説明

画像表示装置

【課題】 優れた表示品質を有する画像表示装置を提供する。
【解決手段】 入力された画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、複数の色の画像を表示する複数の空間変調部210、220、230と、光源110からの照明光を複数の空間変調部で変調した複数の投影光を光学的に合成する光路合成部310と、空間変調部の変調タイミングに同期して、光路合成部で合成された各投影光の光線のシフト制御を投影光の偏光方向に基づいて行う光線シフト部400とを備え、光線シフト部は、投影光の色に応じて投影光の光線のシフト制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の空間変調素子を用いて画像を表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の撮像装置の高解像度化に伴い、撮像画像を表示するための画像投影装置においても高解像度化の要望が高まっている。それに伴い、高画素数の表示素子(空間変調素子)の開発も進められているが、撮像素子の解像度に対して十分な解像度を有しているとは言えない状況である。
【0003】
従来、限られた画素数の空間変調素子(LCD等)を用いて高解像度を達成する技術として、偏光旋回液晶パネルと複屈折板を組み合わせて画素ずらしを行う技術(ウォブリング技術)が知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、R、G及びBの空間変調素子からの投影光をダイクロイックプリズム(クロスプリズム)で合成し、合成されたR、G及びBの投影光を偏光旋回液晶パネルと複屈折板とからなる光線シフト部に供給する、という方法が提案されている。これらの提案では、R、G及びBの投影光の偏光方向を同一方向に揃えており、R、G及びBの投影光の光線を同時にシフトするようにしている。
【0004】
しかしながら、R、G及びBの投影光をクロスプリズムで合成して表示を行う場合、表示品質を高めるためには、G光の偏光方向とR光及びB光の偏光方向とを直交させることが重要であると言われている(例えば特許文献3参照)。上述した特許文献1及び特許文献2に記載された方法では、R、G及びBの投影光の偏光方向を同一方向に揃えているため、画像のコントラストの低下等が生じ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることが困難である。また、R、G及びBの投影光の偏光方向が同一方向であるため、例えば前半のサブフレームではR、G及びBの光線をいずれもシフトせず、後半のサブフレームではR、G及びBの光線をいずれもシフトするというようにして表示を行う。したがって、前半のサブフレームではシフトしない画素位置でのみ表示が行われ、後半のサブフレームではシフトした画素位置でのみ表示が行われる。そのため、表示画像に粒状感等が生じ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることが困難である。
【特許文献1】特開平11−167163号公報
【特許文献2】特開平11−259039号公報
【特許文献3】特公平5−14249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の画像表示装置では、R、G及びBの投影光の偏光方向を同一方向に揃えているため、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に対してなされたものであり、優れた表示品質を有する画像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、入力された画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、複数の色の画像を表示する複数の空間変調手段と、光源からの照明光を前記複数の空間変調手段で変調した複数の投影光を光学的に合成する光路合成手段と、前記空間変調手段の変調タイミングに同期して、前記光路合成手段で合成された各投影光の光線のシフト制御を投影光の偏光方向に基づいて行う光線シフト手段と、を備え、前記光線シフト手段は、投影光の色に応じて前記投影光の光線のシフト制御を行うことを特徴とする。
【0008】
前記画像表示装置において、前記光線シフト手段は、前記投影光の偏光方向を旋回することが可能な液晶パネルと、入射光が特定の方向に偏光されている場合に入射光の延長線上からずれた透過光を生じる複屈折板とを有し、前記液晶パネルは、前記空間変調手段の変調タイミングに同期して前記投影光の偏光方向を旋回することが好ましい。
【0009】
前記画像表示装置において、前記空間変調手段は、前記光源からの照明光を入力された画像データに応じて変調した投影光を生成する画像表示手段と、前記画像表示手段で生成された投影光を所定の1方向の偏光方向を有する投影光に変換する偏光変換手段とを有し、前記光路合成手段は、前記各偏光変換手段からの投影光の偏光方向の違いを用いて複数の投影光を光学的に合成することが好ましい。
【0010】
前記画像表示装置において、前記光路合成手段で合成された投影光は、P偏光及びS偏光の投影光であることが好ましい。
【0011】
前記画像表示装置において、前記空間変調手段で表示される複数の色は赤、緑及び青であり、赤の投影光と青の投影光の偏光方向は同じであり、緑の投影光の偏光方向は赤及び青の投影光の偏光方向と直交することが好ましい。
【0012】
前記画像表示装置において、前記光線シフト手段により、前記緑の投影光はシフトし且つ赤及び青の投影光はシフトしない第1の状態と、前記緑の投影光はシフトせず且つ赤及び青の投影光はシフトする第2の状態とが切り換えられることが好ましい。
【0013】
前記画像表示装置において、前記緑の投影光のシフト量と前記赤及び青の投影光のシフト量とは同じであることが好ましい。
【0014】
前記画像表示装置において、前記光路合成手段はクロスプリズムであり、前記緑の投影光が前記クロスプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記クロスプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と平行であり、前記赤及び青の投影光が前記クロスプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記クロスプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と略直交することが好ましい。
【0015】
前記画像表示装置において、前記光路合成手段はPBSプリズムであり、前記緑の投影光が前記PBSプリズムに入射する際の光軸は、前記PBSプリズムで合成された投影光が前記PBSプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と平行であり、前記赤及び青の投影光が前記PBSプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記PBSプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と略直交することが好ましい。
【0016】
前記画像表示装置において、前記空間変調手段で変調された緑の投影光はP偏光であり、前記空間変調手段で変調された赤及び青の投影光はS偏光であることが好ましい。
【0017】
前記画像表示装置において、前記光線シフト手段でシフト制御された各色の投影光を観察者に観察可能なように結像する光学手段をさらに備え、前記光学手段によって結像した各色の結像位置は、前記赤の投影光と青の投影光とが常に一致し、前記光線シフト手段でシフトされた緑の投影光と前記光線シフト手段でシフトされない赤及び青の投影光とが一致し、前記光線シフト手段でシフトされない緑の投影光と、前記光線シフト手段でシフトされた赤及び青の投影光とが一致することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、投影光の色に応じて投影光の光線のシフト制御を行うことにより、表示画像に粒状感等が生じるといった現象を防止することができ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態に係り、3板式液晶プロジェクター(画像投影装置)の概略を示した図である。
【0021】
光源110には、超高圧水銀ランプやキセノンランプ等のアーク放電ランプが用いられる。光源110の出射側には、光源110の照明ムラを低減するためのフライアイレンズ120、光源110の偏光方向を一方向に揃えるためのPS変換素子130、光路長を揃えるためのリレーレンズ(図示せず)等が設けられている。
【0022】
光源110からの光はダイクロイックミラー141に入射し、ダイクロイックミラー141でR(赤)光が反射する。ダイクロイックミラー141で反射したR光は、ミラー142で反射し、後述する液晶表示パネル(LCDパネル)211に供給される。ダイクロイックミラー141を透過した光は、ダイクロイックミラー143に入射する。ダイクロイックミラー143ではG(緑)光が反射し、後述する液晶表示パネル(LCDパネル)221に供給される。ダイクロイックミラー143を透過した光は、ダイクロイックミラー144に入射する。ダイクロイックミラー144で反射したB(青)光は、ミラー145で反射し、後述する液晶表示パネル(LCDパネル)231に供給される。
【0023】
このようにして、照明光としてR光、G光及びB光が生成される。なお、上述した例では、光源110に白色光源を用い、ダイクロイックミラーでR光、G光及びB光を色分離するようにしているが、R光用のLED、G光用のLED及びB光用のLEDを用いるようにしてもよい。
【0024】
上記のようにして色分離されたR光、G光及びB光はそれぞれ、透過型LCD(画像表示部)211及び偏光板(偏光変換部)212からなる空間変調部210、透過型LCD(画像表示部)221及び偏光板(偏光変換部)222からなる空間変調部220、及び透過型LCD(画像表示部)231及び偏光板(偏光変換部)232からなる空間変調部230に供給される。光源110からの照明光はPS変換素子130によって偏光方向が一方向に揃えられているため、ミラー141〜145と透過型LCD211、221及び231との幾何学的な位置関係を適切に設定することにより、透過型LCD211にはP偏光のR光が、透過型LCD221にはS偏光のG光が、透過型LCD231にはP偏光のB光が入射する。
【0025】
透過型LCD211、221及び231は、画像データ(映像信号)に応じて入射光(照明光)を空間変調するものであり、透過型LCD211ではR画像、透過型LCD221ではG画像、透過型LCD231ではB画像が生成される。透過型LCD211で生成されたR画像の画像光は偏光板212を通過することでS偏光に変換され、透過型LCD221で生成されたG画像の画像光は偏光板222を通過することでP偏光に変換され、透過型LCD231で生成されたB画像の画像光は偏光板232を通過することでS偏光に変換される。通常、透過型LCDの入射側と出射側には、入射光の偏光方向と出射光の偏光方向とが直交するように偏光板がそれぞれ配設されているが、図1では入射側の偏光板は図示していない。また、入射側の偏光板の偏光方向は、PS変換素子130で生成された光の偏光方向と同一の方向となるように構成されている。
【0026】
このようにして、空間変調部210からはS偏光のR光が、空間変調部220からはP偏光のG光が、空間変調部230からはS偏光のB光が、それぞれクロスプリズム(ダイクロイックプリズム)310に供給される。
【0027】
空間変調部210からのR光は、クロスプリズム310の反射面311で反射し、クロスプリズム310の出射面から出射する。空間変調部220からのG光は、クロスプリズム310を直進し、クロスプリズム310の出射面から出射する。空間変調部230からのB光は、クロスプリズム310の反射面312で反射し、クロスプリズム310の出射面から出射する。すなわち、R光及びB光については入射光の光軸と出射光の光軸とが直交し、G光については入射光の光軸と出射光の光軸とが平行となる。
【0028】
このようにして、空間変調部210、220及び230からクロスプリズム310に供給されたR光(S偏光)、G光(P偏光)及びB光(S偏光)は、クロスプリズム310によって一つの光路に光路合成される。
【0029】
クロスプリズム310で光路合成された投影光(映像光)は、光線シフト部400に入射する。この光線シフト部400は、偏光を旋回可能な偏光旋回液晶パネル410と、複屈折性を有する複屈折板420とによって構成されている。
【0030】
液晶パネル410は、TN型液晶パネルを用いて構成されており、印加電圧のオン・オフによって偏光の旋回を制御できるように構成されている。すなわち、液晶パネル410への印加電圧がオフの場合には、P偏光は90度旋回してS偏光に、S偏光も同様に90度旋回してP偏光となる。すなわち、液晶パネル410への印加電圧がオフの場合には、G光についてはP偏光からS偏光に変換され、R光及びB光についてはS偏光からP偏光に変換される。液晶パネル410への印加電圧がオンの場合には、P偏光は旋回せずにP偏光のまま液晶パネル410を通過し、同様にS偏光も旋回せずにS偏光のまま液晶パネル410を通過する。すなわち、液晶パネル410への印加電圧がオンの場合には、R光、G光及びB光ともに旋回せずに液晶パネル410を通過する。なお、図1では、液晶パネル410がオフ状態の場合を示している。
【0031】
複屈折板420は、複屈折性を有する無色透明の結晶板であり、水晶板やニオブ酸リチウム板等を用いることが可能である。通常は結晶軸が入射面に対して45度になるように構成されており、入射光の偏光方向に応じて入射光を常光(no)と異常光(ne)とに分離する性質を有している。本実施形態では、S偏光の光線は常光として複屈折板420でシフトせずに複屈折板420を通過し、P偏光の光線は異常光として複屈折板420でシフトするようになっている。シフト量は、複屈折板420の材質と厚さによって決めることができる。
【0032】
光線シフト部400からの投影光は、投影光学系510を介してスクリーン520上に投影される。なお、スクリーン520には、偏光依存性のないものを用いることが好ましいが、偏光スクリーンのような偏光依存性のあるものを用いる場合には、光線シフト部400とスクリーン520との間に波長板を設けて、偏光方向の影響を低減するようにしてもよい。
【0033】
図2は、透過型LCD211、221及び231それぞれの画素配列を示した図である。図3は、光線シフト部400を通過した後の、透過型LCD211、221及び231からの投影光の投影面(スクリーン面)上での画素配列状態を示した図である。図3(A)は液晶パネル410の印加電圧がオフの場合、図3(B)は液晶パネル410の印加電圧がオンの場合を示している。なお、図2及び図3では、説明の都合上、各画素の開口率を小さくし各画素が重ならないようにして図示しているが、各画素の開口率は、例えば図3において隣接する画素が重なる程度に大きくてもよい。
【0034】
図4は光線シフト部400の作用を説明するための図であり、図4(A)は液晶パネル410の印加電圧がオフの場合、図4(B)は液晶パネル410の印加電圧がオンの場合を示している。なお、図4(A)及び図4(B)では、説明の都合上、クロスプリズム310から出射されたP偏光(G光)の光線及びS偏光(R光及びB光)の光線を垂直方向にずらして描いているが、実際にはP偏光の光線の光路とS偏光の光線の光路とは一致している。
【0035】
図4(A)に示すように、偏光旋回液晶パネル410がオフの場合には、クロスプリズム310からのP偏光(G光)は液晶パネル410でS偏光に旋回され、液晶パネル410からのS偏光はシフトすることなく複屈折板420を通過する。クロスプリズム310からのS偏光(R光及びB光)は液晶パネル410でP偏光に旋回され、液晶パネル410からのP偏光は複屈折板420で1/2画素ピッチ分シフトされる。したがって、偏光旋回液晶パネル410がオフの場合には、図3(A)に示すように、G光の画素位置(a)に対してR光及びB光の画素位置(b)は、投影面(スクリーン面)上において1/2画素ピッチ分ずれた状態となる。
【0036】
図4(B)に示すように、液晶パネル410がオンの場合には、クロスプリズム310からのP偏光(G光)は、液晶パネル410で旋回されることなく液晶パネル410を通過し、複屈折板420で1/2画素ピッチ分シフトされる。クロスプリズム310からのS偏光(R光及びB光)は、液晶パネル410で旋回されることなく液晶パネル410を通過し、複屈折板420でシフトすることなく複屈折板420を通過する。したがって、液晶パネル410がオンの場合には、図3(B)に示すように、R光及びB光の画素位置(a)に対してG光の画素位置(b)は、投影面(スクリーン面)上において1/2画素ピッチ分ずれた状態となる。
【0037】
以上の説明からわかるように、偏光旋回液晶パネル410のオン・オフを切り換えることにより、光線シフト部400への入射光の偏光方向に応じて、入射光をシフトするか否かの制御を行うことができる。したがって、透過型LCD211、221及び231の変調タイミングに同期して、偏光旋回液晶パネル410のオン・オフを時間的に切り換えることで、図3(A)に示した表示状態と図3(B)に示した表示状態とを時間軸方向で合成することができる。その結果、投影光学系510を介してスクリーン520上に画像を投影することで、透過型LCD211、221及び231個々の画素数の2倍の画素数で表示を行うことが可能となる。
【0038】
図5は、上述した原理に基づいて表示を行う場合の動作を示した図である。図に示すように、1フレームを第1サブフレーム(1フレームの前半)と第2サブフレーム(1フレームの後半)に分割し、第1サブフレームでは偏光旋回液晶パネル410をオン状態に、第2サブフレームでは偏光旋回液晶パネル410をオフ状態にする。その結果、第1サブフレームでは、画素位置aにR画像及びB画像が表示され、画素位置bにG画像が表示される。第2サブフレームでは逆に、画素位置aにG画像が表示され、画素位置bにR画像及びB画像が表示される。したがって、1フレーム全体で見れば、画素位置a及び画素位置bともに、R、G及びBのフルカラー画像が表示されることになる。
【0039】
図6は、上述した画像表示装置において、上述したような表示(2点画素ずらしの表示)を実現するための構成を示したブロック図である。
【0040】
入力映像信号の画像データは、フレームメモリー601に記憶される。画像情報生成回路602では、フレームメモリー601に記憶された映像信号から、画素位置a及びbに対応する信号成分を抽出(サンプリング)する。
【0041】
タイミング信号発生器603からのタイミング信号により、第1サブフレームでは、画素位置aにおけるR及びBの画像データ並びに画素位置bにおけるGの画像データが駆動回路604に供給される。駆動回路604からは透過型LCD211、221及び231に駆動信号が送られ、透過型LCD211、221及び231が駆動される。駆動回路605では、タイミング信号発生器603からのタイミング信号に基づき、透過型LCD211、221及び231の駆動タイミング(表示タイミング)に同期して、偏光旋回液晶パネル410をオン状態にする。その結果、第1サブフレームでは図3(B)に示したような表示状態が得られる。
【0042】
タイミング信号発生器603からのタイミング信号により、第2サブフレームでは、画素位置aにおけるGの画像データ並びに画素位置bにおけるR及びBの画像データが駆動回路604に供給される。駆動回路604からは透過型LCD211、221及び231に駆動信号が送られ、透過型LCD211、221及び231が駆動される。駆動回路605では、タイミング信号発生器603からのタイミング信号に基づき、透過型LCD211、221及び231の駆動タイミング(表示タイミング)に同期して、偏光旋回液晶パネル410をオフ状態にする。その結果、第2サブフレームでは図3(A)に示したような表示状態が得られる。
【0043】
このようにして、図3(A)に示したような表示状態と図3(B)に示したような表示状態が時間軸方向で合成され、スクリーン520上には1つの空間変調素子の画素数の2倍の画素数の画像が表示される。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、第1サブフレームでは、画素位置aにR画像及びB画像が表示され、画素位置bにG画像が表示される。第2サブフレームでは逆に、画素位置aにG画像が表示され、画素位置bにR画像及びB画像が表示される。したがって、第1サブフレーム及び第2サブフレームともに画素位置a及び画素位置bのいずれにも表示が行われることになる。そのため、表示画像に粒状感等が生じるといった現象を防止することができ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることができる。
【0045】
また、従来のように、R、G及びBの投影光の偏光方向を一方向に揃えるのではなく、G画像の投影光の偏光方向とR及びB画像の投影光の偏光方向とが直交するようにしている。従来技術でも述べたように、R、G及びBの投影光をクロスプリズムで合成する場合、表示品質を高めるためにはG光の偏光方向とR光及びB光の偏光方向とを直交させることが重要である。本実施形態によれば、第1サブフレーム及び第2サブフレームともにそのような直交関係が得られるため、画像のコントラストや光量の低下等を防止することができ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることができる。
【0046】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、偏光旋回液晶パネル410と複屈折板420とからなる光線シフト部400によって2点画素ずらしを行うようにしたが、本実施形態では、偏光旋回液晶パネル及び複屈折板の数を増やすことで、4点画素ずらしを実現している。なお、3板式液晶プロジェクター(画像投影装置)全体の基本的な構成については第1の実施形態と同様であり、それらの詳細な説明は省略する。
【0047】
図7は、本実施形態における光路合成部及び光線シフト部の構成を模式的に示した斜視図である。
【0048】
クロスプリズム310の基本的な構成は図1に示したクロスプリズム310と同様であり、クロスプリズム310の出射面からはP偏光のG光とS偏光のR光及びB光が光線シフト部400に供給される。光線シフト部400は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411、複屈折板(第1の複屈折板)421、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412及び複屈折板(第2の複屈折板)422によって構成されている。偏光旋回液晶パネル411及び412の機能は、第1の実施形態で示した偏光旋回液晶パネル410と同様であり、オフ状態のときには入射光の偏光方向が90度旋回し、オン状態のときには入射光の偏光方向は変化しない。複屈折板421は、入射光の光線を1/2画素ピッチ分水平方向にシフトするためのものであり、複屈折板422は、入射光の光線を1/2画素ピッチ分垂直方向にシフトするためのものである。なお、複屈折板421と複屈折板422の位置を入れ替えるようにしてもよい。
【0049】
上述したような構成により、図8に示すように、画素位置a、画素位置b、画素位置c及び画素位置dに画像を表示することができ、4点画素ずらしの画像表示を実現することが可能である。
【0050】
図9は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411及び偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412のオン・オフに応じた表示状態を示した図である。
【0051】
図9(A)は、偏光旋回液晶パネル411がオフ状態で且つ偏光旋回液晶パネル412がオフ状態である場合の表示状態を示している。この場合には、画素位置aにG画像が表示され、画素位置dにR画像及びB画像が表示される。
【0052】
図9(B)は、偏光旋回液晶パネル411がオフ状態で且つ偏光旋回液晶パネル412がオン状態である場合の表示状態を示している。この場合には、画素位置bにG画像が表示され、画素位置cにR画像及びB画像が表示される。
【0053】
図9(C)は、偏光旋回液晶パネル411がオン状態で且つ偏光旋回液晶パネル412がオフ状態である場合の表示状態を示している。この場合には、画素位置dにG画像が表示され、画素位置aにR画像及びB画像が表示される。
【0054】
図9(D)は、偏光旋回液晶パネル411がオン状態で且つ偏光旋回液晶パネル412がオン状態である場合の表示状態を示している。この場合には、画素位置cにG画像が表示され、画素位置bにR画像及びB画像が表示される。
【0055】
図10は、図9に示したような表示を行う場合の動作を示した図である。図10に示すように、1フレームを第1〜第4サブフレームに分割し、第1サブフレームでは偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオフ状態に設定するとともに、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオフ状態に設定する。その結果、第1サブフレームでは図9(A)に示したような表示状態が得られる。第2サブフレームでは偏光旋回液晶パネル411をオフ状態に設定するとともに、偏光旋回液晶パネル412をオン状態に設定する。その結果、第2サブフレームでは図9(B)に示したような表示状態が得られる。第3サブフレームでは偏光旋回液晶パネル411をオン状態に設定するとともに、偏光旋回液晶パネル412をオフ状態に設定する。その結果、第3サブフレームでは図9(C)に示したような表示状態が得られる。第4サブフレームでは偏光旋回液晶パネル411をオン状態に設定するとともに、偏光旋回液晶パネル412をオン状態に設定する。その結果、第4サブフレームでは図9(D)に示したような表示状態が得られる。
【0056】
以下、図11〜図18を参照して、上述した動作をさらに詳細に説明する。
【0057】
図11は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオフ状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオフ状態に設定した場合のG光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(A)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたG光(P偏光)の光線は、第1の液晶パネル(偏光旋回液晶パネル411)で90度旋回し、第1の複屈折板(複屈折板421)に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネル(偏光旋回液晶パネル412)に入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで90度旋回し、第2の複屈折板(複屈折板422)に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置aにG光の光線が到達する。
【0058】
図12は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオフ状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオン状態に設定した場合のG光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(B)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたG光(P偏光)の光線は、第1の液晶パネルで90度旋回し、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで旋回せずに第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、異常光として垂直方向にシフトして第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置bにG光の光線が到達する。
【0059】
図13は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオン状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオフ状態に設定した場合のG光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(C)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたG光(P偏光)の光線は、第1の液晶パネルで旋回せずに、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、異常光として水平方向にシフトして第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで90度旋回して第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、異常光として垂直方向にシフトして第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置dにG光の光線が到達する。
【0060】
図14は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオン状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオン状態に設定した場合のG光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(D)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたG光(P偏光)の光線は、第1の液晶パネルで旋回せずに、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、異常光として水平方向にシフトして第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで旋回せずに第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置cにG光の光線が到達する。
【0061】
図15は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオフ状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオフ状態に設定した場合のR光及びB光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(A)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたR光及びB光(S偏光)の光線は、第1の液晶パネルで90度旋回し、第1の複屈折板(複屈折板421)に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、異常光として水平方向にシフトして第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで90度旋回し、第2の複屈折板(複屈折板422)に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、異常光として垂直方向にシフトして第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置dにR光及びB光の光線が到達する。
【0062】
図16は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオフ状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオン状態に設定した場合のR光及びB光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(B)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたR光及びB光(S偏光)の光線は、第1の液晶パネルで90度旋回し、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、異常光として水平方向にシフトして第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで旋回せずに、第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置cにR光及びB光の光線が到達する。
【0063】
図17は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオン状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオフ状態に設定した場合のR光及びB光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(C)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたR光及びB光(S偏光)の光線は、第1の液晶パネルで旋回せずに、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで90度旋回して、第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置aにR光及びB光の光線が到達する。
【0064】
図18は、偏光旋回液晶パネル(第1の液晶パネル)411をオン状態に、偏光旋回液晶パネル(第2の液晶パネル)412をオン状態に設定した場合のR光及びB光の光線の状態を示した図であり、以下のようにして、図9(D)に示したような表示状態が得られる。クロスプリズム310から出射されたR光及びB光(S偏光)の光線は、第1の液晶パネルで旋回せずに、第1の複屈折板に入射する。第1の複屈折板に入射した光線は、常光としてシフトせずに第1の複屈折板を通過し、第2の液晶パネルに入射する。第2の液晶パネルに入射した光線は、第2の液晶パネルで旋回せずに、第2の複屈折板に入射する。第2の複屈折板に入射した光線は、異常光として垂直方向にシフトして第2の複屈折板を通過する。このようにして、画素位置bにR光及びB光の光線が到達する。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、第1〜第4サブフレームいずれにおいても、対角方向の画素位置(画素位置aとd或いは画素位置bとc)にG画像とR及びB画像が表示される。従来技術の手法では、R光、G光及びB光の偏光方向を一方向に揃えるため、4点画素ずらしを行おうとした場合には、各フレームにおいて画素位置a〜dのいずれか一つの画素位置に画像が表示されるだけであり、表示画像の粒状感が極めて大きくなる。本実施形態では、表示画像の粒状感を低減することができ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることができる。
【0066】
また、本実施形態でも第1の実施形態と同様、G画像の投影光の偏光方向とR及びB画像の投影光の偏光方向とが直交するようにしているため、第1の実施形態と同様、画像のコントラストや光量の低下等を防止することができ、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることができる。
【0067】
(実施形態3)
図19は、本発明の第3の実施形態に係り、3板式液晶プロジェクター(画像投影装置)の概略を示した図である。
【0068】
R光源111、G光源112及びB光源113には、それぞれ赤、緑及び青のLEDが用いられ、R光源111及びB光源113からの照明光は照明光学系151及びPS変換素子(図示せず)を介して透過型LCD241に供給され、G光源112からの照明光は照明光学系152及びPS変換素子(図示せず)を介して透過型LCD251に供給される。G光源112は第1サブフレーム及び第2サブフレームともに全期間で発光しているが、R光源111は各サブフレームの前半の期間でB光源113は各サブフレームの後半の期間で発光する(R光源111の発光期間とB光源113の発光期間は逆であってもよい)。
【0069】
透過型LCD241及び偏光板242からなる空間変調部240並びに透過型LCD251及び偏光板252からなる空間変調部250の基本的な機能は、第1の実施形態で示した空間変調部210等の機能と同様である。ただし、本実施形態では、R光源111及びB光源113からの照明光が共通の空間変調部240に供給されるため、R光源111の発光タイミングに同期してR画像が透過型LCD241に表示され、B光源113の発光タイミングに同期してB画像が透過型LCD241に表示される。
【0070】
本実施形態では、光路合成部としてPBS(偏光ビームスプリッタ)プリズム320を用いており、空間変調部240からはS偏光のR光及びB光が、空間変調部250からはP偏光のG光が、PBSプリズム320に供給される。PBSプリズム320は、偏光分離面321において、P偏光を透過し、S偏光を反射する性質を有している。したがって、空間変調部250からのP偏光のG光は偏光分離面321を透過し、空間変調部240からのS偏光のR光及びB光は偏光分離面321で直角に反射する。
【0071】
このようにして、空間変調部240及び250からPBSプリズム320に供給されたP偏光及びS偏光の投影光は、クロスプリズム310によって一つの光路に光路合成され、光線シフト部400に供給される。光線シフト部400での基本的な動作は、第1の実施形態で説明した動作と同様であり、第1サブフレームと第2サブフレームとで偏光旋回液晶パネル410のオン・オフが切り換えられる。その結果、第1の実施形態で示した図3のような表示状態が得られる。
【0072】
以上のように、本実施形態においても第1の実施形態と同様、G画像の投影光の偏光方向とR及びB画像の投影光の偏光方向とを直交させて、図3に示したような表示状態とすることで、第1の実施形態と同様、優れた表示品質を有する画像表示装置を得ることが可能である。
【0073】
なお、上述した各実施形態では、画像表示装置としてプロジェクター(画像投影装置)を例に説明したが、上述した手法は例えばヘッドマウントディスプレイやビューファインダ等に適用することも可能である。
【0074】
また、上述した各実施形態では、空間変調部に透過型LCDを用いる場合を例に説明したが、上述した手法は空間変調部に反射型LCDを用いる場合にも適用することが可能である。
【0075】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶プロジェクター(画像投影装置)の概略を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係り、透過型LCDの画素配列を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係り、投影面(スクリーン)上での画素配列状態を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係り、光線シフト部の作用を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係り、表示を行う際の動作の流れを説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係り、画像投影装置の電気的な構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係り、光路合成部及び光線シフト部の構成を模式的に示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係り、投影面(スクリーン)上での画素配列状態を示した図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた表示状態を示した図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係り、表示を行う際の動作の流れを説明するための図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係り、偏光旋回液晶パネルのオン・オフに応じた動作を説明するための図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る液晶プロジェクター(画像投影装置)の概略を示した図である。
【符号の説明】
【0077】
110…光源 111…R光源
112…G光源 113…B光源
120…フライアイレンズ 130…PS変換素子
141、143、144…ダイクロイックミラー
142、145…ミラー
210、220、230、240、250…空間変調部
211、221、231、241、251…透過型LCD
212、222、232、242、252…偏光板
310…クロスプリズム 311、312…クロスプリズムの反射面
320…PBSプリズム 321…PBSプリズムの偏光分離面
400…光線シフト部 410…偏光旋回液晶パネル
420…複屈折板
510…投影光学系 520…スクリーン
601…フレームメモリー 602…画像情報生成回路
603…タイミング信号発生器 604、605…駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
複数の色の画像を表示する複数の空間変調手段と、
光源からの照明光を前記複数の空間変調手段で変調した複数の投影光を光学的に合成する光路合成手段と、
前記空間変調手段の変調タイミングに同期して、前記光路合成手段で合成された各投影光の光線のシフト制御を投影光の偏光方向に基づいて行う光線シフト手段と、
を備え、
前記光線シフト手段は、投影光の色に応じて前記投影光の光線のシフト制御を行う
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記光線シフト手段は、前記投影光の偏光方向を旋回することが可能な液晶パネルと、入射光が特定の方向に偏光されている場合に入射光の延長線上からずれた透過光を生じる複屈折板とを有し、
前記液晶パネルは、前記空間変調手段の変調タイミングに同期して前記投影光の偏光方向を旋回する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記空間変調手段は、前記光源からの照明光を入力された画像データに応じて変調した投影光を生成する画像表示手段と、前記画像表示手段で生成された投影光を所定の1方向の偏光方向を有する投影光に変換する偏光変換手段とを有し、
前記光路合成手段は、前記各偏光変換手段からの投影光の偏光方向の違いを用いて複数の投影光を光学的に合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記光路合成手段で合成された投影光は、P偏光及びS偏光の投影光である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記空間変調手段で表示される複数の色は赤、緑及び青であり、
赤の投影光と青の投影光の偏光方向は同じであり、緑の投影光の偏光方向は赤及び青の投影光の偏光方向と直交する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記光線シフト手段により、前記緑の投影光はシフトし且つ赤及び青の投影光はシフトしない第1の状態と、前記緑の投影光はシフトせず且つ赤及び青の投影光はシフトする第2の状態とが切り換えられる
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記緑の投影光のシフト量と前記赤及び青の投影光のシフト量とは同じである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記光路合成手段はクロスプリズムであり、
前記緑の投影光が前記クロスプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記クロスプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と平行であり、
前記赤及び青の投影光が前記クロスプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記クロスプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と略直交する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記光路合成手段はPBSプリズムであり、
前記緑の投影光が前記PBSプリズムに入射する際の光軸は、前記PBSプリズムで合成された投影光が前記PBSプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と平行であり、
前記赤及び青の投影光が前記PBSプリズムに入射する際の光軸は、前記クロスプリズムで合成された投影光が前記PBSプリズムから前記光線シフト手段に出射する際の光軸と略直交する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記空間変調手段で変調された緑の投影光はP偏光であり、前記空間変調手段で変調された赤及び青の投影光はS偏光である
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記光線シフト手段でシフト制御された各色の投影光を観察者に観察可能なように結像する光学手段をさらに備え、
前記光学手段によって結像した各色の結像位置は、
前記赤の投影光と青の投影光とが常に一致し、
前記光線シフト手段でシフトされた緑の投影光と前記光線シフト手段でシフトされない赤及び青の投影光とが一致し、
前記光線シフト手段でシフトされない緑の投影光と、前記光線シフト手段でシフトされた赤及び青の投影光とが一致する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−18102(P2006−18102A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196999(P2004−196999)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】