説明

画像送信装置および画像送信方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】自分自身に送信する際に煩雑な操作を省くことができ使い勝手の向上に大きく寄与するとともに、秘密裏に重要な画像情報が送信されるようなセキュリティーホールを防ぐこともできる画像送信装置を提供する。
【解決手段】画像を入力する入力手段と、使用者を認証する認証手段と、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を取得する取得手段と、前記入力手段により入力される画像の送信宛先を設定する設定手段と、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を前記送信宛先として設定することを指示するための操作キーを表示する表示手段と、を備え、前記設定手段は、前記操作キーが操作されたことに応じて、前記取得手段により取得された宛先情報を前記送信宛先として設定し、前記表示手段は、前記認証手段による使用者の認証が成功した場合に前記操作キーを表示し、前記認証手段による使用者の認証が成功しない場合は前記操作キーを表示しないことを特徴とする画像送信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信装置及び方法に関し、より詳しくは、特定の送信宛先を効率よく決定できる画像送信装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像送信装置の中には、宛先を簡便に指定する手順としてワンタッチボタンなどによりボタンに登録された宛先を指定したり、固定的に自動的に反映される宛先を設定するものがあった。
【0003】
このような装置のうちファクシミリ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。これは、誤った宛先入力操作によって誤った通信が行われるのを有効に防止することを目的としており、発呼する相手先を同一の方法または異なる方法で複数回入力する機能を有する。これは、入力された複数の相手先情報が相互に一致した時にのみ発呼動作を行い、複数の相手先情報が一致していない時は、その旨を表示し、発呼動作を行わないようにしたものである。例えば、原稿に記載した電話番号を読み取る方法と各種操作キーによって電話番号を入力する方法とを組み合わせることにより、2つの入力番号を照合して間違いのない通信を行っている。また、操作キーのうちのテンキーにより入力する方法とワンタッチまたは短縮ボタンにより入力する方法とを組み合わせる方法も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−154563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような従来技術では、認証により使用者を特定しても前記ワンタッチボタンの設定は変更されず、使用者は自分自身が使う複数のワンタッチボタンの中から選び出さなければならなかった。
【0006】
また、固定的に自動的に反映される宛先を設定する従来技術では、やはり認証者によって自動的に反映したい宛先が異なっていてもそれを実現することはできなかった。
【0007】
本発明は前述のような問題点を解決するためになされたものであり、例えば、操作者が自分自身に送信する際に煩雑な操作を省くことができ使い勝手の向上に大きく寄与することができる画像送信装置及び方法を提供するものである。また、秘密裏に重要な画像情報が送信されるようなセキュリティーホールを防ぐこともできる画像送信装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明による画像送信装置は、画像を入力する入力手段と、使用者を認証する認証手段と、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を取得する取得手段と、前記入力手段により入力される画像の送信宛先を設定する設定手段と、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を前記送信宛先として設定することを指示するための操作キーを表示する表示手段と、を備え、前記設定手段は、前記操作キーが操作されたことに応じて、前記取得手段により取得された宛先情報を前記送信宛先として設定し、前記表示手段は、前記認証手段による使用者の認証が成功した場合に前記操作キーを表示し、前記認証手段による使用者の認証が成功しない場合は前記操作キーを表示しないことを特徴とする。
【0009】
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、ユーザ認証を行うことにより認証者が欲する宛先を反映し、認証に応じて設定された送信宛先を簡便に指定することができる。そのため、煩雑な操作を省くことができ使い勝手の飛躍的向上に大きく寄与する。また、秘密裏に重要な画像情報が送信されるようなセキュリティーホールを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】各実施形態に係る画像読取通信装置100の構成を示すブロック図である。
【図1B】画像読取送信装置のネットワーク接続構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】第3の実施形態において、画像読取送信装置を認証により使用者を特定して使用する場合の、使用者毎の固定設定を画像読み取り送信装置に保存するためのフローチャートである。
【図5】第3の実施形態の主動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第4の実施形態において、画像読取送信装置を認証により使用者を特定して使用する場合の、機器の固定設定を画像読み取り送信装置に保存するためのフローチャートである。
【図7】第4の実施形態の主動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】画像読取通信装置の送信設定画面を示す図である。
【図9】第5の実施形態の主動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図面を参照して本発明に係る第1の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1Aは、第1の実施形態に係る画像読取送信装置100の構成を示すブロック図である。画像読取送信装置100は、スキャナ、プリンタなどを搭載し、コピー機能、FAX送受信機能、コンピュータ上で作成されたデータを印刷するプリンタ機能などを備える。この画像読取送信装置の主要部は、中央処理装置101、主記憶装置102、表示装置103、入力装置104、外部記憶装置105、印刷装置106、画像読み取り装置107、ネットワーク装置108で構成されている。画像読取送信装置100は、IEEE1284準拠のパラレルインタフェース、USBなどのPCI/F回路を有するフォーマッタ部を備えてもよい。フォーマッタ部は、PCI/F回路又はネットワークI/F回路で受信したパソコンからのPDLデータより画像データを作成し中央処理装置101で画像処理を行い、印刷装置106で印刷するレンダリング回路である。また、画像読取送信装置100は、電話回線と接続しNCU(Network Control Unit)、MODEM(MOdulator/DEModulator)などの回路で構成されるファクスI/F回路を備えてもよい。画像読み取り装置107で読み取られた画像データは、中央処理装置101で画像処理され、電話回線を経由して他のFAXに送信される。或いは、他のFAXから送信されたデータを受信して、中央処理装置101で画像処理を行って印刷装置106で印刷するように動作する。印刷装置106、画像読み取り装置107、中央処理装置101は、中央処理装置101からのCPUバスとは別の高速ビデオバスで接続され、画像データを高速に転送できるように構成される。画像読み取り装置107で読み取られた画像データは、中央処理装置101で画像処理され、印刷装置106で読み取った画像を印刷することによりコピー機能が実現されている。画像読取送信装置100には、印刷装置106で読み取った画像データを中央処理装置101で画像処理して、ネットワーク装置108からネットワーク200上に送信するSend機能がある。画像読取送信装置100には、また、中央処理装置101でRFC2301に従った画像を作成し、電子メールプロトコルでデータを送受信するIFAX機能がある。
【0014】
中央処理装置101は、主記憶装置102、表示装置103、入力装置104、外部記憶装置105、印刷装置106、画像読み取り装置107、ネットワーク装置108を制御し、また四則演算、論理演算を受け持っている。中央処理装置101はまた、大容量の画像メモリ、画像回転回路、解像度変倍回路、MH、MR、MMR、JBIG、JPEGなどの符号/復号化回路を含む。中央処理装置101は、主記憶装置102に格納されているプログラムを利用して、シェーディング、トリミング、マスキングなどの各種画像処理も実行することができる。
【0015】
主記憶装置102は、SCSI、USBなどのネットワークI/Fで接続される大容量記録媒体であり、ハードディスクだけでなくMOなどの記録媒体であってもよい。また、主記憶装置102は、画像読取送信装置100が所定の情報処理を行う上で必要な情報を記憶し、必要に応じて取り出すことができるようになっている。ネットワークI/Fとしては、10BASE−T、100BASE−Tを代表とするイーサネット(登録商標)あるいはトークンリングなどのネットワーク回線と接続するためのネットワークデータリンクを実行する回路を用いることができる。
【0016】
表示部としての表示装置103は、図形や文字等の処理した結果を表示するものでタッチパネルディスプレイが設置されている。
【0017】
入力装置104は、中央処理装置101への種々の入力(例えば、所定の動作を行うように指示を与える)を行うものであり、キーボード、タッチパネルが設置されている。入力装置104は、LCD上にソフトウェアを利用してボタンを表示し、ユーザが指などでボタンをタッチすることを検出してユーザオペレーションを円滑に実行することができる。
【0018】
外部記憶装置105は各種情報を記憶するメモリで、例えば磁気記憶装置や光磁気記憶装置等がある。この外部記憶装置105は、スキャンした画像、受信した画像などの画像データを保存することができる。そして、外部記憶装置105に保存された画像データは印刷装置106によって印刷させたり、または手動送信手順によって送信指示することにより送信させることができる。
【0019】
印刷装置106は、電気的画像データを記録紙に印刷する回路である。電気的画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部から発光させ、このレーザ光が感光ドラム照射され、感光ドラム上にレーザ光に応じた潜像が形成される。感光ドラムの潜像の部分には、現像器によって現像剤が付着され、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙カセットから記録紙を給紙して転写部搬送し、感光ドラムに付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部に搬送され、定着部の熱と圧力により現像剤は記録紙に定着される。定着部を通過した記録紙は排出ローラによって排出され、ソータは排出された記録紙をそれぞれのビンに収納して記録紙の仕分けを行う。
【0020】
画像読み取り装置107は、原稿の画像データを光電変換により電気データに変換する回路である。原稿給送装置から原稿をプラテンガラス上へ搬送し、原稿がプラテンガラス上に搬送されると、ランプを点灯する。そして、スキャナユニットの移動を開始し、原稿を露光走査する。原稿からの反射光は、ミラー及びレンズによってCCDイメージセンサへ導かれ、電気信号に変換され、A/D変換回路によってデジタルデータに変換される。原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス上の原稿は排紙される。
【0021】
また、外部記憶装置105には、認証データとしてユーザ名とパスワードとユーザのメールアドレスが保存されている。そして、この認証データに基づいて認証する図2の認証サーバ109に通信可能に接続される。認証サーバ109への認証は、例えばRFC1510として標準化された、ネットワークアプリケーション階層プログラムのKerberosを用いた認証方法を用いることができる。この認証方法では、まず、クライアントである画像読取送信装置100からKEB_AS_REQ(Kerberos認証サービスリクエスト)が認証サーバ109へ送られ、正当なユーザであるか問い合わせが実行される。そして、KEB_AS_REP(Kerberos認証サービス返信)として暗号化されたログオンセッションキー、クライアント認証データが画像読取送信装置100に返される。このデータよりKEB_TRG_REQ(Kerberosチケット認可サービスリクエスト)が作られ、認証サーバ109に資格情報のリクエストが実行される。認証サーバ109からKEB_TRG_REP(Kerberosチケット認可サービス返信)として、暗号化されたクライアント認証データが返される。このデータより KEB_AP_REQ(Kerberosアプリケーションリクエスト)が作成され、認証サーバ109にサービス利用許可を求める。認証サーバ109からKEB_AP_REP(Kerberosアプリケーション返信)としてデータが返され、返されたデータが正常でかつ返信データ内の時刻データが同一である場合は、認証OKと判断される。
【0022】
なお、3つのリクエストを同一の認証サーバで行った例を用いて説明したが、ネットワークの構成などにより複数のサーバを使ってもよく、認証方式もDH認証など他の認証方式でも可能である。
【0023】
図1Bは、第1の実施形態に係る画像読取送信装置のネットワーク接続構成を示すブロック図である。画像読取送信装置100a、100bは、ドメイン名xyz.co.jpのネットワークに接続され、認証サーバ109、MailサーバやPOPサーバ110、クライアントPC111などの複数のコンピュータやネットワーク機器と接続されている。このネットワークは、さらには全世界に広がるインターネット網112と接続され、MailサーバやPOPサーバ113、クライアントPC114、インターネットFAX115などが接続されたabc.co.jpというネットワークにも接続されている。
【0024】
画像読取送信装置100aはcopy1.xyz.co.jpというHOST名とifax@copy1.xyz.co.jpという機器固有の電子メールメールアドレスが付与される。画像読取送信装置100bはcopy2.xyz.co.jpというHOST名とifax@copy2.xyz.co.jpという機器固有の電子メールアドレスが付与されている。
【0025】
認証サーバ109は、このドメイン内のユーザ認証を行うための認証サーバであり、このドメイン内で有効なユーザ名、パスワードが登録されている。クライアントPC111の電源を立ち上げると、ユーザ名、パスワード入力が求められる。ユーザ名、パスワードが入力されると、認証サーバ109に対してユーザ名、パスワードが一致しているかどうか問い合わせ、ユーザとして登録されている場合には、認証したユーザ名でクライアントPC111が使用できる状態となる。PC111には、汎用電子メールソフトがインストールされており、syain1@xyz.co.jpというメールアドレスが付与されている。Mailサーバ、POPサーバ110は、MailサーバとPOPサーバの双方の機能を備えたサーバであり、Mailサーバ、POPサーバ113も同様の機能を有する。
【0026】
クライアントPC111から電子メールをpcmail@abc.co.jp宛に送信する場合には、電子メールデータは、Mailサーバ110にSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)プロトコルで配送される。そして、電子メールデータは、Mailサーバ110からMailサーバ113へSMTPプロトコルでインターネット網112を経由して配送され、pcmail@abc.co.jpのメールBOXに格納される。
【0027】
クライアントPC114にも汎用電子メールソフトがインストールされる。クライアントPC114は、POP3(Post Office Protocol-Version 3)プロトコルを用いてPOPサーバ113に存在するpcmail@abc.co.jpのメールBOXに電子メールが届いているか一定間隔で監視する。クライアントPC114は、POPサーバ113にメールが届いている場合はメールデータを受信する。
【0028】
クライアントPC114のpcmail@abc.co.jpからクライアントPC111のsyain1@xyz.co.jpにメールを送る場合は、逆のルートをたどる。PC114の汎用電子メールソフトで作成されたメールデータは、Mailサーバ113により中継され、Mailサーバ110に送られ、POPサーバ110のsyain1@xyz.co.jpのメールBOXにデータが格納される。
【0029】
クライアントPC111は、syain1@xyz.co.jpのメールBOXからPOP3プロトコルで届けられたメールデータを取得するように動作する。
【0030】
画像読取送信装置100a、100bには、Email送信モードとIFAX送信モードが存在する。Email送信モードは、FAX、IFAX受信機能で受信した画像及びスキャナで読み取った白黒/カラー画像を一般の電子メール宛先に送ることを前提として送信するモードである。IFAX送信モードは、IFAX規格に従った装置に送信することを前提としたモードである。送信/受信にはSMTP、POP3が使われ、上記説明したクライアントPC111、クライアントPC114の送信/受信と同様の動作を行う。
【0031】
Email送信モードでは、スキャナでカラー画像が読み取られた場合には、JPEGフォーマット又はPDF(Portable Document Format)ファイルの画像を送信する。また、白黒画像が読み込まれた場合は、TIFF、PDFの画像を送信することができる。syain1@xyz.co.jpのメールアドレスに送信した場合には、クライアントPC111がPOP3プロトコルでメールを受信し、汎用画像ビューアで画像を表示することができる。
【0032】
IFAX送信モードでは、スキャナで読み取られた画像はRFC2301に従ったTIFF形式の画像としてIFAX規格に従った画像読取送信装置100a、100bやインターネットFAX115に対しSMTP、POP3プロトコルで送信される。送信機のスキャナあるいはFAX、IFAX受信機能で受信された画像データは、遠隔地の受信機で受信され、受信した画像はプリンタで印刷される。
【0033】
画像読取送信装置のネットワークプログラムは、IP、TCP/UDP、アプリケーション階層のプログラムの3階層に大別される。
【0034】
IPは、発信ホストから宛先ホストヘルータなどの中継ノードと連携しながらメッセージを送り届けるサービスを提供するインターネットのプロトコル階層である。IPではデータを送信する発信先のアドレス、データを受信する宛先のアドレスを管理し、データをアドレス情報に従ってネットワーク内をどのような経路で宛先ホストまで届けるかを管理するルーティング機能を実行している。
【0035】
TCP/UDPは、発信アプリケーションプロセスから受信アプリケーションプロセスにメッセージを送り届けるサービスを提供するトランスポート階層である。TCPはコネクション型サービスであって、通信の高度な信頼性を保証するが、UDPはコネクションレス型のサービスであり信頼性の保証を行わない。
【0036】
アプリケーション階層のプロトコルは、複数のプロトコルを規定する。このプロトコルには、FTP、SNMP、LPD、HTTPd、SMTP、POP3、LDAPなどが存在する。また、RFC1510で規定されているKerberos認証プログラムも搭載されている。
【0037】
図2のフローチャートを用いて第1の実施形態の画像読取送信装置の動作を説明する。なお、以下の動作の制御を実行するのは中央処理装置101である。
【0038】
画像読取送信装置100、100bは、主電源が投入されると、メモリ、I/Oポートの初期化などのイニシャライズ動作を実行し、システムユーザ設定で「ユーザ認証」が「する」に設定されているとログイン処理が実行される。この状態では、コピーなどユーザのオペレーションが介在する処理は実行することができず、入力装置104ではユーザ名を入力する画面になっている。ログイン処理が実行されると、本実施形態の画像読取送信装置の動作が開始される。
【0039】
まず、ステップS201では、図1Aの画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104より入力され、ステップS202において認証サーバ109により認証動作が実行される。認証サーバ109は、ユーザ名、パスワード及び電子メールアドレスを含むユーザ情報とその内容を参照・編集するプログラムに従って認証動作を実行する。ここで、ユーザ名は、認証サーバ109が受け持つxyz.co.jpというドメイン、プリンシパル内のコンピュータが使えるユーザ名を示す。また、パスワードは、各ユーザ名に対応させて登録されているが、容易に見えないように*****などで表示がされている。電子メールアドレスは、登録されたユーザが使用できる電子メールアドレスが登録されている。
【0040】
ステップS203において、ステップS202で実行された認証が成功したかどうか、すなわち、入力したユーザ名、パスワードが認証サーバ109に登録されているユーザ名、パスワードと一致するか否かを判断する。認証が成功すればステップS204に処理は移行し、認証が失敗すれば処理はステップS201に戻る。このようにすることにより、ユーザ名とパスワードの入力待ちになり、次の操作を行えないようになっている。
【0041】
ステップS204では、画像送信装置の使用権を与えるべく操作画面が開放される。ステップS204では、認証の結果特定した使用者のメールアドレスが認証サーバ109からLDAP通信プロトコルを用いて取得される。
【0042】
ステップS205では、スキャナの読み込み解像度の指定や電子メール送信時の宛先指定などがユーザによって指示される。画像を読み取り送信するための宛先は入力装置104によって入力される(宛先入力処理)。ここでは、ユーザによる操作によって数字ボタンやアルファベットボタンを用いて1文字ずつ、あるいは予め“.co.jp”や“.com”などのように使用頻度の高い数文字分を一度に入力するボタンによって入力する。または、外部記憶装置105に複数のアドレスを登録したアドレス帳から所望のアドレスを選択することによって入力を行う。なお、ステップS205では宛先を1件も入力せず処理を終えることも許可されている。
【0043】
ステップS206では、ステップS205で宛先が1件も指定されなかったかどうかが判断される。1件も指定されていなければ処理はステップS207に移行し、1件以上指定されていれば処理はステップS209に移行する。
【0044】
ステップS207では画像読取装置107により画像が読み取られ、ステップS208ではステップS204で取得した使用者のメールアドレスに対して読み取った画像を送信する。この処理は、図8を用いて後述する。ステップS206、S207及びS208により1件も宛先を指定されないまま送信を行った場合には、認証した情報に基づいて自動的に認証された使用者のメールアドレスに画像が送信されるように制御される。
【0045】
一方、ステップS209では、画像読取装置107により画像が読み取られ、ステップS210でステップS205で指定された宛先に対して読み取った画像が送信されるように制御される。送信終了後、ログイン時に指定したユーザ名、送信宛先情報、送信日付、送信時間、送信枚数、送信結果などがログに書き込まれる。ログが書き込まれると、送信結果を知らせる送信結果レポートが作成されるか、或いは、件数が一定以上溜まると作成される通信管理レポートが作成される。このレポートにはユーザ名が記入されているため、送信したJOBの送信者を特定することができる。ログに書き込まれたデータは、入力装置104にリスト表示することもできる。また、登録データよりHTMLファイルを作成し、HTTPサーバ機能を動作させることにより、ネットワーク上のクライアントPCのWWWブラウザでユーザ名が記入された通信ログを表示することもできる。また、認証サーバ109がネットワーク上に接続された例を説明したが、MFP内部に認証サーバ機能を取り込んでもよい。また、MFP1台だけの場合はもちろん、複数のMFPを設置する場合でも1台のMFPで認証サーバ機能を動作させることで同様の効果が得られる。
【0046】
画像が送信された後は、図8のログアウトキー809を押すことによりログアウト処理が実行されて処理は終了し、入力装置104ではユーザ名を入力する画面に戻る。
【0047】
図8は、ステップS208又はステップS209において画像読取装置107で読み取った画像データを電子メールで送信する際に表示される入力装置104の送信設定画面である。読み取りサイズ800は、画像読取装置107が読み込む原稿サイズを指定することができ、A3、A4、A5、B4、B5、11*17、LTR、STMTなどの用紙サイズとその向きを指定することができる。図7では「自動」が設定され、画像読取装置107に存在する原稿検知センサーが検知した値で読み込まれる。解像度801は画像読取装置107が画像を読み込む際の解像度を指定することができ、200*100、200*200、200*400、300*300、400*400、600*600dpiから指定することができる。
【0048】
図8ではデフォルト値の「200*200」dpiが設定されている。詳細設定802では、スキャン時の濃度設定、原稿タイプ指定、両面読み込み、ページ連写指定、画質調整などのスキャン時の詳細動作を指定することができる。電子メールの送信宛先を指定する方法としては、2つの方法が存在する。宛先803よりユーザが過去に指定した宛先の履歴を有するアドレス帳に登録されている宛先から選択する方法と、ログインしたユーザ(使用者自身)の電子メールアドレスを送信宛先とする「自分自身に送信」ボタン806を選択する方法である。「自分自身に送信」ボタン(操作キー)は、画像読取装置107がユーザ認証を実行するモード(以下「ユーザ認証モード」という。)に設定されている場合にのみ表示されるか或いはアクティブにされる。
【0049】
「アドレス帳」は、機器の各種設定情報を登録管理するユーザモード(図示せず)で送信宛先を管理するデータベースである。送信宛先の登録、変更、削除などはユーザモードで実行することができ、システム管理者権限がないユーザでも登録、変更、削除などの作業は実行することができる。送信宛先の電子メールアドレスはアドレス部分に表示され、選択にマークが付けられて宛先に電子メールが送信され、選択されたアドレスが宛先に表示され、電子メールのTo:フィールド記載される。モードは、送信宛先が一般の電子メール宛先に送ることを前提として送信するEmail送信モードと、機器同士の送受信機能が存在するIFAX装置に送信することを前提としたIFAX送信モードとを指定することができる。Email送信宛先には、TIFF、JPEG、PDFの画像フォーマットで送信することが可能となるが、IFAX送信宛先にはRFC2301で規定されているTIFFファイルに限定される。送信画像もEmail送信モードはスキャナで読み取った画像となるが、IFAX送信モードでは主走査の画素数が決められている。そのため、所定の画像変換と、送信した画像がどこからどこへ送信されたのかとが分かるように、送信宛先と送信元の電子メールアドレスと送信開始時間、ページ番号が記述された画像の付与が実施される。アドレス帳はユーザ認証を行わなくても全てのユーザが共用できるものと、各ユーザ毎のアドレス帳とを設けるようにしてもよい。共用できるアドレス帳は、当該装置をユーザ認証せずに用いる場合、そしてユーザ認証して用いる場合であっても全てのユーザが利用可能とする。また各ユーザ毎のアドレス帳は、ユーザ認証を行った場合に、当該ユーザ用のものを使用できるようにする。
【0050】
「自分自身に送信」ボタン806を選択する場合には、ログインしたユーザの電子メールアドレスをサーバより取得し、取得した電子メールアドレスを電子メールのToフィールドに設定する。送信宛先はログインしたユーザ名であるため、ログインしたユーザが異なれば送信宛先も変化することになる。このボタンが選択されると、ボタンはグレー表示になり、ボタンを押す毎に選択/非選択が切り替わる。Subject804、本文805は送信する電子メールに付ける件名とメール本文であり、各設定欄を選択するとソフトキーボードが表示され、文字列を入力することができる。スタートキー807は入力装置104の横に設置されているハードキーであり、このキーを押すことにより画像読取装置107を駆動することができる。スタートキー807の中央には青と赤のLED808が実装され、送信宛先が1つも指定されていない場合、赤色のLEDが点灯しスタートキー807を押しても画像読取装置107が駆動することはできない状態であることをユーザに知らせる。送信宛先を1つでも指定すると青のLEDが点灯しスキャナを駆動することができる状態になったことをユーザに知らせる。従って、宛先803に送信宛先が指定されていない場合、「自分自身に送信」ボタン806が選択されると、スタートキー807の青色LEDが点灯しスキャンが可能となる。しかしながら、「自分自身に送信」ボタン806が非選択状態になると、スタートキー807の赤色のLEDが点灯してスタートキー807を押しても画像読取装置107を駆動することはできない。ログアウト809を押すと入力装置104はユーザログイン画面になりログインしたユーザの操作は終了する。
【0051】
以上のように、第1の実施形態によれば、認証処理を行うことによりセキュリティーが担保できる。また、所望の宛先に読み取った画像を送信できるとともに、たとえ宛先を指定しなくても自分自身には読み取った画像を送信することができるので、ユーザは煩雑な操作を省くことができ、非常に使い勝手の良い画像読取送信装置を実現することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る画像読取送信装置100の構成は第1の実施形態に係るそれと同様であるので説明は省略する。
【0052】
ここでは、図3を用いて第2の実施形態に係る画像読取送信装置の動作について詳細に説明する。
【0053】
ステップS301においては、画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104より入力される。ステップS302では、認証サーバ109による認証処理が実行される。
【0054】
ステップS303では、ステップS302における認証が成功したかどうかが判断され、成功すれば処理はステップS304に移行して画像読取送信装置100の使用権を与えるべく操作画面を開放する。認証に失敗したと判断されれば、処理はステップS301に戻り、再度ユーザ名とパスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようにする。
【0055】
そしてステップS304では、認証の結果特定した使用者のメールアドレスを前記認証サーバ109から取得する。ステップS305において、送信宛先が入力装置104若しくは表示装置103のタッチパネルより入力される。ステップS305では「自分自身へ送信」ボタンが表示装置103に表示されており、「自分自身へ送信」ボタンを押下することにより宛先文字列を入力することなく素早く自分自身の宛先を指示することができる。
【0056】
ステップS306では、「自分自身へ送信」ボタンが押下されたかどうか判断され、押下されたと判断された場合、処理はステップS307に移行し、ステップS304で取得した、認証された使用者の宛先が送信宛先リストに追加される。
【0057】
ステップS306で押下されなかったと判断された場合、処理はステップS308に移行し、そこで入力された文字列が送信宛先として送信宛先リストに追加される。
【0058】
ステップS307、S308の処理を実行後、ステップS309で宛先指定処理が終了したかどうかが判断され、終了していなければ次の宛先を入力するためステップS305に処理が戻り、終了していればステップS310に処理が移行する。
【0059】
ステップS310で画像読取装置107により画像が読み取られ、ステップS311でステップS305、S306、S307及びS308で指定された送信宛先リストに対して読み取った画像が送信される。
【0060】
以上のように、第2の実施形態によれば、認証処理を行うことによりセキュリティーが担保できる。また、ボタンの押下操作1つで自分自身を画像の送信先に指定することができるので、ユーザは煩雑な操作を省くことができ、非常に使い勝手の良い画像読取送信装置を実現することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る画像読取送信装置100の構成は第1の実施形態に係るそれと同様であるので説明は省略する。
【0061】
ここでは、図4及び図5を用いて第3の実施形態に係る画像読取送信装置の動作について詳細に説明する。
【0062】
図4は、画像読取送信装置100を認証により使用者を特定して使用する場合の、使用者毎の固定設定を画像読み取り送信装置100に保存するためのフローチャートである。
【0063】
図4において、ステップS401では画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104により入力される。ステップS402では、認証サーバ109による認証動作が実行される。
【0064】
ステップS403において、認証が成功したかどうかが判断され、成功すれば処理はステップS404に移行し、画像読取送信装置100の使用権を与えるべく操作画面が開放される。認証に失敗すれば、処理はステップS401に戻り、再度ユーザ名とパスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようになされる。
【0065】
ステップS404では、画像読取送信装置100の外部記憶装置105に使用者毎に保存される使用者毎の固定設定が入力される。この使用者毎の固定設定では「自分自身の宛先をCC宛先に自動入力」するかしないを設定することができる。
【0066】
ステップS405において、ステップS404で入力した使用者毎の固定設定が「自分自身の宛先をCC宛先に自動入力する」設定であるかどうかが判断される。固定設定がその「自動入力」設定に該当すれば、処理はステップS406に移行し、外部記憶装置105に認証された使用者の固定設定として「自分自身の宛先をCCに自動入力する」設定が保存される。固定設定がその「自動設定」に該当しないのであれば、処理はステップS407に移行し、外部記憶装置105に認証された使用者の固定設定として「自分自身の宛先をCCに自動入力しない」設定を保存し、図4の動作が終了する。なお、宛先はCC(同報送信宛先)に設定しても良いし、BCC(匿名同報送信宛先)に設定しても良い。
【0067】
図5は第3の実施形態の主動作を説明するためのフローチャートである。
【0068】
ステップS501において、画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104より入力される。そして、ステップS502で認証サーバ109による認証動作が実行される。
【0069】
ステップS503では、認証が成功したかどうかが判断される。認証が成功すれば処理はステップS504に移行し、画像読取送信装置100の使用権を与えるべく操作画面が開放される。認証に失敗すれば、処理はステップS501に戻り再度ユーザ名とパスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようになされる。
【0070】
ステップS504では、認証の結果特定した使用者のメールアドレスが認証サーバ109から取得される。そして、ステップS505では、送信宛先が入力装置104若しくは表示装置103のタッチパネルより入力される。
【0071】
そして、ステップS506では、入力された文字列が送信宛先として送信宛先リストに追加される。
【0072】
また、ステップS507においては、宛先指定処理が終了したかどうかが判断され、終了していなければ次の宛先を入力するため処理がステップS505に戻る。宛先指定処理が終了していれば、処理はステップS508に移行する。ステップS508では、図4のフローチャートで保存した使用者毎の固定設定が参照される。そして、固定設定が「自分自身の宛先をCC宛先に自動入力」となっている場合、処理はステップS509に移行し、送信宛先リストにステップS504で取得した使用者のメールアドレスが追加される。固定設定が「自分自身の宛先をCC宛先に自動入力」となっていない場合には、ステップS509の処理はスキップされる。
【0073】
さらに、ステップS510で画像読取装置107により画像が読み取られ、最後にステップS511でステップS505、S506、S507、S508及びS509で指定された送信宛先リストに対して読み取った画像が送信され、図5の動作が終了する。
【0074】
以上のように、第3の実施形態によれば、認証処理を行うことによりセキュリティーが担保できる。また、固定設定の指定操作1つで自分自身を画像の送信先(CC)に指定することができるので、ユーザは煩雑な操作を省くことができ、非常に使い勝手の良い画像読取送信装置を実現することができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る画像読取送信装置100の構成は第1の実施形態に係るそれと同様である。しかしながら、第1乃至第3の実施形態と異なり、外部記憶装置105には認証データとしてユーザ名とパスワードとユーザのグループ情報とグループリーダのメールアドレスが保存されている。その結果、認証データに基づいて認証する認証サービスが機器内で稼動している。
【0075】
以下、図6及び図7を用いて第4の実施形態に係る画像読取送信装置の動作について詳細に説明する。
【0076】
図6は、画像読取送信装置100を認証により使用者を特定して使用する場合の、機器の固定設定を前記画像読み取り送信装置に保存するためのフローチャートである。
【0077】
図6の動作により機器を使用する場合は使用者が誰であれ必ず機器の固定設定が適用される。ここが、第3の実施形態とは異なるものである。この固定設定は使用者が使用者の権限では変更のできないものであり、管理者が管理者権限で認証した場合にのみ設定可能なものである。
【0078】
図6において、ステップS601では、画像読取送信装置100の機器の固定設定を変更するための管理者権限を認証する管理者ユーザ名と管理者パスワードが入力装置104により入力される。ステップS602では、管理者ユーザ名とパスワードを用いて認証サービスに対する認証動作が実行される。
【0079】
ステップS603では、認証が成功したかどうかが判断され、成功すれば処理はステップS604に移行し、画像読取送信装置100の管理者使用権を与えるべく操作画面が開放される。認証に失敗すれば、処理はステップS601に戻り、再度管理者ユーザ名と管理者パスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようになされる。
【0080】
そして、ステップS604では、画像読取送信装置100の外部記憶装置105に機器毎に保存される機器毎の固定設定が入力される。機器毎の固定設定は「グループリーダの宛先をCC宛先に自動入力」するかしないかの設定に関連するものである。
【0081】
ステップS605では、ステップS604で入力された機器毎の固定設定が「グループリーダの宛先をCC宛先に自動入力する」設定であるかどうかが判断される。その固定設定が「自動入力」であれば、ステップS606において外部記憶装置105に機器の固定設定として「グループリーダの宛先をCCに自動入力する」設定が保存される。その固定設定が「自動入力」が設定されていなければ、ステップS407で外部記憶装置105に機器の固定設定として「グループリーダの宛先をCCに自動入力しない」設定が保存され、図6の動作が終了する。なお、宛先はCC(同報送信宛先)に設定しても良いし、BCC(匿名同報送信宛先)に設定しても良い。
【0082】
図7は、第4の実施形態の主動作を説明するためのフローチャートである。
【0083】
ステップS701では、画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104より入力される。ステップS702では、ユーザ名とパスワードを用いて認証サービスに対する認証動作が実行される。
【0084】
ステップS703では、認証が成功したかどうかが判断される。認証が成功すれば処理はステップS704に移行し、画像読取送信装置100の使用権を与えるべく操作画面が開放される。認証に失敗すれば、処理はステップS701に戻り、再度ユーザ名とパスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようになされる。
【0085】
ステップS704では、認証の結果特定した使用者のグループリーダのメールアドレスが認証サービスから取得される。ステップS705では、送信宛先が入力装置104か表示装置103のタッチパネルより入力される。
【0086】
ステップS706では入力された文字列が送信宛先として送信宛先リストに追加される。ステップS707では、宛先指定処理が終了したかどうかが判断される。宛先指定処理が終了していなければ次の宛先を入力するため処理はステップS705に戻る。宛先指定処理が終了していれば、処理はステップS708に移行する。
【0087】
ステップS708では、図6のフローチャートで保存した機器の固定設定が参照される。固定設定が「グループリーダの宛先をCC宛先に自動入力」となっている場合には、処理はステップS709に移行し、送信宛先リストにステップS704で取得された使用者のグループリーダのメールアドレスが追加される。固定設定が「グループリーダの宛先をCC宛先に自動入力となっていない場合には、ステップS709の処理はスキップされる。
【0088】
そして、ステップS710で画像読取装置107により画像が読み取られ、最後にステップS711で、ステップS705、S706、S707、S708及びS709で指定された送信宛先リストに対して読み取った画像が送信され、図7の動作が終了する。
【0089】
以上より、第4の実施形態によれば、管理者のみが変更することのできる機器の固定設定に従って、画像読取送信時に自動的にかつ強制的にグループリーダが宛先に追加される。その結果、画像読取送信でどのような内容の画像を送信したかがグループリーダに必ず送信されることとなり、秘密裏に重要な画像情報が送信されるようなセキュリティーホールを防ぐことができる。
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る画像読取送信装置100の構成は第1の実施形態に係るそれと同様であるので説明は省略する。
【0090】
ここでは、図9を用いて第5の実施形態に係る画像読取送信装置の動作について詳細に説明する。
【0091】
ステップS901では、ユーザ認証を行う「ユーザ認証モード」に設定されているか否かを判断する。「ユーザ認証モード」に設定されていれば(ステップS901で「YES」)、ステップS902に進み、「ユーザ認証モード」に設定されていなければ(ステップS901で「NO」)、ステップS906に進む。
【0092】
ステップS902では、画像読取送信装置100を使用するための使用権を認証するユーザ名とパスワードが入力装置104より入力される。
【0093】
ステップS903では、認証サーバ109により認証処理が実行される。
【0094】
ステップS904では、ステップS903における認証が成功したかどうかが判断され、認証に成功すれば(ステップS904で「YES」)、処理はステップS905に移行し、画像読取送信装置100の使用権を与えるべく操作画面を開放する。認証に失敗したと判断されれば(ステップS904で「NO」)、処理はステップS902に戻り、再度ユーザ名とパスワードの入力待ちになることにより次の操作を行えないようにする。
【0095】
ステップS905では、認証の結果特定した使用者のメールアドレスを前記認証サービスから取得し、「自分自身へ送信」ボタンが表示装置103に表示される。「自分自身へ送信」ボタンを押下することにより宛先文字列を入力することなく素早く自分自身の宛先を指示することができる。
【0096】
ステップS906では、入力装置104又は表示装置103のタッチパネルにより送信宛先が入力されることにより宛先が指示されるか、又は、ステップS905の「自分自身へ送信」ボタンを押下することにより宛先が指示される。
【0097】
ステップS907では、「自分自身へ送信」ボタンが押下されたかどうか判断される。押下されたと判断された場合には(ステップS907で「YES」)、処理はステップS908に移行し、ステップS905で取得した、認証された使用者の宛先が送信宛先リストに追加される。ステップS907で押下されなかったと判断された場合には(ステップS907で「NO」)、処理はステップS909に移行し、ステップS906で入力された文字列が送信宛先として送信宛先リストに追加される。
【0098】
ステップS908、S909の処理を実行後、ステップS910で宛先指定処理が終了したかどうかが判断され、終了していなければ次の宛先を指示するためステップS906に処理が戻り、終了していればステップS911に処理が移行する。
【0099】
ステップS911で画像読取装置107により画像が読み取られ、ステップS912でステップS906、S907、S908及びS909で指定された送信宛先リストに対して読み取った画像が送信される。
【0100】
以上のように、第5の実施形態によれば、「ユーザ認証モード」に設定されているか否かに応じて、「自分自身へ送信」ボタンの表示を切り替えることができ、動作モードに応じた利便性の高い画像読取送信装置を実現することができる。
【0101】
また、このように「ユーザ認証モード」に設定されていない場合、「自分自身へ送信」ボタンを非表示とするのに代えて、当該ボタンの表示はするが、それを操作できない状態とするようにしてもよい。この場合、操作できる状態の場合と表示形態を異ならせるようにするのが好ましい。
【0102】
また、例え、ユーザ認証モードが設定されていても、認証ユーザに対応付けたアドレスが登録されていなかった場合も「自分自身に送信」ボタンを非表示としたり、操作できない状態にするようにしてもよい。
【0103】
また、以上の実施形態では、「自分自身に送信」ボタンを押下することにより、認証ユーザに対応付けられているアドレスを自動的にセットするようにしたが、次のようにしてもよい。ユーザ認証を行った後、何ら宛先を指定する操作がなされずに送信指示(スタートキーの押下)がなされた場合、認証ユーザに対応付けられているアドレスを自動的に設定して送信を実行するようにしてもよい。
【0104】
また、ユーザ認証を行って実行した操作内容を、ユーザ毎に外部記憶装置105等に履歴として記憶しておき、ユーザ認証を行った場合にこの記憶した情報を再利用できるようにしてもよい。即ち、ユーザ認証を行った場合、所定の操作により当該ユーザが過去に指定した送信宛先(アドレス帳からの選択、あるいはソフトキーボードで入力した宛先)を例えば5〜10個表示し、その中から送信宛先を指定可能としてもよい。
【0105】
以上のような実施形態により、画像読取送信装置において画像を送信する際の操作性を著しく向上させることが可能となる。
【0106】
また、以上の実施形態では、スキャナによって原稿上の画像を読み取って得た画像データを送信する場合を例に説明したが、スキャナからの画像データに代えて、外部記憶装置105に保存されている画像データを指定し、送信するようにしてもよい。外部記憶装置105に保存されるデータとしては、ネットワークを介して受信したPDLデータ等の印刷データ及びIFAX機能によって電子メールプロトコルによって受信した電子メールデータに含まれている添付画像ファイルデータを採用することができる。また、ファクシミリ機能によってG3等の手順によって受信した画像データ及びスキャナによって予め保存しておいた画像データ等を採用することもできる。
【0107】
また、外部記憶装置105は複数のメモリボックスによって区別されており、所望のメモリボックスを選択し、それに引き続き当該メモリボックス内の所望の画像データを指定することが可能である。また、ユーザ認証により、当該ユーザのみが操作できるメモリボックスを表示させ、その中から所望の画像データを選択するようにしてもよい。
<その他の実施形態>
上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供してもよい。本発明は、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成されるからである。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、以下のものが挙げられる。例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどである。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0109】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0110】
また、上記実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードがネットワークを介して配信されることにより、システム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納される。そして、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する入力手段と、
使用者を認証する認証手段と、
前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を取得する取得手段と、
前記入力手段により入力される画像の送信宛先を設定する設定手段と、
前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を前記送信宛先として設定することを指示するための操作キーを表示する表示手段と、を備え、
前記設定手段は、前記操作キーが操作されたことに応じて、前記取得手段により取得された宛先情報を前記送信宛先として設定し、
前記表示手段は、前記認証手段による使用者の認証が成功した場合に前記操作キーを表示し、前記認証手段による使用者の認証が成功しない場合は前記操作キーを表示しないことを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記使用者に対応付けられた宛先情報は、前記使用者自身の宛先情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記認証手段によって認証される各使用者に対応づけられた宛先情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記取得手段は、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報と異なる宛先情報を設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報に加え、当該使用者に対応付けられた宛先情報と異なる宛先情報を設定可能であることを特徴とする請求項4に記載の画像送信装置。
【請求項6】
使用者を認証する認証手段と、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を送信宛先として設定することを指示するための操作キーを表示する表示手段と、を備えた画像送信装置の制御方法であって、
入力手段が、画像を入力する入力工程と、
取得手段が、前記認証手段により認証された使用者に対応付けられた宛先情報を取得する取得工程と、
設定手段が、前記入力工程で入力される画像の送信宛先を設定する設定工程と、を備え、
前記設定工程では、前記操作キーが操作されたことに応じて、前記取得工程で取得された宛先情報を前記送信宛先として設定し、
前記操作キーは、前記認証手段による使用者の認証が成功した場合に前記表示手段に表示され、前記認証手段による使用者の認証が成功しない場合は前記表示手段に表示されないことを特徴とする画像送信装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像送信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−147144(P2011−147144A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27836(P2011−27836)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2005−226533(P2005−226533)の分割
【原出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】