説明

畦成形機

【課題】圃場が軟弱となった場合、走行機の旋回が理論上の軌跡から大きく逸脱してしまう確率が高く畦成形作業部の位置や姿勢を正しくコントロールできなかった。
【解決手段】装着フレーム1に対し第1水平回動手段21によって水平回動自在に設けられた支持フレーム2と、支持フレーム2に移動可能に設けられるとともに、水平移動手段4によって装着フレーム1に対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である第2水平回動軸54を中心に第2水平回動手段による回動又はフリー回動によって水平方向に回動可能である畦成形作業部5とを有し、走行機Tを停止して畦成形作業部5を走行機の側方において走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能である畦成形機による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の走行機に連結されて牽引され水田等の畦成形作業を行う畦成形機に関する。詳細には水田の畦成形を圃場の直線部から圃場の隅部まで畦成形を安定して行なうことのできる畦成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
水田等の圃場の畦成形作業において、トラクタ等の走行機に連結されて、走行機の進行方向に沿って進行し畦成形作業を行う畦成形機は、様々な形態が知られている。従来技術としては、走行機の進行方向に対して水平方向に180°回転する畦成形機や、畦成形機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する畦成形機などが公知である。
【0003】
水田等の畦成形においてトラクタに連結して側方に位置させた作業部の畦成形作業では、作業部はトラクタの側方後部にあるためトラクタが直線的に行き止まりになる圃場隅部になると連続的に隅部の畦成形作業はできなかった。そのため残りの隅部の畦成形作業としては、畦成形作業部をトラクタ進行方向に対して180°角水平方向に回動させ、更にトラクタも前後180°回転させて方向転換した後、トラクタを後進させて残りの隅部の畦成形作業を行っていた(従来技術1)。
【0004】
また、作業機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する作業機としては、以下のような公知例がある。特開2004−254522号公報(従来技術2)には、「オフセット作業方法」として、「走行機体にオフセット作業が行えるように装着された作業機による作業方法であって、作業機は水平面内での回動及び移動の自由度を有し、作業機自体の直進性を維持しながら、走行機体が圃場を走行しつつ作業を行う作業部分から走行機体が旋回する圃場隅部分までの仕上げ作業を行う。作業機は、走行機体から見て少なくとも2以上の水平回動、あるいは水平移動と水平回動の自由度を有し、直進性を制御し、前作業跡を基準に行う作業装置、作業機自身の回動変位量度を基準に行う作業装置などを備えている。」が開示されている。
【0005】
更に、特開2004−267012号公報(従来技術3)には、「オフセット作業機」として「作業部のオフセット位置を調整自在にしたオフセット位置調整機構と、作業部の作業方向を回動調整自在にした作業方向調整機構と、作業部と作業部によって作業がなされる基準作業線との位置関係を検出する検出部と、検出部からの検出信号に基づいてオフセット位置調整機構を動作させて作業部のオフセット位置を調整すると共に作業方向調整機構を動作させて作業部の作業方向を調整する制御手段とを備え、作業部の作業位置と作業方向を基準作業線に沿うように制御する」作業機が開示されている。
【0006】
また、特開2005−46040号公報(従来技術4)には、「圃場の隅まで連続的に畦塗り作業を行う畦塗り機及びその作業部位置調整方法」の開示がある。従来技術4の畦塗り機は、「作業部30を旧畦の一辺Faに沿うように設置可能な作業部位置調整装置61を有し、作業部位置調整装置61は、オフセットフレーム10の後端部に回動自在に設けられた作業部30が旧畦の設置位置に設置されたか否かを走行機体から目視確認可能な第1マーカ62と、作業部30の向きが一辺Faと略平行にあるか否かを走行機体から目視確認可能な第2マーカ64と、オフセットフレーム10を旋回動させる旋回シリンダ13及び作業部30を回動させる回動シリンダ57の動作を操作可能なアクチュエータ操作装置67を有している。そして走行機体80に搭乗した作業者Mは、第1マーカ62及び第2マーカ64を目視して作業部30が設置位置に設置され且つ作業部30の向きが一辺Faと平行になるようにアクチュエータ操作手段67を操作する。」との記載がある。
【0007】
特開2006−262771号公報(従来技術5)には、「装着フレーム1等に設ける回動支点14を中心に回動可能かつ伸縮可能な回動部2と、回動部2に設けた作業部回動支点32を中心に回動可能な作業部3と、回動部2の回動変位量及び伸縮量と作業部3の回動変位量とを制御する制御部4と、制御部4を操作可能な操作部5を有し、作業部3は、走行機Bを走行させた状態で走行機Bの進行方向にほぼ平行な面を作業面34aとして作動することが可能であり、かつ走行機Bの後方に位置させた状態で走行機Bの進行方向とほぼ直交する面を作業面34bとして作動することが可能である作業機A」の開示がある。
【0008】
更に、特開2004−275188号公報(従来技術6)には、「オフセット作業機」として「走行機体に装着され、該走行機体の走行にともなって進行して前記走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する作業部を備えたオフセット作業機であって、水平回動のみ又は水平移動のみ若しくは水平回動と水平移動の組合せにより構成される少なくとも2以上の自由度を有し、前記2以上の自由度を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記2以上の自由度における回動量又は移動量を無段階に制御可能であり、且つ圃場隅部における走行機体の姿勢変化に対応して前記回動量又は移動量を調整可能としたことを特徴とするオフセット作業機」の開示がある。
【特許文献1】特開2004−254522号公報(従来技術2)
【特許文献2】特開2004−267012号公報(従来技術3)
【特許文献3】特開2005−46040号公報(従来技術4)
【特許文献4】特開2006−262771号公報(従来技術5)
【特許文献5】特開2004−275188号公報(従来技術6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来技術1乃至6に開示された畦成形機は、圃場がぬかるむなど軟弱となった場合、走行機の旋回が理論上の旋回軌跡から大きく逸脱してしまう確率が高く、そのため畦成形作業部の位置や姿勢を正しくコントロールできない課題があった。また走行機を旋回させるためハンドルを切るタイミング等のハンドル操作が難しく困難となり、走行機の運転操作が非常な熟練を要する課題があった。以下に各々の従来技術の課題を述べる。
【0010】
従来技術1のように水田等の圃場の作業残隅部の作業処理を行うために、トラクタ進行方向に対して作業部を180°角水平方向に回動させ、更にトラクタも前後180°回転させて方向転換した後、トラクタを後進させるという複数の面倒な作業を行なわなければならないという問題点があった。特に、トラクタを後進させて残隅部の作業処理を行う場合は、作業者は後方を見ながらトラクタの後進操作を行うため運転技術や作業などに熟練を要するという課題があり、誰でもが容易に作業を行い難いという課題があった。
【0011】
更に、従来技術2乃至5に係る作業機は、畦等の被作業面に対して作業部のオフセット位置を調整したり、作業部の作業方向を調整したりする制御手段を有する技術であるが、走行機、あるいは機枠(装着フレーム)と作業部との間の距離は一定しており、作業部を機枠に対して水平方向に回動させることにより、被作業面と作業部の間隔を調整する装置又は方法である。しかしながら従来技術2乃至5には圃場隅部において走行機が旋回を始めた場合、畦成形機の直進性を確保する部材や装置がなく、直進の安定性がないという課題があった。
【0012】
また、従来技術6は、「オフセットアーム5を枢支部Aを揺動中心として水平方向に回動させ、オフセットアーム5の先端部に枢支された作業部51がトラクタ2から左右に移動できる[特許文献4の0047欄]」という「枢支部A」と、「支持・伝動フレーム7を水平回動させ垂直方向に延びる水平回動軸54からなる枢支部B」という2つの水平回動軸を介して、走行機(本体フレーム4)と作業部51とが連結されている。そのため、圃場隅部において、走行機が回転し始めると、特許文献4の図2に示されるように2つの枢支部Aの回動方向と枢支部Bの回動方向が逆になり、この2つの枢支部Aと枢支部Bとを介して連結している作業部51の畦方向への圧力は、非常に小さくなる課題があった。
【0013】
そのため、従来技術6では、圃場隅部における畦方向への成形圧力が減少するため、圃場の土質などの影響を受けやすく堅固な畦を形成できない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、装着フレームと、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部を具備し、トラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機において、
装着フレームから斜め後方へ延設され、装着フレームに対し第1水平回動軸を回動中心に第1水平回動手段によって水平回動自在に設けられた支持フレームと、
支持フレームに移動可能に設けられるとともに、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である第2水平回動軸を中心に第2水平回動手段による回動又はフリー回動によって水平方向に回動可能である畦成形作業部とを有し、
畦成形作業部を走行機の側方にオフセットさせ、畦と平行に走行機を走行させ畦成形作業を行なうことが可能であるとともに、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であることを特徴とする畦成形機を提案する。
【0015】
また、装着フレームと、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部を具備し、トラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機において、
装着フレームから斜め後方へ延設され、装着フレームに対し第1水平回動軸を回動中心に第1水平回動手段によって水平回動自在に設けられた支持フレームと、
支持フレームに移動可能に設けられるとともに、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である第2水平回動軸を中心に第2水平回動手段による回動又はフリー回動によって水平方向に回動可能である畦成形作業部とを有し、
畦成形作業部を走行機の側方にオフセットさせ、畦と平行に走行機を走行させ畦成形作業を行なうことが可能であるとともに、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であり、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の後方において機幅方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であることを特徴とする畦成形機を提案する。
【0016】
更に、畦成形作業部の作業時走行方向前側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる回転軸に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる前部案内輪と、
畦成形作業部の作業時走行方向後側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる回転軸に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる後部案内輪とを有し、
支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動する畦成形作業部の第2水平回動軸が、前後方向において常に前部案内輪と後部案内輪との間に位置するように設けられる0014欄又は0015欄に記載の畦成形機を提案する。
【0017】
更に又、水平移動手段、第1水平回動手段及び第2水平回動手段は、制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と第1水平回動軸及び第2水平回動軸のそれぞれの角度を検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と第1水平回動手段及び第2水平回動手段の固定又はフリー又は回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なう上記0014欄乃至0016欄のいずれかに記載の畦成形機を提案する。
【0018】
また、水平移動手段、第1水平回動手段及び第2水平回動手段は、制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と第1水平回動軸及び第2水平回動軸のそれぞれの角度を検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と第1水平回動手段及び第2水平回動手段の固定又はフリー又は回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なうとともに、
畦成形作業部が直進成形作業中に走行機が畦との間隔を変更するための進路変更を可能とした制御部である0014欄乃至0017欄のいずれかに記載の畦成形機を提案する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、支持フレームが装着フレームに対して水平方向に回動する第1水平回動軸と、畦成形作業部が支持フレームに対して水平方向に回動する第2水平回動軸との2つの水平回動軸があり、制御部によりそれぞれ独立して第1水平回動手段と、第2水平回動手段とによって回動される。そのため、走行機を停止して畦成形作業部を走行機の側方において走行方向(機長手方向)に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であるとともに、走行機を停止して畦成形作業部を走行機の後方において機幅方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能となった。したがって圃場角部の畦成形において、走行機を停止させ畦成形作業部を機幅方向に移動させて畦成形作業を行なうことができ、前進走行のみで旋回しながら行なう畦成形より丁寧で堅固な畦の成形が可能であるとともに、走行圃場が軟弱な場合でも走行機の走行に影響されることなく畦成形作業を行なうことができる。
【0020】
また、板状面を有する前部案内輪及び後部案内輪を設けることで、前部案内輪により盛土部のロータ(掘削爪)の掘削により発生する抵抗や振動を安定させ進行方向前方の直進性を安定させる。この直進性は、案内輪が前後に間隔をおいて設けてあるため安定するとともに、畦成形時に成形される畦から畦成形作業部が受ける反力を前後で分散して受けることができる。また、前部案内輪と後部案内輪を有するため、畦からの反力を受け止めて畦成形作業部が、圃場側へ逃げることを防ぐため硬い畦が成形できる効果がある。
【0021】
更に、この発明によれば、支持フレームが斜め後方へ延設されて設けられるとともに装着フレームに対して回動可能であり、支持フレームに畦成形作業部が移動可能に設けられ、遠近移動のみにより畦成形作業部の前後左右の位置調整が可能なため、支持フレームの回動の変化に対応して畦成形作業部の姿勢をコントロールする場合、遠近移動のみでオフセット量と前後方向の位置を調整することが可能であるため、制御部のプログラミングが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の実施形態の畦成形機について、この発明の畦成形機の実施形態の平面説明図である図1、同じく側面図を示す図2、同じく正面図を示す図3、同じく畦成形作業部への動力伝達装置を示す一部切欠して内部を開示した部分断面展開説明図である図4、この発明の畦成形機の畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行機Tを停止させて走行方向に移動させて畦成形作業を行なう平面説明図である図5、この発明の畦成形機の畦成形作業部を走行機の後方に位置させ走行機Tを停止させて機幅方向に移動させて畦成形作業を行なう平面説明図である図6、この発明の畦成形機が走行機によって走行しながら圃場直線部から圃場角部に至って直線畦を形成する作業説明平面図である図7、この発明の畦成形機が旋回後停止して圃場角部の隅部の直線畦を形成する作業説明平面図である図8に基づいて説明する。
【0023】
この発明の1つの実施形態である畦成形機は、装着フレーム1と、装着フレーム1から斜め後方へ延設され、装着フレーム1に対し第1水平回動軸20を回動中心に第1水平回動手段21によって水平回動自在に設けられた支持フレーム2と、支持フレーム2に移動可能に設けられ、装着フレーム1との距離を伸縮させる水平移動手段4によって装着フレーム1に対して遠近移動可能な作業部移動部3と、作業部移動部3に設けられた第2水平回動軸54を中心に第2水平回動手段6によって水平方向に対して回動自在な畦成形作業部5と、畦成形作業部5の作業時走行方向前側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる前部案内輪回転軸70に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる前部案内輪7と、畦成形作業部5の作業時走行方向後側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる後部案内輪回転軸80に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる後部案内輪8と、水平移動手段4の伸縮と水平回動手段5の固定又はフリー又は回動を行ない畦成形作業部の姿勢制御を行なう制御部と、トラクタからの動力を伝達する動力伝達装置9とを有する。
【0024】
この発明の1つの実施形態である畦成形機は、走行機Tを停止して畦成形作業部5を走行機の側方において走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であり、走行機Tを停止して畦成形作業部5を走行機Tの後方において機幅方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能である。
【0025】
装着フレーム1は、トラクタTとの装着部であるロアピン10とトップブラケット11によってトラクタ後部の三点リンクヒッチに連結され、走行機によって牽引走行される場合走行方向に対して直角方向に設けられているフレーム枠12とからなる。装着フレーム1は、フレーム枠12の後部中央に突出する軸受部120に垂直方向に設けられる第1水平回動軸16を回動中心に回動可能に斜め後方へ角度を有して支持フレーム2を設ける。
【0026】
支持フレーム2は、装着フレーム1のフレーム枠12の後部中央に突出する軸受部120に垂直方向に設けられる第1水平回動軸20を回動中心として水平回動可能に設けられており、第1水平回動手段である第1回動シリンダー21の伸縮によって装着フレーム1に対して回動可能であり、水平に平行な2本のフレームと、2本の平行なフレームを固定し走行機T側に設けられ第1水平回動軸20を有する回動枠22とからなる。
【0027】
第1回動シリンダー21は、そのシリンダー本体210を支持フレーム2に取り付けられており、シリンダーロッド211の先端は装着フレーム1のフレーム枠12に回動可能に設けられている。23は、シリンダーロッド用ガイドレールであり、シリンダーロッド211の作動をシリンダー本体210との関係で直線状にガイドしている。
【0028】
第1回動シリンダー21は、装着フレーム1に取り付けられている油圧ポンプ15によって作動される。第1回動シリンダー21は、電動シリンダー、エアシリンダー等で構成されてもよく、伸縮移動可能な装置であればよく、支持フレーム2は、第1回動シリンダー21のシリンダーロッド211の伸縮によって第1水平回動軸20を回動中心として回動する。
【0029】
支持フレーム2は、通常の直線畦成形作業時にはフレーム枠12の長手方向に対して約30〜50度角程度の角度を有して斜め後方に固定されている。この実施形態では支持フレーム2は、通常の直線畦成形作業時の固定される場合、装着フレーム1のフレーム枠12の長手方向に対して約45度角程度の角度を有し後方に向かって左側斜め後方に延設される。
【0030】
支持フレーム2には、作業部移動部3を支持フレーム2に沿って移動可能に設ける。作業部移動部3は、支持フレーム2に移動可能に設けた移動板状体30と移動板状体30から下方に設けられる移動垂直枠31とからなる。移動垂直枠31には後述する伝動移動枠93を連結して設けている。作業部移動部3は、支持フレーム2の側方に設けた水平移動手段4によって移動され装着フレーム1との距離を伸縮させる。作業部移動部3は、移動板状体30に畦成形作業部5の第2水平回動軸54を垂直方向へ設けている。
【0031】
水平移動手段は、この実施形態では油圧シリンダーからなる移動スライドシリンダー4からなる。移動スライドシリンダー4は、そのシリンダー本体40の後端部を支持フレーム2の基部側に固定して設けられ、シリンダーロッド41の前端部を作業部移動部3に固定して設けられており、装着フレーム1に取り付けられている油圧ポンプ15によって各種バルブを介して作動される。水平移動手段は、他の実施形態では電動シリンダー、エアシリンダー等で構成されてもよく、伸縮移動可能な装置であればよい。作業部移動部3は、水平移動手段である移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の伸長によって装着フレーム1から離れる方向に移動し、シリンダーロッド41の短縮によって装着フレーム1へ近づく方向へ移動される。
【0032】
畦成形作業部5は、作業部移動部3の下方に延設される第2水平回動軸54を中心に水平方向に第2水平回動手段6による回動又はフリー回動によって回動可能である。
【0033】
畦成形作業部5は、作業部移動部3の下方に延設される第2水平回動軸54を中心に水平方向に第2水平回動手段6又はフリー回動によって回動可能である。第2水平回動手段6は、この実施形態では油圧シリンダーからなる第2回動シリンダー6からなる。第2回動シリンダー6は、そのシリンダー本体60の後端部を移動垂直枠31の第2水平回動軸54の近傍から延設されるシリンダーフレーム32に回動可能に設け、シリンダーロッド61の前端部を畦成形作業部5の作業部フレーム53に回動可能に連結しており、装着フレーム1に取り付けられている油圧ポンプ15によって図示しない油圧バルブを介して作動される。第2回動シリンダー6は、電動シリンダー、エアシリンダー等で構成されてもよく、伸縮移動可能な装置であればよい。畦成形作業部5は、第2回動シリンダー6のシリンダーロッド61の伸縮によって第2水平回動軸54を回動中心として回動する。
【0034】
畦成形作業部5は、畦成形作業時に作業進行方向前方側に設けられる盛土部50と、盛土部50の後方向側に設けられる畦上面削土部51と、成畦部52とからなる。盛土部50は、掘削爪501を多数設けた盛土回転軸(盛土ロータリ)500を有する。盛土回転軸500は、成型畦と略直交する方向に設けられ、その回転はダウンカット方向(前進する方向)へ回転する。盛土回転軸500が、成型畦と略直交する方向に設けられているため、盛土回転軸が成形畦と平行方向に設けられた構成のものと比較して畦成形作業部5の直進性が良好である。畦畦上面削土部51は、中央回転軸510の軸周囲に設けた上面削土爪511とを有する。成畦部52は、畦斜面成形用の円錐面を有する畦成形体521と、畦成形回転軸520と、畦上面成形用の円筒面を有する上面ローラ522を有する。
【0035】
前部案内輪7は、回転可能な円板状面を少なくとも周辺部に有する薄い円板体であり、中央を前部案内輪支持フレーム71に設けた前部案内輪回転軸70を回転中心として回転可能に支持され、畦とは反対側の牽引機の走行する圃場側位置に設けられている。前部案内輪回転軸70は、作業時進行方向とは略直交する方向に設けられるとともに、盛土部50の盛土回転軸500の近傍に平行に設けられるが、畦成形時の反作用力に抗する方向に前後左右に若干の角度を持たせるように設けることもできる。前部案内輪7は、トラクタ等の走行機の操縦席からの遠隔操作により上下可動に設けることも可能である。
【0036】
後部案内輪8は、回転可能な円板状面を少なくとも周辺部に有する薄い円板体であり、中央を後部案内輪支持フレーム81に設けた後部案内輪回転軸80により回転可能に支持され、畦とは反対側の牽引機の走行する圃場側位置に設けられている。後部案内輪回転軸80は、作業時進行方向とは略直交する方向に設けられるとともに成畦部52の畦成形回転軸520の近傍に平行に設けられ、第2チェーンケース97に固定されている。82は、調整ハンドルである。調整ハンドル82を手動で回転させて、後部案内輪8の上下位置を変えることができ、この上下位置の調整により全体の水平姿勢も調節する。
【0037】
畦成形作業部5への動力伝達装置9は、図4(展開説明図)に示すようにトラクタ等からの回転を入力する入力軸90から2つのベベルギア900、902と垂直方向に設けられた垂直軸901とを介して水平方向の水平軸903に伝動される。垂直軸901の軸芯は第1水平回動軸20と同軸に設けてある。水平軸903は、第1ジョイント91によって装着フレーム1のフレーム枠12の長手方向に対して約45度角程度の角度を有し後方に向かって左側斜め後方に曲げられて設けられる伝動シャフト92に連結している。回転可能な伝動シャフト92は、この実施例では六角シャフトから成る。伝動シャフト92には、伝動シャフト92の長手方向に移動可能な伝動移動枠93を設けており、伝動移動枠93は移動垂直枠31に取り付けられており、移動スライドシリンダー4によって装着フレーム1に対して遠近移動する。
【0038】
伝動移動枠93の内部には、伝動シャフト92に沿って往復移動可能で、かつ回転を伝動可能な第1スプロケット930と、第1スプロケット930と第2スプロケット931とを連結し回転を伝動させる第1チェーン932と、第2スプロケット931の回転軸である移動回転軸94とを設けている。移動回転軸94は、角度の変更が可能な回動ジョイント95を介して畦成形作業部5の各回転軸である盛土部50の盛土回転軸(盛土ロータリ)500、畦上面削土部51の中央回転軸510及び成畦部52の畦成形回転軸520へ、それぞれ第1チェーンケース96、第2チェーンケース97内の各スプロケット及びチェーンを介して連結し、回転を伝動する。
【0039】
この発明の実施形態である移動スライドシリンダー4、第1回動シリンダー21及び第2回動シリンダー6の作動は、油圧ポンプ15、油圧バルブ等を介して行なわれるが、この作動の制御は走行機Tの運転席から操作できる制御部(図示せず)によって遠隔操作する。制御部は、畦成形作業部5を走行機Tの側方にオフセットさせ、畦Rと平行に走行機Tを走行させ畦成形作業を行なう場合の標準作業モードと、走行機Tを停止して畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させ走行方向に移動させて畦成形作業を行なう側方作業モードと、走行機Tを停止して畦成形作業部5を走行機Tの後方において機幅方向に移動させて畦成形作業を行なう後方作業モードとを有している。
【0040】
畦成形作業部5への回転力の伝動は、図示されていないがトラクタ出力軸(PTO軸)から動力伝達装置9の入力軸90へ伝達され、2つのベベルギア900、902、垂直軸901、水平軸90、第1ジョイント91を介して伝動シャフト92へ伝動され伝動シャフト92が回転する。伝動シャフト92には、伝動シャフト92の長手方向に移動可能な伝動移動枠93が設けられており移動スライドシリンダー4によって装着フレーム1に対して遠近移動する。
【0041】
伝動シャフト92の回転は、伝動移動枠93の内部に設けられている第1スプロケット930から第1チェーン932を介して第2スプロケット931を回転させる。第2スプロケット931の回転により、回転軸である移動回転軸94を回転させ、角度の変更が可能な回動ジョイント95を介して畦成形作業部5の各回転軸である盛土部50の盛土回転軸(盛土ロータリ)500、畦上面削土部51の中央回転軸510及び成畦部52の畦成形回転軸520を回転させる。
【0042】
盛土部50の盛土回転軸500を回転させて掘削爪501により土を掘り上げ、中央回転軸510の回転により上面削土爪511が回転させ畦上面の削土を行ない、同時に畦成形部52の畦成形回転軸520を回転させ畦成形体521及び上面ローラ522を回転させ畦の斜面及び上面を形成する。
【0043】
次にこの発明の実施形態である畦成形機の作動について図5乃至図8に基づいて説明する。
【0044】
トラクタ等の走行機Tに牽引される畦成形機は、走行機Tが畦Rと平行に走行しながら畦成形作業を行なう場合、支持フレーム2は常に走行方向に向かって斜め後方、この実施形態では右斜め後方にして第1水平回動軸20を固定して走行方向から一定の角度で延設された状態にある。
【0045】
図7に基づいて以下説明する。A部は、通常の直線状畦R1を成形する標準畦成形作業方法を示し、畦成形作業部5は、走行機Tの走行方向後方斜め右側へオフセットした状態で作業する。この状態は、畦成形作業部5が移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41を比較的短縮させ、支持フレーム2の装着フレーム1に間隔をおいて近い位置に設け、畦成形作業部5を走行機T右側へオフセットした状態で第2回動シリンダー6を固定する。
【0046】
B部、C部、D部は、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を形成する畦成形作業である。B部は、圃場隅部のおおよそ5〜6m手前で行なう走行機Tの予備ターンの開始を示す。予備ターンは、運転席の操作部にある予備ターンONスイッチを押してから運転者はハンドルを畦から遠ざかる方向へ切る。予備ターンスイッチがON状態では予め組み込まれた制御信号によって制御部は、回動シリンダー6の圧力を抜き、シリンダー圧をフリーにして回動シリンダー6のシリンダーロッド61の動きをフリーにさせ、畦成形作業部5の水平回動をフリーの状態にする。このとき移動スライドシリンダー4の伸縮動作と前部案内輪13と後部案内輪14という前後の案内輪との相乗効果によって走行の直進が保たれる。
【0047】
これと同時に制御部により移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の短縮とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.5秒×12回繰り返す。12回繰り返すとカウンターが確認し、ブザーが鳴り運転者はハンドルを戻す。
【0048】
C部は、走行機Tのハンドルが戻されると、走行機Tは畦から離れる方向へ斜め直進走行の状態となる。このとき、移動スライドシリンダー4は制御部からの指示信号でシリンダーロッド41の伸長とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.7秒×15回繰り返しカウンターによって確認される。
【0049】
更に、移動スライドシリンダー4は制御部からの指示信号でシリンダーロッド41の伸長と固定とを交互に数回繰り返す。この実施例では伸長0.5秒、固定1.0秒である。移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41が一番長く伸びた位置、又は予め設定した設定移動位置、又は一定時間シリンダーロッド41が同位置であることをセンサーが検知し制御部へ検知信号を送信する。制御部は、受信した検知信号と予め入力されたプログラムに基づいてブザーを鳴らす。
【0050】
D部は、走行機Tの運転者がハンドルを畦方向に切った状態を示す。ブザーが鳴ると運転者は、ハンドルを畦方向に切って走行機Tの走行方向を畦Rと平行にした後、予備ターンスイッチをオフにして、移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41を固定(ロック)すると、移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41が固定(ロック)されるため、畦成形作業部5の水平回動軸54の位置は、支持フレーム2の後方側で固定される。
【0051】
E部は、走行機Tが走行位置はA部と比較すると畦Rからやや離れた位置に置いて畦Rと平行に前進走行する。しかし畦成形作業部5は装着フレーム1から遠く離れた位置に自動的に移動して作動する。そのため、走行機Tが畦Rから離れても畦成形作業部5は直線状畦Rに沿って、畦成形圧力を減じることなく、畦を直線状に成形できる。
【0052】
F部は圃場角部においての作業であり、走行機TはE部から直線前進走行し畦R1からやや離れた位置に置いて畦R1と平行に前進走行し、圃場隅部の畦R1と直交する方向にある畦R2に接する位置まで走行機Tを前進させ停止させる。走行機Tを停止させた後、図5に示すように畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させたまま走行方向に移動させて畦成形作業を行なう。
【0053】
図5に示す畦成形作業は、走行機Tを停止した状態で畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させたまま走行方向に移動させ行なう畦成形作業方法であり、より正確には畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させたまま走行機Tの前進方向へ移動させ行なう。図7のF部の位置で走行機Tは、畦R2に接して止めた状態で、第1回動シリンダー21のシリンダーロッド211を短縮させて支持フレーム2を前進方向へ回動させる。
【0054】
予め畦成形作業部5が直進する方向に向かうように設定した第1水平回動軸20の回動角に対する畦成形作業部5の第2水平回動軸54の回動角と移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の長さになるように第2回動シリンダー6のシリンダーロッド61と移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の長さが制御されている。そして、畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させた状態で最前進位置まで移動させ進行方向と平行の畦R1を成形する畦成形作業を行なう。
【0055】
図6及び図8に示すように畦がほぼ直交する圃場角部において、0052欄から0054欄まで記述したように走行機Tが畦R2に前面を接し畦成形作業部5を走行機Tの側方に位置させて行なう畦成形作業では成形できない畦未成形部分の畦成形を行なう。図7のF部の状態から走行機Tは後進させ、走行機Tを90度旋回後停止し、図6及び図8に示すように走行機Tを畦R2に平行した走行方向を向いた状態で停止させる(図8のG状態)。
【0056】
図6及び図8に示す圃場角部の位置で走行機Tは、畦R2に平行した走行方向を向いた状態(G状態)で停止させ、畦成形作業部5を第1回動シリンダー21を伸長させ、走行機Tの後方に位置させ、畦成形作業部5の作業面を既に成形を終わっている畦の最後部辺りに位置させる。次に第1回動シリンダー21のシリンダーロッド211を短縮させて支持フレーム2を走行機Tの幅方向、すなわち圃場角部方向へ回動させる。
【0057】
すると制御部は、移動スライドシリンダー4へ指示信号を送信し、第1回動シリンダー21を短縮させ畦成形作業部5を走行機Tの後方に位置させた状態で圃場角部まで移動させ畦成形作業を行なう。
【0058】
予め畦成形作業部5が、走行機Tの進行方向と直交する方向に常に向かうように設定された第1水平回動軸20の回動角に対する畦成形作業部5の第2水平回動軸54の回動角と移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の長さを経時変化させるように制御部は設定されている。尚、制御部の設定の変更により走行機Tが必ずしも畦R2に平行である必要はなく、角度を持たせて斜めに停止した状態でも畦成形作業部5を圃場角部方向へ直進させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明は、水田等の矩形の圃場等の場所において、その周囲に設ける畦成形作業を行う場合に利用できる。特に、水田等の矩形の圃場の隅部を角まで直線で未作業部分がないように形成でき、非常に容易かつ短時間に畦成形作業を完了できるため作業効率が高く利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の畦成形機の実施形態の平面説明図
【図2】同じく側面図
【図3】同じく正面図
【図4】同じく畦成形作業部への動力伝達装置を示す一部切欠して内部を開示した平面部分断面説明図
【図5】この発明の畦成形機の畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行機Tを停止させて走行方向に移動させて畦成形作業を行なう平面説明図
【図6】この発明の畦成形機の畦成形作業部を走行機の後方に位置させ走行機Tを停止させて機幅方向に移動させて畦成形作業を行なう平面説明図
【図7】この発明の畦成形機が走行機によって走行しながら圃場直線部から圃場角部に至って直線畦を形成する作業説明平面図
【図8】この発明の畦成形機を牽引する走行機が約90度旋回後、停止して圃場角部の隅部の直線畦を形成する作業説明平面図
【符号の説明】
【0061】
1 装着フレーム(機枠)
10 ロアピン
11 トップブラケット
12 フレーム枠
120 軸受部
13 油圧ポンプ
2 支持フレーム
20 第1水平回動軸
21 第1回動シリンダー
210 シリンダー本体
211 シリンダーロッド
22 回動枠
23 シリンダーロッド用ガイドレール
3 作業部移動部
30 移動板状体
31 垂直移動枠
32 シリンダーフレーム
4 移動スライドシリンダー
40 シリンダー本体
41 シリンダーロッド
5 畦成形作業部
50 盛土部
500 盛土回転軸
501 掘削爪
51 上面削土部
510 中央回転軸
511 上面削土爪
52 成畦部
520 畦成形回転軸
521 畦成形円錐体
522 上面ローラ
53 作業部フレーム
54 第2水平回動軸
6 第2回動シリンダー
60 シリンダー本体
61 シリンダーロッド
7 前部案内輪
70 前部案内輪回転軸
71 前部案内輪支持フレーム
8 後部案内輪
80 後部案内輪回軸
81 後部案内輪支持フレーム
82 調整ハンドル
9 動力伝達装置
90 入力軸
900、902 ベベルギア
901 垂直軸
903 水平軸
91 第1ジョイント
92 伝動シャフト(六角シャフト)
93 伝動移動枠
930 第1スプロケット
931 第2スプロケット
932 第1チェーン
94 伝動軸
95 第2ジョイント
96 第1チェーンケース
97 第2チェーンケース
T 走行機(トラクタ)
R1、R2 水田等の直線状畦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着フレームと、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部を具備し、トラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機において、
装着フレームから斜め後方へ延設され、装着フレームに対し第1水平回動軸を回動中心に第1水平回動手段によって水平回動自在に設けられた支持フレームと、
支持フレームに移動可能に設けられるとともに、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である第2水平回動軸を中心に第2水平回動手段による回動又はフリー回動によって水平方向に回動可能である畦成形作業部とを有し、
畦成形作業部を走行機の側方にオフセットさせ、畦と平行に走行機を走行させ畦成形作業を行なうことが可能であるとともに、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であることを特徴とする畦成形機。
【請求項2】
装着フレームと、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部を具備し、トラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機において、
装着フレームから斜め後方へ延設され、装着フレームに対し第1水平回動軸を回動中心に第1水平回動手段によって水平回動自在に設けられた支持フレームと、
支持フレームに移動可能に設けられるとともに、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である第2水平回動軸を中心に第2水平回動手段による回動又はフリー回動によって水平方向に回動可能である畦成形作業部とを有し、
畦成形作業部を走行機の側方にオフセットさせ、畦と平行に走行機を走行させ畦成形作業を行なうことが可能であるとともに、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の側方に位置させ走行方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であり、
走行機を停止して畦成形作業部を走行機の後方において機幅方向に移動させて畦成形作業を行なうことが可能であることを特徴とする畦成形機。
【請求項3】
畦成形作業部の作業時走行方向前側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる回転軸に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる前部案内輪と、
畦成形作業部の作業時走行方向後側に設けられ作業時走行方向とは略直交する方向に設けられる回転軸に回転可能な円板状面を有して周端部が土中に貫入するように設けられる後部案内輪とを有し、
支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動する畦成形作業部の第2水平回動軸が、前後方向において常に前部案内輪と後部案内輪との間に位置するように設けられる請求項1又は請求項2に記載の畦成形機。
【請求項4】
水平移動手段、第1水平回動手段及び第2水平回動手段は、制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と第1水平回動軸及び第2水平回動軸のそれぞれの角度を検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と第1水平回動手段及び第2水平回動手段の固定又はフリー又は回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なう請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の畦成形機。
【請求項5】
水平移動手段、第1水平回動手段及び第2水平回動手段は、制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と第1水平回動軸及び第2水平回動軸のそれぞれの角度を検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と第1水平回動手段及び第2水平回動手段の固定又はフリー又は回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なうとともに、
畦成形作業部が直進成形作業中に走行機が畦との間隔を変更するための進路変更を可能とした制御部である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の畦成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−295333(P2008−295333A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143370(P2007−143370)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】