説明

画像形成装置

【課題】プロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外して潜像担持体ユニットまたは現像ユニットを交換する際、潜像担持体を傷つけることなく容易に作業可能とする。
【解決手段】感光体2を保持する感光体ユニット3と現像ユニットとが分解・組み立てによりが独立して交換可能なプロセスカートリッジ1を採用するプリンタで、本体から脱着可能な廃トナー容器9に、本体から外したプロセスカートリッジを感光体に接触することなく支持する支持部91を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、潜像担持体としての感光体を保持する感光体ユニットと現像ユニットとを一体的にプロセスカートリッジとして形成し、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体(以下、単に本体という)から脱着可能に構成した画像形成装置が広く用いられている。プロセスカートリッジを用いた画像形成装置では、交換作業が容易である反面、寿命の短い方のユニットのサイクルで交換がおこなわれるため、まだ使えるユニットについても交換してしまうことになり、コスト面、省資源という点から好ましくない。そこで、感光体ユニットと現像ユニットとを側板等を介して高精度に位置決めをして組み立てることによりプロセスカートリッジを形成する。そして、本体からプロセスカートリッジを取り外した後、側板を外して分解し、再び組み立てることにより、感光体ユニットと現像ユニットとを比較的容易に独立して交換可能に構成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写するための開口部が底面にある構成のプロセスカートリッジでは、プロセスカートリッジを分解・組み立てる作業の際に、感光体を傷つけてしまう虞がある。これは、転写部において感光体が被転写体と当接するよう、感光体はプロセスカートリッジの底面の開口部より下方に露出している。このため、本体からプロセスカートリッジを取り外して作業台等にそのまま置くと、プロセスカートリッジの底面より下方に露出した感光体が作業台にあたってしまうためである。
【0004】
プロセスカートリッジの底面に、感光体が作業台にあたらないようにする突起を設けることが考えられる。しかし、プロセスカートリッジを手前方向に脱着する場合は、脱着の際に底面に設けた突起が被転写体としての中間転写ベルト等と干渉して傷つけてしまう虞がある。そこで、プロセスカートリッジの分解・組み立ての際に、感光体を傷つけないようにプロセスカートリッジを支持する専用の支持冶具を用いることが一般的となっている。このため、サービスマンが専用の支持冶具を持ち歩く、または、プロセスカートリッジをユーザーから回収後に専用の支持冶具を用いて分解・組み立てを行う等の対応となり、交換作業に手間がかかっていた。
【0005】
以上、本発明の課題を、潜像担持体が感光体である場合を用いて説明したが、これに限らず他の潜像担持体を保持する潜像担持体ユニットと現像ユニットとからなるプロセスカートリッジにおいても同様に発生する。
【0006】
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、プロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外して潜像担持体ユニットまたは現像ユニットを交換する際、潜像担持体を傷つけることなく容易に作業可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも潜像担持体を保持する潜像担持体ユニットと、現像ユニットとを一体的に形成し、本体に脱着可能なプロセスカートリッジであって、該潜像担持体ユニットと該現像ユニットとが分解・組み立てによりが独立して交換可能なプロセスカートリッジを採用する画像形成装置において、
本体から外した上記プロセスカートリッジを上記潜像担持体に接触することなく支持する支持部を本体に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、本体から外したプロセスカートリッジを、本体に設けた支持部により、潜像担持体に接触することなく支持できる。よって、別途、専用の支持冶具を用いることなく、潜像担持体を傷つけずにプロセスカートリッジの分解・組み立て作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外して潜像担持体ユニットまたは現像ユニットを交換する際、潜像担持体を傷つけることなく容易に作業可能であるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るプリンタの画像形成部の概略構成図。
【図2】プロセスカートリッジの構成を説明するための模式図。
【図3】プロセスカートリッジの組み立ての一例を説明する斜視図。
【図4】プリンタ全体を側面から見たときのフレーム構成をしめす概略図。
【図5】廃トナー容器の斜視図。
【図6】プロセスカートリッジをそのまま作業台に置いた場合の問題の説明図。
【図7】廃トナー容器の上面にプロセスカートリッジの支持部を形成したものの断面図。
【図8】図7の支持部を移動可能に構成したものの概略図。
【図9】図8の移動可能な支持部を分解・組み立て位置とユニット交換位置とで固定する構成の概略図。
【図10】前カバーをプロセスカートリッジの支持部として形成したものの斜視図。
【図11】プロセスカートリッジの底面に突起を設けた場合に発生するの問題の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。図1は本実施形態に係るプリンタの画像形成部の概略構成図である。このプリンタは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkを備え、これらを中間転写ベルト6に沿って横一列に配置している。なお、Y、C、M、Bkの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
【0012】
プロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkは、それぞれ、潜像担持体としての感光体2Y、M、C、Bkを保持する潜像担持体ユニットとしての感光体ユニット3Y、M、C、Bkと、現像ユニット4Y、M、C、Bkとを備えている。プロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkは、プリンタ本体に、図1中、前後方向に移動させることで脱着可能である。
【0013】
プロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkの上方には、画像データに基づいて各感光体2Y、C、M、Bkの表面にレーザー光LY、LC、LM、LBkを走査しながら照射する光書込み手段(不図示)が配置されている。また、プリンタ上部には、Y、C、M、Bkの新しいトナーを充填した各色トナーボトル(不図示)が配置されている。また、プリンタ下部には、転写媒体である転写紙が載置された給紙カセット(不図示)が配置されている。
【0014】
プロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkの下方には、中間転写ユニット5が配置されている。中間転写ユニット5は、複数の張架ローラに張架され、図中時計回り方向に表面移動可能な無端状ベルトである中間転写ベルト6を有している。中間転写ベルト6の各感光体2Y、C、M、Bkと対向する内側には、一次転写ローラ52Y、C、M、Bkが配置されている。また、中間転写ベルト6の表面移動方向に関して一次転写転写ローラ52Y、C、M、Bkより下流側の張架ローラに対向するように、二次転写ローラ53が配置されている。また、中間転写ベルト6の二次転写ローラ53より下流側には、中間転写ベルト6の外周面に接触するようにベルトクリーニング装置54が配置されている。
【0015】
次に、プロセスカートリッジ1Y、C、M、Bkについて説明する。なお、4つのプロセスカートリッジは、収容される現像剤に含まれるトナーの色が異なる以外は、同じ構成、同じ動作であるので、以下、Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジ1として説明する。
【0016】
図2は、プロセスカートリッジの構成を説明するための模式図である。このプロセスカートリッジ1は、感光体2を保持する感光体ユニット3と、現像ユニット4とにより形成される。感光体ユニット3は、感光体2の周囲に、帯電手段、クリーニング手段、潤滑剤塗布手段等を有している。帯電手段は、帯電ローラ31と帯電クリーニングローラ32とからなる。クリーニング手段は、クリーニングブレード33からなる。潤滑剤塗布手段は、潤滑剤塗布ブラシ34と、潤滑剤塗布ブラシ34に圧接される固形潤滑剤35等を有している。また、クリーニングブレード33により感光体2表面から除去された廃トナーを後述する廃トナー容器9に移送するための回収コイル36を有している。現像ユニット4は、現像担持体としての現像ローラ41、供給スクリュウ42等を有している。また、トナーボトル(不図示)より現像ユニット4内にトナーを補給するためのトナー補給口43が形成されている。
【0017】
次に、プリンタの動作について説明する。
まず、図2に示すプロセスカートリッジ1において、帯電ローラ31により感光体2表面を帯電する。所定の電位に帯電した感光体2表面には、光書込ユニット(不図示)により画像データに基づくレーザー光が走査され、静電潜像が書き込まれる。静電潜像を担持した感光体2表面が現像ローラ41に到達すると、感光体2表面の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。
【0018】
上記の動作が図1の各プロセスカートリッジ1Y、M、C、Bkで所定のタイミングで行われ、各感光体2Y、M、C、Bk表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。プロセスカートリッジ1Y、M、C、Bkのトナー像形成タイミングと合わせて、中間転写ユニット5は各感光体2Y、C、M、Bk上のトナー像を中間転写ベルト6上に順次転写していく。このトナー像の転写は、中間転写ベルト6を挟んで各感光体2Y、M、C、Bkと対向配置されている一次転写ローラ52Y、M、C、Bkにより行われる。一方、トナー像を転写後の感光体2Y、C、M、Bkは、各クリーニングブレード33によりクリーニングされる。
【0019】
転写紙は、給紙カセット(不図示)から搬送され、レジストローラ(不図示)に到達したところで一端停止する。前述の画像形成動作タイミングに合わせて、転写紙はレジストローラ(不図示)より二次転写ローラ53へ搬送される。中間転写ベルト6上に重ね合わされた4色のトナー像は、二次転写ローラ53と中間転写ベルト6とのニップで、転写紙に転写される。トナー像が転写された転写紙は、定着装置55へ搬送され、熱と圧力との作用によりトナー像の定着される。トナー像が定着された転写紙は機外に排出される。一方、転写紙Pが分離した後の中間転写ベルト6表面は、ベルトクリーニング装置54によってその表面に付着したトナー等の汚れが除去される。
【0020】
次に、プロセスカートリッジ1について詳しく説明する。本実施形態のプロセスカートリッジ1は、比較的容易に感光体ユニット3と現像ユニット4とに分解・組み立て可能に構成されている。
図3は、プロセスカートリッジの組み立ての一例を説明する斜視図である。このプロセスカートリッジ1では、感光体ユニット3と現像ユニット4とを前後の側板11を介して位置決め固定して組み立てる。詳しくは、前後の側板11に、感光体2の軸に嵌合する嵌合孔12と、現像ローラ41の軸に嵌合する嵌合孔13とを設けている。感光体2の軸を嵌合孔12に、現像ローラ41の軸を嵌合孔13に挿入した状態で、感光体ユニット3と現像ユニット4とを固定することで、高精度に現像ギャップを保つよう位置決めされたプロセスカートリッジ1が組み立てられる。一方、分解時は、前後の側板11を外して、感光体ユニット3と現像ユニット4とを分離する。なお、図3では、前側の側板のみ嵌合孔12,13を図示しているが、奥側の側板も同様の構成である。すなわち、このプロセスカートリッジ1では、側板11を外すことにより、感光体ユニット3と現像ユニット4を分離することができるため、それぞれ寿命の異なるユニットを独立して交換することができる。そして、側板11をはめることにより、高精度に位置決めされた状態のプロセスカートリッジ1が組み立てられる。
【0021】
図4は、プリンタ全体を側面から見たときのフレーム構成をしめす概略図である。プロセスカートリッジ1は中間転写ユニット5の上方に配置されており、図4中左側となるプリンタ本体の前カバー10を開いて脱着可能に構成されている。図4中右側となるプリンタ本体の後側には、プリンタの駆動ユニット8、エレキ基板(不図示)等が配置されている。
【0022】
また、各プロセスカートリッジ1の感光体2上または中間転写ユニット5の中間転写ベルト6上から除去した廃トナーを回収する廃トナー容器9を備えている。本プリンタでは、廃トナー容器9に廃トナーを回収するための構成部品を少なくするため、各プロセスカートリッジ1や中間転写ユニット5から直接、廃トナー容器9に廃トナーを投入する構成としている。具体的には、廃トナー容器9をプロセスカートリッジ1と中間転写ユニット5との前側に隣接して配置し、プロセスカートリッジ1の廃トナー排出部18や中間転写ユニット5の廃トナー排出部19を介して、隣接する廃トナー容器9に廃トナーを排出する。また、廃トナー容器9はその容積をより大きく確保するために、中間転写ユニット5の下側に延在するよう設けられている。このような構成では、プロセスカートリッジ1の脱着の際、前カバー10を開き、廃トナー容器9を取り外してから、プロセスカートリッジ1を取り外す手順となる。
【0023】
図5は、廃トナー容器9の斜視図である。廃トナー容器9のプロセスカートリッジ1や中間転写ユニット5の前側に隣接する部分には、プロセスカートリッジ1の廃トナー排出部18と連結する廃トナー回収口94と、中間転写ユニット5の廃トナー排出部19と連結する廃トナー回収口95とが設けられている。
【0024】
ここで、上記構成のプリンタにおけるプロセスカートリッジ1の脱着時の問題点を図6に基づき説明する。上述のように、本プリンタでは、プロセスカートリッジ1の下方に中間転写ユニット5が配置されており、感光体2は中間転写ベルト6と当接して転写部を形成するようプロセスカートリッジ1の筺体底面の開口部より下方に露出している。このようなプロセスカートリッジ1をプリンタ本体から取り外して平らな作業台14にそのまま置くと、プロセスカートリッジ1の底面より下方に露出した感光体2が作業台14にあたって傷ついてしまう。このため、感光体2の継続使用が不可能となってしまう虞がある。
【0025】
そこで、本実施形態のプリンタでは、プロセスカートリッジ1をプリンタ本体から外した際、プロセスカートリッジ1の底面より下方に露出した部分の感光体2に接触しない状態で、プロセスカートリッジ1を安定支持可能な支持部91をプリンタ本体に設ける。
【0026】
例えば、廃トナー容器9にプロセスカートリッジ1を支持可能な支持部91を設けることができる。上述のように、プロセスカートリッジ1の脱着の際には、廃トナー容器9は本体から取り外されている。取り外された廃トナー容器9の中間転写ユニット5の下方に延在する部分の上面(以下、単に上面という)90は、プロセスカートリッジ1を載置可能なスペースを有している。このため、上面90に支持部を形成することで、廃トナー容器9でプロセスカートリッジ1を安定支持することが可能となる。
【0027】
図7は、廃トナー容器9の上面90にプロセスカートリッジ1の支持部91を形成したものの断面図である。図7(a)に示すように、廃トナー容器9の上面90に、プロセスカートリッジ1の底面を支持する凸状の支持部91を設ける。支持部91は、感光体ユニット3の底面を支持する支持部91aと、現像ユニット4の底面を支持する支持部91bとからなる。支持部91a,bは、プロセスカートリッジ1を置いたとき、開口部から露出した感光体2と廃トナー容器9の上面90とが接触しないような間隙を形成できる高さとする。廃トナー容器9の上面にこのような形状の支持部91を設けることで、図7(b)に示すように、廃トナー容器9で感光体2に傷をつけることなくプロセスカートリッジ1を安定して支持できる。すなわち、廃トナー容器9はプロセスカートリッジ1を分解・組み立てするための支持冶具として使用可能である。プリンタ本体の構成部品である廃トナー容器9を支持冶具として用いることで、別途専用の支持冶具を用いる必要がないため、ユーザー先での容易な交換作業が可能となる。
【0028】
また、支持部91には、デカルや刻印等、プロセスカートリッジ1をセットする旨の表示がされていると、セットしやすくさらに作業を容易とすることができるため好ましい。
【0029】
また、感光体ユニット3を支持する支持部91aと、現像ユニット4を支持する支持部91bとは、それぞれ感光体ユニット3と現像ユニット4とを単体でも安定支持できるように構成する。これにより、プロセスカートリッジ1の側板11を外して分解した後や、側板11を取りつけて組み立てる際の各ユニットのぐらつきを防止でき、さらに作業を容易とすることができる。
【0030】
図8は、図7の支持部91を移動可能に構成したものの概略図である。図8(a)では、図7で示した支持部91aを、図示しないレール等により図8中左右方向に移動可能に構成する。図8(b)に示すように、プロセスカートリッジ1を支持部91a,bに置いて側板(不図示)を外して感光体ユニット3と現像ユニット4とに分解した後、感光体ユニット3を載せた側の支持部材91aを矢印A方向に移動させる。これにより、感光体ユニット3と現像ユニット4とが離れた状態となる。この状態で感光体ユニット3または現像ユニット4を交換して、新しいユニットを支持部91aまたは91b上にセットする。そして、図8(c)に示すように、感光体ユニット3を載せた側の支持部材91aを矢印B方向に移動させた後、側板(不図示)を取りつけてプロセスカートリッジ1を組み立てる。このように、感光体ユニット3と現像ユニット4とが離れた状態で交換作業を行うことができるので、感光体ユニット3または現像ユニット4をセットする際に、各ユニットを傷つけてしまうことを確実に防止でき、作業もさらに容易となる。なお、ここでは感光体ユニット3を支持する支持部91aを移動可能な構成とした例で説明したが、現像ユニット4を支持する支持部91bを移動可能な構成とすることもできる。
【0031】
さらに、移動可能な支持部91aを、分解・組み立て位置と、ユニット交換位置とで廃トナー容器9の上面90に固定できるようにしてもよい。図9は、移動可能な支持部91aを分解・組み立て位置と、ユニット交換位置とで上面に固定する構成の概略図である。図9に示すように、支持部91aを上面90に固定するためのクサビ形部材92を設け、上面90の分解・組み立て位置(実線)と、ユニット交換位置(点線)とには、クサビ形部材92を固定可能な固定部材(不図示)を設ける。これにより、移動可能な支持部91aを容易に所定位置に固定することができ、簡単にプロセスカートリッジ1、感光体ユニット3または現像ユニット4を置くことができ、さらに作業を容易とすることができる。また、分解・組み立て位置(実線)に固定できるので、支持部91aを移動させて感光体ユニット3を現像ユニット4に近づけていった際に、近づけすぎることによるユニット同士の衝突を防ぐことができる。支持部91aを上面90に固定する部材は、上記クサビ形部材に限らず、リブ形部材でもよい。また、支持部を固定できれば、マグネットをもちいたものでもかまわない。また、近づけすぎを防止するための他の手段として、支持部の感激を規制する規制部材を設けても良い。規制部材としては、バネ部材を用いて衝撃を少なくして、確実に衝突を避けることができる。
【0032】
次に、プロセスカートリッジ1を安定支持可能な支持部をプリンタ本体に設ける変形例について説明する。プロセスカートリッジ1を支持可能な支持部を、プロセスカートリッジ1を脱着する際に開閉するプリンタ本体の前カバー10に設けることができる。
図10は、前カバー10の内面にプロセスカートリッジの支持部91を形成したものの斜視図である。支持部91は、上述の廃トナー容器9に設けた支持部91と同様の構成である。
【0033】
図11は、プロセスカートリッジ1の底面に突起を設けた場合に発生する問題の説明図である。プロセスカートリッジ1の長手方向の前後に、底面からの感光体2の突出量より高い突起15を設けて、感光体2が作業台14等にあたることを防止することが考えられる。しかし、プロセスカートリッジ1を手前方向に脱着するので、脱着の際に底面に設けた突起15が中間転写ベルト6と干渉して傷つけてしまう虞があり、好ましくない。
【0034】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様ごとに特有の効果を奏する。
(態様A)
少なくとも感光体2等の潜像担持体を保持する感光体ユニット3等の潜像担持体ユニットと、現像ユニット4とを一体的に形成した本体に脱着可能なプロセスカートリッジ1であって、感光体ユニット3と現像ユニット4とが分解・組み立てによりが独立して交換可能なプロセスカートリッジ1を採用するプリンタ等の画像形成装置において、プリンタ本体から外したプロセスカートリッジ1を感光体2に接触することなく支持する支持部91を本体に設ける。これによれば、上記実施形態について説明したように、プロセスカートリッジを本体から取り外して感光体ユニット3または現像ユニット4を交換する際、感光体2を傷つけることなく容易に作業可能である。
(態様B)
(態様A)において、支持部91は、感光体ユニット3を単体で支持できる支持部91aと、現像ユニット4を単体で支持できる支持部91bとからなる。これによれば、上記実施形態で説明したように、プロセスカートリッジ1を分解した後や、組み立てる際の各ユニットのぐらつきを防止できるため、さらに作業を容易とすることができる。
(態様C)
(態様B)において、支持部91aまたは支持部91bを、感光体ユニット3と現像ユニット4とを分離する方向に移動可能に設ける。これによれば、上記実施形態で説明したように、感光体ユニット3を現像ユニット4とを離間した状態で、新しいユニットへの交換作業を行うことができ、交換時の傷の発生をより確実に防止でき、かつ、作業をさらに容易とすることができる。
(態様D)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、本体に着脱可能な廃トナー容器9に支持部91を設ける。これによれば、上記実施形態で説明したように、簡易な構成で支持部91を本体に設けることができる。
(態様E)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、開閉可能な本体の前カバー10に支持部91を設ける。これによれば、上記実施形態で説明したように、簡易な構成で支持部91を本体に設けることができる。
(態様F)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)において、プロセスカートリッジ1の底面部に感光体2が露出する開口を有する。これによれば、上記実施形態で説明したように、プロセスカートリッジ1を本体から取り外して感光体ユニット3または現像ユニット4を交換する際、感光体2を傷つけることなく容易に作業可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 感光体ユニット
4 現像ユニット
5 中間転写ユニット
6 中間転写ベルト
7 給紙カセット
8 駆動ユニット
9 廃トナー容器
10 前カバー
11 側板
12 嵌合孔
13 嵌合孔
14 作業台
15 突起
16 トナーボトル
31 帯電ローラ
32 帯電クリーニングローラ
33 クリーニングブレード
34 潤滑剤塗布ブラシ
35 固形潤滑剤
36 回収コイル
41 現像ローラ
42 供給ローラ
43 トナー補給口
52 一次転写ローラ
53 二次転写ローラ
54 ベルトクリーニング装置
90 上面
91 支持部
91a 支持部(感光体ユニット)
91b 支持部(現像ユニット)
92 クサビ形部材
94、95 廃トナー回収口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2006−047330号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも潜像担持体を保持する潜像担持体ユニットと、現像ユニットとを一体的に形成し、本体に脱着可能なプロセスカートリッジであって、該潜像担持体ユニットと該現像ユニットとが分解・組み立てによりが独立して交換可能なプロセスカートリッジを採用する画像形成装置において、
本体から外した上記プロセスカートリッジを上記潜像担持体に接触することなく支持する支持部を本体に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、上記支持部は上記潜像担持体ユニットを単体で支持できる潜像担持体ユニット支持部と、上記現像ユニットを単体で支持できる現像ユニット支持部とからなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニット支持部または上記現像ユニット支持部を、上記潜像担持体ユニットと上記現像ユニットとを分離する方向に移動可能に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、本体に着脱可能な廃トナー容器を設け、該廃トナー容器に上記支持部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2または3の画像形成装置において、開閉可能な本体前カバーを有し、該前カバーに上記支持部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジの底面部に上記潜像担持体が露出する開口を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−25063(P2013−25063A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159581(P2011−159581)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】