説明

画像形成装置

【課題】装置本体の剛性を損なうことなく、紙詰まり処理や装置本体に対する交換ユニットの着脱操作が容易な画像形成装置を得る。
【解決手段】第1面に片面用紙搬送経路を有し、第1面とは反対側の第2面に両面用紙搬送経路を有する搬送ユニット55と、搬送ユニット55の第2面と向かい合って内側に両面用紙搬送経路を有する開閉扉60と、を備えた画像形成装置。搬送ユニット55及び開閉扉60はそれぞれ水平面上で回動可能であり、開閉扉60を閉じた状態において、開閉扉60及び搬送ユニット55の各部分が用紙搬送経路を形成し、開閉扉60及び搬送ユニット55の回動状態において、開閉扉60の開放動作に連動して開閉扉60と搬送ユニット55が構成する片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路を開放する第1の状態と、搬送ユニット55が中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避している第2の状態とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、特に、装置本体の側面部から紙詰まり処理や交換ユニットの着脱操作が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法によって画像を形成する複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、用紙搬送経路における紙詰まりを処理するため、あるいは、中間転写ユニットなどの交換ユニットを着脱するために、装置本体の側面部に開閉扉を設けている。特許文献1,2には、この種の開閉扉を1枚で構成することにより、装置本体の筺体の剛性を確保することが記載されている。また、特許文献3には、紙詰まり処理の操作性、視認性を改善するために、片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路を内蔵した開閉扉を設けることが記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1,2に記載の画像形成装置において、交換ユニットの着脱軌跡から退避する開閉扉の開閉状態は片面用紙搬送経路を開放するだけであり、両面用紙搬送経路に関しては別途扉を開かないと用紙の視認及び紙詰まり処理ができない構成になっている。特許文献3に記載の画像形成装置では、この点が改善されてはいるが、交換ユニットは開閉扉からの着脱構成ではない。従って、装置本体には紙詰まり処理用と交換ユニット着脱用の二つの開口部が設けられるので本体の剛性を確保するのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−219286号公報
【特許文献2】特開2005−70218号公報
【特許文献3】特開2005−138967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、装置本体の剛性を損なうことなく、紙詰まり処理や装置本体に対する交換ユニットの着脱操作が容易な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態である画像形成装置は、
第1面に片面用紙搬送経路を有し、前記第1面とは反対側の第2面に両面用紙搬送経路を有する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットの第2面と向かい合って内側に両面用紙搬送経路を有する開閉扉と、
前記搬送ユニットの第1面と向かい合って片面用紙搬送経路を有する本体側用紙搬送部と、
前記本体側用紙搬送部の一部を構成し、装置本体から着脱可能な交換ユニットと、
を備え、
前記搬送ユニット及び前記開閉扉はそれぞれ回動支点を有して回動可能であり、
装置本体に対して前記開閉扉を閉じた状態において、開閉扉及び前記搬送ユニットの各部分が用紙搬送経路を形成し、
前記交換ユニットは前記開閉扉が開放された状態で開かれた開口部から装置本体に対して着脱可能であり、
前記開閉扉及び前記搬送ユニットの回動状態において、開閉扉の開放動作に連動して開閉扉と搬送ユニットが構成する片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路を開放する第1の状態と、搬送ユニットが前記交換ユニットの着脱軌跡から退避している第2の状態とを有すること、
を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開閉扉を開放すると、開閉扉と搬送ユニットが構成する片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路が開放されるため(第1の状態)、紙詰まり処理での操作性や視認性が良好である。また、開閉扉を開放すると、搬送ユニットが交換ユニットの着脱軌跡から退避する第2の状態をとることによって、交換ユニットを装置本体に対して開閉扉を開いた開口部から着脱することができる。即ち、紙詰まり処理用として及び交換ユニットの着脱用としての開口部は装置本体に一つ設ければよく、装置本体の剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施例である画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す概略構成図である。
【図3】第1実施例である画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図4】第1実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図5】第1実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す斜視図である
【図6】第2実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す概略構成図である。
【図7】第2実施例である画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図8】第2実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図9】第2実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す概略構成図である。
【図10】第2実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す斜視図である。
【図11】第1実施例及び第2実施例での装置の占有スペースを示す平面図である。
【図12】第3実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す概略構成図である。
【図13】第3実施例である画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図14】第3実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図15】第3実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す概略構成図である
【図16】第3実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である
【図17】第3実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す斜視図である
【図18】第4実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図19】第4実施例である画像形成装置において開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図20】第4実施例である画像形成装置において中間転写ユニットの着脱状態を示す斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、各図面において、同一部材、部分に関しては同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
(第1実施例、図1〜図5参照)
第1実施例である画像形成装置について、図1〜図5を参照して説明する。図1に示すように、この画像形成装置は、タンデム方式のカラープリンタであり、概略、Y,M,C,Kの各色のトナー画像を形成するためのプロセスユニット10(10y,10m,10c,10k)とレーザ走査ユニット20と、中間転写ユニット30を中心として構成されている。
【0011】
プロセスユニット10は、それぞれ、筺体の内部に、感光体ドラム12、図示しない帯電ローラ、現像器、残留トナーや残留電荷のクリーニング部材などを配置したもので、図1の紙面に垂直な方向に装置本体から出し入れ可能である。このプロセスユニット10においては、レーザ走査ユニット20から照射されるレーザによって感光体ドラム12に描画された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0012】
中間転写ユニット30は、矢印X方向に無端状に回転駆動される中間転写ベルト31を備え、各感光体ドラム12と対向する転写ローラ32から付与される電界にて、各感光体ドラム12上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト31上に1次転写して合成する。なお、このような電子写真法による画像形成プロセスは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0013】
装置本体の下部には用紙を1枚ずつ給紙する給紙ユニット41が配置され、用紙は給紙ローラ42から搬送ローラ対43を経てタイミングローラ対44から前記中間転写ベルト31と2次転写ローラ35とのニップ部に搬送され、ここでトナー画像(カラー合成画像)が2次転写される。その後、用紙は定着ユニット45に搬送されてトナーの加熱定着を施され、排出ローラ対46から装置本体1の上面に配置されたトレイ部2に排出される。
【0014】
用紙の両面に印字する際、片面(第1面)に印字処理及び定着処理を施された用紙は、排出ローラ対46にてスイッチバックされ、両面印字用の両面用紙搬送経路50を下方に搬送され、タイミングローラ対44に戻され、第2面に印字処理及び定着処理が施され、排出ローラ対46から排出される。
【0015】
また、2次転写ローラ35を一体的に保持する搬送ユニット55が、以下に説明するように、開閉扉60と連動して回動可能に設けられている。搬送ユニット55は、第1面(図1の左側の面)に片面用紙搬送経路を構成するガイド板などを有し、第1面とは反対側の第2面に両面用紙搬送経路を構成するガイド板などを有している。開閉扉60は搬送ユニット55の第2面と向かい合って内側に両面用紙搬送経路50を構成するガイド板などを有している。装置本体1には、搬送ユニット55の第1面と向かい合って片面用紙搬送経路を構成するガイド板などを有する本体側用紙搬送部が設けられている。
【0016】
一方、中間転写ユニット30は、以下に図5を参照して説明するように、装置本体1の収容位置に着脱可能である。
【0017】
前記開閉扉60は、図3に示すように、軸部材61を支点として水平面上で回動可能に装置本体1の側面開口部3に取り付けられている。軸部材61は装置本体1の奥側に用紙搬送方向(床面に対して垂直な方向、以下同じ)と平行に配置されている。搬送ユニット55も軸部材61を支点として回動可能に装置本体1に取り付けられている。即ち、開閉扉60と搬送ユニット55はそれぞれの軸部材61を支点として独立して回動可能である。
【0018】
開閉扉60は、さらに、図4に示すように、開閉操作を行うためのレバー62とそれに連動するフック部材63及び搬送ユニット55に圧接するばね部材64を有している。装置本体1にはフック部材63と係合可能なロック部材4が設けられている。なお、レバー62やフック部材63及びロック部材4はこの種の開閉扉60の開閉操作/ロック機構として周知のものである。
【0019】
開閉扉60が閉じられた状態においては、フック部材63がロック部材4に係合しており、ばね部材64が搬送ユニット55の第2面を弾性的に押圧している。押圧された搬送ユニット55の当接部57が本体側用紙搬送部の位置決め板5に当接する(図1参照)。これにて、本体側用紙搬送部に対して、開閉扉60及び搬送ユニット55が所定の位置に保持され、適正な用紙搬送経路が構成されることになる。
【0020】
また、装置本体1には搬送ユニット55の開放側端部と対向する位置にばね部材6(図4参照)を備えている。開閉扉60を閉じた状態において、搬送ユニット55の当接部57が位置決め板5に当接するように、ばね部材6の荷重はばね部材64の荷重よりも小さい値としている。即ち、開閉扉60を閉じた状態において、搬送ユニット55はばね部材6によって開閉扉60の開放方向に弾性的に付勢されており、前記レバー62を操作することによってフック部材63のロック部材4への係合を解除して開閉扉60を開放する動作に連動して、搬送ユニット55が本体側用紙搬送部から離間し、片面用紙搬送経路が開放状態となる。同時に、開閉扉60に設けたばね部材64によって開閉扉60と搬送ユニット55も離間し、両面用紙搬送経路が開放状態となる。
【0021】
前記中間転写ユニット30は、交換可能なように一体化されており、装置本体1の開口部3、即ち、開閉扉60を開けた状態で着脱可能とされている。図5は、開閉扉60を図4の状態よりも大きく開けるとともに、搬送ユニット55を開閉扉60に密着させ、中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避させた状態(第2の状態)を示している。このとき、搬送ユニット55を開閉扉60に固定できるように、搬送ユニット55にはダイヤル58aを有するねじ部材58を設け、開閉扉60にはナット部材65を設けてある。
【0022】
以上のごとく、レバー62を操作する1アクションで開閉扉60が開放されるとともに搬送ユニット55が回動し、片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路とが開放される(第1の状態、図4参照)。それゆえ、紙詰まり処理の操作性や視認性が良好である。また、開閉扉60と搬送ユニット55とが中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避する第2の状態(図5参照)をとることによって中間転写ユニット30を装置本体1に対して着脱できる。即ち、紙詰まり処理用として及び中間転写ユニット30の着脱用としての開口部3は装置本体1に一つ設ければよく、装置本体1の剛性を確保することができる。
【0023】
(第2実施例、図6〜図10参照)
第2実施例である画像形成装置は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、異なるのは、搬送ユニット55の回動支点となる軸部材56を用紙搬送方向に対して垂直な方向に開閉扉60上に配置した点にある。
【0024】
詳しくは、図8に示すように、搬送ユニット55の軸部材56にはばね部材71が設けられている。ばね部材71は、開閉扉60が閉じられているとき、搬送ユニット55の当接部57が位置決め板5に当接するように付勢している。開閉扉60が開放されると、搬送ユニット55は自重で図8の矢印B方向に倒れようとし、ばね部材71による矢印Bとは逆方向への荷重と釣り合った角度まで搬送ユニット55は軸部材56を支点として回動する。即ち、前記第1実施例と同様に、レバー62を操作する1アクションで開閉扉60が開放されるとともに搬送ユニット55が回動し、片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路とが開放される(第1の状態、図8参照)
【0025】
また、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避させた状態(第2の状態)を保持させるため、搬送ユニット55を開閉扉60に固定できるように、搬送ユニット55にはピン72を設け、開閉扉60にはフック部材66を設けてある。搬送ユニット55を図8に示す回動位置からばね部材71のばね力に抗してさらに下方に抑え込み、フック部材66をピン72に係合させることで、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡の直下に位置固定することができる。
【0026】
中間転写ユニット30は、図9に示すように、ほぼ水平状態である第2の状態に退避した搬送ユニット55の第2面55bをガイド部として装置本体1に対して着脱される。搬送ユニット55の第2面55bが中間転写ユニット30の着脱ガイド部として機能することにより、中間転写ユニット30の着脱操作性が向上する。
【0027】
第2実施例の作用効果は第1実施例と同様であり、さらに、画像形成装置が占める占有スペースが小さいという効果を奏する。この点につき以下に説明する。
【0028】
(占有スペース、図11参照)
第1実施例と第2実施例では、開閉扉60を垂直な軸部材61を支点として回動可能としている。搬送ユニット55に関しては、第1実施例では開閉扉60と同じ軸部材61を支点として開閉扉60と同方向に回動させ、第2実施例では軸部材56を水平方向に配置して上下方向(開閉扉60とは直交する方向)に回動させている。
【0029】
中間転写ユニット30を着脱する場合、第1実施例では図11(A)に示すように開閉扉60を大きく開放する必要があり、その占有スペースは点線Dで示すように比較的大きい。一方、第2実施例では図11(B)に示すように開閉扉60を開く角度はほぼ90°で済み、その占有スペースは点線Eで示すように小さくて済む。
【0030】
(第3実施例、図12〜図17参照)
第3実施例である画像形成装置は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、異なるのは、開閉扉60の回動支点となる軸部材61(図15参照)を用紙搬送方向に対して垂直な方向に配置し、搬送ユニット55の回動支点となる軸部材56(図14参照)を用紙搬送方向に対して垂直な方向に開閉扉60上に配置した点にある。
【0031】
詳しくは、開閉扉60は水平方向に設けた軸部材61を支点として上下方向に回動可能であり、搬送ユニット55もその軸部材56を支点として上下方向に回動可能である。搬送ユニット55の軸部材56にはばね部材71が設けられている。ばね部材71は、開閉扉60が閉じられているとき、搬送ユニット55の当接部57が位置決め板5に当接するように付勢している。開閉扉60が開放されると、搬送ユニット55は自重で図14の矢印C方向に倒れようとし、ばね部材71による矢印Cとは逆方向への荷重と釣り合った角度まで搬送ユニット55は軸部材56を支点として回動する。即ち、前記第1実施例と同様に、レバー62を操作する1アクションで開閉扉60が開放されるとともに搬送ユニット55が回動し、片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路とが開放される(第1の状態、図12及び図14参照)
【0032】
また、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避させた状態(第2の状態)を保持させるため、搬送ユニット55を開閉扉60に固定できるように、搬送ユニット55にはピン73を設け、開閉扉60にはフック部材67を設けてある。搬送ユニット55を図16に示す回動位置からばね部材71のばね力に抗してさらに下方に抑え込み、フック部材67をピン73に係合させることで、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡の直下に位置固定することができる。
【0033】
中間転写ユニット30は、図15に示すように、ほぼ水平状態である第2の状態に退避した搬送ユニット55に設けた突起74をガイド部として装置本体1に対して着脱される。搬送ユニット55の突起74が中間転写ユニット30の着脱ガイド部として機能することにより、中間転写ユニット30の着脱操作性が向上する。
【0034】
第3実施例の作用効果は第1実施例と同様であり、さらに、画像形成装置が占める占有スペースが小さいという効果は第2実施例と同様である。
【0035】
(第4実施例、図18〜図20参照)
第4実施例である画像形成装置は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、異なるのは、開閉扉60の回動支点となる軸部材61を用紙搬送方向に対して垂直な方向に配置し(第3実施例参照)、搬送ユニット55の回動支点となる軸部材56を用紙搬送方向に対して平行な方向(軸部材61に対して垂直な方向)に開閉扉60上に配置した点にある。
【0036】
詳しくは、開閉扉60は水平方向に設けた軸部材61を支点として上下方向に回動可能であり、搬送ユニット55はその軸部材56を支点として上下方向に回動可能である。搬送ユニット55の軸部材56にはばね部材71が設けられている。ばね部材71は、開閉扉60が閉じられているとき、搬送ユニット55の当接部57が位置決め板5に当接するように付勢している。開閉扉60が開放されると、搬送ユニット55は自重で図18の矢印F方向に倒れようとし、ばね部材71による矢印Fとは逆方向への荷重と釣り合った角度まで搬送ユニット55は軸部材56を支点として回動する。即ち、前記第1実施例と同様に、レバー62を操作する1アクションで開閉扉60が開放されるとともに搬送ユニット55が回動し、片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路とが開放される(第1の状態、図18参照)
【0037】
また、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡から退避させた状態(第2の状態)を保持させるため、搬送ユニット55を開閉扉60に固定できるように、搬送ユニット55にはピン73を設け、開閉扉60にはフック部材67を設けてある。搬送ユニット55を図19に示す回動位置からばね部材71のばね力に抗してさらに下方に抑え込み、フック部材67をピン73に係合させることで、搬送ユニット55を中間転写ユニット30の着脱軌跡の直下に位置固定することができる。
【0038】
中間転写ユニット30は、図20に示すように、ほぼ水平状態である第2の状態に退避した搬送ユニット55に設けた突起74をガイド部として装置本体1に対して着脱される。搬送ユニット55の突起74が中間転写ユニット30の着脱ガイド部として機能することにより、中間転写ユニット30の着脱操作性が向上する。
【0039】
第4実施例の作用効果は第1実施例と同様であり、さらに、画像形成装置が占める占有スペースが小さいという効果は第2実施例と同様である。
【0040】
(他の実施例)
なお、本発明に係る画像形成装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できる。
【0041】
特に、開閉扉自体の構造の細部、搬送ユニットや各種用紙搬送経路の細部は任意である。また、中間転写ユニットを着脱する際に搬送ユニットを開閉扉に保持させておく機構に関しては前記実施例で示した以外に種々の機構を採用でき、例えば、マグネットを使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、装置本体の剛性を損なうことなく、紙詰まり処理や装置本体に対する交換ユニットの着脱操作が容易である点で優れている。
【符号の説明】
【0043】
1…装置本体
3…開口部
5…位置決め板
6…ばね部材
30…中間転写ユニット(交換ユニット)
55…搬送ユニット
55b…第2面(着脱ガイド部)
56…軸部材
57…当接部
60…開閉扉
61…軸部材
64,71…ばね部材
74…突起(着脱ガイド部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に片面用紙搬送経路を有し、前記第1面とは反対側の第2面に両面用紙搬送経路を有する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットの第2面と向かい合って内側に両面用紙搬送経路を有する開閉扉と、
前記搬送ユニットの第1面と向かい合って片面用紙搬送経路を有する本体側用紙搬送部と、
前記本体側用紙搬送部の一部を構成し、装置本体から着脱可能な交換ユニットと、
を備え、
前記搬送ユニット及び前記開閉扉はそれぞれ回動支点を有して回動可能であり、
装置本体に対して前記開閉扉を閉じた状態において、開閉扉及び前記搬送ユニットの各部分が用紙搬送経路を形成し、
前記交換ユニットは前記開閉扉が開放された状態で開かれた開口部から装置本体に対して着脱可能であり、
前記開閉扉及び前記搬送ユニットの回動状態において、開閉扉の開放動作に連動して開閉扉と搬送ユニットが構成する片面用紙搬送経路と両面用紙搬送経路を開放する第1の状態と、搬送ユニットが前記交換ユニットの着脱軌跡から退避している第2の状態とを有すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉扉及び前記搬送ユニットの回動支点は装置本体に設けられており、
前記開閉扉を閉じた状態において開閉扉が前記搬送ユニットを押圧し、押圧された搬送ユニットが前記本体側用紙搬送部に当接することで、開閉扉及び搬送ユニットが本体側用紙搬送部に対して所定の位置に保持されること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開閉扉及び前記搬送ユニットの回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と平行に設けられていること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記開閉扉の回動支点は装置本体に設けられ、前記搬送ユニットの回動支点は開閉扉に設けられ、
前記開閉扉を閉じた状態において開閉扉が前記搬送ユニットを押圧し、押圧された搬送ユニットが前記本体側用紙搬送部に当接することで、開閉扉及び搬送ユニットが本体側用紙搬送部に対して所定の位置に保持されること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉扉の回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と平行に設けられ、前記搬送ユニットの回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と垂直に設けられていること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉扉及び前記搬送ユニットの回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と垂直に設けられていること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記開閉扉の回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と垂直に設けられ、前記搬送ユニットの回動支点はその軸方向が用紙搬送方向と平行に設けられていること、を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記開閉扉を閉じた状態において前記搬送ユニットが前記本体側用紙搬送部又は装置本体から開放方向に力を受けており、開閉扉の開放動作に連動して搬送ユニットが本体側用紙搬送部から離間すること、を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2の状態において前記搬送ユニットを前記開閉扉に固定するための連結手段を備えたこと、を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2の状態において前記搬送ユニットが前記交換ユニットの着脱をガイドするガイド部を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−13305(P2011−13305A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155372(P2009−155372)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】