部17に送られ、反対側の面に印刷が行われる。また、前記用紙排出部19に搬送された用紙は、プリンタ10の筐体外に排出される。
【0023】
なお、定着ユニット14の左側面には、該定着ユニット14の周辺の空気を排気するための排気ファンとしてのファン36が配設されている。そして、図3に示されるように、ファン36の排気口はプリンタ10の左側面に設けられている。また、図4に示されるように、ファン36に対して明確な吸気口はなく、定着ユニット14の周囲の空気を緩やかに排気するようになっている。定着ユニット14が吸気の影響で局部的に温度が低下しないため、このような構造となっている。
【0024】
また、定着ユニット14の周囲の温度検出するための温度検出手段として、温度検出サーミスタ等から成る温度センサ37が、図2に示される位置で、転写搬送ベルト25に当接して配設されており、該転写搬送ベルト25の温度を定着ユニット14の周辺温度として検出する。
【0025】
次に、前記プリンタ10の動作の概要を説明する。
【0026】
まず、給紙部11の給紙ローラ32が回転して、給紙カセット31から用紙を給紙する。給紙された用紙の走行は給紙センサ34によって検出される。そして、前記用紙は、レジストローラ33によって斜行が矯正され、印刷タイミング用紙センサ28によって走行の正確な位置が検出された後に、画像形成ユニット13におけるトナー像の形成のタイミングと同期させられて、転写搬送ベルト25上に送られる。
【0027】
該転写搬送ベルト25によって搬送される用紙は、各転写部、すなわち、各画像形成ユニット13の感光体ドラム20に転写器24が当接する部分を通過する。そして、各転写部において用紙にトナー像が転写される。該トナー像が転写された用紙は、転写搬送ベルト25の移動に従って、矢印に示される方向に移動し、定着ユニット14に送られる。
【0028】
該定着ユニット14を通過することによって、トナー像が用紙に定着する。そして、定着ユニット14からの排出が排出センサ35によって検知された用紙は、切替板30を介して、両面印刷ユニット18又は用紙排出部19に送られる。
【0029】
次に、前記プリンタ10の制御システムについて説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0031】
図において、50は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備える制御手段としての制御部であり、プリンタ10の各部の動作を制御する。そして、転写搬送ベルト25の温度を検出する温度センサ37の出力信号は、制御部50のAD入力として入力され、その電圧値より温度の検出が行われる。
【0032】
また、制御部50には用紙搬送の検出センサである給紙センサ34、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号が入力され、用紙の走行状態が検出される。なお、制御部50は、ファン36の動作を制御するファン駆動制御部51を備え、温度センサ37、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号は、前記ファン駆動制御部51に入力される。そして、該ファン駆動制御部51は、ファン駆動回路41への制御信号を出力する。すると、該ファン駆動回路41は、ファン駆動制御部51からの制御信号に従ってファン36の起動及び停止の制御を行う。
【0033】
なお、プリンタ10は、給紙部11、画像形成ユニット13、転写搬送ベルト25及び定着ユニット14を、それぞれを駆動するモータとして、給紙モータ45、現像モータ43、ベルトモータ44及び定着モータ42を有する。そして、これらモータは、モータ駆動回路部46によって駆動される。制御部50は、給紙センサ34、印刷タイミング用紙センサ28及び排出センサ35の出力信号による用紙の走行状態の検出結果に基づき、モータ駆動回路部46を介して、給紙モータ45、現像モータ43、ベルトモータ44及び定着モータ42の動作を制御する。
【0034】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。まず、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0035】
図5は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0036】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。これにより、給紙部11の給紙ローラ32によって給紙カセット31から用紙が給紙され、搬送される。
【0037】
次に、印刷タイミング用紙センサ28によって用紙先端の検出待ちの処理が行われる。すなわち、制御部50は、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の先端を検出しなかった場合には、用紙の先端を検出するまで待機する。また、用紙の先端を検出した場合、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0038】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満の場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が低く、結露が発生する条件であると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。
【0039】
また、温度Tが30〔℃〕以上である場合、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、結露するほどの低い温度ではないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0040】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0041】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0042】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0043】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 用紙搬送を開始する。
ステップS2 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS3に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS3 温度Tの検出を行う。
ステップS4 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS5に進み、温度Tが30〔℃〕未満の場合はステップS7に進む。
ステップS5 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS6に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS7に進む。
ステップS6 ファン36の駆動を停止する。
ステップS7 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS8 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS9に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS9 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS10に進み、最終頁でない場合はステップS3に戻る。
ステップS10 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS11に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS11 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0044】
次に、印刷時以外の、つまり、待機状態でのファン36の制御について説明する。
【0045】
図6は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0046】
プリンタ10の待機時に、制御部50は、一定時間の割り込み処理、すなわち、待機時時間の割り込み処理を実行する。まず、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0047】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させ、処理を終了する。
【0048】
一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、待機状態であるので用紙の定着を行っていないから結露することがないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
【0049】
このような待機時時間の割り込み処理は、プリンタ10の待機時において一定時間毎に繰り返し行われる。そのため、結果として、定着ユニット14の周囲の温度が上昇してきた場合はファン36の駆動が開始され、プリンタ10内部の冷却が行われる。また、定着ユニット14の周囲の温度が低下してきた場合は、排気の必要がないためファン36の駆動が停止される。
【0050】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 温度Tの検出を行う。
ステップS22 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS23に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS24に進む。
ステップS23 ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
ステップS24 ファン36の駆動を開始させ、処理を終了する。
【0051】
次に、ファン36の動作状態の推移について説明する。
【0052】
図7は本発明の第1の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャート、図8は本発明の第1の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【0053】
本実施の形態においては、図7に示されるように、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が、t1のタイミングで、用紙の先端位置を検出する。そして、t1のタイミングを基準としてファン36の駆動が開始される。
【0054】
その後、用紙の搬送状態が排出センサ35で検出され、用紙の先端がt2−n(nは自然数)のタイミングで断続的に検出されるとともに、用紙の後端がt3−nで断続的に検出される。なお、排出センサ35が用紙の後端を検出してから次の用紙の先端を検出するまでの時間がXnである。そして、該Xnが30秒を超えると、制御部50は、次の用紙なし、すなわち、印刷終了と判断し、ファン36の駆動を停止する。
【0055】
また、本実施の形態においては、図8に示されるような条件でファン36の駆動が行われる。例えば、印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態において、温度センサ37によって検出された温度が45〔℃〕を下回る場合は、プリンタ10内部の温度が上昇しないと考えられるので、ファン36の駆動は停止される。
【0056】
また、印刷状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態において、温度センサ37によって検出された温度が30〔℃〕を下回った場合は、定着によって用紙から蒸発した水分が、冷えたプリンタ10の筐体に接触して結露する恐れがあるので、ファン36の駆動が行われる。しかし、温度が45〔℃〕未満、かつ、30〔℃〕以上の場合は、結露の恐れがないと考えられるので、ファン36の駆動が停止される。
【0057】
ただし、待機状態及び印刷状態のいずれにおいても、温度センサ37によって検出された温度が45〔℃〕以上の場合は、プリンタ10内部を冷却するためにファン36の駆動が行われる。
【0058】
このように、本実施の形態においては、定着ユニット14の周囲の温度と用紙の搬送状態とに基づいてファン36の駆動を制御するので、定着ユニット14の周囲の温度が上昇した場合にファン36による排気を行うだけではなく、結露が発生しやすい条件、すなわち、定着ユニット14の周囲の温度が低く、かつ、用紙の定着が行われる条件でも、ファン36による排気を行うため、プリンタ10内部の結露を防ぐことができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0060】
図9は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0061】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図9に示されるように、制御部50の内部に、用紙の定着タイミングを算出するための定着タイミング算出部52を有する。そして、該定着タイミング算出部52からのタイミング情報がファン駆動制御部51に入力される。
【0062】
なお、その他の点の構成においては、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。
【0064】
図10は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0065】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。これにより、給紙部11の給紙ローラ32によって給紙カセット31から用紙が給紙され、搬送される。
【0066】
次に、印刷タイミング用紙センサ28によって用紙先端の検出待ちの処理が行われる。すなわち、制御部50は、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の先端を検出しなかった場合には、用紙の先端を検出するまで待機する。また、用紙の先端を検出した場合、制御部50は、用紙の先端を検出してからの経過時間をカウントし、時間Yが経過したか否かを判断する。そして、時間Yが経過していない場合は時間Yが経過するまで待機する。
【0067】
なお、Yは、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出してから定着ユニット14へ用紙の先端が到達するまでの時間であり、次の式(1)で示される時間である。
Y=(印刷タイミング用紙センサ28から定着ユニット14までの距離)÷用紙搬送速度 ・・・式(1)
また、時間Yが経過した場合、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0068】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満の場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が低く、結露が発生する条件であると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。
【0069】
また、温度Tが30〔℃〕以上である場合、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。一方、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、結露するほどの低い温度ではないと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0070】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0071】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0072】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0073】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 用紙搬送を開始する。
ステップS32 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS33に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS33 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS34に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS34 温度Tの検出を行う。
ステップS35 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS36に進み、温度Tが30〔℃〕未満の場合はステップS38に進む。
ステップS36 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS37に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS38に進む。
ステップS37 ファン36の駆動を停止する。
ステップS38 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS39 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS40に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS40 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS41に進み、最終頁でない場合はステップS34に戻る。
ステップS41 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS42に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS42 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0074】
次に、本実施の形態におけるファン36の動作状態の推移について説明する。
【0075】
図11は本発明の第2の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【0076】
前記第1の実施の形態においては、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が、t1のタイミングで、用紙の先端位置を検出する。そして、t1のタイミングを基準としてファン36の駆動が開始される。
【0077】
これに対し、本実施の形態においては、図11に示されるように、印刷処理が開始され、用紙の搬送が行われると、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端位置を検出してから時間Yが経過した後、ファン36の駆動が開始される。すなわち、用紙の先端が、印刷タイミング用紙センサ28によって検出された後に定着ユニット14に到達するタイミングで、ファン36の駆動が開始される。このような駆動タイミングを計算してタイミング処理を行うことが、定着タイミング算出部52の有する機能である。
【0078】
その後、用紙の搬送状態が排出センサ35で検出され、用紙の先端がt2−nのタイミングで断続的に検出されるとともに、用紙の後端がt3−nで断続的に検出される。なお、排出センサ35が用紙の後端を検出してから次の用紙の先端を検出するまでの時間がXnである。そして、該Xnが30秒を超えると、制御部50は、次の用紙なし、すなわち、印刷終了と判断し、ファン36の駆動を停止する。
【0079】
このように、本実施の形態においては、ファン36を駆動することが必要となるタイミングである用紙の定着が開始されるタイミングで、ファン36の駆動を開始させることが可能となる。したがって、印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端位置を検出したタイミングでファン36の駆動を開始させる前記第1の実施の形態と比較して、余分な廃熱処理が減り、電力消費量を抑制することができる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0081】
図12は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0082】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図12に示されるように、定着ユニット14の周囲の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ38を有する。そして、該湿度センサ38の湿度を示す出力信号が制御部50のAD入力として入力され、その電圧値より湿度の検出が行われる。なお、前記湿度センサ38の出力信号は、温度センサ37及び排出センサ35の信号並びに定着タイミング算出部52のタイミング情報とともに、ファン駆動制御部51に入力される。
【0083】
なお、その他の点の構成においては、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、ファン36の動作条件について説明する。
【0085】
図13は本発明の第3の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【0086】
本実施の形態においては、図13に示されるような条件でファン36の駆動が行われ、温度センサ37によって検出された温度とともに、湿度センサ38によって検出された湿度に基づいてファン36の駆動を制御する。
【0087】
まず、温度センサ37によって検出された周囲の温度が45〔℃〕以上の場合には、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによらず、かつ、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が行われる。これは、プリンタ10内部の温度上昇が激しいため、冷却する必要があるからである。
【0088】
また、温度センサ37によって検出された周囲の温度が45〔℃〕未満、かつ、30〔℃〕以上の場合は、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによって、かつ、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替え、駆動又は停止とする。例えば、プリンタ10が印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が停止される。一方、プリンタ10が印刷を行っている印刷状態、すなわち、用紙が搬送されている状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替える。具体的には、湿度が50〔%RH〕以上のときにはファン36の駆動が行われ、湿度が50〔%RH〕未満であるときにはファン36の駆動が停止される。これは、湿度が高いときに定着によって用紙に含まれた水分が蒸発する量が増加し、プリンタ10内で結露する可能性があるので、蒸発した水分を排出する必要があるからである。
【0089】
さらに、温度センサ37によって検出された周囲の温度が30〔℃〕未満の場合も、プリンタ10の動作状態が印刷状態又は待機状態であるかによって、かつ、湿度センサ38により検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替え、駆動又は停止とする。例えば、プリンタ10が印刷を行っていない待機状態、すなわち、用紙が搬送されていない状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によらず、ファン36の駆動が停止される。一方、プリンタ10が印刷を行っている印刷状態、すなわち、用紙が搬送されている状態においては、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度によって、ファン36の動作を切り替える。具体的には、湿度が30〔%RH〕以上のときにはファン36の駆動が行われ、湿度が30〔%RH〕未満であるときにはファン36の駆動が停止される。これは、湿度が高いときに定着によって用紙に含まれた水分が蒸発する量が増加し、プリンタ10内で結露する可能性があるので、蒸発した水分を排出する必要があるからである。なお、検出された周囲の温度が比較的低いので、プリンタ10内で結露する可能性が比較的高いため、湿度が比較的低くても、ファン36の駆動が行われる。なお、1枚目の用紙を印刷する前に一定時間だけファン36の駆動が行われるようにしてもよい。
【0090】
次に、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0091】
図14は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0092】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。なお、用紙搬送を開始してから、温度Tの検出を行うまでの動作、すなわち、図14におけるステップS51〜S54までの動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
温度Tの検出が行われた後、制御部50は、検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。そして、温度Tが30〔℃〕以上でない場合、すなわち、30〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。
【0094】
ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は低いが、湿度がある程度高いので、結露が発生する条件であると考えられるため、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合には、湿度が低いので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0095】
一方、温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断して、30〔℃〕以上である場合、制御部50は、さらに、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、温度Tが45〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが50〔%RH〕未満であるか否かを判断する。
【0096】
そして、湿度Hが50〔%RH〕未満でない場合、すなわち、50〔%RH〕以上である場合は、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の湿度が高いので、結露が発生する条件であると考えられるため、制御部50は、ファン36の駆動を開始させる。また、湿度Hが50〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度もある程度低いので、制御部50は、ファン36の駆動を停止する。
【0097】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0098】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0099】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0100】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 用紙搬送を開始する。
ステップS52 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS53に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS53 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS54に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS54 温度Tの検出を行う。
ステップS55 検出した温度Tが30〔℃〕以上であるか否かを判断する。温度Tが30〔℃〕以上である場合はステップS57に進み、温度Tが30〔℃〕未満である場合はステップS56に進む。
ステップS56 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS59に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS57 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS58に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS58 検出された周囲の湿度Hが50〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが50〔%RH〕未満である場合はステップS59に進み、湿度Hが50〔%RH〕以上である場合はステップS60に進む。
ステップS59 ファン36の駆動を停止する。
ステップS60 ファン36の駆動を開始させる。
ステップS61 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS62に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS62 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS63に進み、最終頁でない場合はステップS54に戻る。
ステップS63 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS64に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS64 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、温度条件に加えて、湿度条件を加味してファン36の制御を行うことができるので、結露が発生しやすい条件を高い精度で規定することが可能となり、プリンタ10内部の結露を確実に防止することができる。
【0102】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0103】
図15は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0104】
本実施の形態におけるプリンタ10は、図15に示されるように、制御部50の内部に、ファン36の駆動制御のためのPWM(Pulse Width Modulation)信号制御部53を有する。そして、該PWM信号制御部53が出力するPWM信号としてのPWMデューティがファン36に入力される。前記PWMデューティによって、ファン36の駆動速度、すなわち、回転速度の可変コントロールが可能になる。
【0105】
なお、その他の点の構成においては、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0106】
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の動作について説明する。まず、定着ユニット14周辺の湿度とファン36の回転速度との関係について説明する。
【0107】
図16は本発明の第4の実施の形態における湿度とファンの回転速度との関係を示す図である。図において、横軸に湿度、縦軸にファン36の回転速度を採ってある。
【0108】
前記第1〜第3の実施の形態においては、ファン36の駆動制御は、駆動(ON)及び停止(OFF)の2種類の状態を切り替えるのみであったが、本実施の形態においては、条件によってファン36の回転速度を変化させるようになっている。
【0109】
図16には、湿度センサ38によって検出された湿度に応じてファン36の回転数をいかに変化させるかが示されている。
【0110】
まず、湿度が30〔%RH〕未満の場合には、ファン36の回転速度は0、すなわち、ファン36の駆動を停止してOFFの状態とする。また、湿度が30〔%RH〕以上の場合は、次の式(2)に従ってファン36の回転速度を変化させる。これにより、湿度が高い場合には、ファン36の回転速度を高めて排気量を増やし、湿度が低い場合には、ファン36の回転速度を下げて排気量を少なくすることができる。
回転速度〔%〕=20〔%〕+(検出湿度〔%RH〕−30〔%RH〕)×(80〔%〕÷50〔%RH〕) ・・・式(2)
なお、該式(2)は、湿度30〔%RH〕以上の場合のファン回転速度算出式である。また、ファン36の回転速度の上限は100〔%〕である。
【0111】
次に、印刷時のファン36の制御について説明する。
【0112】
図17は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0113】
まず、印刷処理が開始されると、プリンタ10は、用紙搬送を開始する。なお、用紙搬送を開始してから、温度Tの検出を行うまでの動作、すなわち、図17におけるステップS71〜S74までの動作については、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0114】
温度Tの検出が行われた後、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、ファン36による排気量を最大とする必要があるため、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を100〔%〕にする。
【0115】
また、温度Tが45〔℃〕未満である場合、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は上昇していないが、湿度がある程度高いので、結露が発生する可能性があると考えられるため、制御部50は、湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。すなわち、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hに基づき、前記式(2)に従ってファン36の回転速度を決定する。そして、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を前記式(2)に従って決定した値とする。
【0116】
一方、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度も低いので、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を停止する。
【0117】
次に、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。そして、用紙の後端を検出しなかった場合には、用紙の後端を検出するまで待機する。また、用紙の後端を検出した場合、制御部50は、印刷の最終頁であるか否かを判断する。そして、最終頁でない場合は、再度、温度Tの検出を行い、以降の動作を繰り返す。
【0118】
また、最終頁である場合、制御部50は、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。そして、30秒を超えていない場合は、30秒を超えるまで待機する。すなわち、排出センサ35が用紙の後端を検出してから30秒の時間遅延を作る。
【0119】
そして、排出センサ35が用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えると、用紙の排出が完了し、また、定着ユニット14周辺の排気が十分に行われたと考えられるので、制御部50は、ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0120】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS71 用紙搬送を開始する。
ステップS72 印刷タイミング用紙センサ28が用紙の先端を検出したか否かを判断する。用紙の先端を検出した場合はステップS73に進み、用紙の先端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS73 時間Yが経過したか否かを判断する。時間Yが経過した場合はステップS74に進み、時間Yが経過していない場合はそのまま待機する。
ステップS74 温度Tの検出を行う。
ステップS75 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS77に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS76に進む。
ステップS76 ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。
ステップS77 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS78に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS79に進む。
ステップS78 ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。
ステップS79 湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。
ステップS80 ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。
ステップS81 排出センサ35が用紙の後端を検出したか否かを判断する。用紙の後端を検出した場合はステップS82に進み、用紙の後端を検出しなかった場合はそのまま待機する。
ステップS82 印刷の最終頁であるか否かを判断する。最終頁である場合はステップS83に進み、最終頁でない場合はステップS74に戻る。
ステップS83 用紙の後端を検出してからの時間が30秒を超えたか否かを判断する。30秒を超えた場合はステップS84に進み、30秒を超えていない場合はそのまま待機する。
ステップS84 ファン36の駆動を停止して、処理を終了する。
【0121】
次に、印刷時以外の、つまり、待機状態でのファン36の制御について説明する。
【0122】
図18は本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0123】
プリンタ10の待機時に、制御部50は、一定時間の割り込み処理、すなわち、待機時時間の割り込み処理を実行する。まず、制御部50は、温度センサ37の出力信号の電圧から温度Tの検出を行う。
【0124】
続いて、制御部50は、検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。そして、温度Tが45〔℃〕未満でない場合、すなわち、45〔℃〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇していると考えられるので、ファン36による排気量を最大とする必要があるため、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を100〔%〕にして、処理を終了する。
【0125】
また、温度Tが45〔℃〕未満である場合は、制御部50は、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。ここで、湿度Hが30〔%RH〕未満でない場合、すなわち、30〔%RH〕以上である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度は上昇していないが、湿度がある程度高いので、結露が発生する可能性があると考えられるため、制御部50は、湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。すなわち、湿度センサ38によって検出された周囲の湿度Hに基づき、前記式(2)に従ってファン36の回転速度を決定する。そして、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を行い、その回転速度を前記式(2)に従って決定した値として、処理を終了する。
【0126】
一方、湿度Hが30〔%RH〕未満である場合、プリンタ10内における定着ユニット14の周囲の温度が上昇しておらず、かつ、湿度も低いので、制御部50は、ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とする。すなわち、ファン36の駆動を停止し、処理を終了する。
【0127】
このような待機時時間の割り込み処理は、プリンタ10の待機時において一定時間毎に繰り返し行われる。そのため、結果として、定着ユニット14の周囲の温度又は湿度が上昇してきた場合はファン36の駆動が開始され、プリンタ10内部からの排気が行われる。また、定着ユニット14の周囲の温度又は湿度が低下してきた場合は、排気の必要がないためファン36の減速又は停止が行われる。
【0128】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS91 温度Tの検出を行う。
ステップS92 検出した温度Tが45〔℃〕未満であるか否かを判断する。温度Tが45〔℃〕未満である場合はステップS94に進み、温度Tが45〔℃〕以上である場合はステップS93に進む。
ステップS93 ファン36の回転数制御PWM=100〔%〕出力とし、処理を終了する。
ステップS94 検出された周囲の湿度Hが30〔%RH〕未満であるか否かを判断する。湿度Hが30〔%RH〕未満である場合はステップS95に進み、湿度Hが30〔%RH〕以上である場合はステップS96に進む。
ステップS95 ファン36の回転数制御PWM=0〔%〕出力とし、処理を終了する。
ステップS96 湿度より回転数制御PWMデューティ値Dの算出を行う。
ステップS97 ファン36の回転数制御PWM=D〔%〕出力とし、処理を終了する。
【0129】
このように、本実施の形態においては、温度条件に加えて、湿度条件を加味してファン36の回転速度の制御、すなわち、風量の制御を行うことができるので、結露が発生しやすい条件で効率よくファン36を駆動することが可能となり、プリンタ10内部の結露を確実に防止することができるとともに、電力消費を抑制し、騒音を低減することができる。
【0130】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、画像形成装置がプリンタ10、特に、タンデム方式のプリンタ10である例について説明したが、本発明は、MFP(Multi Function Printer)、ファクシミリ機、複写装置等の他の画像形成装置にも同様に適用することができる。
【0131】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるファンの位置を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるファンの排気構造を示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における印刷状態でのファンの駆動処理を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるファンの動作条件を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態における湿度とファンの回転速度との関係を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の印刷時のファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の待機状態でのファンの制御処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
10 プリンタ
14 定着ユニット
36 ファン
37 温度センサ
38 湿度センサ
50 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材が定着中であるか否かを判別する判別手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記判別手段の判別結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中か否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記湿度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記定着装置の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中か否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記湿度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項1】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中であるか否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記転写材が定着中であるか否かを判別する判別手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記判別手段の判別結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中か否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記湿度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
(a)転写材の表面に転写された現像剤像を加熱溶融して定着する定着装置と、排気ファンとを有する画像形成装置であって、
(b)前記定着装置の周囲の温度を検出する温度検出手段と、前記定着装置の周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、前記転写材を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記転写材が搬送中か否かを検出する搬送検出手段と、前記排気ファンの動作を制御する制御手段とを有し、
(c)該制御手段は、前記温度検出手段の検出結果と前記湿度検出手段の検出結果と前記搬送検出手段の検出結果とに基づいて、前記排気ファンの動作条件を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否かである請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記排気ファンの動作条件は、前記排気ファンを停止するか否か及び前記排気ファンの回転速度である請求項8に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−122332(P2010−122332A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294017(P2008−294017)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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