説明

画像形成装置

【課題】省電力駆動が可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】表示面S1に形成された描画領域S11にレーザー光LLを走査することにより画像を表示するよう構成された画像形成装置1であって、レーザー光LLを出射する光出射部3と、光出射部3から出射されたレーザー光LLを水平方向に主走査するとともに、垂直方向に副走査することにより、描画領域S11に2次元的に走査する光走査部4と、描画領域S11に表示する画像の描画領域S11上での水平方向の最大幅に、描画領域S11上での主走査の振幅を対応させて光走査部4を駆動する駆動制御部5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スクリーン等の表面に画像を表示する画像形成装置として、光走査型プロジェクターが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の光走査型プロジェクターは、所望の色のレーザー光を所望のタイミングで出射する光源と、光源から出射されたレーザー光を2次元的に走査する偏光手段とを有している。また、偏光手段は、レーザー光を水平方向に走査する第1の光スキャナーと、垂直方向に走査する第2の光スキャナーとを有している。これら2つの光スキャナーは、それぞれ、レーザー光を反射するミラーを有しており、このミラーを所定の軸まわりに回動させることによりレーザー光を走査するよう構成されている。このような光走査型プロジェクターは、レーザー光を第1の光スキャナーで走査した後、第2の光スキャナーで走査することにより2次元的に走査し、スクリーンに所望の画像を表示するように構成されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1の光走査型プロジェクターでは、画像を表示する間は絶えず、第1の光スキャナーおよび第2の光スキャナーの振幅を、それぞれ、一定に保つように駆動しているため、次のような問題が生じる。すなわち、第1の問題として、例えば、スクリーンに表示する画像(以下、「表示画像」とも言う)の水平方向の幅が第1の光スキャナーの振幅よりも遥かに小さい場合でも、第1の光スキャナーを表示画像に対して大きな振幅で回動させなければならない。すなわち、第1の光スキャナーを過剰に駆動させていることとなり消費電力の悪化を招いている。第2の光スキャナーについても、これと同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−199251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、省電力駆動が可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の画像形成装置は、表示面に形成された描画領域に光を走査することにより画像を表示するよう構成された画像形成装置であって、
前記光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された前記光を第1の方向に主走査するとともに、前記第1の方向と異なる第2の方向に副走査することにより、前記描画領域に2次元的に走査する光走査部と、
前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅に、前記描画領域上での前記主走査の振幅を対応させて前記光走査部を駆動する駆動制御部とを有することを特徴とする。
これにより、不必要に振幅の大きい主走査を防止することができるため、省電力駆動が可能な光走査型プロジェクターを提供することができる。
【0007】
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域上での前記主走査の振幅が、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅と等しくなるように、前記光走査部の駆動を制御することが好ましい。
これにより、光走査型プロジェクターの省電力化をさらに図ることができる。
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅を検知する第1の方向最大幅検知部を有していることが好ましい。
これにより、より確実に、描画領域に表示する画像の第1の方向の最大幅に応じて描画領域上でのレーザー光の主走査の振幅を変更することができる。
【0008】
本発明の画像形成装置では、前記描画領域に表示する画像の画像データは、前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅に関するデータを含んでおり、該データに基づいて、前記駆動制御部が前記主走査の振幅を制御することが好ましい。
これにより、描画領域に表示される画像の第1の方向の最大幅を演算等により求めなくてもよいため、よりスムーズかつ正確に描画領域に画像を表示することができる。
【0009】
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅に、前記描画領域上での前記副走査の振幅を対応させて前記光走査部を駆動することが好ましい。
これにより、不必要に振幅の大きい副走査を防止することができるため、省電力駆動が可能な光走査型プロジェクターとなる。
【0010】
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域上での前記副走査の振幅が、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅と等しくなるように前記光走査部の駆動を制御することが好ましい。
これにより、光走査型プロジェクターの省電力化をさらに図ることができる。
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅を検知する第2の方向最大幅検知部を有していることが好ましい。
これにより、より確実に、描画領域に表示する画像の第2の方向の最大幅に応じて描画領域上でのレーザー光の副走査の振幅を変更することができる。
【0011】
本発明の画像形成装置では、前記描画領域に表示する画像の画像データは、前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅に関するデータを含んでおり、該データに基づいて、前記駆動制御部が前記副走査の振幅を制御することが好ましい。
これにより、描画領域に表示される画像の第2の方向の最大幅を演算等により求めなくてもよいため、よりスムーズかつ正確に描画領域に画像を表示することができる。
【0012】
本発明の画像形成装置では、前記光走査部は、前記光出射部から出射された前記光を反射する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向または互いに直交する二方向へ回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した前記光を前記描画領域に走査する光スキャナーを有していることが好ましい。
これにより、光走査部の構成が簡単なものとなる。
本発明の画像形成装置では、前記駆動制御部は、前記描画領域に表示される画像の歪みを補正する機能を有することが好ましい。
これにより、描画領域に歪みのない鮮明な画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置が備える光スキャナーの部分断面斜視図である。
【図3】図2に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図である。
【図4】図1に示す画像異形成装置の動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。
【図5】図1に示す画像異形成装置の動作を説明するための平面図である。
【図6】図1に駆動制御部、光走査部および光源ユニットを示すブロック図である。
【図7】図1に示す画像形成装置の変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る光走査型プロジェクターが備える光スキャナーを示す模式的平面図である。
【図9】図8中のB−B線断面図である。
【図10】図8に示す光スキャナーが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図である。
【図11】図10に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図である。
【図12】図8に示す光走査型プロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す構成図、図2は、図1に示す画像形成装置が備える光スキャナーの部分断面斜視図、図3は、図2に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図、図4は、図1に示す画像異形成装置の動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)、図5は、図1に示す画像異形成装置の動作を説明するための平面図、図6は、図1に駆動制御部、光走査部および光源ユニットを示すブロック図、図7は、図1に示す画像形成装置の変形例を示す平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図2ないし図5中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0016】
図1に示す光走査型プロジェクター(画像形成装置)1は、例えばスクリーンSの表示面S1に形成された描画領域S11に、写真、イラスト、コマーシャル、プロモーションビデオ等の静止画や動画等の画像を表示する装置である。この光走査型プロジェクター1は、レーザー光(光)を出射する光源ユニット(光出射部)3と、描画領域S11に対して光源ユニット3から出射したレーザー光を走査する光走査部4と、光走査部4の駆動を制御する駆動制御部5とを有している。以下、これら各構成要素について、順次詳細に説明する。
【0017】
(光源ユニット)
光源ユニット3は、各色のレーザー光源31r、31g、31bと、各色のレーザー光源31r、31g、31bに対応して設けられたコリメーターレンズ32r、32g、32bおよびダイクロイックミラー33r、33g、33bとを備えている。
また、図4に示すように、各色のレーザー光源31r、31g、31bは、それぞれ、駆動回路310r、310g、310bと、赤色の光源320r、緑色の光源320g、青色の光源320bとを有しており、図2に示すように、赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを出射する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、駆動制御部5の後述する光源変調部54から送信される駆動信号に対応して変調された状態で出射され、コリメート光学素子であるコリメーターレンズ32r、32g、32bによって平行化されて細いビームとされる。
【0018】
ダイクロイックミラー33r、33g、33bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つのレーザー光LLを出射する。
なお、コリメーターレンズ32r、32g、32bに代えてコリメーターミラーを用いることができ、この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源31r、31g、31bから平行光束が出射される場合、コリメーターレンズ32r、32g、32bは、省略することができる。さらに、レーザー光源31r、31g、31bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。
【0019】
また、図1の各色のレーザー光源31r、31g、31b、コリメーターレンズ32r、32g、32b、及びダイクロイックミラー33r、33g、33bの順番はあくまで1例であり、各色の組み合わせ(赤色はレーザー光源31r、コリメーターレンズ32r、ダイクロイックミラー33r、緑色はレーザー光源31g、コリメーターレンズ32g、ダイクロイックミラー33g、青色はレーザー光源31b、コリメーターレンズ32b、ダイクロイックミラー33b)を保持したままその順序は自由に設定できる。例えば、光走査部4に近い順に、青色、赤色、緑色という組み合わせも可能である。
【0020】
(光走査部)
光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを描画領域S11に対し、水平方向(第1の方向)に走査(水平走査:主走査)すると共に、水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向(第2の方向)に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査するものである。
【0021】
光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを、描画領域S11に対し、水平方向に走査する光スキャナー41と、光スキャナー41の後述する可動板411aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)43と、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを、描画領域S11に対し、垂直方向に走査する光スキャナー42と、光スキャナー42の後述する可動板421aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)44とを有している。
【0022】
以下、光スキャナー41、42の構成について説明するが、光スキャナー41、42は、互いに同様の構成であるため、以下では光スキャナー41について代表して説明し、光スキャナー42については、その説明を省略する。
図2に示すように、光スキャナー41は、いわゆる1自由度振動系のものであり、基体411と、基体411の下面に対向するよう設けられた対向基板413と、基体411と対向基板413との間に設けられたスペーサー部材412とを有している。
【0023】
基体411は、可動板411aと、可動板411aを回動可能に支持する支持部411bと、可動板411aと支持部411bとを連結する1対の連結部411c、411dとを有している。
可動板411aは、その平面視にて、略長方形状をなしている。このような可動板411aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)411eが設けられている。光反射部411eの表面(上面)は、光を反射する反射面を構成している。光反射部411eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板411aの下面には、永久磁石414が設けられている。
【0024】
支持部411bは、可動板411aの平面視にて、可動板411aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部411bは、枠状をなしていて、その内側に可動板411aが位置している。
連結部411cは、可動板411aの左側にて、可動板411aと支持部411bとを連結し、連結部411dは、可動板411aの右側にて、可動板411aと支持部411bとを連結している。
【0025】
連結部411c、411dは、それぞれ、長手形状をなしている。また、連結部411c、411dは、それぞれ、弾性変形可能である。このような1対の連結部411c、411dは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J1」と言う)を中心として、可動板411aが支持部411bに対して回動する。
このような基体411は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理(加工)が可能であり、光スキャナー41の小型化を図ることができる。
【0026】
スペーサー部材412は、枠状をなしていて、その上面が基体411の下面と接合している。また、スペーサー部材412は、可動板411aの平面視にて、支持部411bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材412は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー部材412と基体411との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材412の構成材料によっては陽極接合などを用いてもよい。
【0027】
対向基板413は、スペーサー部材412と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板413の上面であって、可動板411aと対向する部位には、コイル415が設けられている。
永久磁石414は、板棒状をなしていて、可動板411aの下面に沿って設けられている。このような永久磁石414は、可動板411aの平面視にて、回動中心軸J1に対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石414は、両極(S極、N極)を結んだ線分が、回動中心軸J1に対して直交するよう設けられている。
このような永久磁石414としては、特に限定されず、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
【0028】
コイル415は、可動板411aの平面視にて、永久磁石414の外周を囲むように設けられている。
また、光スキャナー41は、コイル415に電圧を印加する電圧印加手段416を有している。電圧印加手段416は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整(変更)し得るように構成されている。電圧印加手段416、コイル415および永久磁石414により、可動板411aを回動させる駆動手段417が構成される。
【0029】
コイル415には、駆動制御部5の制御により、電圧印加手段416から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。例えば、駆動制御部5の制御により、電圧印加手段416からコイル415に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板411aの厚さ方向の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル415の上側付近がS極、下側付近がN極となる状態Aと、コイル415の上側付近がN極、下側付近がS極となる状態Bとが交互に切り換わる。
【0030】
状態Aでは、図3(a)に示すように、永久磁石414の右側が、コイル415への通電により発生する磁界との反発力により上側へ変位するとともに、永久磁石414の左側が、前記磁界との吸引力により下側へ変位する。これにより、可動板411aが反時計回りに回動して傾斜する。反対に、状態Bでは、図3(b)に示すように、永久磁石414の右側が下側へ変位するとともに、永久磁石414の左側が上側へ変位する。これにより、可動板411aが時計回りに回動して傾斜する。このような状態Aと状態Bとを交互に繰り返すことにより、連結部411c、411dを捩り変形させながら、可動板411aが回動中心軸J1まわりに回動する。
【0031】
また、駆動制御部5の制御により、電圧印加手段416からコイル415に印加する電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができ、これにより、可動板411a(光反射部411eの反射面)の回動中心軸J1を中心とする振れ角(振幅)を調整することができる。
なお、このような光スキャナー41の構成としては、可動板411aを回動させることができれば、特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル415と永久磁石414とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引力を用いた静電駆動としてもよい。
【0032】
図1に示すように、上述のような構成の光スキャナー41、42は、互いの回動中心軸J1、J2が直交するように設けられている。光スキャナー41、42をこのように設けることにより、描画領域S11に対し、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを2次元的に走査することができる。これにより、比較的簡単な構成で描画領域S11に2次元画像を描画することができる。
【0033】
具体的に説明すれば、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、光スキャナー41の光反射部411eの反射面で反射し、次いで、光スキャナー42の光反射部421eの反射面で反射し、スクリーンSの描画領域S11に投射される。そして、光スキャナー41の光反射部411eを回動させるとともに、その角速度(速度)よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させることにより、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、描画領域S11に対し、水平方向に走査されるとともに、その水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査される。これにより、光源ユニット3から出射したレーザー光LLが描画領域S11に対して2次元的に走査され、描画領域S11に画像が描画される。
【0034】
ここで、光スキャナー41の光反射部411eの角速度よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させるために、例えば、光スキャナー41を共振を利用した共振駆動とし、光スキャナー42を共振を利用しない非共振駆動とするのが好ましい。
なお、光源ユニット3から出射したレーザー光LLが、先に光スキャナー42の光反射部421eで反射し、次に光スキャナー41の光反射部411eで反射するようになっていてもよい。すなわち、先に垂直走査がなされ、次に水平走査がなされるように構成されていてもよい。
【0035】
次に、光スキャナー41の可動板411aの角度を検出する角度検出手段43について説明する。なお、光スキャナー42の可動板421aの角度を検出する角度検出手段44は、角度検出手段43と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図2に示すように、角度検出手段43は、光スキャナー41の連結部411c上に設けられた圧電素子431と、圧電素子431から発生する起電力を検出する起電力検出部432と、起電力検出部432の検出結果に基づいて可動板411aの角度を求める角度検知部433とを有している。
【0036】
圧電素子431は、可動板411aの回動に伴って連結部411cが捩り変形するとそれに伴って変形する。圧電素子431は、外力が付与されていない自然状態から変形すると、その変形量に応じた大きさの起電力を発生する性質を有している。そのため、角度検知部433は、起電力検出部432で検出された起電力の大きさに基づいて、連結部411cの捩れの程度を求め、さらに、その捩れの程度から可動板411aの角度を求める。また、角度検知部433は、可動板411aの回動中心軸J1を中心とする振れ角を求める。この可動板411aの角度および振れ角の情報を含む信号は、角度検知部433から駆動制御部5に送信される。
【0037】
なお、前記検出する可動板411aの角度は、光スキャナー41のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよく、例えば、光スキャナー41の初期状態(コイル415に電圧が印加されていない状態)のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定することができる。
また、前記可動板411aの角度の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段43としては、可動板411aの角度を検出することができれば、本実施形態のような圧電素子を用いたものに限定されない。例えば、フォトダイオード等の受光素子と、この受光素子に向けてレーザー光を出射するレーザー光出射部とを、可動板411aが所定角度となったときに可動板411aによってレーザー光が遮られるように設置し、レーザー光が遮られるタイミングを受光素子により検知することにより可動板411aの角度を検出してもよい。
【0038】
(駆動制御部5)
次に、駆動制御部5について説明する。
光走査型プロジェクター1では、前述のような1対の光スキャナー41、42を用いて描画領域S11に画像を描画する際、描画領域S11までの光路差に起因する歪み、例えば、描画領域S11に表示された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生する。駆動制御部5は、このような画像の歪みを補正する機能を有している。
【0039】
具体的には、光スキャナー41の可動板411aの振れ角が一定の場合は、光源ユニット3からレーザー光LLを出射した光出射状態でのレーザー光LLの振幅は、光スキャナー42の可動板421aの角度に応じて変化し、レーザー光LLが走査される描画領域S11上の垂直方向の位置が光走査型プロジェクター1から遠いほど長くなる。そこで、光走査型プロジェクター1では、駆動制御部5によって、レーザー光LLが走査される描画領域S11上の垂直方向の位置が光走査型プロジェクター1から遠いほど、可動板411aの振れ角を小さくすることにより、光出射状態でのレーザー光LLの振幅を垂直方向に沿って一定にする。このような駆動制御部5の制御により、前述したような画像の歪みが防止される。
【0040】
なお、前記振幅とは、光出射状態で、可動板411aが所定方向に最大角度まで回動したときの描画領域S11と同一平面上でのレーザー光LLの位置と、それに続いて可動板411aが前記と逆方向に最大角度まで回動したときの描画領域S11と同一平面上でのレーザー光LL1の位置との水平方向の距離(間隔)である。すなわち、図4に示すように、光出射状態でレーザー光LLを描画領域S11上に2次元的に走査したときの、描画領域S11上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ラインLのそれぞれの水平方向の長さである。
【0041】
また、光走査型プロジェクター1では、描画領域S11において、上側から奇数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になるように、駆動制御部5が可動板421aの角度や角速度を制御するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
【0042】
本実施形態では、例えば、各描画ラインLの描画開始の際における描画領域S11の左側の端部および右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ラインLの垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ラインLについて、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度は、描画ラインL毎に一定の値に設定する。なお、描画ラインLの垂直方向の位置が光走査型プロジェクター1から遠いほど可動板421aの角速度は、小さく設定される。これにより、駆動制御部5の比較的簡単な制御で、画像の垂直方向の歪みを防止することができ、鮮明な画像を表示することができる。
【0043】
さらに、駆動制御部5は、以上説明したような歪みを補正する制御の他に、描画領域S11に表示する画像の水平方向の最大幅に応じて描画領域S11上でのレーザー光LLの水平方向の振幅を変更するとともに、描画領域S11に表示する画像の垂直方向の最大幅に応じて描画領域S11上でのレーザー光LLの垂直方向の振幅を変更する制御を行うように構成されている。以下、これについて具体的に説明する。
【0044】
例えば、光走査型プロジェクター1によって、描画領域S11に図5(a)、(b)に示すように、所定の画像を描画する場合、駆動制御部5は、光出射状態でのレーザー光LLの水平方向の振幅が、描画領域S11に表示する画像の水平方向の最大幅と等しくなるように、光スキャナー41の可動板411aの角度を制御する。これとともに、駆動制御部5は、光出射状態でのレーザー光LLの垂直方向の振幅が、描画領域S11に表示する画像の垂直方向の最大幅と等しくなり、かつスクリーンS(描画領域S11)上でのレーザー光LLの垂直方向の間隔は変化しないように、光スキャナー42の可動板421aの角度を制御する。
【0045】
駆動制御部5によってこのような制御を行うことにより、光スキャナー41、42の可動板411a、421aの回動角を画像を描画するのに必要な最小限の角度とすることができ、無駄な電力を消費することがなく、光走査型プロジェクター1の省電力化を図ることができる。また、水平走査する回数が減少し、1つの画像(1コマ)を表示するのに必要な時間を短縮することができるため、単位時間当たりに描画可能な画像の数が増える。これにより、レーザー光LLの出力を低くしても、従来と同等の明るさの画像を描画領域S11に表示することができ、この観点からも光走査型プロジェクター1の省電力化を図ることができる。また、単位時間当たりに描画可能な画像の数が増えれば、特に動画等を表示する場合において、動きがより滑らかな画像を表示することができる。
【0046】
以下、上述のような制御を実現するための駆動制御部5の構成について説明する。
図6に示すように、駆動制御部5は、映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部51と、映像データ演算部52と、描画タイミング生成部53と、光源変調部54と、振れ角演算部55と、角度指示部56と、検量線記憶部57と、画像サイズ検知部(第1の方向最大幅検知部および第2の方向最大幅検知部)58とを有している。
【0047】
映像データ記憶部51は、例えばコンピューター等の外部装置から入力された映像データを一時的に記憶する。
画像サイズ検知部58は、映像データ記憶部に記憶された映像データに相当する画像を表示領域S11に表示した場合における水平方向の最大幅および垂直方向の最大幅をそれぞれ検知する。これにより、より確実に、描画領域S11に表示する画像の水平方向の最大幅に応じて描画領域S11上でのレーザー光LLの水平方向の振幅を変更するとともに、描画領域S11に表示する画像の垂直方向の最大幅に応じて描画領域S11上でのレーザー光LLの垂直方向の振幅を変更することができる。
【0048】
各方向の最大幅を検知する方法としては特に限定されない。例えば、映像データ記憶部51に記憶されている映像データには、描画領域S11上の各部位(仮想的に設定された画素)について、レーザー光LLを照射するか否かの情報が少なくとも含まれている。この情報から、レーザー光LLを照射する画素のうちの最も左側に位置する画素と最も右側に位置する画素とを求め、これら2つの画素と振動(可動板411aの回動)の中心に相当する画素との間の水平方向の距離をそれぞれ算出し、距離が大きい方の画素を選択することにより、描画領域S11に表する画像の水平方向の最大幅を求めることができる。同様に、映像データから、レーザー光LLを照射する画素のうちの最も下側に位置する画素と最も上側に位置する画素とを求め、これら2つの画素間の垂直方向の距離を算出することにより描画領域S11に表する画像の垂直方向の最大幅を求めることができる。
【0049】
また、映像データ記憶部51に記憶されている映像データに、予め描画領域S11に表示した場合の水平方向の最大幅および垂直方向の最大幅に関するデータが含まれている場合には、このデータを用いることができる。このように、映像データに予め最大幅に関するデータが含まれていれば、画像サイズ検知部58で前述のような方法により、画像の2つの方向における最大幅を求めなくてもよい。そのため、よりスムーズに描画領域S11に画像を表示することができる。
【0050】
描画タイミング生成部53は、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成する。描画タイミング情報には、描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には、描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置(可動板421aの角度)の情報等が含まれる。なお、描画ラインLのいずれの部位の位置を前記描画ラインLの垂直方向の位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
【0051】
映像データ演算部52は、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部51から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
光源変調部54は、映像データ演算部52から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路310r、310g、310bを介して各光源320r、320g、320bの変調を行う。すなわち、各光源320r、320g、320bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
【0052】
検量線記憶部57には、光出射状態でレーザー光LL1の振れ幅が垂直方向に沿って一定になる、描画領域S11に走査するレーザー光LL1の描画領域S11上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)と、可動板411aの振れ角との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶(格納)される。画像を描画する際は、その検量線と、画像サイズ検知部58によって検知された画像の水平方向の最大幅およびこの両端に位置する2つの画素の位置に関するデータとを用いて、描画領域S11に走査するレーザー光LL1の描画領域S11上の垂直方向の位置に基づいて、前記振れ角の目標値を求める。なお、検量線は、計算で求めることができ、予め、検量線記憶部57に記憶される。
【0053】
次に、スクリーンSの描画領域S11上に画像を描画する際の光走査型プロジェクター1の動作について説明する。
まず、光走査型プロジェクター1に映像データが入力される。入力された映像データは、映像データ記憶部51に一時的に記憶され、その映像データ記憶部51から読み出され、その映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データのすべてが映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始してもよく、また、映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部51に記憶するようにしてもよい。
【0054】
映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部51に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、このラスタースキャンモジュールでは、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画(以下、単に「垂直方向で往復描画」とも言う)し、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を逆にするので、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部51に記憶されている必要があるためである。
【0055】
画像サイズ検知部58では、映像データ記憶部51に記憶された映像データに相当する画像を表示領域S11に表示した場合における水平方向の最大幅および垂直方向の最大幅をそれぞれ検知する。
また、描画タイミング生成部53では、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は、映像データ演算部52に送出され、描画ライン情報は、振れ角演算部55に送出される。
【0056】
映像データ演算部52は、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部51から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
光源変調部54は、映像データ演算部52から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路310r、310g、310bを介して各光源320r、320g、320bの変調を行う。すなわち、各光源320r、320g、320bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
【0057】
光スキャナー41側の角度検出手段43は、その可動板411aの角度および振れ角を検出し、その角度および振れ角の情報(可動板411aの角度情報)を描画タイミング生成部53および振れ角演算部55に送出する。また、光スキャナー42側の角度検出手段44は、その可動板421aの角度を検出し、その角度の情報(可動板421aの角度情報)を角度指示部56に送出する。
【0058】
描画タイミング生成部53は、現在の描画ラインLの描画が終了し、角度検出手段43から可動板411aの振れ角の情報が入力されると、それに同期して、角度指示部56に、次に描画を行う描画ラインLの描画開始点にレーザー光LL1が照射されるときの可動板421aの目標角度を示す目標角度情報を送出する。その可動板421aの目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように設定される。また、可動板421aの目標角度は、画像サイズ検知部58で検知された、画像が描画領域S11に表示された場合の当該画像の垂直方向の最大幅と等しくなるように設定される。角度指示部56は、角度検出手段44で検出された可動板421aの角度と、前記可動板421aの目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、光スキャナー42の駆動手段427に駆動データを送出する。
【0059】
駆動手段427は、前記駆動データに基づいて、光スキャナー42を駆動する(コイルに電圧を印加する)。これにより、仮に描画開始点にレーザー光LL1が照射されたとき、可動板421aの角度は前記目標角度になる。
なお、本実施形態では、各描画ラインLにおいて、描画開始点から描画終了点まで、可動板421aの角速度を一定とし、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を一定としてもよく、また、可動板421aの角速度を徐々に変化させ、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を徐々に変化さてもよい。
【0060】
また、描画タイミング生成部53は、振れ角演算部55に、描画ライン情報、すなわち、次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報を送出する。
振れ角演算部55では、検量線記憶部57から読み出された情報(各描画ラインLに対応する可動板411aの振れ角の目標値)を用い、描画タイミング生成部53から入力された次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報に基づいて、次に描画を行う描画ラインLにおける可動板411aの目標振れ角を求める。そして、角度検出手段43から入力された可動板411aの振れ角の情報と、前記可動板411aの目標振れ角とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角となるように、光スキャナー41の駆動手段417に駆動データを送出する。
【0061】
駆動手段417は、前記駆動データに基づいて、コイル415に、光スキャナー41の共振周波数と同じ周波数の実効電圧を印加して電流を流し、所定の磁界を発生させ、実効電流の大きさや光スキャナー41と駆動波形との位相差を変化させる事で、光スキャナー41にエネルギーを供給したり、逆に、光スキャナー41からエネルギーを奪ったりする。これにより、共振運動している可動板411aの振れ角は、前記目標振れ角になる。このようにして、角度検出手段43により検出された可動板411aの振れ角の情報(検出結果)と、前記目標振れ角(目標値)とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角になるようにその可動板411aの振れ角を調整しつつ、描画領域S11の各描画ラインL上の必要部位に、順次、レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
【0062】
また、描画タイミング生成部53では、描画を行うフレームが、奇数フレーム(奇数番目のフレーム)と偶数フレーム(偶数番目のフレーム)とのいずれであるかの管理を行い、それにより、可動板421aの回動方向(移動方向)と、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を決定している。すなわち、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像を描画する際と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像を描画する際とで、映像データの読み出し順序を逆にする。
【0063】
また、奇数フレームと偶数フレームとで、描画領域S11の同じライン上にレーザー光LL1を走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ラインLと偶数フレームの各描画ラインLとが一致するように、レーザー光LL1を走査する。
具体的には、例えば、図4に示すように、1番目のフレーム(奇数番目のフレーム)については、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画し、2番目のフレーム(偶数番目のフレーム)については、可動板421aの回動方向を前記と逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
【0064】
なお、本実施形態では、垂直方向の走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の復路を偶数フレームとしているが、これに限らず、垂直方向の走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の往路を偶数フレームとしてもよい。
また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、描画領域S11の異なるライン上にレーザー光LLを走査してもよい。
【0065】
次に、図7に基づいて、変形例を説明する。
光走査型プロジェクター1は、図7(a)、(b)に示すように、描画領域S11上でのレーザー光LLの水平方向の振幅が、描画領域S11上に表示された画像の水平方向の最大幅よりも左右に若干大きくなるように駆動してもよい。これは、各描画ラインLのうち、左側の端部および右側端部は、それぞれ、光スキャナー41の光反射部411eの角速度(速度)が小さくなり易く描画に適さない場合があるためである。
【0066】
<第2実施形態>
次に、本発明の光走査型プロジェクターの第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る光走査型プロジェクターが備える光スキャナーを示す模式的平面図、図9は、図8中のB−B線断面図、図10は、図8に示す光スキャナーが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図、図11は、図10に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図、図12は、図8に示す光走査型プロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図8中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図9中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0067】
以下、第2実施形態の光走査型プロジェクターについて、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の光走査型プロジェクターは、光走査部が有する光スキャナーの構成が異なる点、および描画領域S11上の水平走査の軌跡が直線でない事以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図10および図12にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0068】
光走査部4は、いわゆる2自由度振動系の1つの光スキャナー45を有している。
光スキャナー45は、図8に示すような第1の振動系46aと第2の振動系46bと支持部46cとを備える基体46と、基体46と対向配置された対向基板47と、基体46と対向基板47との間に設けられたスペーサー部材48と、永久磁石491と、コイル492とを備えている。
【0069】
第1の振動系46aは、枠状の支持部46cの内側に設けられた枠状の駆動部461aと、駆動部461aを支持部46cに両持ち支持する1対の第1の連結部462a、463aとで構成されている。
第2の振動系46bは、駆動部461aの内側に設けられた可動板461bと、可動板461bを駆動部461aに両持ち支持する1対の第2の連結部462b、463bとで構成されている。
【0070】
駆動部461aは、図8の平面視にて、円環状をなしている。なお、駆動部461aの形状は、枠状をなしていれば特に限定されず、例えば、図8の平面視にて、四角環状をなしていてもよい。このような駆動部461aの下面には、永久磁石491が接合されている。
第1の連結部462a、463aは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第1の連結部462a、463aは、それぞれ、駆動部461aを支持部46cに対して回動可能とするように、駆動部461aと支持部46cとを連結している。このような、第1の連結部462a、463aは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J5」という)を中心として、駆動部461aが支持部46cに対して回動するように構成されている。
【0071】
第1の連結部462aには、駆動部461aの角度(回動中心軸J5まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465aが設けられている。
可動板461bは、図8の平面視にて、円形状をなしている。なお、可動板461bの形状は、駆動部461aの内側に形成することができれば特に限定されず、例えば、図8の平面視にて、楕円形状をなしていてもよいし、四角形状をなしていてもよい。このような可動板461bの上面には、光反射性を有する光反射部464bが形成されている。
【0072】
第2の連結部462b、463bは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第2の連結部462b、463bは、それぞれ、可動板461bを駆動部461aに対して回動可能とするように、可動板461bと駆動部461aとを連結している。このような第2の連結部462b、463bは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J6」という)を中心として、可動板461bが駆動部461aに対して回動するように構成されている。
【0073】
第2の連結部462bには、可動板461bの角度(回動中心軸J6まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465bが設けられている。
図8に示すように、回動中心軸J5と回動中心軸J6とは、互いに直交している。また、駆動部461aおよび可動板461bの中心は、それぞれ、図8の平面視にて、回動中心軸J5と回動中心軸J6との交点上に位置している。なお、以下、説明の便宜上、回動中心軸J5と回動中心軸J6との交点を「交点G」ともいう。
【0074】
図9に示すように、以上のような基体46は、スペーサー部材48を介して対向基板47と接合している。対向基板47の上面には、永久磁石491に作用する磁界を発生させるコイル492が設けられている。
永久磁石491は、図8の平面視にて、交点Gを通り、回動中心軸J5および回動中心軸J6のそれぞれの軸に対して傾斜した線分(この線分を「線分M」とも言う)に沿って設けられている。このような永久磁石491は、交点Gに対して長手方向の一方側がS極、他方側がN極となっている。図9では、永久磁石491の長手方向の左側がS極、右側がN極となっている。
【0075】
図8の平面視にて、線分Mの回動中心軸J5に対する傾斜角θは、30〜60度であるのが好ましく、40〜50度であるのがより好ましく、ほぼ45度であるのがさらに好ましい。このように永久磁石491を設けることで、円滑に、可動板461bを回動中心軸J5および回動中心軸J6のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。本実施形態では、線分Mは、回動中心軸J5および回動中心軸J6のそれぞれの軸に対して約45度傾斜している。
【0076】
また、図9に示すように、永久磁石491には、上面に開放する凹部491aが形成されている。この凹部491aは、永久磁石491と可動板461bとの接触を防止するための逃げ部である。このような凹部491aを形成することにより、可動板461bが回動中心軸J5まわりに回動する際、永久磁石491と接触してしまうことを防止することができる。
【0077】
コイル492は、図8の平面視にて、駆動部461aの外周を囲むように形成されている。これにより、光スキャナー45の駆動の際、駆動部461aとコイル492との接触を確実に防止することができる。その結果、コイル492と永久磁石491との離間距離を比較的短くすることができ、コイル492から発生する磁界を効率的に永久磁石491に作用させることができる。
【0078】
コイル492は、電圧印加手段493と電気的に接続されていて、電圧印加手段493によりコイル492に電圧が印加されると、コイル492から回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に直交する軸方向の磁界が発生する。
図10に示すように、電圧印加手段493は、可動板461bを回動中心軸J5まわりに回動させるための第1の電圧V1を発生させる第1の電圧発生部493aと、可動板461bを回動中心軸J6まわりに回動させるための第2の電圧V2を発生させる第2の電圧発生部493bと、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを重畳し、その電圧をコイル492に印加する電圧重畳部493cとを備えている。
【0079】
第1の電圧発生部493aは、第1実施形態の図8と同様、図11(a)に示すように、フレーム周波数の倍の周期T1で周期的に変化する第1の電圧V1(垂直走査用電圧)を発生させるものである。
第1の電圧V1は、三角波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を垂直往復走査(副走査)することができる。なお、第1の電圧V1の波形は、これに限定されない。ここで、第1の電圧V1の周波数(1/T1)は、垂直走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、15〜40Hz(30Hz程度)であるのが好ましい。
【0080】
本実施形態では、第1の電圧V1の周波数は、駆動部461aと1対の第1の連結部462a、463aとで構成された第1の振動系46aのねじり共振周波数と異なる周波数となるように調整されている。
一方、第2の電圧発生部493bは、図11(b)に示すように、周期T1と異なる周期T2で周期的に変化する第2の電圧V2(水平走査用電圧)を発生させるものである。
【0081】
第2の電圧V2は、正弦波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を主走査することができる。なお、第2の電圧V2の波形は、これに限定されない。
また、第2の電圧V2の周波数は、第1の電圧V1の周波数より高く、かつ、水平走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、10〜40kHzであるのが好ましい。このように、第2の電圧V2の周波数を10〜40kHzとし、前述したように第1の電圧V1の周波数を30Hz程度とすることで、スクリーンでの描画に適した周波数で、可動板461bを回動中心軸J5および回動中心軸J6のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。ただし、可動板461bを回動中心軸J4および回動中心軸J6のそれぞれの軸まわりに回動させることができれば、第1の電圧V1の周波数と第2の電圧V2の周波数との組み合わせなどは、特に限定されない。
【0082】
本実施形態では、第2の電圧V2の周波数は、可動板461bと1対の第2の連結部462b、463bとで構成された第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しくなるように調整されている。これにより、可動板461bの回動中心軸J3まわりの回動角を大きくすることができる。
また、第1の振動系46aの共振周波数をf[Hz]とし、第2の振動系46bの共振周波数をf[Hz]としたとき、fとfとが、f>fの関係を満たすことが好ましく、f≧10fの関係を満たすことがより好ましい。これにより、より円滑に、可動板461bを回動中心軸J3まわりに第1の電圧V1の周波数で回動させつつ、回動中心軸J4まわりに第2の電圧V2の周波数で回動させることができる。
【0083】
第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bは、それぞれ、駆動制御部5に接続され、この駆動制御部5からの信号に基づき駆動する。このような第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bには、電圧重畳部493cが接続されている。
電圧重畳部493cは、コイル492に電圧を印加するための加算器493dを備えている。加算器493dは、第1の電圧発生部493aから第1の電圧V1を受けるとともに、第2の電圧発生部493bから第2の電圧V2を受け、これらの電圧を重畳しコイル492に印加するようになっている。
以上のような構成の光スキャナー45は、次のようにして駆動する。
【0084】
例えば、図11(a)に示すような第1の電圧V1と、図11(b)に示すような第2の電圧V2とを電圧重畳部493cにて重畳し、重畳した電圧をコイル492に印加する(この重畳された電圧を「電圧V3」ともいう)。
すると、電圧V3中の第1の電圧V1に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第1の連結部462a、463aを捩れ変形させつつ、駆動部461aが可動板461bとともに、第1の電圧V1の周波数で回動中心軸J5まわりに回動する。
【0085】
なお、第1の電圧V1の周波数は、第2の電圧V2の周波数に比べて極めて低く設定されており、また、第1の振動系46aの共振周波数は、第2の振動系46bの共振周波数よりも低く設計されている。そのため、第1の振動系46aは、第2の振動系46bよりも振動しやすくなっており、第1の電圧V1によって、可動板461bが回動中心軸J6まわりに回動してしまうことを防止することができる。
【0086】
一方、電圧V3中の第2の電圧V2に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第2の連結部462b、463bを捩れ変形させつつ、可動板461bが第2の電圧V2の周波数で回動中心軸J6まわりに回動する。
【0087】
なお、第2の電圧V2の周波数が第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しいため、第2の電圧V2によって、支配的に、可動板461bを回動中心軸J6まわりに回動させることができる。そのため、第2の電圧V2によって、可動板461bが駆動部461aとともに回動中心軸J5まわりに回動してしまうことを防止することができる。
以上のような光スキャナー45によれば、1つのアクチュエーターで2次元的にレーザー光(光)を走査でき、光走査部4の省スペース化を図ることができる。また、例えば、第1実施形態のように1対の光スキャナーを用いる場合には、これら光スキャナーの相対的位置関係を高精度に設定しなければならないが、本実施形態ではその必要がないため、製造の容易化を図ることができる。
【0088】
また、本実施形態では、第1実施形態の図4とは異なり、図12に示すように光源ユニット3からレーザー光(光)LL1を出射した光出射状態でそのレーザー光LL1を描画領域S11上に2次元的に走査したときの、描画領域S11上でのレーザー光LL1の軌跡である複数の描画ラインLは、ジグザグにかつ歪曲して配置される。
また、描画ラインLが歪曲しているため、映像データ演算部52は、これから走査するライン上に描画すべき画素データに相当するデータ算出しながら、映像データ記憶部51から読み出し、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
上記以外の処理に関しては、第1実施形態と同様の処理を行う。
【0089】
ベクタースキャンモジュールが有する光走査部も、光スキャナー45と同様の構成の光スキャナーを有している。ただし、ベクタースキャンモジュールが有する光スキャナーでは、第1の振動系および第2の振動系をそれぞれ非共振駆動させる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0090】
以上、本発明の光走査型プロジェクターを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、スクリーンの表示面に形成された描画領域に画像を描画する形態について説明したが、これに限定されず、例えば、壁面、床面等に直接画像を描画してもよい。
また、前記第1実施形態では、光走査部が1対の光スキャナーを有する形態について説明したが、レーザー光を走査することができればこれに限定されず、例えば光スキャナーと、ガルバノミラーとを用いてもよい。この場合には、ガルバノミラーを垂直走査用とするのが好ましい。
【0092】
また、前記第1実施形態では、垂直方向についてレーザー光を往復走査する形態について説明したが、これに限定されず、垂直方向について、いずれが一方の方向だけでレーザー光を走査してもよい。
また、前記実施形態では、3つのダイクロイックミラーを用いて、赤色レーザー光、緑色レーザー光、青色レーザー光を結合して1つのレーザー光(光)を出射しているが、ダイクロイックプリズム等を用いて結合しても良い。
【0093】
また、前述した実施形態では、光源ユニットが、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、緑色のレーザーを出射するレーザー光源とを有する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、紫外のレーザーを出射するレーザー光源とを備えていてもよい。この場合、スクリーンに、紫外レーザーが照射されることにより緑色の蛍光を発生する蛍光体を含んでおく。これにより、描画領域にフルカラーの画像を表示することができる。
【符号の説明】
【0094】
1……光走査型プロジェクター 3……光源ユニット 31r、31g、31b……レーザー光源 310r、310g、310b……駆動回路 320r、320g、320b……光源 32r、32g、32b……コリメーターレンズ 33r、33g、33b……ダイクロイックミラー 4……光走査部 41……光スキャナー 411……基体 411a……可動板 411b……支持部 411c、411d……連結部 411e……光反射部 412……スペーサー部材 413……対向基板 414……永久磁石 415……コイル 416……電圧印加手段 417……駆動手段 42……光スキャナー 421a……可動板 421e……光反射部 427……駆動手段 43……角度検出手段 431……圧電素子 432……起電力検出部 433……角度検知部 44……角度検出手段 45……光スキャナー 46……基体 46a……第1の振動系 46b……第2の振動系 46c……支持部 461a……駆動部 461b……可動板 462a、463a……第1の連結部 462b、463b……第2の連結部 464b……光反射部 465a、465b……圧電素子 47……対向基板 48……スペーサー部材 491……永久磁石 491a……凹部 492……コイル 493……電圧印加手段 493a……第1の電圧発生部 493b……第2の電圧発生部 493c……電圧重畳部 493d……加算器 5……駆動制御部 51……映像データ記憶部 52……映像データ演算部 53……描画タイミング生成部 54……光源変調部 55……振れ角演算部 56……角度指示部 57……検量線記憶部 58……画像サイズ検知部 J1、J2、J3、J4、J5、J6……回動中心軸 S……スクリーン S1……表示面 S11……描画領域 T1、T2……周期 G……交点 L……描画ライン LL……レーザー光 V1、V2、V3……電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に形成された描画領域に光を走査することにより画像を表示するよう構成された画像形成装置であって、
前記光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された前記光を第1の方向に主走査するとともに、前記第1の方向と異なる第2の方向に副走査することにより、前記描画領域に2次元的に走査する光走査部と、
前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅に、前記描画領域上での前記主走査の振幅を対応させて前記光走査部を駆動する駆動制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記描画領域上での前記主走査の振幅が、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅と等しくなるように、前記光走査部の駆動を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅を検知する第1の方向最大幅検知部を有している請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記描画領域に表示する画像の画像データは、前記描画領域上での前記第1の方向の最大幅に関するデータを含んでおり、該データに基づいて、前記駆動制御部が前記主走査の振幅を制御する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅に、前記描画領域上での前記副走査の振幅を対応させて前記光走査部を駆動する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記駆動制御部は、前記描画領域上での前記副走査の振幅が、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅と等しくなるように前記光走査部の駆動を制御する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記駆動制御部は、前記描画領域に表示する画像の前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅を検知する第2の方向最大幅検知部を有している請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記描画領域に表示する画像の画像データは、前記描画領域上での前記第2の方向の最大幅に関するデータを含んでおり、該データに基づいて、前記駆動制御部が前記副走査の振幅を制御する請求項5ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光走査部は、前記光出射部から出射された前記光を反射する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向または互いに直交する二方向へ回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した前記光を前記描画領域に走査する光スキャナーを有している請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記駆動制御部は、前記描画領域に表示される画像の歪みを補正する機能を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−237707(P2011−237707A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110878(P2010−110878)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】