説明

画像表示システム、画像表示装置、及び画像表示システムの制御方法

【課題】画像の表示と、シャッターメガネの開閉との同期のずれを抑制することが可能な画像表示システム、画像表示装置、及び画像表示システムの制御方法を提供する。
【解決手段】液晶シャッターメガネ4の図示しない前面には、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部が設けられている。液晶シャッターメガネ4は、左眼用の画像が鑑賞者の左眼のみで認識され、右眼用の画像が鑑賞者の右眼のみで認識されるよう、同期信号に同期して左右の液晶シャッター45L,45Rを交互に開放させる。また、プロジェクター2の図示しない前面にも、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部が設けられている。プロジェクター2は、同期信号に同期して左眼用の画像と右眼用の画像の表示を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させる画像表示システム、画像表示装置、及び画像表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(例えば、プロジェクター)が表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させるために、鑑賞者の右目及び左目に、それぞれ異なる画像(視差画像)を視認させるシステムが種々提案されている。このようなシステムの1つとして、例えば、左目用の画像と右目用の画像とを画像表示装置が交互に時分割で表示する態様のシステムがある(例えば、特許文献1参照)。この態様では、鑑賞者は、画像の変化に同期して左右交互に開閉するシャッターメガネを通して画像を鑑賞することにより、立体像を認識することができる。例えば、特許文献1に記載のシステム(立体映像表示装置)は、画像表示装置(液晶ディスプレイ)と、画像表示装置に画像情報(映像データ)を供給する画像供給装置(映像データ出力装置)と、シャッターメガネと、シャッターメガネに同期信号(制御信号)を出力してシャッターメガネの開閉を制御する同期信号出力装置(液晶シャッター制御部)とを備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−152897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムのように、同期信号出力装置が画像表示装置とは分離して配置される構成になっている場合には、画像表示装置による画像の切り替えと、シャッターメガネの開閉動作との同期にずれが生じやすい。このため、一方の目に左右両方の画像が認識されてしまうクロストークが発生する等、画像の表示品位が低下してしまうという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る画像表示システムは、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する同期信号送信装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムであって、前記シャッターメガネは、前記同期信号送信装置から送信される前記同期信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用のシャッター及び前記右眼用のシャッターの開閉を駆動する駆動部と、を備え、前記画像表示装置は、前記画像供給装置から画像情報が入力される画像情報入力部と、前記画像情報に基づく画像を表示する画像表示部と、前記同期信号送信装置から送信される前記同期信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを切り替える制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この画像表示システムによれば、画像表示装置は、同期信号に基づいて左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替え、シャッターメガネは、同期信号に基づいて左眼用シャッター及び右眼用シャッターの開閉を駆動する。つまり、画像表示装置とシャッターメガネの双方が、同期信号送信装置から送信される同期信号に基づいて左右の切り替えを行うため、画像表示装置における画像の切り替えと、シャッターメガネにおけるシャッターの駆動とをより正確に同期させることが可能となり、画像の表示品位の低下を抑制することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記同期信号送信装置は、前記同期信号を赤外線の信号として送信するようにしてもよい。
【0009】
[適用例3]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、プロジェクターであってもよい。
【0010】
[適用例4]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、前記画像供給装置とDVIインターフェイス又はHDMIインターフェイスによって接続されてもよい。
【0011】
[適用例5]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記同期信号送信装置は、前記画像供給装置から基準信号が入力され、当該基準信号に基づいて前記同期信号をワイヤレスで送信するようにしてもよい。
【0012】
[適用例6]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記同期信号送信装置には、前記画像供給装置からUSBインターフェイスを介して前記基準信号が入力されてもよい。
【0013】
[適用例7]本適用例に係る画像表示装置は、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置であって、前記画像供給装置から画像情報が入力される画像情報入力部と、前記画像情報に基づく画像を表示する画像表示部と、ワイヤレスで送信される同期信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを切り替える制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この画像表示装置によれば、ワイヤレスで送信される同期信号に基づいて左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替えている。このため、同じ同期信号に基づいて左眼用シャッター及び右眼用シャッターの開閉を駆動するシャッターメガネと組み合わせて用いることにより、画像表示装置における画像の切り替えと、シャッターメガネにおけるシャッターの駆動とをより正確に同期させることが可能となる。
【0015】
[適用例8]本適用例に係る画像表示システムの制御方法は、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する同期信号送信装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムの制御方法であって、前記同期信号送信装置が、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する送信ステップと、前記画像表示装置が、前記同期信号を受信し、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを前記同期信号に基づいて切り替える表示切り替えステップと、前記シャッターメガネが、前記同期信号を受信し、前記左眼用のシャッター及び前記右眼用のシャッターの開閉を前記同期信号に基づいて駆動するシャッター駆動ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この画像表示システムの制御方法によれば、画像表示装置は、同期信号に基づいて左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替え、シャッターメガネは、同期信号に基づいて左眼用シャッター及び右眼用シャッターの開閉を駆動する。つまり、画像表示装置とシャッターメガネの双方が、同期信号送信装置から送信される同期信号に基づいて左右の切り替えを行うため、画像表示装置における画像の切り替えと、シャッターメガネにおけるシャッターの駆動とをより正確に同期させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像表示システムの概略構成を示す構成図。
【図2】同期信号送信装置及び液晶シャッターメガネの内部構成を示すブロック図。
【図3】プロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図4】画像表示システムの動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)は、コンピューターからプロジェクターに出力される画像情報を示す図、(b)は、コンピューターから同期信号送信装置に出力される同期信号を示す図、(c)は、同期信号送信装置から送信される同期信号を示す図、(d)は、プロジェクターによって表示される画像を示す図であり、(e)は、左眼用の液晶シャッターを開閉させる制御信号を示す図、(f)は、右眼用の液晶シャッターを開閉させる制御信号を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態の画像表示システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の画像表示システムの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、画像表示システム100は、両眼視差を利用して鑑賞者に立体像を認識させるシステムであり、画像供給装置としてのコンピューター1と、画像表示装置としてのプロジェクター2と、同期信号送信装置3と、液晶シャッターメガネ4とを備えて構成されている。
【0019】
コンピューター1は、一般的なパーソナルコンピューターであり、プロジェクター2に対して画像情報を供給する。コンピューター1には、立体視を実現するためのソフトウェアがインストールされており、コンピューター1は、左眼用の画像を表す左眼用の画像情報と、右眼用の画像を表す右眼用の画像情報とをフレーム単位で交互に出力する。
【0020】
プロジェクター2は、コンピューター1の画像出力端子の1つであるDVI(Digital Visual Interface)端子に接続され、コンピューター1から供給される画像情報に基づく画像をスクリーンSCに投写する。つまり、プロジェクター2は、スクリーンSC上に、左眼用の画像と右眼用の画像とをフレーム単位で時分割して交互に表示する。
【0021】
同期信号送信装置3は、コンピューター1のUSB(Universal Serial Bus)端子に接続されており、コンピューター1から、左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号(基準信号)が入力される。同期信号送信装置3は、コンピューター1から供給される同期信号を変調して赤外線の同期信号を生成し、外部に送信する。
【0022】
液晶シャッターメガネ4は、プロジェクター2が投写する画像を鑑賞する鑑賞者に装着されるものであり、鑑賞者の左眼に対峙する左眼用の液晶シャッター45Lと、右眼に対峙する右眼用の液晶シャッター45Rとを備えている。液晶シャッターメガネ4の図示しない前面には、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部41(図2参照)が設けられている。液晶シャッターメガネ4は、左眼用の画像が鑑賞者の左眼のみで認識され、右眼用の画像が鑑賞者の右眼のみで認識されるよう、同期信号に同期して左右の液晶シャッター45L,45Rを交互に開放させる。
【0023】
また、プロジェクター2の図示しない前面にも、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部25(図3参照)が設けられており、プロジェクター2は、同期信号に同期して左眼用の画像と右眼用の画像の表示を切り替える。なお、同期信号送信装置3を、液晶シャッターメガネ4を装着した鑑賞者及びプロジェクター2の前方に載置して、後方(投写方向の反対側)に向けて同期信号を送信するようにしてもよいし、同期信号を前方に向けて送信してスクリーンSCで反射させるようにしてもよい。また、受信部25,41を設ける位置は、プロジェクター2や液晶シャッターメガネ4の前面に限られず、他の面に設けるようにしてもよい。また、様々な方向から同期信号を受信できるように、それぞれの受信部25,41を複数設けるようにしてもよい。
【0024】
図2は、同期信号送信装置3及び液晶シャッターメガネ4の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、同期信号送信装置3は、入力部31と、制御部32と、変調部33と、送信部34とを備えている。入力部31には、コンピューター1のUSB端子から、所定の波形パターンの同期信号(基準信号)が入力される。この同期信号は、プロジェクター2による左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えと、液晶シャッター45L,45Rの開閉とを同期させるための信号である。
【0025】
制御部32は、入力部31に入力された同期信号を、必要に応じて加工して変調部33に出力し、変調部33は、同期信号を変調して送信部34に出力する。
【0026】
送信部34は、赤外線を発する発光ダイオード等によって構成され、変調部33で変調された同期信号を赤外線の点滅信号として外部に送信する。送信された同期信号は、液晶シャッターメガネ4とプロジェクター2に受信される。
【0027】
液晶シャッターメガネ4は、上述した液晶シャッター45L,45Rに加えて、受信部41と、復調部42と、制御部43と、駆動部44とを有している。受信部41は、フォトセンサー等によって構成され、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信(受光)して電気信号に変換し、復調部42に出力する。
【0028】
復調部42は、受信した同期信号を復調して制御部43に出力する。制御部43は、復調された同期信号に基づいて、液晶シャッター45L,45Rの開閉を制御するための制御信号を生成し、駆動部44に出力する。駆動部44は、入力される制御信号に基づいて液晶シャッター45L,45Rの開閉(開放及び閉塞)を駆動する。
【0029】
液晶シャッター45L,45Rは、それぞれ液晶パネルの表裏両側に偏光板が貼り付けられた構成を有している。液晶シャッター45Lは、駆動部44の駆動により、左眼に入射する光を透過させる開放状態と、左眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替え、液晶シャッター45Rは、駆動部44の駆動により、右眼に入射する光を透過させる開放状態と、右眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替える。
【0030】
図3は、プロジェクター2の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター2は、光学エンジン10と、制御部21と、画像情報入力部22と、記憶部23と、画像処理部24と、受信部25と、復調部26とを備えている。
【0031】
光学エンジン10は、光源としての光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等で構成されている。光学エンジン10は、画像表示部に相当するものであり、光源装置11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調して投写レンズ13から投写し、スクリーンSC等に画像を表示する。
【0032】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0033】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。液晶パネルは、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に配列された画素領域を備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域を透過することによって色光毎に変調される。そして、変調された各色光は、図示しない色合成光学系によって合成された後に投写レンズ13から投写され、画像情報に基づくカラーの画像がスクリーンSC上に表示される。
【0034】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリーであるROM(Read Only Memory)等を備え、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター2の動作を制御する。
【0035】
画像情報入力部22には、コンピューター1から供給される画像情報が画像信号として入力され、入力された画像情報は、RAM等によって構成される記憶部23に一時的に記憶される。
【0036】
受信部25は、フォトセンサー等によって構成され、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号を受信(受光)して電気信号に変換し、復調部26に出力する。復調部26は、受信した同期信号を復調して制御部21に出力する。制御部21は、左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とが、復調された同期信号に同期して切り替わるように、画像処理部24に処理を指示する。
【0037】
画像処理部24は、制御部21からの上記の指示に応じて、記憶部23から1フレーム分の画像情報を読み出して、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する処理を行い、処理後の画像情報を液晶駆動部14に出力する。液晶駆動部14が、画像処理部24から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。このように、画像処理部24が、制御部21の指示に応じて1フレームずつ処理を行うことにより、左眼用の画像と右眼用の画像とが同期信号に同期して交互に切り替わりながら表示される。
【0038】
次に、画像表示システム100の動作について、タイミングチャートを参照しながら説明する。
図4は、画像表示システム100の動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)は、コンピューター1からプロジェクター2に出力される画像情報を示す図、(b)は、コンピューター1から同期信号送信装置3に出力される同期信号(基準信号)を示す図、(c)は、同期信号送信装置3から送信される同期信号を示す図である。また、(d)は、プロジェクター2によって表示される画像の切り替えを示す図であり、(e)は、左眼用の液晶シャッター45Lを開閉させる制御信号を示す図、(f)は、右眼用の液晶シャッター45Rを開閉させる制御信号を示す図である。
【0039】
図4(a)に示すように、コンピューター1は、プロジェクター2に対して、左眼用の画像に対応する画像情報(L1,L2,…)と、右眼用の画像に対応する画像情報(R1,R2,…)とを交互に出力する。また、図4(b)に示すように、コンピューター1は、同期信号送信装置3に対して同期信号(基準信号)を出力する。この同期信号は、左眼用の画像を表示するタイミングと、右眼用の画像を表示するタイミングとでは、波形パターン(図の例では、パルス幅)が異なっており、いずれの画像を表示するタイミングであるのかを識別可能になっている。このため、この同期信号では、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とが切り替わる周期と略同一の周期で、左眼用の画像に対応する波形パターンと、右眼用の画像に対応する波形パターンとが交互に繰り返される。
【0040】
図4(c)に示すように、同期信号送信装置3は、コンピューター1から入力された同期信号を赤外線の点滅信号としてプロジェクター2及び液晶シャッターメガネ4に送信する。なお、図示した波形は、変調部33で変調する前の状態を示しているが、コンピューター1と同期信号送信装置3とを接続するUSBケーブルの長さや、同期信号送信装置3の処理速度等の影響により、コンピューター1から入力される同期信号に対して僅かに遅延している。
【0041】
図4(d)に示すように、プロジェクター2は、同期信号送信装置3から送信される同期信号に同期して画像を表示する。具体的には、左眼用の画像に対応する波形パターンに同期させて、左眼用の画像を1フレーム分だけ表示し、右眼用の画像に対応する波形パターンに同期させて、右眼用の画像を1フレーム分だけ表示する。
【0042】
そして、図4(e)、(f)に示すように、液晶シャッターメガネ4は、同期信号送信装置3から送信される同期信号に同期して液晶シャッター45L,45Rを交互に開閉させる。ここで、液晶シャッターメガネ4の駆動部44は、制御部43からの制御信号がHの期間に液晶シャッター45L,45Rを開放し、Lの期間に液晶シャッター45L,45Rを閉塞するようになっている。つまり、制御部43は、左眼用の画像に対応する同期信号(波形パターン)に同期させて、左眼用の液晶シャッター45Lを開放し、右眼用の画像に対応する同期信号(波形パターン)に同期させて、右眼用の液晶シャッター45Rを開放する。
【0043】
なお、プロジェクター2の液晶駆動部14が液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動して光透過率の設定、即ち画像の形成を行う際には、マトリクス状に配列された画素を一列ずつ順次処理していくため、左(右)眼用の画像から右(左)眼用の画像に切り替える際に、一画面内に左右両方の画像が混在する期間が存在する。このため、一方の目に左右両方の画像が認識されてしまうクロストークの発生を抑制するためには、左右の画像が混在していない期間に液晶シャッター45L,45Rを開放し、左右の画像が混在している期間は、双方の液晶シャッター45L,45Rとも閉塞するように液晶シャッター45L,45Rの開閉を制御することが望ましい。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の画像表示システム100によれば、プロジェクター2は、赤外線の同期信号に基づいて左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替え、液晶シャッターメガネ4は、赤外線の同期信号に基づいて左眼用の液晶シャッター45L及び右眼用の液晶シャッター45Rの開閉を駆動する。つまり、プロジェクター2と液晶シャッターメガネ4の双方が、同期信号送信装置3から送信される赤外線の同期信号に基づいて左右の切り替えを行うため、プロジェクター2における画像の切り替えと、液晶シャッターメガネ4における液晶シャッター45L,45Rの駆動とをより正確に同期させることが可能となり、画像の表示品位の低下を抑制することが可能となる。
【0045】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0046】
上記実施形態では、同期信号送信装置3と、プロジェクター2及び液晶シャッターメガネ4との間で、赤外線の同期信号を送受信する態様を示したが、同期信号は、ワイヤレスで送受信されるものであれば赤外線に限定されない。例えば、赤外線以外の光通信を利用するようにしてもよいし、電波を利用するようにしてもよい。
【0047】
上記実施形態のプロジェクター2では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【0048】
上記実施形態では、画像表示装置の一例として、プロジェクター2について説明しているが、画像表示装置はプロジェクター2に限定されない。例えば、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクター、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等、他の画像表示装置に適用することも可能である。
【0049】
上記実施形態では、画像供給装置として、コンピューター1を用いているが、画像供給装置はコンピューター1に限定されず、例えば、各種画像再生装置等を利用するようにしてもよい。
【0050】
上記実施形態では、画像表示装置(プロジェクター2)と画像供給装置(コンピューター1)とがDVIインターフェイスによって接続されているが、この態様に限定されない。例えば、HDMIインターフェイスによって接続するようにしてもよい。
【0051】
上記実施形態では、画像供給装置が左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とをフレーム単位で交互に出力するようにしているが、画像情報の供給方式はこれに限定されない。例えば、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とを左右に並べて1フレーム内に収めるサイドバイサイド方式を採用することも可能である。この場合には、画像表示装置が、供給される画像情報を左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とに分離し、各画像情報に基づく画像を同期信号に同期させて順次表示すればよい。
【符号の説明】
【0052】
1…コンピューター、2…プロジェクター、3…同期信号送信装置、4…液晶シャッターメガネ、10…光学エンジン、11…光源装置、11a…光源ランプ、11b…リフレクター、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、21…制御部、22…画像情報入力部、23…記憶部、24…画像処理部、25…受信部、26…復調部、31…入力部、32…制御部、33…変調部、34…送信部、41…受信部、42…復調部、43…制御部、44…駆動部、45L…左眼用の液晶シャッター、45R…右眼用の液晶シャッター、100…画像表示システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する同期信号送信装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムであって、
前記シャッターメガネは、
前記同期信号送信装置から送信される前記同期信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用のシャッター及び前記右眼用のシャッターの開閉を駆動する駆動部と、を備え、
前記画像表示装置は、
前記画像供給装置から画像情報が入力される画像情報入力部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する画像表示部と、
前記同期信号送信装置から送信される前記同期信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを切り替える制御部と、
を備えたことを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムであって、
前記同期信号送信装置は、前記同期信号を赤外線の信号として送信することを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、プロジェクターであることを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、前記画像供給装置とDVIインターフェイス又はHDMIインターフェイスによって接続されることを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記同期信号送信装置は、前記画像供給装置から基準信号が入力され、当該基準信号に基づいて前記同期信号をワイヤレスで送信することを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示システムであって、
前記同期信号送信装置には、前記画像供給装置からUSBインターフェイスを介して前記基準信号が入力されることを特徴とする画像表示システム。
【請求項7】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置であって、
前記画像供給装置から画像情報が入力される画像情報入力部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する画像表示部と、
ワイヤレスで送信される同期信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記同期信号に基づいて、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを切り替える制御部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する画像表示装置と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する同期信号送信装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムの制御方法であって、
前記同期信号送信装置が、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号をワイヤレスで送信する送信ステップと、
前記画像表示装置が、前記同期信号を受信し、前記左眼用の画像の表示と前記右眼用の画像の表示とを前記同期信号に基づいて切り替える表示切り替えステップと、
前記シャッターメガネが、前記同期信号を受信し、前記左眼用のシャッター及び前記右眼用のシャッターの開閉を前記同期信号に基づいて駆動するシャッター駆動ステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−109702(P2012−109702A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255593(P2010−255593)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】