説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の利用可能性が低くなるのを防止することができるようにする。
【解決手段】消耗品の残量を検出する消耗品残量検出部52と、消耗品の残量に基づいて、残量で印刷が可能な媒体の印刷可能長を検出する印刷可能長検出部54と、印刷データによって要求される媒体の要求印刷長が前記印刷可能長より大きいかどうかを判断する印刷長判断処理手段と、前記要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷を行う印刷処理手段とを有する。消耗品の残量が少なくなると、要求印刷長が印刷可能長より大きいかどうかが判断され、要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷が行われるので、画像形成装置の利用可能性が低くなるのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタはホストコンピュータと接続され、操作者がホストコンピュータを操作して印刷を行おうとすると、ホストコンピュータは、プリンタの消耗品の状態、例えば、トナーカートリッジに収容されたトナーの残量、すなわち、トナー残量を読み込み、印刷枚数、及びトナー残量に基づいて、印刷を行うことが可能であるかどうかを判断し、印刷を行うことが可能である場合、プリンタに印刷指示を送り、印刷を行うことが不可能である場合、その旨を操作者に通知するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−162900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、印刷を行うことが不可能であると判断されると、印刷を行うことが不可能になり、プリンタの利用可能性が低くなってしまう。
【0004】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像形成装置の利用可能性が低くなるのを防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の画像形成装置においては、消耗品の残量を検出する消耗品残量検出部と、前記消耗品の残量に基づいて、該残量で印刷が可能な媒体の印刷可能長を検出する印刷可能長検出部と、印刷データによって要求される媒体の要求印刷長が前記印刷可能長より大きいかどうかを判断する印刷長判断処理手段と、前記要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷を行う印刷処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像形成装置においては、消耗品の残量を検出する消耗品残量検出部と、前記消耗品の残量に基づいて、該残量で印刷が可能な媒体の印刷可能長を検出する印刷可能長検出部と、印刷データによって要求される媒体の要求印刷長が前記印刷可能長より大きいかどうかを判断する印刷長判断処理手段と、前記要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷を行う印刷処理手段とを有する。
【0007】
この場合、消耗品の残量が少なくなると、要求印刷長が印刷可能長より大きいかどうかが判断され、要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷が行われるので、画像形成装置の利用可能性が低くなるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタについて説明する。
【0009】
図2は本発明の第1の実施の形態における媒体給紙機構の概念図である。
【0010】
図において、10はプリンタであり、該プリンタ10はプリンタ本体11、該プリンタ本体11に媒体としての連続紙Pを供給する媒体給紙機構12、及びプリンタ本体11と媒体給紙機構12とを接続する信号線としての通信ケーブル45を備える。
【0011】
前記プリンタ本体11は、連続紙Pの搬送方向に沿って、連続紙Pが給紙されたことを検出する給紙検出部としての給紙センサ13、連続紙Pのスキューを矯正するための第1のレジスト媒体搬送部としてのレジストローラ対14、連続紙Pの前端が到達したことを検出する書出検出部としての書出センサ15、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成する画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17C、該各画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cの下方に配設され、各色のトナー像を順次連続紙Pに転写し、カラーのトナー像を形成する転写ユニットu1、前記各画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cに対応させて配設された露光装置としてのLEDヘッド32Bk、32Y、32M、32C、連続紙Pの弛みを検出する弛み検出部としての弛みセンサ16、カラーのトナー像を連続紙Pに定着させる定着装置としての定着器21、該定着器21から排出された連続紙Pを検出する排出検出部としての排出センサ22、媒体移動検出部としての媒体移動センサ23等を備える。前記プリンタ本体11の上面には、操作者からの指示を受けたり、プリンタ10の状態を表示したりする操作部としての、かつ、表示部としてのオペレーションパネル24が配設される。
【0012】
前記媒体給紙機構12は、連続紙Pを収容する連続紙格納部42、連続紙Pをカットする切断装置としての連続紙カッタ44、及び第2のレジスト媒体搬送部としてのレジストローラ対43を備える。
【0013】
前記各画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cは、該各画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、内部に現像剤としてのトナーを収容する消耗品としての、かつ、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ40を備える。画像形成ユニット本体とトナーカートリッジ40との間には、該トナーカートリッジ40から画像形成ユニット本体に供給されるトナーを検出するために、現像剤検出部としてのトナーセンサ38が配設される。なお、前記トナーカートリッジ40は、印刷が停止させられている間に、プリンタの図示されないトップカバーを開放して交換することができるようになっている。
【0014】
前記画像形成ユニット本体は、筐体としてのハウジング部39内に、像担持体としての感光体ドラム30、帯電装置としての帯電ローラ31、現像剤担持体としての現像ローラ33、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ34、クリーニング部材としてのクリーニングブレード36、廃現像剤収容部としての廃現像剤ボックス37等を備える。前記LEDヘッド32Bk、32Y、32M、32Cは各感光体ドラム30と対向させて配設される。
【0015】
また、前記転写ユニットu1は、駆動回転体としての駆動ローラr1、従動回転体としての従動ローラr2、駆動ローラr1と従動ローラr2とによって張設され、駆動ローラr1が回転させられるのに伴って走行させられる第1の転写部材としての転写ベルト18、及び該転写ベルト18を介して前記各感光体ドラム30と対向させて配設された第2の転写部材としての転写ローラ35Bk、35Y、35M、35Cを備える。
【0016】
そして、前記定着器21は、第1のローラとしての定着ローラ21a、及び所定の付勢力で該定着ローラ21aに押し付けられる第2のローラとしてのバックアップローラ21bを備える。
【0017】
次に、前記プリンタ10の制御装置について説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態における制御装置を示すブロック図である。
【0019】
図において、51は画像データの処理を行う画像処理部、52は消耗品の残量、本実施の形態においては、トナーカートリッジ40内のトナーの残量、すなわち、トナー残量を検出する消耗品残量検出部、53は該消耗品残量検出部52によって検出されたトナー残量を判断する消耗品残量判断部、54はトナー残量のトナーを使用して印刷を行ったときの印刷が可能な連続紙Pの長さ、すなわち、印刷可能長を検出する印刷可能長検出部、55は実際に印刷を行う場合の印刷長、すなわち、実印刷長を決定する実印刷長決定部、56はプリンタ10の全体の制御を行う第1の制御部としての中央制御部、24はオペレーションパネル、58は媒体給紙機構12、レジストローラ対14、画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17C、転写ユニットu1、LEDヘッド32Bk、32Y、32M、32C、定着器21、媒体移動センサ23等の機構部分の制御を行う第2の制御部としてのメカ制御部である。
【0020】
該メカ制御部58は、第1の搬送用の駆動部としての第1レジストモータ駆動部59に指示を送り、図示されない第1のレジストモータを駆動し、レジストローラ対14を回転させ、第2の搬送用の駆動部としての第2レジストモータ駆動部60に指示を送り、図示されない第2のレジストモータを駆動し、レジストローラ対43を回転させ、画像形成用の駆動部としてのドラムモータ駆動部61に指示を送り、図示されないドラムモータを駆動し、感光体ドラム30を回転させ、第3の搬送用の駆動部としてのベルトモータ駆動部62に指示を送り、図示されないベルトモータを駆動し、駆動ローラr1を回転させることによって転写ベルト18を走行させ、定着用の駆動部としての定着モータ駆動部63に指示を送り、図示されない定着モータを駆動し、定着ローラ21aを回転させ、第3の制御部としてのプロセス制御部64に指示を送り、画像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17C、転写ユニットu1、LEDヘッド32Bk、32Y、32M、32C等の制御を行う。
【0021】
次に、前記プリンタ10の動作について説明する。
【0022】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量と印刷可能長の関係を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における第1の印刷イメージ図、図7は本発明の第1の実施の形態における第2の印刷イメージ図、図8は本発明の第1の実施の形態における第3の印刷イメージ図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第1の図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第2の図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第3の図、図12は本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第4の図である。
【0023】
まず、プリンタ10が上位装置としてのホストコンピュータから印刷データを受信すると、画像処理部51は、印刷データを解析し、画像データを作成するとともに、印刷デューティ、及び印刷を行うに当たり、印刷データによって要求される媒体の長さ、すなわち、要求印刷長のデータを読み込む。なお、前記印刷デューティは、単位イメージ領域における総ドット数に対する、実際にトナーが付着するドット数の割合を表す。
【0024】
また、消耗品残量検出部52が各色のトナー残量を検出すると、消耗品残量判断部53はトナーカートリッジ40内にどの程度のトナーが残っているかを百分率で表すトナー残量のデータを読み込む。
【0025】
次に、印刷可能長検出部54はトナー残量に基づいて印刷可能長を検出し、実印刷長決定部55は前記画像処理部51から印刷デューティ及び要求印刷長を読み込み、前記印刷可能長検出部54から印刷可能長を読み込み、実印刷長を決定する。
【0026】
ここで、実印刷長の決定方法について説明する。
【0027】
前記印刷可能長検出部54は、図5に示されるようなトナー残量と印刷可能長との関係を示すテーブルを有する。該テーブルは、基準の印刷条件で作成され、A4判のサイズの用紙において5〔%デューティ〕で15000枚の印刷を行うことができるトナー残量が想定されている。A4判のサイズの用紙の長手方向の長さは297〔mm〕であるので、15000枚分の長さに換算すると4500〔m〕になる。
【0028】
例えば、トナー残量が100〔%〕(トナーカートリッジ40がフル状態)である場合に、15〔%デューティ〕で印刷を行う際の印刷可能長は、
4500〔m〕÷(15〔%〕/5〔%〕)=1500〔m〕 ……(1)
になる。
【0029】
ところで、実印刷長決定部55の図示されない印刷長判断処理手段は、印刷長判断処理を行い、画像処理部51から要求印刷長のデータを、印刷可能長検出部54から印刷可能長を読み込み、要求印刷長が印刷可能長より大きいかどうかを判断する。要求印刷長が印刷可能長以下である場合、無条件に印刷可能となるので、中央制御部56の図示されない印刷処理手段は、印刷処理を行い、通常の印刷、すなわち、通常印刷を行う。
【0030】
これに対して、要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、実印刷長決定部55の図示されない印刷パターン判断処理手段は、印刷パターン判断処理を行い、印刷データによって印刷されるパターン、すなわち、印刷パターンが図6に示されるような繰返パターンであるかどうかを判断する。なお、図6において、印刷パターンは、各長さがαの10個の連続する同じ画像から成るイメージimage1〜イメージimage10を有するので、繰返パターンである。
【0031】
前記印刷パターン判断処理手段は、印刷データ内にコピー系コマンドがあるかどうか、及びコピー数が2以上であるかどうかによって、繰返パターンであるかどうかを判断する。
【0032】
印刷パターンが繰返パターンでない場合は、印刷を継続することができないので、中央制御部56の図示されない警報処理手段は、警報処理を行い、オペレーションパネル24に消耗品交換アラームを表示し、操作者にトナーカートリッジ40を交換するか、又は印刷をキャンセルするかを選択させる。そして、前記トナーカートリッジ40が交換されると、前記印刷処理手段は、通常印刷を行う。また、印刷がキャンセルされた場合は、印刷ジョブをキャンセルし、処理を終了する。
【0033】
そして、印刷パターンが繰返パターンである場合、実印刷長決定部55の図示されない部分印刷可能長算出処理手段は、部分印刷可能長算出処理を行い、印刷パターンにおいて部分的に印刷を行うことができる範囲、すなわち、部分印刷可能範囲の長さを表す部分印刷可能長を算出する。例えば、画像処理部51から読み込んだ印刷パターンが、各長さαが0.1〔m〕の10個の連続するイメージimage1〜イメージimage10を有し、印刷デューティが15〔%〕であり、印刷可能長検出部54のテーブルにおける印刷可能長が5〔%デューティ〕で2.1〔m〕である場合、前記印刷パターンの部分印刷可能長は、
2.1〔m〕÷(15〔%〕/5〔%〕)=0.7〔m〕 ……(2)
になる。
【0034】
そして、長さαが0.1〔m〕であるので、部分印刷可能長を長さαで除算することにより、
0.7〔m〕/0.1〔m〕=7 ……(3)
になり、トナー残量による部分印刷可能長は、図7に示されるように、7個のイメージimage1〜イメージimage7を含む。すなわち、図8に示されるように、イメージimage1〜イメージimage7について、印刷パターンの一部分の印刷、すなわち、部分印刷を行うことができる。なお、部分印刷可能長を長さαによって除算した値が整数にならない場合、除算した値の整数の部分によってイメージの数が決められる。
【0035】
なお、イメージimage7とイメージimage8との間の点は、印刷が停止させらされる印刷停止点を表し、前記部分印刷可能長算出処理手段は、前記部分印刷可能長及び長さαに基づいて印刷停止点を算出する。
【0036】
続いて、前記実印刷長決定部55は、部分印刷可能長算出処理の算出データを中央制御部56に送り、該中央制御部56の図示されない表示処理手段は、算出データを受信すると、オペレーションパネル24に表示し、該オペレーションパネル24における操作者の指示を待機する。
【0037】
すなわち、前記表示処理手段は、図9に示されるように、印刷可能長検出部54のテーブルにおける部分印刷可能長が5〔%デューティ〕で2.1〔m〕であることを表示し、図10に示されるように、イメージimage1〜イメージimage10の要求印刷長が1.0〔m〕であるのに対して部分印刷可能長が0.7〔m〕である旨を表示する。
【0038】
次に、操作者は、前記オペレーションパネル24における部分印刷可能長の表示に基づいて、部分印刷を許可するかどうかを決め、オペレーションパネル24を操作して、図示されない許可キー又は不許可キーを押下する。
【0039】
そして、不許可キーが押下されると、前記印刷処理手段は、部分印刷が許可されないと判断し、前記印刷データによって表される印刷ジョブをキャンセルし、処理を終了する。
【0040】
また、許可キーが押下されると、前記印刷処理手段は、部分印刷が許可されたと判断し、メカ制御部58に部分印刷可能長の印刷を開始するように指示を送る。そして、前記メカ制御部58は、第1レジストモータ駆動部59、第2レジストモータ駆動部60、ドラムモータ駆動部61、ベルトモータ駆動部62、定着モータ駆動部63、及びプロセス制御部64にそれぞれ指示を送り、イメージimage1〜イメージimage7の部分印刷を実行する。
【0041】
続いて、部分印刷が終了すると、中央制御部56の図示されない排出処理手段は、排出処理を行い、連続紙Pを連続紙カッター44でカットして一旦プリンタ10外に排出する。
【0042】
そして、前記中央制御部56の図示されない停止処理手段は、停止処理を行い、メカ制御部58にプリンタ10の運転を停止させるように指示を送る。そして、前記メカ制御部58は、第1レジストモータ駆動部59、第2レジストモータ駆動部60、ドラムモータ駆動部61、ベルトモータ駆動部62、定着モータ駆動部63、及びプロセス制御部64を停止させることによってプリンタ10の運転を停止させ、続いて、前記警報処理手段は、図11に示されるように、オペレーションパネル24に消耗品交換アラームを表示し、操作者にトナーカートリッジ40を交換するのを促す。
【0043】
続いて、操作者がトナーカートリッジ40を交換すると、画像形成ユニット本体に配設された図示されない現像剤収容部検出部としてのトナーカートリッジセンサが、トナーカートリッジ40が交換されたことを検出する。そして、前記印刷処理手段は、メカ制御部58に残りの印刷、すなわち、残印刷を開始するように指示を送る。そして、前記メカ制御部58は、第1レジストモータ駆動部59、第2レジストモータ駆動部60、ドラムモータ駆動部61、ベルトモータ駆動部62、定着モータ駆動部63、及びプロセス制御部64にそれぞれ指示を送り、イメージimage8〜イメージimage10の部分について残印刷を開始する。
【0044】
そして、前記表示処理手段は、図12に示されるように、イメージimage1〜イメージimage10の要求印刷長が1.0〔m〕であるのに対して残印刷の印刷が0.3〔m〕である旨を表示する。
【0045】
続いて、残印刷が終了すると、前記印刷処理手段は、印刷処理を終了する。
【0046】
このように、本実施の形態においては、トナー残量が少なくなり、ホストコンピュータによって要求された要求印刷長が印刷可能長より大きくなった場合、印刷パターンのうちの一部分について、部分印刷を行うことができるので、プリンタ10の利用可能性が低くなるのを防止することができる。
【0047】
また、カラーのプリンタ10の場合、各トナーカートリッジ40のうちの一つにおいてトナー残量が少なくなり、要求印刷長が印刷可能長より大きくなっても、カラーの印刷を継続することができる。
【0048】
次にフローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷データを受信する。
ステップS2 印刷デューティ及び要求印刷長のデータを読み込む。
ステップS3 トナーカートリッジ残量データを読み込む。
ステップS4 要求印刷長が印刷可能長より大きいかどうかを判断する。要求印刷長が印刷可能長より大きい場合はステップS5に、小さい場合はステップS15に進む。
ステップS5 繰返パターンであるかどうか判断する。繰返パターンである場合はステップS6に、繰返パターンでない場合はステップS16に進む。
ステップS6 印刷可能長を算出する。
ステップS7 印刷可能長を表示する。
ステップS8 部分印刷が許可されたかどうか判断する。部分印刷が許可された場合はステップS9に、許可されなかった場合は印刷を終了する。
ステップS9 部分印刷を開始する。
ステップS10 部分印刷が終了したかどうかを判断する。部分印刷が終了した場合はステップS11に進み、終了していない場合はステップS10に戻る。
ステップS11 トナーカートリッジ交換アラームを表示する。
ステップS12 交換が終了したかどうかを判断する。交換が終了した場合はステップS13に進み、終了していない場合はステップS12に戻る。
ステップS13 残印刷を開始する。
ステップS14 残印刷が終了したかどうかを判断する。残印刷が終了した場合は印刷を終了し、終了していない場合はステップS14に戻る。
ステップS15 通常印刷を行う。
ステップS16 トナーカートリッジ交換アラームを表示する。
ステップS17 トナーカートリッジを交換又は印刷をキャンセルするかどうか判断する。トナーカートリッジを交換する場合はステップS15に進み、印刷をキャンセルする場合は印刷を終了する。
【0049】
本実施の形態においては、部分印刷可能長のイメージimage1〜イメージimage7について部分印刷が行われると、連続紙Pがカットされて一旦プリンタ10外に排出されるようになっているが、前記連続紙Pをカットすることなく、プリンタ10内に残したまま、プリンタ10の運転を停止させ、トナーカートリッジ40の交換を促すことができる。
【0050】
次に、連続紙Pをプリンタ10内に残したまま、トナーカートリッジ40を交換することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0051】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図14は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図15は本発明の第2の実施の形態における印刷イメージ図である。
【0052】
この場合、前述されたように、操作者によって、部分印刷の許可キーが押下されると、前記印刷処理手段は、部分印刷が許可されたと判断し、第2の制御部としてのメカ制御部58に部分印刷可能長の印刷を開始するように指示を送る。そして、前記メカ制御部58は、第1の搬送用の駆動部としての第1レジストモータ駆動部59、第2の搬送用の駆動部としての第2レジストモータ駆動部60、画像形成用の駆動部としてのドラムモータ駆動部61、第3の搬送用の駆動部としてのベルトモータ駆動部62、定着用の駆動部としての定着モータ駆動部63、及び第3の制御部としてのプロセス制御部64にそれぞれ指示を送り、イメージimage1〜イメージimage7の部分印刷を実行する。
【0053】
続いて、部分印刷が終了すると、第1の制御部としての中央制御部56の前記停止処理手段は、メカ制御部58にプリンタ10の運転を停止させるように指示を送る。そして、前記メカ制御部58は、第1レジストモータ駆動部59、第2レジストモータ駆動部60、ドラムモータ駆動部61、ベルトモータ駆動部62、定着モータ駆動部63、及びプロセス制御部64を停止させることによってプリンタ10の運転を停止させる。その結果、媒体としての連続紙Pはカットされることなく、プリンタ10内に残されたまま、該プリンタ10の運転が停止させられる。
【0054】
続いて、前記警報処理手段は、図11に示されるように、操作部としての、かつ、表示部としてのオペレーションパネル24に消耗品交換アラームを表示し、操作者に現像剤収容部としてのトナーカートリッジ40を交換するのを促す。
【0055】
次に、操作者がトナーカートリッジ40を交換すると、画像形成ユニット本体に配設された現像剤収容部検出部としての前記トナーカートリッジセンサが、トナーカートリッジ40が交換されたことを検出する。そして、前記印刷処理手段は、メカ制御部58に残印刷を開始するように指示を送る。前記メカ制御部58は、第1レジストモータ駆動部59、第2レジストモータ駆動部60、ドラムモータ駆動部61、ベルトモータ駆動部62、定着モータ駆動部63、及びプロセス制御部64にそれぞれ指示を送り、イメージimage8〜イメージimage10の部分について残印刷を開始する。
【0056】
続いて、前記ベルトモータ駆動部62は、ベルトモータに配設された回転速度センサとしての図示されないエンコーダによって検出された回転速度を読み込み、該回転速度に基づいて連続紙Pの搬送速度を算出する。前記印刷処理手段は、連続紙Pの搬送速度を読み込み、搬送速度が閾値に到達したかどうかを判断し、搬送速度が閾値に到達すると、残印刷の現像を開始する。
【0057】
この場合、部分印刷が終了されると、前記ベルトモータが停止させられるので、連続紙Pの搬送が停止させられるが、残印刷が開始され、搬送速度が閾値に到達するまで、現像が行われないので、図15に示されるように、イメージimage7とイメージimage8との間に空間領域が形成される。
【0058】
本実施の形態においては、部分印刷が終了したときに連続紙Pが排出されず、プリンタ10内に残されるので、残印刷が開始されるときに、再び連続紙Pを給紙したり、排出した後に、リワインダをプリンタ10の本体に取り付けたりする必要がなくなる。したがって、プリンタ10の操作性及び利用可能性を向上させることができる。
【0059】
次にフローチャートについて説明する。
ステップS21 印刷データを受信する。
ステップS22 印刷デューティ及び要求印刷長のデータを読み込む。
ステップS23 トナーカートリッジ残量データを読み込む。
ステップS24 要求印刷長が印刷可能長より大きいかどうかを判断する。要求印刷長が印刷可能長より大きい場合はステップS25に、小さい場合はステップS38に進む。
ステップS25 繰返パターンであるかどうか判断する。繰返パターンである場合はステップS26に、繰返パターンでない場合はステップS39に進む。
ステップS26 印刷可能長を算出する。
ステップS27 印刷可能長を表示する。
ステップS28 部分印刷が許可されたかどうか判断する。部分印刷が許可された場合はステップS29に、許可されなかった場合は印刷を終了する。
ステップS29 部分印刷を開始する。
ステップS30 部分印刷が終了したかどうかを判断する。部分印刷が終了した場合はステップS31に進み、終了していない場合はステップS30に戻る。
ステップS31 プリンタの運転が停止される。
ステップS32 トナーカートリッジ交換アラームを表示する。
ステップS33 交換が終了したかどうかを判断する。交換が終了した場合はステップS34に進み、終了していない場合はステップS33に戻る。
ステップS34 残印刷を開始する。
ステップS35 連続紙の搬送速度が閾値に到達したかどうかを判断する。連続紙の搬送速度が閾値に到達した場合はステップS36に進み、到達していない場合はステップS35に戻る。
ステップS36 残印刷の現像を開始する。
ステップS37 残印刷が終了したかどうかを判断する。残印刷が終了した場合は印刷を終了し、終了していない場合はステップS37に戻る。
ステップS38 通常印刷を行う。
ステップS39 トナーカートリッジ交換アラームを表示する。
ステップS40 トナーカートリッジを交換又は印刷をキャンセルするかどうか判断する。トナーカートリッジを交換する場合はステップS38に進み、印刷をキャンセルする場合は印刷を終了する。
【0060】
前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0061】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態における制御装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における媒体給紙機構の概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量と印刷可能長の関係を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における第1の印刷イメージ図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第2の印刷イメージ図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における第3の印刷イメージ図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第1の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第2の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第3の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるオペレーションパネルの表示状態を示す第4の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態における印刷イメージ図である。
【符号の説明】
【0063】
10 プリンタ
40 トナーカートリッジ
52 消耗品残量検出部
54 印刷可能長検出部
P 連続紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)消耗品の残量を検出する消耗品残量検出部と、
(b)前記消耗品の残量に基づいて、該残量で印刷が可能な媒体の印刷可能長を検出する印刷可能長検出部と、
(c)印刷データによって要求される媒体の要求印刷長が前記印刷可能長より大きいかどうかを判断する印刷長判断処理手段と、
(d)前記要求印刷長が印刷可能長より大きい場合、部分印刷を行う印刷処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)前記印刷データによって印刷される印刷パターンが繰返パターンであるかどうかを判断する印刷パターン判断処理手段と、
(b)前記印刷パターンが繰返パターンである場合、前記消耗品の残量で印刷が可能な媒体の部分印刷可能長を算出する部分印刷可能長算出処理手段とを有するとともに、
(c)前記印刷処理手段は、前記部分印刷可能長分の部分印刷を行う請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記部分印刷可能長算出処理手段は、前記部分印刷可能長に基づいて印刷停止点を算出する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記部分印刷可能長算出処理手段は、前記部分印刷可能長をイメージの長さで除算することによって前記印刷停止点を算出する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷停止点で連続媒体をカットし、画像形成装置外に排出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷処理手段は、前記部分印刷が終了すると連続媒体をカットする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷処理手段は、前記部分印刷が終了すると連続媒体をカットすることなく、残印刷を行う請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−145864(P2010−145864A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324663(P2008−324663)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】