説明

画像診断支援装置

【課題】複数のシリーズ画像データの中から、比較対象となるシリーズ画像データの組合わせを容易に求めて並列に観察できる技術を提供する。
【解決手段】 医用画像取得装置によって1検査単位で取得された複数枚分のシリーズ画像データと、検査時の画像取得条件、及び検査に関連する他のシリーズ画像データを特定する特定情報を含むオブジェクトデータとを保管するデータ保管部と、オブジェクトデータを参照し、取得された今回のシリーズ画像データと関連する過去のシリーズ画像データの組み合わせ情報を表すサムネイル画像を生成する情報管理部と、サムネイル画像を表示する表示部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、X線CTやMRI等の医用画像を取得する装置(これらを、以下「モダリティ」と言うことがある。)で検査単位で撮影された画像及び関連する他の画像を観察しやすくした画像診断支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査者、或いは医者等(以下、「検査者等」と言う。)による読影、診断或いはレポート作成時には、通常、現在取得した一連のシリーズ画像データ(モダリティにより取得された撮影単位毎の複数枚の画像データをいう)と、同様に過去のシリーズ画像データに基づく参照画像とを比較して、撮影部位の現在と過去の経過を観察することが必要になる。そのため、検査者等は、比較すべき過去のシリーズ画像データを特定し、サーチする。そして、検査者等は、サーチされたシリーズ画像データを比較する場合に、撮影位置を調整した上で同時に並列に表示して、観察することが必要になる。
【0003】
一方、特許文献1に示すように、保管されている画像データを読み出すためのリンクデータ(ハイパーリンク情報)が生成され、そのリンクデータを表す文字列データがレポートに貼られることによって、関連する画像データを読み出し可能にされている。
【特許文献1】特開2005―301453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、検査者等が比較対象の2つのシリーズ画像データを特定し、サーチすることが非効率であった。また、検査者等が比較対象の2つのシリーズ画像データをサーチし、そして、最初の読影時に折角、撮影位置を合わせて同期をとって並列表示させたとしても、次の機会に再度、読影に使用とすると、再度、その同期を調整しなければならない困難があった。
【0005】
ここで、撮影位置及びその同期について説明する。例えば、X線CT装置等により被検体を搭載した寝台とX線撮影手段とが相対的に位置を変えて撮影され、画像として形成される。そのときの所定部位を撮影して生成した画像における所定部位の座標位置をその部位の撮影位置と言う。例えば、過去に撮影した特定部位の縦方向の撮影位置がYoであり、今回、過去と同一方法で取得した画像における同一の特定部位の縦方向の位置がY1とすれば、特定部位の過去の撮影位置Yo=今回の撮影位置がY1であれば撮影位置が同期すると言う。
検査者等が、ビューア等で患者の特定部位の今回取得した画像と、過去に取得した画像とを比較し経過を診断するにあたっては、部位の撮影位置を容易に同期させて観察できることが好ましい。
【0006】
本発明の目的は、複数のシリーズ画像データの中から、容易に比較対象となるシリーズ画像データの組合わせを求めることができる技術、そして求めた2つのシリーズ画像データの同期関係を維持して並列に容易に表示できる技術を提供することである。さらには、一度、同期関係を調整された2つの画像データをその調整された同期関係を維持したまま読み出せる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用画像取得装置によって1検査単位で取得された複数枚分のシリーズ画像データと、該検査時の画像取得条件、及び該検査に関連する他のシリーズ画像データを特定する特定情報を含むオブジェクトデータとを保管するデータ保管部と、
該オブジェクトデータを参照し、取得されたシリーズ画像データと関連する他のシリーズ画像データの組み合わせ情報を生成する情報管理部と、
前記組み合わせ情報を表示する表示部と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
上記、本発明の構成により、少なくともオブジェクトデータが有する情報を利用して今回の検査で取得したシリーズ画像データとそれに関連する他のシリーズ画像データの組み合わせ情報が生成される。関連する他のシリーズ画像データとしては、例えば、今回の検査で参照された、過去のシリーズ画像データがある。例えばその組み合わせ情報としてサムネイル画像で表示されるので、表示されたサムネイル画像を選択して展開することにより、今回のシリーズ画像データと他のシリーズ画像データ、例えば過去の画像データを読み出してそれらの画像データに基づく画像を並列に表示できる。したがって、読影等に利用するときに容易で、便利である。
【0009】
さらに撮影位置を同期して並列に表示させて、ページをめくるように同じ同期位置における今回画像と過去画像とを並列に観察できるので、便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の画像診断支援装置を含むシステムの構成図である。図2は、本実施形態に係る画像診断支援装置の機能ブロックを示す図である。図3は、画像データとオブジェクトデータを説明するための図である。図4は、所望の比較対象のシリーズ画像データを選択するときの表示例である。図5は、所望の比較対象のシリーズ画像データの同期関係を説明するための図である。図6は、実施形態の一連の動作を説明するための図である。
【0011】
図1及び図3を基に全体システムを説明する。各構成は、ネットワーク600で接続されており、例えば、DICOM等の規則(通信プロトコルを含み、インターネットでも対応可能である。)で、互いに通信可能にされている。医用診断装置100(医用画像取得装置)は、モダリティ1〜nの複数が接続されている。これらのモダリティとしては、X線CT装置、MRI、超音波診断装置等の被検体の部位を撮影する装置がある(以下、代表して「医用診断装置100」、個々のモダリティに注目すべきときは「モダリティ」と言うことがある。)。
【0012】
管理サーバ200は、画像管理装置の機能を有し、医用診断装置100から送付された画像データを保管、管理し、医用画像観察装置300、レポート作成支援装置400,外部機器500等に提供する装置である(詳細は、後記する。)。医用画像観察装置300は、いわゆるビューアであって、検査者等が管理サーバ200から画像データを読み出して、その画像を読影したり、観察して診断するための支援装置として機能する。また、医用画像観察装置300は、或いは管理サーバ200に画像管理の指示を出し、管理サーバ200とともに画像管理装置としても寄与する(詳細は、後記する)。この医用画像観察装置300は、管理サーバ200が保管管理する画像データに基づく画像を十分に観察できるだけの能力、記憶容量等を有するコンピュータである。
【0013】
レポート作成支援装置400は、診断又は検査レポートを作成するソフトを組み込んだコンピュータである。レポートの中に特定画像のリンクデータ(この発明では、所謂、ハイパーリンクデータも含まれる。外部から保護するためのプロテクト機能を有するプロテクト情報でもある。)を記載することができる。これにより、その後、レポート作成支援装置400或いは外部機器500でそのレポートを開いて記載されているリンクデータをクリックすることにより管理サーバ200からリンクデータで指定された特定画像を読み出して観察することができる。医用画像観察装置300やレポート作成支援装置400は、一体であっても良いし、独立していても良い。また、いずれも管理サーバ200の側にあって、ネットワーク600を介さずに直接管理サーバ200に接続されていても良い。
【0014】
又、医用診断装置100は、医用画像取得装置としての機能を有するが、一旦、管理サーバ200に取り込まれた画像データを読み出して自己の表示部に表示し、観察できる機能を有しても良い。
【0015】
[画像診断支援装置の構成・動作]
本発明に係る画像診断支援装置とは、図1及び図2係る各要素のうち、狭義としては、管理サーバ200(画像管理装置)であり、広義には、管理サーバ200及び医用画像観察装置300の組み合わせ、さらには管理サーバ200、医用画像観察装置300及びレポート作成支援装置400を含むものを言う。以下、医用診断装置100を含めて詳細を説明する。
【0016】
図2で、医用診断装置100(医用画像取得装置)は、画像データ生成部120により、例えば、被検体にX線を照射して得られたデータから断層画像データを出力する。そのとき、予め、データ取得計画部110により、同じ被検体の同一撮影部位に係る過去の画像データ(過去画像データ)を読み出して表示することにより、検査者等が参照可能にする。これを参照して、ほぼ同じ撮影条件、撮影範囲で画像データ生成部120を駆動して現在の画像データ(今回画像データ)を取得する。そして、オブジェクト発生部130は、上記したように、例えば、取得した今回画像データとともに、過去画像データが複数あればそれを特定する特定情報、その検査における撮影条件、撮影範囲等を含む検査条件をオブジェクトデータとして管理し、データ送信部140を介して、画像データとともに管理サーバ200へ送る。
【0017】
ここで、図3を用いて画像データ及びオブジェクトデータについて説明する。図3(A)は、今回の検査で撮影されたシリーズ画像データ(以下、「今回画像データ」と言う。)の例であり、n枚の画像データとオブジェクトデータが関連付けられている。オブジェクトデータとしては、例えば、図3(B)に示すように、今回画像データを特定する識別情報、検査条件を表す情報、今回画像のキーとなるキー画像を特定する情報、今回の検査で参照された過去に撮影されたシリーズ画像データ(以下。「過去画像データ」と言う。)を特定する情報、及びその過去画像データのキー画像を特定する情報、がある。図示していないが、位置決め用として撮影された画像データを含んでも良い。さらに、オブジェクトデータとしては、過去画像データのキー画像に対する今回画像データのキー画像の撮影位置を補正する撮影位置補正情報がある。この撮影位置補正情報は、今回画像データと過去画像データを同期表示させたときに、観察者により,その同期位置を補正された場合に、その補正量を示す情報である。又、図3(A)に示すシリーズ画像データの1枚1枚は、図3(C)のように画像データとそれを特定する情報、その撮影条件、部位等の付帯情報とで構成されている。なお、図3(A)の例は、1検査で撮影された複数枚の画像データをその検査での撮影毎の単位で管理しているシリーズ画像データ(「通常画像データ」とも言う。)である。
【0018】
図2で、管理サーバ200の保管管理部220は、受信データ解析部221、オブジェクトデータ処理部222、オブジェクトデータ登録部223,通常データ登録部224、データベース管理部226及びデータ保管部227からなる。
【0019】
受信データ解析部221は、各モダリティからDICOMフォーマットで送付されてきた画像データがオブジェクトデータであるか通常画像データであるか、を分析して区分けし、前者であればオブジェクトデータ処理部222へ、後者であれば通常データ登録部224へ送る。以下、オブジェクトデータが送付されたとして説明する。
【0020】
オブジェクトデータ処理部222は、今回画像データに関連付けられたオブジェクトデータを圧縮してオブジェクトデータ登録部223へ送る。オブジェクトデータ登録部223は、オブジェクトデータをデータ保管部227へ記憶させるとともに、データベース管理部226へ読み出し可能に登録する(以下、登録とは、管理可能に記憶させることを言う。)
このようにしてデータ保管部227及びデータベース管理部226へは、次々と保管、或いは管理されているので、過去のオブジェクトデータも含まれている。
【0021】
通常データ登録部224は、通常画像データをデータ保管部227へ記憶させるとともに、データベース管理部226へ登録する。
【0022】
データベース管理部226は、データベースのフォーマットを有しそれを各部からの指示にしたがって、及び受けたデータを書き込むことによって、作成・変更(追加、削除、変更を含む。)する手段と、作成したデータベースを記憶するメモリとを有する。データ保管部227は画像データを保管するメモリを有する。
【0023】
データベース管理部226は、後記するように情報管理部230及び情報収集部320によって、比較対象として指定された組み合わせに係る、例えば、今回画像データと過去画像データの各画像の同期した撮影位置が確立された場合は、その同期した画像特性可能にデータベースに設定しておくことができる。例えば、今回画像データの1枚目、1ヶ月前の過去画像データの3枚目が同期する旨を記憶し、出力部210から各シリーズの画像データの読み出しがあったときは、今回画像データの1枚目と過去画像データの3枚目とを同時に読み出して、以降、今回画像データの2枚目と過去画像データの4枚目というように順に同期関係を維持して出力させることができる。
以下、今回画像データと過去画像データのそれぞれによる画像の撮影位置が同じであることを同期と言うことがある。
【0024】
リンクデータ(ハイパーリンクを含む)が生成されたときは、比較対象として指定された組み合わせに係る画像データの同期位置関係を示す情報として、そのリンクデータをデータベースの該当するシリーズ画像データの欄に読み出せるようにしておく構成であっても良い。そうすれば、リンクデータで指定されたときに、データベースを参照して2つのシリーズ画像データであって、同期した画像データを出力することができる。
【0025】
情報管理部230、及び情報収集部320は、データベース管理部226又は/及びデータ保管部227ともに、次の(1)〜(5)の動作を行う構成とされている。これらの動作は、主に、後記する情報収集部320から検査者等の画像観察要求があったときを契機として行われる。
【0026】
(1)情報管理部230は、データ保管部227に保管されている管理単位での読み出し可能な情報を生成する。例えば、情報管理部230は、データベースを基に、オブジェクトデータがある場合はオブジェクトデータで特定されるキー画像データをデータ保管部227から読み出して、サムネイル画像として表示可能に生成する。情報管理部230は、オブジェクトデータが付帯されていない通常の1枚の画像データは、そのままそれをサムネイル化する。そして、情報管理部230は、観察要求に応じて、生成したサムネイル画像の一覧を情報収集部320へ出力する。情報収集部320は、表示部330へ表示させる。その表示例を図4(A)に示す。なお、いずれのサムネイル画像も予め作成しておいて観察要求があったときにデータベース管理部226から読み出せるようにデータ保管部227に保管して置いても良い。
【0027】
(2)次に、例えば、情報収集部320を通して検査者等から、図4(A)に示す今回画像データのサムネイル画像(図4(A)の左端)が選択された場合は、情報管理部230が、今回画像データのオブジェクトデータを参照して、今回画像データに関連する過去画像データのキー画像の特定情報を基に、データ保管部227から過去画像データのキー画像を読み出し、そのサムネイル画像を生成する。情報管理部230は、同一のオブジェクトデータ内に過去画像データが複数あれば、それら全部のサムネイル画像を生成する。なお、いずれのサムネイル画像も予め作成しておいて観察要求があったときにデータベース管理部226から読み出せるようにデータ保管部227に保管して置いても良い。
【0028】
そして、情報管理部230は、今回画像データのサムネイル画像の選択に応じて、今回画像データのキー画像及び関連する過去画像データのキー画像のサムネイル画像の組み合わせを生成し、そのサムネイル画像の一覧を情報収集部320へ出力する。情報収集部320は、表示部330へ表示させる。その表示例を図4(B)に示す。
【0029】
(3)図4(B)のように表示部330に表示されているサムネイル画像の今回のものと、複数の過去のものとが組み合わされている場合、例えば、組み合わせが3件の画像データであった場合に、情報収集部320は、操作部310から比較用の画像データに係るサムネイル画像の2件、例えば、図4(B)の今回画像データと過去画像データ1の2つのサムネイル画像が選択されたときは、その選択された2件のサムネイル画像に係る今回画像データ及び過去画像データを出力部210を介してデータ保管部227から読み出して表示部330へ表示させる。このとき表示させるのは、図4(C)に示すように、双方のキー画像でも良いし、それぞれの1枚目でも良い。
【0030】
(4)情報収集部320は、比較用の2つの画像データの撮影位置の同期を確保するために、情報管理部230を介して今回画像データに関連付けられているオブジェクトデータを参照し、キー画像データ同士撮影位置の同期を位置補正情報等を参照して確立する。例えば、情報収集部320は、図3(B)に示すようなオブジェクトデータを参照したところ、今回画像データのキー画像が1枚目で、過去画像データのキー画像である3枚目に対して撮影位置補正情報が+10を示している場合は、今回画像データを上方向に画像位置を+10だけ平行移動させた補正画像を生成し、補正された今回画像データの3枚目のキー画像と過去画像データの1枚目のキー画像データを双方の画像データの同期位置とする(図5を参照)。そして、同期した状態でそれぞれの画像を情報収集部320へ送り、表示部330へ表示させる。操作部310から検査者等によるページめくりの指示があったときは、情報収集部320が、同期関係にあるページを並列にして表示(side by side 表示)させる。例えば、今回画像データの1枚目、2枚目、・・と過去画像データの3枚目、4枚目、・・・・と言うように同期させて表示させる。
【0031】
なお、同期位置の確立にあたっては、検査者等が、医用画像観察装置300等の表示部330に表示されたオブジェクトデータを参照し、「今回画像データの3枚目と過去画像データの1枚目とを、今回画像データを上方に+10だけ画像位置を移動させたうえで同期させる」旨の指示を操作部310により設定し、これを受けた情報収集部320がその設定を受けて上記のように実行する構成であっても良い。また、同期指示の実行の仕方としては、今回画像データ1,2,3,4,5・・・、過去画像データ1,2,3,4,5・・・なる画像のページを示す数値を表示させて今回画像データの1を参照データの3へ操作部310でドラックすることにより、同期指示を出力する構成でも良い。図5にその同期期関係を示す。
【0032】
さらに、位置関係の同期が補正されて確立された今回画像データを、情報管理部230を介してデータベース管理部226へ登録させ、且つデータ保管部227へ保管することによって、後で、容易に同期して双方の画像データを読み出せるようにしても良い。なお、複数のスライス画像からなるシリーズ画像同士の比較表示の同期としては、スライス位置を同じにするということがある。すなわち、今回の撮影と前回の撮影では、被検体の全く同じ部位の範囲を撮影することは困難であるため、今回画像の1枚目のスライス画像と5枚目の画像が同じ位置である場合があり、その場合には、今回画像に関連付けられたオブジェクトデータに位置補正情報として、そのスライスのずれを示す情報を記憶するようにしても良い。
【0033】
(5)医用画像観察装置300或いはレポート作成支援装置400から、情報収集部320を介して、レポート作成のための特定の画像或いはその範囲(数枚の範囲)へのリンクデータを生成するよう指示があったときは、その特定画像データの保管位置を反映した文字列からなるリンクデータを生成し、指示元へ返すとともにデータベースへ組み込む。上記(3)のように、今回画像データと過去画像データの双方を同時に読み出すためのリンクデータも生成する。そのとき、上記(4)のように双方の画像データに同期関係が確立されていれば同期が確立された保管位置を反映したリンクデータを生成する。
【0034】
なお、情報管理部230は、画像データをどのように同期させて出力させるかを決めているので、出力部210とともに構成されても良い。また、下記する情報収集部320は、画像要求する側から動作するので、情報管理部230の機能動作と情報収集部320の機能動作の一部を一緒にしても良いし、又は、いずれかの方に兼務させて実施させても良い場合がある。
【0035】
医用画像観察装置300は、一部は上記したが、操作部310、情報収集部320、及び表示部330で構成される。医用画像観察装置300は、コンピュータと下記の機能を含むビューア機能を達成するソフトウェアで構成されるが、データ保管部227に保管されている画像データを読み出して画像を観察することから、ビューアとして十分な機能・性能を有する。特に、十分な記憶容量と画像表示速度を有する。
【0036】
上記(1)から(5)は、主に、情報管理部230側から説明されている。ここでは、医用画像観察装置300側、特に情報収集部320を主体として下記(イ)〜(ハ)のように動作を説明する。(イ)は上記(1)及び(2)に、(ロ)は(3)(4)に、(ハ)は(5)にほぼ対応して説明している。
【0037】
(イ)情報収集部320は、操作部310からの要求により、データ保管部227が保管している画像データ一部又は全部の一覧要求を出して、情報管理部230からそのサムネイル画像の一覧を受けて並列に表示(side by side 表示)させることができる(図4の(A)を参照)。そして、その表示の中から、操作部310からのオブジェクトデータの選択を受けて、オブジェクト内の画像データの組み合わせ情報、例えば、その組み合わせに係るサムネイル画像の全部を並列に表示部330に表示させる(図4の(B)を参照)。そして、操作部310により、表示されている組み合わせ情報の中から、図4の(C)に示すように、比較用の2つの画像データ、例えば今回画像データと過去画像データ1との組み合わせ情報が比較用の画像として選択されたときは、サムネイル画像(選択された組み合わせ情報)に基づいた画像データを出力部210へ要求する。出力部210は、指示されたサムネイル画像に相当する画像データをデータベース管理部226及び情報管理部230へ保管位置を問い合わせて、その保管位置を基にデータ保管部227から読み出して、情報収集部320へ送る。情報収集部320は、その今回画像データと過去画像データを基に、表示部330へ並列に表示させる。
【0038】
(ロ)情報収集部320は、前記選択された比較用の今回画像データと過去画像データとの同期を、今回画像データのオブジェクトデータを参照して、確立して並列に表示させる。なお、既に、データベース等に同期した位置関係が登録されている場合は、そのデータベースを参照して、同期した同士の双方の画像データを読み出して、並列に表示させても良い。そして、情報収集部320は、操作部310におけるホイール等の操作を受けてその操作量をカントアップ又はダウンすることにより、双方の画像データのページを一画像分ずつずらして表示させる。一枚ずつ、出力部210から読み出す場合は、出力部210に対して、その2つの画像データを読み出す保管位置を一画像分ずつずらして読み出すように指示する。そうすることにより、同期関係を維持したまま、次々と双方の画像データを並列に表示することができる。つまりページめくりができる。
【0039】
(ハ)操作部310或いはレポート作成支援装置400からの指示により、レポート作成のための特定の画像或いはその範囲(数枚の範囲)へのリンクデータ生成指示を情報管理部230へ送って、リンクデータを生成させる。例えば、レポート作成支援装置400でレポート作成する場合であれば、レポートのフォーマットに所定のリンク欄を設けて、そこへ操作部410(或いは操作部310)により所望画像をドラックすることにより、情報収集部320がリンクデータの生成指示を情報管理部230へ送り、情報管理部230から返されてきたリンクデータとしてのリンク文字列をリンク欄に張り付ける構成であっても良い(これらは、医用画像観察装置300,レポート作成支援装置400,又はそれらの組み合わせ実行することができる。)。
【0040】
そして、今回画像データ過去画像データの双方を同時に読み出すためのリンクデータの生成を要求するときは、同時に要求する。例えば、上記のリンク欄に2つの画像をドラックすることにより、要求できる。更に同期関係にある画像同士を同時にドラック等により指定する。そうすれば、同時に同期関係にある画像同士を読み出せる。
【0041】
図2で、レポート作成支援装置400は、操作部410,レポート情報収集・編集部420、レポートデータベース430及び表示部440で構成される。レポート作成支援装置400は、主に、コンピュータと情報収集及び編集を行う機能を実行させるソフトウェアで構成される。一般的なコンピュータで構成されるものであって、上記ビューアとしての医用画像観察装置300より資源には乏しい。
【0042】
図2で、レポートデータベース430は、レポートのフォーマット(用紙相当)や、過去に作成されたレポート等がデータベースで読み出し可能に保管されている。レポート情報収集・編集部420は、操作部からの指示によりレポート用紙、或いは過去のレポートをレポートデータベース430から読み出して、表示部440に表示させるととともに、操作部410からのレポート作成等の編集指示に応じてレポートを完成させる。そのとき、画像データ等については、情報収集部320と連携して、要求した画像データを表示部440或いは表示部330に表示させて観察することもできる(表示部330を利用するのは、レポート作成支援装置400の資源が乏しいためであり、資源が十分な場合は、医用画像観察装置300の機能を持つようにすることもできる。)。レポート作成支援装置400は、上記したように、例えば、表示部440上で所望の画像をレポートのリンク欄へドラックすることにより、そのドラックを契機としたリンクデータ生成指示を出すことができる。
【0043】
次に、この実施形態の一連の動作を図6により説明する。一部は、上記と同じ記載がある。図6は、画像データを保管管理部220に登録し、そして、診断或いはレポート作成に必要な比較用の画像データを組み合わせて選択し、しかも同期させる手順を示すものである。
【0044】
ステップS1:データベース管理部226及び/又はオブジェクトデータ登録部223は、医用診断装置100側から送られてくるシリーズ画像データの保管位置から読み出せるようにデータベースを作成し、読み出し可能に保管している。そして、情報管理部230は、サムネイル画像を生成し、一覧可能にしておく。そして、オブジェクトデータ内で今回画像データと過去画像データの組み合わせがあればそれらのキー画像をサムネイル画像の組として管理する(サムネイル画像もデータとしてデータベースに入れて置いても良いし、一覧要求があってから都度作成しても良い。)。
【0045】
ステップS2,3,4:検査者等が医用画像観察装置300によって管理サーバ200へ画像一覧要求を出し、管理サーバ200がデータベースを基にサムネイル画像の一覧を医用画像観察装置300へ送る。医用画像観察装置300は、それを受けて並列に一覧表示する。
ステップS5,6,7:検査者等は、医用画像観察装置300で表示の中から、例えば。今回画像データのサムネイル画像を選択する。情報収集部320は、そのオブジェクト内で組みとして管理されている画像データの組み合わせに係るサムネイル画像を情報管理部230から受けて並列に表示する。例えば、今回画像データと過去画像データのそれぞれのキー画像を表示する。
ステップS8、9,10:医用画像観察装置300は、今回画像データと過去画像データがそれぞれ一つずつであれば、そのまま比較用の画像データとして確定しても良いが、数が多い場合は、検査者等に指示により選択する。確定或いは選択された今回画像データ及び過去画像データのそれぞれのキー画像を並列に表示させる。
【0046】
ステップS11、12,13:検査者等は医用画像観察装置300により、2つの画像データの同期の調整指示を出す。情報収集部320が、情報管理部230を介してデータベース及びデータ保管部227からオブジェクトデータを読み出して参照し、各キー画像を検索して読み出し、位置補正情報を基に同期関係を調整して確立させる。そして、情報収集部320は、例えば、今回画像データの1枚目と、それと同期確立された過去画像データの3枚目とを並列に表示する。
【0047】
ステップS14、15,16:今回画像データの1枚目と過去画像データの3枚目以外の他の同期関係にある画像データを見たい場合は、検査者等は、操作部310によりページめくり指示を出す。情報収集部320は、指示に応じて今回画像データ及び過去画像データの双方を同数のページだけずらして並列に表示する。つまり、同期関係を維持した状態でページをめくるように観察できる。
ステップS16、17,18:医用画像観察装置300は、上記同表示されている同期関係にある2つの画像データを指定して、リンクデータの生成を指示することにより、情報管理部230が生成し、送ってきた今回画像データ及び参照画像データのリンクデータを受けて、それを張り付けたレポートを作成できる。そのレポートのリンクデータをクリックすることにより、同期した2つの画像データを表示させることができ、ページめくりで各ページの画像を同期関係を維持して表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の画像診断支援装置を含むシステムの構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像診断支援装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】画像データとオブジェクトデータを説明するための図である
【図4】所望の比較対象のシリーズ画像データを選択するときの表示例である。
【図5】所望の比較対象のシリーズ画像データの同期関係を説明するための図である。
【図6】実施形態の一連の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
100 医用診断装置
200 管理サーバ
210 出力部
220 保管管理部
221 受信データ解析部
222 オブジェクトデータ処理部
223 オブジェクトデータ登録部
224 通常データ登録部
226 データベース管理部
227 データ保管部
230 情報管理部
300 医用画像観察装置
310 操作部
320 情報収集部
330 表示部
400 レポート作成支援装置
410 操作部
420 レポート情報収集編集部
430 レポートデータベース
440 表示部
500 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像取得装置によって1検査単位で取得された複数枚分のシリーズ画像データと、該検査時の画像取得条件、及び該検査に関連する他のシリーズ画像データを特定する特定情報を含むオブジェクトデータとを保管するデータ保管部と、
該オブジェクトデータを参照し、取得されたシリーズ画像データと関連する他のシリーズ画像データの組み合わせ情報を生成する情報管理部と、
前記組み合わせ情報を表示する表示部と、を備えた画像診断支援装置。
【請求項2】
前記組み合わせ情報は、少なくとも2つのシリーズ画像データをそれぞれ特定する情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像診断支援装置。
【請求項3】
前記表示部に表示された組み合わせ情報から少なくとも2つのシリーズ画像データについての組み合わせを指示するための操作部と、
前記指示に基づき特定される少なくとも2つのシリーズ画像データを前記保管部から読み出して、前記表示部に画像として表示させる情報収集部、とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像診断支援装置。
【請求項4】
前記組み合わせ情報は、各シリーズ画像データの一部の画像データに基づくサムネイル画像の組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像診断支援装置。
【請求項5】
前記オブジェクトデータは、各シリーズ画像データ間の撮影位置を調整するための位置補正情報有し、
前記情報収集部は、前記保管部から読み出したシリーズ画像データに関連するオブジェクトデータを基に、前記シリーズ画像データ間で撮影位置が同じ画像を並列に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像診断支援装置。
【請求項6】
前記情報収集部は、表示されている前記シリーズ画像データ間で撮影位置を同期させて画像を切り替え表示させることを特徴とする請求項5に記載の画像診断支援装置。
【請求項7】
前記並列表示される前記少なくとも2つのシリーズ画像データについて、前記オブジェクトデータを基に該2つのシリーズ画像データを読み出すための保管位置を反映したリンクデータを生成するリンクデータ生成部を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像診断支援装置。
【請求項8】
前記情報管理部は、前記比較用の2つのシリーズ画像データが同期した撮影位置を同期位置情報として前記オブジェクトデータに追加し、再び表示する場合は、前記オブジェクトデータに追加された同期位置情報に基づいて表示させることを特徴とする請求5又は6に記載の画像診断支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−200139(P2008−200139A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37118(P2007−37118)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】