説明

画像形成装置

【課題】転写部材のトナー汚れ及び記録材の裏汚れを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】第一の画像および第二の画像を像担持体11上に形成する画像形成手段と、第一の画像および前記第二の画像を担持する像担持体11と、その像担持体上の第一の画像を記録媒体へ転写する位置で、像担持体との間に転写ニップn2を形成する転写部材5と、像担持体11の表面に担持された第二の画像を検知する検知手段550と、転写ニップとして第二の画像が形成される像担持体上の領域を含まない第一の転写ニップを形成する第一の転写部材5b、5cと、転写ニップとして第二の画像が形成される像担持体上の領域を含む第二の転写ニップを形成する第二の転写部材5aと、をそれぞれ装着可能な装着部71とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上のトナー像を記録材へ転写する転写装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
像担持体である感光体を帯電した後、原稿画像の露光あるいは画像信号に応じた光書き込みにより静電潜像を形成し、感光体上に形成された静電潜像を1成分現像剤や2成分現像剤を用いた現像装置で現像して可視化した後、感光体上の可視像(トナー像)を転写手段で転写用紙等の記録材に転写し、定着装置で定着して画像を得るという静電写真プロセスを用いた画像形成装置が知られており、複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等に応用されている。
【0003】
この種の画像形成装置においては、第1の像担持体としての単数又は複数の感光体上に順次に形成された異なる色のトナー像を、第2の像担持体としての中間転写体上に重ね合わせて転写(1次転写)する中間転写方式がある。中間転写体上のトナー像は、その後一括して記録材に転写(2次転写)される。
ここで像担持体としての感光体や中間転写体から転写材にトナー像を転写させる転写装置として、像担持体に転写部材としてのローラを当接させ、両者の間に記録材を通過させる方式が広く用いられている。
【0004】
従来、このような転写装置を備えた画像形成装置においては、低温低湿環境の立ち上げ時などに感光体への過剰なトナー供給が起こり、非画像部にトナーが付着して画像が汚れてしまう「地汚れ」という現象が起こる。この地汚れが転写部材に移転してしまうことで、転写部材を汚してしまうことが知られている。
なお、特許文献1には、この地汚れが転写部材に移転し、経時での転写部材のトナー汚れを防止し、記録材の裏汚れを抑制する目的で、転写部材の表面とトナーとの離型性を高める離型剤を内部に収容する収容部を備え、該収容部内の離型剤を転写部材の表面に供給する離型剤供給手段の発明が開示されている。
【0005】
このような状況の中、ユーザによって主に使用する記録材である用紙は決まっており、ほぼその大きさの用紙しか使用しないといったケースがある。そのような使われ方をした場合、例えば、図13に示すように、転写部材である二次転写ローラ500の長さとユーザが主に使用する用紙Pの幅が対応していないと、図中に示すように二次転写ローラ500の端部の余剰部分がトナーで汚れてしまう。この端部の余剰部分の汚れの原因の一つとして、二次転写時に用紙Pが通らなかった、即ち画像形成部でなかった両端部分では中間転写ベルト100に転写された地汚れが二次転写ローラ500に移動して、しだいに蓄積されていってしまうことが既に知られている。
【0006】
このような転写部材の汚れを防止するために、画像安定制御の為のテストパターンを中間転写体上に形成する場合、その使用済みのテストパターンの除去において、転写部材に専用のクリーニング装置をつけてクリーニングを行なう方式のものや、像担持体と転写部材の互いの表面を圧接せずに略転写材相当離間させて転写部材の汚れを防ぐ方式を採るものや、ポスト帯電器でテストパターンを帯電させて像担持体側に再転写して転写部材側をクリーニングするモードを設けたりすることが既に知られている。
【0007】
例えば、特許文献2には、転写部材である二次転写ローラのトナー汚れを防止し、記録材の裏汚れを防止する目的で、二次転写ローラをクリーニングするための専用の二次転写部材クリーニング装置を設ける発明が開示されている。
特許文献3には、転写部材である二次転写ローラのトナー汚れとそれに伴う記録材の裏汚れを抑える目的で、像担持体と二次転写ローラの互いの表面を圧接せずに略記録材相当離間させて二次転写ローラの汚れを防ぐと共に、記録材にトナーを転写する際にかける電界と逆の電界を二次転写ローラにかけることにより、二次転写ローラに付着したトナーを像担持体上に転写し戻すといった発明が開示されている。
特許文献4には、濃度調整用のテストパッチによる転写部材の汚れを抑制する目的で、ポスト帯電器によりテストパッチに逆電界をかけることで、第二の像担持体から第一の像担持体に転写し戻すといった発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、今までの転写部材のトナー汚れや、それによる記録材の裏汚れの防止策には以下のような問題があった。
特許文献1の転写部材表面に離型剤を供給する方法は、確かに転写部材の汚れを抑制できる。しかし、離型剤がなくなってしまうことで、経時でのトナー付着を防ぐという効果の持続や、離型剤とそれを供給する機構を設けなければならないことによるコストが高いという問題は解消できない。
特許文献2の専用の二次転写部材クリーニング装置を設けた方法は、確かに転写部材の汚れを解消できる。しかし、クリーニング装置の大型化やコストアップという問題は解消できない。
【0009】
特許文献3のように、像担持体と転写部材の互いの表面を圧接せずに略記録材相当離間させて二次転写ローラの汚れを防ぐと共に、記録材にトナーを転写する際にかける電界と逆の電界を転写部材にかけることにより、転写部材に付着したトナーを像担持体上に転写し戻し、汚れを解消できるが、生産性の低下という問題は解消できない。
特許文献4では、転写部材の汚れを解消できる。しかし、テストパターンに逆電界をかけることで第二の像担持体から第一の像担持体へ転写し戻すため、逆電界をかけているときは通常の印刷をすることができないため、生産性が低下することや、専用のチャージャーを設ける必要があるためコストが高くなってしまうという問題を解消できない。
【0010】
本発明は、ユーザの要求等に応じて幅方向の長さの異なる複数の転写部材を容易に装着できるとともに、汚れをより確実に防止できる転写部材、あるいは幅の広い記録媒体へ画像を転写できる転写部材を選択可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、第一の画像および第二の画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、前記第一の画像および前記第二の画像を担持する像担持体と、該像担持体上の前記第一の画像を記録媒体へ転写する位置で、像担持体との間に転写ニップを形成する転写部材と、像担持体の表面に担持された前記第二の画像を検知する検知手段と、前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含まない第一の転写ニップを形成する第一の転写部材と、前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含む第二の転写ニップを形成する第二の転写部材と、をそれぞれ装着可能な装着部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、転写ニップとして第二の画像が形成される像担持体上の領域を含まない第一の転写ニップを形成する第一の転写部材と、転写ニップとして前記第二の画像が形成される像担持体上の領域を含む第二の転写ニップを形成する第二の転写部材と、のうちのいずれかをユーザの要求等に応じて容易に装着できる。また、第一の転写部材を装着したときには第二の画像による転写部材の汚れをより確実に防止でき、第二の転写部材を装着したときには第二の画像の形成領域を含む幅の広い画像を記録媒体へ転写できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのカラープリンタの全体構成を示す正面図である。
【図2】図1の転写部材と中間転写ベルトの主走査方向(y方向)における幅の比較説明図で、(a)のび紙に対応したもの、(b)A3縦、A4横の用紙に対応したもの、(c)A4縦の用紙に対応したものである。
【図3】図1の転写部材の主走査方向の幅を検知するレーザ変位計、ミラーの配置説明図である。
【図4】図1のカラープリンタ上に配備したモニターの一例を示す平面図である。
【図5】図1のカラープリンタで用いる用紙の対応チェック制御に関する制御フローチャートを示す。
【図6】図1のカラープリンタで用いる転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を説明する図で、(a)はのび紙に対応した転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を、(b)は画像濃度調整用パッチの配置状態を示す。
【図7】図1のカラープリンタで用いる転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を説明する図で、A3縦の用紙に対応した転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を示す。
【図8】図1のカラープリンタで用いる二次転写ローラに応じた画像濃度調整制御に関する制御フローチャートを示す。
【図9】図1のカラープリンタで用いるトラッキングロール付の転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を説明する図で、(a)はのび紙に対応した転写部材と中間転写ベルトの相対的な配置位置を、(b)は画像濃度調整用パッチの配置状態を示す。
【図10】図1のカラープリンタで用いる2次転写ユニットの拡大側面図である。
【図11】他の実施形態で用いる転写部材切換え支持手段の拡大側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る転写装置を有する画像形成装置としてのカラープリンタの全体構成を示す正面図である。
【図13】転写部材と中間転写ベルトの主走査方向における幅の比較説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1に基づいて本発明を適用した転写装置を有する画像形成装置を説明する。
ここで、図1は第1実施形態としての画像形成装置としてのカラープリンタM1を示している。図1に示すように、カラープリンタM1には、像担持体としての中間転写ベルト11を有する転写ベルトユニット10と4つの画像ステーション(画像形成手段)が配置されている。各画像ステーションには感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkが設けられ、その回りには専用の帯電装置30Y、30C、30M、30Bk、現像装置50Y、50C、50M、50Bk、クリーニング装置40Y、40C、40M、40Bkがそれぞれ配置されている。
【0015】
符号9は、トナーを補給するトナーボトルである。
中間転写ベルト11は、支持ローラ16、17、18により支持され、符号A方向に回転しており、支持ローラ16は2次転写対向ローラであり、支持ローラ18はクリーニング対向ローラでもある。
符号9は、トナーを補給するトナーボトルを示しており、図中左からイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(Bk)のトナーが充填されており、ここから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置50Y、50C、50M、50Bkに補給される。
なお、図1に示すように、カラープリンタM1の上部外枠56の上向き面には操作指示を入力する選択手段である設定変更手段85(オペレーションパネル)が装備され、その設定変更手段85は画像形成装置本体55の内部に配備の制御手段90に接続される。これにより、設定変更手段85と制御手段90との間で操作指示の信号の授受が行なわれ、後述のモードの選択が容易にできる。
動作に関して説明すると、記録媒体としての転写紙2が給紙カセット1より給紙ローラ3でフィードされ、搬送ローラ対19によりレジストローラ対4に向けて搬送される。
【0016】
転写紙2の先端がレジストローラ対4まで到達すると図示しないセンサーによって検知され、この検出信号でタイミングを取りながら、レジストローラ対4によって転写紙2を2次転写ローラ5と中間転写ベルト11のニップ部n2(二次転写ニップ部)に搬送する。
予め帯電装置30Y、30C、30M、30Bkによって一様に帯電された感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、光書込み装置8によりレーザ光にて露光走査され、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk上に静電潜像が作られる。各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置50Y、50C、50M、50Bkにより現像され、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk表面にイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。
【0017】
次に1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkに電圧が印加され、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk上のトナーが、中間転写ベルト11上に順次転写されていく。各一次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkには、一次転写用の所定の一次転写バイアスが一次転写バイアス印加手段(不図示)に定電流制御で印加され、これらが制御手段90で制御される。
この時各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
ここで、2次転写ローラ5aには転写ローラバイアス電源540(図1参照)によって所定のバイアス電圧(トナーと逆極性)が印加される。中間転写ベルト11上に形成された画像は、2次転写ローラ5aと中間転写ベルトによって形成される二次転写用の転写ニップn2(2次転写ローラ5aの主走査方向幅を有するニップ、図1、図6参照)の位置まで搬送され、所定のバイアス電圧により転写紙2に一括して2次転写される。
各色の重ねトナー像が二次転写された転写紙2は、定着装置6に搬送されて熱定着され、排紙ローラ対7で装置本体上面を成すトレイ21に排紙される。
画像読取センサー550は、中間転写ベルト11の主走査方向両端に対向して設けられた反射型の光学センサーであり、中間転写ベルト11上に形成された濃度調整用のテストパターンの濃度を検知する。
【0018】
すなわち、本実施形態に係るカラープリンタM1(画像形成装置とも記す)は、装置本体55の下方に位置する給紙カセット1から上方に位置する転写ニップn2に向けて搬送させる、縦搬送方式の画像形成装置である。
感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk上の残留トナーは、それぞれのクリーニング装置40Y、40C、40M、40Bkでクリーニングされ、その後、直流に交流成分のバイアスが重畳印加された帯電装置30Y、30C、30M、30Bkによって除電と同時に帯電され、次の作像に備える。
中間転写ベルト11上の残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置13によってクリーニングされ、次の作像工程に備える。
【0019】
両面印刷の場合には転写紙2は両面ユニット15に導かれ、反転されてレジストローラ対4に搬送される。
両面ユニット15は、少なくとも両面搬送経路を備えた構成を有しており、図1において、画像形成装置本体55の側面側に開閉可能に設けられている。
両面ユニット15は、転写紙2を挟んで搬送するためのコロ、手差しトレイ、転写紙2を手差しトレイから2次転写部に供給する給紙コロ、搬送コロや給紙コロを回転駆動させるためのモータ等の駆動手段を備えていてもよい。
【0020】
図1において、符号55は画像形成装置本体を、14はトナー画像を転写した後に発生した廃トナーを回収する廃トナー回収容器を示している。なお、ここで、2次転写ローラ5aは2次転写位置に配備されている。
ここで、カラープリンタM1で選択的に交換使用される複数の2次転写ローラ5とそこで使用可能な記録材について図1および図2を用いて説明する。
図1に示すように、二次転写ユニット70は、二次転写ローラ5a(または5bまたは5c)と、二次転写ローラ5a(または後述する5bまたは5c)の軸を支持するローラ支持部材70aと、を備える。また、カラープリンタM1本体にはガイド部(装着部)71が設けられる。ガイド部(装着部)71には、二次転写ローラ5aと該ローラの軸を支持するローラ支持部材70aとを備える二次転写ユニット70が装着可能である。また、ガイド部(装着部)71には、二次転写ローラ5bまたは5cと該ローラの軸を支持するローラ支持部材70aとを備える二次転写ユニット70も、同様に装着可能である。
【0021】
図2(a)〜(c)は図1のz方向から見た図である。ここで、転写部材である二次転写ローラ5aはのび紙に対応したもので、本発明での転写装置である2次転写ユニット70に取り付けられるローラの中で最も主走査方向の長さが長いローラである。二次転写ローラ5bはA3縦、A4横の用紙を通紙可能な長さのローラである。二次転写ローラ5cはA4縦を通紙可能な長さのローラである。
また、図中に示していないが、B4、B5それぞれの縦、横に対応している他の二次転写ローラ5も取り付けられる。これらのような、主走査方向の長さが違う二次転写ローラ5を交換、取り付け可能とする。上述の複数の二次転写ユニット70をそれぞれ装着可能なガイド部(装着部)71を備えるので、使用者が主に使用する記録材の紙幅に対応した二次転写ユニット70をカラープリンタM1本体へ容易に装着することができる。
【0022】
次に、カラープリンタM1での画像形成制御の途中で行なわれる画像濃度調整用パッチの作成について説明する。
図6は図1のz方向から見た図である。図6(a)に示すように、二次転写ローラ5aは中間転写ベルト11に当接し、転写ニップとして画像濃度調整用パッチが形成される中間転写ベルト11上の両端の領域を含む転写ニップである第二の転写ニップn2を形成する。ここで、図6のような転写装置の構成上取り付けられる最大の長さを持つ二次転写ローラ(のび紙対応)5aを取り付けたとき、画像濃度調整用パッチ102a、102b(第二の画像)は出力画像(第一の画像)101の副走査方向(図6で上下方向)の紙間e1で作成する。
ここで、画像濃度調整用パッチ102a、102bの作成タイミングを説明する。この作成タイミングは二次転写ローラ5aが使用された場合、図6(b)に示すように、その使用に応じた記録材へ出力される出力画像101の後端の後方位置に、画像濃度調整用パッチ102a、102bが形成されるように、通過後の所定時点が設定される。すなわち、画像ステーションは、画像濃度調整用パッチ102a、102bを出力画像101と異なるタイミングで中間転写ベルト11上に形成する(第二のモード)。
二次転写ローラ(のび紙対応)5aを用いることで、第二の画像の形成領域を含む幅の広い画像を記録媒体へ転写できる。また、画像濃度調整用パッチ102a、102bを出力画像101と異なるタイミングで中間転写ベルト11上に形成することで、二次転写ローラ5aの端部および出力画像が汚れる不具合を防止できる。
【0023】
図7は図1のz方向から見た図である。二次転写ローラ5b(または5c)は、中間転写ベルト11に当接し、転写ニップとして画像濃度調整用パッチ102a、102bが形成される中間転写ベルト11上の両端の領域を含まない転写ニップである第一の転写ニップn1(2次転写ローラ5bの主走査方向幅を有し、n2より短い)を形成する。二次転写ローラ5b(または5c)が使用された場合、図7に示すように、その使用に応じた記録材へ出力される第一の画像(出力画像)101の左右側部に画像濃度調整用パッチ102a、102b(第二の画像)が形成される(第一のモード)ので、転写開始時と同時点が設定される。すなわち、画像ステーションは、画像濃度調整用パッチ102a、102bの少なくとも一部を出力画像101と同じタイミングで中間転写ベルト11上に形成する。
二次転写ローラ5b(または5c)を用いることで、二次転写ローラの汚れをより確実に防止できる。また、画像濃度調整用パッチ102a、102bの少なくとも一部を出力画像101と同じタイミングで中間転写ベルト11上に形成するので、画像濃度調整用パッチ102a、102bの全てを出力画像101と異なるタイミングで形成する場合に比べて、生産性の低下を防止できる。
なお、図7では全ての画像濃度調整用パッチ102a、102bを出力画像101と同じタイミングで形成しているが、これに代えて画像濃度調整用パッチ102a、102bの一部を出力画像101と同じタイミングで形成し、画像濃度調整用パッチ102a、102bの残りのものを出力画像101と異なるタイミングで形成してもよい。
【0024】
制御手段90による、画像濃度調整用パッチ102a、102bの作成タイミングの制御においては、二次転写ローラ5の主走査方向の長さの相違、即ち、二次転写ローラ5の長さを予め求め(後述のレーザ変位計51等による)、二次転写ローラの長さに対応して、画像濃度調整用パッチ102a、102bの作成タイミングを切り替え可能としている。なお、制御手段90が後述するローラ判別番号r1、r2、r3に応じて、画像濃度調整用パッチ102a、102bの作成タイミングを切り替え設定するようにしても良い。
次に、後述する図9に示すように、トラッキングロール530の働きで、二次転写ローラ5dを中間転写ベルト11上より離間させ、画像濃度調整用パッチが接触して二次転写ローラ5dが汚れないようにする構成を採ってもよい。このような二次転写ローラ5dを使用しているときに画像濃度調整を行うような場合、二次転写ローラ5aの使用時と同様に、以上のような制御をする必要がある。また、紙間e1で画像濃度調整を行っているときは印刷できないため、生産性が低下してしまう。
【0025】
そこで、のび紙を使用せず、A3以下の大きさの紙を主に使用するユーザーには図7のような紙幅に合わせた二次転写ローラ5bを選択し、交換する。
そうすることで、中間転写ベルト11上のトナー像の主走査方向(y方向)の長さと一致する主走査方向の長さを有する二次転写ローラ5bを選択使用することとなる。これにより、二次転写ローラ5bの左右端(主走査方向yの両端)に転写に寄与しない余剰部分が生じ、これが中間転写ベルト11の端部e2に触れることを防止でき、この余剰部分がトナーに汚れることを防止することができる。
しかも、その中間転写ベルト11の端部e2に画像濃度調整用パッチ102a、102bを作成して、画像を形成しながら画像濃度調整を行える。
【0026】
このように二次転写ローラ5bの長さを紙幅に対応して選択できるようにすることで、画像濃度調整を行う際に二次転写ローラ5bを離間させる必要がなくなり、かつ生産性の低下を防ぐことができる。
なお、この場合であっても、2次転写ローラ5bと中間転写ベルト11の間隙を確保することで、2次転写位置に順次達する互いに隣り合う用紙の紙間e1において、2次転写ローラ5が中間転写ベルト11に直接接触し、紙間に付着する残留トナーによって汚れることを防止できる。
【0027】
ここで、図1において、画像形成装置本体55の正面側は、2点差線で示すように、上側に固定の上部外枠56と、その下の中央蓋部材57と、その下の引き出し式の給紙カセット1の外側の引き出し蓋58とで覆われる。
中央蓋部材57はその一側縁側を縦方向に延びる回動中心軸(不図示)を中心にして他側縁側を手前に開放可能に画像形成装置本体55に支持されている。この中央蓋部材57は画像形成装置本体55の内部のメンテナンス時に開放可能である。
【0028】
図10は本発明での画像形成装置で用いられる2次転写ユニット70を示している。画像形成装置本体55はガイド部71を支持する。2次転写ユニット70は、2次転写ローラ5と、2次転写ローラ5の軸を支持するローラ支持部材70aと、を備える。ローラ支持部材70aは、ガイド部71に案内されてスライドするスライダ72と、スライダ72に固定された支持部材本体73と、2次転写ローラ5を枢支部731に保持した上で転写ユニット本体73に支持軸74を介し揺動可能に枢支された可動枠75と、可動枠75の2次転写ローラ5を中間転写ベルト11に圧接させるよう弾性付勢する加圧ばね76と、可動枠75の2次転写ローラ5を支持部材本体73に対して転写位置p1(図10参照)と退避位置p2に切換え保持する切換えレバー77と、を備える。
【0029】
切換えレバー77は折曲レバーであり、中央の支持軸771が支持部材本体73に支持される。切換えレバー77は転写位置p1に手動で切換え保持されることで2次転写ローラ5を中間転写ベルト11に圧接させ、退避位置p2に切換え保持されることで、2次転写ローラ5を中間転写ベルト11より離隔させ、ガイド部71に対してスライダ72と一体の支持部材本体73を紙面手前側に引き出すことを容易化している。
【0030】
次に、ここでの2次転写ローラ5は、金属製の芯金510の周りを半導電性(10 〜10 Ω・cm)の発泡ウレタンゴムからなる弾性層520によって被覆して構成されており、この2次転写ローラ5の外径は、例えば、16mmに設定される。また、図9に示すように、二次転写ローラ(のび紙対応)5dを取り付けたときには、その芯金510の両端がトラッキングロール530によって軸支されており、これらのトラッキングロール530を中間転写ベルト11に突き当てることによって、2次転写ローラ5dと中間転写ベルト11の間隙が例えば、0.1mmに保持される。さらに、2次転写ローラ5は、図示しない駆動手段によって中間転写ベルト11の周速と等しい速度で回動されるようになっている。
【0031】
更に、図1に示すように、転写紙2は搬送ローラ対19、4によって中間転写ベルト11とほぼ等速度で2次転写位置の間隙に導かれる。ここで、図10に示すように、2次転写ローラ5の芯金510には、二次転写用の所定の二次転写バイアスが二次転写バイアス印加手段をなす転写ローラバイアス電源540(正負切換え制御される)により定電流制御でバイアス電流が印加され、これが制御手段90で制御される。これにより、転写紙2の先端が間隙に入ると、転写ローラバイアス電源540(正負切換え制御される)によって所定のバイアス電圧(トナーと逆極性)が印加されて転写が促進され、互いに隣り合う用紙の紙間に対向すると、トナーと同極性のバイアス電圧が印加され、転写が阻止される。
【0032】
このように、2次転写ローラ5と中間転写ベルト11の間隙を確保することで、2次転写位置に順次達する互いに隣り合う用紙の紙間(副走査方向xの紙間)にe1おいて、2次転写ローラ5が中間転写ベルト11に直接接触し、紙間e1に付着する残留トナー、あるいは、濃度調整用のテストパターン(図6(a),(b)の符号102a,b参照)によって汚れることを防止できる。しかも、用紙2の紙間e1において、転写ローラバイアス電源540(正負切換え制御される)によってトナーと同極性のバイアス電圧が印加されることで、紙間に付着する残留トナーや、濃度調整用のテストパターンを中間転写ベルト11側に静電的に戻し、2次転写ローラ5が汚れることを防止できる。
次に、図1のカラープリンタM1で行なわれる、印刷に先立って二次転写ローラ5を手動によりローラ交換した後で、用紙2の対応をチェックする制御の流れについて、図8の制御フローチャートに沿って説明する。
【0033】
図1に示すように、カラープリンタM1は、設定変更手段85と、画像ステーションを制御する制御手段90と、を備える。カラープリンタM1の設定変更手段85は、図7に示すように、画像ステーションが画像濃度調整用パッチ102a、102bの少なくとも一部を出力画像101と同じタイミングで中間転写ベルト11上に形成する第一のモードと、図6に示すように、画像ステーションが画像濃度調整用パッチ102a、102bを出力画像101と異なるタイミングで中間転写ベルト11上に形成する第二のモードとのうちのいずれかのモードを選択する。制御手段90は、設定変更手段85により選択されたモードにより、中間転写ベルト11上に出力画像101および画像濃度調整用パッチ102a、102bを形成するように、画像ステーションを制御する。
手動によるローラ交換の場合、作業者はローラ交換作業終了後にマシンの設定を変更する。作業者はマシンの変更モードに入り、ローラの長さによって割り振られた数値を入力することにより、設定を変更する。
具体的には、交換した二次転写ローラ5が、例えば、図2に示すように、図2(a)の5aか、図2(b)の5bか、図2(c)の5cかに応じて、作業者が設定変更手段85のローラ判別番号r1、r2、r3を入力スイッチ851で入力する。この操作に応じて、図8の制御フローチャートの制御処理に入る。
制御手段90は判別番号r1、r2、r3読取判定し(ステップa1)、これに応じた紙サイズ補正テーブルm1、m2、m3を選択し(図10参照)、選択したテーブルより補正係数αnを読取る(ステップa2〜a4)。次いで、基本の転写バイアスbVに補正係数αnを乗じて二次転写バイアスbV値を求める(ステップa1〜a4)。次いで、ステップa5に達した場合、制御手段90は第二のモードを選択する。一方、ステップs6に達した場合、制御手段90は第一のモードを選択する。
【0034】
また、図8に示すように、制御手段90は、設定変更手段85により入力されたモードの種類に応じた数値をメモリ910に記憶する(ステップa7)。たとえば、設定変更手段85が第二のモードを選択したとき(ステップa6)は、制御手段90はメモリ910に数値「0」を記憶し、設定変更手段85が第一のモードを選択したとき(ステップa5)は、制御手段90はメモリ910に数値「1」を記憶する。
制御手段90は、メモリ910に数値を記憶した後、変更モードを終了する。
変更モードを終了した後、制御手段90は、設定変更手段85により選択されたモードにより、中間転写ベルト11上に出力画像101および画像濃度調整用パッチ102a、102bを形成するように、画像ステーションを制御する。
メモリ910に数値「0」が記憶された場合、図6に示すように、制御手段90は、画像濃度調整用パッチ102a、102bを出力画像101と異なるタイミングで中間転写ベルト11上に形成するよう画像ステーションを制御する。この場合、画像濃度調整用パッチ102a、102bの形成領域を含む幅の広い出力画像を記録媒体へ転写でき、かつ、二次転写ローラ5の両端および出力画像101が画像濃度調整用パッチ102a、102bにより汚れることを防止できる。
メモリ910に数値「1」が記憶された場合、図7に示すように、制御手段は、画像濃度調整用パッチ102a、102bの少なくとも一部を出力画像101と同じタイミングで中間転写ベルト11上に形成する。この場合、二次転写ローラ5を離間させる必要がなくなり、かつ生産性の低下を防ぐことができる。
以上で述べたように、カラープリンタM1は選択手段である設定変更手段85を備えるので、作業者は、装着部71に装着された二次転写ローラ(転写部材)の種類に応じて、画像ステーション(画像形成手段)が画像濃度調整用パッチ(第二の画像)102a、102bを形成するタイミングを容易に選択できる。これにより、二次転写ローラ5の種類を交換した後、画像濃度調整用パッチ102a、102bの形成タイミングを、二次転写ローラ5の種類に適したタイミングへ容易に変更することができる。
【0035】
また、モードの種類に応じた数値をメモリ910に記憶することにより、カラープリンタM1の電源をオフした後で再び電源をオンした場合に、再度設定を変更することなくメモリ910に記憶したモードによって画像濃度調整制御をおこなうことができる。
また、制御手段90は二次転写電流の紙サイズ補正テーブルの参照先を変更し、二次転写バイアスの補正係数を変化させ、転写時にそれぞれのローラに最適な二次転写バイアスを与える。補正テーブル2(m2)の場合(二次転写ローラ5bをセットした場合)、転写ローラバイアス電源540(図10参照)は、補正テーブル1(m1)の場合(二次転写ローラ5aをセットした場合)よりも絶対値の小さな二次転写電流を出力する。また、補正テーブル3(m3)の場合(二次転写ローラ5cをセットした場合)、転写ローラバイアス電源540は、補正テーブル2(m2)の場合(二次転写ローラ5bをセットした場合)よりも絶対値の小さな二次転写電流を出力する。設定変更手段により二次転写電流を変更することで、最適な二次転写電流を出力することができる。
ステップa5に達した場合、最適な指令値bVとして転写ローラバイアス電源540がトナーと同極性の二次転写バイアスbVを印加し、ステップa6に達した場合、この転写ローラバイアス電源540がステップa3、a4で求めた最適な二次転写バイアスbVを二次転写ローラ5に印加することができる。
【0036】
次に、カラープリンタM1で選択的に交換使用される複数の二次転写ローラ5の長さを検知することで、どの長さの転写部材がセットされているのかを判断できる方法について具体的に説明する。
図3には図1のz方向から見た図で中間転写ベルト11に当接する二次転写ローラ5が示される。ここでは、二次転写ローラ5の長さを検知するために、レーザ変位計51を用いて二次転写ローラ5の端部がどの位置にあるのかを検知する方法を示す。
二次転写ローラ5は、図10に示した画像形成装置本体55側の転写ユニット本体73に支持される。図3では二次転写ローラ5が転写位置p1にセットされた際に、二次転写ローラ5の長さを検知する方法についての一例を示す。
【0037】
レーザを用いる場合、二次転写ローラ5の主走査方向である軸方向に置くのが理想的だが、レイアウト上スペースに制限がある。そこで、ここでは、図3のような軸方向とは垂直な位置にレーザ変位計51を取り付け、転写ユニット本体73上に支持する。同様に転写ユニット本体73上に支持するミラー52により、レーザ光を直角に曲げて二次転写ローラ5の端部の位置検知をする。
検知された二次転写ローラ5端部の位置と取り付けられている二次転写ローラの長さをあらかじめ対応させておき、ローラ端部の位置からローラの長さを検知することとする。
なお、検知手段はこれに限らない。たとえば、図示しないが、より安価な方法として、二次転写ローラの軸方向にローラが入るほどの大きさの透過型レーザセンサーを設け、ローラ端部がそのセンサーを切るか切らないかで長さを検知するといった方法も採用できる。
次に、カラープリンタM1で選択的に交換使用される記録材である用紙の使用者への通知方法について説明する。
使用可能な用紙を使用者へ通知する方法の一例を図4を用いて説明する。ここでは、検知した二次転写ローラ(転写部材)5の主走査方向の長さに応じて使用できる用紙の大きさを判断し、この判断に応じて、カラープリンタM1の上部外枠56(図1参照)上に配備したモニター80(設定変更手段85に組み込まれている)に使用可能な用紙を表示する。
【0038】
このように対応する用紙のパネルを指示することで、間違った大きさの用紙を使用しないように促し、使用することを防ぐことができる。
または、これに代えて、二次転写ローラ(転写部材)5の検知結果から、モニター80上の使用できない紙のパネルを非表示にして、使用者が選択できないようにしても良い。
次に、図1のカラープリンタM1で行なわれる、印刷に先立つ二次転写ローラ5と用紙2の対応チェック制御の流れについて、図5の制御フローチャートに沿って説明する。
【0039】
まず、印刷指令の入力の待機時において、図5の制御フローチャートのステップs1、s2に達するとする。ここでは、現在、2次転写ユニット70の転写ユニット本体73に取り付けられている二次転写ローラ5の長さを検知し、その後、給紙カセット1に収容されている用紙2の幅を検知する。用紙2の幅を検知した後でステップs3に達すると、ここでは、二次転写ローラ5と紙幅が対応しているか判断させる。即ち、二次転写ローラ5と紙幅が一致し、二次転写ローラ5(転写部材)の左右端に転写に寄与しない余剰部分が生じることがなく、この余剰部分がトナーに汚れることを防止できる対応関係にあるかを判断する。
【0040】
二次転写ローラ5と用紙2の幅が対応関係にあると、ステップs4において、用紙2の通紙を許容し、印刷を開始させる。一方、対応していないと判断した場合、ステップs5、s6において、カラープリンタM1の印刷作動を停止させる制御をして、使用者にエラー通知、例えば、モニター80上にエラー表示を行う。
このような二次転写ローラ5と用紙2の対応チェック制御を行なうことで二次転写ローラ5に合った紙だけを通紙させ、二次転写ローラの転写に寄与しない余剰部分のローラ汚れや、これに伴う紙の裏汚れ、転写不良などを防止し、紙の無駄を防止させることができる。しかも、カラープリンタM1は、検知結果である二次転写ローラ(転写部材)5と用紙の主走査方向の長さが一致しなかった場合に、カラープリンタM1の印刷作動を停止させる。即ち、二次転写ローラ5に合った紙だけを通紙させ、使用者が誤って大きさの違う記録材を使用しても、転写する前に停止することができるので、この点でも、転写部材が短いことによる記録材端部の転写不良や、転写部材の端部にトナー汚れがつかないようにすることができ、さらに、記録材の無駄防止の効果も得られる。
【0041】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。
ここでのカラープリンタM2は装置本体55側に支持された収容器60を備え、この収容器60に交換用の複数の2次転写ローラ5a〜5cを着脱可能に収容している。収容器60の複数の2次転写ローラ5a〜5cは適時に一つが選択され、手動でローラ支持部材70aに取り付けられた上で、ガイド部(装着部)71を介して2次転写ユニット70としてカラープリンタM2に取り付けられ、二次転写に使用される。
図12に示すように、画像形成装置本体55の正面側は、2点差線で示すように、上側に固定の上部外枠56と、その下の中央蓋部材57と、その下の引き出し式の給紙カセット1の外側の引き出し蓋58とで覆われる。ここで、収容器60は装置本体に支持され、廃トナー回収容器14の近傍であって、中央蓋部材57と対向する。
中央蓋部材57は画像形成装置本体55の内部のメンテナンス時に開放可能であり、2次転写ローラ5の交換時に、収容器60を手前側に適量引き出すことを可能としている。
また、図中に示していないが、B4、B5それぞれの縦、横に対応している他の二次転写ローラ5も取り付けられる。これらのような、主走査方向の長さが違う二次転写ローラ5をユーザの要求等に応じて交換、取り付け可能とする。この二次転写ローラ5の選択にあたっては、ユーザが主に使用する記録材の紙幅に対応したものを収容器60に収容し、交換作業の容易化を図ることができる。
この場合も第1実施形態で説明したと同様に制御手段90が設定変更手段85の入力に応じて、転写ローラバイアス、二次転写電流を設定制御する。
この場合も、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0042】
上述のところで、カラープリンタM1で用いる転写装置は交換用の複数の2次転写ローラ5a〜5cを機外に保持し、選択的に装着使用していた。また、カラープリンタM2で用いる転写装置は機内の収容器60に交換用の複数の2次転写ローラ5a〜5cを収容し、選択的に手動で2次転写ローラ5の一つを2次転写ユニット70に取り付け、二次転写に使用していた。これに代えて、図11に示すように、二種類以上の主走査方向の長さを持つ2次転写ローラ5a〜5cを選択使用できる転写部材切換え支持手段700付の2次転写ユニット70bに代えて用いても良い。
【0043】
次に本発明の第3の実施形態である転写装置を有するカラープリンタM3で用いる転写部材切換え支持手段700を備えた2次転写ユニット70bを図11を用いて説明する。なお、この2次転写ユニット70bは図10に示す2次転写ユニット70に代えて用いられ、転写部材切換え支持手段700を備えた点以外は同一構成を採るので、その他の重複説明は略す。
この転写部材切換え支持手段700は画像形成装置本体55側の支持枠81に支持される支持軸82と、支持軸82に回動可能に支持された揺動枠83と、揺動枠83に相互に離隔して支持された3種類の主走査方向の長さを持つ2次転写ローラ5a〜5cと、各2次転写ローラ5a〜5cを選択的に中間転写ベルト11の表面に当接する転写位置qa〜qcに切換え保持する切換え手段84と、を備える。
【0044】
ここで、支持軸82はその両端が画像形成装置本体55側の支持枠81に支持され、この支持軸82の中間部に扇形枠701が一体的に支持される。この扇形枠701の揺動方向には3分割された部位に2次転写ローラ5a〜5c(図2参照)を分散して枢支(回転可能に支持)する。
扇形枠701の一側端には扇形ギヤ86が形成され、そこにステップモータ87側の駆動ギヤ88が噛み合っている。
【0045】
このステップモータ87の回転制御により、扇形枠701の2次転写ローラ5a〜5cを選択的に二次転写位置(図11では符号qbの位置)に切換え保持できる。この切換え制御に先立ち、給紙カセット1に収容されている用紙2の幅を検知し、これに応じて、紙幅とほぼ同一の主走査方向の幅の二次転写ローラ5a〜5cのうちの一つを目標とする二次転写ローラ5とし、ユーザの要求等に応じてその目標の二次転写ローラ5を二次転写位置qbに切換え保持するよう扇形枠701をqa、qb、qcのいずれかに切り換えるよう、ステップモータ87を回転制御することとなる。
【0046】
なお、この場合も2次転写ローラ5a〜5cの芯金510には、不図示の転写ローラバイアス電源より所定のバイアス電圧が印加されて転写が促進される。
転写部材切換え支持手段700付の2次転写ユニット70bを用いた第3実施形態としての転写装置M3では、二次転写ローラ5の切換え制御により、転写部材切換え支持手段700が目標二次転写ローラ5を手動ではなく、機械的に容易に応答性よく二次転写位置qbに切換えセットすることができ、この後の印刷制御を迅速に容易に行える。
【符号の説明】
【0047】
2 用紙(記録材)
5(5a〜5c) 2次転写ローラ(転写部材)
11 像担持体(中間転写ベルト)
51 レーザ変位計
60 収容器
70,70b 二次転写ユニット
70a ローラ支持部材
71 ガイド部(装着部)
700 転写部材切換え支持手段
M1〜M3 カラープリンタ(画像形成装置)
101 第一の画像(出力画像)
102b 第二の画像(パッチ)
550 第二の画像を検知する検知手段(画像読取センサー)
85 設定変更手段(選択手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2007−133191
【特許文献2】特開2007−334011
【特許文献3】特開2008−090015
【特許文献4】特開2003−248361

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の画像および第二の画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、
前記第一の画像および前記第二の画像を担持する像担持体と、
該像担持体に対向して設けられ、該像担持体上の前記第一の画像を記録媒体へ転写する位置で、像担持体との間に転写ニップを形成する転写部材と、
像担持体の表面に担持された前記第二の画像を検知する検知手段と、
前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含まない第一の転写ニップを形成する第一の転写部材と、前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含む第二の転写ニップを形成する第二の転写部材と、をそれぞれ装着可能な装着部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段が前記第二の画像の少なくとも一部を前記第一の画像と同じタイミングで前記像担持体上に形成する第一のモードと、前記画像形成手段が前記第二の画像を前記第一の画像と異なるタイミングで前記像担持体上に形成する第二のモードと、のうちのいずれかのモードを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたモードにより、前記像担持体上に前記第一の画像および前記第二の画像を形成するように、前記画像形成手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択手段に選択されたモードの種類を記憶する記憶手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
転写部材の主走査方向の長さを検知する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、検知した転写部材の主走査方向の長さに応じて使用できる記録材の大きさを使用者に通知する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、さらに記録材の大きさを検知する手段を有するものにおいて、検知結果と使用した記録材が一致しなかった場合に装置を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体との間に転写ニップを形成する前記第一の転写部材や前記第二の転写部材を少なくとも着脱可能に収容する収容器を前記装置本体内に装備したこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
第一の画像および第二の画像を像担持体上に形成する画像形成手段と
前記第一の画像および前記第二の画像を担持する像担持体と、
像担持体に対向して設けられ、像担持体上の前記第一の画像を記録媒体へ転写する位置で、像担持体との間に転写ニップを形成する転写部材と、
像担持体の表面に担持された前記第二の画像を検知する検知手段と、
画像形成装置に支持されるとともに、前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含まない第一の転写ニップを形成する第一の転写部材と、前記転写ニップとして前記第二の画像が形成される前記像担持体上の領域を含む第二の転写ニップを形成する第二の転写部材と、のいずれかを切替え可能に前記像担持体に対向させる転写部材切換え支持手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記転写部材切換え支持手段が画像形成装置本体に支持される支持軸と、該支持軸に回動可能に支持された揺動枠と、該揺動枠に相互に離隔して支持された二種類以上の主走査方向の長さを持つ転写部材と、各転写部材を選択的に像担持体の表面に当接する転写位置に切換え保持する切換え手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
少なくとも上記像担持体と上記転写部材との間に上記記録材が存在する期間では該像担持体上のトナーを該記録材へ移動させる向きの転写電界を形成し、該像担持体と該転写部材との間に記録材が存在しない期間の少なくとも一部では該転写電界とは逆向きの電界を形成する電界形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−61633(P2013−61633A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150661(P2012−150661)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】