説明

画像投影システム及びこれに用いられる画像投影装置

【課題】複数の端末装置から取得した操作入力の排他制御を行うことにより複数人による共同作業を円滑に行うことのできる画像投影システム及びこれに用いられる画像投影装置の提供。
【解決手段】複数の端末装置2と、各端末装置2の所定表示領域にある画像30の画像データを通信経路3を介して取得し、これらの画像データに基づいた画像30を投影する画像投影装置1とを備えた画像投影システムであって、端末装置2は、画像投影装置1で投影されている画像30を操作するための操作部を備え、画像投影装置1は、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2へ当該操作の情報を送信するか送信制限するかを決定する決定部と、決定部によって送信すると決定した操作の情報を、操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2へ、通信経路3を介して送信する操作情報処理部とを備えた画像投影システムS。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投影システム及びこれに用いられる画像投影装置に関するものであり、特に、複数の端末装置と画像投影装置とを備え、画像投影装置が複数の端末装置から取得した操作入力の排他制御を行うことにより、複数人による共同作業を円滑に行うことのできる画像投影システム及び前記画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像投影装置として、例えば、端末装置等から画像情報を入力して液晶表示素子に当該画像情報に応じた画像を表示し、この液晶表示素子に光を照射してスクリーン上に拡大投影するプロジェクタなどが広く使用されている。この種のプロジェクタは、複数人が参加して行われる会議等において多く使用されており、かかるプロジェクタを用いることにより、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら議論を進めていくことができる。
【0003】
また、一方で、複数の端末装置をネットワークなどの通信経路で接続することにより、会議等における情報の共有や共同作業を効率的に行うことが多くなされている。例えば、特許文献1には、LANなどの通信経路で接続された複数の端末装置により構成されるアプリケーション共有システムであって、特定の端末装置(ホストPC)が自己の表示領域に表示されている画像の画像データを他の端末装置(ゲストPC)に送信して、当該画像データに基づく画像をゲストPCの表示領域に表示させることにより、ホストPCが保有する画像を共有画像としてゲストPCの利用者と共有することのできるアプリケーション共有システムが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献1に記載の発明では、ゲストPCは、マウスなどの操作部を用いて、ホストPCから送信された画像データに基づく画像を操作すると、当該操作に基づくマウス操作情報がホストPCに送信され、当該ホストPCは、受信したマウス操作情報に基づき画像を編集し、さらに、編集後の画像の画像データを各ゲストPCに送信して、当該各ゲストPCの表示領域に編集後の画像を表示させることにより、ホストPCが保有する画像に対する編集操作をゲストPCから行うことを可能としている。
【0005】
例えば、図49(a)に示すように、一のゲストPCが、自己の表示領域D1において共有画像Wを右上部から左上部へ移動させるための操作を行うと、当該操作に基づくマウス操作情報がホストPCに送信され、当該ホストPCが、受信したマウス操作情報に基づき共有画像Wの位置を変更し、さらに、変更後の共有画像Wの画像データを各ゲストPCに送信することにより、図49(b)に示すように、ゲストPCは、当該各ゲストPCの表示領域に位置変更後の共有画像Wを表示させることができる。なお、図中、P1は、一のゲストPCの表示領域D1において、操作部に基づき画像を操作するカーソルの位置を表示するカーソル画像である。
【0006】
そして、このホストPC又はゲストPCに画像投影装置を接続して共有画像Wを投影させることにより、ホストPCやゲストPCのユーザは、共有画像Wを操作しながら、会議等における情報の共有や共同作業を効率的に行うことができる。
【特許文献1】特開平9−91228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、一のゲストPCが共有画像に対して操作を行っているときに、他のゲストPCが当該共有画像に対して操作を行った場合、当該他のゲストPCの操作により一のゲストPCの操作が阻害されてしまうおそれがあった。
【0008】
すなわち、例えば、一のゲストPCの操作により、図49(a)に示す状態から図49(b)に示す状態となるまでの間に、他のゲストPCが自己の表示領域D2において共有画像Wを下方へ移動させる操作を行った場合、一のゲストPCが操作中であるにも関わらず、共有画像Wは、図50(a)に示すように、当該他のゲストPCの操作に応じて各ゲストPCの表示領域の下方に移動してしまうため、図50(b)に示すように、当該共有画像Wに対する操作が一のゲストPCの利用者の意に反したものとなる結果となる。
【0009】
そこで、本発明は、複数の端末装置から取得した操作入力の排他制御を行うことにより、複数人による共同作業を円滑に行うことのできる画像投影システム及びこれに用いられる画像投影装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の端末装置と、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、これらの画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムであって、前記端末装置は、前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための操作部を備え、前記画像投影装置は、前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信するのか送信制限するのかを決定する決定部と、前記決定部によって送信すると決定した前記操作の情報を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ、前記通信経路を介して送信する操作情報処理部と、を備えた画像投影システムとした。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記決定部は、前記複数の端末装置のうち一の端末装置における前記操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置の前記操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記決定部は、前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置の所定表示領域以外の表示領域の操作が行われていると判断すると、前記操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記操作情報処理部は、前記決定部が前記操作部への操作の情報を送信制限すると決定したときに、前記操作が所定の操作であるときには、所定期間遅延させて、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記操作情報処理部は、前記操作の情報の送信を所定期間遅延させる際に、当該操作が所定期間遅延された旨と当該操作の内容を当該画像投影装置の画像投影部により投影させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記端末装置は、前記操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部を備え、前記画像投影装置において、前記決定部は、前記画像操作命令を受信したとき、当該画像操作命令を前記操作の情報として送信するか送信制限するかを決定し、前記操作情報処理部は、前記決定部によって送信すると決定した前記画像操作命令を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記端末装置は、前記操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令の受信を前記画像投影装置へ要求する許可要求部と、前記画像投影装置から許可されたときに、前記画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備え、前記画像投影装置において、前記決定部は、前記端末装置から前記画像操作命令の受信要求があったとき、当該端末装置へ前記受信要求の許可をするか否かを決定し、前記操作情報処理部は、前記決定部による決定結果を前記端末装置へ通知し、その後、前記受信要求が許可された端末装置から送信された前記画像操作命令を、この画像操作命令による操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ、前記通信経路を介して送信することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記操作情報処理部は、前記決定部が前記受信要求の許可をする決定を行うと、当該決定結果として許可応答を前記受信要求を行った端末装置へ送信し、その他の端末装置へは、前記画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信することを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記端末装置は、データファイルを記憶する記憶部と、前記データファイルに基づいて生成された画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、前記所定表示領域として、前記生成された画像データに基づく画像を表示可能であり、前記表示部の表示領域との連続部を有する仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項10に記載の発明は、複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信するのか送信制限するのかを決定する決定部と、前記決定部によって送信すると決定した前記操作の情報を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信する操作情報処理部と、を備えたことを特徴とする画像投影装置とした。
【発明の効果】
【0020】
請求項1及び請求項10に記載の発明によれば、端末装置の操作部が操作されたとき、画像投影装置は、決定部によってこの操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信するのか送信制限するのかを決定し、当該決定部により送信すると決定した操作の情報を、操作情報処理部により操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ通信経路を介して送信することとしたため、例えば、画像投影装置は、一つの画像に対して複数の操作の情報を取得した場合であっても、当該複数の操作の情報のうちどの操作の情報を送信するのか送信制御するのかを決定することにより、当該画像に対して、画像投影装置で投影されている画像の操作を行う端末装置の利用者の意に反した画像の操作が行われることを未然に防ぐことができ、これにより、複数人による共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、画像投影装置の決定部は、複数の端末装置のうち一の端末装置における操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置の操作部への操作の情報をその操作対象の画像の画像データを送信した端末装置への送信を制限する決定を行うため、一の端末装置の操作入力に基づく画像の操作が他の端末装置の操作入力によって阻害されてしまう虞がなく、複数人による共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、画像投影装置の決定部は、端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置の所定表示領域以外の表示領域の操作が行われていると判断すると、その操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしたため、各端末装置の利用者は、自己の所定表示領域以外の表示領域への操作を、他の端末装置の利用者による当該自己の所定表示領域への操作に優先して行うことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、操作の情報を送信制限された場合であっても、当該操作が所定の動作である場合は、当該操作の情報は破棄されず、所定期間遅延させて、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信することとしたため、一の端末装置の操作入力に基づく画像の操作が他の端末装置の操作入力によって阻害されることを防ぎつつも、当該他の端末装置の操作入力に基づく画像の操作を行うことができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、端末装置の操作が所定期間遅延された際に、当該操作が所定期間遅延された旨及び当該操作の内容を画像投影装置の表示領域に表示することとしたため、当該端末装置の利用者は、自己の行った操作のうちどの操作が遅延されるかを把握することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、端末装置の操作部による操作の情報を、当該端末装置自身が操作命令送信部により画像操作命令として画像投影装置へ送信することとしたため、端末装置は操作部への操作が画像投影装置で送信制限されるか否かにかかわらず、操作部への操作があったときに、画像操作命令を画像投影装置へ送信すればよいので、端末装置の処理が複雑になることを抑制できる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、端末装置は、許可要求部により、当該端末装置操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令の受信を画像投影装置に要求し、画像投影装置から許可されたときに、操作命令送信部により、画像操作命令を画像投影装置へ通信経路を介して送信する構成としている。すなわち、画像投影装置から許可されなければ画像操作命令の送信を行わないため、通信経路にかかる負荷を軽減させることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、不許可指示を受信した端末装置は、画像投影装置に対して画像操作命令を送信することがないため、画像操作命令を許可された端末装置以外の端末装置からの画像操作命令の送信を未然に防ぐことができ、これにより、通信経路にかかる負荷を軽減させることが可能となる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、端末装置に、表示部の表示領域とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置の利用者は、所定表示領域と所定表示領域以外の領域とを明確に区別することができるため、意図しない画像が投影表示されることを防止することができる。また、表示部の表示領域の画像は画像投影装置で投影表示されないので、この表示部の表示領域を端末装置の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
[1.画像投影システムの概要]
以下に、本発明の実施の形態における画像投影システムについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態における画像投影システムの概略的なシステム構成を示す図である。
【0030】
本実施形態にかかる画像投影システムSは、図1に示すように、画像投影装置1と、この画像投影装置1とLANやUSBケーブルなどの通信経路3を介して接続された複数の端末装置(ここでは端末装置2a〜2c)とにより構成されるものであり、画像投影装置1は、各端末装置2a〜2cで実行されるアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と呼ぶこともある。)によって生成される画像のうち、各端末装置2a〜2cの仮想表示領域45a〜45cにある画像の画像データを一つの画像データとして合成するとともに、合成した画像データに基づく画像を画像投影装置1の表示領域60に投影表示するようにしており、複数人による共同作業や情報の共有を効率的に行うことのできるシステムである。この仮想表示領域は、各端末装置2a〜2cの表示部の表示領域との連続部47a〜47cを有し、当該連続部を介して各端末装置2a〜2cの表示部の表示領域と連続しており、各端末装置2a〜2cのアプリケーションで生成される画像は、これらの表示領域内で移動可能となっている。
【0031】
なお、ここでは連続部47a〜47cを、表示領域40a〜40cと仮想表示領域45a〜45cとが連続させるように配置しており、この表示領域と仮想表示領域とに跨った位置にある画像は、いずれかの表示領域に表示されるものとするが、例えば、表示領域40a〜40cと仮想表示領域45a〜45cとに跨った位置にある画像の一部をいずれにも表示させない非表示領域を有する連続部47a〜47cとしてもよい。
【0032】
すなわち、本実施形態では、例えば図1に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aに画像30aがあり、端末装置2cの仮想表示領域45cに画像30cがある場合、画像投影装置1は、画像30a及び画像30cの画像データをそれぞれ端末装置2a,2cから取得するとともにこれら画像データを合成し、合成した画像データに基づく画像を投影することにより、画像投影装置1の表示領域60に端末装置2a及び端末装置2cがそれぞれ有する画像を一つの画像として表示することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、画像投影装置1に3台の端末装置が接続されている場合について説明するが、画像投影装置1に接続される端末装置の数はこれに限ったものではない。また、以下において、端末装置2a〜2cの任意の一つを表す場合には端末装置2と表現することがあり、各端末装置2a〜2cに設けられた仮想表示領域45a〜45cの任意の一つを表す場合には仮想表示領域45と表現することがあり、端末装置2a〜2cの表示領域40a〜40cのうち任意の一つを表す場合には表示領域40と表すことがあり、端末装置2の表示領域40又は仮想表示領域45に表示される画像を画像30と表すことがある。
【0034】
また、この画像投影システムSにおいて、各端末装置2は、自己の端末装置2の表示領域40及び画像投影装置1の表示領域60に表示されている画像30を操作するためのマウスやキーボード等の操作部を有しており、画像投影装置1は、当該操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2へ、当該操作の情報を通信経路3を介して送信することとしている。そして、当該操作の情報を受信した端末装置2がこの操作の情報に基づいて画像30を編集することにより、各端末装置2は、画像投影装置1で投影されている画像30のうち、自分の端末装置2で実行されているアプリケーションによって生成される画像30だけでなく、他の端末装置2で実行されているアプリケーションによって生成される画像30も編集可能となる。なお、図中の画像5a〜5cは、自己の端末装置2の表示領域40及び画像投影装置1の表示領域60に、各端末装置2に設けられたマウス等の操作部による操作に応じてこれら表示領域40,60に表示する画像30を指示又は操作するカーソルの位置を表示するカーソル画像である。
【0035】
そして、特に本実施形態における画像投影システムSでは、端末装置2の操作部が操作されたとき、画像投影装置1は、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2へ当該操作の情報を送信するか送信制限するかを決定し、送信すると決定した操作の情報のみを送信することを特徴としている。
【0036】
かかる構成とすることにより、例えば、画像投影装置1は、一つの画像30に対して複数の操作の情報を取得した場合であっても、当該複数の操作の情報のうちどの操作の情報を送信するのか或いは送信制限するのかを決定することにより、当該画像30に対して、操作の情報を送信した端末装置2の利用者の意に反した操作が行われることを未然に防ぐことができ、これにより、複数人による共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0037】
以下、かかる処理について、図2〜5を用いて説明する。図2は本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置及び端末装置の概略構成図であって、図2(a)は画像投影装置の概略構成図、図2(b)は端末装置の概略構成図であり、図3及び図5は本実施形態における画像投影システムSの処理の一例を示すシーケンス図であり、図4は本実施形態における画像投影装置の投影領域に投影される画像の一例を示す図である。
【0038】
本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、画像投影装置1は、図2(a)に示すように、画像取得部10と、画像処理部11と、画像投影部12と、決定部13と、操作情報処理部14と、記憶部15とを備えている。また、端末装置2は、図2(b)に示すように、記憶部20と、表示部21と、仮想表示領域設定部22と、画像生成部23と、画像送信部24と、操作部25と、操作命令送信部26と、編集部27とを備えている。
【0039】
先ず、各端末装置2から取得した複数の画像データを合成し、この合成した画像データを投影するための処理について説明する。
【0040】
画像投影装置1の表示領域60に自己の保有する画像30を投影させる場合、端末装置2は、先ず、画像生成部23により、記憶部20に記憶されたデータファイルに基づいた画像データを生成する。ここで、この画像データに基づく画像30は、当該端末装置2の表示部21の表示領域40に表示される。次に、端末装置2は、利用者の操作部25への操作などにより画像生成部23で生成した画像データに基づく画像30の位置が仮想表示領域45となるとき、その画像30の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1へ送信する。ここで、本実施形態における所定表示領域は、生成された画像データに基づく画像30を表示可能であり、表示部21の表示領域40との連続部を有する仮想表示領域45であり、この仮想表示領域45は、仮想表示領域設定部22により設定される。
【0041】
次に、画像投影装置1は、画像取得部10により、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像30の画像データを取得し、画像処理部11により、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像30の画像データを合成し、当該合成した画像データに基づいた画像を画像投影部12より投影する。
【0042】
これにより、図1に示すように、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像が画像投影装置1の表示領域60に投影された状態となる。
【0043】
次に、画像投影装置1の表示領域60に表示された画像30に対して操作を行う場合に行われる処理について図3を用いて説明する。
【0044】
なお、本実施形態において、「操作」とは、端末装置2の有するマウス或いはキーボードを用いてなされるものであり、例えば、画像30を移動させる操作としては、カーソル画像5が画像30の所定の位置(例えば、タイトルバー)にあるときに、マウスの左ボタンを押下するとともに、この左ボタンを押下した状態でマウスを移動させる(以下、この操作を「ドラッグ操作」と称する。)。そして、このドラッグ操作により画像30を所望の場所まで移動させたときに、マウスの左ボタンを離すことにより(以下、この操作を「ドロップ操作」と称する。)、当該画像30の移動操作が終了する。
【0045】
また、画像30の所定の場所に文字を入力する操作としては、マウスを用いたクリック操作等により、当該画像30の中に入力位置を示すカーソル位置を指定し、キーボードにより文字入力を行うことによりなされる。
【0046】
以下は、これらの操作の一例として、端末装置2aの利用者が画像30を移動させる操作を行った場合について説明する。
【0047】
図3に示すように、端末装置2aの利用者が操作部25を用いて、画像投影装置1で投影されている複数の画像のうち、端末装置2cの仮想表示領域45cにある画像30cに対してドラッグ操作を行うと、端末装置2aは、当該ドラッグ操作を検出する(ステップS01)。次に、端末装置2aは、操作命令送信部26により、この操作の情報として当該操作入力に基づく画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信する(ステップS02)。
【0048】
次に、端末装置2aから画像操作命令を受信した画像投影装置1は、操作情報処理部14により、この画像操作命令を、送信すべき端末装置2毎に当該画像操作命令を振り分ける処理を行う(ステップS03)。ここでは、この画像操作命令は、端末装置2cに送信されるように振り分けられる。そして、画像投影装置1は、操作情報処理部14により、端末装置2aから受信した画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2cに送信する(ステップS04)。
【0049】
次に、画像操作命令を受信した端末装置2cは、編集部27により、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、この再生した操作入力に応じて、画像30cに対してドラッグ操作を行う(ステップS05)。
【0050】
次に、端末装置2aの利用者が操作部25を用いたドラッグ操作を終えたとき、すなわち、ドロップ操作を行ったとき、端末装置2は、当該ドロップ操作を検出する(ステップS06)。次に、端末装置2aは、操作命令送信部26により、当該ドロップ操作に基づく画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信する(ステップS07)。
【0051】
次に、端末装置2aから画像操作命令を受信した画像投影装置1は、操作情報処理部14により、この画像操作命令を、端末装置2cに振り分ける処理を行う(ステップS08)。そして、画像投影装置1は、操作情報処理部14により、この画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2cに送信する(ステップS09)。
【0052】
次に、画像操作命令を受信した端末装置2cは、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、当該再生した操作入力に応じて、画像30cの移動操作を終了する(ステップS10)。
【0053】
ここで、端末装置2aが仮想表示領域45にある画像30cに対してドラッグ操作を行っている最中(すなわち、ステップS01〜S06までの間)に、端末装置2bの利用者が操作部25を用いて画像30cの移動操作を行った場合、端末装置2bは、当該操作入力を検出し(ステップS11)、操作命令送信部26により、当該操作入力に基づく画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信する(ステップS12)。
【0054】
そして、当該画像操作命令を受信した画像投影装置1は、決定部13により、当該画像操作命令を端末装置2cへ送信するのか送信制御するのかを決定する(ステップS13)。
【0055】
ここで、本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、決定部13は、複数の端末装置2のうち一の端末装置2における操作部25への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置2の操作部25への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしている。ステップS11における端末装置2bによる操作は、端末装置2aにおける操作部25への操作開始から終了までの間に行われたものであるため、画像投影装置1は、端末装置2bから送信された画像操作命令の端末装置2cへの送信を制限することを決定する。そして、画像投影装置1は、端末装置2bから送信された画像操作命令を破棄する(ステップS14)。
【0056】
かかる構成とすることにより、例えば図4(a)に示すように、端末装置2aの利用者が操作部を用いて、画像投影装置1の表示領域60にある画像30cを画像投影装置1の表示領域60の右上部から左上部へ移動させるための操作を行っている最中に、図4(b)に示すように、端末装置2bの利用者が操作部を用いて、端末装置2aが操作中の画像30cを画像投影装置1の表示領域60の下方へ移動させるための操作を行った場合であっても、画像投影装置1が、端末装置2bによる操作の対象となる画像の画像データを送信した端末装置2cへの当該操作の情報の送信を制限すると決定することにより、図4(c)に示すように、端末装置2aの利用者は、画像30cに対する操作を、端末装置2bの操作によって阻害されることなく完了させることができる。
【0057】
ここで、本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、操作情報処理部14は、決定部13が操作部25への操作の情報を送信制限すると決定したときに、当該操作が所定の操作であるときには、所定期間遅延させて、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信することとしている。
【0058】
すなわち、端末装置2aが画像30cに対してドラッグ操作を行っている最中に、端末装置2bの利用者が操作部25を用い、所定の操作として、例えば画像30cに対して「今期の売り上げ」という文字入力を行った場合、図5に示すように、当該所定の操作に基づく画像操作命令を受信した画像投影装置1は、決定部13により、当該画像操作命令の端末装置2cへの送信を制限することを決定するとともに(ステップS13)、操作情報処理部14により、端末装置2bから送信された画像操作命令を記憶部15に設けられたバッファ領域に記憶する(ステップS15)。
【0059】
次に、画像投影装置1は、操作情報処理部14により、端末装置2bによる操作が所定期間遅延された旨を画像投影装置1の表示領域60に表示する(ステップS16)。すなわち、かかる場合、図6に示すように、画像投影装置1の表示領域60には、当該表示領域60の左下部に一時的に設けられた一時表示領域7に、操作遅延情報として、操作を行った端末装置2の名称と当該操作の内容とが表示される。
【0060】
そして、画像投影装置1は、操作情報処理部14により、操作入力が遅延された旨を通知するための操作入力遅延情報を端末装置2bへ送信する(ステップS17)。
【0061】
次に、端末装置2bは、操作入力遅延情報を受信すると、自己の表示領域40bに端末装置2bの利用者が行った操作入力が遅延された旨を表示する(ステップS18)。
【0062】
一方、画像投影装置1は、ステップS09において、端末装置2aによるドラッグ操作の終了操作に基づく画像操作命令を送信すると、操作情報処理部14により、バッファ領域に記憶された端末装置2bによる操作に基づく画像操作命令を読み出し(ステップS19)、当該画像操作命令を端末装置2cへ送信する(ステップS20)。
【0063】
そして、当該画像操作命令を受信した端末装置2cは、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、当該再生した操作入力に基づき、画像30cに対して「今期の売り上げ」という文字入力を行う(ステップS21)。
【0064】
このように、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、操作の情報を送信制限された場合であっても、当該操作が所定の動作である場合は、当該操作の情報は破棄されず、所定期間遅延させて、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置2へ送信することとしたため、一の端末装置2の操作入力に基づく画像30の操作が他の端末装置2の操作入力によって阻害されることを防ぎつつも、当該他の端末装置2の操作入力に基づく画像の操作を行うことができる。
【0065】
また、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、端末装置2の操作が所定期間遅延された際に、当該操作が所定期間遅延された旨を画像投影装置1の表示領域60に表示することとしたため、当該端末装置2の利用者は、自己の行った操作が遅延されたことを把握することができる。
【0066】
[2.画像投影システムの具体的構成]
(画像投影装置1の構成について)
次に、画像投影装置1の構成について説明する。図7は本実施形態における画像投影装置1の構成図であり、図8は本実施形態における画像投影装置1に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図であり、図9は本実施形態における画像投影装置1の表示領域60に規定された座標を説明するための図であり、図10は本実施形態における画像投影装置1に記憶される接続情報管理テーブルの一例であり、図11は本実施形態における画像投影装置1に記憶されるカーソル情報管理テーブルの一例であり、図12は本実施形態における画像投影装置1に記憶される入力終了条件テーブルの一例であり、図13は本実施形態における画像投影装置1に記憶される操作入力バッファテーブルの一例である。
【0067】
画像投影装置1は、図7に示すように、各種操作を行うための操作パネル101と、設定情報やデータファイルなどを保持するための不揮発性メモリである記憶部102と、端末装置2と通信するためのインターフェイス104と、外部から映像信号を入力する映像信号入力回路105と、映像信号入力回路105を介して入力される映像信号やインターフェイス104を介して取得した画像データに所定の処理を施す画像処理回路106と、この画像処理回路106から出力される画像信号に基づいた画像を投影する画像投影部107と、画像投影装置1全体を制御する制御部108とを備えており、これらはハウジングに内蔵される。
【0068】
操作パネル101は、各種操作を行うためのボタンや表示部(例えば、LCD)などから構成され、画像投影装置1において使用者がこの操作パネル101を操作することによって、その操作内容に応じた制御を制御部108が実行することになる。
【0069】
記憶部102は、フラッシュメモリ(flash memory)やハードディスクなどから構成され、画像投影装置1に設定されている解像度の情報、カーソル画像の画像データ、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像30の画像データを記憶する他、当該画像30の位置情報、サイズ情報等を管理する画像属性情報管理テーブルを記憶する画像属性情報記憶領域110、画像投影装置1に接続している端末装置2の接続状況を管理する接続情報管理テーブルを記憶する接続情報記憶領域111、カーソル画像5の位置情報等を記憶するカーソル情報記憶領域112、端末装置2による操作入力が遅延されたとき、当該操作入力に基づく画像操作命令を記憶するバッファ領域113等を有する。
【0070】
インターフェイス104は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、通信経路3としてのUSBケーブルを介して端末装置2から画像属性情報や画像データ等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部108によって用いられる。なお、通信経路3として、LANや無線LANなどの通信ネットワークを利用することもでき、かかる場合は、インターフェイス104としてUSBインターフェイスに代えて無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いればよい。
【0071】
映像信号入力回路105は、コンポジット映像信号(例えばNTSC映像信号)やコンポーネント映像信号(例えばRGB信号)などの映像信号を入力する。
【0072】
画像処理回路106は、制御部108による制御に基づいて、映像信号入力回路105に入力された映像信号或いはインターフェイス104を介して取得した画像データに対して、複数の画像データの合成等の加工を行う。このように加工されて生成された画像信号は、画像投影部107に入力される。
【0073】
画像投影部107は、光源駆動回路120と、光源121と、照明光学系122と、透過型液晶パネル123(以下、「LCD123」とする。)と、結像光学系124と、LCD駆動回路125と、ピント調整機構126とを備えている。
【0074】
光源121は、ランプなどから構成され、制御部108によって制御された光源駆動回路120から出力される信号に基づいて、点灯駆動されて発光する。光源121で発光された光は、照明光学系122によって、照明光としてLCD123に照射される。
【0075】
LCD123は、LCD駆動回路125によって駆動され、その表示面に映像を表示する。このように表示された映像は、照明光学系122を介して光源121から出射される照明光によって照明され、これにより画像光が生成される。続いて、この画像光は、結像光学系124及びハウジングの投影用開口部(図示せず)を通って、スクリーン(投射面)に投影される。このように、LCD123に表示される画像がスクリーンに投影される構成となっている。なお、ピント調整機構126によって、スクリーンに投影する画像のピントを調整することができる。
【0076】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがROMに予め格納されたプログラムを読み出して実行することによって、画像取得部、画像処理部、決定部、操作情報処理部等として機能する。
【0077】
制御部108は、画像取得部として機能することにより、端末装置2から当該端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを取得する。
【0078】
また、制御部108は、画像処理部として機能することにより、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する。この画像処理部による画像データの合成は、記憶部102に記憶された画像属性情報管理テーブル、及び接続情報管理テーブルに基づいて実行される。
【0079】
ここで、画像属性情報管理テーブルについて、図8を参照して説明する。
【0080】
図8に示すように、画像属性情報管理テーブルには、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像を送信した端末装置2(オーナーPC)の名称、当該画像を表示すべき位置及びサイズに関する情報、画像データのファイル名に関する情報、及び画像処理部により複数の画像データを合成する際に、各画像データを重ね合わせる順番(階層レベル)に関する情報が、当該画像を識別するための情報(ウィンドウID)と関連付けて記憶されている。
【0081】
各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の位置及びサイズに関する情報は、画像投影装置1で投影される表示領域60に規定されている座標により表される。すなわち、本実施形態における画像投影装置1は、図9に示すように、表示領域60の縦方向をX方向、横方向をY方向とし、その左上部の頂点を原点として規定している。そして、画像の位置情報は、仮想表示領域45にある各画像の左上部の頂点の座標の情報であり、画像のサイズ情報は、当該画像の幅(W)及び高さ(H)を座標の数値で表した情報であって、この位置情報とサイズ情報とにより、仮想表示領域45にある画像を画像投影装置1で投影される表示領域60のどの位置にどのサイズで投影するかを決定することができる。例えば、図9において、画像30fは、その左上部の頂点が座標(X,Y)=(30,400)の位置となり、画像のサイズは、幅(W)が460、高さ(H)が310となる。
【0082】
また、画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)の名称は、図10に示す接続情報管理テーブルと関連付けられている。この接続情報管理テーブルには、図10に示すように、画像投影装置1に接続している端末装置2の名称が、接続状況(画像投影装置1と接続中か未接続かの別)及び各端末装置2に割り振られたIPアドレスと関連付けられて記憶されている。
【0083】
また、制御部108は、画像処理部として機能することにより、端末装置2の操作命令送信部により送信された画像指示命令に基づいた位置にカーソル画像5を、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成する。ここで、このカーソル画像5の合成は、カーソル情報管理テーブルの情報に基づき実行されるものである。
【0084】
カーソル情報管理テーブルは、図11に示すように、画像投影装置1に接続されている端末装置2に割り当てられるカーソル画像の画像ファイル名、及び画像投影装置1で投影される表示領域60におけるカーソル画像の位置情報が、端末装置2の名称と関連付けられて記憶されている。
【0085】
また、制御部108は、決定部として機能することにより、端末装置2から画像操作命令を受信したとき、当該画像操作命令を操作の情報として送信するのか送信制限するのかを決定する。
【0086】
特に、本実施形態においては、制御部108は、決定部として機能することにより、複数の端末装置2のうち一の端末装置2における操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置2の操作部への画像操作命令を送信制限する決定を行うこととしている。
【0087】
制御部108が一の端末装置2の操作入力が終了したと判定するための条件、すなわち許可解除条件としては、図12に示すように、マウス207による操作においてドラッグ操作の終了を検出したとき、一の端末装置2による操作入力が3秒間なされなかったとき、日本語IME(Input Method Editor)無効時にキーボード206のピリオドキーが押下されたとき、日本語IME無効時にキーボード206のSpaceキーが押下されたとき、日本語IME有効時にキーボード206のEnterキーが押下されたとき、或いは、特殊操作として、キーボード206のShiftキーとEnterキーが同時に押されたとき、等が挙げられる。制御部108は、端末装置2による操作がこれらの入力終了条件の何れかを満たしたと判定したとき、当該端末装置2の操作入力が終了したと判定する。なお、これらの操作入力のうちどの操作を入力終了条件とするかは、利用者が操作パネル101を操作することにより任意に設定可能となっている。
【0088】
また、制御部108は、操作情報処理部として機能することにより、端末装置2からその操作部25への操作に応じた画像操作命令を取得するとともに、決定部によって送信すると決定した画像操作命令を、操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置へ送信する。なお、画像操作命令は、図示しないリモコン装置から取得することもできる。
【0089】
特に、本実施形態において、制御部108は、操作情報処理部として機能することにより、決定部が操作部への操作の情報を送信制限すると決定したときに、操作が所定の操作であるときには、所定期間遅延させて、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置2へ操作の情報を送信することとしている。
【0090】
ここで、所定の操作とは、キーボード206によるキー入力操作、マウス207によるクリック操作やドラッグ操作等である。
【0091】
遅延された画像操作命令は、記憶部102のバッファ領域113における操作入力バッファテーブルに記憶される。この操作入力バッファテーブルは、図13に示すように、画像操作命令に基づく操作入力の内容が、当該画像操作命令を送信した端末装置2の名称、操作対象となる画像30のウィンドウID、画像操作命令を受信した時間と関連付けられて記憶されている。
【0092】
なお、本実施形態においては、端末装置2から受信した画像操作命令の送信を所定期間遅延させる際に、当該操作が所定期間遅延された旨を画像投影装置1の表示領域60に表示することとしている。
【0093】
(端末装置2の構成について)
次に、端末装置2の構成について説明する。図14は本実施形態における端末装置2の構成図であり、図15は本実施形態における端末装置2に設けられる仮想表示領域45の配置例である。
【0094】
本実施形態における端末装置2は、一般のパーソナルコンピュータ或いは専用端末を適用することができ、図14に示すように、表示部であるLCD200、LCD200を駆動するためのグラフィックスコントローラ201と、各種データ等を記憶するハードディスク装置202と、通信経路3を介して画像投影装置1との間で通信を行うためのインターフェイス203と、使用者の操作により所定の情報を入力可能なキーボード206及びマウス207(操作部に相当)と、端末装置2全体を制御する制御部208とを備えて構成され、これらの各種要素は第1のバス209、第2のバス210を介して相互に接続される。なお、図中、211は、第1のバス209と第2のバス210との間のデータの授受を行うためのバスコントローラである。
【0095】
ハードディスク装置202は、記憶部として機能するものであり、このハードディスク装置202には、端末装置2のオペレーティングシステム(OS)プログラム、文書作成ソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションプログラムの他、このアプリケーションプログラムにより作製されるデータファイルが格納されている。また、上記アプリケーションプログラムとは別に、本実施形態における画像投影システムS用の処理プログラムとしての画像共有プログラムが格納されている。
【0096】
なお、この画像共有プログラムは、例えば、通信経路3に接続されたサーバ(図示せず)から、インターフェイス203を介して、制御部208のハードディスク装置202にダウンロードされるようにしてもよく、又CD−ROM等の記録媒体に記録されてから記録媒体ドライブ(図示せず)を介して、制御部208のハードディスク装置202に読み込まれるようにしてもよい。
【0097】
インターフェイス203は、外部装置との通信を行うことができるLANインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部208によって用いられる。
【0098】
制御部208は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがハードディスク装置202に格納された画像共有プログラムを読み出して実行することによって、画像送信部、仮想表示領域設定部、操作命令送信部として機能する。
【0099】
また、制御部208は、CPUがハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを読み出して実行することによって、画像生成部、編集部として機能する。
【0100】
制御部208は、画像生成部として機能することにより、データファイルに基づいた画像データを生成する。生成された画像データは、グラフィックスコントローラ201によって、当該画像データに基づく画像としてLCD200に表示される。
【0101】
制御部208は、画像送信部として機能することによって、画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域としての仮想表示領域45にあるときに、その画像の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1へ送信する。
【0102】
ここで、本実施形態における仮想表示領域45は、表示部の表示領域40との連続部を有する仮想的な表示領域である。すなわち、この仮想表示領域45は、例えば図15(a)に示すように、端末装置2の表示領域40と連続部47を介して隣設される場合や、図15(b)に示すように、端末装置2の表示領域40の内部に連続部47’を介して配置される場合や、図15(c)に示すように、端末装置2の表示領域40とトンネル状に形成されるとともに、表示領域40と仮想表示領域45とに跨った位置にある画像30の一部をいずれにも表示させない非表示領域を有する連続部47’’を介して接続される場合がある。この仮想表示領域45は、制御部208のCPUがハードディスク装置202に記憶された画像共有プログラムを実行して仮想表示領域設定部として機能することで設定される。
【0103】
このように、端末装置2に、表示部の表示領域とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域45を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置2の利用者は、仮想表示領域45と仮想表示領域45以外の領域(例えば端末装置2の表示領域40)とを明確に区別することができるため、意図しない画像30が投影表示されることを防止することができる。また、表示部の表示領域40の画像30は画像投影装置1で投影表示されないので、この表示部の表示領域40を端末装置2の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【0104】
また、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、画像生成部によって編集後のデータファイルに基づいて仮想表示領域45にある画像データが生成される毎に、仮想表示領域45にある画像の画像データを画像投影装置1へ送信することとしている。
【0105】
かかる構成とすることにより、画像投影装置1で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0106】
なお、この画像データを送信する場合は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャして得られるBMP(Bit Map)データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)データに変換する。このように、画像投影装置1に送信する画像データを圧縮することにより、通信経路3への負荷を軽減させることができる。
【0107】
また、制御部208は、編集部として機能することにより、画像投影装置1から画像操作命令を通信経路3を介して受信したとき、この画像操作命令から操作入力を再生し、この操作入力に応じてデータファイルを編集する。この画像操作命令の受信は、インターフェイス203により行われる。
【0108】
また、制御部208は操作命令送信部として機能することにより、操作部としてのキーボード206又はマウス207が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信する。この際、上記操作が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、制御部208は、操作入力を破棄した後に当該画像操作命令を画像投影装置1に送信する。
【0109】
(画像投影装置の具体的動作について)
次に、画像投影装置1の具体的動作の一例について、図16〜図31を用いて説明する。図16は本実施例における画像投影装置1のメイン処理フローチャートである。
【0110】
図16に示すように、画像投影装置1の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、画像投影装置1の制御部108は、接続処理を行う(ステップS100)。この接続処理は、画像投影装置1が端末装置2と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図17におけるステップS200〜S205までの処理であり、後述する。
【0111】
次に、制御部108は、端末装置2から画像属性情報を受信したか否かを判定する(ステップS110)。この処理において、端末装置2から画像属性情報を受信したと判定すると(ステップS110:Yes)、制御部108は、画像属性情報更新処理を行う(ステップS120)。この画像属性情報更新処理は、端末装置2から送信される情報に応じて画像属性情報管理テーブルの更新等を行うものである。この処理は、図18におけるステップS300〜S308までの処理であり、後述する。
【0112】
ステップS120の画像属性情報更新処理を終了すると、制御部108は、表示領域算出処理を行う(ステップS130)。この表示領域算出処理は、画像投影装置1で投影される各画像の、投影領域60における表示領域を算出するものである。この処理は、図19におけるステップS400〜403までの処理であり、後述する。
【0113】
また、ステップS110において、端末装置2から画像属性情報を受信していないとき(ステップS110:No)、制御部108は、カーソル情報を受信したか否かを判定する(ステップS140)。この処理において、カーソル情報を受信したと判定すると(ステップS140:Yes)、制御部108は、カーソル情報更新処理として、端末装置2から送信されるカーソル情報に基づいてカーソル情報管理テーブルの更新を行う(ステップS150)。
【0114】
ステップS130、ステップS150の処理を終了したとき、或いは、ステップS140においてカーソル情報を受信していないとき(ステップS140:No)、制御部108は、画像投影処理を行う(ステップS160)。この画像投影処理は、複数の端末装置2から取得した画像データ、及びカーソル画像の合成を行うものである。この処理は、図21におけるステップS600〜S612までの処理であり、後述する。
【0115】
次に、制御部108は、端末装置2から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS170)。この処理において、端末装置2から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS170:Yes)、制御部108は、操作入力排他処理を行う(ステップS180)。この操作入力排他処理は、端末装置2から画像操作命令を受信したとき、当該画像操作命令を操作の情報として送信するか送信制限するかを決定するとともに、送信すると決定した画像操作命令を、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信するものである。この処理は、図23におけるステップS700〜S708までの処理であり、後述する。
【0116】
ステップS180の処理を終了したとき、或いはステップS170において、端末装置2から画像操作命令を受信していないとき(ステップS170:No)、制御部108は、許可解除処理を行う(ステップS190。)この許可解除処理は、入力許可中の端末装置2に対して当該入力許可の解除を行うとともに、バッファ領域に記憶された画像操作命令の再生処理を行うものである。この処理は、図25におけるステップS900〜S904までの処理であり、後述する。
【0117】
次に、制御部108は、電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS195)、電源がOFFされていないとき(ステップS195:No)、処理をステップS100に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS195:Yes)、制御部108は、メイン処理を終了する。
【0118】
次に、ステップS100における接続処理について、図17を参照して具体的に説明する。図17は、本実施例における画像投影装置1の接続処理フローチャートである。
【0119】
図17に示すように、接続処理を開始すると、画像投影装置1の制御部108は、端末装置2から接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS200)。この処理において、端末装置2から接続要求信号を受信したと判定すると(ステップS200:Yes)、当該接続要求信号を送信した端末装置2に対して、画像投影装置1の記憶部102に記憶されている解像度の情報を通知する(ステップS201)。これにより、各端末装置2の仮想表示領域設定部で作成される仮想表示領域45の解像度を統一させることができ、画像投影装置1で投影される画像の見栄えを良くすることができる。
【0120】
次に、制御部108は、端末装置2から起動完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS202)。この処理において、端末装置2から起動完了通知を受信したと判定すると(ステップS202:Yes)、制御部108は、接続情報管理テーブルを更新する(ステップS203)。すなわち、制御部108は、接続情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2のIPアドレス及び接続状態に関する情報を当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0121】
次に、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを更新する(ステップS204)。すなわち、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2に割り当てられたカーソル画像5の画像ファイル名及びカーソル画像5の位置情報を、当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0122】
なお、このカーソル情報管理テーブルに端末装置2の情報が新たに追加された場合において、カーソル画像5の位置は、端末装置2の表示部の表示領域40に表示されるため、カーソル情報管理テーブルの位置情報の欄には、「none」と表示される。また、本実施例において、各端末装置2に割り当てられるカーソル画像は、ステップS204の処理において自動的に割り当てられるようにしているが、各自に選択させるようにしてもよい。
【0123】
次に、制御部108は、接続処理が完了したことを端末装置2に対して通知する(ステップS205)。この処理が終了したとき、或いはステップS200において、端末装置2から接続要求信号を受信していないとき(ステップS200:No)、制御部108は、接続処理を終了する。
【0124】
次に、ステップS120における画像属性情報更新処理について、図18を用いて具体的に説明する。図18は、本実施例における画像投影装置1の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【0125】
図18に示すように、画像属性情報更新処理を開始すると、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS300)。この処理において、画像属性情報の新規追加が行われたと判定すると(ステップS300:Yes)、制御部108は、仮想表示領域45に新たに位置することとなった画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルに新たに追加し(ステップS301)、さらに、当該画像の画像データの保存領域を確保する(ステップS302)。
【0126】
ステップS302の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、画像属性情報管理テーブルで管理されている各画像の階層レベルの情報を更新する(ステップS303)。すなわち、制御部108は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像については、現在割り当てられている階層レベルよりも一つ下の階層に順次繰り下げて更新される(例えば、階層レベルが「2」に設定されていた画像は、「3」に更新される)。仮想表示領域45に新たに追加された画像が最前面に表示されるようになるため、複数人による共同作業をスムーズに行うことができる。
【0127】
ステップS300において、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされていないと判定すると(ステップS300:No)、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の削除フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS304)。この処理において、画像属性情報の削除がなされたと判定すると(ステップS304:Yes)、制御部108は、削除対象となっている画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルから削除するとともに(ステップS305)、他の画像の階層レベルを更新する(ステップS306)。
【0128】
ステップS304において、画像属性情報が削除されたと判定しないとき(ステップS304:No)、制御部108は、端末装置2から受信した画像属性情報に基づいて画像属性情報の更新を行う(ステップS307)。そして、ステップS307の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、更新した画像属性情報に基づく画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像の階層レベルを順次繰り下げる(ステップS308)。
【0129】
ステップS303、S306、S308の処理が終了したとき、制御部108は、画像属性情報更新処理を終了する。
【0130】
次に、ステップS130における表示領域算出処理について、図19を用いて説明する。図19は、本実施例における画像投影装置1の表示領域算出処理フローチャートである。
【0131】
図19に示すように、表示領域算出処理を開始すると、制御部108は、ステップS120における画像属性情報更新処理がなされたか否かを判定する(ステップS400)。この処理において、画像属性情報更新処理がなされたと判定すると(ステップS400:Yes)、制御部108は、画像属性情報管理テーブルから各端末装置2の画像属性情報を取得する(ステップS401)。
【0132】
次に、制御部108は、取得した画像属性情報に基づいて、画像投影装置1の投影領域60に表示すべき表示領域を各画像ごとに算出する(ステップS402)。すなわち、本実施例においては、各端末装置2に画像データの送信を要求する前に、画像投影装置1の投影領域60に表示される各画像の表示領域を算出することとしている。このように、各画像の表示領域を事前に算出することにより、後述する画像投影処理において端末装置2に画像データの送信を要求する際、例えば、図20に示すように、画像30gのうち、各画像を合成した際に投影領域60に表示されない部分35の画像データは送信しないように指示することができるため、余計な画像データを送信することがなく、通信経路3に余分な負担をかけることがない。
【0133】
なお、ステップS402の処理において、表示領域の算出は、階層の低い画像から順次行われる。このようにすることにより、計算量を減らすことができるため、処理速度を上げることができる。
【0134】
次に、制御部108は、全ての画像の表示領域を算出したか否かを判定する(ステップS403)。ここで、本実施例においては、上述のように、最下層の階層レベルに設定されている画像から順に表示領域の計算をしていくため、上記判定は、最上層の階層レベルに設定されている画像の表示領域の算出が行われたか否かにより判定される。この処理において、全ての画像の表示領域を算出したと判定しないとき(ステップS403:No)、制御部108は、処理をステップS402に移行する。一方、ステップS403において全ての画像の表示領域を算出したと判定したとき(ステップS403:Yes)、或いはステップS400において画像属性情報更新処理がなされたと判定しないとき(ステップS400:No)、制御部108は、表示領域算出処理を終了する。
【0135】
次に、ステップS160における画像投影処理について図21を用いて具体的に説明する。図21は、本実施例における画像投影装置1の画像投影処理フローチャートである。
【0136】
図21に示すように、画像投影処理を開始すると、制御部108は、ステップS130における表示領域算出処理が行われたか否かを判定する(ステップS600)。この処理において、表示領域算出処理が行われたと判定すると(ステップS600:Yes)、制御部108は、処理をステップS601に移行する。
【0137】
ステップS601において、制御部108は、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れるか否かを判定する。この判定は、ステップS130の表示領域算出処理における算出結果に基づいて行われる。この処理において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定しないとき(ステップS601:Yes)、制御部108は、端末装置2に対して画像データの全てを送信するよう画像送信要求信号を送信する(ステップS602)。
【0138】
一方、ステップS601において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定すると(ステップS601:No)、制御部108は、表示領域算出処理において算出された結果に基づいて、画像を表示すべき表示領域を複数の矩形領域に分割する(ステップS603)。すなわち、例えば、図22に示すように、画像30gのうち一部の画像35が隠れて表示されない場合、制御部108は、この画像30gのうち画像投影装置1で表示される部分を矩形領域38aと38bとに分割する。そして、制御部108は、端末装置2に対して矩形領域毎に画像データの送信を要求する画像データ要求信号を送信する(ステップS604)。
【0139】
ステップS602、S604の処理が終了すると、制御部108は、端末装置2から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS605)。この処理において、端末装置2から画像データを受信したと判定すると(ステップS605:Yes)、制御部108は、受信した画像データの伸長を行う(ステップS606)。これは、後述するように、端末装置2から送信される画像データは、圧縮された状態で送信されるためである。
【0140】
次に、制御部108は、画像属性情報更新処理において確保した画像データの保存領域に受信した画像データを保存し(ステップS607)、当該画像データを指定された表示領域に貼り付ける(ステップS608)。次に、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの貼り付けが全てなされたか否かを判定する(ステップS609)。この処理において、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定すると(ステップS609:Yes)、制御部108は、処理をステップS612に移行し、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定しないとき(ステップS609:No)、処理をステップS601に移行する。すなわち、ステップS601〜S608までの処理は、各画像データごとに行われるものであり、ステップS608において、各画像データを表示領域に貼り付けていくことにより、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの合成が行われる。
【0141】
一方、ステップS600において、表示領域の算出がなされたと判定しないとき(ステップS600:No)、制御部108は、カーソル情報管理テーブルが更新されたか否かを判定する(ステップS610)。この処理において、カーソル情報管理テーブルが更新されたと判定すると(ステップS610:Yes)、制御部108は、更新されたカーソル情報に基づいて、カーソル画像の画像データを画像投影装置1の投影領域60に投影される画像の画像データと合成し(ステップS611)、処理をステップS612に移行する。同様に、ステップS610においてカーソル情報管理テーブルが更新されていないときも(ステップS610:No)、制御部108は、処理をステップS612に移行する。
【0142】
ステップS612において、制御部108は、ステップS608の処理において合成された画像データ、或いはステップS611の処理において合成された画像データに基づく画像を画像投影部107より投影する(ステップS612)。ステップS612の処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を終了する。
【0143】
次に、ステップS180における操作入力排他処理について、図23を用いて具体的に説明する。図23は本実施例における画像投影装置1の操作入力排他処理フローチャートである。
【0144】
図23に示すように、操作入力排他処理を開始すると、制御部108は、入力許可中の端末装置があるか否かを判定する(ステップS700)。この処理において、入力許可中の端末装置がないとき(ステップS700:No)、制御部108は、画像操作命令を送信した端末装置2を入力許可中の端末装置2として設定する(ステップS701)。
【0145】
次に、制御部108は、操作命令振分け処理を行う(ステップS703)。この操作命令振り分け処理は、端末装置2から受信した画像操作命令による操作対象の画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信するものである。以下、この操作命令振り分け処理について、図24を用いて説明する。図24は本実施例における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0146】
図24に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のカーソル画像5の位置情報を取得する(ステップS800)。次に、制御部108は、取得したカーソル画像5の位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS801)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS802)。この処理を終了すると、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0147】
一方、図23のステップS700において、入力許可中の端末装置があると判定すると(ステップS700:Yes)、制御部108は、受信した画像操作命令が入力許可中の端末装置から送信されたものか否かを判定する(ステップS702)。この処理において、受信した画像操作命令が入力許可中の端末装置から送信されたものであると判定すると(ステップS702:Yes)、制御部108は、処理をステップS703に移行する。
【0148】
また、ステップS702において、受信した画像操作命令が入力許可中の端末装置から送信されたものでないとき(ステップS702:No)、制御部108は、画像投影装置1が操作入力を遅延させるよう設定されているか否かを判定する(ステップS704)。この処理において、画像投影装置1が操作入力を遅延させるよう設定されているかと判定すると(ステップS704:Yes)、制御部108は、当該画像操作命令をバッファ領域113に記憶し(ステップS705)、画像投影装置1の表示領域に設けられた一時表示領域7に当該画像操作命令に基づく操作入力情報を表示するとともに(ステップS706)、操作入力遅延通知を、当該画像操作命令を送信した端末装置2へ送信する(ステップS707)。
【0149】
ステップS704において、画像投影装置1が操作入力を遅延させるよう設定されていないとき(ステップS704:No)、制御部108は、受信した画像操作命令を破棄する(ステップS708)。
【0150】
ステップS703、S707、S708の処理を終了したとき、制御部108は、操作入力排他処理を終了する。
【0151】
このように、本実施形態の画像投影システムSにおいて、画像投影装置1の制御部108は、複数の端末装置2のうち一の端末装置2における操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置2の操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしたため、一の端末装置2の操作入力に基づく画像30の操作が他の端末装置2の操作入力によって阻害されてしまう虞がなく、複数人による共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0152】
なお、ステップS704において、画像投影装置1が操作入力を遅延させるよう設定されている場合、全ての画像操作命令をバッファ領域へ記憶させることとしたが、これに代えて、画像操作命令に基づく操作入力が所定の操作である場合にのみ当該画像操作命令をバッファ領域へ記憶させることとしてもよい。
【0153】
次に、ステップS190における許可解除処理について、図25を用いて具体的に説明する。図25は、本実施例における画像投影装置1の許可解除処理フローチャートである。
【0154】
図25に示すように、許可解除処理を開始すると、制御部108は、入力許可中の端末装置2が許可解除条件を満たしたか否かを判定する(ステップS900)。この処理において、入力許可中の端末装置2が許可解除条件を満たしたと判定すると(ステップS900:Yes)、制御部108は、入力許可中の端末装置2への入力許可設定を解除する(ステップS901)。
【0155】
次に、制御部108は、バッファ領域113に画像操作命令が記憶されているか否かを判定する(ステップS902)。この処理において、バッファ領域113に画像操作命令が記憶されていると判定すると(ステップS902:Yes)、制御部108は、当該操作命令を読み出し(ステップS903)、操作命令振り分け処理を行う(ステップS904)。この操作命令振り分け処理は、図24におけるステップS800〜802までの処理と同様であり、その説明を省略する。
【0156】
このように、本実施形態においては、操作の情報を送信制限された場合であっても、画像投影装置1が操作入力を遅延させるよう設定されている場合、当該操作の情報は破棄されず、所定期間遅延させて、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信することとしたため、一の端末装置の操作入力に基づく画像の操作が他の端末装置の操作入力によって阻害されることを防ぎつつも、当該他の端末装置の操作入力に基づく画像の操作を行うことができる。
【0157】
ステップS904の処理を終了したとき、或いは、ステップS900において入力許可中の端末装置2が許可解除条件を満たしていないとき(ステップS900:No)、又はステップS902においてバッファ領域113に画像操作命令が記憶されていないとき(ステップS902:No)、制御部108は、許可解除処理を終了する。
【0158】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図26〜図31を参照して説明する。図26は、本実施例における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0159】
図26に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS1000)。この接続処理は、画像投影装置1と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図27におけるステップS1100〜S1104までの処理であり、後述する。
【0160】
ステップS1000における接続処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1010の画像属性情報送信処理に移行する。この画像属性情報送信処理は、仮想表示領域45にある画像に対してなされた操作に応じて画像属性情報通知データを作成し、この画像属性情報通知データを画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図28におけるステップS1200〜S1209までの処理であり、後述する。
【0161】
ステップS1010における画像属性情報送信処理が終了すると、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によって画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS1020)。この処理において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたと判定すると(ステップS1020:Yes)、制御部208は、操作命令送信処理を行う(ステップS1030)。この操作命令送信処理は、キーボード206又はマウス207により、画像投影装置1で投影されている画像が操作又は指示されたときに、この操作又は指示に基づく画像操作命令を画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図29におけるステップS1300〜S1303までの処理であり、後述する。
【0162】
ステップS1030における操作命令送信処理が終了したとき、或いは、ステップS1020において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われていないとき(ステップS1020:No)、制御部208は、画像投影装置1から操作入力遅延通知を受信済みであるか否かを判定する(ステップS1040)。この処理において、画像投影装置1から操作入力遅延通知を受信済みであると判定すると(ステップS1040:Yes)、制御部208は、当該操作入力遅延通知を自己の端末装置2の表示領域40に表示する(ステップS1050)。
【0163】
ステップS1050の処理を終えたとき、或いは、ステップS1040において画像投影装置1から操作入力遅延通知を受信済みでないとき(ステップS1040:No)、制御部208は、画像データ送信処理を行う(ステップS1060)。この画像データ送信処理は、画像投影装置1から送信される画像送信要求に基づいて、画像投影装置1に対して画像データの送信を行うものである。この処理は、図30におけるステップS1400〜S1402までの処理であり、後述する。
【0164】
ステップS1060における画像データ送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1070の操作命令再生処理に移行する。この操作命令再生処理は、画像投影装置1から送信される画像操作命令に基づいて、仮想表示領域45にある画像のデータファイルの編集を行うものである。この処理は、図31におけるステップS1500〜S1502までの処理であり、後述する。
【0165】
ステップS1070における操作命令再生処理が終了すると、制御部208は、画像投影装置1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS1080)。この処理において、画像投影装置1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS1080:No)、制御部208は、処理をステップS1010に移行する。一方、画像投影装置1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS1080:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0166】
次に、ステップS1000における接続処理について、図27を用いて具体的に説明する。図27は、本実施例における端末装置2の接続処理フローチャートである。
【0167】
図27に示すように、接続処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1に対して接続要求信号を送信する(ステップS1100)。
【0168】
次に、制御部208は、画像投影装置1から解像度の情報を受信したか否かを判定する(ステップS1101)。この処理において、画像投影装置1から解像度の情報を受信したと判定すると(ステップS1101:Yes)、制御部208は、LCD200による表示領域に隣接した仮想表示領域45を作成する(ステップS1102)。この際、作成される仮想表示領域45の解像度は、ステップS1101で画像投影装置1から受信した解像度の情報に基づき設定される。
【0169】
ステップS1102の処理が終了すると、制御部208は、起動準備が完了したことを画像投影装置1に通知する(ステップS1103)。そして、制御部208は、画像投影装置1から接続完了通知を受信したか否かを判定し(ステップS1104)、画像投影装置1から接続完了通知を通知したと判定すると(ステップS1104:Yes)、制御部208は、接続処理を終了する。
【0170】
次に、ステップS1010における画像属性情報送信処理について、図28を用いて具体的に説明する。図28は、本実施例における端末装置2の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【0171】
図28に示すように、画像属性情報送信処理を開始すると、制御部208は、仮想表示領域45に画像が追加されたか否かを判定する(ステップS1200)。この判定は、使用者がマウス207を用いて、LCD200の表示領域にある画像に対して所定の操作がなされたか否かにより判定される。ここで、所定の操作とは、LCD200の表示領域にある画像を仮想表示領域45に移動させる、或いは当該画像に設けられている所定のボタンを押下することにより行われる。この処理において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定すると(ステップS1200:Yes),制御部208は、処理をステップS1201に移行する。
【0172】
ステップS1201において、制御部208は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の画像属性情報を取得し(ステップS1201)、画像属性情報の追加フラグをセットする(ステップS1202)。
【0173】
ステップS1200において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定しないとき(ステップS1200:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動したか、又は削除されたか否かを判定する(ステップS1203)。この処理において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定すると(ステップS1203:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45から移動又は削除された画像のウィンドウIDを取得し(ステップS1204)、画像属性情報の削除フラグをセットする(ステップS1205)。
【0174】
ステップS1203において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定しないとき(ステップS1203:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたか否かを判定する(ステップS1206)。この判定は、仮想表示領域45にある画像の位置やサイズが変更されたか否かにより判定される。この処理において、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたと判定すると(ステップS1206:Yes)、制御部208は、当該更新された画像属性情報を取得する(ステップS1207)。
【0175】
ステップS1202、S1205、S1207の処理が終了したとき、制御部208は、各処理の結果に応じた画像属性情報通知データを作成し(ステップS1208)、画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1209)。すなわち、仮想表示領域45に新たに画像が追加された場合は、追加された画像の画像属性情報のうち、当該画像のウィンドウID、位置情報、サイズ情報、画像データのファイル名の情報、及び画像属性情報の追加フラグデータを含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動されたとき、或いは削除されたときは、移動、或いは削除された画像のウィンドウID、及び画像属性情報の削除フラグデータを含むウィン情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、画像属性情報が更新されたときは、更新された画像の画像属性情報を含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。
【0176】
ステップS1209の処理が終了したとき、或いはステップS1206において、画像属性情報が更新されたと判定しないとき(ステップS1206:No)、制御部208は、画像属性情報送信処理を終了する。
【0177】
次に、ステップS1030における操作命令送信処理について図29を用いて具体的に説明する。図29は、本実施例における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0178】
図29に示すように、操作命令送信処理を開始すると、制御部208は、操作入力情報を取得するとともに(ステップS1300)、当該操作入力に基づく操作が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、操作入力情報を破棄する(ステップS1301)。
【0179】
次に、制御部208は、カーソル画像5の位置座標を画像投影装置1の投影領域60に規定される座標に変換し(ステップS1302)、画像操作命令を画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1303)。
【0180】
ステップS1303の処理を終了したとき、制御部208は、操作命令送信処理を終了する。
【0181】
なお、この操作命令送信処理が行われる場合としては、カーソル画像5の移動操作の場合は、当該カーソル画像5の移動先が仮想表示領域45内にあるとき、或いは、カーソル画像5が仮想表示領域45から端末装置2の表示領域40へ移動したときであり、また、キー入力操作の場合は、カーソル画像5の位置が仮想表示領域45にある状態でキー入力がなされた場合である。
【0182】
次に、ステップS1060における画像データ送信処理について、図30を用いて具体的に説明する。図30は、本実施例における画像データ送信処理フローチャートである。
【0183】
図30に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から仮想表示領域45にある画像の画像データの送信要求があったか否かを判定する(ステップS1400)。この判定は、画像投影装置1から、画像データ送信要求信号を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像データの送信要求があったと判定すると(ステップS1400:Yes)、制御部208は、受信した画像データ送信要求に基づき、仮想表示領域45にある画像の一部又は全部の画像データをキャプチャし、当該キャプチャした画像データをBMP(Bit Map)形式からJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に変換することにより当該画像データを圧縮して(ステップS1401)、この圧縮した画像データを画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1402)。ステップS1402の処理を終了したとき、或いはステップS1400において、画像投影装置1から画像データの送信要求があったと判定しないとき(ステップS1400:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0184】
次に、ステップS1070における操作命令再生処理について、図31を用いて具体的に説明する。図31は、本実施例における端末装置2の操作命令再生処理フローチャートである。
【0185】
図31に示すように、操作命令再生処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS1500)。この処理において、画像投影装置1から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS1500:Yes)、制御部208は、受信した画像操作命令を再生することにより(ステップS1501)、操作の対象となるデータファイルに応じたアプリケーションプログラムに対して、当該画像操作命令に基づく編集操作を実行させる(ステップS1502)。
【0186】
ステップS1502の処理を終えたとき、或いは、ステップS1500において画像操作命令を受信していないとき(ステップS1500:No)、制御部208は、操作命令再生処理を終了する。
【0187】
(第2実施形態について)
上述の実施形態において、画像投影装置1の決定部は、複数の端末装置2のうち一の端末装置2における操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置2の操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしたが、さらに、同決定部は、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2が自己の仮想表示領域45の操作を行っていると判断すると、操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしてもよい。
【0188】
また、上述の実施形態において、端末装置2の操作命令送信部は、操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を画像投影装置へ通信経路3を介して送信することとしたが、画像操作命令を送信する前に、当該画像操作命令の受信を画像投影装置1へ要求するようにしてもよい。これにより、端末装置2は、画像投影装置1から許可されなければ画像操作命令の送信を行わないため、通信経路にかかる負荷を軽減させることができる。
【0189】
以下、かかる場合について図面を用いて具体的に説明する。ここで、端末装置2は、図2(b)で示す構成以外に、許可要求部を有している。すなわち、端末装置2の制御部208は、当該制御部208のCPUがハードディスク装置202に格納された画像共有プログラムを読み出して実行することによって、許可要求部として機能することにより、操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令の受信を画像投影装置1へ要求する。
【0190】
そして、第2実施形態において制御部208は、操作命令送信部として機能することにより、画像投影装置1から許可されたとき、画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信する。
【0191】
また、画像投影装置1の制御部108は、決定部として機能することにより、端末装置2から画像操作命令の受信要求があったとき、当該端末装置2へ受信要求の許可をするか否かを決定する。
【0192】
特に、制御部108は、決定部として機能することにより、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2の仮想表示領域45の操作が行われていると判断すると、操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしている。
【0193】
そして、第2実施形態において制御部108は、操作情報処理部として機能することにより、決定部による決定結果を端末装置2へ通知し、その後、受信要求が許可された端末装置2から送信された画像操作命令を、この画像操作命令による操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2へ、通信経路3を介して送信する。
【0194】
特に、制御部108は、操作情報処理部として機能することにより、決定部が受信要求を許可する決定を行うと、決定結果として許可応答を受信要求を行った端末装置へ送信し、その他の端末装置へは、画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信することとしている。
【0195】
次に、第2実施形態における画像投影システムSの概略的な処理について、図32を用いて説明する。図32は第2実施形態における画像投影システムSの処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本実施形態では、操作入力排他処理等の第1実施形態において既に説明した処理については、その説明を省略するものとする。
【0196】
図32に示すように、端末装置2aの利用者が操作部25を用いて、画像投影装置1で投影されている複数の画像30のうち、端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aに対してドラッグ操作を行うと、端末装置2aは、当該操作入力を検出する(ステップS30)。
【0197】
次に、端末装置2aは、許可要求部により、検出した操作に応じた画像操作命令の受信を画像投影装置1へ要求する(ステップS31)。
【0198】
次に、画像投影装置1は、決定部により、受信要求に基づき、端末装置2aへ当該受信要求の許可をするか否かを決定する。(ステップS32)。この処理において、端末装置2aは、自己の仮想表示領域45aにある画像30aに対して操作を行っているため、画像投影装置1は、端末装置2aへ当該受信要求を許可する決定を行う。
【0199】
次に、画像投影装置1は、操作情報処理部により、端末装置2a以外の端末装置2b、2cに対して画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信する(ステップS33)。
【0200】
次に、不許可指示を受信した端末装置2b、2cは、不許可設定を行う(ステップS34)。これにより、端末装置2b、2cは、画像投影装置1への画像操作命令の送信が制限された状態となる。
【0201】
次に、画像投影装置1は、操作情報処理部により、端末装置2aに対して、画像操作命令の送信を許可するための許可応答を送信する(ステップS35)。そして、端末装置2aは、許可応答を受信すると、画像操作命令を画像投影装置1へ送信する(ステップS36)。
【0202】
次に、端末装置2aから画像操作命令を受信した画像投影装置1は、操作情報処理部により、この画像操作命令を、送信すべき端末装置2毎に当該画像操作命令を振り分ける処理を行う(ステップS37)。ここでは、この画像操作命令は、端末装置2aに送信されるように振り分けられる。そして、画像投影装置1は、操作情報処理部により、端末装置2aから受信した画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2aに送信する(ステップS38)。
【0203】
次に、画像操作命令を受信した端末装置2aは、編集部により、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、この再生した操作入力に応じて、画像30aに対してドラッグ操作を行う(ステップS39)。
【0204】
次に、端末装置2aの利用者が操作部25を用いたドラッグ操作を終えたとき、すなわち、ドロップ操作を行ったとき、端末装置2aは、当該ドロップ操作を検出する(ステップS40)。次に、端末装置2aは、操作命令送信部により、当該ドロップ操作に基づく画像操作命令を画像投影装置1へ通信経路3を介して送信するとともに、画像操作命令の送信許可状態を解除するための許可解除要求を画像投影装置1へ送信する(ステップS41)。なお、本実施形態において、許可応答を受信した端末装置2は、再度許可応答を送信することなく画像操作命令を画像投影装置1へ送信することができる。
【0205】
次に、画像投影装置1は、操作情報処理部により、端末装置2aから受信した画像操作命令を、端末装置2aに振り分ける処理を行う(ステップS42)。そして、画像投影装置1は、操作情報処理部により、この画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2aに送信するとともに、端末装置2aから受信した許可解除要求に応じて許可解除応答を送信する(ステップS43)。
【0206】
次に、端末装置2aは、受信した画像操作命令に基づく操作入力を再生して、当該再生した操作入力に応じて、画像30cの移動操作を終了する(ステップS44)。
【0207】
次に、画像投影装置1は、画像操作命令の送信禁止を解除するための不許可解除指示を端末装置2b、2cへ送信する(ステップS45)。そして、この不許可解除指示を受信した端末装置2b、2cは、ステップS34において行った不許可設定を解除する(ステップS46)。
【0208】
(画像投影装置の具体的動作について)
次に、画像投影装置1の具体的動作の一例について、図33〜図36を用いて説明する。図33は本実施形態における画像投影装置1のメイン処理フローチャートである。
【0209】
図33に示すように、本実施形態にかかる画像投影装置1のメイン処理においてステップS2000〜2006までの処理は、図16のステップS100〜160までの処理と同様であり、その説明を省略する。
【0210】
ステップS2006の処理を終了すると、制御部108は、端末装置2から許可要求を受信したか否かを判定する(ステップS2007)。この処理において、端末装置2から許可要求を受信したと判定すると(ステップS2007:Yes)、制御部108は、許可要求処理を行う(ステップS2008)。この許可要求処理は、許可要求を送信した端末装置2に対して許可応答を送信するとともに、その他の端末装置2に対して不許可指示の送信を行うものである。この処理は、図34におけるステップS2100〜S2102までの処理であり、後述する。
【0211】
ステップS2008の許可要求処理を終了したとき、或いは、ステップS2007において端末装置2から許可要求を受信していないとき(ステップS2007:No)、制御部108は、端末装置2から許可解除要求を受信したか否かを判定する(ステップS2009)。この処理において、端末装置2から許可解除要求を受信したと判定すると(ステップS2009:Yes)、制御部108は、許可解除要求処理を行う(ステップS2010)。この許可解除要求処理は、許可解除要求を送信した端末装置2の入力許可状態を解除するとともに、他の端末装置2の入力不許可状態を解除するものである。この処理は、図35におけるステップS2200〜S2201までの処理であり、後述する。
【0212】
ステップS2010における許可解除要求処理を終えたとき、或いは、ステップS2009において端末装置2から許可解除要求を受信していないとき(ステップS2009:No)、制御部108は、端末装置2から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS2011)。この処理において、端末装置2から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS2011:Yes)、制御部108は、操作命令振り分け処理を行う(ステップS2012)。この操作命令振り分け処理は、端末装置2から受信した画像操作命令による操作対象の画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信するものである。この処理は、図36におけるステップS2300〜S2302までの処理であり、後述する。
【0213】
ステップS2012の処理を終えたとき、或いは、ステップS2011において端末装置2から画像操作命令を受信していないとき(ステップS2011:No)、制御部108は、電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS2013)、電源がOFFされていないとき(ステップS2013:No)、処理をステップS2000に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS2013:Yes)、制御部108は、メイン処理を終了する。
【0214】
次に、ステップS2008における許可要求処理について、図34を用いて具体的に説明する。図34は本実施形態における画像投影装置1の許可要求処理フローチャートである。
【0215】
図34に示すように、許可要求処理を開始すると、制御部108は、既に許可済みの端末装置2があるか否かを判定する(ステップS2100)。この処理において、許可済みの端末装置2がないとき(ステップS2100:No)、制御部108は、許可要求を送信した端末装置2に対して許可応答を送信するとともに(ステップS2101)、その他の端末装置2に対して不許可指示を送信する(ステップS2102)。
【0216】
このように、端末装置2の制御部208は、受信要求を行った端末装置2へ許可応答を送信するとともに、その他の端末装置2へは、画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信することにより、不許可指示を受信した端末装置は、画像投影装置に対して受信要求を送信することがないため、画像操作命令を許可された端末装置以外の端末装置からの受信要求の送信を未然に防ぐことができ、これにより、通信経路にかかる負荷を軽減させることが可能となる。
【0217】
ステップS2102の処理を終了したとき、或いは、ステップS2100において許可済みの端末装置2があると判定したとき(ステップS2100:Yes)、制御部108は、許可要求処理を終了する。
【0218】
次に、ステップS2010における許可解除要求処理について、図35を用いて具体的に説明する。図35は本実施形態における画像投影装置1の許可解除要求処理フローチャートである。
【0219】
図35に示すように、許可解除要求処理を開始すると、制御部108は、許可解除要求を送信した端末装置2に対して許可解除応答を送信するとともに(ステップS2200)、その他の端末装置2に対して不許可解除指示を送信する(ステップS2201)。
【0220】
ステップS2201の処理を終了したとき、制御部108は、許可解除要求処理を終了する。
【0221】
次に、ステップS2012における操作命令振り分け処理について、図36を用いて具体的に説明する。図36は本実施形態における操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0222】
図36に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のカーソル画像5の位置情報を取得する(ステップS2300)。次に、制御部108は、取得したカーソル画像5の位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS2301)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS2302)。この処理を終了すると、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0223】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図37〜図41を参照して説明する。図37は、本実施形態における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0224】
図37に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS3000)。この接続処理は、実施形態1におけるステップS1000の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0225】
ステップS3000における接続処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS3001の画像属性情報送信処理に移行する。この画像属性情報送信処理は、実施形態1におけるステップS1010の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0226】
ステップS3001の画像属性情報送信処理を終了すると、制御部108は、不許可設定処理を行う(ステップS3002)。この不許可設定処理は、画像投影装置1から送信される不許可指示或いは不許可解除指示に応じて、操作入力の許可・不許可の設定を行うものである。この処理は、図38におけるステップS3100〜S3104までの処理であり、後述する。
【0227】
次に、制御部208は、操作入力の許可・不許可の設定が不許可に設定されているか否かを判定する(ステップS3003)。この処理において、操作入力の許可・不許可の設定が不許可に設定されていないとき(ステップS3003:No)、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によって画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS3004)。この処理において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたと判定すると(ステップS3004:Yes)、制御部208は、許可要求処理を行う(ステップS3005)。この許可要求処理は、画像投影装置1に対して許可要求の送信を行うものである。この処理は、図39におけるステップS3200〜S3207までの処理であり、後述する。
【0228】
ステップS3005の許可要求処理を終了したとき、制御部208は、操作命令送信処理を行う(ステップS3006)。この操作命令送信処理は、キーボード206又はマウス207により、画像投影装置1で投影されている画像が操作又は指示されたときに、この操作又は指示に基づく画像操作命令を画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図40におけるステップS3300〜S3302までの処理であり、後述する。
【0229】
ステップS3006における操作命令送信処理を終了したとき、或いは、ステップS3003において操作入力の許可・不許可の設定が不許可に設定されていると判定したとき(ステップS3003:Yes)、又は、ステップS3004において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われていないとき(ステップS3004:No)、制御部208は、許可解除処理を行う(ステップS3007)。この許可解除処理は、操作入力の許可・不許可の設定状態を解除するものである。この処理は、図41におけるステップS3400〜3404までの処理であり、後述する。
【0230】
ステップS3007の許可解除処理を終了すると、制御部208は、画像データ送信処理を行う(ステップS3008)。この画像データ送信処理は、実施形態1におけるステップS1060の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0231】
ステップS3008の画像データ送信処理を終了すると、制御部208は、操作命令再生処理を行う(ステップS3009)。この操作命令再生処理は、実施形態1におけるステップS1070の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0232】
ステップS3009における操作命令再生処理が終了すると、制御部208は、画像投影装置1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS3010)。この処理において、画像投影装置1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS3010:No)、制御部208は、処理をステップS3001に移行する。一方、画像投影装置1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS3010:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0233】
次に、ステップS3002における不許可設定処理について、図38を用いて具体的に説明する。図38は本実施形態における端末装置2の不許可設定処理フローチャートである。
【0234】
図38に示すように、不許可設定処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から不許可指示を受信したか否かを判定する(ステップS3100)。この処理において、画像投影装置1から不許可指示を受信したと判定すると(ステップS3100:Yes)、制御部208は、不許可設定を行う(ステップS3101)。
【0235】
一方、ステップS3100において、画像投影装置1から不許可指示を受信していないとき(ステップS3100:No)、制御部208は、画像投影装置1から不許可解除指示を受信したか否かを判定する(ステップS3102)。この処理において、画像投影装置1から不許可解除指示を受信したと判定すると(ステップS3102:Yes)、制御部208は、不許可設定を解除し(ステップS3103)、不許可設定が解除された旨を端末装置2の表示領域40に表示する(ステップS3104)。
【0236】
ステップS3101、S3104の処理を終了したとき、或いは、ステップS3102において、画像投影装置1から不許可解除指示を受信していないとき(ステップS3102:No)、制御部208は、不許可設定処理を終了する。
【0237】
次に、ステップS3005における許可要求処理について、図39を用いて具体的に説明する。図39は本実施形態における端末装置2の許可要求処理フローチャートである。
【0238】
図39に示すように、許可要求処理を開始すると、制御部208は、キーボード206或いはマウス207による操作入力に基づく操作入力情報を取得する(ステップS3200)。
【0239】
次に、制御部208は、取得した操作入力が自己の仮想表示領域45にある画像に対するものであるか否かを判定する(ステップS3201)。この処理において、取得した操作入力が自己の仮想表示領域45にある画像に対するものであると判定すると(ステップS3201:Yes)、制御部208は、処理をステップS3202に移行する。
【0240】
ステップS3202において、制御部208は、ローカル入力許可フラグが有効であるか否かを判定する。この処理において、ローカル入力許可フラグが有効でないとき(ステップS3202:No)、制御部208は、許可要求を画像投影装置1へ送信する(ステップS3203)。
【0241】
次に、制御部208は、画像投影装置1から許可応答を受信したか否かを判定する(ステップS3204)。この処理において、画像投影装置1から許可応答を受信していないとき(ステップS3204:No)、制御部208は、許可中の端末装置2が存在する旨を自己の端末装置2の表示領域40に表示する(ステップS3205)。
【0242】
一方、ステップS3204において、画像投影装置1から許可応答を受信したと判定すると(ステップS3204:Yes)、制御部208は、ローカル許可フラグを有効する(ステップS3206)。
【0243】
ステップS3206の処理を終了したとき、或いは、ステップS3202において、ローカル入力許可フラグが有効であると判定すると(ステップS3202:Yes)、制御部208は、ローカル処理を行う(ステップS3207)。すなわち、制御部208は、取得した操作入力に基づき仮想表示領域45にある画像の操作を、画像投影装置1へ画像操作命令を送信することなく行い、当該操作が終了した後に、操作後の画像に基づく画像属性情報を画像投影装置1に対して送信する。
【0244】
ステップS3207、S3205の処理を終了したとき、或いは、ステップS3201において、取得した操作入力が自己の仮想表示領域45にある画像に対するものでないとき(ステップS3201:No)、制御部208は、許可要求処理を終了する。
【0245】
次に、ステップS3006における操作命令送信処理について、図40を用いて具体的に説明する。図40は本実施形態における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0246】
図40に示すように、取得した操作入力に基づく操作が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、操作入力情報を破棄する(ステップS3300)。
【0247】
次に、制御部208は、カーソル画像5の位置座標を画像投影装置1の投影領域60に規定される座標に変換し(ステップS3301)、画像操作命令を画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS3302)。この処理を終了したとき、制御部208は、操作命令送信処理を終了する。
【0248】
次に、ステップS3007における許可解除処理について、図41を用いて具体的に説明する。図41は本実施形態における端末装置2の許可解除処理フローチャートである。
【0249】
図41に示すように、許可解除処理を開始すると、制御部208は、ローカル入力許可フラグが有効であるか否かを判定する(ステップS3400)。この処理において、ローカル入力許可フラグが有効であると判定すると(ステップS3400:Yes)、制御部208は、処理をステップS3401に移行する。
【0250】
ステップS3401において、制御部208は、許可解除条件を満たすか否かを判定する。この処理において、許可解除条件を満たすと判定すると(ステップS3401:Yes)、 制御部208は、許可解除要求を画像投影装置1へ送信する(ステップS3402)。
【0251】
次に、制御部208は、画像投影装置1から許可解除応答を受信したか否かを判定する(ステップS3403)。この処理において、画像投影装置1から許可解除応答を受信したと判定すると(ステップS3403:Yes)、制御部208は、ローカル入力許可フラグを無効にする(ステップS3404)。
【0252】
一方、ステップS3400においてローカル入力許可フラグが有効でないとき(ステップS3400:No)、ステップS3401において許可解除条件を満たしていないとき(ステップS3401:No)、ステップS3403において許可解除応答を受信していないとき(ステップS3403:No)、或いは、ステップS3404の処理が終了したとき、制御部208は、許可解除処理を終了する。
【0253】
(第3実施形態について)
第2実施形態において、画像投影装置1の決定部は、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2が自己の仮想表示領域45の操作を行っていると判断すると、操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしたが、これに代えて、同決定部は、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2の仮想表示領域45以外の表示領域40の操作が行われていると判断すると、操作部への操作の情報を送信制限する決定を行うこととしてもよい。
【0254】
かかる構成とすることにより、各端末装置2の利用者は、自己の端末装置2の表示領域40への操作を、他の端末装置2の利用者による当該自己の仮想表示領域45への操作に優先して行うことができる。
【0255】
また、第2実施形態において、画像投影装置1の操作情報処理部は、一の端末装置2に対して許可応答を送信した際、その他の端末装置2へは、画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信することとしたが、その他の端末装置2への不許可指示の送信を行わず、操作入力を許可している端末装置2が存在するときに他の端末装置2から許可要求を受信すると、操作入力中の端末装置2があることを通知するための入力操作中情報を当該他の端末装置2へ送信することとしてもよい。以下、かかる場合について図面を用いて具体的に説明する。
【0256】
(画像投影システムSの構成及び概要)
第3実施形態において、端末装置2の制御部208は、決定部として機能することにより、端末装置2の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像30の画像データを送信した端末装置2の仮想表示領域45以外の表示領域40の操作が行われていると判断すると、操作部への操作の情報を送信制限する決定を行う。
【0257】
次に、第3実施形態における画像投影システムSの概略的な処理について、図42を用いて説明する。図42は第3実施形態における画像投影システムSの処理の一例を示すシーケンス図である。
【0258】
図42に示すように、端末装置2aの利用者が操作部25を用いて、自己の表示領域40aにある画像30に対してドラッグ操作を行うと、端末装置2aは、当該操作入力を検出する(ステップS50)。
【0259】
次に、端末装置2aは、許可要求部により、検出した操作入力の再生の許可を画像投影装置1へ要求する(ステップS51)。
【0260】
次に、画像投影装置1は、決定部により、端末装置2aの表示領域40への操作入力を許可をするか否かを決定する(ステップS52)。この処理において、端末装置2aの表示領域40への操作入力を許可をすると決定すると、画像投影装置1は、操作情報処理部により、端末装置2aに対して、操作入力の再生を許可するための許可応答を送信する(ステップS53)。そして、端末装置2aは、許可応答を受信すると、編集部により、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、この再生した操作入力に応じて、画像30に対してドラッグ操作を行う(ステップS54)。
【0261】
次に、端末装置2aの利用者が操作部25を用いたドラッグ操作を終えたとき、すなわち、ドロップ操作を行ったとき、端末装置2aは、当該ドロップ操作を検出する(ステップS55)。次に、端末装置2aは、許可要求部により、許可解除要求を画像投影装置1へ送信するとともに(ステップS56)、編集部により、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して、この再生した操作入力に応じて、画像30の移動操作を終了する(ステップS57)。
【0262】
また、許可解除要求を受信した画像投影装置1は、端末装置2に対して許可解除応答を送信する(ステップS58)。
【0263】
一方、許可応答を受信した端末装置2aが自己の表示領域40にある画像30を操作中に、端末装置2bが端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aに対して操作を行った場合、先ず、端末装置2bは、当該操作入力を検出し(ステップS59)、当該操作に応じた画像操作命令の受信を画像投影装置1に対して要求する(ステップS60)。
【0264】
次に、画像投影装置1は、決定部により、端末装置2bの要求を許可するか否かを決定する(ステップS61)。ここで、端末装置2bは、端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aに対する操作を行っており、端末装置2aは、画像投影装置1から許可応答を受けて自己の表示領域40にある画像30を操作中であるため、画像投影装置1は、決定部により、当該端末装置2bの要求を許可しないと決定する。
【0265】
次に、画像投影装置1は、端末装置2bに対して、許可応答を受けて自己の端末装置2の表示領域40にある画像30を操作中の端末装置2が存在することを通知するための入力操作中情報を送信する(ステップS62)。そして、当該入力操作中情報を受信した端末装置2bは、この入力操作中情報の内容を自己の表示領域40bに表示する(ステップS63)。
【0266】
また、画像投影装置1は、ステップS58において、端末装置2aに対して許可解除応答を送信した後、端末装置2bに対して、端末装置2aの入力操作が終了したことを通知するための入力操作終了情報を送信する(ステップS64)。そして、入力操作終了情報を受信した端末装置2bは、当該入力操作終了情報の内容を自己の表示領域40bに表示する(ステップS65)。
【0267】
(画像投影装置の具体的動作について)
次に、画像投影装置1の具体的動作の一例について、図43〜図45を用いて説明する。
【0268】
ここで、第3実施形態における画像投影装置1の処理は、実施形態2における許可要求処理、許可解除要求処理、操作命令振り分け処理を以下のように変更する。
【0269】
先ず、本実施形態における許可要求処理について、図43を用いて具体的に説明する。図43は、本実施形態における画像投影装置1の許可要求処理フローチャートである。
【0270】
図43に示すように、許可要求処理を開始すると、制御部108は、許可要求を送信した端末装置2に対して許可応答を送信する(ステップS4100)。この処理を終了したとき、制御部108は、許可要求処理を終了する。
【0271】
このように、本実施形態において、制御部108は、実施形態2における許可要求処理のように、許可応答を送信した端末装置2以外の端末装置2に対する不許可指示の送信を行わない。
【0272】
次に、本実施形態における許可解除要求処理について、図44を用いて具体的に説明する。図44は本実施形態における画像投影装置1の許可解除要求処理フローチャートである。
【0273】
図44に示すように、許可解除要求処理を開始すると、制御部108は、許可解除要求を送信した端末装置2に対して許可解除応答を送信するとともに(ステップS4200)、その他の端末装置2に対して入力操作終了情報を送信する(ステップS4201)この処理を終了したとき、制御部108は、許可解除要求処理を終了する。
【0274】
次に、本実施形態における操作命令振り分け処理について、図45を用いて具体的に説明する。図45は本実施形態における操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0275】
図45に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、受信した画像操作命令が許可済みの端末装置2に対するものであるか否かを判定する(ステップS4200)。この処理において、受信した画像操作命令が許可済みの端末装置2に対するものであると判定すると(ステップS4200:Yes)、制御部108は、処理をステップS4201へ移行する。
【0276】
ステップS4201において、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のカーソル画像5の位置情報を取得する。次に、制御部108は、取得したカーソル画像5の位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS4202)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS4203)。
【0277】
一方、ステップS4200において、受信した画像操作命令が許可済みの端末装置2に対するものでないとき(ステップS4200:No)、制御部108は、許可済みの端末装置2以外の端末装置2に対して入力操作中情報を送信する(ステップS4204)。
【0278】
ステップS4203、S4204の処理を終了したとき、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0279】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図46〜図48を参照して説明する。図46は、本実施形態における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0280】
図46に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS5000)。この接続処理は、実施形態1におけるステップS1000の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0281】
ステップS5000における接続処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS5001の画像属性情報送信処理に移行する。この画像属性情報送信処理は、実施形態1におけるステップS1010の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0282】
ステップS5001の画像属性情報送信処理を終了すると、制御部208は、表示処理を行う(ステップS5002)。この表示処理は、端末装置2の表示領域に画像投影装置1から送信される入力操作中情報或いは入力操作終了情報に応じた情報の表示を行うものである。この処理は、図47におけるステップS5100〜S5103までの処理であり、後述する。
【0283】
次に、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によって端末装置2から操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS5003)。この処理において、端末装置2から操作入力が行われたと判定すると(ステップS5003:Yes)、制御部208は、許可要求処理を行う(ステップS5004)。この許可要求処理は、画像投影装置1に対して許可要求の送信を行うものである。この処理は、図48におけるステップS5200〜S5207までの処理であり、後述する。
【0284】
ステップS5004の許可要求処理を終了したとき、制御部208は、許可応答を受信済みであるか否かを判定する(ステップS5005)。この処理において、許可応答を受信済みでないとき(ステップS5005:No)、制御部208は、操作命令送信処理を行う(ステップS5006)。この操作命令送信処理は、実施形態2におけるステップS3006の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0285】
一方、ステップS5005において、許可応答を受信済みであると判定すると(ステップS5005:Yes)、制御部208は、ローカル処理を行う(ステップS5007)。すなわち、制御部208は、取得した操作入力に基づき、自己の端末装置2の表示領域40にある画像の操作を行う。
【0286】
ステップS5006、S5007の処理を終了したとき、或いは、ステップS5003において画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われていないとき(ステップS5003:No)、制御部208は、許可解除処理を行う(ステップS5008)。この許可解除処理は、実施形態2におけるステップS3007の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0287】
ステップS5008の許可解除処理を終了すると、制御部208は、画像データ送信処理を行う(ステップS5009)。この画像データ送信処理は、実施形態1におけるステップS1060の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0288】
ステップS5009の画像データ送信処理を終了すると、制御部208は、操作命令再生処理を行う(ステップS5010)。この操作命令再生処理は、実施形態1におけるステップS1070の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0289】
ステップS5010における操作命令再生処理が終了すると、制御部208は、画像投影装置1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS5011)。この処理において、画像投影装置1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS5011:No)、制御部208は、処理をステップS5001に移行する。一方、画像投影装置1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS5011:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0290】
次に、ステップS5002における表示処理について、図47を用いて具体的に説明する。図47は本実施形態における端末装置2の表示処理フローチャートである。
【0291】
図47に示すように、表示処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から入力操作中情報を受信したか否かを判定する(ステップS5100)。この処理において、画像投影装置1から入力操作中情報を受信したと判定すると(ステップS5100:Yes)、制御部208は、自己の端末装置2の表示領域40に他の端末装置2が入力操作中である旨を表示する(ステップS5101)。
【0292】
一方、ステップS5100において、画像投影装置1から入力操作中情報を受信していないとき(ステップS5100:No)、制御部208は、画像投影装置1から入力操作終了情報を受信したか否かを判定する(ステップS5102)。この処理において、画像投影装置1から入力操作終了情報を受信したと判定すると(ステップS5102:Yes)、制御部208は、他の端末装置2による入力操作が終了した旨を端末装置2の表示領域40に表示する(ステップS5103)。
【0293】
ステップS5101、S5103の処理を終了したとき、或いは、ステップS5102において画像投影装置1から入力操作終了情報を受信していないとき(ステップS5102:No)、制御部208は、表示処理を終了する。
【0294】
次に、ステップS5004における許可要求処理について、図48を用いて具体的に説明する。図48は本実施形態における端末装置2の許可要求処理フローチャートである。
【0295】
図48に示すように、許可要求処理を開始すると、制御部208は、キーボード206或いはマウス207による操作入力に基づく操作入力情報を取得する(ステップS5200)。
【0296】
次に、制御部208は、取得した操作入力が自己の表示領域40にある画像に対するものであるか否かを判定する(ステップS5201)。この処理において、取得した操作入力が自己の表示領域40にある画像に対するものであると判定すると(ステップS5201:Yes)、制御部208は、処理をステップS5202に移行する。
【0297】
ステップS5202において、制御部208は、ローカル入力許可フラグが有効であるか否かを判定する。この処理において、ローカル入力許可フラグが有効でないとき(ステップS5202:No)、制御部208は、許可要求を画像投影装置1へ送信する(ステップS5203)。
【0298】
次に、制御部208は、画像投影装置1から許可応答を受信したか否かを判定する(ステップS5204)。この処理において、画像投影装置1から許可応答を受信していないとき(ステップS5204:No)、制御部208は、許可中の端末装置2が存在する旨を自己の端末装置2の表示領域40に表示する(ステップS5205)。
【0299】
一方、ステップS5204において、画像投影装置1から許可応答を受信したと判定すると(ステップS5204:Yes)、制御部208は、ローカル許可フラグを有効する(ステップS5206)。
【0300】
ステップS5205、S5206、の処理を終了したとき、又は、ステップS5201において、取得した操作入力が自己の仮想表示領域45にある画像に対するものでないとき(ステップS5201:No)、又はステップS5202において、ローカル入力許可フラグが有効であると判定すると(ステップS5202:Yes)、制御部208は、許可要求処理を終了する。
【0301】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0302】
【図1】本実施形態における画像投影システムの全体的なシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置及び端末装置の概略構成図であって、図2(a)は画像投影装置の概略構成図、図2(b)は端末装置の概略構成図である。
【図3】本実施形態における画像投影システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【図4】本実施形態における画像投影装置の投影領域に投影される画像の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における画像投影システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態における画像投影装置の投影領域に投影される画像の一例を示す図である。
【図7】本実施形態における画像投影装置の構成図である。
【図8】本実施形態における画像投影装置に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施形態における画像投影装置の投影領域に規定された座標を説明するための図である。
【図10】本実施形態における画像投影装置に記憶される接続情報管理テーブルの一例である。
【図11】本実施形態における画像投影装置に記憶されるカーソル情報管理テーブルの一例である。
【図12】本実施形態における画像投影装置に記憶される入力終了条件テーブルの一例である。
【図13】本実施形態における画像投影装置に記憶される操作入力バッファテーブルの一例である。
【図14】本実施形態における端末装置の構成図である。
【図15】本実施形態における端末装置に設けられる仮想表示領域の配置例である。
【図16】本実施形態における画像投影装置のメイン処理フローチャートである。
【図17】本実施形態における画像投影装置の接続処理フローチャートである。
【図18】本実施形態における画像投影装置の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【図19】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理フローチャートである。
【図20】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理において算出される各画像データの表示領域の概略図である。
【図21】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理フローチャートである。
【図22】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理において、画像データの表示領域が矩形領域に分割される際の分割の態様の一例を示した説明図である。
【図23】本実施形態における画像投影装置の操作入力排他処理フローチャートである。
【図24】本実施形態における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図25】本実施形態における画像投影装置の許可解除処理フローチャートである。
【図26】本実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図27】本実施形態における端末装置の接続処理フローチャートである。
【図28】本実施形態における端末装置の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【図29】本実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図30】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理フローチャートである。
【図31】本実施形態における端末装置の操作命令再生処理フローチャートである。
【図32】第2実施形態における画像投影システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【図33】第2実施形態における画像投影装置のメイン処理フローチャートである。
【図34】第2実施形態における画像投影装置の許可要求処理フローチャートである。
【図35】第2実施形態における画像投影装置の許可解除要求処理フローチャートである。
【図36】第2実施形態における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図37】第2実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図38】第2実施形態における端末装置の不許可設定処理フローチャートである。
【図39】第2実施形態における端末装置の許可要求処理フローチャートである。
【図40】第2実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図41】第2実施形態における端末装置の許可解除処理フローチャートである。
【図42】第3実施形態における画像投影システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【図43】第3実施形態における画像投影装置の許可要求処理フローチャートである。
【図44】第3実施形態における端末装置の許可解除処理フローチャートである。
【図45】第3実施形態における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図46】第3実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図47】第3実施形態における端末装置の表示処理フローチャートである。
【図48】第3実施形態における端末装置の許可要求処理フローチャートである。
【図49】従来例の説明図である。
【図50】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0303】
S 画像投影システム
1 画像投影装置
2 端末装置
3 通信経路
5 カーソル画像
30 画像
40 端末装置の表示部の表示領域
45 仮想表示領域
47 連続部
60 画像投影装置の表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、これらの画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムであって、
前記端末装置は、
前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための操作部を備え、
前記画像投影装置は、
前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信するのか送信制限するのかを決定する決定部と、
前記決定部によって送信すると決定した前記操作の情報を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ、前記通信経路を介して送信する操作情報処理部と、を備えた
画像投影システム。
【請求項2】
前記決定部は、前記複数の端末装置のうち一の端末装置における前記操作部への操作開始から終了するまでの間は、他の端末装置の前記操作部への操作の情報を送信制限する決定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像投影システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置の所定表示領域以外の表示領域の操作が行われていると判断すると、前記操作部への操作の情報を送信制限する決定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像投影システム。
【請求項4】
前記操作情報処理部は、前記決定部が前記操作部への操作の情報を送信制限すると決定したときに、前記操作が所定の操作であるときには、所定期間遅延させて、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ前記操作の情報を送信する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像投影システム。
【請求項5】
前記操作情報処理部は、前記操作の情報の送信を所定期間遅延させる際に、当該操作が所定期間遅延された旨と当該操作の内容を当該画像投影装置の画像投影部により投影させる
ことを特徴とする請求項4に記載の画像投影システム。
【請求項6】
前記端末装置は、
前記操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部を備え、
前記画像投影装置において、
前記決定部は、前記画像操作命令を受信したとき、当該画像操作命令を前記操作の情報として送信するか送信制限するかを決定し、
前記操作情報処理部は、前記決定部によって送信すると決定した前記画像操作命令を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項7】
前記端末装置は、
前記操作部が操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令の受信を前記画像投影装置へ要求する許可要求部と、
前記画像投影装置から許可されたときに、前記画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備え、
前記画像投影装置において、
前記決定部は、前記端末装置から前記画像操作命令の受信要求があったとき、当該端末装置へ前記受信要求の許可をするか否かを決定し、
前記操作情報処理部は、前記決定部による決定結果を前記端末装置へ通知し、その後、前記受信要求が許可された端末装置から送信された前記画像操作命令を、この画像操作命令による操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ、前記通信経路を介して送信する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項8】
前記操作情報処理部は、前記決定部が前記受信要求の許可をする決定を行うと、当該決定結果として許可応答を前記受信要求を行った端末装置へ送信し、その他の端末装置へは、前記画像操作命令の送信を禁止するための不許可指示を送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像投影システム。
【請求項9】
前記端末装置は、
データファイルを記憶する記憶部と、
前記データファイルに基づいて生成された画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、
前記所定表示領域として、前記生成された画像データに基づく画像を表示可能であり、前記表示部の表示領域との連続部を有する仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備える
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項10】
複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、
前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、
前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記端末装置の操作部が操作されたとき、この操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ当該操作の情報を送信するのか送信制限するのかを決定する決定部と、
前記決定部によって送信すると決定した前記操作の情報を、前記操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ送信する操作情報処理部と、を備えた
ことを特徴とする画像投影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2009−86367(P2009−86367A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256842(P2007−256842)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】