説明

画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラム

【課題】ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】画像表示装置では、ディスプレイに表示させる対象画像が決定されると(S3)、ディスプレイを目視可能な範囲内に存在する人物である閲覧者が検出される(S5)。対象画像に閲覧者の顔特徴が含まれている場合、閲覧時間が長くなるように設定される(S7)。ディスプレイに対象画像が切替表示されると(S9)、閲覧者の視線が検出される(S17)。対象画像が注視されている場合(S19:YES)、閲覧者の注視時間が算出される(S25)。注視時間が閲覧時間以上である場合(S27:YES)、ディスプレイに次の表示画像が切替表示される(S9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画像を所定時間毎に切り替える画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部に表示される画像を所定時間毎に切り替える画像表示装置(所謂、デジタルフォトフレーム)が知られている。このような画像表示装置では、ユーザは表示画像に興味がない場合でも所定時間は見続ける必要があり、不快に感じることがあった。そこで、カメラで撮影した人物が登録済みのユーザである場合に、そのユーザに関連付けて登録されているお気に入りの画像を再生する再生装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−171176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の再生装置では、複数のユーザによって共用される場合でも、面倒な操作を伴うことなくユーザ毎にお気に入りの画像を自動再生することができる。しかしながら、カメラで撮影されたユーザに対応する画像が表示されているときに、そのユーザが表示部を注視していないことがある。この場合、ユーザは、表示部に表示されたお気に入りの画像を見逃すおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る画像表示装置は、記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置であって、前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択手段と、前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段と、前記画像選択手段によって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定手段と、前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記画像選択手段によって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断手段と、前記画像判断手段によって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間をより長くなるように変更する第1閲覧時間変更手段と、前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データを表示する切替表示手段と、前記切替表示手段によって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出手段と、前記注視検出手段によって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断手段とを備え、前記切替表示手段は、前記継続時間判断手段によって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする。
【0007】
第1態様によれば、表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を示す特徴画像が、表示部に表示される画像データに含まれている場合、閲覧時間が長くなるように変更される。表示部が注視されている状態の継続時間が閲覧時間以上になると、画像データの切替表示が行われる。つまり、表示部に表示される画像データで映し出される人物は、その画像データを長時間に亘って注視することができる。したがって、ユーザは自分の撮影された画像を見逃すことが抑制されるため、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる。
【0008】
第1態様において、前記画像判断手段は、前記人物特定手段によって複数の前記人物が特定された場合、前記画像データに複数の前記特徴画像の各々が含まれているか否かを判断し、前記第1閲覧時間変更手段は、前記画像判断手段によって前記画像データに複数の前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記画像データに含まれる前記特徴画像の数量に応じて前記閲覧時間をより長くなるように変更してもよい。これによれば、複数のユーザが自分の撮影された画像を見逃すことが抑制されるため、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる。
【0009】
第1態様において、前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記特徴画像に対応する人物から前記表示部までの距離を測定する距離測定手段と、前記距離測定手段によって測定された前記距離に応じて、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間を変更する第2閲覧時間変更手段とを備えてもよい。これによれば、表示部を目視可能な人物までの距離に応じて、閲覧時間を最適な長さに変更することができる。
【0010】
第1態様において、前記画像データが閲覧された時間および回数の少なくとも一方が、前記画像データごとに関連付けられた閲覧実績情報を記憶する閲覧実績記憶手段と、前記画像選択手段によって選択された前記画像データに対応する前記閲覧実績情報に応じて、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間を変更する第3閲覧時間変更手段とを備えてもよい。これによれば、表示部に表示される画像データの閲覧実績に応じて、閲覧時間を最適な長さに変更することができる。
【0011】
第1態様において、前記表示部を目視可能な範囲を撮影する撮影手段を備え、前記人物特定手段は、前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて、前記人物を特定し、前記注視判断手段は、前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて、前記表示部が注視されていることを検出してもよい。これによれば、共通の撮影手段を用いて撮影された画像に基づいて、人物特定および注視検出の両方を行うことができる。
【0012】
本発明の第2態様に係る画像表示方法は、記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置において、前記画像データの切替表示を行うための画像表示方法であって、前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択ステップと、前記画像選択ステップによって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定ステップと、前記人物特定ステップによって前記人物が特定された場合、前記画像選択ステップによって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断ステップと、前記画像判断ステップによって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段において、前記閲覧時間をより長くなるように変更する閲覧時間変更ステップと、前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択ステップによって選択された前記画像データを表示する切替表示ステップと、前記切替表示ステップによって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出ステップと、前記注視検出ステップによって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断ステップとを備え、前記切替表示ステップは、前記継続時間判断ステップによって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする。
【0013】
第2態様によれば、表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を示す特徴画像が、表示部に表示される画像データに含まれている場合、閲覧時間が長くなるように変更される。表示部が注視されている状態の継続時間が閲覧時間以上になると、画像データの切替表示が行われる。つまり、表示部に表示される画像データで映し出される人物は、その画像データを長時間に亘って注視することができる。したがって、ユーザは自分の撮影された画像を見逃すことが抑制されるため、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる。
【0014】
本発明の第3態様に係る画像表示プログラムは、記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置に用いられ、前記画像データの切替表示を行うための画像表示プログラムであって、コンピュータを、前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択手段、前記画像選択手段によって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定手段、前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記画像選択手段によって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断手段、前記画像判断手段によって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段において、前記閲覧時間をより長くなるように変更する閲覧時間変更手段、前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データを表示する切替表示手段、前記切替表示手段によって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出手段、前記注視検出手段によって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断手段として機能させ、前記切替表示手段は、前記継続時間判断手段によって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする。
【0015】
第3態様によれば、表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を示す特徴画像が、表示部に表示される画像データに含まれている場合、閲覧時間が長くなるように変更される。表示部が注視されている状態の継続時間が閲覧時間以上になると、画像データの切替表示が行われる。つまり、表示部に表示される画像データで映し出される人物は、その画像データを長時間に亘って注視することができる。したがって、ユーザは自分の撮影された画像を見逃すことが抑制されるため、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像表示装置1の使用例を示す全体図である。
【図2】画像表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】画像表示装置1のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】閲覧者検出処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態における閲覧時間計算処理を示すフローチャートである。
【図6】画像表示装置1の使用例を示す他の全体図である。
【図7】第2実施形態における閲覧時間計算処理を示すフローチャートである。
【図8】閲覧実績データ300のデータ構成を示す図である。
【図9】第3実施形態における閲覧時間計算処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0018】
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1について、図1〜図6を参照して説明する。以下では、画像表示装置1として、複数の画像を所定時間毎に切り替えて順次表示する据置型表示機器(所謂、スライドショーを実行するデジタルフォトフレーム)を例示して説明する。
【0019】
図1を参照して、画像表示装置1の物理的構成について説明する。図1に示すように、画像表示装置1は、左右方向を長手方向とする正面視略長方形を有しており、略中央にディスプレイ11を備えている。ディスプレイ11の前面には、タッチパネル12(図2参照)が設けられている。ユーザは、ディスプレイ11に表示される情報を視認しながら、タッチパネル12に触れることによって、画像表示装置1に指示を入力することができる。
【0020】
画像表示装置1は、その近傍を撮影可能なカメラ13を備えている。本実施形態のカメラ13は、ディスプレイ11に隣接して設けられており、ディスプレイ11の前方における所定範囲を撮影可能なデジタルカメラである。つまり、ディスプレイ11の表示画像を閲覧しているユーザは、カメラ13によって撮影される。図示しないが、画像表示装置1の側面には、メモリカード26(図2参照)を挿入するためのカードスロットや、USBケーブルを接続するためのUSBポートなどが設けられている。
【0021】
図2を参照して、画像表示装置1の電気的構成について説明する。図2に示すように、画像表示装置1は、CPU21、ROM22、RAM23、およびフラッシュメモリ24を備えている。CPU21は、画像表示装置1の各種制御処理を司る。ROM22は、画像表示装置1を動作させる制御プログラムや、画像表示装置1の動作に関わる設定情報を記憶する。RAM23は、各種データを一時的に記憶する揮発性メモリである。フラッシュメモリ24は、各種データを記憶する不揮発性メモリである。
【0022】
画像表示装置1は、表示ドライバ29、タッチパネルドライバ30、およびカメラドライバ31を備える。表示ドライバ29は、ディスプレイ11の駆動制御を司る。タッチパネルドライバ30は、タッチパネル12の駆動制御を司る。カメラドライバ31は、カメラ13の駆動制御を司る。CPU21は、表示ドライバ29を介して、ディスプレイ11に画像を表示する。CPU21は、タッチパネルドライバ30を介して、タッチパネル12を介して入力された指示を認識する。CPU21は、カメラドライバ31を介して、カメラ13によって撮影された撮影画像を取得する。
【0023】
画像表示装置1は、メモリカードインタフェース(I/F)25およびタイマ33を備えている。CPU21は、メモリカードI/F25を介して、カードスロット(図示外)に挿入されたメモリカード26の記憶領域にアクセスして、メモリカード26に対するデータの読出・書込を行う。CPU21は、タイマ33を利用して、日時情報をディスプレイ11に表示したり、時間を測定したりする。図示しないが、画像表示装置1は、上述のCPU21や各種デバイスに電力を供給する電池を備えている。
【0024】
メモリカード26は、ディスプレイ11に表示される複数の画像データが記憶している。本実施形態では、複数の画像データが格納された画像ファイルが、メモリカード26に記憶されている。CPU21は、メモリカード26から画像ファイルを読み出すと、この画像ファイルに格納されている複数の画像データに基づいて後述のスライドショーを実行する。なお、画像表示装置1では、フラッシュメモリ24、ハードディスク(図示外)、USBメモリ(図示外)などに画像ファイルが記憶されている場合、この画像ファイルが読み出されてスライドショーが実行されてもよい。また、画像表示装置1がネットワークを介して他の端末と接続可能である場合、他の端末から取得された画像ファイルに基づいてスライドショーが実行されてもよい。
【0025】
図3〜図5を参照して、画像表示装置1にて実行される各種処理について説明する。まず、図3を参照して、画像表示装置1にて実行されるメイン処理について説明する。図3に示すメイン処理は、例えばユーザがタッチパネル12でスライドショーの開始を指示すると、ROM22に記憶されている制御プログラムに基づいて、CPU21によって実行される。
【0026】
図3に示すように、画像表示装置1のメイン処理では、まずスライドショーリストが設定される(S1)。スライドショーリストは、スライドショーで表示される複数の画像データが登録されたリストである。具体的には、ユーザがタッチパネル12を操作して、メモリカード26に記憶されている画像ファイルのうちで、スライドショーの対象にする画像ファイルを選択する。CPU21は、選択された画像ファイルをメモリカード26から読み出して、その画像ファイルに含まれる複数の画像データをスライドショーリストに設定する。設定済みのスライドショーリストは、フラッシュメモリ24に保存される。
【0027】
ステップS1の実行後、対象画像が決定される(S3)。S3で決定される対象画像は、ディスプレイ11で表示中の画像に次いで表示される画像データである。ステップS3の実行時に、フラッシュメモリ24に後述の顔特徴が記憶されている場合、記憶済みの顔特徴は消去される。
【0028】
本実施形態のスライドショーでは、スライドショーリストに登録されている順に、複数の画像データがディスプレイ11に順次表示される。ステップS3では、スライドショーリストに登録されている未表示の画像データのうちで、リスト先頭側に登録されている画像データが、対象画像として決定される。なお、メイン処理(図3)における最初のステップS3では、まだディスプレイ11でスライドショーが開始されていないため、スライドショーリストの先頭に登録された画像データが対象画像として決定される。
【0029】
ステップS3の実行後、ディスプレイ11を目視可能な位置に存在する人間(以下、閲覧者)を検出する閲覧者検出処理が実行される(S5)。以下、図4を参照して、閲覧者検出処理(S5)の詳細について説明する。
【0030】
図4に示すように、閲覧者検出処理(S5)では、まずカメラ13で撮影されている撮影画像が取得および解析される(S51)。ステップS51では、撮影画像に人物固有の顔特徴が含まれている場合、公知の顔認識処理によって撮影画像から顔特徴が抽出される。図1に示す例では、ディスプレイ11の近傍前方に存在する「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」の顔特徴が抽出される。
【0031】
ステップS51の実行後、撮影画像から顔特徴が抽出されたか否かが判断される(S53)。ステップS51にて顔特徴が抽出された場合(S53:YES)、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致するか否かが判断される(S55)。具体的には、ステップS51にて抽出された顔特徴が、フラッシュメモリ24に記憶されている顔特徴と完全一致している場合に、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致すると判断される(S55:YES)。
【0032】
一方、ステップS51にて抽出された顔特徴がフラッシュメモリ24に記憶されていない場合、または、ステップS51にて抽出された顔特徴とは異なる顔特徴がフラッシュメモリ24に記憶されている場合、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致しないと判断される(S55:NO)。なお、フラッシュメモリ24に顔特徴が記憶されていない場合も、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致しないと判断される(S55:NO)。
【0033】
この場合、ステップS51にて抽出された顔特徴が、閲覧者の顔特徴としてフラッシュメモリ24に保存される(S57)。ただし、ステップS57では、フラッシュメモリ24に顔特徴が既に記憶されている場合、フラッシュメモリ24から記憶済みの顔特徴が消去されて、ステップS51にて抽出された最新の顔特徴のみが保存される。
【0034】
ステップS57の実行後、フラッシュメモリ24に記憶されている注視時間T2が、「0秒」にリセットされる(S59)。注視時間T2は、閲覧者が対象画像を継続して注視している時間を示す。ステップS59の実行後、閲覧者検出処理(S5)が終了されて、メイン処理(図3)に処理が戻る。ステップS51にて顔特徴が抽出されなかった場合(S53:NO)、または、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致した場合も(S55:YES)、閲覧者検出処理(S5)が終了されて、メイン処理(図3)に処理が戻る。
【0035】
メイン処理(図3)に戻り、ステップS5の実行後、閲覧時間T1を計算する閲覧時間計算処理が実行される(S7)。閲覧時間T1は、閲覧者に対象画像を継続して注視させるべき時間を示す。以下、図5を参照して、閲覧時間計算処理(S7)の詳細について説明する。
【0036】
図5に示すように、閲覧時間計算処理(S7)では、まず予め定められた最小閲覧時間が、閲覧時間T1に設定される(S101)。最小閲覧時間は、閲覧者に対象画像を継続して注視させるべき最小時間であり、本実施形態では5秒である。ステップS101で設定された閲覧時間T1は、フラッシュメモリ24に記憶される。
【0037】
ステップS101の実行後、先述の閲覧者検出処理(S5)の検出結果に基づいて、閲覧者が存在するか否かが判断される(S103)。具体的には、ステップS51にて顔特徴が抽出された場合には(S53:YES)、閲覧者が存在すると判断されて(S103:YES)、フラッシュメモリ24に保存されている閲覧者の顔特徴の一つが、RAM23に読み出される(S105)。
【0038】
ステップS105の実行後、ステップS3で決定された対象画像が解析される(S107)。ステップS107の解析結果に基づいて、ステップS105で読み出された閲覧者の顔特徴が、対象画像に含まれているか否かが判断される(S109)。閲覧者の顔特徴が対象画像に含まれている場合(S109:YES)、フラッシュメモリ24に記憶されている閲覧時間T1に、所定値(本実施形態では、3秒)が加算される(S111)。
【0039】
ステップS111の実行後、または、閲覧者の顔特徴が対象画像に含まれていない場合(S109:NO)、フラッシュメモリ24に保存されている全ての顔特徴を処理したか否かが判断される(S113)。フラッシュメモリ24に未処理の顔特徴が存在する場合(S113:NO)、未処理の顔特徴が無くなるまで上述の処理(S105〜S113)が繰り返される。
【0040】
例えば、対象画像が「ユーザA」、「ユーザB」を撮影した写真データである場合には、図1に示す閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」のうち、「ユーザA」、「ユーザB」の顔特徴が対象画像に含まれている。そのため、上述の処理(S105〜S113)によって、フラッシュメモリ24に記憶されている閲覧時間T1は、ステップS101で設定された最小閲覧時間(5秒)に2名分の所定値(2×3秒=6秒)を加算した値(11秒)に更新される。
【0041】
閲覧者の顔特徴が含まれている対象画像は、閲覧者が撮影された画像データであるため、閲覧者が高い関心を持ちやすいと考えられる。本実施形態では、対象画像に閲覧者の顔特徴が含まれている場合には、閲覧時間T1をより長い時間に設定することで、閲覧者に対象画像をより長時間観賞させることができる。さらに、対象画像に含まれる閲覧者の人数に応じて、閲覧時間T1がより長い時間に設定される。これにより、対象画像に含まれる全ての閲覧者に対して、対象画像を確実に注視させることができる。
【0042】
フラッシュメモリ24に未処理の顔特徴が存在しない場合(S113:YES)、または、閲覧者が存在しない場合(S103:NO)、閲覧時間計算処理(S7)が終了されて、メイン処理(図3)に処理が戻る。
【0043】
メイン処理(図3)に戻り、ステップS7の実行後、ディスプレイ11の表示画像の切り替えが行われる(S9)。ステップS9では、ディスプレイ11に表示中の画像に替えて、ステップS3で決定された対象画像が表示される。図1に示す例は、先述の「ユーザA」、「ユーザB」を撮影した写真データが、ディスプレイ11に表示されたことを示している。なお、ステップS9にて表示画像の切り替えが行われると、タイマ33によって表示画像の切り替えが行われた時点からの経過時間T3のカウントが開始される。
【0044】
ステップS9の実行後、ステップS5と同様に、図4に示す閲覧者検出処理が実行される(S11)。ステップS11の検出結果に基づいて、閲覧者の変更ありか否かが判断される(S13)。具体的には、閲覧者検出処理(S11)において、抽出された顔特徴が記憶済みの顔特徴と一致しないと判断された場合に(S55:NO)、閲覧者の変更ありと判断される(S13:YES)。この場合、ステップS7と同様に、図5に示す閲覧時間計算処理が実行され(S15)、閲覧時間T1が再設定される。閲覧者の変更に伴う閲覧時間T1の再設定については、別途後述する。
【0045】
ステップS15の実行後、または、閲覧者の変更がない場合(S13:NO)、閲覧者の視線を検出する目線検出処理が実行される(S17)。目線検出処理(S17)では、カメラ13で撮影された最新の撮影画像に基づいて、公知の目線検出処理によって閲覧者の視線が検出される。目線検出処理の一例としては、閲覧者の眼領域の抽出、眼領域に含まれる黒目部分のエッジ検出、黒目部分の円近似を順に実行することで、閲覧者ごとに視線が検出される。
【0046】
ステップS17で検出された閲覧者の視線に基づいて、ディスプレイ11に表示されている画像が注視されているか否かが判断される(S19)。言い換えると、ステップS19では、全ての閲覧者が表示画像(つまり、ステップS3で決定された対象画像)を注視しているか否かが判断される。各閲覧者が対象画像を注視しているか否かは、各閲覧者の視線方向がディスプレイ11に向かっているか否かによって判断されればよい。
【0047】
閲覧者のうちで一人でも対象画像を注視していない場合は、閲覧者が対象画像を注視していないと判断される(S19:NO)。この場合、先述のステップS59と同様に、フラッシュメモリ24に記憶されている注視時間T2が「0秒」にリセットされる(S21)。ステップS21の実行後、タイマ33によってカウントされている経過時間T3が、所定時間(本実施形態では、1分)を経過したか否が判断される(S23)。
【0048】
経過時間T3が所定時間を経過していない場合(S23:NO)、処理はステップS11に戻る。一方、経過時間T3が所定時間を経過している場合は(S23:YES)、対象画像が閲覧時間T1を継続して注視されないまま、対象画像が1分以上表示されたことを意味する。この場合、閲覧者がディスプレイ11の表示画像に関心がないとみなすことができる。そのため、本実施形態では、スライドショーを中断させるためにメイン処理(図3)が終了される。
【0049】
一方、全ての閲覧者が対象画像を注視していると判断された場合(S19:YES)、注視時間T2を算出する注視時間算出処理が実行される(S25)。具体的には、前回のステップS19から起算した経過時間が、フラッシュメモリ24に記憶されている注視時間T2に加算される。つまり、注視時間T2は、閲覧者が変更するか(S55:NO、S59)、または、閲覧者が対象画像を注視しなくなるまで(S19:NO、S21)、ステップS25が実行される毎にカウントアップされる。
【0050】
ステップS25の実行後、閲覧者が対象画像を閲覧時間T1以上注視したか否かが判断される(S27)。具体的には、フラッシュメモリ24を参照して注視時間T2が閲覧時間T1以上であれば、閲覧者が対象画像を閲覧時間T1以上注視したと判断される(S27:YES)。図1に示す例では、閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」の全てが、ディスプレイ11に表示されている写真データを、閲覧時間T1(11秒)を継続して注視したことを意味する。
【0051】
閲覧者が対象画像を閲覧時間T1以上注視していない場合(S27:NO)、処理はステップS11に戻る。一方、閲覧者が対象画像を閲覧時間T1以上注視している場合(S27:NO)、スライドショーが終了であるか否かが判断される(S29)。具体的には、フラッシュメモリ24に記憶されているスライドショーリストを参照して、未表示の画像データが存在しているか否かが判断される。
【0052】
スライドショーリストに未表示の画像データが存在する場合(S29:NO)、ステップS3に戻り、先述のように未表示の画像データの一つが対象画像に決定されて、上述と同様の処理が実行される(S5〜S29参照)。スライドショーリストに未表示の画像データが存在しない場合(S29:YES)、スライドショーリストに登録されている全ての画像データについてスライドショーが行われたことを意味する。そのため、スライドショーを終了させるためにメイン処理(図3)が終了される。
【0053】
ここで、閲覧者の変更に伴う閲覧時間T1の再設定(S11〜S15)について説明する。画像表示装置1では、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる前に、時間の経過に伴って閲覧者が変化することがある。例えば、「ユーザA」、「ユーザB」を映した写真データが表示されている状態において、閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」が存在する状態(図1参照)から、閲覧者「ユーザC」、「ユーザD」が存在する状態(図6参照)に変化するなどである。
【0054】
本実施形態では、表示画像の切り替え(S9)が実行されたのち、対象画像が閲覧時間T1以上注視されていない場合(S27:NO)、または、対象画像の切り替え時から1分以上経過していない場合(S23:NO)、閲覧者検出処理(S11)によって閲覧者が再検出される。つまり、ディスプレイ11で表示された画像が切り替えられるまでの間、閲覧者が定期的に再検出される。
【0055】
例えば、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる前に、先述のように閲覧者が「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」から「ユーザC」、「ユーザD」に変化したと想定する。この場合、図4に示す閲覧者検出処理(S11)では、最新の撮影画像が取得および解析されて、「ユーザC」、「ユーザD」の顔特徴が抽出される(S51、S53:YES)。フラッシュメモリ24に記憶されている「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」の顔特徴は、ステップS51で抽出された「ユーザC」、「ユーザD」の顔特徴と一致しない(S55:NO)。そのため、フラッシュメモリ24では、「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」の顔特徴が消去されて、「ユーザC」、「ユーザD」の顔特徴が保存される(S57)。
【0056】
閲覧者検出処理(S11)の実行後、閲覧者の変更ありと判断されるため(S13:NO)、閲覧時間計算処理が実行される(S15)。図5に示す閲覧時間計算処理(S15)では、フラッシュメモリ24に記憶されている閲覧時間T1が、最小閲覧時間(5秒)に更新される(S101)。閲覧者ありと判断されて(S103:YES)、フラッシュメモリ24から「ユーザC」、「ユーザD」の顔特徴が読み出され(S105)、対象画像が解析される(S107)。なお、閲覧時間計算処理(S15)の実行時には、先述の閲覧時間計算処理(S7)の実行時とは異なり、対象画像はディスプレイ11に表示されている。
【0057】
ステップS107の解析結果に基づいて、「ユーザC」、「ユーザD」の顔特徴が対象画像に含まれているか否かが判断される(S109)。先述のように、対象画像には「ユーザA」、「ユーザB」を含む写真データであるため(図6参照)、閲覧者の顔特徴が対象画像に含まれていないと判断される(S109:YES)。したがって、フラッシュメモリ24に記憶された閲覧時間T1は、ステップS111にて更新されることなく、閲覧者検出処理(S11)が終了する。
【0058】
以降の処理では、「ユーザC」、「ユーザD」の目線が検出されて(S17)、対象画像が注視されているか否かが判断される(S19)。「ユーザC」、「ユーザD」の注視時間T2が算出されて(S25)、対象画像が閲覧時間T1(つまり、5秒)以上注視されたか否かが判断される(S27)。このように、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる前に閲覧者が変化した場合には、変化後の閲覧者に応じた最適な閲覧時間T1が再設定される。
【0059】
以上説明したように、第1実施形態に係る画像表示装置1によれば、閲覧者の顔特徴が対象画像に含まれている場合、閲覧時間T1がより長くなるように変更される。ディスプレイ11に対象画像が表示されている状態において、閲覧者の注視時間T2が閲覧時間T1以上になると、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる。つまり、ディスプレイ11に表示される対象画像で映し出されるユーザは、その対象画像を長時間に亘って注視することができる。したがって、ユーザは自分の撮影された画像を見逃すことが抑制されるため、ユーザに関心のある画像を確実に注視させることができる。
【0060】
また、カメラ13で撮影された撮影画像に基づいて、閲覧者検出処理(S5、S11)および目線検出処理(S17)が実行される。そのため、閲覧者を検出するための機器と、閲覧者の目線を検出するための機器とを、別々に設ける必要がなく、画像表示装置1の構成を簡素化できる。
【0061】
本発明の第2実施形態に係る画像表示装置1について、図7を参照して説明する。第2実施形態に係る画像表示装置1は、第1実施形態に係る画像表示装置1(図2参照)と同様の構成である。第2実施形態に係るメイン処理は、第1実施形態に係るメイン処理(図3参照)と同様であるが、閲覧時間計算処理(S7、S15)の詳細が異なる。以下では、第1実施形態と共通の構成および処理については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点のみを説明する。
【0062】
図7に示すように、第2実施形態に係る閲覧時間計算処理(S7、S15)では、第1実施形態と同様に、先述のステップS101〜S111と同様の処理が実行される。ステップS111の実行後、ディスプレイ11から閲覧者までの距離を測定する距離測定処理が実行される(S201)。
【0063】
距離測定処理(S201)では、カメラ13で撮影された最新の撮影画像に基づいて、ステップS105で読み出された顔特徴に対応する閲覧者までの距離が、公知の画像処理によって測定される。先述のように、カメラ13はディスプレイ11に隣接して設けられているため、撮影画像に基づいて測定された閲覧者までの距離は、ディスプレイ11から閲覧者までの距離とほぼ等しい。
【0064】
ステップ201によって測定された距離が、所定距離(本実施形態では、1メートル)以下であるか否かが判断される(S203)。測定距離が所定距離以下である場合(S203:YES)、閲覧者はディスプレイ11の近傍に位置していることを示す。この場合、フラッシュメモリ24に記憶されている閲覧時間T1に、所定値(本実施形態では、2秒)が加算される(S205)。
【0065】
ステップS205の実行後、または、測定距離が所定距離を超えている場合(S203:NO)、第1実施形態と同様に、全ての顔特徴を処理済みか否かが判断される(S113)。対象画像に顔特徴が含まれていない場合も(S109:NO)、全ての顔特徴を処理済みか否かが判断される(S113)。未処理の顔特徴が存在する場合は(S113:NO)、処理はステップS105に戻る。全ての顔特徴を処理済みである場合(S113:YES)、閲覧時間計算処理(図7)が終了されて、メイン処理(図3)に処理が戻る。
【0066】
具体的には、図1に示す例において、閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」のうち、「ユーザA」、「ユーザB」がディスプレイ11から1メートルの範囲内に存在すると想定する。この場合、図7に示す閲覧時間計算処理では、第1実施形態と同様に、閲覧時間T1に2名分の所定値(2×3秒=6秒)が加算される(S105〜S111)。さらに、「ユーザA」、「ユーザB」までの距離は所定距離(1メートル)以下であるから、閲覧時間T1に2名分の所定値(2×2秒=4秒)が加算される(S201〜S205)。つまり、閲覧時間T1は、ステップS101で設定された最小閲覧時間(5秒)に、上記の加算時間(6秒+4秒=10秒)を加算した値(15秒)に更新される。
【0067】
閲覧者がディスプレイ11の近傍に位置している場合、閲覧者が意図的に表示画像を目視しやすい場所に移動しているとみなすことができる。つまり、ディスプレイ11の近傍に位置する閲覧者は、ディスプレイ11の表示画像に対する関心が高いと考えられる。本実施形態では、ディスプレイ11の近傍に閲覧者が存在する場合には、閲覧時間T1をより長い時間に設定することで、閲覧者に対象画像をより長時間観賞させることができる。さらに、ディスプレイ11の近傍に位置する閲覧者の人数に応じて、閲覧時間T1がより長い時間に設定される。これにより、ディスプレイ11の近傍に位置する全ての閲覧者に対して、対象画像を確実に注視させることができる。
【0068】
以上説明したように、第2実施形態に係る画像表示装置1によれば、ディスプレイ11の近傍に閲覧者が存在する場合は、閲覧時間T1がより長い時間に設定される。つまり、ディスプレイ11から閲覧者までの距離に応じて、閲覧時間T1が最適な長さに設定される。したがって、第1実施形態に記載の効果に加えて、ユーザに関心のある画像をより確実に注視させることができる。
【0069】
本発明の第3実施形態に係る画像表示装置1について、図8および図9を参照して説明する。第3実施形態に係る画像表示装置1は、第1実施形態に係る画像表示装置1(図2参照)と同様の構成である。第3実施形態に係るメイン処理は、第1実施形態に係るメイン処理(図3参照)と同様であるが、閲覧時間計算処理(S7、S15)の詳細が異なる。以下では、第1実施形態と共通の構成および処理については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点のみを説明する。
【0070】
図8に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1では、フラッシュメモリ24に閲覧実績データ300が記憶されている。閲覧実績データ300は、画像表示装置1とは異なる他の表示端末(例えば、PCなど)で作成された、他の表示端末における画像データの閲覧実績を示す。閲覧実績データ300は、メモリカード26から読み出されてもよいし、図示外のネットワークを介して受信してもよい。
【0071】
本実施形態の閲覧実績データ300は、画像データの各々について、ユーザ毎に過去に閲覧された累計時間(以下、過去閲覧時間)と、ユーザ毎に過去に閲覧された累計回数(以下、過去閲覧回数)とを示す。図8に示す例では、画像データ「Bbb.jpg」の閲覧実績データ300は、「ユーザA」が画像データ「Bbb.jpg」を過去に「1回」閲覧し、且つ、その閲覧時間の累計が「35秒」であることを示す。また、「ユーザB」が画像データ「Bbb.jpg」を過去に「3回」閲覧し、且つ、その閲覧時間の累計が「15秒」であることを示す。
【0072】
図9に示すように、第3実施形態に係る閲覧時間計算処理(S7、S15)では、第1実施形態と同様に、先述のステップS101〜ステップS111と同様の処理が実行される。ステップS111の実行後、対象画像に関する閲覧実績データ300が、フラッシュメモリ24から読み出される(S301)。ステップS301で読み出された閲覧実績データ300に基づいて、ステップS105で読み出された顔特徴に対応する閲覧者の過去閲覧時間および過去閲覧回数が特定される(S303)。
【0073】
ステップS303で特定された過去閲覧時間が、所定時間(本実施形態では、30秒)以上であるか否かが判断される(S305)。過去閲覧時間が所定時間未満である場合(S305:NO)、ステップS303で特定された過去閲覧回数が、所定回数(本実施形態では、3回)以上であるか否かが判断される(S307)。過去閲覧時間が所定時間以上である場合(S305:YES)、または、過去閲覧回数が所定回数以上である場合(S307:YES)、フラッシュメモリ24に記憶されている閲覧時間T1に、所定値(本実施形態では、3秒)が加算される(S309)。
【0074】
ステップS309の実行後、または、過去閲覧回数が所定回数未満である場合(S307:NO)、第1実施形態と同様に、全ての顔特徴を処理済みか否かが判断される(S113)。対象画像に顔特徴が含まれていない場合も(S109:NO)、全ての顔特徴を処理済みか否かが判断される(S113)。未処理の顔特徴が存在する場合は(S113:NO)、処理はステップS105に戻る。全ての顔特徴を処理済みである場合(S113:YES)、閲覧時間計算処理(図7)が終了されて、メイン処理(図3)に処理が戻る。
【0075】
具体的には、図1に示す例において、閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」のうち、「ユーザA」、「ユーザB」がディスプレイ11から1メートルの範囲内に存在すると想定する。この場合、図9に示す閲覧時間計算処理では、第1実施形態と同様に、閲覧時間T1に2名分の所定値(2×3秒=6秒)が加算される(S105〜S111)。さらに、図8に示す閲覧実績データ300によれば、「ユーザA」の過去閲覧時間「35秒」は所定時間(30秒)以上であり、「ユーザB」の過去閲覧回数「3回」は所定回数(3回)以上である。よって、閲覧時間T1に2名分の所定値(3×2秒=6秒)が加算される(S301〜S309)。つまり、閲覧時間T1は、ステップS101で設定された最小閲覧時間(5秒)に、上記の加算時間(6秒+6秒=12秒)を加算した値(17秒)に更新される。
【0076】
閲覧者が過去に対象画像を閲覧した時間が長い場合、または、閲覧者が過去に対象画像を閲覧した回数が多い場合、対象画像が閲覧者のお気に入りの画像データであるとみなすことができる。本実施形態では、対象画像が閲覧者によって過去に長時間閲覧されている場合には、閲覧時間T1をより長い時間に設定することで、閲覧者に対象画像をより長時間観賞させることができる。さらに、複数の閲覧者にそれぞれ対応する閲覧実績に応じて、閲覧時間T1がより長い時間に設定される。これにより、閲覧実績が豊富な全ての閲覧者に対して、対象画像を確実に注視させることができる。
【0077】
以上説明したように、第3実施形態に係る画像表示装置1によれば、閲覧者が過去に対象画像を閲覧した時間が長い場合、または、閲覧者が過去に対象画像を閲覧した回数が多い場合は、閲覧時間T1がより長い時間に設定される。つまり、閲覧実績データ300が示す画像データ毎の過去閲覧時間および過去閲覧回数の少なくとも一方に応じて、閲覧時間T1が最適な長さに設定される。したがって、第1実施形態に記載の効果に加えて、ユーザに関心のある画像をより確実に注視させることができる。
【0078】
ところで、上記実施形態において、メモリカード26が本発明の「記憶媒体」に相当する。ディスプレイ11が本発明の「表示部」に相当する。カメラ13が本発明の「撮影手段」に相当する。フラッシュメモリ24が、本発明の「閲覧時間記憶手段」および「閲覧実績記憶手段」に相当する。ROM22に記憶されている制御プログラムが、本発明の「画像表示プログラム」に相当する。
【0079】
ステップS51〜S53を実行するCPU21が、本発明の「人物特定手段」に相当する。ステップS107〜S109を実行するCPU21が、本発明の「画像判断手段」に相当する。ステップS111を実行するCPU21が、本発明の「第1閲覧時間変更手段」に相当する。ステップS9を実行するCPU21が、本発明の「切替表示手段」に相当する。ステップS17〜S19を実行するCPU21が、本発明の「注視検出手段」に相当する。ステップS25〜S27を実行するCPU21が、本発明の「継続時間判断手段」に相当する。ステップS201を実行するCPU21が、本発明の「距離測定手段」に相当する。ステップS203〜S205を実行するCPU21が、本発明の「第2閲覧時間変更手段」に相当する。ステップS301〜S309を実行するCPU21が、本発明の「第3閲覧時間変更手段」に相当する。
【0080】
ステップS51〜S53が、本発明の「人物特定ステップ」に相当する。ステップS107〜S109が、本発明の「画像判断ステップ」に相当する。ステップS111が、本発明の「第1閲覧時間変更ステップ」に相当する。ステップS9が、本発明の「切替表示ステップ」に相当する。ステップS17〜S19が、本発明の「注視検出ステップ」に相当する。ステップS25〜S27が、本発明の「継続時間判断ステップ」に相当する。ステップS201が、本発明の「距離測定ステップ」に相当する。ステップS203〜S205が、本発明の「第2閲覧時間変更ステップ」に相当する。ステップS301〜S309が、本発明の「第3閲覧時間変更ステップ」に相当する。
【0081】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更が可能である。例えば、上記実施形態では、画像表示装置1としてデジタルフォトフレームを例示した。これに替えて、画像表示装置1は、他の電子機器(例えば、複合機やPCなど)が備える表示機器であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、全ての閲覧者が対象画像を閲覧時間T1以上注視した場合に(S27:NO)、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられるが、ステップS27の判断手法はこれに限定されない。例えば、フラッシュメモリ24に閲覧者毎の閲覧時間T1を記憶しておき、ステップS27では閲覧者毎にそれぞれ閲覧時間T1以上注視したか否かが判断されてもよい。
【0083】
具体的には、図1に示す例では、第1実施形態の閲覧時間計算処理(S7、S15)において、対象画像に含まれる閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」の閲覧時間T1が「11秒」に設定され、対象画像に含まれない閲覧者「ユーザC」の閲覧時間T1に「11秒」に設定される。メイン処理(図3)では、「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」のそれぞれについて、対象画像が注視されているか否かが判断される(S19)。対象画像を注視しているユーザの注視時間T2はカウントアップされ(S25)、対象画像を注視していないユーザの注視時間T2はリセットされる(S21)。各ユーザの注視時間T2が、それぞれ対応するユーザの閲覧時間T1以上注視したか否かが判断される(S27)。全てのユーザについて注視時間T2が閲覧時間T1以上である場合(S27:YES)、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる(S9)。
【0084】
これによれば、対象画像に含まれるユーザの閲覧時間T1がより長く設定されるため、対象画像に関心のあるユーザはその対象画像を長時間観賞することができる。一方、対象画像に含まれないユーザの閲覧時間T1は最小閲覧時間に維持されるため、対象画像に関心のないユーザはその対象画像を短時間だけ注視すればよい。したがって、対象画像に対するユーザの関心に応じて、各ユーザに最適な時間で対象画像を楽しませることができる。
【0085】
上記変形例では、全ての閲覧者について注視時間T2が設定され、全ての閲覧者について閲覧時間T1以上注視したか否かが判断されている。これに替えて、閲覧時間計算処理(S7、S15)で対象画像に含まれる閲覧者が検出された場合、ステップS27では対象画像に含まれる閲覧者について、閲覧時間T1以上注視したか否かが判断されてもよい。
【0086】
具体的には、図1に示す例では、閲覧者「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」のうち、対象画像に含まれる「ユーザA」、「ユーザB」の閲覧時間T1以上注視したか否かが判断される(S27)。「ユーザA」、「ユーザB」について注視時間T2が閲覧時間T1以上である場合(S27:YES)、ディスプレイ11の表示画像が切り替えられる(S9)。これによれば、対象画像に関心のあるユーザがその対象画像を長時間観賞した場合には、対象画像に関心のないユーザはその対象画像を注視したか否かに関わらず、ディスプレイ11の表示画像を切り替えることができる。
【0087】
なお、第2実施形態または第3実施形態に係る閲覧時間計算処理(S7、S15)においても、上記変形例と同様にして、閲覧者毎に閲覧時間T1が設定されてもよい。ステップS27では、閲覧者毎に注視時間が判断され、または、対象画像に含まれる閲覧者のみについて注視時間が判断されてもよい。
【0088】
また、上記第1〜第3実施形態に例示した技術的特徴を適宜組み合わせて画像表示装置1を構成してもよい。例えば、閲覧時間計算処理(S7、S15)において、測定距離に基づいて閲覧時間T1が更新されたのち(S201〜S205)、さらに閲覧実績データ300に基づいて閲覧時間T1が更新されるようにしてもよい(S301〜S309)。
【符号の説明】
【0089】
1 画像表示装置
11 ディスプレイ
12 タッチパネル
13 カメラ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 フラッシュメモリ
26 メモリカード
300 閲覧実績データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置であって、
前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択手段と、
前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段と、
前記画像選択手段によって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定手段と、
前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記画像選択手段によって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断手段と、
前記画像判断手段によって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間をより長くなるように変更する第1閲覧時間変更手段と、
前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データを表示する切替表示手段と、
前記切替表示手段によって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出手段と、
前記注視検出手段によって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断手段とを備え、
前記切替表示手段は、前記継続時間判断手段によって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像判断手段は、前記人物特定手段によって複数の前記人物が特定された場合、前記画像データに複数の前記特徴画像の各々が含まれているか否かを判断し、
前記第1閲覧時間変更手段は、前記画像判断手段によって前記画像データに複数の前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記画像データに含まれる前記特徴画像の数量に応じて前記閲覧時間をより長くなるように変更することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記特徴画像に対応する人物から前記表示部までの距離を測定する距離測定手段と、
前記距離測定手段によって測定された前記距離に応じて、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間を変更する第2閲覧時間変更手段と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像データが閲覧された時間および回数の少なくとも一方が、前記画像データごとに関連付けられた閲覧実績情報を記憶する閲覧実績記憶手段と、
前記画像選択手段によって選択された前記画像データに対応する前記閲覧実績情報に応じて、前記閲覧時間記憶手段に記憶されている前記閲覧時間を変更する第3閲覧時間変更手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示部を目視可能な範囲を撮影する撮影手段を備え、
前記人物特定手段は、前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて、前記人物を特定し、
前記注視判断手段は、前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて、前記表示部が注視されていることを検出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置において、前記画像データの切替表示を行うための画像表示方法であって、
前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択ステップと、
前記画像選択ステップによって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定ステップと、
前記人物特定ステップによって前記人物が特定された場合、前記画像選択ステップによって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断ステップと、
前記画像判断ステップによって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段において、前記閲覧時間をより長くなるように変更する閲覧時間変更ステップと、
前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択ステップによって選択された前記画像データを表示する切替表示ステップと、
前記切替表示ステップによって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出ステップと、
前記注視検出ステップによって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断ステップとを備え、
前記切替表示ステップは、前記継続時間判断ステップによって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
記憶媒体に記憶されている複数の画像データに基づいて、表示部に表示される前記画像データを所定時間毎に切り替える画像表示装置に用いられ、前記画像データの切替表示を行うための画像表示プログラムであって、コンピュータを、
前記記憶媒体に記憶されている前記複数の画像データのうち、前記表示部に表示されている前記画像データとは異なる前記画像データを選択する画像選択手段、
前記画像選択手段によって前記画像データが選択されたのち、前記表示部を目視可能な範囲内に存在する人物を特定する人物特定手段、
前記人物特定手段によって前記人物が特定された場合、前記画像選択手段によって選択された前記画像データに、前記人物を示す特徴画像が含まれているか否かを判断する画像判断手段、
前記画像判断手段によって前記画像データに前記特徴画像が含まれていると判断された場合、前記表示部で表示されている前記画像データが他の前記画像データに切り替えられるまでの時間の長さを示す閲覧時間を記憶する閲覧時間記憶手段において、前記閲覧時間をより長くなるように変更する閲覧時間変更手段、
前記表示部に表示されている前記画像データに替えて、前記画像選択手段によって選択された前記画像データを表示する切替表示手段、
前記切替表示手段によって前記画像データの切替表示が行われたのち、前記特徴画像に対応する人物が前記表示部を注視していることを検出する注視検出手段、
前記注視検出手段によって前記表示部が注視されていることが検出された場合、前記表示部に対する注視状態が継続している時間の長さである継続時間が、前記閲覧時間記憶手段が記憶する前記閲覧時間以上であるか否かを判断する継続時間判断手段として機能させ、
前記切替表示手段は、前記継続時間判断手段によって前記継続時間が前記閲覧時間以上であると判断された場合に、前記画像データの切替表示を行うことを特徴とする画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−159000(P2011−159000A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18497(P2010−18497)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】