画像形成装置
【課題】 クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質な画像形成を行い、及び転写効率が良好で,逆転写及びこれによる混色を防止し、クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質なカラー画像形成を行う。
【解決手段】 トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合を各々5個数%以下、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合を10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合はを5重量%以下とする。
【解決手段】 トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合を各々5個数%以下、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合を10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合はを5重量%以下とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法等における静電潜像、磁気潜像を現像するための画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式で画像を形成する際に、例えば2成分乾式現像法を使用した場合、粒子状のトナーは、現像装置から、キャリア、像担持体、及び任意に中間転写部材等の搬送媒体を介して、記録媒体に搬送され、例えばヒートローラを備えた定着器にて加熱、加圧されて記録媒体に定着される。トナーは、各媒体に対して、トナーの各粒子の持つ電荷量から派生する静電気力、ファンデルワールス力、及び液架橋力すなわち水分または湿気により付着する力などによって付着している。トナーは、主に、外部電界によって1つの搬送媒体から引き剥され、後続の搬送媒体に付着されるという機構によって移動する。トナーが、最終的に例えば紙等の記録媒体上に搬送されて、所望のパターンに定着されることにより、画像が形成される。効率よくトナーを搬送して品質の良い最終画像を得るためには、搬送媒体に対するトナーの付着力を制御することが望ましい。
【0003】
付着力の制御を利用した画像形成方法として、トナー及び像担持体間の付着力と、トナーの平均粒径と、トナーの帯電量との関係を限定した画像形成方法がある(例えば、特許文献1参照)。ここでは、遠心分離装置を用いて、トナーが、このトナーが付着された搬送媒体から分離したときの遠心力から、付着力を算出する方式が提案されている。
【0004】
その他、転写性を改善するために、遠心分離方式を用い、ある圧力でトナーを像担持体表面に押し付けた後に測定されたトナー付着力分布の平均値をFとし、標準偏差をσとした場合に、F/2σ>10であるトナーを規定する技術がある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、特定の条件で測定される付着力分布を非常にシャープにすることによって転写特性のばらつきを抑え、効率良くまた高精細に転写することを試みている。
【0005】
しかしながら、この付着力分布は非常に狭い範囲であり、例えば平均付着力6×10−8Nのとき、標準偏差σは0.3×10−8以下にしなければならず、非常に製造が困難であった。また、平均付着力を増大させればある程度分布を広い範囲にできるが、あまり付着力を高くすると、それを転写させるために必要な転写電界もまた非常に大きくなり、気中放電の危険性があった。また、この測定方法では、転写圧力を再現するため付着力測定前にトナーを転写媒体に押し付ける工程を用いているが、この方法を用いると、転写ニップに突入する直前に弱い転写電界を受けて像担持体から分離する付着力の弱いトナーの挙動を把握することが出来なかった。更にまた、この技術では、平均付着力から大きくかけ離れた値を持つトナーの粒子が少量存在する場合が含まれておる。付着力の大きな粒子は転写後のトナー残留の要因になり、付着力の小さな粒子は画像周辺のトナー飛び散りの要因となるため、この技術を用いても転写効率及び画像品質に問題があった。
【0006】
残留トナーを現像と同時に回収する機構を備えたクリーナレスプロセスにおいては、転写後の残留トナーが発生した場合、そのまま後続の帯電工程、潜像形成工程を経た後、新たな画像部の現像と同時に非画像部の残留トナーが現像器に回収される。そのため、残留現像剤量が多いと、潜像を形成するための光源を遮蔽したり、現像器への回収が不十分となり、不所望な再転写が発生するなど、画像欠陥の原因となる。
【0007】
また、タンデム構成のカラー画像形成装置の場合、像担持体から例えば中間転写媒体に転写されたトナーが、後段の像担持体の転写領域において転写電界を受け/及びこの後段の像担持体に圧着されて、逆転写されてしまうことがある。クリーナレスプロセスで、この逆転写されたトナーが現像器に回収されると、前段の現像ステーションの色のトナーが後段の現像器内に混入することになり、混入量が増せば出力画像の色管理が不可能になる。転写効率と逆転写効率は相反する性能である場合が多い。このため、逆転写による混色で回復不可能な状態に陥ることを防ぐため、転写性能をある程度犠牲にしても逆転写を防ぐ転写条件を採用しなければならなかった。
【0008】
このようなことから、樹脂母粒子と像担持体との付着力が、樹脂母粒子間の付着力及び樹脂母粒子と転写体との付着力よりも小さくする技術がある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
また、第1転写体とトナーの付着力が像担持体とトナーとの付着力より大きく、かつ第1転写体と樹脂母粒子の付着力よりも大きいことを規定する技術がある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかしながら、トナーにばらつきがあるように、付着力にもばらつきがあため、トナー、樹脂母粒子、像担持体、第1転写体それぞれの付着力の大小関係を十分に満足させることは困難であった。また、例え平均付着力を基準としてこれらの規定を満足させたとしても、転写残りや逆転写を十分に制御することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−328484号公報
【特許文献2】特開2004−101753号公報
【特許文献3】特開2003−98729号公報
【特許文献4】特開2003−84489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、転写効率が良好で,クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質な画像形成を行うこと、及び転写効率が良好で,逆転写及びこれによる混色を防止し、クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質なカラー画像形成を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1に、像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置を提供する。
【0014】
本発明は、第2に、像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記現像部は、前記像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に該現像部内に回収する機構をさらに有し、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、転写効率が良好で,クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質な画像形成、及び転写効率が良好で,逆転写及びこれによる混色を防止し、クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質なカラー画像形成を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】アングルローターの外観を表す図
【図2】図1のその回転軸に沿った断面を部分的に表す縦断面図
【図3】セルの構成を表す分解図
【図4】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図5】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図6】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図7】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図8】本発明にかかる画像形成における付着力分布の一例を表すグラフ
【図9】大粒径トナー量及び強付着力トナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフ
【図10】小粒径トナー量及び弱付着力トナー量と、感光体上の細線幅に対する転写媒体上の細線幅の比(ちりの度合い)との関係を表すグラフ
【図11】大粒径トナー量及び強付着力トナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフ
【図12】残留トナー量とネガメモリーの度合いとの関係を表すグラフ
【図13】小粒径トナーの量及び中間転写体に対し弱い付着力を有するトナー量と、細線濃度のばらつきの度合いとの関係を表すグラフ
【図14】逆転写トナー量と、小粒径を持つトナー量、及び中間転写体との付着力が弱いトナーとの関係を表すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、以下の8つの観点に大別される。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、基本的に、像担持体、静電潜像にトナー粒子を供給し、トナー粒子を像担持体表面に付着させ、像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、及び現像剤像を転写媒体に転写するための転写部を含む構成を有し、使用される各トナー粒子の個数粒度分布、及び各トナー粒子と像担持体表面との付着力のばらつきを、以下の第1ないし第4の条件に、各々規定したものである。
【0019】
また、本発明に係る画像形成方法は、基本的に、像担持体上に形成された静電潜像に、現像部内に収容された複数のトナー粒子を供給し、トナー粒子を像担持体表面に付着させ、像担持体上に現像剤像を形成する現像工程、及び現像剤像を転写媒体に転写する転写工程を有し、使用される各トナー粒子の個数粒度分布、及び各トナー粒子と像担持体表面との付着力のばらつきを、以下の第1ないし第4の条件に、各々規定したものである。
【0020】
第1の条件は、トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5%以下であり、
トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であることを規定する。
【0021】
第2の条件は、現像部に、像担持体表面の転写後の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構をさらに有する場合に適用されるもので、
トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々4%以下であり、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、4重量%以下であることを規定する。
【0022】
第3の条件は、カラー画像形成に適用され、
トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、3%以下であり、トナー粒子の転写媒体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であることを規定する。
【0023】
第4の条件は、現像部に、像担持体表面の転写後の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有するカラー画像形成に適用され、トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、2%以下であり、トナー粒子の転写媒体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、3重量%以下であることを規定する。
【0024】
本発明者は、個数粒度分布及び付着力分布と、転写特性との間に強い相関があることを実験により見出し、これらの分布を上記第1の条件に規定することにより、良好な転写効率と良好な画質の両立を実現した。
【0025】
粒径の大きなトナー粒子は、1粒の持つ電荷量が大きいため静電付着力が大きく、またファンデルワールス力も粒径に比例して大きい。付着力は、次式によって表される。
【0026】
F=Kq2+Fv+Fb
K:表面電荷密度に関わる定数
q:トナー粒子1粒が持つ電荷量
Fe=Kq2:静電付着力
Fv:ファンデルワールス力
Fb:液架橋力
表面電荷密度が同じとするならば、静電引力はq2に比例するため粒径の4乗に、ファンデルワールス力は粒径の1乗に比例する。また荷電粒子が受ける電界の力は電荷量に比例するため粒径の2乗に比例する。従って、トナー粒径が1.5倍のとき像担持体との付着力は約3.9倍、転写媒体へ向かう引力は約2.2倍となり、像担持体との付着力の方が約2倍大きいため転写しにくくなり、転写残りとなる可能性が高い。また、トナー粒子の粒径が0.5倍のとき、像担持体との付着力は1/16、転写媒体へ向かう引力は1/4になり、転写の力のほうが4倍大きくなるため、最高電界点となる像担持体と転写バイアス印加部材との接触点から、遠い位置で像担持体から離れ、転写媒体に向かって移動を始める。その時、移動距離が長いため正確に潜像に対応する転写媒体上の位置に移動することは難しく、このため、画像周辺に散りが発生して、画像劣化の原因となる。50%平均粒径の1.5倍より大きな粒径を有するトナー粒子は、転写残りになりやすい。これにより、転写後の残留現像剤量を3重量%以下に抑えるためには50%平均粒径の1.5倍以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合を5個数%以下に抑えることが必要である。残留現像剤量が3重量%であることは、現像剤を効率よく消費して廃棄される現像剤量を減らし、またリサイクルシステムで回収した残留現像剤を現像器に戻して再利用する際、長期使用によっても現像特性が変化しないために必要な最大量である。また、50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を持つ微粉の量が多いとき、画像周辺に発生するちりもまた相対的に多いことから、50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を有する微粉の量を5個数%以下に抑えることにより、視認しにくいレベルまでちりを低減させることが出来る。
【0027】
現像剤のトナー粒子は、例えば粉砕もしくは重合法によって製造できる。粉砕法に比べて粒径や成分分布が均一になりやすい重合法であっても、厳密に粒径、形状、表面領域の成分を均一に製造することは難しい。また、トナー粒子表面への添加剤の添加において、添加剤の付着ムラが発生する可能性がある。表面領域の成分及び添加剤の付着ムラは、トナー粒子の表面電荷密度を変化させる原因となって上記式中の定数Kが変化し、また形状が不定形、不均一だと、ファンデルワールス力Fvも変わってくる。粒度分布における大粒径と小粒径の粒子を除いたトナー粒子を使用しても、残留現像剤量及びちり量が許容レベルより多い場合があり、その原因が、上記表面電荷密度の変動であると考えられる。そのためトナー粒子の像担持体表面に対する付着力をトナー粒子の粒径のみで制御することは困難であり、付着力の分布を制御することが必要となる。3×10−7(N)以上の強い付着力を持つトナー粒子は、転写電界によって像担持体から離れることが出来ず、残留現像剤量の増加の原因となる。逆に、1.3×10−8(N)以下弱い付着力を持つトナー粒子は、弱い転写電界によって像担持体から離れてしまうため、画像周辺のちりの原因となりやすい。
【0028】
転写時の現像剤のちりの度合いを、像担持体上に現像した細線の幅と、転写媒体に転写したあとの細線の幅との比で評価した。トナーが散って画像が劣化する場合には転写後の細線の幅が拡大するため、その転写前の像担持体上の細線幅に対する転写後の細線幅の増加を測定することによって転写時の画質劣化を評価することができる。ここでは、CCDカメラにて、1.5μm/1画素、1200画素長さ=1.8mmの細線画像を電子データとして取り込み、細線の幅方向の反射率Tのプロファイルから、白紙部をT100、最大濃度部をT0としたとき、T60以上の幅を細線幅とする。
【0029】
なお、付着力分布のみを制御した場合、トナー粒子と像担持体との付着力は、電荷量が変動すること、現像量によって像担持体と直接接しないトナー粒子が存在する場合があること、像担持体表面の汚染や傷による付着力への影響が変動すること等不安定要素が多く、付着力分布の測定結果と転写特性及び画質との関係が一致しない場合がある。なお、電荷量の変動には、環境温湿度や摩擦帯電状況例えばキャリア粒子との接触回数、混合時間、混合比率、及びキャリア粒子表面劣化等が関係している。
【0030】
これに対し、本発明では、粒度分布と付着力分布を共に制御することにより、付着力の変動の影響を排除し、転写残りとちりによる画質劣化を同時に防止することが出来る。
【0031】
この画像形成には、像担持体上に、転写後の残留現像剤を回収するための例えばゴム製ブレード等を備えたクリーニング装置を使用することができる。
【0032】
また、この画像形成には、残留現像剤を現像器またはトナーホッパー等に戻すリサイクル機構を例えばこのクリーニング装置等に使用することができる。
【0033】
本発明に用いられる第2の条件は、像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有する現像部を使用した画像形成に適用される。像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を用いた画像形成では、転写後の残留現像剤はそのままクリーニングされること無く、次の画像のための帯電、露光工程を経て現像部に搬送され、次の画像のための静電潜像における非画像部に残存する現像剤のみが現像装置内に回収される。トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、1.5A(μm)以上のトナー粒子の比率を4%以下に、かつ、現像により像担持体に付着したトナー粒子の付着力分布において、3×10−7(N)以上の強い付着力を有するトナー粒子の占める割合が4重量%以下とすることによって、残留現像剤が次の画像に影響を及ぼし画像メモリーとして発現することを防止することができる。すなわち、画像を形成させるトナー粒子の量は、多いと、転写しにくくなったり、定着時の熱量不足により定着不良を起こしたり、定着ローラとの接触部における現像剤像の表面領域と内部領域との温度勾配によりオフセットを発生するなどの問題が生じるため、適量以下とすべきである。一般にベタ部のトナー量は0.6mg/cm2 〜0.3mg/cm2で設計されている。最も多い0.6mg/cm2のトナー量を紙上に転写させる場合、像担持体上の残留現像剤量が2重量%であることは、約10μg/cm2の量に相当する。トナー粒子を比重1.1の均一球形粒子と想定して計算すると、5μm径のトナー粒子ならば、像担持体表面積の約3%、7μm径のトナー粒子ならば、像担持体表面積の約2%の面積を覆う計算になる。この2〜3%の残留率であれば帯電、露光の障害になることは無い。しかし、残留現像剤量が2重量%を超え、及び表面残留率が3%を超えると、露光光をわずかに遮って残留粒子の無い感光体表面に比べてごくわずかに残留電位が高くなり、その電位の差が現像後の濃度差となって視認可能となる。
【0034】
また、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力が強いトナー粒子が残留現像剤として像担持体上に残り、それを現像部に回収して再利用するとき、像担持体との付着力が強すぎると現像部に回収しきれず、次の画像の転写時に転写されてしまうポジメモリーの発生、もしくは転写もされず回収もされない付着力の強い現像剤が像担持体上にずっと残留し、静電潜像の形成に支障をきたしたり、フィルミングの原因となる恐れがある。
【0035】
更にまた、現像部で回収できても、付着力が強い傾向にあるトナーが現像部内に蓄積されて、長期使用につれて現像特性が変動してくる可能性もある。従って、残留現像剤量は2重量%以下にすることが望ましく、また付着力の強いトナー粒子が存在することは望ましくない。上記第2の条件によれば、50%平均粒径の1.5倍以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合が4%以下、かつ現像されたトナー粒子と像担持体との付着力が3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合が4重量%以下という二つの条件を共に満たす現像剤を用いることにより、残留現像剤量を2重量%以下に抑えることができる。このとき、長期使用によっても像担持体表面に現像剤が付着して残存したり、現像特性が変動することは無い。
【0036】
また、第2の条件において、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布における、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合をさらに10重量%以下することができる。これにより、ちりの量を視認レベル以下に抑え、画質を高品質に保つという利点がさらに得られる。
【0037】
本発明に用いられる第3の条件は、複数の現像部を用いたカラー画像形成に適用される。
【0038】
異なる色の現像剤による画像をそれぞれの像担持体上で形成する画像形成ユニットを二つ以上有するタンデム構造のカラー画像形成方式においては、第1の画像形成ユニットにより像担持体上に形成された第1の色のトナー画像は、第1の転写領域で転写媒体に転写される。その後、転写媒体は第2の画像形成ユニットの第2の転写領域に搬送され、第2の画像形成ユニットにより像担持体上に形成された第2の色の現像剤像が、被転写体上第1の色の未定着現像剤像の上から重ねて転写される。画像形成ユニットの数だけ繰り返されて転写媒体上に色数分の現像剤像が積層され、直接転写方式の場合はそのまま、中間転写方式の場合は中間転写媒体から紙等の転写媒体への2次転写を経て、定着されて画像が得られる。第2の転写領域において、転写電界によって第2の色の現像剤が転写媒体へ転写されると同時に、被転写体上に既に存在する前段の色の現像剤が第2の像担持体へ、第3の転写領域で第1及び第2の色の現像剤が、第4の転写領域で第1、第2、及び第3の色の現像剤が逆転写される現象が発生する。逆転写の発生によって、転写媒体上の現像剤像の画像濃度が薄くなったり、細線上のトナー粒子が欠損して鮮鋭度が悪くなったりといった画像欠陥が生じる。一般に、転写効率と逆転写効率の間には相反する特性だが、上記第3の条件に従って、トナー粒子の微粉量、及び転写媒体との付着力分布を制御することによって、カラー画像形成における転写効率と逆転写効率を共に最適化することが可能である。50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を持つトナー粒子は、1粒の持つ電荷量が小さく、そのファンデルワールス力も粒径に比例して小さいため、付着力も小さくなる。そのため、像担持体から転写媒体への転写効率は良いが、一旦転写したあと再び転写媒体から像担持体へ逆転写することも容易である。従って、微粒子の混入量を低く抑えることによって逆転写を抑えることが可能になる。
【0039】
また、トナー粒子の粒径が比較的大きくても、粒子の表面成分の不均一、その形状、添加剤の付着度合い、及び帯電機会が少ない等の原因によって、電荷量及び付着力が小さいトナー粒子が存在する可能性があるため、転写媒体との付着力の小さい粒子をも取り除く必要がある。一方、付着力分布のみを制御した場合、転写されたトナー粒子と転写媒体との付着力は、環境温湿度や摩擦帯電状況例えばキャリア粒子との接触回数、混合時間、混合比率、及びキャリア粒子表面劣化等により電荷量が変動すること、転写量によって転写媒体と直接接しないトナー粒子が存在する場合があること、転写媒体が直接転写紙だった場合の抵抗変動や表面粗さにばらつきがあること、及び
中間転写体だった場合の転写体表面の汚染や傷により付着力の変動があること等不安定要素が多く、付着力分布の測定結果と逆転写特性との関係が常に一致するとは限らない。しかし、粒度分布と付着力分布を共に制御することによって、付着力の変動の影響を排除し、逆転写による画質劣化を防止することが出来る。逆転写による不具合は細線の劣化に顕著に表れ、像担持体から転写媒体に高画質で転写されたあと、逆転写によって細線の一部が逆転写で欠損することすなわち細線欠損によって、細線にばらつきが生じる。この細線濃度の長手方向のばらつきを指標としたとき、逆転写量が少なくなるほどばらつき量は小さくなり、ばらつきが 0.07以下であれば画質の許容範囲である。細線濃度のばらつきは、トナー粒子の個数粒度分布における微粉の量、及びトナー粒子と転写媒体との付着力分布において1.3×10−8(N)以下の付着力を有するトナー粒子の割合に相関がある。上記第3の条件によれば、使用するトナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径の1/2以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合を3%以下とし、使用するトナー粒子と転写媒体との付着力において、1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を有するトナー粒子の占める割合を5重量%以下とすることにより、逆転写による細線劣化を防止することが出来る。
【0040】
本発明に用いられる第4の条件は、像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有する複数の現像部を用いたカラー画像形成に適用される。
【0041】
このカラー画像形成では、上述のような逆転写の発生による画像欠陥が生じるだけでなく、像担持体上の転写部の後段にクリーニング機構を設けず、現像部によって現像同時回収を行うクリーナレスプロセスにおいては、逆転写してきた前段の現像剤を残留現像剤と同時に回収してしまういわゆる混色が生じるため、混色する現像剤量が多いと、現像剤の色合いが変わってしまい、出力画像の色の調整が不可能になる。そのため、カラー画像形成では、逆転写量は極力少なくすることを考慮することが望まれる。混色による色変化は、前段の色のトナーが逆転写され、それを現像器で回収することにより異なる色のトナーが混入するが、現像器内で均一に分散されて本来の色の現像剤と共に消費されていくため、現像器内への異色の現像剤の蓄積度合いは、前段の画像形成における印字率の割合により異なる。通常、印字画像のシミュレーションにより、可能性のある印字パターン中、最も混色率が高いと思われる最悪のケースを想定した場合、異色混入による変色を許容範囲内に収めるためには逆転写量を2重量%以下に抑えなければならない。逆転写量は現像剤の微粒子量及び転写媒体との付着力が1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の量に相関がある。上記第4の条件によれば、個数粒度分布における50%平均粒径の1/2以下の粒径を有するトナー粒子の割合を2%以下、かつトナー粒子と転写媒体との付着力分布において1.3×10−8(N)以下の付着力を有するトナー粒子の量を3重量%以下とすることによって、逆転写量を2%以下に制御できる。
【0042】
なお、上記第1の付着力分布及び第2の付着力分布の規定に、各々第3の付着力分布の規定を加えることにより、双方の利点が得られる。同様に、第4の付着力分布の規定に、上記第1の付着力分布または第2の付着力分布の規定を加えることにより、双方の利点が得られる。
【0043】
本発明で使用される付着力の測定は、例えば分離用超遠心器 日立工機製 CP100MXに、アングルローター 日立工機製 P100AT2を取り付けて行うことができる。
【0044】
図1に、アングルローターの外観を表す図、図2に、その回転軸に沿った断面を部分的に表す縦断面図、及び図3に、アングルローター内に試料を設置するためのセルの構成を表す分解図を各々示す。
【0045】
図1及び図2に示すように、このアングルローター10は、基台2上に設置された円錐状の回転体4内に、回転軸1に対しその中心軸が26°の角度で傾斜した竪穴状のセル保持部9が設けられている。このセル保持部9内には、セル3を収容して固定し得る。セル3内には試料を収容して分離するための試料入れ5を設置し得る。
【0046】
試料入れ5は、円筒形のスペーサ7と、その一端に設けられた円盤状の試料設置板6と、その他端に設けられ、分離された試料を受ける試料受け板8とから構成され、セル3内において、試料受け板8が回転中心から遠い位置に、試料設置板6が回転中心から近い位置になるように設置される。
【0047】
まず、感光体と同等の表面保護層を表面に積層した感光体シートを作成する。付着力を測定するためには表面保護層が同等である必要があるが、表面保護層の化学的組成の違いによる付着力の差は非常に小さいと考えられるため、必ずしも同組成である必要はない。感光体へのトナー付着を再現するためにCGL層、CTL層が感光体と同様に積層されたものを用いることができる。このシートをアルミ素管に巻きつけて感光層をGNDに接地し、感光体ドラム位置にセットして、トナーをシート表面に現像し、付着させる。
【0048】
トナーを付着させた感光体シートを試料受け板8の大きさにカットし、スペーサー7と接する側にトナー付着面を向けて試料設置板6に両面テープで貼り付ける。
【0049】
試料設置板6、試料受け板8、スペーサ7の外周直径は例えば7mm、円筒形であるスペーサの厚みは例えば1mm、高さは例えば3mmである。アングルロータに設置した場合のセル3の回転の最小径Rminは例えば3.56cm、最大径Rmaxは例えば7.18cm、平均径Ravは例えば5.37cmである。
【0050】
試料設置板6の試料を貼り付けた側の裏側が回転中心を向くように、試料入れ5をセル3内に設置し、セル3をアングルロータ10のセル保持部9内にセットし、アングルロータ10を図示しない超遠心機に装着する。
超遠心機を10000rpmで回転させたあと試料設置板6、試料受け板8を取り出し、それぞれに付着しているトナーをメンディングテープで剥離し、白紙に貼り付ける。このトナーが付着したテープの反射濃度をMacbeth濃度計にて測定する。
この濃度から分離したトナー量、及び分離しなかったトナー量を算出する。
また、超遠心機の回転数を100000rpmまで、任意の間隔例えば10000rpmずつあげて同様の操作を繰り返す。
【0051】
セル中に設置された試料がロータの回転によって受ける遠心加速度RCFは、
RCF=1.118×10−5×r×N2×g …(1)
r:サンプルセット位置の回転中心からの距離
N:回転速度(rpm)
g:重力加速度
トナーが受ける遠心力は、トナー1粒の重さがmのとき、
F=RCF×m …(2)
m=(4/3)π×r3×ρ …(3)
r:真球相当半径
ρ:トナーの比重
で表される。
【0052】
各回転数のときトナーにかかる遠心力F=RCF×m …(2) に、 本発明では、夫々の回転数での分離トナー比率を掛け、すべて足したものをその現像剤におけるトナーと感光体との平均付着力とする。
なお、付着力にはトナーの帯電量が大きく影響するため、精度良く測定するためには実際のプロセスに即した付着のさせ方で測定サンプルを作成することが望ましい。
【0053】
本発明に使用される現像剤は、着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、及び必要に応じてトナー粒子表面に添加される添加剤を含有するトナーを含む。二成分現像剤の場合は、このトナーとキャリアが混合される。
【0054】
バインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等を使用することができる。
【0055】
着色剤としては、カーボンブラック、縮合多環系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、無機顔料等公知の顔料、染料等を使用することができる。
【0056】
定着補助剤として、ワックス、帯電制御剤(CCA)などを例えばトナー粒子中に添加することができる。また、流動性を改善するために、トナー粒子表面に、添加剤として、例えばシリカ等の無機微粒子を添加することができる。
【0057】
トナー粒子は、粉砕法、及び重合法等の既知の製造方法にて製造することができる。
【0058】
本発明に使用する現像剤は、付着力分布を合わせる為、微粉及び粗大粉をカットして粒度分布をシャープに揃えることが望ましい。
【0059】
現像剤の体積平均粒径は4〜7μmであることが好ましい。
【0060】
2μm以下、及び10μm以上のトナー粒子は分級して除去することが望ましい。また、粒子の表面成分を均一にするため、粉砕法で製造する場合、混錬装置の温度ムラ及びストレスムラ等が発生しないよう製造条件を制御することが望ましい。また、現像剤中の成分の偏在を防ぐため、成分投入の分量及びタイミングを制御し得る。更に、上記添加剤の付着ムラを無くすため、粒子表面に1〜2層の添加剤粒子層ができる様に、添加剤粒径とトナー粒径から投入量を計算し、均一に付着させることが望ましい。
【0061】
また、更に、トナー帯電量分布を均一化するため、2成分現像剤においては、キャリア粒子と適量で混合することが望ましく、1成分現像剤においては、現像部内で帯電付与部材と現像剤との接触圧や形状を適度に設定することが望ましい。
【0062】
2成分現像の場合、使用されるキャリアは、例えばフェライト、マグネタイト、酸化鉄、及び磁性粉を混入した樹脂粒子等の磁性キャリアであり、表面の全部または一部に樹脂コートを施すことができる。
【0063】
図4ないし図7に、本発明の画像形成装置の一例を表す概略図を示す。
【0064】
図4に示すように、この画像形成装置20は、感光体11と、感光体11に対向して、順に設けられた、帯電装置12、露光部13,現像装置14,転写部15,及びクリーニング装置16を含む画像形成ユニットを有する。また、転写部15は、搬送部材17を介して感光体11と対向して配置されており、搬送部材17の下流には定着部18が設けられている。さらに、クリーニング装置16から現像装置14へ搬送路24が設けられ、残留トナーを回収するためのリサイクル機構を成している。
【0065】
この画像形成装置20において、矢印aの方向に回転可能な感光体11には、帯電装置12例えばチャージャワイヤ、櫛歯型チャージャ、スコロトロン等のコロナ帯電器、接触帯電ローラ、非接触帯電ロータ、及び固体チャージャ等により、一様に例えば−500〜800Vの表面電位が付与されている。露光部13により感光体11上に静電潜像が形成される。露光部では、レーザー、LED等の光源を使用できる。なお、感光体11としては、例えばマイナス帯電のみならずプラス帯電の有機感光体層、アモルファスシリコン層等を使用することができる。感光体表面に形成される感光層は、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層等が積層されても、一つの感光体層が複数の働きを兼ね備えていても良い。現像装置14は、例えばマグネットローラを内包した現像ローラ25を有し、例えば2成分現像剤を搬送する磁気ブラシ現像によって、静電潜像に例えば負帯電したトナーを供給し、顕像化し得る。現像ローラ25にはトナーを静電潜像に付着させるような電界を形成するために現像バイアスが印加される。トナーが感光体表面に均一・安定に付着するよう、現像バイアスには例えばDCにACを重量することができる。このとき使用される現像剤は、着色剤、及びバインダー樹脂を含有するトナーを含む。また、その現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合が、各々5%以下であり、かつトナーの感光体11表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0066】
現像装置14内では、トナーホッパー内にキャリアとトナーからなる2成分現像剤が例えば100g〜700g収められ、攪拌オーガ26によって現像ローラ25に搬送され、トナーの一部を現像によって失ったあと、現像ローラ25の剥離極位置で現像ローラ25から離れ、攪拌オーガ26により現像剤格納領域に戻される。現像剤格納領域には図示しないトナー濃度センサが取り付けられ、濃度センサがトナー量の減少を検知すると、信号がトナーホッパーに送られて未使用のトナーが補給される。印字データの積算又は/及び感光体上現像トナー量の検知からトナー消費量を推定し、それをもとに未使用トナーの補給を行っても良い。また、センサー出力と消費量の推定の両方の手段を用いることもできる。
【0067】
現像装置14の下流では、感光体11に転写ローラ15が押し当てられ、転写ローラ15と感光体11との間に、給紙部19から搬送された記録媒体例えば紙Pを介在させ、さらに、図示しない高圧電源により転写ローラ15に印加された例えば+300ないし5kVのバイアス電圧によって感光体11上のトナー像が紙に転写される。転写ニップを通過した紙Pは、定着器18へと搬送され得る。
【0068】
定着器18は、加圧ローラ22及び加熱ローラ21からなる一対のローラを有し、紙Pは、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を、トナー像が加熱ローラ21と接触する状態で、通されることにより、紙P上に定着される。
【0069】
トナー像を転写した後、転写ニップの下流で、感光体11上の残留トナーは、クリーニング装置16により除去され、除電手段23により除電が行なわれる。クリーニング装置16で除去された残留トナーは、図示しないオーガ等によって搬送路24内に送られて現像装置14内に回収される。
【0070】
なお、1成分現像方式を適用する場合、現像剤格納領域内にはトナーのみが格納され、搬送オーガ、中間搬送スポンジローラ等公知の構造によって現像ローラ表面に供給され、現像ローラ表面に圧着されたシリコンゴム、フッ素ゴム、金属ブレード等のトナー帯電部材によって摩擦帯電され、静電潜像を顕像化する。現像ローラは、導電性ゴム層を表面に持った弾性ローラもしくは表面にサンドブラスト等によって粗さを設けたSUS等の金属ローラなどで作られ、感光体と接触または規定のギャップを持って非接触で対峙し、感光体表面と速度差を持って回転している。トナーの静電潜像への付着を助けるため、現像ローラには現像バイアスが印加される。トナーが感光体表面に均一・安定に付着するよう、現像バイアスにはDCにACを重畳することができる。
【0071】
また、上記現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々5個数%以下であり、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0072】
図5は、本発明の画像形成装置の他の一例を表す概略図であって、クリーニング装置16及び搬送路24を持たず、現像装置14の代わりに、現像同時クリーニング機構を有する現像装置28が設けられ、さらに、転写部15と帯電装置12との間にメモリー攪乱部材27が設けられた画像ユニットを用いること以外は、図4と同様の構成を有する。また、使用される現像剤は、
トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々4個数%以下であり、トナーの感光体11表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、4重量%以下である。
【0073】
なお、残留トナーを一旦回収し、現像器に回収させるために再び像担持体上に放出する、図示しない一時回収部材をさらに配置しても良い。メモリー撹乱部材及び一時回収部材には、その機能を効率的に果たすために、プラス又は/及びマイナスの電圧を印加することができる。
【0074】
また、上記現像剤の代わりに、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々4個数%以下であり、トナーの感光体11表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、4重量%以下、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下である現像剤を用いることができる。
【0075】
図6は、本発明のカラー画像形成装置の一例を表す概略図を示す。
【0076】
このカラー画像形成装置50は、図4の画像ユニットと同様の構成を有し、各々、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、及び黒色現像剤が収容される画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kを、その各転写部15Y、15M、15C、15Kが中間転写部材29を介して対向するように4段並べて配置し、二次転写部45、及び定着部18が、転写部15Kの下流に設けられた構成を有する。使用される各色の現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナーの占める割合は、3個数%以下であり、トナーの中間転写部材29表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0077】
また、画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kとして、図4の画像ユニットの代わりに図5の画像ユニットを用いることができる。
【0078】
この場合、使用する各色の現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、2個数%以下であり、トナーの中間転写部材29表面表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、3重量%以下である。
【0079】
また、図7は、本発明のカラー画像形成装置の他の一例を表す概略図を示す。
【0080】
このカラー画像形成装置60は、図4の画像ユニットと同様の構成を有し、各々、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、及び黒色現像剤が収容される画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kを、その各転写部15Y、15M、15C、15Kが搬送部材17を介して対向するように4段並べて配置し、定着部18が、転写部15Kの下流に設けられた構成を有する。この装置は、中間転写部材29の代わりに搬送部材17が使用され、中間転写部材29及び二次転写部45を用いないこと以外は、図6と同様の構成を有し、各転写部15Y、15M、15C、15Kにおいて、例えば紙等の転写媒体に直接転写が行われる。
【0081】
また、上記画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kには、図4の画像ユニットの代わりに図5のユニットを使用することができる。
【0082】
以下、実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0083】
実験例
以下のように4種のトナー及び2種のキャリアを作成した。
【0084】
トナーAの作成
ポリエステル樹脂92重量部、カーミン6B 6重量部、ライスワックス2重量部を混練して、疎粉砕、及び微粉砕後、エルボジェット分級により8μm以上及び3μm以下をカットして、サフュージング処理を行うことにより、機械的球形化処理を施し、球形度0.95を有するトナー粒子を得た。
【0085】
得られたトナー粒子 96重量部に対し、添加剤として、1次粒径70nmのシリカを3重量部、酸化チタン 1重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて添加し、50%平均粒径4.6μm、2.3μm以下の粒径を有するトナーの割合が2%、6.9μm以上の粒径を有するトナーの割合4.2%という粒度分布を有するトナーAを得た。
【0086】
定量分析と観察を行ったところ、トナー粒子表面を添加剤層が1層、ほぼ均一に被っているものと考えられる。
【0087】
キャリアαの作成
40μmの体積平均粒径を有する球形フェライトコアに、シリコン樹脂コートを施し、1×109Ω/cm2の表面抵抗を有するキャリアαを得た。
【0088】
トナーB
ライスワックスの添加量を2重量部に変更すること以外はトナーAと同様にして、50%平均粒径4.5μm、6.75μm以上の粒径を有するトナーの割合が5%、2.25μm以下の粒径を有するトナーの割合2.8%という粒度分布を有するトナーBを作成した。
【0089】
トナーCの作成
トナーAに、トナーAよりも強い負荷をかけてサフュージング処理を行うことにより、機械的球形化処理を施し、球形度0.97を有するトナー粒子を得た。その後、得られたトナー粒子96.5重量部に対し、1次粒径70nmのシリカ2.5重量部及び酸化チタン1重量部をヘンシェルミキサーにて添加して、トナーCを得た。
【0090】
キャリアβの作成
40μmの平均粒径を有する球形フェライトコアに、シリコン樹脂コートを施し、キャリアαより高い11.5×1010Ω/cm2の表面抵抗を有するキャリアβを得た。
【0091】
キャリアγの作成
球形マグネタイトからなる5×106Ω/cm2の表面抵抗を有するコア材にカーボンブラックからなる導電粒子を分散させたフッ素樹脂を平均約5μmの厚さでコートした35μmの体積平均粒径を有する半導電のキャリアγを得た。
【0092】
トナーDの作成
スチレンモノマー60重量部、アクリルモノマー30重量部、ライスワックス2重量部、カーミン6B 7重量部、CCA 1重量部の割合で乳化重合法により0.1μm径の重合粒子を製造し、凝集、洗浄、及び乾燥させて、平均粒径4.9μmのトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の球形度は0.96であった。このトナー粒子92重量部に対し、添加剤として、1次粒径20nmのシリカを6重量部、及び酸化チタン2重量部を添加し、トナーDを得た。
【0093】
トナーEの作成
1次粒径35nmのシリカの添加量を8重量部に変更すること以外はトナーDと同様にしてトナーEを得た。
【0094】
実験例1
トナーB 5重量部と、フェライトキャリアα 95重量部とを混合して現像剤を作成した。
【0095】
得られた現像剤を、感光体表面に感光体と同様の感光層を形成したフィルムを巻いたこと以外は、図4と同様の構成を有する画像形成装置に適用し、帯電、露光、及び現像を行った。
【0096】
トナーBが現像されたフィルムをそのまま取り出し、付着力分布を測定した。
【0097】
その結果を図8に示す。
【0098】
図8は、本発明に用いられる第1の条件を用いた画像形成における付着力分布の一例を表すグラフを示す。
【0099】
このグラフは、現像剤の付着力と、その付着力を有する現像剤の加算重量比との関係を表す。
【0100】
図示するように、1.3×10−8(N)以下、及び3.0×10−7(N)以上の粒子の割合は、共に3重量%であった。
【0101】
また、搬送部材の代わりに中間転写体を用い、記録媒体を供給しないこと以外は図4と同様に構成を有する画像形成装置を用意した。上記現像剤をこの画像形成装置に適用して、中間転写体に転写させ、転写特性として、残留トナー量を測定した。残留トナー量は、テープで剥離してマクベス濃度計により反射濃度を測定し、予め作成したトナー量と反射濃度の校正式に当てはめることにより測定した。
【0102】
この装置と現像剤でライフ試験を行なったところ、100K枚まで行なってもトナー帯電量の変動などの不具合は許容範囲内で、リサイクルを行なうことによる不具合も発生しなかった。
【0103】
同様に、下記表1のように、上記トナーA,B,C,D,Eと、上記キャリアα,β,γを各々組合せて、その個数粒度分布、付着力分布、残留トナー量、及び逆転写量を測定し、ちりの度合い、及び細線欠損を評価した。
【表1】
【0104】
なお、細線欠損は、細線の長手方向の画像濃度を測定し、細線濃度のばらつきとして評価した。細線濃度のばらつきは、下記のように求めた。
【0105】
細線濃度のばらつき=細線濃度の標準偏差/細線濃度の平均値
得られた結果を下記表2及び表3に示す。
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
表2に示すように、サンプル3,4,8,及び9は、本発明に用いられる第1の条件を満たすもので、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々5個数%以下であり、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下である。 第1の条件を満たす上記サンプル3,4,8,及び9は、残留トナー量、逆転写トナー量、ちりの度合い、及び細線欠損共に良好であった。
【0108】
サンプル1は、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は5重量%を超えており、サンプル2,5は、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%を超えており、各々第1の条件に対して比較例となっている。
【0109】
表3に示すように、サンプル1,2は、残留トナー量及び逆転写トナー量が多く、ちりの度合いが1.5以上と劣っていた。さらに、細線欠損が大きかった。
【0110】
サンプル5は、逆転写量が多く、ちりの度合いが1.5以上と劣っていた。さらに、細線欠損が大きかった。
【0111】
図9に、上記表1に示すトナーとキャリアの組合せで作成した現像剤を用いたときの、50%平均粒径×1.5以上の大粒径を持つトナー量および3.0×10−7(N)以上の強い付着力を持つトナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフを示す。
【0112】
同じ残留トナー量のプロットは、同一サンプルのデータである。図中、ひし形は大粒径トナー量、正方形は強付着力トナー量を各々示す。図示するように、大粒径トナー量及び強付着力トナー量が共に5重量%以下であるとき、残留トナー量3重量%以下が実現できることがわかった。
【0113】
また、図10には、50%平均粒径×0.5以下の小粒径を持つトナーの量および1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を持つトナーの量と、感光体上の細線幅に対する転写媒体上の細線幅の比(ちりの度合い)との関係を表すグラフを示す。
【0114】
図中、ひし形は小粒径トナー量、正方形は弱付着力トナー量を各々示す。同じちりの度合いのプロットは、同一サンプルのデータである。
【0115】
この細線幅の比は、転写時の画像劣化を表すもので、ここでは、ちりの度合いは1.5以下が許容範囲であると見なした。
【0116】
小粒径トナー量5重量%以下かつ弱付着力トナー量10重量%以下のとき、ちりの度合い1.5以下を実現できることがわかった。
【0117】
また、これらの現像剤でライフ試験を行なったが、残留トナー量5%以下のサンプルは100K枚まで行なっても、トナー帯電量の変動等の不具合は許容範囲内であった。一方、残留トナー量が5重量%より多いサンプルは、トナー帯電量が徐々に上昇し、画像濃度の低下が見られた。
【0118】
実験例2
図5と同様の構成を有する画像形成装置に、上記表1に示すトナーを適用して、残留トナー量を計測した。
【0119】
図11に、50%平均粒径×1.5以上の大きな粒径を有するトナー量及び3.0×10−7(N)以上の強い付着力を有するトナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフを示す。
【0120】
同じ残留トナー量のプロットは、同一サンプルのデータである。図中、ひし形は大粒径トナー量、正方形は強付着力トナー量を各々示す。
【0121】
図から、50%平均粒径×1.5以上の粒径を有するトナー量及び3.0×10−7(N)以上の付着力を有するトナー量が共に4重量%以下であるとき、残留トナー量を2重量%以下を実現できることがわかった。
【0122】
また、残留トナー量 2重量%以下の現像剤を用いたとき、露光障害によるネガメモリーや、回収不良によるポジメモリーなどの不具合は発生せず、ライフ試験を行なったが100K枚でもメモリー画像の発生は見られなかった。
【0123】
比較として、残留トナー量3.0重量%である現像剤を用いて同様の装置を用いて画出しを行なった。
【0124】
その結果、残留トナーが、次の画像の露光を阻害して画像部の電位が落ちきらず、ネガメモリーとなって表出した。また、この装置でライフ試験を行なったところ、感光体の表面劣化と共に残留トナーの回収効率が落ち、80K枚で回収しきれずに次の画像に転写されてしまうポジメモリーとなって表出した。残留トナー量が2重量%を超える他の現像剤でも同様に、初期においてネガメモリーがわずかながら発生し、また90K枚でポジメモリーが発生した。
【0125】
図12に残留トナー量とネガメモリーの度合いとの関係を表すグラフを示す。
【0126】
ネガメモリーは、残留トナーによる露光障害がない部分と、残留トナーによる露光障害がある部分とについて、現像、転写、及び定着した画像の画像濃度をマクベス社製画像濃度計RD−918により測定し、その濃度の差により評価した。
【0127】
画像濃度差が0.015以下であると視認されることが無いことから、残留トナー量は2重量%以下であることが望ましいことがわかった。
【0128】
実験例3
搬送部材の代わりに中間転写体を使用すること以外は、実験例1に使用した画像形成装置と同様の装置を用意した。
【0129】
中間転写体の表面抵抗は107 Ωcm〜1012Ωcmであることが望ましい。ここでは109 Ωcm。
【0130】
中間転写体に使用する材質としては、ゴム例えばEPDM、CRゴム等、及び樹脂例えばポリイミド、ポリカーボネート、PVDF、ETFE等があげられる。この中間転写体には、ポリイミド樹脂フィルムを用いた。上記表1に示す各現像剤を用いて、感光体に現像し、得られたトナー像を、中間転写体に、転写効率97%以上となるような転写条件にて転写させた。中間転写体上に転写されたトナー像を、中間転写体ごと画像形成装置から取り出し、付着力分布を測定した。
【0131】
50%平均粒径×0.5以下の小さい粒径を持つトナーの量及び中間転写体に対し1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を有するトナー量と、細線濃度の長手方向のばらつきの度合いとの関係を表すグラフを図13に示す。
【0132】
図示するように、小粒径トナー量3重量%以下、かつ弱付着力トナー量5重量%以下のとき、細線濃度ばらつきは、視認されにくい0.07以下になり、逆転写が減少していることがわかった。
【0133】
実験例4
まず、図5の画像ユニットを使用した図6と同様の画像形成装置を用意した、上記表1に記載の現像剤を適用して、画出しを行なった。
【0134】
図14に、後続のステーションの感光体への逆転写トナー量と、50%平均粒径×0.5以下の小さい粒径を持つトナー量、及び中間転写体との付着力が1.3×10−8(N)以下である弱い付着力を持つトナーとの関係を表すグラフを示す。
【0135】
図中、ひし形は小粒径トナー量、正方形は弱付着力トナー量を各々示す。同じ細線濃度ばらつきを表す現像剤のプロットは、同一サンプルのデータである。
【0136】
混色による画像の色変動を防止するために必要な逆転写量2重量%以下を実現するためには、小粒径トナー量を2重量%以下、かつ転写媒体との弱付着力トナー量3重量%以下にすればよいことがわかった。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
11…像担持体、14…現像部、15…転写部、16…クリーニング装置、20…画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法等における静電潜像、磁気潜像を現像するための画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式で画像を形成する際に、例えば2成分乾式現像法を使用した場合、粒子状のトナーは、現像装置から、キャリア、像担持体、及び任意に中間転写部材等の搬送媒体を介して、記録媒体に搬送され、例えばヒートローラを備えた定着器にて加熱、加圧されて記録媒体に定着される。トナーは、各媒体に対して、トナーの各粒子の持つ電荷量から派生する静電気力、ファンデルワールス力、及び液架橋力すなわち水分または湿気により付着する力などによって付着している。トナーは、主に、外部電界によって1つの搬送媒体から引き剥され、後続の搬送媒体に付着されるという機構によって移動する。トナーが、最終的に例えば紙等の記録媒体上に搬送されて、所望のパターンに定着されることにより、画像が形成される。効率よくトナーを搬送して品質の良い最終画像を得るためには、搬送媒体に対するトナーの付着力を制御することが望ましい。
【0003】
付着力の制御を利用した画像形成方法として、トナー及び像担持体間の付着力と、トナーの平均粒径と、トナーの帯電量との関係を限定した画像形成方法がある(例えば、特許文献1参照)。ここでは、遠心分離装置を用いて、トナーが、このトナーが付着された搬送媒体から分離したときの遠心力から、付着力を算出する方式が提案されている。
【0004】
その他、転写性を改善するために、遠心分離方式を用い、ある圧力でトナーを像担持体表面に押し付けた後に測定されたトナー付着力分布の平均値をFとし、標準偏差をσとした場合に、F/2σ>10であるトナーを規定する技術がある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、特定の条件で測定される付着力分布を非常にシャープにすることによって転写特性のばらつきを抑え、効率良くまた高精細に転写することを試みている。
【0005】
しかしながら、この付着力分布は非常に狭い範囲であり、例えば平均付着力6×10−8Nのとき、標準偏差σは0.3×10−8以下にしなければならず、非常に製造が困難であった。また、平均付着力を増大させればある程度分布を広い範囲にできるが、あまり付着力を高くすると、それを転写させるために必要な転写電界もまた非常に大きくなり、気中放電の危険性があった。また、この測定方法では、転写圧力を再現するため付着力測定前にトナーを転写媒体に押し付ける工程を用いているが、この方法を用いると、転写ニップに突入する直前に弱い転写電界を受けて像担持体から分離する付着力の弱いトナーの挙動を把握することが出来なかった。更にまた、この技術では、平均付着力から大きくかけ離れた値を持つトナーの粒子が少量存在する場合が含まれておる。付着力の大きな粒子は転写後のトナー残留の要因になり、付着力の小さな粒子は画像周辺のトナー飛び散りの要因となるため、この技術を用いても転写効率及び画像品質に問題があった。
【0006】
残留トナーを現像と同時に回収する機構を備えたクリーナレスプロセスにおいては、転写後の残留トナーが発生した場合、そのまま後続の帯電工程、潜像形成工程を経た後、新たな画像部の現像と同時に非画像部の残留トナーが現像器に回収される。そのため、残留現像剤量が多いと、潜像を形成するための光源を遮蔽したり、現像器への回収が不十分となり、不所望な再転写が発生するなど、画像欠陥の原因となる。
【0007】
また、タンデム構成のカラー画像形成装置の場合、像担持体から例えば中間転写媒体に転写されたトナーが、後段の像担持体の転写領域において転写電界を受け/及びこの後段の像担持体に圧着されて、逆転写されてしまうことがある。クリーナレスプロセスで、この逆転写されたトナーが現像器に回収されると、前段の現像ステーションの色のトナーが後段の現像器内に混入することになり、混入量が増せば出力画像の色管理が不可能になる。転写効率と逆転写効率は相反する性能である場合が多い。このため、逆転写による混色で回復不可能な状態に陥ることを防ぐため、転写性能をある程度犠牲にしても逆転写を防ぐ転写条件を採用しなければならなかった。
【0008】
このようなことから、樹脂母粒子と像担持体との付着力が、樹脂母粒子間の付着力及び樹脂母粒子と転写体との付着力よりも小さくする技術がある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
また、第1転写体とトナーの付着力が像担持体とトナーとの付着力より大きく、かつ第1転写体と樹脂母粒子の付着力よりも大きいことを規定する技術がある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかしながら、トナーにばらつきがあるように、付着力にもばらつきがあため、トナー、樹脂母粒子、像担持体、第1転写体それぞれの付着力の大小関係を十分に満足させることは困難であった。また、例え平均付着力を基準としてこれらの規定を満足させたとしても、転写残りや逆転写を十分に制御することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−328484号公報
【特許文献2】特開2004−101753号公報
【特許文献3】特開2003−98729号公報
【特許文献4】特開2003−84489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、転写効率が良好で,クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質な画像形成を行うこと、及び転写効率が良好で,逆転写及びこれによる混色を防止し、クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質なカラー画像形成を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1に、像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置を提供する。
【0014】
本発明は、第2に、像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記現像部は、前記像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に該現像部内に回収する機構をさらに有し、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、転写効率が良好で,クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質な画像形成、及び転写効率が良好で,逆転写及びこれによる混色を防止し、クリーナレスプロセスにも十分対応し得るちりのない高画質なカラー画像形成を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】アングルローターの外観を表す図
【図2】図1のその回転軸に沿った断面を部分的に表す縦断面図
【図3】セルの構成を表す分解図
【図4】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図5】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図6】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図7】本発明の画像形成装置の一例を表す概略図
【図8】本発明にかかる画像形成における付着力分布の一例を表すグラフ
【図9】大粒径トナー量及び強付着力トナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフ
【図10】小粒径トナー量及び弱付着力トナー量と、感光体上の細線幅に対する転写媒体上の細線幅の比(ちりの度合い)との関係を表すグラフ
【図11】大粒径トナー量及び強付着力トナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフ
【図12】残留トナー量とネガメモリーの度合いとの関係を表すグラフ
【図13】小粒径トナーの量及び中間転写体に対し弱い付着力を有するトナー量と、細線濃度のばらつきの度合いとの関係を表すグラフ
【図14】逆転写トナー量と、小粒径を持つトナー量、及び中間転写体との付着力が弱いトナーとの関係を表すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、以下の8つの観点に大別される。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、基本的に、像担持体、静電潜像にトナー粒子を供給し、トナー粒子を像担持体表面に付着させ、像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、及び現像剤像を転写媒体に転写するための転写部を含む構成を有し、使用される各トナー粒子の個数粒度分布、及び各トナー粒子と像担持体表面との付着力のばらつきを、以下の第1ないし第4の条件に、各々規定したものである。
【0019】
また、本発明に係る画像形成方法は、基本的に、像担持体上に形成された静電潜像に、現像部内に収容された複数のトナー粒子を供給し、トナー粒子を像担持体表面に付着させ、像担持体上に現像剤像を形成する現像工程、及び現像剤像を転写媒体に転写する転写工程を有し、使用される各トナー粒子の個数粒度分布、及び各トナー粒子と像担持体表面との付着力のばらつきを、以下の第1ないし第4の条件に、各々規定したものである。
【0020】
第1の条件は、トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5%以下であり、
トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であることを規定する。
【0021】
第2の条件は、現像部に、像担持体表面の転写後の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構をさらに有する場合に適用されるもので、
トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々4%以下であり、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、4重量%以下であることを規定する。
【0022】
第3の条件は、カラー画像形成に適用され、
トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、3%以下であり、トナー粒子の転写媒体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であることを規定する。
【0023】
第4の条件は、現像部に、像担持体表面の転写後の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有するカラー画像形成に適用され、トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、2%以下であり、トナー粒子の転写媒体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、3重量%以下であることを規定する。
【0024】
本発明者は、個数粒度分布及び付着力分布と、転写特性との間に強い相関があることを実験により見出し、これらの分布を上記第1の条件に規定することにより、良好な転写効率と良好な画質の両立を実現した。
【0025】
粒径の大きなトナー粒子は、1粒の持つ電荷量が大きいため静電付着力が大きく、またファンデルワールス力も粒径に比例して大きい。付着力は、次式によって表される。
【0026】
F=Kq2+Fv+Fb
K:表面電荷密度に関わる定数
q:トナー粒子1粒が持つ電荷量
Fe=Kq2:静電付着力
Fv:ファンデルワールス力
Fb:液架橋力
表面電荷密度が同じとするならば、静電引力はq2に比例するため粒径の4乗に、ファンデルワールス力は粒径の1乗に比例する。また荷電粒子が受ける電界の力は電荷量に比例するため粒径の2乗に比例する。従って、トナー粒径が1.5倍のとき像担持体との付着力は約3.9倍、転写媒体へ向かう引力は約2.2倍となり、像担持体との付着力の方が約2倍大きいため転写しにくくなり、転写残りとなる可能性が高い。また、トナー粒子の粒径が0.5倍のとき、像担持体との付着力は1/16、転写媒体へ向かう引力は1/4になり、転写の力のほうが4倍大きくなるため、最高電界点となる像担持体と転写バイアス印加部材との接触点から、遠い位置で像担持体から離れ、転写媒体に向かって移動を始める。その時、移動距離が長いため正確に潜像に対応する転写媒体上の位置に移動することは難しく、このため、画像周辺に散りが発生して、画像劣化の原因となる。50%平均粒径の1.5倍より大きな粒径を有するトナー粒子は、転写残りになりやすい。これにより、転写後の残留現像剤量を3重量%以下に抑えるためには50%平均粒径の1.5倍以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合を5個数%以下に抑えることが必要である。残留現像剤量が3重量%であることは、現像剤を効率よく消費して廃棄される現像剤量を減らし、またリサイクルシステムで回収した残留現像剤を現像器に戻して再利用する際、長期使用によっても現像特性が変化しないために必要な最大量である。また、50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を持つ微粉の量が多いとき、画像周辺に発生するちりもまた相対的に多いことから、50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を有する微粉の量を5個数%以下に抑えることにより、視認しにくいレベルまでちりを低減させることが出来る。
【0027】
現像剤のトナー粒子は、例えば粉砕もしくは重合法によって製造できる。粉砕法に比べて粒径や成分分布が均一になりやすい重合法であっても、厳密に粒径、形状、表面領域の成分を均一に製造することは難しい。また、トナー粒子表面への添加剤の添加において、添加剤の付着ムラが発生する可能性がある。表面領域の成分及び添加剤の付着ムラは、トナー粒子の表面電荷密度を変化させる原因となって上記式中の定数Kが変化し、また形状が不定形、不均一だと、ファンデルワールス力Fvも変わってくる。粒度分布における大粒径と小粒径の粒子を除いたトナー粒子を使用しても、残留現像剤量及びちり量が許容レベルより多い場合があり、その原因が、上記表面電荷密度の変動であると考えられる。そのためトナー粒子の像担持体表面に対する付着力をトナー粒子の粒径のみで制御することは困難であり、付着力の分布を制御することが必要となる。3×10−7(N)以上の強い付着力を持つトナー粒子は、転写電界によって像担持体から離れることが出来ず、残留現像剤量の増加の原因となる。逆に、1.3×10−8(N)以下弱い付着力を持つトナー粒子は、弱い転写電界によって像担持体から離れてしまうため、画像周辺のちりの原因となりやすい。
【0028】
転写時の現像剤のちりの度合いを、像担持体上に現像した細線の幅と、転写媒体に転写したあとの細線の幅との比で評価した。トナーが散って画像が劣化する場合には転写後の細線の幅が拡大するため、その転写前の像担持体上の細線幅に対する転写後の細線幅の増加を測定することによって転写時の画質劣化を評価することができる。ここでは、CCDカメラにて、1.5μm/1画素、1200画素長さ=1.8mmの細線画像を電子データとして取り込み、細線の幅方向の反射率Tのプロファイルから、白紙部をT100、最大濃度部をT0としたとき、T60以上の幅を細線幅とする。
【0029】
なお、付着力分布のみを制御した場合、トナー粒子と像担持体との付着力は、電荷量が変動すること、現像量によって像担持体と直接接しないトナー粒子が存在する場合があること、像担持体表面の汚染や傷による付着力への影響が変動すること等不安定要素が多く、付着力分布の測定結果と転写特性及び画質との関係が一致しない場合がある。なお、電荷量の変動には、環境温湿度や摩擦帯電状況例えばキャリア粒子との接触回数、混合時間、混合比率、及びキャリア粒子表面劣化等が関係している。
【0030】
これに対し、本発明では、粒度分布と付着力分布を共に制御することにより、付着力の変動の影響を排除し、転写残りとちりによる画質劣化を同時に防止することが出来る。
【0031】
この画像形成には、像担持体上に、転写後の残留現像剤を回収するための例えばゴム製ブレード等を備えたクリーニング装置を使用することができる。
【0032】
また、この画像形成には、残留現像剤を現像器またはトナーホッパー等に戻すリサイクル機構を例えばこのクリーニング装置等に使用することができる。
【0033】
本発明に用いられる第2の条件は、像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有する現像部を使用した画像形成に適用される。像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を用いた画像形成では、転写後の残留現像剤はそのままクリーニングされること無く、次の画像のための帯電、露光工程を経て現像部に搬送され、次の画像のための静電潜像における非画像部に残存する現像剤のみが現像装置内に回収される。トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、1.5A(μm)以上のトナー粒子の比率を4%以下に、かつ、現像により像担持体に付着したトナー粒子の付着力分布において、3×10−7(N)以上の強い付着力を有するトナー粒子の占める割合が4重量%以下とすることによって、残留現像剤が次の画像に影響を及ぼし画像メモリーとして発現することを防止することができる。すなわち、画像を形成させるトナー粒子の量は、多いと、転写しにくくなったり、定着時の熱量不足により定着不良を起こしたり、定着ローラとの接触部における現像剤像の表面領域と内部領域との温度勾配によりオフセットを発生するなどの問題が生じるため、適量以下とすべきである。一般にベタ部のトナー量は0.6mg/cm2 〜0.3mg/cm2で設計されている。最も多い0.6mg/cm2のトナー量を紙上に転写させる場合、像担持体上の残留現像剤量が2重量%であることは、約10μg/cm2の量に相当する。トナー粒子を比重1.1の均一球形粒子と想定して計算すると、5μm径のトナー粒子ならば、像担持体表面積の約3%、7μm径のトナー粒子ならば、像担持体表面積の約2%の面積を覆う計算になる。この2〜3%の残留率であれば帯電、露光の障害になることは無い。しかし、残留現像剤量が2重量%を超え、及び表面残留率が3%を超えると、露光光をわずかに遮って残留粒子の無い感光体表面に比べてごくわずかに残留電位が高くなり、その電位の差が現像後の濃度差となって視認可能となる。
【0034】
また、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力が強いトナー粒子が残留現像剤として像担持体上に残り、それを現像部に回収して再利用するとき、像担持体との付着力が強すぎると現像部に回収しきれず、次の画像の転写時に転写されてしまうポジメモリーの発生、もしくは転写もされず回収もされない付着力の強い現像剤が像担持体上にずっと残留し、静電潜像の形成に支障をきたしたり、フィルミングの原因となる恐れがある。
【0035】
更にまた、現像部で回収できても、付着力が強い傾向にあるトナーが現像部内に蓄積されて、長期使用につれて現像特性が変動してくる可能性もある。従って、残留現像剤量は2重量%以下にすることが望ましく、また付着力の強いトナー粒子が存在することは望ましくない。上記第2の条件によれば、50%平均粒径の1.5倍以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合が4%以下、かつ現像されたトナー粒子と像担持体との付着力が3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合が4重量%以下という二つの条件を共に満たす現像剤を用いることにより、残留現像剤量を2重量%以下に抑えることができる。このとき、長期使用によっても像担持体表面に現像剤が付着して残存したり、現像特性が変動することは無い。
【0036】
また、第2の条件において、トナー粒子の像担持体表面に対する付着力分布における、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合をさらに10重量%以下することができる。これにより、ちりの量を視認レベル以下に抑え、画質を高品質に保つという利点がさらに得られる。
【0037】
本発明に用いられる第3の条件は、複数の現像部を用いたカラー画像形成に適用される。
【0038】
異なる色の現像剤による画像をそれぞれの像担持体上で形成する画像形成ユニットを二つ以上有するタンデム構造のカラー画像形成方式においては、第1の画像形成ユニットにより像担持体上に形成された第1の色のトナー画像は、第1の転写領域で転写媒体に転写される。その後、転写媒体は第2の画像形成ユニットの第2の転写領域に搬送され、第2の画像形成ユニットにより像担持体上に形成された第2の色の現像剤像が、被転写体上第1の色の未定着現像剤像の上から重ねて転写される。画像形成ユニットの数だけ繰り返されて転写媒体上に色数分の現像剤像が積層され、直接転写方式の場合はそのまま、中間転写方式の場合は中間転写媒体から紙等の転写媒体への2次転写を経て、定着されて画像が得られる。第2の転写領域において、転写電界によって第2の色の現像剤が転写媒体へ転写されると同時に、被転写体上に既に存在する前段の色の現像剤が第2の像担持体へ、第3の転写領域で第1及び第2の色の現像剤が、第4の転写領域で第1、第2、及び第3の色の現像剤が逆転写される現象が発生する。逆転写の発生によって、転写媒体上の現像剤像の画像濃度が薄くなったり、細線上のトナー粒子が欠損して鮮鋭度が悪くなったりといった画像欠陥が生じる。一般に、転写効率と逆転写効率の間には相反する特性だが、上記第3の条件に従って、トナー粒子の微粉量、及び転写媒体との付着力分布を制御することによって、カラー画像形成における転写効率と逆転写効率を共に最適化することが可能である。50%平均粒径の0.5倍以下の粒径を持つトナー粒子は、1粒の持つ電荷量が小さく、そのファンデルワールス力も粒径に比例して小さいため、付着力も小さくなる。そのため、像担持体から転写媒体への転写効率は良いが、一旦転写したあと再び転写媒体から像担持体へ逆転写することも容易である。従って、微粒子の混入量を低く抑えることによって逆転写を抑えることが可能になる。
【0039】
また、トナー粒子の粒径が比較的大きくても、粒子の表面成分の不均一、その形状、添加剤の付着度合い、及び帯電機会が少ない等の原因によって、電荷量及び付着力が小さいトナー粒子が存在する可能性があるため、転写媒体との付着力の小さい粒子をも取り除く必要がある。一方、付着力分布のみを制御した場合、転写されたトナー粒子と転写媒体との付着力は、環境温湿度や摩擦帯電状況例えばキャリア粒子との接触回数、混合時間、混合比率、及びキャリア粒子表面劣化等により電荷量が変動すること、転写量によって転写媒体と直接接しないトナー粒子が存在する場合があること、転写媒体が直接転写紙だった場合の抵抗変動や表面粗さにばらつきがあること、及び
中間転写体だった場合の転写体表面の汚染や傷により付着力の変動があること等不安定要素が多く、付着力分布の測定結果と逆転写特性との関係が常に一致するとは限らない。しかし、粒度分布と付着力分布を共に制御することによって、付着力の変動の影響を排除し、逆転写による画質劣化を防止することが出来る。逆転写による不具合は細線の劣化に顕著に表れ、像担持体から転写媒体に高画質で転写されたあと、逆転写によって細線の一部が逆転写で欠損することすなわち細線欠損によって、細線にばらつきが生じる。この細線濃度の長手方向のばらつきを指標としたとき、逆転写量が少なくなるほどばらつき量は小さくなり、ばらつきが 0.07以下であれば画質の許容範囲である。細線濃度のばらつきは、トナー粒子の個数粒度分布における微粉の量、及びトナー粒子と転写媒体との付着力分布において1.3×10−8(N)以下の付着力を有するトナー粒子の割合に相関がある。上記第3の条件によれば、使用するトナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径の1/2以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合を3%以下とし、使用するトナー粒子と転写媒体との付着力において、1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を有するトナー粒子の占める割合を5重量%以下とすることにより、逆転写による細線劣化を防止することが出来る。
【0040】
本発明に用いられる第4の条件は、像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に現像部内に回収する機構を有する複数の現像部を用いたカラー画像形成に適用される。
【0041】
このカラー画像形成では、上述のような逆転写の発生による画像欠陥が生じるだけでなく、像担持体上の転写部の後段にクリーニング機構を設けず、現像部によって現像同時回収を行うクリーナレスプロセスにおいては、逆転写してきた前段の現像剤を残留現像剤と同時に回収してしまういわゆる混色が生じるため、混色する現像剤量が多いと、現像剤の色合いが変わってしまい、出力画像の色の調整が不可能になる。そのため、カラー画像形成では、逆転写量は極力少なくすることを考慮することが望まれる。混色による色変化は、前段の色のトナーが逆転写され、それを現像器で回収することにより異なる色のトナーが混入するが、現像器内で均一に分散されて本来の色の現像剤と共に消費されていくため、現像器内への異色の現像剤の蓄積度合いは、前段の画像形成における印字率の割合により異なる。通常、印字画像のシミュレーションにより、可能性のある印字パターン中、最も混色率が高いと思われる最悪のケースを想定した場合、異色混入による変色を許容範囲内に収めるためには逆転写量を2重量%以下に抑えなければならない。逆転写量は現像剤の微粒子量及び転写媒体との付着力が1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の量に相関がある。上記第4の条件によれば、個数粒度分布における50%平均粒径の1/2以下の粒径を有するトナー粒子の割合を2%以下、かつトナー粒子と転写媒体との付着力分布において1.3×10−8(N)以下の付着力を有するトナー粒子の量を3重量%以下とすることによって、逆転写量を2%以下に制御できる。
【0042】
なお、上記第1の付着力分布及び第2の付着力分布の規定に、各々第3の付着力分布の規定を加えることにより、双方の利点が得られる。同様に、第4の付着力分布の規定に、上記第1の付着力分布または第2の付着力分布の規定を加えることにより、双方の利点が得られる。
【0043】
本発明で使用される付着力の測定は、例えば分離用超遠心器 日立工機製 CP100MXに、アングルローター 日立工機製 P100AT2を取り付けて行うことができる。
【0044】
図1に、アングルローターの外観を表す図、図2に、その回転軸に沿った断面を部分的に表す縦断面図、及び図3に、アングルローター内に試料を設置するためのセルの構成を表す分解図を各々示す。
【0045】
図1及び図2に示すように、このアングルローター10は、基台2上に設置された円錐状の回転体4内に、回転軸1に対しその中心軸が26°の角度で傾斜した竪穴状のセル保持部9が設けられている。このセル保持部9内には、セル3を収容して固定し得る。セル3内には試料を収容して分離するための試料入れ5を設置し得る。
【0046】
試料入れ5は、円筒形のスペーサ7と、その一端に設けられた円盤状の試料設置板6と、その他端に設けられ、分離された試料を受ける試料受け板8とから構成され、セル3内において、試料受け板8が回転中心から遠い位置に、試料設置板6が回転中心から近い位置になるように設置される。
【0047】
まず、感光体と同等の表面保護層を表面に積層した感光体シートを作成する。付着力を測定するためには表面保護層が同等である必要があるが、表面保護層の化学的組成の違いによる付着力の差は非常に小さいと考えられるため、必ずしも同組成である必要はない。感光体へのトナー付着を再現するためにCGL層、CTL層が感光体と同様に積層されたものを用いることができる。このシートをアルミ素管に巻きつけて感光層をGNDに接地し、感光体ドラム位置にセットして、トナーをシート表面に現像し、付着させる。
【0048】
トナーを付着させた感光体シートを試料受け板8の大きさにカットし、スペーサー7と接する側にトナー付着面を向けて試料設置板6に両面テープで貼り付ける。
【0049】
試料設置板6、試料受け板8、スペーサ7の外周直径は例えば7mm、円筒形であるスペーサの厚みは例えば1mm、高さは例えば3mmである。アングルロータに設置した場合のセル3の回転の最小径Rminは例えば3.56cm、最大径Rmaxは例えば7.18cm、平均径Ravは例えば5.37cmである。
【0050】
試料設置板6の試料を貼り付けた側の裏側が回転中心を向くように、試料入れ5をセル3内に設置し、セル3をアングルロータ10のセル保持部9内にセットし、アングルロータ10を図示しない超遠心機に装着する。
超遠心機を10000rpmで回転させたあと試料設置板6、試料受け板8を取り出し、それぞれに付着しているトナーをメンディングテープで剥離し、白紙に貼り付ける。このトナーが付着したテープの反射濃度をMacbeth濃度計にて測定する。
この濃度から分離したトナー量、及び分離しなかったトナー量を算出する。
また、超遠心機の回転数を100000rpmまで、任意の間隔例えば10000rpmずつあげて同様の操作を繰り返す。
【0051】
セル中に設置された試料がロータの回転によって受ける遠心加速度RCFは、
RCF=1.118×10−5×r×N2×g …(1)
r:サンプルセット位置の回転中心からの距離
N:回転速度(rpm)
g:重力加速度
トナーが受ける遠心力は、トナー1粒の重さがmのとき、
F=RCF×m …(2)
m=(4/3)π×r3×ρ …(3)
r:真球相当半径
ρ:トナーの比重
で表される。
【0052】
各回転数のときトナーにかかる遠心力F=RCF×m …(2) に、 本発明では、夫々の回転数での分離トナー比率を掛け、すべて足したものをその現像剤におけるトナーと感光体との平均付着力とする。
なお、付着力にはトナーの帯電量が大きく影響するため、精度良く測定するためには実際のプロセスに即した付着のさせ方で測定サンプルを作成することが望ましい。
【0053】
本発明に使用される現像剤は、着色剤及びバインダー樹脂を含有するトナー粒子、及び必要に応じてトナー粒子表面に添加される添加剤を含有するトナーを含む。二成分現像剤の場合は、このトナーとキャリアが混合される。
【0054】
バインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等を使用することができる。
【0055】
着色剤としては、カーボンブラック、縮合多環系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、無機顔料等公知の顔料、染料等を使用することができる。
【0056】
定着補助剤として、ワックス、帯電制御剤(CCA)などを例えばトナー粒子中に添加することができる。また、流動性を改善するために、トナー粒子表面に、添加剤として、例えばシリカ等の無機微粒子を添加することができる。
【0057】
トナー粒子は、粉砕法、及び重合法等の既知の製造方法にて製造することができる。
【0058】
本発明に使用する現像剤は、付着力分布を合わせる為、微粉及び粗大粉をカットして粒度分布をシャープに揃えることが望ましい。
【0059】
現像剤の体積平均粒径は4〜7μmであることが好ましい。
【0060】
2μm以下、及び10μm以上のトナー粒子は分級して除去することが望ましい。また、粒子の表面成分を均一にするため、粉砕法で製造する場合、混錬装置の温度ムラ及びストレスムラ等が発生しないよう製造条件を制御することが望ましい。また、現像剤中の成分の偏在を防ぐため、成分投入の分量及びタイミングを制御し得る。更に、上記添加剤の付着ムラを無くすため、粒子表面に1〜2層の添加剤粒子層ができる様に、添加剤粒径とトナー粒径から投入量を計算し、均一に付着させることが望ましい。
【0061】
また、更に、トナー帯電量分布を均一化するため、2成分現像剤においては、キャリア粒子と適量で混合することが望ましく、1成分現像剤においては、現像部内で帯電付与部材と現像剤との接触圧や形状を適度に設定することが望ましい。
【0062】
2成分現像の場合、使用されるキャリアは、例えばフェライト、マグネタイト、酸化鉄、及び磁性粉を混入した樹脂粒子等の磁性キャリアであり、表面の全部または一部に樹脂コートを施すことができる。
【0063】
図4ないし図7に、本発明の画像形成装置の一例を表す概略図を示す。
【0064】
図4に示すように、この画像形成装置20は、感光体11と、感光体11に対向して、順に設けられた、帯電装置12、露光部13,現像装置14,転写部15,及びクリーニング装置16を含む画像形成ユニットを有する。また、転写部15は、搬送部材17を介して感光体11と対向して配置されており、搬送部材17の下流には定着部18が設けられている。さらに、クリーニング装置16から現像装置14へ搬送路24が設けられ、残留トナーを回収するためのリサイクル機構を成している。
【0065】
この画像形成装置20において、矢印aの方向に回転可能な感光体11には、帯電装置12例えばチャージャワイヤ、櫛歯型チャージャ、スコロトロン等のコロナ帯電器、接触帯電ローラ、非接触帯電ロータ、及び固体チャージャ等により、一様に例えば−500〜800Vの表面電位が付与されている。露光部13により感光体11上に静電潜像が形成される。露光部では、レーザー、LED等の光源を使用できる。なお、感光体11としては、例えばマイナス帯電のみならずプラス帯電の有機感光体層、アモルファスシリコン層等を使用することができる。感光体表面に形成される感光層は、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層等が積層されても、一つの感光体層が複数の働きを兼ね備えていても良い。現像装置14は、例えばマグネットローラを内包した現像ローラ25を有し、例えば2成分現像剤を搬送する磁気ブラシ現像によって、静電潜像に例えば負帯電したトナーを供給し、顕像化し得る。現像ローラ25にはトナーを静電潜像に付着させるような電界を形成するために現像バイアスが印加される。トナーが感光体表面に均一・安定に付着するよう、現像バイアスには例えばDCにACを重量することができる。このとき使用される現像剤は、着色剤、及びバインダー樹脂を含有するトナーを含む。また、その現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合が、各々5%以下であり、かつトナーの感光体11表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0066】
現像装置14内では、トナーホッパー内にキャリアとトナーからなる2成分現像剤が例えば100g〜700g収められ、攪拌オーガ26によって現像ローラ25に搬送され、トナーの一部を現像によって失ったあと、現像ローラ25の剥離極位置で現像ローラ25から離れ、攪拌オーガ26により現像剤格納領域に戻される。現像剤格納領域には図示しないトナー濃度センサが取り付けられ、濃度センサがトナー量の減少を検知すると、信号がトナーホッパーに送られて未使用のトナーが補給される。印字データの積算又は/及び感光体上現像トナー量の検知からトナー消費量を推定し、それをもとに未使用トナーの補給を行っても良い。また、センサー出力と消費量の推定の両方の手段を用いることもできる。
【0067】
現像装置14の下流では、感光体11に転写ローラ15が押し当てられ、転写ローラ15と感光体11との間に、給紙部19から搬送された記録媒体例えば紙Pを介在させ、さらに、図示しない高圧電源により転写ローラ15に印加された例えば+300ないし5kVのバイアス電圧によって感光体11上のトナー像が紙に転写される。転写ニップを通過した紙Pは、定着器18へと搬送され得る。
【0068】
定着器18は、加圧ローラ22及び加熱ローラ21からなる一対のローラを有し、紙Pは、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を、トナー像が加熱ローラ21と接触する状態で、通されることにより、紙P上に定着される。
【0069】
トナー像を転写した後、転写ニップの下流で、感光体11上の残留トナーは、クリーニング装置16により除去され、除電手段23により除電が行なわれる。クリーニング装置16で除去された残留トナーは、図示しないオーガ等によって搬送路24内に送られて現像装置14内に回収される。
【0070】
なお、1成分現像方式を適用する場合、現像剤格納領域内にはトナーのみが格納され、搬送オーガ、中間搬送スポンジローラ等公知の構造によって現像ローラ表面に供給され、現像ローラ表面に圧着されたシリコンゴム、フッ素ゴム、金属ブレード等のトナー帯電部材によって摩擦帯電され、静電潜像を顕像化する。現像ローラは、導電性ゴム層を表面に持った弾性ローラもしくは表面にサンドブラスト等によって粗さを設けたSUS等の金属ローラなどで作られ、感光体と接触または規定のギャップを持って非接触で対峙し、感光体表面と速度差を持って回転している。トナーの静電潜像への付着を助けるため、現像ローラには現像バイアスが印加される。トナーが感光体表面に均一・安定に付着するよう、現像バイアスにはDCにACを重畳することができる。
【0071】
また、上記現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々5個数%以下であり、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0072】
図5は、本発明の画像形成装置の他の一例を表す概略図であって、クリーニング装置16及び搬送路24を持たず、現像装置14の代わりに、現像同時クリーニング機構を有する現像装置28が設けられ、さらに、転写部15と帯電装置12との間にメモリー攪乱部材27が設けられた画像ユニットを用いること以外は、図4と同様の構成を有する。また、使用される現像剤は、
トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々4個数%以下であり、トナーの感光体11表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、4重量%以下である。
【0073】
なお、残留トナーを一旦回収し、現像器に回収させるために再び像担持体上に放出する、図示しない一時回収部材をさらに配置しても良い。メモリー撹乱部材及び一時回収部材には、その機能を効率的に果たすために、プラス又は/及びマイナスの電圧を印加することができる。
【0074】
また、上記現像剤の代わりに、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々4個数%以下であり、トナーの感光体11表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は、4重量%以下、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、10重量%以下である現像剤を用いることができる。
【0075】
図6は、本発明のカラー画像形成装置の一例を表す概略図を示す。
【0076】
このカラー画像形成装置50は、図4の画像ユニットと同様の構成を有し、各々、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、及び黒色現像剤が収容される画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kを、その各転写部15Y、15M、15C、15Kが中間転写部材29を介して対向するように4段並べて配置し、二次転写部45、及び定着部18が、転写部15Kの下流に設けられた構成を有する。使用される各色の現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナーの占める割合は、3個数%以下であり、トナーの中間転写部材29表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、5重量%以下である。
【0077】
また、画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kとして、図4の画像ユニットの代わりに図5の画像ユニットを用いることができる。
【0078】
この場合、使用する各色の現像剤は、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、2個数%以下であり、トナーの中間転写部材29表面表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナーの占める割合は、3重量%以下である。
【0079】
また、図7は、本発明のカラー画像形成装置の他の一例を表す概略図を示す。
【0080】
このカラー画像形成装置60は、図4の画像ユニットと同様の構成を有し、各々、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、及び黒色現像剤が収容される画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kを、その各転写部15Y、15M、15C、15Kが搬送部材17を介して対向するように4段並べて配置し、定着部18が、転写部15Kの下流に設けられた構成を有する。この装置は、中間転写部材29の代わりに搬送部材17が使用され、中間転写部材29及び二次転写部45を用いないこと以外は、図6と同様の構成を有し、各転写部15Y、15M、15C、15Kにおいて、例えば紙等の転写媒体に直接転写が行われる。
【0081】
また、上記画像形成ユニット40Y,40M,40C,及び40Kには、図4の画像ユニットの代わりに図5のユニットを使用することができる。
【0082】
以下、実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0083】
実験例
以下のように4種のトナー及び2種のキャリアを作成した。
【0084】
トナーAの作成
ポリエステル樹脂92重量部、カーミン6B 6重量部、ライスワックス2重量部を混練して、疎粉砕、及び微粉砕後、エルボジェット分級により8μm以上及び3μm以下をカットして、サフュージング処理を行うことにより、機械的球形化処理を施し、球形度0.95を有するトナー粒子を得た。
【0085】
得られたトナー粒子 96重量部に対し、添加剤として、1次粒径70nmのシリカを3重量部、酸化チタン 1重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて添加し、50%平均粒径4.6μm、2.3μm以下の粒径を有するトナーの割合が2%、6.9μm以上の粒径を有するトナーの割合4.2%という粒度分布を有するトナーAを得た。
【0086】
定量分析と観察を行ったところ、トナー粒子表面を添加剤層が1層、ほぼ均一に被っているものと考えられる。
【0087】
キャリアαの作成
40μmの体積平均粒径を有する球形フェライトコアに、シリコン樹脂コートを施し、1×109Ω/cm2の表面抵抗を有するキャリアαを得た。
【0088】
トナーB
ライスワックスの添加量を2重量部に変更すること以外はトナーAと同様にして、50%平均粒径4.5μm、6.75μm以上の粒径を有するトナーの割合が5%、2.25μm以下の粒径を有するトナーの割合2.8%という粒度分布を有するトナーBを作成した。
【0089】
トナーCの作成
トナーAに、トナーAよりも強い負荷をかけてサフュージング処理を行うことにより、機械的球形化処理を施し、球形度0.97を有するトナー粒子を得た。その後、得られたトナー粒子96.5重量部に対し、1次粒径70nmのシリカ2.5重量部及び酸化チタン1重量部をヘンシェルミキサーにて添加して、トナーCを得た。
【0090】
キャリアβの作成
40μmの平均粒径を有する球形フェライトコアに、シリコン樹脂コートを施し、キャリアαより高い11.5×1010Ω/cm2の表面抵抗を有するキャリアβを得た。
【0091】
キャリアγの作成
球形マグネタイトからなる5×106Ω/cm2の表面抵抗を有するコア材にカーボンブラックからなる導電粒子を分散させたフッ素樹脂を平均約5μmの厚さでコートした35μmの体積平均粒径を有する半導電のキャリアγを得た。
【0092】
トナーDの作成
スチレンモノマー60重量部、アクリルモノマー30重量部、ライスワックス2重量部、カーミン6B 7重量部、CCA 1重量部の割合で乳化重合法により0.1μm径の重合粒子を製造し、凝集、洗浄、及び乾燥させて、平均粒径4.9μmのトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の球形度は0.96であった。このトナー粒子92重量部に対し、添加剤として、1次粒径20nmのシリカを6重量部、及び酸化チタン2重量部を添加し、トナーDを得た。
【0093】
トナーEの作成
1次粒径35nmのシリカの添加量を8重量部に変更すること以外はトナーDと同様にしてトナーEを得た。
【0094】
実験例1
トナーB 5重量部と、フェライトキャリアα 95重量部とを混合して現像剤を作成した。
【0095】
得られた現像剤を、感光体表面に感光体と同様の感光層を形成したフィルムを巻いたこと以外は、図4と同様の構成を有する画像形成装置に適用し、帯電、露光、及び現像を行った。
【0096】
トナーBが現像されたフィルムをそのまま取り出し、付着力分布を測定した。
【0097】
その結果を図8に示す。
【0098】
図8は、本発明に用いられる第1の条件を用いた画像形成における付着力分布の一例を表すグラフを示す。
【0099】
このグラフは、現像剤の付着力と、その付着力を有する現像剤の加算重量比との関係を表す。
【0100】
図示するように、1.3×10−8(N)以下、及び3.0×10−7(N)以上の粒子の割合は、共に3重量%であった。
【0101】
また、搬送部材の代わりに中間転写体を用い、記録媒体を供給しないこと以外は図4と同様に構成を有する画像形成装置を用意した。上記現像剤をこの画像形成装置に適用して、中間転写体に転写させ、転写特性として、残留トナー量を測定した。残留トナー量は、テープで剥離してマクベス濃度計により反射濃度を測定し、予め作成したトナー量と反射濃度の校正式に当てはめることにより測定した。
【0102】
この装置と現像剤でライフ試験を行なったところ、100K枚まで行なってもトナー帯電量の変動などの不具合は許容範囲内で、リサイクルを行なうことによる不具合も発生しなかった。
【0103】
同様に、下記表1のように、上記トナーA,B,C,D,Eと、上記キャリアα,β,γを各々組合せて、その個数粒度分布、付着力分布、残留トナー量、及び逆転写量を測定し、ちりの度合い、及び細線欠損を評価した。
【表1】
【0104】
なお、細線欠損は、細線の長手方向の画像濃度を測定し、細線濃度のばらつきとして評価した。細線濃度のばらつきは、下記のように求めた。
【0105】
細線濃度のばらつき=細線濃度の標準偏差/細線濃度の平均値
得られた結果を下記表2及び表3に示す。
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
表2に示すように、サンプル3,4,8,及び9は、本発明に用いられる第1の条件を満たすもので、トナーの個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナーの占める割合は、各々5個数%以下であり、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下である。 第1の条件を満たす上記サンプル3,4,8,及び9は、残留トナー量、逆転写トナー量、ちりの度合い、及び細線欠損共に良好であった。
【0108】
サンプル1は、トナーの感光体表面に対する付着力分布において、3×10−7(N)以上のトナーの占める割合は5重量%を超えており、サンプル2,5は、1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%を超えており、各々第1の条件に対して比較例となっている。
【0109】
表3に示すように、サンプル1,2は、残留トナー量及び逆転写トナー量が多く、ちりの度合いが1.5以上と劣っていた。さらに、細線欠損が大きかった。
【0110】
サンプル5は、逆転写量が多く、ちりの度合いが1.5以上と劣っていた。さらに、細線欠損が大きかった。
【0111】
図9に、上記表1に示すトナーとキャリアの組合せで作成した現像剤を用いたときの、50%平均粒径×1.5以上の大粒径を持つトナー量および3.0×10−7(N)以上の強い付着力を持つトナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフを示す。
【0112】
同じ残留トナー量のプロットは、同一サンプルのデータである。図中、ひし形は大粒径トナー量、正方形は強付着力トナー量を各々示す。図示するように、大粒径トナー量及び強付着力トナー量が共に5重量%以下であるとき、残留トナー量3重量%以下が実現できることがわかった。
【0113】
また、図10には、50%平均粒径×0.5以下の小粒径を持つトナーの量および1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を持つトナーの量と、感光体上の細線幅に対する転写媒体上の細線幅の比(ちりの度合い)との関係を表すグラフを示す。
【0114】
図中、ひし形は小粒径トナー量、正方形は弱付着力トナー量を各々示す。同じちりの度合いのプロットは、同一サンプルのデータである。
【0115】
この細線幅の比は、転写時の画像劣化を表すもので、ここでは、ちりの度合いは1.5以下が許容範囲であると見なした。
【0116】
小粒径トナー量5重量%以下かつ弱付着力トナー量10重量%以下のとき、ちりの度合い1.5以下を実現できることがわかった。
【0117】
また、これらの現像剤でライフ試験を行なったが、残留トナー量5%以下のサンプルは100K枚まで行なっても、トナー帯電量の変動等の不具合は許容範囲内であった。一方、残留トナー量が5重量%より多いサンプルは、トナー帯電量が徐々に上昇し、画像濃度の低下が見られた。
【0118】
実験例2
図5と同様の構成を有する画像形成装置に、上記表1に示すトナーを適用して、残留トナー量を計測した。
【0119】
図11に、50%平均粒径×1.5以上の大きな粒径を有するトナー量及び3.0×10−7(N)以上の強い付着力を有するトナー量と、残留トナー量との関係を表すグラフを示す。
【0120】
同じ残留トナー量のプロットは、同一サンプルのデータである。図中、ひし形は大粒径トナー量、正方形は強付着力トナー量を各々示す。
【0121】
図から、50%平均粒径×1.5以上の粒径を有するトナー量及び3.0×10−7(N)以上の付着力を有するトナー量が共に4重量%以下であるとき、残留トナー量を2重量%以下を実現できることがわかった。
【0122】
また、残留トナー量 2重量%以下の現像剤を用いたとき、露光障害によるネガメモリーや、回収不良によるポジメモリーなどの不具合は発生せず、ライフ試験を行なったが100K枚でもメモリー画像の発生は見られなかった。
【0123】
比較として、残留トナー量3.0重量%である現像剤を用いて同様の装置を用いて画出しを行なった。
【0124】
その結果、残留トナーが、次の画像の露光を阻害して画像部の電位が落ちきらず、ネガメモリーとなって表出した。また、この装置でライフ試験を行なったところ、感光体の表面劣化と共に残留トナーの回収効率が落ち、80K枚で回収しきれずに次の画像に転写されてしまうポジメモリーとなって表出した。残留トナー量が2重量%を超える他の現像剤でも同様に、初期においてネガメモリーがわずかながら発生し、また90K枚でポジメモリーが発生した。
【0125】
図12に残留トナー量とネガメモリーの度合いとの関係を表すグラフを示す。
【0126】
ネガメモリーは、残留トナーによる露光障害がない部分と、残留トナーによる露光障害がある部分とについて、現像、転写、及び定着した画像の画像濃度をマクベス社製画像濃度計RD−918により測定し、その濃度の差により評価した。
【0127】
画像濃度差が0.015以下であると視認されることが無いことから、残留トナー量は2重量%以下であることが望ましいことがわかった。
【0128】
実験例3
搬送部材の代わりに中間転写体を使用すること以外は、実験例1に使用した画像形成装置と同様の装置を用意した。
【0129】
中間転写体の表面抵抗は107 Ωcm〜1012Ωcmであることが望ましい。ここでは109 Ωcm。
【0130】
中間転写体に使用する材質としては、ゴム例えばEPDM、CRゴム等、及び樹脂例えばポリイミド、ポリカーボネート、PVDF、ETFE等があげられる。この中間転写体には、ポリイミド樹脂フィルムを用いた。上記表1に示す各現像剤を用いて、感光体に現像し、得られたトナー像を、中間転写体に、転写効率97%以上となるような転写条件にて転写させた。中間転写体上に転写されたトナー像を、中間転写体ごと画像形成装置から取り出し、付着力分布を測定した。
【0131】
50%平均粒径×0.5以下の小さい粒径を持つトナーの量及び中間転写体に対し1.3×10−8(N)以下の弱い付着力を有するトナー量と、細線濃度の長手方向のばらつきの度合いとの関係を表すグラフを図13に示す。
【0132】
図示するように、小粒径トナー量3重量%以下、かつ弱付着力トナー量5重量%以下のとき、細線濃度ばらつきは、視認されにくい0.07以下になり、逆転写が減少していることがわかった。
【0133】
実験例4
まず、図5の画像ユニットを使用した図6と同様の画像形成装置を用意した、上記表1に記載の現像剤を適用して、画出しを行なった。
【0134】
図14に、後続のステーションの感光体への逆転写トナー量と、50%平均粒径×0.5以下の小さい粒径を持つトナー量、及び中間転写体との付着力が1.3×10−8(N)以下である弱い付着力を持つトナーとの関係を表すグラフを示す。
【0135】
図中、ひし形は小粒径トナー量、正方形は弱付着力トナー量を各々示す。同じ細線濃度ばらつきを表す現像剤のプロットは、同一サンプルのデータである。
【0136】
混色による画像の色変動を防止するために必要な逆転写量2重量%以下を実現するためには、小粒径トナー量を2重量%以下、かつ転写媒体との弱付着力トナー量3重量%以下にすればよいことがわかった。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
11…像担持体、14…現像部、15…転写部、16…クリーニング装置、20…画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置。
【請求項2】
像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記現像部は、前記像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に該現像部内に回収する機構をさらに有し、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置。
【請求項1】
像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置。
【請求項2】
像担持体に形成された静電潜像にトナー粒子を供給し、該トナー粒子を該像担持体表面に付着させ、及び該像担持体上に現像剤像を形成するための現像部、該現像剤像を中間転写体に転写するための第1の転写部、及び該中間転写体上に転写された現像剤像を転写媒体に転写するための第2の転写部を具備するカラー画像形成装置であって、
前記トナー粒子の個数粒度分布において、50%平均粒径がA(μm)のとき、A×0.5(μm)以下、及びA×1.5(μm)以上の粒径を有するトナー粒子の占める割合は、各々5個数%以下であり、
前記現像部は、前記像担持体表面の残留現像剤を現像と同時に該現像部内に回収する機構をさらに有し、
前記トナー粒子の該像担持体表面に対する付着力分布において、
1.3×10−8(N)以下のトナー粒子の占める割合は、10重量%以下、かつ3×10−7(N)以上のトナー粒子の占める割合は、5重量%以下であるカラー画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−145706(P2011−145706A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87778(P2011−87778)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【分割の表示】特願2006−120907(P2006−120907)の分割
【原出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【分割の表示】特願2006−120907(P2006−120907)の分割
【原出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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