説明

画像形成装置

【課題】特別な除湿・乾燥手段を設けることなく、第2の排出口への水滴の付着を未然に防止することのできる画像形成装置を得る。
【解決手段】定着ユニット45を通過した後の用紙を機外に排出する第1の排出口51と、定着ユニット45を通過した後の用紙を機外に排出するとともに機内にスイッチバックさせる機能を備えた第2の排出口55と、定着ユニット45を通過した後の用紙を第1の排出口51又は第2の排出口55のいずれかに導くガイド部材57と、を備えた画像形成装置。ガイド部材57は、1ジョブでの印字処理内で適宜切り換えられ、または、複数のジョブの印字処理内でジョブごとに切り換えられ、第1の排出口51又は第2の排出口55から用紙を排出する。また、ガイド部材57は、装置本体が待機状態にあるとき、第2の排出口55側に一時的に切り換えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、特に、トナー画像を用紙上に転写した後、加熱定着する電子写真法による画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法によって画像を形成する複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、トナー定着後の用紙をトレイに排出するための第1の排出口の直上に、両面印字のために第1面に印字された用紙をスイッチバックさせて機内に戻すための第2の排出口が設けられているものがある。片面印字モードで第1の排出口のみを連続して使用し、その後、両面印字モードで用紙を第2の排出口に導いてスイッチバックさせると、用紙に水滴が付着して第2面へのトナー転写が不良になるという問題点を有していた。
【0003】
前記問題点は、排紙方向に流れた定着ユニットからの熱気が出口部分で冷やされ、第2の排出口に設置したローラ対やガイド部に水滴として溜まることによる。下側に配置されている第1の排出口は印字があれば常に使用されるため、水蒸気が排出される用紙に巻き込まれて散らされるので水滴が発生することはない。
【0004】
そこで、従来では、ファンを設けて用紙通路を除湿したり(特許文献1参照)、用紙経路のガイド板に加熱手段を設けたり(特許文献2参照)していた。しかし、ファンや加熱手段を設けることはコストアップにつながり、装置本体内のスペース効率を損なうという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−160179号公報
【特許文献2】特開平8−211672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、特別な除湿・乾燥手段を設けることなく、第2の排出口への水滴の付着を未然に防止することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る画像形成装置は、
トナー画像を用紙上に転写した後、加熱定着する画像形成装置において、
未定着トナーを用紙上に加熱定着する定着手段と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出する第1のローラ対を有する第1の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出するとともに機内にスイッチバックさせる機能を備えた第2のローラ対を有する第2の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を前記第1の排出口又は前記第2の排出口のいずれかに導くガイド部材と、
少なくとも用紙の搬送状態を制御する制御手段と、
を備えている。
【0008】
第1の形態である画像形成装置において、前記制御手段は、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理内で、前記ガイド部材を切り換えて、前記第1の排出口又は前記第2の排出口から用紙を排出させること、を特徴とする。
【0009】
第2の形態である画像形成装置において、前記制御手段は、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理ごとに、前記ガイド部材を切り換えて、前記第1の排出口又は前記第2の排出口から用紙を排出させること、を特徴とする。
【0010】
前記第1及び第2の形態である画像形成装置においては、片面印字モードでの印字処理であっても適宜第2の排出口を用いて用紙を排出する。このとき、第2の排出口の水分は排出される用紙に巻き込まれて散らされ、第2の排出口に水滴が付着することが未然に防止される。即ち、片面印字モードで印字処理を続行する場合であっても適宜第2の排出口を使用することにより、第2の排出口での結露などが防止され、その後、両面印字モードで用紙を第2の排出口に導いてスイッチバックさせたとしても、用紙に水滴が付着して第2面へのトナー転写が不良になるという不具合を生じることはない。
【0011】
さらに、第3の形態である画像形成装置において、前記制御手段は、装置本体が印字のための待機状態にあるとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする。
【0012】
前記第3の形態である画像形成装置においては、装置本体が印字のための待機状態にあるとき、ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えることにより、定着手段からの熱気がガイド部材に沿って第2の排出口に流れ、定着手段と第2の排出口との温度差が抑えられる。これにて、第2の排出口での結露などが防止されることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特別な除湿・乾燥手段を設けることなく、第2の排出口への水滴の付着を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置であるプリンタを示す概略構成図である。
【図2】前記プリンタに搭載されている制御部を示すブロック図である。
【図3】前記プリンタにおける第1の制御例を示すフローチャート図である。
【図4】前記プリンタにおける第2の制御例を示すフローチャート図である。
【図5】前記プリンタにおける第3の制御例を示すフローチャート図である。
【図6】前記第3の制御例における切換え制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、各図面において、同一部材、部分に関しては同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(画像形成装置の概略構成、図1参照)
本発明に係る画像形成装置の一実施例について、図1を参照して説明する。この画像形成装置は、タンデム方式のカラープリンタであり、概略、Y,M,C,Kの各色のトナー画像を形成するための作像ユニット10(10y,10m,10c,10k)とレーザ走査ユニット20と、中間転写ユニット30を中心として構成されている。
【0017】
作像ユニット10は、それぞれ、図1に点線で示す筺体の内部に、感光体ドラム12、帯電ローラ13、現像器14、残留トナーや残留電荷のクリーニング部材などを配置したもので、図1の紙面に垂直な方向に装置本体から出し入れ可能である。この作像ユニット10においては、レーザ走査ユニット20から照射されるレーザによって感光体ドラム12に描画された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0018】
中間転写ユニット30は、矢印B方向に無端状に回転駆動される中間転写ベルト31を備え、各感光体ドラム12と対向する転写ローラ32から付与される電界にて、各感光体ドラム12上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト31上に1次転写して合成する。なお、このような電子写真法による画像形成プロセスは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0019】
装置本体の下部には記録用シート(以下、用紙と称する)を1枚ずつ給紙する自動給紙ユニット40が配置され、用紙は給紙ローラ41からタイミングローラ対42を経て、前記中間転写ベルト31と2次転写ローラ35とのニップ部に搬送され、ここでトナー画像(カラー合成画像)が2次転写される。その後、用紙は定着ユニット45に搬送されてトナーの加熱定着を施され、第1の排出口51又は第2の排出口55から装置本体の上面に配置された一つのトレイ部5に排出される。
【0020】
第1及び第2の排出口51,55には、それぞれ、第1のローラ対52及び第2のローラ対56が配置されており、第2の排出口55は第1の排出口51の直上に位置している。片面印字モードの際、用紙は基本的には第1の排出口51から排出される。また、以下に説明するように、片面印字モードであっても、適宜第2の排出口55から排出される。第2の排出口55は、両面印字モードの際、第1面に印字されトナーが定着された用紙をスイッチバックさせる。スイッチバックされた用紙は、搬送ローラ対61,62や図示しないガイド板などで構成された両面印字用搬送経路60を経て、前記タイミングローラ対42へ戻され、第2面に印字処理が施され、第1の排出口51からトレイ部5に排出される。
【0021】
以上の通紙経路を切り換えるために、ガイド部材57が定着ユニット45と第1及び第2の排出口51,55の間に配置されている。このガイド部材57は支軸57aを支点として回動可能であり、ソレノイドなどを駆動源として、図1に実線で示す位置と点線で示す位置に切り換えられる。ガイド部材57が実線で示す位置にあるとき、その下面で用紙を第1の排出口51にガイドする。ガイド部材57が点線で示す位置にあるとき、その上面で用紙を第2の排出口55にガイドする。
【0022】
(制御部、図2参照)
前記プリンタは図2に示す制御部70によって制御される。この制御部70はCPU71を中心として構成され、CPU71は、用紙搬送系、即ち、給紙ローラ41、タイミングローラ対42、中間転写ユニット30、2次転写ローラ35、定着ユニット45、第1及び第2のローラ対52,56、搬送ローラ対61,62を制御する。また、CPU71は、印字処理のために作像ユニット10、1次転写のために中間転写ユニット30、2次転写のために2次転写ローラ35を制御する。
【0023】
さらに、CPU71は、搬送経路を切り換えるために前記ガイド部材57を制御する。ガイド部材57は、以下に詳述するように、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理(以下、1ジョブとも称する)の枚数に基づいて、あるいは、温度や湿度の環境条件に基づいて、搬送経路を切り換えるタイミングを変更され、そのために、切換えタイミング変更回路72及び温度や湿度を検出する環境検出センサ74が設けられている。
【0024】
さらに、CPU71には、1ジョブでの印字枚数識別回路73からの印字枚数情報、及び、機内に設けた温度や湿度を検出する環境検出センサ74からの環境情報が入力される。
【0025】
(制御例の説明)
本プリンタにおいては、基本的に、片面印字モードでは第1の排出口51を使用して用紙の排出を行い、第2の排出口55は両面印字モードのときに用紙をスイッチバックさせる際に使用される。しかし、これでは、片面印字モードが連続して実行される場合、定着ユニット45から第2の排出口55に向かって流れた熱気が第2の排出口55部分で冷やされて水滴として溜まり、次に両面印字モードで第2の排出口55に送られた用紙に水滴が付着するという不具合を生じる。
【0026】
このような不具合を未然に防止するため、本プリンタでは、以下に説明する第1、第2又は第3の制御例を実行する。第1の制御例において、制御部70は、1ジョブでの印字処理内で、1枚の印字処理ごとにあるいは所定の複数枚の印字処理ごとに、ガイド部材57を切り換えて、第1の排出口51又は第2の排出口55から用紙を排出させる。第2の制御例において、制御部70は、ジョブごとに、ガイド部材57を切り換えて、第1の排出口51又は第2の排出口55から用紙を排出させる。第3の制御例において、制御部70は、プリンタが印字のための待機状態にあるとき、ガイド部材57を第2の排出口55に用紙をガイドする位置に一時的に切り換える。
【0027】
前記第1、第2又は第3の制御例においては、片面印字モードでの印字処理であっても適宜第2の排出口55を用いて用紙を排出する。このとき、第2の排出口55の水分は排出される用紙に巻き込まれて散らされ、第2の排出口55に水滴が付着することが未然に防止される。即ち、片面印字モードで印字処理を続行する場合であっても適宜第2の排出口55を使用することにより、第2の排出口55での結露などが防止され、その後、両面印字モードで用紙を第2の排出口55に導いてスイッチバックさせたとしても、用紙に水滴が付着して第2面へのトナー転写が不良になるという不具合を生じることはない。なお、第1の排出口51は常時用紙が排出されるために結露などが生じないことは言うまでもない。
【0028】
前記第3の制御例においては、プリンタが印字のための待機状態にあるとき、ガイド部材57が第2の排出口55側に一時的に切り換えられたとき、定着ユニット45からの熱気がガイド部材57に沿って第2の排出口55に流れ、定着ユニット45と第2の排出口55との温度差が抑えられる。これにて、第2の排出口55での結露などが防止されることになる。
【0029】
(第1の制御例、図3参照)
前記制御部70による第1の制御例について、図3を参照して説明する。制御がスタートすると、まず、印字頁数nを1にセットし(ステップS1)、両面印字モードであれば(ステップS2でNO)、両面印字モードを実行する。なお、ここで実行される両面印字モードは従来と同様の処理であり、その詳細は省略する。
【0030】
片面印字モードであれば(ステップS2でYES)、n頁目の印字処理が実行(ステップS3)された後、n+1頁を印字しないのであれば(ステップS4でNO)、ここでの制御を終了する。ガイド部材57は用紙を第1の排出口51へガイドするように初期設定されている。従って、n+1頁を印字するのであれば(ステップS4でYES)、ガイド部材57を用紙を第2の排出口55へガイドする位置に切り換え(ステップS5)、印字頁数nに1を加算し(ステップS6)、前記ステップS3へ戻る。なお、ステップS5では、ガイド部材57によって排出口51,55が順次切り換えられる。
【0031】
なお、1ジョブでの印字処理枚数に基づいてガイド部材57を切り換えるタイミングを変更してもよい。つまり、第2の排出口55に付着する水滴の量は片面印字モードでの連続印字枚数とともに増加するので、片面印字モードでの連続印字処理枚数に応じてガイド部材57の切換えタイミングを変更してもよい。例えば、ガイド部材57を1ジョブの実行中に切り換える場合、連続印字処理枚数が100枚までは5枚の印字処理ごとに切り換え、100枚を超えると1枚の印字処理ごとに切り換えるようにしてもよい。
【0032】
具体的には、印字頁数が100を超えない場合は(ステップS11でNO)、切換え枚数pを5にセットし(ステップS13)、超える場合は(ステップS11でYES)、切換え枚数pを1にセットする(ステップS12)。その後、p枚の印字処理ごとにガイド部材57を切り換え(ステップS18)、前記ステップS6へ移行する。
【0033】
さらに、第2の排出口55に付着する水滴の量は、環境条件(温度、湿度)によって異なり、低温高湿環境ほど増加する。そこで、印字頁数が100を超えない場合は切換え枚数pを5に設定しておき(ステップS13)、環境温度が20℃以下では(ステップS14でYES)、切換え枚数pを1減算し(ステップS15)。また、環境湿度が60%を超えると(ステップS16でYES)、切換え枚数pを1減算する(ステップS17)。その後、p枚の印字処理ごとにガイド部材57を切り換え(ステップS18)、前記ステップS6へ移行する。例えば、温度が20℃以下で、湿度が60%以上であれば、ステップS15でp−1で4枚に、ステップS17でさらにp−1で3枚に設定される。
【0034】
(第2の制御例、図4参照)
前記制御部70による第2の制御例について、図4を参照して説明する。制御がスタートすると、まず、印字頁数nを1にセットし(ステップS21)、両面印字モードであれば(ステップS22でNO)、両面印字モードを実行する。なお、ここで実行される両面印字モードは従来と同様の処理であり、その詳細は省略する。そして、片面印字累積枚数mを0にセットする(ステップS28)。
【0035】
片面印字モードであれば(ステップS22でYES)、n頁目の印字処理が実行(ステップS23)された後、n+1頁を印字するのであれば(ステップS24でYES)、印字頁数nに1を加算し(ステップS25)、ステップS23へ戻る。n+1頁を印字しないのであれば(ステップS24でNO)、片面印字累積枚数mに本ジョブでの印字枚数nを加算し(ステップS26)、ガイド部材57を用紙を第2の排出口55へガイドする位置に切り換え(ステップS27)、ここでの制御を終了する。ガイド部材57は用紙を第1の排出口51へガイドするように初期設定されており、1回のジョブが終了するごとに、ガイド部材57によって排出口51,55が順次切り換えられる。
【0036】
なお、片面印字モードでの片面印字累積枚数mに応じてガイド部材57の切換えタイミングを変更してもよい。例えば、本第2の制御例のように、ガイド部材57をジョブごとに切り換える場合、片面印字累積枚数mが100枚までは3ジョブごとに切り換え、100枚を超えると1ジョブごとに切り換えるようにしてもよい。
【0037】
具体的には、片面印字累積枚数mが100を超えない場合は(ステップS31でNO)、切換えのためのジョブ数αを3にセットし(ステップS33)、超える場合は(ステップS31でYES)、切換えのためのジョブ数αを1にセットする(ステップS32)。その後、α回のジョブごとにガイド部材57を切り換える(ステップS38)。
【0038】
さらに、環境温度が20℃以下では(ステップS34でYES)、切換えのためのジョブ数αを1減算する(ステップS35)。また、環境湿度が60%を超えると(ステップS36でYES)、切換えのためのジョブ数αを1減算する(ステップS37)。その後、α回のジョブごとにガイド部材57を切り換える(ステップS38)。例えば、温度が20℃以下で、湿度が60%以上であれば、片面印字累積枚数mが100を超えない場合、ステップS35でジョブ数αが2に、ステップS37でさらにジョブ数αが1に設定される。
【0039】
(第3の制御例、図5及び図6参照)
前記制御部70による第3の制御例について、図5及び図6を参照して説明する。ここでは、プリンタ本体が印字のための待機状態にあるとき、ガイド部材57を第2の排出口55側に一時的に切り換える。
【0040】
詳しくは、まず、プリンタ本体の電源がオンされると(ステップS41)、ガイド部材57の切換え制御を実行する(ステップS42)。また、プリンタ本体の扉(図示せず)が作像ユニット10のメンテナンスなどで開閉されると(ステップS43,44でYES)、ガイド部材57の切換え制御を実行する(ステップS45)。また、プリンタ本体が印字指示がなくてスリープモードに移行した後に(ステップS46でNO、ステップS47でYES)、印字指示があってスリープモードから復帰するとき(ステップS48でYES)、ガイド部材57の切換え制御を実行する(ステップS49)。また、画像データがコンピュータなどの外部のデータ送信手段から転送中であれば(ステップS50でYES)、ガイド部材57の切換え制御を実行する(ステップS51)。
【0041】
以上の制御を処理した後、印字処理が行われる(ステップS52)。次に、画像安定化モードが実行される場合に(ステップS53でYES)、ガイド部材57の切換え制御を実行する(ステップS54)。画像安定化モードとは、作像ユニット10や中間転写ユニット30などで形成される画像の濃度や位置を所定の状態に補正するための従来知られている制御であり、その詳細な説明は省略する。印字処理は1回のジョブが終了するまで継続され(ステップS55でNO)、ジョブが終了し(ステップS55でYES)、かつ、電源がオフされると(ステップS56でYES)、制御を終了する。電源がオフされない場合は(ステップS56でNO)、前記ステップS43へ戻る。
【0042】
前記ステップS42,S45,S49,S51,S54で実行される切換え制御のサブルーチンを図6に示す。まず、ガイド部材57を第2の排出口55側へ切り換え(ステップS61)、定着ユニット45を駆動して定着ローラの温度調整を行う(ステップS62)。なお、待機状態における定着温度制御モードは従来から周知であり、その詳細な説明は省略する。定着温度制御が終了すると定着ユニット45の駆動を停止し(ステップS63)、ガイド部材57を第1の排出口51側に復帰させ(ステップS64)、このサブルーチンを終了する。
【0043】
(他の実施例)
なお、本発明に係る画像形成装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できる。
【0044】
特に、本発明は、前記実施例で示したプリンタに限らず、複写機やファクシミリとの複合機など幅広い画像形成装置に適用することができる。また、用紙搬送経路の構成、ガイド部材の細部の形状や駆動形態などは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、特別な除湿・乾燥手段を設けることなく、第2の排出口への水滴の付着を未然に防止できる点で優れている。
【符号の説明】
【0046】
5…トレイ部
10…作像ユニット
45…定着ユニット
51…第1の排出口
52…第1のローラ対
55…第2の排出口
56…第2のローラ対
57…ガイド部材
70…制御部
74…環境検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像を用紙上に転写した後、加熱定着する画像形成装置において、
未定着トナーを用紙上に加熱定着する定着手段と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出する第1のローラ対を有する第1の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出するとともに機内にスイッチバックさせる機能を備えた第2のローラ対を有する第2の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を前記第1の排出口又は前記第2の排出口のいずれかに導くガイド部材と、
少なくとも用紙の搬送状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理内で、前記ガイド部材を切り換えて、前記第1の排出口又は前記第2の排出口から用紙を排出させること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
トナー画像を用紙上に転写した後、加熱定着する画像形成装置において、
未定着トナーを用紙上に加熱定着する定着手段と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出する第1のローラ対を有する第1の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出するとともに機内にスイッチバックさせる機能を備えた第2のローラ対を有する第2の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を前記第1の排出口又は前記第2の排出口のいずれかに導くガイド部材と、
少なくとも用紙の搬送状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理ごとに、前記ガイド部材を切り換えて、前記第1の排出口又は前記第2の排出口から用紙を排出させること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、一回の印字指示に基づいて実行される印字処理枚数に基づいて、前記ガイド部材を切り換えるタイミングを変更すること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
さらに、環境条件を検出するセンサを備え、
前記制御手段は、前記センサによって検出された環境条件に基づいて、前記ガイド部材を切り換えるタイミングを変更すること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
トナー画像を用紙上に転写した後、加熱定着する画像形成装置において、
未定着トナーを用紙上に加熱定着する定着手段と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出する第1のローラ対を有する第1の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を機外に排出するとともに機内にスイッチバックさせる機能を備えた第2のローラ対を有する第2の排出口と、
前記定着手段を通過した後の用紙を前記第1の排出口又は前記第2の排出口のいずれかに導くガイド部材と、
少なくとも用紙の搬送状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、装置本体が印字のための待機状態にあるとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、装置本体の電源が投入されたとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、装置本体の扉が開閉されたとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、画像安定化モードを実行中に、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、スリープモードから復帰するとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、外部のデータ送信手段から印字データが送信されたとき、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記ガイド部材を第2の排出口側に一時的に切り換えるとき、前記定着手段を駆動して温度制御モードを実行すること、を特徴とする請求項5ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ガイド部材は前記定着手段と前記第1及び第2の排出口の間に配置されており、
前記第2の排出口は前記第1の排出口の略上方に配置されており、
前記第1及び第2の排出口から排出された用紙は単一のトレイ上に積載されること、
を特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−22443(P2011−22443A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168556(P2009−168556)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】