説明

画像管理システム、画像管理方法、プログラム

【課題】設備コストを抑制しつつ、種々の画像をシームレスに管理することができ、また、それを検索及び提供可能とし、画像提供サービスの質の向上、及び、ユーザの利便性の向上を図ること。
【解決手段】撮影地点の画像を取得する画像取得手段と、画像を記憶する画像記憶手段と、画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、画像記憶手段に記憶されている各画像の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像管理システムにかかり、特に、ユーザに提供可能なよう画像を管理する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔地に設置された映像撮像装置を用いて、ユーザが指定した地点の画像を取得する仕組みとしては、例えば下記特許文献1に開示されたシステムがある。このようなシステムについて、図21を参照して説明する。まず、予め目的に合わせて撮影あるいは蓄積した画像(地図)の表示の中から、ユーザUは希望する地点を指定する。ここでは、例えば、符号「1」の地点を選択とすると(100)、蓄積された画像から「地図−1」の画像が検索され、ユーザUに対して表示されるよう出力する(101)。また、所定の時刻に撮影した符号「5」の地点の画像が希望されると(102)、指定された場所かつ時刻の画像「地図5−b」が検索され、ユーザUに対して表示される出力する(103)。
【0003】
また、カメラにて画像を取得し、ユーザに提供する技術として、下記特許文献2,3に示す技術が開示されている。特許文献2では、カメラによる撮影状況を表す情報を提示し、その向きなどを操作することを目的としており、これに伴い、撮影対象物の画像範囲を頂点座標にて管理する技術が開示されている。特許文献3では、遠隔カメラの向きなどを操作することを目的としており、ユーザが指定した場所等に一致する、あるいは、近似する映像を検索することができる技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−244410号公報
【特許文献2】特開2000−341681号公報
【特許文献3】特開2004−282287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、あくまでカメラが事前に設置されていること、カメラが正常に働いていること、同一の手段で収集された画像であること、などが前提になっている。また、他のユーザに影響されることなく画像を取得するには、同時に多方向を撮影できる撮影装置が設置されていることが前提になっている。さらに、撮像範囲をリアルタイムに計算によって算出するという複雑な処理が必要となる。
【0006】
以上のように、従来の遠隔画像表示方法では、あらかじめ画像を取得する目的にあわせて、撮影装置を設置しておく必要があった。また、従来の遠隔画像表示方法では、「見たい画像を収集している撮影装置が故障した場合」や「見たい画像を収集している撮影装置が無い場合」をカバーする手段は存在しなかった。また、ユーザは「見たい画像を収集しているカメラが既に設置されていること」を知っておく必要があり、仮に、他の手段で撮影された、より広範囲の画像があったとしても、それらを繋いで利用することはできなかった。つまり、上述した従来例は、遠隔カメラの向きなどを操作することを目的としており、一つの画像撮影装置にて撮影した画像を管理し、検索する構成となっている。従って、複数種類の画像取得装置で取得された画像をシームレスに検索することができず、蓄積画像の不足が生じ、画像を利用するユーザにとって利便性の低いものであった。
【0007】
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、設備コストを抑制しつつ、種々の画像をシームレスに管理することができ、また、それを検索及び提供可能とし、画像提供サービスの質の向上、及び、ユーザの利便性の向上を図ることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の一形態である画像管理システムは、
撮影地点の画像を取得する画像取得手段と、
画像を記憶する画像記憶手段と、
画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
画像記憶手段に記憶されている各画像の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記発明によると、まず、画像が取得されると、測地により設定された撮影地点座標や撮影範囲座標が、画像と共に記憶される。そして、取得された複数の画像の総撮影範囲が座標に基づいて計算され管理される。従って、全ての画像が座標に基づいて連結可能なよう管理され、シームレスな画像として管理することができる。その結果、あらかじめ画像を取得する目的に合わせた撮影装置を設置することなく、異なる目的で設置された撮影装置あるいは任意の手段(例えば車や飛行機などに搭載した撮影装置や、デジタルカメラ内蔵の携帯電話など)で収集した画像をもとに、シームレスな画像として管理することができ、ユーザが求める位置を含む画像を蓄積することが可能になる。また、複数の目的のために撮影装置が重複して設置されることを避け、投資コストの低減をも図ることができる。
【0010】
そして、画像範囲管理手段は、画像の撮影範囲内の各座標毎に当該画像に固有の識別情報を関連付けて管理する、ことを特徴としている。これにより、各座標毎に当該座標が撮影範囲となっている画像を管理することができるため、画像が重なっている場合も容易かつ確実に管理することができる。
【0011】
また、画像範囲管理手段は、画像記憶手段に画像が記憶されていない座標を管理する、ことを特徴としている。これにより、後の画像取得や画像検索時における所定箇所の画像の有無を、迅速かつ容易に判断することができる。
【0012】
また、画像が記憶されていない座標に基づいて画像取得手段に対して画像の取得を指示する画像取得指示手段を備えた、ことを特徴としている。これにより、必要な画像を効率よく取得して管理することができる。
【0013】
また、画像取得手段による画像の撮影時刻を取得して当該画像に関連付ける撮影時刻取得手段を備えた、ことを特徴としている。これにより、画像を時系列に管理することができ、最新の画像や過去の画像といった多種の画像をユーザに提供することが可能となり、ユーザの利便性が向上しうる。
【0014】
また、画像取得手段を複数備え、これら複数の前記画像取得手段にて取得した画像を、画像記憶手段に記憶して画像範囲管理手段にて管理する、ことを特徴としている。さらに、画像取得手段は、少なくとも画像範囲管理手段が構築されたコンピュータにネットワークを介して接続されている、ことを特徴としている。これにより、複数の異なる画像取得手段や、遠隔地で作動する画像取得手段から、画像を収集することができ、また、上述したように、シームレスな画像を取得することができる。特に、複数の画像取得手段を、予め相互に撮影範囲をカバーできるように設置することで、一方の撮影装置が故障した場合でも自動的に撮影範囲を相互補完し、撮影対象範囲の面積を最大化・最適化することができるようになる。
【0015】
また、ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、この特定された座標に対応する画像を画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、を備えたことを特徴としている。さらに、画像検索手段は、特定された座標を含む画像が画像記憶手段内に存在しない場合に、当該特定された座標の近辺に位置する座標に対応する画像を画像記憶手段内から検索して出力する、ことを特徴としている。これにより、上述したように管理されている画像は、ユーザが指定する画像指定情報に基づいて座標が特定され、かかる座標に対応する記憶された画像が検索されて出力される。従って、特定された座標に複数枚の画像が重なっている場合には、より広範囲でシームレスな画像を得ることができる。また、特定された座標に画像が存在しない場合には、その近辺座標に対応する画像が検索されて出力されるため、ユーザは周辺の画像を得ることができ、ユーザのさらなる利便性の向上を図ることができる。
【0016】
また、本発明の他の形態である画像管理装置は、
画像取得手段にて取得された撮影地点の画像の入力を受け付ける画像入力手段と、
画像を記憶する画像記憶手段と、
画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
画像記憶手段に記憶されている各画像の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0017】
そして、上記画像管理装置は、ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、この特定された座標に対応する画像を画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
画像取得手段にて取得された画像を記憶する画像記憶手段を備えたコンピュータに、
画像の入力を受け付けて画像記憶手段に記憶する画像入力手段と、
画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
画像記憶手段に記憶されている各画像の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を実現させる、ことを特徴としている。
【0019】
そして、上記プログラムは、さらに、コンピュータに、ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、この特定された座標に対応する画像を画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、を実現させる、ことを特徴としている。
【0020】
さらに、本発明の他の形態である画像管理方法は、
画像取得手段にて取得された画像を記憶する画像記憶手段を備えたコンピュータにて、画像を管理する方法であって、
コンピュータが、
画像の入力を受け付けて、当該画像に予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付け、画像記憶手段に記憶し、
画像記憶手段に記憶されている各画像の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する、
ことを特徴としている。
【0021】
そして、上記画像管理方法は、さらに、コンピュータが、ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付けて、画像指定情報に基づいて画像の座標を特定し、この特定された座標に対応する画像を画像記憶手段内から検索して出力する、ことを特徴としている。
【0022】
上記構成の画像管理装置、方法、プログラムの発明は、上述した画像管理システムと同様に作用するため、上記本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、種々のカメラにて収集した複数の画像を、シームレスな画像として管理し、また、検索及び提供可能とすることができるため、設備コストを抑制しつつ、画像提供サービスの質の向上、及び、ユーザの利便性の向上を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明では、入力された画像の総撮影範囲を、測地により設定された座標にて管理することに特徴を有する。以下、本発明の構成及び動作を、実施例にて説明する。
【実施例1】
【0025】
本発明の第一の実施例を、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、画像管理装置の構成を示すブロック図である。図2乃至図5は、画像管理装置に記憶されるデータを示す図である。図6乃至図7は、画像管理装置の動作を示すフローチャートであり、図8は、動作を示す説明図である。
【0026】
[構成]
本発明である画像管理装置1は、CPUといった演算装置(図示せず)、及び、ハードディスクドライブといった記憶装置(図示せず)などを備えた一般的なコンピュータである。そして、この画像管理装置1は、図1に示すように、撮影地点の画像を取得するカメラ11を備えている。また、演算装置(図示せず)には、所定のプログラムが組み込まれることで、図1に示すように、画像取得処理部12と、時刻取得処理部13と、画像範囲管理処理部14と、画像要求受付処理部15と、画像検索処理部16と、が構築されている。また、記憶装置(図示せず)には、測地データ記憶部17と、画像データ記憶部18と、が形成されている。以下、詳述する。
【0027】
カメラ11(画像取得手段)は、画像管理装置1に、直接、あるいは、ネットワークを介して接続されており、画像取得処理部12にて制御され、画像を取得する装置である。そして、図1では、カメラ11は1つしか図示されていないが、複数のカメラ11が接続されており、後述する撮影地点を撮影可能なようそれぞれ設置されている。なお、画像は、本実施例では静止画像であるが、動画像であってもよい。
【0028】
画像取得処理部12(画像入力手段、座標設定手段)は、上記カメラ11に対して画像取得指令を出すと共に、当該カメラ11にて取得された画像データの入力を受け付けて、画像データ記憶部18に格納する機能を有する。このとき、画像取得処理部12は、装置データ記憶部17に記憶されている、予め測地により設定された座標を用いて設定された撮影地点座標、及び、撮影範囲座標を参照して、カメラ11に対して画像取得指令を発し、取得された画像データに、この撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する。さらに、画像取得処理部12は、画像データが取得された撮影時刻を時刻取得処理部13(撮影時刻取得手段)から取得して、当該が画像データに関連付けて記憶する。
【0029】
ここで、測地データ記憶部17に記憶されている撮影地点一覧情報D1の一例を、図2に示す。この図に示すように、各撮影地点毎に、固有の識別情報である撮影地点IDと、測地により設定された撮影地点座標と、図示しないが、各撮影地点の撮影範囲座標とが、が関連付けられて記憶されている。そして、かかる情報に基づいて、画像取得処理部12にて画像取得が行われる。また、撮影地点一覧情報D1には、画像取得処理部12によって、画像が撮影される毎に最新(最終)の撮影日時が記憶される。なお、撮影地点座標は、例えば、撮影する範囲のほぼ中心位置に対応する座標である。
【0030】
また、図3には、画像データ記憶部18に記憶される画像データD2、及び、画像データ一覧情報D3の一例を示す。画像データ一覧情報D3には、記憶された画像データD2毎に固有の識別情報である画像IDが付与され、撮影地点IDと、画像データD2の撮影範囲である4隅の座標を表す上記撮影範囲座標と、が関連付けられて記憶される。また、このときの撮影日時も関連付けられて記憶される。
【0031】
次に、画像範囲管理処理部14について説明する。画像範囲管理処理部14(画像範囲管理手段)は、画像データ記憶部18に記憶されている各画像データD2の撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、全ての画像データD2の総撮影範囲を算出して管理する機能を有する。具体的には、図2及び図3に示す各画像データD2の範囲内に位置する各座標毎に当該画像データD2の画像IDを割り当てて、座標ID毎における画像データD2のインデックスを作成する。この処理について、図4乃至図5を参照して説明する。まず、図4に示すように、画像データD2毎に、画像範囲の全ての座標を仮想のメッシュ情報として扱い、図5(a)に示すように、個々の座標点にIDを付与する。そして、図5(a)に示すように、座標点の座標ID毎に、当該座標を含む画像データD2の画像IDを記録して、画像記録一覧D5を生成する。さらに、図5(b)に示すように、ある座標点において、画像データD2が存在しない座標IDを表す一覧D6も算出して記憶する。
【0032】
次に、画像要求受付処理部15及び画像検索処理部16について説明する。画像要求受付処理部15(画像指定受付手段)は、上述したように蓄積された画像データのうち、ユーザが閲覧することを希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける機能を有する。なお、ユーザによる画像指定情報は、画像管理装置1に接続された入力装置から入力されてもよく、あるいは、ネットワークを介して接続されたユーザ端末から入力されてもよい。また、入力される画像指定情報は、例えば、ユーザに対して提示された広範囲の地図画面にてポインティングデバイスにて指定された箇所を示す情報である。但し、画像指定情報は、具体的な住所や建物を指定する情報や、直接座標を指定する情報であってもよい。
【0033】
そして、上記画像指定情報を受け付けた画像検索処理部16(座標特定手段、画像検索手段)は、まず、画像指定情報にて指定されている箇所に対応する測地により設定された座標を特定する処理を行う。そして、特定した座標を座標IDに変換して、この座標IDに対応する画像データD2が存在するか否かを、図5(a)に示す画像記録一覧D5から検索する。そして、対応する画像データが存在する場合には、その画像データD2を抽出して、ユーザにて閲覧可能なよう出力する。このとき、座標IDに複数の画像データが存在する場合には、それら複数の画像データを出力する。これにより、シームレスな画像を提供することができる。
【0034】
また、画像検索処理部16は、特定された座標IDに対応する画像データが検索できなかった場合には、上記撮影範囲座標に基づいて、特定された座標と、撮影画像が存在する地点の座標との距離を計算し、特定された座標に最も近い撮影地点を検索する。そして、検索された最も近い撮影地点で撮影された画像データをユーザに出力する。
【0035】
なお、画像検索処理部16は、さらに、検索された画像データD2のうち、撮影日時が最も新しいものを検索して出力したり、ユーザにて指定された日時に最も近い画像を出力してもよい。
【0036】
[動作]
次に、上記構成の画像管理装置の動作を、図6乃至図8を参照して説明する。まず、あらかじめ測地により、撮影地点座標と撮影範囲座標を計測しておき、撮影地点の一覧情報を作成し、記録しておく(ステップS1)。撮影地点の一覧情報D1の作成例は、上述した図2の通りである。
【0037】
続いて、画像管理装置1は、カメラ11にて画像データを取得し、画像取得処理部12から入力を受け付ける(ステップS2)。このとき、画像データには、撮影地点座標と、あらかじめ測地した撮影範囲座標を付加しておく。また、上記画像データを取得した時刻を求め(ステップS3)、入力された画像データと結合して、画像データ記憶部18に記録する(ステップS4)。このときの記録様式例は、上述した図3に示す通りである。
【0038】
続いて、画像管理装置1は、入力された画像データD2の撮影範囲内の座標を座標IDに置き換えて、総撮影範囲を計算する(ステップS5)。具体的には、図4に示すように、画像範囲を仮想のメッシュ情報として扱い、個々の座標点に座標IDを付与し、取得された画像データ自体をメッシュに埋めてき、例えば画像の存在する場所のビットを1,存在しない場所のビットを0として扱う。そして、座標ID毎に画像データの画像IDを記録し、図5(a)に示すようなインデックスを作成する(ステップS6)。さらに、作成された座標ID毎の画像データのインデックスを元に、図5(b)に示すように、画像記録を持たない座標IDのインデックスも作成する(ステップS7)。
【0039】
次に、ユーザによって画像を検索する場合の動作を、図7を参照して説明する。ユーザは、例えば、画像管理装置1にネットワークを介して接続されたコンピュータ上に表示されている地図情報を元に、画像を取得したい座標を指定する(ステップS11)。すると、画像管理装置1は、指定された座標を、あらかじめ設定した座標インデックスを用いて座標IDに変換し(ステップS12)、変換された座標IDを元に、当該座標を含む画像記録一覧を検索する(ステップS13)。このとき、指定された座標を含む画像記録が存在しない場合は(ステップS14にてノー)、記録された「撮影地点座標」を元に、指定座標と撮影地点との距離を計算し(ステップS15)、指定座標に最も近い撮影地点を検索し(ステップS16)、その撮影地点で撮影された画像データを検索する(ステップS17)。このとき、検索された撮影地点に最も近い撮影装置つまりカメラを検索し、かかるカメラにて撮影された画像データを検索するよう作動してもよい。
【0040】
そして、ユーザが指定された座標を含む画像記録があった場合(ステップS14にてイエス)、及び、上記ステップS17で画像が検索された場合には(ステップS17)、検索された画像記録一覧を作成する(ステップS18)。その後、作成した画像記録一覧の中から、最も撮影日時が新しい物を検索し(ステップS19)、ユーザのPC上に出力する(ステップS20)。
【0041】
また、利用者が、出力する画像の取得時間帯を指定する場合は(ステップS21)、検索された画像記録一覧の中から、指定された時間帯に撮影された画像データを検索し(ステップS22)、指定された時間に撮影された画像記録があるか判定し(ステップS23)、ある場合は(ステップS23にてイエス)、PC上に画像データを出力する(ステップS20)。条件に合致する画像データが存在しない場合は(ステップS23にてノー)、指定条件に合致する画像がない旨をPC上に出力する(ステップS24)。
【0042】
ここで、ユーザUが画像を要求したときの利用状況の一例を、図8を参照して説明する。例えば図8に示すように、ユーザUが、撮影日時を問わず「1の地点を捉えた画像が欲しい」と希望した場合には(1)、画像データ記憶部18の中から「1の地点を含む画像」が検出され、かかる画像が出力される((1)’)。この場合には、「地図−a」と「地図−e」が出力される。また、ユーザUが、予め撮影時刻を指定し、「iiの時刻に5の地点を捉えた画像が欲しい」と希望した場合には(2)、画像データ記憶部18内から「iiの時刻に撮影された5の地点を含む画像出力」される((2)’)。この場合には、「地図−c−ii」と「地図−e−ii」が出力される。
【0043】
以上のように、本実施例によると、取得された複数の画像の総撮影範囲が、予め設定された座標に基づいて計算されるため、シームレスな画像として管理することができる。従って、あらかじめ画像を取得する目的に合わせた撮影装置を多く設置することなく、異なる目的で設置された撮影装置あるいは任意の手段(例えば車や飛行機などに搭載した撮影装置や、デジタルカメラ内蔵の携帯電話など)で収集した画像をもとに、シームレスな画像を取得して管理することができ、ユーザが求める位置を含む画像を取得することが可能になる。これに伴い、複数の目的のために撮影装置が重複して設置されることを避け、投資コストの低減をも図ることができる。
【0044】
さらに、特定された座標に画像が存在しない場合には、その近辺座標に対応する画像が検索されて出力されるため、ユーザは周辺の画像を得ることができ、ユーザのさらなる利便性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0045】
次に、本発明の第2の実施例を、図9乃至図10を参照して説明する。図9は、本実施例における画像管理システムの構成を示すブロック図であり、図10は、画像管理システムを構成する画像取得装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
[構成]
本実施例における画像管理システムは、上述した画像管理装置1と同様に、画像データを管理し、ユーザに対して提供する画像管理装置101と、カメラ121を装備し、画像を取得する画像取得装置102と、がネットワークNを介して接続されている。つまり、画像管理装置101は、他の画像取得装置102にて取得された画像の入力を受け付けて、上記実施例1同様に管理するコンピュータである。そして、画像取得装置102は、上記実施例1の画像管理装置1の画像取得機能のみを備えたコンピュータである。以下、さらに詳述する。
【0047】
画像取得装置102は、まず、ネットワークNに接続され通信機能を有する送受信部120と、画像を取得するカメラ121と、を備えている。そして、画像取得装置102の演算装置には、所定のプログラムが組み込まれることで、カメラの動作を制御して画像を取得する画像取得処理部123と、画像の取得日時を取得する時刻取得処理部124と、画像データを送受信部120を介して画像管理装置101に送信する画像送信処理部122と、が構築されている。さらに、画像取得装置102の記憶装置には、画像データ記憶部125と、測地データ記憶部126と、が構築されている。
【0048】
そして、上記測地データ記憶部126には、実施例1と同様に、予め測地により設定された各撮影地点の撮影地点座標と撮影範囲座標とが記憶されている。そして、上記画像取得処理部123も、実施例1と同様に、カメラ121に対して画像取得指令を出すと共に、当該カメラ121にて取得された画像データの入力を受け付けて、画像データ記憶部125に格納する機能を有する。このとき、画像取得処理部123は、測地データ記憶部126に記憶されている、予め測地により座標を用いて設定された撮影地点座標、及び、撮影範囲座標を参照して、カメラ11に対して画像取得指令を発し、取得された画像データに、この撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する。さらに、画像取得処理部123は、画像データが取得された撮影時刻を時刻取得処理部124(撮影時刻取得手段)から取得して、当該が画像データに関連付けて記憶する。
【0049】
そして、画像送信処理部122は、上述したように、画像データ記憶部125に蓄積されている画像データ及びこれに関連付けられている座標等の情報、さらには、取得時刻などを、送受信部120からネットワークNを介して画像管理装置101に送信する機能を有する。
【0050】
次に、画像管理装置101の構成について詳述する。画像管理装置101は、上述した実施例1の画像管理装置とほぼ同様の構成を採っており、演算装置に所定のプログラムが組み込まれることで、画像入力処理部111と、画像範囲管理処理部112と、画像要求受付処理部113と、画像検索処理部114と、が構築されている。また、記憶装置には、画像データ記憶部115が蓄積されている。そして、ネットワークNに接続され通信機能を有する送受信部110も備えられている。
【0051】
画像入力処理部111(画像入力手段)は、画像取得装置102から送信された画像データを、送受信部110を介して受信し、画像データ記憶部115に蓄積する機能を有する。そして、画像範囲管理処理部112は、実施例1のものと同様の機能を有し、画像データ記憶部115に蓄積された画像データの総画像範囲を算出して管理する機能を有する。また、画像要求受付処理部113と画像検索処理部114も、実施例1のものと同様の機能を有し、ユーザからの画像検索要求に応じて、画像を検索して提供する機能を有する。
【0052】
[動作]
次に、上記構成のシステムの動作を説明する。なお、図10のフローチャートには、画像取得装置102のみの動作を示す。まず、画像取得装置102は、カメラ121にて対象画像を取得し(ステップS31)、画像データ記憶部125に画像データを記録する(ステップS32)。そして、このときの撮影時刻を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS33)。次に、測地データ記憶部126から撮影地点の座標と撮影範囲座標を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS34)。その後、画像データ記憶部125に蓄積された画像データを、ネットワークNを介して、画像管理装置101に送信する(ステップS35)。
【0053】
そして、画像管理装置101では、画像取得装置102から受信した画像データを画像データ記憶部115に蓄積し、蓄積された全ての画像データの総画像範囲を算出する。そして、ユーザからの要求に応じて、画像を検索して出力する。かかる動作は、実施例1における図6及び図7と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
なお、上述した画像取得装置102は、複数設けられていてもよい。これにより、画像管理装置101は、より広い範囲の画像を収集することができる。
【実施例3】
【0055】
次に、本発明の第3の実施例を、図11乃至図12を参照して説明する。図11は、本実施例における画像管理システムの構成を示すブロック図であり、図12は、画像管理システムを構成する画像取得装置の動作を示すフローチャートである。
【0056】
[構成]
本実施例における画像管理システムは、上記実施例2で示した画像管理システムとほぼ同様の構成を採っており、そのうち、画像取得装置102の構成が一部異なる。具体的には、図11に示すように、画像取得処理部123を介してカメラ121の撮影動作を制御し、例えば、設置場所あるいは撮影方向つまり撮影範囲を自動的に変更するための撮影範囲制御処理部127が、演算装置に所定のプログラムが組み込まれることで構築されている。このとき、撮影範囲制御処理部127は、測地データ記憶部126に記憶されている予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標に基づいて、撮影方向等を制御する。
【0057】
[動作]
次に、上記構成のシステムの動作を説明する。なお、図12のフローチャートには、画像取得装置102のみの動作を示す。まず、画像取得装置102は、カメラ121にて対象画像を取得し(ステップS41)、画像データ記憶部125に画像データを記録する(ステップS42)。そして、このときの撮影時刻を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS43)。また、測地データ記憶部126から撮影地点の座標と撮影範囲座標を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS44)。その後、画像データ記憶部125に蓄積された画像データを、ネットワークNを介して、画像管理装置101に送信する(ステップS45)。
【0058】
続いて、画像取得装置102は、撮影範囲制御処理部127によって撮影地点あるいは撮影方向を変更し(ステップS46)、ふたたび画像を撮影する(ステップS41)。そして、上述同様に、取得された画像データが、画像管理装置101に送信される。
【0059】
なお、画像管理装置101による動作は上述同様であり、まず、画像取得装置102から受信した画像データを画像データ記憶部115に蓄積し、蓄積された全ての画像データの総画像範囲を算出する。そして、ユーザからの要求に応じて、画像を検索して出力する。かかる動作は、実施例1における図6及び図7と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0060】
次に、本発明の第4の実施例を、図13乃至図14を参照して説明する。図13は、本実施例における画像管理システムの構成を示すブロック図であり、図14は、画像管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0061】
[構成]
本実施例における画像管理システムは、上記実施例3で示した画像管理システムとほぼ同様の構成を採っており、そのうちの構成が一部異なる。具体的には、図13に示すように、画像管理装置101には、演算装置に所定のプログラムが組み込まれることにより、撮影範囲指示処理部116が構築されている。この撮影範囲指示処理部116(画像取得指示手段)は、上述した実施例1で図5(b)を参照して説明したように算出された画像データが記憶されていない座標に基づいて、画像取得装置102に対して画像の取得指示を行う機能を有する。これに応じて、画像取得装置102は、受信した画像データが記憶されていない座標をディスプレイ等に表示し、これを閲覧した撮影者にて入力される撮影範囲指示を撮影範囲制御処理部127が受け付けて、かかる指示に基づいて画像を取得するよう撮影方向などを制御して画像を取得する。なお、その他の各処理部などの構成は、上記実施例と同様である。
【0062】
[動作]
次に、上記構成のシステムの動作を説明する。なお、図14のフローチャートには、画像管理システム全体の動作を示す。まず、画像取得装置102は、カメラ121にて対象画像を取得し(ステップS51)、画像データ記憶部125に画像データを記録する(ステップS52)。そして、このときの撮影時刻を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS53)。また、測地データ記憶部126から撮影地点の座標と撮影範囲座標を取得し、画像データに関連付けて記録する(ステップS54)。その後、画像データ記憶部125に蓄積された画像データを、ネットワークNを介して、画像管理装置101に送信する(ステップS55)。
【0063】
すると、画像管理装置101は、画像取得装置102から受信した画像データを画像データ記憶部115に蓄積する(ステップS56、S57)。なお、このときの画像データの記録様式例は、実施例1にて説明した図3と同様である。続いて、画像管理装置101は、実施例1の図4を参照して説明したように、蓄積された全ての画像データの総画像範囲を算出し(ステップS58)、図5(a)に示すような座標ID毎に画像データのインデックスを作成する(ステップS59)。そして、さらに、画像管理装置101は、上述したように作成された座標ID毎の画像データのインデックスを元に、画像記録を持たない座標IDのインデックスを作成する(ステップS60)。この画像記録を持たない座標IDのインデックスは、実施例1にて示した図5(b)と同様である。
【0064】
続いて、画像管理装置101は、作成した画像データを持たない座標のインデックスである「非撮影範囲座標情報」を、撮影範囲指示処理部116が画像取得装置102に対する画像取得指令として送信する(ステップS61)。すると、画像取得装置102は、送信されてきた非撮影範囲座標情報を送受信部120によって受信し(ステップS62)、記憶装置に記憶する(ステップS63)。すると、画像取得装置102は、例えば内蔵した液晶モニタに受信した非撮影範囲座標情報を表示する(ステップS64)。すると、撮影者は、表示された非撮影範囲座標情報に基づいて、撮影位置・撮影方向を変更指示する。これにより、かかる指示に従って撮影範囲制御処理部127及び画像取得処理部123にてカメラ121の撮影範囲等が変更制御され(ステップS65)、新たに撮影が行われる(ステップS51)。そして、上述同様に、取得された画像データが、画像管理装置101に送信される。
【0065】
なお、上記では、撮影範囲指示処理部116は、画像データが記憶されていない座標のインデックスを、画像取得指示として送信する場合を例示したが、具体的に座標を指定した画像取得指示を送信してもよい。
【0066】
その後、画像管理装置101では、ユーザからの画像の要求に応じて、画像を検索して出力する。かかる動作は、実施例1における図6及び図7と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【実施例5】
【0067】
次に、本発明の第5の実施例を、図15乃至図18を参照して説明する。図15は、本実施例における画像取得時の様子を示す図であり、図16は、画像の出力例を示す図である。図17乃至図18は、画像管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0068】
[構成]
本実施例における画像管理システムは、上記実施例4で示した画像管理システムとほぼ同様の構成を採っている(図13参照)。そして、本実施例では、図15に示すように、画像取得装置102つまりカメラ121が航空機Aの底面に装備されており、上空から画像を撮影する構成となっている。これに伴い、撮影範囲制御処理部127は、画像範囲指示処理部116から通知された画像が記憶されていない座標のインデックスに基づいて、自動的に撮影方向等を制御し、撮影する機能を有する。そして、さらに、撮影範囲制御処理部127には、GPSが内蔵されており、座標と高度を計測できるようになっている。なお、具体的な機能は、以下に説明する。
【0069】
[動作]
次に、上記構成のシステムの動作を説明する。まず、航空機Aに取り付けられた画像取得装置102により、画像を撮影して(ステップS71)、画像データを記録する(ステップS72)。このとき、時刻取得処理部124から取得した撮影時刻を記録する(ステップS73)。そして、撮影範囲制御手段127は、内蔵されたGPSによって、自身の座標(X,Y,H)を取得・記録する(ステップS74)。
【0070】
続いて、記録された自身の座標、及び、予め登録しておいたカメラ121の視野角を元に、撮影範囲座標を計算する(ステップS75)。このときの撮影範囲座標の計算方法と動作を、それぞれ図15及び図18を用いて説明する。まず、予め設定されたカメラ121の視野角θを測定し、撮影範囲制御処理部127に設定しておく(ステップS91)。続いて、撮影範囲制御処理部127により、自身の座標(X,Y,H(高度))を取得する(ステップS92)。続いて、高度Hの情報を用いて、撮影範囲座標を計算する。このとき、撮影時の方向が仮想のメッシュ情報(図5(a)参照)のx軸/y軸に対して常に平行であればよいが、図15(a)に示すように、実際には撮影時の方向(δ)は様々になるので、そのまま座標範囲を計算してインデックスに置き換えるには複雑な計算を要することになる。そこで、処理を簡素化するために、「実際に撮影された範囲(方形)の内接円」を用いて(図15(a)参照)、仮想的に撮影範囲を求める(ステップS93)。そして、撮影地点の高度をHとすれば、実際に撮影される範囲の内接円は、撮影方向(δ)がどの方向に傾いていても、常に一定となる(図15(b)参照)。このとき、図15’b(に示す「内接円の内側に接する、仮想のメッシュ軸に平行な正方形」を、撮影範囲として取得する(ステップS94)。この場合、撮影範囲を表す座標x,yの範囲は、それぞれ、下記のようになる。
【0071】
【数1】

【0072】
【数2】

【0073】
そして、計算で得られた撮影範囲の座標を、記憶装置に記録する(ステップS76)。その後、画像データ記憶部125に蓄積された画像データを、ネットワークNを介して、画像管理装置101に送信する(ステップS77)。
【0074】
すると、画像管理装置101は、画像取得装置102から受信した画像データを画像データ記憶部115に蓄積する(ステップS78、S79)。なお、このときの画像データの記録様式例は、実施例1にて説明した図3と同様である。続いて、画像管理装置101は、実施例1の図4を参照して説明したように、蓄積された全ての画像データの総画像範囲を算出し(ステップS80)、図5(a)に示すような座標ID毎に画像データのインデックスを作成する(ステップS81)。そして、さらに、画像管理装置101は、上述したように作成された座標ID毎の画像データのインデックスを元に、画像記録を持たない座標IDのインデックスを作成する(ステップS82)。この画像記録を持たない座標IDのインデックスは、実施例1にて示した図5(b)と同様である。
【0075】
続いて、画像管理装置101は、作成した画像データを持たない座標のインデックスである「非撮影範囲座標情報」を、撮影範囲指示処理部116が画像取得装置102に対する画像取得指令として送信する(ステップS83)。すると、画像取得装置102は、送信されてきた非撮影範囲座標情報を送受信部120によって受信し(ステップS84)、記憶装置に記憶する(ステップS85)。そして、画像取得装置102は、撮影範囲制御処理部127によって、「自身の現在位置」と「画像データを持たない座標」との距離を計算し(ステップS86)、自身の現在位置から最も近い画像データを持たない座標地点(即ち、撮影が必要な場所)を検索する(ステップS87)。そして、撮影範囲制御処理部127は、検索された撮影地点の座標情報を出力する(ステップS88)。例えば、自動航行システムの目的地座標、つまり、撮影地点座標として設定され、撮影範囲制御処理部127にて自動的に撮影位置が変更されて(ステップS89)、新たな撮影が行われる(ステップS71)。あるいは、目的地座標として操縦席のモニタに表示され、手動で行き先を変更し、撮影位置を変更してもよい(ステップS89)。
【0076】
その後、画像管理装置101では、ユーザからの画像の要求に応じて、画像を検索して出力する。例えば、図16に示すように、指定された場所の画像として、周辺の位置A,B,Cのそれぞれから取得された画像が表示される。ここでは、指定した地点がA,B,Cの全ての画像に含まれているため、これら全ての画像が表示される。
【0077】
なお、上述した取得する画像データは、静止画像でも良いし、動画でも良い。また、「或る地点で記録された音声を検索すること」を目的とするのであれば、画像なしの音声データを取得してもよい。
【0078】
また、撮影範囲の座標は、レンズの視野角や倍率、撮影方向などから正確に求めても良いし、「撮影地点を基点としたおおよその範囲(例えば撮影地点から半径50m内など)」で規定してもよい。
【0079】
そして、上述したカメラ121は、定点設置した固定カメラでも良いし、手持ちのハンディカメラや、デジタルカメラを内蔵した携帯電話、航空機や自動車・人工衛星に装着したカメラなどでも良い。デジタルカメラ内蔵携帯電話の場合は、座標の求め方は内蔵GPSを用いても良いし、電波の到達状況を元に演算で求めてもよい。
【実施例6】
【0080】
次に、本発明の第6の実施例を、図19乃至図20を参照して説明する。図19は、本実施例における画像管理システムによるサービス提供イメージ図であり、図20は、システムの動作を示すフローチャートである。
【0081】
本実施例では、特に、緊急・災害時におけるデジタルカメラやカメラ付き携帯等からの画像を用いた現場情報収集・情報提供の際に、現場では位置情報の正確な取得は難しいため、画像の撮影対象を示す目標物名称を、撮影地点を特定する情報として用いている。
【0082】
図19に示すように、画像管理装置200は、予め登録された映像提供会員から画像を収集し、また、予め登録された映像利用会員に対して管理している画像を提供する。ここで、例えば、画像提供会員は、カメラ付き携帯電話を利用する一般ユーザや、撮影設備を保有している団体(企業、メディア事業者、自治体、官庁など)であり、画像利用会員は、一般ユーザ、警察などである。そして、これら各会員は、通信事業者210などによって管理される。例えば、会員の加入情報として、氏名、携帯端末番号及び携帯メールアドレス情報等を登録して管理する。
【0083】
そして、画像管理装置200は、画像取得のために、以下の機能を有し、図20に示すように作動する。まず、映像利用会員などの画像の依頼者から、画像を取得したい地点の座標、あるいは、目標物を指定して、撮影依頼があると(ステップS101)、指定された座標や、目標物の周囲の複数の位置情報を取得し、座標IDに変換する(ステップS102)。この複数の位置情報は、例えば、通信事業者などからGPS位置情報システムを利用して取得する。
【0084】
そして、登録済み会員の現在の位置情報を通信事業者210から取得し(ステップS103)、上記座標や複数の位置情報にそれぞれ最も近くに位置する会員、つまり、映像提供会員を選択する(ステップS104)。そして、この会員に対しては、撮影する方向や目標物を指示して、撮影依頼を電子メールなどで送信する(ステップS105)。
【0085】
その後、各映像提供会員にて取得された画像データ、つまり、目標物周囲で撮影された画像を収集し、蓄積する。なお、蓄積方法は、上述同様である(ステップS106〜S111)。その後は、上記依頼者である他の映像利用会員からの画像データの要求に応じて、蓄積された画像データを検索し、提供する(ステップS112)。例えば、複数の画像から、目標物の立体画像を作成して、依頼者に提供することも可能である。
【0086】
なお、通信事業者を介して、画像を撮影して提供した映像提供会員には画像提供に対するインセンティブが支払われ、逆に、画像の提供を受けた映像利用会員は利用料を支払う。
【0087】
ここで、本発明の他の利用例についても簡単に説明する。例えば、衛星あるいは飛行機から撮影した被災地画像を蓄積することで、被災地に関する情報を収集する場合に利用することができる。また、警察による逃走車に関する情報の収集にも利用することができる。例えば、オービスで取得した画像に対象車が撮影されていない場合は、自動的に「近傍地点で近傍時間に取得された画像」をスクローリングし、更に「近傍地点を撮影するよう、携帯電話や別目的で設置されたカメラに指示を送る」ことで、逃走車両の捕捉を図ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、地図情報として画像を提供するサービスや、被災地情報の収集などに利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】実施例1における画像管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した画像管理装置に記憶されるデータを示す図である。
【図3】図1に開示した画像管理装置に記憶されるデータを示す図である。
【図4】図1に開示した画像管理装置にて画像データを管理する方法を説明する図である。
【図5】図1に開示した画像管理装置にて画像データを管理する方法を説明する図である。
【図6】実施例1における画像管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例1における画像管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1における画像提供動作を示す説明図である。
【図9】実施例2における画像管理システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施例2における画像取得装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施例3における画像管理システムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施例3における画像取得装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施例4における画像管理システムの構成を示すブロック図である。
【図14】実施例4における画像管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図15】実施例5における画像取得時の様子を説明する図である。
【図16】実施例5における提供画像の一例を示す図である。
【図17】実施例5における画像管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図18】実施例5における画像取得装置の動作の一部を示すフローチャートである。
【図19】実施例6におけるサービス提供イメージ図を示す。
【図20】実施例6における動作を示すフローチャートである。
【図21】従来例における画像提供動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 画像管理装置
11 カメラ
12 画像取得処理部
13 時刻取得処理部
14 画像範囲管理処理部
15 画像要求受付処理部
16 画像検索処理部
17 測地データ記憶部
18 画像データ記憶部
101 画像管理装置
102 画像取得装置
110 送受信部
111 画像入力処理部
112 画像範囲管理処理部
113 画像要求受付処理部
114 画像検索処理部
115 画像データ記憶部
116 撮影範囲指示処理部
120 送受信部
121 カメラ
122 画像送信処理部
123 画像取得処理部
124 時刻取得処理部
125 画像データ記憶部
126 測地データ記憶部
127 撮影範囲制御処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影地点の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている各画像の前記撮影地点座標及び前記撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像管理システム。
【請求項2】
前記画像範囲管理手段は、前記画像の撮影範囲内の各座標毎に当該画像に固有の識別情報を関連付けて管理する、ことを特徴とする請求項1記載の画像管理システム。
【請求項3】
前記画像範囲管理手段は、前記画像記憶手段に前記画像が記憶されていない座標を管理する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像管理システム。
【請求項4】
前記画像が記憶されていない座標に基づいて前記画像取得手段に対して画像の取得を指示する画像取得指示手段を備えた、ことを特徴とする請求項3記載の画像管理システム。
【請求項5】
前記画像取得手段による前記画像の撮影時刻を取得して当該画像に関連付ける撮影時刻取得手段を備えた、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の画像管理システム。
【請求項6】
前記画像取得手段を複数備え、
これら複数の前記画像取得手段にて取得した画像を、前記画像記憶手段に記憶して前記画像範囲管理手段にて管理する、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の画像管理システム。
【請求項7】
前記画像取得手段は、少なくとも前記画像範囲管理手段が構築されたコンピュータにネットワークを介して接続されている、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の画像管理システム。
【請求項8】
ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、
前記画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、
この特定された座標に対応する前記画像を前記画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の画像管理システム。
【請求項9】
前記画像検索手段は、前記特定された座標を含む前記画像が前記画像記憶手段内に存在しない場合に、当該特定された座標の近辺に位置する座標に対応する前記画像を前記画像記憶手段内から検索して出力する、ことを特徴とする請求項8記載の画像管理システム。
【請求項10】
画像取得手段にて取得された撮影地点の画像の入力を受け付ける画像入力手段と、
前記画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている各画像の前記撮影地点座標及び前記撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像管理装置。
【請求項11】
ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、
前記画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、
この特定された座標に対応する前記画像を前記画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10記載の画像管理装置。
【請求項12】
画像取得手段にて取得された画像を記憶する画像記憶手段を備えたコンピュータに、
前記画像の入力を受け付けて前記画像記憶手段に記憶する画像入力手段と、
前記画像に、予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付けて記憶する座標設定手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている各画像の前記撮影地点座標及び前記撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する画像範囲管理手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付ける画像指定受付手段と、
前記画像指定情報に基づいて画像の座標を特定する座標特定手段と、
この特定された座標に対応する前記画像を前記画像記憶手段内から検索して出力する画像検索手段と、
を実現させるための請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
画像取得手段にて取得された画像を記憶する画像記憶手段を備えたコンピュータにて、前記画像を管理する方法であって、
前記コンピュータが、
前記画像の入力を受け付けて、当該画像に予め測地により設定された撮影地点座標及び撮影範囲座標を関連付け、前記画像記憶手段に記憶し、
前記画像記憶手段に記憶されている各画像の前記撮影地点座標及び前記撮影範囲座標に基づいて、当該各画像の総撮影範囲を算出して管理する、
ことを特徴とする画像管理方法。
【請求項15】
前記コンピュータが、
ユーザが希望する画像を指定する画像指定情報の入力を受け付けて、前記画像指定情報に基づいて画像の座標を特定し、この特定された座標に対応する前記画像を前記画像記憶手段内から検索して出力する、
ことを特徴とする請求項14記載の画像管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−65399(P2008−65399A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239701(P2006−239701)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(306029774)NECビッグローブ株式会社 (115)
【Fターム(参考)】