画像形成装置
【課題】 サクション装置での安定した吸引力を確保できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とする
【解決手段】ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とする
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子写真方式の画像形成を行うプリンタや複写機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１は、画像形成装置である電子写真式印刷装置の構成を示す概略断面図である。同図において１は帯電器、２は感光体、３は例えばレーザ光、４は現像機、５は感光体からトナー回収部材にて除去するクリーニング装置、６はウェブ、７はウェブ搬送ユニット、８は感光体２にウェブ６を押し付けるリトラクタ、９はトナー像に予熱を与えるプレヒータ、１０はウェブ６をプレヒータ９に密着させるサクション装置、１１はトナー像を定着させるヒートロール、１２は定着時にウェブ６をヒートロール１１に押しつけるバックロール、１３はウェブ６を排出するプラーローラである。
【０００３】
このような構成の印刷装置で、帯電器１により帯電された感光体２へ、レーザ光３により書き込まれた静電潜像は現像機４によりトナー像となり、リトラクタ８を通過する時、感光体２上のトナー像がウェブ６に転写される。その後送り出されたウェブ６は、プレヒータ９、ヒートロール１１およびバックロール１２を通りトナー像が定着され、プラーローラ１３により印刷装置外へ送出される。感光体２上からウェブ６に転写されなかった残留トナーは、クリーニング装置５により清掃される。図２には、従来の印刷装置におけるサクション部が示されている。ここで従来の形態におけるサクション部１５について説明する。サクション部１５は、サクション装置１０、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７により構成され、サクション装置１０は箱型の形状からなり、ウェブ６に接するプレヒータ９の接触面に設けた複数個の穴から、該サクション装置に接続されている吸引ポンプ１７を用いてウェブ６を吸着することで、ウェブ６への予熱効率を上げ、定着性能を向上させている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−２１９２４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来技術は、定着工程においてサクション部１５による吸着効果により、ウェブ６をプレヒータ９に密着させることができるが、同時にウェブ６上に残存する紙粉も吸引ポンプ１７により粉塵捕集フィルタ１６に回収されることになる。これら紙粉は繊維状で流動性が悪く、堆積して紙粉塊となる。この紙粉塊が成長することで粉塵捕集フィルタ１６が目詰まりし、サクション装置１０での吸着力を低下させることになる。この結果、プレヒータ９によるウェブ６への余熱効率が低下し、画像形成を損なわせるという問題を有していた。
【０００６】
本発明の目的は、サクション装置での安定した吸引力を確保できる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため本発明の第１の手段は、ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とするものである。
【０００８】
本発明の第２の手段は前記第１の手段において、前記圧力計測手段は圧力センサであることを特徴とするものである。
【０００９】
本発明の第３の手段は前記第１の手段において、前記圧力計測手段はマノスタースイッチであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１記載の画像形成装置において、粉塵捕集フィルタと吸引ポンプ間の空気圧を監視することにより、空気圧が低下した場合に粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行うことで、サクション部での安定した吸引力が確保可能となり、プレヒータによるウェブへの余熱効率低下防止が可能となる。
【００１１】
請求項２記載の画像形成装置において、圧力計測手段に圧力センサ用いることで、より広範囲な用紙対応と、より適切なフィルタ交換時期通知が可能となる。
【００１２】
請求項３記載の画像形成装置において、圧力計測手段にマノスタースイッチ用いることで、複雑な機構を追加することなく空気圧の計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に本発明の実施例について図面とともに説明する。
【実施例１】
【００１４】
図３には請求項１記載の本発明による、圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に、粉塵捕集フィルタ１６のメンテナンスを促す警告表示を行う構成および、請求項２記載の圧力計測手段に、圧力計測センサ１８を用いた構成が示されている。なお従来と同じ部品には同じ符号を付したので説明を省略する。
【００１５】
本実施例では、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７との間に空気圧を計測する圧力計測センサ１８を設け、圧力計測センサ１８の出力値が規定の圧力値より低下した場合に、警告表示を行う制御部を設けた。この構成において、制御部は定期的に圧力計測センサ１８の出力値を計測し、アナログ値であるセンサ出力値をＡ／Ｄ変換装置によりデジタル値に変換する。デジタル値に変換したセンサ出力値をＣＰＵは内蔵メモリに記録するとともに、センサ出力値を判定することにより、適切なタイミングで清掃時期の通知を行う。この指示に合わせ粉塵捕集フィルタ１６の清掃、または粉塵捕集フィルタ１６の交換を実施することにより、吸引ポンプ１７の吸引力低下を防止することを特徴とする電子写真式印刷装置である。
【００１６】
本実施例の構成では、例えばウェブの種類や印刷速度によって許容できる圧力値が変化する場合、清掃時期の通知を行う閾値をコントロールすることで、より幅広い用紙の選択と、より適切な交換時期の通知が可能になる。
【実施例２】
【００１７】
図４には請求項３記載の本発明による、圧力計測手段にマノスタースイッチ１９を用いた構成が示されている。なお従来と同じ部品には同じ符号を付したので説明を省略する。本実施例では、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７との間に設けたマノスタースイッチ１９の圧力値が予め設定した所定範囲を越えた際に、警告表示を実行する制御部を設けた。この構成において、制御部はマノスタースイッチ１９のオン／オフを監視し、ＣＰＵはマノスタースイッチ１９の状態を内蔵メモリに記録するとともに、マノスタースイッチ１９の状態を判定することにより、適切なタイミングで清掃時期の通知を行う。この指示に合わせ粉塵捕集フィルタ１６の清掃、または粉塵捕集フィルタ１６の交換を実施することにより、吸引ポンプ１７の吸引力低下を防止することを特徴とする電子写真式印刷装置である。
【００１８】
本実施例の構成では、シンプルな構成で安価な交換時期通知系が構築できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】電子写真式印刷装置の概略構成図である。
【図２】従来の印刷装置におけるサクション装置の一例を示す図である。
【図３】本発明の実施例に係るサクション装置の構成図である。
【図４】本発明他の実施例に係るサクション装置の構成図である。
【符号の説明】
【００２０】
１…帯電器、２…感光体、３…レーザ光、４…現像機、５…クリーニング装置、６…ウェブ、７…ウェブ搬送ユニット、８…リトラクタ、９…プレヒータ、１０…サクション装置、１１…ヒートロール、１２…バックロール、１３…プラーローラ、１５…サクション部、１６…粉塵捕集フィルタ、１７…吸引ポンプ、１８…圧力計測センサ、１９…マノスタースイッチ。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子写真方式の画像形成を行うプリンタや複写機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１は、画像形成装置である電子写真式印刷装置の構成を示す概略断面図である。同図において１は帯電器、２は感光体、３は例えばレーザ光、４は現像機、５は感光体からトナー回収部材にて除去するクリーニング装置、６はウェブ、７はウェブ搬送ユニット、８は感光体２にウェブ６を押し付けるリトラクタ、９はトナー像に予熱を与えるプレヒータ、１０はウェブ６をプレヒータ９に密着させるサクション装置、１１はトナー像を定着させるヒートロール、１２は定着時にウェブ６をヒートロール１１に押しつけるバックロール、１３はウェブ６を排出するプラーローラである。
【０００３】
このような構成の印刷装置で、帯電器１により帯電された感光体２へ、レーザ光３により書き込まれた静電潜像は現像機４によりトナー像となり、リトラクタ８を通過する時、感光体２上のトナー像がウェブ６に転写される。その後送り出されたウェブ６は、プレヒータ９、ヒートロール１１およびバックロール１２を通りトナー像が定着され、プラーローラ１３により印刷装置外へ送出される。感光体２上からウェブ６に転写されなかった残留トナーは、クリーニング装置５により清掃される。図２には、従来の印刷装置におけるサクション部が示されている。ここで従来の形態におけるサクション部１５について説明する。サクション部１５は、サクション装置１０、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７により構成され、サクション装置１０は箱型の形状からなり、ウェブ６に接するプレヒータ９の接触面に設けた複数個の穴から、該サクション装置に接続されている吸引ポンプ１７を用いてウェブ６を吸着することで、ウェブ６への予熱効率を上げ、定着性能を向上させている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−２１９２４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来技術は、定着工程においてサクション部１５による吸着効果により、ウェブ６をプレヒータ９に密着させることができるが、同時にウェブ６上に残存する紙粉も吸引ポンプ１７により粉塵捕集フィルタ１６に回収されることになる。これら紙粉は繊維状で流動性が悪く、堆積して紙粉塊となる。この紙粉塊が成長することで粉塵捕集フィルタ１６が目詰まりし、サクション装置１０での吸着力を低下させることになる。この結果、プレヒータ９によるウェブ６への余熱効率が低下し、画像形成を損なわせるという問題を有していた。
【０００６】
本発明の目的は、サクション装置での安定した吸引力を確保できる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため本発明の第１の手段は、ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とするものである。
【０００８】
本発明の第２の手段は前記第１の手段において、前記圧力計測手段は圧力センサであることを特徴とするものである。
【０００９】
本発明の第３の手段は前記第１の手段において、前記圧力計測手段はマノスタースイッチであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１記載の画像形成装置において、粉塵捕集フィルタと吸引ポンプ間の空気圧を監視することにより、空気圧が低下した場合に粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行うことで、サクション部での安定した吸引力が確保可能となり、プレヒータによるウェブへの余熱効率低下防止が可能となる。
【００１１】
請求項２記載の画像形成装置において、圧力計測手段に圧力センサ用いることで、より広範囲な用紙対応と、より適切なフィルタ交換時期通知が可能となる。
【００１２】
請求項３記載の画像形成装置において、圧力計測手段にマノスタースイッチ用いることで、複雑な機構を追加することなく空気圧の計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に本発明の実施例について図面とともに説明する。
【実施例１】
【００１４】
図３には請求項１記載の本発明による、圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に、粉塵捕集フィルタ１６のメンテナンスを促す警告表示を行う構成および、請求項２記載の圧力計測手段に、圧力計測センサ１８を用いた構成が示されている。なお従来と同じ部品には同じ符号を付したので説明を省略する。
【００１５】
本実施例では、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７との間に空気圧を計測する圧力計測センサ１８を設け、圧力計測センサ１８の出力値が規定の圧力値より低下した場合に、警告表示を行う制御部を設けた。この構成において、制御部は定期的に圧力計測センサ１８の出力値を計測し、アナログ値であるセンサ出力値をＡ／Ｄ変換装置によりデジタル値に変換する。デジタル値に変換したセンサ出力値をＣＰＵは内蔵メモリに記録するとともに、センサ出力値を判定することにより、適切なタイミングで清掃時期の通知を行う。この指示に合わせ粉塵捕集フィルタ１６の清掃、または粉塵捕集フィルタ１６の交換を実施することにより、吸引ポンプ１７の吸引力低下を防止することを特徴とする電子写真式印刷装置である。
【００１６】
本実施例の構成では、例えばウェブの種類や印刷速度によって許容できる圧力値が変化する場合、清掃時期の通知を行う閾値をコントロールすることで、より幅広い用紙の選択と、より適切な交換時期の通知が可能になる。
【実施例２】
【００１７】
図４には請求項３記載の本発明による、圧力計測手段にマノスタースイッチ１９を用いた構成が示されている。なお従来と同じ部品には同じ符号を付したので説明を省略する。本実施例では、粉塵捕集フィルタ１６と吸引ポンプ１７との間に設けたマノスタースイッチ１９の圧力値が予め設定した所定範囲を越えた際に、警告表示を実行する制御部を設けた。この構成において、制御部はマノスタースイッチ１９のオン／オフを監視し、ＣＰＵはマノスタースイッチ１９の状態を内蔵メモリに記録するとともに、マノスタースイッチ１９の状態を判定することにより、適切なタイミングで清掃時期の通知を行う。この指示に合わせ粉塵捕集フィルタ１６の清掃、または粉塵捕集フィルタ１６の交換を実施することにより、吸引ポンプ１７の吸引力低下を防止することを特徴とする電子写真式印刷装置である。
【００１８】
本実施例の構成では、シンプルな構成で安価な交換時期通知系が構築できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】電子写真式印刷装置の概略構成図である。
【図２】従来の印刷装置におけるサクション装置の一例を示す図である。
【図３】本発明の実施例に係るサクション装置の構成図である。
【図４】本発明他の実施例に係るサクション装置の構成図である。
【符号の説明】
【００２０】
１…帯電器、２…感光体、３…レーザ光、４…現像機、５…クリーニング装置、６…ウェブ、７…ウェブ搬送ユニット、８…リトラクタ、９…プレヒータ、１０…サクション装置、１１…ヒートロール、１２…バックロール、１３…プラーローラ、１５…サクション部、１６…粉塵捕集フィルタ、１７…吸引ポンプ、１８…圧力計測センサ、１９…マノスタースイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記圧力計測手段は圧力センサであることを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記圧力計測手段はマノスタースイッチであることを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
【請求項１】
ウェブを予熱するためのプレヒータと、該プレヒータに前記ウェブを吸着させるサクション装置と、該サクション装置に結合された吸引ポンプと、前記サクション装置と前記吸引ポンプとの間に設けられた粉塵捕集フィルタと、前記粉塵捕集フィルタと前記吸引ポンプとの間の空気圧を計測する圧力計測手段と、前記圧力計測手段からの出力が規定の圧力値より低下した場合に前記粉塵捕集フィルタのメンテナンスを促す警告表示を行う報知手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記圧力計測手段は圧力センサであることを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記圧力計測手段はマノスタースイッチであることを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−７２００９（Ｐ２０１０−７２００９Ａ）
【公開日】平成２２年４月２日（２０１０．４．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２３５８７４（Ｐ２００８−２３５８７４）
【出願日】平成２０年９月１６日（２００８．９．１６）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月２日（２０１０．４．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月１６日（２００８．９．１６）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
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