説明

画質表示装置、ディジタルカメラ、現像装置、画質表示方法及び画質表示プログラム

【課題】 画像の濃淡レベルの度数分布の表示要求に対する応答時間を短縮する。
【解決手段】 画像を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、前記グラフを画面表示するためのデータを前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、を備えることを特徴とする画質表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画質表示装置、ディジタルカメラ、現像装置、画質表示方法及び画質表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の輝度値、RGB各チャンネルの画素値などの濃淡レベルの度数分布をヒストグラムなどのグラフで表示するディジタルカメラが知られている(例えば特許文献1参照)。また、このようなグラフをパーソナルコンピュータの表示装置に表示させる画像処理プログラムも知られている。このような画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフにより、ユーザは例えばディジタルカメラで撮像された画像の露光条件が適正であったか否かを確認することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のディジタルカメラは、ヒストグラムの表示要求が受け付けられてから度数を集計している。このため特許文献1に記載のディジタルカメラによると表示要求が受け付けられてからヒストグラムが表示されるまでに時間がかかるという問題がある。
【0003】
また、一般に画像の濃淡レベルは8ビットで表されリニアスケールで0〜255までの256階調の階調をしめす。従来、リニアスケールの濃淡レベルの0〜255までの256段階を等間隔に区切って集計した度数分布は、特許文献1に記載されているようにリニアスケールの横軸を区間軸としたヒストグラムで表示されている。
【0004】
ところで、人間の感覚全般はウェーバーの法則に従うといわれており、画像の濃淡レベルに相関する明るさに関する感覚もウェーバーの法則に従うといわれている。ウェーバーの法則を発展させたウェーバー・フェヒナーの法則によると、感覚の大きさと物理的な刺激量との関係は以下の式で表される。
S=k×logI+c
ここでSは感覚の大きさ、Iは物理的な刺激量、k及びcは定数である。この式から、人間の明るさに関する感覚は対数関数によって近似できることが判る。
【0005】
また、露光条件を表す露出値(EV:Exposure Value)は次式で規定されている。
EV=F2/t
ここでFはカメラの絞りを表すF値であり、tは露光時間(単位:秒)である。この式が示すように、露出値は対数関数で示されることがわかる。一般に多くの被写体は露出差が5EVの範囲に集中するとされており、18%の反射光に対応する輝度値を中心に±2.5EV相当の範囲に濃淡値が分布するように露光条件を調整することにより、被写体の適正な階調表現が可能になる。しかしながら、露出値は前述のように対数関数で表され、一般のカメラではF値と露光時間のそれぞれの1段階が1/3EVに対応するように設計されている。このため、区間軸がリニアスケールであるヒストグラムで画像の輝度値が表示された場合、そのヒストグラムに基づいて直感的に露光条件を調整することが難しいという問題がある。すなわち、区間軸がリニアスケールである輝度値のヒストグラムから露光条件を認識することは可能ではあるが、そのようなヒストグラムは露出補正に用いる指標として使いづらい。より具体的には、区間軸がリニアスケールである輝度値のヒストグラムが表示されても、被写体を表す画像の輝度値の分布が露出差5EVの範囲とどのように対応しているかを知ることが難しいため、適正な露出で撮像されているか否かを識別することも難しく、さらに、適正な露出を得るために1/3EVプラス補正するべきか、2/3EVマイナス補正するべきかを判断することも極めて難しい。例えば、区間軸がリニアスケールであるヒストグラムは、図17(A)及び図17(B)に示すようにEV単位で露光条件を調整して同一被写体を撮影すると露光条件によりヒストグラムの全体形状が大きく変化するため、露光条件の調整前に調整後の形状を予測することは困難である。(ここで図17(A)及び図17(B)は同じ被写体を同一撮像環境で露光条件をEV単位で調整して撮像したときのヒストグラムである。)したがって、図17(A)及び図17(B)のヒストグラムを見て輝度値が露出差5EV相当の範囲に適正に分布しているかを識別し、露出値をEV単位でどの程度調整すれば最適な輝度値の分布が得られるかを直感的に知ることは難しい。
【0006】
【特許文献1】特開2001−268400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みて創作されたものであって、画像の濃淡レベルの度数分布の表示要求に対する応答時間を短縮する画質表示装置、ディジタルカメラ、現像装置、画質表示方法及び画質表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための画質表示装置は、画像を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、前記グラフを画面表示するためのデータを前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、を備える。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける前に、グラフを画面表示するためのデータを作成することにより、グラフの表示要求に対する応答時間を短縮することができる。
【0009】
前記操作手段は、前記入力手段によって入力された複数の画像について予め決められた順序で前記表示要求を受け付け、前記集計手段は、前記予め決められた順序で前記グラフを画面表示するためのデータを作成することが望ましい。グラフの表示要求を例えば画像の記録順などの予め決められた順序で受け付けることにより、ある画像についてグラフが表示されている状態では、その画像に続いてグラフの表示要求が受け付けられる画像が決まっていることになる。したがって、グラフを表示するためのデータを表示要求の受け付け順序で作成することにより、予めそのデータを記憶するために必要になる記憶容量を抑制することができる。
【0010】
前記集計手段は、前記グラフを画面表示するモードに直接遷移可能なモードで前記グラフを画面表示するためのデータを作成することが望ましい。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフを画面表示するモードに直接遷移可能なモードにおいて、そのグラフを表示するためのデータを作成することにより、予めそのデータを記憶するために必要になる記憶容量を抑制することができる。
前記集計手段は、元画像を縮小した画像の濃淡レベルの度数分布に基づいて前記グラフを画面表示するためのデータを作成することが望ましい。元画像に比べて画素数が少ない画像の濃淡レベルの度数分布に基づいて元画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフを表示するためのデータを作成することにより、度数分布を集計する時間を短縮し、またグラフ表示のために使用されるメモリの容量を低減することができる。
【0011】
前記グラフは、区間軸が対数スケールであることが望ましい。区間軸が対数スケールであるグラフで画像の濃淡レベルの度数分布を表すことにより、画像の濃淡レベルの度数分布を感覚的にユーザにわかり易く表示し、また露光条件が適正であるか否かを識別しやすくし、また、露光条件の調整を容易にすることができる。
【0012】
前記グラフは、対数スケールで等間隔に区間が設定されていることが望ましい。対数スケールで等間隔に区間が設定されたグラフで画像の濃淡レベルの度数分布を表すことにより、画像の濃淡レベルの度数分布を感覚的にユーザにわかり易く表示し、また露光条件が適正であるか否かを識別しやすくし、また、露光条件の調整を容易にすることができる。
【0013】
前記集計手段は、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数を、対数スケールで等間隔に設定された区間毎に集計することが望ましい。
前記集計手段は、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数を、リニアスケールで等間隔に設定された区間毎に集計する第一集計手段と、前記第一集計手段によって集計された区間毎の度数を、対数スケールで等間隔に設定された区間毎に集計する第二集計手段と、を有することが望ましい。
【0014】
前記グラフは、区間軸に対数スケールの目盛りを有することが望ましい。区間軸の対数スケールの目盛りにより、度数分布がさらにわかりやすくなる。
前記表示手段は、前記入力手段によって入力された画像と前記グラフとを重ねて一画面に表示することが望ましい。画像とグラフとを重ねて表示すると、画像とグラフとをそれぞれ一画面内に大きく表示することができる。
【0015】
前記表示手段は、前記入力手段によって入力された画像と前記グラフとを並べて一画面に表示することが望ましい。画像とグラフとを並べて表示すると、画像の上にグラフが重ならないため画像を確認し易い。
前記グラフは、各区間に対応する領域の面積で各区間の度数を表すことが望ましい。
【0016】
前記グラフは、各区間に対応する図形要素の高さで各区間の度数を表すことが望ましい。
前記グラフは、適正露光条件で撮像される画像の濃淡レベルの代表値に対応する区間を案内することが望ましい。適正露光条件で撮像される画像の濃淡レベルの代表値に対応する区間を案内することにより、露光条件が適正であるか否かをより識別しやすくし、また、露光条件の調整を容易にすることができる。
【0017】
上記目的を達成するためのディジタルカメラは、被写体の光学像に基づいて光電変換により画像を作成する撮像手段と、前記撮像手段から出力された画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、を備える。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける前に、グラフを画面表示するためのデータを作成することにより、グラフの表示要求に対する応答時間を短縮することができる。
【0018】
上記目的を達成するための現像装置は、RAWデータによって画像を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像のデータ形式を標準化されているデータ形式に変換する現像手段と、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、を備える。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける前に、グラフを画面表示するためのデータを作成することにより、グラフの表示要求に対する応答時間を短縮することができる。
【0019】
上記目的を達成するための画質表示方法は、画像を入力する入力段階と、前記入力段階において入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作段階と、前記表示要求に応じて前記グラフを表示する表示段階と、前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計段階と、を含む。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける前に、グラフを画面表示するためのデータを作成することにより、グラフの表示要求に対する応答時間を短縮することができる。
【0020】
上記目的を達成するための画質表示プログラムは、画像を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、前記表示要求に応じて前記グラフを表示する表示手段と、前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段としてコンピュータを機能させる。画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける前に、グラフを画面表示するためのデータを作成することにより、グラフの表示要求に対する応答時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
(第一実施例)
図2は、本発明の第一実施例に係る画質表示装置及びディジタルカメラとしてのディジタルスチルカメラ(DSC)1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0022】
光学系11は、レンズ11a、絞り11b等で構成されている。光学系11はイメージセンサ12の受光面に被写体を結像させる。
イメージセンサ12は、2次元空間に離散的に配置された光電変換素子とCCD(Charge Coupled Device)等の電荷転送素子とを備えた撮像素子であり、いわゆるCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等である。イメージセンサ12は図示しないセンサコントローラによって駆動される。イメージセンサ12は光学系11により受光面に結像される被写体像を光電変換して得られる電荷を光電変換素子毎に一定時間蓄積し、光電変換素子毎の受光量に応じた電気信号を出力する。イメージセンサ12は受光面にC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)及びG(Green)の4色のフィルタ、またはR(Red)、G(Green)及びB(Blue)のフィルタを設けることによりカラー画像情報を取り込むことが可能である。イメージセンサ12の露光量は、絞り11bのF値や光学系11とイメージセンサ12の間に設けられる図示しないメカニカルシャッタの開放時間とで決定される。尚、イメージセンサ12の露光時間はイメージセンサ12の電荷蓄積時間自体を電気的に制御することによって調整してもよい。
【0023】
アナログフロントエンド(AFE)部13は、イメージセンサ12から出力される電気信号をAD変換器でディジタル信号に量子化して出力する。具体的には例えば、AFE部13は電気信号に含まれる雑音の低減処理であるCDS(Correlated Double Sampling)処理、画像の黒レベルを再現するためのオプティカル・ブラック・クランプ制御や、画像の電気信号のゲインの調整による電気信号のレベル調整処理、量子化処理等を行ってディジタル画像処理部14にRAWデータを出力する。RAW形式で画像を記憶するモードでは、AFE部13はイメージセンサ12の出力を単純にAD変換したデータを外部記憶部16にそのまま出力する。
【0024】
ここでRAWデータとは一般に撮像素子から出力された電気信号を単純にディジタル化したデータのことである。RAW形式のファイルは、JPEGデータのように国際規格で決まったものでなく、形式を自由に決めることができる。本実施例では、カメラ内で撮像時に発生した撮像情報、画像サイズ、1画素あたりの濃淡レベル数を表すビット数、センサのカラーフィルタ配列情報等に併せて、CCDの出力信号がそのままAFE部13でディジタル変換されたデータが記憶されている。このRAW形式のファイルに記憶されているセンサ出力に対応するデータ(イメージセンサ12の出力信号を単純にディジタル変換したもの)を本実施例ではRAWデータというものとする。例えばJPEG形式は、YCbCr各チャンネルの階調が8ビットに制限されているので撮像素子が例えば12〜16ビットで色調を捉えても完全に再現することができず、また非可逆圧縮のため画質の劣化が避けられない。RAWデータには8ビットという階調制限を設ける必要がなく、また非可逆圧縮する必要もない。このため、RAWデータで画像を記憶することにより、情報量を低減させることなく画像を記憶することができる。尚、RAWデータは、AFE部13から出力されるデータに限らず、例えばディジタル画像処理部14で行われる処理の一部が施されたデータであってもよい。また、RAW形式のファイルにJPEG形式の縮小画像を添付してもよい。RAWデータは画像形成処理を施さなければ表示することができないが、例えばRAWデータに添付されているJPEG形式の縮小画像をパーソナルコンピュータで読み込めばRAWデータが表す対象物を高速表示することが可能になる。
【0025】
ディジタル画像処理部14は、AFE部13から出力されたRAWデータに対し、画像形成処理、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、RGB色空間からYCbCr色空間に変換する色空間変換等を施すことによって、YCbCr色空間で表される画像データを出力する。ここで画像形成処理とは、例えば、特定色のフィルタの透過光を受光する各光電変換素子の蓄積電荷に基づいて1色分のみ取得される各画素の濃淡レベルを近傍画素同士で補間し合うことによって、画素毎にR、G、Bの3原色の濃淡レベルを持つカラー画像を形成する処理のことをいう。
【0026】
ディジタル画像処理部14は画像縮小部21を備えている。画像縮小部21は、画像を縮小し、縮小された画像(以下縮小画像という。)を出力する。縮小画像の画像サイズは制御部20によって設定される。例えば、リムーバブルメモリ17に記憶された画像をLCD(Liquid Crystal Display)18aの画面に表示する場合、LCD18aの画面サイズまで画像を画像縮小部21で縮小して表示する。もちろん、画像縮小部21ではこれ以外のサイズに縮小することも可能である。画像縮小部21によって生成された縮小画像は、外部記憶部16によって元の画像に関連付けてリムーバブルメモリ17に出力される。画像を縮小する処理は、CPU20aにおいて実行されるプログラムにより実行されてもよい。
【0027】
圧縮・伸張部15は、ディジタル画像処理部14から出力された画像データを圧縮し、また、圧縮された画像データを伸張する。圧縮・伸張部15は、具体的には例えば非可逆圧縮方式であるJPEG形式や、データの切り捨てを伴わない可逆圧縮方式を用いた圧縮を行う。また、圧縮・伸張部15は圧縮を行わないTIFF形式の画像データに変換することも可能に構成されている。また、圧縮・伸張部15は、RAW形式で画像を記憶するモードでは、何もしないでもよいし、RAWデータを可逆圧縮してもよい。以下では、圧縮・伸張部15でJPEG規格に準拠した圧縮・伸張処理を行う実施例を説明する。
【0028】
外部記憶部16は、記憶手段としてのリムーバブルメモリ17を接続するためのカードスロット、メモリコントローラなどを備える。外部記憶部16は制御部20によって制御され、圧縮・伸張部15で圧縮された画像データ、AFE部13から出力されたRAWデータ等をリムーバブルメモリ17へ書き込む処理、及びリムーバブルメモリ17に記憶されているこれらのデータを読み込む処理を行う。
【0029】
表示部18は、LCD18a(図3(A)参照)、LCD18aを制御するディスプレイコントローラなどを備える。表示部18は制御部20によって制御され、各種のメニュー、画像、グラフなどをLCD18aに画面表示する。再生モードにおいては、外部記憶部16によってリムーバブルメモリ17から読み込まれ圧縮・伸張部15により伸張された画像データに基づいて、本画像または画像縮小部21で生成された縮小画像を表示部18がLCD18aに画面表示する。
操作部19は、シャッタボタン、露光条件やその他各種の撮像条件を設定するためのダイヤルスイッチ、表示される各種のメニューを操作するための複数の押しボタンスイッチ、ジョグダイヤルなどを備える。
【0030】
制御部20は、CPU20aと、フラッシュメモリ20bと、記憶手段としてのRAM20cとを備える。CPU20aはフラッシュメモリ20bに記憶されているプログラムを実行することでDSC1の全体を制御する。また、CPU20aはフラッシュメモリ20bに記憶されている画質表示プログラムを実行することで入力手段、撮像手段、記憶手段、出力手段、及び集計手段としても機能する。フラッシュメモリ20bは、各種のプログラムやデータなどを記憶するメモリである。フラッシュメモリ20bに記憶する各種のプログラムやデータは所定のサーバからネットワークを介してダウンロードして記憶してもよいし、リムーバブルメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して記憶してもよい。RAM20cは、各種のプログラムやデータを一時的に記憶するためのメモリである。
【0031】
本実施例において、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」は、光学系11、イメージセンサ12、AFE部13、ディジタル画像処理部14及び制御部20に相当する。特許請求の範囲に記載の「入力手段」は、外部記憶部16及び制御部20、光学系11、イメージセンサ12、AFE部13、及びディジタル画像処理部14に相当する。特許請求の範囲に記載の「操作手段」は、表示部18、操作部19及び制御部20に相当する。特許請求の範囲に記載の「表示手段」は、表示部18及び制御部20に相当する。特許請求の範囲に記載の「集計手段」は、制御部20に相当する。
【0032】
次に、DSC1の外観について説明する。
図3(A)はDSC1の背面図であり、図3(B)はDSC1を図3(A)に示すZ方向から見た上面図である。
光学ファインダ30はユーザが被写体を視認するために使用する。
スイッチ31、巻き上げレバー32、ダイヤルスイッチ33、シャッタボタン34、回転式ダイヤル35a、ジョグダイヤル37、表示スイッチ38、メニュースイッチ39、エンタースイッチ40、及びキャンセルスイッチ41は操作部19を構成している。
【0033】
スイッチ31は電源スイッチである。巻き上げレバー32は機械的にシャッタが切られた状態のシャッタ幕を再度次回のシャッタ動作が可能なようにシャッタ幕を引き上げて機械的に固定するための動作を行うために設けられている。ユーザは撮像前に巻き上げレバー32を巻き上げてシャッタチャージを行うことによりメカニカルシャッタを撮像動作可能にする。ダイヤルスイッチ33は、シャッタスピードや撮像条件の種類などを選択し、設定するための回転式のスイッチである。シャッタボタン34はダイヤルスイッチ33の中央部に設置されている。シャッタボタン34を押し込む事で撮像動作が開始される。
【0034】
ダイヤルスイッチ33の隣りに設置されている針式の表示装置35の外周は回転式ダイヤル35aとなっており、露出値を−2EV〜+2EVまで1/3EV刻みで調整可能である。回転式ダイヤル35aの内側に設けられた固定式リング35bには撮像可能な残り画像数が表示されている。固定式リング35bの内側に設けられた文字盤35cにはホワイトバランス、データ形式、及び電池残量を表す電池残量目盛が表記されている。データ形式は、具体的にはRAW形式を表す文字R、TIFF形式を表す文字T、高圧縮率のJPEG形式を表す文字H、及び低圧縮率のJPEG形式を表す文字Nによって表記されている。現在選択されている項目や電池残量は指針35d、35e、及び35fによって示されている。レバースイッチ36が右上がり又は右下がりの状態でジョグダイヤル37が回転すると、レバースイッチ36の姿勢に応じてホワイトバランス又はデータ形式を変更できる。
【0035】
ジョグダイヤル37は、XY方向に回転可能、且つ回転軸の軸方向に移動可能に設けられている。ジョグダイヤル37は軸方向の2ポジションで回転可能に設けられている。以後の説明ではDSC1の筐体10に近い側を下ポジション、下ポジションからジョグダイヤル37を上側に持ち上げたポジションを上ポジションというものとする。図3(A)では下ポジションにあるジョグダイヤル37を実線で示し、上ポジションにあるジョグダイヤル37を破線で示している。ユーザは各スイッチとジョグダイヤル37とを組み合わせて各種の設定や機能の選択を行う。
LCD18aの右には表示スイッチ38、メニュースイッチ39、エンタースイッチ40、及びキャンセルスイッチ41が設置されている。
【0036】
次に、画質表示プログラムについて説明する。
図4は、画質表示プログラムの論理的な構成を示すブロック図である。画質表示プログラムは入力手段としてDSC1を機能させる入力部51、及び操作手段及び表示手段としてDSC1を機能させるGUI部52、及び集計手段としてDSC1を機能させる集計部53を備えている。
【0037】
入力部51は、被写体を表す画像を入力する場合、DSC1の各部を制御して被写体像を画像データに変換し、変換した画像データをRAM20cに記憶させる。また、リムーバブルメモリ17に記憶されている画像を入力する場合、入力部51は外部記憶部16を制御してリムーバブルメモリ17からRAM20cに画像データを読み込む。なお、入力部51はネットワークインタフェースを介して他の装置からデータをダウンロードすることによって画像を入力してもよい。
GUI部52は、ユーザがDSC1を操作するためのGUI(Graphical User Interface)を提供する。具体的には、GUI部52は操作部19からの出力信号に応じてLCD18aに各種のメニューや、リムーバブルメモリ17に記憶された画像、画像のヒストグラム等を表示させる。
【0038】
図5は、DSC1のGUIを説明するための模式図である。電源が投入されるとDSC1が起動し、撮像モードに遷移する。撮像モードは撮像を行うモードである。撮像モードでシャッタボタン34が押下されると入力部51は被写体像を撮像する動作を開始し、イメージセンサ12から出力される信号に対して各種の処理を施し、被写体像を表す画像データを生成する。撮像モードで表示スイッチ38が押下されると再生モードに遷移する。
【0039】
再生モードはリムーバブルメモリ17に記憶されている画像をLCD18aに表示するモードである。再生モードにおいてジョグダイヤル37が下ポジションにあるとき、ユーザがジョグダイヤル37を回転させる操作を行うことによりリムーバブルメモリ17に記憶されている画像ファイルが予め決められた順序で選択される(75h)。画像ファイルが選択されると、選択された画像ファイルに記憶されている画像がLCD18aに表示される。画像ファイルの選択順は、撮像時に当該画像ファイルに撮像順に付与される連続番号を含むファイル名の昇順又は降順である。すなわち、画像の選択順は、ジョグダイヤル37を右回転させたときに画像の撮像順になり、ジョグダイヤル37を左回転させたときに画像の撮像順と反対の順序になる。尚、画像の選択順は、画像ファイル名の順序でなくても、画像の撮像日時の順序でもよい。
【0040】
再生モードでは、そのとき選択されているファイルに格納されている縮小画像、本画像又は本画像に関する各種の付属情報を表示する。具体的には例えば、標準表示75a、簡易情報表示75b、ヒストグラム表示75c、ハイライト表示75d、詳細情報表示75e、GUI非表示75f及び4分割表示75gという複数の再生モードがある。ユーザがジョグダイヤル37を上ポジションで回転させるとGUI部52は回転に応じた再生モードで縮小画像、本画像、又は付属情報を表示する。
【0041】
特定の画像ファイルが選択されている特定の再生モードにおいて、ジョグダイヤル37が下ポジションで回転すると、前後の順序の画像ファイルが新たに選択され(75h)、新たに選択された画像ファイルの縮小画像、本画像又は付属情報がそのままの再生モードで表示される。
【0042】
標準表示75aでは、縮小画像又は本画像と「画像番号/総画像数」とが一画面に合成表示される。特定の画像ファイルが選択されたとき、GUI部52は、まず縮小画像を表示した後に、本画像を表示してもよい。画像を表示する他の再生モードにおいても同様に、GUI部52は、特定の画像ファイルが選択されたとき、まず縮小画像を表示した後に、本画像を表示してもよい。
【0043】
簡易情報表示75bでは、縮小画像又は本画像と、現在の「画像番号/総画像数」と、ファイル番号と、撮像クオリティと、ファイル保護と、撮像日時とが一画面に表示される。
ヒストグラム表示75cでは、縮小画像又は本画像と、現在の「画像番号/総画像数」と、ヒストグラムとが一画面に表示される。ヒストグラムの表示方法については後述する。尚、ヒストグラム表示75cでは、画像を表示せずヒストグラムだけを一画面に表示してもよい。
【0044】
ハイライト表示75dでは、縮小画像又は本画像の白飛びしている箇所を縮小画像上に表示する。
詳細情報表示75eでは、縮小画像又は本画像と、現在の「画像番号/総画像数」と、ファイル番号と、撮像クオリティと、ファイル保護と、撮像日時と、ファイル番号と、シャッタスピードと、ホワイトバランス(WB)と、解像度と、ISO感度と、フィルム設定とが一画面に表示される。
GUI非表示75fでは、縮小画像又は本画像のみを表示する。
4分割表示75gでは、一画面を4分割した各領域に、ファイル名が連続している4つの画像ファイルの各縮小画像を表示する。
【0045】
図4に示す集計部53は、画像の濃淡レベルの度数分布を表すデータをGUI部52に出力する。集計部53は、このデータを現在選択されている画像ファイル又はその前後の順序の画像ファイルの本画像又は縮小画像に基づいて、表示要求が受け付けられる前に予め作成する。
【0046】
図6は、ヒストグラムを表示するためのデータを作成するために走査される画像の一例を示す模式図である。第一実施例ではJPEG形式の画像データを例に説明する。JPEG形式の画像データはYCbCr色空間で表される画像データであり、各画素61はY(輝度成分)、Cb(青み成分)及びCr(赤み成分)の各チャネルの濃淡レベルを表す3つの階調値で構成される。本実施例では画像60の輝度成分の濃淡レベルをヒストグラムとして表すために、集計部53は画像60の輝度成分の度数分布を集計するものとする。本明細書では輝度成分が表す濃淡レベルのことを輝度値というものとする。尚、GUI部52は、RGBの各階調値で表された画像について、R、G又はBの各階調値について画像の濃淡レベルの度数分布を表してもよい。また例えばGチャンネルの画素値のみを集計するといったように特定チャンネルの画素値だけを集計の対象としてもよい。
【0047】
第一実施例では、データの作成時間を短縮するため、縮小画像に基づいてヒストグラムを表示するためのデータを作成し、そのデータに基づいて本画像の輝度値を表すヒストグラムを画面表示する。各区間の度数の集計が縮小画像に基づいて行われることにより、縮小前の画像に基づいて度数の集計が行われる場合よりもヒストグラムを表示するための処理に要する時間が短くなる。
【0048】
尚、本画像に基づいてヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよいし、集計部53においてLCD18aの画面サイズに表示しやすくするために表示画面サイズに合わせて縮小された画像に基づいてヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよい。また、本画像でも表示画像でもない別の異なるサイズに本画像を縮小した画像に基づいてそのデータを作成してもよい。具体的には例えば、3008×2000の本画像に対してヒストグラムデータを作成してもよいし、LCD18aの画面サイズに表示しやすいサイズである640×425のサイズに本画像を縮小し、縮小した画像に基づいてヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよいし、本画像を上下方向と左右方向にそれぞれ1/8に縮小して376×250の縮小画像を生成し、376×250の縮小画像に基づいてヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよい。縮小率が適正であれば、縮小画像に基づいて表示されるヒストグラムと、本画像に基づいて表示されるヒストグラムの形状はほぼ一致するため、縮小画像に基づいてヒストグラムを表示することにより、ヒストグラムの機能を損なうことなく、ヒストグラムの表示処理を高速化できる。
【0049】
ところで、JPEG形式の画像データでは、8画素×8画素のブロック毎にDC成分が記録されており、DC成分は各ブロックを代表する輝度値に相当する。そこで、JPEG伸張時にDC成分のみを取り出し、取り出したDC成分で画像を形成することにより、元画像を上下方向と左右方向にそれぞれ1/8に縮小する処理と実質的に同じ結果を得ることができる。したがって、JPEG伸張時に取り出したDC成分で画像を形成し、その画像に基づいてヒストグラムを表示することにより、ヒストグラムの表示処理をさらに高速化できる。
【0050】
集計部53は区間を対数スケールで等間隔に設定して画像の輝度値の度数分布を集計する。図7に示す集計テーブル65は、対数スケールで等間隔に設定されるヒストグラムの区間と、リニアスケールで表される画像の輝度値とを対応付けるためのテーブルである。集計テーブル65の各行には、対数スケールの区間代表値とリニアスケールの区間範囲とが設定されている。図7の集計テーブル65では、リニアスケールの輝度値(x)と対数スケールの輝度値(EV)とを次式の関係で対応付けている。
EV=Log2(x/255)
集計テーブル65では対数スケールで0.0〜−8.2の範囲に区間を設定している。対数スケールの0.0は最大輝度値に対応し、対数スケールの−8.2は最小輝度値に対応する。尚、8ビットのリニアスケールの輝度値の最小値0は、上記の式を用いて対数スケールで表すと−∞である。代表値が−8.2の区間の最小の輝度値は、対数スケールの−∞に設定している。EVスケールの最小区間をどこまで低く設定するかは、輝度値の低い範囲の度数分布をどの程度詳細に表示するかに応じて決めることのできる設計事項である。
【0051】
尚、区間代表値は区間間の相対的な露光差を示すための便宜的な値であり、最大区間の代表値を0.0と表すか否かは適宜選択可能な設計事項である。例えば対数スケールで4.0〜−4.2の範囲に設定される区間に対し、リニアスケールで0〜255の輝度値を対応付けてもよい。また、集計テーブル65では各区間の幅を0.2EV相当に設定しているが、各区間の幅をどのように設定するかは適宜選択可能な設計事項である。例えば区間幅は、1/10EVとか1/20EVでもよいし、1/3EVでもよいし、1/6EVでもよいし、1/9EVでもよいし、さらに細かく1/30EVでもよい。さらに表示するヒストグラムがより細かく滑らかに分布するように見せる適切な間隔でも良い。
【0052】
図7には度数が集計される区間毎にリニアスケールで輝度値の範囲の幅、すなわち区間幅を併せて示している。例えば代表値が対数スケールで−0.2の区間の場合、その区間に対応するリニアスケールの輝度値は222〜254であるため、区間幅は33である。輝度値の区間を対数スケールで等間隔に設定すると、結果として各区間のリニアスケールの幅と、対数スケールの区間代表値の相関関係は、所定の指数関数で近似できるようになる。具体的には、対数スケールの区間代表値が大きくなるに従って、リニアスケールの区間幅は所定の指数関数に従って広くなっていく。
【0053】
図19に示す集計テーブルは、図7の集計テーブル65よりも区間設定が細かい例である。図7の集計テーブル65に基づいて表示されるヒストグラムよりも精細なヒストグラムを表示しようとするときは区間を細かく設定すればよい。例えば図19に示すように底2の対数スケールで0.02間隔の区間設定では、幅8EVの範囲に約400区間が設定されるため、かなり精細なヒストグラムを表示することができる。どの程度詳細なヒストグラムを画面表示するかは、適宜選択可能な設計事項である。一般に、幅8EVの範囲でヒストグラムを表示する場合、200区間もあれば十分に精細なヒストグラムを表示できる。例えば底2の対数スケールで0.04間隔で区間を設定してもかなり精細なヒストグラムを表示することができる。また、本実施例では、輝度値が8ビットのリニアスケールで表現される場合について説明しているが、リニアスケールの輝度値を10ビット、12ビット等の他のビット数で表現することができることは勿論である。対数スケールの輝度値(EV)とリニアスケールの輝度値(x)との対応付けは、リニアスケールの輝度値が10ビット表現の場合、EV=Log2(x/1023)であり、リニアスケールの輝度値が12ビット表現の場合、EV=Log2(x/4095)に設定する。上述したとおり、対数の底を2に設定することにより、露出値のスケールと輝度値のスケールを一致させることができる。
【0054】
集計部53は、各区間の度数を0に初期化した後、縮小画像を構成する各画素の輝度値について集計テーブル65を参照して当該画素が属する区間を判定し、判定した区間の度数に1を加算することにより度数を集計する。このようにして全区間について集計された度数は、ヒストグラムを表示するためのデータとしてGUI部52に出力される。なお、外部記憶部16は、集計部53で作成されるデータを対応する画像ファイルに添付してもよい。
【0055】
尚、画素毎に集計テーブル65を参照して当該画素が算入される区間を判定するかわりに、リニアスケールで一定の区間幅で度数を集計してから集計テーブル65を参照するようにしてもよい。具体的には例えば各画素がリニアスケールで0から255までの256階調の輝度値を有する画像について各区間の区間幅をリニアスケールで1として輝度値の度数分布を求める。ここで、区間幅がリニアスケールで1の区間を一次区間といい、区間が対数スケールで等間隔に設定されている区間を二次区間というものとする。次に、集計テーブル65を参照しながら、全一次区間について対応する二次区間を特定し、対応する二次区間が同一になる一次区間の度数を積算し、積算された度数を二次区間の度数とする。全区間をリニアスケールで一定幅としてリニアスケールの輝度値の度数分布を求めることは従来も行われているため、全区間をリニアスケールで一定幅としてリニアスケールの輝度値の度数分布を求める処理には、従来の回路あるいはプログラムを流用できる。
【0056】
度数の集計はガンマ補正が施された画像について行ってもよいし、ガンマ補正が施されていない画像について行ってもよい。ガンマが1/2.2である一般的な画像の場合、ガンマ補正後の画像の輝度値Yと、ガンマ補正前の画像の輝度値Xとの関係は次式で表される。
Y=X1/2.2
したがって、ガンマ補正後の画像の対数スケールの輝度値EVは次式で表される。
EV=Log2Y=Log21/2.2=(1/2.2)×Log2
【0057】
したがって、ガンマ補正された画像のヒストグラムは、ガンマの値だけ区間軸方向に圧縮した形で表示される。例えば、ガンマ補正前の画像の輝度値を−8EVから0EVまでの区間に分布するように表示させる場合、ガンマを1/2.2に設定したガンマ補正後の画像の輝度値は−3.64EVから0EVまでの区間に分布するように表示される。また例えば、ガンマ補正前の画像の輝度値を−5EVから0EVまでの区間に分布するように表示させる場合、ガンマを1/2.2に設定したガンマ補正後の画像の輝度値は−2.27EVから0EVまでの区間に分布するように表示される。
【0058】
図4に示すGUI部52は、ヒストグラム表示75cが選択されると、集計部53から出力された全区間の度数に基づいて、現在選択されている画像と、その画像の輝度値の度数分布を表すグラフとを一画面に表示する。具体的には例えば、横軸を対数スケールの区間軸とし、縦軸をリニアスケールの度数軸としたヒストグラムを縮小画像と重ねて一画面に合成表示する。
【0059】
図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、GUI部52がLCD18aに表示するヒストグラムの例を示す模式図である。図8(A)及び図8(B)に示す例では、各区間の度数が、各区間を底とする長方形の面積で表されている。区間を底とする長方形の幅が一定であるため、各区間の度数は各長方形の高さでも表されている。図8(C)に示すヒストグラムでは、各区間の度数が折れ線の高さで表されている。ヒストグラムで表される各区間の高さ又は面積と各区間の度数の比率は任意に設定することができる。
【0060】
GUI部52は、区間軸の目盛りを表示することが望ましい。具体的には例えば図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示すように、区間軸の目盛りとして、度数軸に平行な破線を区間軸方向に配列する。目盛りを間隔1で区間軸方向に配列することにより、1EV単位幅に各画素の画素値がどの程度分布しているかを容易に識別可能になるため、露出補正がさらに容易になる。また、目盛りとしての破線には、底2の対数で区間軸のスケールを表す数字を付すことが望ましい。区間軸の目盛りに、底2の対数スケールの目盛りと数字を付すことにより、ユーザは区間と露出値との対応関係を把握でき、例えば露光条件をEVスケールで何段階調整すれば適切な露光になるかを容易に知ることができる。
【0061】
ところで一般に、最適な露出は反射率18%の対象物の光量であるといわれている。画像の輝度値の代表値としての平均値や中央値がその光量に対応するような露光条件は適正な露光条件であるといえる。そこで、適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の平均値に対応する区間を案内するグラフを表示することが望ましい。たとえば図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示すように、その区間を通り縦軸に平行な太い線幅の破線を表示する。また例えば、図8(B)に示すように、その区間が横軸の中央に位置するように区間を設定し、中央の区間代表値を0とするヒストグラムを表示する。
【0062】
適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の代表値としての平均値は、次のように設定する。例えば、0〜100%の反射光を0〜255の輝度値で記録する場合、18%の反射光に対応する輝度値は46である。したがって、EV=Log2(x/255)でリニアスケールの輝度値xと対数スケールの輝度値EVを対応づけている場合、―2.47EV(=Log2(46/255))の区間が適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の平均値に対応する区間である。また、より明るい場所まで記録するディジタルカメラで0〜120%の反射光を0〜255の輝度値で記録する場合、18%の反射光に対応する輝度値は38である。したがって、EV=Log2(x/255)でリニアスケールの輝度値xと対数スケールの輝度値EVを対応づけている場合、―2.74EV(=Log2(38/255))の区間が適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の平均値に対応する区間である。これらは、ガンマが1の場合の例である。
【0063】
ガンマが1/2.2に設定されたガンマ補正後の画像の場合、適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の代表値は、次のように計算する。0〜100%の反射光を0〜255の輝度値で記録する場合、18%の反射光に対応するガンマ補正後の輝度値は118である。したがって、EV=Log2(x/255)でリニアスケールの輝度値x(ガンマ補正前)と対数スケールの輝度値EV(ガンマ補正前)を対応づけている場合、−1.12EV(=Log2(0.181/2.2))の区間が適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の平均値に対応する区間である。尚、これは、ガンマ補正前の輝度値−2.47EVの1/2.2倍である。また、0〜120%の反射光を0〜255で記録する場合も同様な計算により、−2.74×の1/2.2の−1.24EVの区間が適正な露光条件で撮像される画像の輝度値の平均値に対応する区間である。
【0064】
尚、目盛りに付する露出値を表す文字(−8EV〜0EV)の代わりにグレースケールのグラデーションを横軸に沿って表示してもよい。また、ヒストグラムは、必ずしも全範囲の度数分布を示す必要はない。例えば図18に示すように0.0EV〜−8.2EVまで度数分布を集計した結果に基づいて−5EVから0EVの範囲でヒストグラムを表示してもよい。
【0065】
図9は、LCD18aに画像60とヒストグラム70を重畳合成した画面を表示した状態を示す模式図である。第一実施例ではヒストグラム70の背景を、図示するように透明にして表示している。具体的には度数を示す長方形、縦軸、横軸などのヒストグラム70の構成要素だけ画像60の上に表示している。このように表示すると、ヒストグラム70の背景に対応する領域についても画像60を確認できるため、ヒストグラム70で隠れる画像60の領域を小さくすることができる。尚、GUI部52は、ヒストグラム70の背景を透明にせずに画像60の上に重ねて表示してもよいし、度数を示す長方形を半透明にして画像60と重ねてもよい。望ましくは、ヒストグラム70が表示される矩形エリアについては、画像60の透過率を50%、ヒストグラム70の透過率を50%とするミックス合成を実施し、半透明状態で合成表示する。
【0066】
図1は、ヒストグラム70を表示するためのデータを作成するタイミングを説明するための状態遷移図である。簡易情報表示75b、ヒストグラム表示75c、及びハイライト表示75dの各再生モードを示す円に付された長方形104、105、106は、ヒストグラム70を表示するためのデータがRAM20cに記憶されている状態を模式的に表している。各長方形104、105、106に付された数字「04」、「05」及び「06」は、当該長方形に対応するヒストグラムが表示される画像のファイル名を例示している。
【0067】
ヒストグラム表示75cでは、選択されている画像ファイルとその前後の順序の画像ファイルの画像についてヒストグラム70を表示するためのデータ104、105、106がRAM20cに格納されている。ハイライト表示75d及び簡易情報表示75bでは、選択されている画像ファイルの画像についてのみヒストグラム70を表示するためのデータ105がRAM20cに格納されている。これらのデータは、簡易情報表示75b、ヒストグラム表示75c、及びハイライト表示75dの各再生モードにおいて上述したとおりの画像についてRAM20cにデータが格納されるように、再生モードが遷移する時と、選択対象の画像が切り替わる時とに、作成又は削除される。
【0068】
すなわち、ヒストグラム表示75cにおいては、現在選択されている画像の前又は後の画像についてジョグダイヤル37の下ポジションでの回転によってヒストグラムの表示要求が受け付けられる前に、現在選択されている画像の前又は後の画像についてヒストグラムを表示するためのデータが集計部53によって作成される。また、簡易情報表示75b及びハイライト表示75dにおいては、現在選択されている画像についてジョグダイヤル37の上ポジションでの回転によってヒストグラムの表示要求が受け付けられる前に、現在選択されている画像についてヒストグラムを表示するためのデータが作成される。
【0069】
尚、ヒストグラムを表示するためのデータを作成するタイミングは、ヒストグラムの表示要求を受け付ける前であればよく、例えばヒストグラム表示75cで現在選択されている画像の前後2つずつの画像について合計4つのヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよい。また例えば、標準表示75a、詳細情報表示75e、GUI非表示75f、4分割表示75g等の他の再生モードにおいてヒストグラムを表示するためのデータを作成してもよい。
【0070】
以上説明した本発明の第一実施例に係るDSC1によると、特定の画像についてヒストグラムの表示要求が受け付けられる前に、当該画像についてヒストグラムを表示するためのデータが作成されるため、表示要求が受け付けられてからヒストグラムが画面表示されるまでの応答時間を短縮することができる。また、再生モードがヒストグラム表示75cであるときは、各画像に予め付されたファイル名の順序で連続する3つの画像についてのみヒストグラムを表示するためのデータがRAM20cに記憶されるため、予めヒストグラムを表示するためのデータを記憶するための記憶領域の大きさを抑制することができる。また、ヒストグラム表示75cの他の再生モードでは、ヒストグラム表示75cに直接遷移可能な簡易情報表示75b及びハイライト表示75dでのみヒストグラムを表示するためのデータを作成するため、あらかじめそのデータを記憶するための記憶領域の大きさを抑制することができる。
【0071】
また、区間軸が対数スケールのヒストグラムで画像の輝度値の度数分布が表されることにより、ヒストグラムが表す輝度値の度数分布とユーザが当該画像を見て知覚する輝度値の度数分布とが概ね一致する。従って第一実施例によるヒストグラムが示す度数分布は、ユーザが画像を見たときに知覚するであろう明るさに関する感覚で直感的に理解しやすい。また、画像とその輝度値の度数分布を表すヒストグラムとが一画面に表示されるため、ヒストグラムと画像とを一画面上で比較することができ、ヒストグラムが表す度数分布が示す意味を容易に理解できる。よってDSC1によると、画像の輝度値の度数分布をユーザにわかり易く表示できる。
【0072】
また、区間軸が対数スケールのヒストグラムが表示されると、露光条件を調整して同じ被写体を同一環境で撮像し、撮像した画像に基づいてヒストグラムを表示したとき、露光条件の調整前後でヒストグラムが図10(A)及び図10(B)に示すように左右いずれかに移動するだけで形状が変化しない。この同一被写体を撮像した時に露光条件を変化させてもヒストグラムの形状が変化しないという点が区間軸を対数スケールにした大きな利点である。このためユーザは調整前のヒストグラムに基づいて調整後の輝度値が特定の範囲に分布するように露光条件を直感的に調整できる。従ってユーザは露光条件が適切に調整された画像を容易に撮像できる。また、適切でない画像を撮像した時にどの程度露光条件を変化させれば適切な画像撮像ができるかを、ユーザは直感的に認識できる。
【0073】
また、区間軸に底2の対数スケールで目盛りを付し、各目盛りに露出値と同じスケールの数字を付すことにより、ユーザは各区間と露出値とを直接的に対応付けて認識できるため、さらに露光条件の調整が容易になる。具体的には、区間軸の目盛りで幅Wだけヒストグラムを区間軸方向に平行移動させると適正な露光条件になるときは、ユーザはディジタルカメラの露出値をWだけ変化するように調整するだけで、適正な露光条件で被写体を撮像することができる。
【0074】
尚、第一実施例ではリムーバブルメモリ17から画像を入力する場合を例に説明したが、光学系11、イメージセンサ12及びAFE部13を用いて画像を入力してもよい。この場合、LCD18aを電子ビューファインダとして用い、スルー画像とそのヒストグラムとをシャッタボタン34が押下される前にそれぞれ動画表示したり、ハーフシャッタで静止画表示するとよい。シャッタボタン34が押下される前にヒストグラムを表示すると、ユーザはそのヒストグラムを見て撮像前に露光条件を調整できるので、露光条件を確認するための試験的な撮像を行う必要がない。従ってユーザの利便性が向上する。
【0075】
また、第一実施例では画質表示装置及びディジタルカメラとしてDSC1を例に説明したが、画質表示装置はパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、電子アルバム装置などであってもよい。また、ディジタルカメラはディジタルビデオカメラ、ディジタルカメラ付き携帯電話、ディジタルカメラ付きPDAなどであってもよい。
また、第一実施例では、区間幅が対数スケールで等間隔に設定され、区間軸が対数スケールであるグラフを例示したが、区間幅がリニアスケールで等間隔に設定され、区間軸がリニアスケールであるグラフを表示してもよい。
【0076】
(第二実施例)
図11は、第二実施例のヒストグラムを示す模式図である。第二実施例のディジタルカメラでは、区間幅がリニアスケールで一定の度数分布表に基づいて表示されるヒストグラムに、対数スケールで等間隔に区間軸の目盛りを表示することにより、区間がリニアスケールで等間隔に設定された度数分布と区間が対数スケールで等間隔に設定された度数分布とを一つのヒストグラム80で表示する。第二実施例はその他の点において第一実施例と実質的に同一である。
第二実施例では、入力された画像についてリニアスケールの輝度値毎の度数を集計し、集計した輝度値毎の度数をリニアスケールで等間隔に設定された区間毎に合計する。例えば各区間幅をリニアスケールで8として0〜255を32区間に等間隔に分割するとする。この場合、最初の区間については0〜7までの輝度値の度数を合計する。次の区間については8〜15までの輝度値の度数を合計する。他の区間についても同様である。この結果、幅がリニアスケールで8の区間毎の度数が集計される。勿論、8ビットで輝度値が表される画像について、区間幅をリニアスケールで1とし、0から255までの256区間の度数分布を集計しても良い。
【0077】
対数スケールの目盛りとしての破線80a、80b、80c、80d、80eの間隔を0.2EV相当に設定して図示すると破線の数が多くなって見難くなるため、第二実施例では破線80a、80b、80c、80d、80eの間隔を1EV相当に設定して図示している。破線80a〜80eの間隔は対数スケールで1であるため、破線80a〜80eは、対数スケールで幅が1の区間をユーザに案内していることになる。すなわち、隣り合う破線に挟まれる長方形の面積の総和によって、ユーザは対数スケールで幅が1の区間毎に輝度値の度数を認識することができる。
【0078】
(第三実施例)
図12は、第三実施例のグラフを示す模式図である。第三実施例では、第一実施例のヒストグラムに代えて、画像の輝度値の度数分布を折れ線グラフ81で表示する。
第三実施例はその他の点において第一実施例と実質的に同一である。尚、折れ線グラフ81では、折れ線と横軸の間の領域を塗りつぶしてもよいし、塗りつぶさなくてもよい。また、輪郭線がなく、輪郭の一部が折れ線に相当する塗りつぶされた図形を表示してもよい。
【0079】
(第四実施例)
図13は、画像とヒストグラムとを並べて合成表示した模式図である。第四実施例では図示するように画像60とヒストグラム70とは重ならずに並んで一画面に合成表示される。第四実施例はその他の点において第一実施例と実質的に同一である。尚、画像60とヒストグラム70とをどのように並べるかは適宜選択可能な設計事項である。
【0080】
第四実施例によると、画像60とヒストグラム70とを重ねないため第一実施例に比べて画像が小さく表示されるが、画像60の全体とヒストグラム70の全体とを一画面で表示することができる。また第四実施例によると、画像60とヒストグラム70とを重ねないため、1EVの単位幅を案内する目盛りとしての破線が見易くなるため、ユーザは輝度値の分布情報を正確につかみながら露光条件の調整量を正確に把握することができる。
【0081】
(第五実施例)
図14は、ヒストグラムを単独で表示した模式図である。第五実施例では図示するようにヒストグラムが単独で表示される。第五実施例はその他の点において第一実施例と実質的に同一である。第五実施例によると、ヒストグラムを画像と重ねて表示したり並べて表示したりしないため、ヒストグラムを大きく且つ見やすく表示できる。また第五実施例によると、画像とヒストグラムとを重ねないため、1EVの単位幅を案内する目盛りとしての破線が見易くなるため、ユーザは輝度値の分布情報を正確につかみながら露光条件の調整量を正確に把握することができる。
【0082】
9009の84,85と同様の修正が必要
(第六実施例)
図15は、第六実施例に係る現像装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)2のハードウェア構成を示すブロック図である。PC2は、CPU85、ROM86、RAM87、操作部88、モニタ89、第一の外部記憶部90及び第二の外部記憶部91を備え、これらはバス92で相互に接続されている。操作部88はマウスやキーボードなどで構成されている。モニタ89はCRTやLCDなどのディスプレイやディスプレイコントローラなどで構成され、表示手段として機能する。第一の外部記憶部90はハードディスクやハードディスクコントローラなどで構成され、オペレーティングシステム(OS)、第六実施例の画質表示プログラム、集計テーブル、その他各種のプログラムやデータなどが記憶されている。第二の外部記憶部91はフレキシブルディスク、リムーバブルメモリ、CD−ROM、CD−Rなどの脱着可能な記憶媒体を利用する記憶装置であり、記憶媒体からRAW形式の画像データ(RAWデータ)を読み出すことで入力手段として機能する。ここでは脱着可能な記憶媒体としてリムーバブルメモリを例に説明する。CPU85はROM86や第一の外部記憶部90に記憶されているプログラムを実行してPC2の全体を制御する。また、CPU85は画質表示プログラムを実行することで入力手段、操作手段、集計手段、現像手段、及び表示手段としても機能する。ROM86は各種のプログラムやデータを予め記憶しているメモリであり、RAM87は各種のプログラムやデータを一時的に記憶するメモリである。これら各種のプログラムやデータは所定のサーバから通信ネットワークを介してダウンロードして入力してもよいし、リムーバブルメモリなどから読み出して入力してもよい。
【0083】
次に、第六実施例の画質表示プログラムについて説明する。
図16は、画質表示プログラムの論理的な構成を示すブロック図である。第六実施例の画質表示プログラムは、入力部95、現像部96、GUI部97及び集計部98を備えている。入力部95は第二の外部記憶部91を制御してリムーバブルメモリに保存されたRAWデータ形式の画像を入力する。現像部96は入力された画像のデータ形式を標準化されているデータ形式に変換する。具体的にはRAWデータに画像形成処理、ガンマ補正、色空間変換などを施して標準化されているデータ形式で画像を形成する。標準化されているデータ形式とは具体的には例えば画素毎にRGBあるいはYCbCrの3つの階調値を持つビットマップデータ形式、JPEGデータ形式、TIFFデータ形式等のことをいう。GUI部97は各種のGUIを提供し、ヒストグラムを表示するためのデータを第一実施例に準じたタイミングで作成するため、所定の操作が行われると集計部98を呼び出す。集計部98及びGUI部97は現像部96から出力された画像に対して第一実施例と同様の処理を行って画像とグラフとを一画面に合成表示する。尚、標準化されていない形式の画像データを直接参照することにより画像のヒストグラムを表示するようにしてもよい。
第六実施例に係るPC2によると、RAWデータによって入力された被写体像の濃淡レベルの度数分布をユーザにわかり易く表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第一実施例に係る状態遷移図。
【図2】本発明の第一実施例に係るディジタルスチルカメラのブロック図。
【図3】(A)は本発明の第一実施例に係るディジタルスチルカメラの背面図、(B)はその上面図。
【図4】本発明の第一実施例に係る画質表示プログラムのブロック図。
【図5】本発明の第一実施例に係るディジタルスチルカメラのGUIを示す模式図。
【図6】本発明の第一実施例に係る画像の模式図。
【図7】本発明の第一実施例に係る集計テーブルを示す模式図。
【図8】本発明の第一実施例に係るヒストグラムを示す模式図。
【図9】本発明の第一実施例に係るディジタルスチルカメラの画面を示す模式図。
【図10】本発明の第一実施例に係るヒストグラムを示す模式図。
【図11】本発明の第二実施例に係るヒストグラムを示す模式図。
【図12】本発明の第三実施例に係る折れ線グラフを示す模式図。
【図13】本発明の第四実施例に係るディジタルスチルカメラの画面を示す模式図。
【図14】本発明の第五実施例に係るディジタルスチルカメラの画面を示す模式図。
【図15】本発明の第六実施例に係る現像装置のブロック図。
【図16】本発明の第六実施例に係る画質表示プログラムのブロック図。
【図17】従来のヒストグラムを示す模式図。
【図18】本発明の第一実施例に係るヒストグラムを示す模式図。
【図19】本発明の第一実施例に係る集計テーブルを示す模式図。
【符号の説明】
【0085】
1 ディジタルスチルカメラ(画質表示装置、ディジタルカメラ)、2 パーソナルコンピュータ(現像装置)、11 光学系(撮像手段)、12 イメージセンサ(撮像手段)、13 アナログフロントエンド部(撮像手段)、14 ディジタル画像処理部(撮像手段)、16 外部記憶部(入力手段)、18 表示部(表示手段)、20 制御部(入力手段、撮像手段、記憶手段、操作手段、表示手段、集計手段)、20a RAM(記憶手段)、85 CPU(入力手段、現像手段、操作手段、表示手段、集計手段)、89 モニタ(表示手段)、91 第二の外部記憶部(入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、
前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、
前記グラフを画面表示するためのデータを前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、
を備えることを特徴とする画質表示装置。
【請求項2】
前記操作手段は、前記入力手段によって入力された複数の画像について予め決められた順序で前記表示要求を受け付け、
前記集計手段は、前記予め決められた順序で前記グラフを画面表示するためのデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の画質表示装置。
【請求項3】
前記集計手段は、前記グラフを画面表示するモードに直接遷移可能なモードで前記グラフを画面表示するためのデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の画質表示装置。
【請求項4】
前記集計手段は、元画像を縮小した画像の濃淡レベルの度数分布に基づいて前記グラフを画面表示するためのデータを作成することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画質表示装置。
【請求項5】
前記グラフは、区間軸が対数スケールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項6】
前記グラフは、対数スケールで等間隔に区間が設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項7】
前記集計手段は、前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数を、対数スケールで等間隔に設定された区間毎に集計することを特徴とする請求項5又は6に記載の画質表示装置。
【請求項8】
前記集計手段は、
前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数を、リニアスケールで等間隔に設定された区間毎に集計する第一集計手段と、
前記第一集計手段によって集計された区間毎の度数を、対数スケールで等間隔に設定された区間毎に集計する第二集計手段と、
を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の画質表示装置。
【請求項9】
前記グラフは、区間軸に対数スケールの目盛りを有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記入力手段によって入力された画像と前記グラフとを重ねて一画面に表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記入力手段によって入力された画像と前記グラフとを並べて一画面に表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項12】
前記グラフは、各区間に対応する領域の面積で各区間の度数を表すことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項13】
前記グラフは、各区間に対応する図形要素の高さで各区間の度数を表すことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項14】
前記グラフは、適正露光条件で撮像される画像の濃淡レベルの代表値に対応する区間を案内することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画質表示装置。
【請求項15】
被写体の光学像に基づいて光電変換により画像を作成する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、
前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、
前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、
を備えることを特徴とするディジタルカメラ。
【請求項16】
RAWデータによって画像を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像のデータ形式を標準化されているデータ形式に変換する現像手段と、
前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、
前記表示要求に応じて前記グラフを画面表示する表示手段と、
前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項17】
画像を入力する入力段階と、
前記入力段階において入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作段階と、
前記表示要求に応じて前記グラフを表示する表示段階と、
前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計段階と、
を含むことを特徴とする画質表示方法。
【請求項18】
画像を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像の濃淡レベルの度数分布を表すグラフの表示要求を受け付ける操作手段と、
前記表示要求に応じて前記グラフを表示する表示手段と、
前記グラフを画面表示するためのデータを、前記表示要求を受け付ける前に作成する集計手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする画質表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2005−295497(P2005−295497A)
【公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296176(P2004−296176)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】