説明

画像補正値の設定方法

【課題】LCDパネルの表示画像における色再現性を向上させる画像補正を入力画像に対して実行するための画像補正値の設定方法を提供する。
【解決手段】 記憶部20から読み出した第1のLUTを用い第1の階調値に対して第1の逆変換を施すことで得られた第2の階調値から、第2の記憶部から読み出したバックライト漏れスペクトル値を減算して第3の階調値を求め、求めた第3の階調値に第3の記憶部から読み出した第2のLUTを用い第2の逆変換を施して第4の階調値を生成し、第1の階調値に代わってLCDパネル80に適用される補正値として、第4の階調値が第1の階調値に対応付けられた第3のLUTを生成し、生成した第3のLUTを用い、LCDパネル80に表示する入力画像の補正処理を行う補正部に対しての補正値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCD(Liquid Crystal Display)パネルの表示画像における色補正に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LCDパネルの入力画像の色と、実際の表示画像の色とが乖離することが知られており、この乖離の原因の1つとして、LCDパネルを照明するバックライトからの漏れスペクトルの影響が挙げられる。つまり、LCDパネルの表示画像は、上記漏れスペクトルが恒常的に重畳された状態であるため、漏れスペクトルの影響によって入力画像の色と実際の表示画像の色とが乖離してしまう。例えば、擬似白色LEDを上記バックライトして用いると、赤色及び緑色の色再現性が劣化する。また、上記漏れスペクトルの影響は、入力画像の階調値が低いほど顕著となり、最も階調値の低い画像である黒画像を表示する場合には、上記漏れスペクトルの影響によっていわゆる黒浮きと呼ばれる現象が生じる。
【0003】
特許文献1記載の液晶表示装置は、基準となる階調値kを設定し、入力画像フレームを構成する各画素の階調値と上記階調値kとの大小比較を行って当該入力画像フレームが高階調画像フレーム及び低階調画像フレームのいずれであるかを判定し、低階調画像フレームを表示する際にLCDパネルを透過するバックライトの輝度を通常よりも暗くさせ、かつ、当該LCDパネルの透過率を上昇させている。具体的には、上記液晶表示装置は、通常のバックライト輝度と上記階調値kに対応するLCDパネルの透過率との積と、上記暗くした場合のバックライト輝度と任意の透過率(例えば、最高の階調値に対応するLCDパネルの透過率)との積とが一致するように、上記暗くした場合のバックライト輝度を決定している。従って、上記液晶表示装置によれば、低階調画像フレームを表示する場合に、視覚的な明度を維持しつつバックライト輝度を暗くできるので、上記漏れスペクトルによる色再現性の劣化を抑えられる。
【特許文献1】特開2007−249085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の液晶表示装置は、低階調画像フレームを表示する場合に、視覚的な明度を維持しつつバックライト輝度を暗くすることにより、上記漏れスペクトルの影響による色再現性の劣化を抑えている。しかしながら、上記液晶表示装置は、フレーム単位でバックライト輝度を制御しているため、高階調画像フレーム及び低階調画像フレームのいずれを表示する場合にも、当該表示フレーム内において階調値の低い画素ほど漏れスペクトルの影響を相対的に強く受け、色再現性の劣化が生じるという根本的な問題は解決されていない。
【0005】
従って、本発明は、LCDパネルの表示画像における色再現性を向上させる画像補正を入力画像に対して実行するための画像補正値の設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像補正値の設定方法は、画像補正の対象となるLCDパネルに入力され得る第1の階調値に対して予め施されているγ補正に対応する第1の逆変換を実現する第1のルックアップテーブルを第1の記憶部から読み出し、第2の記憶部から前記LCDパネルのバックライト漏れスペクトル値を読み出し、前記第1の記憶部から読み出した第1のルックアップテーブルを用い前記第1の階調値に対して前記第1の逆変換を施すことで得られた第2の階調値から、前記第2の記憶部から読み出したバックライト漏れスペクトル値を減算して第3の階調値を求め、第3の記憶部から前記LCDパネルの表示特性に対応する第2の逆変換を実現する第2のルックアップテーブルを読み出し、前記求めた第3の階調値に前記第3の記憶部から読み出した第2のルックアップテーブルを用い前記第2の逆変換を施して第4の階調値を生成し、前記第1の階調値に代わって前記LCDパネルに適用される補正値として、前記第4の階調値が当該第1の階調値に対応付けられた第3のルックアップテーブルを生成し、前記生成した第3のルックアップテーブルを用い、前記LCDパネルに表示する入力画像の補正処理を行う補正部に対しての補正値を設定する。
【0007】
本発明の他の態様に係る画像補正値の設定方法は、画像補正の対象となるLCDパネルに入力され得る第1の階調値に対して予め施されているγ補正に対応する第1の逆変換を実現する第1のルックアップテーブルを第1の記憶部から読み出し、前記LCDパネルを照明するバックライト輝度を高低に応じて分割した複数の段階の各々に対応する複数のバックライト漏れスペクトル値が記憶される第2の記憶部から、前記複数のバックライト漏れスペクトル値を読み出し、前記第1の記憶部から読み出した第1のルックアップテーブルを用い第1の階調値に対して前記第1の逆変換を施すことで得られた第2の階調値から、前記第2の記憶部から読み出した複数のバックライト漏れスペクトル値の各々を減算して、前記複数の段階の各々に対応する複数の第3の階調値を求め、第3の記憶部から前記LCDパネルの表示特性に対応する第2の逆変換を実現する第2のルックアップテーブルを読み出し、前記求めた複数の第3の階調値の各々に前記第3の記憶部から読み出した第2のルックアップテーブルを用い前記第2の逆変換を施して前記複数の段階の各々に対応する複数の第4の階調値を生成し、前記複数の段階の各々に属するバックライト輝度で前記LCDパネルを照明する場合において前記第1の階調値に代わって前記LCDパネルに適用される補正値として、前記複数の第4の階調値の各々が当該段階及び当該第1の階調値に対応付けられた第3のルックアップテーブルを生成し、前記生成した第3のルックアップテーブルを用い、前記LCDパネルに表示する入力画像の補正処理を行う補正部に対しての補正値を設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、LCDパネルの表示画像における色再現性を向上させる画像補正を入力画像に対して実行するための画像補正値の設定方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る画像補正値の設定方法を実行する画像補正値の設定装置は、RGBオフセット値記憶部10、理想逆γRGB LUT(Look-Up Table)記憶部20、減算器30、パネル逆γRGB LUT記憶部40、RGB変換部50、画像補正用RGB LUT記憶部60及びRGB補正部70を有する。LCD(Liquid Crystal Display)パネル80は、図1の設定装置によって画像補正された入力画像を出力画像として表示する。ここで、上記入力画像は、放送局から伝送される放送信号に格納されている画像、記憶媒体に蓄積されている画像等である。
【0010】
RGBオフセット値記憶部10には、画像補正対象となるLCDパネル80のバックライト漏れスペクトルに応じたRGB値がRGBオフセット値(R0,G0,B0)として記憶される。上記RGBオフセット値は、例えば黒画像を表示させた状態のLCDパネル80を対象として分光放射輝度計を用いて三刺激値(X,Y,Z)を測定し、当該三刺激値(X,Y,Z)をRGB値に変換することにより導出できる。例えば、LCDパネル80がsRGB特性を有する場合には、CIE XYZ−RGB変換式が適用できるので、測定された三刺激値(X,Y,Z)は、以下の数式(1)に従ってRGBオフセット値(R0,G0,B0)に変換される。
【数1】

【0011】
尚、RGBオフセット値は、LCDパネル80のバックライト輝度の高低に応じて複数組導出されてもよい。即ち、LCDパネル80を照明し得るバックライト輝度を高低に応じて複数段階に分割し、各段階の代表値(例えば、各段階に属するバックライト輝度の最大値、最小値、中央値等)となるバックライト輝度で照明し、黒画像を表示させた状態のLCDパネル80を対象として分光放射輝度計を用いて三刺激値(X,Y,Z)を測定し、当該三刺激値(X,Y,Z)をRGB値に変換することにより、各段階に対応するRGBオフセット値が導出されてもよい。バックライト輝度が大きく変動すればバックライト漏れスペクトルもこれに応じて変動するので、バックライト輝度の高低に応じて段階的にRGBオフセット値を用意しておくことにより、LCDパネル80を照明するバックライト輝度に関わらず色再現性の高い画像補正を実現できる。
【0012】
理想逆γRGB LUT記憶部20には、入力階調値に対して所定のγ値(例えば、2.2)でγ補正を行って算出される出力階調値が割り当てられた理想逆γRGB LUTが記憶される。通常、例えば放送信号は、放送局によってガンマ補正が予め施されるため、本来表示すべき階調値と上記放送信号が示す階調値との間の関係が非線形となっている。従って、上記所定のγ値は、上記関係を線形とするために、放送局によるガンマ補正におけるγ値(=0.45=1/2.2)の逆数(=2.2)であることが望ましい。即ち、理想逆γRGB LUTは、LCDパネル80に入力され得る階調値に予め施されるγ補正に対応する逆変換を実現するLUTであることが望ましいが、このような態様に限られるものでない。上記所定のγ値を2.2とした場合において、理想逆γRGB LUTが入力階調値(R,G,B)に対して割り当てる出力階調値(revR[R],revG[G],revB[B])は、次の数式(2)によって導出される。
【数2】

【0013】
数式(2)において、nは入力階調値(0以上255以下の整数)である。即ち、R,G及びBは8ビット(即ち、RGB全体で24ビット)値であり、夫々0〜255の階調値を取り得る。尚、R,G及びBのビット数は8に限られるものでなく、任意の値が採用されてもよい。
【0014】
減算器30は、理想逆γRGB LUTの出力階調値(revR[R],revG[G],revB[B])から、RGBオフセット値記憶部10に記憶されているRGBオフセット値を減算する。具体的には、減算器30は次の数式(3)の演算を実行する。
【数3】

【0015】
即ち、例えば、図2に示すように、理想逆γ曲線(revR[n],revG[n]及びrevB[n])101から、R信号に関するオフセット値R0を減算することによりR1[n] 102が導出され、G信号に関するオフセット値G0を減算することによりG1[n] 103が導出され、B信号に関するオフセット値B0を減算することによりB1[n] 104が導出される。減算器30は、減算結果(R1[n],G1[n],B1[n])をRGB変換部50に入力する。尚、RGBオフセット値がLCDパネル80のバックライト輝度の高低に応じて段階的に複数用意されている場合には、減算器30は各段階に対応するRGBオフセット値を用いて上記数式(3)の演算を実行する。
【0016】
パネル逆γRGB LUT記憶部40には、入力階調値に対して所定のγ値(例えば、0.45)でγ補正を行って算出される出力階調値が割り当てられたパネル逆γRGB LUTが記憶される。通常、LCDパネル80は所定の表示特性(γ値)を有しており、入力階調値(本来表示すべき階調値)は当該表示特性に応じた出力階調値に非線形に変換されて表示される。従って、上記所定のγ値は、上記関係を線形とするために、LCDパネル80の表示特性を示すγ値(例えば、2.2)の逆数(=1/2.2=0.45)であることが望ましい。即ち、パネル逆γRGB LUTは上記表示特性に応じた逆変換を実現するLUTであることが望ましいが、このような態様に限られるものでない。上記所定のγ値を1/2.2とした場合において、パネル逆γRGB LUTが入力階調値nに対して割り当てる出力階調値panelRevLut[n]は、次の数式(4)によって導出される。
【数4】

【0017】
RGB変換部50は、減算器30からの減算結果(R1[n],G1[n],B1[n])にパネル逆γRGB LUT記憶部40に記憶されるパネル逆γRGB LUTを適用する。RGB変換部50は、上記パネル逆γRGB LUT適用後のRGB値(RGBLUT_R[n],RGBLUT_G[n],RGBLUT_B[n])を画像補正用RGB LUT記憶部60に入力する。即ち、図3に示すように、RGB変換部50は、パネル逆γ特性panelRevLut[n] 201に応じた変換を図2におけるR1[n] 102、G1[n] 103及びB1[n] 104に施すことにより、RGBLUT_R[n] 202、RGBLUT_G[n] 203及びRGBLUT_B[n] 204を夫々導出する。
【0018】
尚、RGBオフセット値がLCDパネル80のバックライト輝度の高低に応じて段階的に複数用意されている場合には、各段階BLに対応するRGB値(R1[BL][n],G1[BL][n],B1[BL][n])が減算器30からRGB変換部50に入力される。RGB変換部50が上記RGB値(R1[BL][n],G1[BL][n],B1[BL][n])に対し、上記パネル逆γRGB LUTを適用することは、次の数式(5)の演算を実行することに相当する。
【数5】

【0019】
画像補正用RGB LUT記憶部60には、入力RGB値(Rin,Gin,Bin)と、当該入力RGB値に代わってLCDパネル80に適用されるべき補正値となる出力RGB値(Rout,Gout,Bout)とが対応付けられた画像補正用RGB LUTが記憶される。具体的には、RGB変換部50から画像補正用RGB LUT記憶部60にRGB値(RGBLUT_R[n],RGBLUT_G[n],RGBLUT_B[n])が入力されると、(Rin=n,Rout=RGBLUT_R[n])、(Gin=n,Gout=RGBLUT_G[n])及び(Bin=n,Bout=RGBLUT_B[n])が夫々上記画像補正用RGB LUTに入出力の組み合わせとして登録される。
【0020】
尚、RGBオフセット値がLCDパネル80のバックライト輝度の高低に応じて段階的に複数用意されている場合には、上記画像補正用RGB LUTは各段階BLに関して用意される。即ち、RGB変換部50から画像補正用RGB LUT記憶部60に、各段階BLに対応するRGB値(RGBLUT_R[BL][n],RGBLUT_G[BL][n],RGBLUT_B[BL][n])が入力されると、(Rin=n,Rout=RGBLUT_R[n])、(Gin=n,Gout=RGBLUT_G[n])及び(Bin=n,Bout=RGBLUT_B[n])が夫々上記段階BLに関する画像補正用RGB LUTに入出力の組み合わせとして登録される。
【0021】
RGB補正部70は、入力画像のRGB値(Rin,Gin,Bin)に対して、画像補正用RGB LUT記憶部60に記憶される画像補正用RGB LUTを適用して得られたRGB値(Rout,Gout,Bout)を、上記入力画像のRGB値に代わる補正値としてLCDパネル80に入力する。
【0022】
尚、上記画像補正用RGB LUTがLCDパネル80を照明し得るバックライト輝度を高低に応じて分割した複数段階の各々に関して設けられている場合には、RGB補正部70はLCDパネル80を照明するバックライト輝度が属する段階BLに応じた画像補正用RGB LUTを入力画像のRGB値に適用する。具体的には、RGB補正部70は、LCDパネル80を照明するバックライト輝度が属する段階BLに応じた画像補正用RGB LUTを入力画像のRGB値(Rin,Gin,Bin)に適用して得られたRGB値(Rout,Gout,Bout)を、当該入力画像のRGB値に代わる補正値としてLCDパネル80に入力する。ここで、RGB値(Rin,Gin,Bin)、バックライト輝度の段階BL及びRGB値(Rout,Gout,Bout)の関係は次の数式(6)に示す通りである。
【数6】

【0023】
図4において、三角形の領域はLCDパネル80が表示可能な色域、バツ印は入力画像の階調値を補正せずにLCDパネル80に入力した場合における表示画像のxy色度、丸印は入力画像の階調値をRGB補正部70によって補正した補正値をLCDパネル80に入力した場合における表示画像のxy色度を夫々示す。このように、表示すべき画像からバックライト漏れスペクトルをキャンセルした画像を表示させるための階調値をLCDパネル80に入力すれば、バックライト漏れスペクトルが出力画像に重畳されることによる色の再現性の劣化(即ち、表示可能な色域が狭くなること)を抑えることができる。
【0024】
以上説明したように本実施形態に係る画像補正値の設定装置は、(a)LCDパネルに入力され得る階調値に予め施されているγ補正に対応する逆変換を施すことにより当該LCDパネルが表示すべき階調値を逆算し、(b)上記表示すべき階調値から当該LCDパネルのバックライト漏れスペクトル値をキャンセルした階調値を導出し、(c)上記キャンセル済みの階調値に対して上記LCDパネルの表示特性に応じた逆変換を施して得られる階調値を、上記入力され得る階調値に代わって当該LCDパネルに適用すべき補正値として導出している。従って、本実施形態に係る画像補正値の設定装置によれば、LCDパネルには上記補正値に基づく表示画像(入力画像からバックライト漏れスペクトルをキャンセルした画像に相当)に当該LCDパネルのバックライト漏れスペクトルが重畳された画像が表示されるので、比較的低階調な画像を表示する場合であっても表示すべき色を高精度に再現することができる。
【0025】
また、上記バックライト漏れスペクトル値は、上記LCDパネルを照明し得るバックライト輝度の高低に応じて段階的に複数用いられてもよい。複数のバックライト漏れスペクトル値を用いれば、バックライト輝度の変動に基づくバックライト漏れスペクトル値の変動を補償し、高い色再現性を維持することが可能となる。
【0026】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一実施形態に係る画像補正値の設定方法を実行する画像補正値の設定装置を示すブロック図。
【図2】図1の減算器によって行われる演算を概念的に示すグラフ図。
【図3】図1のRGB変換部によって行われる変換処理を概念的に示すグラフ図。
【図4】図1のRGB補正部によって行われる画像補正処理の効果を概念的に示すグラフ図。
【符号の説明】
【0028】
10・・・RGBオフセット値記憶部
20・・・理想逆γRGB LUT記憶部
30・・・減算器
40・・・パネル逆γRGB LUT記憶部
50・・・RGB変換部
60・・・画像補正用RGB LUT記憶部
70・・・RGB補正部
80・・・LCDパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像補正の対象となるLCDパネルに入力され得る第1の階調値に対して予め施されているγ補正に対応する第1の逆変換を実現する第1のルックアップテーブルを第1の記憶部から読み出し、
第2の記憶部から前記LCDパネルのバックライト漏れスペクトル値を読み出し、
前記第1の記憶部から読み出した第1のルックアップテーブルを用い前記第1の階調値に対して前記第1の逆変換を施すことで得られた第2の階調値から、前記第2の記憶部から読み出したバックライト漏れスペクトル値を減算して第3の階調値を求め、
第3の記憶部から前記LCDパネルの表示特性に対応する第2の逆変換を実現する第2のルックアップテーブルを読み出し、
前記求めた第3の階調値に前記第3の記憶部から読み出した第2のルックアップテーブルを用い前記第2の逆変換を施して第4の階調値を生成し、
前記第1の階調値に代わって前記LCDパネルに適用される補正値として、前記第4の階調値が当該第1の階調値に対応付けられた第3のルックアップテーブルを生成し、
前記生成した第3のルックアップテーブルを用い、前記LCDパネルに表示する入力画像の補正処理を行う補正部に対しての補正値を設定する
ことを特徴とする画像補正値の設定方法。
【請求項2】
前記バックライト漏れスペクトル値は、前記LCDパネルに黒画像を表示させた状態で測定されたものであることを特徴とする請求項1記載の画像補正値の設定方法。
【請求項3】
画像補正の対象となるLCDパネルに入力され得る第1の階調値に対して予め施されているγ補正に対応する第1の逆変換を実現する第1のルックアップテーブルを第1の記憶部から読み出し、
前記LCDパネルを照明するバックライト輝度を高低に応じて分割した複数の段階の各々に対応する複数のバックライト漏れスペクトル値が記憶される第2の記憶部から、前記複数のバックライト漏れスペクトル値を読み出し、
前記第1の記憶部から読み出した第1のルックアップテーブルを用い第1の階調値に対して前記第1の逆変換を施すことで得られた第2の階調値から、前記第2の記憶部から読み出した複数のバックライト漏れスペクトル値の各々を減算して、前記複数の段階の各々に対応する複数の第3の階調値を求め、
第3の記憶部から前記LCDパネルの表示特性に対応する第2の逆変換を実現する第2のルックアップテーブルを読み出し、
前記求めた複数の第3の階調値の各々に前記第3の記憶部から読み出した第2のルックアップテーブルを用い前記第2の逆変換を施して前記複数の段階の各々に対応する複数の第4の階調値を生成し、
前記複数の段階の各々に属するバックライト輝度で前記LCDパネルを照明する場合において前記第1の階調値に代わって前記LCDパネルに適用される補正値として、前記複数の第4の階調値の各々が当該段階及び当該第1の階調値に対応付けられた第3のルックアップテーブルを生成し、
前記生成した第3のルックアップテーブルを用い、前記LCDパネルに表示する入力画像の補正処理を行う補正部に対しての補正値を設定する
ことを特徴とする画像補値の設定方法。
【請求項4】
前記複数のバックライト漏れスペクトル値の各々は、前記LCDパネルを前記複数の段階の各々に属するバックライト輝度で照明して黒画像を表示させた状態で測定されたものであることを特徴とする請求項3記載の画像補正値の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−72577(P2010−72577A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243044(P2008−243044)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】