説明

画像形成装置

【課題】現像剤像担持体から記録媒体上に転写された現像剤像から形成される画像の品質を向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、現像剤像を担持し、所定方向に動作する現像剤像担持体としての中間転写ベルト4と、現像剤像担持体の現像剤像を担持する側の反対側から押圧する第1の押圧部材としての二次転写バックアップローラ43と、第1の押圧部材と現像剤像担持体を介して対向して配置された転写部材としての二次転写ローラ61と、第1の押圧部材と転写部材との間に、現像剤像担持体の現像剤像を転写部材方向に移動させる電圧を印加する第1の電圧印加部としての二次転写バイアス供給部108と、第1の押圧部材の媒体搬送方向D3における上流側に、媒体を像担持体に密着させる密着部67とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤像担持体上に担持された現像剤像を所定方向に搬送される記録媒体上に転写することによって、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、現像剤像担持体上に形成された現像剤像を媒体上に転写することで媒体上に現像剤像を形成している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−134141号公報(図1、段落0016−0020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、現像剤像担持体上の現像剤像が媒体上に上手く転写されなくなるカスレや白点等の転写不良が生じる場合があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、現像剤像担持体から記録媒体上に転写された現像剤像から形成される画像の品質を向上させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、現像剤像を媒体に転写して媒体上に現像剤像を形成する画像形成装置であって、現像剤像を担持し、所定方向に動作する現像剤像担持体と、前記現像剤像担持体の現像剤像を担持する側の反対側から押圧する第1の押圧部材と、前記第1の押圧部材と前記現像剤像担持体を介して対向して配置された転写部材と、前記第1の押圧部材と前記転写部材との間に、前記現像剤像担持体の現像剤像を前記転写部材方向に移動させる電圧を印加する第1の電圧印加部と、前記第1の押圧部材の媒体搬送方向における上流側に、前記媒体を前記像担持体に密着させる密着部とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置によれば、現像剤像担持体から記録媒体上に転写された現像剤像から形成される画像の品質を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタの構造を概略的に示す縦断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1における二次転写装置の構造を概略的に示す図である。
【図4】図3に示される二次転写ローラの断面構造を概略的に示す図である。
【図5】図3に示される二次転写プレニップローラの断面構造を概略的に示す図である。
【図6】(A)は、第1の比較例で発生する問題点を示す図であり、(B)は、第1の実施形態において第1の比較例の問題点が生じない理由を示す図である。
【図7】(A)は、第2の比較例の二次転写ニップの上流側近傍において中間転写ベルトに担持されたトナー画像を概略的に示す断面図であり、(B)は、第1の実施形態の二次転写ニップの上流側近傍において中間転写ベルトに担持されたトナー画像を概略的に示す断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像形成装置における二次転写プレニップバイアス電圧とトナー画像ズレのレベルとの関係を示すグラフである。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタの構造を概略的に示す縦断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像形成装置の制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】図9に示される二次転写装置の構造を概略的に示す図である。
【図12】図9に示される二次転写装置における押し込み量を示す図である。
【図13】第3の実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタにおける二次転写装置の構造を概略的に示す図である。
【図14】図13に示される二次転写装置における押し込み量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《1》第1の実施形態
《1−1》第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ(カラー画像記録装置)の構造を概略的に示す縦断面図である。第1の実施形態に係る画像形成装置1は、タンデム方式のカラーLEDプリンタである。ただし、本発明が適用可能な画像形成装置には、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)、モノクロプリンタなどのような、電子写真方式を採用する他の装置も含まれる。
【0010】
図1に示されるように、画像形成装置1は、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像を形成する画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cと、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像情報に基づく露光を行う露光装置としてのLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cと、現像剤像担持体としての無端状の中間転写体である中間転写ベルト4とを有している。また、画像形成装置1は、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C内の各感光体上から中間転写ベルト4へのトナー画像の転写(一次転写)を行うための一次転写ローラ5K,5C,5M,5Yと、中間転写ベルト4上に担持された現像剤像としてのトナー画像が転写(二次転写)される二次転写ベルト6と、記録媒体(単に「媒体」とも言う。)Pとしての用紙を1枚ずつ順に供給する給紙装置(媒体供給部)7と、記録媒体P上に転写されたトナー画像を定着させる定着器8とを有している。
【0011】
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの内部構造は、基本的に同じ構造であるので、画像形成ユニット2Kを例にとって説明する。図1に示されるように、画像形成ユニット2Kは、感光体21と、感光体21の表面を一様に帯電させる帯電器としてのチャージローラ22と、一様に帯電した感光体21の表面をLEDヘッド3Kで露光することによって形成された静電潜像を現像剤としてのトナーで現像する現像ローラ23と、現像ローラ23の表面にトナーを供給しながら、トナーをマイナス極性に摩擦帯電させるスポンジローラ25と、現像ローラ23の表面に供給されたトナーを均一な薄層にする現像ブレード24と、スポンジローラ25に供給するトナーを収容するトナーカートリッジ26と、感光体21の表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレード27とを有している。なお、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーをそれぞれ収容する画像形成ユニット2Y,2M,2Cは、ブラックトナーを収容する画像形成ユニット2Kと同様の構成であるが、トナーカートリッジ27に収容されているトナーの色が異なる。
【0012】
また、画像形成装置1は、駆動ローラ41と、アイドルローラ42と、第1の押圧部材としての二次転写バックアップローラ43と、第2の押圧部材としての二次転写プレニップバックアップローラ44とを有しており、中間転写ベルト4は、駆動ローラ41、アイドルローラ42、二次転写バックアップローラ43、及び二次転写プレニップバックアップローラ44に巻き掛けられている。図示しないモータなどから成る駆動機構で駆動ローラ41を回転させることによって、中間転写ベルト4は矢印D1方向に移動し、この移動によって、中間転写ベルト4に担持されたトナー画像は矢印D1方向に搬送される。また、中間転写ベルト4を挟んで画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの各感光体21に対向する位置に、一次転写ローラ5K,5Y,5M,5Cが配置されている。中間転写ベルト4上には、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの各感光体21上に形成された各色のトナー画像が一次転写ローラ5K,5Y,5M,5Cに印加されるバイアス電圧である一次転写バイアスによって転写され、中間転写ベルト4上で各色のトナー画像が重ね合わされて、カラートナー画像が形成される。中間転写ベルト4上に担持されたトナー画像は、中間転写ベルト4によって矢印D1方向に搬送されて、二次転写装置60(図3において詳述する。)に到達する。なお、図1において、符合45は、中間転写ベルト4上のトナーを除去するクリーニングブレードであり、符合46は、クリーニングブレード45によって除去されたトナーを収容する廃トナー収容部である。
【0013】
また、画像形成装置1は、転写部材としての二次転写ローラ61と、二次転写ローラ61よりも媒体搬送方向D3の上流側に配置された二次転写プレニップローラ62と、二次転写ベルト6を支持するクリーニングバックアップローラ63と、クリーニングバックアップローラ63に二次転写ベルト6を挟んで対向配置されたクリーニングブレード64とを有している。二次転写ベルト6は、二次転写プレニップローラ62と二次転写ローラ61とクリーニングバックアップローラ63とに巻き掛けられている。図示しないモータなどから成る駆動機構からの駆動力により、二次転写プレニップローラ62、二次転写ローラ61、及びクリーニングバックアップローラ63のいずれかを回転させることによって、二次転写ベルト6は矢印D2方向に移動する。また、画像形成装置1は、二次転写装置60を通過した記録媒体Pを検出する搬送センサ65と、記録媒体Pをガイドするガイド部材66とを有している。
【0014】
また、画像形成装置1は、二次転写装置60に記録媒体Pを供給する給紙装置7の構成として、記録媒体Pを収容する媒体収容カセット71と、ホッピングローラ72と、レジストセンサ73と、レジストローラ74と、ピンチローラ75と、ガイド部材76とを有している。ホッピングローラ72により媒体収容カセット71から1枚ずつ順に取り出された記録媒体Pが、レジストローラ74とピンチローラ75との当接部(給紙ニップ)に到達すると、レジストセンサ73は、記録媒体Pがレジストローラ74とピンチローラ75との給紙ニップに到達したことを検知する。レジストローラ74は、中間転写ベルト4上に一次転写されたトナー画像が、二次転写ニップ(図3の符号61a)に到達するタイミングにあわせて、記録媒体Pを二次転写ニップに向けて送り出す。二次転写ニップに向けて送り出された記録媒体Pは、中間転写ベルト4上のトナー画像と重なりながら、二次転写ニップに向けて移動する。記録媒体Pは、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6に挟まれた状態で搬送され、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43とが対向する位置である二次転写ニップで、中間転写ベルト4上のトナー画像が記録媒体P上に転写される。
【0015】
また、画像形成装置1は、定着器8の構成として、加熱ローラ81と、加圧ローラ82と、加熱ローラ81を内部から加熱するハロゲンヒータ83と、温度検出器84とを有している。加圧ローラ82は、図示しないスプリング等から成る付勢部材によって加熱ローラ81に押し当てられており、加圧ローラ82と加熱ローラ81の当接部は、定着ニップを形成している。ハロゲンヒータ83は、温度検出器84の検出値に応じて、加熱ローラ81の温度が所定温度範囲内になるように、制御される。定着器8に到達した記録媒体Pは、定着ニップを通過するときに加熱及び加圧され、記録媒体P上に転写されたトナー画像が溶融、定着されて、カラー画像が形成される。カラー画像が形成された記録媒体Pは、排出ガイド85に導かれて画像形成装置1の上面のスタッ力86上に排出される。なお、画像形成装置1の各構成の形状及び配置は、図示の例に限定されない。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示されるように、第1の実施形態に係る画像形成装置1は、ホスト側からのコマンド及び画像データを処理するコマンド/画像処理部101と、高圧制御部103と、コマンド/画像処理部101からの指令に従い、各構成を制御する機構制御部102と、チャージバイアス供給部104と、現像バイアス供給部105と、スポンジバイアス供給部106と、一次転写バイアス供給部107と、第1の電圧印加部としての二次転写バイアス供給部108と、第2の電圧印加部としての二次転写プレニップバイアス供給部109とを有している。
【0017】
コマンド/画像処理部101は、画像形成装置1全体の動作を制御する。コマンド/画像処理部101は、入力された画像データの解釈とビットマップへの展開を行って、展開された画像データをLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cに送信する。LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cの各々は、受信した画像データに基づいて発光する。
【0018】
機構制御部102は、コマンド/画像処理部101からの指令に従い、例えば、レジストセンサ73の出力の監視、ハロゲンヒータ83の制御、高圧制御部103への各高圧出力の指示などを行う。また、機構制御部102は、制御プログラムが記憶するフラッシュメモリ及びEEPROMを有しており、この制御プログラムに基づく制御を行う。
【0019】
高圧制御部103は、チャージバイアス供給部104、現像バイアス供給部105、スポンジバイアス供給部106、一次転写バイアス供給部107、二次転写バイアス供給部108、及び二次転写プレニップバイアス供給部109の制御を行う。チャージバイアス供給部104は、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cのチャージローラ22のそれぞれに、チャージバイアス電圧を供給する。現像バイアス供給部105は、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの現像ローラ23のそれぞれに、現像バイアス電圧を供給する。スポンジバイアス供給部106は、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cのスポンジローラ25のそれぞれに、スポンジバイアス電圧を供給する。一次転写バイアス供給部107は、転写ローラ5K,5Y,5M,5Cのそれぞれに、一次転写バイアス電圧を供給する。二次転写バイアス供給部108は、二次転写ローラ61に二次転写バイアス電圧を供給する。二次転写プレニップバイアス供給部109は、二次転写プレニップバックアップローラ44に二次転写プレニップバイアス電圧を供給する。
【0020】
図3は、図1における二次転写装置60の構造を概略的に示す図である。第1の実施形態における二次転写装置60は、現像剤像担持体としての中間転写ベルト4と、第1の押圧部材としての二次転写バックアップローラ43と、転写部材としての二次転写ローラ61と、第1の電圧印加部としての二次転写バイアス供給部108と、二次転写バイアス供給部108を制御する高圧制御部103と、密着部67とを有している。
【0021】
中間転写ベルト4は、トナー画像Tを担持する第1の面4a(図1における外側の面)と、この第1の面4aの反対側の第2の面4b(図1における内側の面)とを有し、第1の面4a上に担持されたトナー画像Tを搬送する。二次転写バックアップローラ43は、中間転写ベルト4の第2の面4bを、二次転写ローラ61に向けて押圧する。
【0022】
図3に示すように、二次転写部A1は、二次転写バックアップローラ43と、中間転写ベルト4と、二次転写ローラ61と、二次転写ベルト6とで構成される。二次転写ローラ61は、二次転写ベルト6と中間転写ベルト4を介して二次転写バックアップローラ43に対向配置され、二次転写部A1を形成する。また、二次転写ローラ61は、中間転写ベルト4の第1の面4a上に担持されたトナー画像Tを、媒体搬送方向D3に搬送される記録媒体P上に移動(転写)させる。二次転写バイアス供給部108は、二次転写バックアップローラ43と二次転写ローラ61との間に転写電圧を印加する。高圧制御部103は、転写電圧によってトナー画像Tが中間転写ベルト4の第1の面4a上から記録媒体P上に転写するように、二次転写バイアス供給部108を制御する。
【0023】
密着部67は、中間転写ベルト4と二次転写ローラ61との間の搬送経路に沿って媒体搬送方向D3に搬送される記録媒体Pを、二次転写バックアップローラ43の中間転写ベルト4の動作方向であって媒体搬送方向D3における直前の上流側の所定領域において中間転写ベルト4に密着させる手段である。密着部67は、本実施形態においては、中間転写ベルト4と、二次転写バックアップローラ43の媒体搬送方向における上流側に配設された第2の押圧部材としての二次転写プレニップバックアップローラ44と、搬送部材としての二次転写ベルト6と、二次転写ローラ61の媒体搬送方向における上流側に配設された補助部材としての二次転写プレニップローラ62とを有している。ここで、二次転写プレニップローラ62と二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4及び二次転写ベルト6を介して互いに当接している。
【0024】
二次転写プレニップバックアップローラ44は、二次転写バックアップローラ43の媒体搬送方向D3における上流側に配置され、中間転写ベルト4の第2の面4bを押圧する。第1の実施形態においては、二次転写プレニップバックアップローラ44は、二次転写バックアップローラ43の媒体搬送方向D3における上流側において、中間転写ベルト4の第2の面4bを、二次転写プレニップローラ62に向けて押圧している。
【0025】
二次転写ベルト6は、中間転写ベルト4の第1の面4aに当接する第3の面6aとこの第3の面6aの反対側の第4の面6bとを有し、中間転写ベルト4の第1の面4aと二次転写ベルト6の第3の面6aとの間に搬送経路を構成する。二次転写ローラ61は、二次転写ベルト6の第4の面6bに当接する。
【0026】
二次転写プレニップローラ62は、二次転写ローラ61の媒体搬送方向D3における上流側に配置され、二次転写ベルト6の第4の面6bを押圧する。第1の実施形態においては、二次転写プレニップローラ62は、二次転写ベルト6の第4の面6bを、二次転写プレニップバックアップローラ44に向かう方向に押圧する。この結果、二次転写プレニップローラ62と二次転写プレニップバックアップローラ44とは、中間転写ベルト4及び二次転写ベルト6を間に挟んで互いに押圧し合うように対向配置されている。転写効率を高めるために、第1の押圧部材としての二次転写バックアップローラ43と転写部材としての二次転写ローラ61とが形成する押圧力(第1の押圧力であり、当接力ともいう。)は十分に大きな値とする必要がある。しかし、補助部材としての二次転写プレニップローラ62と第2の押圧部材としての二次転写プレニップバックアップローラ44との押圧部においては、画像が中間転写ベルト4に担持される程度の比較的小さな押圧力(第2の押圧力であり、当接力ともいう。)によってトナー画像Tに乱れが発生しない程度に押圧されていればよい。このため、第2の押圧力は、第1の押圧力よりも小さく設定することが好ましい。
【0027】
二次転写装置60、及び、これに含まれる密着部67に関する上記説明を纏めると、以下の通りである。二次転写ベルト6は、二次転写ローラ61、二次転写プレニップローラ62、及びクリーニングバックアップローラ63に巻き掛けられており、矢印D2方向に移動する。二次転写ローラ61は、二次転写バックアップローラ43に対向配置されて、二次転写ベルト6と中間転写ベルト4を介して、二次転写バックアップローラ43に所定の圧力で押し当てられている。二次転写プレニップローラ62は、二次転写プレニップバックアップローラ44に対向して配置されて、二次転写ベルト6と中間転写ベルト4を介して、二次転写プレニップバックアップローラ44に所定の圧力で押し当てられている。したがって、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6とは、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43が対向する位置(二次転写ニップ61a)と、二次転写プレニップローラ62と二次転写プレニップバックアップローラ44が対向する位置(プレニップ開始位置62a)との間の範囲(プレニップ領域)で互いに接触している。
【0028】
また、第1の実施形態においては、図3に示されるように、二次転写ローラ61には、二次転写バイアス供給部108により正の電位が印加されており、二次転写バックアップローラ43は、接地されており、二次転写プレニップローラ62は、接地されており、二次転写プレニップバックアップローラ44には、二次転写プレニップバイアス供給部109により正の電位が印加されている。
【0029】
図4は、図3に示される二次転写ローラ61の断面構造を概略的に示す図である。図4に示されるように、二次転写ローラ61は、金属シャフト61aと、その周囲に備えられた発泡ゴム層61bとを有している。発泡ゴム層102は、弾性を有し、且つ、所定の体積抵抗値を持つ導電性材料によって形成されており、スポンジ層とも称される。
【0030】
図5は、図3に示される二次転写プレニップローラ62の断面構造を概略的に示す図である。図5に示されるように、二次転写プレニップローラ62は、金属シャフト62aと、その周囲に備えられた発泡ゴム層62bとを有している。発泡ゴム層62bは、弾性を有し、且つ、所定の体積抵抗値を持つ導電性素材によって形成されており、スポンジ層とも称される。
【0031】
図6(A)は、第1の比較例の画像形成装置における二次転写装置460で生じる問題点を示す図であり、図6(B)は、第1の実施形態における二次転写装置60において第1の比較例の問題点が生じない理由を示す図である。
【0032】
中間転写方式を採用する電子写真方式の画像形成装置としてのカラープリンタでは、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色の現像剤像(トナー画像)が形成された各色用の感光体上から、各色のトナー画像を中間転写ベルト上に転写(一次転写)して各色のトナー画像を重ね合わせ、その後、中間転写ベルト上に担持されているトナー画像を記録媒体上に転写(二次転写)することで、記録媒体上にカラー画像を形成している。図6(A)に示されるように、二次転写を行う二次転写装置は、中間転写ベルト404と、この中間転写ベルト404が張架された二次転写バックアップローラ443と、中間転写ベルト404に接する二次転写ベルト406と、この二次転写ベルト406が張架された二次転写ローラ461とを主要な構成要素としている。二次転写ローラ461は、二次転写バックアップローラ443に対して中間転写ベルト404及び二次転写ベルト406を挟んで対向配置されている。二次転写ローラ461は、例えば、金属シャフトと、その外周に備えられたスポンジ部材とから構成されている。二次転写ローラ461は、二次転写ベルト406及び中間転写ベルト404を介して二次転写バックアップローラ443に所定の圧力で押圧されており、二次転写ベルト406と中間転写ベルト404との当接部に二次転写ニップ461aを形成している。二次転写ニップ461aにおいては、記録媒体Pは、二次転写ローラ461に張架された二次転写ベルト406と二次転写バックアップローラ443に張架された中間転写ベルト404との間に挟まれて搬送され、二次転写ニップ461aに印加された電圧による転写電界の作用によって、中間転写ベルト404上に担持された、帯電しているトナー画像Tが記録媒体P上に移動する。
しかし、二次転写ニップ461aが、二次転写ベルト406及び中間転写ベルト404と、これらを間に挟んで互いに押圧し合う1対のローラ(二次転写ローラ461と二次転写バックアップローラ443)とによって形成されている。このため、二次転写ニップ461aを通過するときに、二次転写ニップ461aの媒体搬送方向の上流側近傍において、記録媒体Pと中間転写ベルト404との間に空隙が発生し、二次転写ニップ461aに印加された転写電圧によって、この空隙にも転写電界が発生する。このような二次転写ニップ461aの上流側近傍の空隙において転写電界が発生すると、放電によって中間転写ベルト404上のトナー画像Tの帯電極性が反転し、中間転写ベルト404上に担持されたトナー画像Tが記録媒体Pに転写されなくなるといった転写不良が生じることがあり、その結果、記録媒体P上に形成された画像に、カスレや白点などの不良箇所が発生することがある。
また、図6(A)の第1の比較例の画像形成装置では、二次転写ニップ461aの上流側近傍の空隙に発生している転写電界によって、本来は二次転写ニップ461aにおいて中間転写ベルト404から記録媒体Pに移動すべきトナー画像Tが、二次転写ニップ461aに到達する前に、記録媒体Pに転写し始めることがあり、画像輪郭部のトナーが飛散して、記録媒体P上に形成された画像のシャープさが損なわれることがある。
【0033】
これに対し、図6(B)に示される、第1の実施形態に係る画像形成装置1の場合には、図3に示される密着部67によって、図6(A)に示されるような空隙460aは存在しない。したがって、二次転写ニップ61aの直前の上流側近傍において転写電界が発生して、放電が発生しにくい。また、二次転写ニップ61aの直前の上流側近傍に空隙はなく、転写電界は発生しないので、転写電界の存在する二次転写ニップ61a(すなわち、本来、転写が行われるべき位置)において中間転写ベルト4から記録媒体P上にトナー画像Tが移動する。このように、第1の実施形態に係る画像形成装置1の場合には、図6(A)に示されるような空隙460aは存在しない構造としているので、転写電界による放電やトナー飛散は発生しにくく、記録媒体P上に転写された画像の品質を向上させることができる。
【0034】
《1−2》第1の実施形態の動作
以下、第1の実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。初めに、一般的な印刷動作を説明する。画像形成装置1は、印刷画像データを受信すると、画像形成動作を開始する。機構制御部102は、ハロゲンヒータ83を制御して定着器8の加熱ローラ81の温度を、トナー画像Tを記録媒体Pに定着可能な温度範囲内になるように制御する。定着器8の加熱ローラ81が温まって所定の温度範囲内になると、機構制御部102は、駆動ローラ41及び各画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの駆動を開始する。このような制御と並行して、機構制御部102は、高圧制御部103に指令を出し、チャージバイアス供給部104、現像バイアス供給部105、及びスポンジバイアス供給部106をオンにして、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cに所定の高電圧バイアス電圧を供給する。
【0035】
ここでは、感光体21上へのトナー画像の形成動作の一例について、画像形成ユニット2Kを例にとって説明する。チャージローラ22には、例えば、一1000[V]のチャージバイアス電圧が供給され、感光体21表面を、例えば、一600[V]に帯電させる。また、現像ローラ23には、例えば、一200[V]の現像バイアス電圧が、スポンジローラ25には、例えば、−250[V]のスポンジバイアス電圧が供給される。トナーカートリッジ26からトナー収容部に供給されたトナーは、スポンジローラ25と現像ローラ23に強く擦られてマイナス極性に摩擦帯電する。マイナス極性に摩擦帯電されたトナーは、スポンジバイアス電圧と現像バイアス電圧との間の電位差によって現像ローラ23に付着させられる。付着したトナーは、現像ブレード24によって均一な厚さにならされて、現像ローラ23上にトナー層を形成する。現像ローラ23上に形成されたトナー層は、現像ローラ23の回転によって、感光体21と現像ローラ23との間のニップ領域に運ばれる。
【0036】
画像処理部101は、LEDヘッド3Kを駆動して画像形成ユニット2Kにおける感光体21の表面を露光する。露光された部分は、例えば、一50[V]に除電され、静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体21の回転にともなって、現像ローラ23と感光体21の間のニップ領域に運ばれる。現像ローラ23には、例えば、一200[V]の現像バイアス電圧が印加されているので、マイナス極性に帯電しているトナーは、電位差によって感光体21の静電潜像部(露光によって除電された部分)にのみ付着されて、トナー画像が形成される。画像形成ユニット2Y,2M,2Cにおいても、画像形成ユニット2Kと同様な動作によって、感光体6Y,6M,6C上のそれぞれに、トナー画像が形成される。
【0037】
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの各感光体21上に各色のトナー画像がそれぞれ形成されると、各色のトナー画像が、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの各感光体21と中間転写ベルト4との接触部、すなわち、一次転写ニップに到達する前に、高圧103は一次転写バイアス供給部107をオンにして転写ローラ5K,5Y,5M,5Cに一次転写バイアス電圧を供給し、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの各感光体21上に形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト4上に重なるように転写する。
【0038】
中間転写ベルト4上へのトナー画像の一次転写が開始されると、機構制御部102は、所定のタイミングでホッピングローラ72を駆動して媒体収容カセット71から記録媒体Pを取り出し、レジストローラ74とピンチローラ75との当接部(給紙ニップ)に記録媒体Pを送る。さらに、中間転写ベルト4上のトナー画像が二次転写ニップ61aに到達するタイミングにあわせて、図示しないモータなどから成る駆動手段によってレジストローラ74を駆動して、記録媒体Pを二次転写ニップ61aに送る。記録媒体Pは、中間転写ベルト4上のトナー画像Tと重なり合いながら、プレニップ領域で中間転写ベルト4と二次転写ベルト6との間の搬送経路を移動し、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43との間の二次転写ニップ61aに送られる。機構制御部102は、記録媒体Pが二次転写ニップ61aに送り込まれるタイミングにあわせて、二次転写バイアス供給部108と二次転写プレニップバイアス供給部109をオンにして、二次転写バイアス電圧を二次転写ローラ61に供給し、二次転写プレニップバイアス電圧を二次転写プレニップバックアップローラ44に供給する。ただし、二次転写プレニップバイアス電圧を二次転写プレニップバックアップローラ44に印加することは、必ずしも必要ではなく、二次転写プレニップバックアップローラ44を接地電位としてもよい。
【0039】
以下に、第1の実施形態に係る画像形成装置1における二次転写装置60の高電圧バイアス制御と、この制御によって二次転写が良好に行われるメカニズムについて説明する。図7(A)は、第2の比較例の二次転写ニップの上流側近傍において中間転写ベルト504に担持されたトナー画像を概略的に示す断面図であり、図7(B)は、第1の実施形態における二次転写ニップ61aの上流側近傍において中間転写ベルト4に担持されたトナー画像Tを概略的に示す断面図である。
【0040】
第1の実施形態においては、二次転写プレニップバイアス電圧としては、例えば、+1.0[kV]が供給されており、電界方向が二次転写プレニップバックアップローラ44から二次転写プレニップローラ62に向かう方向である電界が形成される。トナー画像Tを構成するトナーの帯電極性はマイナス極性なので、二次転写プレニップバイアス電圧による電界によってトナーは、中間転写ベルト4に向かうクーロン力を受けて、中間転写ベルト4側に引き付けられる。このため、図7(B)に示されるように、トナーは中間転写ベルト4側に強く付着し、記録媒体P側にはあまり付着していない状態で、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43との間の二次転写ニップ61aに運ばれていく。このように、二次転写プレニップバイアス電圧として所定の電圧を印加すれば、密着部67を設けることによって、二次転写ニップ61aに到達する前に発生することがあった中間転写ベルト4上に担持されたトナー画像Tのズレの問題を、軽減することができる。
【0041】
図7(A)に示されるように、二次転写プレニップバイアス電圧を印加しない場合には、二次転写プレニップローラ62と二次転写プレニップバックアップローラ44の間のプレニップ開始位置(図3における62a)に到達した時点である程度のトナーが記録媒体Pに付着する。記録媒体Pにトナーが移動した状態で、記録媒体Pが中間転写ベルト504と二次転写ベルト506に挟まれて搬送されると、中間転写ベルト504と二次転写ベルト506との微小な速度誤差等によって記録媒体P上のトナーがずれてしまい、トナー画像が正しい位置に転写されず画質が劣化する場合があった。第1の実施形態においては、図7(B)に示されるように、中間転写ベルト4側にトナーを引き寄せる力をトナーに与える場合には、トナー画像のズレの発生は少ない。
【0042】
図8は、二次転写プレニップバイアス電圧値と記録媒体Pに転写されたトナー画像に生じるズレのレベルとの関係を示すグラフである。図8は、記録媒体Pに転写されたトナー画像の発生レベルを、目視で確認した結果である。転写したトナー画像のズレが最も顕著の状況をレベル1(最低レベル)とし、トナー画像のズレが発生していない状況をレベル5(最高レベル)とし、これらのレベル間に、ズレの大きい順にレベル2,3,4を設けて評価を行った。評価は、複数の二次転写プレニップバイアス電圧値のそれぞれについて記録媒体Pに印刷された画像を目視確認し、基準のレベルと比較することによってレベルを決定した。その結果、二次転写プレニップバイアス電圧として、1.0[kV]以上印加すれば、二次転写装置60におけるトナー画像のズレ防止効果が充分得られた。
【0043】
第1の実施形態に係る画像形成装置1においては、記録媒体Pが中間転写ベルト4と二次転写ベルト6に挟まれている領域では、ほとんどのトナーが中間転写ベルト4側に引き寄せられており、その結果、記録媒体Pが二次転写ニップに到達する前にトナーのズレが発生しにくい。
【0044】
その後、記録媒体Pは、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6に狭まれた状態で搬送されて、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43との間の二次転写ニップに到達する。二次転写ローラ61には、二次転写バイアス供給部から二次転写プレバイアス電圧よりも絶対値が大きい+2.0[kV]の二次転写バイアスが供給されており、電界方向を二次転写ベルト6から中間転写ベルト4に向かう方向とした電界が形成されている。トナーの帯電極性はマイナスであるから、この電界によってトナーは記録媒体Pに転写される。このように、中間転写ベルト4上のトナーが二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43との間の二次転写ニップ61aに到達する前のプレニップ領域においては、トナー画像Tを構成するトナーは中間転写ベルト4側に強く引き寄せられているので、記録媒体P上に二次転写される前に、トナー画像にズレが生じにくい。
【0045】
記録媒体Pは、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43の間の二次転写ニップ61aを通過した後に、定着器8に案内される。記録媒体Pが定着器8に到達すると、既に定着可能温度に到達している加熱ローラ81と、これに圧接する加圧ローラ82に狭まれて搬送されて、トナー画像が記録媒体Pに定着される。定着が終了すると、記録媒体Pは、ガイド部材85に案内されて搬送され、排出スタッカ86へ排出され印刷動作が完了する。以上のようにして、給紙機構7から繰り出された記録媒体Pに、カラー画像が記録される。
【0046】
なお、二次転写プレニップバックアップローラ44に供給される二次転写プレニップバイアス、及び二次転写ローラ61に供給される二次転写バイアスの値は、上記した例に限定されるものではない。
【0047】
また、二次転写プレニップバイアス電圧は、二次転写プレニップバックアップローラ44ではなく、二次転写プレニップローラ62に印加してもよい。ただし、その場合には、電圧の極性は、次転写プレニップバックアップローラ44に電圧を供給する場合と、逆極性とする必要がある。
【0048】
また、二次転写バイアス電圧は、二次転写ローラ61ではなく、二次転写バックアップローラ43に印加してもよい。その場合には、二次転写バックアップローラ43に印加する電圧の極性は、二次転写ローラ61に電圧を印加する場合と、逆極性である。
【0049】
また、上記説明では、トナーがマイナス帯電特性を持つ場合を説明したが、トナーはプラス帯電特性を持つものでもよい。その場合には、二次転写プレニップバイアス電圧としては、トナーに中間転写ベルト4に向かう方向にクーロン力を作用させるバイアス極性、二次転写バイアス電圧としては、トナーに二次転写ベルト6に向かう方向にクーロン力を作用させるバイアス電圧を印加する。
【0050】
《1−3》第1の実施形態の効果
以上に説明したように、第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、二次転写バックアップローラ43の媒体搬送方向D3における直前の上流側(すなわち、二次転写ニップ61aの媒体搬送方向D3の直前の上流側)の所定領域(プレニップ領域)において、記録媒体Pを中間転写ベルト4に密着させる密着部67を設けたので、二次転写ニップ61aの上流側において、放電に起因する転写かすれ(すなわち、放電によって中間転写ベルト4上のトナー画像Tの帯電極性が反転し、中間転写ベルト4上に担持されたトナー画像Tが記録媒体Pに転写されなくなるといった転写不良が生じ、その結果、記録媒体P上に形成された画像に、カスレや白点などの不良箇所が発生する現象)や二次転写ニップ61aよりも媒体搬送方向D3における上流側で発生することがあった転写(「プレ転写」とも言う。)によるトナー飛散(二次転写ニップ61aの上流側近傍に空隙がある場合に、転写電界によって、本来は二次転写ニップ61aにおいて中間転写ベルト4から記録媒体Pに移動すべきトナー画像Tが、二次転写ニップ61aに到達する前に、記録媒体Pに転写し始める現象)を抑制できる。このため、記録媒体P上に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0051】
また、第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、二次転写プレニップバックアップローラ44に、トナー画像Tの帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加したので、二次転写ニップ61aの上流側のプレニップ領域において、トナー画像Tを中間転写ベルト4側に引き寄せておくことができる。このため、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6の接触部の間で、発生しやすかったトナー画像ズレを抑制でき、その結果、記録媒体P上に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0052】
《2》第2の実施形態
《2−1》第2の実施形態の構成
上述したように、第1の実施形態に係る画像形成装置1においては、二次転写プレニップバックアップローラ44に、トナー画像Tの帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加することによって、二次転写装置60の密着部67(具体的に言えば、図3におけるプレニップ開始位置62aから二次転写ニップ61aの手前までの間)における中間転写ベルト4上のトナー画像Tのズレを軽減し、記録媒体P上に良好なトナー画像Tを転写することができる。しかし、第1の実施形態に係る画像形成装置1は、二次転写プレニップバックアップローラ44への電圧印加を行うことが望ましい形態であり、二次転写プレニップバックアップローラ44への電圧印加を行うための構造が必要であるので、構成の複雑化及び電源などの構成の追加によるコスト増加が発生する。そこで、第2の実施形態に係る画像形成装置200は、二次転写プレニップバックアップローラ44への電圧印加を行わずに(接地電位として)、中間転写ベルト4上のトナー画像のズレを発生し難くする構成を採用している。ただし、第2の実施形態に係る画像形成装置200において、第1の実施形態の場合と同様に、二次転写プレニップバックアップローラ44に対する電圧印加を行う構成を採用してもよく、この場合には、中間転写ベルト4上のトナー画像のズレを一層軽減することができる。
【0053】
図9は、第2の実施形態に係る画像形成装置200としてのカラープリンタの構造を概略的に示す縦断面図である。図9において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、同じ符合を付す。第2の実施形態に係る画像形成装置200は、二次転写装置260の構造の点において、第1の実施形態に係る画像形成装置1と相違する。
【0054】
また、図10は、第2の実施形態に係る画像形成装置200の制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図2に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、同じ符合を付す。第2の実施形態に係る画像形成装置200は、二次転写プレニップバイアス供給部109を備えない点が、第1の実施形態に係る画像形成装置1と相違する。
【0055】
図11は、図9に示される二次転写装置260の構造を概略的に示す図である。第2の実施形態における二次転写装置260は、現像剤像担持体としての中間転写ベルト4と、第1の押圧部材としての二次転写バックアップローラ43と、転写部材としての二次転写ローラ61と、第1の電圧印加部としての二次転写バイアス供給部108と、二次転写バイアス供給部108を制御する高圧制御部203と、二次転写ローラ61の媒体搬送方向D3における上流側に配置された補助部材としての二次転写ベルト張架ローラ262と、密着部267とを有している。
【0056】
図11に示すように、二次転写部A2は、二次転写バックアップローラ43と、中間転写ベルト4と、二次転写ローラ61と、二次転写ベルト206とで構成される。密着部267は、二次転写部A2の媒体搬送方向における上流側に配設され、二次転写プレニップバックアップローラ44と、二次転写ベルト206と、中間転写ベルト4とからなる。ここで、二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4の動作方向であって媒体搬送方向D1における二次転写バックアップローラ43の上流側に配設され、中間転写ベルト4を現像剤像としてのトナー像を担持する側の反対側から押圧する。二次転写ベルト206は、二次転写ローラ61の媒体搬送方向における上流側から二次転写ローラ61へと延在するよう配設されている。ここで、二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4と当接し、中間転写ベルト4は二次転写ベルト206と当接している。また、二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4を介して二次転写ベルト206を押圧しても良い。
密着部267は、二次転写バックアップローラ43の中間転写ベルト43の動作方向であって媒体搬送方向D3における上流側に配置され、中間転写ベルト4の第2の面4bを押圧する二次転写プレニップバックアップローラ44と、中間転写ベルト4の第1の面4aに当接する第3の面206aと該第3の面206aの反対側の第4の面206bとを有し、第1の面4aと第3の面206aとの間に搬送経路を構成し、二次転写ローラ61は第4の面206bに当接する二次転写ベルト206とを有する。二次転写ベルト張架ローラ262は、二次転写ベルト206の第4の面206bを押圧する。二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4を間に挟んで二次転写ベルト206を押圧する。
【0057】
二次転写ベルト206は、二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写ローラ61とクリーニングバックアップローラ63とに巻き掛けられている。二次転写ベルト206には、クリーニングバックアップローラ63に対向する位置にクリーニングブレード64が配置されており、二次転写ベルト206の第3の面206aに付着したトナーを除去する。二次転写ローラ61には、二次転写バイアス供給部108が接続されており、二次転写バイアス電圧が供給される。二次転写ベルト206の第3の面206aは、二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写ローラ61とによって張架されている部分において、中間転写ベルト4の第1の面4aに接触している。中間転写ベルト4は、二次転写プレニップバックアップローラ44と二次転写バックアップローラ43に張架されており、二次転写プレニップバックアップローラ44と二次転写バックアップローラ43はいずれも接地されている。
【0058】
第2の実施形態では、二次転写ベルト206と中間転写ベルト4の接触状態に特徴がある。具体的には、二次転写ベルト張架ローラ262は、二次転写プレニップバックアップローラ44よりも媒体搬送方向D3における上流側に配置されており、中間転写ベルト4が二次転写プレニップバックアップローラ44に巻き付いている位置44aと、二次転写ベルト206が二次転写ベルト張架ローラ262に巻き付いている位置262aは、互いにずれた位置に配置されている。すなわち、二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4と二次転写ベルト206の2枚のベルトを介して、直接、押圧し合わないように配置されている。
【0059】
図12は、図9における二次転写装置における押し込み量を示す図である。二次転写プレニップバックアップローラ44は、所定の押し込み量ΔR1だけ、二次転写ローラ61と二次転写ベルト張架ローラ262との間に張架された二次転写ベルト206を、二次転写ローラ61の外周と二次転写ベルト張架ローラ262の外周との両方に接する共通外接線Q1よりも、二次転写ローラ61及び二次転写ベルト張架ローラ262側に押し込むように配置されている。
【0060】
また、二次転写プレニップバックアップローラ44は、図12に示す二次転写ベルト206を二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写ローラ61の共通外接線Q1から押し込む量ΔR1が、0.0mm以上0.3mm以下の範囲内であればよく、0.0mm以上0.1mm以下の範囲内になるように配置されることがより好ましい。二次転写プレニップバックアップローラ44の押圧による中間転写ベルド4及び二次転写ベルト206への負荷による駆動負荷を考慮した場合、押し込む量ΔR1は0mmであることが理想的であるが0mmであることを条件とすると部品製造誤差、組立誤差が生じた場合に、ΔR1を0mmとすることが困難な場合も生じる。したがって、本実施形態においてはΔR1の上限値を0.3mmとした。上限値を0.3mmとした理由は、上限値が0.3mmを超えると媒体突入時に媒体先端が中間転写ベルト4に形成されたトナー像を跳ね上げてしまう場合があるためである。媒体の厚さが0.3mm以下(具体的には媒体厚0.1mm、0.2mm、0.3mm)である場合は、ΔR1は、0.0mm以上0.3mm以下であればよいが、媒体の紙厚が0.3mmよりも大きく0.8mm以下(具体的には媒体厚0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm)である場合は、媒体端部の影響を受けやすくなるため、0.0mm以上0.1mm以下とすることが好ましい。
【0061】
《2−2》第2の実施形態の動作
第2の実施形態に係る画像形成装置200の動作は、二次転写に関する動作を除いて、第1の実施形態に係る画像形成装置1の動作と同じであるので、以下に、二次転写に関する動作を説明する。
【0062】
ホッピングローラ72の回転によって媒体収容カセット71から取り出された記録媒体Pは、レジストローラ74とピンチローラ75によって搬送されて、ガイド部材76に送り込まれる。ガイド部材76によって、記録媒体Pの搬送方向は二次転写ベルト206と中間転写ベルト4の接触開始位置44aに向けられ、記録媒体Pは二次転写装置260に送り込まれる。記録媒体Pは、二次転写ベルト206と中間転写ベルト4によって狭まれた状態で搬送されて、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43が対向する位置(二次転写ニップ)43a,61aに到達する。機構制御部202は、記録媒体Pが二次転写ニップに到達するタイミングにあわせて、二次転写バイアス供給部108をオンにして、中間転写ベルト4上のトナー画像Tを記録媒体P上に移動(転写)させる。二次転写バイアス電圧は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の場合と同様に、例えば、2.0[kV]である。引き続き、記録媒体Pは中間転写ベルト4と二次転写ベルト206に狭まれた状態で搬送されて定着器8に送り込まれ、定着器8によって加熱及び加圧されて記録媒体P上にトナー画像が定着される。
【0063】
以下に、第2の実施形態に係る画像形成装置200における二次転写装置260において、二次転写が良好に行われるメカニズムを説明する。第2の実施形態においては、二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4と二次転写ベルト206の2枚のベルトを介して直接押し合わないように、媒体搬送方向D3にずれて配置されている。このため、記録媒体Pが中間転写ベルト4と二次転写ベルト206に狭まれている際の圧力は相対的に弱い。また、1対のローラ状部材が互いに対向して押し当てられている場合と比較すると、中間転写ベルト4と二次転写ベルト206はより広い面積で均一に接触することから、局所的に強い圧力がかかることも無い。さらに、中間転写ベルト4と二次転写ベルト206によって挟まれており、且つ、二次転写ローラ61と二次転写バックアップローラ43が対向する位置の上流においては電界も印加されていない。これらの条件によって、図7(B)に示されるように中間転写ベルト4上のトナーは一部記録媒体P上に接触しているだけで、ほとんど記録媒体P上には移動していない。したがって、中間転写ベルト4と記録媒体Pの間の微小な速度差が生じたとしても、中間転写ベルト4上のトナー画像のズレが発生しにくく、画質の劣化が発生しにくい。
【0064】
《2−3》第2の実施形態の効果
以上に説明したように、第2の実施形態に係る画像形成装置200によれば、二次転写バックアップローラ43の媒体搬送方向D3における直前の上流側(すなわち、二次転写ニップ61aの媒体搬送方向D3の直前の上流側)の所定領域(プレニップ領域)において、記録媒体Pを中間転写ベルト4に密着させる密着部267を設けたので、二次転写ニップ61aの上流側において、放電に起因する転写かすれや二次転写ニップ61aよりも媒体搬送方向D3における上流側で発生することがあった転写によるトナー飛散を抑制できる。このため、記録媒体P上に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0065】
また、第2の実施形態に係る画像形成装置200によれば、二次転写プレニップバックアップローラ44に、トナー画像Tの帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加したので、二次転写ニップ61aの上流側のプレニップ領域において、トナー画像Tを中間転写ベルト4側に引き寄せておくことができる。このため、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6の接触部の間で、発生しやすかったトナー画像ズレを抑制でき、その結果、記録媒体P上に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0066】
また、第2の実施形態に係る画像形成装置200によれば、二次転写ベルト張架ローラ262と二次転写プレニップバックアップローラ44が中間転写ベルト4と二次転写ベルト206を挟んで直接押圧し合わないように配置したので、中間転写ベルト4上のトナー画像Tが二次転写ニップに到達する前に、記録媒体Pに移動することが抑制できるので、二次転写ニップ61aの上流側においてプレニップを形成して放電による転写かすれやプレ転写によるトナー飛散を抑制しつつ、且つ、中間転写ベルト4と二次転写ベルト6の間でトナー画像ズレを抑制でき、トナー画像の品質を良好にすることができる。
【0067】
《3》第3の実施形態
図13は、第3の実施形態に係る画像形成装置における二次転写装置の構造を概略的に示す図である。図13において、図3又は図11に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、同じ符号を付す。図13に示されるように、第3の実施形態に係る画像形成装置における二次転写装置360は、二次転写プレニップローラ362を二次転写プレニップバックアップローラ44より媒体搬送方向D3における下流側に配置することで、二次転写プレニップローラ362を二次転写プレニップバックアップローラ44が中間転写ベルト4と二次転写ベルト306を挟んで対向しないようにしている点が、図3又は図11に示される第1又は第2の実施形態に係る画像形成装置における二次転写装置60又は260と相違する。
【0068】
第3の実施形態に係る画像形成装置においては、二次転写プレニップローラ362と二次転写プレニップバックアップローラ44は、中間転写ベルト4と二次転写ベルト306の2枚のベルトを介して直接押圧し合うことはないように配置されているので、記録媒体Pが中間転写ベルト4と二次転写ベルト306に狭まれる際の圧力は、中間転写ベルト4と二次転写ベルト306の2枚のベルトを介して直接押圧し合う場合に比べて、弱い。また、1対のローラが互いに対向して押し当てられている場合と比べると、中間転写ベルト4と二次転写ベルト306は、より広い面積の領域で均一な圧力で接触し、記録媒体Pに局所的に強い圧力がかかることも無い。
図13に示すように、二次転写部A3は、二次転写バックアップローラ43と、中間転写ベルト4と、二次転写ローラ61と、二次転写ベルト306とで構成される。密着部367は、二次転写部A3の媒体搬送方向における上流側に配設され、二次転写プレニップローラ362と、二次転写ベルト306と、中間転写ベルト4とからなる。ここで、二次転写プレニップローラ362は、二次転写ベルト306の動作方向であって媒体搬送方向D1における二次転写ローラ61の上流側に配設され、二次転写ベルト306を媒体を搬送する側の面306aの反対側の面306bから押圧する。二次転写ベルト306は、二次転写ローラ61の媒体搬送方向における上流側から二次転写ローラ61へと延在するよう配設されている。ここで、二次転写プレニップローラ362は、二次転写ベルト306と当接し、二次転写ベルト306は中間転写ベルト4と当接している。また、二次転写プレニップローラ362は、二次転写ベルト306を介して中間転写ベルト4を押圧しても良い。
【0069】
図14は、図13における二次転写装置360における押し込み量ΔR2を示す図である。二次転写プレニップバックアップローラ44は、所定の押し込み量ΔR2だけ、二次転写ローラ61と二次転写プレニップローラ362との間に張架された二次転写ベルト306を、二次転写ローラ61の外周と二次転写プレニップローラ362の外周との両方に接する共通外接線Q1よりも、二次転写ローラ61及び二次転写ベルト張架ローラ262側に押し込むように配置されている。二次転写プレニップローラ362、二次転写バックアップローラ43、及び二次転写プレニップバックアップローラ44のそれぞれは、ローラ部材であり、二次転写プレニップローラ362は、所定の押し込み量ΔR2だけ、二次転写バックアップローラ43と二次転写プレニップバックアップローラ44との間に張架された中間転写ベルト4を、二次転写バックアップローラ43の外周と二次転写プレニップバックアップローラ44の外周との両方に接する共通外接線Q2よりも、二次転写バックアップローラ43及びと二次転写プレニップバックアップローラ44側に押し込むように配置されている。二次転写バックアップローラ43と二次転写ローラ61とが形成する押圧力よりも、二次転写プレニップローラ62と二次転写プレニップバックアップローラ44とが形成する押圧力の方が小さい。
【0070】
例えば、図14に示すように、二次転写プレニップローラ362が中間転写ベルト4を押し込む量ΔR2は、0.0mm以上0.3mm以下の範囲内であればよく、0.0mm以上0.1mm以下の範囲内とすることがより好ましい。二次転写プレニップローラ362の押圧による中間転写ベルト4及び二次転写ベルト306への負荷による駆動負荷を考盧した場合、押し込む量ΔR2は0mmであることが理想的であるが0mmであることを条件とすると部品製造誤差、組立誤差が生じた場合に、ΔR2を0mmとすることが困難な場合も生じる。したがって、本実施形態においてはΔR2の上限値を0.3mmとした。具体的には、媒体の厚さが0.3mm以下(具体的には媒体厚0.1mm、0.2mm、0.3mm)である場合は、ΔR2は0.0mm以上0.3mm以下であればよいが、媒体の紙厚が0.3mmよりも大きく0.8mm以下(具体的には媒体厚0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm)である場合は、媒体端部の影響を受けやすくなるため、0.0mm以上0.1mm以下とすることが好ましい。
【0071】
上記以外の点において、第3の実施形態に係る画像形成装置は、上記第2の実施形態に係る画像形成装置の場合と同様である。
【符号の説明】
【0072】
1,200 画像形成装置、 2K,2Y,2M,2C 画像形成ユニット、 3K,3Y,3M,3C LEDヘッド(露光装置)、 4 中間転写ベルト(現像剤像担持体)、 4a 第1の面、 4b 第2の面、 5K,5C,5M,5Y 転写ローラ、 6,206,306 二次転写ベルト(搬送部材)、 6a,206a,306a 第3の面、 6b,206b,306b 第4の面、 7 給紙装置、 8 定着器、 21 感光体、 22 チャージローラ、 23 現像ローラ、 25 スポンジローラ、 26 トナーカートリッジ、 27 クリーニングブレード、 41 駆動ローラ、 42 アイドルローラ、 43 二次転写バックアップローラ(第1の押圧部材)、 44 二次転写プレニップバックアップローラ(第2の押圧部材)、 60,260,360 二次転写装置、 61 二次転写ローラ(転写部材)、 62,362 二次転写プレニップローラ(補助部材)、 63 クリーニングバックアップローラ、 64 クリーニングブレード、 65 搬送センサ、 66 ガイド部材、 71 媒体収容カセット、 72 ホッピングローラ、 73 レジストセンサ、 74 レジストローラ、 75 ピンチローラ、 76 ガイド部材、 81 加熱ローラ、 82 加圧ローラ、 83 ハロゲンヒータ、 84 温度検出器、 85 排出ガイド、 86 スタッ力、 101 コマンド/画像処理部、 102,202 機構制御部、 103,203 高圧制御部、 104 チャージバイアス供給部、 105 現像バイアス供給部、 106 スポンジバイアス供給部、 107 一次転写バイアス供給部、 108 二次転写バイアス供給部(第1の電圧印加部)、 109 二次転写プレニップバイアス供給部(第2の電圧印加部)、 262 二次転写ベルト張架ローラ(補助部材)、 A1,A2,A3 二次転写部、 P 記録媒体(媒体)、 T トナー画像(現像剤像)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像を媒体に転写して媒体上に現像剤像を形成する画像形成装置であって、
現像剤像を担持し、所定方向に動作する現像剤像担持体と、
前記現像剤像担持体の現像剤像を担持する側の反対側から押圧する第1の押圧部材と、
前記第1の押圧部材と前記現像剤像担持体を介して対向して配置された転写部材と、
前記第1の押圧部材と前記転写部材との間に、前記現像剤像担持体の現像剤像を前記転写部材方向に移動させる電圧を印加する第1の電圧印加部と、
前記第1の押圧部材の媒体搬送方向における上流側に、前記媒体を前記像担持体に密着させる密着部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記密着部は、
前記現像剤像担持体の動作方向における前記第1の押圧部材の上流側に配設され、前記現像剤像担持体の現像剤像を担持する側の反対側から押圧する第2の押圧部材と、
前記転写部材の媒体搬送方向における上流側に配設された補助部材と、
前記転写部材と前記補助部材との間に配設され前記媒体搬送方向へ動作する搬送部材と
を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補助部材と前記第2の押圧部材は、
前記現像剤像担持体及び前記搬送部材を介して互いに当接していることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記密着部は、
前記現像剤像担持体の動作方向における前記第1の押圧部材の上流側に配設され、前記現像剤像担持体の現像剤像を担持する側の反対側から押圧する第2の押圧部材と、
前記転写部材の前記媒体搬送方向における上流側から前記転写部材へと延在する搬送部材と
を有し、
前記第2の押圧部材は、前記転写部材の媒体搬送方向における上流側に配設され、前記現像剤像担持体と当接し、前記現像剤像担持体は前記搬送部材と当接している
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記密着部は、
前記転写部材の媒体搬送方向における上流側に配設された補助部材と、
前記転写部材と前記補励部材との間に配設され前記媒体搬送方向へ動作する搬送部材と
を有し、
前記補助部材は、前記転写部材の媒体搬送方向における上流側に配設され、前記搬送部材と当接し、
前記搬送部材は、前記現像剤像担持体と当接していることを特徴とする請求項1記載の画像像形成装置。
【請求項6】
前記密着部は、
前記現像剤像担持体の現像剤像を前記現像剤像担持体に担持するための電圧を印加する第2の電圧印加部を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の電圧印加部は、前記第2の押圧部材に電圧を印加することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の電圧印加部で印加される第1の印加電圧と前記第2の電圧印加部で印加される第2の印加電圧とが同極性の電圧であることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の印加電圧は第2の印加電圧よりも大きいことを特徴とする請求項7又は8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤像担持体はベルト部材であって、前記第1の押圧部材と前記第2の押圧部材によって張架されることを特徴とする請求項2から6の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記搬送部材はベルト部材であって、前記転写部材と前記補助部材によって張架されることを特徴とする請求項2から7の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記転写部材、前記補助部材、及び前記第2の押圧部材はローラ部材であって、
前記第2の押圧部材は、前記転写部材と前記補助部材との接線に対して前記搬送部材を押し込む方向に突出していることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記補助部材、前記第1の押圧部材及び前記第2の押圧部材はローラ部材であって、
前記補助部材は、前記第1の押圧部材と前記第2の押圧部材との接線に対して前記現像剤像担持体を押し込む方向に突出していることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1の押圧部材と前記転写部材とが形成する当接力よりも、前記補助部材と前記第2の押圧部材とが形成する当接力の方が小さいことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−203287(P2012−203287A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69417(P2011−69417)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】