番号標検出装置、コンピュータプログラム及び番号標検出方法
【課題】車両の番号標を精度良く検出することができる番号標検出装置、コンピュータプログラム及び番号標検出方法を提供する。
【解決手段】文字領域候補特定部13は、撮像画像に基づいて文字領域の候補である文字領域候補を特定する。番号標位置推定部15は、記憶した位置ベクトルに基づいて、文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応するナンバープレートの中心の位置の候補を推定する。番号標位置特定部16は、複数の文字領域候補により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲内にある場合、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心位置として特定する。
【解決手段】文字領域候補特定部13は、撮像画像に基づいて文字領域の候補である文字領域候補を特定する。番号標位置推定部15は、記憶した位置ベクトルに基づいて、文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応するナンバープレートの中心の位置の候補を推定する。番号標位置特定部16は、複数の文字領域候補により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲内にある場合、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心位置として特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置、該番号標検出装置を実現するためのコンピュータプログラム及び番号標検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通監視などの分野において、特定の車両を抽出する技術の1つとして車両のナンバープレート(番号標)を検出する技術が開発されている。例えば、ナンバープレートなどの予め文字(パターン)の配置情報が既知であるパターン列を抽出するものとして、蓄積辞書(パターン認識のために用いられる基準パターン)を用いて、ずらしマッチング法によりパターン列を抽出する方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、ナンバープレートの地色と文字色との白黒階調差を利用して、原画像データから生成された文字抽出用データ内に存在する処理対象領域(明部または暗部)について文字列を抽出して文字認識を行う車両ナンバープレート認識装置が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3762189号公報
【特許文献2】特許第3455454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のパターン列抽出、文字列抽出方法にあっては、明暗のパターンから文字と思われる枠を抽出し、抽出した枠の配置に基づいてナンバープレートを検出するため、ナンバープレートを検出するためには、まず文字認識のための処理を行う必要がある。ナンバープレート内の文字を認識することが前提となっているので、例えば、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落している場合、ナンバープレートが傾いた状態で撮像された場合に、文字を正しく認識することができないという課題が存在するのみならず、文字認識処理に要する計算コストが大きくなるという課題があった。また、従来の方法にあっては、撮像画像上での文字候補枠の配置が重要なので、撮像装置(カメラ)を取り付ける際の取付け位置又は取付け角度(例えば、レンズの光軸方向)などの調整が必要であるため取付け作業に多くの手間を要した。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両の番号標を精度良く検出することができる番号標検出装置、該番号標検出装置を実現するためのコンピュータプログラム及び番号標検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る番号標検出装置は、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置において、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶する記憶手段と、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定する候補領域特定手段と、該候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する位置特定手段と、該位置特定手段で特定した任意の位置に基づいて番号標を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る番号標検出装置は、第1発明において、前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補毎に該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する推定手段を備え、前記位置特定手段は、前記撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する前記候補の数が所定値以上である場合、前記候補を前記任意の位置として特定するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る番号標検出装置は、第1発明又は第2発明において、前記候補領域特定手段は、番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するようにしてあり、前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて前記対応情報を複数生成する対応情報生成手段を備え、該対応情報生成手段で生成した対応情報を前記記憶手段に記憶するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る番号標検出装置は、第3発明において、前記候補領域特定手段は、撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る番号標検出装置は、第1発明乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記記憶手段は、前記文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶してあり、前記位置特定手段は、前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、前記撮像画像上の番号標の前記任意の位置を特定するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る番号標検出装置は、第1発明乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記対応情報は、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルであることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、特定した文字領域候補及び車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、特定した任意の位置に基づいて番号標を検出するステップとを実行させることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る番号標検出方法は、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置による番号標検出方法おいて、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておき、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、特定された文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、特定された任意の位置に基づいて番号標を検出するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
第1発明、第7発明及び第8発明にあっては、車両の番号標(ナンバープレート)の任意の位置と当該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておく。番号標の任意の位置とは、例えば、番号標の中心の位置、番号標の四隅のいずれかの位置などである。文字領域とは、ナンバープレートに記載されている文字(数字、平仮名、漢字など)で表される陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などを含む(囲む)領域である。文字領域の位置は、例えば、文字領域の中心、文字領域を矩形状とした場合に、四隅のいずれかの位置などとすることができる。対応情報は、例えば、位置の対応関係を示すベクトル(位置ベクトル)である。
【0016】
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定し、特定した文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する。文字領域候補は、例えば、撮像画像に対して水平方向及び/又は垂直方向エッジ検出フィルタを施してエッジの集合を特定して二値化し、二値化されたエッジ画像を囲む矩形領域を文字領域候補として特定することができる。1つ目の文字領域候補が特定された場合、当該文字領域候補に対する番号標の任意の位置の候補を対応情報に基づいて複数推定する。また2つ目以降の文字領域候補が特定された場合にも、同様に当該文字領域候補に対する番号標の任意の位置の候補を対応情報に基づいて複数推定する。そして、複数の文字領域候補により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲内にある場合、当該任意の位置の候補を番号標の任意の位置を特定する。撮像画像上の番号標の任意の位置(例えば、中心又は四隅の1つ等)が分かれば、撮像画像上の番号標の寸法(大きさ)に基づいて、番号標を検出する。
【0017】
従来、文字を認識しなければ車両の番号標を検出することができなかったのに対し、本発明にあっては、番号標を検出するために文字列又はパターン列を抽出して文字を認識する処理を必要とせず、文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても番号標の任意の位置を特定して番号標を精度よく検出することができる。
【0018】
第2発明にあっては、記憶した対応情報に基づいて、特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する。そして、撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック(例えば、2×2画素、3×3画素など)内に存在する候補の数が所定値以上である場合、当該候補を番号標の任意の位置として特定する。すなわち、文字領域候補毎に対応情報に基づいた複数の候補を推定して候補に投票する。推定された候補(すなわち、投票された候補)の数が所定値(例えば、2、3など)以上である場合、当該候補を番号標の任意の位置として特定する。これにより、少なくとも2つの文字領域候補を特定することができれば、番号標の任意の位置を特定して番号標を検出することができる。また、特定した文字領域候補の数が増えれば、番号標の任意の位置の特定の精度を向上させることができる。
【0019】
第3発明にあっては、番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定し、特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて対応情報を複数生成し、生成した対応情報を記憶する。番号標画像に基づいて番号標の任意の位置と文字領域候補の位置との対応関係を示す対応情報を生成して記憶することにより、文字領域候補の位置に対する番号標の任意の位置を学習して番号標を正確に検出することができる。
【0020】
第4発明にあっては、撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定する。撮像画像上で予め傾いた番号標画像を用いて文字領域候補を特定し、番号標の任意の位置と特定した文字領域候補の位置との対応関係を示す対応情報を生成して記憶することにより、番号標が傾斜して取り付けられた車両を撮像した場合であっても、番号標を精度よく検出することができる。
【0021】
第5発明にあっては、文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶しておく。文字領域の大小とは、ナンバープレートに記載されている陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号(2桁目と3桁目との間のハイフン、空白桁を示すドットを含む)の各文字の大小である。特定した文字領域候補及び当該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する。例えば、番号標の数字部分、漢字部分、平仮名部分、ハイフン部分又はドット部分毎に個別の対応情報を記憶しておき、特定した文字領域候補の大小に応じて別々に番号標の任意の位置を特定することにより、番号標に記載されたいずれの文字であっても文字領域候補として特定することができ、番号標の検出精度を高めることができる。
【0022】
第6発明にあっては、対応情報は、車両の番号標の任意の位置と当該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルである。例えば、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、番号標の中心を終点とするベクトルとすることができる。これにより、文字領域候補を特定することができれば、番号標の任意の位置を特定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても番号標の任意の位置を特定して番号標を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態の番号標検出装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ナンバープレートの一例を示す模式図である。
【図3】位置ベクトルの一例を示す模式図である。
【図4】位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。
【図5】複数の文字領域候補に基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。
【図6】ナンバープレートの検出の一例を示す説明図である。
【図7】位置ベクトルの他の例を示す模式図である。
【図8】位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の他の例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態の番号標検出装置による位置関係データの生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態の番号標検出装置によるナンバープレート検出処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の番号標検出装置100の構成の一例を示すブロック図である。番号標検出装置100には、撮像部としての撮像装置200を接続してある。なお、撮像装置200は、番号標検出装置100に内蔵する構成であってもよい。
【0026】
撮像装置200は、照明部、カメラ(不図示)などを備えている。照明部は、複数のLEDを備え、カメラで車両を撮像するタイミング(例えば、33msの都度)に併せて近赤外光を、道路を走行する車両に対して照射する。これにより、例えば、夜間においても、カメラで車両を撮像することができる。
【0027】
撮像装置200は、道路を走行する車両を撮像し、撮像して得られた画像データを番号標検出装置100へ出力する。撮像装置200で撮像して得られる撮像画像は、車両のナンバープレート(番号標)を検出することができる程度の解像度を有する。
【0028】
番号標検出装置100は、装置内の各部を制御する制御部10、画像入力部11、画像メモリ12、候補領域特定手段としての文字領域候補特定部13、記憶手段としての記憶部14、推定手段としての番号標位置推定部15、位置特定手段及び検出手段としての番号標位置特定部16、車番判定部17、対応情報生成手段としての対応情報生成部18などを備える。なお、本実施の形態において、車両の番号標(例えば、ナンバープレート)を検出するとは、撮像画像上でどの領域がナンバープレートの領域であるかを検出することを含む。
【0029】
画像入力部11は、撮像装置200で撮像して得られた画像データを取得し、取得した画像データをフレーム単位に撮像時刻に対応付けて画像メモリ12に記憶する。
【0030】
文字領域候補特定部13は、撮像画像(画像データ)に基づいて文字領域の候補である文字領域候補を特定する。文字領域とは、ナンバープレートに記載されている文字(数字、平仮名、漢字など)で表される陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などを含む(囲む)領域である。文字領域候補特定部13は、特定した文字領域候補の大きさに基づいて、当該文字領域候補の中心位置も特定する。
【0031】
文字領域候補は、例えば、撮像画像に対して水平方向及び/又は垂直方向エッジ検出フィルタを施してエッジの集合を特定して二値化し、二値化されたエッジ画像を囲む矩形領域を文字領域候補として特定することができる。なお、文字領域候補の特定は、他の公知の方法を用いることができる。
【0032】
図2はナンバープレート50の一例を示す模式図である。図2に示すように、ナンバープレート50は、「大阪」などの漢字等で表した陸運支局の各文字を囲む(含む)文字領域52、1〜3桁の数字で表した分類番号の各文字を囲む文字領域53、平仮名等で表した用途番号を囲む文字領域54、4桁の数字で表した一連番号の各文字を囲む55、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56、一連番号の空白桁を表す符号であるドット(「・」)を囲む文字領域(不図示)などを有する。
【0033】
文字領域52〜56は、矩形状をなすが、文字領域の形状は矩形状に限定されるものではない。また、51はナンバープレート50の中心(任意の位置)である。なお、ナンバープレート50の任意の位置は、中心に限定されるものではなく、矩形状のナンバープレート50の四隅のいずれか1つであってもよい。また、文字領域52〜56の位置は、文字領域52〜56の中心であるが、これに限定されるものではなく、矩形状の文字領域の四隅のいずれか1つであってもよい。
【0034】
記憶部14は、車両のナンバープレート(番号標)の任意の位置(例えば、ナンバープレートの中心)と当該ナンバープレート内の文字領域の位置(例えば、文字領域の中心)との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶してある。対応情報は、ナンバープレートの任意の位置(中心)と当該ナンバープレート内の文字領域の位置(中心)とで決定される撮像画像上の位置ベクトルである。例えば、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレートの中心を終点とするベクトルとすることができる。
【0035】
図3は位置ベクトルの一例を示す模式図である。図3は車両のナンバープレート50(番号標)の任意の位置(中心)と当該ナンバープレート50内の文字領域52〜56の位置(中心位置)との対応関係を示す対応情報としての位置ベクトルを示す。
【0036】
位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレート50の中心を終点とするベクトルである。例えば、ナンバープレート50の一連番号の各数字を囲む4つの文字領域55では、文字領域毎に位置ベクトルV55a、V55b、V55c、V55dが存在する。また、陸運支局の各文字を囲む2つの文字領域52では、文字領域毎に位置ベクトルV52a、V52bが存在する。また、分類番号の各文字を囲む3つの文字領域53では、文字領域毎に位置ベクトルV53a、V53b、V53cが存在する。また、用途番号を囲む文字領域54では、位置ベクトルV54aが存在する。また、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56では、位置ベクトルV56aが存在する。
【0037】
記憶部14には、複数のナンバープレートについて、それぞれのナンバープレート内の文字領域毎の位置ベクトルを学習データとして記憶してある。便宜上、位置ベクトルVは、V(Δx1、Δy1)〜(ΔxN、ΔyN)と表すことができる。ここで、Nは、ナンバープレート内の文字領域の数が同じであるとすれば、ナンバープレート内の文字領域の数にナンバープレートの数を乗算した数である。すなわち、記憶部14には、位置ベクトル(Δxi、Δyi)(i=1〜N)の頻度分布f(Δx、Δy)が後述の投票の基礎となる位置関係データ(学習データ)として記憶してある。
【0038】
番号標位置推定部15は、記憶した位置ベクトル(対応情報)に基づいて、文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応するナンバープレートの中心の位置の候補を推定する。
【0039】
図4は位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。図4では、簡略化のため、位置ベクトルは、ナンバープレートの4つの一連番号それぞれに対応する文字領域毎に存在するものとする。すなわち、ナンバープレートの中心の位置の候補を推定する位置ベクトル(位置関係データ)は4つ存在するものとする。また、撮像画像上(座標x、y)で文字領域候補551が特定されたとする。
【0040】
この場合、番号標位置推定部15は、図4に示すように、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)で示す終点位置(x01+Δxi、y01+Δyi)をナンバープレートの中心の位置の候補を推定して、各終点位置に投票する。すなわち、位置ベクトルが4つ存在する場合、1つの文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの中心位置の候補が4つ推定(投票)されることになる。
【0041】
図5は複数の文字領域候補に基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。図5の例は、図4の例において、文字領域候補551に加えて、2つ目の文字領域候補552を特定した場合を示す。図4の例と同様に、番号標位置推定部15は、文字領域候補552の中心位置の座標(x02、y02)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)で示す終点位置(x02+Δxi、y02+Δyi)をナンバープレートの中心の位置の候補を推定して、各終点位置に投票する。
【0042】
番号標位置特定部16は、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補及び記憶部14に記憶した位置ベクトル(対応情報)に基づいて撮像画像上のナンバープレートの中心(任意の位置)を特定する。
【0043】
より具体的には、図5に示すように、番号標位置特定部16は、1つ目の文字領域候補551が特定された場合、当該文字領域候補551に対するナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を位置ベクトル(対応情報)V55a〜V55dに基づいて複数推定する。また2つ目以降の文字領域候補552が特定された場合にも、同様に当該文字領域候補に対するナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を位置ベクトル(対応情報)V55a〜V55dに基づいて複数推定する。そして、複数の文字領域候補551、552により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲(図5の符号60で例示)内にある場合、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心(任意の位置)として特定する。
【0044】
上述の所定の範囲とは、例えば、撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック(例えば、2×2画素、3×3画素など)とすることができる。画素ブロックを構成する画素数は、ナンバープレートの検出精度に応じて適宜設定することができる。すなわち、検出精度を上げる必要がある場合には、画素ブロックの画素数を少なくすればよい。
【0045】
また、ナンバープレートの中心(任意の位置)を特定する場合、画素ブロック内に存在する候補の数が所定値以上であるときに、当該候補をナンバープレートの中心として特定することができる。すなわち、番号標位置推定部15は、文字領域候補毎に位置ベクトルに基づいた複数の候補を推定して候補に投票する。そして、番号標位置特定部16は、推定された候補(すなわち、投票された候補)の数が所定値(例えば、2、3など)以上である場合、当該候補をナンバープレートの中心として特定する。なお、所定値は、特定する文字領域候補の数以下の数値とすることができる。例えば、2つの文字領域候補を特定する場合には、所定値は2とすることができる。また、3つの文字領域候補を特定する場合には、所定値は2、3とすることができる。
【0046】
図6はナンバープレートの検出の一例を示す説明図である。番号標位置特定部16は、特定したナンバープレートの中心(任意の位置)に基づいて、ナンバープレートを検出する。図6に示すように、撮像画像上のナンバープレートの任意の位置(例えば、中心又は四隅の1つ等)が分かれば、撮像画像上のナンバープレートの寸法(例えば、中心から水平方向にそれぞれm画素、垂直方向にそれぞれn画素の大きさ)に基づいて、ナンバープレートを検出することができる。
【0047】
車番判定部17は、番号標位置特定部16で検出されたナンバープレートのプレート画像に対して、文字の認識処理を行って、陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などの車両番号(車番)を判定する。なお、車番判定部17は、番号標検出装置100に備える構成の他、他の外部の装置に具備することにより、番号標検出装置100に具備しない構成でもよい。
【0048】
上述のように、従来であれば、ナンバープレートの文字を認識しなければナンバープレートを検出することができなかったのに対し、本実施の形態にあっては、ナンバープレートを検出するために文字列又はパターン列を抽出して文字を認識する処理を必要とせず、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても、文字領域候補を特定するだけでナンバープレートの任意の位置を特定してナンバープレートを精度よく検出することができる。これにより、文字領域候補を特定することができれば、ナンバープレートの任意の位置を特定することができる。
【0049】
また、本実施の形態にあっては、少なくとも2つの文字領域候補を特定することができれば、学習データ(位置ベクトルのデータ、位置ベクトルの分布データ)に基づいて、ナンバープレートの任意の位置を特定してナンバープレートを検出することができる。さらに、特定した文字領域候補の数が増えれば、ナンバープレートの任意の位置の特定の精度を向上させることができる。
【0050】
図4、図5の例では、一連番号に対応する文字領域について説明したが、図3に示すように文字領域52〜56の大きさは異なる。文字領域は、ナンバープレートに記載されている陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号(2桁目と3桁目との間のハイフン、空白桁を示すドットを含む)の各文字の大小に応じて大きさが異なる。そこで、文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に位置ベクトル(対応情報)を予め複数記憶しておく。
【0051】
特定した文字領域候補及び当該文字領域候補の大小に応じた位置ベクトルに基づいて、撮像画像上のナンバープレートの中心(任意の位置)を特定することもできる。例えば、ナンバープレートの数字部分、漢字部分、平仮名部分、ハイフン部分又はドット部分毎に個別の位置ベクトル(対応情報)を記憶しておき、特定した文字領域候補の大小に応じて別々にナンバープレートの中心を特定することにより、ナンバープレートに記載されたいずれの文字であっても文字領域候補として特定することができ、ナンバープレートの検出精度を高めることができる。
【0052】
また、文字領域の大きさに応じて、重み付け係数を付与しておき、ナンバープレートの中心を推定(投票)する際の投票数に重み付け係数を付けることもできる。例えば、数字などの一連番号に対する文字領域には、重み付け係数2を付与し、ハイフン又はドットなどの符号に対する文字領域には、重み付け係数1を付与し、数字の文字領域に基づいてナンバープレートの中心の候補を推定(投票)する際には、投票数を2倍(重み付け係数2)し、符号の文字領域に基づいてナンバープレートの中心の候補を推定(投票)する際には、投票数を1倍(重み付け係数1)として、得票数が所定値(例えば、2、3など)以上の候補をナンバープレートの中心として特定することができる。これにより、文字領域候補の位置(中心又は四隅など)の特定の難易度又は精度に応じて重み付けを付与することにより、ナンバープレートの中心の特定の精度を向上させることができる。
【0053】
また、上述の例では、ナンバープレートの中心を推定する場合に、候補の得票数(画素ブロック内の候補の数)が所定値以上であれば、ナンバープレートの中心として特定する構成であったが、これに限定されるものではなく、得票数が最大又は極大となる候補をナンバープレートの中心として特定することもできる。
【0054】
対応情報生成部18は、ナンバープレートの任意の位置(中心)が予め特定されたナンバープレート画像に基づいて文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補及び予め特定されたナンバープレートの中心に基づいて位置ベクトル(対応情報)を複数生成し、生成した位置ベクトルのデータ(位置関係データ)を学習データとして記憶部14に記憶する。予め中心位置が分かっているナンバープレート画像に基づいてナンバープレートの中心位置と文字領域候補の位置(例えば、中心)との対応関係を示す位置ベクトルを生成して記憶することにより、文字領域候補の位置に対するナンバープレートの任意の位置を学習してナンバープレートを正確に検出することができる。
【0055】
図3の例では、位置ベクトルは、車両のナンバープレート50が撮像画像上で傾いていない場合を想定していた。しかし、ナンバープレートを傾けて車両に設置される場合もある。そこで、ナンバープレートが傾けて取り付けられた場合でも、ナンバープレートの中心を精度良く特定する方法について説明する。
【0056】
図7は位置ベクトルの他の例を示す模式図である。図7は車両のナンバープレート50(番号標)の任意の位置(中心)と当該ナンバープレート50内の文字領域52〜56の位置(中心位置)との対応関係を示す対応情報としての位置ベクトルを示す。図3との相違点は、ナンバープレート50が、角度θだけ傾いている点、文字領域52、53の中心を結ぶ仮想直線、また文字領域54、55、56の中心を結ぶ仮想直線が水平方向に対してナンバープレート50の傾斜角θだけ傾いている点などである。
【0057】
図7の場合も図3と同様、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレート50の中心を終点とするベクトルである。例えば、ナンバープレート50の一連番号の各数字を囲む4つの文字領域55では、文字領域毎に位置ベクトルV55p、V55q、V55r、V55sが存在する。また、陸運支局の各文字を囲む2つの文字領域52では、文字領域毎に位置ベクトルV52p、V52qが存在する。また、分類番号の各文字を囲む3つの文字領域53では、文字領域毎に位置ベクトルV53p、V53q、V53rが存在する。また、用途番号を囲む文字領域54では、位置ベクトルV54pが存在する。また、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56では、位置ベクトルV56pが存在する。
【0058】
記憶部14には、角度θ(例えば、15度など)だけ傾いた複数のナンバープレートについて、それぞれのナンバープレート内の文字領域毎の位置ベクトルを学習データとして記憶してある。なお、角度θとしては、15度に限らす他の複数の値を設定することができる。
【0059】
図8は位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の他の例を示す説明図である。図8は、図7の角度θだけ傾いたナンバープレート画像に基づいて生成された位置ベクトルを用いてナンバープレートの中心位置を推定する場合を示す。図4に示す位置ベクトルが、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)であるのに対し、図8の例では、ナンバープレート画像が角度θだけ傾いているので、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55p〜V55s(Δxi、Δyi)が異なる。具体的には、各位置ベクトルの先がナンバープレート50の傾斜角θだけ水平方向に対して傾いた仮想直線上にある。
【0060】
ナンバープレートが傾いて取り付けられた車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて文字領域候補を少なくとも2つ特定した場合には、図5の例と同様に、例えば、複数の文字領域候補551、552により推定された任意の位置の候補が、撮像画像上で一致するとき、あるいは撮像画像上で所定の範囲(図5の符号60と同様)内にあるとき、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心(任意の位置)として特定する。図5の場合との違いは、特定されたナンバープレートの中心が、ナンバープレートの傾きθに応じて図5の場合と比較してずれている点である。このことは、撮像画像に基づいて文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートが傾いて取り付けられていることが分かるということである。
【0061】
すなわち、図8の例の場合も、文字領域候補特定部13は、撮像画像上でのナンバープレート画像の傾きが異なる複数のナンバープレート画像に基づいて文字領域候補を特定する。撮像画像上で予め傾いたナンバープレート画像を用いて文字領域候補を特定し、ナンバープレートの任意の位置と特定した文字領域候補の位置との対応関係を示す位置ベクトル(対応情報)を対応情報生成部18で生成して記憶することにより、ナンバープレートが傾斜して取り付けられた車両を撮像した場合であっても、ナンバープレートを精度よく検出することができる。また、ナンバープレートの中心の推定処理(投票処理)での得票数(画素ブロック内の候補の数)が所定値以上、最大又は極大となった文字領域候補に対応する位置ベクトルが分かるので、当該位置ベクトルを生成した際のナンバープレート画像の傾きから、車両に設置されたナンバープレートの傾きも特定することができる。
【0062】
図1の例では、対応情報生成部18を備える構成であったが、学習データ(位置ベクトルのデータ)を外部の別の装置で生成するようにしてもよい。この場合、番号標検出装置100は、位置ベクトルのデータ(学習データ)を自身で生成する必要はなく、外部の装置から取得して記憶部14に記憶しておけばよい。
【0063】
次に、本実施の形態の番号標検出装置100の動作について説明する。図9は本実施の形態の番号標検出装置100による位置関係データの生成処理の手順を示すフローチャートである。位置関係データは、学習データであり、予め任意の位置(例えば、中心位置)がわかっているナンバープレート画像を複数用いて、ナンバープレートの中心位置と文字領域候補の位置(例えば、中心)との対応関係を示す位置ベクトルを求め、位置ベクトルのデータを収集して得られた位置ベクトルの分布データである。
【0064】
制御部10は、予め中心(任意の位置)が特定されたナンバープレート画像を取得し(S11)、文字領域候補特定部13を制御して、取得したナンバープレート画像上で文字領域候補を特定する(S12)。
【0065】
制御部10は、対応情報生成部18を制御して、特定した文字領域候補の位置(例えば、中心)を始点とし、ナンバープレートの任意の位置(例えば、中心)を終点とする位置ベクトルを算出する(S13)。
【0066】
制御部10は、他の文字領域候補の有無を判定し(S14)、他の文字領域候補がある場合(S14でYES)、ステップS13の処理を繰り返す。
【0067】
制御部10は、他の文字領域候補がない場合(S14でNO)、他のナンバープレート画像の有無を判定し(S15)、他のナンバープレート画像がある場合(S15でYES)、ステップS11以降の処理を繰り返す。
【0068】
制御部10は、他のナンバープレート画像がない場合(S15でNO)、算出した位置ベクトルの分布を求め、位置関係データ(対応情報)を生成し(S16)、処理を終了する。なお、生成した位置関係データは、記憶部14に記憶する。また、位置関係データは、文字領域候補の大小に応じて区別して記憶することができる。
【0069】
図10は本実施の形態の番号標検出装置100によるナンバープレート検出処理の手順を示すフローチャートである。制御部10は、撮像装置200で撮像した撮像画像を取得し(S31)、文字領域候補特定部13を制御して、取得した撮像画像に基づいて文字領域候補を特定する(S32)。
【0070】
制御部10は、文字領域候補の大小に応じた位置関係データを読み出し(S33)、特定した文字領域候補と位置関係データ(対応情報)に基づいて、ナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を推定(投票)する(S34)。
【0071】
制御部10は、他の文字領域候補の有無を判定し(S35)、他の文字領域候補がある場合(S35でYES)、ステップS34の処理を繰り返す。
【0072】
制御部10は、他の文字領域候補がない場合(S35でNO)、所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する候補の数(投票した結果の得票数)を算出する(S36)。
【0073】
制御部10は、候補の数が所定値(例えば、2、3など)以上であるか否かを判定し(S37)、候補の数が所定値以上である場合(S37でYES)、候補をナンバープレートの中心位置として特定する(S38)。
【0074】
制御部10は、特定した中心位置に基づいてナンバープレート領域を検出し(S39)、車番(例えば、陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号など)を判定し(S40)、処理を終了する。候補の数が所定値未である場合(S37でNO)、制御部10は、処理を終了する。
【0075】
本実施の形態の番号標検出装置100は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図9及び図10に示すような、各処理手順を定めたプログラムコードをコンピュータに備えられたRAMにロードし、プログラムコードをCPUで実行することにより、コンピュータ上で番号標検出装置100を実現することができる。
【0076】
上述のように、本実施の形態の番号標検出装置は、撮像画像上の文字領域候補を特定し、学習データである位置関係データを用いることにより、ナンバープレートの任意の位置(例えば、中心位置)を特定することができるので、ナンバープレートの部分的な隠れ、あるいはナンバープレートの傾きがある場合であっても、ロバストかつ正確にナンバープレートを検出することができる。
【0077】
また、本実施の形態であれば、文字領域候補を特定することができればよいので、すでに設置しているモノクロ(白黒)カメラで撮像した撮像画像を用いることができる。また、文字認識などの前処理が不要であるので、計算コストを抑制することができる。また、撮像画像上での文字候補枠の配置は特に重要ではないので、ナンバープレートを撮像することができるのであれば、撮像装置(カメラ)を取り付ける際の取付け位置又は取付け角度(例えば、レンズの光軸方向)などの調整が不要であるため撮像装置の取付け作業が容易になる。
【0078】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
10 制御部
11 画像入力部
12 画像メモリ
13 文字領域候補特定部(候補領域特定手段)
14 記憶部(記憶手段)
15 番号標位置推定部(推定手段)
16 番号標位置特定部(位置特定手段、検出手段)
17 車番判定部
18 対応情報生成部(対応情報生成手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置、該番号標検出装置を実現するためのコンピュータプログラム及び番号標検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通監視などの分野において、特定の車両を抽出する技術の1つとして車両のナンバープレート(番号標)を検出する技術が開発されている。例えば、ナンバープレートなどの予め文字(パターン)の配置情報が既知であるパターン列を抽出するものとして、蓄積辞書(パターン認識のために用いられる基準パターン)を用いて、ずらしマッチング法によりパターン列を抽出する方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、ナンバープレートの地色と文字色との白黒階調差を利用して、原画像データから生成された文字抽出用データ内に存在する処理対象領域(明部または暗部)について文字列を抽出して文字認識を行う車両ナンバープレート認識装置が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3762189号公報
【特許文献2】特許第3455454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のパターン列抽出、文字列抽出方法にあっては、明暗のパターンから文字と思われる枠を抽出し、抽出した枠の配置に基づいてナンバープレートを検出するため、ナンバープレートを検出するためには、まず文字認識のための処理を行う必要がある。ナンバープレート内の文字を認識することが前提となっているので、例えば、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落している場合、ナンバープレートが傾いた状態で撮像された場合に、文字を正しく認識することができないという課題が存在するのみならず、文字認識処理に要する計算コストが大きくなるという課題があった。また、従来の方法にあっては、撮像画像上での文字候補枠の配置が重要なので、撮像装置(カメラ)を取り付ける際の取付け位置又は取付け角度(例えば、レンズの光軸方向)などの調整が必要であるため取付け作業に多くの手間を要した。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両の番号標を精度良く検出することができる番号標検出装置、該番号標検出装置を実現するためのコンピュータプログラム及び番号標検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る番号標検出装置は、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置において、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶する記憶手段と、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定する候補領域特定手段と、該候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する位置特定手段と、該位置特定手段で特定した任意の位置に基づいて番号標を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る番号標検出装置は、第1発明において、前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補毎に該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する推定手段を備え、前記位置特定手段は、前記撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する前記候補の数が所定値以上である場合、前記候補を前記任意の位置として特定するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る番号標検出装置は、第1発明又は第2発明において、前記候補領域特定手段は、番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するようにしてあり、前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて前記対応情報を複数生成する対応情報生成手段を備え、該対応情報生成手段で生成した対応情報を前記記憶手段に記憶するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る番号標検出装置は、第3発明において、前記候補領域特定手段は、撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る番号標検出装置は、第1発明乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記記憶手段は、前記文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶してあり、前記位置特定手段は、前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、前記撮像画像上の番号標の前記任意の位置を特定するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る番号標検出装置は、第1発明乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記対応情報は、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルであることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、特定した文字領域候補及び車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、特定した任意の位置に基づいて番号標を検出するステップとを実行させることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る番号標検出方法は、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置による番号標検出方法おいて、車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておき、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、特定された文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、特定された任意の位置に基づいて番号標を検出するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
第1発明、第7発明及び第8発明にあっては、車両の番号標(ナンバープレート)の任意の位置と当該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておく。番号標の任意の位置とは、例えば、番号標の中心の位置、番号標の四隅のいずれかの位置などである。文字領域とは、ナンバープレートに記載されている文字(数字、平仮名、漢字など)で表される陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などを含む(囲む)領域である。文字領域の位置は、例えば、文字領域の中心、文字領域を矩形状とした場合に、四隅のいずれかの位置などとすることができる。対応情報は、例えば、位置の対応関係を示すベクトル(位置ベクトル)である。
【0016】
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定し、特定した文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する。文字領域候補は、例えば、撮像画像に対して水平方向及び/又は垂直方向エッジ検出フィルタを施してエッジの集合を特定して二値化し、二値化されたエッジ画像を囲む矩形領域を文字領域候補として特定することができる。1つ目の文字領域候補が特定された場合、当該文字領域候補に対する番号標の任意の位置の候補を対応情報に基づいて複数推定する。また2つ目以降の文字領域候補が特定された場合にも、同様に当該文字領域候補に対する番号標の任意の位置の候補を対応情報に基づいて複数推定する。そして、複数の文字領域候補により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲内にある場合、当該任意の位置の候補を番号標の任意の位置を特定する。撮像画像上の番号標の任意の位置(例えば、中心又は四隅の1つ等)が分かれば、撮像画像上の番号標の寸法(大きさ)に基づいて、番号標を検出する。
【0017】
従来、文字を認識しなければ車両の番号標を検出することができなかったのに対し、本発明にあっては、番号標を検出するために文字列又はパターン列を抽出して文字を認識する処理を必要とせず、文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても番号標の任意の位置を特定して番号標を精度よく検出することができる。
【0018】
第2発明にあっては、記憶した対応情報に基づいて、特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する。そして、撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック(例えば、2×2画素、3×3画素など)内に存在する候補の数が所定値以上である場合、当該候補を番号標の任意の位置として特定する。すなわち、文字領域候補毎に対応情報に基づいた複数の候補を推定して候補に投票する。推定された候補(すなわち、投票された候補)の数が所定値(例えば、2、3など)以上である場合、当該候補を番号標の任意の位置として特定する。これにより、少なくとも2つの文字領域候補を特定することができれば、番号標の任意の位置を特定して番号標を検出することができる。また、特定した文字領域候補の数が増えれば、番号標の任意の位置の特定の精度を向上させることができる。
【0019】
第3発明にあっては、番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定し、特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて対応情報を複数生成し、生成した対応情報を記憶する。番号標画像に基づいて番号標の任意の位置と文字領域候補の位置との対応関係を示す対応情報を生成して記憶することにより、文字領域候補の位置に対する番号標の任意の位置を学習して番号標を正確に検出することができる。
【0020】
第4発明にあっては、撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定する。撮像画像上で予め傾いた番号標画像を用いて文字領域候補を特定し、番号標の任意の位置と特定した文字領域候補の位置との対応関係を示す対応情報を生成して記憶することにより、番号標が傾斜して取り付けられた車両を撮像した場合であっても、番号標を精度よく検出することができる。
【0021】
第5発明にあっては、文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶しておく。文字領域の大小とは、ナンバープレートに記載されている陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号(2桁目と3桁目との間のハイフン、空白桁を示すドットを含む)の各文字の大小である。特定した文字領域候補及び当該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する。例えば、番号標の数字部分、漢字部分、平仮名部分、ハイフン部分又はドット部分毎に個別の対応情報を記憶しておき、特定した文字領域候補の大小に応じて別々に番号標の任意の位置を特定することにより、番号標に記載されたいずれの文字であっても文字領域候補として特定することができ、番号標の検出精度を高めることができる。
【0022】
第6発明にあっては、対応情報は、車両の番号標の任意の位置と当該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルである。例えば、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、番号標の中心を終点とするベクトルとすることができる。これにより、文字領域候補を特定することができれば、番号標の任意の位置を特定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても番号標の任意の位置を特定して番号標を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態の番号標検出装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ナンバープレートの一例を示す模式図である。
【図3】位置ベクトルの一例を示す模式図である。
【図4】位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。
【図5】複数の文字領域候補に基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。
【図6】ナンバープレートの検出の一例を示す説明図である。
【図7】位置ベクトルの他の例を示す模式図である。
【図8】位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の他の例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態の番号標検出装置による位置関係データの生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態の番号標検出装置によるナンバープレート検出処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の番号標検出装置100の構成の一例を示すブロック図である。番号標検出装置100には、撮像部としての撮像装置200を接続してある。なお、撮像装置200は、番号標検出装置100に内蔵する構成であってもよい。
【0026】
撮像装置200は、照明部、カメラ(不図示)などを備えている。照明部は、複数のLEDを備え、カメラで車両を撮像するタイミング(例えば、33msの都度)に併せて近赤外光を、道路を走行する車両に対して照射する。これにより、例えば、夜間においても、カメラで車両を撮像することができる。
【0027】
撮像装置200は、道路を走行する車両を撮像し、撮像して得られた画像データを番号標検出装置100へ出力する。撮像装置200で撮像して得られる撮像画像は、車両のナンバープレート(番号標)を検出することができる程度の解像度を有する。
【0028】
番号標検出装置100は、装置内の各部を制御する制御部10、画像入力部11、画像メモリ12、候補領域特定手段としての文字領域候補特定部13、記憶手段としての記憶部14、推定手段としての番号標位置推定部15、位置特定手段及び検出手段としての番号標位置特定部16、車番判定部17、対応情報生成手段としての対応情報生成部18などを備える。なお、本実施の形態において、車両の番号標(例えば、ナンバープレート)を検出するとは、撮像画像上でどの領域がナンバープレートの領域であるかを検出することを含む。
【0029】
画像入力部11は、撮像装置200で撮像して得られた画像データを取得し、取得した画像データをフレーム単位に撮像時刻に対応付けて画像メモリ12に記憶する。
【0030】
文字領域候補特定部13は、撮像画像(画像データ)に基づいて文字領域の候補である文字領域候補を特定する。文字領域とは、ナンバープレートに記載されている文字(数字、平仮名、漢字など)で表される陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などを含む(囲む)領域である。文字領域候補特定部13は、特定した文字領域候補の大きさに基づいて、当該文字領域候補の中心位置も特定する。
【0031】
文字領域候補は、例えば、撮像画像に対して水平方向及び/又は垂直方向エッジ検出フィルタを施してエッジの集合を特定して二値化し、二値化されたエッジ画像を囲む矩形領域を文字領域候補として特定することができる。なお、文字領域候補の特定は、他の公知の方法を用いることができる。
【0032】
図2はナンバープレート50の一例を示す模式図である。図2に示すように、ナンバープレート50は、「大阪」などの漢字等で表した陸運支局の各文字を囲む(含む)文字領域52、1〜3桁の数字で表した分類番号の各文字を囲む文字領域53、平仮名等で表した用途番号を囲む文字領域54、4桁の数字で表した一連番号の各文字を囲む55、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56、一連番号の空白桁を表す符号であるドット(「・」)を囲む文字領域(不図示)などを有する。
【0033】
文字領域52〜56は、矩形状をなすが、文字領域の形状は矩形状に限定されるものではない。また、51はナンバープレート50の中心(任意の位置)である。なお、ナンバープレート50の任意の位置は、中心に限定されるものではなく、矩形状のナンバープレート50の四隅のいずれか1つであってもよい。また、文字領域52〜56の位置は、文字領域52〜56の中心であるが、これに限定されるものではなく、矩形状の文字領域の四隅のいずれか1つであってもよい。
【0034】
記憶部14は、車両のナンバープレート(番号標)の任意の位置(例えば、ナンバープレートの中心)と当該ナンバープレート内の文字領域の位置(例えば、文字領域の中心)との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶してある。対応情報は、ナンバープレートの任意の位置(中心)と当該ナンバープレート内の文字領域の位置(中心)とで決定される撮像画像上の位置ベクトルである。例えば、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレートの中心を終点とするベクトルとすることができる。
【0035】
図3は位置ベクトルの一例を示す模式図である。図3は車両のナンバープレート50(番号標)の任意の位置(中心)と当該ナンバープレート50内の文字領域52〜56の位置(中心位置)との対応関係を示す対応情報としての位置ベクトルを示す。
【0036】
位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレート50の中心を終点とするベクトルである。例えば、ナンバープレート50の一連番号の各数字を囲む4つの文字領域55では、文字領域毎に位置ベクトルV55a、V55b、V55c、V55dが存在する。また、陸運支局の各文字を囲む2つの文字領域52では、文字領域毎に位置ベクトルV52a、V52bが存在する。また、分類番号の各文字を囲む3つの文字領域53では、文字領域毎に位置ベクトルV53a、V53b、V53cが存在する。また、用途番号を囲む文字領域54では、位置ベクトルV54aが存在する。また、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56では、位置ベクトルV56aが存在する。
【0037】
記憶部14には、複数のナンバープレートについて、それぞれのナンバープレート内の文字領域毎の位置ベクトルを学習データとして記憶してある。便宜上、位置ベクトルVは、V(Δx1、Δy1)〜(ΔxN、ΔyN)と表すことができる。ここで、Nは、ナンバープレート内の文字領域の数が同じであるとすれば、ナンバープレート内の文字領域の数にナンバープレートの数を乗算した数である。すなわち、記憶部14には、位置ベクトル(Δxi、Δyi)(i=1〜N)の頻度分布f(Δx、Δy)が後述の投票の基礎となる位置関係データ(学習データ)として記憶してある。
【0038】
番号標位置推定部15は、記憶した位置ベクトル(対応情報)に基づいて、文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補毎に当該文字領域候補の位置に対応するナンバープレートの中心の位置の候補を推定する。
【0039】
図4は位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。図4では、簡略化のため、位置ベクトルは、ナンバープレートの4つの一連番号それぞれに対応する文字領域毎に存在するものとする。すなわち、ナンバープレートの中心の位置の候補を推定する位置ベクトル(位置関係データ)は4つ存在するものとする。また、撮像画像上(座標x、y)で文字領域候補551が特定されたとする。
【0040】
この場合、番号標位置推定部15は、図4に示すように、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)で示す終点位置(x01+Δxi、y01+Δyi)をナンバープレートの中心の位置の候補を推定して、各終点位置に投票する。すなわち、位置ベクトルが4つ存在する場合、1つの文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートの中心位置の候補が4つ推定(投票)されることになる。
【0041】
図5は複数の文字領域候補に基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の一例を示す説明図である。図5の例は、図4の例において、文字領域候補551に加えて、2つ目の文字領域候補552を特定した場合を示す。図4の例と同様に、番号標位置推定部15は、文字領域候補552の中心位置の座標(x02、y02)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)で示す終点位置(x02+Δxi、y02+Δyi)をナンバープレートの中心の位置の候補を推定して、各終点位置に投票する。
【0042】
番号標位置特定部16は、撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補及び記憶部14に記憶した位置ベクトル(対応情報)に基づいて撮像画像上のナンバープレートの中心(任意の位置)を特定する。
【0043】
より具体的には、図5に示すように、番号標位置特定部16は、1つ目の文字領域候補551が特定された場合、当該文字領域候補551に対するナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を位置ベクトル(対応情報)V55a〜V55dに基づいて複数推定する。また2つ目以降の文字領域候補552が特定された場合にも、同様に当該文字領域候補に対するナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を位置ベクトル(対応情報)V55a〜V55dに基づいて複数推定する。そして、複数の文字領域候補551、552により推定された任意の位置の候補が、例えば、撮像画像上で一致する場合、あるいは撮像画像上で所定の範囲(図5の符号60で例示)内にある場合、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心(任意の位置)として特定する。
【0044】
上述の所定の範囲とは、例えば、撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック(例えば、2×2画素、3×3画素など)とすることができる。画素ブロックを構成する画素数は、ナンバープレートの検出精度に応じて適宜設定することができる。すなわち、検出精度を上げる必要がある場合には、画素ブロックの画素数を少なくすればよい。
【0045】
また、ナンバープレートの中心(任意の位置)を特定する場合、画素ブロック内に存在する候補の数が所定値以上であるときに、当該候補をナンバープレートの中心として特定することができる。すなわち、番号標位置推定部15は、文字領域候補毎に位置ベクトルに基づいた複数の候補を推定して候補に投票する。そして、番号標位置特定部16は、推定された候補(すなわち、投票された候補)の数が所定値(例えば、2、3など)以上である場合、当該候補をナンバープレートの中心として特定する。なお、所定値は、特定する文字領域候補の数以下の数値とすることができる。例えば、2つの文字領域候補を特定する場合には、所定値は2とすることができる。また、3つの文字領域候補を特定する場合には、所定値は2、3とすることができる。
【0046】
図6はナンバープレートの検出の一例を示す説明図である。番号標位置特定部16は、特定したナンバープレートの中心(任意の位置)に基づいて、ナンバープレートを検出する。図6に示すように、撮像画像上のナンバープレートの任意の位置(例えば、中心又は四隅の1つ等)が分かれば、撮像画像上のナンバープレートの寸法(例えば、中心から水平方向にそれぞれm画素、垂直方向にそれぞれn画素の大きさ)に基づいて、ナンバープレートを検出することができる。
【0047】
車番判定部17は、番号標位置特定部16で検出されたナンバープレートのプレート画像に対して、文字の認識処理を行って、陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号などの車両番号(車番)を判定する。なお、車番判定部17は、番号標検出装置100に備える構成の他、他の外部の装置に具備することにより、番号標検出装置100に具備しない構成でもよい。
【0048】
上述のように、従来であれば、ナンバープレートの文字を認識しなければナンバープレートを検出することができなかったのに対し、本実施の形態にあっては、ナンバープレートを検出するために文字列又はパターン列を抽出して文字を認識する処理を必要とせず、ナンバープレートの一部が撮像画像から欠落して一部の文字を認識することができない場合であっても、文字領域候補を特定するだけでナンバープレートの任意の位置を特定してナンバープレートを精度よく検出することができる。これにより、文字領域候補を特定することができれば、ナンバープレートの任意の位置を特定することができる。
【0049】
また、本実施の形態にあっては、少なくとも2つの文字領域候補を特定することができれば、学習データ(位置ベクトルのデータ、位置ベクトルの分布データ)に基づいて、ナンバープレートの任意の位置を特定してナンバープレートを検出することができる。さらに、特定した文字領域候補の数が増えれば、ナンバープレートの任意の位置の特定の精度を向上させることができる。
【0050】
図4、図5の例では、一連番号に対応する文字領域について説明したが、図3に示すように文字領域52〜56の大きさは異なる。文字領域は、ナンバープレートに記載されている陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号(2桁目と3桁目との間のハイフン、空白桁を示すドットを含む)の各文字の大小に応じて大きさが異なる。そこで、文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に位置ベクトル(対応情報)を予め複数記憶しておく。
【0051】
特定した文字領域候補及び当該文字領域候補の大小に応じた位置ベクトルに基づいて、撮像画像上のナンバープレートの中心(任意の位置)を特定することもできる。例えば、ナンバープレートの数字部分、漢字部分、平仮名部分、ハイフン部分又はドット部分毎に個別の位置ベクトル(対応情報)を記憶しておき、特定した文字領域候補の大小に応じて別々にナンバープレートの中心を特定することにより、ナンバープレートに記載されたいずれの文字であっても文字領域候補として特定することができ、ナンバープレートの検出精度を高めることができる。
【0052】
また、文字領域の大きさに応じて、重み付け係数を付与しておき、ナンバープレートの中心を推定(投票)する際の投票数に重み付け係数を付けることもできる。例えば、数字などの一連番号に対する文字領域には、重み付け係数2を付与し、ハイフン又はドットなどの符号に対する文字領域には、重み付け係数1を付与し、数字の文字領域に基づいてナンバープレートの中心の候補を推定(投票)する際には、投票数を2倍(重み付け係数2)し、符号の文字領域に基づいてナンバープレートの中心の候補を推定(投票)する際には、投票数を1倍(重み付け係数1)として、得票数が所定値(例えば、2、3など)以上の候補をナンバープレートの中心として特定することができる。これにより、文字領域候補の位置(中心又は四隅など)の特定の難易度又は精度に応じて重み付けを付与することにより、ナンバープレートの中心の特定の精度を向上させることができる。
【0053】
また、上述の例では、ナンバープレートの中心を推定する場合に、候補の得票数(画素ブロック内の候補の数)が所定値以上であれば、ナンバープレートの中心として特定する構成であったが、これに限定されるものではなく、得票数が最大又は極大となる候補をナンバープレートの中心として特定することもできる。
【0054】
対応情報生成部18は、ナンバープレートの任意の位置(中心)が予め特定されたナンバープレート画像に基づいて文字領域候補特定部13で特定した文字領域候補及び予め特定されたナンバープレートの中心に基づいて位置ベクトル(対応情報)を複数生成し、生成した位置ベクトルのデータ(位置関係データ)を学習データとして記憶部14に記憶する。予め中心位置が分かっているナンバープレート画像に基づいてナンバープレートの中心位置と文字領域候補の位置(例えば、中心)との対応関係を示す位置ベクトルを生成して記憶することにより、文字領域候補の位置に対するナンバープレートの任意の位置を学習してナンバープレートを正確に検出することができる。
【0055】
図3の例では、位置ベクトルは、車両のナンバープレート50が撮像画像上で傾いていない場合を想定していた。しかし、ナンバープレートを傾けて車両に設置される場合もある。そこで、ナンバープレートが傾けて取り付けられた場合でも、ナンバープレートの中心を精度良く特定する方法について説明する。
【0056】
図7は位置ベクトルの他の例を示す模式図である。図7は車両のナンバープレート50(番号標)の任意の位置(中心)と当該ナンバープレート50内の文字領域52〜56の位置(中心位置)との対応関係を示す対応情報としての位置ベクトルを示す。図3との相違点は、ナンバープレート50が、角度θだけ傾いている点、文字領域52、53の中心を結ぶ仮想直線、また文字領域54、55、56の中心を結ぶ仮想直線が水平方向に対してナンバープレート50の傾斜角θだけ傾いている点などである。
【0057】
図7の場合も図3と同様、位置ベクトルは、撮像画像上の文字領域の中心を始点とし、ナンバープレート50の中心を終点とするベクトルである。例えば、ナンバープレート50の一連番号の各数字を囲む4つの文字領域55では、文字領域毎に位置ベクトルV55p、V55q、V55r、V55sが存在する。また、陸運支局の各文字を囲む2つの文字領域52では、文字領域毎に位置ベクトルV52p、V52qが存在する。また、分類番号の各文字を囲む3つの文字領域53では、文字領域毎に位置ベクトルV53p、V53q、V53rが存在する。また、用途番号を囲む文字領域54では、位置ベクトルV54pが存在する。また、一連番号の2桁目と3桁目との間にある区切り符号であるハイフン(「‐」)を囲む文字領域56では、位置ベクトルV56pが存在する。
【0058】
記憶部14には、角度θ(例えば、15度など)だけ傾いた複数のナンバープレートについて、それぞれのナンバープレート内の文字領域毎の位置ベクトルを学習データとして記憶してある。なお、角度θとしては、15度に限らす他の複数の値を設定することができる。
【0059】
図8は位置ベクトルに基づいてナンバープレートの中心位置を推定する方法の他の例を示す説明図である。図8は、図7の角度θだけ傾いたナンバープレート画像に基づいて生成された位置ベクトルを用いてナンバープレートの中心位置を推定する場合を示す。図4に示す位置ベクトルが、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55a〜V55d(Δxi、Δyi)であるのに対し、図8の例では、ナンバープレート画像が角度θだけ傾いているので、文字領域候補551の中心位置の座標(x01、y01)を始点とする4つの位置ベクトルV55p〜V55s(Δxi、Δyi)が異なる。具体的には、各位置ベクトルの先がナンバープレート50の傾斜角θだけ水平方向に対して傾いた仮想直線上にある。
【0060】
ナンバープレートが傾いて取り付けられた車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて文字領域候補を少なくとも2つ特定した場合には、図5の例と同様に、例えば、複数の文字領域候補551、552により推定された任意の位置の候補が、撮像画像上で一致するとき、あるいは撮像画像上で所定の範囲(図5の符号60と同様)内にあるとき、当該任意の位置の候補をナンバープレートの中心(任意の位置)として特定する。図5の場合との違いは、特定されたナンバープレートの中心が、ナンバープレートの傾きθに応じて図5の場合と比較してずれている点である。このことは、撮像画像に基づいて文字領域候補を特定することにより、ナンバープレートが傾いて取り付けられていることが分かるということである。
【0061】
すなわち、図8の例の場合も、文字領域候補特定部13は、撮像画像上でのナンバープレート画像の傾きが異なる複数のナンバープレート画像に基づいて文字領域候補を特定する。撮像画像上で予め傾いたナンバープレート画像を用いて文字領域候補を特定し、ナンバープレートの任意の位置と特定した文字領域候補の位置との対応関係を示す位置ベクトル(対応情報)を対応情報生成部18で生成して記憶することにより、ナンバープレートが傾斜して取り付けられた車両を撮像した場合であっても、ナンバープレートを精度よく検出することができる。また、ナンバープレートの中心の推定処理(投票処理)での得票数(画素ブロック内の候補の数)が所定値以上、最大又は極大となった文字領域候補に対応する位置ベクトルが分かるので、当該位置ベクトルを生成した際のナンバープレート画像の傾きから、車両に設置されたナンバープレートの傾きも特定することができる。
【0062】
図1の例では、対応情報生成部18を備える構成であったが、学習データ(位置ベクトルのデータ)を外部の別の装置で生成するようにしてもよい。この場合、番号標検出装置100は、位置ベクトルのデータ(学習データ)を自身で生成する必要はなく、外部の装置から取得して記憶部14に記憶しておけばよい。
【0063】
次に、本実施の形態の番号標検出装置100の動作について説明する。図9は本実施の形態の番号標検出装置100による位置関係データの生成処理の手順を示すフローチャートである。位置関係データは、学習データであり、予め任意の位置(例えば、中心位置)がわかっているナンバープレート画像を複数用いて、ナンバープレートの中心位置と文字領域候補の位置(例えば、中心)との対応関係を示す位置ベクトルを求め、位置ベクトルのデータを収集して得られた位置ベクトルの分布データである。
【0064】
制御部10は、予め中心(任意の位置)が特定されたナンバープレート画像を取得し(S11)、文字領域候補特定部13を制御して、取得したナンバープレート画像上で文字領域候補を特定する(S12)。
【0065】
制御部10は、対応情報生成部18を制御して、特定した文字領域候補の位置(例えば、中心)を始点とし、ナンバープレートの任意の位置(例えば、中心)を終点とする位置ベクトルを算出する(S13)。
【0066】
制御部10は、他の文字領域候補の有無を判定し(S14)、他の文字領域候補がある場合(S14でYES)、ステップS13の処理を繰り返す。
【0067】
制御部10は、他の文字領域候補がない場合(S14でNO)、他のナンバープレート画像の有無を判定し(S15)、他のナンバープレート画像がある場合(S15でYES)、ステップS11以降の処理を繰り返す。
【0068】
制御部10は、他のナンバープレート画像がない場合(S15でNO)、算出した位置ベクトルの分布を求め、位置関係データ(対応情報)を生成し(S16)、処理を終了する。なお、生成した位置関係データは、記憶部14に記憶する。また、位置関係データは、文字領域候補の大小に応じて区別して記憶することができる。
【0069】
図10は本実施の形態の番号標検出装置100によるナンバープレート検出処理の手順を示すフローチャートである。制御部10は、撮像装置200で撮像した撮像画像を取得し(S31)、文字領域候補特定部13を制御して、取得した撮像画像に基づいて文字領域候補を特定する(S32)。
【0070】
制御部10は、文字領域候補の大小に応じた位置関係データを読み出し(S33)、特定した文字領域候補と位置関係データ(対応情報)に基づいて、ナンバープレートの中心(任意の位置)の候補を推定(投票)する(S34)。
【0071】
制御部10は、他の文字領域候補の有無を判定し(S35)、他の文字領域候補がある場合(S35でYES)、ステップS34の処理を繰り返す。
【0072】
制御部10は、他の文字領域候補がない場合(S35でNO)、所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する候補の数(投票した結果の得票数)を算出する(S36)。
【0073】
制御部10は、候補の数が所定値(例えば、2、3など)以上であるか否かを判定し(S37)、候補の数が所定値以上である場合(S37でYES)、候補をナンバープレートの中心位置として特定する(S38)。
【0074】
制御部10は、特定した中心位置に基づいてナンバープレート領域を検出し(S39)、車番(例えば、陸運支局、分類番号、用途番号、一連番号など)を判定し(S40)、処理を終了する。候補の数が所定値未である場合(S37でNO)、制御部10は、処理を終了する。
【0075】
本実施の形態の番号標検出装置100は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図9及び図10に示すような、各処理手順を定めたプログラムコードをコンピュータに備えられたRAMにロードし、プログラムコードをCPUで実行することにより、コンピュータ上で番号標検出装置100を実現することができる。
【0076】
上述のように、本実施の形態の番号標検出装置は、撮像画像上の文字領域候補を特定し、学習データである位置関係データを用いることにより、ナンバープレートの任意の位置(例えば、中心位置)を特定することができるので、ナンバープレートの部分的な隠れ、あるいはナンバープレートの傾きがある場合であっても、ロバストかつ正確にナンバープレートを検出することができる。
【0077】
また、本実施の形態であれば、文字領域候補を特定することができればよいので、すでに設置しているモノクロ(白黒)カメラで撮像した撮像画像を用いることができる。また、文字認識などの前処理が不要であるので、計算コストを抑制することができる。また、撮像画像上での文字候補枠の配置は特に重要ではないので、ナンバープレートを撮像することができるのであれば、撮像装置(カメラ)を取り付ける際の取付け位置又は取付け角度(例えば、レンズの光軸方向)などの調整が不要であるため撮像装置の取付け作業が容易になる。
【0078】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
10 制御部
11 画像入力部
12 画像メモリ
13 文字領域候補特定部(候補領域特定手段)
14 記憶部(記憶手段)
15 番号標位置推定部(推定手段)
16 番号標位置特定部(位置特定手段、検出手段)
17 車番判定部
18 対応情報生成部(対応情報生成手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置において、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶する記憶手段と、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定する候補領域特定手段と、
該候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する位置特定手段と、
該位置特定手段で特定した任意の位置に基づいて番号標を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする番号標検出装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補毎に該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する推定手段を備え、
前記位置特定手段は、
前記撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する前記候補の数が所定値以上である場合、前記候補を前記任意の位置として特定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の番号標検出装置。
【請求項3】
前記候補領域特定手段は、
番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するようにしてあり、
前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて前記対応情報を複数生成する対応情報生成手段を備え、
該対応情報生成手段で生成した対応情報を前記記憶手段に記憶するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の番号標検出装置。
【請求項4】
前記候補領域特定手段は、
撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の番号標検出装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、
前記文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶してあり、
前記位置特定手段は、
前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、前記撮像画像上の番号標の前記任意の位置を特定するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の番号標検出装置。
【請求項6】
前記対応情報は、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の番号標検出装置。
【請求項7】
コンピュータに、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、
特定した文字領域候補及び車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、
特定した任意の位置に基づいて番号標を検出するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置による番号標検出方法おいて、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておき、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、
特定された文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、
特定された任意の位置に基づいて番号標を検出するステップと
を含むことを特徴とする番号標検出方法。
【請求項1】
撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置において、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶する記憶手段と、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定する候補領域特定手段と、
該候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定する位置特定手段と、
該位置特定手段で特定した任意の位置に基づいて番号標を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする番号標検出装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶した対応情報に基づいて前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補毎に該文字領域候補の位置に対応する番号標の任意の位置の候補を推定する推定手段を備え、
前記位置特定手段は、
前記撮像画像上の所定の画素数で構成される画素ブロック内に存在する前記候補の数が所定値以上である場合、前記候補を前記任意の位置として特定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の番号標検出装置。
【請求項3】
前記候補領域特定手段は、
番号標の任意の位置が予め特定された番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するようにしてあり、
前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び予め特定された任意の位置に基づいて前記対応情報を複数生成する対応情報生成手段を備え、
該対応情報生成手段で生成した対応情報を前記記憶手段に記憶するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の番号標検出装置。
【請求項4】
前記候補領域特定手段は、
撮像画像上での番号標画像の傾きが異なる複数の番号標画像に基づいて文字領域候補を特定するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の番号標検出装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、
前記文字領域の大小に応じて区分けされた文字領域毎に対応情報を予め複数記憶してあり、
前記位置特定手段は、
前記候補領域特定手段で特定した文字領域候補及び該文字領域候補の大小に応じた対応情報に基づいて、前記撮像画像上の番号標の前記任意の位置を特定するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の番号標検出装置。
【請求項6】
前記対応情報は、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置とで決定される撮像画像上の位置ベクトルであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の番号標検出装置。
【請求項7】
コンピュータに、撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、
特定した文字領域候補及び車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、
特定した任意の位置に基づいて番号標を検出するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
撮像部で道路を走行する車両を撮像して得られた撮像画像に基づいて該車両の番号標を検出する番号標検出装置による番号標検出方法おいて、
車両の番号標の任意の位置と該番号標内の文字領域の位置との対応関係を示す対応情報を予め複数記憶しておき、
撮像画像に基づいて少なくとも2つの文字領域候補を特定するステップと、
特定された文字領域候補及び記憶した対応情報に基づいて前記撮像画像上の番号標の任意の位置を特定するステップと、
特定された任意の位置に基づいて番号標を検出するステップと
を含むことを特徴とする番号標検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−133475(P2012−133475A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283384(P2010−283384)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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