説明

画像送信装置、画像送信プログラム、及び画像表示システム

【課題】画像を適切に説明する情報を画像ファイルに追加できる画像送信装置、画像送信プログラム、及び画像表示システムを提供する。
【解決手段】画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信部91と、受信部91が受信した電子メールから、電子メールに添付された画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出部92と、抽出部92が抽出した説明情報を、画像ファイルへ追加する追加部95と、追加部95が説明情報を追加した画像ファイルを送信する送信部98とを備える。これによれば、画像が添付された電子メールから説明情報を抽出するため、画像を適切に説明する情報を画像ファイルに追加して送信できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイルを送信する画像送信装置及び画像送信プログラム、並びに画像ファイルを表示する画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1には、画像ファイルのヘッダー部に記述されたタイトル情報をタイトル用画像に変換した後に、タイトル用画像とサムネイル画像とを合成して表示することで、タイトル付きのサムネイル画像を表示する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−197822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術は、画像ファイルにタイトル情報を追加するために、パーソナル・コンピュータ上で実行される専用ソフトウェアをユーザーが操作する必要があるため、情報の追加が困難であり労力を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、画像を適切に説明する情報を画像ファイルに容易に追加できる画像送信装置、画像送信プログラム、及び画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る画像送信装置は、
画像ファイルを送信する画像送信装置であって、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから、前記電子メールに添付された前記画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを送信する送信手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また上記目的を達成するため、本発明の第二の観点に係る画像送信プログラムは、
画像ファイルを送信する画像送信プログラムであって、
コンピュータを、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから、前記電子メールに添付された前記画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを送信する送信手段と、して機能させることを特徴としている。
【0008】
更に上記目的を達成するため、本発明の第三の観点に係る画像表示システムは、
画像ファイルが表す画像を表示する画像表示システムであって、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから、前記電子メールに添付された前記画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルに基づいて、前記画像と前記画像の説明とを関連付けて表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像送信装置、画像送信プログラム、及び画像表示システムによれば、画像を適切に説明する情報を画像ファイルへ容易に追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像表示システムの一例を表すシステム構成図である
【図2】本発明に係る画像送信装置の一例を表すハードウェア構成図である。
【図3】画像送信装置が受信する電子メールの一例を表す図である。
【図4】画像送信装置が合成する画像の一例を表す図である。
【図5】画像送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。
【図6】画像表示装置が表示する画像の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る画像表示システムの一例を表すシステム構成図である。
図1に示す画像表示システム1は、画像ファイルを添付した電子メールを受信した後に、受信した電子メールから添付された画像を説明する説明情報を抽出する。通常、画像ファイルが添付された電子メールの内容は、画像ファイルが表す画像に関連した情報を含むからである。その後、画像表示システム1は、抽出した説明情報と、説明情報が説明する画像とを関連付けて表示する。尚、これに限定される訳ではなく、画像表示システム1は、画像ファイルを掲載したHP(Home Page)又は画像ファイルを添付した文書ファイルから説明情報を抽出しても良い。また、電子メールに添付される画像ファイルは、静止画像のみならず動画像を表す電子ファイルであっても良い。
【0013】
画像表示システム1は、通信網10、撮影装置31から33、端末装置39、画像表示装置51から53、及び画像送信装置90で構成される。通信網10は、インタネットである。尚、通信網10は、LAN(Local Area Network)又は公衆回線網であっても良い。
【0014】
撮影装置31は、例えば、撮影機能及び電子メールの送受信機能を有した携帯電話で構成される。撮影装置32及び33は、例えば、デジタルカメラで構成される。尚、撮影装置31から33は、デジタルビデオカメラであっても良い。本実施例において、撮影装置32は電子メールの送受信機能を有するが、撮影装置33は電子メールの送受信機能を有しないとして説明する。
撮影装置31から33は、画像を撮影して画像ファイルを生成する。撮影装置31及び32は、電子メールに画像ファイルを添付した後に、通信網10を介して画像送信装置90へ電子メールを送信する。尚、撮影装置33は電子メール送信機能を有しないため、画像ファイルを端末装置39へ出力する。端末装置39は、撮影装置31及び32と同様に、電子メールに画像ファイルを添付した後に、通信網10を介して電子メールを画像送信装置90へ送信する。尚、端末装置39は、例えば、パーソナル・コンピュータで構成される。
【0015】
画像表示装置51から53は、例えば、デジタルフォトフレームで構成される。尚、画像表示装置51から53は、パーソナル・コンピュータ、デジタルテレビ、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、携帯型ビデオプレーヤー、又はPDA(Personal Digital Assistant)であっても良い。
画像表示装置51から53は、通信網10を介して画像送信装置90から画像ファイルを受信する。次に、画像表示装置51から53は、受信した画像ファイルが表す画像を表示する。例えば、画像表示装置51から53は、複数の画像を所定の周期で所定の順番に表示する。
【0016】
以下、画像表示装置51から53の相違について説明する。画像表示装置51は、ヘッダー表示機能及びメール表示機能を有しない。画像表示装置52は、ヘッダー表示機能を有するが、メール表示機能を有しない。画像表示装置53は、ヘッダー表示機能及びメール表示機能を有する。尚、ヘッダー表示機能とは、画像ファイルのヘッダー部(つまり、ヘッダー領域)に追加された情報を、画像ファイルが表す画像と関連付けて表示する機能をいう。また、メール表示機能とは、電子メールの内容を、電子メールに添付された画像と関連付けて表示する機能をいう。
【0017】
画像送信装置90は、メールサーバで構成される。画像送信装置90は、撮影装置31若しくは32、又は端末装置39から画像ファイルを添付された電子メールを受信した後に、電子メールから説明情報を抽出する。次に、画像送信装置90は、電子メールに添付された画像ファイルへ説明情報を追加する。その後、画像送信装置90は、説明情報を追加された画像ファイルを画像表示装置51から53のいずれか1つ以上へ送信する。
【0018】
次に、図2を参照して、画像送信装置90の構成について説明する。図2(a)は、画像送信装置90のハードウェア構成の一例を表す図である。
図2(a)に示す様に、画像送信装置90は、演算部90a、主記憶部90b、補助記憶部90c、入力部90d、表示部90e、及び通信部90fで構成される。演算部90aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。演算部90aは、主記憶部90b又は補助記憶部90cに保存されたプログラムに従ったソフトウェア処理を実行することで、画像送信装置90の全体制御を行う。主記憶部90bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)で構成される。補助記憶部90cは、例えば、ハードディスクドライブで構成される。尚、補助記憶部90cは、フラッシュメモリ又はDVDドライブ(Digital Versatile Disc)で構成される実施例を採用できる。
【0019】
入力部90dは、例えば、キーボード又はマウスで構成される。表示部90eは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。入力部90d及び表示部90eは、ユーザーインターフェースを提供する。通信部90fは、例えば、ネットワークカードで構成される。通信部90fは、通信網10を介して接続する装置と情報通信を行う。
【0020】
次に、図2(b)を参照して、画像送信装置90の機能について説明を行う。
画像送信装置90は、受信部91、抽出部92、記憶部93、判断部94、追加部95、削除部96、添付部97、及び送信部98で構成される。
受信部91は、通信部90fによって実現される。受信部91は、通信網10を介して接続する撮影装置31若しくは32又は端末装置39から、画像ファイルが添付された電子メールを受信する。
【0021】
抽出部92は、演算部90aがソフトウェア処理を実行することで実現される。抽出部92は、受信部91が受信した電子メールから、電子メールに添付された画像ファイルを説明する説明情報を抽出する。具体例としては、図3(a)に示す様に、抽出部92は、電子メールの「題名」又は「表題」から添付画像の題名を表す題名情報又は表題を表す表題情報を抽出する。その後、抽出部92は、題名情報又は表題情報の一部又は全部を説明情報とする。通常、電子メールの題名は電子メールの内容を説明し、電子メールにはメールの内容に関連した画像が添付されるからである。よってこの構成によれば、添付された画像をより適切に説明する情報を抽出できる。また、電子メールを送信する装置が、ユーザーに対して電子メールの題名に添付画像の題名を記載することを促す表示を行う構成を採用できる。この構成によれば、添付された画像をより確実に説明する情報を抽出できる。
【0022】
また他の具体例としては、抽出部92は、予め定められたキーワードに基づいて電子メールの内容から説明情報を抽出する。より具体的には、図3(a)に示す様に、抽出部92は、「日付」若しくは「時刻」というキーワードから、画像の撮影日付若しくは時刻を表す日付情報又は時刻情報を抽出する。また抽出部92は、「場所」というキーワードから画像の撮影場所を表す場所情報を抽出する。更に、抽出部92は、「撮影者」というキーワードから画像の撮影者を表す撮影者情報を抽出する。その後、抽出部92は、日付情報、時刻情報、又は場所情報の一部又は全部を説明情報とする。尚、抽出部92は、「日付」若しくは「時刻」というキーワードから、画像が添付された電子メールの送信日付若しくは時刻を表す日付情報又は時刻情報を抽出しても良い。また、抽出部92は、「場所」というキーワードから電子メールの送信場所を表す場所情報を抽出しても良い。
【0023】
尚、抽出部92は、電子メールの内容を形態素解析した後に、解析結果に基づいてキーワードの後に続く単語を説明情報として抽出する構成を採用できる。また、キーワードは上記のものに限定される訳ではなく、抽出部92は、「撮影対象」というキーワードに基づいて、撮影された物、場所、動物、又は人物を説明する説明情報を抽出しても良い。また、抽出部92は、「メッセージ」というキーワードに基づいて、画像を表示されるユーザーに対して表示されるメッセージを抽出しても良い。この構成によれば、任意のキーワードに基づいて、電子メールの内容中から任意の説明情報を抽出できる。
【0024】
次に、図2(b)に戻り、画像送信装置90の構成について引き続き説明する。
記憶部93は、主記憶部90b又は補助記憶部90cによって実現される。記憶部93は、画像ファイルを送信される送信先の装置(つまり、画像表示装置51から53のいずれか1つ)を識別する識別情報と、送信先の装置が有する機能を表す機能情報とを対応付けた複数組の対応情報を記憶する。尚、本実施例において、機能を表す情報は、ヘッダー表示機能及び電子メール表示機能を含む。また、送信先の装置を識別する情報は、IP(Internet Protocol)アドレスであっても、送信先の装置が受信する電子メールのアドレスであっても構わない。更に、記憶部93は、送信先の識別情報と、送信先に適した画像補正を表す情報及び送信先に適したリサイズ設定を表す情報とを対応付けた情報を記憶する。
【0025】
判断部94は、演算部90aがソフトウェア処理を実行することで実現される。判断部94は、送信部98によって画像ファイルを送信される送信先の装置がヘッダー表示機能を有するか否かを判断する。また、判断部94は、送信先の装置がメール表示機能を有するか否かを判断する。具体例としては、判断部94は、記憶部93が記憶する複数組の対応情報を参照する。次に、判断部94は、送信部98が画像ファイルを送信する装置の識別情報を取得する。その後、判断部94は、参照した複数組の対応情報から、送信先の装置を識別する識別情報に対応する機能情報を特定する。また同様に、判断部94は、記憶部93が記憶する情報を参照することで、送信先に適した画像補正及びリサイズを判断する。尚、判断部94は、送信部98が画像ファイルを送信する送信先の装置を、電子メールの宛先に基づいて判断する構成を採用できる。
【0026】
追加部95は、演算部90aがソフトウェア処理を実行することで実現される。追加部95は、抽出部92が抽出した説明情報を、受信部91が受信した画像ファイルへ追加する。具体的には、送信先の装置がヘッダー表示機能を有すると判断部94が判断した場合に、追加部95は、説明情報を画像ファイルのヘッダー領域へ追加する。逆に、送信先の装置がヘッダー表示機能を有しないと判断部94が判断した場合には、説明情報を表す文字画像を画像ファイルの画像データ領域へ追加する。この構成によれば、送信先の装置がヘッダー表示機能を有するか否かに応じて説明情報を追加する画像ファイル上の位置を適切に変更できる。尚、追加部95は、送信先に適した画像補正及びリサイズであると判断部94が判断した補正及びリサイズを、送信先に送信する画像データに対して施しても良い。
【0027】
ここで、図3及び図4を参照して、追加部95の処理について詳細に説明する。
図3(b)は、追加部95が説明情報を追加する画像ファイルの一例を表す図である。図3(b)に示す画像ファイル80は、例えば、EXIFフォーマット(EXchangeable Image File)のファイルである。画像ファイル80は、ヘッダー部81と画像データ部82とで構成される。ヘッダー部81は、ヘッダー情報を格納するヘッダー領域である。画像データ部82は、図4(a)に示す画像を表す画像データを格納する画像データ領域である。尚、ヘッダー情報は、例えば、ファイルを管理するための情報を含む。また図示を省略するが、ヘッダー部81は、ファイルを管理するための情報を格納するヘッダー管理領域、及び格納する情報が未定であるヘッダー拡張領域を有する。
【0028】
追加部95は、送信先がヘッダー表示機能を有する場合には、図3(c)に示す様に、説明情報をテキスト情報のままヘッダー部81のヘッダー拡張領域へ追加する。尚、ヘッダー部81へ追加された説明情報は、図3(a)に示す電子メールから抽出された情報である。
【0029】
逆に、送信先がヘッダー表示機能を有しない場合には、追加部95は、図4(b)に示す文字画像を生成する。尚、この文字画像は説明情報を表す画像である。次に、追加部95は、図4(a)の画像と、図4(b)の文字画像とを合成して、図4(c)に示す合成画像を生成する。その後、図3(d)に示す様に、追加部95は、画像データ部82のデータを、合成画像を表す画像データに置き換える。
尚、画像送信装置90は、書き換え前の画像データを保存及び管理している。このため、画像送信装置90は、画像表示装置51から53からの要求に応答して、書き換え前の画像データを返信する構成を採用できる。
【0030】
次に、図2(b)に戻り、画像送信装置90の構成について引き続き説明する。
削除部96は、演算部90aがソフトウェア処理を実行することで実現される。削除部96は、受信部91が受信した電子メールから、抽出部92が抽出した説明情報を削除する。具体例としては、図3(e)に示す様に、削除部96は、キーワードに基づいて電子メールの本文から抽出された説明情報を、図3(a)に示した電子メールの本文から削除する。
【0031】
添付部97は、演算部90aがソフトウェア処理を実行することで実現される。添付部97は、送信先の装置がメール表示機能を有すると判断部94が判断した場合に、削除部96が説明情報を削除した電子メールに対して、追加部95が説明情報を追加した画像ファイルを添付する。
【0032】
送信部98は、例えば、通信部90fによって実現される。送信部98は、追加部95が説明情報を追加した画像ファイルを、表示画像装置51から53のいずれか1つ以上へ送信する。尚、送信部98は、画像ファイルを電子メールに添付した状態で送信先へ送信しても良いし、画像ファイル単体で送信先へ送信しても良い。
特に、送信部98は、送信先の装置がメール表示機能を有すると判断部94が判断した場合には、添付部97によって画像ファイルを添付された電子メールを送信する。逆に、送信部98は、送信先の装置がメール表示機能を有しないと判断部94が判断した場合には、追加部95が説明情報を追加した画像ファイルを送信する。この構成によれば、送信先の装置がメール表示機能を有する場合に、説明情報が削除された電子メールに、説明情報が追加された画像ファイルを添付して送信するため、説明情報の重複を防止して効率的に画像と画像の説明とを表すデータを送信できる。
【0033】
次に、図5を参照して、画像送信装置90が実行する処理について説明する。図5は、画像送信装置90が実行する処理の一例を表すフローチャートである。
先ず、画像送信装置90は、電子メールを撮影装置31から33のいずれかから受信する(ステップS01)。次に、画像送信装置90は、電子メールに画像ファイル80が添付されているか否かを判断する(ステップS02)。画像送信装置90は、電子メールに画像ファイル80が添付されていないと判断した場合には(ステップS02;No)、処理の実行を終了する。
【0034】
画像送信装置90は、電子メールに画像ファイル80が添付されていると判断した場合には(ステップS02;Yes)、電子メール内から説明情報を表すテキストデータを抽出する(ステップS03)。次に、画像送信装置90は、抽出したテキストデータを画像ファイル80のヘッダー部81(つまり、ヘッダー領域)へ追加する(ステップS04)。その後、画像送信装置90は、画像ファイル80の送信先がメール表示に対応しているか否かを判断する(ステップS05)。つまり、画像送信装置90は、送信先がメール表示機能を有するか否かを判断する。
【0035】
画像送信装置90は、画像ファイル80の送信先がメール表示に対応していないと判断した場合には(ステップS05;No)、送信先がテキスト表示に対応しているか否かを判断する(ステップS06)。つまり、画像送信装置90は、送信先がヘッダー表示機能を有するか否かを判断する。
【0036】
画像送信装置90は、画像ファイル80の送信先がテキスト表示に対応していると判断した場合には(ステップS06;Yes)、フォトフレームで構成される画像表示装置52へ、ステップS04で説明情報を表すテキストデータをヘッダー部81に追加した画像ファイル80を送信する(ステップS07)。画像表示装置52は、メール表示機能を有さないがヘッダー表示機能を有するためである。その後、画像送信装置90は、処理の実行を終了する。
【0037】
画像送信装置90は、画像ファイル80の送信先がテキスト表示に対応していないと判断した場合には(ステップS06;No)、説明情報を表すテキストデータを画像化する(ステップS08)。次に、画像送信装置90は、添付ファイルが表す画像と、テキストデータを画像化したテキスト画像とを合成する(ステップS09)。その後、画像送信装置90は、合成した画像を表す画像データを格納した画像ファイル80を、例えば、フォトフレームで構成される画像表示装置51へ送信する(ステップS10)。画像表示装置51は、メール表示機能及びヘッダー表示機能の双方を有しないためである。その後、画像送信装置90は、処理の実行を終了する。
【0038】
画像送信装置90は、画像ファイル80の送信先がメール表示に対応していると判断した場合には(ステップS05;Yes)、画像ファイル80に付加したテキストデータをメール本文から削除する(ステップS11)。次に、画像送信装置90は、ステップS04でテキストデータをヘッダー部81に追加した画像データをメール本文に添付する(ステップS12)。本実施例において、メール表示機能を有する画像表示装置53は、ヘッダー表示機能をも有するためである。尚、画像送信装置90は、送信先がメール表示機能及びヘッダー表示機能の双方を有すると判断した場合にのみ、説明情報を画像ファイル80のヘッダー部81に追加すると共に、電子メールから説明情報を削除する構成を採用できる。また、画像送信装置90は、送信先がメール表示機能を有するが、ヘッダー表示機能を有しないと判断した場合に、説明情報を表す画像を画像ファイル80が表す画像に合成すると共に、電子メールから説明情報を削除する構成を採用できる。
ステップS12を実行した後に、画像送信装置90は、画像データを添付した電子メールを画像表示装置53へ送信する(ステップS13)。その後、画像送信装置90は、処理の実行を終了する。
【0039】
これらの構成によれば、ユーザーが画像ファイル毎に、説明情報を追加又は編集する必要がない。特に、ユーザーが画像ファイル毎に、画像ファイルのヘッダー部に格納されたデータが説明情報を表す様に編集する必要がない。またこれらの構成によれば、ユーザーが画像ファイル毎に、送信先の装置が有する機能に応じた画像ファイルの送信方法を指定する必要がない。
【0040】
最後に、図4及び6を参照して、画像表示装置51から53の処理について説明する。
画像表示装置51は、ヘッダー表示機能及びメール表示機能の双方を有しない。このため、画像表示装置51は、図4(c)に示す合成画像を表す画像ファイル80のみを画像送信装置90から受信する。その後、図4(d)に示す様に、画像表示装置51は、受信した画像ファイル80に基づいて、説明情報を表す文字画像を合成された合成画像を画像表示装置51が有する表示部に表示する。
【0041】
画像表示装置52は、ヘッダー表示機能を有するがメール表示機能を有しない。このため、画像表示装置52は、ヘッダー部81に説明情報を追加された画像ファイル80のみを画像送信装置90から受信する。次に、画像表示装置52は、ヘッダー部81の説明情報に基づいて、図6(a)に示す文字画像を生成する。その後、画像表示装置52は、画像データ部82に格納された画像データに基づいた図6(b)の画像と、図6(a)の文字画像とを合成する。次に、画像表示装置52は、図6(c)に示す合成された画像を表示する。
【0042】
画像表示装置53は、メール表示機能及びヘッダー表示機能を有する。このため、画像表示装置53は、画像送信装置90から画像ファイル80を添付した電子メールを受信する。その後、画像表示装置53は、受信した電子メールの内容と、電子メールに添付された画像ファイル80が表す画像と、画像ファイル80のヘッダー部81に追加された説明情報に基づいて作成した文字画像とを関連付けて表示する。
【0043】
これらの構成によれば、画像ファイルに基づいて画像と画像を説明する説明情報とを関連付けて表示できる。また、画像ファイルに説明情報が付加されているため、画像ファイルを他の装置に保存したり、複製(コピー)したり、又はファイル名を変更した場合であっても、画像ファイルが表す画像と画像の説明とを関連付けて表示できる。このため、画像を表示されるユーザーは、表示された画像の説明に基づいて画像及び画像ファイルを容易に管理できる。
【0044】
尚、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた画像送信装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の画像送信装置を本発明にかかる画像送信装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した画像送信装置90による各機能構成を実現させるための画像送信プログラムを、既存の画像送信装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る画像送信装置90として機能させることができる。
【0045】
この様プログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0046】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・画像表示システム、10・・・通信網、31〜33・・・撮影装置、39・・・端末装置、51〜53・・・画像表示装置、80・・・画像ファイル、81・・・ヘッダー部、82・・・画像データ部、90・・・画像送信装置、90a・・・演算部、90b・・・主記憶部、90c・・・補助記憶部、90d・・・入力部、90e・・・表示部、90f・・・通信部、90z・・・バス、91・・・受信部、92・・・抽出部、93・・・記憶部、94・・・判断部、95・・・追加部、96・・・削除部、97・・・添付部、98・・・送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ファイルを送信する画像送信装置であって、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから、前記電子メールに添付された前記画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記追加手段は、前記抽出手段が抽出した前記説明情報を前記画像ファイルのヘッダー領域へ追加することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記送信手段によって前記画像ファイルを送信される送信先の装置が、前記ヘッダー部に追加された前記説明情報を表示するヘッダー表示機能を有するか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記追加手段は、
前記送信先の装置が前記ヘッダー表示機能を有すると前記判断手段が判断した場合に、前記説明情報を前記画像ファイルの前記ヘッダー領域へ追加し、
前記送信先の装置が前記ヘッダー表示機能を有しないと前記判断手段が判断した場合に、前記説明情報を表す文字画像を前記画像ファイルの前記画像データ領域へ追加することを特徴とする請求項2に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記抽出手段が抽出した前記説明情報を、前記電子メールから削除する削除手段と、
前記削除手段が前記説明情報を削除した前記電子メールに対して、前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを添付する添付手段とを更に備え、
前記判断手段は、前記送信先の装置が前記電子メールの内容を表示するメール表示機能を有するか否かを更に判断し、
前記送信手段は、
前記送信先の装置が前記メール表示機能を有すると前記判断手段が判断した場合に、前記添付手段が前記画像ファイルを添付した前記電子メールを送信し、
前記送信先の装置が前記メール表示機能を有しないと前記判断手段が判断した場合に、前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを送信することを特徴とする請求項3に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記説明情報は、前記電子メールの題名であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、予め定められたキーワードに基づいて前記電子メールの内容から前記説明情報を抽出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像送信装置。
【請求項7】
画像ファイルを送信する画像送信プログラムであって、
コンピュータを、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから前記電子メールに添付された画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルを送信する送信手段と、して機能させることを特徴とする画像送信プログラム。
【請求項8】
画像ファイルが表す画像を表示する画像表示システムであって、
前記画像ファイルが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記電子メールから、前記電子メールに添付された前記画像ファイルを説明する説明情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記説明情報を、前記画像ファイルへ追加する追加手段と、
前記追加手段が前記説明情報を追加した前記画像ファイルに基づいて、前記画像と前記画像の説明とを関連付けて表示する表示手段と、を備えることを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−135384(P2011−135384A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293525(P2009−293525)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】