説明

画像形成装置

【課題】原稿押え部材の開放による上カバー部材のロック時に操作部を固定しないことにより強度の確保等を軽減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成部が内蔵された装置本体の上面を覆い、かつ、回動により開閉される上カバー部材と、上カバー部材を介して装置本体に支持された画像読取装置30とを有し、上カバー部材が画像読取装置30を支持した状態で開閉される画像形成装置において、上カバー部材の閉状態に保持して開放を阻止するカバーロック手段60と、カバーロック手段60を解除して上カバー部材の開放を可能にするロック解除装置40とを備え、ロック解除装置40は、ロック解除時に操作する押しボタン42と、ロック解除を規制する解除規定手段とを有し、解除規定手段は解除規制時に押しボタン42を空操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、またはこれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像記録部を有する装置本体の上面とある間隔をあけて画像読取装置を付設した装置はよく知られており、所謂胴内排紙型の画像形成装置である。この種の画像形成装置において、メンテナンスや消耗品等の交換のために画像形成部内部にアクセスできるように、画像読取装置を支持している装置本体の上カバー部材が上方へ回動可能に取り付けられている装置も公知である。かかる画像形成装置では、操作部を設けている側を装置の正面とした場合、上カバー部材は装置の後ろ側、すなわち奥側に設けた回動軸を中心に回動し、装置の正面側が開くことがメンテナンス等の作業を行う上で都合がよい。このように構成すると、画像読取装置の原稿押え部材であるプラテンカバーも作業性の観点から奥側に設けた回動軸を中心に回動するため、上カバー部材とプラテンカバーが同方向に回動することになる。
【0003】
このような構成された画像形成装置では、画像読取装置に設けられたプラテンカバーが開放しているときに上カバー部材を開けてしまうと、プラテンカバーが大きく開いて自重で落下してしまったり、周囲の物等にぶつかってしまったりとおそれがある。
【0004】
【特許文献1】特許第3644376号公報
【0005】
そこで、特許文献1にはロック手段によって上カバー部材とプラテンカバーとが同時に開くことがないように構成した画像形成装置が記載されている。
かかる画像形成装置では、プラテンカバーがロック及びロック解除の切り替えをハンドル操作で行うため、切り替え忘れがある等による操作勝手が悪い。また、ロック時にハンドルが固定されるので、無理な力が加えられることを想定して部材の強度を高める必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、原稿押え部材の開放による上カバー部材のロック時に操作部を固定しないことにより強度の確保等を軽減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成部が内蔵された装置本体の上面を覆い、かつ、回動により開閉される上カバー部材と、該上カバー部材を介して装置本体に支持された画像読取装置とを有し、前記上カバー部材が前記画像読取装置を支持した状態で開閉される画像形成装置において、前記上カバー部材の閉状態に保持して開放を阻止するロック手段と、該ロック手段を解除して前記上カバー部材の開放を可能にするロック解除装置とを備え、該ロック解除装置は、ロック解除時に操作する操作部と、ロック解除を規制する解除規定手段とを有し、該解除規定手段は解除規制時に前記操作部を空操作することを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0008】
なお、本発明は、前記画像読取装置には、回動により前記上カバー部材と同一方向に開閉される原稿押え部材を備え、前記解除規定手段は前記画像読取装置の原稿押え部材が開放されているとき、前記ロック手段の解除を規制すると有利である。
【0009】
さらに、本発明は、前記画像読取装置の原稿押え部材が原稿載置面から浮き上がり可能に装着され、前記解除規定手段は前記画像読取装置の原稿押え部材が浮き上がっているとき、前記ロック手段の解除を規制すると有利である。
【0010】
さらに、本発明は、前記解除規定手段には前記操作部の操作を前記ロック手段に伝えない非解除位置と操作部の操作を前記ロック手段に伝える解除位置とに揺動する揺動部材を有し、該揺動部材は前記画像読取装置の原稿押え部材の開放及び原稿載置面からの浮き上がりに連動する連動部材と、該連動部材の動きにより作動する作動手段を介して非解除位置と解除位置の間を揺動されると有利である。
【0011】
さらにまた、本発明は、前記作動手段は一端が前記連動部材に当接し、他端が前記揺動部材に当接する回動可能な長尺部材を有し、前記画像読取装置が前記上カバー部材に対してスライド移動可能であるとき、前記画像読取装置と一緒にスライドされる連動部材が画像読取装置とスライド幅以上の長さで、かつ全スライド位置において長尺部材と当接されていると有利である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、原稿押え部材の開放による上カバー部材のロック時に操作部を固定せず、ロック解除操作を空操作にするので、部材等の強度を十分に確保することが軽減され安価な画像読取装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の外観斜視図、図2はその画像形成装置の一例を示す概略垂直断面図である。
【0014】
図1及び図2において、ここに示した画像形成装置は装置本体1の中央に画像記録部2、その下部に当該画像記録部2で画像が形成されるシートを給紙する給紙部20、画像記録部2の上方に画像読取装置30を配した画像読取装置30付きのタンデムタイプのカラー画像形成装置である。
【0015】
画像記録部2には、像担持体として構成された複数のドラム状の感光体3a,3b,3c,3dを有し、その各感光体には、互いに異なった色のトナー像がそれぞれ形成される。図示した例では、感光体3a〜3dの表面に、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及び黒トナー像がそれぞれ形成される。各感光体3a〜3dは、所定の間隔をあけて互いに平行に配置され、この感光体3a〜3dの下部に対向して中間転写体として構成された中間転写ベルト4が配置されており、この中間転写体としてはドラムを用いることもできるが、図示した例では複数の支持ローラ5,6に巻き掛けられて図中の反時計方向に駆動される無端ベルトが用いられている。
【0016】
感光体3の周囲には感光体の表面に帯電処理を行う帯電装置7、画像情報を感光体表面にレーザ光で照射する光走査装置(LSU)8、露光により感光体3の表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置9、中間転写ベルト4を介して感光体3と対向配置された転写装置10、中間転写ベルト4に転写後の感光体3表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置11が設けられている。
【0017】
かかる画像形成装置において画像形成が開始されると、感光体3が図2における時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置7によって感光体3の表面が所定の極性に帯電される。次いで、その帯電面に、光走査装置8から画像情報に基づくレーザ光が照射され、これによって感光体3に静電潜像が形成される。そして、感光体3の表面に形成された静電潜像は、現像装置9によってトナー像として可視像化され、トナー像は転写装置10によって中間転写ベルト4上に転写される。
【0018】
カラー画像形成時は上記した画像形成動作が全ての感光体3で行われ、これによって各感光体3a〜3dにそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及び黒トナー像が中間転写ベルト4上に順次重ねて転写される。また、画像形成装置には中間転写ベルト4を挟んで、支持ローラ6に対向して2次転写ローラ12が配置されている。
【0019】
一方、画像記録部2の下部に配置された給紙部20には、転写紙又は樹脂フィルムなどから成るシートSを積載するシート収容部としての給紙トレイ21、該給紙トレイ21に積載されたシートSを送り出す給紙コロ22、重送されたシートを1枚に分離する分離手段としてのフリクションパッド23、両面画像形成時に用いる再搬送路24等が設けられている。
【0020】
給紙部20から給紙されたシートSは、レジストローラ13に向けて送り出され、その先端が停止しているレジストローラ13に突き当てられる。これによってシートSが整合された後、レジストローラ13は上記中間転写ベルト4上に形成されたカラートナー像が2次転写ローラ12を設けた2次転写部でシートSの先端部と合致するようなタイミングで回転を再開し、2次転写部に向けてシートSを送り出す。
【0021】
2次転写部で未定着トナー像が転写されたシートSは、定着部14に送られ、シートSに未定着トナー像が定着された後、シート排紙部25を介して装置本体1の上面に設けられたシート積載部18aに排出される。なお、トナー像転写後の中間転写ベルト4の表面に付着する転写残トナーはベルト用のクリーナー15によって除去される。
【0022】
上記画像読取装置30は、図示していないが原稿が載置される原稿載置部としてのプラテンと、該プラテンを覆う原稿押え部材としてのプラテンカバー31と、該プラテンカバー31に一体的に設けられた自動原稿送り装置32と、プラテンにマニュアルでセットした原稿と自動原稿送り装置32により送られる原稿を読み取ることができる原稿走査部(図示せず)とを有している。
【0023】
また、符号16は画像読取装置30と画像記録部2との操作を行うコントロールパネルであってこのコントロールパネル16を配した側が本画像形成装置の正面になっている。したがって、本装置ではシート排紙部25が装置本体1の正面側である前側に設けられ、そのシート排紙部25からシート積載部18aに排出されるシートが装置の正面から見て前側から後側に向けて排紙される。
【0024】
装置本体1の上部には上カバー部材18が設けられ、上カバー部材18の上面部分をシート積載部18aとして用いている。この上カバー部材18の上方には適宜間隔を開けて画像読取装置30が設けられ、本実施形態では装置正面から見て左右両側に設けられた第1の支持部50と第2の支持部51を介して支持されている。したがって、本画像形成装置はシート積載部18a上が画像読取装置30に覆われた胴内排紙型の装置である。
【0025】
かかる胴内排紙型の画像形成装置では、シート載置部18aの視認性や該シート載置部18aからのシート取り出し性に制約を受ける。そこで、本実施形態の画像形成装置は画像読取装置30が上カバー部材18の左右に設けた支持部50、51に支持されるが、上カバー部材18の後端側の辺に支持部を設けていない。この構成によって、シート積載部18aには前方からだけでなく後方からも光が入るため採光性が高まり、しかも排出されるシートが長尺シートであってもその一部がシート積載部18aを越えて装置本体の後側へ垂らしてストックすることができる。
【0026】
さらに、本実施形態の画像形成装置ではシート取り出し性やシート視認性を改善させるべく、画像読取装置30が図1の矢印B方向に摺動可能に支持し、画像読取装置30を奥側へスライド移動することで装置本体側のシート排出部25から画像読取装置30までの間隔を広げることができ、手の大きいユーザーでも支障なくシート取り出し等の作業を行うことができる。
【0027】
上カバー部材18は、その下部側に画像形成手段の一部である光走査装置8が取り付けられ、図3に示すように、取っ手18bを介して装置本体1の後端側に設けた支点17を中心として矢印A方向である上方へ開放可能に装着されている。この装置本体1には上カバー部材18を装置本体に閉じた状態でロックするカバーロック手段60が設けられている。
【0028】
カバーロック手段60は、図2ないし図4に示すように、上カバー部材18に回転可能に装着された水平方向に延びる支軸62と、該支軸62の左右両端近くにおいて固定されたロック爪63とを備え、カバーロック手段60はロック爪63の爪部が装置本体1に設けられた係合部1Aに係合することにより上カバー部材18を装置本体1にロックしている。そして、カバーロック手段60には支軸62に対し常時、ロック爪63が装置本体1に設けられた係合部1A(図2参照)に係合する方向への回転力を付勢するスプリング61が設けられ、このスプリング61によって上カバー部材18は閉じられると自動的にロックされる。
【0029】
カバーロック手段60は図4及び図5に示すロック解除装置40によって解除され、支点17を中心として上カバー部材18を図2の反時計方向へ回動して図3に示すように開放することができる。そして、上カバー部材18は画像形成装置の前面側が開放されるので、画像形成部の各ユニットに対しフロントからのアクセスが容易で、交換作業やメンテナンス等も行い易い。
【0030】
ロック解除装置40は、図4及び図5に示すように、ロック解除時に操作する押しボタン42を備えた操作部41と、カバーロック手段60のロック解除を規制する解除規定手段とを有し、最初に操作部41について説明する。
【0031】
図4ないし図8において、操作部41の押しボタン42はホルダ43に軸42aを支点として回転可能に装着され、ホルダ43はネジ等で上カバー部材18に固定されている。このホルダ43には、押しボタン42に対し軸42aを中心として上方である図6に示す矢印C方向の回転力を付勢するバネ44(図8参照)が設けられている。このバネ44によって矢印C方向の回転力が付勢された押しボタン42は軸42aと反対側に側面に設けられて張り出し部42bがホルダ43に設けられた係止爪43aに当たって図6に示す正規位置に保持されている。また、押しボタン42が押されると、該ボタンがバネ44の作用に抗して沈み、押しボタン42の下面の一部がホルダ43に当接する図7に示す押し込み位置まで回動させることができる。
【0032】
押しボタン42には、該ボタンを押したときに、支軸62に固定された中継レバー64を介して当該支軸62を、ロック爪63が係合部1Aから外れる方向へ回転させる揺動部材45がピン46を介して揺動可能に装着されている。この揺動部材45は、図9の実線に示すピン46を介して押しボタン42の操作をカバーロック手段60に伝えない非解除位置と、図9の点線で示す押しボタン42の操作をカバーロック手段60に伝えてロックを解除する解除位置との間を揺動する。なお、ピン46は操作部41を真上から見たとき、その軸線が押しボタン42の回転支点である軸42aの軸線と角度を持って配置され、本実施形態ではピン46の軸線と軸42aの軸線とがほぼ90度になっている。
【0033】
この揺動部材45には、上記解除位置に保持するためのバネ47が設けられ、通常押しボタン42操作でカバーロック手段60のロックを解除できる解除位置に保持されている。そして、解除位置では図11及び図13に示すように、揺動部材45がカバーロック手段60の中継レバー64に僅かに離れた位置に位置している。よって、ユーザーが上カバー部材18を開放するため押しボタン42を押すと、図7に示すように押しボタン42は軸42aを支点に矢印Cと逆方向に回転し、揺動部材45が中継レバー64を押し、それによって支軸62をスプリング61の作用に抗して図4の反時計方向(図5の時計方向)に回動させ、ロック爪63が係合部1Aから外れる。このとき、上カバー部材18には適宜なポップアップ機構を設けることで、ロック爪63が外れると同時に上カバー部材18が多少浮き上がり、それによってユーザーにロックが解除されたことを認識させることができる。
【0034】
解除規定手段は、画像読取装置30のプラテンカバー31が開放状態のとき、押しボタン42とカバーロック手段60の間に設けられた揺動部材45を、ピン46を中心に回転して押しボタン42の操作をカバーロック手段60に伝えない非解除位置に移動して上カバー部材18の開放を阻止するもので、その際、押しボタン操作を空操作にするものである。なお、本明細書において空操作とはボタン等を作動することができてもそれによって解除に伝わらず、動作に対してほとんど抵抗を受けない操作のことをいう。
【0035】
図6及び図7に明示するように、揺動部材45の右側面には作動ピン48が植設され、図11に示すように、作動ピン48の下部には軸66を介して上カバー部材18に回転可能に装着されたシート載置部18aの前方から後方まで達するような長尺レバー65の一端65aが当接されている。長尺レバー65の他端には、図5に示すように、ロック解除部材71の下面72に当接できるように上方へ突出した凸部70が形成されている。ロック解除部材71は、厚みを持った短冊状に形成され、軸線が長手方向で短方向の一辺側に設けられた回動支点73を中心に回動可能に画像読取装置30に装着されている。なお、画像読取装置30は後に述べるように、シートの排出方向にスライドできるように設定され、ロック解除部材71はスライド方向に対し画像読取装置30のスライド幅より長い部材に形成され、画像読取装置30がどの位置にスライドしても長尺レバー65の凸部70が当接可能な位置関係を保持している。また、長尺レバー65は通常、揺動部材45の作動ピン48は一端65aに当接した位置、すなわちバネ47により介して押され作動ピン48が一端65aに当接した位置に保持され、凸部70はロック解除部材71の下面72から軽く触れるか僅かに離れており、本実施形態では説明の便宜上、離れているものとする。
【0036】
ロック解除部材71の回動は、図12(a)に示すロック解除部材71の下面72が凸部70を押すロック位置と、図12(b)に示すロック解除部材71の下面72が凸部70から離れるロック解除位置との間を揺動できるように図示していないストッパによって規制されている。このロック解除部材71には回動支点73を中心に図示していないバネによって凸部70が下面72から離れたロック解除位置への回動力が付勢されている。
【0037】
このロック解除部材71は、その後端側に当たるプラテンカバー31の開閉によって作動する作動部材75の足76を介してロック位置とロック解除位置との間を揺動される。図12(a),(b)に示すように、この作動部材75は支点77を中心に回動可能に画像読取装置30(図10には示していない。)に装着され、図2の鎖線で示すように、プラテンカバー31が開いているとき、作動部材75がフリーの状態であり、図示していないバネによってその足76がロック解除部材71に当たるロック位置に保持される(図12(a))。すなわち、作動部材75のバネとロック解除部材71のバネとは互いに対抗する方向の回動力を作動部材75とロック解除部材71にそれぞれ付勢しているが、作動部材75のバネがロック解除部材71のバネ74に打ち勝つことにより、作動部材75がフリーの状態ではロック解除部材71がロック位置に保持される。そして、プラテンカバー31が閉じられると、図12(b)に示すように、作動部材75が支点77を中心に反時計方向に回動する。この回動によって、作動部材75の足76がロック解除部材71から離れようとする方向に移動し、ロック解除部材71はバネ74のバネ力によって回動支点73を中心に時計方向に回転して下面72が凸部70から離れる。
【0038】
かくして、プラテンカバー31が開いていると、ロック解除部材71が下面72を介して凸部70を押し下げ、長尺レバー65は軸66を中心に図5の反時計方向(図11の時計方向)に回動し、それに伴って長尺レバー65の一端65aが作動ピン48を介して揺動部材45を図10に示すように、ピン46を介して跳ね上げる方向の非解除位置に回動される。非解除位置の揺動部材45は、図9の実線及び図14に示すように、押しボタン42を押しても揺動部材45が中継レバー64に当たらないので、押しボタン42の操作が空操作になる。
【0039】
このように、本発明では非解除位置のとき、押しボタン42が押せないようにロックするのではなく、押しボタン操作が押してもほとんど抵抗を受けない空操作になるので、無理な力が加えられることを想定して部材の強度を高める必要がなくなる。
【0040】
次に、画像読取装置30のスライドについて説明する。
図15及び図16に示すように、画像読取装置30の幅方向、すなわちシート排出方向であるスライド方向Bと直交する方向Dの左右両側には、摺接部としてのレール部33,34が一体形成されており、各レール部33,34には、摺接面としての下面33a,34aと、突起部33b,34bとが一体形成されている。そして、レール部33には、シート排出方向(図2に示すスライド方向B)に長く延びた溝33cが形成されている。
【0041】
画像読取装置30は、各レール部33,34の下面33a,34aが各支持部50,51に形成された被摺接面としての上面52(図4参照)にスライド可能に支持されている。画像読取装置30の水平方向ガタは、支持部から上向きに突出した2つのピン55と画像読取装置30のレール部33に形成された溝33cとの所定の隙間をもっての嵌合によって規制している。
【0042】
支持部50,51には、それぞれの外側に抜け防止部53,54と、上記した上面52とがそれぞれ一体形成されている。各支持部50,51に形成された抜け防止部53,54が画像読取装置30のレール33,34に形成された突条の突起部33b,34bと所定の隙間をもってそれぞれ嵌合することにより、画像読取装置30の上方への抜け及び浮き上がりを防止している。
【0043】
なお、支持部50,51のそれぞれの内側に抜け防止部を形成するとともに、画像読取装置30のレール33,34の内側に突条の突起部を形成し、支持部50,51の各内側の抜け防止部と画像読取装置30のレール33,34の内側の突起部とを所定の隙間をもって嵌合することにより、画像読取装置30の上方への抜け及び浮き上がりを防止してもよい。
【0044】
ここで、本発明及び本実施形態の「抜け防止部」の機能に関して言及しておく。本発明及び本実施形態における「支持部に配設され、該支持部からの上部ユニット(画像読取部、画像読取装置30)の抜けを防止する抜け防止部」とは、「支持部に配設され、該支持部からの上部ユニット(画像読取部、画像読取装置30)の少なくとも抜けを防止する抜け防止部」を意味する。そして、「…少なくとも抜けを防止する…」とは、ユーザが例えば上部ユニット(画像読取部、画像読取装置30)を持って画像形成装置全体を持ち上げ運ぶような際にも、上部ユニット(画像読取部、画像読取装置30)が支持部から抜け外れないことは勿論のこと、浮き上がりや浮き・あるいは変形等によって画像形成装置全体を構成する部品及び部材に破損・損傷、機能的な障害を何ら発生させないことを意味する。すなわち、本発明及び本実施形態の「抜け防止部」は、従来の画像形成装置では配慮されていなかった画像形成装置における強度上の信頼性を十分に保障するものに他ならない。
【0045】
このように、本実施形態によれば、画像読取装置30の筐体(ケース)にはレール部33,34が一体形成されており、各レール部33,34の下面33a,34aが各支持部50,51の上面52に対してスライドするため、部品を追加することなく安価なスライド機構を達成することができる。また、各レール部33,34の断面形状から十分な強度を、レール部33,34及び画像読取装置30自体に付与することもできる。
【0046】
抜け防止部53,54は、支持部50を構成する支持部50,51にそれぞれ一体形成されているので、画像読取装置30の上方への抜け防止の部品を増やすことなく安価に行うことができる。
【0047】
また、抜け防止部53,54は、支持部50,51の左右両側で負荷を受けるため強度を強くすることができるとともに、画像読取装置30の左右どちらに力が加わった場合においても上方への浮き上がりを防止することができる。
【0048】
上述した程の利点・効果を望まなくてもよいのであれば、上記と同様の抜け防止部53,54を画像読取部(画像読取装置30)側に配設するとともに、支持部50,51側に画像読取装置30のレール部33,34と同様の摺接面を上面に備えた摺接部を一体形成してもよい。
【0049】
それぞれの支持部に対して抜け防止部を外側内側両側に設けてしまうと、その他の部品を配置するスペースが少なくなってしまう。支持部には上カバーの開閉緩衝機構等の部品を配置する必要もあるため、極力スペースをとらない抜け防止部にすることが望ましい。
【0050】
そこで、本実施形態によれば、抜け防止部53,54は、第1の支持部50及び第2の支持部51のそれぞれの外側または内側の何れか一方に配設されているので、スペースをとらずに強度も確保した抜け防止部を達成することができる。
【0051】
抜け防止部53,54は、図4及び図16に示すように、支持部50,51の前方に設けられた抜け防止部53a,54aと、支持部50,51の後方に設けられた抜け防止部53b,54bとに分割して配置されている。これにより、画像読取装置30の前方に力が加わった場合には前方の抜け防止部53a,54aで力を受け、画像読取装置30の後方に力が加わった場合には後方の抜け防止部53b,54bで力を受けることができるため、上方への浮き上がりを確実に抑えることができる。また、分割して配置された抜け防止部の間のスペースに、他の部品を配置することができる。
【0052】
本実施形態例ではスペース上もしくは金型構成(例えば射出成形用のスライドコアなど)の都合で支持部の前方と後方で抜け防止部を分割しているが、支持部全域に抜け防止部を設けてもよい。また、抜け防止部53,54は、箱形状に形成して強度を強くし、さらにリブ等で補強している。これにより、抜け防止部53,54の強度を強くすることができ、ユーザによって画像読取装置30に対して上方の力が加えられたときに、抜け防止部53,54に破損・変形等が全く発生しなくなる。
【0053】
上記したように、画像読取装置30は図2の矢印B方向にスライド移動することでき、図17において(a)は画像読取装置30が支持部50、51に対してスライドしていない初期状態を、(b)は画像読取装置30が支持部50、51に対して最大ストローク分スライドした状態をそれぞれ示している。このように画像読取装置30をスライド可能に構成した場合、使用時に画像読取装置30が動かないように複数箇所でロックする必要があり、このため画像読取装置30のロック機構を設けている。
【0054】
画像読取装置30をスライド可能に支持する支持部50側には画像読取装置30ロック機構と、その側面には図1に示すように該ロック機構のロックを解除するため操作ボタン80が設けられている。
【0055】
図18ないし図19に示すように、操作ボタン80の軸部81には、ねじりコイルばね82が取り付けられていて、操作ボタン80を装置外側に向かって常に付勢している。操作ボタン80には、フック形状80aが一体的に形成されていて、ねじりコイルばね82によって付勢されている状態では、画像読取装置30に形成された切り欠き部35と係合して画像読取装置30のスライドをロックしている。一方、ねじりコイルばね82の付勢力に抗して、図1に示すように、支持部50の側面に露出している操作ボタン80を押すと、前記係合が解除されることにより、画像読取装置30のスライドが可能になる。画像読取装置30の切り欠き35は複数(本例では3個)であり、それぞれの位置において画像読取装置30はロック可能である。
【0056】
本実施形態では、右側の支持部51にも、もう1つのスライドロック機構を設けることで、ロック時に画像読取装置30が水平方向のガタツクことを軽減している。右側の支持部51には、図20に示すように、円錐形状の頭部をもつ円筒形のロック部材90が圧縮スプリング91によって常に上向きに付勢されていて、画像読取装置30に形成された溝36と係合している。圧縮スプリング91の一端(上端)は、ロック部材90の下端部のばね係止部に、他端(下端)は、支持部51に一体形成されたばね係止部51dにそれぞれ係止されている。左側の支持部50の操作ボタン80と円筒形のロック部材90とは、図19に示す可撓性のワイヤー92によって連結されている。図19に示すワイヤー92の右端部(支持部51側)は、同図において紙面の奥側から手前側の向きに90度(直角)曲げられており、また図20では紙面の手前側から奥側の向きに90度曲げられていて、ワイヤー92は同図において下から上向きに延びてフック係止部に連結されている。したがって、操作ボタン80の押圧操作によって2つのロック機構を連動して動作させることができる。また、ワイヤー92は、図19に示すように、シート積載部40における上カバー部材18の裏面リブに設けられた溝(図示せず)及び上カバー部材18の裏面に取り付けられたワイヤー押さえ部材57のガイド57a等によって弛まないように案内されている。左右のロックの連結にワイヤー92を用いることによって、複雑な経路でも簡単かつ部品点数も少なくロック機構を連動することが可能である。
【0057】
ねじりコイルばね82及び圧縮スプリング91の各付勢力に抗して、操作ボタン80を押すと、ロック部材90がワイヤー92に引っ張られることにより、円筒形のロック部材90が下降し、画像読取装置30の溝36との係合が解除される。このときロック部材90は図21(b)に示すように、完全に溝36から抜けないで、円錐形状の頭部はまだ溝36にかかった状態になっている。この状態で画像読取装置30をスライドさせると、溝36がロック部材90をさらに下方に押し下げるのでクリック感が発生する。また、押し下げられたロック部材90が溝36に係合するときもクリック感が発生するので、ユーザーに対してロック位置を感覚的に認知させることができる。
【0058】
かくして、画像読取装置30をスライドさせ、そして複数箇所(本例では3箇所)で位置固定とするロックができるが、それに合わせてプラテンカバー31が開いていると、上カバー部材18の開放を阻止するロック機構もスライドしてロックされる各位置で働くことができるように構成する必要がある。このとき、かかるロック機構では押しボタン41から長尺レバー65までが上カバー部材18側に設けられ、ロック解除部材71からプラテンカバー31までがスライドする画像読取装置30側に設けられている。
【0059】
このように構成されたロック機構を有する画像形成装置は、プラテンカバー31が少しでも開いている状態で上カバー部材18が開放されると、それに伴ってプラテンカバー31も同方向に回動されることを画像読取装置30のスライド固定位置に関係なく防止することができる。
【0060】
かかる効果をより一層高めるには上カバー部材18を開放してもプラテンカバー31を不用意に開放させないプラテンロック手段100を設けることであり、下記にプラテンロック手段100の説明をする。
【0061】
図22及び図23において、プラテンロック手段100はプラテンカバー31に設けられた係止部37に係止するロック部材101と、該ロック部材101を動かすロック中間部材105とを有し、ロック部材101とロック中間部材105が作動部107にて当接している。
【0062】
ロック部材101は、回動支点102を中心として回動可能に画像読取装置30に支持され、その一端である上端には係止部37に係脱可能なロック爪103が形成されている。また、回動支点102を挟んでロック爪103の反対端には作動片104が設けられている。
【0063】
ロック中間部材105は、短冊状の板材で形成され、その長手方向の一辺に沿って支持軸106が設けられ、該支持軸106を介して画像読取装置30に回動可能に支持されている。また、ロック中間部材105の長手方向の他辺側でその一端には作動ピン107が設けられ、この作動ピン107がロック部材101の作動片104に当接されている。なお、ロック部材101には回動支点102を中心として作動片104が作動ピン107に当接する方向への回動力が図示していないバネによって付勢されている。この構成によって作動片104と作動ピン107が常時当接状態にある。
【0064】
このロック中間部材105は、支持軸106を中心に回動するが、その回動する先端側が上記バネの作用によって作動部材108に形成されたカム形状109上に着座されている。作動部材108は、図24に示すように、一端が軸110を介して装置本体1に回転可能に装着され、他端は同じく装置本体1のレール112に沿って移動可能である。カム形状109は軸110のほぼ同芯円上に形成されている。
【0065】
上カバー部材18が閉じられている通常の状態は、図22に示すカム形状109の突出部がロック中間部材105に当接されている状態であり、このとき、ロック中間部材105は、支持軸106を中心に斜め上方に傾き、ロック部材101はロック爪103が係止部37から脱している。してがって、プラテンカバー31を自由に開放することができる。
【0066】
ここで、プロセスカートリッジの交換等で上カバー部材18が支軸17を中心に上方へ開放すると、図25に示すように、作動部材108の他端が装置本体1の上面であって第1の支持部50と第2の支持部51の幅内下方に設けられたレール112に沿って移動し作動部材108が起き上がる。このとき、作動部材108は軸110を中心として図23の時計方向に回転し、カム形状109の突出部がロック中間部材105から離れて円形部分が当接する。そして、ロック中間部材105は支持軸106を中心に時計方向に回動し、それに伴ってロック部材101が回動支点102を中心に反時計方向に回動されてロック爪103が係止部37を係止し、図21に示すプラテンカバー31のロック状態になる。
【0067】
かくして、上カバー部材18を開放すると、その開放動作に連動して画像読取装置30のプラテンカバー31がロックされる。したがって、上カバー部材18と画像読取装置30のプラテンカバー31がともにフロント側、すなわち装置の正面側から操作するように、奥側の回動支点を介して開放されるものであっても、上カバー部材18の開放でプラテンカバー31が開放されることが阻止される。よって、プラテンカバー31の不意な開放による上カバー部材18の破損等の不具合を解消することができる。
【0068】
ところで、プラテンロック手段100も画像読取装置30の全摺動位置でプラテンカバー31をロックできるように構成されている。本実施形態の場合、ロック中間部材105の長手方向の幅が画像読取装置30の摺動幅より長く設定されているとともに、画像読取装置30の全摺動領域において作動部材108がロック中間部材105から外れない位置に設けられている。したがって、ロック中間部材105と作動部材108のカム形状109とが常に当接されているため、画像読取装置30の位置を問うことなくプラテンロック手段100がプラテンカバー31をロックすることができる。
【0069】
なお、ロック中間部材105は支持軸106を中心に回動されるとき、その面が図20に示すように上方に傾いた位置と図23に示すほぼ水平になる位置と間だけ揺動できればよいので、図22に示す位置ではカム形状109に当接されて保持されるが、図23に示す水平になる位置ではそれ以上下方へ回動することができないように画像読取装置30のケースにストッパ(図示せず)を設けている。よって、ロック中間部材105は図23に示すほぼ水平になる位置では作動部材108のカム形状109に触れていてもよいし、また僅かに離れてもよい。さらに、ストッパを設けると、ロック中間部材105がスライド面である画像読取装置30の下面より下方に飛び出すことがないので、スライド面よりの飛び出しでスムーズなスライドができなくなることが解消される。
【0070】
図26は、プラテンカバー31の開放時に上カバー部材18の開放を阻止するロック機構とプラテンロック手段100との配置関係を示した装置正面から見た第1の支持部50の断面図である。
【0071】
上カバー部材18の幅内には、ロック解除部材71の下面72に係合する凸部70、長尺レバー65と、ロック中間部材105と係合する作動部材108、カム形状109とが左右方向に設けられている。そして、長尺レバー65は上カバー部材18のシート載置部18aの面に沿って装置前後方向に設けられている。
【0072】
これに対し、画像読取装置30には、凸部70と係合するロック解除部材71及び下面72と、作動部材108のカム形状109と係合し回動可能なロック中間部材105とが左右方向に互い干渉しないように設けられている。さらに、作動部材75は、干渉しないようにロック爪103の後方にずれて配置されている。
【0073】
ロック中間部材108は、図26で説明した状態と同じように、カム形状109と当接することにより右上の図において時計回転方向に傾いており、その結果、ロック爪103が突起部材37の孔から退避した状態を示している。すなわち、自動原稿送り装置32を開放することが可能である。
【0074】
図27は、上記図26の状態において第1の支持部50を装置上方から見たものを示している。
図27より明らかなとおり、中間ロック部材105とロック解除部材71とは、第1の支持部50の幅内にスライド可能に設けられた画像読取装置30の脚部の内部に、回動可能に左右方向において併設されている。また、ロック部材101と作動部材75は、装置本体1の後端よりも後方に位置し、画像読取装置30の内部(図28においてキャリッジ130の外側)に設けられている。また、突起部材37は、図28に示すようにプラテンカバー31に設けられており、画像読取装置30に対して閉じた場合、図25に示すように、作動部材75とロック部材101をまたがるように位置する。
【0075】
よって、突起部材37は、ロック部材101と係合・離脱することによりプラテンカバー31の開放を禁止・許可する機能と、作動部材75と係合・離脱することにより上カバー部材18の開放を許可・禁止する機能の両方を兼ね備えていることになる。
【0076】
図2におけるプラテンカバー31が閉じた状態(実線)の場合、突起部材37が作動部材75と係合していることにより、下面72と凸部70との位置関係が図5の状態になるので上カバー部材18の開放が許可される。そして、上カバー部材18を図3のように回動させると、突起部材37が作動部材75との係合状態を維持しつつ、カム形状109とロック中間部材105との係合状態が図22から図23の状態に変位するので、プラテンカバー31の開放が禁止されることになる。
【0077】
ところで、プラテンカバー31はブック型原稿等の厚みのある原稿BOは回動によって十分に押えることができないので、ヒンジ部を介してプラテンカバー31の全体が上下方向、すなわちプラテン(図示せず)に接離する方向に平行移動できるように構成することは既に知られている。図28はその一例を示す斜視図で、プラテンカバー31のヒンジ部38は画像読取装置30の本体に形成された孔39に嵌合され、ブック型原稿等の厚みのある原稿BOの場合、プラテンカバー31のヒンジ部38が孔39に沿って上下方向に移動できることによりプラテンカバー31の全体をプラテンから浮き上がらせてから押えることができる。
【0078】
このようなプラテンカバー31が浮き上がっている状態においても上カバー部材18の開放に伴ってプラテンカバー31も同方向に回動されると、プラテンカバー31が画像読取装置30の本体から抜け落ちたりする。
【0079】
そこで、プラテンカバー31を浮き上がらせて厚手のブック型原稿等を押えているときには突起部材37が作動部材75に接触しないため、ロック解除部材71はロック位置に保持される。したがって、プラテンカバー31が浮き上がっているときも、プラテンカバー31が開放されているときと同様に、上カバー部材18の開放が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る画像形成装置の左斜め上方から見た外観斜視図である。
【図2】画像形成装置の内部構造の概略を示す垂直断面図である。
【図3】図2の画像形成装置の上カバーを開放した状態を示す垂直断面図である。
【図4】上カバー部材の開放を阻止するロック手段と解除手段の配置関係を示す斜視図である。
【図5】上カバー部材の開放を阻止するロック手段と解除手段の配置関係を示す側面説明図である。
【図6】ロック解除装置の操作部を示す斜視図である。
【図7】ロック解除装置の操作部の押しボタンを押した状態を示す斜視図である。
【図8】ロック解除装置の操作部の分解斜視図である。
【図9】ロック解除装置の解除位置と解除規制位置を示す説明図である。
【図10】ロック解除位置との操作部を示す斜視図である。
【図11】ロック解除装置の全体の配置関係を示す斜視図である。
【図12】プラテンカバーの開閉とロック解除装置の関係を示す説明図である。
【図13】解除位置のロック解除装置とロック手段が解除位置の位置を示す説明図である。
【図14】解除規制位置のときのロック解除装置の配置関係を示す斜視図である。
【図15】スキャナを前面側から見た正面図である。
【図16】スキャナのレール部と左側の抜け防止部とのスライド嵌合状態を示す要部の断面図である。
【図17】(a)は、画像読取装置が支持部に対してスライドしていない初期状態を、(b)は、画像読取装置が支持部に対してスライド方向に最大ストローク分スライドした状態をそれぞれ表す断面図であって、画像読取装置の着脱方向の抜け防止部を説明する断面図である。
【図18】スライドロックの主要部を示す斜視図である。
【図19】左右の支持部のロック連動機構を一部破断して示す平面図である。
【図20】他方の支持部のスライドロックを示す要部の断面図である。
【図21】(a),(b),(c)は、ロック部材と溝との係合・推移状態を示す断面図である。
【図22】画像読取装置のロック解除時のロック手段を示す斜視図である。
【図23】画像読取装置のロック時のロック手段を示す斜視図である。
【図24】上カバーを閉じてるときのロック手段の作動部材を示す概略垂直断面図である。
【図25】上カバーを開放しているときのロック手段の作動部材を示す概略垂直断面図である。
【図26】プラテンカバーの開放時に上カバー部材の開放を阻止するロック機構とプラテンロック手段との配置関係を示した装置正面から見た第1の支持部の断面図である。
【図27】図23に示す第1の支持部を装置上方から見た図である。
【図28】プラテンカバーのヒンジ部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1 装置本体
2 画像記録部
17 支軸
18 上カバー部材
30 画像読取装置
31 プラテンカバー
40 ロック解除装置
41 操作部
42 押しボタン
45 揺動部材
60 カバーロック手段
65 長尺レバー
71 ロック解除部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部が内蔵された装置本体の上面を覆い、かつ、回動により開閉される上カバー部材と、該上カバー部材を介して装置本体に支持された画像読取装置とを有し、前記上カバー部材が前記画像読取装置を支持した状態で開閉される画像形成装置において、
前記上カバー部材の閉状態に保持して開放を阻止するロック手段と、
該ロック手段を解除して前記上カバー部材の開放を可能にするロック解除装置とを備え、
該ロック解除装置は、ロック解除時に操作する操作部と、ロック解除を規制する解除規定手段とを有し、
該解除規定手段は解除規制時に前記操作部を空操作することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像読取装置には、回動により前記上カバー部材と同一方向に開閉される原稿押え部材を備え、前記解除規定手段は前記画像読取装置の原稿押え部材が開放されているとき、前記ロック手段の解除を規制することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像読取装置の原稿押え部材が原稿載置面から浮き上がり可能に装着され、前記解除規定手段は前記画像読取装置の原稿押え部材が浮き上がっているとき、前記ロック手段の解除を規制することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかに記載の画像形成装置において、前記解除規定手段には前記操作部の操作を前記ロック手段に伝えない非解除位置と操作部の操作を前記ロック手段に伝える解除位置とに揺動する揺動部材を有し、該揺動部材は前記画像読取装置の原稿押え部材の開放及び原稿載置面からの浮き上がりに連動する連動部材と、該連動部材の動きにより作動する作動手段を介して非解除位置と解除位置の間を揺動されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記作動手段は一端が前記連動部材に当接し、他端が前記揺動部材に当接する回動可能な長尺部材を有し、前記画像読取装置が前記上カバー部材に対してスライド移動可能であるとき、前記画像読取装置と一緒にスライドされる連動部材が画像読取装置とスライド幅以上の長さで、かつ全スライド位置において長尺部材と当接されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−26054(P2010−26054A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184750(P2008−184750)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】