説明

画像記録装置

【課題】一つの記録媒体を複数人で共用する場合に、当該記録媒体に記録された自己のファイルを他人がアクセスできないようにする。
【解決手段】画像記録装置としてのデジタルカメラは、複数のパーティションに分割された記録媒体9と、使用するパーティションとして複数のパーティションの中から一つのパーティションを選択する処理や,選択されたパーティションに割り付けられたユーザであるか否かを判定する処理や,選択されたパーティションに割り付けられたユーザであると判定されたときに、使用するパーティションとして、その選択されたパーティションを設定する処理などを行うシスコン5等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを記録媒体に記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データを記録媒体に記録する画像記録装置として、例えばデジタルカメラがある。近年では、このデジタルカメラに搭載される記録媒体の大容量化に伴って、一つの記録媒体を使用して、一台のデジタルカメラを例えば家族や友人同士など複数人で共用することが多くなってきた。この場合、デジタルカメラが記録先フォルダを選択可能な機能を備えているときは、この機能を利用して各ユーザが撮影前に記録先フォルダを選択しておけば、記録媒体に記録された画像データをユーザ別に分類することができる。
【0003】
一方、特許文献1には、ストレージに仮想パーティションを設定し、仮想パーティションをユーザを登録したグループに割り当て、グループ単位で利用条件が設定された仮想パーティションに対し、ログインした複数ユーザによる仮想パーティションの排他アクセス制御を行うようにしたサーバシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2003−288239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記デジタルカメラにおいては、ユーザ別に分類された画像データを誰もが再生、消去、コピー等が可能となることから、あるユーザが、例えば他のユーザに見せたくない画像データや勝手に消去されたくない画像データ等のように、他のユーザにアクセスして欲しくない画像データがあったとしても、それを防止することができなかった。
【0005】
この解決策として、例えば、このデジタルカメラに、上記特許文献1に記載されるアクセス制御を適用することも考えられる。しかしながら、このアクセス制御は、ネットワーク上のファイル共有システムに用いることは好適かもしれないが、上記デジタルカメラのような画像記録装置に用いることは構成が複雑になりすぎて好適とは言えない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、例えばデジタルカメラのような画像記録装置において、一つの記録媒体を複数人で共用する場合に、当該記録媒体に記録された自己のファイルを他人がアクセスできないようにするのに好適な画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る画像記録装置は、複数のパーティションに分割された記録媒体と、使用するパーティションとして、前記複数のパーティションの中から一つのパーティションを選択する第1の選択手段と、前記第1の選択手段により選択されたパーティションに割り付けられたユーザであるか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の選択手段により選択されたパーティションに割り付けられたユーザであると前記第1の判定手段により判定されたときは、使用するパーティションとして、前記第1の選択手段により選択されたパーティションを設定する設定手段と、を有する。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る画像記録装置は、上記第1の態様において、 前記設定手段により設定されたパーティションを、画像データの記録先とする。
また、本発明の第3の態様に係る画像記録装置は、上記第1又は2の態様において、前記記録媒体に記録された画像データを再生する再生手段を更に有し、前記再生手段は、前記設定手段により設定されたパーティションを、画像データの再生元とする。
【0009】
また、本発明の第4の態様に係る画像記録装置は、上記第1乃至3の何れか一つの態様において、前記複数のパーティションにおけるユーザに割り付けられたパーティションの各々は、パスワードが記述されたパスワードファイルが記録されており、前記第1の判定手段は、入力されたパスワードと、前記第1の選択手段により選択されたパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとに基づいて、前記判定を行う。
【0010】
また、本発明の第5の態様に係る画像記録装置は、上記第1乃至4の何れか一つの態様において、前記複数のパーティションの中から、コピー先又は移動先パーティションとして、一つのパーティションを選択する第2の選択手段と、 入力されたパスワードと、前記第2の選択手段により選択されたパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により一致すると判定されたときに、前記設定手段により設定されたパーティションに記録された画像データを、前記第2の選択手段により選択されたパーティションへコピー又は移動する手段と、を更に有する。
【0011】
また、本発明の第6の態様に係る画像記録装置は、上記第4又は5の態様において、前記パスワードファイルに記述されたパスワードを変更するパスワード変更手段、を更に有する。
【0012】
また、本発明の第7の態様に係る画像記録装置は、上記第4乃至6の何れか一つの態様において、前記パスワードは、当該画像記録装置に設けられているボタン操作の組み合わせである。
【0013】
また、本発明の第8の態様に係る画像記録装置は、上記第1乃至7の何れか一つの態様において、前記複数のパーティションの各々には、当該画像記録装置の装置設定に係るパラメータが記述された装置設定ファイルが記録されており、前記設定手段により設定されたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルに記述された装置設定に係るパラメータに従って、当該画像記録装置の装置設定を行う。
【0014】
また、本発明の第9の態様に係る画像記録装置は、上記第8の態様において、 前記装置設定ファイルの記述内容を変更する装置設定ファイル更新手段を更に有し、前記装置設定ファイル更新手段は、当該画像記録装置の電源がオフされたときは、使用するパーティションとして当該電源がオフされる直前に設定されていたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルの記述内容を、当該電源がオフされる直前に当該画像記録装置に設定されていた装置設定に係るパラメータへ変更し、又は、前記設定手段によるパーティションの設定により、使用するパーティションが変更されたときは、使用するパーティションとして当該変更直前に設定されていたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルの記述内容を、当該変更直前に当該画像記録装置に設定されていた装置設定に係るパラメータへ変更する。
【0015】
また、本発明の第10の態様に係る画像記録装置は、上記第1乃至9の何れか一つの態様において、当該画像記録装置と外部装置とが通信可能に接続されたときに、前記記録媒体における前記外部装置によりアクセスが行われるパーティションは、前記設定手段により設定されたパーティションである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、例えばデジタルカメラのような画像記録装置において、一つの記録媒体を複数人で共用する場合に、当該記録媒体に記録された自己のファイルを他人がアクセスできないようにすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る画像記録装置として説明する、デジタルカメラの主要構成を示す図である。尚、本実施例に係るデジタルカメラは、DCF( Design rule for Camera File system )に準拠して構成されているものとし、またファイルシステムとしてFATファイルシステムを採用しているものとする。
【0018】
同図において、このデジタルカメラは、撮影時には、撮影レンズ系1によって結像された被写体像が、撮像素子2により電気信号に光電変換され、更に撮像回路3により所定の撮像処理が施された後、A/D部4によりA/D変換され、そのデジタルデータ(画像データ)が内蔵RAM(DRAM)13に一時格納されるようになっている。そして、この一時格納された画像データが、システムコントローラ(以下単に「シスコン」という)5により所定の画像処理が施され、更に画像処理部6により所定の圧縮処理が施され、内蔵型の大容量の記録媒体(例えばハードディスク等)9に画像ファイルとして記録されるようになっている。
【0019】
また、再生時には、この記録媒体9に記録された画像データが読み出され、画像処理部6により所定の伸長処理が施された後、シスコン5により所定の画像処理が施されてVRAM10に格納され、LCDドライバ11によってその画像が内蔵LCD12に表示されるようになっている。
【0020】
また、同図において、内蔵RAM13は、A/D部4によるA/D変換後の画像データの一時格納用として使用される他、画像処理部6による処理中の画像データの一時格納用、及び後述のパスワードファイルやカメラパラメータ設定ファイル(装置設定ファイル)の更新等の処理を含むシスコン5による制御処理の実行のためのワークエリア等としても使用される。
【0021】
シスコン5は、CPU(中央演算処理装置)を備えて構成され、内蔵ROM14に記憶されているカメラプログラムを読み出し実行することによって、当該デジタルカメラ全体の動作を制御する。
【0022】
操作部15は、カーソルの移動指示等を行うための上下左右ボタン,撮影指示を行うためのシャッターボタン,メニュー表示や決定指示を行うためのOKボタン,再生指示を行うための再生ボタン,ズームテレ指示を行うためのズームテレボタン,ズームワイド指示を行うためのズームワイドボタン、電源のオンオフ指示を行うためのパワーボタン等を備えて構成され、受け付けた指示をシスコン5へ通知する。尚、詳しくは後述するが、これらのボタンの操作は、パスワードとしても利用される。
【0023】
外部I/F16は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置との間でUSBケーブルを介してデータの送受を可能にするものである。
次に、上記デジタルカメラの動作について説明する。
【0024】
このデジタルカメラでは、複数のユーザによって共用されることを前提に、各ユーザが記録媒体9に記録された他人の画像データの再生,消去,コピー等をできないようにすることが可能になっている。詳しくは、記録媒体9を予め複数のパーティションに分割しておき、パスワードを用いて各ユーザに使用可能なパーティションを割り当てることにより、各ユーザが他人に割り当てられているパーティションに記録されている画像データに対しアクセスできないようになっている。
【0025】
以下、これに関する動作について詳細に説明する。
まず、その説明の前に、本実施例で使用される、複数のパーティションに分割された記録媒体9と、その記録媒体9に記録されているパスワードファイル及びカメラパラメータ設定ファイルを、図2乃至図4を用いて説明する。
【0026】
図2は、上記記録媒体9のメモリ構造の一例を示す図である。
尚、本実施例では、記録媒体9が4つのパーティションに分割されているものとする。また、このパーティションの分割は、予め工場出荷時などに行われているものとする。
【0027】
同図に示したように、記録媒体9は、マスターブートレコード(以下「MBR」と言う)9aと、4つに分割されたパーティション9b,9c,9d,9eとから成っている。尚、パーティション9b乃至9eは、「パーティション1」,「パーティション2」,「パーティション3」,「パーティション4」とも言う。
【0028】
MBR9aには、9b乃至9eの各パーティションについて、先頭セクタとその先頭セクタからのセクタ量に関する情報が記録されており、この情報を参照することにより、特定のパーティションへのアクセスが可能になっている。
【0029】
また、パーティション9b乃至9eにおいて、本実施例では、パーティション9b乃至9dが、「ユーザ1」,「ユーザ2」,「ユーザ3」に割り当てられ、パーティション9eが、誰もが使用可能な「共用」に割り当てられているものとする。
【0030】
パーティション9b乃至9dのそれぞれには、同図に示したように、「DCIM」フォルダと同階層に、パスワードファイル(同図の「PASSWORD」)とカメラパラメータ設定ファイル(同図の「SETTING」)とが予め記録されている。但し、パーティション9eには、「DCIM」フォルダと同階層に、カメラパラメータ設定ファイルが予め記録されているものの、パスワードファイルは、当該パーティション9eが「共用」であることから、記録されていない。
【0031】
パスワードファイルは、当該パスワードファイルが記録されているパーティションの使用を可能にするか否かを判定するためのパスワードが記述されるファイルである。これにより、入力されたパスワードが、パーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードと一致する場合に限り、そのパーティションの使用が可能になるようになっている。
【0032】
カメラパラメータ設定ファイルは、当該カメラパラメータ設定ファイルが記録されているパーティションが最後に使用された時のカメラパラメータ(撮影モードや再生モード時のカメラパラメータ等)が記述されるファイルである。これにより、例えば、「ユーザ1」によりパーティション9bが使用された後に「ユーザ2」によりパーティション9cが使用され、その「ユーザ2」の使用中にカメラパラメータの設定が変更されたとしても、その後、再び「ユーザ1」によりパーティション9bが使用されるときには、パーティション9bに記録されているカメラパラメータ設定ファイルの記述内容に従って当該デジタルカメラの設定が自動的に行われ、「ユーザ1」が前回に使用したカメラパラメータの設定が自動的に行われるようになっている。
【0033】
尚、パスワードファイル及びカメラパラメータ設定ファイルには、予め工場出荷時などに、デフォルトのパスワード及びデフォルトのカメラパラメータが記述されているものとする。また、9b乃至9eの各パーティションにおいて、画像ファイル(画像データ)は、上述のDCFに準拠して記録されるものである。
【0034】
図3は、上記パスワードファイルの記述内容の一例を示す図である。
本実施例では、上述したように、ボタン操作の組み合わせをパスワードとして使用するものである。詳しくは、上下左右ボタン,シャッターボタン,OKボタン,再生ボタン,ズームテレボタン,及びズームワイドボタンのうち、4つのボタン操作をパスワードとして使用し、そのボタン操作がパスワードファイルに記述されるものである。
【0035】
同図の例では、パスワードファイルの記述内容として、「UP」,「OK」,「TELE」,「WIDE」が記述されている。この場合は、上ボタン(「UP」)→OKボタン(「OK」)→ズームテレボタン(「TELE」)→ズームワイドボタン(「WIDE」)の順にボタン操作を行うことによって、当該パスワードファイルが記録されているパーティションの使用が可能になる。
【0036】
図4は、上記カメラパラメータ設定ファイルの記述内容の一例を示す図である。
同図の例では、カメラパラメータとして、露出モード(マニュアル(M),絞り優先(A),シャッター優先(S),マニュアル(M)の何れかを設定可能)がマニュアル(「MODE:M」),シャッタースピードが1/100(「SHUTTER:1/100」),絞り(F値)が5.0(「FNUMBER:5.0」),ISO感度が100(「ISO:100」),フラッシュモードがオート(「FLASH:AUTO」),画質(SHQ,HQ,SQ1,SQ2の何れかを設定可能)がSQ2(「QUALITY:SQ2」)が記述されている。
【0037】
尚、同図では、説明の便宜の為、撮影モード時のカメラパラメータしか示していないが、実際には再生モード時のカメラパラメータ(例えばインデックス再生等)なども記述される。
【0038】
このカメラパラメータ設定ファイルの更新は、当該カメラの電源がOFFされた時や、後述のパーティション選択動作により別のパーティションが選択された時に行われるものであり、その直前のカメラパラメータが当該ファイルに記述されるものである。
【0039】
次に上述したデジタルカメラの動作について詳細に説明する。
図5は、このデジタルカメラの動作の一例を示すフローチャートである。
同図に示したように、本動作では、当該カメラの電源がオフしているときに(ステップ(以下単に「S」という)1)、パワーボタンが押下されると、詳しくは図6及び図7を用いて後述するが、記録・再生対象とするパーティション(使用するパーティション)を選択・設定するパーティション選択処理を行い(S2)、それが終了すると撮影モードへ移行する(S3)。この撮影モードでは、撮影時、画像データ(画像ファイル)は、上記S2又は後述のS10のパーティション選択処理により設定されたパーティションに記録される。
【0040】
撮影モード(S3)においては、OKボタンが押下されると、詳しくは図8及び図9を用いて後述するが、撮影モード用メニュー画面を内蔵LCD12に表示し(S4)、その中からユーザにより選択された項目に応じて所定の処理を行う。すなわち、当該メニュー画面の中から「パスワード変更」が選択されたときにはパスワードの変更処理を行い(S5)、それが終了すると上記S4へ戻る。又は、「メモリ領域セレクト」が選択されたときには上記S2へ戻る。或いは「閉じる」が選択されたときには上記S3へ戻る。
【0041】
また、撮影モード(S3)においては、パワーボタンが押下されると、上記S1へ戻り電源をオフする。
一方、撮影モード(S3)において再生(Disp)ボタンが押下されると、再生モードへ移行する(S6)。この再生モードでは、上記S2又は後述のS10のパーティション選択処理により設定されたパーティションに記録されている画像データ(画像ファイル)の再生,消去,編集等が可能になる。
【0042】
再生モード(S6)においては、OKボタンが押下されると、上記S4と同様に、再生モード用メニュー画面を内蔵LCD12に表示し(S7)、その中からユーザにより選択された項目に応じて所定の処理を行う。すなわち、当該メニュー画面の中から「パスワード変更」が選択されたときには、上記S5と同様に、パスワードの変更処理を行い(S8)、それが終了する上記S7へ戻る。又は、「コピー」が選択されたときには、詳しくは図10及び図11を用いて後述するが、パーティション間での画像ファイルコピー処理を行い(S9)、それが終了すると上記S7へ戻る。或いは、「メモリ領域セレクト」が選択されたときには、上記S2と同様に、パーティション選択処理を行い(S10)、それが終了すると上記S6へ戻る。若しくは、「閉じる」が選択されたときには上記S6へ戻る。
【0043】
また、再生モード(S6)においては、再生(Disp)ボタンが押下されると再び上記S3の撮影モードに移行し、又は、パワーボタンが押下されると上記S1へ戻り電源をオフする。
【0044】
一方、再生モード(S6)において外部I/F16とPC等の外部装置との間がUSBケーブルによって接続されると、詳しくは図12を用いて後述するUSBケーブル通信モードに移行し(S11)、その接続が断たれると上記S6へ戻る。
【0045】
尚、本フローにおいて、撮影モード(S3)にてパワーボタンが押下された時、或いは、再生モード(S6)にてパワーボタンが押下された時、又は、パーティション選択処理(S2或いはS10)により記録・再生対象とするパーティションの変更が行われた時は、上述したように、その直前に記録・再生対象として設定されていたパーティションに記録されているカメラパラメータ設定ファイルの記述内容が、その直前に当該デジタルカメラに設定されていたカメラパラメータに変更される。
【0046】
次に、上記動作における処理を、図6乃至図12を用いて詳細に説明する。
図6は、上記S2乃至S4の処理を、内蔵LCD12に表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
【0047】
同図に示したように、電源がオフしているときにパワーボタンが押下されると、当該デジタルカメラが起動して、上記S2のパーティション選択処理を開始し、まず、メモリ領域セレクト画面(「パーティション選択画面」ともいう)21を内蔵LCD12に表示する。
【0048】
当該画面21には、選択可能なパーティションとして、各パーティションの割り当て先が表示される。本実施例では、図2に示したように、パーティション9b(「パーティション1」)が「ユーザ1」に、パーティション9c(「パーティション2」)が「ユーザ2」に、パーティション9d(「パーティション3」)が「ユーザ3」に、及びパーティション9e(「パーティション4」)が「共用」に割り当てられていることから、選択項目としては、「ユーザ1」、「ユーザ2」、「ユーザ3」、及び「共用」が表示される。
【0049】
ここで、ユーザにより所望の項目が選択されると、選択された項目に応じた処理を行う。尚、項目の選択は、上下ボタンの押下によりカーソル22を上下に移動させ所望の項目のところでOKボタンを押下することにより行われる(他の画面における項目の選択においても同じ)。
【0050】
当該画面21において、選択された項目が、「ユーザ1」、「ユーザ2」、「ユーザ3」の何れかであった場合には、パスワード入力画面23を内蔵LCD12に表示する。
当該画面23には、パスワード入力欄23aと、パスワードとして使用可能なボタン一覧23bが表示される。パスワード入力欄23aには、パスワードとして1回のボタン操作が行われる毎に「*」が表示される。また、ボタン一覧23bには、パスワードとして使用可能なボタンの一覧が表示され、本実施例では、それとして、上下左右ボタン、シャッターボタン、OKボタン、再生(Disp)ボタン、ズームテレボタン、ズームワイドボタンを示すマークが表示される。
【0051】
当該画面23において、ユーザにより、上記メモリ領域セレクト画面21において選択された項目に係るパーティションを記録・再生対象とするためのパスワードがパスワード入力欄23aに入力されると(パスワードとしての4回のボタン操作が行われると)、このパスワードと、上記メモリ領域セレクト画面21において選択された項目に係るパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとが一致するか否かを判定し、それが一致する場合には、記録・再生対象とするパーティション(使用するパーティション)として、上記メモリ領域セレクト画面21において選択された項目に係るパーティションを設定し、上記S3の撮影モードへ移行する。
【0052】
例えば、ユーザが「ユーザ1」である場合には、上記メモリ領域セレクト画面21において「ユーザ1」を選択し、続くパスワード入力画面23において、自己のパスワード、すなわち、自己に割り当てられたパーティション9bを記録・再生対象とするためのパスワードを入力すると、記録・再生対象とするパーティションとしてパーティション9bが設定される。
【0053】
一方、パスワードが不一致の場合、或いは、上記メモリ領域セレクト画面21において選択された項目が「共用」であった場合には、記録・再生対象とするパーティション(使用するパーティション)として「共用」のパーティション9eを設定し、上記S3の撮影モードへ移行する。
【0054】
尚、本実施例では、ユーザの記憶が曖昧だったためにパスワードが不一致となった場合等も考慮して、パスワードが不一致の場合には「共用」のパーティション9eを設定し、そのような場合に当該デジタルカメラの使用ができない、ということがないようにしている。
【0055】
このようにして上記S3の撮影モードに移行すると、記録・再生対象とするパーティションとして設定されたパーティションに記録されているカメラパラメータ設定ファイルの記述内容に従って当該デジタルカメラの設定を行うと共に、その設定状態等を併せて表示したスルー画画面24(24a又は24b)を内蔵LCD12に表示し、待機状態となる。これにより、この待機状態において撮影が行われると、得られた画像データは、記録・再生対象とするパーティションとして設定されたパーティションに記録されることになる。
【0056】
尚、スルー画画面24には、当該デジタルカメラの設定状態のほか、記録・再生対象として設定されているパーティションとして、パーティションの割り当て先や、残り撮影可能コマ数等も表示される。
【0057】
例えば、パスワードが一致したときに表示された同図のスルー画画面24aは、記録・再生対象としてパーティション9bが設定されているときの画面を示しており、当該デジタルカメラの設定状態として、露出モードが「M」,シャッタースピードが「1/100」,F値が「5.0」,ISO感度が「ISO100」,フラッシュ強制発光マーク25,画質が「SQ2」が表示されると共に、記録・再生対象として設定されているパーティション9bとして「ユーザ1」、パーティション9bにおける残り撮影可能コマ数として「65」が表示されている。このときに撮影が行われると、得られた画像データは、パーティション9bに記録されることとなる。
【0058】
また、パスワードが不一致のとき、或いは、上記メモリ領域セレクト画面21において「共用」が選択されたときに表示された同図のスルー画画面24bは、記録・再生対象としてパーティション9eが設定されているときの画面を示しており、当該デジタルカメラの設定状態として、露出モードが「P」,画質が「HQ」が表示されると共に、記録・再生対象として設定されているパーティション9eとして「共用」、パーティション9eにおける残り撮影可能コマ数として「30」が表示されている。このときに撮影が行われると、得られた画像データは、パーティション9eに記録されることとなる。
【0059】
そして、この待機状態であるときに(スルー画画面24が表示されているときに)、OKボタンが押下されると、上記S4の処理を開始し、撮影モード用メニュー画面27を内蔵LCD12に表示する。
【0060】
当該画面27には、選択可能な項目として、「メモリ領域セレクト」,「パスワード変更」,及び「閉じる」が表示される。ここで、「メモリ領域セレクト」が選択されると、再び上記メモリ領域セレクト画面21を表示し、記録・再生対象とするパーティションの変更が可能になる。又は、「パスワード変更」が選択されると、上記S5のパスワード変更処理を行う。或いは「閉じる」が選択されると、再び上記S3の撮影モードに戻り、再び、スルー画画面24を内蔵LCD12に表示する。
【0061】
尚、当該画面27において「メモリ領域セレクト」が選択されてメモリ領域セレクト画面21を表示し、その後、記録・再生対象とするパーティションが変更されたときは、その変更直前に記録・再生対象として設定されていたパーティションに記録されているカメラパラメータ設定ファイルの記述内容が、その変更直前に当該デジタルカメラに設定されていたカメラパラメータに変更される。
【0062】
図7は、上記S2乃至S4の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
同図に示したように、電源がオフしているときにパワーボタンが押下されると、メモリ領域セレクト画面21を表示し(S21)、当該画面21において、ユーザにより選択された項目が何れであるかを判定する(S22)。
【0063】
S22において、「ユーザ1」,「ユーザ2」,「ユーザ3」の何れかが選択された場合には、S23へ進み、「ユーザ1」が選択されたときはn=1とし、「ユーザ2」が選択されたときはn=2とし、「ユーザ3」が選択されたときはn=3とする。続いて、パスワード入力画面23を表示し(S24)、パスワードとして4回のボタン操作を受け付ける(S25)。続いて、記録媒体9の「パーティションn」からパスワードファイル(「PASSWORD」)を読み込み(S26)、S25で受け付けたパスワード(4回のボタン操作)と一致するか否かを判定し(S27)、これが一致する場合には、「パーティションn」を記録・再生対象に設定する(S28)。すなわち、「パーティションn」を、使用するパーティションとして設定する。
【0064】
一方、S22において「共用」が選択された場合、或いは、S27の判定結果が不一致の場合には、n=4とし(S29)、「パーティション4」を記録・再生対象に設定する(S28)。すなわち、「パーティション4」を、使用するパーティションとして設定する。
【0065】
S28の後は、「パーティションn」からカメラパラメータ設定ファイル(「SETTING」)を読み込み(S30)、その記述内容を当該デジタルカメラのカメラパラメータとして設定し(S31)、本フローが終了する。
【0066】
このように、図6及び図7を用いて説明したS2乃至S4の処理によれば、上記メモリ領域セレクト画面21において選択された項目や、上記パスワード入力画面23において入力されたパスワードの一致/不一致に応じて、記録・再生対象とするパーティションが設定されるようになる。
【0067】
図8は、上記S5のパスワード変更処理を、内蔵LCD12に表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
同図に示したように、スルー画画面24(同図では24a)が表示されている待機状態においてOKボタンが押下されると、撮影モード用メニュー画面27を表示し、当該画面27において「パスワード変更」が選択されると、現在の(変更前の)パスワードの入力を受け付ける第1のパスワード変更画面28を内蔵LCD12に表示する。尚、当該画面28におけるパスワードの入力方法は、上記パスワード入力画面23における場合と同じである(後述の第2のパスワード変更画面についても同じ)。
【0068】
但し、撮影モード用メニュー画面27において、この時に記録・再生対象として設定されているパーティションが「共用」に係るものである場合には、パスワードファイルが使用されないので、「パスワード変更」を選択できないようになっている。
【0069】
第1のパスワード変更画面28において、現在のパスワードが入力されると、このパスワードと、この時に記録・再生対象として設定されているパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとが一致するか否かを判定し、それが一致する場合には、新しい(変更後の)パスワードの入力を受け付ける第2のパスワード変更画面29を内蔵LCD12に表示する。
【0070】
当該画面29において、新しいパスワードが入力されると、このパスワードを記述したパスワードファイルを新たに生成し、この時に記録・再生対象として設定されているパーティションに記録されているパスワードファイルを、この新たに生成されたパスワードファイルに置換し、それが終了すると、パスワード変更終了画面30を内蔵LCD12に表示する。
【0071】
一方、上記第1のパスワード変更画面28において入力されたパスワードが不一致の場合には、パスワード不一致画面31を表示する。
そして、上記パスワード変更画面30又は上記パスワード不一致画面31において、OKボタンが押下されると、再び、撮影モード用メニュー画面27を内蔵LCD12に表示する。
【0072】
図9は、上記S5の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
同図に示したように、記録・再生対象として設定されているパーティションが「共用」以外の場合に、撮影モード用メニュー画面27において「パスワード変更」が選択されると、第1のパスワード変更画面28を表示し(S41)、現在のパスワードとしての4回のボタン操作を受け付ける(S42)。続いて、記録・再生対象として設定されている(選択中の)パーティションからパスワードファイル(「PASSWORD」)を読み込み(S43)、S42で受け付けたパスワードと一致するか否かを判定する(S44)。
【0073】
S44の判定の結果、パスワードが一致する場合には、第2のパスワード変更画面29を表示し(S45)、新しいパスワードとしての4回のボタン操作を受け付ける(S46)。続いて、S46で受け付けたパスワードを記述したパスワードファイル(「PASSWORD」)を新たに生成し、記録・再生対象として設定されている(選択中)のパーティションに記録されているパスワードファイルを、この新たに生成したパスワードファイルに置換する(S47)。それが終了すると、「パスワードを変更しました」のパスワード変更終了画面30を表示する(S48)。
【0074】
一方、S44の判定の結果、パスワードが不一致の場合には、「パスワードが間違っています」のパスワード不一致画面31を表示する(S49)。
S48又はS49の後は、OKボタンが押下されるまで待機し(S50)、本フローが終了する。
【0075】
このように、図8及び図9を用いて説明したS5の処理によれば、上記第1のパスワード変更画面28において入力されたパスワードが一致する場合に限り、パスワードの変更が可能になる。
【0076】
図10は、上記S9のパーティション間画像ファイルコピー処理を、内蔵LCD12に表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
同図に示したように、再生モードにおいてOKボタンが押下されると、上記S7の処理を開始し、再生モード用メニュー画面33を内蔵LCD12に表示する。ここでは、画像32が再生されているときにOKボタンが押下されたとする。尚、再生モードにおいて再生される画像には、その画像のファイル名と、記録・再生対象として設定されているパーティションとしての割り当て先とが併せて表示される。画像32の場合には、ファイル名として「100OLYP/P1010001.JPG」と、記録・再生対象として設定されているパーティションとして「ユーザ1」とが併せて表示されている。
【0077】
再生モード用メニュー画面33には、選択可能な項目として、「メモリ領域セレクト」,「パスワード変更」,「コピー」,及び「閉じる」が表示される。ここで、「メモリ領域セレクト」が選択されると、図6を用いて説明したものと同様に、メモリ領域セレクト画面を内蔵LCD12に表示し、撮影モードに戻らなくても記録・再生対象とするパーティションの変更が可能になる。又は、「パスワード変更」が選択されると、図6を用いて説明したものと同様に、パスワード変更画面を内蔵LCD12に表示し、撮影モードに戻らなくてもパスワードの変更が可能になる。或いは、「コピー」が選択されると、当該画面33が表示される前に再生されていた画像32のコピー先パーティションを選択可能にするコピー先メモリ領域選択画面(コピー先パーティション選択画面)34を内蔵LCD12に表示する。若しくは、「閉じる」が選択されると、再び上記S6の再生モードに戻り、再び、前に再生されていた画像32を再生する。
【0078】
コピー先メモリ領域選択画面34には、選択可能なコピー先パーティションとして、その割り当て先、すなわち「ユーザ1」,「ユーザ2」,「ユーザ3」,及び「共用」が表示される。但し、当該画面34では、現在記録・再生対象として設定されているパーティションの選択はできないものとする。
【0079】
当該画面34において、「ユーザ1」,「ユーザ2」,「ユーザ3」の何れかが選択されると、パスワード入力画面23を内蔵LCD12に表示し、その選択されたコピー先とするパーティションに係るパスワードとしての4回のボタン操作を受け付ける。そして、受け付けたパスワードと、コピー先メモリ領域選択画面34において選択された項目に係るパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとが一致するか否かを判定し、それが一致する場合には、画像32に係る画像ファイルを、コピー先メモリ領域選択画面34において選択された項目に係るパーティションへコピーし、それが終了すると、ファイルコピー終了画面35を内蔵LCD12に表示する。一方、パスワード入力画面23において入力されたパスワードが不一致の場合には、パスワード不一致画面31を内蔵LCDに表示する。
【0080】
また、コピー先メモリ領域選択画面34において、「共用」が選択された場合には、画像32に係る画像ファイルを、「共用」のパーティション9eへコピーし、それが終了すると、ファイルコピー終了画面35を内蔵LCD12に表示する。
【0081】
そして、上記ファイルコピー完了画面35又は上記パスワード不一致画面31において、OKボタンが押下されると、再び上記S6の再生モードに戻り、再び、前に再生されていた画像32を再生する。
【0082】
図11は、上記S9の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
尚、本フローでは、現在記録・再生対象として設定されているパーティションを「パーティションn」とし、再生モード用メニュー画面33が表示される前に再生されていた画像のファイル名を「file」とする。
【0083】
同図に示したように、再生モードにおいてOKボタンが押下されて表示した再生モード用メニュー画面33において「コピー」が選択されると、コピー先メモリ領域選択画面34を内蔵LCD12に表示し(S51)、当該画面34において、ユーザにより選択された項目が何れであるかを判定する(S52)。
【0084】
S52において、「ユーザ1」,「ユーザ2」,「ユーザ3」の何れかが選択された場合には、S53へ進み、「ユーザ1」が選択されたときはm=1とし、「ユーザ2」が選択されたときはm=2とし、「ユーザ3」が選択されたときはm=3とする。続いて、パスワード入力画面23を表示し(S54)、コピー先とするパーティションに係るパスワードとしての4回のボタン操作を受け付ける(S55)。続いて、記録媒体9の「パーティションm」からパスワードファイル(「PASSWORD」)を読み込み(S56)、S55で受け付けたパスワードと一致するか否かを判定し(S57)、それが一致する場合には、「パーティションn」の、ファイル名を「file」とする画像ファイルを、「パーティションm」へコピーし(S58)、それが終了すると、「ファイルをコピーしました」のファイルコピー終了画面35を内蔵LCD12に表示する(S59)。
【0085】
尚、S58の処理により、コピー先の「パーティションm」に生成されるファイル名「file」の画像ファイルは、上記DCFに準拠して生成されるものであり、例えば、「パーティションm」に既に同名の画像ファイルが存在していた場合には、DCFに準拠して、別名のファイル名で生成されることになる。
【0086】
一方、S57の判定において、パスワードが不一致の場合には、「パスワードが間違っています」のパスワード不一致画面31を表示する(S60)。
また、S52において、選択された項目が「共用」であった場合には、m=4として(S61)S58へ進み、上記S58及びS59の処理を行う。
【0087】
S59又はS60の後は、OKボタンが押下されるまで待機し(S62)、本フローが終了する。
このように、図10及び図11を用いて説明したS9の処理によれば、上記コピー先メモリ領域選択画面34において選択された項目や、上記パスワード入力画面23において入力されたコピー先のパーティションに係るパスワードが一致することに応じて、自己に割り付けられているパーティションに記録されている画像ファイルを、他のパーティションへコピーすることが可能になる。
【0088】
尚、同様にして、自己に割り付けられているパーティションに記録されている画像ファイルを、他のパーティションへ移動するようにすることも可能である。
図12は、上記S11のUSB通信モードにおける処理の一例を説明する図であり、当該デジタルカメラの外部I/F16とPCとがUSBケーブルを介して接続され、PCが当該デジタルカメラの記録媒体9に記録されている画像データを読み出す際の処理を示したものである。
【0089】
但し、同図の例では、PCが接続されたときに当該デジタルカメラにおいて記録・再生対象として設定されているパーティションを、パーティション9c(「パーティション2」)とする。
【0090】
この場合、USBケーブルによって当該デジタルカメラと接続されたPCは、単一のパーティション、すなわち記録媒体9において記録・再生対象として設定されているパーティション9cにしかアクセスできない。具体的には、同図に示したように、例えば、PCが当該デジタルカメラに「セクタnからmセクタ分Read」のコマンドを送信すると(S71)、当該デジタルカメラのシスコン5は、記録・再生対象として設定されているパーティション9cの先頭セクタからnセクタ目のセクタからmセクタ分のデータを読み出し(S72)、このmセクタ分のデータをPCに送信するものである(S73)。このようなS71乃至S73の処理を基本にして、PCは、単一のパーティションにおけるFAT及びディレクトリエントリを解析し、所望のファイルを取得することになる。従って、PCは、記録・再生対象として設定されているパーティション以外のパーティション(この場合は「パーティション1」,「パーティション3」,「パーティション4」)に対してはアクセスできないことになる。
【0091】
このように、図12を用いて説明したS11の処理によれば、PCは、当該デジタルカメラにおいて記録・再生対象として設定されているパーティションにしかアクセスできないので、各ユーザは、PCを利用しても、他のユーザに割り当てられているパーティションに記録されている画像データに対しアクセスできなくなる。
【0092】
以上、本実施例によれば、記録媒体9を複数人で共用する場合に、記録媒体9に記録された自己の画像データを他のユーザがアクセスできないようにすることができる。従って、自己の画像データが他のユーザによって再生,消去,及びコピー等されるのを防止することができる。
【0093】
尚、本実施例に係るデジタルカメラでは、ボタン操作の組み合わせをパスワードとして用いたが、例えば携帯電話機のように、ボタンに一つ又は複数の文字や記号(以下「文字等」という)を割り付け、そのボタンの押下により入力された文字等をパスワードとして用いることも可能である。この場合は、入力された文字等と、パスワードファイルに記述されている文字等とが一致するか否かを判定することにより、パーティションの使用を可能にするか否かを判定する。また、パーティションの使用を可能にするか否かの判定を、例えば指紋照合等による認証技術を利用して、パスワード以外の方法で行うことも可能である。
【0094】
また、本実施例に係るデジタルカメラでは、記録媒体9を内蔵型としたが、これを着脱可能な構成とすることも可能である。但し、この場合には、記録媒体9が当該デジタルカメラから取り外され、外部の読み取り装置に装着された場合には、記録媒体9の各パーティションへのアクセスが可能になってしまうことに留意する必要がある。
【0095】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施例に係る画像記録装置として説明する、デジタルカメラの主要構成を示す図である。
【図2】記録媒体のメモリ構造の一例を示す図である。
【図3】パスワードファイルの記述内容の一例を示す図である。
【図4】カメラパラメータ設定ファイルの記述内容の一例を示す図である。
【図5】デジタルカメラの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】S2乃至S4の処理を、内蔵LCDに表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
【図7】S2乃至S4の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
【図8】S5のパスワード変更処理を、内蔵LCDに表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
【図9】S5の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
【図10】S9のパーティション間画像ファイルコピー処理を、内蔵LCDに表示される画面を用いて詳細に説明する図である。
【図11】S9の処理内容を詳細に示すフローチャートである。
【図12】S11のUSB通信モードにおける処理の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0097】
1 撮影レンズ系
2 撮像素子
3 撮像回路
4 A/D部
5 シスコン
6 画像処理部
9 着脱メモリ
10 VRAM
11 LCDドライバ
12 内蔵LCD
13 内蔵RAM
14 内蔵ROM
15 操作部
16 外部I/F
21 メモリ領域セレクト画面
22 カーソル
23 パスワード入力画面
24 スルー画画面
25 フラッシュ強制発光マーク
27 撮影モード用メニュー画面
28 第1のパスワード変更画面
29 第2のパスワード変更画面
30 パスワード変更終了画面
31 パスワード不一致画面
32 画像
33 再生モード用メニュー画面
34 コピー先メモリ領域選択画面
35 コピー終了画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーティションに分割された記録媒体と、
使用するパーティションとして、前記複数のパーティションの中から一つのパーティションを選択する第1の選択手段と、
前記第1の選択手段により選択されたパーティションに割り付けられたユーザであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の選択手段により選択されたパーティションに割り付けられたユーザであると前記第1の判定手段により判定されたときは、使用するパーティションとして、前記第1の選択手段により選択されたパーティションを設定する設定手段と、
を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記設定手段により設定されたパーティションを、画像データの記録先とする、
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記記録媒体に記録された画像データを再生する再生手段を更に有し、
前記再生手段は、前記設定手段により設定されたパーティションを、画像データの再生元とする、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記複数のパーティションにおけるユーザに割り付けられたパーティションの各々は、パスワードが記述されたパスワードファイルが記録されており、
前記第1の判定手段は、入力されたパスワードと、前記第1の選択手段により選択されたパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとに基づいて、前記判定を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記複数のパーティションの中から、コピー先又は移動先パーティションとして、一つのパーティションを選択する第2の選択手段と、
入力されたパスワードと、前記第2の選択手段により選択されたパーティションに記録されているパスワードファイルに記述されたパスワードとが一致するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により一致すると判定されたときに、前記設定手段により設定されたパーティションに記録された画像データを、前記第2の選択手段により選択されたパーティションへコピー又は移動する手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記パスワードファイルに記述されたパスワードを変更するパスワード変更手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項4又は5記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記パスワードは、当該画像記録装置に設けられているボタン操作の組み合わせである、
ことを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記複数のパーティションの各々には、当該画像記録装置の装置設定に係るパラメータが記述された装置設定ファイルが記録されており、
前記設定手段により設定されたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルに記述された装置設定に係るパラメータに従って、当該画像記録装置の装置設定を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記装置設定ファイルの記述内容を変更する装置設定ファイル更新手段を更に有し、
前記装置設定ファイル更新手段は、当該画像記録装置の電源がオフされたときは、使用するパーティションとして当該電源がオフされる直前に設定されていたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルの記述内容を、当該電源がオフされる直前に当該画像記録装置に設定されていた装置設定に係るパラメータへ変更し、
又は、前記設定手段によるパーティションの設定により、使用するパーティションが変更されたときは、使用するパーティションとして当該変更直前に設定されていたパーティションに記録されている前記装置設定ファイルの記述内容を、当該変更直前に当該画像記録装置に設定されていた装置設定に係るパラメータへ変更する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像記録装置。
【請求項10】
当該画像記録装置と外部装置とが通信可能に接続されたときに、前記記録媒体における前記外部装置によりアクセスが行われるパーティションは、前記設定手段により設定されたパーティションである、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項記載の画像記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−221288(P2006−221288A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−32344(P2005−32344)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】