説明

画像形成装置

【課題】ベルト駆動モータをK感光体モータ90Kとして共用して低コスト化を図りつつ、K感光体によって形成するKトナー像と、他色のトナー像との重ね合わせずれを低減する。
【解決手段】各色の感光体1Y,C,M,Kにおける中間転写ベルト8の移動方向に沿った配設ピッチLを、駆動ローラ12の周長の整数倍(詳しくは2倍)に設定し、且つ、従動ローラ14の回転軸に固定した従動エンコーダー171によるベルト移動速度の検知結果に基づいて、K感光体モータ90Kと、Y,C,M感光体1Y,C,Mに共通のカラー感光体モータ90YCMとに対して互いに同じ速度微調整を行う処理を実施するように、モータ制御部150及びメイン制御部を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体の表面それぞれに担持した可視像を無端状のベルト部材の表面あるいは同表面に保持している記録部材に重ね合わせて転写する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置では、それぞれの像担持体からベルト部材(又はベルト上の記録部材)への転写位置がそれぞれ不規則にずれると、重ね合わせずれを引き起こしてしまう。重ね合わせずれを引き起こす主な原因としては、ベルト部材のループ内側でベルト部材を張架しながら回転駆動するのに伴ってベルト部材を移動せしめる駆動ローラの偏心が挙げられる。具体的には、駆動ローラが偏心していると、ローラ1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の速度変動がベルト部材に発生する。この速度変動により、各像担持体からベルト部材(又はベルト上の記録部材)への可視像の転写位置が互いにずれてしまうことで、重ね合わせずれ引き起こしてしまうのである。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、次のようにして、ベルト部材たる中間転写ベルトを目標速度で移動させるようになっている。即ち、この画像形成装置は、複数の像担持体として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像をそれぞれ個別に形成するための4つの感光体を備えている。また、それら各色のトナー像が重ね合わせて転写されるベルト部材としての中間転写ベルトや、中間転写ベルトの移動速度を検知する速度検知手段なども備えている。そして、速度検知手段によってベルトの速度変動を検知した結果に基づいて、中間転写ベルトや駆動ローラの駆動源になっているベルト駆動モータの駆動速度を微調整することで、中間転写ベルトの速度変動を抑えるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、このようにして中間転写ベルトの速度変動を抑える構成において、低コスト化の観点から、ベルト駆動モータを、4つの感光体のうち、何れか1つの感光体の駆動源として共用することを検討している。より詳しくは、モノクロ画像を形成するモノクロモード、カラー画像を形成するカラーモード、の何れであっても駆動するK用の感光体の駆動源として、ベルト駆動モータを共用することを検討している。ところが、かかる構成では、中間転写ベルトの速度変動に追従させてベルト駆動モータの駆動速度を微調整すると、K用の感光体の駆動速度を変化させて、K用の感光体の線速を変化させてしまう。この変化により、Kトナー像の転写位置ずれを引き起こして、Kトナー像と他色のトナー像とで重ね合わせずれを引き起こしてしまう。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、ベルト駆動モータを何れか1つの像担持体の駆動源として共用して低コスト化を図りつつ、その像担持体によって形成する可視像と、他の像担持体に形成する可視像との重ね合わせずれを低減することができる画像形成装置である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、無端状のベルト部材をそのループ内に配設された複数の張架部材によって張架しながら、複数の張架部材の1つである駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動させるベルトユニットと、前記駆動回転体を回転駆動するための駆動力を発揮することで前記ベルト部材を無端移動させるベルト駆動モータと、前記ベルト部材の移動速度を検知するベルト速度検知手段と、自らの無端移動する表面に可視像を担持する複数の像担持体と、それぞれの像担持体の表面に担持されるトナー像を前記ベルト部材の表面あるいは該表面に保持されている記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて、前記ベルト部材を所定の目標ベルト速度で無端移動させるように前記駆動モータの駆動速度を微調整する制御手段とを備える画像形成装置において、前記複数の像担持体のうち、少なくとも何れか1つの像担持体の駆動源として、前記ベルト駆動モータを共用し、他の像担持体を前記ベルト駆動モータとは別の像担持体駆動モータで駆動し、前記複数の像担持体における前記ベルト部材の移動方向に沿った配設ピッチを、前記駆動回転体の周長の整数倍に設定し、且つ、前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて、前記ベルト駆動モータと前記像担持体駆動モータとに対して互いに同じ速度微調整を行う処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記ベルト部材の表面に転写された可視像を検知する像検知手段を設けるとともに、予め記憶している画像情報に基づいてぞれぞれの像担持体に形成した所定の基準可視像を前記ベルト部材の表面の互いに異なる位置に転写した後、前記ベルト部材上におけるそれら基準可視像を前記像検知手段によって検知するタイミングのずれに基づいて、それぞれの基準可視像の相対的な位置ずれ量を把握し、把握結果に基づいた線速差を、前記ベルト駆動モータによって駆動される像担持体と、前記像担持体駆動モータによって駆動される像担持体とに設けるように、前記ベルト駆動モータの目標駆動速度と、前記像担持体駆動モータの目標駆動速度とをそれぞれ個別に設定する処理を所定のタイミングが到来する毎に実施し、且つ、操作者の指示命令に基づく画像を形成する際には、前記ベルト駆動モータと前記像担持体駆動モータとを、それぞれ個別の目標駆動速度を基準にして、前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて駆動速度を微調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明においては、ベルト駆動モータを少なくとも何れか1つの像担持体の駆動源として共用して低コスト化を図ることができる。
また、ベルト部材の速度変動に応じたベルト駆動モータの駆動速度の微調整により、ベルト部材の速度変動を低減することで、ベルト部材の速度変動に起因する可視像の重ね合わせずれを低減する。このとき、像担持体駆動モータに対して、ベルト駆動モータと同様の駆動速度の微調整を行う。これにより、全ての像担持体に対して互いに同じ速度変動を発生させる。それらの速度変動は、主に、ベルト部材を駆動する駆動回転体の偏心によるものであるため、それぞれ駆動回転体1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性のものになる。しかも、それぞれの速度変動の位相は互いに同期する。例えば、ある像担持体の速度変動がサインカーブの山側ピークを迎えているときには、他の像担持体の速度変動もサインカーブの山側ピークを迎える。このとき、互いに隣合う2つの像担持体の一方からベルト部材(又はベルト部材上の記録部材)に転写された可視像は、その後、ベルト部材の移動に伴ってもう一方の像担持体に対向する位置(転写位置)に進入する。前者の像担持体に対向する転写位置を通過してから、後者の像担持体に対向する転写位置に進入するまでに要する時間は、前述したサインカーブの周期の整数倍になる。像担持体の配設ピッチが、駆動回転体の周長の整数倍に設定されているからである。このため、前述の可視像が後者の転写位置に進入するときにも、像担持体の速度変動がサインカーブの山側ピークを迎える。このように、サインカーブの山側ピークを迎えているときにベルト部材に転写される可視像同士が各転写位置で同期する。それら可視像は、像担持体の速度変動に起因する位置ずれ量は互いに同じになるので、重ね合わせずれは殆ど発生しない。同様にして、サインカーブの谷側ピークを迎えているときにベルト部材上に転写される可視像同士が同期したり、サインカーブのピークツウピークの中心を迎えているときにベルト部材上に転写される可視像同士が同期したりする。つまり、同じ位置ずれ量で位置ずれする可視像同士が各転写位置で同期するので、重ね合わせずれを発生させることが殆どない。よって、ベルト駆動モータの駆動力で駆動される像担持体によって形成する可視像と、他の像担持体によって形成する可視像との重ね合わせずれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタにおける4つの感光体ギヤを示す拡大構成図。
【図4】4つの感光体ギヤを図3とは反対側から示す拡大構成図。
【図5】同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。
【図6】同プリンタの感光体の配設ピッチを説明するための模式図。
【図7】同プリンタにおける転写ユニット、各色の感光体、及び各ギヤを示す模式図。
【図8】同プリンタにおける駆動制御部と、これに電気接続される各種機器とを示す模式図。
【図9】感光体の速度変動量の経時変化を示すグラフ。
【図10】光書込位置とニップ中心位置との関係を説明するための拡大模式図。
【図11】連続出力枚数とトナー像の位置ずれ量との関係を示すグラフ。
【図12】同プリンタの中間転写ベルトの一部を光学センサユニットとともに示す拡大斜視図。
【図13】同中間転写ベルトに形成されるシェブロンパッチを示す拡大模式図。
【図14】同プリンタのY,C,M,K用の感光体に対する副走査方向における光走査開始位置の相対位置関係を示す模式図。
【図15】同プリンタにおける各色トナー像の位置ずれ量の関係を示す図。
【図16】各色の1次転写ニップを基準にして各色感光体ギヤの最大偏心箇所の位相を合わせない場合における各色トナー像の位置ずれ量の関係を示す図。
【図17】各感光体の配設ピッチLを駆動ローラの周長の整数倍に設定しない場合における各色トナー像の位置ずれの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラック(以下、Y,C,M,Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット6Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。プロセスユニット6Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0010】
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5YによってYトナー像に現像される。そして、後述するベルト部材としての中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(6C,M,K)においても、同様にして感光体(1C,M,K)上に(C,M,K)トナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0011】
現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)56Yなども有している。
【0012】
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
【0013】
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って第1供給部53Y内に戻る。
【0014】
透磁率センサからなるTセンサ56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、C,M,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
【0015】
先に示した図1において、プロセスユニット6Y,C,M,Kの図中下方には、光書込手段としての光書込ユニット7が配設されている。光書込ユニット7は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、プロセスユニット6Y,C,M,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット7は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0016】
光書込ユニット7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27など有する紙収容手段が配設されている。紙収容カセット26は、シート状の記録体たる記録シートPを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の記録シートPには給紙ローラ27を当接させている。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の記録シートPが給紙路70に向けて送り出される。
【0017】
この給紙路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、記録シートPを挟み込むべく両ローラを回転させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、記録シートPを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0018】
プロセスユニット6Y,C,M,Kの図中上方には、中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段としての転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他に、2次転写バイアスローラ19、ベルトクリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,C,M,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、従動ローラ14、テンションローラ11なども備えている。中間転写ベルト8は、これらのローラに張架されながら、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。無端移動体たる中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0019】
駆動回転体としての駆動ローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、この2次転写ニップで記録シートPに転写される。そして、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された記録シートPは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
【0020】
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0021】
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた記録シートPは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって記録シートPの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
【0022】
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ記録シートPをスタック部50aに向けて搬送するが、記録シートPの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、記録シートPがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、記録シートPの後端側が反転搬送路74内に進入する。
【0023】
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。記録シートPは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の記録シートPは、上述の給紙路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、記録シートPの両面にフルカラー画像が形成される。
【0024】
転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,C,M,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,C,M,Kを搭載している。トナーボトル32Y,C,M,Kは、互いに水平よりも少し傾斜した角度で並ぶように配設され、Y、C、M、Kという順で配設位置が高くなっている。トナーボトル32Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、それぞれ後述するトナー搬送装置により、プロセスユニット6Y,C,M,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,C,M,Kは、プロセスユニット6Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
【0025】
本プリンタにおいては、モノクロ画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとで、感光体と中間転写ベルト8との接触状態を異ならせるようになっている。具体的には、転写ユニット15における4つの1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kのうち、K用の1次転写バイアスローラ9Kについては、他の1次転写バイアスローラとは別に、図示しない専用のブラケットで支持している。また、Y,C,M用の3つの1次転写バイアスローラ9Y,C,Mについては、それらを図示しない共通の移動ブラケットで支持している。この移動ブラケットについては、図示しないソレノイドの駆動によって、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mに近づける方向と、感光体1Y,C,Mから遠ざける方向とに移動させることが可能である。移動ブラケットを感光体1Y,C,Mから遠ざける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、中間転写ベルト8がY,C,M用の3つの感光体1Y,C,Mから離間する。但し、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。モノクロモードにおいては、このように、K用の感光体1Kだけを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。このとき、4つの感光体のうち、K用の感光体1Kだけを回転駆動させ、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mについては、駆動を停止させている。
【0026】
上述の移動ブラケットを3つの感光体1Y,C,Mに近づける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、それまで3つの感光体1Y,C,Mから離間していた中間転写ベルト8がそれら3つの感光体1Y,C,Mに接触する。このとき、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。カラーモードにおいては、このように、4つの感光体1Y,C,M,Kの全てを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。かかる構成においては、移動ブラケットや上述したソレノイドなどが、感光体と中間転写ベルト8とを接離させる接離手段として機能している。
【0027】
図3は、4つの感光体ギヤを示す拡大構成図である。同図において、感光体1Y,C,M,Kは、それぞれ、図示しない軸受けにより、その回転中心に設けられた回転軸201Y,C,M,Kを中心にして回転可能に支持されている。回転軸201Y,C,M,Kの一端部には、感光体1Y,C,M,Kよりも遙かに大きな径の感光体ギヤ202Y,C,M,Kが固定されている。K用の感光体ギヤ202Kには、K感光体モータ90Kのモータ軸に固定されたK原動ギヤ95が噛み合っている。K用の感光体1Kは、この噛み合いにより、K感光体モータ90Kの回転駆動力が伝達されて回転駆動せしめられる。一方、M用の感光体ギヤ202MとC用の感光体ギヤ202Cとの間には、カラー原動ギヤ96がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。このカラー原動ギヤ96は、カラー感光体モータ90YCMのモータ軸に固定されており、カラー感光体モータ90YCMの駆動力をM用の感光体ギヤ202Mと、C用の感光体ギヤ202Cとに伝達する。これにより、M用の感光体1Mと、C用の感光体1Cとがそれぞれ回転駆動せしめられる。また、Y用の感光体ギヤ202Yと、M用の感光体ギヤ202Mとの間には、アイドラギヤ97がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。これにより、カラー感光体モータ90YCMの駆動力が、カラー原動ギヤ96、M用の感光体ギヤ202M、アイドラギヤ97、Y用の感光体ギヤ202Yを順次介して、Y用の感光体1Yに伝達される。
【0028】
かかる構成により、K以外の3つの感光体1Y,C,Mは、1つのカラー感光体モータ90YCMによって回転駆動せしめられる。3つの感光体1Y,C,Mにそれぞれ対応する感光体ギヤ202Y,C,Mは、Y,C,M用の1次転写ニップで、感光体ギヤの偏心に起因するトナー像の位置ずれをY,C,M用の1次転写ニップで互いに同期させるように、組立時にギヤの噛み合わせ位置が調整されている。具体的には、感光体ギヤ202Y,C,Mは、それぞれ加工精度の限界による僅かな偏心を有している。この偏心により、感光体1Y,C,Mはそれぞれ、1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の僅かな線速変動を引き起こす。そのサインカーブの山側のピークを迎えているときに感光体から中間転写ベルト8に1次転写されるトナー像は、一周期のうちで最も、ベルト移動方向への位置ずれ量が大きくなる。このように、ベルト移動方向に最大に位置ずれしたトナー像が、中間転写ベルト8の移動に伴って、隣りの1次転写ニップに進入したとき、隣り感光体の線速変動量がサインカーブの山側のピークを迎えるようにするのである。これにより、ベルト移動方向に最大に位置ずれするトナー像同士が重なり合うので、重ね合わせずれは殆ど発生しなくなる。サインカーブの山側ピークを迎えているときに転写されるトナー像をY,C,M用の1次転写ニップで同期させる例について説明したが、そのようにすれば、サインカーブの谷側ピークを迎えているときに転写されるトナー像や、ピークツウピークの中心を迎えているときに転写されるトナー像も、各1次転写ニップで同期させることになる。このように、Y,C,M用の1次転写ニップで、互いに同じ位置ずれ量のトナー像同士を重ね合わせるように、各ギヤの噛み合わせを調整しているのである。
【0029】
K用の感光体1Kは、他の感光体とは別の駆動源であるK感光体モータ90Kによって回転駆動される。K用の感光体1Kだけ駆動源が別になっているのは、モノクロプリントの需要がカラープリントに比べて高いことに起因する。需要の高いモノクロプリント時においては、K用の感光体1Kだけを駆動させるようにすることで、他の感光体1Y,C,Mやモータの消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりするためである。なお、モノクロプリント時には、このようにしてK感光体1Kだけが駆動されるが、このとき、図1に示した転写ユニット15は、4つの感光体1Y,C,M,Kのうち、K用の感光体1Kだけに中間転写ベルト8を接触させるような姿勢をとる。
【0030】
モノクロプリント時には、このようにして、K用の感光体1Kだけが回転駆動されることから、K用の感光体ギヤ202Kと、他の感光体ギヤ202Y,C,Mとの最大偏心箇所の位相の関係は、どうしても異なってくる。そこで、本プリンタでは、プリント動作開始時に、K用の感光体ギヤ202Kと、他の感光体ギヤ202Y,C,Mとの回転位相を所定の関係にするように調整する位相合わせ制御を実施するようになっている。
【0031】
図4は、4つの感光体ギヤを図3とは逆側から示す拡大構成図である。同図において、K用の感光体1Kの回転軸201Kにおける感光体ギヤ202Kとは反対側の端部には、K回転円盤203Kが固定されている。このK回転円盤203Kには、部分的に径が大きくなる一体形成されており、これはK用の感光体ギヤ202Kが所定の回転位置になったときに、透過型フォトセンサからなるKギヤセンサ91Kによって検知される。
【0032】
一方、C用の感光体1Cの回転軸201Cにおける感光体ギヤ202Cとは反対側の端部には、カラー回転円盤203YCMが固定されている。このカラー回転円盤203YCMにも、部分的に径が大きくなる大径部204YCMが一体形成されており、これはY,C,M用の感光体ギヤ202Y,C,Mがそれぞれ所定の回転位置になったときに、透過型フォトセンサからなるカラーギヤセンサ91YCMによって検知される。
【0033】
図5は本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。図においてバス94には、プロセスユニット6Y,C,M,K、光書込ユニット7、給紙カセット26、レジストモータ92、データ入力ポート68、転写ユニット15、操作表示部93、メイン制御部150、Y,C,M,Kプロセスユニット9Y,C,M,K、モータ制御部190などが接続されている。また、モータ制御部190には、K感光体モータ90K、カラー感光体モータ90YCM、Kギヤセンサ91K、カラーギヤセンサ91YCM、従動エンコーダ171などが接続されている。レジストモータ92は、上述したレジストローラ対28の駆動源である。また、データ入力ポート68は、外部の図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報を受信するものである。また、メイン制御部150は、プリンタ全体の駆動制御を司るものであり、CPU1a、情報記憶手段たるRAM1a、ROM1bなどを有している。また、操作表示部93は、タッチパネル、あるいは液晶パネル及び複数のタッチキーから構成されるのもで、メイン制御部150の制御によって様々な情報を表示したり、操作者からの入力情報をメイン制御部150に送ったりする。
【0034】
本プリンタは、メイン制御部150とは別に、モータ制御部190を有している。そして、このモータ制御部190は、K感光体モータ90Kや、カラー感光体モータ90YCMの駆動を制御する。
【0035】
以上の構成の本プリンタにおいては、4つのプロセスユニット6Y,C,M,Kと光書込ユニット7との組み合わせにより、像担持体たる各感光体1Y,C,M,Kにそれぞれ可視像であるトナー像を形成する可視像形成手段が構成されている。
【0036】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図6は、感光体の配設ピッチを説明するための模式図である。本プリンタにおいては、Y,C,M,K用の感光体1Y,C,M,Kを、ベルト移動方向に沿った水平方向において、ピッチLという配設ピッチで配設している。また、自らの回転駆動に伴って中間転写ベルト8を無端移動せしめる駆動ローラ12としては、ローラ部の周長(π×直径D)が、ピッチLの整数分の1であるものを用いている。より詳しくは、ピッチLの2分の1であるものを用いている。
【0037】
図7は、転写ユニット15と、各色の感光体1Y,C,M,Kと、プリンタ本体内に支持される各ギヤとを示す模式図である。同図において、K用の感光体1Kの感光体ギヤ202Kには、第1中継ギヤ156と、第2中継ギヤ157とを介して、駆動ローラギヤ158が噛み合っている。この駆動ローラギヤ158は、中間転写ベルト8を無端移動させる駆動ローラ12の軸部材に固定されており、駆動ローラ12に対して回転駆動力を伝達する。つまり、このプリンタにおいては、K感光体モータを、K感光体1Kの駆動源として用いるとともに、ベルト駆動モータとしても機能させている。
【0038】
図8は、駆動制御部190と、これに電気接続される各種機器とを示す模式図である。同図において、中間転写ベルト8のループ内側でベルトを張架しながら、ベルトの無端移動に伴って従動回転する従動ローラ14の回転軸部材には、周知の技術によって従動ローラ14の回転角速度を検知するロータリーエンコーダーからなる従動エンコーダー171が固定されている。従動ローラ14の回転角速度と線速とは相関関係にあり、且つ従動ローラ14の線速と中間転写ベルト8の線速とは同じであることから、従動エンコーダー171は、中間転写ベルト8の表面移動速度を検知するベルト速度検知手段として機能している。これに代えて、ベルト表面にて周方向に所定のピッチで配設された複数の目印を具備するスケールの各目印を光学的に検知する光学センサなどを速度検知手段として用いてもよい。
【0039】
従動エンコーダー171による回転角速度の検知結果は、駆動制御部190の演算部193に入力される。駆動ローラ12に偏心があると、中間転写ベルト8の走行速度には、駆動ローラ1回転あたりに1周期分のサインカーブを描くような特性の速度変動が発生する。サインカーブのピークツウピークの中心が、目標のベルト速度である。そこで、演算部183は、目標のベルト速度からのずれを従動エンコーダー171からの信号に基づいて検知すると、そのずれとは逆方向で且つ同じずれ量の速度変動を生起せしめる駆動速度変動量を演算しながら、その駆動速度変動量を生起せしめるための信号を第1モータドライバ191に出力する。すると、第1モータドライバ191が、モータ駆動速度を変化させることで、ベルト速度を目標に近づける。このとき、演算部193は、第1モータドライバ191に出力した信号と同じものを、第2モータドライバ192にも出力して、カラー感光体モータ90YCMに対しても、同様にしてモータ駆動速度を変化させる。これにより、4つの感光体1Y,C,M,Kの全てにおいて、互いに同じ速度変動が発生する。
【0040】
図9は、ベルト速度変動に応じてK感光体モータ(90K)やカラー感光体モータ(90YCM)の駆動速度を微調整することによって発生する感光体の速度変動を示すグラフである。中間転写ベルト(8)の速度変動は、主に駆動ローラ(12)の偏心によって発生する。この偏心により、中間転写ベルト(8)には、駆動ローラ1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の速度変動が発生する。この速度変動を打ち消すように、カラー感光体モータの駆動速度を微調整すると、中間転写ベルトの速度変動が低減される代わりに、K用の感光体において図示のようなサインカーブ状の速度変動が発生する。このサインカーブの1周期も駆動ローラ1回転周期と同じである。また、本プリンタにおいては、カラー感光体モータに対してもK感光体モータと同じ駆動速度の微調整を行っているので、Y,C,M感光体においても、図示のような速度変動が発生する。4つの感光体の速度変動は、互いに振幅が同じで且つ相位相のものとなる。なお、図示のサインカーブ状の速度変動において、サインカーブのピークツウピークの中心は、速度変動量がゼロであり、感光体の線速が設計通りの値になっていることを示している。
【0041】
先に示した図8において、中間転写ベルト8は、Y,C,M,K用の転写ニップをその順序で通過していく。このため、トナー像の1次転写はY,C,M,Kという順で行われる。図9の時点t1では、感光体の速度変動量が山側(プラス側)のピークを迎えている。このとき、図8におけるY用の転写ニップでは、感光体1Y上のYトナー像がベルト移動方向に最も大きな位置ずれをもって1次転写される。このYトナー像がY用の1次転写ニップを通過してから、隣りのC用の1次転写ニップに進入するまでに要する時間は、図9のサインカーブの2周期(2T)と同じである。感光体の配設ピッチLを、駆動ローラ12の周長(π×直径D)の2倍に設定されているからである。このため、中間転写ベルト8上のYトナー像がC用の1次転写ニップに進入するときも、図9の時点t4のように、感光体の速度変動量がサインカーブの山側のピークを迎えている。そして、ベルト移動方向に最大の位置ずれをもって1次転写されているYトナー像の上に、Cトナー像がベルト移動方向に最大の位置ずれをもって1次転写される。それらトナー像の位置ずれ量は互いに同じであるので、それらトナー像の間で重ね合わせずれは殆ど発生しない。このようにして得られたYC重ね合わせトナー像が、下流側のM用の1次転写ニップやK用の1次転写ニップに進入する際にも、感光体の速度変動量はそれぞれサインカーブの山側のピークを迎えている。このため、前述したYC重ね合わせトナー像の上に、Mトナー像やKトナー像がずれなく1次転写される。
【0042】
図9の時点t2では、感光体の速度変動量が谷側(マイナス側)のピークを迎えている。このとき、Y用の転写ニップでは、感光体1Y上のYトナー像がベルト移動方向とは反対方向に最も大きな位置ずれをもって1次転写される。このYトナー像が隣りのC用の1次転写ニップに進入する時点t5においても、感光体の速度変動量がサインカーブの谷側のピークを迎えている。下流側のM用の1次転写ニップや、K用の1次転写ニップでも、同様に谷側のピークを迎える。つまり、ベルト移動方向とは反対方向に最も大きな位置ずれをもって1次転写されるトナー像同士がY,C,M,K転写ニップでそれぞれ重ね合わされる。よって、重ね合わせずれは殆ど発生しない。
【0043】
図9の時点t0では、感光体の速度変動量がゼロになっている。このとき、Y用の転写ニップでは、感光体1Y上のYトナー像が正規の位置に位置ずれなく1次転写される。このYトナー像が隣りのC用の1次転写ニップに進入する時点t3においても、感光体の速度変動量がゼロになる。下流側のM用の1次転写ニップや、K用の1次転写ニップでも、同様に速度変動量がゼロになる。つまり、位置ずれなく1次転写されるトナー像同士がY,C,M,K転写ニップでそれぞれ重ね合わされる。重ね合わせずれは殆ど発生しない。
【0044】
以上のように、本プリンタにおいては、同じ位置ずれ量で位置ずれするトナー像同士が各1次転写ニップで同期するので、重ね合わせずれを発生させることが殆どない。よって、ベルト駆動モータとしてのK感光体モータ(90K)の駆動力で駆動されるK用の感光体1Kによって形成するKトナー像と、他の感光体によって形成するY,C,Mトナー像との重ね合わせずれを低減することができる。
【0045】
なお、感光体に速度変動が発生すると、感光体に対する光書込位置で書き込まれる静電潜像に変形が生ずる。そこで、プリンタでは、その変形を転写ニップにおけるベルトと感光体との線速で相殺するようになっている。具体的には、本プリンタにおいては、感光体の表面がレーザー光Lによる光書込位置に進入してから1次転写ニップの中心に至るまでの時間を、駆動ローラ12の1周期と同じにしている。具体的には、図10において、P1は、感光体に対するレーザー光Lによる光書込位置を示している。また、P2は、1次転写ニップにおける感光体表面移動方向の中心位置(以下、ニップ中心位置という)を示している。ある時点において、光書込位置P1で感光体速度変動のプラス側のピークを迎えたとする。このとき、感光体の線速はプラス側のピークを迎えて最大になっているため、光書込位置P1にて書き込まれる潜像の長さが通常よりも感光体表面移動方向に引き伸ばされる。このようにして、通常よりも引き伸ばされた形状になった潜像箇所は、その後、駆動ローラ12の1回転周期が経過した時点で、ニップ中心位置P2に到達する。このときの感光体の線速もプラス側のピークを迎えて最大になる。すると、中間転写ベルト8の線速よりも感光体の線速の方が速くなって、感光体の表面上のトナー像が通常よりも縮んだ状態で中間転写ベルト8の表面に1次転写される。このときの収縮率は、先の光書込位置P1における潜像の引き伸ばし率と同じであるため、光書込位置P1における引き伸ばしがニップ中心位置P2における収縮で相殺される。これにより、ベルト上のトナー像は正常な形状になる。光書込位置P1で感光体がピーク速度を迎えたときに書き込まれた潜像箇所について説明したが、他の潜像箇所も同様にして、光書込位置P1における伸縮が、ニップ中心位置P2における伸縮で相殺される。
【0046】
これまで、駆動ローラ12の偏心に起因する各色トナー像の位置ずれだけに着目して説明してきたが、実際には、上述したように、各感光体ギヤの偏心に起因する各色トナー像の位置ずれも発生する。しかし、本プリンタにおいては、既に説明したように、各感光体ギヤの最大偏心箇所の位相を合わせる位相合わせ処理を行っているため、各感光体ギヤの偏心に起因する位置ずれについても、同じ位置ずれ量のトナー像同士が各色の1次転写ニップで同期することになる。つまり、実際には、図15に示すように、駆動ローラ12の偏心に起因して駆動ローラ1回転周期で発生する位置ずれ量と、感光体ギヤの偏心に起因して感光体1回転周期で発生する位置ずれ量とを重畳した位置ずれ量が発生する。そして、各1次転写ニップでは、重畳後の同じ位置ずれ量のトナー像同士が互いに同期する。例えば、図15に示される重畳後の波形において、1番目に出現する山側ピークのときに転写されるトナー像同士が、Y,C,M,K用の1次転写ニップで互いに同期することになる。
【0047】
なお、Y,C,Mの3色をそれぞれ個別の感光体モータで駆動する場合には、次のようにすればよい。即ち、Y,C,Mの感光体ギヤ202Y,C,Mにそれぞれ、大径部(204YCMに相当するもの)を取り付けるとともに、それら大径部をそれぞれ個別に検知するY,C,M用のギヤセンサ(91YCMに相当するもの)を設ける。そして、プリントジョブ終了時、あるいは開始時に、Y,C,Mの各色においてそれぞれ、ギヤセンサが大径部を検知するタイミングが所定の関係になるように、それら各色の感光体ギヤの回転姿勢を調整する。これにより、それら3色の1次転写ニップで感光体ギヤ偏心に起因する位置ずれ量が互いに同じになるトナー像同士を同期させるようにする。
【0048】
参考までに、各色の1次転写ニップを基準にして各色感光体ギヤの最大偏心箇所の位相を合わせない場合における各色トナー像の位置ずれ量の関係を図16に示す。この例では、各感光体の配設ピッチLを駆動ローラ12の周長の整数倍にしているので、駆動ローラ12の偏心に起因する位置ずれについては、互いに同じ位置ずれ量のトナー像同士を各1次転写ニップで同期させることができている。しなしながら、感光体ギヤの偏心に起因する位置ずれについては、互いに同じ位置ずれ量のトナー像同士を各1次転写ニップで同期させることができていない。このため、駆動ローラ12の偏心に起因する位置ずれ量と、感光体ギヤの偏心に起因する位置ずれ量とを重畳した実際の位置ずれ量については、互いに同じものを各1次転写ニップで同期させることができない。このため、重ね合わせずれが発生してしまう。
【0049】
また、参考までに、各感光体の配設ピッチLを駆動ローラ12の周長の整数倍に設定しない場合における各色トナー像の位置ずれの関係を図17に示す。この例では、Y,C,M,Kの間で、互いに各色の1次転写ニップを基準にして感光体ギヤの最大偏心箇所の位相を合わせる処理を行っている。このため、感光体ギヤの偏心に起因する位置ずれについては、互いに同じ位置ずれ量のトナー像同士を各1次転写ニップで同期させることができている。しなしながら、駆動ローラ12の偏心に起因する位置ずれについては、互いに同じ位置ずれ量のトナー像同士を各1次転写ニップで同期させることができていない。このため、駆動ローラ12の偏心に起因する位置ずれ量と、感光体ギヤの偏心に起因する位置ずれ量とを重畳した実際の位置ずれ量については、互いに同じものを各1次転写ニップで同期させることができない。このため、重ね合わせずれが発生してしまう。
【0050】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
各色のトナー像の重ね合わせずれは、中間転写ベルト8や感光体の速度変動の他に、各色トナー像の副走査レジストずれによっても発生する。副走査レジストずれは、トナー像の正規の転写位置が中間転写ベルト8の移動方向である副走査方向に全体的にずれてしまう現象である。そして、副走査レジストずれの主な原因は、反射ミラーやレンズなどといった光書込ユニット7の部品が温度変化に伴って伸縮することにある。複数の記録紙に対して連続して画像を形成する連続プリント動作中には、光書込ユニット7が昇温を続けることから、連続動作時間が長くなるに従って色ズレ量が増加していく。
【0051】
そこで、実施例に係るプリンタのメイン制御部150は、所定枚数のプリントを行う毎に、次のような書込位置補正処理を行う。即ち、各色の感光体にそれぞれ形成したトナー像をベルト上に並べて転写した後、それらトナー像を位置ずれ量検知手段としての光学センサで検知したタイミングに基づいて各色トナー像の位置ズレ量を検出する。そして、検出結果に基づいて、潜像書込開始タイミングを補正することで、副走査レジストズレ量を低減する。これにより、図11に示すように、連続プリントモードにおいて、連続プリント枚数の増加に伴って徐々に大きくなっていく色ずれ量を、書込位置補正処理の定期的な実施によって定期的にほぼゼロにリセットすることができる。
【0052】
図12は、中間転写ベルト8の一部を位置ずれ量検知手段としての光学センサユニット236とともに示す拡大斜視図である。図示のように、中間転写ベルト8における駆動ローラ12に対する掛け回し箇所には、光学センサユニット236が所定の間隙を介して対向している。メイン制御部150は、図示しない電源スイッチがONされた直後や、所定枚数のプリントを実施する毎に、書込位置補正処理を実施するようになっている。そして、この書込位置補正処理において、中間転写ベルト8の幅方向の一端部、中央部、他端部にそれぞれ、シェブロンパッチPVと呼ばれる複数のトナー像からなる色ずれ検知用画像を形成する。光学センサユニット236は、中間転写ベルト8の幅方向における一端部に対向する第1光学センサ237と、中央部に対向する第2光学センサ238、他端部に対向する第3光学センサ239とを具備している。そして、第1光学センサ237は、発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト8の表面で反射させ、その反射光を受光手段で受光して受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト8の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内のトナー像が第1光学センサ237の直下を通過する際には、第1光学センサ237の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、メイン制御部150は、中間転写ベルト8の幅方向の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知することができる。また、同様にして、第2光学センサ238からの出力に基づいて、中間転写ベルト8の中央部に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知することもできる。また、第3光学センサ239からの出力に基づいて、中間転写ベルト8の他端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知することもできる。そして、その検知タイミングに基づいて、各トナー像の位置ずれ量を検知することが可能である。このように、第1光学センサ237、第2光学センサ238、第3光学センサ239は、それぞれメイン制御部150との組合せによって位置ずれ量検知手段として機能している。なお、発光手段としては、トナー像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては、多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。
【0053】
メイン制御部150は、シェブロンパッチPV内の各トナー像を検知することで、各トナー像における主走査方向の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ検出する。ここで言う主走査方向とは、ポリゴンミラーでの反射に伴ってレーザー光が感光体表面上で位相する方向を示している。シェブロンパッチは、図13に示すように、Y,C,M,Kの各色のトナー像を主走査方向から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向であるベルト移動方向に所定ピッチで並べたラインパターン群である。このようなシェブロンパッチPV内のY,C,Mトナー像について、Kトナー像との検知時間差を読み取っていく。同図では、紙面上下方向が主走査方向に相当し、左から順に、Y,C,M,Kトナー像が並んだ後、これらとは姿勢が90[°]異なっているK,M,C,Yトナー像が更に並んでいる。基準色となるKとの検出時間差tyk、tck、tmkについての実測値と理論値との差に基づいて、各色トナー像の副走査方向のズレ量、即ちレジストズレ量を求める。そして、そのレジストズレ量に基づいて、感光体に対する光書込開始タイミング、あるいは反射ミラーの傾きを補正して、各色トナー像のレジストズレを低減する。また、ベルト両端部間での副走査方向ズレ量の差に基づいて、各色トナー像の主走査方向からの傾き(スキュー)を求める。そして、その結果に基づいて、反射ミラーの面倒れ補正を実施して、各色トナー像のスキューズレを低減する。以上のように、色ずれ検知用画像であるシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知したタイミングに基づいて光書込開始タイミングなどを補正してレジストズレやスキューズレを低減する処理が、書込位置補正処理である。
【0054】
図14は、感光体1Y,C,M,Kに対する副走査方向における光走査開始位置の相対位置関係を示す模式図である。図中○で囲ったY,C,M,Kのアルファベットは、それぞれ感光体1Y,C,M,Kに対する1ドット目のレーザースポットの中心位置を示している。また、同図において、点線の○で囲ったCは、C用の感光体1Cに対する1ドット目のレーザースポットの照射予定中心位置を示している。また、同時において、L1は、1ドットの副走査方向における長さを示している。また、(L1/2)は、言うまでもなく、L1の半分の長さを示している。
【0055】
同図において、C用の感光体1Cに対する1ドット目のレーザースポットの中心位置が図中点線の○で囲ったCの位置であると、Cトナー像とKトナー像とは、副走査方向において(L1/2)以上、即ち、1ドットのサイズの半分以上の重ね合わせずれが発生してしまう。このような副走査方向におけるずれを解消するべく、単純に、レーザー光の照射時間をその分だけずらすといったことを行うことはできない。レーザー光は主走査方向に移動しているため、予定の照射開始タイミングからわずかにずらして照射を開始すると、主走査方向における端部よりも中央よりから、端部に対応する光書込を行ってしまうからである。照射開始タイミングをずらすには、少なくとも、1ドット分(1ライン)単位のタイミングでずらす必要があるのである。ここで、C用の感光体1Cに対する照射開始タイミングを当初の予定から1ドット分だけ遅らせたとする。すると、C用の感光体1Cに対する光書込開始位置が、図中において点線の○で囲ったCの位置から、実線○で囲ったCの位置に、シフトする。そして、Cトナー像とKトナー像との重ね合わせずれが、(L1/2)よりも短い長さになる。即ち、重ね合わせずれが低減されるのである。このように照射開始タイミングをずらすことで、感光体間に線速差をもたせることなく、重ね合わせずれ量を(L1/2)以下に留めることができる。Mトナー像とKトナー像、Cトナー像とKトナー像との関係においても、同様にして、感光体間に線速差をもたせることなく、重ね合わせずれ量を(L1/2)以下に留めることができる。
【0056】
そこで、メイン制御部150は、上述の書込位置補正処理において、各基準トナー像の検知タイミングに基づいて、Y,C,Mの3色についてそれぞれ、Kとの重ね合わせずれが(L1/2)以上になる演算結果となったものについては、次のような処理を行うようになっている。即ち、まず、図14に示したように、予定の照射開始タイミングよりも1ドット分だけ、照射開始タイミングを早めるあるいは遅らせる設定をする。これにより、感光体の駆動速度を変化させることなく、(L1/2)以上の長さで生ずるはずであった重ね合わせずれ量を、(L1/2)以下に留め得る設定にする。
【0057】
但し、このような設定をしたとしても、(L1/2)以下の長さで、重ね合わせずれが発生してしまう。そこで、この(L1/2)以下の長さの重ね合わせずれ量について、カラー感光体モータ90YCMの駆動速度の設定を変更して、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mと、K用の感光体1Kの駆動速度(目標値)とに線速差をもたせる。その線速差については、Y,C,Mの3色のドットと、Kのドットとのずれ量を最小にすることができる値に設定する。
【0058】
かかる構成では、(L1/2)以上の重ね合わせずれを感光体の線速差によってのみ抑える場合に比べて、線速差を小さくしつつ、重ね合わせずれを感光体の線速によってのみ抑える場合と同様に重ね合わせずれを抑えることができる。
【0059】
モータ制御部190は、基本的には、第1モータドライバ191と第2モータドライバ192とにそれぞれ基準値の基準クロックパルスを出力する。各モータドライバがそれぞれ、その基準クロックパルスに対向する駆動速度でモータを駆動すると、感光体が基準の回転速度で回転する。但し、演算部193からベルト速度変動に応じた速度変化指示信号が送られてくると、それに応じた分だけ駆動速度を増減する。そして、モータ制御部190は、メイン制御部150から、上述した書込位置補正処理で求めた感光体の線速差に関する信号が送られてくると、第2モータドライバ192に対して出力する出力基準クロックパルスを、基準値のものから、基準値に対して線速差に相当する分の加算又は減算を行ったものい変更する。これにより、Y,C,Mの感光体はそれぞれ、前述の線速差をもたせた状態の線速平均値(図9のグラフにおけるピークツウピークの中心値)で回転する。第2モータドライバ192は、線速平均値を基準の目標速度とするのである。
【0060】
かかる構成においては、K用の感光体と、Y,C,M用の感光体とに線速差をもたせて1/2未満の精度まで副走査レジストずれを低減しつつ、感光体の速度変動に起因する重ね合わせずれを低減することができる。
【符号の説明】
【0061】
1Y,C,M,K:感光体(像担持体)
8:中間転写ベルト(ベルト部材)
12:駆動ローラ(駆動回転体)
15:転写ユニット(転写手段)
90K:K感光体モータ(ベルト駆動モータ)
90YCM:カラー感光体モータ(像担持体駆動モータ)
150:メイン制御部(制御手段の一部)
190:モータ制御部(制御手段の一部)
171:従動エンコーダー(ベルト速度検知手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2008−112132号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状のベルト部材をそのループ内に配設された複数の張架部材によって張架しながら、複数の張架部材の1つである駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動させるベルトユニットと、
前記駆動回転体を回転駆動するための駆動力を発揮することで前記ベルト部材を無端移動させるベルト駆動モータと、
前記ベルト部材の移動速度を検知するベルト速度検知手段と、
自らの無端移動する表面に可視像を担持する複数の像担持体と、
それぞれの像担持体の表面に担持されるトナー像を前記ベルト部材の表面あるいは該表面に保持されている記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、
前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて、前記ベルト部材を所定の目標ベルト速度で無端移動させるように前記駆動モータの駆動速度を微調整する制御手段とを備える画像形成装置において、
前記複数の像担持体のうち、少なくとも何れか1つの像担持体の駆動源として、前記ベルト駆動モータを共用し、
他の像担持体を前記ベルト駆動モータとは別の像担持体駆動モータで駆動し、
前記複数の像担持体における前記ベルト部材の移動方向に沿った配設ピッチを、前記駆動回転体の周長の整数倍に設定し、
且つ、前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて、前記ベルト駆動モータと前記像担持体駆動モータとに対して互いに同じ速度微調整を行う処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記ベルト部材の表面に転写された可視像を検知する像検知手段を設けるとともに、
予め記憶している画像情報に基づいてぞれぞれの像担持体に形成した所定の基準可視像を前記ベルト部材の表面の互いに異なる位置に転写した後、前記ベルト部材上におけるそれら基準可視像を前記像検知手段によって検知するタイミングのずれに基づいて、それぞれの基準可視像の相対的な位置ずれ量を把握し、把握結果に基づいた線速差を、前記ベルト駆動モータによって駆動される像担持体と、前記像担持体駆動モータによって駆動される像担持体とに設けるように、前記ベルト駆動モータの目標駆動速度と、前記像担持体駆動モータの目標駆動速度とをそれぞれ個別に設定する処理を所定のタイミングが到来する毎に実施し、且つ、操作者の指示命令に基づく画像を形成する際には、前記ベルト駆動モータと前記像担持体駆動モータとを、それぞれ個別の目標駆動速度を基準にして、前記ベルト速度検知手段による検知結果に基づいて駆動速度を微調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−63519(P2012−63519A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206714(P2010−206714)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】