説明

画像形成装置

【課題】中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を従来よりも更に向上させて、画像形成装置による画像形成の生産性を高める。
【課題を解決するための手段】ジョブ設定部103は、レジストセンサー63及び遅れ判定部104により記録紙の搬送遅れが検出されると(S4でYES)、実行待ち状態の画像形成ジョブのうち、給紙機構記憶部101に記憶されている特定の給紙機構を指定した後続の画像形成ジョブを、実行中の画像形成ジョブに続けて実行される設定とし(S5,S6)、クリーニング制御部105は、二次転写ローラー210への残留トナー転写の量を増加させ、クリーニング部22のクリーニング時間を残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ短縮させる(S8,S9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、表面にトナー画像が形成される中間転写ベルトをクリーニングする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中間転写ベルト等の中間転写体上にトナー画像を形成した後に当該トナー画像を記録紙に転写する中間転写方式を用いた画像形成装置では、中間転写ベルト上への画像形成に要する時間が生産性に与える影響を低減してプリント時間を削減するために、中間転写ベルトからトナー画像が転写される位置への記録紙の搬送が開始される前に、画像形成部による中間転写ベルト上への画像形成を先行して開始する方式が知られている。
【0003】
この方式を採る場合、給紙カセットの変更や、給紙カセットから上記トナー画像の転写へ記録紙を搬送する搬送ローラー等のすべり、用紙ジャム等の要因により、中間転写ベルトからのトナー画像転写時に記録紙が当該トナー画像転写位置(二次転写位置)に到達できなければ、この搬送遅れのために記録紙上に転写できなかったトナー画像が中間転写ベルト上に残留する場合がある。このため、下記特許文献1には、当該残留トナーを中間転写ベルトから除去するクリーニング技術が提案されている。
【0004】
また、中間転写ベルトから二次転写部材(二次転写ローラー)に残留トナーを転写させることにより、クリーニング時に中間転写ベルト上から除去しなければならないトナー量を減らす技術が提案されている。下記特許文献2に記載された画像形成装置では、このように二次転写部材に残留トナーを転写させた後、次に中間転写ベルトから記録紙にトナー画像を転写させるときに、二次転写ローラーに転写された残留トナーが当該記録紙に付着しないようにするトナー付着防止機構が更に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−113217号公報
【特許文献2】特開2010−204521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたいずれの技術によっても、上記記録紙の搬送遅れが生じた場合には、プリント時間以外にクリーニング動作の時間が必要になることから、画像形成装置による生産性(記録紙へのプリント効率)の低下が懸念される。特許文献1に記載された技術の場合、クリーニング機構に中間転写ベルトを通過させる回数を、中間転写ベルト上に転写したトナー画像の現像剤比率に応じて適切な値に設定するが、中間転写ベルト上のトナー画像を除去するために最低限必要な通過回数を更に低減するような根本的なクリーニング性能の向上を図るものではない。また、上記特許文献2には、上記トナー付着防止機構と、記録紙として使用済み用紙(いわゆる裏紙であって、一面がプリント済みで他面が白紙の記録紙)を用いる場合には、当該トナー付着防止機構によるトナー付着防止処理を控えることが記載されているが、当該記載された技術も、クリーニング機構のクリーニング性能自体を向上させるものではない。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を従来よりも更に向上させて、画像形成装置による画像形成の生産性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明は、記録媒体を収納する給紙機構と、
前記給紙機構の中から指定された特定の給紙機構の指定を記憶する記憶部と、
複数のローラーに無端走行可能に張架された中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルト上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記中間転写ベルトとの間を通過する記録媒体に、前記中間転写ベルト上に形成されたトナー画像を転写させる転写部と、
前記転写部による前記トナー画像の転写位置に、前記給紙機構に収納されている記録媒体を搬送する搬送部と、
前記中間転写ベルトから残留トナーを除去するクリーニング動作を行うクリーニング部と、
前記搬送部に搬送させる記録媒体が収納された前記給紙機構を指定した複数の画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブの実行中に、前記搬送部による前記転写位置への記録媒体の搬送が、前記転写部による画像転写タイミングに遅れているか否かを検出する遅れ検出部と、
前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、前記中間転写ベルト上の残留トナーを前記転写部によりデフォルトの転写量で前記転写部上に転写させると共に、前記クリーニング部によりデフォルトのクリーニング時間で前記クリーニング動作が行われるように制御を行うクリーニング制御部と、
前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、前記ジョブ受付部に受け付けられて実行待ち状態の画像形成ジョブのうち、前記記憶部に記憶されている前記特定の給紙機構を指定した後続の画像形成ジョブがある場合には、当該後続の画像形成ジョブを、この時点で実行中の画像形成ジョブに続けて実行される設定とするジョブ設定部と、
前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブを実行する動作制御部とを備え、
前記クリーニング制御部は、前記ジョブ設定部により前記後続の画像形成ジョブが設定される場合、前記転写部への残留トナー転写の量を増加させると共に、前記クリーニング部による前記クリーニング時間を当該残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ短縮させ、
前記動作制御部は、前記クリーニング制御部の制御で前記転写部への残留トナー転写と前記クリーニング動作とが前記クリーニング部によって行われた後に、前記後続の画像形成ジョブを実行させる画像形成装置である。
【0009】
この発明によれば、遅れ検出部が、ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブの実行中に、搬送部による上記転写位置への記録媒体の搬送が上記画像転写タイミングに遅れていることを検出すると、ジョブ設定部が、実行待ち状態の画像形成ジョブのうち、上記特定の給紙機構を指定している後続の画像形成ジョブを、この時点で実行中の画像形成ジョブに続けて実行されるように設定し、このとき、クリーニング制御部が、クリーニング動作における転写部へのトナー転写量を増加させると共に、クリーニング動作のクリーニング時間を当該トナー転写量の増加分に応じた時間だけ短縮させる。そして、動作制御部は、クリーニング部によるクリーニング動作の後に、上記後続の画像形成ジョブを実行させる。
【0010】
この発明では、ユーザーが、上記特定の給紙機構に、例えば使用済み用紙(いわゆる裏紙であって、一面がプリント済みで他面が白紙の記録紙)を収納しておけば、残留トナー転写量を増加させた上記転写部への残留トナー転写が行われた後、直ちに当該使用済み用紙が転写部及び中間転写ベルトの間を通過することになる。使用済み用紙を用いた画像形成が行われる記載の場合、この使用済み用紙が転写部及び中間転写ベルトの間を通過する時、白紙面が中間転写ベルト側とされ、プリント済み面が転写部側とされるので、この使用済み用紙により、白紙面には正常に画像形成を行いつつ、プリント済み面を転写部に当接させて、当該転写部に転写された上記残留トナーを当該プリント済み面に付着させて回収できる。当該使用済み用紙のプリント済み面は汚れ防止等が厳密に要求されないので、残留トナーのプリント済み面への付着は問題視されない。また、片面コピーである場合であっても裏面の汚れを問題視しないときは同様にして残留トナーを除去可能である。なお、上記特定の給紙機構に、両面未使用用紙(両面白紙の記録紙)を収納している場合であっても、裏面の汚れを問題視しないときは同様にして残留トナーを除去可能である。
【0011】
これにより、上記のように転写部への残留トナーの転写量を増加させて中間転写ベルト上の残留トナー量を更に減少させ、当該減少した残留トナー量に合わせて、クリーニング部による中間転写ベルト上のクリーニング時間を削減しても、転写部に転写された残留トナーは、使用済み用紙のプリント済み面により除去することにより、転写部から残留トナーを効果的に除去可能となる。このため、本発明によれば、転写部への上記トナー転写量の増加により中間転写ベルト上での残留トナー量を減少させて、クリーニング部によるクリーニング時間を短縮した分、当該画像形成装置のクリーニング性能が従来よりも更に向上したことになり、当該画像形成装置による画像形成の生産性(記録媒体へのプリント効率)を高めることが可能になる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記ジョブ設定部により設定される前記後続の画像形成ジョブで用いられる記録媒体の枚数に応じた分量で、前記クリーニング制御部が前記残留トナー転写量を増加させ、当該残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ前記クリーニング時間を短縮させるものである。
【0013】
この発明では、上記後続の画像形成ジョブの実行により転写部及び中間転写ベルト間を通過する記録媒体の枚数に応じた分量で、クリーニング制御部がトナー画像転写量を増加させ、当該トナー画像転写量の増加分に応じた時間だけ上記クリーニング時間を短縮させることで、上記後続の画像形成ジョブの実行により転写部及び中間転写ベルト間を通過する記録媒体の枚数に応じた転写部からの残留トナーの回収量に応じて、適切なクリーニング性能を確保しつつクリーニング時間を可能な限り短縮する。例えば、上記後続の画像形成ジョブの実行により転写部及び中間転写ベルト間を通過する記録媒体の枚数が多く、転写部からの残留トナーの回収量を多く確保できる場合には、その分だけ転写部への残留トナー転写量を増加させることで、適切なクリーニング性能を保ちつつクリーニング時間を更に短縮できる。一方、上記後続の画像形成ジョブの実行により転写部及び中間転写ベルト間を通過する記録媒体の枚数が少なく、転写部からの残留トナーの回収量を比較的少なくしか確保できない場合には、その分だけ転写部への残留トナー転写量を減少させることで、適切なクリーニング性能を保ちつつクリーニング時間を短縮できる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、前記転写部による画像転写後の記録媒体が排出される複数の排出トレイを更に備え、
前記動作制御部は、前記後続の画像形成ジョブを実行する場合、それまで実行していた画像形成ジョブを中断して、当該後続の画像形成ジョブを実行した後、当該中断した画像形成ジョブを再開させ、
前記搬送部は、前記後続の画像形成ジョブと、前記中断及び再開された画像形成ジョブとで異なる前記排出トレイに、前記画像転写後の記録媒体をそれぞれ搬送するものである。
【0015】
画像形成ジョブの実行中に、転写部により中間転写ベルトから記録媒体にトナー画像が転写される転写位置への記録媒体の搬送が当該トナー画像の転写タイミングに遅れた場合に、単に、当該画像形成ジョブを中断して、上記後続の画像形成ジョブを当該実行中の画像形成ジョブに続けて実行すると、当該後続の画像形成ジョブと、それまで実行されていた画像形成ジョブとにおいてそれぞれ画像転写された記録媒体が、同じ排出トレイに排出され、当該2つの画像形成ジョブでプリントされた記録媒体が混在してしまい、ユーザーに混乱を生じさせる。
【0016】
このため、本発明では、搬送部は、上記後続の画像形成ジョブと、それまで実行されていて中断及び再開された画像形成ジョブとで、異なる排出トレイに、画像転写後の記録媒体をそれぞれ搬送することにより、上記2つの画像形成ジョブでプリントされた記録媒体を区別して排出することでユーザーに混乱が生じないようにしつつ、当該画像形成装置による画像形成の生産性(記録媒体へのプリント効率)を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を従来よりも更に向上させて、画像形成装置による画像形成の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【図2】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】画像形成装置による画像形成ジョブの実行制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】画像形成装置による画像形成ジョブの実行制御の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図5】画像形成装置による画像形成ジョブの実行制御の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図6】画像形成ジョブの実行制御の第3実施形態を行う画像形成装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。
【0020】
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、図1においては下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状とされている。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。上部本体112には、原稿読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
【0021】
原稿読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス(原稿台)161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0022】
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部66と、原稿搬送機構65と、を備える。原稿搬送機構65は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構65は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。また、原稿搬送機構65は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介して読取機構163により読取可能にしている。
【0023】
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように上部本体112に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台としてのコンタクトガラス161上面を開放することにより、コンタクトガラス161の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0024】
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されている。上部本体112には原稿読取部5が設けられている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。給紙カセット142,143,144には記録紙(記録媒体の一例)が積層されてなる用紙束がそれぞれ収容されている。例えば、給紙カセット142,144には両面白紙である未プリントの記録紙が収納され、給紙カセット143には一方面のみプリント済みであるが他方面は未プリントの白紙である使用済み用紙(裏紙)が収容されている。なお、本実施形態では、給紙カセット142,143,144の3段が設けられているが、給紙カセットの数は特に限定されず、これより少ない段数又は4段以上であってもよい。
【0025】
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
【0026】
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
【0027】
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
【0028】
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
【0029】
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや原稿読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
【0030】
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
【0031】
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
【0032】
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
【0033】
駆動ローラー125aは、図略の制御部による制御の下で駆動される駆動モータ(図略)から与えられる回転駆動力により中間転写ベルト125を無端走行させる。
【0034】
動作制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
【0035】
二次転写ローラー(転写部)210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分の用紙搬送路190に、中間転写ベルト125の外周面に当接させて設けられている。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
【0036】
なお、二次転写ローラー210及び駆動ローラー125aのニップ部Nよりも、用紙搬送部(搬送部)411による記録紙の搬送方向上流側には、レジストローラー630が配設されている。レジストローラー630は、上部ニップ部Nにおける二次転写ローラー210による中間転写ベルト125からのトナー画像転写タイミングと、用紙搬送部411がニップ部Nに記録紙を搬送するタイミングを同期させるために、記録紙の搬送を待機等させるものである。
【0037】
このレジストローラー630よりも、用紙搬送部411による記録紙の搬送方向上流側には、レジストセンサー63が配設されている。
【0038】
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。このドラムクリーニング装置127によってクリーニングされた感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために再び帯電装置123へ向かう。
【0039】
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー対192が設けられている。搬送ローラー対192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着装置13に向けて搬送する。当該適所に配置された搬送ローラー対192からなる搬送機構が搬送部の一例となる。
【0040】
定着装置13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
【0041】
なお、従動ローラー125bに張架された中間転写ベルト125の外周面に対向する位置にはクリーニング部22が設けられている。クリーニング部22は、トナー像を記録紙に転写した後に、中間転写ベルト125表面に残留する残留トナーを除去する。クリーニング部22は、例えば、クリーニングローラー24と、クリーニングブレード25と、モーター及び減速ギア等の図略の駆動源とを備える。
【0042】
クリーニングローラー24は、中間転写ベルト125表面に接触して上記残留トナーを除去するクリーニング部材である。クリーニングローラー24は、例えばメラミン樹脂を発泡させたもので構成され、中間転写ベルト125表面を接触する状態で従動ローラー125bに対向して配置されている。また、クリーニングローラー24は、上記図略の駆動源によって、クリーニングローラー24周面の回転方向を、中間転写ベルト125の走行方向と逆方向(図2の時計回り方向)として回転駆動される。これによって、クリーニングローラー24は、中間転写ベルト125に接触する部分で、中間転写ベルト125表面に固着した残留トナーを削り取る。削り取られた残留トナーは、中間転写ベルト125の走行方向下流側であって、クリーニングローラー24の下方となる位置に配設されたクリーニングブレード25によって回収される。
【0043】
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、下部本体111内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142,143,144とを備えている。
【0044】
手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、記録紙を手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。給紙カセット142,143,144は、複数枚の記録紙が積層されてなる用紙束を収容する。給紙カセット142,143,144の上方には、ピックアップローラー145が設けられ、ピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
【0045】
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
【0046】
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0047】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0048】
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像メモリー32、用紙搬送部411、画像形成部12、駆動ローラー駆動部164、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェース部91、HDD(ハードディスクドライブ)81、二次転写ローラー駆動部162、クリーニング部22、及びレジストセンサー63等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0049】
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る動作制御部100を備える。動作制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。また、動作制御部100は、後述するジョブ受付部102に受け付けられた画像形成ジョブを、各画像形成ジョブについて定められた実行順に実行する。すなわち、動作制御部100は、画像形成ジョブが示す内容で画像形成装置1の各機構を動作制御して画像形成動作を行わせる。
【0050】
原稿読取部5は、画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を有する上記の読取機構163からなるスキャナー部51を備える。原稿読取部5は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0051】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
【0052】
画像処理部31は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部12の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、転写ローラー126の転写バイアス、二次転写ローラー210の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部5で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部31により処理された画像データは、画像メモリー32に記憶され、又は、画像形成部12或いはファクシミリ通信部71等に出力される。
【0053】
画像メモリー32は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0054】
用紙搬送部411は、図1に示したピックアップローラー145及び搬送ローラー192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143,144に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
【0055】
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー210とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、ネットワークインターフェース部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
【0056】
操作部47は、図2に加えて図1にも示すように、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部473を備えてなる。
【0057】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0058】
HDD81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、画像形成部12による画像形成に用いられ、また、画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターへの送信が可能である。
【0059】
ネットワークインターフェース部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェース部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
【0060】
駆動ローラー駆動部164は、中間転写ベルト125が張架されている駆動ローラー125aを回転駆動するためのモーター及びドライバーである。
【0061】
二次転写ローラー駆動部162は、中間転写ベルト125上に形成されているトナー画像を記録紙に転写させる二次転写ローラー210を回転駆動するためのモーター及びドライバーである。転写バイアス部は、当該二次転写ローラー駆動部162に含まれている。
【0062】
クリーニング部22は、上述したように、例えば、クリーニングローラー24と、クリーニングブレード25と、図略の駆動源とを備え、動作制御部100により駆動制御される。
【0063】
レジストセンサー63は、レジストローラー630に対して用紙搬送部411による用紙搬送方向における上流側となる用紙搬送路190の一側壁側に配設された発光部と、当該発光部に対向する位置となる他方側壁部に配設されて当該発光部からの光を受光する受光部とを有する。後述する紙遅れ判定部104に対して、当該受光部は、発光部からの光を受光するとHigh信号を出力し、発光部からの光を受光しないときはLow信号を出力する。すなわち、用紙搬送路190におけるレジストセンサー63の発光素子と受光素子との間に記録紙が存在すると、受光部からはLow信号が出力される。
【0064】
また、制御ユニット10は、更に、給紙機構記憶部101、ジョブ受付部102、ジョブ設定部103、紙遅れ判定部104、及びクリーニング制御部105を備えている。制御ユニット10は、内蔵する上記ROM等に記憶されている動作制御プログラムに従って、これら各部として機能してもよいし、上記各部をそれぞれにハードウェア回路による備えていてもよい。
【0065】
給紙機構記憶部101は、メモリー等からなり、画像形成装置1に設けられている給紙機構(本実施形態では、手差しトレイ141及び給紙カセット142,143,144)の中から、ユーザーにより指定された特定の給紙機構を記憶する。当該特定の給紙機構の指定は、ユーザーによる操作部47の操作で入力され、給紙機構記憶部101に記憶される。例えば、ユーザーは、使用済み記録紙(裏紙)を収納した給紙カセット、又は使用済み記録紙(裏紙)を載置した手差しトレイ141の指定を操作部47から入力し、給紙機構記憶部101に記憶させる。
【0066】
ジョブ受付部102は、画像形成に用いる給紙機構を指定した画像形成ジョブを受け付ける。当該画像形成ジョブは、ユーザーによる操作部47の操作、又は画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターからネットワークインターフェース部91で受信することにより入力され、ジョブ受付部102に受け付けられる。ジョブ受付部102は、複数の画像形成ジョブを受け付け可能とされ、当該画像形成ジョブを、各画像形成ジョブの実行順と共に記憶する。なお、画像形成ジョブは、画像形成に用いる記録紙をいずれの給紙機構(本実施形態では、手差しトレイ141及び給紙カセット142,143,144のいずれか)から供給するかの情報を含む。
【0067】
ジョブ設定部103は、後述する紙遅れ判定部104により記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、ジョブ受付部102に受け付けられて実行順番待ち状態となっている画像形成ジョブのうち、給紙機構記憶部101に記憶されている上記特定の給紙機構を指定した後続の画像形成ジョブがあるか否かを判断する。ジョブ設定部103は、当該後続の画像形成ジョブがある場合には、当該後続の画像形成ジョブが、この時点で実行中の画像形成ジョブの終了後、又は、当該実行中の画像形成ジョブの中断後に、当該実行中の画像形成ジョブに続けて実行されるように、ジョブ受付部102が管理している各画像形成ジョブの実行順を変更する設定を行う。動作制御部100は、上記ジョブ設定部103によって設定された各画像形成ジョブの実行順に従って、各画像形成ジョブを実行する。
【0068】
紙遅れ判定部104は、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125から記録紙にトナー画像が転写される画像転写タイミングに、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かを判定する。画像形成ジョブの実行に基づく画像形成時、紙遅れ判定部104は、動作制御部100の制御による画像形成部12による画像形成開始タイミングと中間転写ベルト125の走行速度とから、当該画像形成により中間転写ベルト125上に形成されたトナー画像のニップ部N(中間転写ベルト125から記録紙へのトナー画像転写位置)への到達時刻を算出する。そして、紙遅れ判定部104は、用紙搬送部411により搬送が開始された上記給紙機構内の記録紙(搬送方向における記録紙の先端部)が、当該到達時刻よりも予め定められた一定時間(レジストセンサー63の配設位置から上記ニップ部Nに、当該搬送されている記録紙が到達するために要する時間)前までにレジストセンサー63の配設位置に到達せず、上記レジストセンサー63の受光部からのLow信号を受信しない場合は(High信号を受信している場合は)、用紙搬送部411によるニップ部Nへの記録紙の搬送が上記画像転写タイミングに遅れていると判定する。また、紙遅れ判定部104は、上記記録紙が当該到達時刻よりも予め定められた一定時間前までにレジストセンサー63の配設位置に到達し、上記レジストセンサー63の受光部からのLOW信号を受信した場合は(High信号を受信しない場合は)、ニップ部Nへの記録紙の搬送が上記画像転写タイミングに遅れていないと判定する。すなわち、紙遅れ判定部104及びレジストセンサー63が、紙遅れ検出部として、二次転写ローラー210による上記画像転写タイミングに、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かを検出する。
【0069】
クリーニング制御部105は、中間転写ベルト125上の残留トナーを二次転写ローラー210により当該二次転写ローラー210側に転写させる動作、及びクリーニング部22の動作を制御する。また、クリーニング制御部105は、上述した後続の画像形成ジョブが動作制御部100により実行される場合には、二次転写ローラー210への残留トナー転写の量を増加させ、クリーニング部22のクリーニング時間を、当該残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ短縮させる処理を行う。
【0070】
次に、画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御の第1実施形態を説明する。図3は画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0071】
なお、本実施形態を含み以下に示す実施形態では、ユーザーは給紙カセット143に上記使用済み用紙(裏紙)を収納しており、また、給紙機構記憶部101には、ユーザーによる操作で、給紙カセット143が記憶されているものとする。
【0072】
ユーザーによる操作部47の操作、又はネットワークインターフェース部91による上記クライアントコンピューターからの受信により画像形成ジョブが入力され、ジョブ受付部102に受け付けられると(S1でYES)、動作制御部100は、当該画像形成ジョブの実行を開始し、当該画像形成ジョブに基づいた一連の動作制御を行う。動作制御部100は、まず、画像形成部12に中間転写ベルト125への画像形成を開始させる(S2)。そして、動作制御部100は、用紙搬送部411に、当該画像形成ジョブにおいて画像形成に用いるとして指定されている給紙機構(手差しトレイ141、給紙カセット142,143,144のいずれか)から記録紙を搬送させる(S3)。
【0073】
上記記録紙の搬送開始後、紙遅れ判定部104は、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125から記録紙にトナー画像が転写される画像転写タイミングに対して、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かの上述した判定を開始する(S4)。ここで、紙遅れ判定部104は、レジストセンサー63から出力される上記信号に基づいて、当該搬送されている記録紙の遅れの有無を検出し、当該搬送されている記録紙に遅れが発生していないことを検出した場合には(S4でNO)、動作制御部100は、レジストローラー630による記録紙の搬送タイミング調整を行った後、上記ニップ部Nにおいて、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125上のトナー画像を当該記録紙に転写させる(S13)。当該トナー画像の転写を終えた記録紙は、動作制御部100の制御で用紙搬送部411により排出トレイ151に排出される(S14)。この後、動作制御部100は、当該実行中の画像形成ジョブが示す内容に基づいて、画像形成を行うべき残り頁が存在するか否かを判断し(S15)、残り頁が存在すると判断した場合は(S15でYES)、処理はS2に戻り、当該残り頁についてS2以降の処理を行う。
【0074】
なお、動作制御部100が、画像形成を行うべき残り頁が存在しないと判断した場合は(S15でNO)、動作制御部100は、ジョブ受付部102に受け付けられて実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S12)。動作制御部100が、当該実行順番待ちとなっている画像形成ジョブがあると判断した場合は(S12でYES)、処理はS2に戻り、動作制御部100は、実行順番待ちとなっている画像形成ジョブのうち、次の実行順を有する画像形成ジョブの実行を開始し、S2以降の処理が行われる。また、動作制御部100が、当該実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがないと判断した場合は(S12でNO)、処理は終了する。
【0075】
一方、上記のS4において、紙遅れ判定部104が、当該搬送されている記録紙に遅れが発生していることを検出した場合には(S4でYES)、ジョブ設定部103が、ジョブ受付部102に受け付けられて実行順番待ち状態となっている画像形成ジョブのうち、給紙機構記憶部101に記憶されている特定の給紙機構(本実施形態では、給紙カセット143)を指定している後続の画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S5)。
【0076】
ここで、ジョブ設定部103が、上記実行順番待ち状態となっている画像形成ジョブのうち、上記特定の給紙機構(本実施形態では、給紙カセット143)を指定した後続の画像形成ジョブがないと判断した場合は(S5でNO)、クリーニング制御部105は、クリーニング部22及び二次転写ローラー210に中間転写ベルト125のクリーニングを行わせる(S16)。このクリーニングでは、二次転写ローラー210の転写バイアスにより、中間転写ベルト125上の残留トナーを、予め定められたデフォルトの転写量(回収量)だけ二次転写ローラー210側に上記ニップ部Nにおいて移動させると共に、クリーニング部22により中間転写ベルト125上の残留トナーを、予め定められたデフォルトのクリーニング時間だけ除去することで、中間転写ベルト125上の残留トナーを除去する。このクリーニング後は、処理はS2に移り、動作制御部100により、当該画像形成ジョブを再開し、当該画像形成ジョブにおいて画像形成が未完了の頁について、S2以降の処理が行われる。
【0077】
他方、ジョブ設定部103が、上記実行順番待ち状態となっている画像形成ジョブのうち、給紙機構記憶部101に記憶されている特定の給紙機構(本実施形態では、給紙カセット143)を指定した後続の画像形成ジョブがあると判断した場合は(S5でYES)、ジョブ設定部103は、さらに、この時点で実行中の画像形成ジョブと、当該後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えて実行可能であるか否かを判断する(S6)。例えば、(1)ジョブ設定部103は、実行中の画像形成ジョブで未だ第1頁目の記録紙に画像形成を行っておらず、さらに、用紙搬送部411が給紙機構からの記録紙の搬送を開始していない場合は、当該実行中の画像形成ジョブを後続の画像形成ジョブに実行順を入れ替えて実行可能と判断する。一方、ジョブ設定部103は、既に用紙搬送部411が給紙機構からの記録紙の搬送が開始されているか、又は実行中の画像形成ジョブで既に第1頁目以降の記録紙に画像形成を行っている場合は、当該実行中の画像形成ジョブを後続の画像形成ジョブに実行順を入れ替えての実行が不可能と判断する。または、(2)順番待ちとなっている各画像形成ジョブの順番が固定されて、実行順の変更が不可能とされている場合は、当該後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えての実行が不可能と判断する。このS6での判断により、画像形成後の記録紙が排出トレイ151に排出されたときに、各画像形成ジョブで画像形成された記録紙が混在して排出されることがなくなる。なお、ジョブ設定部103による、この時点で実行中の画像形成ジョブと、当該後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えて実行可能であるか否かの判断手法は、この例に限定されない。
【0078】
S6において、ジョブ設定部103が、この時点で実行中の画像形成ジョブと、当該後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えて実行不可能と判断した場合は(S6でNO)、クリーニング制御部105は、クリーニング部22及び二次転写ローラー210により上述したクリーニングを行わせ(S16)、このクリーニング後、処理はS2に移る。
【0079】
S6において、ジョブ設定部103が、この時点で実行中の画像形成ジョブと、当該後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えて実行可能と判断した場合は(S6でYES)、動作制御部100は、実行中の画像形成ジョブと当該後続の画像形成ジョブとの実行順を入れ替える(S7)。すなわち、ジョブ設定部103は、動作制御部100により、実行中の画像形成ジョブに代えて、当該後続の画像形成ジョブが実行されるようにジョブ実行順を変更する。なお、給紙機構記憶部101に記憶されている特定の給紙機構を指定している後続の画像形成ジョブが複数存在する場合は、ジョブ設定部103は、例えば、実行順が最も早いものを、当該入替の対象とする後続の画像形成ジョブとして選択する。
【0080】
S7の後、クリーニング制御部105は、クリーニング処理(S8〜S10)を開始させる。このクリーニング処理として、クリーニング制御部105は、二次転写ローラー210の転写バイアスを変更して、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125から残留トナーを転写させる転写量を、デフォルトの転写量よりも予め定められた一定量だけ増加させる(S8)。さらに、クリーニング制御部105は、クリーニング部22によるクリーニング時間を、当該トナー画像転写量の増加分に応じた時間だけデフォルトのクリーニング時間よりも短縮させる(S9)。すなわち、クリーニング部22のデフォルトのクリーニング時間は、上記二次転写ローラー210により上記デフォルトの転写量で残留トナーを転写させた場合に、当該転写によっても中間転写ベルト125上に残留した残留トナーを除去可能なクリーニング時間に設定されているため、上記二次転写ローラー210による転写量を上記デフォルトの転写量よりも上記一定量だけ増加させる場合には、その分、中間転写ベルト125上から残留トナー量が減少するため、当該減少分に相当するクリーニング時間だけデフォルトのクリーニング時間から差し引いたものとする。
【0081】
この後、クリーニング制御部105は、上記S8及びS9において設定された転写量及びクリーニング時間で、駆動ローラー駆動部164、二次転写ローラー駆動部162、及びクリーニング部22を駆動し、クリーニング動作を行わせる(S10)。
【0082】
このクリーニング動作終了後、動作制御部100は、ジョブ受付部102に受け付けられて実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S12)。ここでは、動作制御部100は、S7で設定した上記後続の画像形成ジョブがあると判断することになり(S12でYES)、処理はS2に戻り、当該後続の画像形成ジョブの実行を開始する。なお、動作制御部100が、当該実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがないと判断するに至った場合は(S12でNO)、処理は終了する。
【0083】
この第1実施形態では、ユーザーが、上記特定の給紙カセットに、例えば使用済み記録紙を収納しておけば、紙遅れが検出されたときに行われるクリーニングによって、上記のようにトナー転写量が増加された二次転写ローラー210への残留トナー転写が行われた後には、当該使用済み記録紙が二次転写ローラー210及び中間転写ベルト125のニップ部Nを通過する。使用済み記録紙を用いた画像形成では、この使用済み記録紙が当該ニップ部Nを通過するとき、一般的に、白紙面が中間転写ベルト125側とされ、プリント済み面が二次転写ローラー210側とされるので、この使用済み記録紙により、白紙面には正常に画像形成を行いつつ、プリント済み面に二次転写ローラー210上の残留トナーを付着させて回収できる。なお、当該使用済み用紙のプリント済み面は、汚れ防止等が厳密に要求されないので、残留トナーのプリント済み面への付着は問題視されない。
【0084】
このように、上記のようにトナー転写量を増加した二次転写ローラー210への残留トナー転写を行っても、二次転写ローラー210に転写された残留トナーは使用済み用紙のプリント済み面によって除去可能なので、当該二次転写ローラー210によるトナー転写量の増加によりクリーニング部22によるクリーニング時間を短縮した分、クリーニング部によるクリーニングを効率よく行えることになり、クリーニング部のクリーニング性能が従来よりも更に向上したことになるため、当該画像形成装置1による画像形成の生産性(記録媒体へのプリント効率)を高めることが可能になる。
【0085】
次に、画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御の第2実施形態を説明する。図4は画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、図4では、クリーニング処理以外の処理は、第1実施形態と同様であるので図示を省略する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0086】
第2実施形態におけるクリーニング処理では、ジョブ設定部103により設定される後続の画像形成ジョブ(給紙機構記憶部101に記憶されている給紙機構を用いる画像形成ジョブ)で用いられる記録紙の枚数に応じた分量で、クリーニング制御部105が二次転写ローラー210によるトナー画像転写量を増加させ、当該トナー画像転写量の増加分に応じた時間だけクリーニング部22によってクリーニング動作が行われるクリーニング時間を短縮させる。
【0087】
第2実施形態では、ジョブ設定部103により、上記後続の画像形成ジョブが、実行中の画像形成ジョブと順番を入れ替えて設定された場合、その後に行われるクリーニング処理においては、クリーニング制御部105は、当該後続の画像形成ジョブの示す内容を解析して、当該画像形成ジョブでの画像形成に用いる記録紙の枚数情報を取得する(S21)。
【0088】
クリーニング制御部105は、記録紙1枚について定められた二次転写ローラー210による上記トナー転写の増加量の情報を予め有しており、当該記録紙1枚についての増加量に、S21で取得した上記枚数情報を乗じて、当該記録紙の枚数に応じた二次転写ローラー210による上記トナー画像転写の増加量を算出する(S22)。上記後続の画像形成ジョブの実行時に、二次転写ローラー210及び中間転写ベルト125のニップ部Nを通過する記録紙(使用済み記録媒体)の枚数が多いほど、二次転写ローラー210上に付着した残留トナーを当該記録紙により除去できる量が増加するため、記録紙1枚の通過で二次転写ローラー210上から除去できる残留トナー量aを予め計測しておき、当該後続の画像形成ジョブを実行した時に用いられる枚数の記録紙で除去できる残留トナー量分に合わせて、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125上から残留トナーを回収する。
【0089】
このように二次転写ローラー210による上記トナー画像転写量を増加させると、当該増加量だけ、クリーニング時にデフォルトのトナー転写量で二次転写ローラー210により中間転写ベルト125上から残留トナーを転写させる場合よりも、中間転写ベルト125上の残留トナーの量が減少するため、当該減少分に相当する残留トナーを除去するために要するクリーニング時間を、デフォルトのクリーニング時間から差し引く短縮分として差出する(S23)。
【0090】
クリーニング制御部105は、上記算出したトナー転写量の増加量を二次転写ローラー210によるデフォルトのトナー転写量に加え、これにより二次転写ローラー210によるトナー転写量を増加させ(S24)、クリーニング部22によるデフォルトのクリーニング時間から、上記算出した短縮分のクリーニング時間を差し引いて、クリーニング部22によるクリーニング時間を短縮する(S25)。
【0091】
この後、クリーニング制御部105は、上記S24及びS25において設定された転写量及びクリーニング時間で、駆動ローラー駆動部164、二次転写ローラー駆動部162、及びクリーニング部22を駆動し、クリーニング動作を行わせる(S26)。
【0092】
この第2実施形態では、上記後続の画像形成ジョブの実行により二次転写ローラー210及び中間転写ベルト125のニップ部Nを通過する記録紙の枚数が多くて、二次転写ローラー210上から残留トナーを多く回収できる場合には、その分だけ二次転写ローラー210が中間転写ベルト125上から転写させる残留トナー転写量をデフォルトのトナー転写量から増加させることにより、適切なクリーニング性能を保ちつつクリーニング時間が更に短縮される。一方、上記後続の画像形成ジョブの実行により二次転写ローラー210及び中間転写ベルト125のニップ部Nを通過する記録紙の枚数が少なく、二次転写ローラー210上から残留トナーを少量しか回収できない場合であっても、その分だけ二次転写ローラー210が中間転写ベルト125上から転写させる残留トナー転写量をデフォルトのトナー転写量から増加させることにより、適切なクリーニング性能を保ちつつクリーニング時間が更に短縮される。
【0093】
次に、画像形成ジョブの実行制御の第3実施形態を説明する。図5は画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御の第3実施形態を示すフローチャートである。図6は、画像形成ジョブの実行制御の第3実施形態を行う画像形成装置の例を示す図である。なお、第3実施形態では、第1及び第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0094】
第3実施形態に用いられる画像形成装置1’は、上記画像形成装置1の構成に加えて、更に後処理装置(フィニッシャー)40を備えている。例えば、後処理装置40に含まれるフィニッシャー本体400は、下部本体111側の排出ローラー159により装置本体11から排出され、フィニッシャー本体400側の搬入ローラー対402によって搬送されてきた画像形成済みの記録紙を搬送する搬送ローラー対420と、用紙に対する後処理が間に合わない場合に搬送されてきた用紙を退避させる退避ドラム421とを備える。また、フィニッシャー本体400は、図示しない昇降機構によって昇降可能にされ、搬入ローラー対402から搬送されてきた用紙等を排出可能にされた複数のビン4221,4222,4223,4224,4225からなるメールボックス422、及び排出トレイ423、搬入ローラー対420からの用紙の搬送方向を用紙受台403側とメールボックス422及び排出トレイ423に用紙を排出する排出ローラー対407側とに切り換える搬送分岐ガイド424、用紙受台403に搬入された用紙にステイプル処理を施すステイプル装置425、用紙受台403に搬入された用紙の下部端を受け止めて保持する受止部材426、用紙受台403から下部方向に向かって用紙を搬送する搬送ローラー対427、搬送ローラー対427から搬送されてきた用紙を中央で折りたたんでブック綴じするブック綴じ部428、及びブック綴じ部428でブック綴じされた用紙が排出される排出トレイ429を備える。
【0095】
図5を参照して画像形成装置1’による処理を説明する。上記第1又は第2実施形態においては、実行中の画像形成ジョブと、上記後続の画像形成ジョブ(実行順番待ちとなっている画像形成ジョブであって、給紙機構記憶部101に記憶された給紙機構を用いた画像形を行う画像形成ジョブ)とを実行順を入れ替えて実行可能であるか否かのジョブ設定部103による判断において、例えば、既に用紙搬送部411が給紙機構からの記録紙の搬送が開始され、又は実行中の画像形成ジョブで既に第1頁目以降の記録紙に画像形成を行っている場合は、当該後続の画像形成ジョブの実行順を入れ替えての実行が不可能と判断したが、第3実施形態では、既に用紙搬送部411が給紙機構からの記録紙の搬送が開始され、又は実行中の画像形成ジョブで既に第1頁目以降の記録紙に画像形成を行っている場合であっても、当該実行中の画像形成ジョブと後続の画像形成ジョブとを実行順を入れ替えて実行が可能と判断する(S36でYES)。
【0096】
そして、動作制御部100は、実行中の画像形成ジョブを中断し(S37)、ジョブ設定部103は、上記後続の画像形成ジョブの実行順を、当該中断後に即座に行われる順となるように変更し、さらに、当該中断した画像形成ジョブの残りの画像形成が、この後続の画像形成ジョブの次に再開されて実行されるように、各画像形成ジョブを入れ替える(S38)。すなわち、ジョブ設定部103は、動作制御部100により実行中の画像形成ジョブを中断して上記後続の画像形成ジョブの割り込みがかかるように設定する。
【0097】
この設定後、クリーニング制御部105は、上記と同様にして、二次転写ローラー210及びクリーニング部22による中間転写ベルト125のクリーニング処理を行わせる(S39乃至S41)。このクリーニング後、動作制御部100は、実行順番待ちとなっている画像形成ジョブが存在するか否かを判断するが(S45)、この場合は、第1番目の実行順位として上記後続の画像形成ジョブ、第2番目の実行順位として上記中断された画像形成ジョブの存在が判断される(S45でYES)。
【0098】
動作制御部100は、上記後続の画像形成ジョブを実行する場合、S32以降の処理を行うが、このとき、画像転写後の記録紙を、当該後続の画像形成ジョブの前に実行されていた画像形成ジョブ(中断されている画像形成ジョブ)に基づいて画像転写が行われた記録紙とは異なる予め定められた排出トレイ(ビン4221〜4225,排出トレイ423のいずれか)に排出する(S43)。例えば、動作制御部100は、上記後続の画像形成ジョブに基づいて画像形成された記録紙をビン4221に排出し、当該後続の画像形成ジョブの前に実行されていた上記画像形成ジョブに基づいて画像転写が行われた記録紙を排出トレイ423に排出する。
【0099】
これにより、画像形成後の記録紙を、使用済み記録紙又は未使用記録紙に応じて別々の排出トレイに排出してユーザーに混乱が生じないようにしつつ、当該画像形成装置1’による画像形成の生産性(記録媒体へのプリント効率)を高めることが可能になる。
【0100】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
【0101】
なお、図1乃至図6を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0102】
1,1’ 画像形成装置
10 制御ユニット
100 動作制御部
101 給紙機構記憶部
102 ジョブ受付部
103 ジョブ設定部
104 判定部
105 クリーニング制御部
22 クリーニング部
24 クリーニングローラー
25 クリーニングブレード
47 操作部
63 レジストセンサー
125 中間転写ベルト
142,143,144 給紙カセット
161 駆動ローラー駆動部
162 二次転写ローラー駆動部
210 二次転写ローラー
40 後処理装置
411 用紙搬送部
420 搬送ローラー対
4221乃至4225 ビン
423 排出トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を収納する給紙機構と、
前記給紙機構の中から指定された特定の給紙機構の指定を記憶する記憶部と、
複数のローラーに無端走行可能に張架された中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルト上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記中間転写ベルトとの間を通過する記録媒体に、前記中間転写ベルト上に形成されたトナー画像を転写させる転写部と、
前記転写部による前記トナー画像の転写位置に、前記給紙機構に収納されている記録媒体を搬送する搬送部と、
前記中間転写ベルトから残留トナーを除去するクリーニング動作を行うクリーニング部と、
前記搬送部に搬送させる記録媒体が収納された前記給紙機構を指定した複数の画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブの実行中に、前記搬送部による前記転写位置への記録媒体の搬送が、前記転写部による画像転写タイミングに遅れているか否かを検出する遅れ検出部と、
前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、前記中間転写ベルト上の残留トナーを前記転写部によりデフォルトの転写量で前記転写部上に転写させると共に、前記クリーニング部によりデフォルトのクリーニング時間で前記クリーニング動作が行われるように制御を行うクリーニング制御部と、
前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、前記ジョブ受付部に受け付けられて実行待ち状態の画像形成ジョブのうち、前記記憶部に記憶されている前記特定の給紙機構を指定した後続の画像形成ジョブがある場合には、当該後続の画像形成ジョブを、この時点で実行中の画像形成ジョブに続けて実行される設定とするジョブ設定部と、
前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブを実行する動作制御部とを備え、
前記クリーニング制御部は、前記ジョブ設定部により前記後続の画像形成ジョブが設定される場合、前記転写部への残留トナー転写の量を増加させると共に、前記クリーニング部による前記クリーニング時間を当該残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ短縮させ、
前記動作制御部は、前記クリーニング制御部の制御で前記転写部への残留トナー転写と前記クリーニング動作とが前記クリーニング部によって行われた後に、前記後続の画像形成ジョブを実行させる画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ設定部により設定される前記後続の画像形成ジョブで用いられる記録媒体の枚数に応じた分量で、前記クリーニング制御部が、前記残留トナー転写量を増加させ、当該残留トナー転写量の増加分に応じた時間だけ前記クリーニング時間を短縮させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写部による画像転写後の記録媒体が排出される複数の排出トレイを更に備え、
前記動作制御部は、前記後続の画像形成ジョブを実行する場合、それまで実行していた画像形成ジョブを中断して、当該後続の画像形成ジョブを実行した後、当該中断した画像形成ジョブを再開させ、
前記搬送部は、前記後続の画像形成ジョブと、前記中断及び再開された画像形成ジョブとで異なる前記排出トレイに、前記画像転写後の記録媒体をそれぞれ搬送する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−76840(P2013−76840A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216653(P2011−216653)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】