説明

画像形成装置

【課題】電子メールに添付された複数の添付ファイルを、画像形成装置に自動で印刷させる際に、ユーザが個々の印刷物と各添付ファイルとを容易に対応付けられるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、電子メールを受信するネットワークI/F部120と、記録紙上に画像を形成する画像形成部220と、受信された前記電子メールの添付ファイルの有無を判別する添付ファイル判別部111と、前記添付ファイルの形式が、印刷可能な形式であるか否かを判別するファイル形式判別部112と、複数の添付ファイルの印刷順序を設定する印刷順序設定部114と、を備え、受信された電子メールに添付ファイルが複数添付されている場合に、該複数の添付ファイルの形式が、印刷可能な形式であるときには、該電子メール本文に加えて、印刷順序設定部114が設定した順序で該複数の添付ファイルの印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール本文および該電子メールに添付された添付ファイルを自動で印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやイントラネット等の電子的ネットワークの普及に伴い、該ネットワークで送受信される電子メール数が増大している。そのため、該ネットワークのユーザ一人あたりの電子メールの受信数および該電子メールの処理に要する時間は、増加の一途をたどっている。
【0003】
電子メールには、画像ファイル等の添付ファイルが添付されることがある。前記添付ファイルが、例えば高解像度の画像ファイル等の場合、該画像ファイルの解像度と比較して端末画面の解像度の方が低解像度であるため、該端末画面では該画像ファイルの内容をユーザが把握しづらいことがある。その場合、ユーザは、前記添付ファイルを印刷して内容を確認することとなる。
【0004】
そのような状況に対応するために、従来の画像形成装置には、ネットワークに接続され、電子メール本文に加えて電子メールに添付されている添付ファイルを自動で印刷するものが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1〜3のような前記添付ファイルを自動で印刷する画像形成装置であれば、処理すべき複数の電子メールのそれぞれについて、添付ファイルの有無の確認し、添付ファイルの内容を確認して印刷するか否かを決定し、画像形成装置に印刷を指示するという煩雑な作業からユーザを解放することができる。
【特許文献1】特開平9−247335号公報
【特許文献2】特開平11−161585号公報
【特許文献3】特開2002−149575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子メールに添付ファイルが複数添付されていることも少なくない。これらの複数の添付ファイルが印刷される場合に、該複数の添付ファイルの印刷順序がユーザにとって不明確なときには、個々の印刷物が、どの添付ファイルであるかを照合するために、ユーザは労力を割くことになり、時間コストが増大して業務効率が低下することになる。
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような従来の画像形成装置においては、添付ファイルの印刷順序については何ら考慮されていない。
【0008】
本発明は、従来の画像形成装置が有していた上記の問題点を解決するためになされたものであり、電子メールに添付された複数の添付ファイルを自動で印刷する画像形成装置において、個々の印刷物と各添付ファイルとを対応させるためにユーザが労力を割くことによる時間コストを削減し、業務効率の向上を可能とする画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークを介して接続された端末装置から電子メールを受信する受信部と、記録紙に画像を形成する画像形成部と、前記受信部によって受信された電子メールが添付ファイルを有するか否かを判別する添付ファイル判別部と、前記受信部によって受信された電子メールの添付ファイルの形式が、前記画像形成部によって印刷可能な形式であるか否かを判別するファイル形式判別部と、前記電子メールに添付ファイルが複数添付されている場合に、該添付ファイルの印刷順序を設定する印刷順序設定部と、を備え、前記画像形成部は、前記電子メールに添付ファイルがないと前記添付ファイル判別部が判別した場合には、該電子メール本文のみの印刷を、前記電子メールが添付ファイルを有すると前記添付ファイル判別部が判別し、かつ該添付ファイルが1つのみ添付されている場合に、該添付ファイルの形式が、前記印刷可能な形式であると前記ファイル形式判別部が判別したときには、該電子メール本文に加えて、該添付ファイルの印刷を、前記電子メールが添付ファイルを有すると前記添付ファイル判別部が判別し、かつ該添付ファイルが複数添付されている場合に、該添付ファイルの形式が、前記印刷可能な形式であると前記ファイル形式判別部が判別したときには、該電子メール本文に加えて、前記印刷順序設定部が設定した順序で該複数の添付ファイルの印刷を行う(請求項1)。
【0010】
この構成によれば、電子メールに複数の添付ファイルが添付されている場合に、前記印刷順序設定部が設定した順序で該複数の添付ファイルが印刷される。すなわち、添付ファイルの印刷順序がユーザにとって明確になるから、ユーザが個々の印刷物と各添付ファイルとを対応させることが容易になる。
【0011】
上記構成において、前記印刷順序設定部は、前記添付ファイルのファイル名を所定のソート規則によって定められたソート順序でソートし、該ソート順序を、前記添付ファイルの印刷順序とすることが望ましい(請求項2)。
【0012】
この構成によれば、添付ファイルの印刷順序は、所定のソート規則によって定められたソート順序となる。そのため、該添付ファイルの印刷順序が、ユーザにとってより明確となり、ユーザが個々の印刷物と各添付ファイルとを対応させることが更に容易になる。
【0013】
上記構成において、前記ソート順序を、前記電子メールに前記添付ファイルが添付されている順序とすることができる(請求項3)。
【0014】
この構成によれば、前記印刷順序設定部は、前記電子メールに前記添付ファイルが添付されている順序をソート順序として該添付ファイルをソートし、該ソート順序を、前記添付ファイルの印刷順序とする。したがって、ユーザは該添付ファイルの印刷順序を容易に把握することができる。
【0015】
上記構成において、前記ソート順序を、前記添付ファイルのファイル名のアルファベット順とすることができる(請求項4)。
【0016】
この構成によれば、前記印刷順序設定部は、前記添付ファイルのファイル名のアルファベット順をソート順序として該添付ファイルをソートし、該ソート順序を、前記添付ファイルの印刷順序とする。したがって、頻用されるアルファベット順という順序で添付ファイルが印刷されるので、ユーザは該添付ファイルの印刷順序を容易に把握することができる。
【0017】
上記構成において、前記電子メール本文に記載された前記添付ファイルのファイル名を検索するファイル名検索部をさらに備え、前記ソート順序を、該ファイル名検索部が検索した前記ファイル名が、該電子メール本文に記載されている順序とすることが望ましい。
【0018】
この構成によれば、ファイル名検索部は、前記電子メール本文に記載された前記添付ファイルのファイル名を検索し、前記印刷順序設定部は、該ファイル名検索部が検索した該ファイル名が該電子メール本文に記載されている順序で該添付ファイルをソートし、該ソート順序を前記添付ファイルの印刷順序とする。
【0019】
したがって、ユーザは、電子メール本文を読む順序で、該電子メールに添付された添付ファイルの印刷物に目を通すことができるので、効率よく該電子メールを処理することができる。
【0020】
上記構成において、前記電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在して該電子メールに添付されている場合に、前記印刷順序設定部は、該電子メール本文中に前記ファイル名が記載された順序を優先して前記印刷順序を設定することが更に望ましい(請求項6)。
【0021】
この構成によれば、前記電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在して該電子メールに添付されている場合に、該電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルが先に印刷される。
【0022】
したがって、前記電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在して該電子メールに添付されている場合にユーザは、前記電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルについては、電子メール本文を読む順序で該電子メールに添付された添付ファイルの印刷物に目を通すことができ、前記電子メール本文にファイル名が記載されていない添付ファイルについては、個々の印刷物と各添付ファイルとを容易に対応させることができるので、効率よく該電子メールを処理することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の画像形成装置によれば、印刷して確認することの多い電子メールに添付された添付ファイルが自動的に印刷され、かつ、その印刷順序がユーザにとって明確になる。そのため、ユーザは、煩雑な印刷処理から解放されるとともに、個々の印刷物と各添付ファイルとを容易に対応させることができる。したがって、時間コストが削減され、業務効率が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を備えたネットワークの構成図である。
【0025】
図1に示すように画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)に接続されている。LANにはさらに、PC(Personal Computer)2(端末装置)及びメールサーバ3が接続されている。画像形成装置1、PC2、及びメールサーバ3はLANを介して種々のデータを送受信する。
【0026】
PC2には、電子メールを送受信するための電子メールクライアントソフトウェアや、種々のファイル形式のファイルを取扱うための複数のアプリケーションソフトウェア、画像形成装置1の印刷対象となる印刷データを生成するためのプリンタドライバ、プリンタの状態や印刷ジョブを確認するためのユーティリティソフトウェアがインストールされている。PC2はユーザからの操作指令に基づいて、前記アプリケーションソフトウェアと前記プリンタドライバによって印刷対象となる印刷データを生成し、LANを介して画像形成装置1に送信する。
【0027】
メールサーバ3は、POP(Post Office Protocol)3に準拠したPOP3サーバ、あるいはIMAP(Internet Message Access Protocol)に準拠したIMAPサーバから構成され、インターネットから送信された電子メールを受信し、必要に応じてPC2に送信する。
【0028】
なお、図1においては、画像形成装置1及びPC2は、それぞれ1台のみ図示しているが、PC2は、通常はLANに複数接続され、画像形成装置1もLANに複数台接続されることがある。
【0029】
図2は、画像形成装置1の機械的構成を主に示す断面図である。画像形成装置1は、スキャナ機能とプリンタ機能とを有するデジタル複合機であり、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読取部500と、原稿読取部500の上方に配設された原稿給送部600とを備えている。
【0030】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、印刷部数等を入力するために用いられる。
【0031】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604を備え、原稿読取部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読取り、読取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0032】
本体部200は、用紙貯留部210、画像形成部220、定着部230、排出口240、及び排出トレイ250を備える。
【0033】
用紙貯留部210は、給紙カセット211と給紙ローラ212とを備える。給紙カセット211は、記録紙を収納する。給紙ローラ212は、給紙カセット211から記録紙を引き出し、画像形成部220の転写ローラ221まで給送する。
【0034】
画像形成部220は、用紙貯留部210から給紙された用紙にトナー画像を形成させるものであり、転写ローラ221、中間転写体ローラ222、感光体ドラム223、露光装置224、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置225Y、225M、225C、225Kを備える。
【0035】
感光体ドラム223は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。
【0036】
露光装置224は、原稿読取部500において読取られた原稿の印刷データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム223に各色別に静電潜像を形成する。
【0037】
現像装置225Y,225M,225C,225Kは、各色の現像剤を感光体ドラム223に供給して各色別のトナー像を形成する。
【0038】
中間転写体ローラ222は、感光体ドラム223から各色のトナー像が転写され、中間転写体ローラ222上にカラーのトナー像が形成される。
【0039】
転写ローラ221は、搬送された記録紙に中間転写体ローラ222上のトナー像を転写させる。
【0040】
定着部230は、画像形成部220で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものであり、ハロゲンランプ等の通電発熱体により加熱される定着ローラ231と、定着ローラ231に対向配置され、定着ローラ231の周面に押圧当接される加圧ローラ232とを備えている。画像形成部220において記録紙に転写されたカラーのトナー像は、定着ローラ231と加圧ローラ232との間を通過するときの加熱により記録紙に定着される。定着処理がなされた用紙は、排出口240または排出トレイ250へと選択的に排出される。
【0041】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304を備える。記録紙搬送部302は、排出口240から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0042】
図3は、画像形成装置1の機能的な構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、図2に示す構成に加えて、制御部110、ネットワークI/F部120(受信部)、記憶部130を備える。
【0043】
ネットワークI/F部120は、LANボード等から構成され、画像形成装置1とPC2との間で送受信される種々のデータの通信制御を行う。さらに本実施形態においては、ネットワークI/F部120は、画像形成装置1がメールサーバ3から電子メールを受信するための受信部としても機能する。
【0044】
記憶部130は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Ramdom Access Memory)、フラッシュメモリ等から構成され、ROMは、画像形成装置1の制御プログラム等を記憶し、RAMは、原稿読取部500において読取られた原稿の印刷データ等を記憶し、フラッシュメモリは、印刷可能なファイル形式の一覧であるファイル形式テーブルや、添付ファイルを添付ファイルのファイル形式に応じた印刷データに変換するファイル変換プログラム等を記憶する。
【0045】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、画像形成装置1の全体的な制御を行う。制御部100は、添付ファイル判別部111、ファイル形式判別部112、ファイル名検索部113、印刷順序設定部114、ファイル変換部115としても機能する。
【0046】
添付ファイル判別部111は、ネットワークI/F部120によって受信された電子メールが、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)で規定されたBase64エンコード方式で添付されたデータを有するか否かを判断することで、該電子メールに添付ファイルが添付されているか否かを判別する。
【0047】
ファイル形式判別部112は、添付ファイル判別部111が、ネットワークI/F部120によって受信された電子メールに添付ファイルが添付されていると判別した場合に、前記添付ファイルが印刷可能な形式であるか否かを判別する。ファイル形式判別部112によるこの判別は、各添付ファイルのファイル形式が、記憶部130に格納されたファイル形式テーブルに存在するファイル形式であるか否かを判別することで行われる。
【0048】
ファイル名検索部113は、添付ファイル判別部111が、ネットワークI/F部120によって受信された電子メールに添付ファイルが添付されていると判別した場合に、前記電子メール本文に前記添付ファイルのファイル名が記載されているか否かを検索する。
【0049】
印刷順序設定部114は、添付ファイル判別部111が、ネットワークI/F部120によって受信された電子メールに複数の添付ファイルが添付されていると判別した場合に、該添付ファイルの印刷順序を設定する。
【0050】
すなわち、印刷順序設定部114は、ネットワークI/F部120によって受信された電子メールに添付ファイルが複数添付されていると添付ファイル判別部111が判別した場合に、該電子メール本文に該添付ファイルのファイル名が記載されていることをファイル名検索部113が検出したときには、該ファイル名が記載されている順に、検出しなかったときには、該添付ファイルが添付されている順に、印刷順序を設定する。
【0051】
なお、電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在して該電子メールに添付されている場合には、印刷順序設定部114は、該電子メール本文中にファイル名が記載された順序を優先して印刷順序を設定する。
【0052】
ファイル変換部115は、電子メールにBase64エンコード方式で添付された添付ファイルを展開し、記憶部130に格納されたファイル変換プログラムを読出して実行することで、前記添付ファイルを添付ファイルのファイル形式に応じた印刷データに変換する。
【0053】
図4及び図5のフローチャートに基づいて、本実施形態に係る画像形成装置1の動作を以下に説明する。画像形成装置1が起動されると、メールサーバ3から電子メールを受信可能な状態で、画像形成装置1は待機状態となる。
【0054】
画像形成装置1が、メールサーバ3から電子メールを受信すると(ステップS1)、添付ファイル判別部111は、該電子メールに添付ファイルが添付されているか否かを判別する(ステップS2)。
【0055】
添付ファイル判別部111が、前記電子メールに添付ファイルが添付されていないと判別した場合(ステップS2でNO)、制御部110は、電子メール本文のみを画像形成部220に印刷させる(ステップS3)。
【0056】
添付ファイル判別部111が、前記電子メールに添付ファイルが添付されていると判別した場合(ステップS2でYES)、受信された電子メールに添付ファイルが複数添付されているか否かをさらに判別する(ステップS4)。
【0057】
添付ファイルが1つのみ添付されている場合(ステップS4でNO)、ファイル形式判別部112は、前記添付ファイルの形式がファイル形式テーブルに存在するファイル形式であるか否かを判別することで、前記添付ファイルが印刷可能な形式であるか否かを判別する(ステップS5)。
【0058】
ファイル形式判別部112が、前記添付ファイルが印刷可能な形式であると判別した場合(ステップS5でYES)、ファイル変換部115は、前記添付ファイルを印刷データに変換する(ステップS6)。
【0059】
続いて制御部110は、電子メール本文に加えて該添付ファイルを該印刷データに基づいて画像形成部220に印刷させる(ステップS7)。
【0060】
前記添付ファイルが印刷可能な形式でない場合は(ステップS5でNO)、添付ファイルが添付されていない場合(ステップS2でNO)と同じく、制御部110は、電子メール本文のみを画像形成部220に印刷させる(ステップS3)。
【0061】
添付ファイルが複数添付されている場合(ステップS4でYES)も、ファイル形式判別部112は、ステップS5と同様にして該複数の添付ファイルの各々が印刷可能な形式であるか否かを判別する(ステップS8)。
【0062】
ファイル形式判別部112が、前記複数の添付ファイルの一部又は全部が印刷不可能な形式であると判別した場合(ステップS8でNO)、ステップS9に進む。前記複数の添付ファイルの一部が印刷不可能な場合は(ステップS9でNO)、ステップS10に進む。前記複数の添付ファイルが全て印刷不可能な場合は(ステップS9でYES)、添付ファイルが添付されていない場合と同じくステップS3に進んで、制御部110は、電子メール本文のみを画像形成部220に印刷させる。
【0063】
ファイル形式判別部112が、前記複数の添付ファイルが全て印刷可能な形式であると判別した場合(ステップS8でYES)、ファイル名検索部113は、電子メール本文に前記添付ファイルのファイル名が記載されているか否かを検索する(ステップS10)。
【0064】
ステップS10において、ファイル名検索部113が、電子メール本文に前記添付ファイルのファイル名が記載されていないと判定した場合(ステップS10でNO)、印刷順序設定部114は、該添付ファイルの印刷順序を添付ファイルが添付されている順序に設定する(ステップS11)。
【0065】
そしてファイル変換部115は、前記添付ファイルを印刷データに変換する(ステップS6)。続いて制御部110は、電子メール本文に加えて、印刷順序設定部114がステップS11で設定した印刷順序で該印刷データに基づいて該添付ファイルを画像形成部220に印刷させる(ステップS12)。
【0066】
ステップS10において、ファイル名検索部113が、電子メール本文に前記複数の添付ファイルのいずれかのファイル名が記載されていると判定した場合(ステップS10でYES)、ファイル名検索部113は、電子メール本文に前記複数の添付ファイルのファイル名が全て記載されているか否かをさらに検索する(ステップS13)。
【0067】
ステップS13において、ファイル名検索部113が、電子メール本文に前記複数の添付ファイルのファイル名が全て記載されていると判定した場合(ステップS13でYES)、印刷順序設定部114は、電子メール本文に添付ファイルのファイル名が記載されている順序に該添付ファイルの印刷順序を設定する(ステップS16)。
【0068】
そしてファイル変換部115は、前記添付ファイルを印刷データに変換する(ステップS6)。続いて制御部110は、電子メール本文に加えて、印刷順序設定部114がステップS16で設定した印刷順序で該印刷データに基づいて該添付ファイルを画像形成部220に印刷させる(ステップS17)。
【0069】
ステップS13において、ファイル名検索部113が、電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在していると判定した場合(ステップS13でNO)、印刷順序設定部114は、ファイル名が記載されている添付ファイルの印刷順序は、電子メール本文に添付ファイルのファイル名が記載されている順序に設定し、ファイル名が記載されていない添付ファイルの印刷順序は、添付ファイルが添付されている順序に設定し、さらに前者の印刷順序を優先させるように印刷順序を設定する(ステップS14)。
【0070】
そしてファイル変換部115は、前記添付ファイルを印刷データに変換する(ステップS6)。続いて制御部110は、電子メール本文に加えて、印刷順序設定部114がステップS14で設定した印刷順序で該印刷データに基づいて該添付ファイルを画像形成部220に印刷させる(ステップS15)。
【0071】
印刷が終了すると(ステップS3、ステップS7、ステップS12、ステップS15、ステップS17)、画像形成装置1はPC2に印刷終了通知を送信し、電子メール本文及び添付ファイルの印刷が終了したことを示す表示が前記ユーティリティソフトウェアによってPC2の表示部に表示される(ステップS18)。
【0072】
以上、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることもできる。
【0073】
(1)上記の実施形態において、メールサーバ3から直接電子メールを画像形成装置1が受信し、添付ファイルの印刷データへの変換は、画像形成装置1が備えるファイル変換部115で行う。これに換えて、メールサーバ3から電子メールをPC2が受信して画像形成装置1に転送し、添付ファイルの印刷データへの変換は、PC2にインストールされた前記アプリケーションソフトウェアと前記プリンタドライバによって行うようにしてもよい。
【0074】
(2)上記の実施形態において、印刷順序設定部114は、電子メール本文にファイル名が記載されていない複数の添付ファイルの印刷順序を、該複数の添付ファイルが添付されている順序に設定する。これに換えて、印刷順序設定部114は、電子メール本文にファイル名が記載されていない複数の添付ファイルの印刷順序を、該複数の添付ファイルのファイル名のアルファベット順に設定するようにしてもよい。
【0075】
この構成によれば、電子メール本文にファイル名が記載されていない複数の添付ファイルが、頻用されるアルファベット順という順序で添付ファイルが印刷されるので、ユーザは該複数の添付ファイルの印刷順序を容易に把握することができる。
【0076】
(3)上記の実施形態においては、画像形成装置10としてスキャナ機能とプリンタ機能とを有するデジタル複合機を例に挙げて説明したが、本発明は、実施例に例示した複合機に限定されるものではなく、プリンタ機能のみを備えるネットワークプリンタであっても、通信回線を介して伝送された画像情報に基づき画像を出力するファクシミリ機能をさらに備える複合機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を備えたネットワークの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機械的構成を主に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4の続きの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
2 PC(端末装置)
3 メールサーバ
111 添付ファイル判別部
112 ファイル形式判別部
113 ファイル名検索部
114 印刷順序設定部
120 ネットワークI/F部(受信部)
220 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された端末装置から電子メールを受信する受信部と、
記録紙に画像を形成する画像形成部と、
前記受信部によって受信された電子メールが添付ファイルを有するか否かを判別する添付ファイル判別部と、
前記受信部によって受信された電子メールの添付ファイルの形式が、前記画像形成部によって印刷可能な形式であるか否かを判別するファイル形式判別部と、
前記電子メールに添付ファイルが複数添付されている場合に、該添付ファイルの印刷順序を設定する印刷順序設定部と、を備え、
前記画像形成部は、
前記電子メールに添付ファイルがないと前記添付ファイル判別部が判別した場合には、該電子メール本文のみの印刷を、
前記電子メールが添付ファイルを有すると前記添付ファイル判別部が判別し、かつ該添付ファイルが1つのみ添付されている場合に、該添付ファイルの形式が、前記印刷可能な形式であると前記ファイル形式判別部が判別したときには、該電子メール本文に加えて、該添付ファイルの印刷を、
前記電子メールが添付ファイルを有すると前記添付ファイル判別部が判別し、かつ該添付ファイルが複数添付されている場合に、該添付ファイルの形式が、前記印刷可能な形式であると前記ファイル形式判別部が判別したときには、該電子メール本文に加えて、前記印刷順序設定部が設定した順序で該複数の添付ファイルの印刷を行う画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷順序設定部は、前記添付ファイルのファイル名を所定のソート規則によって定められたソート順序でソートし、該ソート順序を、前記添付ファイルの印刷順序とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ソート順序は、前記電子メールに前記添付ファイルが添付されている順序である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ソート順序は、前記添付ファイルのファイル名のアルファベット順である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電子メール本文に記載された前記添付ファイルのファイル名を検索するファイル名検索部をさらに備え、
前記ソート順序は、前記ファイル名検索部が検索した前記ファイル名が、該電子メール本文に記載されている順序である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電子メール本文にファイル名が記載された添付ファイルと記載されていない添付ファイルとが混在して該電子メールに添付されている場合に、
前記印刷順序設定部は、該電子メール本文中に前記ファイル名が記載された順序を優先して前記印刷順序を設定する請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−67140(P2010−67140A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234602(P2008−234602)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】