説明

画像形成装置

【課題】装着されたユニットに適合しないジョブであっても所定の条件を満たす場合はジョブの実行を可能とすることで、装着されたユニットへのダメージを抑えつつユニット交換の手間を低減する装置の提供。
【解決手段】画像形成装置1によれば、制御部110は、実行するジョブが画像形成部40に装着されているユニットに適合するジョブであるか否かを判断し、装着されているユニットに適合するジョブであると判断した場合、画像形成部40に当該ジョブに基づく画像形成を行わせ、装着されているユニットに適合するジョブではないと判断した場合、当該ジョブが予め定められた条件を満たしているか否かを判断し、満たしていると判断した場合に、画像形成部40に当該ジョブに基づく画像形成を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、使用することにより材質が劣化したり回転による摩擦により機能が劣化したりする部品、例えば、定着ローラー、感光体ドラム、通紙ローラー等が搭載されている。そこで、従来の画像形成装置においては、部品又はユニット毎に画像形成枚数をカウントし、そのカウンター値が寿命に相当する値に到達した場合には、警告を表示したり装置を停止したりすることで、部品やユニットの交換を促し、画像形成装置を高品質で使用し続けることができるようにしている。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、消耗品の交換が必要となった場合、ユーザによる画像形成要求が連続的に発生していない場合には画像形成を許可しないようにし、ユーザによる画像形成要求が連続的に発生している場合には画像形成を許可するようにすることで、画像形成中に突然装置が停止する問題及び寿命に達した部品を搭載した状態でのコピーの継続による画質の低下の問題を回避する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−169738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置においては、一般的なシート状の用紙に画像形成を行う際に使用する定着ユニットのほか、封筒に画像形成を行う際に専用に使用する封筒用の定着ユニットを着脱可能に構成されたものがある。封筒への画像形成を行うジョブを実行する際に封筒用の定着ユニットを装着することで、よりシワのよりにくい定着を行うことが可能である。
【0006】
しかしながら、封筒用の定着ユニットは、定着ローラーの厚みを薄くしてシワが起こりにくくする等、封筒に特化した構成となっている。そのため、封筒以外の用紙に使用するとダメージが大きい。よって、封筒以外の用紙を使用するジョブでは封筒用の定着ユニットを装着した状態での画像形成を許可しないようにすることが好ましい。しかし、封筒以外の用紙を使用するジョブであっても、例えば、出力枚数が数枚のジョブを実行する場合等、封筒用の定着ローラーにダメージが少ないようなジョブを実行する場合に、その都度定着ユニットを交換するのは煩雑で手間がかかる。
特許文献1に記載の技術は、消耗品が寿命に到達したときに関するものであり、装着されたユニットに適合しないジョブを実行する場合に生じる上記問題を解決することはできない。
【0007】
本発明の課題は、装着されたユニットに適合しないジョブであっても所定の条件を満たす場合はジョブの実行を可能とすることで、装着されたユニットへのダメージを抑えつつユニット交換の手間を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
着脱可能なユニットを含んで構成される画像形成部と、
前記画像形成部に装着されているユニットの種類を識別するユニット識別部と、
実行するジョブが前記装着されているユニットに適合するジョブであるか否かを判断し、前記装着されているユニットに適合するジョブであると判断した場合、前記画像形成部に前記ジョブに基づく画像形成を行わせ、前記装着されているユニットに適合するジョブではないと判断した場合、前記ジョブが予め定められた条件を満たしているか否かを判断し、満たしていると判断した場合に、前記画像形成部に前記ジョブに基づく画像形成を行わせる制御部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記予め定められた条件は、前記ジョブが前記画像形成装置のメンテナンスを行うためのサービスモードで要求されたジョブであることである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記予め定められた条件は、前記ジョブにおける画像形成枚数が基準枚数以下であるか、前記ジョブがカウンターリストを出力するジョブであるか、又は、前記ジョブが画質に影響のない調整に使用する調整用チャートを出力するジョブであることである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記ユニットに搭載されている各部品を使用して行った画像形成枚数に応じたカウンター値を記憶するための記憶部を備え、
前記制御部は、前記装着されているユニットに適合しないジョブを実行した場合は、前記装着されているユニットに適合するジョブを実行した場合に比べて画像形成1枚当たりの前記カウンター値への加算値を大きくする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
表示部を備え、
前記制御部は、前記装着されているユニットに適合しないジョブに基づいて画像形成した枚数をカウントし、前記表示部に表示させる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記ユニット識別部により前記装着されているユニットが封筒用の定着ユニットであると識別された場合、前記ジョブが封筒に画像を形成するジョブであるか否かを判断し、封筒に画像を形成するジョブであると判断した場合、前記ジョブが前記装着されているユニットに適合するジョブであると判断する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装着されたユニットに適合しないジョブであっても予め定められた条件を満たす場合はジョブの実行を可能とすることで、装着されたユニットへのダメージを抑えつつユニット交換の手間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成部の概略構成例を示す図である。
【図3】第2のライフカウンターの一例を示す図である。
【図4】ライフカウント表示画面の一例を示す図である。
【図5】図1の制御部により実行される画像形成制御処理Aを示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS10において表示される警告の一例を示す図である。
【図7】図1の制御部により実行される画像形成制御処理Bを示すフローチャートである。
【図8】リストプリントの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態における画像形成装置の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態ではカラーの画像形成装置1を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限らず、例えばモノクロの画像形成装置によっても本発明を実現することは可能である。
【0017】
[第1の実施の形態]
(画像形成装置1の構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略構成図を示す。
図1に示す画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に画像形成したり、外部装置2等からプリント対象データを受信し、受信したデータに基づいて画像を用紙上に形成したりするデジタル複合機である。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラー1bとから構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラー1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置2と相互に情報の送受信が可能に接続されている。
本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、画像形成部40、画像制御基板100を備えて構成される。
【0019】
画像読取部20は、スキャナー21、画像読取制御部200等から構成される。スキャナー21は、ADF(Auto Document Feeder)、イメージセンサー等を備える。画像読取制御部200は、制御部110からの指示に基づいてスキャナー21を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取られたアナログ画像信号を読取処理部140に出力する。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0020】
操作表示部30は、表示部31、操作部32、操作表示制御部300から構成される。
操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示部31に表示させる。また、操作表示制御部300は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネルを備える操作部32から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0021】
画像形成部40は、入力された画像データに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、プリンタエンジン41やプリント制御部400を備えて構成される。
プリント制御部400は、制御部110からの制御信号を受信して、プリンタエンジン41の各部の動作を制御する。
【0022】
図2に、プリンタエンジン41の要部構成を示す。図2に示すように、プリンタエンジン41は、書込処理部190により入力された画像データに基づき感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kにレーザを露光して感光体ドラム上に潜像を書き込む光学ユニット40Y、40M、40C、40Kと、Y、M、C、Kの各色のトナー像を形成する画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kと、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kで形成されたトナー像が一時転写される中間転写体としての中間転写ベルト56と、用紙を中間転写ベルト56に形成されたトナー像と同期をとって2次転写ローラー59に搬送するレジストローラー58と、用紙上に中間転写ベルト56上に形成されたトナー像を2次転写する2次転写ローラー59と、用紙上にトナー像を定着させる定着ユニット63と、用紙を排紙する排紙ローラー61と、を含んで構成されている。各部の符号のY、M、C、Kは、それぞれ順にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色を表すものとする。
【0023】
画像形成ユニット50Yは、感光体ドラム51Yと、現像器52Yと、帯電器53Yと、クリーナ54Yと、1次転写ローラー55Yとを備えて構成されている。画像形成ユニット50M、50C、50Kも同様である。
【0024】
ここで、プリンタエンジン41におけるプリント動作について説明する。まず、画像形成ユニット50Yにおいて、感光体ドラム51Yが回転し、その表面が帯電器53Yにより帯電され、光学ユニット40Yのレーザ光源の露光によりその帯電部分にYデータの画像の潜像が形成される。そして、現像器52Yによりその潜像部分が現像されイエローのトナー像が形成される。そのトナー像は1次転写ローラー55Yの圧接により中間転写ベルト56に一次転写される。トナー像は、出力対象の画像データに対応するイエローの像となる。一次転写されなかったトナーは、クリーナ54Yにより除去される。
【0025】
画像形成ユニット50M、50C、50Kについても同様に、マゼンダのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像がそれぞれ同様に形成及び転写される。ローラー57、1次転写ローラー55Y、55M、55C、55K、2次転写ローラー59の回転により、中間転写ベルト56も回動され、YMCKのトナー像が中間転写ベルト56上に順に重ねられて転写される。また、給紙ローラー68A〜68C、69の何れかの回動により給紙トレイ66A〜66Dの何れかから用紙が1枚ずつ搬送され、レジストローラー58の回転により2次転写ローラー59へ搬送される。
【0026】
2次転写ローラー59の圧接部を用紙が通過する時に、中間転写ベルト56上のYMCKのトナー像が用紙に二次転写される。YMCKのトナー像が転写された用紙は、定着ユニット63を通過する。定着ユニット63の加圧及び加熱により、YMCKのトナー像が用紙上に定着されてカラーのトナー像が形成される。画像形成された用紙は、排紙ローラー61により排出される。
【0027】
用紙への画像形成後、ベルトクリーニング62により、中間転写ベルト56上に残留したトナーが除去される。また、2次転写ローラー59に対して、図示しない電源からプラス極性の電流及びマイナス極性の電流を交互に切り換えて所定時間流すことにより、2次転写ローラー59に残留したトナーが中間転写ベルト56に再転写され、2次転写ローラー59のクリーニングが行われる。
【0028】
ここで、定着ユニット63は、プリンタエンジン41に着脱可能に構成されている。定着ユニット63としては、第1の定着ユニット631と、第2の定着ユニット632の2種類があり、何れか一方がプリンタエンジン41に装着される。第1の定着ユニット631は、封筒以外のシート状の用紙への画像形成時に使用するための定着ユニットである。第2の定着ユニット632は、封筒への画像形成時に使用するための専用の定着ユニットである。第2の定着ユニット632は、例えば、定着ローラーの厚みを薄くしてシワが起こりにくくする等、封筒に特化した構成となっている。
【0029】
プリンタエンジン41における定着ユニット63の装着部には、装着された定着ユニット63の種類を識別するユニット識別部としてのポート63aが設けられている。例えば、第1の定着ユニット631が装着されるとポート63aを介してプリント制御部400に定着ユニット識別信号としてHIGH信号が出力される。第2の定着ユニット632が装着されるとポート63aを介してプリント制御部400に定着ユニット識別信号としてLOW信号が出力される。プリント制御部400は、この定着ユニット識別信号に基づいて、第1の定着ユニット631と第2の定着ユニット632の何れが現在装着されているのかを認識することが可能となっている。
【0030】
画像制御基板100は、制御部110、不揮発メモリー121、RAM(Random Access Memory)122、HDD130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリー170、伸張IC180、書込処理部190等を備える。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリー121に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM122に展開し、RAM122に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0032】
本実施の形態において、不揮発メモリー121には、画像形成装置1をサービスモードで動作させるためのサービスモード用プログラムと、通常モードで動作させるための通常モード用プログラムとが記憶されており、制御部110は、操作部32により指示された動作モードのプログラムを読み出して画像形成装置1の各部を制御する。
ここで、サービスモードとは、保守作業員(サービスマン)が画像形成装置1のメンテナンスで使用する動作モードである。サービスモードでは、例えば、機械の調整、各種機能の設定、プログラムのバージョン確認や更新を行うことができる。また、リストプリントやテストチャート等の特殊用途のチャートを出力するジョブを実行することができる。
通常モードとは、ユーザが画像形成装置1を使用して所望の画像を用紙に画像形成するための動作モードである。例えば、ユーザが外部装置2から入力される印刷対象データや、操作部32から入力したジョブデータ及び画像読取部20から入力した画像データに基づくジョブを実行したり、各種のユーザ設定や調整を行ったりする機能が実行可能である。ジョブデータは、例えば、画像形成に使用する用紙の種類(普通紙、封筒、・・・)、用紙サイズ、両面/片面、部数等の、画像形成条件を示すデータである。
ここで、ジョブとは、画像形成に関する一連の動作を指す。例えば、複数枚の原稿をコピーする場合は、複数枚の原稿のコピーに対する一連の動作がジョブである。ジョブは、画像形成条件等の指示を示すジョブデータ及び画像データに基づいて行われる。サービスモードにおいては、操作部32によりジョブ(例えば、リストプリントを出力するジョブ)の実行が指示されると、ジョブデータ及び画像データは制御部110による処理によって生成され、これに基づきジョブが実行される。
【0033】
不揮発メモリー121は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データを記憶する。
また、本実施の形態において、不揮発メモリー121は、記憶部として、第1の定着ユニット631に含まれる各部品の寿命(ライフ)を管理するための情報である第1のライフカウンター121aと、第2の定着ユニット632に含まれる各部品のライフを管理するための情報である第2のライフカウンター121bと、を記憶している。
図3に、第2のライフカウンター121bの一例を示す。図3に示すように、第2のライフカウンター121bは、第2の定着ユニット632に含まれる各部品毎の「パーツ名」、「パーツNO.(P/N)」、「カウンター値」、「リミット値」、「開始日」等の項目の情報により構成されている。カウンター値は、その部品を使用して行われた画像形成枚数を示す値である。リミット値は、その部品の寿命時期に相当するカウンター値である。「開始日」は、その部品の使用開始日である。第1のライフカウンター121aも第2のライフカウンター121bと同様の項目の情報により構成されている。
その他、不揮発メモリー121は、その他の各消耗部品の画像形成枚数、画像形成装置1のトータルの画像形成枚数、用紙種類毎の画像形成枚数、フルカラー画像形成の枚数、モノクロ画像形成の枚数、コピー枚数、プリント枚数等の各種のカウンター値や、消耗材の使用率等を記憶している。
【0034】
RAM122は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM122は、ジョブに適合しない定着ユニット63を装着して画像形成を行った枚数をカウントするための不適合カウンター122aを記憶する。
【0035】
HDD(Hard Disk Drive)130は、制御部110からの制御に基づいて画像データの保存及び読み出しを行う。
【0036】
読取処理部140は、画像読取部20から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0037】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0038】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸張IC180による圧縮画像データの伸張処理を制御するとともに、画像メモリー170への画像データの入出力制御を行う。
【0039】
例えば、DRAM制御IC160は、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存指示が制御部110から入力されると、読取処理部140に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリー170の圧縮メモリー171に格納させる。また、DRAM制御IC160は、圧縮メモリー171に格納された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部110から入力されると、圧縮メモリー171から圧縮画像データを読み出し、伸張IC180により伸張処理を施してページメモリー172に格納させる。さらに、ページメモリー172に格納された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリー172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0040】
画像メモリー170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリー171とページメモリー172とを備える。圧縮メモリー171は、圧縮画像データを格納するためのメモリーであり、ページメモリー172は、プリント出力用の画像データを一時的に格納するためのメモリーである。
伸張IC180は、圧縮画像データに伸張処理を施して書込処理部190に出力する。
【0041】
書込処理部190は、伸長処理されたデジタル画像データをプリンタエンジン41に出力する。
【0042】
次に、プリンタコントローラー1bの各部について説明する。プリンタコントローラー1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成装置1に入力されるデータの管理及び制御を行うものである。
【0043】
プリンタコントローラー1bは、コントローラー制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリー13、LANIF14から構成される。
【0044】
コントローラー制御部11は、プリンタコントローラー1b各部の動作を統括的に制御し、LANIF14を介して外部装置2から入力されるプリント対象データの言語解析及びラスタライズ処理を行って、ジョブにおける画像形成条件を示すジョブデータと画像データを生成して本体部1aへ送信する。
【0045】
DRAM制御IC12は、LANIF14により受信されたデータの画像メモリー13への格納や、画像メモリー13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラー制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータに基づいて生成されたジョブデータ及び画像データを画像メモリー13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0046】
画像メモリー13は、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0047】
LANIF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0048】
(画像形成装置1の動作)
次に、本実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態においては、定着ユニット63のライフの管理に係る画像形成装置1の動作について説明する。
ライフ管理の前提として、第1のライフカウンター121aには、第1の定着ユニット631に搭載されている各部品の「パーツ名」、「パーツNO.」、「リミット値」が予め記憶されている。また、第2のライフカウンター121bには、第2の定着ユニット632に搭載されている各部品の「パーツ名」、「パーツNO.」、「リミット値」が予め記憶されている。
上述のように、プリント制御部400は、ポート63aからの定着ユニット識別信号に基づいて、現在装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631であるか第2の定着ユニット632であるかを認識し、いずれの種類の定着ユニットが装着されているかを制御部110に通知する。制御部110は、ジョブ実行時に後述する画像形成制御処理Aを実行し、プリント制御部400からの通知及びジョブの内容に基づいて定着ユニット63をはじめとする消耗部品のライフの管理を行い、画像形成部40で画像形成が行われる毎に、各種部品のカウンター値をカウントアップする。定着ユニット63については、現在装着されている定着ユニット63のライフカウンター(第1のライフカウンター121a又は第2のライフカウンター121b)のカウンター値をカウントアップする。
【0049】
何れかの部品のカウンター値がリミット値に到達する(或いは、あと所定カウントでリミット値まで到達する値となる)と、表示部31にその旨を示す警告が表示される、或いは警告ブザーが出力される等により、その部品の交換が促される。これに応じて保守作業員により該当する部品の交換が行われる。このとき、保守作業員は、サービスモードにおいて表示部31にライフカウント表示画面311(図4参照)を表示させ、交換された部品を操作部32により選択して「カウンタークリア」ボタンB1を押下する。制御部110は、ライフカウント表示画面311において操作部32により部品が選択され、「カウンタークリア」ボタンB1が押下されると、選択された部品の「カウンター値」をクリアする。定着ユニット63の部品が交換された場合は、現在装着されている定着ユニット63のライフカウンターの選択された部品の「カウンター値」をクリアする。
【0050】
ここで、上述のように、第2の定着ユニット632は、例えば、定着ローラーの厚みを薄くしてシワが起こりにくくする等、封筒に特化した構成となっている。そのため、封筒以外の用紙は第2の定着ユニット632にダメージを与える。よって、封筒以外の用紙を使用するジョブでは第2の定着ユニット632を使用した画像形成を許可しないようにすることが好ましい。しかし、数枚の画像形成を行うだけのジョブを実行する場合や、カウンターリスト(不揮発メモリー121に記憶されている各種カウンター値のリスト)を出力するジョブ又は先端タイミング調整等の画質に影響しない調整に使用する調整用チャートを出力するジョブ等、特殊用途で、出力する枚数が少なく、定着ローラーへのダメージが少ないジョブの場合は、その都度定着ユニットを交換するのは煩雑である。
そこで、制御部110では、ジョブ実行時に画像形成制御処理Aを実行し、第2の定着ユニット632を装着した状態で封筒以外の用紙を使用した場合の画像形成の制御、ユーザへの警告表示やカウンター値にカウントアップする値(加算値)の変更等を行う。
【0051】
図5に、画像形成制御処理Aのフローチャートを示す。画像形成制御処理Aは、ジョブの実行時に制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合するジョブであるか否かが判断される(ステップS1)。ステップS1においては、プリント制御部400から通知される、現在装着されている定着ユニット63の種類を示す情報と、ジョブデータに含まれる用紙の種類の情報に基づいて判断される。具体的には、定着ユニット63の種類が第1の定着ユニット631で、用紙種類が封筒以外の場合、又は、定着ユニット63の種類が第2の定着ユニット632で用紙種類が封筒の場合、実行するジョブは装着されている定着ユニット63に適合するジョブであると判断される。定着ユニット63の種類が第1の定着ユニット631で用紙種類が封筒の場合、又は、定着ユニット63の種類が第2の定着ユニット632で用紙種類が封筒以外の場合、実行するジョブは装着されている定着ユニット63に適合しないジョブであると判断される。なお、用紙種類は、ジョブデータから直接に判断してもよいし、ジョブデータに使用する給紙トレイの情報が含まれている場合は、当該使用する給紙トレイに装着されている用紙の種類に基づいて判断してもよい。
【0052】
実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合するジョブであると判断された場合(ステップS1;YES)、RAM122の不適合カウンター122aの値がクリアされ(ステップS2)、ジョブに基づき画像形成部40による画像形成が行われる(ステップS3)。そして、画像形成が行われる毎に、不揮発メモリー121に記憶されている、装着されている定着ユニット63のライフカウンターのカウンター値が1ずつカウントアップ(加算)される(ステップS4)。また、他の部品のカウンター値や該当するカウンター値(例えば、コピーならコピー枚数のカウンター値)も1ずつカウントアップされる。ジョブで指示されている全ての画像形成が終了すると(ステップS5;YES)、画像形成制御処理Aは終了する。
【0053】
一方、ステップS1において、実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合しないジョブであると判断された場合(ステップS1;NO)、当該ジョブが、装着されている定着ユニット63に不適合なジョブであっても画像形成を許可するジョブであるか否かが判断される(ステップS6)。
ここで、装着されている定着ユニット63が第2の定着ユニット632である場合、これと不適合なジョブであっても許可するジョブは、第2の定着ユニット632へのダメージが比較的少ないジョブである。例えば、(1)通常ジョブでかつ画像形成枚数が予め定められた基準枚数以下のジョブ、(2)カウンターリストを出力するジョブ、(3)先端タイミング調整用チャート、片寄り調整用チャート等の、画質に影響されない調整に使用される調整用チャートを出力するジョブ、が挙げられる。ここで、通常ジョブとは、ユーザにより入力された画像(外部装置2又は画像読取部20から入力された画像データ)に基づき実行するジョブである。
装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631である場合は、これと不適合なジョブであるが画像形成を許可するジョブはない(第1の定着ユニット631と不適合なジョブ(即ち、用紙種類が封筒のジョブ)はすべて禁止する)。
装着されている定着ユニット63に不適合なジョブであっても画像形成を許可するジョブの条件は、予め不揮発メモリー121に記憶されている。
【0054】
ステップS6において、当該ジョブが装着されている定着ユニット63と不適合なジョブであっても画像形成を許可するジョブであると判断された場合(ステップS6;YES)、ジョブに基づき画像形成部40による画像形成が行われる(ステップS7)。画像形成が行われる毎に、RAM122の不適合カウンター122aが1ずつカウントアップされるとともに(ステップS8)、不揮発メモリー121に記憶されている、装着されている定着ユニット63のライフカウンター(ここでは、第2のライフカウンター121b)のカウンター値が所定の値nずつカウントアップされる(ステップS9)。また、他の部品のカウンター値や該当するカウンター値(例えば、コピーならコピー枚数のカウンター値)は1ずつカウントアップされる。ステップS9では、1枚画像形成する毎に装着されている定着ユニット63のライフカウンターにカウントアップする所定の値nは定着ユニット63と適合するジョブを実行した場合の1に比べて大きい。不適合なジョブを実行すると、定着ユニット63へのダメージが大きいため、その分、カウンター値に加算する値を大きくしてダメージに応じたカウントを行うようにするためである。また、表示部31に、不適合カウンター122aの値がユーザへの警告として表示される(ステップ10)。ジョブで指示されている全ての画像形成が終了すると(ステップS11;YES)、画像形成制御処理Aは終了する。
【0055】
図6に、ステップS10において表示部31に表示される不適合な画像形成に対する警告の一例を示す。図6は、封筒用の第2の定着ユニット632を装着してこれに適合しないジョブを実行した場合に表示される警告の一例を示している。図6に示すように、表示部31には、不適合カウンター122aのカウンター値、即ち、封筒用の第2の定着ユニット632に適合しないジョブでの画像形成枚数(プリント枚数)Pが表示されている。この表示により、ユーザは装着されている定着ユニット63に適合しないジョブを実行していること、また、装着されている定着ユニット63に適合しない状態でどのくらいの枚数の画像形成を行っているのかを把握することができる。
【0056】
一方、ステップS6において、装着されている定着ユニット63と不適合なジョブの場合には画像形成を許可するジョブではないと判断された場合(ステップS6;NO)、ジョブがキャンセルされ、当該ジョブに基づく画像形成が行われないように制御される(ステップS12)。そして、表示部31に、ジョブをキャンセルしたことをユーザに通知するためのメッセージ、例えば「装着されている定着ユニットと適合しないためキャンセルしました」等のメッセージが表示され(ステップS13)、画像形成制御処理Aは終了する。
【0057】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の形態について説明する。
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施の形態の動作について説明する。
第2の実施の形態においては、ジョブ実行時に図7に示す画像形成制御処理Bが実行される。その他の動作は、上述の第1の実施の形態と同様である。
【0058】
以下、図7を参照して画像形成制御処理Bについて説明する。
画像形成制御処理Bは、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0059】
まず、実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合するジョブであるか否かが判断される(ステップS21)。ステップS21における判断の手法は、図5のステップS1で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0060】
実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合するジョブであると判断された場合(ステップS21;YES)、RAM122の不適合カウンター122aの値がクリアされ(ステップS22)、ジョブに基づき画像形成部40による画像形成が行われる(ステップS23)。そして、画像形成が行われる毎に、不揮発メモリー121に記憶されている、装着されている定着ユニット63のライフカウンターのカウンター値が1ずつカウントアップ(加算)される(ステップS24)。また、他の部品のカウンター値や該当するカウンター値(例えば、コピーならコピー枚数のカウンター値)も1ずつカウントアップされる。ジョブで指示されている全ての画像形成が終了すると(ステップS25;YES)、画像形成制御処理Bは終了する。
【0061】
一方、ステップS21において、実行するジョブが装着されている定着ユニット63に適合しないジョブであると判断された場合(ステップS21;NO)、動作モードがサービスモードに設定されているか否か(即ち、サービスモードで要求されたジョブであるか否か)が判断される(ステップS26)。
【0062】
ステップS26において、動作モードがサービスモードに設定されていると判断されると(ステップS26;YES)、ジョブに基づき画像形成部40による画像形成が行われる(ステップS27)。サービスモードで実行可能なジョブとしては、リストプリントを出力するジョブ、テストチャートを出力するジョブ等がある。リストプリントとは、画像形成装置1の機械の使用状況や設定内容等を示す情報の一覧であり、カウンターリストも含まれる。図8に、リストプリントの一例を示す。図8に示すリストプリントでは、画像形成装置1の装置名称、シリアルNO.、各種カウンター値、消耗材の使用率等の一覧が記載されている。
ここで、サービスモードで出力されるリストプリントやテストチャートは、特殊用途であり、1回の出力枚数も数枚であり、何れの定着ユニットへのダメージも小さい。そこで、サービスモードで要求されたジョブである場合には、画像形成は許可される。
【0063】
画像形成が行われると、RAM122の不適合カウンター122aが1ずつカウントアップ(加算)されるとともに(ステップS28)、不揮発メモリー121に記憶されている、装着されている定着ユニット63のライフカウンターのカウンター値が所定の値nずつカウントアップされる(ステップS29)。また、他の部品のカウンター値や該当するカウンター値(例えば、コピーならコピー枚数のカウンター値)は1ずつカウントアップされる。ステップS29では、1枚画像形成する毎に装着されている定着ユニット63のライフカウンターにカウントアップする所定の値nは定着ユニット63と適合するジョブを実行した場合に比べて大きい。不適合なジョブを実行すると、定着ユニット63へのダメージが大きいため、その分、カウンター値への加算値を大きくしてダメージに応じたカウントを行うようにするためである。また、表示部31に、不適合カウンター122aの値がユーザへの警告として表示される(ステップS30)。ステップS30で表示される警告は、図6に示したものと同様である。ジョブで指示されている全ての画像形成が終了すると(ステップS31;YES)、画像形成制御処理Bは終了する。
【0064】
一方、ステップS26において、動作モードがサービスモードに設定されていないと判断された場合(ステップS26;NO)、画像形成がキャンセルされ、当該ジョブに基づく画像形成が行われないように制御される(ステップS32)。そして、表示部31に、ジョブをキャンセルしたことをユーザに通知するためのメッセージ、例えば「装着されている定着ユニットと適合しないためキャンセルしました」等のメッセージが表示され(ステップS33)、画像形成制御処理Bは終了する。
【0065】
以上説明したように、画像形成装置1によれば、制御部110は、実行するジョブが画像形成部40に装着されているユニットに適合するジョブであるか否かを判断し、装着されているユニットに適合するジョブであると判断した場合、画像形成部40に当該ジョブに基づく画像形成を行わせ、装着されているユニットに適合するジョブではないと判断した場合、当該ジョブが予め定められた条件を満たしているか否かを判断し、満たしていると判断した場合に、画像形成部40に当該ジョブに基づく画像形成を行わせる。
従って、装着されたユニットに適合しないジョブであっても予め定められた条件を満たす場合はジョブの実行を可能とするので、適合しないジョブを実行することによる装着されたユニットへのダメージを抑えつつユニット交換の手間を低減することができる。
【0066】
例えば、画像形成装置1においては、封筒への画像形成時に使用する第2の定着ユニット632と封筒以外のシート状の用紙への画像形成時に使用する第1の定着ユニット631の2種類の定着ユニット63が装着可能に構成されており、制御部110は、装着されているユニットが封筒用の第2の定着ユニット632である場合、実行するジョブが封筒に画像を形成するジョブであるか否かを判断し、封筒に画像を形成するジョブであると判断した場合、当該ジョブが装着されているユニットに適合するジョブであると判断し、実行するジョブが予め定められた条件を満たす場合は、画像形成部40に当該ジョブに基づく画像形成を行わせる。
予め定められた条件とは、例えば、実行するジョブが画像形成装置1のメンテナンスを行うためのサービスモードで要求されたジョブであるか、実行するジョブにおける画像形成枚数が基準枚数以下であるか、実行するジョブがカウンターリストを出力するジョブであるか、又は、実行するジョブが画質に影響のない調整に使用する調整用チャートを出力するジョブである等、封筒用の第2の定着ユニット632にダメージが少ないジョブである場合である。
従って、装着されたユニットに適合しないジョブであっても予め定められた条件を満たす場合はジョブの実行を可能とするので、封筒以外の用紙を使用するジョブを実行することによる封筒用の第2の定着ユニット632へのダメージを抑えつつ定着ユニット交換の手間を低減することができる。
【0067】
また、制御部110は、装着されているユニットに適合しないジョブを実行した場合は、装着されているユニットに適合するジョブを実行した場合に比べて、そのユニットに搭載された部品のライフを管理するためのカウンター値への画像形成1枚当たりの加算値を大きくする。従って、装着されているユニットに不適合なジョブを実行した場合は、適合するジョブを実行した場合に比べて装着されているユニットへのダメージが大きくなるが、それに応じて、装着ユニット内の部品のライフを管理するためのカウンター値が通常よりも大きく加算されるので、装着されている装着されているユニットのダメージに応じたライフ管理が可能となる。
【0068】
また、制御部110は、装着されているユニットに適合しないジョブに基づいて画像形成した枚数をカウントし、表示部31に表示させる。従って、装着されているユニットに適合していないジョブを実行していること、また、装着されているユニットに適合しない状態でどのくらいの枚数の画像形成を行っているのかをユーザが容易に把握することが可能となる。
【0069】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の好適な一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0070】
例えば、上記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成部40において封筒用と封筒以外の用紙用の2種類の定着ユニットが着脱可能であり、実行するジョブが装着されている定着ユニットに適合しない場合であっても、所定の条件を満たしている場合は画像形成を許可することとして説明したが、これに限定されない。
例えば、画像形成部40において用紙のサイズに応じた複数の定着ユニットが着脱可能であり、用紙サイズに応じた定着ユニットを装着して画像形成を行う画像形成装置の場合、同一サイズの用紙、特に同一サイズの厚紙を大量に使用すると、定着ローラーの紙エッジ位置にスジがつき、このスジよりも大きいサイズの用紙に画像形成を行うと、画像上にスジとなって現れる現象がある。これを回避するには、装着された定着ユニットに適合しないサイズの用紙を使用する画像形成を禁止することが考えられるが、数枚だけの画像形成の場合にわざわざ定着ユニットを交換することは手間であり、使い勝手が良くない。そこで、本発明を適用し、ジョブにより指示されている用紙サイズと装着されている定着ユニットが不適合であっても、所定の条件を満たしている場合、例えば、ジョブによる画像形成枚数が基準枚数以下となるような場合(カウンターリストの出力、画質に影響しない調整用チャートの出力、サービスモードでのリストプリント出力、テストチャートの出力等、予め画像形成枚数が限定されているジョブを含む)、画像形成を許可するように制御するようにしてもよい。この場合、画像形成制御処理A、Bと同様に、装着されている定着ユニットに搭載されている部品のライフを管理するカウンター値への加算値を通常よりも大きくしたり、この不適合な状態での画像形成枚数を表示部31に表示したりすることが好ましい。
【0071】
また、上記実施の形態においては、実行するジョブが定着ユニットに不適合である場合の画像形成制御について説明したが、実行するジョブがプリンタエンジン41の他のユニットに適合しないような場合についても、同様に、所定の条件を満たしている場合は画像形成を許可するように制御してもよい。
【0072】
また、上記実施の形態においては、画像形成を行った場合にカウンター値に加算する値を一律にしたが、1枚当たりの消耗が大きい部品については加算する値を大きくする等、部品毎に変えることとしてもよい。
【0073】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROM、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0074】
その他、画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラー
2 外部装置
3 ネットワーク
11 コントローラー制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリー
14 LANIF
20 画像読取部
21 スキャナー
30 操作表示部
31 表示部
32 操作部
40 画像形成部
41 プリンタエンジン
63 定着ユニット
631 第1の定着ユニット
632 第2の定着ユニット
63a ポート
100 画像制御基板
110 制御部
121 不揮発メモリー
121a 第1のライフカウンター
121b 第2のライフカウンター
122 RAM
122a 不適合カウンター
130 HDD
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリー
171 圧縮メモリー
172 ページメモリー
180 伸張IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 操作表示制御部
400 プリント制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なユニットを含んで構成される画像形成部と、
前記画像形成部に装着されているユニットの種類を識別するユニット識別部と、
実行するジョブが前記装着されているユニットに適合するジョブであるか否かを判断し、前記装着されているユニットに適合するジョブであると判断した場合、前記画像形成部に前記ジョブに基づく画像形成を行わせ、前記装着されているユニットに適合するジョブではないと判断した場合、前記ジョブが予め定められた条件を満たしているか否かを判断し、満たしていると判断した場合に、前記画像形成部に前記ジョブに基づく画像形成を行わせる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、前記ジョブが前記画像形成装置のメンテナンスを行うためのサービスモードで要求されたジョブであることである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予め定められた条件は、前記ジョブにおける画像形成枚数が基準枚数以下であるか、前記ジョブがカウンターリストを出力するジョブであるか、又は、前記ジョブが画質に影響のない調整に使用する調整用チャートを出力するジョブであることである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユニットに搭載されている各部品を使用して行った画像形成枚数に応じたカウンター値を記憶するための記憶部を備え、
前記制御部は、前記装着されているユニットに適合しないジョブを実行した場合は、前記装着されているユニットに適合するジョブを実行した場合に比べて画像形成1枚当たりの前記カウンター値への加算値を大きくする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
表示部を備え、
前記制御部は、前記装着されているユニットに適合しないジョブに基づいて画像形成した枚数をカウントし、前記表示部に表示させる請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユニット識別部により前記装着されているユニットが封筒用の定着ユニットであると識別された場合、前記ジョブが封筒に画像を形成するジョブであるか否かを判断し、封筒に画像を形成するジョブであると判断した場合、前記ジョブが前記装着されているユニットに適合するジョブであると判断する請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61578(P2013−61578A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201257(P2011−201257)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】