画像表示装置
【課題】 装置の小型化が可能で、かつ、表示画像の劣化の低減可能な画像表示装置を得る。
【解決手段】 光源1と、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子7と、光源から出射された光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子の表示面に表示された画像を被投射面20に投射して拡大表示させる投射光学系と、を備えた画像表示装置であって、画像表示素子の表示面と被投射面とは略直交し、投射光学系は、レンズ光学系8と、レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラー9と、第1ミラーで反射された光を被投射面に向けて反射する第2ミラー10と、を備え、レンズ光学系は、画像表示素子と被投射面との光路上に中間像(P1,P2)を結像し、2つのミラーのいずれか一方のミラーを中間像が跨ぐように設定され、中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されている。
【解決手段】 光源1と、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子7と、光源から出射された光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子の表示面に表示された画像を被投射面20に投射して拡大表示させる投射光学系と、を備えた画像表示装置であって、画像表示素子の表示面と被投射面とは略直交し、投射光学系は、レンズ光学系8と、レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラー9と、第1ミラーで反射された光を被投射面に向けて反射する第2ミラー10と、を備え、レンズ光学系は、画像表示素子と被投射面との光路上に中間像(P1,P2)を結像し、2つのミラーのいずれか一方のミラーを中間像が跨ぐように設定され、中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン面等に投影原画像を拡大して表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のものに比べて極端にスクリーン面(スクリーンの被投射面で、像面に相当する)の近くに設置することができる画像表示装置が知られている。このような画像表示装置は、超至近プロジェクタなどと呼ばれる。超至近プロジェクタの目的は、第1に、スクリーンの近くに立つプレゼンター(あるいは説明員、発表者など)の目に投射光が入る眩しさを避けること、第2に、プレゼンターの説明を聞く聴講者にプロジェクタの排気や騒音の影響が及ばないようにすること、である。
【0003】
超至近プロジェクタが備える投射光学系には、単純に従来の投射光学系(共軸・回転対称)の画角を広げることでスクリーン面との距離を短くするものや、曲面ミラーを使うもの(例えば、特許文献1,2参照)、などがある。ここで、投射光学系の画角を広げる方式であれば、従来技術の延長で超至近投射の目的を達成することができる。しかし、この方式ではスクリーンに近いレンズの外径を大型のものにする必要があり、プロジェクタ全体が大きくなる。これに対して、曲面ミラーを使う方式は、小型でありながら、超至近距離での投射を行うことができる。
【0004】
特許文献1記載の発明は、投射光学系を構成するレンズ光学系の後ろに凹面ミラーを配置して投射する方式である。一方、特許文献2記載の発明は、レンズ光学系の後ろに凸面ミラーを配置して投射する方式である。いずれの方式においても、レンズとミラーを順番に配置するだけでセッティングすることができるため、部品間の配置精度を高くすることができる。しかし、レンズ光学系とミラーとの間に長い距離が必要であるため、投射光学系が大型化する。
【0005】
レンズとミラーの距離を短くすることができるものも提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。特許文献3および特許文献4記載の発明は、折り返しミラーを配置することで、レンズ光学系とミラーとの間の長い距離を折り畳み、光学系の小型化を図っている。ここで、特許文献3記載の発明では、レンズ光学系の次に凹面ミラーと凸面ミラーを順に配置することで小型化を図っている。一方、特許文献4記載の発明では、凹面ミラーの後ろに平面ミラーを配置することで小型化を図っている。
【0006】
しかし、特許文献3および特許文献4のいずれに記載の光学系も、画像表示素子から曲面ミラーまでの距離が長い(例えば、特許文献3の図4の「L1」が長い。)。そのため、スクリーンからプロジェクタ本体までの距離を従来よりもさらに近づけるには、光学系本体の長さが邪魔になり、スクリーン面からのプロジェクタ本体の出っ張り量に限界があった。
【0007】
このような「光学系自体の大きさ」に関する制約を解決するものも提案されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5には、スクリーン面と画像表示素子の表示面が互いに垂直になる、いわゆる縦型方式の投射光学系が記載されている。このような縦型方式を採用することで、投射光学系自体の長さが、スクリーン面からのプロジェクタ本体の出っ張り量に対する制約とならないため、超至近投射を可能にしている。
【0008】
このような縦型方式の投射光学系の小型化とスローレシオ0.3以下の超至近投射について鋭意検討した結果,特許文献5の図12に示された構成では,超至近投射であっても大画面を投射することが困難であることが判明した。すなわち、超至近投射で大画面を投影するには、レンズ光学系からミラー系に入射する光の発散性をより強くする必要があることや、画像表示素子とスクリーン面との間で中間像を結ぶ光学系が好ましいこと、が判明した。
【0009】
しかし、画像表示素子とスクリーン面との間で中間像を結ぶことで下記の課題が出る。中間像方式では、画像表示素子としてのDMD(Digital Micromirror Device)と中間像とが共役であり、かつ、中間像はスクリーン面と共役である。したがって、中間像近傍に配置された光学素子にほこり等が付着すると、スクリーン面に拡大投射されてしまい、画像欠陥となる。このような画像欠陥は、表示画像の品質を低下させてしまう。
【0010】
この画像欠陥の対策として、中間像の近傍に光学素子を配置しないことも考えられる。しかし、これは光路レイアウトに制約を加えてしまう結果となる。つまり、光路レイアウトに制約があると縦型方式の採用が難しくなり、画像表示装置の小型化を妨げてしまうため、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、装置の小型化が可能で、かつ、表示画像の劣化の低減可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、光源と、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子と、光源から出射された光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子の表示面に表示された画像を被投射面に投射して拡大表示させる投射光学系と、を備えた画像表示装置であって、画像表示素子の表示面と被投射面とは略直交し、投射光学系は、レンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラーと、第1ミラーで反射された光を被投射面に向けて反射する第2ミラーと、を備え、レンズ光学系は、画像表示素子と被投射面との光路上に中間像を結像し、2つのミラーのいずれか一方のミラーを中間像が跨ぐように設定され、中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、本体の小型化が可能で、かつ、表示画像の劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。
【図2】上記画像表示装置が備える投射光学系の要部拡大図である。
【図3】上記投射光学系により投射される光の光路を示す光路図である。
【図4】上記投射光学系を構成するレンズ光学系により形成される中間像の位置を示す光線図である。
【図5】別の投射光学系の要部拡大図である。
【図6】図5の投射光学系により投射される光の光路を示す光路図である。
【図7】本発明にかかる画像表示装置の別の実施の形態を示す、投射光学系の要部拡大図である。
【図8】本発明にかかる画像表示装置との比較例の投射光学系の要部拡大図である。
【図9】本発明にかかる画像表示装置の投射光学系のさらに別の例を示す要部拡大図である。
【図10】本発明にかかる画像表示装置のさらに別の実施の形態を示す、投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。
【図11】図10の画像表示装置が有する反射型画像表示装置の平面図である。
【図12】図10の画像表示装置が有するレンズ光学系の光学配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる画像表示装置の実施の形態について説明する。
【0016】
なお、以下に説明するように、本発明にかかる画像表示装置は、発散性の強い投射光束の集光位置を調整することで、超至近距離から大画面の画像をスクリーンに表示することができる。
【0017】
図1は、本発明にかかる画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。画像表示装置であるプロジェクタ100は、光源であるランプ1から出射された光で反射型画像表示素子であるDMD7を照明する照明光学系と、DMD7で反射された光を被投射面であるスクリーン20(スクリーンの被投射面)に向けて投射する投射光学系と、を有してなる。
【0018】
以下の説明において、投射光学系の光軸方向をZ軸方向、照明光学系の光軸方向をY軸方向、Z軸方向とY軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。
【0019】
なお、以下に説明する実施の形態では、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子の例として、反射型画像表示素子であるDMDを用いている。ただし、本発明にかかる画像表示装置が備える画像表示素子はDMDに限らず、液晶パネルなど他の画像表示素子を用いてもよい。
【0020】
ここで、照明光学系について説明をする。光源であるランプ1から出射された光は、リフレクタ2によりインテグレータロッド3の入射口に集光される。インテグレータロッド3は、4つのミラーを組み合わせてトンネル状に形成されたライトパイプである。インテグレータロッド3に入射された光は、インテグレータロッド3内のミラー面で反射を繰り返し、インテグレータロッド3の出射口において光量が一様でムラのない光になる。
【0021】
インテグレータロッド3の出射口を、光量が一様でムラのない面光源として捉えて、この面光源の光源像を、DMD照明用レンズ4、第1折り返しミラー5、第2折り返しミラー6を介してDMD7の有効画像領域に生成する。DMD照明用レンズ4は、DMD7の有効画像領域を効率よく照射するための光学素子である。第1折り返しミラー5は、平面ミラーである。また、第2折り返しミラー6は、曲面ミラー(凹面ミラー)である。
【0022】
インテグレータロッド3から出射された光は、DMD照明用レンズ4の前方を通過して第1折り返しミラー5により、図1の紙面斜め右下方向に反射されて第2折り返しミラー6に向かう。第2折り返しミラー6で反射された光は、DMD7の表示面を照明し、DMD7の有効画像領域内のミラーにより反射されて、画像投射光である反射光束が第2折り返しミラー6の側方を通過して投射光学系を形成するレンズ光学系8に入射される。ランプ1から第2折り返しミラー6までを照明光学系という。
【0023】
このような照明光学系により、DMD7は光量ムラのない照明光で照明され、一様な照度分布となるため、その拡大像である投射画像も一様な照度分布となる。
【0024】
DMD7は、多数の微小ミラーからなるデバイスで、各微小ミラーの角度を+12°から−12°の範囲で変化させることができる。例えば、微小ミラーの角度が−12°のとき、微小ミラーで反射された照明光が投射レンズ内に入るように、各光学素子がレイアウトされている。この状態を「ON状態」という。また、ミラーの角度が+12°のとき、微小ミラーで反射された照明光が投射レンズ内に入らないように、各光学素子がレイアウトされている。この状態を「OFF状態」という。
【0025】
DMD7の微小ミラーは、被投射面上に表示される画像の画素に対応する。したがって、DMD7の各微小ミラーの傾斜角度を制御することで、スクリーン20に表示される画像の形成に必要な投射光(投射画像光)を、投射光学系を介して投射することができる。
【0026】
なお、投射光学系は、レンズ光学系8とミラー光学系とを有してなるが、図1にはレンズ光学系8のみを図示している。レンズ光学系8は、複数のレンズからなる投射レンズと、この投射レンズを保持するレンズ鏡胴(不図示)と、を有してなる。また、図示しないミラー光学系は、投射レンズからの投射光束をスクリーン20に向けて反射させるミラーを有してなる。
【0027】
[実施例1]
以下、本発明にかかる画像表示装置の実施例について説明をする。図2は、本実施例にかかる画像表示装置の投射光学系の要部拡大図である。なお、図2において、照明光学系は、図示が省略されている。図2は、DMD7が備える全ての微小ミラーがON状態であって、有効画像領域の全体をスクリーン20(不図示)に投射する状態を例示している。図2において、投射光束14は、DMD7の有効画像領域端部からレンズ光学系8に入射し、ミラー光学系を構成する第1ミラー9と第2ミラー10を経て、スクリーン20(不図示)に到達する2本の線として表されている。
【0028】
レンズ光学系8は、レンズ鏡胴81内に収められた複数のレンズからなる。投射光束14は、レンズ鏡胴81の内部で収束した後に拡散しながら、第1ミラー9に向かう。第1ミラー9は、平面ミラーであって、その光学面は鉛直方向下向きになるように配置されている。
【0029】
なお、第1ミラー9は、平面ミラーに限らない。ただし、仮に、第1ミラーが凸面ミラーであるとすると、第1ミラーで反射された投射光束14は、さらに発散性が強くなる。その結果、第1ミラーで反射された投射光束14は、第2ミラー10に向かう途中で、例えば、レンズ鏡胴81などにぶつかって、光がけられる(遮光される)可能性が高くなる。したがって、第1ミラーは、平面ミラーまたは凹面ミラーであることが望ましい。
【0030】
ここで、レンズ光学系8により結像されて形成される中間像について説明する。図4は、投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。図中、P1は、DMD7の画素のうちレンズ光学系8の光軸から最も遠い画素により形成される中間像であり、P2は、レンズ光学系8の光軸から最も近い画素により形成される中間像である。図4に示すように、レンズ光学系8により形成される中間像は、第1ミラー9を跨ぐように形成される。換言すれば、投射光学系は、レンズ光学系8により形成される中間像が第1ミラー9を跨ぐように配置・設定されている。なお、中間像が第1ミラーを跨ぐとは、中間像の一部が光学的に第1ミラーの光源側とスクリーン側との双方に存在することを意味する。ここで、光学的とは、光源から光線進行方向に沿って見たとき、ということを意味する。
【0031】
なお、本発明において、レンズ光学系8により形成される中間像が跨ぐのは、少なくとも第1ミラー9と第2ミラー10のいずれか一方であればよい。
【0032】
レンズ光学系8により形成される中間像の付近の第1ミラー9の光学面にゴミやほこりが付着すると、そのゴミなどがスクリーンに映り込んでしまい、表示画像の画質の劣化を引き起こしてしまう。したがって、プロジェクタ100本体の筐体内部にゴミなどが入り込まないようにすることが望ましい。しかし、プロジェクタ100本体の筐体の隙間から筐体内部に侵入するゴミなどを皆無にすることは困難である。
【0033】
そこで、前述のとおり、第1ミラー9の光学面を鉛直方向下向きに配置することで、たとえ筐体の隙間からゴミなどが入り込んだとしても、ゴミなどは重力により鉛直方向下向きに落下する。その結果、第1ミラーの光学面にゴミなどが付着・堆積しにくくなり、スクリーン20への表示画像の画質の劣化を防止・低減することができ、画質を安定させることができる。い
【0034】
第1ミラー9で反射された投射光束14をスクリーン20に向けて反射する第2ミラー10は、凹面ミラーであることが必要である。仮に、第2ミラーが平面ミラーかm面ミラーであるとすると、反射された投射光束14は拡散してしまい、スクリーン20に向けて反射されないからである。
【0035】
このように、第1ミラー9は平面ミラーまたは凹面ミラーとし、第2ミラー10は凹面ミラーとする。その結果、第2ミラー10で反射された投射光束14は、第2ミラー10とスクリーン20との間で集光してから拡散し、スクリーン20上に投射されて、画像を表示することができる。
【0036】
ここで、第1ミラー9と第2ミラー10の2枚のミラーがパワーを有していると、スクリーン20への表示画像が各ミラーの相対的な位置ずれの影響を受けやすくなる。そこで、2枚のミラーのうち、1枚のミラー(第1ミラー9)を平面ミラーとすることで、2枚のミラー間の相対的な位置ずれによる表示画像の劣化を低減することができる。
【0037】
プロジェクタ100とスクリーン20の距離を超至近にしつつ、大画面表示をするには、レンズ光学系8からミラー光学系に入射する光束の発散性を強めて、ミラー光学系を構成する第2ミラー10で、反射された後の投射光束14を集光させる必要がある。また、その集光位置を、スクリーン20よりもずっと手前の、第2ミラー10に近い位置とする必要がある。これは、集光位置がスクリーン20よりもずっと手前で、第2ミラー10に近い位置でなければ、超至近距離に設置されたプロジェクタ100からの投射光束14が十分に発散してスクリーン20上に大きな画像表示をすることができないからである。
【0038】
例えば、図3に示すように、集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前で、第2ミラー10に近い位置にあれば、プロジェクタ100とスクリーン20が至近距離であっても、投射光束14は十分に拡散する。その結果、プロジェクタ100は、スクリーン20全体に大きく拡大された画像を表示することができる。
【0039】
なお、図3に示すように、DMD7の表示面(図中、紙面上面)と、スクリーン20の被投射面とは直交または略直交している。
【0040】
集光位置について、さらに説明をする。集光位置15は、スクリーン20よりもずっと手前、つまり、第2ミラー10に近いことが望ましいが、第2ミラー10に近づきすぎてもよくない。集光位置15は、凹面ミラーである第2ミラー10よりも第1ミラー9に近い位置にあることが望ましい。その理由について、以下、図5を用いて説明する。
【0041】
図5は、投射光学系の要部拡大図であって、集光位置15を第1ミラー9よりも第2ミラー10寄りにした場合の例を示している。投射光束14は、集光位置15において集光した後に一気に拡散する。そのため、図5に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10側に寄っていると、集光位置15から拡散した投射光束14の光路上に第1ミラー9が配置された状態になる。その結果、投射光束14の一部は、第1ミラー9に「けられた」状態になる。
【0042】
図6は、図5の投射光学系により投射される光の様子を示す光路図である。図6に示すように、第2ミラー10で反射されてスクリーン20に向かう投射光束14を、スクリーン20のエッジ部分に当たる投射光141と、反対側のエッジ部分に当たる投射光142のそれぞれに注目して考える。投射光141は、第2ミラー10で反射されて集光位置15を経てスクリーン20に投射される。一方、投射光142は、第2ミラー10で反射されて集光位置15を経た後に第1ミラー9に当たってけられてしまう。そうすると、投射光束14によってスクリーン20に表示されるはずの画像の一部が欠落した状態になってしまう。すなわち、集光位置15は、第1ミラー9の近傍であることが望ましい、といえる。
【0043】
集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第1ミラー9から離れて第2ミラー10の方に寄っていると、投射光束14の一部が投射光学系にけられてしまい、スクリーン20上に大画面表示を行うことができなくなる。そこで、本実施例にかかるプロジェクタ100は、集光位置15を、スクリーン20よりもずっと手前であって、第2ミラー10に近い位置であり、かつ、第1ミラー9の近傍となるように設定する。これによって、超至近距離においても、大画面表示を行うことができる。
【0044】
また、図6に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10に寄っていると、投射光束14の一部である投射光142は、スクリーン20上に到達する投射光141に比べてX−Z平面と平行であるスクリーン20に対し、おじぎをするような角度になる。換言すれば、第2ミラー10で反射された投射光束14において、一方のエッジ部分(投射光141)がスクリーン20の法線に対してなす角度と、反対側のエッジ部分(投射光142)がスクリーン20の法線に対してなす角度が、異なる符合の角度となる状態になると、投射光束14がレンズ光学系8にけられる状態となる。
【0045】
したがって、本実施例にかかるプロジェクタ100は、被投射面であるスクリーン20に投射される投射光束14に係る画像の左右方向中心に入射する光線が、スクリーン20の法線となす角度は、全て同じ符号の角度である。
【0046】
[実施例2]
次に、本発明にかかる画像表示装置の別の実施例について、先に説明した実施例と異なる部分を中心に説明する。
【0047】
図7は、本実施例における投射光学系の要部拡大図であって、実施例1に示した投射光学系に防塵ガラス11を付加した構成である。
【0048】
防塵ガラス11は、凹面ミラーである第2ミラー10の保護や、レンズ光学系8へのゴミの混入防止を目的として、第2ミラー10の上部、つまり、第2ミラーで反射されてスクリーン20に向かう光線の光路中に設置されている。防塵ガラス11が設置されることで、レンズ光学系8へのゴミの混入を防止することができるため、投射画像(スクリーン20への表示画像)の品質の劣化を低減することができる。
【0049】
なお、防塵ガラス11は、なるべく小型であることが望ましい。なぜならば、防塵ガラス11が大きくなると、投射光学系全体の大きさが大きくなり、プロジェクタ100が大型化するからである。
【0050】
第2ミラー10で反射されてスクリーン20(不図示)に向かう投射光束14は、一旦集光した後に拡散する。そこで、防塵ガラス11を大きくすることなく、前述のゴミなどの混入防止を実現するには、集光位置15が防塵ガラス11の近傍になるようにすればよい。図7に示すように、集光位置15が防塵ガラス11の近傍にあると、防塵ガラス11を大きくする必要がなく、投射光学系の小型化を図ることができる。
【0051】
以上説明した3点、第2ミラー10からスクリーン20に向かう投射光束14がけられないこと、レンズ光学系8・第1ミラー9・第2ミラー10を含む投射光学系の小型化を図ること、防塵ガラス11の小型化を図ること、を実現するには、集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前で第2ミラー10に近い位置であり、第2ミラーよりも第1ミラーに近い位置であり、かつ、防塵ガラス11に近い位置であることが望ましい。
【0052】
図8は、本発明にかかる画像表示装置との比較例の投射光学系の要部拡大図であって、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち第1ミラー9に最も近い位置に配置されているレンズのレンズ面が凹面の場合を示している。この比較例の構成の場合、第1ミラー9で反射された光束のうちレンズ光学系8の最も近傍を通過する光束が、前述の凹面に入射してしまい、第2ミラー10に到達できない可能性がある。
【0053】
したがって、小型化を図りつつ、大画面を表示可能な画像表示装置においては、図9に示すように、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち第1ミラー9に最も近い位置に配置されているレンズ80のレンズ面を凸面とすることが望ましい。レンズ80のレンズ面を凸面にすることで、第1ミラー9で反射された光束がレンズ光学系8の近傍を通過しても、レンズ80の外周縁部やレンズ鏡胴81の上端部によってけられることがない。そのため、第1ミラー9で反射された光束が発散性の強い光束であっても、第2ミラー10に到達することができる。
【0054】
また、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち、第1ミラー9に最も近いレンズ80のレンズ面を凸面にすることで、ゴミなどが筐体内に入り込んだとしても、レンズ80のレンズ面にゴミなどが堆積せずに落下しやすくなる。その結果、スクリーン20への表示画像の画質の劣化を防止・低減することができる。
【0055】
[実施例3]
次に、本発明にかかる画像表示装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例と異なる部分を中心に説明する。
【0056】
図10は、最適な集光位置15を実現するために配置された、レンズ光学系8、第1ミラー9、第2ミラー10、防塵ガラス11で構成される投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。同図には、DMD7からの光がレンズ光学系8に入射し、第1ミラー(平面ミラー)9で反射した後に第2ミラー(凹面の自由曲面)で反射し、防塵ガラス11を透過してスクリーン20に至る様子を示している。
【0057】
ここで、DMD7の平面図である図11に示すように、DMD7は、DMD7上の15点からそれぞれ7本ずつ光線を出射させている。DMD7の平面上にある複数の点のうち、X軸方向の中点であって、Y軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心している。その偏心量は1.56mmである。
【0058】
図10に戻る。集光位置15での集光度合いは、スポット的に細くはならないが、集光位置15近傍に防塵ガラス11を配置することで投射光学系の小型化を図ることができる。
【0059】
また、集光位置15を第1ミラー9の近傍、特に、第1ミラー9の反射面を含む無限に広い仮想平面近傍に置くことで、投射光束14が第1ミラー9にけられることない。また、第1ミラー9と第2ミラー10の距離を離さなくてもよいので、投射光学系の小型化を図ることができる。
【0060】
ここで、レンズ光学系8を通過した投射光束14を、第1ミラー9で折り返すことなく、第2ミラー10に当たるように投射光学系を配置したプロジェクタの場合、投射光学系が外装に配置されると、スクリーン20にプロジェクタ本体の筐体がぶつかる。つまり、超至近距離投射を実現するためには、本発明にかかるプロジェクタのように、強い発散性を有する投射光束を、第1ミラー9と第2ミラー10とを用いて反射させてスクリーン20に投射させる構成でなければならない。
【0061】
図12は、レンズ光学系8の構成例を示す光学配置図である。図12において、レンズの光軸方向(紙面左右方向)をZ軸とし、それに直交する二つの軸をX軸、Y軸とする(紙面上下方向がY軸)。図12に示すレンズ光学系8は、レンズ光学系8を構成する各レンズの光軸が、同一直線上に乗っている(重なる)共軸光学系である。
【0062】
レンズ光学系8の光軸と、図11に示したDMD7の平面上にある複数の点のうちY軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心しており、その偏心量は1.56mmである。すなわち、図12において、レンズ光学系8の光軸は、DMD7の(紙面)下端よりも1.56mm下方にある。
【0063】
本実施例のレンズ光学系8は、DMD7側でテレセントリックとしていない。つまり、レンズ光学系8の入射瞳位置は非テレセントリック光学系である。この構成により、DMD7側のレンズ径を小さくすることができるため、プロジェクタ100の小型化が可能となる。
【0064】
次に、投射光学系の具体的な数値例を示す。
【0065】
表1は、前述の共軸光学系の構成を示す。
(表1)
【0066】
表1において、面4、5、21、22、23、24は非球面で、これらの非球面係数を表2に示す。
(表2)
【0067】
上記非球面係数を適用して非球面を算出する式を式1に示す。
(式1)
【0068】
第2ミラー10の反射面を形成するための係数を表3に示す。なお、表3中において、「**」はべき乗演算を意味する。また、「*」は乗算を意味する。
(表3)
【0069】
上記係数を適用して第2ミラー10の反射面を算出する式を式2に示す。
(式2)
【0070】
第1ミラー9と第2ミラー10及び防塵ガラス11のレイアウトを表4に示す。
(表4)
【0071】
以上示した構成を有するプロジェクタ100によれば、スローレシオ0.3以下の超至近投射でありながら、スクリーン20に大画面を表示することができる。なお、前述の数値例によれば、スローレシオは0.23である。ここで、スローレシオは、フロント投射型のプロジェクタにおいて、「投射距離÷スクリーン横方向の長さ」で算出される値であり、この値が小さいほど、至近距離から投射していることを意味する。
【符号の説明】
【0072】
1 光源
2 リフレクタ
3 インテグレータロッド
4 DMD照明用レンズ
5 第1折り返しミラー
6 第2折り返しミラー
7 DMD
8 レンズ光学系
9 第1ミラー
10 第2ミラー
11 防塵ガラス
14 投射光束
15 集光位置
20 スクリーン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特許第4329863号公報
【特許文献2】特許第3727543号公報
【特許文献3】特開2009−157223号公報
【特許文献4】特開2009−145672号公報
【特許文献5】特許第4210314号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン面等に投影原画像を拡大して表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のものに比べて極端にスクリーン面(スクリーンの被投射面で、像面に相当する)の近くに設置することができる画像表示装置が知られている。このような画像表示装置は、超至近プロジェクタなどと呼ばれる。超至近プロジェクタの目的は、第1に、スクリーンの近くに立つプレゼンター(あるいは説明員、発表者など)の目に投射光が入る眩しさを避けること、第2に、プレゼンターの説明を聞く聴講者にプロジェクタの排気や騒音の影響が及ばないようにすること、である。
【0003】
超至近プロジェクタが備える投射光学系には、単純に従来の投射光学系(共軸・回転対称)の画角を広げることでスクリーン面との距離を短くするものや、曲面ミラーを使うもの(例えば、特許文献1,2参照)、などがある。ここで、投射光学系の画角を広げる方式であれば、従来技術の延長で超至近投射の目的を達成することができる。しかし、この方式ではスクリーンに近いレンズの外径を大型のものにする必要があり、プロジェクタ全体が大きくなる。これに対して、曲面ミラーを使う方式は、小型でありながら、超至近距離での投射を行うことができる。
【0004】
特許文献1記載の発明は、投射光学系を構成するレンズ光学系の後ろに凹面ミラーを配置して投射する方式である。一方、特許文献2記載の発明は、レンズ光学系の後ろに凸面ミラーを配置して投射する方式である。いずれの方式においても、レンズとミラーを順番に配置するだけでセッティングすることができるため、部品間の配置精度を高くすることができる。しかし、レンズ光学系とミラーとの間に長い距離が必要であるため、投射光学系が大型化する。
【0005】
レンズとミラーの距離を短くすることができるものも提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。特許文献3および特許文献4記載の発明は、折り返しミラーを配置することで、レンズ光学系とミラーとの間の長い距離を折り畳み、光学系の小型化を図っている。ここで、特許文献3記載の発明では、レンズ光学系の次に凹面ミラーと凸面ミラーを順に配置することで小型化を図っている。一方、特許文献4記載の発明では、凹面ミラーの後ろに平面ミラーを配置することで小型化を図っている。
【0006】
しかし、特許文献3および特許文献4のいずれに記載の光学系も、画像表示素子から曲面ミラーまでの距離が長い(例えば、特許文献3の図4の「L1」が長い。)。そのため、スクリーンからプロジェクタ本体までの距離を従来よりもさらに近づけるには、光学系本体の長さが邪魔になり、スクリーン面からのプロジェクタ本体の出っ張り量に限界があった。
【0007】
このような「光学系自体の大きさ」に関する制約を解決するものも提案されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5には、スクリーン面と画像表示素子の表示面が互いに垂直になる、いわゆる縦型方式の投射光学系が記載されている。このような縦型方式を採用することで、投射光学系自体の長さが、スクリーン面からのプロジェクタ本体の出っ張り量に対する制約とならないため、超至近投射を可能にしている。
【0008】
このような縦型方式の投射光学系の小型化とスローレシオ0.3以下の超至近投射について鋭意検討した結果,特許文献5の図12に示された構成では,超至近投射であっても大画面を投射することが困難であることが判明した。すなわち、超至近投射で大画面を投影するには、レンズ光学系からミラー系に入射する光の発散性をより強くする必要があることや、画像表示素子とスクリーン面との間で中間像を結ぶ光学系が好ましいこと、が判明した。
【0009】
しかし、画像表示素子とスクリーン面との間で中間像を結ぶことで下記の課題が出る。中間像方式では、画像表示素子としてのDMD(Digital Micromirror Device)と中間像とが共役であり、かつ、中間像はスクリーン面と共役である。したがって、中間像近傍に配置された光学素子にほこり等が付着すると、スクリーン面に拡大投射されてしまい、画像欠陥となる。このような画像欠陥は、表示画像の品質を低下させてしまう。
【0010】
この画像欠陥の対策として、中間像の近傍に光学素子を配置しないことも考えられる。しかし、これは光路レイアウトに制約を加えてしまう結果となる。つまり、光路レイアウトに制約があると縦型方式の採用が難しくなり、画像表示装置の小型化を妨げてしまうため、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、装置の小型化が可能で、かつ、表示画像の劣化の低減可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、光源と、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子と、光源から出射された光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子の表示面に表示された画像を被投射面に投射して拡大表示させる投射光学系と、を備えた画像表示装置であって、画像表示素子の表示面と被投射面とは略直交し、投射光学系は、レンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラーと、第1ミラーで反射された光を被投射面に向けて反射する第2ミラーと、を備え、レンズ光学系は、画像表示素子と被投射面との光路上に中間像を結像し、2つのミラーのいずれか一方のミラーを中間像が跨ぐように設定され、中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、本体の小型化が可能で、かつ、表示画像の劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。
【図2】上記画像表示装置が備える投射光学系の要部拡大図である。
【図3】上記投射光学系により投射される光の光路を示す光路図である。
【図4】上記投射光学系を構成するレンズ光学系により形成される中間像の位置を示す光線図である。
【図5】別の投射光学系の要部拡大図である。
【図6】図5の投射光学系により投射される光の光路を示す光路図である。
【図7】本発明にかかる画像表示装置の別の実施の形態を示す、投射光学系の要部拡大図である。
【図8】本発明にかかる画像表示装置との比較例の投射光学系の要部拡大図である。
【図9】本発明にかかる画像表示装置の投射光学系のさらに別の例を示す要部拡大図である。
【図10】本発明にかかる画像表示装置のさらに別の実施の形態を示す、投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。
【図11】図10の画像表示装置が有する反射型画像表示装置の平面図である。
【図12】図10の画像表示装置が有するレンズ光学系の光学配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる画像表示装置の実施の形態について説明する。
【0016】
なお、以下に説明するように、本発明にかかる画像表示装置は、発散性の強い投射光束の集光位置を調整することで、超至近距離から大画面の画像をスクリーンに表示することができる。
【0017】
図1は、本発明にかかる画像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。画像表示装置であるプロジェクタ100は、光源であるランプ1から出射された光で反射型画像表示素子であるDMD7を照明する照明光学系と、DMD7で反射された光を被投射面であるスクリーン20(スクリーンの被投射面)に向けて投射する投射光学系と、を有してなる。
【0018】
以下の説明において、投射光学系の光軸方向をZ軸方向、照明光学系の光軸方向をY軸方向、Z軸方向とY軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。
【0019】
なお、以下に説明する実施の形態では、入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子の例として、反射型画像表示素子であるDMDを用いている。ただし、本発明にかかる画像表示装置が備える画像表示素子はDMDに限らず、液晶パネルなど他の画像表示素子を用いてもよい。
【0020】
ここで、照明光学系について説明をする。光源であるランプ1から出射された光は、リフレクタ2によりインテグレータロッド3の入射口に集光される。インテグレータロッド3は、4つのミラーを組み合わせてトンネル状に形成されたライトパイプである。インテグレータロッド3に入射された光は、インテグレータロッド3内のミラー面で反射を繰り返し、インテグレータロッド3の出射口において光量が一様でムラのない光になる。
【0021】
インテグレータロッド3の出射口を、光量が一様でムラのない面光源として捉えて、この面光源の光源像を、DMD照明用レンズ4、第1折り返しミラー5、第2折り返しミラー6を介してDMD7の有効画像領域に生成する。DMD照明用レンズ4は、DMD7の有効画像領域を効率よく照射するための光学素子である。第1折り返しミラー5は、平面ミラーである。また、第2折り返しミラー6は、曲面ミラー(凹面ミラー)である。
【0022】
インテグレータロッド3から出射された光は、DMD照明用レンズ4の前方を通過して第1折り返しミラー5により、図1の紙面斜め右下方向に反射されて第2折り返しミラー6に向かう。第2折り返しミラー6で反射された光は、DMD7の表示面を照明し、DMD7の有効画像領域内のミラーにより反射されて、画像投射光である反射光束が第2折り返しミラー6の側方を通過して投射光学系を形成するレンズ光学系8に入射される。ランプ1から第2折り返しミラー6までを照明光学系という。
【0023】
このような照明光学系により、DMD7は光量ムラのない照明光で照明され、一様な照度分布となるため、その拡大像である投射画像も一様な照度分布となる。
【0024】
DMD7は、多数の微小ミラーからなるデバイスで、各微小ミラーの角度を+12°から−12°の範囲で変化させることができる。例えば、微小ミラーの角度が−12°のとき、微小ミラーで反射された照明光が投射レンズ内に入るように、各光学素子がレイアウトされている。この状態を「ON状態」という。また、ミラーの角度が+12°のとき、微小ミラーで反射された照明光が投射レンズ内に入らないように、各光学素子がレイアウトされている。この状態を「OFF状態」という。
【0025】
DMD7の微小ミラーは、被投射面上に表示される画像の画素に対応する。したがって、DMD7の各微小ミラーの傾斜角度を制御することで、スクリーン20に表示される画像の形成に必要な投射光(投射画像光)を、投射光学系を介して投射することができる。
【0026】
なお、投射光学系は、レンズ光学系8とミラー光学系とを有してなるが、図1にはレンズ光学系8のみを図示している。レンズ光学系8は、複数のレンズからなる投射レンズと、この投射レンズを保持するレンズ鏡胴(不図示)と、を有してなる。また、図示しないミラー光学系は、投射レンズからの投射光束をスクリーン20に向けて反射させるミラーを有してなる。
【0027】
[実施例1]
以下、本発明にかかる画像表示装置の実施例について説明をする。図2は、本実施例にかかる画像表示装置の投射光学系の要部拡大図である。なお、図2において、照明光学系は、図示が省略されている。図2は、DMD7が備える全ての微小ミラーがON状態であって、有効画像領域の全体をスクリーン20(不図示)に投射する状態を例示している。図2において、投射光束14は、DMD7の有効画像領域端部からレンズ光学系8に入射し、ミラー光学系を構成する第1ミラー9と第2ミラー10を経て、スクリーン20(不図示)に到達する2本の線として表されている。
【0028】
レンズ光学系8は、レンズ鏡胴81内に収められた複数のレンズからなる。投射光束14は、レンズ鏡胴81の内部で収束した後に拡散しながら、第1ミラー9に向かう。第1ミラー9は、平面ミラーであって、その光学面は鉛直方向下向きになるように配置されている。
【0029】
なお、第1ミラー9は、平面ミラーに限らない。ただし、仮に、第1ミラーが凸面ミラーであるとすると、第1ミラーで反射された投射光束14は、さらに発散性が強くなる。その結果、第1ミラーで反射された投射光束14は、第2ミラー10に向かう途中で、例えば、レンズ鏡胴81などにぶつかって、光がけられる(遮光される)可能性が高くなる。したがって、第1ミラーは、平面ミラーまたは凹面ミラーであることが望ましい。
【0030】
ここで、レンズ光学系8により結像されて形成される中間像について説明する。図4は、投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。図中、P1は、DMD7の画素のうちレンズ光学系8の光軸から最も遠い画素により形成される中間像であり、P2は、レンズ光学系8の光軸から最も近い画素により形成される中間像である。図4に示すように、レンズ光学系8により形成される中間像は、第1ミラー9を跨ぐように形成される。換言すれば、投射光学系は、レンズ光学系8により形成される中間像が第1ミラー9を跨ぐように配置・設定されている。なお、中間像が第1ミラーを跨ぐとは、中間像の一部が光学的に第1ミラーの光源側とスクリーン側との双方に存在することを意味する。ここで、光学的とは、光源から光線進行方向に沿って見たとき、ということを意味する。
【0031】
なお、本発明において、レンズ光学系8により形成される中間像が跨ぐのは、少なくとも第1ミラー9と第2ミラー10のいずれか一方であればよい。
【0032】
レンズ光学系8により形成される中間像の付近の第1ミラー9の光学面にゴミやほこりが付着すると、そのゴミなどがスクリーンに映り込んでしまい、表示画像の画質の劣化を引き起こしてしまう。したがって、プロジェクタ100本体の筐体内部にゴミなどが入り込まないようにすることが望ましい。しかし、プロジェクタ100本体の筐体の隙間から筐体内部に侵入するゴミなどを皆無にすることは困難である。
【0033】
そこで、前述のとおり、第1ミラー9の光学面を鉛直方向下向きに配置することで、たとえ筐体の隙間からゴミなどが入り込んだとしても、ゴミなどは重力により鉛直方向下向きに落下する。その結果、第1ミラーの光学面にゴミなどが付着・堆積しにくくなり、スクリーン20への表示画像の画質の劣化を防止・低減することができ、画質を安定させることができる。い
【0034】
第1ミラー9で反射された投射光束14をスクリーン20に向けて反射する第2ミラー10は、凹面ミラーであることが必要である。仮に、第2ミラーが平面ミラーかm面ミラーであるとすると、反射された投射光束14は拡散してしまい、スクリーン20に向けて反射されないからである。
【0035】
このように、第1ミラー9は平面ミラーまたは凹面ミラーとし、第2ミラー10は凹面ミラーとする。その結果、第2ミラー10で反射された投射光束14は、第2ミラー10とスクリーン20との間で集光してから拡散し、スクリーン20上に投射されて、画像を表示することができる。
【0036】
ここで、第1ミラー9と第2ミラー10の2枚のミラーがパワーを有していると、スクリーン20への表示画像が各ミラーの相対的な位置ずれの影響を受けやすくなる。そこで、2枚のミラーのうち、1枚のミラー(第1ミラー9)を平面ミラーとすることで、2枚のミラー間の相対的な位置ずれによる表示画像の劣化を低減することができる。
【0037】
プロジェクタ100とスクリーン20の距離を超至近にしつつ、大画面表示をするには、レンズ光学系8からミラー光学系に入射する光束の発散性を強めて、ミラー光学系を構成する第2ミラー10で、反射された後の投射光束14を集光させる必要がある。また、その集光位置を、スクリーン20よりもずっと手前の、第2ミラー10に近い位置とする必要がある。これは、集光位置がスクリーン20よりもずっと手前で、第2ミラー10に近い位置でなければ、超至近距離に設置されたプロジェクタ100からの投射光束14が十分に発散してスクリーン20上に大きな画像表示をすることができないからである。
【0038】
例えば、図3に示すように、集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前で、第2ミラー10に近い位置にあれば、プロジェクタ100とスクリーン20が至近距離であっても、投射光束14は十分に拡散する。その結果、プロジェクタ100は、スクリーン20全体に大きく拡大された画像を表示することができる。
【0039】
なお、図3に示すように、DMD7の表示面(図中、紙面上面)と、スクリーン20の被投射面とは直交または略直交している。
【0040】
集光位置について、さらに説明をする。集光位置15は、スクリーン20よりもずっと手前、つまり、第2ミラー10に近いことが望ましいが、第2ミラー10に近づきすぎてもよくない。集光位置15は、凹面ミラーである第2ミラー10よりも第1ミラー9に近い位置にあることが望ましい。その理由について、以下、図5を用いて説明する。
【0041】
図5は、投射光学系の要部拡大図であって、集光位置15を第1ミラー9よりも第2ミラー10寄りにした場合の例を示している。投射光束14は、集光位置15において集光した後に一気に拡散する。そのため、図5に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10側に寄っていると、集光位置15から拡散した投射光束14の光路上に第1ミラー9が配置された状態になる。その結果、投射光束14の一部は、第1ミラー9に「けられた」状態になる。
【0042】
図6は、図5の投射光学系により投射される光の様子を示す光路図である。図6に示すように、第2ミラー10で反射されてスクリーン20に向かう投射光束14を、スクリーン20のエッジ部分に当たる投射光141と、反対側のエッジ部分に当たる投射光142のそれぞれに注目して考える。投射光141は、第2ミラー10で反射されて集光位置15を経てスクリーン20に投射される。一方、投射光142は、第2ミラー10で反射されて集光位置15を経た後に第1ミラー9に当たってけられてしまう。そうすると、投射光束14によってスクリーン20に表示されるはずの画像の一部が欠落した状態になってしまう。すなわち、集光位置15は、第1ミラー9の近傍であることが望ましい、といえる。
【0043】
集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第1ミラー9から離れて第2ミラー10の方に寄っていると、投射光束14の一部が投射光学系にけられてしまい、スクリーン20上に大画面表示を行うことができなくなる。そこで、本実施例にかかるプロジェクタ100は、集光位置15を、スクリーン20よりもずっと手前であって、第2ミラー10に近い位置であり、かつ、第1ミラー9の近傍となるように設定する。これによって、超至近距離においても、大画面表示を行うことができる。
【0044】
また、図6に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10に寄っていると、投射光束14の一部である投射光142は、スクリーン20上に到達する投射光141に比べてX−Z平面と平行であるスクリーン20に対し、おじぎをするような角度になる。換言すれば、第2ミラー10で反射された投射光束14において、一方のエッジ部分(投射光141)がスクリーン20の法線に対してなす角度と、反対側のエッジ部分(投射光142)がスクリーン20の法線に対してなす角度が、異なる符合の角度となる状態になると、投射光束14がレンズ光学系8にけられる状態となる。
【0045】
したがって、本実施例にかかるプロジェクタ100は、被投射面であるスクリーン20に投射される投射光束14に係る画像の左右方向中心に入射する光線が、スクリーン20の法線となす角度は、全て同じ符号の角度である。
【0046】
[実施例2]
次に、本発明にかかる画像表示装置の別の実施例について、先に説明した実施例と異なる部分を中心に説明する。
【0047】
図7は、本実施例における投射光学系の要部拡大図であって、実施例1に示した投射光学系に防塵ガラス11を付加した構成である。
【0048】
防塵ガラス11は、凹面ミラーである第2ミラー10の保護や、レンズ光学系8へのゴミの混入防止を目的として、第2ミラー10の上部、つまり、第2ミラーで反射されてスクリーン20に向かう光線の光路中に設置されている。防塵ガラス11が設置されることで、レンズ光学系8へのゴミの混入を防止することができるため、投射画像(スクリーン20への表示画像)の品質の劣化を低減することができる。
【0049】
なお、防塵ガラス11は、なるべく小型であることが望ましい。なぜならば、防塵ガラス11が大きくなると、投射光学系全体の大きさが大きくなり、プロジェクタ100が大型化するからである。
【0050】
第2ミラー10で反射されてスクリーン20(不図示)に向かう投射光束14は、一旦集光した後に拡散する。そこで、防塵ガラス11を大きくすることなく、前述のゴミなどの混入防止を実現するには、集光位置15が防塵ガラス11の近傍になるようにすればよい。図7に示すように、集光位置15が防塵ガラス11の近傍にあると、防塵ガラス11を大きくする必要がなく、投射光学系の小型化を図ることができる。
【0051】
以上説明した3点、第2ミラー10からスクリーン20に向かう投射光束14がけられないこと、レンズ光学系8・第1ミラー9・第2ミラー10を含む投射光学系の小型化を図ること、防塵ガラス11の小型化を図ること、を実現するには、集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前で第2ミラー10に近い位置であり、第2ミラーよりも第1ミラーに近い位置であり、かつ、防塵ガラス11に近い位置であることが望ましい。
【0052】
図8は、本発明にかかる画像表示装置との比較例の投射光学系の要部拡大図であって、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち第1ミラー9に最も近い位置に配置されているレンズのレンズ面が凹面の場合を示している。この比較例の構成の場合、第1ミラー9で反射された光束のうちレンズ光学系8の最も近傍を通過する光束が、前述の凹面に入射してしまい、第2ミラー10に到達できない可能性がある。
【0053】
したがって、小型化を図りつつ、大画面を表示可能な画像表示装置においては、図9に示すように、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち第1ミラー9に最も近い位置に配置されているレンズ80のレンズ面を凸面とすることが望ましい。レンズ80のレンズ面を凸面にすることで、第1ミラー9で反射された光束がレンズ光学系8の近傍を通過しても、レンズ80の外周縁部やレンズ鏡胴81の上端部によってけられることがない。そのため、第1ミラー9で反射された光束が発散性の強い光束であっても、第2ミラー10に到達することができる。
【0054】
また、レンズ光学系8を構成する複数のレンズのうち、第1ミラー9に最も近いレンズ80のレンズ面を凸面にすることで、ゴミなどが筐体内に入り込んだとしても、レンズ80のレンズ面にゴミなどが堆積せずに落下しやすくなる。その結果、スクリーン20への表示画像の画質の劣化を防止・低減することができる。
【0055】
[実施例3]
次に、本発明にかかる画像表示装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例と異なる部分を中心に説明する。
【0056】
図10は、最適な集光位置15を実現するために配置された、レンズ光学系8、第1ミラー9、第2ミラー10、防塵ガラス11で構成される投射光学系により投射される光の軌跡を示す光線図である。同図には、DMD7からの光がレンズ光学系8に入射し、第1ミラー(平面ミラー)9で反射した後に第2ミラー(凹面の自由曲面)で反射し、防塵ガラス11を透過してスクリーン20に至る様子を示している。
【0057】
ここで、DMD7の平面図である図11に示すように、DMD7は、DMD7上の15点からそれぞれ7本ずつ光線を出射させている。DMD7の平面上にある複数の点のうち、X軸方向の中点であって、Y軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心している。その偏心量は1.56mmである。
【0058】
図10に戻る。集光位置15での集光度合いは、スポット的に細くはならないが、集光位置15近傍に防塵ガラス11を配置することで投射光学系の小型化を図ることができる。
【0059】
また、集光位置15を第1ミラー9の近傍、特に、第1ミラー9の反射面を含む無限に広い仮想平面近傍に置くことで、投射光束14が第1ミラー9にけられることない。また、第1ミラー9と第2ミラー10の距離を離さなくてもよいので、投射光学系の小型化を図ることができる。
【0060】
ここで、レンズ光学系8を通過した投射光束14を、第1ミラー9で折り返すことなく、第2ミラー10に当たるように投射光学系を配置したプロジェクタの場合、投射光学系が外装に配置されると、スクリーン20にプロジェクタ本体の筐体がぶつかる。つまり、超至近距離投射を実現するためには、本発明にかかるプロジェクタのように、強い発散性を有する投射光束を、第1ミラー9と第2ミラー10とを用いて反射させてスクリーン20に投射させる構成でなければならない。
【0061】
図12は、レンズ光学系8の構成例を示す光学配置図である。図12において、レンズの光軸方向(紙面左右方向)をZ軸とし、それに直交する二つの軸をX軸、Y軸とする(紙面上下方向がY軸)。図12に示すレンズ光学系8は、レンズ光学系8を構成する各レンズの光軸が、同一直線上に乗っている(重なる)共軸光学系である。
【0062】
レンズ光学系8の光軸と、図11に示したDMD7の平面上にある複数の点のうちY軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心しており、その偏心量は1.56mmである。すなわち、図12において、レンズ光学系8の光軸は、DMD7の(紙面)下端よりも1.56mm下方にある。
【0063】
本実施例のレンズ光学系8は、DMD7側でテレセントリックとしていない。つまり、レンズ光学系8の入射瞳位置は非テレセントリック光学系である。この構成により、DMD7側のレンズ径を小さくすることができるため、プロジェクタ100の小型化が可能となる。
【0064】
次に、投射光学系の具体的な数値例を示す。
【0065】
表1は、前述の共軸光学系の構成を示す。
(表1)
【0066】
表1において、面4、5、21、22、23、24は非球面で、これらの非球面係数を表2に示す。
(表2)
【0067】
上記非球面係数を適用して非球面を算出する式を式1に示す。
(式1)
【0068】
第2ミラー10の反射面を形成するための係数を表3に示す。なお、表3中において、「**」はべき乗演算を意味する。また、「*」は乗算を意味する。
(表3)
【0069】
上記係数を適用して第2ミラー10の反射面を算出する式を式2に示す。
(式2)
【0070】
第1ミラー9と第2ミラー10及び防塵ガラス11のレイアウトを表4に示す。
(表4)
【0071】
以上示した構成を有するプロジェクタ100によれば、スローレシオ0.3以下の超至近投射でありながら、スクリーン20に大画面を表示することができる。なお、前述の数値例によれば、スローレシオは0.23である。ここで、スローレシオは、フロント投射型のプロジェクタにおいて、「投射距離÷スクリーン横方向の長さ」で算出される値であり、この値が小さいほど、至近距離から投射していることを意味する。
【符号の説明】
【0072】
1 光源
2 リフレクタ
3 インテグレータロッド
4 DMD照明用レンズ
5 第1折り返しミラー
6 第2折り返しミラー
7 DMD
8 レンズ光学系
9 第1ミラー
10 第2ミラー
11 防塵ガラス
14 投射光束
15 集光位置
20 スクリーン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特許第4329863号公報
【特許文献2】特許第3727543号公報
【特許文献3】特開2009−157223号公報
【特許文献4】特開2009−145672号公報
【特許文献5】特許第4210314号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子と、
上記光源から出射された光で上記画像表示素子を照明する照明光学系と、
上記画像表示素子の表示面に表示された上記画像を被投射面に投射して拡大表示させる投射光学系と、
を備えた画像表示装置であって、
上記画像表示素子の表示面と上記被投射面とは略直交し、
上記投射光学系は、レンズ光学系と、上記レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラーと、上記第1ミラーで反射された光を上記被投射面に向けて反射する第2ミラーと、を備え、
上記レンズ光学系は、上記画像表示素子と上記被投射面との光路上に中間像を結像し、
上記2つのミラーのいずれか一方のミラーを上記中間像が跨ぐように設定され、
上記中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されている、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記レンズ光学系を構成する複数のレンズのうち上記第1ミラーに最も近いレンズのレンズ面は、凸面である、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記中間像が跨ぐミラーは、平面ミラーである、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記中間像が跨ぐミラーは、上記第1ミラーである、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記レンズ光学系の入射瞳位置は、非テレセントリック光学系である、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項1】
光源と、
入射光の出射を制御して画像を表示する画像表示素子と、
上記光源から出射された光で上記画像表示素子を照明する照明光学系と、
上記画像表示素子の表示面に表示された上記画像を被投射面に投射して拡大表示させる投射光学系と、
を備えた画像表示装置であって、
上記画像表示素子の表示面と上記被投射面とは略直交し、
上記投射光学系は、レンズ光学系と、上記レンズ光学系を透過した光を反射する第1ミラーと、上記第1ミラーで反射された光を上記被投射面に向けて反射する第2ミラーと、を備え、
上記レンズ光学系は、上記画像表示素子と上記被投射面との光路上に中間像を結像し、
上記2つのミラーのいずれか一方のミラーを上記中間像が跨ぐように設定され、
上記中間像に跨れたミラーは、その光学面が鉛直方向下向きに配置されている、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記レンズ光学系を構成する複数のレンズのうち上記第1ミラーに最も近いレンズのレンズ面は、凸面である、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記中間像が跨ぐミラーは、平面ミラーである、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記中間像が跨ぐミラーは、上記第1ミラーである、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記レンズ光学系の入射瞳位置は、非テレセントリック光学系である、
請求項1記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97109(P2013−97109A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238707(P2011−238707)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]