説明

画像表示媒体

【課題】 電界、磁界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、トナーディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの画像表示媒体を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が光透過性を有する一対の電極基板10a、15a間に、表示部材20を配置すると共に、繊維より構成される層30を配置してなる画像表示媒体。上記繊維より構成される層30は、下記一般式(I)の関係を満たすことが好ましい。
(t/d)×a≦0.95 ………(I)
〔式(I)中、tは基板間距離(μm)、dは繊維より構成される層の厚み(μm)、aは繊維より構成される層の開口率を表す。〕
【効果】 画像表示媒体におけるギャップ調整と、表示部材の均一な充填とを可能にすると共に、表示媒体が変形したときにもギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがなく、低コストで製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界、磁界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる画像表示媒体に関し、更に詳しくは、液晶材料、電気泳動材料、トナー材料、エレクトロクロミック材料などの表示部材による画像表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の発達に伴い、表示装置の薄型化、フレキシブル化等の需要が高まってきており、これらの需要に合わせた表示機器の研究開発が盛んに行われてきている。
【0003】
従来より、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、トナーディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの様々な種類の画像表示媒体が知られている。
これらの中で液晶材料、電気泳動材料、トナー材料、エレクトロクロミック材料などの表示部材を基板間に封入した構成の表示媒体では、一般に、いわゆるギャップ(対向基板あるいは対向電極間の距離、例えば、液晶では5μm程度、電気泳動では50μm程度など)が表示品位や駆動特性などに重要な影響を及ぼすものであり、特に、薄型になるほど精密なギャップ調整が必要とされる。
これらの画像表示媒体において、薄型やフレキシブル化を目指した場合には、基板同士の接触が生じやすくなり、特に、フレキシブルに変形させた場合などは均一なギャップの維持がより困難になるものである。
【0004】
上記ギャップを調整する方法としては、従来よりギャップ寸法と同じ、あるいはやや大きいスペーサ粒子を一対の対向基板で狭持し間隔を得る方法が用いられてきている。例えば、一般的な液晶の表示媒体なら直径3〜5μm程度のスペーサ粒子を、1cmあたりに数十〜百個配置して所望のギャップを得たりしているが、スペーサ粒子を固定するために該対向基板を押し付け合うため、あるいはスペーサ粒子が無い部分もギャップを維持するため、該基板は剛体(ガラス等)に限られるというような課題を有している。
また、薄型化等の効果を得られるよう、基板をフィルム材料で構成したフィルム液晶などもあるが、このようにスペーサ粒子を用いる方法ではフレキシブル性やそもそものギャップ寸法が安定しにくいなどの課題がある。
【0005】
更に、ギャップ調整の方法としては、印刷法、インプリント法、フォトリソグラフィーなどスペーサ粒子を用いない方法も採用されてきているが、アスペクト比(幅に対する高さ)を大きくとることが難しく、ギャップを大きくするためには開口率を犠牲にしなければならないという課題や、印刷インキの耐溶剤性が低いために、使用する表示素子などの表示部材が限定されるというような課題も有している。
【0006】
更にまた、図8(a)及び(b)に示すように、対向基板1a、1b間に感光性ポリイミド前駆体により形成された区画体3にて不連続となる小空間のセル4に分割した表示媒体なども知られているが(例えば、特許文献1参照)、このような構造の場合、一般的に表示素子等の表示部材の均一な充填が困難となるといったことや、気泡が混入しやすいといった課題も有している。
【特許文献1】特開昭59−34518号公報(特許請求の範囲、第2図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、画像表示媒体におけるギャップ調整と、表示部材の均一な充填とを可能にすると共に、柔軟性がある基板を選択した場合のように表示媒体が変形したときにもギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがなく、しかも、低コストで製造できる画像表示媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、少なくとも一方に光透過性を有する電極が形成された一対の基板間に、表示部材と特定構造の層を配置することで、上記目的の画像表示媒体が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0009】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 少なくとも一方が光透過性を有する一対の電極基板間に、表示部材を配置すると共に、繊維より構成される層を配置したことを特徴とする画像表示媒体。
(2) 上記繊維より構成される層は、繊維を織って形成される織物体から構成されることを特徴とする上記(1)記載の画像表示媒体。
(3) 上記繊維より構成される層は、繊維同士を織り込まずに形成される不織体から構成されることを特徴とする上記(1)記載の画像表示媒体。
(4) 上記繊維より構成される層は、下記一般式(I)の関係を満たすことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の画像表示媒体。
(t/d)×a≦0.95 ……………(I)
〔式(I)中、tは基板間距離(μm)、dは繊維より構成される層の厚み(μm)、aは繊維より構成される層の開口率を表す。〕
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像表示媒体におけるギャップ調整と高開口率の両立と、表示部材の均一な充填とを可能にすると共に、柔軟性がある基板を選択した場合のように表示媒体が変形したときにもギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがなく、しかも、低コストで製造できる画像表示媒体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の画像表示媒体の実施形態の一例(第1実施形態)を示す図面であり、(a)はその概略断面図、(b)は繊維より構成される層(平織りされた織物体)の一例を示す平面図、(c)はその側断面図、(d)は要部を示す部分断面図である。
本実施形態の画像表示媒体Aは、光透過性を有する電極10aが形成された基板10と、該基板10に対向配置される電極15aが形成された基板15間に、表示部材20を配置すると共に、繊維より構成される層30を配置したことを特徴とするものである。
【0012】
用いる光透過性を有する電極10aが形成された基板10としては、例えば、透明樹脂フィルムや透明ガラス等にITO等の透明導電性材料を塗工法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、蒸着法等により得ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
また、光透過性を有する電極10aが形成された基板10と対向配置される電極15aが形成された基板15としては、上記光透過性を有する電極10aが形成された基板10と同じ基板を用いることもできるし、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、セラミック、金属、紙、木材といった基板上に電極を形成した非光透過性の基板を用いることもできる。
上記基板10、15上の電極10a、15aは、一方を基板全面を電極とするいわゆるベタ電極とし、もう一方をフォトエッチング法やレーザー加工法などでパターン形成させた電極として構成することも可能である。また、両方を基板全面を電極とするいわゆるベタ電極とすることもできるし、両方をパターン形成された電極として構成することもできる。
さらに、電極15aが形成された基板15としては、一般的な液晶ディスプレイ等で使用されているTFT(Thin Film Transistor)基板等を用いることもできるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
上記一対の基板10,15間には、表示部材20が配置されると共に、繊維より構成される層30が配置される構造となるものである。
用いる表示部材20としては、画像表示媒体の用途、例えば、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、トナーディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの各種画像表示媒体に用いる表示部材を選択することができ、各画像表示媒体ごとに、液晶材料、電気泳動材料、トナー材料、エレクトロクロミック材料などの表示素子を含有する表示部材を用いることができる。
例えば、電気泳動材料から構成される表示部材であれば、少なくとも1種類以上の電気泳動粒子、分散剤及び分散液媒体などを含有するものが挙げられ、液晶材料から構成される表示部材であれば、ネマティック、スメクティック、コレスティックと呼ばれるようなタイプなどから選ばれる少なくとも一つを含有するものが挙げられ、エレクトロクロミック材料から構成される表示部材であれば、少なくとも1種類以上の発色剤、電解質、液媒体及び還元剤を含有するもの等が挙げられる。
【0015】
本実施形態において、繊維より構成される層30としては、例えば、図1(b)に示すように、繊維を織って形成される織物体31により構成、または、後述する、繊維同士を織り込まずに形成される不織体により構成することができる。織物体31としては、例えば、メッシュ状の各区画部32、32……を形成するように交織、編されて形成される織物体31により構成することができる。
これらの繊維より構成される層30を形成する繊維31aとしては、例えば、PETなどのポリエステル系、ポリアセタール系、アクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリビニル系、ポリカーボネード系、ポリエーテル系、ポリフェニレン系製の合成繊維などを挙げることができ、また、羊毛、兎毛等の動物由来の繊維を挙げることもできる。更には、樹木や草などから取り出した植物由来の繊維やグラスウール、アスベストなどの無機繊維、鉱物繊維を用いることもできる。好ましくは、強度、コスト、表示素子との相性などの点から、ポリエステルやポリアミド製の繊維を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、上記の繊維31aは、マルチフィラメント繊維と呼ばれる多芯繊維の他、モノフィラメント繊維と呼ばれる単芯繊維でもよく、また、該繊維の材質は上記材質を組み合わせた複合材料であったり、複数の材質の繊維をより合わせた複合繊維でもよい。さらには、複数種の材質の繊維を組み合わせたり、縦糸と横糸を異なる材質にしたり、あるいは上記した内容を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0016】
更にまた、表面を粗面とした繊維を用いることにより、表示部材20を収容した際に繊維が該表示部材20の近似色に着色されたり、表示時に目立たなくなるため、外観上の表示品位を向上させることができるものとなる。この繊維表面を粗面とする方法としては、例えば、酸、アルカリ、オゾン、プラズマ、コロナ放電、UV、UVイトロ、レーザー、電子線、溶剤、プライマー、界面活性、スパッタリングなどの処理により行うことができるが、これらに限定されるものではない。
一方で、上記繊維は、着色されたものや有色のものを用いることもでき、例えば、予め染料等で着色された繊維を用いることで、外観上の表示品位を向上させることも可能となる。
【0017】
また、用いる繊維31aの直径は、表示性能、応答性などの諸性能の点から細いことが望ましく、好ましくは1〜200μm、更に好ましくは、1〜50μmとすることが望ましい。更に、繊維31aの断面形状は、円形形状が望ましく、円形形状の繊維を用いることで、基板10、15間に狭持した際に、繊維により構成される層30と基板10との接触面積が小さくなり、表示面積を大きくすることができるものとなる。
【0018】
これらの繊維31aを織って形成される織物体31としては、例えば、一重組織である平織り、斜文織り、朱子織り、またはこれらの平織り、斜文織り、朱子織りの組み合わせの織物組織などが挙げられる。ただし、本実施形態の織物体31は、繊維31a、31a……を、メッシュ状の各区画部32、32……を形成するように交織、編されて形成されるものであり、この織物体31の織物組織は、各区画部32、32……を形成できるものであれば特に限定されず、各種の交織、編方法により織物体を構成することができる。
図1(b)及び(c)は、織物体31の織物組織を平織りにより構成した場合の平面図と側面図である。また、織物体31を図2(a)及び(b)で示すように、三枚斜文、四枚斜文の織物組織としてもよく、さらに、図3で示すように5枚朱子(たて朱子)の織物組織としてもよいものである。
好ましい織物体31の繊維組織としては、繊維より構成される層30の平滑性の点から、平織りにより構成される織物体が望ましい。
更に、織物体31は所望のギャップを得るため、あるいは織物体31の形状を維持するため、押圧処理、接着処理、溶着処理等の2次処理を行っても良い。
【0019】
上記押圧処理は、繊維より構成される層30の形成において、繊維を織って形成される織物体31の繊維31a、31a……同士をプレス加工や、ローラ加工による押圧処理により該繊維31a、31a……同士を固着することにより、織物体31、31同士が一体化されてメッシュ状の各区画部32、32……を有し平滑性を有する繊維より構成される層が形成される。
【0020】
上記接着処理は、繊維より構成される層30の形成において、繊維31aを織って形成される織物体31の繊維31a、31a……同士をエポキシ系接着剤、アクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、フェノール系接着剤、メラミン系接着剤、ユリア系接着剤、合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤、水性接着剤などの接着材を用いて、該繊維31a、31a……同士の重なり合う面の少なくとも一方から上記接着剤を塗布せしめて接着することにより、繊維31a、31a……同士が一体化されて、メッシュ状の各区画部32、32……を有する繊維より構成される層30が形成される。
なお、接着剤の種類、塗布面積、塗布量、塗布態様などは繊維の材質、開口率などを勘案して好適に組み合わせることができ、例えば、繊維としてポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合には、接着剤としてアクリレート系接着剤を用いることができる。
【0021】
上記溶着処理は、繊維より構成される層30の形成において、繊維を織って形成される織物体31の繊維31a、31a……同士を加熱手段、超音波溶着などの溶着手段を用いて、該繊維31a、31a……同士を溶着することにより、繊維31a、31a・・・同士が一体化されてメッシュ状の各区画部32、32……を有する繊維より構成される層30が形成される。
加熱手段では、織物体31を構成する繊維の軟化温度以上に加熱せしめて繊維31a、31a……同士を一体化することにより、また、超音波溶着手段では、織物体31の繊維31aに超音波加熱を施すことにより繊維を軟化あるいは溶融せしめて繊維31a、31a……同士を一体化することにより、繊維より構成される層30が形成される。
なお、織物体31を構成する繊維31aに、上述の複合材料あるいは複合繊維を用いた場合には、該繊維の残体が、あるいは該繊維の一部が軟化する温度に加熱せしめて繊維31a、31a……同士を一体化させてもよいものである。
また、加熱(超音波溶着を含む)しながら、または加熱した後に押圧工程を経てもよいものである。
【0022】
これらの平織り、斜文織り、朱子織りなどにより構成される織物体31の区画部32の数(メッシュ数)は、1インチ間の打ち込み本数から算出でき、各糸と糸との間の距離(オープニング、OP:μm)は、メッシュ数と製織前の線径(直径)により算出、具体的には〔25400/メッシュ数−線径〕で算出することができ、また、織物体31の開口率(オープニングエリア)は、オープニングと製織前の線径により算出、具体的には[(オープニング)/(オープニング+線径)]で算出することができる。
従って、繊維の直径(d)、繊維の打ち込み本数を好適に組み合わせることにより、任意の開口率となる平織り、斜文織り、朱子織りなどから構成される織物体31を適宜設定することができ、例えば、図4(a)は平織りによる織物体31の開口率を40%とした場合の部分平面図であり、図4(b)は平織りによる織物体31の開口率を50%とした場合の部分平面図である。
【0023】
上記繊維より構成される層30が、基板間距離をt(μm)、繊維より構成される層の厚みをd(μm)、繊維より構成される層の開口率をaとしたときに、下記式(I)を満足することが望ましい。
(t/d)×a≦0.95 ……………(I)
基板間距離tは、表示の応答性や駆動電圧を支配する要素となるものであるが、表示性能や組立て性の点から、好ましくは、300μm以下、更に好ましくは、3〜100μmとすることが望ましく、用いる表示部材の特性に応じて適宜調整されるものである。
また、繊維より構成される層の厚みdは、基板間に挟持された際の断面において基板10側端面と基板15側端面の厚みを表すものである。
更に、繊維より構成される層の開口率aは、良好な表示を得る点から、好ましくは、50%以上、更に好ましくは、70〜90%とすることが望ましい。
なお、開口率とは、表示面側から繊維で構成された層30を見たときに、完全に抜けている面積が単位面積に占める割合を指す。
【0024】
上記式(I)において、(t/d)×aが0.95より大きい場合には、繊維より構成される層が基板10、15から離れすぎてしまいギャップが安定しにくくなり、特にフレキシビリティを持たせた表示媒体とした場合には、表示のにじみ等が生じ、表示性能の安定性が損なわれることになる。
従って、本発明では、繊維より構成される層30を対向基板間の空間部に経時的に安定に存在せしめ、所望の表示性能を得るためにも、繊維より構成される層30は上記式(I)を満足することが好ましい形態となる。なお、(t/d)×aの下限値は、良好な表示特性の維持や表示面積の確保の点から、0.40以上とすることが望ましい。
【0025】
本実施形態の表示媒体Aは、得られた織物体31の繊維より構成される層30を基板10と基板15を対向配置させた空間部17に配置し、各区画部32に表示部材20を収容し、空間部17の周囲をシール部25により封止することにより得られるものとなる。
【0026】
本実施形態の表示媒体Aは、繊維より構成された層30を、対向する基板10と基板15の間に配置し、該対向基板10、15と該繊維より構成された層30は、熱硬化型接着剤、UV硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤、自然硬化型接着剤、2液混合型(化学反応硬化型)接着剤などの接着剤を表示部の周囲に塗布され、更に該接着剤を硬化させて得た容器内に表示素子等の表示部材を充填、収容してなるものであるが、該容器においては基板10、15と織物体31の繊維31a、31aの交差部分ではない部分に面方向に対して隙間があって各区画部32は連通しているため、表示素子が通過可能となっており、従来の真空充填法などでも、均一な充填が可能となる。
【0027】
このように構成される本実施形態の表示媒体Aでは、光透過性を有する電極10a,15aが形成された一対の基板10,15間に、繊維より構成される層30となる織物体31に表示部材20が収容配置される構造となるので、画像表示媒体におけるギャップ調整と高開口率の両立が可能となり、かつ、表示部材の均一な充填も可能となり、図5(a)〜(c)に示すように、PETなどの樹脂基板等の柔軟性がある基板を選択した場合のように表示媒体が変形したときにも、繊維より構成される層30の作用により、ギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがなく、しかも、低コストで液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、トナーディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの様々な種類の画像表示媒体を製造することができるものとなる。
更に、上記式(I)を満たす繊維より構成される層30を用いた画像表示媒体では、更により良好な表示性能や形状安定性が得られるものとなる。
【0028】
図6(a)及び(b)は、繊維より構成される層30を、繊維同士を織り込まずに形成される不織体33により構成した画像表示媒体の実施形態である。上記第1実施形態の画像表示媒体Aと同様の構成は、同一符号をつけてその説明を省略する(以下の実施形態においても同様)。
この繊維同士を織り込まずに形成される不織体33としては、例えば、湿式不織布、乾式不織布(ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等)、スパンレース法、スパンボンド、ステッチボンドなどの製法により製造された不織布シートが挙げられる。この不織体33は、所望のギャップを得るため、あるいは不織体の形状を維持するため、上述の織物体31と同様に押圧処理、接着処理、溶着処理等の2次処理を行っても良い。
更に、任意形状となる区画部を形成するように、該不織体33を凸部刃を有するマイクロビット型で押圧して、図1(b)に示すように各区画部32を形成することもできる。
【0029】
図7(a)及び(b)は、繊維同士を織り込まずに形成した不織体34であり、図7(a)は、繊維同士を織り込まないで繊維同士を押圧処理、接着処理、溶着処理等により区画部32、32……を形成するように構成した不織体34〔図7(c)参照〕であり、図7(b)は、繊維同士を織り込まないで基板に押圧処理、接着処理、溶着処理等により区画部32、32……を形成するように構成した不織体34である。
さらに、図7(d)に示すように、繊維を微細にカットしたものを織り込まずに形成した不織体34とすることもでき、また、微細にカットされた繊維の接触部を押圧処理、接着処理、溶着処理等することもできる。この場合にも、スペーサ粒子でギャップ維持する場合に比べ、基板との接触面積が上昇するためにフレキシブル性やギャップ寸法が安定したものとなる。
【0030】
この実施形態となる図6の画像表示媒体B、並びに、図7の不織体34を使用した画像表示媒体においても、画像表示媒体におけるギャップ調整が可能となり、かつ、表示部材の均一な充填も可能となり、柔軟性がある基板を選択した場合のように表示媒体が変形したときにも、各不織体33や34の作用により、ギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがなく、しかも、低コストで様々な種類の画像表示媒体を製造することができ、更に、上記式(I)を満たす不織体を用いたものでは、更により良好な表示性能や形状安定性が得られるものとなる。
【実施例】
【0031】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜4及び比較例1〕
下記方法により液晶表示媒体を作製した。
【0032】
(実施例1、液晶表示媒体)
下記各工程により、液晶表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリプロピレン
繊維径:5μm
層の仕様: 繊維の長手方向の長さが約500μmとなるように裁断された繊維片からなる層
開口率(a):90%
繊維より構成される層の厚み(d):5μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ100μmのPETフィルム表面に、7セグメントパターンを表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
基板間距離(t):5μm、(t/d)×a=0.9
3)用いた表示部材
ネマティック液晶
4)液晶表示媒体の作製
背面基板15の3辺にシール部25としてUV硬化型接着剤を塗布し、繊維より構成される層30として、裁断された繊維片を背面基板15上に均一に載せ、更にその上から全面基板10を載せ、該繊維より構成される層30を該基板10と15で狭持したまま、UV光を照射し、該繊維より構成される層30と対向基板10、15とを一体化させ、これにネマティック液晶を真空充填法にて充填後、注入孔をUV効果型接着剤で封止して、液晶表示媒体を得た。
【0033】
(実施例2、液晶表示媒体)
下記各工程により、液晶表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリプロピレン
繊維径:5μm
層の仕様: 図7(b)に示すように、各繊維が略平行になるように配置された層
開口率(a):85%
繊維より構成される層の厚み(d):5μm
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ100μmのPETフィルム表面に、7セグメントパターンを表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
基板間距離(t):5μm、(t/d)×a=0.85
3)以下は上記実施例1と同様にして液晶表示媒体を作製した。
【0034】
(実施例3、液晶表示媒体)
下記各工程により、液晶表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:アクリル、ポリエステル
繊維径:約3.5μm
層の仕様: 図6(a)、(b)に示すように、繊維同士を織り込まないで繊維同士を押圧処理した
開口率(a):80%
繊維より構成される層の厚み(d):9μm
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ100μmのPETフィルム表面に、7セグメントパターンを表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
基板間距離(t):9μm、(t/d)×a=0.80
3)以下は上記実施例1と同様にして液晶表示媒体を作製した。
【0035】
(比較例1、液晶表示媒体)
下記各工程により、液晶表示媒体を得た。
1)ギャップ調整材
用いたギャップ調整材: 材質:アクリル系スペーサ粒子5μmの分級品
2)、3)は上記実施例1と同様のものを用いた。
4)液晶表示媒体の作製
基板15の3辺にシール部25としてUV硬化型接着剤を塗布し、アクリル系樹脂スペーサ粒子を散布、更にその上から基板10を載せ、該スペーサ粒子群を該基板10と15で狭持したまま、UV光を照射し、該スペーサ粒子群と対向基板10、15とを一体化させ、これにネマティック液晶を真空充填法にて充填後注入孔をUV効果型接着剤で封止して、液晶表示媒体を得た。
【0036】
得られた実施例1〜3及び比較例1記載の液晶表示媒体について、下記評価方法により、液晶表示媒体の表示性能、液晶の充填のしやすさ、変形への耐性を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0037】
(表示性能の評価方法)
所望の電圧(15V)を印加して液晶表示媒体の表示性能を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:非常に良い。
○:良好な表示性能。
△:にじみやボケがでる。
×:表示できない。
【0038】
(表示部材の充填性能の評価方法)
表示部材を充填する際の充填性能を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:通常の真空法(低真空)で充填可能。
△:充填できるが通常の条件ではできない。
×:充填できない。
【0039】
(変形への耐性の評価方法)
図5(c)に示すように、R10まで変形させた状態での表示性能を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:著しい変形(R10)でも表示や形状を維持。
○:通常使用レベルの変形(R50)で表示、形状を維持。
△:R50の変形で表示がにじむ。
×:R50の変形で表示が著しく劣化する。
【0040】
【表1】

【0041】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜3は、液晶表示媒体に所望の電圧を印加することにより良好な表示を得ることができることが判った。また、図5(c)に示すようにR10まで変形させたが基板間の接触はなく、表示性能は維持された。特に、実施例1及び2の液晶表示媒体では、表示面積が広いため、実施例3よりも表示性能が高いことが判った。
これ対して、本発明の範囲外となる比較例1では、R50まで変形させると基板間に介在するはずのギャップ調整用のスペーサ粒子が移動してしまい、基板同士が接触したり、ギャップが不均一になり表示不良が発生した。
【0042】
〔実施例4〜8及び比較例2〕
下記方法により電気泳動表示媒体を作製した。
(実施例4、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリアリレート
繊維径:23μm
層の仕様: 織物体(平織り)
開口率(a):80%
繊維より構成される層の厚み(d):46μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):50μm、(t/d)×a=0.87
3)用いた表示部材
電気泳動表示用インキ:キシレン中に、親油化処理された酸化チタン(粒径約0.3μm)とカーボンブラックにて着色された樹脂粒子(粒径約1μm)とヒドロキシラウリルアミンとを添加して得られたインキ。
4)電気泳動表示媒体の作製
図5(b)のように、背面基板15の3辺にシール部25としてUV硬化型接着剤を塗布し、織物体31を乗せ、さらにその上から前面基板10を乗せ、該織物体31を該基板10と15で狭持したまま、UV光を照射し、該織物体31と対向基板10、15とを一体化させる。これに電気泳動表示用インキを真空充填法にて充填後注入孔をUV効果型接着剤で封止して、電気泳動表示媒体を得た。
【0043】
(実施例5、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリアリレート
繊維径:23μm
層の仕様: 織物体(平織り)、カレンダー加工にて押圧処理
開口率(a):50%
繊維より構成される層の厚み(d):40μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):40μm、(t/d)×a=0.50
3)以下は上記実施例4と同様にして電気泳動表示媒体を作製した。
【0044】
(実施例6、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:PET
繊維径:200μm
層の仕様: 織物体(平織り)、加熱後に押圧処理
開口率(a):40%
繊維より構成される層の厚み(d):300μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):300μm、(t/d)×a=0.40
3)以下は上記実施例4と同様にして電気泳動表示媒体を作製した。
【0045】
(実施例7、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリアリレート
繊維径:20μm
層の仕様: 織物体(平織り)
開口率(a):90%
繊維より構成される層の厚み(d):40μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):42μm、(t/d)×a=0.945
3)以下は上記実施例4と同様にして電気泳動表示媒体を作製した。
【0046】
(実施例8、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリアリレート
繊維径:20μm
層の仕様: 織物体(平織り)
開口率(a):90%
繊維より構成される層の厚み(d):40μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):45μm、(t/d)×a=1.01
3)以下は上記実施例4と同様にして電気泳動表示媒体を作製した。
【0047】
(比較例2、電気泳動表示媒体)
下記各工程により、電気泳動表示媒体を得た。
1)レーザー加工によるメッシュシートの作成
基材: 材質:PET
基材フィルム厚:50μm、
加工法: COレーザーによりPETフィルムを正方形状に多数打ち抜き、メッシュを形成。
開口率(a):80%
メッシュシート層の厚み(d):50μm、
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):50μm
式(I)に対応する数値: (t/d)×a=0.80
3)用いた表示部材
上記電気泳動表示用インキ
4)電気泳動表示媒体の作製
基板15の3辺にシール部25としてUV硬化型接着剤を塗布し、メッシュシートを載せ、その上から電気表示用インクを滴下充填法にて充填後、更に、その上から基板10を載せ、該メッシュシートを該基板10と15で狭持したまま、UV光を照射し、該メッシュシートと対向基板10、15とを一体化させて電気泳動表示媒体を得た。
【0048】
上記実施例4〜8及び比較例2で得られた電気泳動表示媒体は、図5に示す電気泳動表示装置とした。
実施例4〜8及び比較例2で得られた電気泳動表示媒体について、上記評価方法により、電気泳動表示媒体の表示性能、電気泳動表示用インキの充填のしやすさ、変形への耐性を評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
【0049】
【表2】

【0050】
上記表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例4〜8の電気泳動表示媒体に所望の電圧(50V)を印加することにより、可逆な表示、すなわち、高コントラストな白黒表示が可能であることが確認できた。また、本発明範囲内の実施例4〜8においては、表示性能、充填のしやすさ、変形への耐性のいずれも良い結果となった。特に、実施例4、5、7の電気泳動表示媒体においては、好ましい開口率と式(I)の条件を満たしており、特に良好な結果となった。
一方、本発明範囲外となる比較例2の電気泳動表示媒体においては、表示性能が良くても充填がしにくかったり、変形への耐性が無いといった結果になった。
更に、得られた電気泳動表示装置を、50℃、80%加湿条件下に1ヶ月放置した後でも、初期と表示特性の変化が見られず、非常に表示劣化しにくい電気泳動表示媒体が得られることが確認でき、しかも、繊維より構成される層内には気泡が成長した様子も見られなかった。
これに対して、本発明の範囲外となる比較例2は、真空充填法では充填ができず、滴下充填法で充填して試験を行ったため、十分な脱気を行うことが難しく、層内に気泡が残りやすくなることが分かった。
【0051】
〔実施例9、エレクトロクロミック表示媒体〕
下記各工程により、エレクトロクロミック表示媒体を得た。
1)繊維より構成される層30
用いた繊維: 材質:ポリプロピレン
繊維径:2μm
層の仕様: 不織布(メルトブロー法による)
繊維より構成される層の厚み(d):50μm
2)用いた基板10、15
前面基板10:厚さ100μmのPETフィルム表面に、表面抵抗値が100Ω/□となるように形成された基板
背面基板15:厚さ125μmのポリイミドフィルム表面に、銅箔で7セグメントパターンが形成された基板
基板間距離(t):50μm
3)用いた表示部材
エレクトロクロミックインキ:窒素含有極性溶媒中に、電解質(イオン性有機化合物)と発色剤(2つのカルボニル基を有する芳香族化合物)を溶解したインキ。
4)エレクトロクロミック表示媒体の作製
基板15の周囲にシール部25としてUV硬化型接着剤を塗布し、エレクトロクロミック表示素子を含ませた繊維より構成される層30を載せ、さらにその上から基板10を載せ、該繊維より構成される層30を該基板10と15で狭持したまま、該接着剤部分にUV光を照射し、該繊維より構成される層30と対向基板10、15とを一体化させエレクトロクロミック表示媒体を得た。
【0052】
得られたエレクトロクロミック表示媒体は、図6に示す表示装置とした。
この実施例9記載のエレクトロクロミック表示媒体においても、上記各評価方法により評価したところ、所望の電圧(5V)を印加することにより良好な表示を得ることができた。また、R10まで変形させたが基板間の接触はなく、表示性能は良好に維持され、充填も通常の条件で充填できることが判った。
【0053】
以上の表1及び表2、並びに、実施例9の結果を総合すると、基板10、15間に繊維より構成される層を配置した各表示媒体は、簡便にギャップ調整ができる上、スペーサ粒子やレーザー加工法によるセル形成など従来の方法で形成された各表示媒体よりも、表示部材の均一な充填を可能にすると共に、表示媒体が変形したときにもギャップを維持することができ、表示品位や駆動特性を損なうことがないことが判った。
更に、各実施例において、上記式(I)を満たすものでは、更により良好な表示性能や形状安定性が得られることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)は本発明の表示媒体の一般的形態の概略断面図、(b)繊維より構成される層の一例である平織りされた織物体の平面図、(c)はその側断面図、(d)は要部を示す部分断面図である。
【図2】(a)は繊維より構成される層が三枚斜文織りされた織物体である一例を示す平面図、(b)は繊維より構成される層が四枚斜文織りされた織物体である一例を示す平面図である。
【図3】繊維より構成される層が五枚朱子(縦朱子)織りされた織物体である一例を示す平面図である。
【図4】(a)は平織りによる織物体の開口率を40%とした場合の部分平面図、(b)は平織りによる織物体の開口率を50%とした場合の部分平面図である。
【図5】(a)は表示部材に液晶及び電気泳動用液(インキ)を収容した表示媒体の一例を示す側断面図、(b)は平織りの織物体の一例を示し、その組立て時の配置を示す俯瞰図、(c)は(a)の表示媒体を変形させたときの概略断面図である。
【図6】(a)は表示部材にエレクトロクロミック液を収容した表示媒体の一例を示す側断面図、(b)は不織体の一例を示し、その組立て時の配置を示す俯瞰図である
【図7】(a)は繊維同士を織り込まず重ねた不織体の一例を示す概略図、(b)は繊維同士を織り込まずに並べた不織体の一例を示す概略図、(c)は繊維同士を意図的に織り込まずに絡ませた不織体の一例を示す概略図、(d)は裁断された繊維片を均一に配置した不織体の一例を示す概略図である。
【図8】(a)及び(b)は、従来の電気泳動表示媒体の断面図と平面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 表示発現側の基板
10a 基板10に形成された電極
15 基板10に対向する基板
15a 基板15に形成された電極
20 表示部材
25 シール部
30 繊維より構成された層
31 織物体
31a 織物体31を形成する繊維
32 各区画部
33 不織体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が光透過性を有する一対の電極基板間に、表示部材を配置すると共に、繊維より構成される層を配置したことを特徴とする画像表示媒体。
【請求項2】
上記繊維より構成される層は、繊維を織って形成される織物体から構成されることを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体。
【請求項3】
上記繊維より構成される層は、繊維同士を織り込まずに形成される不織体から構成されることを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体。
【請求項4】
上記繊維より構成される層は、下記一般式(I)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の画像表示媒体。
(t/d)×a≦0.95 ……………(I)
〔式(I)中、tは基板間距離(μm)、dは繊維より構成される層の厚み(μm)、aは繊維より構成される層の開口率を表す。〕

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−350110(P2006−350110A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178043(P2005−178043)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【出願人】(391018341)NBC株式会社 (59)
【Fターム(参考)】