説明

画像評価装置、画像評価方法、画像形成装置、および画像形成装置の診断方法

【課題】本発明は、評価の信頼性を向上させることができる画像評価装置、画像評価方法、画像形成装置、および画像形成装置の診断方法を提供する。
【解決手段】画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する前処理部と、前記1次元プロファイルを周波数分析する周波数分析部と、前記周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う官能変換部と、前記重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する評価対象抽出部と、前記係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する評価処理部と、を備えたことを特徴とする画像評価装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像評価装置、画像評価方法、画像形成装置、および画像形成装置の診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機などの画像形成装置においては、装置の状態を把握する際にテスト画像を形成させるようにしている。また、一般的には、単一階調の画像(例えば、濃度が一様なハーフトーン画像など)がテスト画像として用いられている。
そして、評価者がテスト画像に発生したむら、すじ、ぶれなどの有無や状態を目視で評価することで画像形成装置の状態を把握するようにしている。しかしながら、評価者による目視評価(官能評価)を行う場合には、評価者間における個人差、疲労、評価技能の修得度などにより評価結果がばらつくという問題がある。
【0003】
そのため、テスト画像から得られた画像情報(画像データ)に対してウェーブレット変換を行い、ウェーブレット変換された係数値に対して視覚の周波数特性に応じた重み付け変換をさらに行う技術が提案されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示がされた技術によれば、テスト画像から得られた画像情報(画像データ)に基づいて、評価者間における個人差などに影響されることなく客観的な評価を行うことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示がされた重み付け変換では、評価者の目視評価(官能評価)との相関関係を向上させることができないおそれがあった。そのため、評価者が視認できないようなむら、すじ、ぶれなどをも検出してしまい評価の信頼性を低下させるおそれがあった。
【特許文献1】特開2005−260725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、評価の信頼性を向上させることができる画像評価装置、画像評価方法、画像形成装置、および画像形成装置の診断方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する前処理部と、前記1次元プロファイルを周波数分析する周波数分析部と、前記周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う官能変換部と、前記重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する評価対象抽出部と、前記係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する評価処理部と、を備えたことを特徴とする画像評価装置が提供される。
【0007】
本発明の他の一態様によれば、画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する前処理部と、前記1次元プロファイルを周波数分析する周波数分析部と、前記周波数分析された画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する評価対象抽出部と、前記係数処理が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う官能変換部と、前記重み付け変換が行われた画像情報から評価値を算出する評価処理部と、を備えたことを特徴とする画像評価装置が提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する工程と、前記1次元プロファイルを周波数分析する工程と、前記周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う工程と、前記重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する工程と、前記係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する工程と、を備えたことを特徴とする画像評価方法が提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する工程と、前記1次元プロファイルを周波数分析する工程と、前記周波数分析された画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する工程と、前記係数処理が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う工程と、前記重み付け変換が行われた画像情報から評価値を算出する工程と、を備えたことを特徴とする画像評価方法が提供される。
【0010】
本発明の他の一態様によれば、画像に関する情報を取得する画像情報取得手段と、前記取得された画像に関する情報に基づいて、媒体上に画像を形成する画像形成部と、前記媒体上に形成された画像の画像データに基づいて評価を行う上記のいずれかの画像評価装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0011】
本発明の他の一態様によれば、媒体上にテスト画像を形成する工程と、上記のいずれかの画像評価方法により前記テスト画像の評価を行う工程と、を含むことを特徴とする画像形成装置の診断方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、評価の信頼性を向上させることができる画像評価装置、画像評価方法、画像形成装置、および画像形成装置の診断方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る画像評価装置を例示するためのブロック図である。
図1に示すように、画像評価装置1には、解析部2、格納部8、入力部9、出力部10が設けられている。
【0014】
また、外部に設けられる機器を電気的に接続するための入力部9には、画像情報取得手段11を接続することができる。なお、例えば、キーボードやマウスなどの各種情報を入力するための図示しない入力手段なども接続することができる。
画像情報取得手段11は、テスト画像から画像情報(画像データ)を取得するためのものである。この場合、テスト画像全体の画像情報(画像データ)を取得し、これを評価の対象(評価情報)とすることができる。しかしながら、テスト画像全体の画像情報(画像データ)を取得し、これを評価の対象(評価情報)とすれば評価効率が低下するおそれがある。一方、画像形成装置の構成などから「すじ(縦縞)」、すなわちショックジッタが発生する傾向を知ることができるので、ショックジッタの発生が予想される領域に評価の対象範囲を限定しても評価精度が低下するおそれは少ない。
そのため、テスト画像全体ではなく所定範囲の画像情報(画像データ)を評価情報として評価の対象とすれば評価効率を向上させることができる。
【0015】
画像情報取得手段11としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)方式やCIS(Contact Image Sensor)方式のイメージセンサなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく画像情報(画像データ)を取得可能なものを適宜選択することができる。
【0016】
外部に設けられる機器を電気的に接続するための出力部10には、出力手段12を接続することができる。出力手段12としては、例えば、後述する解析部2からの情報を目視化するものを例示することができる。例えば、フラットパネルディスプレイなどの表示装置やプリンタなどの画像形成装置などを例示することができる。ただし、これらに限定されるわけではなく解析部2からの情報を目視化可能なものを適宜選択することができる。
【0017】
解析部2には、前処理部3、周波数分析部4、官能変換部5、評価対象抽出部6、評価処理部7が設けられている。
前処理部3は、画像情報取得手段11によりテスト画像より取得された画像情報(評価情報)から輝度に関する1次元プロファイルを作成するためのものである。例えば、画像情報取得手段11により取得された評価情報(所定範囲の2次元の画像情報)を主走査方向に積分して輝度に関する1次元プロファイルを作成するようなものを例示することができる。
【0018】
周波数分析部4は、前処理部3により作成された1次元プロファイルを周波数分析するためのものである。例えば、前処理部3により作成された1次元プロファイルをウェーブレット変換してスカログラム(Scalogram)を得るようなものを例示することができる。 官能変換部5は、視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行うためのものである。例えば、周波数分析部4により作成されたスカログラム(周波数分析された画像情報)に対して、人間が有する周波数、明るさ、評価環境に対するコントラスト感度特性などに応じた重み付け変換を行うようなものを例示することができる。
【0019】
評価対象抽出部6は、係数処理(閾値処理)を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制するためのものである。例えば、官能変換部5により重み付け変換が行われた画像情報(スカログラム)に対して、評価したい画像情報以外の低出力成分を抑制するようなものを例示することができる。
また、一例として、官能変換部5により重み付け変換を行った後に評価対象抽出部6により係数処理を行う場合を例示したが、評価対象抽出部6により係数処理を行った後に官能変換部5により重み付け変換を行うようにしても良い。なお、この場合は、評価対象抽出部6は、周波数分析された画像情報に対して係数処理(閾値処理)を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制するものとなる。また、官能変換部5は、係数処理(閾値処理)が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行うものとなる。
【0020】
評価処理部7は、官能変換部5による重み付け変換と評価対象抽出部6による係数処理(閾値処理)が行われた画像情報から評価値を算出するためのものである。例えば、官能変換部5による重み付け変換と評価対象抽出部6による係数処理が行われた画像情報を周波数帯全域において積分し、その積分値から評価値を算出するようなものを例示することができる。
なお、前処理部3、周波数分析部4、官能変換部5、評価対象抽出部6、評価処理部7の作用に関する詳細は後述する。
【0021】
ここで、例えば、解析部2を中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)などとして、前述した前処理部3、周波数分析部4、官能変換部5、評価対象抽出部6、評価処理部7の作用をプログラムにより実行させるようにすることもできる。ただし、これに限定されるわけではなく、情報(データ)の演算処理が可能な演算処理装置を適宜選択することができる。
【0022】
格納部8は、各種の情報(データ)を格納するためのものである。例えば、入力部9を介して画像情報取得手段11より提供された画像情報(画像データ)、解析部2で作成された情報(データ)(例えば、1次元プロファイル、スカログラム、重み付け変換が行われたデータ、係数処理が行われたデータ、算出された評価値など)、解析部2の動作プログラムなどを格納するようなものを例示することができる。格納部8としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard disk drive)などを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく、情報(データ)の記録や読み出しを行うことができる記憶装置を適宜選択することができる。
【0023】
次に、画像評価装置1の作用について例示をする。
まず、画像情報取得手段11を用いてテスト画像(例えば、単一階調の画像など)から画像情報(画像データ)を取得する。この場合、所定範囲の画像情報(画像データ)を評価情報として評価の対象とすれば評価効率を向上させることができる。
【0024】
図2は、所定範囲の画像情報(画像データ)を抽出する様子を例示するための模式図である。なお、図2中の矢印XYは互いに直交する二方向を示しており、Xは副走査方向、Yは主走査方向を表している。副走査方向は、画像情報(画像データ)を取得する際、テスト画像または画像情報取得手段11を移動させる方向(走査方向B)であり、主走査方向は、これに直交する方向である。
【0025】
本実施の形態においては、図2に示すように、テスト画像全体の画像情報(画像データ)から所定範囲Aの画像情報(画像データ)を評価情報として取得するようにしているので、画像情報(画像データ)量を抑制することができる。そのため、評価効率を向上させることができる。なお、テスト画像全体の画像情報(画像データ)を取得し、これを評価の対象(評価情報)とすることもできる。
【0026】
次に、前処理部3により評価情報(2次元の画像情報)から輝度に関する1次元プロファイルが作成される。
ここで、1次元プロファイルを作成する際に1画素における変化をとらえるようにすると、ノイズの影響を大きく受けるおそれがある。そのため、本実施の形態においては、主走査方向に積算することで平均化するようにしている。このようにすればSN比(Signal to Noise Ratio)の高い1次元プロファイルを作成することができる。
【0027】
図3は、輝度に関する1次元プロファイルの作成を例示するための模式図である。なお、図3(a)は1次元プロファイルの作成手順を例示するための模式図、図3(b)は作成された1次元プロファイルを例示するための模式グラフ図である。
図3(a)に示すように、副走査方向における評価情報(所定範囲の2次元の画像情報)を主走査方向に積算することで輝度に関する1次元プロファイルを作成する。なお、図中のCに示すものは「すじ(縦縞)」、すなわちショックジッタが発生している様子を表している。ショックジッタは、人間が感知しやすく画像品質に大きな影響を与える。一方、評価情報には、ショックジッタの他にも人間が感知し難い「むら」などの定常ジッタも含まれている。この場合、人間が感知し難い定常ジッタは、ショックジッタと比べて画像品質に与える影響が少ないので、ショックジッタの抽出、評価が重要となる。
【0028】
ここで、1次元プロファイルにはショックジッタと定常ジッタとが混在することになる。例えば、図3(b)に例示をする1次元プロファイルにもショックジッタと定常ジッタとが混在することになる。この場合、図中のDに示す部分がショックジッタの部分である。ところが、1次元プロファイルにおいては、人間が感知しやすいショックジッタと人間が感知し難い定常ジッタとの差が僅かであるため単純な閾値処理などではこれらを分離することができない。そのため、1次元プロファイルだけではショックジッタの抽出や評価が困難となる。
【0029】
次に、周波数分析部4により、1次元プロファイルが周波数分析(例えば、ウェーブレット変換)される。そして、1次元プロファイルが周波数分析されることでショックジッタが抽出される。
周波数分析としては、例えば、ウェーブレット変換を例示することができる。ウェーブレット変換は、マザーウェーブレット(基本の波形信号)が、解析対象の信号にどれだけ含まれているかを原信号における位置およびマザーウエーブレットの周期の関数として算出する周波数分析方法である。マザーウェーブレットとしては特に限定がなく、例えば、モルレー(Morlet)のマザーウェーブレットなどを用いることができる。
【0030】
図4は、ウェーブレット変換を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。なお、図4は図3(a)におけるC部分に関するスカログラムを表している。また、信号強度をモノトーン色の濃淡で表し、信号強度が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示している。
図4に示すように、1次元プロファイルを周波数分析(ウェーブレット変換)すればショックジッタの位置やその大きさなどを明確にすることができる。そのため、ショックジッタの抽出や評価が行いやすくなる。
しかしながら、人間の視覚には感度特性があるため目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果とに乖離が生じる場合がある。そのため、本実施の形態においては視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行うことで、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との乖離が少なくなるようにしている。
【0031】
次に、官能変換部5により、視覚の感度特性に応じた重み付け変換が行われる。
図5は、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。なお、図中の■はショックジッタの評価結果を表し、□は「むら」などの定常ジッタの評価結果を表している。
図5に示すように、ショックジッタ、定常ジッタともに評価結果のバラツキが大きく、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係が低いことがわかる。この場合、相関係数R2は0.15程度であった。なお、相関係数R2は目視評価(官能評価)の結果との相関関係の程度を表し、目視評価(官能評価)の結果と一致する場合には相関係数R2は1となる。
【0032】
このように、人間の視覚には感度特性があるので単純に信号強度に基づく評価を行うようにすれば、目視評価(官能評価)の結果との乖離が大きくなるおそれがある。
そのため、図4に例示をしたようなスカログラムに対して、人間の視覚が有する周波数、明るさ、評価環境に対するコントラスト感度特性などに応じた重み付け変換を行うようにすることが好ましい。
【0033】
この場合、特許文献1に開示がされた重み付け変換を行うようにしても評価者の目視評価(官能評価)との相関関係を向上させることができないおそれがある。そのため、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価結果との乖離が大きくなって評価の信頼性を低下させるおそれがあった。
【0034】
本発明者は検討の結果、以下の(1)式に基づいて重み付け変換を行うようにすれば目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価結果との乖離を大幅に縮小することができるとの知見を得た。
【0035】
【数3】


ここで、Wは重み付け係数、fNoは周波数分割番号、σはガウス分布におけるσ、XmagはX方向倍率、XoffsetはX方向オフセット、YmagはY方向倍率、YoffsetはY方向オフセットである。
なお、周波数分割番号fNoは、周波数毎に予め定められた番号であり、この周波数分割番号fNoに基づいて、対応する周波数fが求められる。また、X方向は周波数分割番号fNoの軸の方向、Y方向は重み付け係数Wの軸の方向をいう。
図6は、重み付け変換を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。なお、信号強度をモノトーン色の濃淡で表し、信号強度が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示している。また、図6の右側に表す曲線Eは(1)式に基づく重み付け係数を表している。また、図6に示すスカログラムは、図4に示すスカログラムに(1)式に基づく重み付け変換を行った場合を表している。
【0036】
図6に示すように、(1)式に基づく重み付け変換を行うようにすればショックジッタの位置やその大きさなどをさらに明確にすることができる。そのため、ショックジッタの抽出や評価をさらに行いやすくなる。
【0037】
図7は、(1)式に基づく重み付け変換を行った場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。なお、図中の■はショックジッタの評価結果を表し、□は「むら」などの定常ジッタの評価結果を表している。
図6に例示したように、(1)式に基づく重み付け変換を行うようにすればショックジッタの抽出や評価がさらに行いやすくなる。また、定常ジッタに関してもその抽出や評価がさらに行いやすくなる。
【0038】
そのため、図7に示すようにショックジッタ、定常ジッタともに評価結果のバラツキを少なくすることができるので、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係を高めることができる。この場合、相関係数R2を0.85程度まで高めることができた。その結果、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価との乖離を大幅に少なくすることができるので、評価の信頼性を向上させることができる。すなわち、信号強度に基づいた評価を行っても、目視評価(官能評価)と同様の結果を得ることができるようになる。
【0039】
しかしながら、重み付け変換を行うようにすれば評価にとって必要のない信号成分も強調されてしまうことになる。
そのため、本実施の形態においては視覚の感度特性を考慮した係数α(閾値)による処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制するようにしている。
【0040】
次に、評価対象抽出部6により、重み付け変換が行われたデータ(スカログラム)が係数処理(閾値処理)される。すなわち、視覚の感度特性を考慮した係数αによる処理が行なわれる。
図8は、視覚の感度特性を考慮した係数αと相関係数R2との関係を例示するためのグラフ図である。なお、図中の■はショックジッタの場合を表し、□は「むら」などの定常ジッタの場合を表している。
図8に示すように、視覚の感度特性を考慮した係数α(以下、単に係数αという)を0.01以上とすれば相関係数R2を高くすることができる。また、係数を0.02とすれば、ショックジッタ、定常ジッタとも相関係数R2を高くすることができる。
そのため、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との乖離をさらに少なくすることができる。
【0041】
図9は、係数αを0.02とした場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。なお、図中の■はショックジッタの評価結果を表し、□は「むら」などの定常ジッタの評価結果を表している。
図9に示すように、係数αを0.02とすればショックジッタ、定常ジッタともに評価結果のバラツキをさらに少なくすることができる。そのため、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係をさらに高めることができる。この場合、相関係数R2を0.91程度まで高めることができた。
【0042】
図10は、係数αを0.03とした場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。なお、図中の■はショックジッタの評価結果を表し、□は「むら」などの定常ジッタの評価結果を表している。
図10に示すように、係数αを0.03としてもショックジッタ、定常ジッタともに評価結果のバラツキを少なくすることができる。しかしながら、図中のFに示すようにバラツキが大きくなる部分が生じる場合がある。この場合、相関係数R2は0.88程度と若干低下した。そのため、より精度の高い評価を行うためには係数αを0.03未満とすることが好ましい。
【0043】
図11は、係数αによる処理を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。なお、信号強度をモノトーン色の濃淡で表し、信号強度が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示している。また、図11の右側に示す曲線Gは係数αによる処理を表している。この場合、前述した重み付け変換を行った後に係数αによる処理を行うため、曲線Gは曲線Eと係数αとの積、すなわち重み付け係数Wと係数αとの積(W・α)となる。
また、図11に示すスカログラムは、図6に示すスカログラムに係数αによる処理を行った場合を表している。この場合の係数αは0.02である。
【0044】
図11に示すように、視覚の感度特性を考慮した係数αによる処理を行うようにすれば、評価にとって不要な信号成分を抑制することができる。そのため、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係をさらに高めることができる。なお、この場合の相関係数R2は0.91程度である(図9を参照)。その結果、ショックジッタの抽出や評価がさらに行いやすくなる。
【0045】
次に、評価処理部7により、官能変換部5による重み付け変換と評価対象抽出部6による係数処理が行われた画像情報から評価値が算出される。
例えば、重み付け変換と係数処理が行われた画像情報を周波数帯全域において積分し、その積分値から評価値が算出される。
そして、算出された評価値は、格納部8に格納されたり、出力部10を介して出力手段12に表示される。なお、出力手段12に解析部2における処理状況、各種データ、スカログラムなどを表示させることもできる。
【0046】
以上は、重み付け変換を行った後に係数αによる処理を行う場合であるが、係数αによる処理を行った後に重み付け変換を行うようにすることもできる。この場合は、図1に例示をした画像評価装置1において、評価対象抽出部6の後段に官能変換部5を設けるようにすればよい。
なお、(1)式によらない重み付け変換を行う場合であっても係数αによる処理を行うようにすれば、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係を高めることができる。ただし、(1)式に基づく重み付け変換を行うようにした方がより高い相関関係を得ることができる。また、先に係数αによる処理を行う場合には、単に定数(例えば、0.02)を積算すればよいので、算出処理の簡易化を図ることができる。
【0047】
次に、本実施の形態にかかる画像評価方法について例示をする。なお、画像評価装置1の作用について例示をしたものと同様の事項については、その説明を適宜省略する。
図12は、本実施の形態にかかる画像評価方法を例示するためのフローチャートである。
まず、評価情報(2次元の画像情報)から輝度に関する1次元プロファイルを作成する(ステップS1)。すなわち、テスト画像より取得された画像情報から輝度に関する1次元プロファイルを作成する。
この場合、例えば、前述したもののように評価情報(2次元の画像情報)を主走査方向に積算して平均化すれば、SN比(Signal to Noise Ratio)の高い1次元プロファイルを作成することができる。
【0048】
次に、1次元プロファイルを周波数分析することでショックジッタを抽出する(ステップS2)。
周波数分析としては、例えば、ウェーブレット変換を例示することができる。
【0049】
次に、視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う(ステップS3)。すなわち、周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う。
この場合、前述した(1)式に基づいて重み付け変換を行うようにすることができる。そのようにすればショックジッタの位置やその大きさなどをさらに明確にすることができる。そのため、ショックジッタの抽出や評価がさらに行いやすくなる。
【0050】
次に、重み付け変換が行われた画像情報に対して、視覚の感度特性を考慮した係数αによる処理(閾値処理)を行う(ステップS4)。すなわち、重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する。
係数αとしては、例えば、図8において例示をしたものとすることができる。
【0051】
次に、重み付け変換と係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する(ステップS5)。
例えば、重み付け変換と係数処理が行われた画像情報を周波数帯全域において積分し、その積分値から評価値を算出する。
【0052】
以上は、重み付け変換を行った後に係数αによる処理を行う場合であるが、係数αによる処理を行った後に重み付け変換を行うようにすることもできる。この場合は、例えば、ステップS3において、周波数分析された画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する。そして、ステップS4において、係数処理が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行うようにすればよい。すなわち、重み付け変換を行う工程と、係数αによる処理を行う工程とが含まれていればよい。
【0053】
なお、(1)式によらない重み付け変換を行う工程であっても係数αによる処理を行う工程が含まれていれば、目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との相関関係を高めることができる。ただし、(1)式に基づく重み付け変換を行うようにした方がより高い相関関係を得ることができる。また、先に係数αによる処理を行う場合には、単に定数(例えば、0.02)を積算すればよいので、算出処理の簡易化を図ることができる。
【0054】
次に、他の実施の形態にかかる画像評価方法について例示をする。
前述したものの場合には、所定範囲の画像情報(画像データ)を評価情報として評価の対象としたが、本実施の形態においては、評価範囲を適宜変更するようにしている。例えば、画像形成装置の構造などによってはショックジッタが発生する位置を予め予想することができる場合がある。また、発生したショックジッタを低減させる措置(例えば、画像形成装置の調整など)を行った後に、措置の効果を確認する場合がある。このような場合には、評価を行う位置を予め特定することができる。そのため、評価範囲を適宜変更することができれば、特定された位置における評価のみを行うことができるので、評価効率をさらに向上させることができる。
【0055】
図13は、評価範囲の変更を例示するための模式図である。なお、図13(a)は評価範囲の選定を例示するための模式図、図13(b)は選定された評価範囲のスカログラムを例示するための模式図である。
評価を行う位置を予め特定することができる場合には、図13(a)に示すように特定された位置における評価範囲H1〜H3を適宜選定する。評価範囲H1〜H3の選定は、入力部9に接続された図示しない入力手段などから行うことができる。
【0056】
そして、選定された評価範囲H1〜H3における1次元プロファイルが前述したものの場合と同様にして作成され、ウェーブレット変換が行われることで図13(b)に示すようなスカログラムが作成される。また、作成されたスカログラムに対して重み付け変換、係数処理(閾値処理)が行われ、評価値が算出される。
本実施の形態によれば、特定された位置における評価のみを行うことができるので、評価効率をさらに向上させることができる。なお、評価範囲の大きさ、位置、数などは例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0057】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置について例示をする。
図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置について例示をするための模式図である。なお、図14(a)は画像形成装置の模式断面図、図14(b)はテスト画像を例示するための模式図である。また、図14(a)の図中に記載された矢印は媒体(用紙)が搬送される様子を表している。
図14(a)に示すように、画像形成装置100には、本実施の形態にかかる画像評価装置1、画像情報取得部101、画像形成部102、媒体供給部103、排紙部104が設けられている。
【0058】
画像情報取得部101は、画像情報(画像データ)を取得するためのものである。例えば、原稿台105上に載置された原稿(画像)を図示しない蛍光灯や反射ミラーなどを用いて走査し、原稿(画像)からの反射光(光信号)をCCD(Charge Coupled Device)方式やCIS(Contact Image Sensor)方式のイメージセンサなどを用いてデジタル画像信号(画像情報)に変換するようなものを例示することができる。
【0059】
画像形成部102は、取得された画像情報に基づいて、媒体(用紙)上に画像を形成させるためのものである。例えば、以下のようにして媒体上に画像を形成させるようなものを例示することができる。
【0060】
変換されたデジタル画像信号(画像情報)に対して、図示しない画像処理手段によりフィルタ処理、濃度変換、γ変換などを行い、画像形成部102に設けられた図示しない半導体レーザを駆動するための画像信号に変換する。そして、この画像信号に基づいて図示しない半導体レーザを駆動することで、感光体ドラム106上に画像情報に基づいた静電潜像を形成させる。感光体ドラム106上の静電潜像は、図示しない現像器からのトナーによりトナー像として顕像化される。感光体ドラム106上に形成されたトナー像は、媒体供給部103から供給された媒体上に転写、定着されることで媒体上に画像が形成される。
【0061】
媒体供給部103は、画像形成前の媒体を収納し、これを一枚ずつ切り出して画像形成部102に供給するためのものである。画像形成部102に供給された媒体は、図中矢印に示すように画像形成部102内を搬送され、感光体ドラム106上に形成されたトナー像が転写、定着される。
排紙部104は、画像が形成された媒体(トナー像が転写、定着された媒体)を収納、集積する。
ここで、本実施の形態にかかる画像形成装置100には、前述した画像評価装置1が設けられているので、画像の形成のみならず画像評価をも行うことができる。
【0062】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における画像評価について例示をする。
画像形成装置100における画像評価においては、他の画像形成装置などにより形成された画像の評価(他の画像形成装置などの診断)を行うこともできるが、ここでは当該画像形成装置100により形成された画像の評価、すなわち画像形成装置の自己診断方法について例示をする。なお、他の画像形成装置により形成された画像の評価(他の画像形成装置の診断方法)に関しては、前述した画像評価装置1の作用と同様のためその説明は省略する。
【0063】
画像形成装置100の自己診断においては、当該画像形成装置100により、媒体上に図14(b)に例示をするような単一階調のテスト画像が形成される。そして、このテスト画像から画像情報(画像データ)が画像情報取得部101により取得され、前述した評価情報として画像評価装置1に送られる。画像評価装置1においては、前述したものと同様の処理が行われ評価値が算出される。
【0064】
この評価結果(自己診断結果)に基づいて、画像形成装置100の調整や修理を行うようにすることができる。この場合、評価結果に対応する原因を経験上知ることができるので、評価結果に基づいて作業者やサービスマンが不具合箇所を特定し、メンテナンスを行うことができるようになる。また、評価結果に基づいて自動調整(例えば、搬送用モータの回転速度などの自動調整など)を行うことが可能となる。
【0065】
また、この画像評価はサービスマンが定期メンテナンスにおいて行うこともできるし、予め設定したタイミングで自動実行することもできる。また、ユーザが実行することもできる。
また、定期的に測定した評価結果を傾向管理することで、故障の予兆を察知し、メンテナンスを促すことができる。
また、定期的に測定した評価結果を、画像形成装置の製造メーカーのサーバに通信ネットワークを経由させて自動収集させることもできる。そのようにすれば、使用地域、使用環境(温度、湿度など)、媒体(用紙)の種類や品質、使用頻度、出力数などに対する統計的なデータを収集、解析することができる。そのため、確度の高い営業活動やサービス(メンテナンス、媒体(用紙)やトナーなどの消耗品の直接販売、次世代機種の売り込み、機種追加など)などの新たなビジネスモデルを構築することができる。
【0066】
次に、他の実施の形態にかかる画像形成装置および画像形成装置の診断方法について例示をする。
図15は、本実施の形態にかかる画像形成装置110について例示をするための模式図である。図15(a)は画像形成装置110の模式断面図、図15(b)は診断用の媒体120の模式平面図、図15(c)は診断用の媒体120に設けられた検出パターン121の模式部分拡大図である。また、図15(a)の図中に記載された矢印は媒体(用紙)が搬送される様子を表している。なお、前述した画像評価装置1、画像形成装置100において例示をした構成要素と同様のものには同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0067】
図15(a)に示すように、画像形成装置110には、本実施の形態にかかる画像評価装置1、画像情報取得部101、画像形成部102、媒体供給部103、排紙部104が設けられている。
本実施の形態にかかる画像形成装置100には、媒体の搬送経路に設けられ、診断用の媒体120に設けられた検出パターン121を検出する検出手段111が備えられている。検出手段111は、媒体の搬送経路に沿って設けられている。
また、感光体ドラム106の下流側には画像情報取得手段11が設けられている。画像情報取得手段11は、診断用の媒体120に形成されたテスト画像から画像情報(画像データ)を取得するためのものである。
【0068】
また、図15(b)に示すように、本実施の形態にかかる画像形成装置の診断方法に用いられる診断用の媒体120には、検出パターン121が設けられている。検出パターン121は、診断用の媒体120が搬送される際の速度変動を検出するためのものである。そのため、検出パターン121は診断用の媒体120の搬送方向に沿って設けられている。例えば、図15(b)に示すように搬送方向に略平行な側の両端面に沿って設けられている。
【0069】
検出パターン121は、図15(b)、(c)に示すように、等ピッチに設けられた棒状の印字パターンとすることができる。ただし、図15(b)、(c)に例示をしたものに限定されるわけではなく、パターンの形状、大きさ、ピッチなどは適宜変更することができる。また、印字パターンに限定されるわけではなく、等ピッチに設けられた孔などとすることもできる。
【0070】
検出手段111は、例えば、光学センサなどとすることができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、媒体の搬送経路に沿って設けられた検出ヘッドと画像情報取得手段11とを光ファイバなどで接続し、検出パターン121の画像を画像情報取得手段11の検出部上に結像させるようなものであってもよい。そのようにすれば、光学センサなどを別途配設する必要がないので構成の簡略化を図ることができる。
【0071】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置110の診断方法について例示をする。
図16は、診断の様子を例示するための模式図である。
本実施の形態にかかる画像形成装置110の診断方法においては、図16に例示をするような単一階調の画像120aを画像形成装置110により形成する。そして、この画像をテスト画像として画像情報取得部11により画像情報(画像データ)が取得され、評価情報120bとして画像評価装置1に送られる。画像評価装置1においては、前述したものと同様の処理が行われ評価値が算出される。
【0072】
また、診断用の媒体120を搬送する際の各部分における速度変動が検出手段111により検出される。すなわち、診断用の媒体120に設けられた検出パターン121を検出することで、媒体120を搬送する際の速度変動が検出される。
そして、テスト画像の評価結果(評価値)と速度変動とに基づいて、不具合原因の解析が行われる。なお、不具合原因の解析は、図示しない演算装置により行わさせるようにすることもできるし、図示しない表示装置に表示させることで評価者に判断させるようにすることもできる。
【0073】
本実施の形態によれば、不具合原因の解析を容易に行うことができるようになる。例えば、速度変動が大きくなるとショックジッタが発生しやすくなるので、速度変動と評価値とから搬送系における不具合箇所を特定することができるようになる。また、診断用の媒体120の両端におけるズレを検出することができるので、搬送におけるヨレも測定することができるようになる。また、評価情報120bから搬送速度の変動による成分を減算することで、速度変動以外が原因のショックジッタなどを抽出することができるようになる。また、複数の検出手段111で同時刻に起きている速度変動を抽出することで振動成分を抽出することができるようになる。
【0074】
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、画像評価装置1、画像形成装置100、画像形成装置110が備える各要素の形状、寸法、配置、数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施の形態に係る画像評価装置を例示するためのブロック図である。
【図2】所定範囲の画像情報(画像データ)を抽出する様子を例示するための模式図である。
【図3】輝度に関する1次元プロファイルの作成を例示するための模式図である。
【図4】ウェーブレット変換を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。
【図5】目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。
【図6】重み付け変換を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。
【図7】(1)式に基づく重み付け変換を行った場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。
【図8】視覚の感度特性を考慮した係数と相関係数との関係を例示するためのグラフ図である。
【図9】係数αを0.02とした場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。
【図10】係数αを0.03とした場合における目視評価(官能評価)の結果と信号強度に基づく評価の結果との関係を例示するための模式グラフ図である。
【図11】係数αによる処理を行うことで作成されたスカログラムを例示するための模式図である。
【図12】本実施の形態にかかる画像評価方法を例示するためのフローチャートである。
【図13】評価範囲の変更を例示するための模式図である。
【図14】本実施の形態にかかる画像形成装置について例示をするための模式図である。
【図15】本実施の形態にかかる画像形成装置110について例示をするための模式図である。
【図16】診断の様子を例示するための模式図である。
【符号の説明】
【0076】
1 画像評価装置、2 解析部、3 前処理部、4 周波数分析部、5 官能変換部、6 評価対象抽出部、7 評価処理部、8 格納部、11 画像情報取得手段、100 画像形成装置、101 画像情報取得部、102 画像形成部、103 媒体供給部、104 排紙部、110 画像形成装置、120 診断用の媒体、121 検出パターン、R2 相関係数、α 係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する前処理部と、
前記1次元プロファイルを周波数分析する周波数分析部と、
前記周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う官能変換部と、
前記重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する評価対象抽出部と、
前記係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する評価処理部と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項2】
画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する前処理部と、
前記1次元プロファイルを周波数分析する周波数分析部と、
前記周波数分析された画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する評価対象抽出部と、
前記係数処理が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う官能変換部と、
前記重み付け変換が行われた画像情報から評価値を算出する評価処理部と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項3】
前記重み付け変換は、以下の[数1]に基づいて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の画像評価装置。
【数1】


ここで、Wは重み付け係数、fNoは周波数分割番号、σはガウス分布におけるσ、XmagはX方向倍率、XoffsetはX方向オフセット、YmagはY方向倍率、YoffsetはY方向オフセットである。
【請求項4】
画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する工程と、
前記1次元プロファイルを周波数分析する工程と、
前記周波数分析された画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う工程と、
前記重み付け変換が行われた画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する工程と、
前記係数処理が行われた画像情報から評価値を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項5】
画像データから輝度に関する1次元プロファイルを作成する工程と、
前記1次元プロファイルを周波数分析する工程と、
前記周波数分析された画像情報に対して係数処理を行うことで評価対象以外の信号強度を抑制する工程と、
前記係数処理が行われた画像情報に対して視覚の感度特性に応じた重み付け変換を行う工程と、
前記重み付け変換が行われた画像情報から評価値を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項6】
前記重み付け変換は、以下の[数2]に基づいて行われることを特徴とする請求項4または5に記載の画像評価方法。
【数2】


ここで、Wは重み付け係数、fNoは周波数分割番号、σはガウス分布におけるσ、XmagはX方向倍率、XoffsetはX方向オフセット、YmagはY方向倍率、YoffsetはY方向オフセットである。
【請求項7】
画像に関する情報を取得する画像情報取得手段と、
前記取得された画像に関する情報に基づいて、媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記媒体上に形成された画像の画像データに基づいて評価を行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像評価装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
媒体の搬送経路に設けられ、媒体に設けられた検出パターンを検出する検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
媒体上にテスト画像を形成する工程と、
請求項4〜6のいずれか1つに記載の画像評価方法により前記テスト画像の評価を行う工程と、
を含むことを特徴とする画像形成装置の診断方法。
【請求項10】
診断用の媒体に設けられた検出パターンを検出することで、前記媒体を搬送する際の速度変動を検出する工程と、
前記テスト画像の評価結果と、前記速度変動と、に基づいて、不具合原因の解析を行う工程と、
を含むことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置の診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図15】
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【図4】
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【図6】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−74680(P2010−74680A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241795(P2008−241795)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】