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画像記録体形成装置および画像記録体形成装置用ベルト
説明

画像記録体形成装置および画像記録体形成装置用ベルト

【課題】小判サイズの記録媒体に画像を形成した画像記録体を形成する場合においても、位置ずれを起こすことなく所望の位置に画像が形成された画像記録体を形成することができる画像記録体形成装置を提供すること。
【解決手段】表面に画像を有する転写体および記録媒体を、前記転写体の前記画像が形成された面と前記記録媒体表面とが対面するように重ね合わせた積層体を、加熱および加圧することにより前記転写体と前記記録媒体とを接合させる加熱加圧手段を少なくとも備え、前記加熱加圧手段が、互いに圧接して接触部を形成する1対のベルトと、前記1対のベルトの両側に配置され、前記1対のベルトをその両側から押圧する1対の押圧部材とを少なくとも含むと共に、前記1対のベルトの少なくとも一方のベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体を保持する保持部が設けられていることを特徴とする画像記録体形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックシートや、紙などの記録媒体に画像を形成した画像記録体を形成する画像記録体形成装置および画像記録体形成装置用ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等のようにプラスチックシートに画像を形成したカードのような画像記録体の作製に用いる装置としては、電子写真方式によりプラスチックシート等にカラー画像を形成する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、以下のようにして画像を形成する。まず、基体表面に画像受像層を設けた画像形成材料転写フィルムを用いて、既存の電子写真方式の画像形成装置によりこの転写フィルム上に画像を形成する。その後、この転写フィルムをプラスチックシートのような画像支持体に積層して、加熱および加圧しながらラミネートし、続いて、画像形成材料転写フィルムを剥離して、画像を画像支持体上に転写させることで、プラスチックシートに電子写真画像を形成する。
【特許文献1】特開2005−227377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置を用いてプラスチックシートに画像を印刷する場合、既存の電子写真方式の画像形成装置で印刷を行うため、印刷できる転写フィルムはA3サイズやA4サイズといった定型サイズに限られる。これは、キャッシュカードなどのカードサイズに予め裁断されたプラスチックシートと転写フィルムとを、位置ずれなく接合してカードを作製することが困難だからである。
それゆえ、キャッシュカードなどのサイズの小さいカードを作製する場合には、使用する転写フィルムのサイズに対応したプラスチックシートに画像を転写した後にプレス機等でカード形状に打抜く必要があり、生産性が低いという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、小判サイズの記録媒体に画像を形成した画像記録体を形成する場合においても、位置ずれを起こすことなく所望の位置に画像が形成された画像記録体を形成することができる画像記録体形成装置およびこれに用いる画像記録体形成装置用ベルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
表面に画像を有する転写体および記録媒体を、前記転写体の前記画像が形成された面と前記記録媒体表面とが対面するように重ね合わせた積層体を、加熱および加圧することにより前記転写体と前記記録媒体とを接合させる加熱加圧手段を少なくとも備え、
前記加熱加圧手段が、互いに圧接して接触部を形成する1対のベルトと、前記1対のベルトの両側に配置され、前記1対のベルトをその両側から押圧する1対の押圧部材とを少なくとも含むと共に、
前記1対のベルトの少なくとも一方のベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体を保持する保持部が設けられていることを特徴とする画像記録体形成装置である。
【0006】
<2>
前記保持部が、該保持部が設けられたベルトの前記接触部を形成する側の面に対して凸
部を構成し、且つ、その側面が前記積層体の辺と接触することによって前記積層体を保持する凸部材を有し、
前記凸部材が、前記ベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体が保持される領域を囲むように連続的に設けられていることを特徴とする<1>に記載の画像記録体形成装置である。
【0007】
<3>
<1>または<2>に記載の画像記録体形成装置に用いられ、ベルトの接触部を形成する側の面に、積層体を保持する保持部が設けらたことを特徴とする画像記録体形成装置用ベルトである。
【発明の効果】
【0008】
以上に説明したように本発明によれば、小判サイズの記録媒体に画像を形成した画像記録体を形成する場合においても、位置ずれを起こすことなく所望の位置に画像が形成された画像記録体を形成することができる画像記録体形成装置およびこれに用いる画像記録体形成装置用ベルトを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の画像記録体形成装置は、表面に画像を有する転写体および記録媒体を、前記転写体の前記画像が形成された面と前記記録媒体表面とが対面するように重ね合わせた積層体を、加熱および加圧することにより前記転写体と前記記録媒体とを接合させる加熱加圧手段を少なくとも備え、前記加熱加圧手段が、互いに圧接して接触部を形成する1対のベルトと、前記1対のベルトの両側に配置され、前記1対のベルトをその両側から押圧する1対の押圧部材とを少なくとも含むと共に、前記1対のベルトの少なくとも一方のベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体を保持する保持部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明で用いられる記録媒体や転写体はA3サイズやA4サイズといった大判で定型サイズのものではなく小判サイズのものであるため、機械的なハンドリングが困難なことに加えて、両者を重ね合わせた積層体を熱融着や、接着などによって仮留することも困難である。このため、本発明の画像記録体形成装置のように、ベルトの表面に保持部が設けられていない場合、接触部を通過するまでに積層体を構成する記録媒体と転写体とが位置ずれを起こしてしまい易い。このような位置ずれを起こした状態で、積層体が加熱加圧によって接合されてしまうことになり、得られた画像記録体に形成される画像は、所望の位置からずれところに形成されてしまうことになる。
【0011】
この問題を解決するためには、位置ずれが起らないような状態で積層体を保持した状態で、接触部を通過させて加熱加圧し、積層体を構成する記録媒体と転写体とを接合することが有効である。
以上の観点から、本発明者らは、1対のベルトの少なくとも一方のベルトの接触部を形成する側の面に積層体を保持する保持部を設けることが有効であると考え、上記の本発明を見出した。
これにより、本発明によれば、小判サイズの記録媒体に画像を形成した画像記録体を形成する場合においても、位置ずれを起こすことなく所望の位置に画像が形成された画像記録体を形成することができる。このため、本発明では、従来のように大判サイズの記録媒体と転写体とを接合して得られた接合体を小判サイズに裁断することなく、最初から所望の小判サイズの画像記録体を得ることができるため、接合後の裁断処理を省くことができる。これに加えて、小判サイズの画像記録体の生産性をより高めることができるため、画像記録体の製造コストをより低くすることもできる。
【0012】
なお、本発明において、使用される記録媒体は小判サイズのものであるが、当該「小判サイズ」とは、市販の電子写真方式などの画像形成装置に用いられる用紙の規格サイズのうち最も小さいサイズ(はがきサイズ)よりも小さく、この装置により画像が形成できないサイズを意味する。
具体的には 記録媒体の形状が四角形である場合、例えば縦横の長さが各々10mm以上120mm以下の範囲内であり、縦:横のアスペクト比が1:1〜1:12の範囲内にあるものを意味する。なお、縦横の長さは各々30mm以上90mm以下の範囲内がより好ましく、縦と横とのアスペクト比が1:1〜1:3の範囲内にあることがより好ましい。また、実用性の観点からはJIS X−6301で規定されているサイズが好適である。
【0013】
一方、記録媒体の形状が四角形以外の形状、例えば、円形、楕円形、三角形、星型等の場合、最大長が10mm〜120mmの範囲内であり、最大長と最大長方向と直交する方向の長さとのアスペクト比が1:1〜1:12の範囲内にあるものを意味する。なお、最大長は30mm〜90mmの範囲内がより好ましく、最大長と最大長方向と直交する方向の長さとのアスペクト比は1:1〜1:3の範囲内にあることがより好ましい。
【0014】
一方、本発明に用いられる記録媒体の厚みは特に限定されるものではないが、実用上は、80μm〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、本発明の画像記録体形成装置は、通常の電子写真方式などの画像形成装置により直接画像を形成することが困難、又は、装置内での搬送すらも困難な厚みを有する記録媒体(例えば、キャッシュカードなどの形成に用いられる厚みが760μm程度のプラスチックシートなど)も問題なく使用できる。それゆえ、通常の画像形成装置では対応困難な記録媒体も利用可能であるという観点からは、記録媒体の厚みは300μm〜10mmの範囲内であることがより好ましく、500μm〜5mmの範囲内であることが更に好ましい。
なお、記録媒体のサイズ以外のその他の構成については後述する。また、以下、特に断りが無い限り、本発明に用いられる記録媒体および保持部の平面方向の形状は四角形であることを前提として説明する。また、本発明に用いられる保持部の詳細については後述する。
【0015】
−ベルトおよび保持部−
次に、本発明の画像記録体形成装置に用いるベルトについて説明する。本発明の画像記録体形成装置には、1対のベルトが用いられ、そのうちの少なくとも一方が、ベルトの接触部を形成する側の面(以下、「接触面」と称す場合がある)に、積層体を保持する保持部が設けられた画像記録体形成装置用ベルト(以下、「ベルト」と略す場合がある)である。なお、これら1対のベルトは、無端ベルトであることが好ましく、この場合、接触面に保持部を有する本発明のベルトの外周面に保持部が設けられる。
次に、保持部についてより詳細に説明する。保持部は、積層体を保持した状態で転写体と記録媒体とを接合できるように、1対のベルトの少なくとも一方のベルトの接触部を形成する側の面に設けられ、双方のベルトの接触面に設けられていてもよい。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り一方のベルトの接触面にのみ保持部が設けられることを前提として説明するが、勿論、本発明は一方のベルトの接触面にのみ保持部が設けられる場合のみに限定されるものではない。
【0016】
ここで、「積層体を保持」するとは、保持部を構成する部材によって積層体を支持することによって、積層体をベルトの平面方向に対して動かないようにベルト表面に固定することを意味する。なお、「積層体を支持する」とは、より正確には、積層体全体又は積層体を構成する記録媒体部分を支持することを意味する。すなわち、積層体を形成する転写体のサイズが、積層体を形成する記録媒体のサイズよりも大きい場合には、記録媒体部分が保持部を構成する部材によって支持されることが好ましく、積層体を形成する転写体のサイズが、積層体を形成する記録媒体のサイズと同一または実質的に同一である場合には、積層体全体(すなわち記録媒体部分および転写体部分)が保持部を構成する部材によって支持されることが好ましい。
【0017】
よって、以下の説明においては、特に断りがない限り、積層体を形成する転写体のサイズが、積層体を形成する記録媒体のサイズよりも大きい場合には、積層体の記録媒体部分が保持部を構成する部材によって支持され、積層体を形成する転写体のサイズが、積層体を形成する記録媒体のサイズと同一または実質的に同一である場合には、積層体全体(すなわち記録媒体部分および転写体部分)が保持部を構成する部材によって支持されることを前提に説明する。
【0018】
ここで保持部は、上述した積層体を保持する機能を有するのであればその構成は特に限定されないが、保持部が設けられたベルトの接触面に対して凸部を構成し、且つ、その側面が積層体の辺と接触することによって積層体を保持する凸部材を有することが好ましい。
【0019】
この凸部材は、その側面が積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の辺と接触することによって積層体(又は積層体を構成する記録媒体)を保持する機能が発揮できるのであれば、接触面平面方向の形状や配置位置は特に限定されないが、基本的には保持しようとする積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の輪郭線に沿うように接触面に設けられ、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の4辺のいずれにも接するように配置されることが好ましい。
【0020】
また、凸部材は、保持部が設けられたベルトの接触面に、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)が保持される領域を囲むように離散的に設けることもできるが、連続的に設けることが特に好ましい。
この場合、積層体を構成する記録媒体と転写体との位置ずれをより確実に防止できる。これに加えて、積層体を構成する記録媒体が熱可塑性のプラスチックシートから構成され、このプラスチックシートが、加熱加圧手段による加熱によって記録媒体平面方向に伸びて変形しやすい場合においても、これを抑制できる。それゆえ、得られる画像記録体の平面方向の伸び変形を抑制できる。
【0021】
凸部材の高さは、積層体を加熱加圧によって接合して画像記録体を形成する過程において、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)がベルト接触面の平面方向に対してずれないように固定し続けることができる機能が確保できるのであれば特に限定されないが、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.2倍以上積層体の厚みの1.2倍以下の範囲内であることが好ましく、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.7倍以上積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.2倍以下であることがより好ましく、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.8倍以上積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.1倍以下であることが最も好ましい。
【0022】
凸部材の高さが積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.2倍未満では接触部を通過するまでに記録媒体がベルト上を移動してしまい、位置ずれが発生してしまう場合がある。
凸部材の高さが積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.7倍未満では、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の端部周辺に加わる押圧力が強くなりすぎ、画像記録体の端部周辺の変形が発生してしまう場合がある。また、画像が、画像記録体の端部周辺にまで形成される場合には端部周辺の変形に伴う当該端部周辺の画像延びが発生してしまう場合がある。
また、凸部材の高さが積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.2倍を超えると、積層体の端部周辺に対して十分な押圧力が加わらないため、画像記録体の端部周辺における転写体部分と記録媒体部分との接合不良が発生する場合がある。また、画像が形成された転写体と記録媒体とを接合して得られた接合体から、転写体部分を剥離して記録媒体表面に画像が転写形成された画像記録体を得る際に、画像が、本来であれば画像記録体の端部周辺にまで形成されるような場合には、画像の転写抜けが発生してしまう場合もある。
なお、キャッシュカードなどのカード類の作製に用いられる記録媒体の厚みは通常760μmであるため、この観点からは凸部材の高さは、上述の範囲内を満たすように、608μm以上836μm以下とすることが特に好適である。
【0023】
また、凸部材の断面形状は、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の保持に適した機能を有するものであれば特に限定されないが基本的には四角形であることが好適である。なお、凸部材は、この凸部材が設けられたベルトと対向配置されたベルトの接触面を局所的に直接押圧するのみならず、この対向配置されたベルトを介して、当該ベルトを押圧する部材表面も局所的且つ間接的に押圧することになる。このため、凸部材によって対向配置されたベルトやこのベルトを押圧する部材を傷つけてしまう場合がある。
このため、凸部材の形状はこのような問題を抑制するように配慮されていることが好ましく、例えば、凸部材の断面形状が基本的に四角形である場合には、凸部材の表面と側面とが交差する角部を面取り加工することが好ましい。
【0024】
凸部材を構成する材料としては、接触部における加熱および加圧によって劣化したり変形したりしないものであることが好ましく、この観点からは耐熱性やある程度の剛性を有する部材;例えば、ゴムや樹脂、金属又はこれら材料を組み合わせた部材から構成されることが好ましい。これらの部材から構成される凸部材は、接触面に保持部を有するベルトの製造時にベルトと一体的に形成することもできるが、ベルト接触面に対して、ベルト接触面を構成する材料に応じて接着剤を利用したり溶接によって接着固定することもできる。
【0025】
また、積層体を形成する転写体のサイズが、積層体を形成する記録媒体のサイズよりも大きい場合には、転写体と記録媒体とを接合する過程において凸部材の表面が転写体表面と接触することになる。このような場合、転写体表面を構成する部材(画像受像層等)が
移着して凸部材表面を汚染してしまうことがある。
よって、このような汚染を防止するためには、凸部材の少なくとも表面部分を構成する材料として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体,テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体などのフッ素系樹脂やシリコーンゴム等の離型性を有する材料を用いることが好ましい。
なお、ベルト本体は、ステンレス鋼、ばね鋼、りん青銅、ニッケル等の板状の金属や、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド等の樹脂、あるいは両者を組み合わせたものなどが利用でき、単層構成であっても2層以上から構成されるものであってもよい。
【0026】
一方、保持部は、ベルトの接触面に凸部材を設けることによって形成されたものであってもよいが、ベルトの接触面に対して凹を成すような凹部を、ベルト接触面側に形成したものであってもよい。
この場合、凹部は、その端面が積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の辺と接触することによって記録媒体を保持する機能が発揮できるのであれば、接触面平面方向の形状や配置位置は特に限定されないが、基本的には凹部の輪郭線が保持しようとする積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の輪郭線に対応するように接触面に設けられ、凹部の輪郭線が積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の4辺のいずれにも接するようにな形状であることが好ましい。
なお、凹部の深さは、保持しようとする積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.2倍以上積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.2倍以下の範囲であることが好ましく、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.7倍以上積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.2倍以下であることがより好ましい。
凹部の深さが、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.2倍未満では接触部を通過するまでに記録媒体がベルト上を移動してしまい、位置ずれが発生してしまう場合がある。凹部の深さが、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの0.7倍未満の場合には、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の端部周辺に加わる押圧力が強くなりすぎ、画像記録体の端部周辺の変形が発生してしまう場合がる。また、画像が、画像記録体の端部周辺にまで形成される場合には端部周辺の変形に伴う当該端部周辺の画像延びが発生してしまう場合がある。
【0027】
一方、凹部の深さが、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の厚みの1.2倍を超える場合には、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)の端部周辺に対して十分な押圧力が加わらないため、画像記録体の端部周辺における転写体部分と記録媒体部分との接合不良が発生する場合がある。また、画像が形成された転写体と記録媒体とを接合して得られた接合体から、転写体部分を剥離して記録媒体表面に画像が転写形成された画像記録体を得る際に、画像が、本来であれば画像記録体の端部周辺にまで形成されるような場合には、画像の転写抜けが発生してしまう場合もある。
【0028】
なお、凹部の深さが大きい場合には、ベルトの強度が低下してしまう場合がある。このような観点からは、凹部の深さは、ベルトの厚みに対して1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。
凹部の形成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が利用できるが、例えば、ベルトを金型などを利用して作製する場合は、金型を利用して形成することができる。また、一旦形成したベルトの接触面側の層を削ったり剥離したりすることによっても形成することができる。
【0029】
次に、保持部の構成例を図面によって、より詳細に説明する。但し、本発明のベルトの保持部の構成は以下の例にのみ限定されるものではない。
図1〜図4は、本発明のベルトの保持部の一例を示す平面図であり、保持部が、凸部材によって構成されている場合について示したものである。ここで、図中、200が接触面、202として示される斜線部の領域が積層体(又は積層体を構成する記録媒体)が保持される領域(以下、「保持領域」と略す場合がある)、204が凸部材、210、220、230、240が保持部を表し、矢印はベルトの移動方向を意味する。また、図1〜図4および後述する図6において、保持領域202は長方形の領域であり、短手方向が、ベルト移動方向と平行となるようにベルトの幅方向に対して接触面200の中央に位置するように設けられている。
【0030】
ここで、図1に示す保持部210は、接触面200上に設けられた保持領域202と、接触面200上にこの保持領域202を囲むように連続的に設けられた凸部材204とから構成されており、図2に示す保持部220は、接触面200上に設けられた保持領域202と、接触面200上にこの保持領域202の四隅に接するように「L字状」の4つの凸部材204が設けられたものであり、図3に示す保持部230は、接触面200上に設けられた保持領域202と、接触面200上にこの保持領域202の4辺に接するように帯状の4つの凸部材204が設けられたものである。
また、図4に示す保持部240は、接触面200上に設けられた保持領域202と、接触面200上にこの保持領域202の4辺に接するように円形の6つの凸部材204が設けられており、保持領域202の2つの長辺に接するように各々2つの凸部材204が配置され、保持領域202の2つの短辺に接するように各々1つの凸部材204が配置されたものである。
【0031】
一方、図5は、保持部の断面構成の一例を示す断面図であり、具体的には図1に示す保持部210の符号A−A間における断面構成について示したものであり、図中、206はベルトを表し、その他の符号は図1中に示したものと同様である。図5に示されるように、ベルト206の接触面200上に2つの凸部材204が設けられており、これら2つの凸部材204に囲まれた接触面200が保持領域202となっている。
【0032】
また、図6は本発明のベルトの保持部の他の例を示す平面図であり、保持部が、凹部によって構成されている場合について示したものである。ここで、図中、250が凹部(保持部)を表し、その他の符号は、図1〜4中に示したものと同様である。また、図7は、保持部の断面構成の一例を示す断面図であり、具体的には図6に示す保持部250の符号B−B間における断面構成について示したものであり、図中の符号は図5,6に示したものと同様である。
ここで、図6および図7に示すように保持部250は、その輪郭線が保持領域202と一致した凹部を形成している。
【0033】
なお、図1〜図7には、ベルト接触面に1枚の積層体(又は積層体を構成する記録媒体)が保持できる構成の保持部が設けられている場合について示したが、ベルト接触面には、複数の保持部が配置されていてもよく、例えば、ベルト移動方向に対して接触面に複数の保持部が配置されていてもよく、ベルト幅方向に対して接触面に複数の保持部が配置されていてもよく、両者を組み合わせてもよい。
【0034】
−画像記録体形成装置の実施態様−
次に、本発明の画像記録体形成装置の実施態様についてより詳細に説明する。本発明の画像記録体形成装置は、少なくとも一方がその接触面に保持部を有する1対のベルトと、この1対のベルトが接触部を形成できるように1対のベルトの両側に配置される1対の押圧部材とを含むものであれば特に限定されないが、1対のベルトは無端状のベルト(無端ベルト)であることが好ましく、ロールによって張られていることが好ましい。加えて、1対の押圧部材は、1対のロールであることが好ましい。
以下、このような構成を有する画像記録体形成装置を、図面によってより詳細に説明する。
【0035】
図8は、本発明の画像記録体形成装置の主要部の一例について示した模式図であり、装置の主要部を側面からみた場合の構成について示した図である。
ここで、図中、31は無端ベルト、32は張力を与える張力付与ロール、33は冷却ロール、34は加熱ロール(又は加圧ロール)、35はインレットロール、36は張力を与えるバネ、37は冷却板、38は検出部を表す。
【0036】
図8に示す画像記録体形成装置は、無端ベルト31と、この無端ベルト31を張架するインレットロール35および張力付与ロール32と、インレットロール35および張力付与ロール32の間に配置された加熱ロール(又は加圧ロール)34と、加熱ロール(又は加圧ロール)34および張力付与ロール32の間に配置された冷却ロール33と、加熱ロール(又は加圧ロール)34および冷却ロール33との間に配置された冷却板37と、無端ベルト31の弛みや歪みを防止するために張力付与ロール32をインレットロール35に対して離れる方向に引っ張って、無端ベルト31に適度な張力を与えるバネ36とを含むベルトユニットを2つ備えている。
ここで、符号34で示されるロールは、いずれか一方のベルトユニットに設けられるロールが加熱機能および加圧機能を有する加熱ロールであり、他方のベルトユニットに設けられるロールが加圧機能のみを有する加圧ロールであってもよく、双方のベルトユニットに設けられるロールが共に加熱機能および加圧機能を有する加熱ロールであってもよい。
【0037】
また、各々のベルトユニットの無端ベルト31の外周面同士は、1対の加熱加圧ロール34、1対の冷却板および1対の冷却ロール33によって無端ベルト31の内周面側から押圧されることによって互いに圧接して接触部を形成しており、2つのベルトユニットを構成する各々の無端ベルト31の少なくとも一方は、その外周面(接触面)に保持部が設けられたものが利用される。
なお、1対の張力付与ロール32および1対のインレットロール35とは、各々のユニットの無端ベルト31の外周面同士を圧接して接触部を形成させず、2つの外周面の間に間隙が設けられるように設置されている。これにより、画像記録体形成装置を連続的に稼動させた場合に1対の無端ベルト31が蛇行しても稼動させながら無端ベルト31を所定の位置に戻すことが可能である。
【0038】
1対の無端ベルト31が蛇行した際に所定の位置に復帰させる方法としては、図示しないが、1対の無端ベルト31が所定の位置よりずれないようにストッパーを設置してもよいし、左右に設置した張力付与バネ36のバネ力をコントロールして1対の無端ベルト31の蛇行を防止するようにしてもよい。
なお、積層体の形成に際しては、1対の無端ベルト31は、互いの外周面が接触する側が、1対のインレットロール35側から1対の張力付与ロール32側へと移動するように回転する。
【0039】
ここで、積層体を構成する転写体と記録媒体との接合は、1対のインレットロール35側から、1対の加熱加圧ロール34によって形成された接触部へと搬送された積層体が、当該接触部を通過する際に、積層体が加熱加圧されることにより実施される。
なお、図8に示す装置に用いられる保持部を有するベルトとしては、例えば、図9に示すものが挙げられる。
【0040】
図9は、本発明のベルトの他の例を示す概略図(斜視図)であり、図8に示す画像記録体形成装置に用いられる無端ベルトの一例について示したものである。ここで、図中、31Aは(保持部を有する)無端ベルトを表し、その他の符号は、図1および図8に示したものと同様である。
図9に示す無端ベルト31Aは、インレットロール35および張力付与ロール32によって張力付与された状態を示しており、その外周面に図1に示すような4つの保持部210を、無端ベルト31の回転方向に沿って等間隔に4つ設けたものである(但し、図9中、4つの保持部210のうち2つは不図示)。なお、図9中、無端ベルト31、インレットロール35、張力付与ロール32以外のその他の部材については記載を省略してある。なお、保持部210の代わりに、図2〜4、6に示すような保持部を設けてもよい。
【0041】
図9に示す無端ベルト31Aの具体的な構成としては特に限定されるものではないが、例えば、ベルト本体部分が表面が鏡面加工されたステンレス製の薄板の端部を溶接して無端ベルト化して製造したものが挙げられる。また、無端ベルト31Aの周長は、例えば500〜2000mmの範囲とすることができる。さらに保持部210を構成する凸部材のベルト周方向の長さは、例えば5〜100mmの範囲とすることができ、10〜50mmの範囲がより好ましい。
【0042】
次に、図8に示す画像記録体形成装置における転写体および記録媒体の搬送について説明する。
図8に示す画像記録体形成装置においては、積層体(又は積層体を構成する記録媒体)が保持部によって保持された状態で、1対の加熱加圧ロールによって形成された接触部を通過する必要があるため、転写体および記録媒体の接触部への搬送タイミングを制御することが必要となる。
このような搬送タイミングの制御は、保持部を有する無端ベルト31を備えた側のベルトユニットのインレットロール35側の無端ベルト31の外周面近傍に保持部に起因するベルト外周面の段差を検出する光センサ等の検出部(図8中の符号38で示される部材で、図中においては2つ示されているがいずれか一方を設けただけでもよい)と、この検出部38からの信号に応じて、接触部への搬送のタイミングを制御しながら、転写体および記録媒体を接触部へと搬送する機能を有する搬送手段(図中、不図示)とを組み合わせて利用することによって行うことができる。
【0043】
なお、記録媒体と転写体とが別個に搬送されて、1対のインレットロール35間近傍で両者が重ね合わされて積層体を形成するような場合には、搬送手段としては、転写体搬送手段と記録媒体搬送手段とが、2つのベルトユニットの1対のインレットロール35側に配置される。
この場合の転写体および記録媒体の接触部への搬送の制御は、例えば、転写体をインレットロール35側に排出する排出口側にゲートを設けた転写体搬送手段と、記録媒体をインレットロール35側に排出するタイミングが制御可能な記録媒体搬送手段とを用いて、検出部からの信号に応じて、転写体搬送手段のゲートの開閉および記録媒体搬送手段の搬送機構のオンオフを行うことにより可能である。
【0044】
なお、本発明の画像記録体形成装置は、転写体に画像を形成する画像形成装置と一体的に構成されていてもよく、画像形成装置としては電子写真方式やインクジェット方式の装置など、公知の装置が利用できる。この場合、画像の形成から画像記録体の作製までを一貫して行うことができる。
図10は、画像記録体形成装置と画像形成装置とが一体的に構成された装置の一例を示す概略模式図であり、具体的には、主要部が図8に示す構成を有する画像記録体形成装置と電子写真方式の画像形成装置とが一体的に構成された装置について示したものであり、図中の30番台で示される符号が示す部材は、図8に示すものと同様である。
【0045】
図10に示す装置は、画像形成装置10、搬送装置20と、画像記録体形成装置30と、から構成され、搬送装置20の両側に画像形成装置10と画像記録体形成装置30が各々配置されている。
画像形成装置10は、その主要部が、例えば、画像形成装置10内の底部に配置された転写体収納部11と、転写体収納部11の上方に配置された画像形成部12と、転写体収納部11から画像形成部12へ転写体を搬送する搬送路13と、画像形成装置10の搬送装置20が配置された側に設けられた排出口14と、画像形成部12から排出口14へ画像形成後の転写体を搬送する搬送路15と、転写体の搬送方向を180°反転させるために搬送路15の途中に分岐して設けられた反転路16と、転写体の案内方向を変更するために搬送路15と反転路16との分岐点に設けられたカム17とから構成されておりその他の構成は省略する。
【0046】
画像形成部12は、図示しないが、潜像を形成する潜像保持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器と、現像されたトナー像を転写体に転写する転写器と、転写体に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式のカラー画像形成装置で構成されている。これにより、転写体表面に画像を形成することができる。
【0047】
搬送路13、15は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されている。また、搬送路15を経て、画像形成部12から排出口14へと搬送される転写体は、途中、反転路16で転写体を往復させ、再び搬送路15に戻すことによって、転写体の搬送方向が180°反転されると共に、転写体の表裏が反転して搬送される。
【0048】
搬送装置20は、記録媒体収納部22と、記録媒体収納部22から画像記録体形成装置30へ記録媒体を供給する搬送路24と、画像形成装置10の排出口14から排出された転写体を、画像記録体形成装置30へ供給する搬送路21と、から構成されている。
上記搬送路21としては、例えば、平滑な板状部材と、その表面を転写体を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写体が画像形成装置10から排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写体を画像記録体形成装置30に搬送する。
また、記録媒体収納部22には、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備えられており、所定のタイミングで給紙ロール等が回転し、画像記録体形成装置30に記録媒体を1枚ずつ搬送する。
【0049】
画像記録体形成装置30は、筐体中に配置された主要部が図8に示す構成を有するものである(なお、図中では、記載を一部省略してある)。ここで、主要部のインレットロール35側が、搬送装置20の搬送路24や搬送路21の出口側に対面するように配置されており、張力付与ロール32側には、1対の張力付与ロール32間から排出された画像記録体を収容する画像記録体収納部41が設けられている。
【0050】
−転写体−
本発明においては、記録媒体以外の部材に画像を形成した後、これを記録媒体に転写する目的で転写体が用いられる。
【0051】
本発明に用いられる転写体は、基体とこの基体の少なくとも片面に設けられた画像保持層とを有するものであり、基体表面に、必要に応じて1層以上の中間層と画像保持層とをこの順に積層した構成であってもよい。また、画像は、画像保持層に形成される。この転写体としては、画像のみを転写するタイプと、転写体を構成する部材の一部と共に画像を転写するタイプの転写体とが挙げられる。
すなわち、画像のみを転写するタイプ転写体は、画像保持層が少なくとも離型性材料を含有するものであり、この転写体を用いた転写は、画像のみが転写体から記録媒体へと転写することにより行われる。
また、画像保持層に形成される画像は公知の記録方式により形成されたものであれば特に限定されないが、画像保持層表面の離型性に優れることから、画像保持層表面に固体状の画像形成材料を付与する方法により形成された画像であることが好ましく、特に電子写真法により形成された画像であることが好ましい。
【0052】
これに対して、転写体を構成する部材の一部と共に画像を転写するタイプの転写体は、画像保持層または画像保持層側に隣接する1以上の層と、基体または基体側に隣接する1以上の層との界面が剥離可能な構成を有する。この転写体を用いた転写は、画像保持層または画像保持層側に隣接する1以上の層が転写体から剥離して、画像と共に記録媒体へと転写することにより行われる。
また、画像保持層に形成される画像は公知の記録方式により形成されたものであれば特に限定されない。例えば、画像保持層表面に固体状や液体状の画像形成材料を付与する方法により形成された画像であってもよく、この場合、代表的には、電子写真法やインクジェット記録法により形成された画像が挙げられる。さらに、画像保持層が、熱や光などの外部刺激の付与によって変色または発色する機能を有する場合には、外部刺激の付与により画像保持層表面を変色または発色させることにより形成された画像であってもよく、この場合、代表的には、感光記録法や感熱記録法、感光感熱記録法により形成された画像が挙げられる。
【0053】
なお、上述した2つのタイプの転写体としては、電子写真法によりその表面に画像を形成した後、プラスチックのシートなどの他の部材に当該画像を転写するために用いるものが知られており、本発明においてもこれら公知の転写体を利用することができる。
【0054】
また、本発明に用いられる転写体のサイズは、画像記録体の形成に用いられる段階では、記録媒体と同一または実質同一のサイズであることが好ましい。あるいは、転写体のサイズは、積層体が加熱加圧手段の接合部を通過する際に、1枚の転写体で2枚以上の記録媒体に対して略同時に接合可能なサイズのものであることが好ましい。この場合の転写体のサイズは、記録媒体のサイズのみならず、画像記録体形成装置の構成も考慮して決定される。例えば、外周面上に、周方向に隣接するように配置された2つの保持部を1組として、2組以上の保持部が周方向に等間隔に設けられた無端ベルトを備えた画像記録体形成装置により画像記録体を形成する場合には、転写体のサイズは、この周方向に隣接するように配置された2つの保持部のサイズと同程度のものが利用できる。
【0055】
なお、画像を形成する段階でも上述と同様のサイズとしてもよいが、画像記録体の形成に用いられる段階までに裁断などで形状やサイズを整える場合には電子写真法やインクジェット法など、公知の画像形成方法を利用した市販の画像形成装置での画像の形成に利用できるA4やA3などの定型サイズであることが好適である。
また、転写体表面への画像の形成は、保持部に保持された記録媒体表面の画像を設けたい領域に対応するように実施される。また、転写体のサイズが記録媒体のサイズよりも大きい場合、転写体と保持部に保持された記録媒体との位置合わせが容易にできるように、記録媒体の輪郭線や、記録媒体の輪郭より一回り外側を示す線、記録媒体の輪郭より一回り外側の枠の4隅を示すマークなどが、記録媒体表面に転写されることになる画像部分と共に転写体表面に形成されていることが望ましい。
【0056】
以下、上記2つのタイプに分けて、本発明に用いられる好適な転写体について、転写体表面に設けられる画像が一例として電子写真法により形成されたものであることを前提としてより詳細に説明する。
【0057】
−画像のみを転写するタイプの転写体−
このタイプの転写体においては、電子写真法により形成される画像の転写性を良好なものとするために画像保持層の表面抵抗率が、23℃、55%RHにおいて、1.0×10以上3.2×1013Ω以下の範囲であることが好ましく、1.0×10以上1.0×1011Ω以下の範囲であることが好ましい。
【0058】
上記表面抵抗率が1.0×10Ωに満たないと、特に、高温高湿時に画像受像体として使用される転写体の抵抗値が低くなりすぎる。このため、電子写真装置内にて転写体表面へ未定着の画像(トナー像)を転写する際にトナー像が乱れる場合がある。また、表面抵抗率が3.2×1013Ωを超えると、画像受像体として使用される転写体の抵抗値が高くなりすぎ、電子写真装置内にてトナー像を転写体表面に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
【0059】
また、同様の理由により画像保持層が基体の片面のみに設けられる場合には、基体の画像保持層が設けられない側の基体表面の23℃、55%RHにおける表面抵抗率は、1.0×10Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることが好ましく、1.0×10Ω以上1.0×1011Ω以下の範囲であることが好ましい。
【0060】
そして、転写体の23℃、55%RHにおける表裏面の表面抵抗率差は、4桁以内であることが好ましく、3桁以内であることがより好ましい。表裏面の表面抵抗率差が4桁を超えると、トナーの転写不良が起こりやすくなり画像の劣化を引き起こす場合がある。尚、表面抵抗率差が4桁以内とは、それぞれの表面抵抗率を常用対数で表したとき、その常用対数値の差が4以内であることを意味する。
【0061】
尚、表面抵抗率はJIS K 6911における二重リング電極法に準拠した方法で測定し、同時に提示されている計算式に則ることにより求めたものである。より具体的には、(株)アドバンテスト社製 デジタル超高抵抗/微小電流計R8340に円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を接続したものに、23℃、55%RHの環境下で、印加電圧1000Vで60秒後の電流値を基にJIS K 6911に規定されている計算式から求めた。
【0062】
画像保持層の表面抵抗率を1.0×10〜1.0×1013Ωの範囲内に制御するにあたっては、画像保持層中に帯電制御剤を含有させることが好ましい。該帯電制御剤としては、例えば高分子導電剤、界面活性剤や、導電性の金属酸化物粒子等を用いることができる。
【0063】
また、画像保持層には離型性材料が含まれているため、トナーなどの画像形成材料を記録媒体に良好に転写できる。
離型性材料は、転写体において画像形成材料を一旦定着し固定化すると共に、記録媒体と加熱圧着されたときには上記画像形成材料を離型する画像保持層に用いられるものである。したがって、離型性材料としては、電子写真において画像形成材料として一般的に使用されるトナーに対して密着性と、離型性とを有することが望ましい。
【0064】
上述の離型性材料としては、特に制限されないが、シリコーン系ハードコート材料が利用できる。このシリコーン系ハードコート材料には、シラン系組成物を含む縮合物樹脂や、このシラン系組成物を含む縮合物樹脂とコロイダルシリカ分散液との混合物からなる材料が含まれていてもよい。
【0065】
画像保持層には、離型性材料の他に樹脂が含まれていてもよく、例えばポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂が含まれていてもよい。ポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂はトナーの結着樹脂として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像保持層に含ませることにより、転写体表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、上記ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、例えば、シリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いても良い。
【0066】
さらにまた、基体との接着性を改善したり、ブロッキング性などを改善するために、従来の公知の樹脂を必要に応じて混合して、画像保持層を構成する樹脂材料として用いることもできる。この樹脂材料としては、ポリビニルアセタール樹脂を用いることが好ましい。
【0067】
電子写真装置内での転写体の搬送をより良好なものとするために、画像保持層にはフィラーが含まれていてもよい。このフィラーの体積平均粒子径としては、0.1μm以上30μm以下であることが好ましいが、画像保持層膜厚を考慮すると、画像保持層膜厚の1.2倍以上が好ましい。大き過ぎるとフィラーが画像保持層から脱離して、転写体表面が摩耗損傷し易くなり、さらに曇り(ヘイズ度)が増大する場合がある
【0068】
フィラーの形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。また、フィラーを構成する材料としては公知の樹脂材料や、無機材料が利用できる。
【0069】
基体としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムを代表的に用いることができる。この中でも、OHPフィルムとして使用できる光透過性のあるフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを用いることが好適できる。また、紙(普通紙、コート紙等)、金属(アルミニウム等)、セラミックス(アルミナ等)も用いることができる。
【0070】
なお、基体の画像保持層が設けられる側の面は、表面粗さ(中心線平均粗さRa)で1μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。表面粗さ(中心線平均粗さRa)が1μmを超える場合には、高い光沢度を得ることができなくなる場合がある。
【0071】
また、画像保持層の厚みは0.1μm以上20μm以下程度であるため、転写体の厚みは基体の厚みによって決定される。このため、基体の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲が好ましく、75μm以上150μm以下の範囲がより好ましい。厚さが50μmに満たないと、電子写真装置内で搬送不良を招く場合があり、200μmを超えると電子写真装置内にてトナー像を転写体表面に移行することが困難になり、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
【0072】
−転写体を構成する部材の一部と共に画像を転写するタイプの転写体−
このタイプの転写体は、基体の同一面上に、画像保持層を含む少なくとも1層の層が設けられており、これら層の内の少なくとも1層が硬化性樹脂を含有する層であることが特に好ましい。この場合、この硬化性樹脂を含有する層は、基体、又は基体側に隣接する層から、剥離可能な層である。
このように硬化性樹脂を含有する層が、基体又は基体側で隣接する層から剥離することにより、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、基体又は基体側に隣接する層から、硬化性樹脂を含有する層が剥離し、記録媒体上に転写された画像を覆い、この画像を保護することとなる。
【0073】
この転写体における硬化性樹脂を含有する層と、基体又は硬化性樹脂を含有する層が基体側に接する層との界面での剥離力は、0.098N/cm以上4.90N/cm以下(10gf/cm以上500gf/cm以下)であることが好ましく、0.196N/cm以上3.92N/cm以下(20gf/cm以上400gf/cm以下)であることがより好ましく、0.490N/cm以上2.41N/cm以下(50gf/cm以上250gf/cm以下)であることが更に好ましい。
【0074】
剥離力が0.098N/cm(10gf/cm)未満であると、離型層と硬化性樹脂を含有する層とが剥がれやすくなり、画像定着時に、電子写真装置の定着器に硬化性樹脂を含有する層が転移してしまったり、あるいは画像記録体を作製するときに前記硬化性樹脂を含有する層と、基体又は基体側で隣接する層との界面ですべりを生じ、最終的に画像が乱れて転移されてしまうことがある。一方、剥離力が4.90N/cm(500gf/cm)を超えてしまうと、部分的に硬化性樹脂を含有する層が基体又は基体側で隣接する層の表面に残ることがあるため、これが画像記録体表面の欠陥の発生を招いてしまう場合がある。
ここで、剥離力とは、JIS規格Z0237の粘着力の測定における180度引き剥がし粘着力に準じた測定で行った時の測定値である。
【0075】
また、画像のみを転写するタイプの転写体における画像保持層表面などの電気的特性、基体、画像保持層に用いられるフィラーや各種添加剤については、転写体を構成する部材の一部と共に画像を転写するタイプの転写体においても適用することができる。
【0076】
−第一の転写体−
次に、転写体を構成する部材の一部と共に画像を転写するタイプの転写体の各形態について説明する。
転写体の第一の形態(以下、「第一の転写体」という場合がある。)は、基体の画像保持層が設けられている面に、この基体側から離型層、硬化性樹脂層、及び画像保持層が順次設けられている構成を有する。
【0077】
第一の転写体では、硬化性樹脂層が上述した硬化性樹脂を含有する層であり、硬化性樹脂層が基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。つまり電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、離型層から硬化性樹脂層が剥離し、硬化性樹脂層および画像保持層が、記録媒体上に転写された画像を覆い、この画像を保護することとなる。
【0078】
第一の転写体は、画像保持層が硬化性樹脂層上に設けられているため、画像保持層上にトナーで画像を形成する場合、トナーが広がらず、解像度が向上する。
【0079】
一方、第一の転写体における画像保持層は、膜厚が2〜25μmであり、熱可塑性樹脂と、画像保持層の膜厚よりも大きい体積平均粒子径を有する粒子と、を含有していることが好ましい。この場合、画像保持層には、この層の厚みより大きい粒子が含まれており、離型層は後述する画像形成材料を記録媒体に良好に転写が可能である上に、電子写真方式での画像定着特性にも優れたものである。
【0080】
離型層には画像のみを転写するタイプの転写体に用いられるものと同様の離型性材料が含まれる。これにより、転写工程において離型層と硬化性樹脂層との界面での剥離性を確保することができる。
【0081】
第一の転写体における硬化性樹脂層は、転写工程を経て得られた画像記録体の片側表面の層を構成し、画像を保護する機能を担うことになる。
この機能を発揮するためには、硬化性樹脂層は傷や薬剤などに強い必要がある。よって既述したシリコーン系ハードコート材料などの光硬化性や熱硬化性の樹脂を含むことが好ましい。これら以外にも、必要に応じて種々の材料が添加できるが、硬化性樹脂層を構成する樹脂全体のうち、シリコーン系ハードコート材料は0.5質量%以上98質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、1質量%以上95質量%以下の範囲で含まれることがより好ましい。シリコーン系ハードコート材料の含有量が0.5質量%に満たないと、転写工程において離型層と硬化性樹脂層との界面での剥離が困難となる場合があり、98質量%を超えると、画像の転写や定着状況が悪くなり、画質劣化を引き起こす場合がある。
【0082】
画像保持層には、樹脂が含まれる。樹脂としては例えばポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂が1種以上用いられる。一般的に、ポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂は画像形成材料用として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像保持層に含有させることにより、転写体表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、例えばシリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いてもよい。
また、画像保持層は、電子写真装置により画像を定着する際に、電子写真装置の定着部材への付着、巻き付きを防止するために、天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していてもよい。
【0083】
第一の転写体では、画像保持層の膜厚が2μm以上25μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましく、7.5μm以上15μm以下であることが更に好ましい。画像保持層の膜厚が2μm以上25μm以下であると、画像を画像保持層の膜厚方向に埋め込むことで、画質の低下がおこり難くなる上に、画像を保護する効果も得られる。
【0084】
−第二の転写体−
転写体の第二の形態(以下、「第二の転写体」という場合がある。)は、基体の表面に画像保持層が設けられており、画像保持層は、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂とを含むものである。
第二の転写体では、画像保持層が硬化性樹脂を含有する層であり、画像保持層が基体から剥離可能な層である。これは画像保持層を構成する樹脂が、硬化性シリコーン樹脂と硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂とを含む混合樹脂であるため、基体からの剥離が可能となり、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、画像保持層が基体から剥離し、記録媒体上に転写された画像を覆い、この画像を保護することとなる。また、硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像記録体の耐傷性にも優れる。
【0085】
硬化性シリコーン樹脂としては公知の硬化性シリコーン樹脂が利用できるが、定着時における画像保持層と画像との相溶を促進するために、トナーの結着樹脂として用いられるアクリル樹脂やポリエステル樹脂と相溶性に優れる硬化性シリコーン樹脂を含んでいることが好ましい。また、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としては、同様の理由からアクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
【0086】
画像保持層に含まれる前記硬化性シリコーン樹脂について、以下に説明する。
一般に、シリコーン樹脂は、その分子構造により、シリコーンオイルやシリコーンゴム等の材料となる直鎖状構造をとるシリコーン樹脂と、3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂とに分類される。また、離型性、接着性、耐熱性、絶縁性及び化学的安定性等の諸性質は、シリコン原子に結合している分子(有機分子)やその重合度等によって決定される。
【0087】
硬化性シリコーン樹脂は、3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂が好ましい。3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂は、通常、多官能性(3官能性、4官能性)単位から重合され、架橋構造を持つ。
尚、直鎖状構造をとるシリコーン樹脂には、分子量が低く、シリコーンオイルとして、絶縁油、液体カップリング、緩衝油、潤滑油、熱媒、撥水剤、表面処理剤、離型剤、消泡剤等に利用されるものや、加硫剤等を添加後、加熱硬化によって、分子量(シロキサン単位)5000〜10000程度に重合されたシリコーンゴム等がある。
【0088】
硬化性シリコーン樹脂は、その分子量単位によって、有機溶媒に溶解可能で比較的低分子量であるシリコーンワニスと、高重合度のシリコーン樹脂等とに分類される。また、前記硬化性シリコーン樹脂は、生成段階における硬化反応によって、縮合型、付加型、輻射線型(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類される。また、塗布形態によっては、溶剤型、無溶剤型等に分類される。
【0089】
画像保持層が硬化性シリコーン樹脂を含有することが必要である理由としては、以下の通りである。即ち、先ず、硬化性シリコーン樹脂は、Si−O結合に起因して、表面エネルギーが低いため、本質的に、離型性、非相溶性に優れる。しかし、その硬化条件等を制御することにより、優れた接着性をも発現させることが可能であるため、画像剥離性と、画像定着性とを両立した画像記録体を得ることが可能となるためである。
【0090】
硬化性シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、公知の硬化性シリコーン樹脂の中から選択することができるが、以下の理由により、硬化性アクリル変性シリコーン樹脂(硬化性アクリルシリコーン樹脂)が特に好ましい。
硬化性アクリルシリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、離型性を発現させるシリコーン樹脂部分を併せ持つ。したがって、一分子中に、トナーと接着し易い部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均質に相溶していることにより、分子オーダーで、画像剥離性及び画像定着性が発現される。
また、硬化性アクリルシリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件及び後述の硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
【0091】
硬化性シリコーン樹脂としては、熱硬化型シリコーン樹脂も特に好ましく用いることができる。
熱硬化型シリコーン樹脂は、光硬化型として知られている前記アクリルシリコーン樹脂に比べてその表面硬度が低く、その分画像形成材料が受像層に包み込まれる状態となりやすく、画像定着性に優れる傾向がある。
また、前記熱硬化性シリコーン樹脂はアクリルシリコーン樹脂などに比べて離型性が高く、その結果、画像剥離性にも優れる。
また、熱硬化性シリコーン樹脂は、シリコーン成分と非シリコーン成分との混合系の場合、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
【0092】
アクリルシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂とを混合しても好ましく用いることができる。前記アクルリシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂を混合する場合、その混合割合により両者の中間の性能を示すことになり、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
【0093】
硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、縮合型、付加型及び紫外線硬化型に分類すると、以下のものが好適に挙げられる。
【0094】
縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えば末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのなどのポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂や、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1、2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
尚、縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
【0095】
付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えばビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのなどのポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
尚、付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型及び無用剤型に分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
【0096】
紫外線硬化型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えば光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0097】
また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを反応させて得られる変性シリコーン樹脂等も好適に挙げられる。これらの硬化性シリコーン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0098】
画像保持層に用いる硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000以上1,000,000以下が好ましい。また、硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1モル%以上50モル%以下が好ましく、官能性としては、1以上4以下が好ましい。
【0099】
硬化性シリコーン樹脂の画像保持層における含有量としては、30質量%以上100質量%以下が好ましく、50質量%以上100質量%以下がより好ましい。含有量が、30質量%未満の場合には、離型性能が発揮できないことがある。
【0100】
硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としては、トナーとの相溶性に優れるアクリル樹脂やポリエステル樹脂が好ましく用いられるが、これ以外の熱溶融性樹脂や硬化性樹脂なども用いることができる。
硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上105以下℃の範囲であることがより好ましい。
【0101】
また、画像保持層は、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂やポリエステル樹脂の他に、必要に応じて、他の樹脂を併用することもできる。
【0102】
画像保持層は、画像の定着時、定着部材への付着、巻き付きを防止するためには、定着部材への低付着性材料である天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどを含有することが好ましい。
【0103】
−第三の転写体−
転写体の第三の形態(以下、「第三の転写体」という場合がある。)は、基体の画像保持層が設けられている面に、基体側から離型層及び画像保持層が順次設けられており、画像保持層は、硬化性シリコーン樹脂を含有するものである。
第三の転写体は、画像保持層が硬化性樹脂を含有する層であり、画像保持層が基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。
【0104】
第三の転写体は、離型層を有するため、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、離型層から画像保持層が剥離し、この画像保持層が前記記録媒体上に転写された画像を覆い、画像を保護することとなる。また、画像保持層が含有する硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる。
【0105】
第三の転写体では、画像保持層において、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂とを含む混合樹脂の代わりに、硬化性シリコーン樹脂のみを用い、さらに、基体表面に離型剤層と画像保持層とをこの順に設けた構成とした以外は、第二の転写体と同様の構成であり、好適な態様も同様である。
【0106】
また、第三の転写体において、画像保持層に用いられる硬化性シリコーン樹脂は、第二の転写体において、画像保持層に用いられる硬化性シリコーン樹脂と同様であり、好ましい態様も同様である。 さらに、第三の転写体における離型層は、第一の転写体における離型層と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0107】
−第四の転写体−
転写体の第四の形態(以下、「第四の転写体」という場合がある。)は、基体の少なくとも一方の面に、画像保持層が設けられており、この画像保持層は、光硬化性樹脂を含有し、自己修復性を有するものである。なお、基体表面に、必要に応じて離型層を設け、その表面に画像保持層を設けた構成とすることもできる。
第四の転写体は、画像保持層が前記硬化性樹脂を含有する層であり、この画像保持層が基体又は基体側に隣接する層(離型層)から剥離可能な層である。
【0108】
ここで、「自己修復性を有する画像保持層」とは、以下の性質を有する画像保持層のことをいう。自己修復性を有するとは、23℃、相対湿度55%の雰囲気下で、10cm×10cmのカラーOHPフィルム(カラーOHPフィルムHG)を両面テープで測定台に固定し、この上に10cm×10cmの被測定物を画像保持層側を内側にして重ね合わせ、この上に500gの重りを載せ、被測定物のみを水平に10cm動かす行為を100回繰り返すことにより生じた傷の有無を、スガ試験機(株)製、ヘーズメーター HGM−2を用いてヘイズ測定した値であり、上述の一連の動作の前後のヘイズ値の差が10%以内である場合をいう。
【0109】
ヘイズ値の差が10%以内であると、傷により生じた表面光散乱が目立ち難いため好ましい。ヘイズ値の差は5%以内であることが好ましく、3%以内であることがより好ましい。
【0110】
第四の転写体は、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、画像保持層が基体又は離型層(離型層を有する場合)から剥離し、記録媒体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。また、画像保持層は自己修復性を有するため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる(傷が目立たない)。
【0111】
第四の転写体における画像保持層は、以下の光硬化性樹脂を含有するため、自己修復性を有する。
この光硬化性樹脂は、光重合性モノマーと光硬化開始剤とを含有する組成物であり、紫外線等の電磁波を照射することにより硬化して、自己修復性を有する硬化物となるものであり。光硬化開始剤は光エネルギーを吸収することによりそれ自身が励起状態となり、光重合性モノマーの重合反応を開始させるラジカルを発生させるものである。
【0112】
光重合性モノマーの反応基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、メルカプト基、アミノ基等が挙げられるが、特に反応性が高いことからアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく用いられる。
【0113】
光重合性モノマーの具体例としては、例えば不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、アルキッドアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリエン・ポリチオール系スピラン、アミノアルキッド、ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、透明性や光硬化時の収縮率が低いことよりウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレートが好ましく用いられる。また、これらのモノマーは2種以上を併用することもできる。
【0114】
ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレートとしては、例えば無黄変ポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。無黄変ポリイソシアネート化合物としては、4,4‘―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0115】
光硬化開始剤としては、例えばベンゾイルエーテル、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパンー1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタンー1−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、キサントン、2−クロロチオキサントン、ミヒラーケトン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、9,10―アントラキノンなどが挙げられる。これらの光硬化開始剤は、2種以上を併用することもできる。
【0116】
光硬化開始剤の添加量は、光重合性モノマーに対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好適であり、0.2質量%以上5質量%以下がより好適である。さらに、光硬化性樹脂に対して光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤を添加してもよい。
【0117】
光硬化性樹脂を硬化させるための光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線レーザ、無電極放電ランプ、電子線、X線などがあるが、硬化反応を起こさせるものであればどれでもよい。
【0118】
第四の転写体は、上述の光硬化性樹脂と共に、この光硬化性樹脂以外の樹脂を併用することも好適である。光硬化性樹脂以外の樹脂としては硬化性シリコーン樹脂が挙げられる。この硬化性シリコーン樹脂は、第二の転写体において、画像保持層に用いられる硬化性シリコーン樹脂と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0119】
第四の転写体における光硬化性樹脂、硬化性シリコーン樹脂以外の成分は、第三の転写体における硬化性シリコーン樹脂以外の成分と同様である。また、第三の転写体における離型層は、第一の転写体における離型層と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0120】
−記録媒体−
本発明に用いられる記録媒体を構成する材料としては特に限定されないが、樹脂のほかに、紙、金属、セラミックなども利用できるが、樹脂が最も好適である。樹脂を用いることによりプラスチックシートを記録媒体として用いた画像記録体を得ることができる。
プラスチックとしては、具体的には、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、塩化ビニル、アセテート、三酢酸セルローズ、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンフィルム、ポリイミド、セロハンなどがあり、中でもPETやポリエステルが好ましく用いられる。特に、PETのエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えた変性PET(PETG)や二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0121】
また、プラスチックは、熱硬化性であってもよいが熱可塑性であることがより好適である。さらに、プラスチックは不透明であることが好ましく、白色に着色されていることがより好ましい。
【0122】
記録媒体を構成する材料が、樹脂や紙である場合には、これに顔料や染料などを添加して着色することもできる。また、本発明に用いられる記録媒体はフィルム状であってもよいが板状であることがより好ましく、市販の電子写真用やインクジェット用の記録紙などと異なり、手で容易に折り曲げることが出来ない程度の剛性を有することが好ましい。
【0123】
なお、ICカードや磁気カードとして利用可能な画像記録体を作製するために、記録媒体には、ICメモリ、アンテナ、外部端子等が予め埋め込まれてもよい。また、記録媒体には磁気ストライプやホログラム等が別途印刷されていてもよい。
【0124】
−画像記録体−
本発明の画像記録体形成装置を利用して形成される画像記録体は、記録媒体と、その表面に形成された画像とを少なくとも含む構成を有するものであり、画像記録体の形成に利用する転写体の種類によっては、転写体を構成する一部の層(画像保持層など)が、画像を覆うように記録媒体に設けられていてもよい。
上述の画像記録体としては、例えば、(1)表面に情報に応じた画像が形成された転写体から、画像が記録媒体に転写された画像シート、画像パネルなどの構成や、(2)記録媒体の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップと、を少なくとも含む、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体等の構成が挙げられる。
【0125】
前記(1)項に示す画像記録体では、画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別可能な情報として機能する画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としての画像の識別は、視覚的に識別できるものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別できるものであってもよい。
【0126】
また、前記(2)項に示す画像記録体(情報記録媒体)では、情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出し可能であれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が可能なものを用いてもよい。また、情報チップの具体例としては、例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
【0127】
なお、画像記録体の情報源として、前記の情報チップを用いる場合に形成される画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
【0128】
一方、画像や情報チップが有する情報は、識別可能なものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の画像記録体において、個々の画像記録体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分の画像は、画像記録体毎に異なる画像とすることができる。
【0129】
さらに、前記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本発明の画像記録体(情報記録媒体)は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用可能であり、これらの用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等挙やこれらの組合せが挙げられる。
【実施例】
【0130】
以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例A1)
−画像記録体形成装置−
画像記録体形成装置としては、主要部が図8に示す構成を有するものを用い、図10に示すように、電子写真方式の画像形成装置および搬送装置と組み合わせた構成のものを用いた。以下に詳細な条件を記載する。
【0131】
−記録媒体−
画像の形成に用いた記録媒体としては、白色PETG(三菱樹脂社製、ディアフィクスWHI)製で、厚さは760μm、大きさは85.60mm×53.98mmに予め打抜き加工されたものを用いた。
【0132】
−転写体−
転写体としては、ベース層(基体)と画像保持層とからなる2層構造のものを用いた。 ベース層には、PETフィルムの片面に予め離型処理を施した帯状のフィルム(東レ社製、ルミラーT60、厚み:50μm、幅:100mm、長さ:5m)を用いた。
画像保持層は、有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)10質量部と帯電制御剤としてパイオニンB144V(竹本油脂社製)0.2質量部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30質量部に添加して十分撹拌し画像保持層塗工液を、PETフィルムの片面に乾燥後の厚さが1μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布することにより形成した。
【0133】
上記フィルムをA6サイズ(148mm×105mm、厚み101μm)に裁断した後、フィルムの画像保持層側の面に、図10に示す装置を構成する画像形成装置10により、使用する記録媒体に相当するサイズ(85.6mm×54mm)の絵柄を、長手方向に沿って左右反転印刷で2つ形成し、表面に2つの画像を有する転写体を作製した。
なお、転写体表面に形成された2つの画像の距離は、後述する保持部が設けられた無端ベルトの幅方向に隣接するように配置された2つの保持部間の距離と一致するように設けられている。
【0134】
−無端ベルト−
画像記録体形成装置に用いた1対の無端ベルトは、一方が保持部を有さないものであり、他方が保持部を有するものであり、両者共に、周長が1000mm、幅が110mm、厚みが200μmのステンレス製のベルトである。
ここで保持部を有するベルトは、このステンレス製のベルトの外周面上に、8つの保持部が設けられたものであり、ベルトの幅方向に互いに隣接するように配置された2つの保持部を1セットとして、4セットの保持部を周方向に沿って250mmの等間隔で設けたものである。
【0135】
個々の保持部は、記録媒体が保持される領域(保持領域)が54.00mm×85.60mmとなるようにベルト外周面に高さ760μmのテフロン(登録商標)製のシート(凸部材)が、図1に示すように保持領域を囲むように連続的に設けられることによって形成されており、保持領域の長手方向がベルトの幅方向と一致するように配置されている。また、周方向に対して互いに隣接して配置された保持部は、各々の保持部の保持領域の最短距離が10mmとなるように配置されている。
【0136】
−画像記録体の作製−
搬送装置の記録媒体収納部に記録媒体をセットすると共に、転写体収納部に転写体をセットして上述したように転写体に画像を形成した。
続いて、インレットロール側の保持部を有する無端ベルト表面近傍に配置された光センサからの信号に応じて、転写体表面に形成された画像の輪郭線と、保持部の保持領域の輪郭線とが一致するようにタイミング制御して、画像が形成された転写体と記録媒体とを搬送装置から、画像記録体形成装置のインレットロール側へ搬送して、1対の無端ベルトによって形成される接触部を通過させ、記録媒体と転写体とを接合した接合体を得た。なお、接合は、無端ベルトの搬送速度を10mm/s、加熱ロールの温度を150℃、1対の加熱加圧ロールによって接触部に加える荷重を1.5kNとして実施した。
続いて、得られた接合体の転写体部分の基体と画像保持層との界面を剥離して画像記録体を得た。
【0137】
(実施例A2)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の配置を図2に示すパターンに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0138】
(実施例A3)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを550μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0139】
(実施例A4)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを520μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0140】
(実施例A5)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを900μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0141】
(実施例A6)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを960μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0142】
(実施例A7)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の構成材料をステンレスに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0143】
(実施例A8)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを500μmに変更した無端ベルトを用い、且つ、記録媒体の厚みを500μmに変更した以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0144】
(実施例A9)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを800μmに変更した無端ベルトを用い、且つ、記録媒体の厚みを800μmに変更した以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0145】
(実施例A10)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを200μmに変更した無端ベルトを用い、記録媒体の材料に熱による変形の少ないPETを用いた以外は、実施例A1と同様にして画像記録体を形成した。
【0146】
(比較例A1)
1対の無端ベルトとして、両者共に、周長が1000mm、幅が110mm、厚みが200μmのステンレス製のベルトを用いた以外は実施例A1と同様の画像記録体形成装置を利用した以外は実施例A1と同様に画像記録体を形成した。
−評価−
以上の各実施例、比較例により得られた画像記録体の画像の位置ずれ、伸び、端部周辺欠陥、および、保持部表面のトナー付着について評価した結果を表1に示す。
【0147】
【表1】

【0148】
なお、表1中に示す画像の位置ずれ、伸び、端部周辺欠陥およびトナー付着の評価方法および評価基準は以下に示す通りである。
−画像の位置ずれ−
画像の位置ずれは、画像記録体の輪郭線と画像の輪郭線との位置ずれ具合を以下の基準で評価した。
A:画像記録体の輪郭線と画像の輪郭線とが一致しており、位置ずれがない。
B:画像記録体の輪郭線と画像の輪郭線とでずれ生じており、画像記録体の周囲に画像が形成されていない余白部分の最大幅が0.5mm未満。
C:画像記録体の輪郭線と画像の輪郭線とでずれ生じており、画像記録体の周囲に画像が形成されていない余白部分の最大幅が0.5mm以上。実用上、問題となるレベル。
【0149】
−伸び−
伸びは、記録媒体の短辺および長辺方向のサイズを基準として得られた画像記録体の短辺および長辺方向の最大伸び量をノギスで測り、以下の基準で評価した。
A:最大伸び量が0.1mm未満
B:最大伸び量が0.1mm以上0.2mm未満。
C:最大伸び量が0.2mm以上、実用上、問題となるレベル。
【0150】
−端部周辺欠陥−
端部周辺欠陥は、得られた画像記録体の端部周辺における変形や、画像抜け、画像延びの発生の程度を目視により観察し、以下の基準で評価した。
A:端部周辺において、変形、画像抜けおよび画像延びのいずれも発生せず。
B:端部周辺において、変形、画像抜けおよび画像延びの少なくともいずれかの発生が若干確認されるが、実用上、問題ないレベル。
C:端部周辺において、変形、画像抜けおよび画像延びの少なくともいずれかの発生が一見して確認でき、実用上、問題となるレベル。
【0151】
−トナー付着−
トナー付着は、無端ベルトを10回回転させて画像記録体の形成を連続的に実施した後に、保持部の凸部材表面を目視観察することにより、凸部材表面のトナー付着具合を以下の基準で評価した。
なお、トナー付着の評価に際しては、使用する記録媒体に相当するサイズ(85.6mm×54mm)よりも一回り大きい絵柄(88mm×57mm)が形成された転写体を用いて評価した。
A:凸部材表面に、トナーの付着は観察されない。
B:凸部材表面に、トナーの付着が若干観察される。
C:凸部材表面に、トナーの付着が顕著に観察され、実用上問題となるレベル。
【0152】
(実施例B1)
−画像記録体形成装置−
画像記録体形成装置としては、主要部が図8に示す構成を有するものを用いた。以下に詳細な条件を記載する。
【0153】
−記録媒体−
画像の形成に用いた記録媒体としては、白色PETG(三菱樹脂社製、ディアフィクスWHI)製で、厚さは760μm、大きさは85.60mm×53.98mmに予め打抜き加工されたものを用いた。
【0154】
−転写体−
転写体としては、ベース層(基体)と画像保持層とからなる2層構造のものを用いた。 ベース層には、PETフィルムの片面に予め離型処理を施した帯状のフィルム(東レ社製、ルミラーT60、厚み:100μm、幅:100mm、長さ:5m)を用いた。
画像保持層は、有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)10質量部と帯電制御剤としてパイオニンB144V(竹本油脂社製)0.2質量部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30質量部に添加して十分撹拌し画像保持層塗工液を、PETフィルムの片面に乾燥後の厚さが1μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布することにより形成した。
【0155】
上記フィルムをA4サイズ(297mm×210mm)に裁断した後、フィルムの画像保持層側の面に富士ゼロックス製DocuColor1256GA(電子写真装置)により、フィルム全面に85.60mm×53.98mmサイズの絵柄を左右反転印刷で隙間なく形成した。その後、この絵柄が形成されたフィルムを各々の絵柄サイズに対応するように記録媒体サイズ(85.60mm×53.98mm、厚み101μm)に裁断し、表面に画像を有する転写体を作製した。
【0156】
−無端ベルト−
画像記録体形成装置に用いた1対の無端ベルトは、一方が保持部を有さないものであり、他方が保持部を有するものであり、両者共に、周長が1000mm、幅が110mm、厚みが200μmのステンレス製のベルトである。
ここで保持部を有するベルトは、このステンレス製のベルトの外周面上に、4つの保持部が設けられたものであり、4つの保持部を周方向に沿って250mmの等間隔で設けたものである。
【0157】
個々の保持部は、記録媒体が保持される領域(保持領域)が54.00mm×85.60mmとなるようにベルト外周面に高さ860μmのテフロン(登録商標)製のシート(凸部材)が、図1に示すように保持領域を囲むように連続的に設けられることによって形成されており、保持領域の長手方向がベルトの幅方向と一致するように配置されている。
【0158】
−画像記録体の作製−
画像記録体の作製に際しては、画像記録体形成装置のインレットロール側に図10に示すような搬送装置を設けた装置を用い、搬送装置の記録媒体収納部に記録媒体をセットすると共に、画像が形成された転写体を搬送する搬送路の入り口から手差しで投入した。
次に、インレットロール側の保持体を有する無端ベルト表面近傍に配置された光センサからの信号に応じて、転写体および記録媒体の輪郭線と、保持部の保持領域の輪郭線とが一致するようにタイミング制御して、画像が形成された転写体と記録媒体とを搬送装置から、画像記録体形成装置のインレットロール側へ搬送して、1対の無端ベルトによって形成される接触部を通過させ、記録媒体と転写体とを接合した接合体を得た。なお、接合は、無端ベルトの搬送速度を10mm/s、加熱ロールの温度を150℃、1対の加熱加圧ロールによって接触部に加える荷重を1.5kNとして実施した。
続いて、得られた接合体の転写体部分の基体と画像保持層との界面を剥離して画像記録体を得た。
【0159】
(実施例B2)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の配置を図2に示すパターンに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0160】
(実施例B3)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを620μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0161】
(実施例B4)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを580μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0162】
(実施例B5)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを1050μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0163】
(実施例B6)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを1150μmに変更した無端ベルトを用いた以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0164】
(実施例B7)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを600μmに変更した無端ベルトを用い、且つ、記録媒体の厚みを500μmに変更した以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0165】
(実施例B8)
保持部を有する無端ベルトとして、各々の保持部を構成する凸部材の高さを900μmに変更した無端ベルトを用い、且つ、記録媒体の厚みを800μmに変更した以外は、実施例B1と同様にして画像記録体を形成した。
【0166】
(比較例B1)
1対の無端ベルトとして、両者共に、周長が1000mm、幅が110mm、厚みが200μmのステンレス製のベルトを用いた以外は実施例B1と同様の画像記録体形成装置を利用した以外は実施例B1と同様に画像記録体を形成した。
【0167】
−評価−
以上の各実施例、比較例により得られた画像記録体の画像の位置ずれ、伸び、および端部周辺欠陥について評価した結果を表2に示す。なお、表2中に示す画像の位置ずれ、伸び、および端部周辺欠陥の評価方法および評価基準は表1に示すものと同様である。
【0168】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明のベルトの保持部の一例を示す平面図である。
【図2】本発明のベルトの保持部の他の例を示す平面図である。
【図3】本発明のベルトの保持部の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明のベルトの保持部の他の例を示す平面図である。
【図5】保持部の断面構成の一例を示す断面図である。
【図6】本発明のベルトの保持部の他の例を示す平面図である。
【図7】保持部の断面構成の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の画像記録体形成装置の主要部の一例について示した模式図である。
【図9】本発明のベルトの他の例を示す概略図(斜視図)である。
【図10】画像記録体形成装置と画像形成装置とが一体的に構成された装置の一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
【0170】
10 画像形成装置
11 転写体収納部
12 画像形成部
13 搬送路
14 排出口
15 搬送路
16 反転路
17 カム
20 搬送装置
21 搬送路
22 記録媒体収納部
24 搬送路
30 画像記録体形成装置
31、31A 無端ベルト
32 張力付与ロール
33 冷却ロール
34 加熱ロール(又は加圧ロール)
35 インレットロール
36 バネ
37 冷却板
38 検出部
41 画像記録体収納部
200 接触面
202 保持領域
204 凸部材
206 ベルト
210、220、230、240、250 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画像を有する転写体および記録媒体を、前記転写体の前記画像が形成された面と前記記録媒体表面とが対面するように重ね合わせた積層体を、加熱および加圧することにより前記転写体と前記記録媒体とを接合させる加熱加圧手段を少なくとも備え、
前記加熱加圧手段が、互いに圧接して接触部を形成する1対のベルトと、前記1対のベルトの両側に配置され、前記1対のベルトをその両側から押圧する1対の押圧部材とを少なくとも含むと共に、
前記1対のベルトの少なくとも一方のベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体を保持する保持部が設けられていることを特徴とする画像記録体形成装置。
【請求項2】
前記保持部が、該保持部が設けられたベルトの前記接触部を形成する側の面に対して凸
部を構成し、且つ、その側面が前記積層体の辺と接触することによって前記積層体を保持する凸部材を有し、
前記凸部材が、前記ベルトの前記接触部を形成する側の面に、前記積層体が保持される領域を囲むように連続的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録体形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像記録体形成装置に用いられ、ベルトの接触部を形成する側の面に、積層体を保持する保持部が設けらたことを特徴とする画像記録体形成装置用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−87951(P2008−87951A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273690(P2006−273690)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】