画像形成装置
【課題】モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジストローラ対や搬送ローラ対による圧痕の発生を回避し、画像位置ズレを防止し得るようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート長さ判断部23bが、シートの搬送方向長さが、レジストローラ対と分離給送部との両方で挟持されるような第1シート長と、第1の長さよりも短い第2シート長との何れであるかを判断する。ローラ駆動制御部23cが、中間転写ベルト上のトナー像をシートの所定位置に転写し得るように、上記判断結果に応じて、シートの搬送方向長さが第1シート長の場合は、第2シート長の場合よりもレジストローラ対の再給紙タイミングを早くするように制御する。これにより、多種多様な種類やサイズの異なるシートに対する搬送時の圧痕の発生を回避して、画像位置ズレを防止した良好な画像を形成することができる。
【解決手段】シート長さ判断部23bが、シートの搬送方向長さが、レジストローラ対と分離給送部との両方で挟持されるような第1シート長と、第1の長さよりも短い第2シート長との何れであるかを判断する。ローラ駆動制御部23cが、中間転写ベルト上のトナー像をシートの所定位置に転写し得るように、上記判断結果に応じて、シートの搬送方向長さが第1シート長の場合は、第2シート長の場合よりもレジストローラ対の再給紙タイミングを早くするように制御する。これにより、多種多様な種類やサイズの異なるシートに対する搬送時の圧痕の発生を回避して、画像位置ズレを防止した良好な画像を形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、レジストローラ対によって送られたシート上に、像担持体上のトナー像を転写することでシートに画像を形成する構成を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電子写真方式を利用した画像形成装置は、感光体上或いは転写体上に担持されている可視像を、分離給送部で分離給送された普通紙等のシートに転写して記録画像を得るように構成されている。このような従来の画像形成装置では、分離給送部から給紙(給送)されてきたシートは、停止しているレジストローラ対のニップ部に突き当ててループを作ることで先端辺を搬送方向と直交する方向に揃える。その後、感光体ドラムに形成されたトナー像がシートの所定位置に転写されるように、タイミングをとってレジストローラ対の回転を開始させる。
【0003】
近年、画像形成装置において、坪量は52[g/m2]〜300[g/m2](g紙)、種類は普通紙からコート紙、エンボス紙、第2原図など、サイズは葉書サイズから13×19[inch]と、多種多能なメディア、サイズに対応することが望まれている。厚紙(厚いシート)に関しては、従来の画像形成装置ではレジストローラ対のニップ部に対するシートの停止位置がシートの厚さによって変わることから、シート上の画像位置も変わってしまうという問題が起きている。その対策として、停止位置のズレ分をレジスト部での再給紙タイミング、もしくは、画像の書き出しタイミングを変更することによりシート上の適正な位置に画像が形成されるようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−280485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シート上に形成される画像の位置が適正位置に形成されない原因としては、上記特許文献1が開示している、シートの厚さによってレジストローラ対のニップ部に対するシートの停止位置が変わることだけでなく、以下のような原因がある。即ち、レジストローラ対による搬送中にシートの後側が分離給送部によって挟持されるような装置がある。このようにレジストローラ対による搬送中のシートの後側が分離給送部により挟持されると、分離給送部のシートの挟持によりレジストローラ対の搬送時の負荷になる。この場合、レジストローラ対が搬送するように期待される所望のシート搬送速度と実際のシート搬送速度とが異なってしまう。レジストローラ対による実際のシート搬送速度が、所望のシート搬送速度に対して異なると、シートの所望の位置に画像を転写することができず、精度の高い画像形成が困難となる。
【0006】
上記の問題点を、以下に例示的に詳述する。即ち、高速化が求められている近年の画像形成装置では、分離給送部での搬送速度よりも、分離給送部下流側の各搬送ローラ対による搬送速度を早くすることで、給紙シート間を広げてジャムマージンを広げているものがある。このような場合、レジストローラ対や搬送ローラ対は、分離給送部での負荷を受けながらシートを分離給送部から引き抜くような状態になるので、レジストローラ対や搬送ローラ対による搬送効率(所望の搬送速度に対する実際の搬送速度の比)は低下してしまう。また、コスト等の観点から、シートが分離給送部からその下流側の搬送ローラ対に受け渡された後は、シート搬送のための分離給送部の駆動を停止させるように構成されたものもある。このような場合にも、レジストローラ対や搬送ローラ対は、分離給送部での負荷を受けながらシートを分離給送部から引き抜くような状態になるので、その上記搬送効率は低下してしまう。また、分離給送部での負荷としては、分離給送部を構成する逆転駆動が伝達される分離ローラの逆転による負荷もある。そして、分離給送部での負荷による搬送効率の低下によって、特に厚紙搬送時には、シート上の画像位置がズレてしまう。また、分離給送部による負荷を受け得る長さのシート同士にあっては、搬送方向長さが長いシートほど、分離給送部で受ける負荷によるシート上の画像の位置ズレへの影響は、より大きくなる。
【0007】
ところで、従来の装置では、この問題に対応するために、例えばレジストローラ対の挟持力を強く設定して搬送効率の低下を少なくすることで、著しい画像精度の低下を招かないように構成したものもある。しかし、昨今の多種多能なメディアへの対応を鑑みると、例えば厚いシートや表面の平滑性が少ないシートにあっては、分離給送部での負荷が大きくなる。したがって、例えば厚いシートや表面の平滑性が少ないシートでは、画像精度に大きく影響を及ぼす程、レジストローラ対の搬送効率が低下する虞がある。仮に例えば厚いシート(厚紙)の搬送時においても、レジストローラ対の搬送効率が落ちないようにレジストローラ対のローラ圧を高くするように構成した場合、レジストローラを回転させるトルクが増大し、モータの大型化によるコストアップを招いてしまう。また、ローラ圧を上げると、搬送するシートが薄いシート(薄紙)や薄紙コート紙、第2原図のようなものである場合に、シートにレジストローラ対のローラ圧による圧痕を付けてしまうという虞もある。
【0008】
そこで本発明は、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止して、画像位置ズレを少なくし得るようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを一旦停止させた後、前記転写位置へシートを搬送するレジスト部と、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置に搬送するレジスト部と、を備え、前記レジスト部が、転写時速度よりも速い速度でシートを搬送した後に、シートの先端が前記転写位置に達する前に前記転写時速度まで減速されるように構成された画像形成装置であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する制御部を備えることを特徴としている。
【0011】
更に、本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置へ搬送するレジスト部と、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する制御部と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、シートの長さに応じてレジスト部による搬送動作を変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【0013】
また、本発明によると、シートの長さに応じて転写時速度に減速するタイミングを変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【0014】
また、本発明によると、シートの長さに応じて画像形成を開始するタイミングを変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置の分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図。
【図2】第1の実施形態における画像形成装置の概略断面図。
【図3】画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図5】第1の実施形態における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【図6】シートの坪量、シートサイズ、画像位置シフト量の関係の一例を示す図。
【図7】変形例における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図8】変形例における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【図9】本発明に係る第2の実施形態の画像形成装置の分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図。
【図10】第2の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図11】本発明に係る第3の実施形態における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図12】第3の実施形態における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態における画像形成装置について説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
図2に、本発明に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの概略断面図を示す。図2において、1はカラーレーザプリンタ、1Aはカラーレーザプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。プリンタ本体1Aには、シートSに画像を形成する画像形成部1Bと、中間転写部1Cと、定着装置5と、画像形成部1BにシートSを給送するシート給送装置1Dと、手差しシートを給送する手差しシート給送装置2が設けられている。更に、プリンタ本体1Aには、プリンタ本体1Aの画像形成動作全般を制御する制御部(CPU)23が設けられている。なお、カラーレーザプリンタ1は、シートSの裏面に画像を形成し得るように構成されており、このため表面(一面)に画像が形成されたシートSを反転させて再度、画像形成部1Bに搬送する再搬送部1Eが設けられている。
【0018】
画像形成部1Bは、略水平方向に配置されて、4つのプロセスステーション60(60Y,60M,60C,60K)を備えている。これらプロセスステーション60Y,60M,60C,60Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー像を形成する。プロセスステーション60は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー像を担持すると共に不図示のステッピングモータにより駆動される感光体である感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)を備えている。また、プロセスステーション60は、感光体ドラム表面を一様に帯電する帯電器12(12Y,12M,12C,12K)を備えている。
【0019】
更に、画像形成部1Bは、一定速度で回転する感光体ドラム11上に、画像信号d1に基づいてレーザビームを照射して、画像信号d1に対応する静電潜像を形成するスキャナ13(13Y,13M,13C,13K)を備えている。つまり、画像信号によりオンオフ変調されてスキャナ13から照射されるレーザ光が感光体ドラム11上を走査露光し、これにより画像信号に対応する静電潜像が感光体ドラム11上に形成される。また、プロセスステーション60には、感光体ドラム上に形成された静電潜像にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像装置14(14Y,14M,14C,14K)が設けられている。そして、これら帯電器12、スキャナ13、現像装置14等は、感光体ドラム11の周囲に回転方向に沿ってそれぞれ配設されている。また、画像形成部1Bには、1次転写部を構成する1次転写ローラ35(35Y,35M,35C,35K)が設けられている。
【0020】
シート給送装置1Dは、プリンタ本体下部に設けられ、シートSを収納するシート収納部である給紙カセット61〜64と、これら給紙カセット61〜64に積載収納されたシートSを夫々送り出す給紙ローラ61a〜64aとを備えている。給紙ローラ61a〜64aの各下流側には、給紙ローラ61a〜64aにより夫々繰り出されたシートSを1枚ずつ分離して給送する、給紙搬送ローラ61b〜64bとこれらに夫々対向接触する分離ローラ61c〜64cとが配置されている。これらはリタード分離方式としているが、パッド分離等の摩擦分離方式でも構わない。また、手差し給送装置2には、シートSを積載支持するシート積載部材としての手差しトレイ65と、手差しトレイ65に積載されたシートSを給送する給紙ローラ65bとが配置されている。給紙ローラ65bには分離ローラ65cが対向接触している。給紙ローラ65b及び分離ローラ65cにより、手差しトレイ65に積載されたシートSを1枚ずつ分離して挟持給送する分離給送部67が構成されている。手差しトレイ65には、加圧バネSPLで給紙ローラ65b側に付勢された加圧板65Nが設けられている。なお、符号73は、給紙カセット62〜64から分離給送されたシートSを搬送縦パス81に送る搬送ローラ対を示している。また、符号78は第1反転ローラ対、79は第2反転ローラ対、82は排紙搬送パス、83は反転誘導パス、84はスイッチバックパス、85は両面搬送パスを夫々示す。
【0021】
そして、画像形成動作が開始されると、給紙カセット61〜64から給紙ローラ61a〜64aによりシートSが夫々繰り出され、給紙搬送ローラ61b〜64bとその対向する分離ローラ61c〜64cとにより1枚ずつ分離給送される。その後、シートSは、搬送縦パス81、搬送ローラ対74を経由して、レジストローラ対76に搬送される。レジストローラ対76は、中間転写ベルト31上の(像担持体上の)トナー像と分離給送部67から搬送されたシートSとの同期を取ってこのシートSを2次転写部29の転写位置に搬送するレジスト部を構成している。一方、手差し給紙の場合には、手差しトレイ65に積載されたシートSが、給紙ローラ65bと分離ローラ65cとからなる分離給送部67により1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対75、搬送パス39を経由してレジストローラ対76に搬送される。搬送ローラ対75は、分離給送部67により分離給送されたシートSを搬送する。中間転写ベルト31は、画像形成部1Bにて形成されたトナー像を担持する像担持体を構成している。
【0022】
ここで、レジスト部としてのレジストローラ対76は、搬送されてきたシートを一旦停止させた後に、2次転写内ローラ32と2次転写外ローラ41とからなる2次転写部29へシートを搬送する。即ち、レジストローラ対76は、シートSが突き当てられてループを形成することにより、シートSの先端を倣わせて斜行を修正する機能を有している。また、レジストローラ対76は、シートSへの画像形成のタイミング、即ち後述の中間転写ベルト31上に担持されたトナー像に合わせて、所定のタイミングにてシートSを、2次転写部29へ搬送する機能を有している。この2次転写部29は、像担持体である感光体ドラム11上に形成されたトナー像を上記転写位置にて転写する転写部を構成している。シートSが搬送される際、レジストローラ対76は停止しており、このような停止状態のレジストローラ対76にシートSを突き当てることにより、シートSに撓みが形成される。そして、この後、シートSの剛性により、シート先端がレジストローラ対76のニップ部に揃うようになることにより、シートSの斜行が補正される。この後、シートSの斜行が補正されると、レジストローラ対76は、像担持体としての中間転写ベルト31に形成されたトナー像とシートSの先端とが一致するようなタイミングで駆動されて回転する。以下では、このように、シートSを一旦停止させた後にレジストローラ対76が回転を開始してシートの搬送を開始することを再給紙と呼び、レジストローラ対76の回転開始のタイミングを再給紙タイミングと呼ぶ。
【0023】
中間転写部1Cは、感光体ドラム11の外周速度と同期して矢印Bで示す各プロセスステーション60の配列方向に沿って回転駆動される中間転写ベルト31を備えている。この中間転写ベルト31は、駆動ローラ33と、中間転写ベルト31を挟んで2次転写領域を形成する2次転写内ローラ32と、不図示のばねの付勢力によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ34とに張架されている。中間転写ベルト31の内側には4個の、夫々感光体ドラム11と共に中間転写ベルト31を挟持し、1次転写部を構成する1次転写ローラ35(35Y,35M,35C,35K)が配されている。なお、これら1次転写ローラ35は、不図示の転写バイアス用電源に接続されている。そして、1次転写ローラ35から中間転写ベルト31に転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム11上の各色トナー像が順次中間転写ベルト31に多重転写され、中間転写ベルト31上にフルカラー画像(フルカラーのトナー像)が形成される。
【0024】
2次転写内ローラ32に対向するように2次転写外ローラ41が配置され、2次転写外ローラ41は、中間転写ベルト31の最下方の表面に当接すると共に、レジストローラ対76により搬送されたシートSを中間転写ベルト31と共に挟持搬送する。そして、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部をシートSが通過する際、この2次転写外ローラ41にバイアスを印加することにより、シートSに中間転写ベルト31上のトナー像が2次転写される。定着装置5は中間転写ベルト31を介してシートS上に形成されたトナー像をシートSに定着させるものであり、トナー像を保持したシートSは、定着装置5を通過する際に熱及び圧力が加えられることでトナー像を定着される。
【0025】
次に、このように構成されたカラーレーザプリンタ1の画像形成動作について説明する。即ち、画像形成動作が開始されると、まず中間転写ベルト31の回転方向における最も上流側のプロセスステーション60Yにて、感光体ドラム11Yに対し、スキャナ13Yによりレーザ照射を行い、感光体ドラム11Y上にイエローの静電潜像を形成する。この後、現像装置14Yにより、この静電潜像をイエローのトナーにより現像してイエローのトナー像を形成する。次に、このようにして感光体ドラム11Y上に形成されたイエローのトナー像が、高電圧が印加された転写ローラ35Yにより、1次転写領域において中間転写ベルト31に1次転写される。次に、トナー像は中間転写ベルト31と共に、プロセスステーション60Yよりもトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像が形成される次のプロセスステーション60Mの感光体ドラム11Mと転写ローラ35Mとからなる1次転写領域に搬送される。
【0026】
そして、中間転写ベルト31上のイエローのトナー像上に画像先端を合わせて次のマゼンタトナー像が転写される。以下、同様の工程が繰り返され、その結果、4色のトナー像が中間転写ベルト31上において1次転写され、中間転写ベルト上にフルカラー画像が形成される。なお、感光体ドラム11上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ15(15Y,15M,15C,15K)により回収され、再び次の画像形成に備える。
【0027】
このトナー像形成動作に並行して、給紙カセット61〜64に収容されたシートSは、給紙ローラ61a〜64aで繰り出され、給紙搬送ローラ61b〜64bと分離ローラ61c〜64cとで1枚ずつ分離給送された後、レジストローラ対76まで搬送される。また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ65に積載されたシートSが、給紙ローラ65bと分離ローラ65cとにより1枚ずつ分離給送された後、搬送パス39を通過してレジストローラ対76に搬送される。この際、レジストローラ対76は停止しており、停止状態のレジストローラ対76にシートSを突き当てることにより、シートSの斜行が補正される。また、斜行が補正された後、シートSは、シート先端と中間転写ベルト31に形成されたトナー像とが一致するタイミングで回転を開始するレジストローラ対76により、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部に搬送される。このシートSは、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とで挟持搬送され、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部を通過する際に、2次転写外ローラ41に印加されるバイアスにより中間転写ベルト31上のトナー像を2次転写される。
【0028】
次に、トナー像が2次転写されたシートSは、定着前搬送装置42により定着装置5へと搬送される。そして、定着装置5は、対向するローラ、もしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えてシートS上にトナー像を溶融固着させる。そして、このようにして得られた定着画像を有するシートSを、そのまま排紙トレイ66上に排出する場合には排紙搬送パス82に、両面画像形成を行う場合には反転誘導パス83に搬送されるべく経路選択が行われる。
【0029】
両面に画像を形成する場合、シートSは、反転誘導パス83からスイッチバックパス84へと引き込まれ、第2反転ローラ対79の回転方向を正逆転させるスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送パス85へと搬送される。この後、このシートSは、給紙ローラ61a〜64a、或いは給紙ローラ65bより搬送されてくる後続ジョブのシートSとのタイミングを合わせて再合流し、同様にレジストローラ対76を経て転写部としての2次転写部29へと送られる。なお、この後の裏面(2面目)に対する画像形成プロセスに関しては、既述した表面(1面目)の場合と同様である。また、シートSを反転排紙させる場合には、定着装置5をシートSが通過後、反転誘導パス83からスイッチバックパス84へと引き込む。そして、引き込まれたシートSは、第1反転ローラ対78の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして送り込まれた方向と反対向きに搬送され、排紙トレイ66に排出される。
【0030】
ついで、本発明の特徴の1つであるシートSへの画像位置調整制御について詳しく説明する。図1には本実施形態における分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図を、図3には本実施形態における制御系を示すブロック図を、図4には本実施形態の作用を説明するためのフローチャートをそれぞれ示す。図5には本実施形態における給紙に関するフローチャートを、図6には一例としてのシートの坪量、シートサイズ、画像位置シフト量の関係を示す図をそれぞれ示している。
【0031】
図3に示すように、カラーレーザプリンタ1に設けられた制御部(CPU)23は、レジ駆動モータ25、搬送ローラ駆動モータ26及び給紙駆動モータ28にそれぞれ信号を出力するように接続されている。レジ駆動モータ25はレジスト部としてのレジストローラ対76を駆動し、搬送ローラ駆動モータ26は搬送ローラ対75を駆動し、給紙駆動モータ28は給紙ローラ65bを駆動する。制御部23には、プリンタ本体1Aに送られる画像信号d1と、プリンタ本体1Aに備えた不図示の操作部から選択入力されるシート坪量の信号(坪量信号)d2及びシートサイズの信号(サイズ信号)d3とが夫々入力される。なお、搬送ローラ対75は、搬送されたシートSを、停止しているレジストローラ対76のニップ部に突き当ててループを形成することでシート先端の辺をシート搬送方向と直交する幅方向に揃えるシート整合部を構成している。
【0032】
そして、制御部23は、坪量判断部23a、シート長さ判断部23b、ローラ駆動制御部23c及びプロセス制御部23dを備えている。
【0033】
坪量判断部23aは、不図示の操作部から選択入力されたシートの坪量は通常であるか否かを判断する。
【0034】
シート長さ判断部23bは、搬送されるシートSの搬送方向長さLsは、第1シート長と第2シート長の何れであるかを判断する。第1シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から負荷を受け得るシート長さである。第2シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が第1シート長よりも小さいシート長さである。即ち本実施形態において、第1シート長は、シートSの先端(図1の左側)がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側(図1の右側)が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さである。第2シート長は、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持され得ない長さであり、シートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が無い(第1シート長の場合よりも小さい)。つまり、シート長さ判断部23bは、シートSの搬送方向長さLsが、第1シート長(後述のL1+α<Ls<L2、L2<Ls)と、第2シート長(後述のLs<L1+α)との何れであるかを判断する。そして、シート長さ判断部23bは、シートSの入力された坪量信号d2に基づく坪量は通常であると坪量判断部23aにより判断された際に、シートSの搬送方向長さが第1シート長であるか否かを、即ち後述の第1〜第3シートサイズの何れであるかを判断する。
【0035】
制御部としてのローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bによる判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置(画像を損なわない適正な位置)に転写し得るように、以下の制御を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とでレジストローラ対76による搬送動作を変更するべく、第1シート長の場合と第2シート長の場合とで再給紙タイミングを変更するように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、搬送方向長さが第2シート長である場合に比して、レジストローラ対76からの再給紙タイミングを早くするように制御する。この再給紙タイミングは、中間転写ベルト31上のトナー画像に対する(画像形成部1Bによる画像形成の開始に対する)レジストローラ対76からの再給紙タイミングである。また、制御部23のプロセス制御部23dは、画像形成部1Bの各部の動作を制御する。
【0036】
本第1の実施形態では、搬送されるシートSの長さが、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合、次のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、レジストローラ対76がシートSを一旦停止させた後にシートSの搬送を開始するタイミングを早くするようにレジストローラ対76を制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じてレジスト部が再搬送(再給紙)を開始するタイミングを変更する。そして、シートSの坪量が所定の坪量未満の場合(通常の場合)にはレジスト部の上記タイミングを変更しない。
【0037】
ここで、図1に示すように、シートSの搬送方向長さをシートの搬送方向長さLsとし、分離給送部67のニップ部からレジストローラ対76のニップ部までの搬送距離を第1搬送距離L1とする。また、レジストローラ対76のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第2搬送距離Ltとする。更に、分離給送部67のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第3搬送距離L2とする。この際、第3搬送距離L2は、第1搬送距離L1と第2搬送距離Ltとの和、即ち、
L2=L1+Lt
で表される。
【0038】
また、本実施形態のカラーレーザプリンタ1において、画像形成に使用するシートは、図6の表に示すように、その坪量が52〜300[g/m2]の範囲に対応するものとする。図6において、シートの坪量は、52〜220[g/m2]の第1坪量範囲のもの、221〜256[g/m2]の第2坪量範囲のもの、257〜300[g/m2]の第3坪量範囲のものに夫々設定されている。ここで、本実施形態では、52〜220[g/m2]の第1坪量範囲内のシートを通常のシートと呼ぶ。
【0039】
シートの搬送方向長さ(図6にはシートサイズとして記載)Lsが、第1シートサイズであるLs<L1+αの場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲、第2坪量範囲、第3坪量範囲の何れにおいても0[mm]に設定される。ただし、「α」は、シートSの整合を目的としてループ形成のために停止しているレジストローラ対76のニップ部に押し込み搬送するループ搬送量を示す。また、シートの搬送方向長さLsが、第2シートサイズであるL1+α<Ls<L2の場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲では0[mm]、第2坪量範囲では0.3[mm]、第3坪量範囲では0.5[mm]にそれぞれ設定される。更に、シートの搬送方向長さLsが、第3シートサイズであるL2<Lsの場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲では0[mm]、第2坪量範囲では0.5[mm]、第3坪量範囲では0.8[mm]にそれぞれ設定される。
【0040】
制御部23には、図6に示した第1〜第3坪量範囲及び第1〜第3シートサイズ等に係るデータが、予め記憶されている。ローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bの判断結果に応じて、中間転写ベルト31に形成されたトナー像をシートの所定位置に転写し得るように、適切に判断し制御するのである。
【0041】
次に、図1、図3及び図4を参照して、シートSへの画像位置の調整制御について説明する。なお、ここでは代表して、手差しトレイ65から給紙(分離給送)を行う場合の制御について述べる。
【0042】
まず、ユーザーが手差しトレイ65にシートSをセットするが、この際、ユーザーはシートSの坪量及びサイズを、不図示の操作部から選択して入力する(ステップS1〜S3)。そして、カラーレーザプリンタ1にてプリントジョブがスタートすると、前述した作像プロセス(画像形成プロセス)に準じた作像が行われる。この際、画像形成が開始されてから、所望のタイミングで給紙信号が出力されて手差しトレイ65から給紙が行われ、シートSは搬送ローラ対75へと搬送される。そして、前述の通り、停止しているレジストローラ対76にシートSを突き当ててループを作成することで、シートSの先端を倣わせ斜行を修正した状態で、再給紙タイミングを待つ。
【0043】
ここで、図4のフローチャートに基づいて、レジストローラ対76の再給紙タイミングの設定について説明する。即ち、ステップS1で操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S2)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS8に進んで、レジスト部であるレジストローラ対76での再給紙タイミングを通常の再給紙タイミングに設定する。
【0044】
一方、ステップS2において坪量は通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS3で上記操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。即ち、シート長さ判断部23bは、ステップS4で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、上記の両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、レジストローラ対76による再給紙タイミングを変更せず、通常の再給紙タイミングに設定する(S8)。
【0045】
一方、ステップS4で、シートの搬送方向長さLsは上記の両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、更に次の判断を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsは、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S5)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断された場合、処理はステップS9へと進む。この際、プリントジョブのスタートと同時に選択入力されたシートSの坪量及びサイズから、通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、ステップS10で、ステップS2で判定された坪量とステップS5で判定されたシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべきシフト量を算出(選択)する。ローラ駆動制御部23cでは、レジスト部としてのレジストローラ対76での再給紙タイミングを変更して設定する。
【0046】
また、ステップS5で、シートの搬送方向長さLsは上記両ニップ部間より長い(即ち、第3シートサイズである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、以下のように通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。即ち、ステップS6において、ステップS2で判定した坪量とステップS5で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応するように、通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。更に、ローラ駆動制御部23cは、レジストローラ対76での再給紙タイミングを変更して設定する(S7)。
【0047】
次に、図5を用いて、画像の形成及びレジストローラ対76の再給紙を含むシート給送の制御について説明する。即ち、制御部23のプロセス制御部23dでは、基準同期信号が生成される。この基準同期信号は、画像形成部1Bとシート搬送制御の同期取りのための信号である。基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。本実施形態におけるカラーレーザプリンタ1(画像形成装置)では、毎分60枚、画像を形成する。よって基準同期信号は、1秒毎に発せられる。
【0048】
まず、ステップS51において基準同期信号が発生したタイミングになると、同時に感光体ドラム11への画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S52)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。なお、本実施形態では、感光体ドラム11や中間転写ベルト31は等速で回転している。よって、画像形成部1Bで画像の形成が開始されてから、画像形成部1Bで形成された中間転写ベルト31上のトナー像が2次転写位置に達してシートへのトナー像の転写が開始されるまでの時間は、どんな場合でも同じである。
【0049】
プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから、所定時間後に、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるように、ローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S53,S54)。そして、給送されたシート先端が、停止したレジストローラ対76に到達するまで、搬送ローラ対75で搬送されるようにローラ駆動制御部23cが搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、搬送ローラ対75で搬送される。
【0050】
その後、図4で説明したように、シートの種類に応じて設定された再給紙タイミングになったかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。即ち、基準同期信号が発生してから図4において説明したように設定された時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する(S55)。再給紙タイミングになったら、レジストローラ対76の回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御して再給紙を行う(S56)。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS51に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S57)。
【0051】
本実施形態では、坪量やシート長さに応じて設定されたタイミングでレジストローラ対76が回転を開始するので、中間転写ベルト31に形成されたトナー像をシートSの所定位置(画像を損なわない適正な位置)に転写することができる。これにより、シートSは、2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写される。
【0052】
上述の制御による具体例を以下に述べる。即ち、例えばシートSの坪量が271[g/m2]の第3坪量範囲で、シートの搬送方向長さLsが、第2シートサイズ(L1+α<Ls<L2)の場合は、以下のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、第1シートサイズ(Ls<L1+α)を搬送する場合の再給紙タイミングに較べて、0.5mm分だけレジストローラ対76からの再給紙タイミングを早く行うように制御する。ここで、本実施形態において、271[g/m2]のシートに画像形成する際のプロセススピードを150mm/secとすると、再給紙タイミングを、3.3msecだけ通常の再給紙タイミングより早く行うことになる。なお、通常の再給紙タイミングとは、第1シートサイズ若しくは第1坪量範囲のシートの場合における再給紙タイミングである。このような通常のタイミングに対して変更する変更量は、予め実験などによって求めておいて上記実施形態のように制御部23に記憶させておく。
【0053】
これは前述の通り、シート後端が分離ローラ65cを噛んでいる場合と噛んでいない場合とで、レジストローラ対76での再給紙後の搬送効率が変わってしまう場合があるからである。レジスト部での再給紙後にシート後端が分離ローラ65cを噛んでいる時間が長い分だけ、2次転写部29のニップ部へシート先端が到達する時間が変わってしまう(つまり、遅くなってしまう)。そのため、図6に示したように、
Ls<L1+α、L1+α<Ls<L2、L2<Ls
で場合分けをしている。また、レジストローラ対76前のローラがスリップローラになっている場合や、レジストローラ対76でループを形成しない場合には、シートSの後端位置はループ搬送量αによらず決まるので、
Ls<L1、L1<Ls<L2、L2<Ls
で場合分けを行う。その後、画像信号d1に対してそれぞれ算出した時間分を変更したタイミングで再給紙を行い、シートSを2次転写部29へと搬送して、シートS上の所定位置(画像を損なわない適正な位置)にトナー像を転写する。
【0054】
本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、以下のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対する、レジスト部がシートSを一旦停止させた後にシートSの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるLs>L1の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1の場合よりも早くするように制御する。そして、第1シートサイズであるLs<L1+αLs>L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L2の場合よりも早くするように制御する。更に、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるL1<Ls<L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1の場合よりも早くするように制御する。そして、第1シート長であるLs>L2の場合には、再給紙タイミングを、第1シート長であるL1<Ls<L2の場合よりも更に早くするように制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるLs>L1+αの場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1+αの場合よりも早くするように制御する。更に、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるL1+α<Ls<L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1+αの場合よりも早くするように制御する。そして、第1シート長であるL2<Lsの場合には、再給紙タイミングを、第1シート長であるL1+α<Ls<L2の場合よりも更に早くするように制御する。
【0055】
以上のように、本実施形態では、シート長さ判断部23bが、搬送されるシートSの搬送方向長さLsが第1シート長と第2シート長との何れであるかを判断する。そしてローラ駆動制御部23cが、上記判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置に転写し得るように、搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とでレジストローラ対76による搬送動作を変更するように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であると判断された際、第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジストローラ対76からの再給紙タイミングを早くするように制御する。このため、レジストローラ対76のローラ圧を上げるようなことをせずに、多種多様な種類やサイズの異なるシートに対し画像を良好に形成することができるようになる。つまり、坪量が大きい場合であって、レジストローラ対76でシートを搬送しているときに分離給送部67をシートが通過中であったなら、分離給送部67がレジストローラ対76のシート搬送の負荷となる。分離給送部67で負荷を受けながらレジストローラ対76で搬送されるシートの搬送効率は低下するので、2次転写部へのシートの到達が遅延してしまう虞がある。本実施形態では、この遅延を見越して、再給紙タイミングを設定する。即ち、坪量が大きい場合であって、レジストローラ対76でシートを搬送しているときに分離給送部67を通過中となる長さのシートの場合には、上記遅延を見越して、早めに再給紙する。よって、シートの坪量や長さに依らずに中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置に転写し得る。
【0056】
また、分離給送部67に起因したレジストローラ対76の搬送効率の低下を防ぐべくレジストローラの圧を上げた場合に発生しうるシートに対する搬送時の圧痕を回避して、画像位置ズレを防止した良好な画像を形成することができる。
【0057】
即ち上記のように、ローラ駆動制御部23cは、搬送方向長さが第1シート長であると判断された際、第2シート長である場合に比して、画像の形成を画像形成部1Bが開始してから、レジストローラ対76が再給紙を行うタイミングを早くするように制御する。このように、レジ駆動モータ25の駆動を制御してレジストローラ対76による再給紙タイミングを制御するだけで、中間転写ベルト上のトナー像をシートSの所定位置に容易に転写できるようになる。
【0058】
なお、再給紙タイミングを変更するに当たって上述の実施形態では、坪量の大きいシートに対してのみ行う形態を例示している。しかし、分離給送部での負荷やレジストローラ対の搬送力との関係で、普通のシートであってもレジストローラ対の搬送効率が低下してしまうような装置では、普通のシートであってもシートの長さに応じて再給紙タイミングを変更するようにしてもよい。
【0059】
更には、レジスト部からの再給紙時に、給紙JAMマージンを稼ぐためにここでのシート搬送速度はプロセススピードよりも速い速度に設定している場合には、再給紙タイミングは変えない。そして、再給紙後の速度からプロセススピードに減速する減速タイミングを変更する、ことによっても同等の効果を得ることができる。ついで、再給紙タイミングを変更せずに、プロセススピードへの減速タイミングを変更する変形例の制御について述べる。
【0060】
<変形例>
まず、本変形例におけるレジストローラ対76の減速タイミングの設定について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、本変形例は、第1の実施形態に比して、ローラ駆動制御部23cによる制御が異なるが、他の部分は略々同一であるため、図1〜図3、図6を兼用して説明することとする。
【0061】
本変形例では、レジスト部であるレジストローラ対76は、転写時速度(プロセススピード)よりも速い速度でシートを搬送した後に、2次転写部29による転写の前に上記転写時速度まで減速されるように構成されている。また、本変形例の制御部としてのローラ駆動制御部23cは、以下の制御を行う。即ち、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが上記所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジスト部が転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する。具体的には、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、以下の制御を行う。つまり、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジストローラ対76が上記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する。本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートSの長さに応じて、次のように制御する。つまり、シートSの長さに応じて、レジスト部が転写時速度に減速するタイミングを変更し、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量未満の場合には、レジスト部が転写時速度に減速するタイミングを変更しない。
【0062】
即ち、ステップS101において操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S102)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS108に進み、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1に設定する。
【0063】
一方、ステップS102において坪量が通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS103で操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。シート長さ判断部23bは、ステップS104で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断されると、ステップS108でローラ駆動制御部23cが、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1に設定する。
【0064】
一方、ステップS104で、シートの搬送方向長さLsは上記両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、シート長さ判断部23bは、更に以下の判断を行う。つまり、シート長さ判断部23bは、シートの搬送方向長さLsが2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S105)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断した場合、処理はステップS106へと進む。この際、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1よりも長い時間である第2時間H2に設定する。
【0065】
また、ステップS105において、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いと判断された場合は、以下のS107に移行する。つまり、ステップS107において、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1よりも長く第2時間よりも長い時間である第3時間H3に設定する。
【0066】
次に、本変形例における画像の形成及びレジストローラ対76の搬送を含むシート給送の制御について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
即ち、制御部23のプロセス制御部23dで基準同期信号が生成される。この基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。基準同期信号が発生したら(S61)、同時に感光体ドラム11への画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S62)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。
【0068】
ステップS63において、給紙タイミングになったか否かをローラ駆動制御部23cが判断する。つまり、プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから給紙開始までと定められた所定時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。そして、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるように、ローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S64)。給送されたシート先端が停止したレジストローラ対76に到達するまで搬送ローラ対75で搬送されるように、ローラ駆動制御部23cは搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、シートは搬送ローラ対75で搬送される。
【0069】
その後、基準同期信号が発生したタイミングから所定時間経過後の再給紙タイミングとなったら(S65)、レジストローラ対76が回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cはレジ駆動モータ25を制御する(S66)。なお、ここでの再給紙タイミングは、シートの種類に依らずに同じタイミングである。そして、再給紙が開始されたときのシートの搬送速度は、プロセススピード(プロセス速度)よりも高速な速度である。
【0070】
その後、図7で説明したようなシートの種類に応じて設定された減速タイミングになったかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する(S67)。即ち、基準同期信号から、シート種類に応じて設定された時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。減速タイミングになったらレジストローラ対76の回転速度を減速してシートがプロセス速度で搬送されるように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御する(S68)。本変形例においても、シートSは2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写することができる。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS61に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S69)。
【0071】
また、ここまで坪量及びサイズを選択入力する画像形成装置について説明したが、画像形成装置内にシートの坪量や厚さ、剛度等が測定可能なメディアセンサ、シートの搬送方向サイズを測定するシート長さ検知部を設けた場合、以下が可能になる。つまり、これらメディアセンサやシート長さ検知部の検知結果に基づいて画像位置のシフト量を算出するように構成することも可能になる。
【0072】
また上述の第1の実施形態及び変形例では、転写位置に到達するまでのシートの搬送速度の制御にシートの種類情報を加味するように制御することができ、このシートの種類情報はシートの坪量、剛度、厚さ、すき目、表面性、密度の中の少なくとも一つからなる。これは、後述する第2及び第3の実施形態においても、同様に適用できる。
【0073】
更に、分離給送部67と同等のもの、即ち給紙ローラ61a〜64a、給紙搬送ローラ61b〜64b、分離ローラ61c〜64cから夫々成る分離給送部を複数箇所に備える場合は、以下の構成も可能である。即ち、分離給送部を複数箇所に備える場合は、各分離給送部にそれぞれ対応するように(給紙段に対応するように)速度制御を行う構成も可能である。つまり、給紙段が変わると、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部のニップ部との間に位置する搬送ローラ対の本数が増えたり、搬送経路が変わることでガイド抵抗も変わることから、当然搬送効率も変わる。よって、給紙段に対応して画像位置のシフト量を、個別に設定する。これは、上述した第1の実施形態及び変形例では勿論のこと、後述する第2及び第3の実施形態においても、同様に適用できる。
【0074】
本変形例では、搬送されるシートSの長さが、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合、次のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、上記転写時速度に減速するタイミングを遅くするようにレジストローラ対76を制御する。また、分離給送部67から2次転写部(転写位置)29までの搬送距離よりもシートSの長さが長い場合には、次のように制御することができる。つまりローラ駆動制御部23cは、分離給送部67から転写位置までの搬送距離よりシート長さが短い場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成開始に対するレジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを遅くするようにこのローラ対76を制御する。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態として、レジストローラ対76と2次転写部29との間に、レジ後シート検知部SNを備えたカラーレーザプリンタ1におけるシートSへの画像位置調整制御について説明する。本実施形態は、第1の実施形態に比し、2次転写部29とレジストローラ対76との間にレジ後シート検知部SNを配置したことに伴い制御部23の制御が異なるが、他の部分は略々同一なので、図2及び図3を兼用し、図9及び図10を参照して説明する。
【0076】
また、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、レジストローラ対76が搬送するときに分離給送部67にシート後端が残っている長さの第1シート長と第2シート長のシートを用いることを前提としている。しかし本実施形態においても、第1シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から負荷を受け得る長さであることに変わりはない。また第2シート長も、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が第1シート長よりも小さい長さであることに変わりはない。
【0077】
本実施形態では、搬送されるシートSの搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長い場合には、ローラ駆動制御部23cが次のように制御する。即ち、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より短い場合に比して、レジ後シート検知部SNによりシートSの先端を検知した後に転写時速度まで減速させるタイミングを遅くするようにレジストローラ対76を制御する。また、本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートSの長さに応じて、次のように制御する。つまり、シートSの長さに応じて、レジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを変更し、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量未満の場合には、レジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを変更しない。
【0078】
[シートの搬送プロセス]
本実施形態では、レジストローラ対76をシートの先端が通過するときの搬送速度が、2次転写部29による転写時の転写時速度(プロセススピード)よりも速くされ、2次転写部29による転写の前に上記転写時速度まで減速されるように構成されている。そして、本実施形態でも、図2及び図9に示すように、シートSは、給紙カセット61〜64及び手差しトレイ65に夫々積載される形で収納されており、各給紙ローラ61a〜64a、65bにより画像形成タイミングに合わせて給紙が行われる。給紙ローラ65b及び分離ローラ65cからなる分離給送部67から送り出されたシートSは、搬送パス39を通過して、レジストローラ対76へと搬送される。
【0079】
本実施形態では、レジスト部に搬送されてくるシートの搬送速度及びレジスト部をシート先端が通過するときの搬送速度が、給紙JAMマージンを稼ぐために、2次転写部29による転写時の転写時速度よりも速くなるようにローラ駆動制御部23cで制御される。更に、ローラ駆動制御部23cにより、2次転写部29による転写の前に、転写時速度よりも速くされている搬送速度が、転写時速度(プロセススピード)まで減速されるように制御される。図9に示すように、レジストローラ対76と2次転写部29との間にはレジ後シート検知部SNが配置されており、レジ後シート検知部SNは、レジストローラ対76より搬送されてきたシートSの先端を検知する先端検知部を構成している。そして、レジストローラ対76から2次転写部29へと搬送されるシートSの先端を先端検知部としてのレジ後シート検知部SNで検知し、ローラ駆動制御部23cによって算出されたタイミングにてシート搬送速度が転写時速度に減速される。
【0080】
この際、称呼の時間(予め設定された設定時間)よりもレジ後シート検知部SNでのシートSの先端の検知が早い場合には、その分プロセススピードへの減速を早く行う。そして、称呼の時間よりもレジ後シート検知部SNでのシート先端の検知が遅い場合には、その分プロセススピードへの減速をこれより遅く行うことで、シート上の所定位置(画像を損なわない適正な位置)にトナー像(画像)が良好に転写されるように制御する。2次転写部29は、2次転写内ローラ32及び2次転写外ローラ41で構成されるシートSへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスとを与えることで、上述の工程で搬送されてきたシート上にトナー像を転写させる。なお、本実施形態における画像の作像プロセス及び2次転写以降のプロセスは、前述した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0081】
本実施形態において、坪量判断部23aは先の実施形態の場合と同様である。シート長さ判断部23bも、シート先端がレジスト部に到達した際に後端側に分離給送部67から負荷を受け得る第1シート長か、シート先端がレジスト部に到達した際に後端側に分離給送部から受ける負荷が第1シート長よりも小さい第2シート長かを判断する。具体的には、本実施形態におけるシート長さ判断部23bは、搬送されるシートの搬送方向長さLsが、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長いか否かを判断する。
【0082】
制御部としてのローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bにより、搬送されるシートの搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長い第1シート長であると判断された際、以下の制御を行う。つまり、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より短い第2シート長であると判断された際に比して、レジ後シート検知部SNによりシート先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くするように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、シート長さ判断部23bにより分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより長いと判断された際、以下のように制御する。ローラ駆動制御部23cは、この判断時に、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより短い場合に比して、レジ後シート検知部SNによりシート先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くする。
【0083】
[シートへの画像位置調整制御]
本実施形態においても、シートSの搬送方向長さをLsとし、分離給送部67のニップ部からレジストローラ対76のニップ部までの搬送距離を第1搬送距離L1とする。また、レジストローラ対76のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第2搬送距離Ltとし、分離給送部67のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第3搬送距離L2とする。そして本実施形態では、レジストローラ対76のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離を第4搬送距離Lt1とする。従って、第3搬送距離L2は、
L2=L1+Lt
で表される。また、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離を第5搬送距離Lsnとすると、
Lsn=L1+Lt1
となる。
【0084】
以下、図6及び図10に沿って、シートSへの画像位置調整制御について詳細に説明するが、ここでは代表して、手差しトレイ65から給紙を行った場合の制御について説明する。ここでは、第1の実施形態と同様、選択入力されたシートSの坪量及びサイズに基づいて、画像位置の画像位置シフト量を算出する。なお、カラーレーザプリンタ1内に、メディアセンサ(不図示)、シート長さ検知部(不図示)が設けられている場合、これらの検知結果に基づいて、画像位置の画像位置シフト量を算出することも可能である。
【0085】
ここで算出する画像位置シフト量は、前述の通り、シート後端が分離ローラ65cを噛んでいる場合と噛んでいない場合とで、レジストローラ対76での搬送効率が変わってしまう場合があるからである。そして、レジ後シート検知部SNでの検知後にシート後端が分離ローラ65cを噛んでいる時間が長い分だけ、2次転写部29のニップ部へシート先端が到達する時間が変わってしまう(遅くなってしまう)。このため、
Ls<Lsn(第4シートサイズ)、Lsn<Ls<L2(第5シートサイズ)、L2<Ls(第6シートサイズ)
で場合分けをしている。
【0086】
本実施形態では、カラーレーザプリンタ1にてプリントジョブがスタートすると、上述の作像プロセスに準じて作像していく。この際、制御部23より得られた画像信号d1に対して、所望のタイミングで給紙信号が出されて手差しトレイ65から給紙が行われ、シートSは搬送ローラ対75へと搬送される。ここで、レジストローラ対76へと搬送されてくるシートSの搬送速度は、給紙JAMマージンを稼ぐために、プロセススピードよりも速い速度に設定してある。その後、2次転写部29へと搬送されるシートSの先端をレジ後シート検知部SNで検知するが、この際、レジ後シート検知部SNでの検知タイミングが称呼の時間に対して何mm分ずれているかを算出する。そして、前工程で算出した画像位置シフト量とのトータル分、2次転写部29にシートSが到達する時間をシフトするタイミングにてプロセススピード(転写時速度)へと減速する。このようにして搬送されてきたシートSは、2次転写部29で、その所定位置(適正な位置)にトナー像が転写される。
【0087】
即ち、図10において、操作部から坪量が選択入力されると(S21)、坪量判断部23aは、入力された坪量は通常か否かを判断する(S22)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合には、ステップS32に進んで、レジスト部としてのレジストローラ対76での再給紙タイミングを通常のタイミングに設定する。一方、ステップS22で坪量は通常でないと判断された場合(通常のシートよりも坪量の大きい厚いシートである場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS23でユーザーが操作部から選択入力した際のサイズ信号d3に基づき、以下の判断を行う。つまり、シート長さ判断部23bは、シートのシート搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの第5搬送距離Lsnより長いか否かを判断する(S24)。その結果、シートのシート搬送方向長さLsが第5搬送距離Lsnより長くない(即ち、シートの搬送方向長さLsはLs<Lsn)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、画像位置シフト量(シフト量)を0に設定し(S32)、ステップS27に進む。
【0088】
一方、ステップS24で、シートの搬送方向長さLsは第5搬送距離Lsnより長い(即ち、シートの搬送方向長さLsはLsn<Ls<L2、L2<Lsの何れか)と判断した場合、シート長さ判断部23bは、更に次の判断を行う。即ち、シート長さ判断部23bは、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S25)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ちLsn<Ls<L2(第5シートサイズ))と判断された場合、ローラ駆動制御部23cは、プリントジョブのスタートと同時に選択入力されたシートSの坪量及びサイズから、画像位置シフト量を算出する(S33)。即ち、ローラ駆動制御部23cは、ステップ21で判定した坪量とステップS25で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべき画像位置シフト量を設定し、ステップS27に進む。
【0089】
一方、ステップS25で、シートの搬送方向長さLsは、2次転写部29のニップ部と分離給送部67とのニップ部との間より長い(即ちL2<Ls)と判断された場合は、以下のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、ステップ22で判定した坪量とステップS25で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべき画像位置シフト量に設定し、ステップS27に進む。
【0090】
ステップS27では、ローラ駆動制御部23cの制御により給紙駆動モータ28が駆動されて給紙ローラ65bによる給紙(分離給送)がスタートされる。レジストローラ対76を介して送られたシートの先端がレジ後シート検知部SNによって検知されると(S28)、ローラ駆動制御部23cは、レジ後シート検知部SNでの検知タイミングが、称呼の時間に対して何mm分ずれているかを算出する(S29)。更に、ローラ駆動制御部23cは、レジ後シート検知部SNの検知時間と、設定した画像位置シフト量とから減速タイミングを算出する。つまり、検知タイミングのズレ分と、S33又はS26で設定した画像位置シフト量とのトータル分だけ、坪量が通常であってズレのない称呼の時刻にシートが搬送されてきた場合のタイミングに対してシフトさせたタイミングで、減速する(S30)。即ち、このシフトさせたタイミングで、プロセススピードより速くされている速度をプロセススピードに減速する(S30)。そして、シートSは、2次転写部29へと送られ(S31)、2次転写部29で、その所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写される。
【0091】
本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、Ls>Lsnの場合には、上記減速タイミングを、Ls<Lsnの場合よりも遅くするように制御し、Ls>L2の場合には、上記減速タイミングを、Ls<L2の場合よりも遅くするように制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、Lsn<Ls<L2の場合には、上記減速タイミングを、Ls<Lsnの場合よりも遅くするように制御し、L2<Lsの場合には、上記減速タイミングを、Lsn<Ls<L2の場合よりも遅くするように制御する。
【0092】
以上説明したように本実施形態では、シート長さ判断部23bは、搬送されるシートの搬送方向長さLsが、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長いか否かを判断する。そして、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、シート長さ判断部23bにより分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより長いと判断された際、以下の制御を行う。つまりローラ駆動制御部23cは、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより短い場合に比して、レジ後シート検知部SNでシートSの先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くするように制御する。これにより、第2の実施形態においても、第1の実施形態の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0093】
なお、上記のように減速タイミングを制御するのではなく、レジ後シート検知部SNの検知結果に基づき、レジ駆動モータ25、搬送ローラ駆動モータ26への信号を制御してシート搬送速度を加減速することによっても画像位置を制御することは可能である。
【0094】
<第3の実施形態>
以上ここまで、基準同期信号と同時に画像形成が開始され、画像形成の開始に対するレジストローラ対76の再給紙タイミングや、レジストローラ対76の搬送速度を変更する形態等に関して説明したが、本実施形態では以下のような制御を行う。即ち、制御部としてのプロセス制御部23dが、シート長さ判断部23bによる判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートの所定位置に転写し得るように以下のように制御する。つまり、プロセス制御部23dは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが上記所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する。このように、シートSの搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とで画像の書き出しのタイミングを変更するように制御する。
【0095】
本実施形態では、レジストローラ対76の搬送制御はシートの種類に依らずに変更せず、図6でのシフト量分だけ画像の書き出し(画像の形成の開始)のタイミングを遅く行うように制御することで同等の効果を得る。ここで、画像の書き出し(画像の形成の開始)のタイミングとは、感光体ドラム11への静電潜像の形成タイミングを意味する。言い換えると、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングは、感光体ドラム11に静電潜像を形成し始めるタイミングである。本プロセス制御部23dは、搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる感光体ドラム11への静電潜像の形成タイミングを遅くするように制御する。
【0096】
本実施形態では、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さの場合、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを遅くするようにプロセス制御部23dが制御する。また、本実施形態では、分離給送部67から2次転写部(転写位置)29までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、次のように制御する。つまり、分離給送部67から転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合より、画像形成部1Bで感光体ドラム11に静電潜像を形成するタイミングを遅くするようにプロセス制御部23dが制御する。またプロセス制御部23dは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを変更し、所定の坪量未満の場合には、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを変更しない。
【0097】
以下、画像の書出しタイミングをシートの長さに応じて変更する形態について詳述する。なお、本実施形態は、前述した第1の実施形態に対し、本発明に係る制御部がプロセス制御部23dに対応しているが、他の部分は略々同一であるため、図2、図3及び図6を兼用して説明することとする。
【0098】
まず、本実施形態における画像形成の開始の設定について、図11のフローチャートを用いて説明する。即ち、ステップS201で操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S202)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した際(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS208に進んで、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を通常時間M1に設定する。なお、本実施形態では、通常時間M1は0(ゼロ)に設定している。
【0099】
一方、ステップS202で坪量が通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS203で上記操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。即ち、シート長さ判断部23bは、ステップS204で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、上記の両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断した場合、ステップS208に進んで、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を通常時間M1に設定する。
【0100】
一方、ステップS204で、シートの搬送方向長さLsは上記の両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、更に次の判断を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S205)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断された場合、処理はステップS206へと進む。この際、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を、通常時間M1よりも長い時間である第2遅延時間M2に設定する。
【0101】
また、ステップS205において、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いとシート長さ判断部23bが判断した場合は、以下のステップS207に移行する。そして、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を、通常時間M1よりも長く且つ第2遅延時間よりも長い時間である、第3遅延時間M3に設定する。
【0102】
次に、本第3の実施形態における画像の形成及びレジストローラ対76の搬送を含むシート給送の制御について、図12を参照して説明する。即ち、ステップS71において、制御部23のプロセス制御部23dで基準同期信号が生成される。基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。基準同期信号が発生してから、上述したようにシートの種類に応じて設定された遅延時間が経過したかどうかをプロセス制御部23dが判断する(S72)。シートの種類に応じて設定された遅延時間が経過したら、画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S73)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。
【0103】
プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから、所定時間後に(S74)、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるようにローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S75)。なお、基準同期信号の発生タイミングからシート給送の開始までの時間は、シートの種類に依らずに同じ時間である。
【0104】
そして、給送されたシート先端が停止したレジストローラ対76に到達するまで、搬送ローラ対75で搬送されるようにローラ駆動制御部23cが搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、搬送ローラ対75で搬送される。その後、基準同期信号が発生したタイミングから所定時間経過後の再給紙タイミングで(S76)、レジストローラ対76が回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御する(S77)。なお、ここで基準同期信号が発生してから再給紙までの時間は、シートの種類に依らずに同じ時間である。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS71に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S78)。
【0105】
本第3の実施形態では、画像形成部1Bで画像の形成を開始してからレジストローラ対76が再給紙するまでの時間が、シート種類に応じて変更される。これにより、分離給送部67での負荷によるレジストローラ対76の搬送効率の低下に起因した画像形成の精度劣化を防ぐことができる。また、本実施形態においても、シートSは2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写することができる。上記レジストローラ対76は、ローラ駆動制御部23cの制御で、一定間隔毎にシートSを、転写位置である2次転写部29へ搬送するように制御される。
【0106】
更に、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、画像形成部1Bでの画像形成の開始からレジストローラ対76での再給紙までの時間がシート種類に応じて変更される。つまり本実施形態は、特に、レジスト部からの再給紙後に画像の書き出しを開始してもタイミング的に間に合うような画像形成装置では、レジスト部からの再給紙基準で画像の書き出しタイミングを決めているものも多く、このような画像形成装置で特に有効である。
【0107】
以上説明した第2の実施形態以外の第1及び第3の実施形態並びに変形例では、第1シート長は、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さとした。更に、第2シート長は、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持され得ない長さとして説明した。しかしこの構成に限らず、前述の第1及び第3の実施形態並びに変形例においても、第2の実施形態と同様に、第1及び第2シート長のいずれもが分離給送部67からの負荷を受け得る長さとした場合にも、前述の場合と同様の作用効果を得ることができる。即ち、第1及び第2シート長の双方を、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さとする。そして、第1シート長は第2シート長よりも長さが長く、シート後端側に分離給送部67から受ける負荷が第2シート長よりも大きいものとする。このように第1シート長と第2シート長を定義した場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0108】
1…画像形成装置(カラーレーザプリンタ)、1B…画像形成部、23…制御部、23b…シート長さ判断部、23c…制御部(ローラ駆動制御部)、23d…制御部(プロセス制御部)、29…転写部(2次転写部)、31…像担持体(中間転写ベルト)、61a〜64a,61b〜64b,61c〜64c…分離給送部(給紙ローラ、給紙搬送ローラ、分離ローラ)、65…シート積載部材(手差しトレイ)、67…分離給送部、76…レジスト部(レジストローラ対)、d1…画像信号、L1,L2,Lsn,Lt,Lt1…搬送距離、Ls…シート搬送方向長さ、S…シート、SN…先端検知部(レジ後シート検知部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、レジストローラ対によって送られたシート上に、像担持体上のトナー像を転写することでシートに画像を形成する構成を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電子写真方式を利用した画像形成装置は、感光体上或いは転写体上に担持されている可視像を、分離給送部で分離給送された普通紙等のシートに転写して記録画像を得るように構成されている。このような従来の画像形成装置では、分離給送部から給紙(給送)されてきたシートは、停止しているレジストローラ対のニップ部に突き当ててループを作ることで先端辺を搬送方向と直交する方向に揃える。その後、感光体ドラムに形成されたトナー像がシートの所定位置に転写されるように、タイミングをとってレジストローラ対の回転を開始させる。
【0003】
近年、画像形成装置において、坪量は52[g/m2]〜300[g/m2](g紙)、種類は普通紙からコート紙、エンボス紙、第2原図など、サイズは葉書サイズから13×19[inch]と、多種多能なメディア、サイズに対応することが望まれている。厚紙(厚いシート)に関しては、従来の画像形成装置ではレジストローラ対のニップ部に対するシートの停止位置がシートの厚さによって変わることから、シート上の画像位置も変わってしまうという問題が起きている。その対策として、停止位置のズレ分をレジスト部での再給紙タイミング、もしくは、画像の書き出しタイミングを変更することによりシート上の適正な位置に画像が形成されるようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−280485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シート上に形成される画像の位置が適正位置に形成されない原因としては、上記特許文献1が開示している、シートの厚さによってレジストローラ対のニップ部に対するシートの停止位置が変わることだけでなく、以下のような原因がある。即ち、レジストローラ対による搬送中にシートの後側が分離給送部によって挟持されるような装置がある。このようにレジストローラ対による搬送中のシートの後側が分離給送部により挟持されると、分離給送部のシートの挟持によりレジストローラ対の搬送時の負荷になる。この場合、レジストローラ対が搬送するように期待される所望のシート搬送速度と実際のシート搬送速度とが異なってしまう。レジストローラ対による実際のシート搬送速度が、所望のシート搬送速度に対して異なると、シートの所望の位置に画像を転写することができず、精度の高い画像形成が困難となる。
【0006】
上記の問題点を、以下に例示的に詳述する。即ち、高速化が求められている近年の画像形成装置では、分離給送部での搬送速度よりも、分離給送部下流側の各搬送ローラ対による搬送速度を早くすることで、給紙シート間を広げてジャムマージンを広げているものがある。このような場合、レジストローラ対や搬送ローラ対は、分離給送部での負荷を受けながらシートを分離給送部から引き抜くような状態になるので、レジストローラ対や搬送ローラ対による搬送効率(所望の搬送速度に対する実際の搬送速度の比)は低下してしまう。また、コスト等の観点から、シートが分離給送部からその下流側の搬送ローラ対に受け渡された後は、シート搬送のための分離給送部の駆動を停止させるように構成されたものもある。このような場合にも、レジストローラ対や搬送ローラ対は、分離給送部での負荷を受けながらシートを分離給送部から引き抜くような状態になるので、その上記搬送効率は低下してしまう。また、分離給送部での負荷としては、分離給送部を構成する逆転駆動が伝達される分離ローラの逆転による負荷もある。そして、分離給送部での負荷による搬送効率の低下によって、特に厚紙搬送時には、シート上の画像位置がズレてしまう。また、分離給送部による負荷を受け得る長さのシート同士にあっては、搬送方向長さが長いシートほど、分離給送部で受ける負荷によるシート上の画像の位置ズレへの影響は、より大きくなる。
【0007】
ところで、従来の装置では、この問題に対応するために、例えばレジストローラ対の挟持力を強く設定して搬送効率の低下を少なくすることで、著しい画像精度の低下を招かないように構成したものもある。しかし、昨今の多種多能なメディアへの対応を鑑みると、例えば厚いシートや表面の平滑性が少ないシートにあっては、分離給送部での負荷が大きくなる。したがって、例えば厚いシートや表面の平滑性が少ないシートでは、画像精度に大きく影響を及ぼす程、レジストローラ対の搬送効率が低下する虞がある。仮に例えば厚いシート(厚紙)の搬送時においても、レジストローラ対の搬送効率が落ちないようにレジストローラ対のローラ圧を高くするように構成した場合、レジストローラを回転させるトルクが増大し、モータの大型化によるコストアップを招いてしまう。また、ローラ圧を上げると、搬送するシートが薄いシート(薄紙)や薄紙コート紙、第2原図のようなものである場合に、シートにレジストローラ対のローラ圧による圧痕を付けてしまうという虞もある。
【0008】
そこで本発明は、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止して、画像位置ズレを少なくし得るようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを一旦停止させた後、前記転写位置へシートを搬送するレジスト部と、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置に搬送するレジスト部と、を備え、前記レジスト部が、転写時速度よりも速い速度でシートを搬送した後に、シートの先端が前記転写位置に達する前に前記転写時速度まで減速されるように構成された画像形成装置であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する制御部を備えることを特徴としている。
【0011】
更に、本発明は、画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置へ搬送するレジスト部と、搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する制御部と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、シートの長さに応じてレジスト部による搬送動作を変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【0013】
また、本発明によると、シートの長さに応じて転写時速度に減速するタイミングを変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【0014】
また、本発明によると、シートの長さに応じて画像形成を開始するタイミングを変更するので、モータの大型化等によるコストアップを招来せず、多種多様な種類やサイズの異なるシートへのレジスト部による圧痕の発生を防止することができる。更に、シートにおける画像の位置ズレが少ない良好な画像を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置の分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図。
【図2】第1の実施形態における画像形成装置の概略断面図。
【図3】画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図5】第1の実施形態における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【図6】シートの坪量、シートサイズ、画像位置シフト量の関係の一例を示す図。
【図7】変形例における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図8】変形例における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【図9】本発明に係る第2の実施形態の画像形成装置の分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図。
【図10】第2の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図11】本発明に係る第3の実施形態における設定に関して説明するためのフローチャート。
【図12】第3の実施形態における給紙に関して説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態における画像形成装置について説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
図2に、本発明に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの概略断面図を示す。図2において、1はカラーレーザプリンタ、1Aはカラーレーザプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。プリンタ本体1Aには、シートSに画像を形成する画像形成部1Bと、中間転写部1Cと、定着装置5と、画像形成部1BにシートSを給送するシート給送装置1Dと、手差しシートを給送する手差しシート給送装置2が設けられている。更に、プリンタ本体1Aには、プリンタ本体1Aの画像形成動作全般を制御する制御部(CPU)23が設けられている。なお、カラーレーザプリンタ1は、シートSの裏面に画像を形成し得るように構成されており、このため表面(一面)に画像が形成されたシートSを反転させて再度、画像形成部1Bに搬送する再搬送部1Eが設けられている。
【0018】
画像形成部1Bは、略水平方向に配置されて、4つのプロセスステーション60(60Y,60M,60C,60K)を備えている。これらプロセスステーション60Y,60M,60C,60Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー像を形成する。プロセスステーション60は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー像を担持すると共に不図示のステッピングモータにより駆動される感光体である感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)を備えている。また、プロセスステーション60は、感光体ドラム表面を一様に帯電する帯電器12(12Y,12M,12C,12K)を備えている。
【0019】
更に、画像形成部1Bは、一定速度で回転する感光体ドラム11上に、画像信号d1に基づいてレーザビームを照射して、画像信号d1に対応する静電潜像を形成するスキャナ13(13Y,13M,13C,13K)を備えている。つまり、画像信号によりオンオフ変調されてスキャナ13から照射されるレーザ光が感光体ドラム11上を走査露光し、これにより画像信号に対応する静電潜像が感光体ドラム11上に形成される。また、プロセスステーション60には、感光体ドラム上に形成された静電潜像にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像装置14(14Y,14M,14C,14K)が設けられている。そして、これら帯電器12、スキャナ13、現像装置14等は、感光体ドラム11の周囲に回転方向に沿ってそれぞれ配設されている。また、画像形成部1Bには、1次転写部を構成する1次転写ローラ35(35Y,35M,35C,35K)が設けられている。
【0020】
シート給送装置1Dは、プリンタ本体下部に設けられ、シートSを収納するシート収納部である給紙カセット61〜64と、これら給紙カセット61〜64に積載収納されたシートSを夫々送り出す給紙ローラ61a〜64aとを備えている。給紙ローラ61a〜64aの各下流側には、給紙ローラ61a〜64aにより夫々繰り出されたシートSを1枚ずつ分離して給送する、給紙搬送ローラ61b〜64bとこれらに夫々対向接触する分離ローラ61c〜64cとが配置されている。これらはリタード分離方式としているが、パッド分離等の摩擦分離方式でも構わない。また、手差し給送装置2には、シートSを積載支持するシート積載部材としての手差しトレイ65と、手差しトレイ65に積載されたシートSを給送する給紙ローラ65bとが配置されている。給紙ローラ65bには分離ローラ65cが対向接触している。給紙ローラ65b及び分離ローラ65cにより、手差しトレイ65に積載されたシートSを1枚ずつ分離して挟持給送する分離給送部67が構成されている。手差しトレイ65には、加圧バネSPLで給紙ローラ65b側に付勢された加圧板65Nが設けられている。なお、符号73は、給紙カセット62〜64から分離給送されたシートSを搬送縦パス81に送る搬送ローラ対を示している。また、符号78は第1反転ローラ対、79は第2反転ローラ対、82は排紙搬送パス、83は反転誘導パス、84はスイッチバックパス、85は両面搬送パスを夫々示す。
【0021】
そして、画像形成動作が開始されると、給紙カセット61〜64から給紙ローラ61a〜64aによりシートSが夫々繰り出され、給紙搬送ローラ61b〜64bとその対向する分離ローラ61c〜64cとにより1枚ずつ分離給送される。その後、シートSは、搬送縦パス81、搬送ローラ対74を経由して、レジストローラ対76に搬送される。レジストローラ対76は、中間転写ベルト31上の(像担持体上の)トナー像と分離給送部67から搬送されたシートSとの同期を取ってこのシートSを2次転写部29の転写位置に搬送するレジスト部を構成している。一方、手差し給紙の場合には、手差しトレイ65に積載されたシートSが、給紙ローラ65bと分離ローラ65cとからなる分離給送部67により1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対75、搬送パス39を経由してレジストローラ対76に搬送される。搬送ローラ対75は、分離給送部67により分離給送されたシートSを搬送する。中間転写ベルト31は、画像形成部1Bにて形成されたトナー像を担持する像担持体を構成している。
【0022】
ここで、レジスト部としてのレジストローラ対76は、搬送されてきたシートを一旦停止させた後に、2次転写内ローラ32と2次転写外ローラ41とからなる2次転写部29へシートを搬送する。即ち、レジストローラ対76は、シートSが突き当てられてループを形成することにより、シートSの先端を倣わせて斜行を修正する機能を有している。また、レジストローラ対76は、シートSへの画像形成のタイミング、即ち後述の中間転写ベルト31上に担持されたトナー像に合わせて、所定のタイミングにてシートSを、2次転写部29へ搬送する機能を有している。この2次転写部29は、像担持体である感光体ドラム11上に形成されたトナー像を上記転写位置にて転写する転写部を構成している。シートSが搬送される際、レジストローラ対76は停止しており、このような停止状態のレジストローラ対76にシートSを突き当てることにより、シートSに撓みが形成される。そして、この後、シートSの剛性により、シート先端がレジストローラ対76のニップ部に揃うようになることにより、シートSの斜行が補正される。この後、シートSの斜行が補正されると、レジストローラ対76は、像担持体としての中間転写ベルト31に形成されたトナー像とシートSの先端とが一致するようなタイミングで駆動されて回転する。以下では、このように、シートSを一旦停止させた後にレジストローラ対76が回転を開始してシートの搬送を開始することを再給紙と呼び、レジストローラ対76の回転開始のタイミングを再給紙タイミングと呼ぶ。
【0023】
中間転写部1Cは、感光体ドラム11の外周速度と同期して矢印Bで示す各プロセスステーション60の配列方向に沿って回転駆動される中間転写ベルト31を備えている。この中間転写ベルト31は、駆動ローラ33と、中間転写ベルト31を挟んで2次転写領域を形成する2次転写内ローラ32と、不図示のばねの付勢力によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ34とに張架されている。中間転写ベルト31の内側には4個の、夫々感光体ドラム11と共に中間転写ベルト31を挟持し、1次転写部を構成する1次転写ローラ35(35Y,35M,35C,35K)が配されている。なお、これら1次転写ローラ35は、不図示の転写バイアス用電源に接続されている。そして、1次転写ローラ35から中間転写ベルト31に転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム11上の各色トナー像が順次中間転写ベルト31に多重転写され、中間転写ベルト31上にフルカラー画像(フルカラーのトナー像)が形成される。
【0024】
2次転写内ローラ32に対向するように2次転写外ローラ41が配置され、2次転写外ローラ41は、中間転写ベルト31の最下方の表面に当接すると共に、レジストローラ対76により搬送されたシートSを中間転写ベルト31と共に挟持搬送する。そして、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部をシートSが通過する際、この2次転写外ローラ41にバイアスを印加することにより、シートSに中間転写ベルト31上のトナー像が2次転写される。定着装置5は中間転写ベルト31を介してシートS上に形成されたトナー像をシートSに定着させるものであり、トナー像を保持したシートSは、定着装置5を通過する際に熱及び圧力が加えられることでトナー像を定着される。
【0025】
次に、このように構成されたカラーレーザプリンタ1の画像形成動作について説明する。即ち、画像形成動作が開始されると、まず中間転写ベルト31の回転方向における最も上流側のプロセスステーション60Yにて、感光体ドラム11Yに対し、スキャナ13Yによりレーザ照射を行い、感光体ドラム11Y上にイエローの静電潜像を形成する。この後、現像装置14Yにより、この静電潜像をイエローのトナーにより現像してイエローのトナー像を形成する。次に、このようにして感光体ドラム11Y上に形成されたイエローのトナー像が、高電圧が印加された転写ローラ35Yにより、1次転写領域において中間転写ベルト31に1次転写される。次に、トナー像は中間転写ベルト31と共に、プロセスステーション60Yよりもトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像が形成される次のプロセスステーション60Mの感光体ドラム11Mと転写ローラ35Mとからなる1次転写領域に搬送される。
【0026】
そして、中間転写ベルト31上のイエローのトナー像上に画像先端を合わせて次のマゼンタトナー像が転写される。以下、同様の工程が繰り返され、その結果、4色のトナー像が中間転写ベルト31上において1次転写され、中間転写ベルト上にフルカラー画像が形成される。なお、感光体ドラム11上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ15(15Y,15M,15C,15K)により回収され、再び次の画像形成に備える。
【0027】
このトナー像形成動作に並行して、給紙カセット61〜64に収容されたシートSは、給紙ローラ61a〜64aで繰り出され、給紙搬送ローラ61b〜64bと分離ローラ61c〜64cとで1枚ずつ分離給送された後、レジストローラ対76まで搬送される。また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ65に積載されたシートSが、給紙ローラ65bと分離ローラ65cとにより1枚ずつ分離給送された後、搬送パス39を通過してレジストローラ対76に搬送される。この際、レジストローラ対76は停止しており、停止状態のレジストローラ対76にシートSを突き当てることにより、シートSの斜行が補正される。また、斜行が補正された後、シートSは、シート先端と中間転写ベルト31に形成されたトナー像とが一致するタイミングで回転を開始するレジストローラ対76により、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部に搬送される。このシートSは、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とで挟持搬送され、2次転写外ローラ41と中間転写ベルト31とのニップ部を通過する際に、2次転写外ローラ41に印加されるバイアスにより中間転写ベルト31上のトナー像を2次転写される。
【0028】
次に、トナー像が2次転写されたシートSは、定着前搬送装置42により定着装置5へと搬送される。そして、定着装置5は、対向するローラ、もしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えてシートS上にトナー像を溶融固着させる。そして、このようにして得られた定着画像を有するシートSを、そのまま排紙トレイ66上に排出する場合には排紙搬送パス82に、両面画像形成を行う場合には反転誘導パス83に搬送されるべく経路選択が行われる。
【0029】
両面に画像を形成する場合、シートSは、反転誘導パス83からスイッチバックパス84へと引き込まれ、第2反転ローラ対79の回転方向を正逆転させるスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送パス85へと搬送される。この後、このシートSは、給紙ローラ61a〜64a、或いは給紙ローラ65bより搬送されてくる後続ジョブのシートSとのタイミングを合わせて再合流し、同様にレジストローラ対76を経て転写部としての2次転写部29へと送られる。なお、この後の裏面(2面目)に対する画像形成プロセスに関しては、既述した表面(1面目)の場合と同様である。また、シートSを反転排紙させる場合には、定着装置5をシートSが通過後、反転誘導パス83からスイッチバックパス84へと引き込む。そして、引き込まれたシートSは、第1反転ローラ対78の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして送り込まれた方向と反対向きに搬送され、排紙トレイ66に排出される。
【0030】
ついで、本発明の特徴の1つであるシートSへの画像位置調整制御について詳しく説明する。図1には本実施形態における分離給送部及びレジスト部を抜粋して示す部分断面図を、図3には本実施形態における制御系を示すブロック図を、図4には本実施形態の作用を説明するためのフローチャートをそれぞれ示す。図5には本実施形態における給紙に関するフローチャートを、図6には一例としてのシートの坪量、シートサイズ、画像位置シフト量の関係を示す図をそれぞれ示している。
【0031】
図3に示すように、カラーレーザプリンタ1に設けられた制御部(CPU)23は、レジ駆動モータ25、搬送ローラ駆動モータ26及び給紙駆動モータ28にそれぞれ信号を出力するように接続されている。レジ駆動モータ25はレジスト部としてのレジストローラ対76を駆動し、搬送ローラ駆動モータ26は搬送ローラ対75を駆動し、給紙駆動モータ28は給紙ローラ65bを駆動する。制御部23には、プリンタ本体1Aに送られる画像信号d1と、プリンタ本体1Aに備えた不図示の操作部から選択入力されるシート坪量の信号(坪量信号)d2及びシートサイズの信号(サイズ信号)d3とが夫々入力される。なお、搬送ローラ対75は、搬送されたシートSを、停止しているレジストローラ対76のニップ部に突き当ててループを形成することでシート先端の辺をシート搬送方向と直交する幅方向に揃えるシート整合部を構成している。
【0032】
そして、制御部23は、坪量判断部23a、シート長さ判断部23b、ローラ駆動制御部23c及びプロセス制御部23dを備えている。
【0033】
坪量判断部23aは、不図示の操作部から選択入力されたシートの坪量は通常であるか否かを判断する。
【0034】
シート長さ判断部23bは、搬送されるシートSの搬送方向長さLsは、第1シート長と第2シート長の何れであるかを判断する。第1シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から負荷を受け得るシート長さである。第2シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が第1シート長よりも小さいシート長さである。即ち本実施形態において、第1シート長は、シートSの先端(図1の左側)がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側(図1の右側)が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さである。第2シート長は、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持され得ない長さであり、シートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が無い(第1シート長の場合よりも小さい)。つまり、シート長さ判断部23bは、シートSの搬送方向長さLsが、第1シート長(後述のL1+α<Ls<L2、L2<Ls)と、第2シート長(後述のLs<L1+α)との何れであるかを判断する。そして、シート長さ判断部23bは、シートSの入力された坪量信号d2に基づく坪量は通常であると坪量判断部23aにより判断された際に、シートSの搬送方向長さが第1シート長であるか否かを、即ち後述の第1〜第3シートサイズの何れであるかを判断する。
【0035】
制御部としてのローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bによる判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置(画像を損なわない適正な位置)に転写し得るように、以下の制御を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とでレジストローラ対76による搬送動作を変更するべく、第1シート長の場合と第2シート長の場合とで再給紙タイミングを変更するように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、搬送方向長さが第2シート長である場合に比して、レジストローラ対76からの再給紙タイミングを早くするように制御する。この再給紙タイミングは、中間転写ベルト31上のトナー画像に対する(画像形成部1Bによる画像形成の開始に対する)レジストローラ対76からの再給紙タイミングである。また、制御部23のプロセス制御部23dは、画像形成部1Bの各部の動作を制御する。
【0036】
本第1の実施形態では、搬送されるシートSの長さが、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合、次のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、レジストローラ対76がシートSを一旦停止させた後にシートSの搬送を開始するタイミングを早くするようにレジストローラ対76を制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じてレジスト部が再搬送(再給紙)を開始するタイミングを変更する。そして、シートSの坪量が所定の坪量未満の場合(通常の場合)にはレジスト部の上記タイミングを変更しない。
【0037】
ここで、図1に示すように、シートSの搬送方向長さをシートの搬送方向長さLsとし、分離給送部67のニップ部からレジストローラ対76のニップ部までの搬送距離を第1搬送距離L1とする。また、レジストローラ対76のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第2搬送距離Ltとする。更に、分離給送部67のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第3搬送距離L2とする。この際、第3搬送距離L2は、第1搬送距離L1と第2搬送距離Ltとの和、即ち、
L2=L1+Lt
で表される。
【0038】
また、本実施形態のカラーレーザプリンタ1において、画像形成に使用するシートは、図6の表に示すように、その坪量が52〜300[g/m2]の範囲に対応するものとする。図6において、シートの坪量は、52〜220[g/m2]の第1坪量範囲のもの、221〜256[g/m2]の第2坪量範囲のもの、257〜300[g/m2]の第3坪量範囲のものに夫々設定されている。ここで、本実施形態では、52〜220[g/m2]の第1坪量範囲内のシートを通常のシートと呼ぶ。
【0039】
シートの搬送方向長さ(図6にはシートサイズとして記載)Lsが、第1シートサイズであるLs<L1+αの場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲、第2坪量範囲、第3坪量範囲の何れにおいても0[mm]に設定される。ただし、「α」は、シートSの整合を目的としてループ形成のために停止しているレジストローラ対76のニップ部に押し込み搬送するループ搬送量を示す。また、シートの搬送方向長さLsが、第2シートサイズであるL1+α<Ls<L2の場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲では0[mm]、第2坪量範囲では0.3[mm]、第3坪量範囲では0.5[mm]にそれぞれ設定される。更に、シートの搬送方向長さLsが、第3シートサイズであるL2<Lsの場合、画像位置シフト量は、第1坪量範囲では0[mm]、第2坪量範囲では0.5[mm]、第3坪量範囲では0.8[mm]にそれぞれ設定される。
【0040】
制御部23には、図6に示した第1〜第3坪量範囲及び第1〜第3シートサイズ等に係るデータが、予め記憶されている。ローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bの判断結果に応じて、中間転写ベルト31に形成されたトナー像をシートの所定位置に転写し得るように、適切に判断し制御するのである。
【0041】
次に、図1、図3及び図4を参照して、シートSへの画像位置の調整制御について説明する。なお、ここでは代表して、手差しトレイ65から給紙(分離給送)を行う場合の制御について述べる。
【0042】
まず、ユーザーが手差しトレイ65にシートSをセットするが、この際、ユーザーはシートSの坪量及びサイズを、不図示の操作部から選択して入力する(ステップS1〜S3)。そして、カラーレーザプリンタ1にてプリントジョブがスタートすると、前述した作像プロセス(画像形成プロセス)に準じた作像が行われる。この際、画像形成が開始されてから、所望のタイミングで給紙信号が出力されて手差しトレイ65から給紙が行われ、シートSは搬送ローラ対75へと搬送される。そして、前述の通り、停止しているレジストローラ対76にシートSを突き当ててループを作成することで、シートSの先端を倣わせ斜行を修正した状態で、再給紙タイミングを待つ。
【0043】
ここで、図4のフローチャートに基づいて、レジストローラ対76の再給紙タイミングの設定について説明する。即ち、ステップS1で操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S2)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS8に進んで、レジスト部であるレジストローラ対76での再給紙タイミングを通常の再給紙タイミングに設定する。
【0044】
一方、ステップS2において坪量は通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS3で上記操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。即ち、シート長さ判断部23bは、ステップS4で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、上記の両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、レジストローラ対76による再給紙タイミングを変更せず、通常の再給紙タイミングに設定する(S8)。
【0045】
一方、ステップS4で、シートの搬送方向長さLsは上記の両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、更に次の判断を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsは、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S5)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断された場合、処理はステップS9へと進む。この際、プリントジョブのスタートと同時に選択入力されたシートSの坪量及びサイズから、通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、ステップS10で、ステップS2で判定された坪量とステップS5で判定されたシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべきシフト量を算出(選択)する。ローラ駆動制御部23cでは、レジスト部としてのレジストローラ対76での再給紙タイミングを変更して設定する。
【0046】
また、ステップS5で、シートの搬送方向長さLsは上記両ニップ部間より長い(即ち、第3シートサイズである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、以下のように通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。即ち、ステップS6において、ステップS2で判定した坪量とステップS5で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応するように、通常の再給紙タイミングからのシフト量(変更量)を算出(選択)する。更に、ローラ駆動制御部23cは、レジストローラ対76での再給紙タイミングを変更して設定する(S7)。
【0047】
次に、図5を用いて、画像の形成及びレジストローラ対76の再給紙を含むシート給送の制御について説明する。即ち、制御部23のプロセス制御部23dでは、基準同期信号が生成される。この基準同期信号は、画像形成部1Bとシート搬送制御の同期取りのための信号である。基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。本実施形態におけるカラーレーザプリンタ1(画像形成装置)では、毎分60枚、画像を形成する。よって基準同期信号は、1秒毎に発せられる。
【0048】
まず、ステップS51において基準同期信号が発生したタイミングになると、同時に感光体ドラム11への画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S52)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。なお、本実施形態では、感光体ドラム11や中間転写ベルト31は等速で回転している。よって、画像形成部1Bで画像の形成が開始されてから、画像形成部1Bで形成された中間転写ベルト31上のトナー像が2次転写位置に達してシートへのトナー像の転写が開始されるまでの時間は、どんな場合でも同じである。
【0049】
プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから、所定時間後に、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるように、ローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S53,S54)。そして、給送されたシート先端が、停止したレジストローラ対76に到達するまで、搬送ローラ対75で搬送されるようにローラ駆動制御部23cが搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、搬送ローラ対75で搬送される。
【0050】
その後、図4で説明したように、シートの種類に応じて設定された再給紙タイミングになったかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。即ち、基準同期信号が発生してから図4において説明したように設定された時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する(S55)。再給紙タイミングになったら、レジストローラ対76の回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御して再給紙を行う(S56)。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS51に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S57)。
【0051】
本実施形態では、坪量やシート長さに応じて設定されたタイミングでレジストローラ対76が回転を開始するので、中間転写ベルト31に形成されたトナー像をシートSの所定位置(画像を損なわない適正な位置)に転写することができる。これにより、シートSは、2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写される。
【0052】
上述の制御による具体例を以下に述べる。即ち、例えばシートSの坪量が271[g/m2]の第3坪量範囲で、シートの搬送方向長さLsが、第2シートサイズ(L1+α<Ls<L2)の場合は、以下のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、第1シートサイズ(Ls<L1+α)を搬送する場合の再給紙タイミングに較べて、0.5mm分だけレジストローラ対76からの再給紙タイミングを早く行うように制御する。ここで、本実施形態において、271[g/m2]のシートに画像形成する際のプロセススピードを150mm/secとすると、再給紙タイミングを、3.3msecだけ通常の再給紙タイミングより早く行うことになる。なお、通常の再給紙タイミングとは、第1シートサイズ若しくは第1坪量範囲のシートの場合における再給紙タイミングである。このような通常のタイミングに対して変更する変更量は、予め実験などによって求めておいて上記実施形態のように制御部23に記憶させておく。
【0053】
これは前述の通り、シート後端が分離ローラ65cを噛んでいる場合と噛んでいない場合とで、レジストローラ対76での再給紙後の搬送効率が変わってしまう場合があるからである。レジスト部での再給紙後にシート後端が分離ローラ65cを噛んでいる時間が長い分だけ、2次転写部29のニップ部へシート先端が到達する時間が変わってしまう(つまり、遅くなってしまう)。そのため、図6に示したように、
Ls<L1+α、L1+α<Ls<L2、L2<Ls
で場合分けをしている。また、レジストローラ対76前のローラがスリップローラになっている場合や、レジストローラ対76でループを形成しない場合には、シートSの後端位置はループ搬送量αによらず決まるので、
Ls<L1、L1<Ls<L2、L2<Ls
で場合分けを行う。その後、画像信号d1に対してそれぞれ算出した時間分を変更したタイミングで再給紙を行い、シートSを2次転写部29へと搬送して、シートS上の所定位置(画像を損なわない適正な位置)にトナー像を転写する。
【0054】
本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、以下のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対する、レジスト部がシートSを一旦停止させた後にシートSの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるLs>L1の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1の場合よりも早くするように制御する。そして、第1シートサイズであるLs<L1+αLs>L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L2の場合よりも早くするように制御する。更に、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるL1<Ls<L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1の場合よりも早くするように制御する。そして、第1シート長であるLs>L2の場合には、再給紙タイミングを、第1シート長であるL1<Ls<L2の場合よりも更に早くするように制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるLs>L1+αの場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1+αの場合よりも早くするように制御する。更に、ローラ駆動制御部23cは、第1シート長であるL1+α<Ls<L2の場合には、再給紙タイミングを、第2シート長であるLs<L1+αの場合よりも早くするように制御する。そして、第1シート長であるL2<Lsの場合には、再給紙タイミングを、第1シート長であるL1+α<Ls<L2の場合よりも更に早くするように制御する。
【0055】
以上のように、本実施形態では、シート長さ判断部23bが、搬送されるシートSの搬送方向長さLsが第1シート長と第2シート長との何れであるかを判断する。そしてローラ駆動制御部23cが、上記判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置に転写し得るように、搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とでレジストローラ対76による搬送動作を変更するように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であると判断された際、第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジストローラ対76からの再給紙タイミングを早くするように制御する。このため、レジストローラ対76のローラ圧を上げるようなことをせずに、多種多様な種類やサイズの異なるシートに対し画像を良好に形成することができるようになる。つまり、坪量が大きい場合であって、レジストローラ対76でシートを搬送しているときに分離給送部67をシートが通過中であったなら、分離給送部67がレジストローラ対76のシート搬送の負荷となる。分離給送部67で負荷を受けながらレジストローラ対76で搬送されるシートの搬送効率は低下するので、2次転写部へのシートの到達が遅延してしまう虞がある。本実施形態では、この遅延を見越して、再給紙タイミングを設定する。即ち、坪量が大きい場合であって、レジストローラ対76でシートを搬送しているときに分離給送部67を通過中となる長さのシートの場合には、上記遅延を見越して、早めに再給紙する。よって、シートの坪量や長さに依らずに中間転写ベルト31上のトナー像をシートSの所定位置に転写し得る。
【0056】
また、分離給送部67に起因したレジストローラ対76の搬送効率の低下を防ぐべくレジストローラの圧を上げた場合に発生しうるシートに対する搬送時の圧痕を回避して、画像位置ズレを防止した良好な画像を形成することができる。
【0057】
即ち上記のように、ローラ駆動制御部23cは、搬送方向長さが第1シート長であると判断された際、第2シート長である場合に比して、画像の形成を画像形成部1Bが開始してから、レジストローラ対76が再給紙を行うタイミングを早くするように制御する。このように、レジ駆動モータ25の駆動を制御してレジストローラ対76による再給紙タイミングを制御するだけで、中間転写ベルト上のトナー像をシートSの所定位置に容易に転写できるようになる。
【0058】
なお、再給紙タイミングを変更するに当たって上述の実施形態では、坪量の大きいシートに対してのみ行う形態を例示している。しかし、分離給送部での負荷やレジストローラ対の搬送力との関係で、普通のシートであってもレジストローラ対の搬送効率が低下してしまうような装置では、普通のシートであってもシートの長さに応じて再給紙タイミングを変更するようにしてもよい。
【0059】
更には、レジスト部からの再給紙時に、給紙JAMマージンを稼ぐためにここでのシート搬送速度はプロセススピードよりも速い速度に設定している場合には、再給紙タイミングは変えない。そして、再給紙後の速度からプロセススピードに減速する減速タイミングを変更する、ことによっても同等の効果を得ることができる。ついで、再給紙タイミングを変更せずに、プロセススピードへの減速タイミングを変更する変形例の制御について述べる。
【0060】
<変形例>
まず、本変形例におけるレジストローラ対76の減速タイミングの設定について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、本変形例は、第1の実施形態に比して、ローラ駆動制御部23cによる制御が異なるが、他の部分は略々同一であるため、図1〜図3、図6を兼用して説明することとする。
【0061】
本変形例では、レジスト部であるレジストローラ対76は、転写時速度(プロセススピード)よりも速い速度でシートを搬送した後に、2次転写部29による転写の前に上記転写時速度まで減速されるように構成されている。また、本変形例の制御部としてのローラ駆動制御部23cは、以下の制御を行う。即ち、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが上記所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジスト部が転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する。具体的には、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、以下の制御を行う。つまり、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さが第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる画像形成の開始に対するレジストローラ対76が上記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する。本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートSの長さに応じて、次のように制御する。つまり、シートSの長さに応じて、レジスト部が転写時速度に減速するタイミングを変更し、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量未満の場合には、レジスト部が転写時速度に減速するタイミングを変更しない。
【0062】
即ち、ステップS101において操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S102)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS108に進み、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1に設定する。
【0063】
一方、ステップS102において坪量が通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS103で操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。シート長さ判断部23bは、ステップS104で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断されると、ステップS108でローラ駆動制御部23cが、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1に設定する。
【0064】
一方、ステップS104で、シートの搬送方向長さLsは上記両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、シート長さ判断部23bは、更に以下の判断を行う。つまり、シート長さ判断部23bは、シートの搬送方向長さLsが2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S105)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断した場合、処理はステップS106へと進む。この際、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1よりも長い時間である第2時間H2に設定する。
【0065】
また、ステップS105において、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いと判断された場合は、以下のS107に移行する。つまり、ステップS107において、レジストローラ対76が基準同期信号の発生から減速するまでの時間を、通常時間H1よりも長く第2時間よりも長い時間である第3時間H3に設定する。
【0066】
次に、本変形例における画像の形成及びレジストローラ対76の搬送を含むシート給送の制御について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
即ち、制御部23のプロセス制御部23dで基準同期信号が生成される。この基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。基準同期信号が発生したら(S61)、同時に感光体ドラム11への画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S62)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。
【0068】
ステップS63において、給紙タイミングになったか否かをローラ駆動制御部23cが判断する。つまり、プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから給紙開始までと定められた所定時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。そして、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるように、ローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S64)。給送されたシート先端が停止したレジストローラ対76に到達するまで搬送ローラ対75で搬送されるように、ローラ駆動制御部23cは搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、シートは搬送ローラ対75で搬送される。
【0069】
その後、基準同期信号が発生したタイミングから所定時間経過後の再給紙タイミングとなったら(S65)、レジストローラ対76が回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cはレジ駆動モータ25を制御する(S66)。なお、ここでの再給紙タイミングは、シートの種類に依らずに同じタイミングである。そして、再給紙が開始されたときのシートの搬送速度は、プロセススピード(プロセス速度)よりも高速な速度である。
【0070】
その後、図7で説明したようなシートの種類に応じて設定された減速タイミングになったかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する(S67)。即ち、基準同期信号から、シート種類に応じて設定された時間が経過したかどうかをローラ駆動制御部23cが判断する。減速タイミングになったらレジストローラ対76の回転速度を減速してシートがプロセス速度で搬送されるように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御する(S68)。本変形例においても、シートSは2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写することができる。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS61に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S69)。
【0071】
また、ここまで坪量及びサイズを選択入力する画像形成装置について説明したが、画像形成装置内にシートの坪量や厚さ、剛度等が測定可能なメディアセンサ、シートの搬送方向サイズを測定するシート長さ検知部を設けた場合、以下が可能になる。つまり、これらメディアセンサやシート長さ検知部の検知結果に基づいて画像位置のシフト量を算出するように構成することも可能になる。
【0072】
また上述の第1の実施形態及び変形例では、転写位置に到達するまでのシートの搬送速度の制御にシートの種類情報を加味するように制御することができ、このシートの種類情報はシートの坪量、剛度、厚さ、すき目、表面性、密度の中の少なくとも一つからなる。これは、後述する第2及び第3の実施形態においても、同様に適用できる。
【0073】
更に、分離給送部67と同等のもの、即ち給紙ローラ61a〜64a、給紙搬送ローラ61b〜64b、分離ローラ61c〜64cから夫々成る分離給送部を複数箇所に備える場合は、以下の構成も可能である。即ち、分離給送部を複数箇所に備える場合は、各分離給送部にそれぞれ対応するように(給紙段に対応するように)速度制御を行う構成も可能である。つまり、給紙段が変わると、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部のニップ部との間に位置する搬送ローラ対の本数が増えたり、搬送経路が変わることでガイド抵抗も変わることから、当然搬送効率も変わる。よって、給紙段に対応して画像位置のシフト量を、個別に設定する。これは、上述した第1の実施形態及び変形例では勿論のこと、後述する第2及び第3の実施形態においても、同様に適用できる。
【0074】
本変形例では、搬送されるシートSの長さが、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合、次のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、上記転写時速度に減速するタイミングを遅くするようにレジストローラ対76を制御する。また、分離給送部67から2次転写部(転写位置)29までの搬送距離よりもシートSの長さが長い場合には、次のように制御することができる。つまりローラ駆動制御部23cは、分離給送部67から転写位置までの搬送距離よりシート長さが短い場合よりも、画像形成部1Bによる画像形成開始に対するレジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを遅くするようにこのローラ対76を制御する。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態として、レジストローラ対76と2次転写部29との間に、レジ後シート検知部SNを備えたカラーレーザプリンタ1におけるシートSへの画像位置調整制御について説明する。本実施形態は、第1の実施形態に比し、2次転写部29とレジストローラ対76との間にレジ後シート検知部SNを配置したことに伴い制御部23の制御が異なるが、他の部分は略々同一なので、図2及び図3を兼用し、図9及び図10を参照して説明する。
【0076】
また、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、レジストローラ対76が搬送するときに分離給送部67にシート後端が残っている長さの第1シート長と第2シート長のシートを用いることを前提としている。しかし本実施形態においても、第1シート長は、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から負荷を受け得る長さであることに変わりはない。また第2シート長も、シートの先端がレジストローラ対76に到達した際にシートの後端側に分離給送部67から受ける負荷が第1シート長よりも小さい長さであることに変わりはない。
【0077】
本実施形態では、搬送されるシートSの搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長い場合には、ローラ駆動制御部23cが次のように制御する。即ち、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より短い場合に比して、レジ後シート検知部SNによりシートSの先端を検知した後に転写時速度まで減速させるタイミングを遅くするようにレジストローラ対76を制御する。また、本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートSの長さに応じて、次のように制御する。つまり、シートSの長さに応じて、レジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを変更し、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量未満の場合には、レジストローラ対76が転写時速度に減速するタイミングを変更しない。
【0078】
[シートの搬送プロセス]
本実施形態では、レジストローラ対76をシートの先端が通過するときの搬送速度が、2次転写部29による転写時の転写時速度(プロセススピード)よりも速くされ、2次転写部29による転写の前に上記転写時速度まで減速されるように構成されている。そして、本実施形態でも、図2及び図9に示すように、シートSは、給紙カセット61〜64及び手差しトレイ65に夫々積載される形で収納されており、各給紙ローラ61a〜64a、65bにより画像形成タイミングに合わせて給紙が行われる。給紙ローラ65b及び分離ローラ65cからなる分離給送部67から送り出されたシートSは、搬送パス39を通過して、レジストローラ対76へと搬送される。
【0079】
本実施形態では、レジスト部に搬送されてくるシートの搬送速度及びレジスト部をシート先端が通過するときの搬送速度が、給紙JAMマージンを稼ぐために、2次転写部29による転写時の転写時速度よりも速くなるようにローラ駆動制御部23cで制御される。更に、ローラ駆動制御部23cにより、2次転写部29による転写の前に、転写時速度よりも速くされている搬送速度が、転写時速度(プロセススピード)まで減速されるように制御される。図9に示すように、レジストローラ対76と2次転写部29との間にはレジ後シート検知部SNが配置されており、レジ後シート検知部SNは、レジストローラ対76より搬送されてきたシートSの先端を検知する先端検知部を構成している。そして、レジストローラ対76から2次転写部29へと搬送されるシートSの先端を先端検知部としてのレジ後シート検知部SNで検知し、ローラ駆動制御部23cによって算出されたタイミングにてシート搬送速度が転写時速度に減速される。
【0080】
この際、称呼の時間(予め設定された設定時間)よりもレジ後シート検知部SNでのシートSの先端の検知が早い場合には、その分プロセススピードへの減速を早く行う。そして、称呼の時間よりもレジ後シート検知部SNでのシート先端の検知が遅い場合には、その分プロセススピードへの減速をこれより遅く行うことで、シート上の所定位置(画像を損なわない適正な位置)にトナー像(画像)が良好に転写されるように制御する。2次転写部29は、2次転写内ローラ32及び2次転写外ローラ41で構成されるシートSへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスとを与えることで、上述の工程で搬送されてきたシート上にトナー像を転写させる。なお、本実施形態における画像の作像プロセス及び2次転写以降のプロセスは、前述した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0081】
本実施形態において、坪量判断部23aは先の実施形態の場合と同様である。シート長さ判断部23bも、シート先端がレジスト部に到達した際に後端側に分離給送部67から負荷を受け得る第1シート長か、シート先端がレジスト部に到達した際に後端側に分離給送部から受ける負荷が第1シート長よりも小さい第2シート長かを判断する。具体的には、本実施形態におけるシート長さ判断部23bは、搬送されるシートの搬送方向長さLsが、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長いか否かを判断する。
【0082】
制御部としてのローラ駆動制御部23cは、シート長さ判断部23bにより、搬送されるシートの搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長い第1シート長であると判断された際、以下の制御を行う。つまり、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より短い第2シート長であると判断された際に比して、レジ後シート検知部SNによりシート先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くするように制御する。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、シート長さ判断部23bにより分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより長いと判断された際、以下のように制御する。ローラ駆動制御部23cは、この判断時に、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより短い場合に比して、レジ後シート検知部SNによりシート先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くする。
【0083】
[シートへの画像位置調整制御]
本実施形態においても、シートSの搬送方向長さをLsとし、分離給送部67のニップ部からレジストローラ対76のニップ部までの搬送距離を第1搬送距離L1とする。また、レジストローラ対76のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第2搬送距離Ltとし、分離給送部67のニップ部から2次転写部29のニップ部までの搬送距離を第3搬送距離L2とする。そして本実施形態では、レジストローラ対76のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離を第4搬送距離Lt1とする。従って、第3搬送距離L2は、
L2=L1+Lt
で表される。また、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離を第5搬送距離Lsnとすると、
Lsn=L1+Lt1
となる。
【0084】
以下、図6及び図10に沿って、シートSへの画像位置調整制御について詳細に説明するが、ここでは代表して、手差しトレイ65から給紙を行った場合の制御について説明する。ここでは、第1の実施形態と同様、選択入力されたシートSの坪量及びサイズに基づいて、画像位置の画像位置シフト量を算出する。なお、カラーレーザプリンタ1内に、メディアセンサ(不図示)、シート長さ検知部(不図示)が設けられている場合、これらの検知結果に基づいて、画像位置の画像位置シフト量を算出することも可能である。
【0085】
ここで算出する画像位置シフト量は、前述の通り、シート後端が分離ローラ65cを噛んでいる場合と噛んでいない場合とで、レジストローラ対76での搬送効率が変わってしまう場合があるからである。そして、レジ後シート検知部SNでの検知後にシート後端が分離ローラ65cを噛んでいる時間が長い分だけ、2次転写部29のニップ部へシート先端が到達する時間が変わってしまう(遅くなってしまう)。このため、
Ls<Lsn(第4シートサイズ)、Lsn<Ls<L2(第5シートサイズ)、L2<Ls(第6シートサイズ)
で場合分けをしている。
【0086】
本実施形態では、カラーレーザプリンタ1にてプリントジョブがスタートすると、上述の作像プロセスに準じて作像していく。この際、制御部23より得られた画像信号d1に対して、所望のタイミングで給紙信号が出されて手差しトレイ65から給紙が行われ、シートSは搬送ローラ対75へと搬送される。ここで、レジストローラ対76へと搬送されてくるシートSの搬送速度は、給紙JAMマージンを稼ぐために、プロセススピードよりも速い速度に設定してある。その後、2次転写部29へと搬送されるシートSの先端をレジ後シート検知部SNで検知するが、この際、レジ後シート検知部SNでの検知タイミングが称呼の時間に対して何mm分ずれているかを算出する。そして、前工程で算出した画像位置シフト量とのトータル分、2次転写部29にシートSが到達する時間をシフトするタイミングにてプロセススピード(転写時速度)へと減速する。このようにして搬送されてきたシートSは、2次転写部29で、その所定位置(適正な位置)にトナー像が転写される。
【0087】
即ち、図10において、操作部から坪量が選択入力されると(S21)、坪量判断部23aは、入力された坪量は通常か否かを判断する(S22)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した場合には、ステップS32に進んで、レジスト部としてのレジストローラ対76での再給紙タイミングを通常のタイミングに設定する。一方、ステップS22で坪量は通常でないと判断された場合(通常のシートよりも坪量の大きい厚いシートである場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS23でユーザーが操作部から選択入力した際のサイズ信号d3に基づき、以下の判断を行う。つまり、シート長さ判断部23bは、シートのシート搬送方向長さが分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの第5搬送距離Lsnより長いか否かを判断する(S24)。その結果、シートのシート搬送方向長さLsが第5搬送距離Lsnより長くない(即ち、シートの搬送方向長さLsはLs<Lsn)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、画像位置シフト量(シフト量)を0に設定し(S32)、ステップS27に進む。
【0088】
一方、ステップS24で、シートの搬送方向長さLsは第5搬送距離Lsnより長い(即ち、シートの搬送方向長さLsはLsn<Ls<L2、L2<Lsの何れか)と判断した場合、シート長さ判断部23bは、更に次の判断を行う。即ち、シート長さ判断部23bは、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S25)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ちLsn<Ls<L2(第5シートサイズ))と判断された場合、ローラ駆動制御部23cは、プリントジョブのスタートと同時に選択入力されたシートSの坪量及びサイズから、画像位置シフト量を算出する(S33)。即ち、ローラ駆動制御部23cは、ステップ21で判定した坪量とステップS25で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべき画像位置シフト量を設定し、ステップS27に進む。
【0089】
一方、ステップS25で、シートの搬送方向長さLsは、2次転写部29のニップ部と分離給送部67とのニップ部との間より長い(即ちL2<Ls)と判断された場合は、以下のように制御する。つまり、ローラ駆動制御部23cは、ステップ22で判定した坪量とステップS25で判定したシートの搬送方向長さLsとに対応する、制御すべき画像位置シフト量に設定し、ステップS27に進む。
【0090】
ステップS27では、ローラ駆動制御部23cの制御により給紙駆動モータ28が駆動されて給紙ローラ65bによる給紙(分離給送)がスタートされる。レジストローラ対76を介して送られたシートの先端がレジ後シート検知部SNによって検知されると(S28)、ローラ駆動制御部23cは、レジ後シート検知部SNでの検知タイミングが、称呼の時間に対して何mm分ずれているかを算出する(S29)。更に、ローラ駆動制御部23cは、レジ後シート検知部SNの検知時間と、設定した画像位置シフト量とから減速タイミングを算出する。つまり、検知タイミングのズレ分と、S33又はS26で設定した画像位置シフト量とのトータル分だけ、坪量が通常であってズレのない称呼の時刻にシートが搬送されてきた場合のタイミングに対してシフトさせたタイミングで、減速する(S30)。即ち、このシフトさせたタイミングで、プロセススピードより速くされている速度をプロセススピードに減速する(S30)。そして、シートSは、2次転写部29へと送られ(S31)、2次転写部29で、その所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写される。
【0091】
本実施形態では、ローラ駆動制御部23cは、Ls>Lsnの場合には、上記減速タイミングを、Ls<Lsnの場合よりも遅くするように制御し、Ls>L2の場合には、上記減速タイミングを、Ls<L2の場合よりも遅くするように制御する。また、ローラ駆動制御部23cは、Lsn<Ls<L2の場合には、上記減速タイミングを、Ls<Lsnの場合よりも遅くするように制御し、L2<Lsの場合には、上記減速タイミングを、Lsn<Ls<L2の場合よりも遅くするように制御する。
【0092】
以上説明したように本実施形態では、シート長さ判断部23bは、搬送されるシートの搬送方向長さLsが、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離より長いか否かを判断する。そして、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、シート長さ判断部23bにより分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより長いと判断された際、以下の制御を行う。つまりローラ駆動制御部23cは、分離給送部67のニップ部からレジ後シート検知部SNまでの搬送距離Lsnより短い場合に比して、レジ後シート検知部SNでシートSの先端を検知した後に転写時速度まで減速させる減速タイミングを遅くするように制御する。これにより、第2の実施形態においても、第1の実施形態の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0093】
なお、上記のように減速タイミングを制御するのではなく、レジ後シート検知部SNの検知結果に基づき、レジ駆動モータ25、搬送ローラ駆動モータ26への信号を制御してシート搬送速度を加減速することによっても画像位置を制御することは可能である。
【0094】
<第3の実施形態>
以上ここまで、基準同期信号と同時に画像形成が開始され、画像形成の開始に対するレジストローラ対76の再給紙タイミングや、レジストローラ対76の搬送速度を変更する形態等に関して説明したが、本実施形態では以下のような制御を行う。即ち、制御部としてのプロセス制御部23dが、シート長さ判断部23bによる判断に応じて、中間転写ベルト31上のトナー像をシートの所定位置に転写し得るように以下のように制御する。つまり、プロセス制御部23dは、搬送されるシートSの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートSの先端がレジスト部に到達した際にシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持される長さの場合には、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの長さが上記所定長さ未満の場合よりも、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する。このように、シートSの搬送方向長さが第1シート長の場合と第2シート長の場合とで画像の書き出しのタイミングを変更するように制御する。
【0095】
本実施形態では、レジストローラ対76の搬送制御はシートの種類に依らずに変更せず、図6でのシフト量分だけ画像の書き出し(画像の形成の開始)のタイミングを遅く行うように制御することで同等の効果を得る。ここで、画像の書き出し(画像の形成の開始)のタイミングとは、感光体ドラム11への静電潜像の形成タイミングを意味する。言い換えると、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングは、感光体ドラム11に静電潜像を形成し始めるタイミングである。本プロセス制御部23dは、搬送方向長さが第1シート長であるとシート長さ判断部23bで判断された際、第2シート長である場合に比して、画像形成部1Bによる感光体ドラム11への静電潜像の形成タイミングを遅くするように制御する。
【0096】
本実施形態では、シートSの先端がレジストローラ対76に到達した時点でシートSの後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さの場合、次のように制御する。つまり、搬送されるシートSの搬送方向の長さが長い程、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを遅くするようにプロセス制御部23dが制御する。また、本実施形態では、分離給送部67から2次転写部(転写位置)29までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、次のように制御する。つまり、分離給送部67から転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合より、画像形成部1Bで感光体ドラム11に静電潜像を形成するタイミングを遅くするようにプロセス制御部23dが制御する。またプロセス制御部23dは、搬送されるシートSの坪量が所定の坪量以上の場合に、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを変更し、所定の坪量未満の場合には、画像形成部1Bが画像形成を開始するタイミングを変更しない。
【0097】
以下、画像の書出しタイミングをシートの長さに応じて変更する形態について詳述する。なお、本実施形態は、前述した第1の実施形態に対し、本発明に係る制御部がプロセス制御部23dに対応しているが、他の部分は略々同一であるため、図2、図3及び図6を兼用して説明することとする。
【0098】
まず、本実施形態における画像形成の開始の設定について、図11のフローチャートを用いて説明する。即ち、ステップS201で操作部から坪量が選択入力されると、坪量判断部23aは、坪量信号d2に基づいて、入力された坪量は通常か否かを判断する(S202)。その結果、坪量判断部23aが、坪量は通常だと判断した際(つまり、予め設定されている第1坪量範囲である普通の坪量の場合)には、ステップS208に進んで、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を通常時間M1に設定する。なお、本実施形態では、通常時間M1は0(ゼロ)に設定している。
【0099】
一方、ステップS202で坪量が通常でないと判断された場合(第2又は第3坪量範囲内の坪量の場合)には、シート長さ判断部23bは、ステップS203で上記操作部からユーザーにより選択入力されたシートサイズを、サイズ信号d3に基づいて判断する。即ち、シート長さ判断部23bは、ステップS204で、シートサイズ(紙長さ)が、レジストローラ対76のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する。その結果、上記の両ニップ部間より長くない(即ち、搬送方向長さLsは第1シートサイズである)と判断した場合、ステップS208に進んで、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を通常時間M1に設定する。
【0100】
一方、ステップS204で、シートの搬送方向長さLsは上記の両ニップ部間より長い(即ち、シートの搬送方向長さLsは第2又は第3シートサイズの何れかである)と判断した場合、ローラ駆動制御部23cは、更に次の判断を行う。即ち、ローラ駆動制御部23cは、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いか否かを判断する(S205)。その結果、これら両ニップ部間より短い(即ち、第2シートサイズである)と判断された場合、処理はステップS206へと進む。この際、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を、通常時間M1よりも長い時間である第2遅延時間M2に設定する。
【0101】
また、ステップS205において、シートの搬送方向長さLsが、2次転写部29のニップ部と分離給送部67のニップ部との間より長いとシート長さ判断部23bが判断した場合は、以下のステップS207に移行する。そして、基準同期信号の発生タイミングから画像形成を開始するまでの遅延時間を、通常時間M1よりも長く且つ第2遅延時間よりも長い時間である、第3遅延時間M3に設定する。
【0102】
次に、本第3の実施形態における画像の形成及びレジストローラ対76の搬送を含むシート給送の制御について、図12を参照して説明する。即ち、ステップS71において、制御部23のプロセス制御部23dで基準同期信号が生成される。基準同期信号は、連続してシートに画像を形成する場合には所定間隔毎に発せられる。基準同期信号が発生してから、上述したようにシートの種類に応じて設定された遅延時間が経過したかどうかをプロセス制御部23dが判断する(S72)。シートの種類に応じて設定された遅延時間が経過したら、画像形成を開始するようにプロセス制御部23dによって画像形成部1Bが制御される(S73)。具体的には、画像形成部1Bにおいて、感光体ドラム11への静電潜像の形成を開始する。
【0103】
プロセス制御部23dより基準同期信号を受けてから、所定時間後に(S74)、給紙ローラ65bや分離ローラ65cによって手差しトレイ65からのシート給送が開始されるようにローラ駆動制御部23cが給紙駆動モータ28を制御する(S75)。なお、基準同期信号の発生タイミングからシート給送の開始までの時間は、シートの種類に依らずに同じ時間である。
【0104】
そして、給送されたシート先端が停止したレジストローラ対76に到達するまで、搬送ローラ対75で搬送されるようにローラ駆動制御部23cが搬送ローラ駆動モータ26を制御する。なお、給紙ローラ65bで給送されたシートが搬送ローラ対75に到達した後に給紙駆動モータ28は停止され、搬送ローラ対75で搬送される。その後、基準同期信号が発生したタイミングから所定時間経過後の再給紙タイミングで(S76)、レジストローラ対76が回転を開始するように、ローラ駆動制御部23cがレジ駆動モータ25を制御する(S77)。なお、ここで基準同期信号が発生してから再給紙までの時間は、シートの種類に依らずに同じ時間である。この後、次シートの有無が判断され、次シートがある場合、処理はステップS71に戻り、次シートが無い場合、処理は終了する(S78)。
【0105】
本第3の実施形態では、画像形成部1Bで画像の形成を開始してからレジストローラ対76が再給紙するまでの時間が、シート種類に応じて変更される。これにより、分離給送部67での負荷によるレジストローラ対76の搬送効率の低下に起因した画像形成の精度劣化を防ぐことができる。また、本実施形態においても、シートSは2次転写部29へと送られ、2次転写部29での転写位置でその所定位置(適正な位置)にトナー像(画像)を転写することができる。上記レジストローラ対76は、ローラ駆動制御部23cの制御で、一定間隔毎にシートSを、転写位置である2次転写部29へ搬送するように制御される。
【0106】
更に、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、画像形成部1Bでの画像形成の開始からレジストローラ対76での再給紙までの時間がシート種類に応じて変更される。つまり本実施形態は、特に、レジスト部からの再給紙後に画像の書き出しを開始してもタイミング的に間に合うような画像形成装置では、レジスト部からの再給紙基準で画像の書き出しタイミングを決めているものも多く、このような画像形成装置で特に有効である。
【0107】
以上説明した第2の実施形態以外の第1及び第3の実施形態並びに変形例では、第1シート長は、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さとした。更に、第2シート長は、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持され得ない長さとして説明した。しかしこの構成に限らず、前述の第1及び第3の実施形態並びに変形例においても、第2の実施形態と同様に、第1及び第2シート長のいずれもが分離給送部67からの負荷を受け得る長さとした場合にも、前述の場合と同様の作用効果を得ることができる。即ち、第1及び第2シート長の双方を、シート先端がレジストローラ対76に到達した時点でシート後端側が分離給送部67のニップ部で挟持されて分離給送部67による負荷が作用し得る長さとする。そして、第1シート長は第2シート長よりも長さが長く、シート後端側に分離給送部67から受ける負荷が第2シート長よりも大きいものとする。このように第1シート長と第2シート長を定義した場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0108】
1…画像形成装置(カラーレーザプリンタ)、1B…画像形成部、23…制御部、23b…シート長さ判断部、23c…制御部(ローラ駆動制御部)、23d…制御部(プロセス制御部)、29…転写部(2次転写部)、31…像担持体(中間転写ベルト)、61a〜64a,61b〜64b,61c〜64c…分離給送部(給紙ローラ、給紙搬送ローラ、分離ローラ)、65…シート積載部材(手差しトレイ)、67…分離給送部、76…レジスト部(レジストローラ対)、d1…画像信号、L1,L2,Lsn,Lt,Lt1…搬送距離、Ls…シート搬送方向長さ、S…シート、SN…先端検知部(レジ後シート検知部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを一旦停止させた後、前記転写位置へシートを搬送するレジスト部と、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
搬送されるシートの搬送方向の長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
搬送されるシートの長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じて前記レジスト部が再搬送の開始のタイミングを変更し、搬送されるシートの坪量が前記所定の坪量未満の場合には、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを変更しない、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置に搬送するレジスト部と、を備え、
前記レジスト部が、転写時速度よりも速い速度でシートを搬送した後に、シートの先端が前記転写位置に達する前に前記転写時速度まで減速されるように構成された画像形成装置であって、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する制御部を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
搬送されるシートの搬送方向長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
搬送されるシートの長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするよう前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記レジスト部と前記転写部との間に配置されて前記レジスト部より搬送されてきたシートの先端を検知する先端検知部を備え、
搬送されるシートの搬送方向長さが前記分離給送部のニップ部から前記先端検知部までの搬送距離より長い場合には、前記分離給送部のニップ部から前記先端検知部までの搬送距離より短い場合に比して、前記先端検知部によりシートの先端を検知した後に前記転写時速度まで減速させるタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じて前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを変更し、前記搬送されるシートの坪量が所定の坪量未満の場合には、前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを変更しない、
ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置へ搬送するレジスト部と、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する制御部と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
搬送されるシートの搬送方向長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側に前記分離給送部から負荷を受け得る第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側に前記分離給送部から負荷を受けない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されて前記分離給送部による負荷が作用し得る長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記画像形成部が前記画像形成を開始するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記画像形成部で感光体に静電潜像を形成するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを変更し、前記所定の坪量未満の場合には、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを変更しない、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記レジスト部は、一定間隔毎にシートを前記転写位置へ搬送するように制御される、
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成部は、画像信号に対応する静電潜像が形成される感光体を備え、
前記静電潜像に基づくトナー画像を前記転写部が前記転写位置にてシートに転写し、
前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングとは、前記感光体に静電潜像を形成し始めるタイミングである、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記分離給送部を複数箇所に備え、
前記制御部は、複数箇所の前記分離給送部にそれぞれ対応するように速度制御を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを一旦停止させた後、前記転写位置へシートを搬送するレジスト部と、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように制御する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
搬送されるシートの搬送方向の長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
搬送されるシートの長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを早くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じて前記レジスト部が再搬送の開始のタイミングを変更し、搬送されるシートの坪量が前記所定の坪量未満の場合には、前記レジスト部がシートを一旦停止させた後にシートの搬送を開始するタイミングを変更しない、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置に搬送するレジスト部と、を備え、
前記レジスト部が、転写時速度よりも速い速度でシートを搬送した後に、シートの先端が前記転写位置に達する前に前記転写時速度まで減速されるように構成された画像形成装置であって、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように制御する制御部を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
搬送されるシートの搬送方向長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
搬送されるシートの長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記画像形成部による画像形成の開始に対する前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを遅くするよう前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記レジスト部と前記転写部との間に配置されて前記レジスト部より搬送されてきたシートの先端を検知する先端検知部を備え、
搬送されるシートの搬送方向長さが前記分離給送部のニップ部から前記先端検知部までの搬送距離より長い場合には、前記分離給送部のニップ部から前記先端検知部までの搬送距離より短い場合に比して、前記先端検知部によりシートの先端を検知した後に前記転写時速度まで減速させるタイミングを遅くするように前記制御部が前記レジスト部を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、搬送されるシートの長さに応じて前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを変更し、前記搬送されるシートの坪量が所定の坪量未満の場合には、前記レジスト部が前記転写時速度に減速するタイミングを変更しない、
ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成部にて形成されたトナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を転写位置にて転写する転写部と、
シート積載部材に積載されたシートを分離し、挟持して給送する分離給送部と、
前記分離給送部から給送されてきたシートを前記転写位置へ搬送するレジスト部と、
搬送されるシートの搬送方向の長さが所定長さ以上の、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持される長さの場合には、搬送されるシートの長さが前記所定長さ未満の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように制御する制御部と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
搬送されるシートの搬送方向長さが、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側に前記分離給送部から負荷を受け得る第1シート長の場合には、シートの先端が前記レジスト部に到達した際にシートの後端側に前記分離給送部から負荷を受けない、前記第1シート長よりも短い第2シート長の場合よりも、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
シートの先端が前記レジスト部に到達した時点でシートの後端側が前記分離給送部のニップ部で挟持されて前記分離給送部による負荷が作用し得る長さの場合であって、搬送されるシートの搬送方向の長さが長い程、前記画像形成部が前記画像形成を開始するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが長い場合には、前記分離給送部から前記転写位置までの搬送距離よりも搬送されるシートの長さが短い場合よりも、前記画像形成部で感光体に静電潜像を形成するタイミングを遅くするように前記制御部が制御する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、搬送されるシートの坪量が所定の坪量以上の場合に、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを変更し、前記所定の坪量未満の場合には、前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングを変更しない、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記レジスト部は、一定間隔毎にシートを前記転写位置へ搬送するように制御される、
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成部は、画像信号に対応する静電潜像が形成される感光体を備え、
前記静電潜像に基づくトナー画像を前記転写部が前記転写位置にてシートに転写し、
前記画像形成部が画像形成を開始するタイミングとは、前記感光体に静電潜像を形成し始めるタイミングである、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記分離給送部を複数箇所に備え、
前記制御部は、複数箇所の前記分離給送部にそれぞれ対応するように速度制御を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−46475(P2011−46475A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195863(P2009−195863)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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