説明

界面活性剤組成物

少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤、および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含有する界面活性剤組成物。界面活性剤組成物は、乳化液、とりわけ噴霧性パーソナルケア製品または化粧品としての使用に特に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤組成物、界面活性剤組成物を用いて形成される乳化液、および、特に、乳化液から形成される噴霧性のパーソナルケア製品または化粧品に関する。
【0002】
発明の背景
油水界面、特に油中水および水中油乳化液および分散液を安定化させることを含む多くの目的のために用いられてきた広範な界面活性剤組成物は、公知である。これらの乳化液は、クリームおよびミルクなどのパーソナルケア製品または化粧品において用いることができると共に、望ましくは、多くの結合特性、例えば、製造、配合、保存および使用における安定性、末端使用での適切な粘度、および好ましくは望ましい身体および良好な皮膚感触を有する。良好な身体および皮膚感触は、通常、主観的に評価され、すべての他の望ましい特性と組み合わせて得ることは困難であることができる。詳細には、噴霧性日焼け止め剤配合物中におけるように、噴霧に適する乳化液中において、特に良好な身体および皮膚感触と組み合わせて、必要な安定性を達成することは、困難であることができる。
【0003】
本発明は、界面活性剤の一部の組合せが、使用時スプレーとして適用されると共に、好ましくは、また、許容可能なまたは有意に改善されさえした身体および皮膚感触を示す組成物を可能とする、低剪断粘度値での良好な乳化液安定性を提供することができる我々の発見に基づく。
【0004】
発明の概要
我々は、今、驚くことに、少なくとも一つの前述の課題を克服するか、または有意に軽減する界面活性剤組成物を見出してきた。
【0005】
従って、本発明は、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む界面活性剤組成物を提供する。
【0006】
本発明は、また、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む油に対する乳化剤システムを含む、水中油または油中水乳化液を提供する。
【0007】
本発明は、さらに、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含むパーソナルケア製品または化粧品を提供する。
【0008】
本発明は、なお、さらに、スプレーノズルと、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む噴霧性のパーソナルケア製品または化粧品とを含む容器を提供する。
【0009】
本発明は、なお、さらに、水中油乳化液を安定させるための、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む界面活性剤組成物の使用を提供する。
【0010】
本発明において用いられる分岐非イオン性界面活性剤は、分岐疎水性物質部分および親水性物質部分を含む。
【0011】
分岐非イオン性界面活性剤の疎水性物質部分は、脂肪族、脂環式または芳香族基を含むことが可能であるが、しかし、好ましくは脂肪族基である、すなわち、脂環式基または芳香族基を含有しない。疎水性物質部分は、例えば、1以上の炭素二重結合を含む不飽和であることが可能であるが、しかし、好ましくは飽和である。疎水性物質部分は、好ましくは分岐ヒドロカルビル基、さらに好ましくは分岐アルキル基を含む。疎水性物質部分中の炭素原子の平均数(モルベースでの)は、適して10〜22、好ましくは12〜20、さらに好ましくは13〜19、特に14〜18、とりわけ15〜17の範囲にある。炭素原子数用の数値が平均として表されるので(すなわち、混合物を用いることが可能である)、それは整数でないことが可能である。
【0012】
好ましい分岐アルキル基の最長直鎖における炭素原子の平均数は、好ましくは7〜15、さらに好ましくは8〜13、特に9〜11、とりわけ9.5〜10.5の範囲にある。分岐アルキル基中の平均分岐数は、適して5未満、好ましくは4未満であり、さらに好ましくは0.2〜3、特に0.5〜2、とりわけ0.8〜1.2の範囲にある。分岐(以後側鎖と呼ぶ)は、好ましくはアルキル基、さらに好ましくは線状であり、特に最長の線状分子鎖の炭素原子に直接結合される。好ましい側鎖アルキル基中の炭素原子の平均数は、適して1〜10、好ましくは2〜9、さらに好ましくは3〜8、特に4〜7、とりわけ5〜6の範囲にある。本発明の好ましい実施形態において、50%を超え、さらに好ましくは70%を超え、特に90%を超え、とりわけ95%を超えると共に、100%までの側鎖基は、炭素原子数に対する前述の好ましい範囲内にある。
【0013】
本発明の代わりの好ましい実施形態において、分岐アルキル基のアルキル側鎖中の炭素原子平均数は、5未満、さらに好ましくは3未満であり、特に1.05〜2、とりわけ1.1〜1.5の範囲にある、すなわち、側鎖は主としてメチル基である。加えて、好ましくは50%を超え、さらに好ましくは60%を超え、特に70〜97%、とりわけ80〜93%の範囲にある側鎖基は、メチル基である。さらに、好ましくは30%を超え、さらに好ましくは40%を超え、特に45〜90%、とりわけ50〜80%の範囲にある側鎖は、単一のメチル基を含有する。好ましい実施形態において、分岐アルキル基は、好ましくはイソステアリン酸から誘導されるイソステアリル基である。
【0014】
分岐非イオン性界面活性剤の疎水性物質部分は、好ましくは、ポリオキシアルキレン基を含む。ポリオキシアルキレン基は、適しては、mが2、3または4、好ましくは2または3、さらに好ましくは2、すなわち、オキシエチレン基である式(Cm2mO)nで表されるものである。ポリオキシアルキレン鎖は、実質的にまたは全体がオキシエチレン残基、または実質的にまたは全体がオキシプロピレン残基であることが可能であるか、または、それは、オキシエチレンおよびオキシプロピレン残基の両方を含んでランダム共重合体またはブロックコポリマー鎖を与えることが可能である。鎖は、好ましくは、ホモポリマー性ポリオキシエチレン鎖である。nの平均値は、適して5〜40、好ましくは10〜30、さらに好ましくは15〜25、特に18〜22、とりわけ19〜21の範囲にある。これらは平均値であるので、nは整数でないことが可能である。前述値は、ポリオキシアルキレン鎖が全体にポリオキシエチレン鎖である場合に、特に好ましい。鎖がオキシエチレンおよびオキシプロピレン残基のブロックコポリマーまたはランダム共重合体である場合、選択される鎖長は、一般的に、上記範囲に対応するが、しかし、鎖中のオキシエチレンおよびオキシプロピレン残基の割合に応じて決まる。コポリマー鎖において、通常、オキシエチレン残基は、全体オキシアルキレン残基の少なくとも60モル%を提供する。オキシブチレン残基は、鎖中に含むことができるが、しかし、存在する場合に、これらは、通常、鎖の小さい方の成分、例えば、全体ポリオキシアルキレン鎖の約20モル%以下として存在する。
【0015】
本発明において用いられる分岐非イオン性界面活性剤の疎水性物質部分、および親水性物質、好ましくは、ポリオキシアルキレン基含有部分は、結合基を通して、好ましくは、アルキレン・オキシド残基のオリゴマーまたは高分子鎖に対する反応性水素原子を有する結合基の残基を通して、適して結合される。結合基は、酸素原子(ヒドロキシル基残基)、カルボキシル基(脂肪酸またはエステル基残基)、アミノ基(アミン基残基)、またはカルボキシアミド(カルボン酸アミド基残基)であることが可能である。本発明の好ましい実施形態において、結合基は酸素原子である。
【0016】
適する分岐非イオン性アルコキシレート界面活性剤の例には、式R1−O−(Cm2mO)n−Hで表されるアルコール・アルコキシレート、式R1−COO−(Cm2mO)n−R2(プラス共生成物)で表される脂肪酸アルコキシレート、式R1−NR3−(Cm2mO)n−Hで表される脂肪アミン・アルコキシレート、または式R1−NR3−(Cm2mO)n−Hで表される脂肪アミド・アルコキシレートが挙げられ、式中、各R1は独立に上で定義した疎水性物質部分であり、R2は水素原子またはC1〜C6アルキル基であり、各R3は独立にC1〜C6アルキル基または基(Cm2mO)n−Hであり、各(Cm2mO)nにおけるmおよび/またはnは独立に上に定義される通りである。本発明の好ましい実施形態において、分岐非イオン性界面活性剤は、アルコール・アルコキシレート、さらに好ましくは式R1−O−(Cm2mO)n−Hで表される第1級アルコール・アルコキシレートである。
【0017】
本発明の特に好ましい実施形態において、分岐非イオン性界面活性剤は、式(I)で表される少なくとも一つの分岐第1級アルコール・アルコキシレートを含む:
CH3−(CH2q−[CH3−(CH2r]−CH−(CH2p−O−(Cm2mO)n−H (I)
式中、
q+r+pが9〜17、好ましくは10〜16、さらに好ましくは11〜15の範囲にあるように、
qおよびrはそれぞれ独立に0〜13、好ましくは1〜15、さらに好ましくは2〜13であり、pは1または2であり、および
(Cm2mO)nは上に定義されるポリオキシアルキレン基であり、mおよびnは上に定義される通りである。
【0018】
式(I)で表される化合物において、
qおよびrは、(i)それぞれ独立に好ましくは少なくとも2、さらに好ましくは少なくとも4、特に少なくとも5、および/または(ii)好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下、特に8以下であり、
pは好ましくは1であり、および
分岐アルキル基中の炭素原子の全体数は、好ましくは12〜20、さらに好ましくは13〜19、特に14〜18、とりわけ15〜17の範囲にある(好ましくは9〜17、さらに好ましくは10〜16、特に11〜15、とりわけ12〜14の範囲にあるq+r+pに対応する)。
【0019】
本発明において用いられる好ましい第1級アルコキシレート化合物は、従来のアルコキシル化条件下、一般的に、例えば、NaOHまたはKOHを用いて現場でアルコキシドを形成するアルカリ触媒作用、特にアルコキシド触媒作用下での、対応する分岐第1級アルコールのアルコキシル化により製造することができる。分岐第1級アルコールは、好ましくはグエルベット(guerbet)法により製造されるような実質的に全体に分岐したアルコール、例えば、2−ブチルオクタノール、2−ブチルデカノール、2−ブチルドデカノール、2−ヘキシル−オクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ヘキシルドデカノールおよび2−オクチルデカノールであることができる。特に好ましい実施形態において、2−ヘキシルデカノールは、分岐第1級アルコールとして用いられる。従って、好ましくは18〜22の範囲にあるエチレン・オキシド基を含有するポリオキシエチレン・イソセチルエーテルは、特に好ましい分岐非イオン性界面活性剤である。適する材料は、ユニケマ(Uniqema)から商標アーラソルブ(Arlasolve)200で市販されている。
【0020】
代わりの実施形態において、類似の数の炭素原子を含有する線状第1級アルコールを有する分岐第1級アルコールの混合物は、二重結合が移動することができる条件下で内部オレフィンから出発するオキソ法により製造することができるように、用いることができる。市販されている分岐第1級アルコールは、実質的に純粋であることができるか、または約50%以下の実質的に線状のアルコールを含むことができる。こうした混合材料において、少なくとも二つの炭素原子長の側鎖を有する分岐材料の割合は、好ましくは、少なくとも約30%、さらに好ましくは約40%であり、少なくとも三つの炭素原子長側鎖を有する分岐材料の割合は、好ましくは少なくとも約20%、さらに好ましくは約30%である。アルコキシル化すると、こうした材料は線状および分岐アルコール・アルコキシレートの混合物を与える。
【0021】
分岐非イオン性界面活性剤は、適して10を超え、好ましくは11〜20、さらに好ましくは13〜18、特に14〜17、とりわけ15〜16の範囲にある親水性・親油性バランス(HLB)値を有する。
【0022】
本発明による組成物中の分岐非イオン性界面活性剤の量は、組成物中の分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる界面活性剤の全体量の重量で、適して5〜95%、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは20〜70%、特に30〜55%、とりわけ35〜45%の範囲にある。
【0023】
本発明において用いられる好ましくは水中で液晶を形成することができる界面活性剤は、さらに好ましくは乳化液中で、特に水中油乳化液中で液晶を形成する。形成される液晶は、好ましくはリオトロピック液晶(すなわち、濃度および温度両方に依存)、さらに好ましくはラメラ相液晶、特にLアルファ相(純な)液晶である。
【0024】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤は、ポリオール・エステル、アルコキシル化ポリオール・エステル、乳酸アシル、およびそれらの混合物であることが可能である。ポリオール・エステル、特に脂肪酸のポリオール・エステルまたはその誘導体、すなわち、好ましくは非アルコキシル化化学種が好ましい。
【0025】
好ましい実施形態において、ポリオールは、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、糖類、および/または無水糖類であり、さらに好ましくは無水糖類、特にはソルビタンおよび/またはマンニタン、とりわけ好ましくはソルビタンである。好ましい脂肪酸は、適して飽和しており、その炭素原子の平均数は、好ましくは8〜24、さらに好ましくは12〜22、特に16〜20、とりわけ17〜19の範囲にある。適する脂肪酸には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、および/またはベヘン酸が挙げられる。ステアリン酸ソルビタンは特に好ましい。好ましいソルビタン・エステルは、好ましくは、少量の高級エステルがまた存在することが可能であるけれども、モノエステルとして用いられる。
【0026】
好ましい無水糖エステルは、適して3〜10、好ましくは3.5〜8、さらに好ましくは4〜6、特に4.4〜5、とりわけ4.6〜4.8の範囲にあるHLB値を有する。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態において、水中で液晶を形成することができる界面活性剤は、上で定義される無水糖エステル、および糖類(または非無水糖類)、さらに好ましくは砂糖、特にソルビトール、マンニトール、蔗糖、果糖および/またはブドウ糖、とりわけ蔗糖またはソルビトールから誘導される追加のポリオール・エステルを含む。
【0028】
糖エステルは、適して10を超え、好ましくは12〜24、さらに好ましくは14〜20、特に16〜18、とりわけ16.5〜17.5の範囲にあるHLB値を有する。
【0029】
糖エステルは、好ましくは、8〜20、さらに好ましくは8〜18、特に10〜16、とりわけ12〜14の範囲にある炭素原子の平均数を含有する脂肪酸成分、またはその誘導体から形成される。適する脂肪酸には、ラウリン酸、ミリスチン酸、および/またはパルミチン酸、および/またはパーム核油またはヤシ油から誘導される脂肪酸などの自然発生脂肪酸混合物が挙げられる。
【0030】
糖が蔗糖である場合に、ヤシ油脂肪酸は特に好ましい。脂肪酸混合物は、好ましくは、以下のあらゆる1以上、好ましくはすべてを含む;(i)C8の重量で10%未満、さらに好ましくは5%未満、(ii)C10の重量で8%未満、さらに好ましくは5%未満、(iii)C12の重量で45〜60%、さらに好ましくは50〜55%の範囲内、(iv)C14の重量で15〜25%、さらに好ましくは17〜21%の範囲内、(v)C16の重量で14%未満、さらに好ましくは10%未満、(vi)C18の重量で5〜20%、さらに好ましくは10〜15%の範囲内、(vii)C20の重量で5%未満、さらに好ましくは2%未満、および/または(viii)不飽和脂肪酸の重量で15%未満、さらに好ましくは10%未満。ヤシ油脂肪酸蔗糖は、好ましくは比較的高い、さらに好ましくは少なくとも50%特に少なくとも65%、とりわけ少なくとも70重量%のモノエステルの割合を有する。
【0031】
糖がソルビトールである場合に、脂肪酸は好ましくはラウリン酸である。ラウリン酸ソルビトールは、好ましくは、モノ−およびジ−エステルの混合物を含む。(i)モノエステルの濃度は、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも70%、特に少なくとも80%、とりわけ少なくとも85重量%であり、(ii)ジエステルの濃度は、好ましくは50%未満、さらに好ましくは30%未満、特に20%未満、とりわけ15重量%未満である。
【0032】
本発明の好ましい実施形態において、水中で液晶を形成することができる界面活性剤は、無水糖類、好ましくはソルビタン、エステルおよび糖類、好ましくは蔗糖またはソルビトール、エステルの混合物を含む。特に好ましい混合物は、(i)ステアリン酸ソルビタンおよびヤシ油脂肪酸蔗糖、および(ii)ステアリン酸ソルビタンおよびラウリン酸ソルビトールの混合物である。これらの材料は、ユニケマから商標アーラトーン(Arlatone)2121およびアーラト−ンLCで市販されている。
【0033】
無水糖エステル対糖エステルの重量比は、適して0.5〜100:1、好ましくは2〜50:1、さらに好ましくは4〜20:1、特に6〜12:1、とりわけほぼ重量で9:1の範囲にある。
【0034】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤(または界面活性剤の混合物)は、適して2〜10、好ましくは3〜9、さらに好ましくは4〜8、特に5〜7、とりわけ5.5〜6.5の範囲にあるHLB値を有する。
【0035】
本発明による組成物中の水中で液晶を形成することができる界面活性剤の量は、組成物中の分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる界面活性剤の全体量の重量で適して5〜95%、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは30〜80%、特に45〜70%、とりわけ55〜65%の範囲にある。
【0036】
本発明による組成物中に存在する分岐非イオン性界面活性剤対水中で液晶を形成することができる界面活性剤の比率は、重量で、適して0.05〜20:1、好ましくは0.1〜10:1、さらに好ましくは0.4〜4:1、特に0.8〜2.5:1、とりわけ1〜1.5:1の範囲にある。
【0037】
本発明による界面活性剤組成物は、6〜14、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に9〜11.5、とりわけ10〜11の範囲にある親水性・親油性バランス(HLB)値を有する。
【0038】
本明細書において定義される界面活性剤組成物は、乳化液(および分散液)を形成する上での、すなわち、油中水乳化液、特に水中油乳化液などの乳化剤システムとして、またはその一部としての使用、および、とりわけパーソナルケア製品または化粧品での使用に適する。
【0039】
本発明による乳化液の油相は、好ましくは、主として、パーソナルケア製品または化粧品において用いられるタイプの皮膚軟化油である。皮膚軟化剤は、好ましくは周辺温度で液体である油性材料であることができるし、通常そうである。あるいは、その温度でそれが組成物中に含まれ乳化することができる高温度でそれが液体であるならば、その場合に、それがバルク状態において通常ワックス状固形物である周辺温度で、それは固形物であることができる。組成物の製造には、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは約80℃の温度を用いる、従って、こうした固形物皮膚軟化剤は、好ましくは100℃未満、さらに好ましくは70℃未満の融点を有する。適する通常液体の皮膚軟化油には、非極性油、例えば、ミネラルまたはパラフィン、とりわけイソパラフィン、ユニケマによりアーラモル(Arlamol)(商標)HDとして市販されているような油;または中くらいの極性油、例えば、ホホバ油などの植物エステル油、植物グリセリド油、ユニケマによりエストール(Estol)(商標)3603(トリカプリル/トリカプリン酸グリセリル)として市販されているような動物グリセリド油、合成油、例えば、パルミチン酸イソプロピルおよびユニケマによりエストール1512およびアーラモルDOAとして市販されているものなどの合成エステル油、特にコグニス(Cognis)によりセチオール(Cetiol)OE(ジカプリルエーテル)として市販されているものなどの二つの脂肪例えばC8〜C18アルキル残基のエーテル油、コグニスによりユタノール(Eutanol)G(オクチル・ドデカノール)として市販されているものなどのクエルベ(querbet)アルコール、またはダウ・コーニング(Dow Corning)によりDC200として市販されているものなどのジメチシオーネ(dimethicione)油のようなシリコーン油、シクロメチコン油、またはそれらの親水性を改善するためにポリオキシアルキレン側鎖を有するシリコーン;または、アルコキシレート皮膚軟化剤、例えば、ユニケマによりアーラモルE(プロポキシル化ステアリルアルコール)として市販されているものなどの脂肪アルコールプロキシレート油を含む高度に極性の油が挙げられる。周辺温度で固形物であるが、しかし、一般的に、本発明の組成物を製造するために用いられる温度では液体であることができる適する皮膚軟化剤材料には、ホホバワックス、獣脂およびヤシワックス/油が挙げられる。非極性油が用いられる場合に、適して満足な乳化を達成するため、特に小さな油滴を得るために、比較的高濃度の界面活性剤、特に高HLB界面活性剤を用いることは、望ましくあることが可能である。
【0040】
皮膚軟化剤の混合物は用いることができるし、多くの場合、用いられると共に、一部のケースにおいて、固形物皮膚軟化剤は、液体皮膚軟化剤中に全体的にまたは部分的に溶解することが可能であるか、または、組み合わせることにおいて、混合物の凝固点は適して低い。皮膚軟化剤組成物が周辺温度で固形物(脂肪アルコールなどの)である場合、得られる分散液は、技術的に乳化液でないことが可能であるが(大抵の場合に油分散相の正確な相は容易には測定できないが)、しかし、こうした分散液は、あたかもそれらが真の乳化液であるかのように振る舞うと共に、用語乳化液は、本明細書において、こうした組成物を含むように用いられる。油相の濃度は幅広く変動することが可能である。乳化液中の油相の量は、全体組成物の重量で、適して1〜90%、好ましくは2〜60%、さらに好ましくは5〜40%、特に10〜30%、とりわけ15〜25%の範囲にある。
【0041】
乳化液中に存在する水の量は、全体組成物の重量で、適して10〜95%、好ましくは30〜85%、さらに好ましくは40〜80%、特に50〜75%、とりわけ60〜70%の範囲にある。
【0042】
本発明による乳化液またはパーソナルケア製品または化粧品中の分岐非イオン性界面活性剤の量は、全体組成物の重量で、適して0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、さらに好ましくは1〜3.5%、特に1.5〜2.5%、とりわけ1.8〜2.2%の範囲にある。
【0043】
本発明による乳化液またはパーソナルケア製品または化粧品中の水中で液晶を形成することができる界面活性剤の量は、全体組成物の重量で、適して0.1〜10%、好ましくは0.5〜7%、さらに好ましくは1〜5%、特に2〜4%、とりわけ2.5〜3.5%の範囲にある。
【0044】
本発明による乳化液は、また、乳化剤システムの一部を形成する他の追加界面活性剤材料を含有することも可能である。他の適する界面活性剤には、例えば、10を超え、好ましくは12を超えるHLB値を有する比較的親水性の界面活性剤、および、例えば、10未満、好ましくは8未満のHLB値を有する比較的疎水性の界面活性剤が挙げられる。比較的親水性の界面活性剤は、約10〜約100の範囲にあるアルキレン・オキシド、特にエチレン・オキシド残基の平均を有するアルコキシレート界面活性剤を含み、比較的疎水性の界面活性剤は、好ましくは、約3〜約10範囲にあるアルキレン・オキシド、特にエチレン・オキシド残基の平均を有するアルコキシレート界面活性剤を含む。
【0045】
パーソナルケアまたは化粧用乳化液は、粘度によって、好ましくは10,000mPa.s以下の低剪断粘度(ブルックフィールド粘度計において一般的に用いられるような約0.1〜10s-1のずり速度で測定して)を有するミルクおよびローション、および、好ましくは10,000mPa.sを超える低剪断粘度を有するクリームに分類することができる。ミルクおよびローションは、好ましくは、100〜10,000、さらに好ましくは200〜5,000、特に300〜1,000mPa.sの範囲にある低剪断粘度を有する。
【0046】
クリームは、例えば約106mPa.sまでのなお高い粘度も用いることが可能であるが、好ましくは少なくとも20,000、さらに好ましくは30,000〜80,000、特に40,000〜70,000mPa.sの範囲にある低剪断粘度を有する。
【0047】
本発明による乳化液は、噴霧性のパーソナルケア製品または化粧品としての使用に特に適する。こうした乳化液は、適して15,000以下、好ましくは10,000以下の、さらに好ましくは100〜5,000、特に200〜3,000、とりわけ300〜1,000mPa.sの範囲にある低剪断粘度を有する。前述の範囲内の低剪断粘度を有する噴霧性乳化液を製造することができると共に、それらがまた良好な安定性および/または良好な皮膚感触を示すことは、本発明の特に驚くべき態様である。
【0048】
本発明による乳化液は、本明細書において記載されるように測定して、周辺温度(23℃)で、好ましくは1ヶ月を超え、さらに好ましくは2ヶ月を超え、特に3ヶ月を超え、とりわけ4ヶ月を超える期間にわたり安定である。高温での安定性は特に重要であり、従って、乳化液は、本明細書において記載されるように測定して、40℃で、好ましくはまた50℃で、適しては1週間を超え、好ましくは2週間を超え、さらに好ましくは1ヶ月を超え、特に2ヶ月を超え、とりわけ3ヶ月を超える期間にわたり安定である。特に好ましい実施形態において、乳化液形成の間に造りだされる液晶は、前述の時間および温度試験形態の間、実質的に保持される。
【0049】
本発明の乳化液は、一般的な従来の乳化および混合法により製造することができる。水中油乳化液を製造するための一般的な方法には、水中で液晶を形成することができる界面活性剤を水相中に分散し、分岐非イオン性界面活性剤を油相中に分散し、次に、よく混ぜ合わせ、水性連続相中に油を乳化させることによる直接乳化が挙げられる。水性相を通常約60℃を超えて、例えば、約80〜85℃に加熱するか、または水性相をより低い例えばほぼ周辺温度での高強度混合に曝すかのいずれかが望ましい。激しい混合および程よい高温の使用は、必要ならば組み合わせることができる。加熱および/または高強度混合は、油相の添加前、間または後に行うことができる。
【0050】
乳化液は、また、それによって液晶を形成することができる界面活性剤が油相に添加され、分岐非イオン性界面活性剤が水相に添加され、これを次に油相中に添加し混合して油中水乳化液を形成する逆乳化法により製造することができる。水相添加は、系が反転して水中油乳化液を形成するまで続けられる。明らかに、一般に、反転を達成するためには相当量の水相が必要とされ、そこで、この方法は、高油相含量乳化液用に用いられることはない。激しい混合および程よい高温の使用は、必要ならば組み合わせることができる。加熱および/または高強度混合は、水相の添加の間または後、および反転の前、間または後に行うことができる。
【0051】
本発明による乳化液は、また、驚くことに、良好な展性、軽い皮膚感触および/または軽い使用後の感触を示す、極めて良好な身体および皮膚感触を有する。
【0052】
多くの他の成分は、パーソナルケアまたは化粧用組成物または製品を製造するために乳化液中に含むことが可能である。これらの成分は、油溶解性、水溶解性または非溶解性であることができる。こうした材料の例には以下が挙げられる:
(i)通常、全体組成物の重量で0.5〜2%の濃度で用いられる場合の、パラベン(4−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル)、フェノキシエタノール、置換尿素およびヒダントイン誘導体、例えば、商品名ガーマベン(Germaben)II、ニパガード(Nipaguard)BPXおよびニパガードDMDMHで市販されているものなどの防腐剤;
(ii)全体組成物の重量で0.1〜10%の、さらに通常約5%以下、特に約2%以下の濃度で一般的に用いられる場合の香料;
(iii)一般的に全体組成物の重量で1〜10%の濃度で用いられる場合の、アルコール、グリセロールおよびポリエチレン・グリコールのようなポリオールなどの湿潤剤または溶媒;
(iv)一般的に全体の重量で0.1〜5%で用いられる場合の、有機日焼け止め剤および/または二酸化チタンまたは酸化亜鉛に基づくものを含む無機日焼け止め剤を含むサンフィルタまたは日焼け止め剤材料;
(v)グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸などのアルファヒドロキシ酸およびそれらのエステル;ジヒドロキシアセトンなどの自己日焼け剤;
(vi)抗菌薬、特にサリチル酸などの坑にきび成分;
(vii)(a)例えばレチニル・パルミテートおよび他のトレンチノイン前駆体分子のようなビタミンA、(b)例えばパンテノールおよびその誘導体のようなビタミンB、(c)例えばアスコルビン酸およびその誘導体のようなビタミンC、(d)例えば酢酸トコフェロールのようなビタミンE、(e)例えばガンマリノレン酸エステルなどの多不飽和脂肪酸エステルのようなビタミンFを含むビタミンおよびそれらの前駆体;
(viii)天然材料または天然セラミドの機能模倣品いずれかとしてのセラミドなどのスキンケア剤;
(ix)天然リン脂質、例えば、レシチン;
(x)気胞含有配合物;
(xi)ゲルマニウム含有化合物、例えば、ユニケマによりアーラモルGEOとして市販されているもの;
(xii)有益なスキンケア特性を有する植物抽出物;
(xiii)ユニケマにより市販されているアーラト−ンDioicDCA(商標)、コウジ酸、アルブチンおよび類似の材料などのホワイトニング化粧品;
(xiv)アラントインおよび類似のシリーズなどの皮膚修復化合物活性体;
(xv)カフェインおよび類似の化合物;
(xvi)メントールまたはカンファーなどの冷却添加剤;
(xvii)N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)およびシトラスまたはユーカリ油などの防虫剤;
(xviii)揮発性物質;および
(xix)高繊細顔料、特に酸化物およびケイ酸塩、例えば、酸化鉄、特定被覆酸化鉄、および/または二酸化チタンを含む顔料、および窒化ホウ素、またはメーキャップおよび化粧において用いられて、一般的に、約1〜約15%、しかし通常少なくとも約5%、特に約10%の量で用いられるサスポエマルション製剤を与えるような他の固形物成分などのセラミック材料。
【0053】
本発明の驚くべき態様は、高濃度の固形物材料、例えば、全体組成物の重量で好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下の、特に1〜10%、とりわけ2〜6%範囲にある粒子状二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛を含有する場合に、なお噴霧可能であることができる安定な乳化液を得ることができることである。
【0054】
さらなる驚くべき態様は、高濃度のアルコール、例えば、全体組成物の重量で好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下の、特に2〜10%、とりわけ4〜8%範囲にあるエタノールを含有する安定な乳化液を得ることができることである。
【0055】
本発明による組成物は、日焼け止め剤などの噴霧性パーソナルケア製品または化粧品としてのおよびワイプ上での使用に特に適する。噴霧性組成物の利点には、短い時間帯において大きな表面積の被覆率、および組成物が皮膚表面上に噴霧された後に溶媒の蒸発により得ることができる冷却効果が挙げられる。
【0056】
好ましい用途は、日焼け止め剤、特に噴霧性日焼け止め剤としてのものである。日焼け止め剤は、1以上の有機日焼け止め剤および/または金属酸化物などの無機日焼け止め剤を含有することが可能であるが、しかし、好ましくは、特に、ユニケマから商標チオベイル(Tioveil)およびソラベイル(Solaveil)クララス(Clarus)(両方とも二酸化チタン)およびスペクトラベイル(Spectraveil)(酸化亜鉛)で市販されている水性および/または有機の好ましくは油分散液の形態をとる組成物中に含まれる、少なくとも一つの粒子状二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛を含む。加えて、有機日焼け止め剤は、好ましい金属酸化物日焼け止め剤と一緒に用いることが可能であり、p−メトキシ桂皮酸エステル、サリチル酸エステル、p−アミノ安息香酸エステル、非スルホン化ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体および2−シアノアクリル酸エステルが挙げられる。有用な有機日焼け止め剤の特定例には、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−12、イソプロピル・ジベンゾイル・メタン、ブチル・メトキシ・ジベンゾイル・メタン、エチル・ジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、オクチル・ジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、ホモサラート、サリチル酸オクチル、オクチル・トリアゾン、オクトクリレン、エトクリレン、アントラニル酸メンチル、4−メチルベンジリデン・カンファー、ベンゾフェノン4、およびフェニルベンズイミダゾール・スルホン酸が挙げられる。
【0057】
本発明の特に驚くべき態様は、本明細書において記載される日焼け止め剤製品が、適して10を超え、好ましくは15を超え、さらに好ましくは20を超え、特に25〜50、とりわけ30〜40の範囲にあるSPF値を有する改善された太陽光線保護指数(SPF)(本明細書において記載されるように測定される)を伴って得ることができることである。
【0058】
本明細書において以下の試験方法が用いられてきた。
【0059】
試験方法
(i)粘度を、乳化液作製1日後に、6ppm(0.1Hz)で適切なスピンドル(試験しようとする乳化液の粘度に応じてLV1、LV2、LV3、またはLV4)を用いてブルックフィールドLVT粘度計により23℃で測定した。結果をmPa.s単位で引用する。
(ii)安定性を、周辺温度(23℃)、寒い5℃での保存後、または40℃および50℃での高温保存下で乳化液を観察することにより評価した。50℃での保存安定性を測定することは極めて厳しい試験である。組成物は、乳化液の目に見える分離が起こらないならば安定である。乳化液中の液晶の安定性を、また、偏光を用いる顕微鏡下で観察することにより評価した。
(iii)外見を以下の評点を用いて視覚的におよび皮膚感触により評価した:
1−極めて良好、末端用途に高度に適する外見および良好なずり流動化を伴う良好な皮膚感触を有する
2−良好、末端用途に適する外見およびいくらかのずり流動化を伴う中程度の皮膚感触を有する
3−許容可能、外見および皮膚感触は末端用途に対して許容可能である
4−不良外見、いくぶんヌルヌルしおよび/またはすじが多く、皮膚感触は特に良好でない
5−極めて不良な外見、極めてヌルヌルしすじが多く、皮膚感触は不良
(iv)製品乳化液の流動性を視覚的に評価し、対象製品タイプ(ミルク、クリームなど)に関連してコメントをつける。
(v)日焼け止め剤配合物の太陽光線保護指数(SPF)を、Diffey and Robson,J.Soc.Cosmet.Chem.Vol.40,pp127〜133,1989の生体外法を用いて測定した。
【0060】
本発明は以下の非限定実施例により説明される。
【実施例】
【0061】
実施例1
A. w/w%
アーラソルブ200(商標、ユニケマから) 2.0
エストール3609(商標、ユニケマから) 29.0
アーラモルE(商標、ユニケマから) 29.0
B.
水 25.8
アーラトーン2121(商標、ユニケマから) 3.0
ケルトロールF 0.034
プリセリン9091(商標、ユニケマから) 1.2
C.
エタノール 10.0
【0062】
手順
1. 相B水中にケルトロール(Keltrol)Fを分散させ、プリセリン(PRICERINE)9091を添加する。
2. 残りの相B成分を添加する。
3. 相Bを80℃に加熱し、20分間放置してアーラトーン2121を膨潤させる。
4. 相A品目を80℃に加熱する。
5. 500rpmで激しく攪拌しながらAをゆっくりとBに添加する。
6. ウルトラ・タラックス(Ultra Turrax)T25ホモジナイザーを用いて9500rpmで1分間にわたり高剪断で均質化する。
7. 200〜300rpmで攪拌しながら40℃に冷却し、均質になるまで9500rpmで高剪断混合しながらCを添加する。
8. 200〜300rpmで攪拌しながら室温に冷却する。
【0063】
乳化液を本明細書において記載される試験法にかけることにより、以下の特性が示された;
(i)粘度は4900mPa.sであり、
(ii)5、23、40および50℃で少なくとも4週間にわたり安定であり、
(iii)外見および皮膚感触評点は2であり、および
(iv)低粘度であり、ボトルから注ぎ、ポンプスプレーボトルから噴霧することができた。
【0064】
実施例2
A. w/w%
アーラソルブ200(商標、ユニケマから) 2.0
エストール3609(商標、ユニケマから) 14.0
アーラモルE(商標、ユニケマから) 14.0
B.
水 62.3
アーラトーン2121(商標、ユニケマから) 3.0
ストラクチャーZEA(商標、ナショナル・スターチから)1.0
プリセリン9091(商標、ユニケマから) 3.0
C.
ニパガードBPX 0.07
【0065】
手順
1. 相B水中にストラクチャー(STRUCTURE)ZEAを分散させ、プリセリン9091を添加する。
2. 残りの相B成分を添加する。
3. 相Bを80℃に加熱し、20分間放置してアーラトーン2121を膨潤させる。
4. 相A品目を80℃に加熱する。
5. 500rpmで激しく攪拌しながらAをゆっくりとBに添加する。
6. ウルトラ・タラックスT25ホモジナイザーを用いて9500rpmで1分間にわたり高剪断で均質化する。
7. 200〜300rpmで攪拌しながら40℃に冷却し、Cを添加する。
8. 200〜300rpmで攪拌しながら室温に冷却する。
【0066】
乳化液を本明細書において記載される試験法にかけることにより、以下の特性が示された;
(i)粘度は1120mPa.sであり、
(ii)5、23、40および50℃で少なくとも4週間にわたり安定であり、
(iii)外見および皮膚感触評点は1であり、および
(iv)極めて低粘度であり、ボトルから注ぎ、ポンプスプレーボトルから噴霧することができた。
【0067】
実施例3
A. w/w%
アーラソルブ200(商標、ユニケマから) 2.0
アーラモルHD(商標、ユニケマから) 2.0
アンタロンV−220 2.0
ビタミンEアセテート 0.5
チオベイル50FIN(商標、ユニケマから) 14.0
パーソルMCX 7.5
B.
水 63.4
アーラトーン2121(商標、ユニケマから) 3.0
ストラクチャーZEA(商標、ナショナル・スターチから)1.0
プリセリン9091(商標、ユニケマから) 3.0
ジソジウムEDTA 0.1
C.
パンテノール75L 0.8
ニパガードBPX 0.7
【0068】
手順
1. 相B水中にストラクチャーZEAを分散させ、プリセリン9091を添加する。
2. 残りの相B成分を添加する。
3. 相Bを80℃に加熱し、20分間放置してアーラトーン2121を膨潤させる。
4. 相A品目をチオベイル50FINなしで80℃に加熱し、80℃でチオベイル50FINを添加する。
5. 500rpmで激しく攪拌しながらAをゆっくりとBに添加する。
6. ウルトラ・タラックスT25ホモジナイザーを用いて9500rpmで1分間にわたり高剪断で均質化する。
7. 200〜300rpmで攪拌しながら40℃に冷却し、Cを添加する。
8. 200〜300rpmで攪拌しながら室温に冷却する。
【0069】
乳化液を本明細書において記載される試験法にかけることにより、以下の特性が示された;
(i)粘度は750mPa.sであり、
(ii)5、23、40および50℃で少なくとも4週間にわたり安定であり、
(iii)外見および皮膚感触評点は1であり、
(iv)極低粘度/極めて流動性であり、ボトルから注ぎ、ポンプスプレーボトルから噴霧することができ、および
(v)SPFは30.5であった。
【0070】
上記実施例は本発明による界面活性剤組成物および乳化液の改善された特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む界面活性剤組成物。
【請求項2】
分岐非イオン性界面活性剤が、12〜20の範囲にある炭素原子を含む分岐アルキル基を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
分岐アルキル基が0.2〜3の範囲にある側鎖を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
側鎖基が2〜9の範囲にある炭素原子を含むアルキル基である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
分岐非イオン性界面活性剤がポリオキシアルキレン基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
ポリオキシアルキレン基が、15〜25の範囲にあるエチレン・オキシド残基を含有するホモポリマー性ポリオキシエチレン鎖である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
分岐非イオン性界面活性剤が第1級アルコール・アルコキシレートを含む請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
第1級アルコール・アルコキシレートが以下の式で表される請求項7に記載の組成物:
CH3−(CH2q−[CH3−(CH2r]−CH−(CH2p−O−(Cm2mO)n−H (I)
(式中、
q+r+pが9〜17、好ましくは10〜16、さらに好ましくは11〜15の範囲にあるように、
qおよびrはそれぞれ独立に0〜13、好ましくは1〜15、さらに好ましくは2〜13であり、pは1または2であり、および
(Cm2mO)nはmが2、3または4であり、nが5〜40の範囲にあるポリオキシアルキレン基である)。
【請求項9】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤が、非アルコキシル化ポリオール・エステルを含む請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
ポリオールが無水糖類であり、および/またはエステルが12〜22の範囲にある炭素原子を含む脂肪酸から誘導される請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤が、追加的に糖類から誘導されるポリオール・エステルを含む請求項9および10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
糖類が蔗糖またはソルビトールであり、および/またはエステルが8〜18の範囲にある炭素原子を含む脂肪酸から誘導される請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤が、ソルビタン・エステルと蔗糖エステルまたはソルビトール・エステルとの混合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
水中で液晶を形成することができる界面活性剤が、ステアリン酸ソルビタンとヤシ油脂肪酸蔗糖、またはラウリン酸ソルビトールとの混合物を含む請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
(i)分岐非イオン性界面活性剤のHLB値が13〜18の範囲にあり、(ii)水中で液晶を形成することができる界面活性剤のHLB値が4〜8の範囲にあり、および(iii)全体界面活性剤組成物のHLB値が8〜12の範囲にある、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤、および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む油用の乳化剤システムを含む水中油または油中水乳化液。
【請求項17】
少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤、および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含むパーソナルケア製品または化粧品。
【請求項18】
スプレーノズルと、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤、および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む噴霧性パーソナルケア製品または化粧品とを含む容器。
【請求項19】
水中油乳化液を安定させるための、少なくとも一つの分岐非イオン性界面活性剤、および水中で液晶を形成することができる少なくとも一つの界面活性剤を含む界面活性剤組成物の使用。

【公表番号】特表2006−527723(P2006−527723A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515937(P2006−515937)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006429
【国際公開番号】WO2004/111168
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(500154113)ユニケマ ケミー ベスローテン フェンノートシャップ (7)
【Fターム(参考)】