説明

画像形成装置

【課題】 転写材が転写材搬送ベルトから分離されるときに生じ得る転写材幅方向の画像ムラといった画像不良を低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体ドラム1と、中間転写ベルト6と、転写ベルト24と、転写ローラ9と、転写バイアス印加装置55と、逆クラウン形状で形成されて転写材搬送方向Mで転写ローラ9よりも上流側に配置されて転写材7を転写ベルト24に吸着する吸着ローラ28aと、吸着ローラ28aに吸着高圧を印加する吸着バイアス印加装置32と、転写ベルト24が懸架され、正クラウン形状で形成されて転写ベルト24が搬送する転写材7を転写ベルト24から分離する分離ローラ26と、を備える画像形成装置100を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有彩色トナーやブラックトナーを用いて超薄転写材に対してトナー像を形成する電子写真複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、感光体ドラム及び転写装置の間に、転写材を担持しつつ搬送する搬送ベルトを備える構成が存在する。こうした搬送ベルトは、駆動ローラを含む複数のローラに懸架されている。そして、駆動ローラの回転に従って複数のローラが回転することで、搬送ベルトが回転する。また、この構成で、転写材が搬送ベルトに確実に吸着されるようにするために吸着ローラを備える特許文献1及び2に記載の発明が提案されている。
【0003】
特許文献1及び2に記載の発明は、転写材搬送方向の上流側に吸着ローラが配置されており、転写材搬送方向の下流側に分離ローラが配置されている画像形成装置に関する発明である。こうした特許文献1及び2に記載の画像形成装置によれば、転写材は、吸着ローラの位置から分離ローラの位置まで確実に搬送ベルトに吸着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−133419号公報
【特許文献2】特開2001−356564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、トナーがマイナス電荷を有する場合に、低湿環境下では、搬送ベルト724から転写材7にプラス電荷が移動し難く、分離ローラ726の位置で樹枝状の異常画像が発生し易い(図12(a)参照)。
【0006】
また、分離ローラが長手方向に均一な断面積を有しない形状、例えば、図2(a)に示されるように、クラウン形状で形成されている場合には、問題が生じ得る。すなわち、転写材における転写材幅方向の中央部に比べて、転写材における転写材幅方向の端部に、樹枝状の異常画像が顕著に発生した。これは、転写材における転写材幅方向の端部は、転写材の分離のタイミングが早い場所に相当し、このように分離のタイミングが早い場所程に大きな沿面放電が発生するからである。また、分離のタイミングが早い場所では、転写材の面にプラス電荷が増加し、分離のタイミングが遅い場所では、転写材の面にプラス電荷が増加しないので、転写材幅方向で、転写材の面のプラス電荷が均一に帯電しないためである。
【0007】
転写材を一様に帯電する場合に関して、トナー像の電荷量と完全に釣合うように帯電が可能であれば分離部での放電は発生せず、画像不良も発生しないことなる。ただし、実際には画像もページやジョブごとに変更され、転写材幅方向のトナー像の電荷量は不均一の場合が多く、トナー像の電荷量と釣合うように転写材を一様に帯電することは困難である。
【0008】
図12(b)は、ハーフトーン(HT)の条件、及び、超薄転写材、薄転写材、普通転写材、厚転写材の条件を考慮した異常画像の発生状況を示す表である。評価は、X−Rite社の光濃度測定器による測定に基づいて行われ、画像濃度が良好か否かの判断による。図12(b)中で、画像状態が○、△、×で表現され、○は良好、△は許容できるが良好とは言えず、×は不良である。図12(b)に示されるように、ハーフトーンのドットDが0.6の場合、かつ、超薄転写材の場合には、異常画像が発生する。また、ハーフトーンのドットDが1.6の場合、かつ、厚転写材の場合には、異常画像が発生しない。このように、分離部での画像不良はハーフトーン、特にハイライト画像の場合に顕著に発生し、エンジンの最大画像濃度(ベタ画像)では目立ちにくい。つまり、ハイライト画像で画像不良が軽減できるように設計すれば全ての画像で軽減される。
【0009】
さらに、図4(a)及び図4(c)に示すように全面トナー量が均一な画像の場合でも、そもそも転写材にトナー像の電荷量と完全に釣合うように帯電することは困難である。極力釣合うように2次転写部の通過前に転写材を一様に帯電した場合でも、正帯電か負帯電、つまりどちらかの極性を帯びた状態となる。分離部での構成が長手方向に一様でない形状であれば、どちらの極性であっても、分離部での画像不良に転写材幅方向のムラが生じることに変わりは無い。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、転写材が転写材搬送ベルトから分離されるときに生じ得る転写材幅方向の画像ムラといった画像不良を低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、転写材を担持しつつ搬送し、前記像担持体のトナー像を転写材に転写する搬送転写体と、前記搬送転写体に対向して配置され、前記搬送転写体が搬送する転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写手段に転写高圧を印加する転写高圧手段と、第1回転軸を有し、前記第1回転軸の位置毎に前記第1回転軸と直交する方向の断面積が異なる第1回転体を有し、転写材搬送方向で前記転写手段よりも上流側に配置されて転写材を前記搬送転写体に吸着する吸着手段と、前記吸着手段に吸着高圧を印加する吸着高圧手段と、前記搬送転写体が懸架され、第2回転軸を有し、前記第2回転軸の位置毎に前記第2回転軸と直交する方向の断面積が異なる第2回転体を有し、前記搬送転写体が搬送する転写材を前記搬送転写体から分離する分離手段と、を備え、前記吸着手段は、前記第2回転体の断面積が大きい部位に転写材搬送方向で対応する前記第1回転体の部位よりも、前記第2回転体の断面積が小さい部位に転写材搬送方向で対応する前記第1回転体の部位によって、転写材を大きな帯電量で帯電させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吸着手段は、第2回転体の断面積が小さい部位に転写材搬送方向で対応する第1回転体の部位で転写材を大きな帯電量で帯電させる。また、第2回転体の断面積が大きい部位に転写材搬送方向で対応する第1回転体の部位で転写材を小さな帯電量で帯電させる。したがって、転写材は、転写材が搬送転写体から離間するときに沿面放電が生じ易い部位で、分離手段の形状に対応して予め帯電する。その結果、転写材が搬送転写体から離間するときに生じる沿面放電が抑制され、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向の画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施例1の画像形成装置が備える分離ローラの構成を示す平面図等である。
【図3】吸着ローラが無い場合に、転写材、転写ベルト、分離ローラの配置、及び、帯電量分布を示し、転写材が分離ローラに到達する直前の状態を示す概念図等である。
【図4】吸着ローラがストレート形状で形成されている場合に、転写材、転写ベルト、分離ローラの配置、及び、帯電量分布を示し、転写材の裏面のプラス帯電量が小さい場合を示す概念図等である。
【図5】転写ベルト、転写材、吸着ローラの配置関係を示し、転写材が吸着ローラを通過する前の転写材の帯電量分布を示す概念図等である。
【図6】実施例2に係る画像形成装置が備える分離ローラの構成を示す断面図等である。
【図7】実施例3に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図8】吸着電流及びプリント速度の関係を示すグラフ等である。
【図9】分離ローラの構成を示す平面図等である。
【図10】実施例4に係る画像形成装置が備える分離ローラの構成を示す平面図等である。
【図11】実施例5の画像形成装置に関し、転写材の種類及び環境の状態に基づく目標吸着電流を示す表である。
【図12】従来の分離ローラが転写材を転写ベルトから離間する工程を示す概略図等である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対位置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置100は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部51Y、51M、51C、51kが設けられる。画像形成部51Y、51M、51C、51kは、トナー像を担持する『像担持体』である感光体ドラム1Y、1M、1C、1k、『転写装置』である転写ローラ5Y、5M、5C、5k等を含む。
【0016】
『像担持体』である感光体ドラム1Y、1M、1C、1kは、矢印Aの方向へ回転し、その表面は、帯電装置2Y、2M、2C、2kにより一様に帯電される。露光装置3Y、3M、3C、3kは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1kに対して画像情報に基づいて露光する。周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電像が感光体ドラム1Y、1M、1C、1kに形成される。
【0017】
現像装置4Y、4M、4C、4kはそれぞれ有彩色トナーのイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(k)のトナーを内包する。前述の静電像は現像装置4Y、4M、4C、4kにより現像され、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1kの表面上にトナー像が形成される。静電像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
【0018】
また、『像担持体』である中間転写ベルト6が、感光体ドラム1Y、1M、1C、1kの表面に当接されるように配設されている。中間転写ベルト6は、テンションローラ20、2次転写対向ローラ21、駆動ローラ22といった複数のローラに張架されて矢印Gの方向へ300mm/secで回転するようになっている。テンションローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたローラである。駆動ローラ22は中間転写ベルト6を駆動するローラである。2次転写対向ローラ21は2次転写用の対向ローラである。『搬送転写体』である転写ベルト24は、中間転写ベルト6に対向して配置され、転写材7を担持しつつ搬送し、感光体ドラム1のトナー像を転写材7に転写する。転写ベルト24は、複数の張架ローラ25、26、27に張架されて矢印で示す転写材搬送方向Mへ300mm/secで回動するようになっている。また、中間転写ベルト6を介在して駆動ローラ22に対向する位置には、ベルトクリーニング装置12が配置されている。
【0019】
転写材7は、レジストローラ8の位置で一旦停止される。中間転写ベルト6の表面のトナー像が転写ニップに搬送されてくるのに同期して、転写ベルト24に転写材7が供給されるようになっている。
【0020】
転写ベルト24の表面には吸着ローラ28aが配置されている。また、転写ベルト24の裏面には吸着対向ローラ28bが配置されている。この吸着ローラ28a及び吸着対向ローラ28bでニップが形成される。転写材7は、この吸着ローラ28a及び吸着対向ローラ28bでニップに向かって搬送されて挟持される。吸着ローラ28aは、『吸着バイアス印加手段』である吸着バイアス印加装置32に接続される。吸着対向ローラ28bは、アースされている。吸着ローラ28aには、吸着バイアス印加装置32により定電流で制御された吸着バイアスで−12〜−30μAの電流が流される。これにより転写材7が転写ベルト24に静電吸着される。
【0021】
『転写手段』である転写ローラ9は、転写ベルト24の内周面に対向して配置され、転写ベルト24が搬送する転写材7にトナー像を転写するローラである。『転写高圧手段』である転写バイアス印加装置55は、転写ローラ9に転写高圧を印加するものである。転写ベルト24が矢印で示す転写材搬送方向Mの方向に移動することで、転写材7が2次転写対向ローラ21と転写ローラ9で形成された2次転写ニップを通過する。その際、転写ローラ9にトナー像と逆極性の定電流制御された転写バイアスを印加する。例えば+30〜+40μAの電流を流し、中間転写ベルト6の表面のトナー像が転写材7に転写される。転写材7は分離ローラ26まで搬送され、転写ベルト24から転写材7が分離される。不図示の定着装置に搬送導入され、トナー像の加熱加圧定着工程を受ける。
【0022】
中間転写ベルト6及び転写ベルト24は、ポリイミド、ポリカーボネート等の樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させて作成された。中間転写ベルト6及び転写ベルト24では、体積抵抗率が1×10〜1×1014[Ω・cm]、厚みが0.07〜0.5[mm]の範囲に設定された。
【0023】
例えば、中間転写ベルト6は、ポリイミドにカーボンブラックを適量含有させて作成された。また、中間転写ベルト6では、体積抵抗率が1×1011[Ω・cm]、厚みが0.09[mm]に設定された。転写ベルト24は、厚みが0.2[mm]のEPDMゴムにカーボンブラックを適当量含有させて作成された。また、転写ベルト24では、表層には厚み0.005[mm]のウレタンバインダにPTFEを分散させたものが用いられ、その体積抵抗を1×1013[Ω・cm]とした。
【0024】
転写ローラ9は、イオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金からなる。そして、転写ローラ9は、外径が24mm,ローラ表面粗さがRz=6.0〜12.0(μm)、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定、2kV印加で1×10〜1×10Ωの転写ローラが使用された。
【0025】
吸着対向ローラ28bは、転写ベルト24の内側に配置されており、イオン導電系ソリッドゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金からなる。そして、外径が18mmのストレート形状、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定、50V印加で1×10〜1×10Ωのゴムローラを使用した。
【0026】
コントローラ50は、画像情報制御装置34及び転写材搬送制御装置33を備えている。 画像情報制御装置34は、露光情報と具現化したトナー像を転写する転写材7の情報を持つ。画像情報制御装置34は、入手した情報に基づいて転写材搬送制御装置33の駆動を制御し、転写材搬送制御装置33は、レジストローラ駆動制御装置30、『吸着バイアス印加手段』である吸着バイアス印加装置32の駆動を制御する。なお、転写材7には坪量37〜250g/mのものが用いられた。
【0027】
図2(a)は、画像形成装置100が備える分離ローラ26の構成を示す平面図である。『分離手段』である分離ローラ26は、転写ベルト24が懸架され、『第2回転軸』である回転軸26xを有し、回転軸26xの位置毎に回転軸26xと直交する方向の断面積が異なる『第2回転体』である分離回転体26yを有する。そして、分離ローラ26は、転写ベルト24が搬送する転写材7を転写ベルト24から分離する。図2(a)に示されるように、分離ローラ26は正クラウン形状で形成されている。詳しくは、分離ローラ26は、外径18mmの金属で1000±40μmの正クラウン形状で形成されている。
【0028】
図2(b)は、画像形成装置100が備える吸着ローラ28aの構成を示す平面図である。図2(b)に示されるように、吸着ローラ28aは逆クラウン形状で形成されている。詳しくは、『吸着手段』である吸着ローラ28aは、『第1回転軸』である回転軸28xを有し、回転軸28xの位置毎に回転軸28xと直交する方向の断面積が異なる『第1回転体』である吸着回転体28yを有する。そして、吸着ローラ28aは、転写材搬送方向Mで転写ローラ9よりも上流側に配置されて転写材7を転写ベルト24に吸着する。図1で示した『吸着高圧手段』である吸着バイアス印加装置32は、その吸着ローラ28aに吸着高圧を印加する。吸着ローラ28aは、分離回転体26yの断面積が大きい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位よりも、分離回転体26yの断面積が小さい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位で、転写材7を大きな帯電量で帯電させる。更に詳しく言うと、吸着ローラ28aは、分離回転体26yの断面積が大きい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位を通過する転写材7の部位の帯電量は小さくする。また、吸着ローラ28aは、分離回転体26yの断面積が小さい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位を通過する転写材7の部位の帯電量が大きくする。
【0029】
つまり、図2(a)及び図2(b)を比較して分かるように、転写材搬送方向Mでは、分離回転体26yの断面積が小さい部位には、吸着回転体28yの断面積が大きい部位が対応する。また、転写材搬送方向Mでは、分離回転体26yの断面積が大きい部位には、吸着回転体28yの断面積が小さい部位が対応する。分離回転体26yは、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで中央側の断面積が端部側の断面積よりも大きい正クラウン形状で形成される。吸着回転体28yは、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで端部側の断面積が中央側の断面積よりも大きい逆クラウン形状で形成される。
【0030】
吸着ローラ28aは、ファーブラシローラで形成され、毛長5mm、芯金径8mmで、外径18mm、500±40μmの逆クラウン形状で形成されている。また、吸着ローラ28aとしては、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定の100V印加で1×10〜1×10Ωのものが使用された。ファーブラシは転写ベルト24に最大で1.5〜2mmで進入している。このように、分離ローラ26が正クラウン形状で形成されている場合には、吸着ローラ28aは逆クラウン形状で形成される。
【0031】
図3(a)は、吸着ローラ28aが無い場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7が分離ローラ26に到達する直前の状態を示す概念図である。図3(a)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。図3(a)中で転写材7及び転写ベルト24の進行方向は、図3(a)の紙面の裏面から表面に向かう方向である。図3(a)に示されるように、転写材7の表面にはトナーが移動しており、トナーがマイナスの電荷を保有している。
【0032】
図3(b)は、吸着ローラ28aが無い場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7が分離ローラ26に到達して転写ベルト24から離れるときの状態を示す概念図である。図3(b)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。実際には、転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で接触した状態にあるが、沿面放電の状況を分かりやすくするために、図3(b)では転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で離間して記載されている。図3(b)に示されるように、この転写材7の転写材幅方向Nの両端部では、転写材7の転写材幅方向Nの中央部よりも、沿面放電が強く発生する。転写材7の裏面では、転写材幅方向Nの両端部側ほどプラス電荷が多く、転写材幅方向Nの中央部側ほどプラス電荷が少ない。
【0033】
図3(c)は、吸着ローラ28aが無い場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7が分離ローラ26を通過し、沿面放電が転写材幅方向Nの中央側に移行する状態を示す概念図である。図3(c)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。実際には、転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で接触した状態にあるが、沿面放電の状況を分かりやすくするために、図3(c)では転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で離間して記載されている。図3(c)に示されるように、転写材7の転写材幅方向Nの中央部側には、更なる沿面放電が生じている。そして、図3(a)〜(d)が示すように沿面放電を受けて正電荷の増えた転写材7の裏面の部位は、転写ベルト24との電位差が下がり、順次沿面放電が小さくなる。
【0034】
図3(d)は、吸着ローラ28aが無い場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7が分離ローラ26を通過し、沿面放電が生じなくなった状態を示す概念図である。図3(d)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。実際には、転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で接触した状態にあるが、沿面放電の状況を分かりやすくするために、図3(d)では転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で離間して記載されている。図3(d)に示されるように、転写材7の転写材幅方向Nの中央部側には、プラスの電荷が弱いながらも付着している。
【0035】
図4(a)は、吸着ローラ828aがストレート形状で形成されている場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7の裏面のプラス帯電量が小さい場合を示す概念図である。図4(a)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。また、ここでは便宜的に、図1中で仮に、吸着ローラ828aがアースされ、吸着対向ローラ828bに吸着バイアス印加装置32が接続された場合に関して図示している。実際には、転写材7の表面にプラス電荷が帯電し、その上にマイナスに帯電したトナーが乗るような感じになる。また、実際には、転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で接触した状態にあるが、電荷の付着状況を分かりやすくするために、図4(a)では転写材7及び転写ベルト24の間は転写材幅方向Nの中央部で離間して記載されている。
【0036】
吸着ローラ828aがストレート形状で形成される場合には、転写材7が2次転写部を通過する前に転写材7が一様に帯電される。転写材7は、正帯電か負帯電つまりどちらかの極性を帯びた状態となる。分離ローラ26が長手方向で一様でない形状で形成されていると、転写材7がどちらの極性に帯電していても、分離ローラ26での画像不良が転写材幅方向Nで幅方向ムラとして生じることに変わりが無い。
【0037】
図4(b)は、図4(a)の場合に、転写材7の帯電量及び転写材幅方向Nの位置の関係を示すグラフである。図4(b)中で、縦軸は、分離ローラ26を通過する転写材幅方向Nの転写材7の帯電量を示し、横軸は、分離ローラ26を通過する転写材7の転写材幅方向Nの転写ベルト24の位置を示す。ここで、細い破線pは、転写材7のトータル帯電量を示すグラフである。細い実線qは、転写材7の裏面が均一に帯電された場合における転写材7の裏面の分布帯電量を示すグラフである。太い破線rは、転写材7の表面で転写材幅方向Nの両端部側が予め帯電された場合に、転写材7が分離ローラ26を通過する前における転写材7の裏面の分布帯電量を示すグラフである。太い実線sは、転写材7の表面で転写材幅方向Nの両端部側が予め帯電された場合に、転写材7が分離ローラ26を通過した後における転写材7の裏面の分布帯電量を示すグラフである。
【0038】
ここで、図4(b)に示されるように、転写材7の裏面の分布帯電量が、転写材7の裏面が吸着ローラ828aで均一に帯電される場合(細い実線q参照)を想定する。同時に、転写材7の裏面が吸着ローラ828aで転写材幅方向Nの両端部が強く帯電される場合(太い破線r及び太い実線s参照)を想定する。そうすると、均一に帯電される場合に比べて、両端部が強く帯電される場合の方が、分離ローラ26の帯電量の絶対値が小さくなり、転写材7の帯電強さが小さくなる。この性質を利用して、図2(b)に示されるように、吸着ローラ28aを逆クラウン形状で形成し、分離ローラ26の正クラウン形状に応じて転写材7の分離タイミングの早い端部ほど予め正電荷を多く帯電させる。これによって、転写材7、特に薄い転写材7の分離時の画像不良の幅方向ムラが抑制される(図4(b)の分布帯電を参照)。
【0039】
図4(c)は、吸着ローラ828aがストレート形状で形成されている場合に、転写材7、転写ベルト24、分離ローラ26の配置、及び、帯電量分布を示し、転写材7の裏面のプラス帯電量が大きい場合を示す概念図である。図4(d)は、図4(c)の場合に、転写材7の帯電量及び転写材幅方向Nの位置の関係を示すグラフである。また、図4(c)は、図1の矢印Jの方向から見た側面図に相当する。また、ここでは便宜的に、図1中で仮に、吸着ローラ828aがアースされ、吸着対向ローラ828bに吸着バイアス印加装置32が接続された場合に関して図示している。実際には、転写材7の表面にプラス電荷が帯電し、その上にマイナスに帯電したトナーが乗るような感じになる。また、実際には、転写材7及び転写ベルト24の間は接触した状態にあるが、電荷の付着状況を分かりやすくするために、図4(c)では転写材7及び転写ベルト24の間は離間して記載されている。
【0040】
図4(c)に示されるように、転写材7の裏面の帯電量が大きい場合がある。この場合には、分離ローラ26から転写材7に向かってマイナス電荷が飛ぶ現象が生じてしまう。そのために、図4(d)に示されるように、転写材幅方向Nでは、中央側がマイナス帯電量が小さく、両端部側のマイナス帯電量が大きくなる。図4(d)中の細い実線は、そのことを表しており、これが異常画像悪化レベルを表すことにもなる。
【0041】
図5(a)は、転写ベルト24、転写材7、吸着ローラ28aの配置関係を示し、転写材7が吸着ローラ28aを通過する前の転写材7の帯電量分布を示す概念図である。図5(b)は、転写ベルト24、転写材7、吸着ローラ28aの配置関係を示し、転写材7が吸着ローラ28aを通過した後の転写材7の帯電量分布を示す概念図である。図5(a)及び図5(b)に示されるように、吸着ローラ28aの下方を転写材7が通過すると、転写材7の表面の転写材幅方向Nの端部がプラス電荷で帯電する。
【0042】
実施例1の画像形成装置100によれば、分離ローラ26が正クラウン形状の場合(図2(a)参照)、吸着ローラ28aが分離タイミングの早い場所ほど多く帯電すべく逆クラウン形状(図2(b)参照)で形成される。この構成で、分離部での転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が低減される。なお、実施例1では吸着ローラ28aがファーブラシであったが、吸着ローラ28aはスポンジローラ等の弾性部材であれば良い。
【実施例2】
【0043】
図6(a)は、実施例2に係る画像形成装置が備える分離ローラ226の構成を示す平面図である。実施例2の画像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置100と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2の分離ローラ226及び吸着ローラ228a(図6(b)参照)が実施例1の分離ローラ26及び吸着ローラ28aと異なる点は、以下の点である。すなわち、転写材搬送方向Mでは、『第2回転体の断面積が大きい部位』である接触片226yには、『第1回転体』である吸着回転体228yの表面に形成されて第1抵抗値を有する『第1抵抗体』であるファーブラシ228y1が対応する。転写材搬送方向Mで、『第2回転体の断面積が小さい部位』である回転軸226xに、『第1回転体』である吸着回転体228yの表面にファーブラシ228y1に隣接して配置されて第2抵抗値を有する『第2抵抗体』であるスポンジ228y2が含まれて対応する。そして、第2抵抗値が第1抵抗値よりも低く設定される。したがって、低い抵抗値を示すスポンジ228y2の方が転写材7にプラス電荷を飛ばし、高い抵抗値を示すファーブラシ228y1の方が転写材7にあまりプラス電荷を飛ばさないこととなる。
【0044】
更に詳述すると、『第2回転体』は、転写ベルト24の上の転写材7に接触する複数の接触片226yとなっている。『第2回転体の断面積が大きい部位』が接触片226yの部位である。『第2回転体の断面積が小さい部位』が回転軸226xの部位である。吸着回転体228yは、円柱状に形成されて曲面に『毛皮部』であるファーブラシ228y1及び『スポンジ部』であるスポンジ228y2を転写材幅方向Nで所定幅で有する。
【0045】
図6(a)に示されるように、分離ローラ226は、回転軸226x、及び、回転軸226xに取り付けられて転写ベルト24の裏面に接触する複数の接触片226yを備える。接触片226yは、円板状に形成されている。
【0046】
図6(b)は、実施例2に係る画像形成装置が備える吸着ローラ228aの構成を示す平面図である。図6(b)に示されるように、吸着ローラ228aは、回転軸228x、及び、回転軸228xに取り付けられて転写ベルト24の裏面に接触する吸着回転体228yを備える。吸着回転体228yは、円筒状に成形されている。吸着回転体228yの表面は、転写材搬送方向Mで対応する位置に『接触片対応部』であるファーブラシ228y1、ファーブラシ228y1に隣接する領域にスポンジで形成された『隣接領域部』であるスポンジ228y2を転写材幅方向Nで所定幅で有している。このスポンジ228y2によって、以下の効果が得られる。すなわち、分離ローラ226を通過するときに転写材7が転写ベルト24から分離するタイミングが早い転写材7の場所に対応して、吸着ローラ228aを通過するときに転写材7のその場所の帯電量が予め大きく設定される。このように、ファーブラシ228y1及びスポンジ228y2を交互に配置することで、分離部で長手方向にムラが生じるといった画像不良が抑制される。
【0047】
吸着ローラ228aとしては、外径が18mm、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定、50V印加で1×10〜1×10Ωのゴムローラが使用された。ファーブラシの外径及び物性値は図2(b)に示す実施例1の吸着ローラ28aと同様であり、ストレート形状である。なお、実施例2では吸着ローラ228aがファーブラシ228y1及びスポンジ228y2で形成されたが、各種弾性部材であれば良い。
【実施例3】
【0048】
図7は、実施例3に係る画像形成装置200の構成を示す断面図である。ここでは、実施例3の画像形成装置200の構成のうち、実施例1の画像形成装置100と同一の構成に関しては同一の符号を付して説明を省略する。特に、実施例3に特有の構成及び効果に関して以下に説明する。この実施例3の画像形成装置200の装置本体200Aの内部では、中間転写ベルト6は、テンションローラ20、2次転写対向ローラ21、駆動ローラ22といった複数のローラに張架されて矢印Gの方向へ100〜300mm/secで回動するようになっている。また、転写ベルト24は、複数の張架ローラ25、26、27に張架されて矢印Bの方向へ100〜300mm/secで回転するようになっている。このように、コントローラ50は、中間転写ベルト6や転写ベルト24の回転速度を所定の範囲内で変更することができる。
【0049】
転写ベルト24を介して分離ローラ26の対向位置には、転写材7の表面の電荷を除電する『除電手段』である分離帯電器29が配置される。つまり、分離ローラ26の位置で転写ベルト24の表面と対向する位置には、分離帯電器29が配置されている。分離帯電器29は、転写材7の表面のトナー像を除電する機能を有する。したがって、転写材7が分離ローラ26まで搬送されると、分離帯電器29が転写材7の表面のトナー像を除電し、分離帯電器29は、転写ベルト24から転写材7が分離されるのを補助することとなる。
【0050】
転写ベルト24の表面には吸着ローラ328aが配置され、転写ベルト24の裏面には吸着対向ローラ328bが配置されている。この吸着ローラ328a及び吸着対向ローラ328bでニップが形成されている。転写材7は、このニップに向かって挟持されつつ搬送される。
【0051】
図8(a)は、吸着電流及びプリント速度の関係を示すグラフである。コントローラ50は、装置本体100Aが転写材7にトナー画像を形成して排出する転写材7のプリント速度に基づいて吸着バイアス印加装置32の吸着高圧を調節する。転写材7が挟持されつつ搬送される場合には、転写ベルト24の外側に配置された吸着ローラ328aには、吸着バイアス印加装置32で定電圧制御された吸着バイアスで、画像形成装置のプリント速度に基づいて、図8(b)の如く、−4〜−30μAの電流を流す。これにより転写材7が転写ベルト24に静電吸着される。
【0052】
図8(b)は、超薄転写材及び厚転写材における吸着電流及び吸着高圧(吸着電圧)の関係を示すグラフである。コントローラ50は、転写材7の種類に基づいて吸着バイアス印加装置32の吸着高圧を調節する。コントローラ50は、転写材7の種類が変われば、図8(b)に示されるように、目標とする目標吸着電流が流れるように吸着高圧(吸着電圧)の付与を制御する。転写材7の種類の設定はユーザにより不図示のタッチパネルから行われる。装置本体100Aのコントローラ50は、プリント速度(周速)の設定に関して推奨モードを有している。例えば、この推奨モードとしては、転写材7の坪量37〜100g/mで300mm/sec、100〜200g/mで200mm/sec、200〜250g/mで100mm/secとなっている。ただし、特別に、不図示のタッチパネルからユーザが設定することも可能である。
【0053】
図8(c)は、転写材7の種類及び画像形成装置の転写材7のプリント速度(周速)の変化に基づく目標吸着電流を示す表である。例えば、コントローラ50は、転写材7の種類が坪量37〜52g/mであると共に、転写材7のプリント速度(周速)が100mm/sである場合には、目標とする吸着電流を10μAに設定する。図8(c)の表中の他の数値に関しても、これと同様に読む。
【0054】
転写ベルト24は矢印Bの方向に移動することで、転写材7が2次転写対向ローラ21と転写ローラ9で形成された2次転写ニップを通過する(図7参照)。その際、転写ローラ9にトナー像と逆極性の定電流制御された転写バイアスを印加する。例えば+30〜+40μAの電流を流し、中間転写ベルト6上のトナー像を転写材7に転写する。
【0055】
ここで、図7に示すコントローラ50は、画像情報制御装置34及び転写材搬送制御装置35を備える。画像情報制御装置34は、露光情報と具現化したトナー像を転写する転写材7の情報を持つ装置である。画像情報制御装置34により入手した情報に基づいて転写材搬送制御装置35の駆動を制御し、転写材搬送制御装置35は、レジストローラ駆動制御装置30、『吸着バイアス印加手段』である吸着バイアス印加装置32の駆動を制御する。転写材7としては坪量37〜250g/mのものが用いられた。
【0056】
図9(a)は、実施例3に係る画像形成装置が備える分離ローラ26の構成を示す平面図である。分離回転体26yは、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで中央側の断面積が端部側の断面積よりも大きい正クラウン形状で形成される。
【0057】
図9(b)は、実施例3に係る画像形成装置が備える吸着ローラ328aの構成を示す平面図である。図9(b)に示されるように、吸着ローラ328aは、『第1回転軸』である回転軸328xと、回転軸328xに取り付けられた円筒状の『第1回転体』である吸着回転体328yと、を備える。吸着回転体328yには、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで、互いに異なるピッチで(中央側でピッチが大きくて端部側でピッチが小さい)複数の環状の溝328y1が形成されている。分離回転体26yの断面積が小さい部位には、吸着回転体328yのピッチが小さい方の環状の溝328y1が対応する。分離回転体26yの断面積が大きい部位には、吸着回転体328yのピッチが大きい方の環状の溝328y1が対応する。吸着ローラ328aは、外径18mmの金属ローラであり、前述のように溝加工が施されている。図9(b)の場合は、溝328y1の深さが約50μm、溝328y1のピッチは分離タイミングが早い場所ほど蜜となっており、50μm〜1000μmのピッチのものを使用した。
【0058】
図9(c)は、実施例3の変形例に係る画像形成装置が備える吸着ローラ428aの構成を示す平面である。図9(c)に示されるように、吸着ローラ428aは、『第1回転軸』である回転軸428xと、回転軸428xに取り付けられた円筒状の『第1回転体』である吸着回転体428yと、を備える。吸着回転体428yには、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nの位置毎に、互いに異なる深さで(中央側で浅くて端部側で深い)複数の環状の溝428y1が形成されている。分離回転体26yの断面積が小さい部位には、吸着回転体428yの深い方の環状の溝428y1が対応する。分離回転体26yの断面積が大きい部位には、吸着回転体428yの浅い方の環状の溝428y1が対応する。吸着ローラ428aは、外径18mmの金属ローラであり、前述のように溝加工が施されている。図9(c)の場合は、溝428y1のピッチが約100μm、溝428y1の深さは分離タイミングが早い場所ほど深くなっており、50μm〜500μmの深さのものを使用した。
【0059】
実施例3の画像形成装置によれば、分離ローラ26が正クラウン形状の場合(図9(a)参照)、金属の吸着ローラ428aが分離ローラ26の形状に応じて分離タイミングの早い場所ほど多く帯電すべく溝のピッチが蜜(図9(b)参照)に設定される。または、分離ローラ26が正クラウン形状の場合(図9(a)参照)、金属の吸着ローラ428aが分離ローラ26の形状に応じて分離タイミングの早い場所ほど多く帯電すべく溝の深さが深く(図9(c)参照)設定される。このことで、分離部での画像不良の長手ムラが軽減される。分離ローラ26の外径及びクラウン量は実施例1と同様である。なお、実施例3では吸着ローラ328a、428aが金属で形成されたが、吸着ローラ328a、428aは高剛性樹脂等の剛体部材で形成されても良い。
【実施例4】
【0060】
図10(a)は、実施例4に係る画像形成装置が備える分離ローラ226の構成を示す平面図である。実施例4における分離ローラ226及び吸着ローラ528a(図10(b)参照)、実施例4の変形例における分離ローラ226及び吸着ローラ628aは、実施例1の画像形成装置にも適用可能であるため、同一の構成に関しては同一の符号を付して説明を省略する。図10(a)に示されるように、『第2回転体』である接触片226yは、転写ベルト24を介して転写材7に接触する複数の接触片226yを有する。『第2回転体の断面積が大きい部位』が接触片226yの部位である。『第2回転体の断面積が小さい部位』が回転軸226xの部位である。分離ローラ226は、回転軸226xと、回転軸226xに固定された円板状の接触片226yと、を備えている。分離ローラ226は、金属で成形されている。
【0061】
図10(b)は、実施例4に係る画像形成装置が備える吸着ローラ528aの構成を示す平面図である。図10(b)に示されるように、吸着ローラ528aは、『第1回転軸』である回転軸528xと、回転軸528xに取り付けられた円筒状の『第1回転体』である吸着回転体528yと、を備える。吸着回転体528yには、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで、互いに異なるピッチで(接触片226yとの対応位置でピッチが大きくて、その隣接領域でピッチが小さい)複数の環状の溝328y1が形成されている。『第2回転体の断面積が大きい部位』である接触片226yには、吸着回転体328yのピッチが大きい方の環状の溝328y1が対応する。『第2回転体の断面積が小さい部位』である回転軸226xには、吸着回転体328yのピッチが小さい方の環状の溝328y1が所定幅で含まれて対応する。すなわち、『第2回転体の断面積が大きい部位』である接触片226yの隣接領域には、吸着回転体328yのピッチが小さい方の環状の溝328y1が所定幅で対応する。吸着ローラ528aは、回転軸528xと、回転軸528xに固定された円筒状の吸着回転体528yと、を備えている。吸着ローラ528aの表面には、分離ローラ226の形状に応じて転写材7の分離タイミングの早い場所ほど多く帯電するべく、環状の溝328y1のピッチが蜜に形成されている。この構成によって、分離部での画像不良の長手ムラが低減される。分離ローラ226としては、外径が18mm、芯金外径が10mmのものが使用された。なお、吸着ローラ528aの材質は、金属としたが、高剛性樹脂等の剛体部材であれば構わない。
【0062】
図10(c)は、実施例4の変形例に係る画像形成装置が備える吸着ローラ628aの構成を示す平面図である。図10(c)に示されるように、図10(c)に示されるように、吸着ローラ628aは、『第1回転軸』である回転軸628xと、回転軸628xに取り付けられた円筒状の『第1回転体』である吸着回転体628yと、を備える。吸着回転体628yには、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nで、互いに異なる深さで(接触片226yとの対応位置で浅くてその隣接領域で深い)複数の環状の溝428y1が形成されている。『第2回転体の断面積が大きい部位』である接触片226yには、吸着回転体428yの浅い方の環状の溝428y1が対応する。『第2回転体の断面積が小さい部位』である回転軸226xには、吸着回転体428yの深い方の環状の溝428y1が所定幅で含まれて対応する。すなわち、『第2回転体の断面積が大きい部位』である接触片226yの隣接領域には、吸着回転体428yの深い方の環状の溝428y1が所定幅で対応する。吸着ローラ628aは、回転軸628xと、回転軸628xに固定された円筒状の吸着回転体628yと、を備えている。吸着ローラ628aの表面には、分離ローラ226の形状に応じて転写材7の分離タイミングが早い場所ほど多く帯電するべく、環状の溝428y1の深さが深く形成されている。この構成によって、分離部での画像不良の長手ムラが低減される。分離ローラ226としては、外径が18mm、芯金外径が10mmのものが使用された。なお、吸着ローラ628aの材質は、金属としたが、高剛性樹脂等の剛体部材であれば構わない。
【実施例5】
【0063】
図11は、実施例5の画像形成装置に関し、転写材7の種類及び環境の状態に基づく目標吸着電流を示す表である。実施例5の画像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置100と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例5の画像形成装置が実施例1の画像形成装置100と異なる点は、以下の点である。すなわち、コントローラ50は、装置本体100Aの内部の温度又は湿度の少なくとも一方に基づいて吸着バイアス印加装置32の吸着高圧を調節する。
【0064】
図11に示される各環境すなわち温度及び湿度における目標吸着電流の表では、環境は、N/L(23℃、5%RH)、N/N(23℃、50%RH)、H/H(30℃、80%RH)となっている。こうした環境と転写材7の種類によって目標吸着電流を変更する。
【0065】
例えば、コントローラ50は、転写材7の種類が坪量37〜52g/mであると共に、環境の状態がN/L(23℃、5%RH)である場合には、目標とする吸着電流を30μAに設定する。図11の表中の他の数値に関しても、これと同様に扱われる。
【0066】
一般的に、低湿環境の方が放電による画像不良は発生し易いので、実施例5においても低湿環境であるN/L(23℃、5%RH)の目標吸着電流を高く設定し、高湿環境であるH/H(30℃、80%RH)の目標吸着電流は低く設定している。
【0067】
転写材7の種類の設定は不図示のタッチパネルからユーザにより行われ、温湿度の設定は不図示の本体に搭載された温湿度センサにより行われる。
【0068】
以上のように、図2(a)のように分離ローラ26が正クラウン形状の場合、図2(b)のように吸着ローラ28aを分離タイミングの早い場所ほど多く帯電するべく逆クラウン形状にする。このことで分離部での画像不良の長手ムラが軽減でき、環境と転写材7の種類に応じて目標吸着電流を制御することで最適化できる。なお、ここでは吸着ローラ28aをファーブラシとしたが、スポンジローラ等の弾性部材であれば構わない。
【0069】
実施例1〜5の画像形成装置によれば、吸着手段は、第2回転体の断面積が小さい部位に転写材搬送方向で対応する第1回転体の部位で転写材を大きな帯電量で帯電させる。また、第2回転体の断面積が大きい部位に転写材搬送方向で対応する第1回転体の部位で転写材を小さな帯電量で帯電させる。したがって、転写材は、転写材が搬送転写体から離間するときに沿面放電が生じ易い部位で、分離手段の形状に対応して予め帯電する。その結果、転写材が搬送転写体から離間するときに生じる沿面放電が抑制され、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向の画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【0070】
特に、実施例1の画像形成装置によれば、吸着ローラ28aは、分離回転体26yの断面積が小さい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位で転写材7を大きな帯電量で帯電させる。また、分離回転体26yの断面積が大きい部位に転写材搬送方向Mで対応する吸着回転体28yの部位で転写材7を小さな帯電量で帯電させる。したがって、転写材7は、転写材7が転写ベルト24から離間するときに沿面放電が生じ易い部位で、分離ローラ26の形状に対応して予め帯電する。その結果、転写材7が転写ベルト24から離間するときに生じる沿面放電が抑制され、転写材搬送方向Mと直交する転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【0071】
実施例1の画像形成装置によれば、分離回転体26yの断面積が小さい部位に吸着回転体28yの断面積が大きい部位が対応する。したがって、吸着回転体28yの断面積が大きい部位に対応する転写材7の部位の帯電量が予め増加され、転写材7が分離回転体26yの断面積が小さい部位を通過するときに帯電量が増加する現象が抑制される。
【0072】
実施例1の画像形成装置によれば、分離ローラ26が正クラウン形状で形成されると、転写材7が転写ベルト24の転写材幅方向Nの端部側から離間して沿面放電し易い。一方で、吸着ローラ28aが逆クラウン形状で形成されると、吸着ローラ28aが転写材7の転写材幅方向Nの端部側をより大きな帯電量で帯電させる。その結果、転写材7には転写材幅方向Nの端部側に既に電荷が蓄積されることから、転写材7が分離ローラ26から離間するときに、転写ベルト24から転写材7へ向かって電荷が飛ぶ沿面放電が抑制される。
【0073】
実施例2の画像形成装置によれば、スポンジ228y2は抵抗値が低いことから、スポンジ228y2から転写材7へ向かって電荷がより飛び易い。反対に、ファーブラシ228y1は抵抗値が高いことから、ファーブラシ228y1から転写材7へ向かって電荷がスポンジ228y2よりは飛び難い。そして、『第2回転体の断面積が小さい部位』である回転軸226xに吸着回転体228yのスポンジ228y2が所定幅で対応する。したがって、回転軸226xの部位のうちの接触片226yの隣接領域に対応するスポンジ228y2を通過する転写材7の部位の帯電量が予め増加され、転写材7が分離ローラ226を通過するときに帯電量が増加する現象が抑制される。
【0074】
実施例2の画像形成装置によれば、分離ローラ226が回転軸226x及び複数の接触片226yで形成されると、転写材7が複数の接触片226yの隣接部位から離間して沿面放電し易い。このために、吸着ローラ228bがファーブラシ228y1及びスポンジ228y2で形成され、転写材7におけるスポンジ228y2の接触部位をより大きな帯電量で帯電させる。その結果、転写材7にはスポンジ228y2の接触部位に既に電荷が蓄積されることから、転写材7が分離ローラ226から離間するときに、転写ベルト24から転写材7へ向かって電荷が飛ぶ現象が抑制される。
【0075】
実施例3及び4の画像形成装置によれば、環状の溝328y1からは転写材7に向かって電荷が飛ぶ。そして、吸着回転体328y、528yのピッチが小さい方の環状の溝328y1の部位では、吸着回転体328y、528yのピッチが大きい方の環状の溝328y1の部位よりも、転写材幅方向Nの寸法当たりに設けられる環状の溝328y1の数が多い。したがって、吸着回転体328y、528yの環状の溝328y1が多い部位に対応する転写材7の部位の帯電量が予め増加され、転写材7が分離ローラ26、226を通過するときに帯電量が増加する現象が抑制される。
【0076】
実施例3及び4の画像形成装置によれば、環状の溝428y1からは転写材7に向かって電荷が飛ぶ。そして、吸着回転体428yの深い方の環状の溝428y1の部位では、吸着回転体428y、628yの浅い方の環状の溝428y1の部位よりも、転写材7に飛ぶ電荷の強さが大きい。したがって、吸着回転体428y、628yの環状の溝428y1が深い部位に対応する転写材7の部位の帯電量が予め増加され、転写材7が分離ローラ26、226を通過するときに帯電量が増加する現象が抑制される。
【0077】
実施例5の画像形成装置によれば、吸着バイアス印加装置32の駆動が制御されることに加えて分離帯電器29の駆動が制御されることで、薄い転写材7の分離時の転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が更に抑制される。
【0078】
実施例5の画像形成装置によれば、転写材7の種類に応じて吸着高圧が制御されるので、転写材7の種類の違いによって転写材7を分離するときの転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【0079】
実施例5の画像形成装置によれば、転写材7のプリント速度に応じて吸着高圧が制御されるので、転写材7のプリント速度の違いによって転写材7を分離するときの転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【0080】
実施例5の画像形成装置によれば、温度又は湿度といった環境に応じて吸着高圧が制御されるので、温度又は湿度の違いによって分離するときに生じ得る転写材幅方向Nの画像ムラ等の画像不良が抑制される。
【0081】
なお、前述の各実施例では、『像担持体』としての中間転写ベルト6が介在された画像形成装置に関して述べたが、この構成に限定されなくても良い。すなわち、『像担持体』としての感光体ドラム1Y〜1kと対向して『搬送転写体』である転写ベルト24が配置される転写方式で構成される画像形成装置であっても良い。
【0082】
また、前述の各実施例では、実施例1及び2では『吸着手段』が弾性部材、実施例3及び4では『吸着手段』が剛体部材で構成される画像形成装置に関して述べたが、この構成に限定されなくても良い。すなわち、実施例1及び2で『吸着手段』が剛体部材、実施例3及び4で『吸着手段』が弾性部材として構成される画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
1…感光体ドラム(像担持体)
6…中間転写ベルト(像担持体)
7…転写材
9…転写ローラ(転写手段)
24…転写ベルト(搬送転写体)
26、226…分離ローラ(分離手段)
26x、226x…回転軸(第2回転軸)
26y…吸着回転体(第2回転体)
226y…接触片(第2回転体)
28a、228a、328a、428a、528a、628a…吸着ローラ(吸着手段)
28b…吸着対向ローラ
28x、228x、328x、428x、528x、628x…回転軸(第1回転軸)
28y、228y、328y、428y、528y、628y…吸着回転体(第1回転体)
32…吸着バイアス印加装置(吸着高圧手段)
55…転写バイアス印加装置(転写高圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して配置され、転写材を担持しつつ搬送し、前記像担持体のトナー像を転写材に転写する搬送転写体と、
前記搬送転写体に対向して配置され、前記搬送転写体が搬送する転写材にトナー像を転写する転写手段と、
前記転写手段に転写高圧を印加する転写高圧手段と、
第1回転軸を有し、前記第1回転軸の位置毎に前記第1回転軸と直交する方向の断面積が異なる第1回転体を有し、転写材搬送方向で前記転写手段よりも上流側に配置されて転写材を前記搬送転写体に吸着する吸着手段と、
前記吸着手段に吸着高圧を印加する吸着高圧手段と、
前記搬送転写体が懸架され、第2回転軸を有し、前記第2回転軸の位置毎に前記第2回転軸と直交する方向の断面積が異なる第2回転体を有し、前記搬送転写体が搬送する転写材を前記搬送転写体から分離する分離手段と、を備え、
前記吸着手段は、前記第2回転体の断面積が大きい部位に転写材搬送方向で対応する前記第1回転体の部位よりも、前記第2回転体の断面積が小さい部位に転写材搬送方向で対応する前記第1回転体の部位によって、転写材を大きな帯電量で帯電させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
転写材搬送方向では、
前記第2回転体の断面積が小さい部位には、前記第1回転体の断面積が大きい部位が対応し、
前記第2回転体の断面積が大きい部位には、前記第1回転体の断面積が小さい部位が対応することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2回転体は、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向で中央側の断面積が端部側の断面積よりも大きい正クラウン形状で形成され、
前記第1回転体は、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向で端部側の断面積が中央側の断面積よりも大きい逆クラウン形状で形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
転写材搬送方向では、
前記第2回転体の断面積が大きい部位には、前記第1回転体の表面に形成されて第1抵抗値を有する第1抵抗体が対応し、
前記第2回転体の断面積が小さい部位には、前記第1回転体の表面に前記第1抵抗体に隣接して配置されて第2抵抗値を有する第2抵抗体が含まれて対応し、
前記第2抵抗値が前記第1抵抗値よりも低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2回転体は、前記搬送転写体を介して転写材に接触する複数の接触片を有し、
前記第2回転体の断面積が大きい部位が前記接触片の部位であり、
前記第2回転体の断面積が小さい部位が前記第2回転軸の部位であり、
前記第1回転体は、円柱状に形成されて曲面に毛皮部及びスポンジ部を有し、
前記第1抵抗体が前記毛皮部であり、前記第2抵抗体が前記スポンジ部であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記吸着手段は、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向で、互いに異なるピッチで形成される複数の環状の溝を有し、
前記第2回転体の断面積が小さい部位には、前記第1回転体のピッチが小さい方の環状の溝が含まれて対応し、
前記第2回転体の断面積が大きい部位には、前記第1回転体のピッチが大きい方の環状の溝が対応することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記吸着手段は、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向で、互いに異なる深さで形成される複数の環状の溝を有し、
前記第2回転体の断面積が小さい部位には、前記第1回転体の深い方の環状の溝が含まれて対応し、
前記第2回転体の断面積が大きい部位には、前記第1回転体の浅い方の環状の溝が対応することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2回転体は、転写材搬送方向と直交する転写材幅方向で中央側の断面積が端部側の断面積よりも大きい正クラウン形状で形成されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2回転体は、前記搬送転写体を介して転写材に接触する複数の接触片を有し、
前記第2回転体の断面積が大きい部位が前記接触片の部位であり、
前記第2回転体の断面積が小さい部位が前記第2回転軸の部位であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記搬送転写体を介して前記分離手段の対向位置には、転写材の表面の電荷を除電する除電手段が配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
転写材の種類に基づいて前記吸着高圧手段の吸着高圧を調節するコントローラを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置本体が転写材にトナー画像を形成して排出する転写材のプリント速度に基づいて前記吸着高圧手段の吸着高圧を調節するコントローラを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置本体の内部の温度又は湿度の少なくとも一方に基づいて前記吸着高圧手段の吸着高圧を調節するコントローラを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−123417(P2011−123417A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282866(P2009−282866)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】