説明

画像形成装置

【課題】トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力物を得ること。
【解決手段】トナーの使用量を抑制した印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能な画像形成装置において、トナーの使用量を抑制するか否かを設定するトナー使用量設定手段と、印刷画像に地紋画像情報を付加するか否かを設定する地紋画像情報設定手段と、トナー使用量設定手段によりトナーの使用量を抑制する設定がなされ、地紋画像設定手段により印刷画像に地紋画像情報が付加されている場合には、トナー使用量設定手段がトナーの使用量を抑制しない設定を行うよう制御するCPU301と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地紋画像を付加した印刷が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
写真画像データ信号やドキュメントデータ等の画像情報を画像形成装置で印刷する際に、トナーの消費量を節約することを目的として、トナー節約モードを設定して印刷するニーズが増えている。例えば、特許文献1の画像形成装置では、トナー節約モードを備えており、トナー節約モードの設定時においても文字/細線情報の劣化がないように画像処理が工夫されており、文字/細線以外についてはトナー節約モードで印刷を実施する技術が開示されている。
【0003】
また、近年プリンタ性能の飛躍的な向上により、地紋画像と呼ばれる画像情報を元の印刷出力画像に重ねて印刷出力する技術が知られている。地紋画像とは、原本(プリンタで出力した印刷物)においては、単なる濃度が薄い模様や背景色などに見えるが、原本をコピーするとコピー出力上に所定の文字などが浮かび上がる画像をいう。例えば、特許文献2では、地紋画像情報を元の印刷画像に付加した印刷出力を得ることができ、地紋画像と元の印刷出力画像の重なりによる見え方を工夫した画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−60864号公報
【特許文献2】特開2005−136953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像形成装置では、トナー節約モードの設定時に文字/細線については情報劣化しないように画像処理しているので、ユーザは文字/細線情報については認識できる。しかし、トナー節約モードの設定時に通常の画像に地紋画像を透かし印刷で付加した場合、その透かし印刷された情報の劣化が発生してしまい、有効な地紋画像が得られなくなるという課題があった。また、特許文献2の画像形成装置によれば、地紋画像を印刷する際に、トナー節約モードで印刷を行うと、有効な地紋画像が得られなくなるという課題があった。このような場合、もともと濃度を抑えた画像により地紋画像を作成するため、地紋画像を付加した印刷出力の画像の見え方などに影響を与え、有効な地紋画像が得られなくなってしまう。従って、地紋画像の効果が薄れ、地紋画像が付加された印刷出力をコピーした場合に、地紋画像が浮かび上がらなくなってしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況のもとでなされたものであり、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0008】
(1)現像剤の使用量を抑制した印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能な画像形成装置において、前記現像剤の使用量を抑制するか否かを設定する現像剤使用量設定手段と、印刷画像に前記地紋画像情報を付加するか否かを設定する地紋画像情報設定手段と、前記現像剤使用量設定手段により前記現像剤の使用量を抑制する設定がなされ、前記地紋画像情報設定手段により前記地紋画像情報を付加する設定がなされている場合には、前記現像剤使用量設定手段が前記現像剤の使用量を抑制しない設定を行うよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【0009】
(2)複数色の現像剤の使用量を抑制したカラー印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能な画像形成装置において、前記現像剤の使用量を抑制するか否かを色毎に設定する現像剤使用量設定手段と、印刷画像に前記地紋画像情報を付加するか否かを色毎に設定する地紋画像情報設定手段と、前記制御手段は、前記現像剤使用量設定手段により設定された現像剤の使用量が抑制されている色と、前記地紋画像情報設定手段により設定された前記地紋画像情報が付加されている色が一致している場合には、前記現像剤使用量設定手段が前記一致した色の前記現像剤の使用量を抑制しない設定を行うよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1乃至4の画像形成装置の断面図、制御ブロック図
【図2】実施例1乃至4の画像データ情報の流れを説明する図
【図3】実施例1乃至4で使用される地紋画像の例を示す図
【図4】実施例1乃至4の地紋画像の設定画面を示す図、画像形成装置とホストPC端末が接続される状態を表す図、トナー節約モードを選択設定する設定画面を示す図
【図5】実施例1乃至4の通常印刷モード及びトナー節約モードで印刷された印刷画像を示す図
【図6】実施例1の印刷制御のフローチャート
【図7】実施例2の印刷制御のフローチャート
【図8】実施例3の印刷制御のフローチャート
【図9】実施例3、4のトナー節約モードの設定状態に関する設定画面を示す図
【図10】実施例4の印刷制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0013】
<画像形成装置の構成>
図1(a)は、実施例1の画像形成装置の構成を示す断面図である。まず、カラーリーダー部1は、原稿台ガラス101(プラテン)、自動原稿給紙装置102(ADF)を有する。なお、この自動原稿給紙装置102の代わりに、鏡面圧板若しくは白色圧板(図示せず)を有する構成でもよい。原稿を照明する光源103,104は、ハロゲンランプ、蛍光灯、キセノン管ランプ等を使用する。反射傘105,106は光源103,104の光を原稿に集光する。また、カラーリーダー部1はミラー107〜109、CCDイメージセンサ(以下、CCDという)111、原稿からの反射光または投影光をCCD上に集光するレンズ110を有する。キャリッジ114は、光源103,104、反射傘105,106及びミラー107を有する。キャリッジ115は、ミラー108,109を有する。なお、キャリッジ114は速度Vで、キャリッジ115は速度V/2で、CCD111の電気的走査方向(紙面に垂直な方向、以下主走査方向という)に対して直交する副走査方向に機械的に移動することによって、原稿の全面を走査する。基板112にはCCD111が実装されている。制御部100は画像形成装置全体を制御する。また、制御部100は、図1(b)のようにリーダースキャナ制御部113とプリンタ制御部250に対してそれぞれ制御を行うための情報をやり取りするI/F部を持つCPU301と、ページメモリ部302、デジタル画像処理部304によって構成されている。操作部303はユーザによる処理実行内容の入力やユーザに対する処理に関する情報及び警告等の通知のためのタッチパネル付き液晶により構成され、CPU301に接続されている。なお、外部インターフェース部116を介して画像データ情報、制御コマンド及び制御ステータス等の情報が外部から制御部100に通知される。また、制御部100はRAM、ROM等で構成される記憶部(不図示)を有し、この記憶部に操作部303等からユーザにより入力された処理実行内容、設定情報が画像データ信号に関連付けて記憶される。
【0014】
プリンタ制御部250は、画像形成装置全体の制御を行う制御部100上のCPU301からの制御信号を受ける。制御部100は、カラーリーダー部1に対して画像読み取り制御を実施することで読み取り画像データ信号を一旦ページメモリ部302に格納する。そして、制御部100は、プリンタ制御部250からの画像先端基準タイミングに従い、ページメモリ部302内の画像データ信号をビデオクロックに同期させて画像データ信号としてプリンタ制御部250に伝送する。
【0015】
[画像形成動作]
プリンタ部2はプリンタ制御部250からの制御信号に基づいて以下の動作を行う。レーザスキャナ201は、画像データ信号に対応するレーザ光を、ポリゴンミラーで主走査方向に走査して感光ドラム202に照射する。感光ドラム202上に形成された静電潜像は、感光ドラム202の時計方向への回転により4色現像器203の各色中の1色のスリーブ位置に達する。静電潜像が形成された感光ドラム202表面と現像バイアスが印加された現像スリーブ面との間に形成される電位差に応じたトナー(現像剤)が、4色現像器203から感光ドラム202表面へ飛ばされ静電潜像が現像されてトナー像となる。
【0016】
感光ドラム202上に形成されたトナー像は、感光ドラム202の時計方向への回転により、反時計方向に回転する中間転写体205に転写される。黒単色画像の場合には、中間転写体205に対して所定の時間間隔をあけて順次画像形成され1次転写される。複数色のフルカラー画像(カラー印刷)の場合には、感光ドラム202上の各色に対応する静電潜像を、各色毎に順次4色現像器203のスリーブにより現像を行い中間転写体205に1次転写する。そして、中間転写体205の4回転後に、すなわち4色分の1次転写をした時点でフルカラー画像の1次転写が完了する。一方、記録紙は、各カセット(上段カセット208/下段カセット209/3段目カセット210/4段目カセット211)から各カセット段の各ピックアップローラ212〜215によりピックアップされる。そして、各カセット段の各給紙ローラ216〜219により搬送される記録紙は、縦パス搬送ローラ222〜225によりレジストローラ221まで搬送される。手差し給紙の場合には、手差しトレイ240に積載された記録紙が、手差し給紙ローラ220でレジストローラ221まで搬送される。
【0017】
そして、中間転写体205へのトナー像の転写が終了するタイミングで、中間転写体205と2次転写ローラ206の間に記録紙が搬送される。その後、記録紙は2次転写ローラ206と中間転写体205とに挟まれて定着器方向へ搬送されるとともに、2次転写ローラ206は中間転写体205に押圧される。そして、中間転写体205と2次転写ローラ206の間に2次転写正バイアスが印加されることにより、中間転写体205上のトナー像が記録紙に2次転写される。記録紙に転写されたトナー像は、定着ローラ207a及び加圧ローラ207bにより加熱及び加圧され記録紙に定着される。なお、記録紙に転写されずに残った中間転写体205上の転写残留トナーは、中間転写体205の表面上に当接・離間可能なクリーニングブレード230をこすり当てることにより中間転写体205表面から掻き取られる。そして、中間転写体205表面はクリーニングされ、掻き取られた残留トナーはクリーニングブレード230と一体の回収部に回収される。
【0018】
感光ドラムユニット内では、残留トナーがブレード231により感光ドラム202表面から掻き取られ、感光ドラムユニット内に一体化されている回収トナーボックス232まで搬送される。さらに、画像形成終了直後の後回転処理では、予期せぬことで吸着している可能性のある2次転写ローラ表面上の正負各極性の残留トナーに2次転写正バイアス及び2次転写逆バイアスを交互に印加する。そして、中間転写体205上に各極性の残留トナーを吸着させ、上記のクリーニングブレード230で残留トナーを掻き取る。その結果、2次転写ローラ206及び中間転写体205の残トナーがすべてクリーニングされる。
【0019】
ここで、図中の第1排紙ローラ233、第2排紙ローラ234、第3排紙ローラ236から記録紙が排紙される場合を、それぞれ第1排紙、第2排紙、第3排紙とする。画像が定着された記録紙は、第1排紙の場合には、第1排紙フラッパ237を第1排紙ローラ233方向に切り替えて、第1排紙ローラ233を目指して排紙される。第2排紙の場合には、第1排紙フラッパ237及び第2排紙フラッパ238を第2排紙ローラ234方向に切り替えて、第2排紙ローラ234を目指して排紙される。第3排紙の場合には、一旦反転ローラ235で反転動作を行うために、第1排紙フラッパ237及び第2排紙フラッパ238を反転ローラ235方向に切り替えて反転ローラ235で反転させる。反転ローラ235で反転後、第3排紙フラッパ239を第3排紙ローラ236方向に切り替えて、第3排紙ローラ236を目指して排紙される。両面排紙の場合には、第3排紙の場合と同様に一旦反転ローラ235で反転動作を行い、第3排紙フラッパ239を両面ユニット方向に切り替えて、両面ユニットに搬送される。両面センサで記録紙が検出されてから所定時間後に一旦停止し、再度画像準備が整い次第再給紙され、2面目の画像形成がなされる。
【0020】
[画像データ信号の流れ]
次に、画像データ信号の流れについて説明する。カラーリーダー部1から原稿画像を読み取り、その画像データ信号がリーダースキャナ制御部113で処理され、さらに制御部100内のデジタル画像処理部304で処理されて最終的にプリンタ部2のプリンタ制御部250まで伝送される。この画像データ信号の流れを、図2を用いて説明する。
【0021】
制御部100は、リーダースキャナ制御部113に対して、原稿読込要求を発行する。原稿読込要求を受信したリーダースキャナ制御部113では、原稿台ガラス上の原稿の読込を開始する。原稿台ガラス上の原稿は光源103,104からの光を反射し、その反射光はCCD111に導かれて電気信号に変換される。ここで、CCD111がカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに載ったものでも、3ラインCCDで、Rフィルタ・Gフィルタ・BフィルタがそれぞれのCCDごとに並べられたものでもよい。また、フィルタがオンチップ化またはフィルタがCCDと別構成になったものでもよい。なお、図2で示したように、リーダースキャナ制御部113はクランプ・Amp・S/H・A/D部501〜Video信号I/F部505を有する。また、デジタル画像処理部304は、RGB位相補正処理部506〜Video信号I/F部516を有する。
【0022】
まず、CCD111で変換された上記電気信号(アナログ画像データ信号)はリーダースキャナ制御部113に入力される。次に、入力された電気信号は、リーダースキャナ制御部113内のクランプ・Amp・S/H・A/D部501でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像データ信号のダークレベルを基準電位にクランプ、所定量に増幅、A/D変換される。この場合、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたRGB信号は、シェーディング部502で、シェーディング補正及び黒補正が施される。次に、ゴミ検知部・ゴミ補正部503において、読み取られた1ラインの画像データに対してゴミ検知処理を実施する。そして、ゴミと検知された画素によりスジなどの異常画像になるのを防ぐため、ゴミ検知部・ゴミ補正部503のゴミ補正部によりゴミ補正処理が実施される。その後、ゴミが除去された画像データ信号は、MTF補正部504で、読取速度や変倍率等の読取状況により変化するMTF値を補正する。
【0023】
MTF補正部504でMTF補正が行われた画像データ信号は、Video信号I/F部505を介して制御部100のデジタル画像処理部304へ伝送される。デジタル画像処理部304に伝送された各色画像データ信号は、CCD111が3ラインCCDの場合、ライン間の読取位置が異なるため、RGB位相補正処理部506により読取速度に応じてライン毎の遅延量が調整される。そして、3ラインの読取位置が同じになるように位相補正されてページメモリ部302に保持される。なお、ページメモリ部302に保持された状態でデジタル画像処理部304により以下に述べる各種のデジタル画像処理が実施される。
【0024】
デジタル画像処理部304の入力ダイレクトマッピング処理部507は、画像データ信号に対してCCD111のRGBフィルタの色補正を行う。処理された画像データ信号は、さらに文字/細線等のエッジ強調・スムージング処理がエッジ強調部・スムージング部508で実施される。その後、ユーザの指定により画像回転指定及び変倍指定が設定されていた場合、回転・変倍処理を回転・変倍処理部509で実施する。回転・変倍処理部509により処理された画像信号は、裏写り防止処理部510で裏写り防止のためのフィルタ処理が実施される。この時点で、もしユーザ指定の色選択モードがモノクロモードである場合に、Bk生成部・下地飛ばし処理部511でBk信号が生成され、下地飛ばしが実施される。以降はプリンタに出力するための処理となり、RGB⇒CMY変換部・出力ダイレクトマッピング処理部512により、これまで入力画像データ信号としてRGBで処理されていた画像データ信号が、印刷するための画像データ信号であるCMY信号に変換される。さらに、ユーザ指定の色選択モードがカラーモードである場合に、カラーモードとしてのBk信号が生成されて、画像形成装置の印刷に必要なYMCKの画像データ信号に変換される。なお、文字領域においてはUCR処理が実施される。
【0025】
画像データ信号はRGB⇒CMY変換部・出力ダイレクトマッピング処理部512での処理後、F値調整部・カラーバランス補正部513によりF値調整及びカラーバランス補正が実施される。もし、この段階での画像データ信号を入力信号として、そのまま画像形成装置のプリンタ部2に出力すると、そもそもプリンタ部2の濃度再現性能力や耐久状況により、期待される入力側の画像データと同じ出力画像(印刷画像)が得られないことになる。そこで、プリンタ部2の濃度再現能力に合うように、出力γ補正部・最適スクリーン選択部・スムージング処理部514により、画像データ信号を変換し、さらに画像データの見え方に大きく影響するスクリーン選択とスムージング処理を実施する。ユーザにより指定されていた場合には、トリミング・マスキング・枠消し処理部515で、各処理を実施し、最終的にプリンタ部2へ出力する画像データ信号をVideo信号I/F部516を介してページメモリ部302に格納する。
【0026】
<地紋画像付加時の制御シーケンス>
本実施例の地紋画像付加時の制御シーケンスについて説明する。本実施例の画像形成装置では、操作部303からのユーザの設定により、地紋画像データを透かし印刷として付加した印刷が可能であるものとする。また、ネットワーク回線を介してホストPC(パーソナルコンピュータ)端末から地紋画像データを透かし印刷として付加した印刷も可能であるものとする。
【0027】
[地紋画像]
まず、図3に地紋画像を示す。図3(a)は地紋画像が「A」の場合、図3(b)は地紋画像が「コピー禁止」の場合を示す。このような地紋画像は、複写により原本が容易に複製できないようにするための仕掛けであり、複写するユーザを心理的に牽制して原本の複写を抑止する効果を奏する。この効果を得るために、地紋画像は複写後にドット画素が残る領域と複写後にドット画素が消える領域の同じ濃度を持つ2つの領域から基本的に構成される。この2つの領域はほぼ同じ濃度であり、マクロ的には一見すると地紋画像としての文字や画像が隠れていることが判別できないが、ミクロ的にはそれぞれ異なる特性を有している。以下では、複写後にドット画素が残る領域を潜像部と呼び、複写後にドット画素が消える領域を背景部と呼ぶ。潜像部は図3(a)の文字「A」に示されるように、ドット画素が集中した固まりで構成され、背景部はドット画素が分散するように構成されることで、濃度がほぼ同じでそれぞれ特性が異なる2つの領域を作り出すことができる。この2つの領域は、異なる網点処理や異なるディザ処理により生成できる。網点処理を用いて地紋画像を生成する場合、潜像部は少ない線数の網点処理、背景部は多い線数の網点処理が適している。ディザ処理を用いて地紋画像を生成する場合、潜像部はドット集中型ディザマトリクスを用いたディザ処理、背景部はドット分散型ディザマトリクスを用いたディザ処理が適している。
【0028】
[地紋画像の選択設定]
本実施例の地紋画像として用いる元画像データ情報は、文字画像データでも模様画像データでもよく、図4(a)の操作部303からユーザが選択する。また、本画像形成装置をプリンタとして使用する場合には、図4(c)に示すように、ネットワーク回線で接続されたホストPC端末701のモニタ画面702(表示部)上に表示されたプリンタドライバの設定画面403(図4(b))からユーザが選択する。なお、図4(c)のネットワーク回線を介して、本実施例の画像形成装置の外部インターフェース部116(図1(a))を経て画像データ情報や制御コマンド及び制御ステータス等の情報が制御部100に通知される。なお、ユーザが地紋画像を設定したことは、制御部100の記憶部に画像データ情報と関連付けて設定情報として記憶される。
【0029】
図4(a)、図4(b)では、地紋画像を透かし印刷として付加する設定(地紋画像情報設定)を選択する。図4(a)の操作部303では、キー401のキー入力で地紋画像を付加するかしないかを選択し、キー402のキー入力で地紋画像選択を行う。ここでは、地紋画像として文字が選択される。また、図4(b)の画面は、ホストPC端末701のプリンタドライバ設定画面であり、設定画面403が透かし印刷に関する設定画面となっている。この透かし印刷のオプションとして、領域404で地紋画像を付加するかしないかをプルダウンすることで選択し、領域405で地紋画像選択を行う。こうして設定画面により設定され制御部100の記憶部に記憶された設定情報と地紋画像用画像データ情報から、図1(b)の制御部100内のデジタル画像処理部304に内蔵されている地紋画像生成部(不図示)により地紋画像データが生成される。地紋画像データ生成後、デジタル画像処理部304により、通常印刷する画像データ情報と生成された地紋画像データをページメモリ部302で合成することにより、地紋画像入り画像データ情報としてプリンタ部2に出力される。
【0030】
<トナー節約モード時の画像形成>
本実施例のトナー節約モード時の画像形成について説明する。トナー節約モードは、操作部303からユーザが設定する場合と、本画像形成装置に接続されるホストPC端末701のプリンタドライバ設定画面からユーザが設定する場合がある。図4(d)は操作部303からトナー節約モードを設定(現像剤使用量設定)する画面601であり、図4(e)はネットワーク上のホストPC端末701のモニタ画面702上に表示されたプリンタドライバによるトナー節約モードの設定画面602である。本実施例の画像形成装置では、トナー節約モードを色毎に設定するのではなく各色一律でオンするかオフするかで選択する。なお、ユーザがトナー節約モードを設定したことは、制御部100の記憶部に画像データ情報と関連付けて設定情報として記憶される。
【0031】
トナー節約モードが設定された状態での画像形成は、画像濃度を下げることで使用されるトナー消費量(現像剤の使用量)を抑制して実行される。本実施例で画像濃度を下げる場合は、1画素当たりに使用されるトナー消費量を少なくする方法を用いる。1画素当たりに使用されるトナー消費量を少なくするため、制御部100からプリンタ制御部250に転送される画像データ情報で各画素に対するトナー濃度レベルを下げる。具体的には、デジタル画像処理部304の出力γ補正部・最適スクリーン選択部・スムージング処理部514の出力γ補正部の補正処理により、通常画像形成時の濃度レベルへのγ補正処理よりもさらに濃度レベルが下がるようにγ補正処理を実施する。その結果、通常印刷すると図5(a)のようになる画像データはトナー節約モードによる濃度レベル補正処理により、図5(b)のように濃度レベルの高いものは低くなり、もともと濃度レベルの低い画素はさらに低くなって、その画素が無くなることもある。すなわち、図5(a)の印刷出力1001〜印刷出力1004は、それぞれ図5(b)の印刷出力1101〜印刷出力1104のようになり、全体としてトナー濃度レベルが下がることでトナー消費量が少なくなる。
【0032】
<印刷制御のフローチャート>
地紋画像設定時にトナー節約モードがさらに設定されていた場合の印刷制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図6では、画像形成装置をプリンタとして使用し、図4(c)のネットワーク回線を介したホストPC端末701によりトナー節約モードが設定されている状態で、印刷ジョブがホストPC端末701から画像形成装置へ発行される場合を想定している。図4(c)のネットワーク回線を介したホストPC端末701から印刷ジョブが画像形成装置に発行されることにより、画像形成装置で印刷が開始される。
【0033】
まず、ステップ(以下、Sという)1201でCPU301はトナー節約モードに設定されているか否かを記憶部に記憶されたトナー節約情報の設定情報から判断する。CPU301はトナー節約モードに設定されていないと判断した場合には、S1209でトナー節約モードではない画像データ情報に応じた印刷濃度による通常印刷を実施し、S1210で印刷ジョブ終了か否かを判断する。CPU301は、S1210で印刷ジョブが終了していないと判断した場合にはS1209の通常印刷を続行する。CPU301は、S1210で印刷ジョブが終了したと判断した場合には、S1208で印刷された用紙が排紙されるのを待って、クリーニング、後回転処理等の印刷終了処理を実施し印刷終了となる。
【0034】
CPU301は、S1201でトナー節約モードが設定されていると判断した場合には、S1202で地紋画像情報透かし印刷を含むか否かを記憶部に記憶された地紋画像の設定情報から判断する。トナー節約モード設定されている状態なので、各印刷ページ毎に地紋画像情報透かし印刷を含むかを判断するためである。CPU301は、S1202で地紋画像情報透かし印刷を含まないと判断した場合には、既にトナー節約モード設定されている状態なので、S1203でトナー節約モードで印刷を実行する。トナー節約モードでの印刷が終了したら、CPU301は、S1207で印刷ジョブ終了か否かを判断する。CPU301は、S1207で印刷ジョブが終了していないと判断した場合にはS1202の処理を続行する。CPU301は、S1207で印刷ジョブが終了したと判断した場合には上記したS1208の印刷終了処理を実行し印刷終了となる。
【0035】
CPU301は、S1202で地紋画像情報透かし印刷を含むと判断した場合には、既にトナー節約モード設定されている状態なので、S1204でトナー節約モードを解除する。そして、S1205で、CPU301はトナー濃度レベルを落とさず印刷する画像データ情報の画像濃度に応じた通常印刷を実行する。次に、CPU301は、S1206で次ページのためにトナー節約モードを再設定する。トナー節約モードを再設定したら、CPU301は、S1207で印刷ジョブ終了か否かを判断する。CPU301は、S1207で印刷ジョブが終了していないと判断した場合にはS1202の処理を続行する。CPU301は、S1207で印刷ジョブが終了したと判断した場合には上記したS1208の印刷終了処理を実行し印刷終了となる。
【0036】
図6では、画像形成装置をプリンタとして使用した場合を想定しているが、画像形成装置によりコピーを実施する場合に、操作部303からトナー節約モードや地紋画像が設定される場合がある。この場合には、印刷される画像データがカラーリーダー部1により読み取られた画像データであること以外は、図6のフローチャートと同様である。なお、上記したことは、以降のフローチャートにおいても同様であるものとする。
【0037】
以上、本実施例によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることができる。
【実施例2】
【0038】
実施例1は、すべての色についてトナー節約モードを一律に設定する場合の実施例であるが、トナーの色毎(現像剤毎)にトナー節約モードが設定される場合もある。また、透かし印刷が単色ではなく、YMCKの各色の混色で設定される場合も想定される。トナーの色毎のトナー節約モードの設定情報、及びトナーの色毎の透かし印刷の設定情報は、色毎に画像データ情報に関連付けて制御部100の記憶部に記憶される。本実施例の印刷制御フローチャートについて、図7を用いて説明する。なお、図7では、画像形成装置をプリンタとして使用し、図4(c)のネットワーク回線を介したホストPC端末701によりトナー節約モードが設定されている状態で、印刷ジョブがホストPC端末701から画像形成装置へ発行される場合を想定している。
【0039】
<印刷制御のフローチャート>
CPU301は、S1301で記憶部に記憶された色毎のトナー節約モードの設定情報からYMCKのいずれかの色でトナー節約モードが設定されているか否かを判断する。CPU301はS1301でYMCKのいずれの色でもトナー節約モードに設定されていないと判断した場合には、S1311、S1312、S1310の処理を行い、印刷終了となる。なお、S1311、S1312、S1310の処理は図6のS1209、S1210、S1208の処理と同一であるので説明を省略する。
【0040】
CPU301は、S1301でYMCKのいずれかの色でトナー節約モードに設定されていると判断した場合には、S1302で地紋画像情報透かし印刷を含むかを判断する。CPU301は、各ページを印刷する毎に地紋画像情報透かし印刷を含むかを判断する。CPU301は、S1302で地紋画像情報透かし印刷を含んでいないと判断した場合には、既にYMCKのいずれかの色でトナー節約モードが設定されている状態なので、S1303で色毎に設定されたトナー節約モードの設定に応じて印刷処理を実行する。S1303の処理が終了した後、CPU301はS1309の処理を行うが、以降の処理は図6のS1207以降の処理と同一であるので説明を省略する。
【0041】
CPU301は、S1302で記憶部に記憶された色毎の透かし印刷の設定情報から地紋画像情報透かし印刷を含むと判断した場合には、S1304でこの設定情報から地紋画像透かし印刷で使用している色を判断する。次に、CPU301は、S1305で地紋画像の色にトナー節約モードが設定されているか否か、すなわち地紋画像の色とトナー節約モードが設定されている色が一致するか否かを判断する。CPU301は、S1305で地紋画像の色にトナー節約モードが設定されていると判断した場合には、S1306で、その色のトナー節約モードを解除する。また、CPU301は、S1305で地紋画像の色にトナー節約モードが設定されていないと判断した場合にはS1307の処理に進む。そして、CPU301は、S1307でトナー節約モードが解除された後の色毎に設定されたトナー節約モードの有無に従って印刷する。すなわち、CPU301は、トナー節約モードに設定された色はトナー節約モードに応じた濃度レベルで、トナー節約モード解除された色はトナー濃度レベルを落とさずに印刷を実行する。CPU301は、S1308で、一旦トナー節約モードを解除した色については、次ページ印刷のためにその色の印刷終了後に再度トナー節約モードを設定する。S1308の処理が終了した後、CPU301はS1309の処理を行うが、以降の処理は図6のS1207以降の処理と同一であるので説明を省略する。
【0042】
以上、本実施例によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることができる。
【実施例3】
【0043】
実施例1、2では、トナー節約モードで印刷されている状態で、地紋画像透かし印刷があるとそのページだけトナー節約モードを解除した。しかし、これらの印刷制御のシーケンスでは、印刷ジョブを設定しているユーザが途中でトナー節約モードが解除されたことを認識できない。そのため、本実施例ではユーザに途中でトナー節約モードが解除されたページがあることを画像形成装置の操作部303の画面(ホストPC端末701の画面を含む)に表示する場合のシーケンスを以下で説明する。
【0044】
<印刷制御のフローチャート>
図8のフローチャートを用いて説明する。本実施例では、印刷ジョブ実行中にトナー節約モードの切り替え(トナー節約モードオン⇒オフ、またはオフ⇒オンが発生したこと)を動的に画像形成装置の操作部303(図9(a))、またはホストPC端末701のモニタ画面702(図9(b))に表示する。印刷開始からのシーケンスや前提条件については、図6のフローチャートとほぼ同様である。図4(c)のネットワーク回線を介したホストPC端末701から印刷ジョブが画像形成装置に発行されることにより、画像形成装置で印刷が開始される。以下に、図6のフローチャートと異なる箇所のみを説明する。なお、S1201,S1202がそれぞれS1801,S1802に、S1203がS1804に、S1204がS1805に、S1205〜S1208がS1807〜S1810に、S1209,S1210がそれぞれS1812,S1813に対応する。
【0045】
CPU301は、S1801でトナー節約モードが設定されていないと判断した場合には、S1811で「トナー節約モードOFF中」を操作部303に表示する。トナー節約モードに設定されていないので、「トナー節約モードOFF中」の表示は、図9(a)の表示604または図9(b)の表示606のように、この印刷ジョブ中は常に表示されてユーザに通知されることになる。CPU301は、S1802で地紋画像情報透かし印刷を含まないと判断した場合には、S1803で既にトナー節約モードが設定されている状態であるので、「トナー節約モードON中」を操作部303に表示する。CPU301は、S1805でトナー節約モードを解除した後に、S1806で「トナー節約モードOFF中」を操作部303に表示する。このように、ユーザは印刷実行前にトナー節約モードがオンかオフかを認識することができる。
【0046】
以上、本実施例によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることができる。
【実施例4】
【0047】
本実施例では、印刷ジョブ実行中にトナー節約モードの切り替え(トナー節約モードオン⇒オフが発生したこと)の経歴を画像形成装置の操作部303(図9(c))、またはホストPC端末701のモニタ画面702(図9(d))に表示する。印刷開始からのシーケンスや前提条件については、図6のフローチャートと同様である。図4(c)のネットワーク回線を介したホストPC端末701から印刷ジョブが画像形成装置に発行されることにより、画像形成装置で印刷が開始される。
【0048】
<印刷制御のフローチャート>
以下に、図10のフローチャートについて、図8と同様に図6のフローチャートと異なる箇所のみを説明する。なお、S1201〜S1203がS1902〜S1904に、S1204がS1905に、S1205〜S1207がS1907〜S1909に、S1208〜S1210がS1912〜S1014に対応する。CPU301は、印刷開始直後にS1901でトナー節約モード解除経歴フラグをクリアする。このフラグは、トナー節約モードによる印刷ジョブ中にトナー節約モードが解除されているページが1ページでも発生すると設定されるフラグである。CPU301は、トナー節約モードが設定されている状態で、地紋画像情報を含む場合に、S1905の処理に進む。CPU301は、S1905でトナー節約モードを一旦解除した後、S1906でトナー節約モード解除経歴フラグを設定する。CPU301は、S1909で印刷ジョブが終了したと判断した場合には、S1910でトナー節約モード解除経歴フラグが設定されているか否かを判断する。CPU301は、S1910でトナー節約モード解除経歴フラグが設定されていないと判断した場合には、S1912の印刷終了処理を実行する。CPU301は、S1910でトナー節約モード解除経歴フラグが設定されていると判断した場合には、S1911で操作部303上にメッセージを表示する。トナー節約モードに設定された状態で、地紋画像透かし印刷が印刷ジョブに1ページでも含まれていればトナー節約モード解除経歴フラグは設定されているはずである。この場合には、図9(c)の表示607に示すように操作部303上に、または、図9(d)の表示608に示すようにモニタ画面702上に、「トナー節約モード中にトナー節約モードが解除して印刷したページがある」旨のメッセージを表示する。これによりユーザは、印刷の途中でトナー節約モードが解除された印刷が行われたことを知ることができる。
【0049】
以上、本実施例によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力物を得ることができる。
【0050】
[その他の実施例]
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。例えば、スキャナ、プリンタ、PC、複写機、複合機及びファクシミリ装置の如くである。また、本発明は、前述した実施例の各機能を実現するソフトウエアプログラムを、システム若しくは装置に対して直接または遠隔から供給することによっても達成される。そして、そのシステム等に含まれるコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行する。従って、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、上記機能・処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の1つである。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0051】
また、プログラムは、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネット/イントラネットのウェブサイトからダウンロードしてもよい。すなわち、該ウェブサイトから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよい。さらに、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるウェブサイトからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。
【0052】
そして、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配付してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネット/イントラネットを介してウェブサイトから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムをコンピュータにインストールしてもよい。また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現されてもよい。なお、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ってもよい。もちろん、この場合も、前述した実施形態の機能が実現され得る。さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ってもよい。このようにして、前述した実施形態の機能が実現されることもある。
【0053】
以上、その他の実施例によれば、トナー節約モードで印刷する場合でも、地紋画像情報の劣化を防ぎ、有効な地紋画像を付加した印刷出力を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
100 制御部
301 CPU
303 操作部
304 デジタル画像処理部
702 モニタ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤の使用量を抑制した印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能な画像形成装置において、
前記現像剤の使用量を抑制するか否かを設定する現像剤使用量設定手段と、
印刷画像に前記地紋画像情報を付加するか否かを設定する地紋画像情報設定手段と、
前記現像剤使用量設定手段により前記現像剤の使用量を抑制する設定がなされ、前記地紋画像情報設定手段により前記地紋画像情報を付加する設定がなされている場合には、前記現像剤使用量設定手段が前記現像剤の使用量を抑制しない設定を行うよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数色の現像剤の使用量を抑制したカラー印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能な画像形成装置において、
前記現像剤の使用量を抑制するか否かを色毎に設定する現像剤使用量設定手段と、
印刷画像に前記地紋画像情報を付加するか否かを色毎に設定する地紋画像情報設定手段と、
前記現像剤使用量設定手段により設定された現像剤の使用量が抑制されている色と、前記地紋画像情報設定手段により設定された前記地紋画像情報が付加されている色が一致している場合には、前記現像剤使用量設定手段が前記一致した色の前記現像剤の使用量を抑制しない設定を行うよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、印刷ページ毎に、現像剤の使用量を抑制した印刷、及び印刷画像に地紋画像情報を付加した印刷が可能であって、
前記現像剤使用量設定手段は、印刷ページ毎に、前記現像剤の使用量を抑制するか否かを設定し、
前記地紋画像情報設定手段は、印刷ページ毎に、前記印刷画像に前記地紋画像情報を付加するか否かを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
表示手段を更に有し、
前記制御手段が、前記現像剤使用量設定手段の設定の状態を、前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
表示手段を更に有し、
前記制御手段が、前記現像剤使用量設定手段の現像剤の使用量を抑制する設定の状態において、前記設定を解除するよう制御した場合には、前記表示手段に前記解除した旨を表示するよう制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記画像形成装置の操作部の画面であることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記画像形成装置と接続されるパーソナルコンピュータの表示部の設定画面であることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記現像剤使用量設定手段により前記現像剤の使用量を抑制する設定がなされ、前記地紋画像情報設定手段により印刷画像に前記地紋画像情報を付加する設定がなされたことにより、前記現像剤使用量設定手段により前記現像剤の使用量を抑制しない設定がなされるように制御した場合には、
前記現像剤使用量設定手段により前記現像剤の使用量を抑制しない設定がなされた状態の印刷が終了した後に、再び前記現像剤使用量設定手段に前記現像剤の使用量を抑制する設定を行うよう制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−15720(P2013−15720A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149216(P2011−149216)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】