画像生成装置および画像生成システム
【課題】 設備コストをかけることなく、画像データを送受可能な画像生成装置および画像生成システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、生徒が使用するコンピュータ1と、先生が使用するコンピュータ2とで構成される。各コンピュータ1,2は、背景画像格納部3と、複数の背景画像背景画像選択部4と、細目画像格納部5と、細目画像選択部6と、画像サイズ設定部7と、画像配置位置設定部8と、背景画像データを識別する情報や細目画像データを識別する情報等を互いに関連づけてフレキシブルディスク10に記憶する制御を行うFDD装置9と、を有する。生徒が作成した画像を画像データのままでフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像の種類、サイズ、向き、配置座標等を識別する情報をフレキシブルディスク10に格納するため、画像のデータ量を大幅に削減できる。
【解決手段】 本発明は、生徒が使用するコンピュータ1と、先生が使用するコンピュータ2とで構成される。各コンピュータ1,2は、背景画像格納部3と、複数の背景画像背景画像選択部4と、細目画像格納部5と、細目画像選択部6と、画像サイズ設定部7と、画像配置位置設定部8と、背景画像データを識別する情報や細目画像データを識別する情報等を互いに関連づけてフレキシブルディスク10に記憶する制御を行うFDD装置9と、を有する。生徒が作成した画像を画像データのままでフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像の種類、サイズ、向き、配置座標等を識別する情報をフレキシブルディスク10に格納するため、画像のデータ量を大幅に削減できる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作成した画像データをフレキシブルディスク等の画像情報記憶装置に記憶する画像生成装置および画像生成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、高性能のコンピュータが手軽に手に入るようになってきたこともあり、様々な分野でコンピュータが使われている。このような背景から、小学校等の教育現場でも、コンピュータを積極的に授業に取り入れることが多くなった。
【0003】小学校低学年の生徒に対してコンピュータを用いた授業を行う場合、文字や記号を扱うのは難しいので、絵を描いたり、絵や写真の取捨選択を行うためにコンピュータを使うことが多い。生徒が作成した絵などのデータは、フレキシブルディスクに格納して保管するのが一般的である。
【0004】先生が所有しているコンピュータには、生徒用のコンピュータと同じアプリケーションソフトウェア(例えば、画像処理ソフトウェア)がインストールされており、先生は、生徒から渡されたフレキシブルディスクからデータを読み出して、画面に画像を表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画像データは文字データに比べてデータ量が多いため、複雑な画像やサイズの大きな画像は一枚のフレキシブルディスクに格納できないおそれがある。
【0006】このような問題を回避するため、生徒のコンピュータと先生のコンピュータとをネットワークで接続して、ネットワークを介してデータの送受を行う手法も考えられるが、ネットワーク化するのは設備コストがかかり、また小学校低学年の生徒は使いこなせないおそれが高い。
【0007】本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備コストをかけることなく、簡易な手法で画像データを送受可能な画像生成装置および画像生成システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明は、任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納手段と、前記複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択手段と、前記背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納手段と、前記複数の細目画像データの少なくともいずれか一つを選択する細目画像選択手段と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定手段と、選択された細目画像データの前記背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定手段と、前記背景画像選択手段で選択された背景画像データを識別する情報、前記細目画像選択手段で選択された細目画像データを識別する情報、前記画像サイズ設定手段で設定されたサイズ、および前記画像配置位置設定手段で設定された配置位置を、互いに関連づけて画像情報記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、を備える。
【0009】本発明では、背景画像と細目画像のデータ自体を画像情報記憶装置に記憶するのではなく、背景画像と細目画像の識別情報を記憶するため、一画像あたりのデータ量を大幅に削減できる。したがって、学校教育現場などで、フレキシブルディスクなどの安価な記録媒体にて画像データのやり取りを行うことができる。
【0010】また、画像の作成手順を示す履歴情報を画像情報記憶装置に記憶しておけば、作成した手順で画像を生成することができ、特に教育用として有用である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像生成装置および画像生成システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。以下では、学校教育用の画像生成システムを例に取って説明する。
【0012】図1は本発明に係る画像生成システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図1の画像生成システムは、生徒が使用するコンピュータ(第1のコンピュータ)1と、先生が使用するコンピュータ(第2のコンピュータ)2とで構成される。
【0013】各コンピュータ1,2は、図2に内部構成を示すように、任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納部(背景画像格納手段)3と、複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択部(背景画像選択手段)4と、背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納部(細目画像格納手段)5と、複数の細目画像データの少なくともいずれかを選択する細目画像選択部(細目画像選択手段)6と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定部(画像サイズ設定手段)7と、選択された細目画像データの背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定部(画像配置位置設定手段)8と、背景画像選択部4で選択された背景画像データを識別する情報、細目画像選択部6で選択された細目画像データを識別する情報、画像サイズ設定部7で設定されたサイズと画像配置位置設定部8で設定された配置位置を互いに関連づけてフレキシブルディスク(画像情報記憶装置)10に記憶する制御を行うFDD装置(記憶制御手段)9と、を有する。
【0014】生徒は、コンピュータ1にインストールされた画像処理ソフトウェアを使って画像データを作成し、作成した画像データをフレキシブルディスク10に格納する。先生のコンピュータ2にも同じ種類の画像処理ソフトウェアがインストールされており、先生は生徒から渡されたフレキシブルディスク10内の画像データを読み出し、生徒が作成した画像を先生のコンピュータの画面上に表示できるようにしている。
【0015】ビットマップ形式の画像データは、文字データに比べてデータ量が各段に多いため、一枚のフレキシブルディスク10に入りきらないことがある。このような場合、画像データを複数のファイルに分割して複数枚のフレキシブルディスク10に格納することも考えられるが、小学生には操作が困難である。
【0016】そこで、本実施形態では、画像データ自体をフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像データを識別する情報を格納することで、画像に関する情報量の削減を図っている。
【0017】図3はフレキシブルディスク10に格納される情報の一例を示す図である。図示のように、フレキシブルディスク10には、生徒が作成した各画像ごとに、背景画像の識別番号と、スタンプ素材画像の識別番号、サイズ、色、向きおよび配置座標と、生徒の操作履歴情報と、作成日付とが格納される。
【0018】ただし、フレキシブルディスク10に格納する情報に制限はなく、上記の情報以外に、例えば、授業内容、生徒の氏名、評価記録などを格納してもよい。
【0019】本実施形態では、背景画像とスタンプ素材画像を複数個ずつ予め用意し、各背景画像と各スタンプ素材画像を識別番号で管理する。生徒が背景画像とスタンプ素材画像を選択すると、その識別番号のみフレキシブルディスク10に格納され、画像データ自体は格納されない。
【0020】スタンプ素材画像は、後述するように、サイズ、色、向きおよび配置座標を任意に設定変更できるようにしており、設定変更した情報がフレキシブルディスク10に格納される。例えば、サイズについては大、中、小のいずれかが格納され、色については9色のいずれかが格納され、向きについては左右のいずれかが格納され、配置座標についてはスタンプ素材の二次元座標が格納される。
【0021】図3では、スタンプ素材画像のみ、サイズ、色および向きが変更できるようにしているが、背景画像についてもサイズ、色および向きが変更できるようにしてもよい。例えば、図4は背景画像の色を変更できるようにした例を示している。
【0022】図5は生徒が画像を作成する手順を示したフローチャートである。生徒はまず、背景画像の選択を行う(ステップS1)。背景画像の種類は特に問わないが、例えば、図6に示すように、複数のジャンル(「やさい」、「こんちゅう」、「まち」、「さかな」、「どうぶつ」、「おべんとう」、「おえかき」など)の中からいずれかを選択する。図6は、「おえかき」を選択した例を示しており、「おえかき」の中にも複数の画像が存在し、いずれかを任意に選択できるようになっている。
【0023】次に、生徒はスタンプ素材の選択を行う(ステップS2)。スタンプ素材の種類も特に問わないが、生徒が選択した背景画像に応じてスタンプ素材の内容を変えるのが望ましい。例えば、生徒が背景画像として「やさい」を選択した場合は、図7に示すように、「やさい」の種類をスタンプ素材として提供する。また、生徒が背景画像として「おべんとう」を選択した場合は、「おべんとう」のおかずをスタンプ素材として提供する。
【0024】次に、生徒は、スタンプ素材のサイズ、色、向きおよび配置座標を設定する(ステップS3)。サイズについては図8に示すように、大、中、小のいずれかを選択できるようにし、向きについては図9(a)、図9(b)、図9(c)に示すように、左右反転と90度単位の回転とを選択できるようにする。また、図10に示すように、スタンプ素材の濃度(輝度)を選択できるようにしてもよい。
【0025】図11は、図7と比べて、ねぎを表すスタンプ素材画像の配置座標と向きを変更した例を示している。
【0026】画像が完成すると、その画像を生徒はフレキシブルディスク10に格納する(ステップS4)。このとき、図2に示すように、画像データ自体は格納せずに、画像データの種類を識別する情報を格納する。
【0027】この他、図12に示すように、背景画像の縁に表示されるフレームの種類を複数設けて、いずれかを選択できるようにしてもよい。生徒がいずれかのフレームを選択した場合、フレキシブルディスク10には、フレームを識別する番号のみが格納される。
【0028】また、スタンプ素材画像とは別個に、生徒自身で描画できる機能を設けてもよい。この場合、図13に示すように、太さや種類の異なる複数のペンを用意し、いずれかのペンを任意に選択できるようにしてもよい。また、ペンで描画した画像を、図14に示すように、反転表示することができるようにしてもよい。
【0029】あるいは、図15に示すように、背景画像やスタンプ素材画像に対して画像フィルタをかけられるようにしてもよい。図15(a)は輝きを強くするフィルタ、図15(b)はむしめがねで見た場合と同様に周辺部を湾曲させるフィルタ、図15(c)は水面に映る光景を再現するフィルタの例を示している。なお、フィルタの種類は特に問わない。
【0030】また、図16に示すように、背景画像の周囲をトリミングする形状を選択できるようにしてもよい。例えば、図16(a)はハート型、図16(b)は楕円型、図16(c)は星型にそれぞれトリミングした例を示している。
【0031】あるいは、図17に示すように、生徒が作成した画像を使ってカレンダーを作成できるようにしてもよい。その際、図18(a)〜図18(d)に示すようにカレンダーの種類を複数用意し、いずれかを選択できるようにしてもよい。この場合も、フレキシブルディスク10には、選択したカレンダーの種類を識別する番号が格納される。
【0032】また、図19に示すように、生徒が作成した画像を印刷できるようにしてもよい。その際、一つの画像を一枚の紙に印刷するか、複数の画像を一枚の紙に印刷するかを選択できるようにしてもよい。また、図20に示すように、一つの画像をサイコロの一面に印字する、いわゆるサイコロ印刷を行えるようにしてもよい。
【0033】なお、生徒が使用するコンピュータ1に印刷機能を持たせると、トラブルの原因になりやすいため、先生が使用するコンピュータ2のみに印刷機能を持たせてもよい。
【0034】このように、本実施形態では、生徒が作成した画像を画像データのままでフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像の種類、サイズ、向き、配置座標等を識別する情報をフレキシブルディスク10に格納するため、画像のデータ量を大幅に削減できる。したがって、学校教育の現場で生徒と先生との間で画像のやり取りをする場合に、フレキシブルディスク10で十分に足りるようになり、設備コストの削減が図れる。
【0035】また、フレキシブルディスクには、生徒の操作手順を示す履歴情報も格納するため、先生は、生徒がどのような手順で画像を作成したかを把握でき、生徒に対してきめ細かい指導を行うことができる。
【0036】上述した実施形態では、学校教育で用いられる画像生成システムについて説明したが、本発明は、種々の技術分野に適用可能である。また、画像データをやり取りする記録媒体は必ずしもフレキシブルディスク10に限らない。例えば、CD-ROMを用いた場合でも、本発明を適用することで、一枚のCD-ROMに大量の画像を格納できるようになる。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、背景画像データと細目画像データをそのまま画像情報記憶装置に記憶するのではなく、各データの識別情報を格納するため、一つの画像のデータ量を大幅に削減でき、画像情報記憶装置の記憶容量が少なくても複数の画像を格納することができる。したがって、学校教育現場において、生徒が作成した画像を安価なフレキシブルディスクに格納して先生に渡すことができ、設備コストの削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像生成システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】コンピュータの内部構成を示すブロック図。
【図3】フレキシブルディスクに格納される情報の一例を示す図。
【図4】背景画像の色を変更できるようにした例を示す図。
【図5】生徒が画像を作成する手順を示したフローチャート。
【図6】背景画像の選択を行う画面の表示例を示す図。
【図7】背景画像として「やさい」を選択した場合の画面の表示例を示す図。
【図8】スタンプ素材のサイズ選択を説明する図。
【図9】スタンプ素材の向きの選択を説明する図。
【図10】スタンプ素材の濃度の選択を説明する図。
【図11】図7と比べて、ねぎを表すスタンプ素材画像の配置座標と向きを変更した例を示す図。
【図12】フレームの種類の選択を行う画面の表示例を示す図。
【図13】太さや種類の異なる複数のペンを用意し、いずれかのペンを選択する様子を示す図。
【図14】ペンで描画した画像を反転表示する様子を示す図。
【図15】背景画像やスタンプ素材画像に対して画像フィルタをかけた様子を示す図。
【図16】背景画像の周囲をトリミングする形状の選択を説明する図。
【図17】生徒が作成した画像を使ってカレンダーを作成する様子を示す図。
【図18】カレンダーの種類の選択を説明する図。
【図19】生徒が作成した画像の印刷を説明する図。
【図20】サイコロ印刷を説明する図。
【符号の説明】
1,2 コンピュータ
3 背景画像格納部
4 背景画像選択部
5 細目画像格納部
6 細目画像選択部
7 画像サイズ選択部
8 画像配置位置選択部
9 FDD装置
10 フレキシブルディスク
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作成した画像データをフレキシブルディスク等の画像情報記憶装置に記憶する画像生成装置および画像生成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、高性能のコンピュータが手軽に手に入るようになってきたこともあり、様々な分野でコンピュータが使われている。このような背景から、小学校等の教育現場でも、コンピュータを積極的に授業に取り入れることが多くなった。
【0003】小学校低学年の生徒に対してコンピュータを用いた授業を行う場合、文字や記号を扱うのは難しいので、絵を描いたり、絵や写真の取捨選択を行うためにコンピュータを使うことが多い。生徒が作成した絵などのデータは、フレキシブルディスクに格納して保管するのが一般的である。
【0004】先生が所有しているコンピュータには、生徒用のコンピュータと同じアプリケーションソフトウェア(例えば、画像処理ソフトウェア)がインストールされており、先生は、生徒から渡されたフレキシブルディスクからデータを読み出して、画面に画像を表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画像データは文字データに比べてデータ量が多いため、複雑な画像やサイズの大きな画像は一枚のフレキシブルディスクに格納できないおそれがある。
【0006】このような問題を回避するため、生徒のコンピュータと先生のコンピュータとをネットワークで接続して、ネットワークを介してデータの送受を行う手法も考えられるが、ネットワーク化するのは設備コストがかかり、また小学校低学年の生徒は使いこなせないおそれが高い。
【0007】本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備コストをかけることなく、簡易な手法で画像データを送受可能な画像生成装置および画像生成システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明は、任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納手段と、前記複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択手段と、前記背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納手段と、前記複数の細目画像データの少なくともいずれか一つを選択する細目画像選択手段と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定手段と、選択された細目画像データの前記背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定手段と、前記背景画像選択手段で選択された背景画像データを識別する情報、前記細目画像選択手段で選択された細目画像データを識別する情報、前記画像サイズ設定手段で設定されたサイズ、および前記画像配置位置設定手段で設定された配置位置を、互いに関連づけて画像情報記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、を備える。
【0009】本発明では、背景画像と細目画像のデータ自体を画像情報記憶装置に記憶するのではなく、背景画像と細目画像の識別情報を記憶するため、一画像あたりのデータ量を大幅に削減できる。したがって、学校教育現場などで、フレキシブルディスクなどの安価な記録媒体にて画像データのやり取りを行うことができる。
【0010】また、画像の作成手順を示す履歴情報を画像情報記憶装置に記憶しておけば、作成した手順で画像を生成することができ、特に教育用として有用である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像生成装置および画像生成システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。以下では、学校教育用の画像生成システムを例に取って説明する。
【0012】図1は本発明に係る画像生成システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図1の画像生成システムは、生徒が使用するコンピュータ(第1のコンピュータ)1と、先生が使用するコンピュータ(第2のコンピュータ)2とで構成される。
【0013】各コンピュータ1,2は、図2に内部構成を示すように、任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納部(背景画像格納手段)3と、複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択部(背景画像選択手段)4と、背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納部(細目画像格納手段)5と、複数の細目画像データの少なくともいずれかを選択する細目画像選択部(細目画像選択手段)6と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定部(画像サイズ設定手段)7と、選択された細目画像データの背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定部(画像配置位置設定手段)8と、背景画像選択部4で選択された背景画像データを識別する情報、細目画像選択部6で選択された細目画像データを識別する情報、画像サイズ設定部7で設定されたサイズと画像配置位置設定部8で設定された配置位置を互いに関連づけてフレキシブルディスク(画像情報記憶装置)10に記憶する制御を行うFDD装置(記憶制御手段)9と、を有する。
【0014】生徒は、コンピュータ1にインストールされた画像処理ソフトウェアを使って画像データを作成し、作成した画像データをフレキシブルディスク10に格納する。先生のコンピュータ2にも同じ種類の画像処理ソフトウェアがインストールされており、先生は生徒から渡されたフレキシブルディスク10内の画像データを読み出し、生徒が作成した画像を先生のコンピュータの画面上に表示できるようにしている。
【0015】ビットマップ形式の画像データは、文字データに比べてデータ量が各段に多いため、一枚のフレキシブルディスク10に入りきらないことがある。このような場合、画像データを複数のファイルに分割して複数枚のフレキシブルディスク10に格納することも考えられるが、小学生には操作が困難である。
【0016】そこで、本実施形態では、画像データ自体をフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像データを識別する情報を格納することで、画像に関する情報量の削減を図っている。
【0017】図3はフレキシブルディスク10に格納される情報の一例を示す図である。図示のように、フレキシブルディスク10には、生徒が作成した各画像ごとに、背景画像の識別番号と、スタンプ素材画像の識別番号、サイズ、色、向きおよび配置座標と、生徒の操作履歴情報と、作成日付とが格納される。
【0018】ただし、フレキシブルディスク10に格納する情報に制限はなく、上記の情報以外に、例えば、授業内容、生徒の氏名、評価記録などを格納してもよい。
【0019】本実施形態では、背景画像とスタンプ素材画像を複数個ずつ予め用意し、各背景画像と各スタンプ素材画像を識別番号で管理する。生徒が背景画像とスタンプ素材画像を選択すると、その識別番号のみフレキシブルディスク10に格納され、画像データ自体は格納されない。
【0020】スタンプ素材画像は、後述するように、サイズ、色、向きおよび配置座標を任意に設定変更できるようにしており、設定変更した情報がフレキシブルディスク10に格納される。例えば、サイズについては大、中、小のいずれかが格納され、色については9色のいずれかが格納され、向きについては左右のいずれかが格納され、配置座標についてはスタンプ素材の二次元座標が格納される。
【0021】図3では、スタンプ素材画像のみ、サイズ、色および向きが変更できるようにしているが、背景画像についてもサイズ、色および向きが変更できるようにしてもよい。例えば、図4は背景画像の色を変更できるようにした例を示している。
【0022】図5は生徒が画像を作成する手順を示したフローチャートである。生徒はまず、背景画像の選択を行う(ステップS1)。背景画像の種類は特に問わないが、例えば、図6に示すように、複数のジャンル(「やさい」、「こんちゅう」、「まち」、「さかな」、「どうぶつ」、「おべんとう」、「おえかき」など)の中からいずれかを選択する。図6は、「おえかき」を選択した例を示しており、「おえかき」の中にも複数の画像が存在し、いずれかを任意に選択できるようになっている。
【0023】次に、生徒はスタンプ素材の選択を行う(ステップS2)。スタンプ素材の種類も特に問わないが、生徒が選択した背景画像に応じてスタンプ素材の内容を変えるのが望ましい。例えば、生徒が背景画像として「やさい」を選択した場合は、図7に示すように、「やさい」の種類をスタンプ素材として提供する。また、生徒が背景画像として「おべんとう」を選択した場合は、「おべんとう」のおかずをスタンプ素材として提供する。
【0024】次に、生徒は、スタンプ素材のサイズ、色、向きおよび配置座標を設定する(ステップS3)。サイズについては図8に示すように、大、中、小のいずれかを選択できるようにし、向きについては図9(a)、図9(b)、図9(c)に示すように、左右反転と90度単位の回転とを選択できるようにする。また、図10に示すように、スタンプ素材の濃度(輝度)を選択できるようにしてもよい。
【0025】図11は、図7と比べて、ねぎを表すスタンプ素材画像の配置座標と向きを変更した例を示している。
【0026】画像が完成すると、その画像を生徒はフレキシブルディスク10に格納する(ステップS4)。このとき、図2に示すように、画像データ自体は格納せずに、画像データの種類を識別する情報を格納する。
【0027】この他、図12に示すように、背景画像の縁に表示されるフレームの種類を複数設けて、いずれかを選択できるようにしてもよい。生徒がいずれかのフレームを選択した場合、フレキシブルディスク10には、フレームを識別する番号のみが格納される。
【0028】また、スタンプ素材画像とは別個に、生徒自身で描画できる機能を設けてもよい。この場合、図13に示すように、太さや種類の異なる複数のペンを用意し、いずれかのペンを任意に選択できるようにしてもよい。また、ペンで描画した画像を、図14に示すように、反転表示することができるようにしてもよい。
【0029】あるいは、図15に示すように、背景画像やスタンプ素材画像に対して画像フィルタをかけられるようにしてもよい。図15(a)は輝きを強くするフィルタ、図15(b)はむしめがねで見た場合と同様に周辺部を湾曲させるフィルタ、図15(c)は水面に映る光景を再現するフィルタの例を示している。なお、フィルタの種類は特に問わない。
【0030】また、図16に示すように、背景画像の周囲をトリミングする形状を選択できるようにしてもよい。例えば、図16(a)はハート型、図16(b)は楕円型、図16(c)は星型にそれぞれトリミングした例を示している。
【0031】あるいは、図17に示すように、生徒が作成した画像を使ってカレンダーを作成できるようにしてもよい。その際、図18(a)〜図18(d)に示すようにカレンダーの種類を複数用意し、いずれかを選択できるようにしてもよい。この場合も、フレキシブルディスク10には、選択したカレンダーの種類を識別する番号が格納される。
【0032】また、図19に示すように、生徒が作成した画像を印刷できるようにしてもよい。その際、一つの画像を一枚の紙に印刷するか、複数の画像を一枚の紙に印刷するかを選択できるようにしてもよい。また、図20に示すように、一つの画像をサイコロの一面に印字する、いわゆるサイコロ印刷を行えるようにしてもよい。
【0033】なお、生徒が使用するコンピュータ1に印刷機能を持たせると、トラブルの原因になりやすいため、先生が使用するコンピュータ2のみに印刷機能を持たせてもよい。
【0034】このように、本実施形態では、生徒が作成した画像を画像データのままでフレキシブルディスク10に格納するのではなく、画像の種類、サイズ、向き、配置座標等を識別する情報をフレキシブルディスク10に格納するため、画像のデータ量を大幅に削減できる。したがって、学校教育の現場で生徒と先生との間で画像のやり取りをする場合に、フレキシブルディスク10で十分に足りるようになり、設備コストの削減が図れる。
【0035】また、フレキシブルディスクには、生徒の操作手順を示す履歴情報も格納するため、先生は、生徒がどのような手順で画像を作成したかを把握でき、生徒に対してきめ細かい指導を行うことができる。
【0036】上述した実施形態では、学校教育で用いられる画像生成システムについて説明したが、本発明は、種々の技術分野に適用可能である。また、画像データをやり取りする記録媒体は必ずしもフレキシブルディスク10に限らない。例えば、CD-ROMを用いた場合でも、本発明を適用することで、一枚のCD-ROMに大量の画像を格納できるようになる。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、背景画像データと細目画像データをそのまま画像情報記憶装置に記憶するのではなく、各データの識別情報を格納するため、一つの画像のデータ量を大幅に削減でき、画像情報記憶装置の記憶容量が少なくても複数の画像を格納することができる。したがって、学校教育現場において、生徒が作成した画像を安価なフレキシブルディスクに格納して先生に渡すことができ、設備コストの削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像生成システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】コンピュータの内部構成を示すブロック図。
【図3】フレキシブルディスクに格納される情報の一例を示す図。
【図4】背景画像の色を変更できるようにした例を示す図。
【図5】生徒が画像を作成する手順を示したフローチャート。
【図6】背景画像の選択を行う画面の表示例を示す図。
【図7】背景画像として「やさい」を選択した場合の画面の表示例を示す図。
【図8】スタンプ素材のサイズ選択を説明する図。
【図9】スタンプ素材の向きの選択を説明する図。
【図10】スタンプ素材の濃度の選択を説明する図。
【図11】図7と比べて、ねぎを表すスタンプ素材画像の配置座標と向きを変更した例を示す図。
【図12】フレームの種類の選択を行う画面の表示例を示す図。
【図13】太さや種類の異なる複数のペンを用意し、いずれかのペンを選択する様子を示す図。
【図14】ペンで描画した画像を反転表示する様子を示す図。
【図15】背景画像やスタンプ素材画像に対して画像フィルタをかけた様子を示す図。
【図16】背景画像の周囲をトリミングする形状の選択を説明する図。
【図17】生徒が作成した画像を使ってカレンダーを作成する様子を示す図。
【図18】カレンダーの種類の選択を説明する図。
【図19】生徒が作成した画像の印刷を説明する図。
【図20】サイコロ印刷を説明する図。
【符号の説明】
1,2 コンピュータ
3 背景画像格納部
4 背景画像選択部
5 細目画像格納部
6 細目画像選択部
7 画像サイズ選択部
8 画像配置位置選択部
9 FDD装置
10 フレキシブルディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納手段と、前記複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択手段と、前記背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納手段と、前記複数の細目画像データの少なくともいずれか一つを選択する細目画像選択手段と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定手段と、選択された細目画像データの前記背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定手段と、前記背景画像選択手段で選択された背景画像データを識別する情報、前記細目画像選択手段で選択された細目画像データを識別する情報、前記画像サイズ設定手段で設定されたサイズ、および前記画像配置位置設定手段で設定された配置位置を、互いに関連づけて画像情報記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、を備えることを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】前記記憶制御手段は、選択された背景画像データと細目画像データとの少なくとも一方の色を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】前記記憶制御手段は、前記背景画像選択手段、前記細目画像選択手段、前記画像サイズ設定手段および前記画像配置位置設定手段による選択/設定の履歴情報を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像生成装置。
【請求項4】前記記憶制御手段は、選択された細目画像データの回転に関する情報を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項5】前記画像情報記憶装置は、フレキシブルディスクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の前記背景画像格納手段と、前記背景画像選択手段と、前記細目画像格納手段と、前記細目画像選択手段と、前記画像サイズ設定手段と、前記画像配置位置設定手段と、着脱可能な前記画像情報記憶装置に対するデータの読み出し/書き込みを行う前記記憶制御手段と、を備える第1のコンピュータと、前記第1のコンピュータにて前記画像情報記憶装置に記憶したデータに基づいて、前記第1のコンピュータで生成した画像を表示装置に表示可能な第2のコンピュータと、を備えることを特徴とする画像生成システム。
【請求項1】任意に選択可能な複数の背景画像データを格納する背景画像格納手段と、前記複数の背景画像データのいずれかを選択する背景画像選択手段と、前記背景画像データに合成可能な複数の細目画像データを格納する細目画像格納手段と、前記複数の細目画像データの少なくともいずれか一つを選択する細目画像選択手段と、選択された細目画像データのサイズを設定する画像サイズ設定手段と、選択された細目画像データの前記背景画像データ上の配置位置を設定する画像配置位置設定手段と、前記背景画像選択手段で選択された背景画像データを識別する情報、前記細目画像選択手段で選択された細目画像データを識別する情報、前記画像サイズ設定手段で設定されたサイズ、および前記画像配置位置設定手段で設定された配置位置を、互いに関連づけて画像情報記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、を備えることを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】前記記憶制御手段は、選択された背景画像データと細目画像データとの少なくとも一方の色を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】前記記憶制御手段は、前記背景画像選択手段、前記細目画像選択手段、前記画像サイズ設定手段および前記画像配置位置設定手段による選択/設定の履歴情報を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像生成装置。
【請求項4】前記記憶制御手段は、選択された細目画像データの回転に関する情報を前記画像情報記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項5】前記画像情報記憶装置は、フレキシブルディスクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の前記背景画像格納手段と、前記背景画像選択手段と、前記細目画像格納手段と、前記細目画像選択手段と、前記画像サイズ設定手段と、前記画像配置位置設定手段と、着脱可能な前記画像情報記憶装置に対するデータの読み出し/書き込みを行う前記記憶制御手段と、を備える第1のコンピュータと、前記第1のコンピュータにて前記画像情報記憶装置に記憶したデータに基づいて、前記第1のコンピュータで生成した画像を表示装置に表示可能な第2のコンピュータと、を備えることを特徴とする画像生成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図8】
【図10】
【図4】
【図6】
【図9】
【図13】
【図14】
【図7】
【図11】
【図16】
【図12】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図5】
【図8】
【図10】
【図4】
【図6】
【図9】
【図13】
【図14】
【図7】
【図11】
【図16】
【図12】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2002−358533(P2002−358533A)
【公開日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−167051(P2001−167051)
【出願日】平成13年6月1日(2001.6.1)
【出願人】(596046118)株式会社市川ソフトラボラトリー (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年6月1日(2001.6.1)
【出願人】(596046118)株式会社市川ソフトラボラトリー (19)
【Fターム(参考)】
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