説明

画像形成装置

【課題】排出口付近でジャムが発生したときのジャム処理性を改良すること。
【解決手段】カバー74は装置本体の上面の左側における第2排出路70bの上部において、開閉軸741を軸として開閉自在に設置されている。第2排出路70bの上面壁はガイド部材80が形成しており、ガイド部材80は上流側にローラー81b、下流側にローラー82bを有しており、ローラー81bより第2排出路70bの用紙搬送方向上流側(下方側)の位置にある用紙搬送方向と直交する方向に延びる回動軸(不図示)によって装置本体10側と固定されている。カバー74を開けた後、ユーザーがガイド部材80を動かすと、ガイド部材80は回動軸回りに回動し、ローラー81aとローラー81b、ローラー82aとローラー82bがそれぞれ離間する。これにより、第2排出路70bを外部に開放することができ、第1排出路70に詰まっている用紙を取り除くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
用紙の排出路を開放するためのカバーを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成後の用紙にパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施す後処理装置が、コピー機に対してオプションで後付けされる場合がある。この場合、コピー機の排出口から出た用紙は直接後処理装置へと搬送されるが、後処理を行わない場合も後処理装置へ搬送され、当該装置の排出トレイに排出されていた。従って、排出のための搬送路が長くなることにより排紙時間の増加や、後処理装置が故障すると排紙が行われないといった問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されているように、排出口を複数設けた装置が提案されている。複数ある排出口を、後処理装置へ搬送する排出口とコピー機から直接排出する排出口とに使い分けることにより、後処理を行わない場合は後処理装置を経由することなくコピー機から直接用紙を排出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−67395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような構成のコピー機において、排出口付近でジャムが発生すると、ユーザーはコピー機の側面(後処理装置が設置される側の面)のカバーを開放して詰まった紙を取り出していた。つまり、コピー機と後処理装置の接続を解除して後処理装置を移動した後、コピー機の側面カバーを開放して紙を取り出すといった動作が必要であり、ジャム処理性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、排出口付近でジャムが発生したときのジャム処理性を良くした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明の画像形成装置は、上面と側面とを備える筐体構造を有する装置本体と、前記装置本体に収容され、用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記装置本体の一側面に設けられる第1用紙排出口と、前記第1用紙排出口より上方であって、前記上面の近傍において前記一側面に設けられる第2用紙排出口と、前記画像形成手段から前記第1用紙排出口に向けて用紙を搬送する主搬送路と、前記主搬送路から分岐して、前記第2用紙排出口へ用紙を搬送する副搬送路と、前記副搬送路の上面壁を形成し、前記副搬送路の用紙搬送方向と直交する方向に延びる回動支点を有し、当該回動支点回りに回動して前記副搬送路を開放可能なガイド部材と、前記装置本体の上面における前記ガイド部材と対向する部分に設けられた開閉自在なカバーと、を備え、前記カバーは、前記ガイド部材の上方を閉止する閉姿勢と、前記ガイド部材の上方を開放し、前記ガイド部材を前記回動支点回りに回動可能とする開姿勢との間で姿勢変更可能とされているものである。
【0008】
この構成によれば、副搬送路においてジャムが発生したとき、ユーザーはカバー開放後、ガイド部材を回動支点回りに回動することによって副搬送路を開放することができる。これにより、副搬送路に詰まっている用紙を取り除くことができ、ジャム処理を簡単に行うことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記回動支点は、前記ガイド部材における前記副搬送路の用紙搬送方向上流側に配置され、前記ガイド部材は当該回動支点回りに回動することによって当該ガイド部材が前記副搬送路から離間して前記副搬送路を開放するものである。
【0010】
この構成によれば、ガイド部材が回動支点回りに回動することによってガイド部材が副搬送路から離間するため副搬送路を外部に開放することができる。これにより、副搬送路に詰まっている用紙を取り除くことができ、ジャム処理を簡単に行うことができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、前記カバーは、前記副搬送路の下流側に開閉支点を有し、当該開閉支点回りに上方に回動することによって前記開姿勢となるものである。
【0012】
この構成によれば、副搬送路においてジャムが発生したら、ユーザーは即座にカバーを開放することができ、そしてガイド部材を回動することによって副搬送路に詰まっている用紙を取り除くことができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置であって、前記装置上面に載置された当該装置上面に対して開閉可能な第2装置本体を更に備え、前記第2装置本体はその下面における前記カバーと対向する角に面取り部を有するものである。
【0014】
この構成によれば、カバーの先端縁が第2装置本体の角部と干渉しないため、第2装置本体の開閉に関わらずカバーを開けることができる。また、カバーを開けたときの開口部を広く確保することができ、開口部から副搬送路へ手指を入れやすくすることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば副搬送路においてジャムが発生したとき、ユーザーはカバー開放後、ガイド部材を回動支点回りに回動することによって副搬送路を開放することができる。これにより、副搬送路に詰まっている用紙を取り除くことができ、ジャム処理を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図。
【図2】第1、第2排出路の構造を示す断面図。
【図3】第2排出路の構造を示す断面図。
【図4】第2排出路の構造を示す断面図。
【図5】第2排出路の構造を示す斜視図。
【図6】自動原稿給送装置の面取り部を説明するため斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として複写機を例示するが、画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよい。
【0018】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する装置本体10と、装置本体10上に配置される自動原稿給送装置20とを備える。装置本体10の内部には、複写する原稿画像を光学的に読み取る読取ユニット25と、用紙に画像形成処理を行う画像形成部30と、画像形成部30へ搬送される用紙を貯留する給紙部40と、用紙を給紙部40から画像形成部30を経由して用紙排出口10Eまで搬送する搬送経路50とが収容されている。
【0019】
自動原稿給送装置20は、装置本体10の上面10Tに開閉自在に取り付けられている。自動原稿給送装置20は、装置本体10における自動原稿読取位置(第1コンタクトガラス241が組み付けられた位置)に向けて、複写される原稿を自動給送する。一方、ユーザーが手置きで原稿を所定の原稿読取位置(第2コンタクトガラス242の配置位置)に載置する場合は、自動原稿給送装置20は上方に開けられる。自動原稿給送装置20は、原稿が載置される原稿トレイ21と、原稿を自動原稿読取位置を経由して搬送する原稿搬送部22と、読取後の原稿が排出される原稿排出トレイ23とを含む。
【0020】
また、自動原稿給送装置20の装置の左側面10L側であってカバー74に対向する角は面取り加工が施されており、この部分を面取り部29という。この面取り部29については後ほど詳しく説明する。
【0021】
読取ユニット25は、装置本体10の上面の自動原稿給送装置20から自動給送される原稿の読取用の第1コンタクトガラス241、又は手置きされる原稿の読取用の第2コンタクトガラス242を通して、原稿の画像を光学的に読み取る。読取ユニット25内には、光源、移動キャリッジ、反射ミラー等を含む走査機構と、撮像素子とが収容されている(図略)。走査機構は、原稿に光を照射し、原稿を反射した反射光を撮像素子に導く。撮像素子は、前記反射光をアナログ電気信号に光電変換する。前記アナログ電気信号は、A/D変換回路でデジタル電気信号に変換された後、画像形成部30に入力される。
【0022】
画像形成部30は、トナー画像を生成しこれを用紙上に転写する作像部31と、前記トナー像を用紙に定着させる定着部36とを含む。作像部31は、フルカラーのトナー像を形成するために、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つのユニット32Y、32M、32C、32Bkを含む画像形成ユニット32と、画像形成ユニット32の上に隣接して配置された中間転写ユニット33と、中間転写ユニット33上に配置されたトナー補給部34とを含む。
【0023】
各画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkは、感光体ドラム321と、この感光体ドラム321の周囲に配置された、帯電器322、露光器323、現像装置324、一次転写ローラー325及びクリーニング装置326とを含む。
【0024】
感光体ドラム321は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム321としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器322は、感光体ドラム321の表面を均一に帯電する。露光器323は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム321の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0025】
現像装置324は、感光体ドラム321上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム321の周面にトナーを供給する。現像装置324は、2成分現像剤用のものであり、攪拌ローラー、磁気ローラー、及び現像ローラーを含む。攪拌ローラーは、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラーの周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラーの周面には、磁気ローラーと現像ローラーとの間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラー上のトナーは、感光体ドラム321の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
【0026】
一次転写ローラー325は、中間転写ユニット33に備えられている中間転写ベルト331を挟んで感光体ドラム321とニップ部を形成し、感光体ドラム321上のトナー像を中間転写ベルト331上に一次転写する。クリーニング装置326は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム321の周面を清掃する。
【0027】
中間転写ユニット33は、中間転写ベルト331、駆動ローラー332、従動ローラー333及びテンションローラー334を備える。中間転写ベルト331は、これらローラー332、333及び334に架け渡された無端ベルトであって、中間転写ベルト331の外周面には、複数の感光体ドラム321からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。駆動ローラー332は中間転写ベルト331を周回させるための駆動力が付与されるローラーであり、その周面に対向して二次転写ローラー35が配置されている。駆動ローラー332と二次転写ローラー35とのニップ部は、中間転写ベルト331に重ね塗りされたフルカラーのトナー像を用紙に転写する二次転写部35Aとなる。尚、従動ローラー333は、中間転写ベルト331の周回に応じて従動するローラー、テンションローラー334は中間転写ベルト331に所定の張力を付与するローラーである。
【0028】
トナー補給部34は、イエロー用トナーコンテナ34Y、マゼンタ用トナーコンテナ34M、シアン用トナーコンテナ34C及びブラック用トナーコンテナ34Bkを含む。これらトナーコンテナ34Y、34C、34M及び34Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット32Y、32M、32C及び32Bkの現像装置324に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
【0029】
定着部36は、誘導加熱方式で加熱される定着ベルトを外周に備えた定着ローラー361と、該定着ローラー361に押圧当接されて定着ニップ部を形成する加圧ローラー362とを含む。上記二次転写部35Aにおいてトナー像が二次転写された用紙は、上記定着ニップ部を通過し、加熱及び加圧されることで、トナー像が用紙表面に定着される。
【0030】
給紙部40は、画像形成処理が施される用紙を収容する2段の給紙カセット40A及び40Bを備える。これら給紙カセット40A及び40Bは、装置本体10の前方から手前方向に引出可能である。給紙カセット40A及び40Bは、自動給紙用に設けられたカセットであるが、装置本体10の右側面10Rには、手差し給紙用の給紙トレイ46も設けられている。給紙トレイ46は、その下端部において装置本体10に対して開閉自在に取り付けられている。ユーザーは、手差し給紙を行う場合、図示の通り給紙トレイ46を開き、その上に用紙を載置する。
【0031】
給紙カセット40A(40B)は、複数の用紙が積層されてなる用紙束を収納する用紙収容部41と、前記用紙束を給紙のためにリフトアップするリフト板42とを備える。給紙カセット40A(40B)の右端側の上部には、ピックアップローラー43と、給紙ローラー44とリタードローラー45とのローラー対とが配置されている。ピックアップローラー43及び給紙ローラー44の駆動により、給紙カセット40A内の用紙束の最上層の用紙が1枚ずつ繰り出され、搬送経路50の上流端へ搬入される。一方、給紙トレイ46に載置された用紙は、同様にピックアップローラー461及び給紙ローラー462の駆動によって、搬送経路50へ搬入される。
【0032】
搬送経路50は、給紙部40から作像部31を経由して定着部36の出口まで用紙を搬送する主搬送路50Aと、用紙に対して両面印刷を行う場合に片面印刷された用紙を作像部31に戻すための反転搬送路50Bと、主搬送路50Aの下流端から反転搬送路50Bの上流端へ用紙を向かわせるためのスイッチバック搬送路50Cと、主搬送路50Aの下流端から装置本体10の左側面10Lに設けられた用紙排出口10Eまで用紙を水平方向に搬送する水平搬送路50Dとを含む。
【0033】
主搬送路50Aの、二次転写部35Aよりも上流側には、レジストローラー対51が配置されている。用紙は、レジストローラー対51にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、二次転写部35Aに送り出される。この他、主搬送路50Aには、用紙を搬送するための搬送ローラー52が複数配置されている。他の搬送路50B、50C及び50Dも同様である。
【0034】
水平搬送路50Dの最下流側は、第1排出路70aと第2排出路70bとに分岐している。第1排出路70aと第2排出路70bの分岐点には切り替えレバー71が配置され、この切り替えレバー71の方向によって水平搬送路50Dを流れてきた用紙の排出先が決まる。図1に示すように切り替えレバー71が実線の位置にあるとき、用紙は第2排出路70bへ送られ、切り替えレバー71が点線の位置にあるとき、用紙は第1排出路70aへ送られる。この切り替えレバー71は、駆動部(不図示)によって動かされ、駆動部は画像形成装置1の装置全体の動作制御を司る制御部(不図示)によって駆動制御される。
【0035】
第1排出路70aの用紙排出口10Eから出た用紙は、装置本体10の左側面10Lに配置される後処理装置9へ送り込まれる。尚、後処理装置9が取り付けられない画像形成装置では、用紙排出口10Eの下方に用紙排出トレイが設けられる。
【0036】
後処理装置9は、装置本体10に対して後付けで付加されるオプションユニットであって、画像形成後の用紙にパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施して排出する装置である。後処理装置9は、用紙排出口10Eに臨み用紙を受け入れる受入口901と、後処理のための機構部を内蔵する本体部91と、処理後の用紙が排出される排出トレイ92とを備える。
【0037】
第2排出路70bの用紙排出口10Fには排紙ローラー82が配置されており、この排紙ローラー82が装置本体10の用紙排出口10Fの下方に設置されている排紙トレイ73に用紙を排出する。画像形成装置1の制御部は、パンチング処理やステイプル処理等の後処理を行わない場合は、切り替えレバー71を実線の位置にして用紙を第2排出路70bに導き、排出トレイ73に排出させる。一方、後処理を行う場合、制御部は切り替えレバー71を点線の位置にして用紙を第1排出路70aに導き、後処理装置9へ送り込む。
【0038】
尚、連続して用紙処理している間(例えば、10枚のコピー等)に後処理装置9内においてジャムが発生した場合、その時点で制御部は切り替えレバー71を点線の位置から実線の位置に切り替える。これにより、装置本体10内を搬送中の用紙は、第2排出路70bへ導かれて排出トレイ73から排出する。そして、後処理装置9が故障等で動作しないときでも、装置本体10は停止することなく、制御部は切り替えレバー71を実線の位置にする。これにより、用紙は故障している後処理装置9に誤って送り込まれることがなく、排出トレイ73に確実に排出される。
【0039】
また、装置本体10の上面10Tであって第2排出路70bの上部にはカバー74が取り付けられている。このカバー74は、上方へ開閉自在であり、開姿勢と閉姿勢との間で姿勢変更可能である。尚、図1ではカバー74は閉姿勢となっている。
【0040】
第2排出路70bについて詳しく説明する。図2は、第2排出路70bの構造を示す断面図である。図中の矢印Y1は用紙が第2排出路70bへ送り込まれたときの経路であり、矢印Y2は用紙が第1排出路70aに送り込まれたときの経路である。第2排出路70bには、駆動ローラーであるローラー81a及び82aと、従動ローラーであるローラー81b及び82bが配置されている。これらのローラーは、第1排出路70に送り込まれた用紙を用紙排出口10Fに向けて搬送する搬送ローラーである。ローラー81a及び82aは不図示のモーターによって回転駆動され、これらのローラーの周回に応じてローラー81b及び82bが従動する。尚、図1で示した排出ローラー82はローラー82aとローラー82bによって構成されている。
【0041】
ガイド部材80は第2排出路70bの上面壁を形成しており、同時にローラー81b及び82bを覆うフレーム84も形成している。ローラー82b及びローラー81bの回転軸はガイド部材80に固定されており、ガイド部材80はローラー81bより用紙搬送方向上流側(下方)の位置にある用紙搬送方向と直交する方向に延びる回動軸(不図示)によって装置本体10側と固定されている。
【0042】
従来、この第2排出路70bにおいてジャムが発生すると、ユーザーは装置本体10の左側面10L(後処理装置9が設置される側の面)の側面カバーを開放して詰まった紙を取り出していた。つまり、装置本体10と後処理装置9の接続を解除して後処理装置9を移動した後、側面カバーを開放して紙を取り出すといった動作が必要であり、ジャム処理性が悪かった。
【0043】
そこで、本実施形態では、第2排出路70bを外部に開放することが可能なカバー74を装置本体10の上面に設け、第2排出路70bに詰まった用紙を取り出しやすく改良した構造としている。図3は、カバー74が開姿勢のときの第2排出路70bの断面図である。同じく、図4はカバー74が開姿勢のときの斜視図である。カバー74は装置本体10の上面10Tの左側における第2排出路70bの上部において、開閉軸741を軸として上方へ開閉自在に取り付けられている。また、カバー74を開けたときの開口部は、ガイド部材80の上部全体が外部に開放可能なサイズであることが望ましい。
【0044】
カバー74を開けた後、図3に示すように、ユーザーがガイド部材80を矢印Y4の方向(図4で示す矢印Y5の方向)に動かすと、上述したローラー81bより用紙搬送方向上流側にある回動軸を軸としてガイド部材80が回動する。すると、ローラー81aとローラー81bが離間し、ローラー82aとローラー82bも離間する。ガイド部材80を矢印Y4方向に動かしたときの断面図が図5である。図5に示すように、ユーザーがガイド部材80を回動軸回りに回動することによって、第2排出路70bを外部に開放することができる。
【0045】
ガイド部材80と読取ユニット25との間には空間83があり、ガイド部材80はこの空間83内を許容範囲として移動可能である。この空間83は、空間83内をガイド部材80が移動して第2排出路70bが開放されたときに、ユーザーがこの第2排出路70bに手指を差し入れるためのスペースを確保できるだけの体積を有している。従って、第2排出路70bにジャムが発生した際、ユーザーは、カバー74を開けてガイド部材80を移動させることによって第2排出路70bを開きつつ、ジャムの原因となっている用紙を取り除くことができる。
【0046】
尚、このガイド部材80は、ローラー82aとローラー82bが常に接触する位置(閉じ位置)にあるようにバネ(不図示)等で付勢されている。従って、ユーザーが第2排出路70bから手指を抜くと、バネの付勢によってガイド部材は閉じ位置に向けて戻される。
【0047】
また、自動原稿給送装置20の下面におけるカバー74に対向する角は面取り加工を施している。図6はこの面取り部29を分かりやすく示した斜視図である。この面取り部29を設けることによって、自動原稿給送装置20が閉じた状態の時でもカバー74の先端縁が自動原稿給送装置20の角部と干渉しない。従って、自動原稿給送装置20の開閉に関わらずカバー74の開閉が行えると共に、カバー74を開けたときの開口部を広く確保することができ、開口部から第1搬送路70aへ手指を入れやすくすることができる。
【0048】
以上、説明したように装置本体10の上面であって、第2排出路70bの上部にカバー74を設け、更にローラー81bより用紙搬送方向上流側に設けた回動軸を軸としてガイド部材80が回動可能な構成とすることによって、ガイド部材80が回動するとローラー81aとローラー81b、ローラー82aとローラー82bがそれぞれ離間するため、第2排出路70bを外部に開放することができる。従って、第2排出路70bにおいてジャムが発生したときは、ユーザーはカバー74を開け、ガイド部材80のローラー82b側を動かすことによって第2排出路70bを開き、第2排出路70bに停滞している用紙を取り除くことができ、ジャム処理を簡単に行うことができる。
【0049】
更に、自動原稿給送装置20の下面におけるカバー74に対向する角は面取り加工を施すことによって、自動原稿給送装置20の開閉に関わらずカバー74の開閉が行えると共に、カバー74を開けたときの開口部を広く確保することができ、第1搬送路70aへ手指を入れやすくすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
10 装置本体
10E 用紙排出口(第1用紙排出口)
10F 用紙排出口(第2用紙排出口)
20 自動原稿給送装置(第2装置本体)
29 面取り部
30 画像形成部(画像形成手段)
70a 第1排出路(主搬送路)
70b 第2排出路(副搬送路)
71 切り替えレバー
73 排出トレイ
74 カバー
741 開閉軸(開閉支点)
80 ガイド部材
81a、81b、82a、82b ローラー
83 空間
84 フレーム
9 後処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と側面とを備える筐体構造を有する装置本体と、
前記装置本体に収容され、用紙に画像を形成する画像形成手段と、
前記装置本体の一側面に設けられる第1用紙排出口と、
前記第1用紙排出口より上方であって、前記上面の近傍において前記一側面に設けられる第2用紙排出口と、
前記画像形成手段から前記第1用紙排出口に向けて用紙を搬送する主搬送路と、
前記主搬送路から分岐して、前記第2用紙排出口へ用紙を搬送する副搬送路と、
前記副搬送路の上面壁を形成し、前記副搬送路の用紙搬送方向と直交する方向に延びる回動支点を有し、当該回動支点回りに回動して前記副搬送路を開放可能なガイド部材と、
前記装置本体の上面における前記ガイド部材と対向する部分に設けられた開閉自在なカバーと、
を備え、前記カバーは、前記ガイド部材の上方を閉止する閉姿勢と、前記ガイド部材の上方を開放し、前記ガイド部材を前記回動支点回りに回動可能とする開姿勢との間で姿勢変更可能とされている画像形成装置。
【請求項2】
前記回動支点は、前記ガイド部材における前記副搬送路の用紙搬送方向上流側に配置され、前記ガイド部材は当該回動支点回りに回動することによって当該ガイド部材が前記副搬送路から離間して前記副搬送路を開放するものである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記副搬送路の下流側に開閉支点を有し、当該開閉支点回りに上方に回動することによって前記開姿勢となるものである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置上面に載置された当該装置上面に対して開閉可能な第2装置本体を更に備え、前記第2装置本体はその下面における前記カバーと対向する角に面取り部を有するものである請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−168485(P2012−168485A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31577(P2011−31577)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】