説明

画像形成装置

【課題】記録媒体の面と並行な方向へ回動可能な吸着式のベルト搬送機構を用いることにより、記録媒体にダメージを与えることなくスキュー補正を行うと共に、ベルトによる吸着力を可変とすることで用紙厚・用紙種によらずスキュー補正が可能となる。
【解決手段】複数枚の記録媒体Mを収容して一枚ずつ給紙する給紙部2と、給紙部から給紙された記録媒体を搬送経路Pに沿って搬送する搬送機構10と、搬送経路を搬送される記録媒体上に画像を記録する画像記録部26を備えた画像形成ユニット20と、を有する画像形成装置において、画像記録部の上流に、搬送される記録媒体を吸着してその面方向に回転させる吸着搬送ベルト55を備えたスキュー補正搬送機構40を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録部に向けて搬送される記録媒体がスキューを起こした場合に、記録媒体を損傷したり、画像記録部への到達タイミングにズレを発生させることなくスキューを補正することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置(複写機、プリンタ)にあっては、給紙部から給紙された記録媒体を記録媒体搬送機構により転写部(画像記録部)に搬送し、転写部にて像担持体(感光体)上に形成された画像を記録媒体上に転写し、その後定着部にて画像を定着する。
また、インクジェットプリンタ等にあっては、給紙部から給紙された記録媒体を記録媒体搬送機構により印字部(画像記録部)に搬送し、印字部にて記録媒体上に画像を形成する。
上記画像形成プロセスの一連の流れの中で、給紙もしくは搬送時に記録媒体が正規の搬送方向に対して斜めになった(スキューしている)場合にそのまま画像記録部にて画像記録が行われると、記録媒体面に対して傾いて記録されたスキュー画像が形成される。
スキュー状態での画像記録を防止する対策としては、画像記録部の直前位置に配置されたレジストローラ対を停止させた状態でそのニップ部に記録媒体先端縁を突き当て、搬送手段により記録媒体を押し込むことによりスキュー補正を行う方法が知られている。
しかし、この方法では、記録媒体の先端縁に傷が発生したり、超厚の記録媒体、コート系の記録媒体においては搬送手段でのスリップによる押し込み量不足が発生しスキュー補正不足となる。
また、特許文献1のように、搬送方向に対して鉛直方向に設けられたゲートに記録媒体先端縁を突き当ててスキュー補正を行う方法等が提案されている。
しかし、このスキュー補正方法でも記録媒体の先端縁に傷が発生し易くなるという不具合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のスキュー補正のための方法では、レジストローラ対のニップ部に記録媒体先端を当接させた状態で記録媒体を押し込んだり、ゲートに記録媒体先端縁を突き当ててスキュー補正を行っていたため、記録媒体の先端縁に傷が発生したり、超厚の記録媒体、コート系の記録媒体をスキュー補正する際に搬送手段がスリップして押し込み量不足が発生しスキュー補正不足となっていた。
本発明は、記録媒体の面と並行な面方向へ回動可能な吸着式のベルト搬送機構を用いることにより、記録媒体にダメージを与えることなくスキュー補正を行うと共に、ベルトによる吸着力を可変とすることで用紙厚・用紙種によらずスキュー補正が可能となる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、複数枚の記録媒体を収容して一枚ずつ給紙する給紙部と、給紙部から給紙された記録媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、該搬送経路を搬送される該記録媒体上に画像を記録する画像記録部を備えた画像形成ユニットと、を有する画像形成装置において、前記画像記録部の上流に、搬送される前記記録媒体を吸着してその面方向に回転させる吸着搬送ベルトを備えたスキュー補正搬送機構を配置したことを特徴とする。
スキュー状態にある記録媒体を吸着搬送ベルトにより吸着して搬送経路から持ち上げた状態とし、吸着搬送ベルトを面方向へ回動させて搬送方向を補正してから、画像記録部に搬送するようにしたので、記録媒体にダメージを与えることなく、スキュー補正を行うことができる。
請求項2の発明は、前記スキュー補正搬送機構の上流に配置されて前記記録媒体のスキューの有無、及びスキュー角度を検出するスキュー検出部と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記スキュー検出部がスキューを検出した場合に、その検出結果に基づいて前記スキュー補正搬送機構を制御して、前記吸着搬送ベルトがスキュー状態にある前記記録媒体と同一方向になるように回転させてから該記録媒体を吸着させ、その後正規搬送方向となるように前記吸着搬送ベルトを回転させてから搬送することを特徴とする。
スキュー検出部がスキューを検出した場合に、その検出結果に基づいてスキュー補正搬送機構を制御して、吸着搬送ベルトによって記録媒体を吸着させて所定方向へ所定角度回転させる。このため、スキュー状態にあった記録媒体を正規搬送方向に補正した上で搬送することができる。この際、記録媒体にダメージを与えることが防止される。
【0005】
請求項3の発明は、前記スキュー補正搬送機構が前記スキュー補正動作を行ったことによって前記画像記録部への到達タイミングが変動する場合に、前記制御手段は前記吸着搬送ベルトによる前記記録媒体の搬送速度を変更して前記到達タイミングを適正に修正することを特徴とする。
スキュー補正搬送機構がスキュー補正動作を行ったことによって画像記録部への到達タイミングが変動する場合に、制御手段は吸着搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度を変更、調整して到達タイミングを適正に修正する。このように吸着搬送ベルトによる搬送時に搬送速度を可変とすることにより、転写時(画像記録時)の書き出し位置合わせが可能となる。
請求項4の発明は、前記吸着搬送ベルトによる吸着力を調整可能に構成したことを特徴とする。
吸着搬送ベルトによる記録媒体の吸着時に、吸着力を可変とすることにより、各種の記録媒体に対応することが可能となる。
請求項5の発明は、前記吸着搬送ベルトは、静電吸着式であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スキュー補正搬送機構の上流に記録媒体のスキューの有無、及びスキュー状態(スキュー角度)を検出するスキュー検出部を配置し、スキュー検出部がスキューを検出した場合に、その検出結果に基づいてスキュー補正搬送機構を制御して、吸着搬送ベルトによって記録媒体を吸着させて所定方向へ所定角度回転させる。このため、スキュー状態にあった記録媒体を正規搬送方向に補正した上で搬送することができる。この際、記録媒体にダメージを与えることが防止される。
また、吸着搬送ベルトによる記録媒体の吸着時に、吸着力を可変とすることにより、各種の記録媒体に対応することが可能となる。
スキュー補正搬送機構がスキュー補正動作を行ったことによって画像記録部への到達タイミングが変動する場合に、制御手段は吸着搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度を変更、調整して到達タイミングを適正に修正する。このように吸着搬送ベルトによる搬送時に搬送速度を可変とすることにより、転写時(画像記録時)の書き出し位置合わせが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としての電子写真式画像形成装置の概略構成説明図である。
【図2】スキュー補正搬送機構の具体例を示す外観斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は吸着搬送ベルトの断面図である。
【図4】スキュー検出部による検出動作を説明するための平面図である。
【図5】(a)乃至(d)は本発明によるスキュー補正方法を説明する平面図である。
【図6】(a)乃至(d)は本発明によるスキュー補正方法を説明する正面図である。
【図7】スキュー補正動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の画像形成装置の一例としての電子写真式画像形成装置の概略構成説明図である。
画像形成装置1は、カラー画像形成装置であり、給紙部2と、記録媒体搬送機構10と、画像形成ユニット20と、これらを制御する図示しない制御手段と、を概略備えている。
本発明の実施形態に係る画像形成装置1の特徴的な構成は、複数枚の記録媒体Mを収容して一枚ずつ給紙する給紙部2と、給紙部2から給紙された記録媒体Mを搬送経路Pに沿って搬送する記録媒体搬送機構10と、搬送経路Pを搬送される記録媒体M上にトナー画像を記録する画像記録部26を備えた画像形成ユニット20と、を有する画像形成装置において、画像記録部26の搬送方向上流位置に、搬送される記録媒体を吸着してその面方向に回転させて方向転換させる吸着搬送ベルト55を備えたスキュー補正搬送機構40を配置した点にある。
【0009】
また、スキュー補正搬送機構40の上流には、記録媒体のスキュー(正規搬送方向に対する傾き)の有無、及びスキュー状態(スキュー角度)を検出するスキュー検出部70が配置されている。
給紙部2は、記録媒体Mを積層した状態で収容する記録媒体収容部3と、記録媒体収容部3内の最上部の記録媒体に接してこれを搬送経路Pに送り出す給紙ローラ4等、を備えている。
搬送経路Pは、給紙部2から画像形成ユニット20を経て機外、或いは両面搬送路P1へ繋がっている。
搬送機構10は、搬送経路Pに沿って配置された搬送用のローラ対11等から構成されている。
【0010】
画像形成ユニット20は、一列に配列された複数個の感光体ドラム(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)21と、各感光体ドラムの外周に沿って順次配置された画像情報書込み部22、現像部23、及び一次転写部24と、一部の走行面を各感光体ドラム21に沿って配設された中間転写ベルト25と、感光体ドラム列の下流側に配置された二次転写部(画像記録部)26と、二次転写部26よりも搬送経路Pの下流側に配置された定着部27と、を概略備えている。二次転写部26には、搬送経路Pを搬送されてきた記録媒体Pの面上に中間転写ベルト25上のトナー像を転写するための二次転写手段(転写ローラ、転写コロトロン等)26aが設けられている。
中間転写ベルト25は、複数個の支持ローラ25aによってエンドレスに調整されており、矢印方向へ駆動される。
【0011】
各画像情報書込み部22では、図示しない原稿読取り部から得られた光学的な画像情報を、予め一様に帯電された各感光体ドラム21上に照射して静電潜像を形成し、各現像部23では各感光体ドラム上の静電潜像を各色のトナーで現像する。各一次転写部24では各感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト25の面上に順次重ね転写してゆき、重ねトナー像を形成する。
二次転写部26では、記録媒体搬送機構10によって搬送経路を二次転写部26に向けて搬送されてきた記録媒体M上に所定のタイミングにて中間転写ベルト25上の重ねトナー像を転写する。
二次転写部26を通過した記録媒体は、定着部27において加熱、加圧を受けて重ねトナー像が定着される。
この一連の流れにおいて、搬送経路Pを搬送される記録媒体に傾き(スキュー)が発生すると、二次転写部26上で画像記録される際に記録媒体とトナー画像の夫々の向きが平行とならず、画像ズレが生じる。
本発明では、スキュー補正搬送機構40、スキュー検出部70等を用いてこのようなスキューを修正するための補正作業を実施する。
【0012】
次に本発明の特徴的な構成について更に詳細に説明する。
図2はスキュー補正搬送機構40の具体例を示す外観斜視図である。
スキュー補正搬送機構40は、固定側の駆動部41と、可動部(ベルト搬送部)50とから概略構成されている。
駆動部41は、画像形成装置の固定部材に固定されたベルト搬送部回転駆動用のモータ42と、モータ42の出力軸と一体化された出力プーリ43と、可動部50側に回転自在に設けた従動プーリ44と、出力プーリ43と従動プーリ44との間に張設されてモータからの回転駆動力を可動部50に伝達する伝達ベルト45と、を備えている。
【0013】
可動部(ベルト搬送部)50は、従動プーリ44を回転自在に軸支するプーリ軸支部52を上部に有したケーシング51と、ケーシング51の2つの側壁51aに設けた軸受部51bによって夫々回転自在に軸支された前後2つの回転軸部53、54と、各回転軸部53、54と一体のローラによってエンドレスに張設された吸着式の吸着搬送ベルト55と、ケーシング51の後部に固定された搬送ベルト駆動用のモータ57と、モータ57の出力プーリ57aと回転軸部54と一体の従動プーリ58との間に張設された伝達ベルト59と、を備えている。
駆動部41は、ケーシング51上部の一つの角隅部に配置されている。
【0014】
図示しない制御手段による制御によってモータ42を正逆回転させることによって伝達ベルト45を介して従動プーリ44を正逆回転させると、可動部50はモータ42の出力軸を中心として水平面内で(記録媒体の面方向に)揺動(回動)する。モータ42の回転角度を高精度に制御することにより、搬送経路P上における可動部50の水平方向傾斜角度を微調整することができる。
搬送経路P上における記録媒体Mの正規搬送方向に対する可動部50の水平方向傾斜角度を所定に設定してから、モータ57を駆動して吸着搬送ベルト55を記録媒体搬送方向へ回転させることにより、記録媒体を吸着搬送ベルトによって吸着しつつ任意の方向に軌道修正することができる。即ち、上流側に位置するスキュー検出部70によって記録媒体の搬送姿勢にスキューがあることが判明した場合、制御手段は、スキュー検出部70から得た記録媒体のスキュー方向、スキュー角度に関する情報に基づいてモータ42を駆動して可動部50を所定方向へ所定角度回動させることにより、吸着搬送ベルト55によって吸着した状態の当該記録媒体の姿勢を正規搬送方向と合致させることができる。この際、搬送経路の幅方向に対する記録媒体の幅方向位置も正規に修正される。この状態でモータ57を駆動することにより記録媒体を転写部26に正規の姿勢で送り出すことができる。吸着搬送ベルト55による記録媒体の吸着は、スキューの補正が完了し、且つ下流側への送出が完了した時点で解除すればよい。
【0015】
本実施例においては、吸着式の吸着搬送ベルト55として静電吸着ベルトを用いた例を説明するが、可動部50を回動させる過程で記録媒体を吸着保持し続け、その後吸着を解除できる手段であれば、負圧吸引式等々、どのような吸着搬送ベルトであってもよい。
本実施例の静電式の吸着搬送ベルト55は、図3の断面図に示すように、複数の電極60を所定の間隔を隔てて長手方向(搬送方向)に配置すると共に、これらを絶縁層62内に埋設一体化したシート状の媒体をベルト状に構成したものである。隣接する各電極60の向きは、プラス電極60Aとマイナス電極60Bが交互に異なるように配列されている。これら電極60へ静電吸着ベルト電源部64によって電圧を印加すると誘電分極が発生し、記録媒体Mの吸着面が分極するため、静電吸着ベルト55との間に静電吸着力(クーロン力)が発生する。この静電吸着力により記録媒体Mを静電吸着ベルトに吸着することができる。
また、印加する電圧を可変とすることにより静電吸着力が可変となり、任意の紙種、紙厚に対応することが可能となる。
【0016】
次に、本実施例におけるスキュー検出部70としては、CIS(Contact Image Sensor:密着型撮像素子)を用いており、図4に示すように、記録媒体Mが搬送経路Pに沿って搬送されてきてCISに前端部M1が進入した時点で前端部を読み取り、その後規定距離記録媒体を搬送させて前端部M1が破線で示した記録媒体M`の位置に前進したときの前端部M1の位置を読み取る。また、CISは同様に記録媒体の側端部M2の位置の変化を読取る。
CISは、周知のようにイメージスキャナ等に用いられる素子であり、原稿からの反射光をCCDやCMOS撮像素子などのイメージセンサを使って検出してから画像データとして取り込むデバイスである。
【0017】
次に、図5、及び図6は本発明によるスキュー補正方法を説明する平面図、及び正面図であり、図7はスキュー補正動作を示すフローチャートである。
本発明に係るスキュー補正搬送機構、及びスキュー検出部を用いたスキュー補正方法について説明する。
まず、図5(a)、図6(a)に示すように記録媒体Mが転写部26に搬送されてくる直前に、スキュー検出部70により記録媒体の前端部M1、側端部M2を複数回検出し、記録媒体のスキューの有無、スキューがある場合の傾きを算出する(図7、S1、S2、S3)。
記録媒体Mの傾きの有無、傾き方向、傾き角度は、図4に示したように、搬送される記録媒体の前端縁M1が実線位置から破線位置までに移動した搬送距離Xと、搬送距離Xを移動する過程でCISよって読取られた側端部M2の各位置間の差yの比から算出する。
【0018】
次に記録媒体Mに傾きがあることが判明した場合には(S3、Y)、制御手段は検出された傾きを修正するために算出した角度分だけ可動部50を回転させ、可動部50(吸着搬送ベルト55)を記録媒体Mに対して平行にする(S7)。
可動部50の回転後に、図5、図6の(b)(c)に示すように、吸着搬送ベルト55に含まれる各電極60へ静電吸着ベルト電源部64から電圧を印加することにより吸着搬送ベルトに記録媒体Mを吸着させて持ち上げ(S8)、その後に可動部50をステップ7での回転方向とは逆方向へ同じ角度だけ回転させて吸着搬送ベルト55を元の位置に戻して記録媒体を正規の搬送方向、搬送位置に戻す(S10)。
なお、図6に示すように可動部50の回転時には搬送ローラ11の従動ローラ11b側を上昇させて両搬送ローラ11a、11bを離間させてニップを解除する。
【0019】
最後に図5(d)、図6(d)に示すように、モータ57を駆動して吸着搬送ベルト55を駆動させ、吸着搬送ベルト55により吸着した記録媒体Mの搬送を行う。ある程度記録媒体を送り出した時点で吸着搬送ベルト55による吸着を解除する。
この時、記録媒体がスキュー検出部70に到達した時間から記録媒体の進み量、もしくは遅れ量を算出することにより、吸着搬送ベルト55の搬送速度を変化させて転写部26への記録媒体到達時間を調節し、画像の書出し位置を合わせる(S5、6)。
ステップ3において、スキューが検出されない場合には吸着搬送ベルトによる吸着を行わないでそのまま転写部26へ搬送してもよいし、或いは吸着搬送ベルトによって吸着した上で到達時間の進みと遅延を判定した上で、搬送するようにしてもよい(S4、5、6)。
【0020】
このように本発明によれば、スキュー補正搬送機構40の上流に記録媒体のスキューの有無、及びスキュー状態(スキュー角度)を検出するスキュー検出部70を配置し、スキュー検出部がスキューを検出した場合に、その検出結果に基づいてスキュー補正搬送機構を制御して、吸着搬送ベルト55によって記録媒体を吸着させて所定方向へ所定角度回転させる。
より具体的には、スキュー検出部の検出結果に基づいてスキュー補正搬送機構を制御して、吸着搬送ベルトがスキュー状態にある記録媒体と同一方向になるように回転させてから該記録媒体を吸着させ、その後正規搬送方向となるように吸着搬送ベルトを逆回転させてから搬送する。
このため、スキュー状態にあった記録媒体を正規搬送方向に補正した上で搬送することができる。この際、記録媒体にダメージを与えることが防止される。
【0021】
また、吸着搬送ベルトによる記録媒体の吸着時に、吸着力を可変とすることにより、各種の記録媒体に対応することが可能となる。
スキュー補正搬送機構がスキュー補正動作を行ったことによって画像記録部への到達タイミングが変動する場合に、制御手段は吸着搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度を変更、調整して到達タイミングを適正に修正する。このように吸着搬送ベルトによる搬送時に搬送速度を可変とすることにより、転写時(画像記録時)の書き出し位置合わせが可能となる。
なお、本発明は電子写真式画像形成装置一般に適用できるばかりでなく、インクジェットプリンタ、その他の記録媒体搬送経路、画像記録部を備えた画像形成装置一般に適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1…画像形成装置、2…給紙部、3…記録媒体収容部、4…給紙ローラ、10…記録媒体搬送機構、11…搬送ローラ、11a…搬送ローラ、11b…従動ローラ、20…画像形成ユニット、21…各感光体ドラム、23…現像部、24…一次転写部、25…中間転写ベルト、26…画像記録部(二次転写部)、26a…二次転写手段、27…定着部、40…スキュー補正搬送機構、41…駆動部、42…モータ、43…出力プーリ、44…従動プーリ、45…伝達ベルト、50…可動部、51…ケーシング、51a…側壁、51b…軸受部、52…プーリ軸支部、53、54…回転軸部、55…吸着搬送ベルト(静電吸着ベルト)、57…モータ、57a…出力プーリ、58…従動プーリ、59…伝達ベルト、60…電極、60A…プラス電極、60B…マイナス電極、62…絶縁層、64…静電吸着ベルト電源部、70…スキュー検出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2007−106572公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を一枚ずつ給紙する給紙部と、給紙部から給紙された記録媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、該搬送経路を搬送される該記録媒体上に画像を記録する画像記録部を備えた画像形成ユニットと、を有する画像形成装置において、
前記画像記録部の上流に、搬送される前記記録媒体を吸着してその面方向に回転させる吸着搬送ベルトを備えたスキュー補正搬送機構を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記スキュー補正搬送機構の上流に配置されて前記記録媒体のスキューの有無、及びスキュー角度を検出するスキュー検出部と、制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記スキュー検出部がスキューを検出した場合に、その検出結果に基づいて前記スキュー補正搬送機構を制御して、前記吸着搬送ベルトがスキュー状態にある前記記録媒体と同一方向になるように回転させてから該記録媒体を吸着させ、その後正規搬送方向となるように前記吸着搬送ベルトを回転させてから搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記スキュー補正搬送機構が前記スキュー補正動作を行ったことによって前記画像記録部への到達タイミングが変動する場合に、前記制御手段は前記吸着搬送ベルトによる前記記録媒体の搬送速度を変更して前記到達タイミングを適正に修正することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸着搬送ベルトによる吸着力を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記吸着搬送ベルトは、静電吸着式であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−162343(P2012−162343A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22600(P2011−22600)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】