異なるコントラストレベルを有する画像を比較するためのシステムおよび方法
異なるレベルのコントラストを有する画像を比較する方法論およびシステムが提供される。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。コントラストを正規化する際、第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められ、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められ、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。少なくとも一方の画像の輝度は、バックグラウンドおよびテキストを除いて平均画素値を計算することなどによって自動で、または手動で設定されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2004年1月9日に出願された仮(米国特許法第119(e)条)出願第60/535,358号の非仮出願である。
【0002】
発明の分野
この発明は一般に非破壊評価に関し、より特定的には、デジタル放射線撮影法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
非破壊評価(NDE:Non-destructive evaluation)は、気孔率などの欠陥、または気泡もしくは異物などの含有物について部品または材料を検査することで周知である。たとえば、配管系などのシステム、構造、および、船、陸上車両、ならびに航空機および宇宙船といった空中車両などの乗物用の製造部品のNDEに、x線が使用されている。さらに別の、かつより特定の一例として、航空機製造ではアルミニウム鋳物が広範囲にわたって使用されているため、アルミニウム鋳物のNDEにかかる検査費用は、航空機にかかる検査費用全体のうち、かなりの割合を占めている。
【0004】
x線のそのような使用は、放射線撮影法と呼ばれることがある。伝統的に、放射線撮影手法は、欠陥について検査される部品をx線源とハロゲン化銀フィルムとの間に配置することを必然的に伴う。しかしながら、伝統的なハロゲン化銀フィルム手法は高価であり、時間がかかるものである。
【0005】
伝統的なハロゲン化銀フィルム手法に関連する費用および時間の削減が、デジタル放射線撮影手法を用いてこれまで達成されてきた。デジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術を包含している。伝統的なフィルム放射線撮影法からデジタル放射線撮影法に切換えると、フィルムの購入、フィルムの処理、および化学廃棄物の処理に関する費用をなくすことができる。加えて、デジタル放射線撮影法が提供するサイクル時間の減少および自動化を通して、かなりの節約が実現され得る。
【0006】
多数の工業的使用のためのデジタル放射線撮影法の実現にとって大きな障害は、デジタル基準画像の欠如である。多くの違いが、現在利用可能な多数のデジタル様式のいずれかによって取込まれた放射線撮影画像に対する、フィルム上に取込まれた放射線撮影画像をもたらす。その結果、デジタル放射線写真とフィルム上に取込まれた現在の基準放射線写真との直接比較は、さまざまなデジタル様式間での、およびデジタル放射線撮影法とフィルム放射線撮影法との間での重大度レベルの異なる特徴付けにつながる。
【0007】
アルミニウム鋳物業界では、既存のフィルム基準放射線写真(アルミニウム鋳物およびマグネシウム鋳物の検査用のASTM E155基準放射線写真)をデジタル画像に変換することによって、これらの違いに対処しようという試みがなされてきた。しかしながら、ASTM E155などの伝統的なフィルム基準放射線写真は、デジタル放射線撮影法の領域には直接つながらない。既存の基準放射線写真は2つの主な理由、すなわち(1)放射線撮影フィルムとデジタル放射線撮影システムとの空間解像度の違い、および(2)フィルムとデジタル検出器の多くとのダイナミックレンジの違いのために不適当であるこ
とがすでにわかっている。
【0008】
既存のフィルム基準放射線写真の使用における第1の欠点に関して、一般的な放射線撮影フィルムの粒度は約3ミクロン(μm)〜約10μmの範囲のサイズであり、一方、幾何学的拡大を使用しない、アルミニウム鋳物の検査にとって好適なデジタル放射線撮影システムについての画素間隔は約50μm〜約139μmの範囲である。解像度のこれらの違いは不連続性の検出に影響を与えないようである。しかしながら、解像度のこれらの違いは、不連続性の重大度レベルの格付けには影響を与える。たとえば、図1は、140μmの画素間隔でデジタル化された伸長気孔率1/4インチのプレート3(ASTM E155)のフィルム放射線写真10であり、図2は、50μmの画素間隔でデジタル化された同じシリーズのプレート5のフィルム放射線写真20であり、図3は、フィルム放射線写真10(図1)と同じであるものの、わずか50μmでデジタル化されたフィルム放射線写真30である。フィルム放射線写真10、20、および30の比較から、50μm〜140μmの検出器の解像度(または、この場合、デジタル化画素サイズ)の違いが、明らかな重大度レベルにおける約2枚のプレートの変化をもたらしていることが見える。
【0009】
既存のフィルム基準放射線写真の使用における第2の欠点に関して、フィルムとデジタル検出器の多くとのダイナミックレンジの違いは、ASTM E155基準放射線写真の使用がアルミニウム鋳物の重大度レベルの格付けには不適当であることを、これまで示してきた。デジタル検出器の幅広いダイナミックレンジは、人間が区別可能な多数のグレーレベル強度に対する制限と相まって、一連のウィンドウを用いて所与の画像のデータをステップスルーすることを必要とする。これは現在、コントラスト(ウィンドウ幅)を調節し、次にデータを見る一連のステップにおいて輝度(ウィンドウレベル)を変更することによって行なわれている。
【0010】
このアプローチでの欠点は、デジタル検出器で取った生成放射線写真のコントラストが調節される際に生じる。高コントラストを使用する場合、不連続性は悪化して見える(つまり、プレート番号がより大きくなる)。低コントラストを使用する場合、不連続性は全く見えなくなるかもしれない。たとえば、この効果は図4〜6に示される。画像はすべて、アルミニウムにおける1/4インチ伸長気孔率についてのASTM E155ハードウェアの単一の16ビットのダイナミックレンジデジタル放射線写真からのものである。図4および図6はそれぞれ、同じコントラスト設定でのデジタル放射線写真40および60であり、図5は、若干高めのコントラスト設定でのデジタル放射線写真50である。デジタル放射線写真40(図4)をデジタル放射線写真50(図5)と比較すると、それらはともにプレート2で、同じ放射線写真からのものであるにもかかわらず、顕著な違いがある。その代わり、デジタル放射線写真50(図5)はデジタル放射線写真60(図6)に、より似ている。しかしながら、デジタル放射線写真60(図6)はプレート7であり、プレート2から重大度レベルが5つ異なるものである(図4および図5を参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
公知の方法を用いて部品の画像に対して標準的基準画像のコントラストを正規化することはこれまで不可能であったため、標準的基準画像と部品の画像との直接比較はこれまで不可能であった。デジタル基準画像の開発はしたがって、デジタル放射線撮影法によって提供される節約を獲得するために必要である。しかしながら、1組のデジタル基準画像を使用する方法論に対して、当該技術分野においてまだ満たされていない要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
この発明の実施例は、異なるコントラストレベルを有する画像を比較する方法論および
システムを提供する。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。有利なことに、この発明の実施例は、電子デジタル基準画像が非フィルム型x線検査システムで使用されることを可能にする。その結果、この発明の使用は、セットアップ時間に関連する費用、および、フィルムの保管、処理ならびに薬品廃棄にかかる費用といったフィルムに関連する費用を著しく削減できる。さらに、この発明の実施例は、放射線撮影法を介して得られた画像だけでなく、どのデジタル画像の比較にも使用されてもよい。
【0013】
例示的な一用途では、電子デジタル基準画像は、非フィルム型デジタル技術を用いたアルミニウム生成鋳物の検査を可能にする。このデジタル基準画像は、アルミニウム鋳物のデジタル放射線写真を見る際に、現在のASTM E155基準放射線写真の代わりに使用可能である。有利なことに、これは、ASTM E155を統計的に有意な方法で使用する伝統的なフィルム放射線撮影法に比べ、アルミニウム鋳物の分類を変更することなく、アルミニウム鋳物のためのデジタル放射線撮影法の使用を可能にする。
【0014】
この発明の一実施例によれば、異なるレベルのコントラストを有する画像が比較される。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。この発明の一局面によれば、コントラストを正規化する際、第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められ、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められ、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。この発明の別の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。
【0015】
この発明の一局面によれば、第1のデジタル画像はデジタル基準画像であってもよく、第2のデジタル画像は撮像された部品の生成デジタル放射線写真であってもよい。有利なことに、コントラストのこの正規化は、使用されるデジタル様式、またはデジタル様式のビット深さにかかわらず、不連続性の重大度レベルの判定を可能にする。基準画像のコントラストは、基準画像とは異なる様式によって生成されたかもしれない生成画像のコントラストに整合するよう調節される。基準画像と「未知の」画像とのコントラストのこの整合は、2つの画像間の有意義な比較を可能にする。
【0016】
この発明の局面によれば、グレーレベルの導関数は、所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。たとえば、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。オペレータは、生成画像などの第2の画像に表示された公知の材料の厚さの変化に対する、(たとえばモニタ上での)グレーの変化を計算してもよい。グレーのこの変化は、対象となる厚さに近い、または対象となる厚さをひとまとまりにする、公知の材料の少なくとも2つの公知の厚さを用いて計算される。正規化は、基準画像などの第1の画像についてのグレー対厚さの変化率と、生成画像などの第2の画像についてのグレー対厚さの変化率との比率を計算することによって進行する。次に、この比率に、基準画像などの第1の画像の現在の画像ウィンドウ幅を乗算し、2つの画像間の正規化されたコントラストをもたらすウィンドウ幅を生成する。この発明のさらに別の局面によれば、対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。加えて、不均一なルックアップテーブルが使用されてもよい。
【0017】
この発明の追加の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。輝度は、ウィンドウレベルを調節することによって手動で設定されてもよい。輝度は、バックグラウンドおよびテキストを除いて平均画素値を計算することによって自動的に設定されても
よい。次に、実質的に計算された平均に、表示ウィンドウの平均が設定される。また、これに代えて、輝度は、ウィンドウの上限を最も明るい(最も高い)画素値に設定し、ウィンドウの下限を最も薄暗い(最も低い)画素値に設定することにより、自動的に設定されてもよい。
【0018】
この発明の別の実施例によれば、異なるコントラストレベルを有する2つの画像間でコントラストを正規化するための、および輝度を自動的に設定するためのコンピュータプログラム製品が提供される。これらのコンピュータプログラム製品は有利にこの発明のプロセスを自動化し、異なるコントラストレベルを有する画像の比較を容易にする。これらのコンピュータプログラム製品はまた、さまざまな工業用設定および製造設定におけるデジタル基準画像の使用を、費用効果がある態様で容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の詳細な説明
概説の目的で、この発明の実施例は、異なるレベルのコントラストを有する画像を比較する方法論およびシステムを提供する。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。この発明の一局面によれば、コントラストを正規化する際、第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められ、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められ、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。この発明の別の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。第1のデジタル画像はデジタル基準画像であってもよく、第2のデジタル画像は、デジタル放射線写真といった生成部品の画像であってもよい。有利なことに、この発明の実施例は、電子デジタル基準画像が、デジタル放射線撮影法システムなどの非フィルム型x線検査システムで使用されることを可能にする。その結果、この発明の使用は、セットアップ時間に関連する費用、および、フィルムの保管、処理ならびに薬品廃棄にかかる費用といったフィルムに関連する費用を著しく削減できる。さらに、この発明の実施例は、放射線撮影法を介して得られた画像だけでなく、異なるコントラストレベルを有するどのデジタル画像の比較にも使用されてもよい。
【0020】
この発明は、方法、コンピュータソフトウェアプログラム製品、およびシステムに具体化されてもよい。この発明のさまざまな実施例の非限定的な例の詳細を以下に述べる。
【0021】
図7を参照すると、異なるレベルのコントラストを有する画像を比較するための一般化された方法100は、ブロック102で始まる。ブロック103で、コントラストが画像間で正規化される。ブロック104で、第1のコントラストレベルを有する、基準画像などの第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。非限定的な例として挙げると、基準画像は、提案されたASTM E2422基準画像などのデジタル基準画像であってもよい。グレーレベルの導関数は、ある特定の用途について所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。たとえば、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。導関数は、放射線撮影法などの用途において、厚さに対して求められてもよい。さらに別の一例として、導関数を求める際に使用される変数は、グレースケールなどのパレットに対するマッピング変数を表わしていてもよい。たとえば、画像は、ある特定の用途について所望されるような、温度、高度、密度、または他のあらゆる変数のマッピングを表わしていてもよい。それらの画像では、グレースケールの導関数は、その特定の用途において使用される温度、高度、密度、またはあらゆ
る変数に対して求められる。
【0022】
ブロック106で、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する、撮像された生成部品のデジタル画像などの第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。しかしながら、この第2のデジタル画像は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル画像であってもよい。ブロック104と同様、対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。例示的な一実施例では、生成部品は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル様式によってもデジタル撮像される。非限定的な例として挙げると、好適なデジタル様式は、デジタル放射線撮影法を含む。しかしながら、採用されるデジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術のいずれを含んでいてもよい。ブロック104と同様、グレーレベルの導関数は、ある特定の用途について所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。ブロック106について述べたデジタル様式の例では、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。しかしながら、ブロック104と同様、他の用途では、グレースケールの導関数は、その特定の用途において使用される温度、高度、密度、またはあらゆる変数に対して求められる。
【0023】
ブロック108で、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められる。対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数対厚さを規定するどの関数も実行されてもよい。ブロック110で、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。非限定的な一実施例では、等化は、ウィンドウマッピングを求めることによって実行される。ウィンドウマッピングは対数グレースケールおよび線形グレースケールに適用可能である。また、これらに代えて、マッピングは、実験的に予め定められた、不均一なルックアップテーブルなどのルックアップテーブルに行なわれてもよい。
【0024】
ブロック103で第1のデジタル画像と第2のデジタル画像とのコントラストが正規化された後で、オペレータが画像間の比較を行なう前に画像の少なくとも一方の輝度を調節することが望ましい場合がある。輝度の調節はオペレータが画像同士を比較するのに役立つ場合がある。通常、より低いコントラストを有する画像(この場合、第1のデジタル画像)の輝度を調節することが望ましい。
【0025】
ブロック111で、輝度は手動または自動で調節される。輝度設定は、ウィンドウレベルを調節することによって、ソフトウェアにおいて手動で調節されてもよい。
【0026】
また、これに代えて、ブロック111で、一方の画像または双方の画像の輝度が所望されるように自動的に調節されてもよい。たとえば、ウィンドウの上限が最も明るい(最も高い)画素値に設定され、ウィンドウの下限が最も薄暗い(最も低い)画素値に設定されてもよい。また、これに代えて、輝度は、バックグラウンドおよびテキストを除いて平均画素値を計算し、計算された平均画素値に表示ウィンドウの平均を設定することにより、自動的に設定可能である。バックグラウンドおよびテキストは、バックグラウンドまたはテキストの画素値であることが分かっている画素値を除外することにより、除外可能である。通常、nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の画素極値(すなわち、0および2n)が、バックグラウンドまたはテキスト用に使用される。たとえば、16ビットの画像では、バックグラウンドはしばしば、ゼロ(0)または65,535のいずれかに、テキストはしばしば、65,535またはゼロ(0)のいずれかに、それぞれ設定される。このアプローチは、使用されるコントラスト設定および輝度設定にかかわら
ず、テキストがバックグラウンドに対して判読可能であることを確実にする。次に、テキストおよびバックグラウンドが除外された後で計算された平均画素値に表示ウィンドウの平均が設定されるように、輝度が設定される。輝度は、計算された平均画素値そのものに設定される必要はない。輝度は、ほぼまたは実質的に、計算された平均画素値に設定されてもよい。たとえば、表示ウィンドウの平均は、表示ウィンドウ幅の約±1/2内に、または、ある特定の用途について所望されるように設定されてもよい。
【0027】
第1の画像と第2の画像との間でコントラストが正規化され、輝度が所望されるように設定された状態で、オペレータは第1の画像と第2の画像との比較を行なうことができる。方法100はブロック112で終了する。
【0028】
ここで図8を参照すると、方法200は、基準画像などの、第1のコントラストレベルを有する第1の画像と、撮像された部品の生成デジタル画像などの、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2の画像とを比較するための一般化された方法100(図7)の現在好ましい一実施例を実現している。方法200はブロック202で始まる。ブロック203で、コントラストが画像間で正規化される。ブロック204で、第1のコントラストレベルを有する基準画像について、グレーレベルの変化対厚さなどの別の変数の変化が求められる。この変数は、ブロック104(図7)について上述したように、ある特定の用途について所望されるように選択されてもよい。基準画像におけるグレー値の変化対厚さなどの変数の変化は、各基準画像について同じままであるため、この値または関数は有利なことに、一旦計算され、各正規化についてその基準画像を用いて参照される。ブロック104(図7)について上述した基準画像と同様に、この基準画像は、ASTM E2422基準画像などを含んでいてもよいが、それに限定されない。
【0029】
ブロック206で、撮像された部品のデジタル画像などの、第1のコントラストレベルよりも大きな第2のコントラストレベルを有する第2の画像について、グレーレベルの変化対厚さなどの変数の変化が求められる。この変数は、ブロック106(図7)について上述したように、ある特定の用途について所望されるように選択されてもよい。グレーレベルの変化は、対象となる厚さに近い、または対象となる厚さをひとまとまりにする、公知の材料の少なくとも2つの公知の厚さを用いて計算される。非限定的な例として挙げると、撮像された部品はアルミニウム鋳物であってもよい。しかしながら、この部品は、ある特定の用途について所望されるようなあらゆる作製手法によって作製されるようなどんなタイプの部品を含んでいてもよい。
【0030】
ブロック208で、基準画像についてのグレーレベルの変化対変数の変化と、撮像された部品についてのグレーレベルの変化対変数の変化との比率が求められる。ブロック210で、基準画像についてのグレーレベルの変化対変数の変化と、撮像された部品についてのグレーレベルの変化対変数の変化との比率に、基準画像のウィンドウの幅が乗算される。より低いコントラストレベルを有する画像のウィンドウ幅にこの比率を乗算することによってウィンドウマッピングが求められ、より低いコントラストレベルを有する画像についてのグレーレベルの変化が、より高いコントラストレベルを有する画像についてのグレーレベルの変化と等化される。その結果、基準画像と撮像された部品のデジタル画像との間でコントラストが正規化される。これにより、オペレータは、撮像された部品のデジタル画像を基準画像と比較することができ、それにより、撮像された部品に存在するかもしれない、気孔率などの欠陥の重大度の格付けが容易になる。
【0031】
ブロック111(図7)について上述したように、場合により、オペレータによって比較が行なわれる前に画像の少なくとも一方の輝度設定を調節することが望ましい場合がある。通常、より低いコントラストレベルを有する画像の輝度設定を調節することが望まし
い場合がある。ブロック211で、輝度設定は、ブロック111(図7)で説明されたように、手動または自動で所望されるように調節される。
【0032】
第1の画像と第2の画像との間でコントラストが正規化され、輝度が所望されるように設定された状態で、オペレータは第1の画像と第2の画像との比較を行なうことができる。方法200はブロック212で終了する。
【0033】
ここで図9を参照すると、デジタル画像間のコントラストを正規化し、および/またはデジタル画像の輝度設定を調節し、および/またはデジタル画像を比較するためのシステム302をホストするために、例示的なホスト環境300が使用されてもよい。システム302は、方法100(図7)または方法200(図8)を、所望されるように有利に実行する。例示的な一実施例では、システム302は、コンピュータ304、たとえばパーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末などを含む。システム302はまた、デジタル基準画像を記憶する記憶媒体306も含む。記憶媒体306は、内部ハードドライブ、外部ハードドライブ、光ディスクストレージ、CD−ROM、DVD、フロッピー(登録商標)ディスクなどといった、条件に合うどの記憶媒体を含んでいてもよい。
【0034】
例示的な一環境では、部品のデジタル放射線写真が撮られ、このデジタル放射線写真はシステム302に供給される。公知の態様で、x線源308が、部品312を撮像するx線310を生成する。デジタル検出器314が部品312の画像を検出する。上述のように、採用されるデジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術のいずれを含んでいてもよい。デジタル検出器314は、撮像部品312のデジタル画像をコンピュータ304に供給する。しかしながら、コンピュータ304に供給されるデジタル画像は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル画像であってもよい。
【0035】
ここで図10〜13を参照すると、方法100または200(図7および図8)を実行するために、コンピュータ304(図9)によってコンピュータソフトウェアプログラム製品が実行される。図10を参照すると、2つのスクリーン400および410が並べて示されている。スクリーン400および410は、所望されるように、同じモニタ上または別個のモニタ上に表示されてもよい。スクリーン400は基準画像を示す。非限定的な例として挙げると、この基準画像は、厚さが1/4インチのアルミニウムにおけるガス気孔率欠陥についてのものである。基準画像は、欠陥の重大度を格付けするための8枚のプレートと、0.150インチ、0.200インチ、0.250インチ、0.300インチ、0.400インチ、および0.500インチの厚さを有するステップウェッジとを含む。スクリーン410は、撮像された部品のデジタル放射線写真を示す。非限定的な例として挙げると、図示された部品は、アルミニウム鋳物アングルブラケットである。撮像された部品は、部品のグレー区域に泡状または泡沫状領域として現われている、気孔率欠陥の2つの区域を含んでいる。デジタル放射線写真における気孔率欠陥のこれらの区域は、基準画像と比較される。
【0036】
「デジタル放射線撮影法」の下のプルダウンメニューは、「DR折れ線グラフについての統計」、「DR折れ線グラフ」、「画素サイズ」、「コントラスト較正1/4」、および「コントラスト較正3/4」についての選択肢を含む。「DR折れ線グラフについての統計」および「DR折れ線グラフ」という選択肢は各々、線を選択し、折れ線グラフを生成する。「画素サイズ」という選択肢は、画素のサイズが入力されるようにし、ポイント・ツー・ポイント測定が行なわれるようにする。「コントラスト較正1/4」は、アルミ
ニウムなどの材料の厚さを、コントラストが正規化されるべき0〜1/2インチの間で選択する。また、基準画像に図示されるプレートの厚さは1/4インチに設定される。同様に、「コントラスト較正3/4」は、アルミニウムなどの材料の厚さを、コントラストが正規化されるべき1/2〜2インチの間で選択する。また、基準画面に図示されるプレートの厚さは3/4インチに設定される。この例における部品は厚さが1/2インチ未満であるため、「コントラスト較正1/4」が選択される。
【0037】
「コントラスト較正1/4」が選択されると、図11のスクリーン420および430が生成される。スクリーン430のステップ1のひとまとまりの厚さにおいて、マウスでクリックおよびドラッグすることなどによって、「ステップ1」ラジオボタンがクリックされ、ボックスが描かれる。描かれたボックス内の画素が統計用に分析される。対象となる統計は、ステップ1の0.150インチの厚さについての平均グレーレベル値である。これは、平均グレーレベル値とステップ1の0.150インチの厚さとを用いて、グレーレベル値またはグレーレベル値の導関数の変化対厚さを計算するためである。
【0038】
次のひとまとまりの厚さを選択するために「ステップ2」ラジオボタンがクリックされ、図12のスクリーン440および450が生成される。スクリーン450のステップ2の厚さにおいて、ボックスが描かれる。描かれたボックス内の画素が統計用に分析される。ここでも、対象となる統計は、ステップ2の0.200インチの厚さについての平均グレーレベル値である。
【0039】
「較正」ボタンがクリックされ、図13のスクリーン460および470が生成される。スクリーン460は基本画像を表わし、スクリーン470は撮像された部品のデジタル放射線写真を表わしている。「較正」ボタンがクリックされると、ステップ1およびステップ2についての平均グレーレベルの変化は、それぞれスクリーン460および470について計算され、スクリーン460および470についてのステップ1の厚さとステップ2の厚さとの厚さの変化によって除算される。スクリーン460についての結果をスクリーン470についての結果で除算することにより、比率が求められる。方法200(図8)について上述したように、この比率に、基準画像(すなわち、スクリーン460)についてのウィンドウの幅が乗算される。その結果、スクリーン470に示す撮像された部品のデジタル放射線写真とのコントラストが、スクリーン460に示す基準画像についてのコントラストと等化される。このコントラストの等化は、スクリーン440(図12)に示す8枚のプレートとスクリーン460に示す8枚のプレートとの比較により、顕著に感知される。図示された非限定的な例では、スクリーン470に示す気孔率欠陥は、スクリーン460に示す基準画像のプレート3またはプレート4に示す気孔率欠陥と比較可能である。そのような比較は、デジタル放射線写真と基準画像とのコントラストの等化なしでは行なうことはできないだろう。たとえば、図12を再度簡単に参照すると、スクリーン450に示すデジタル放射線写真を、スクリーン440の基準画像に示す8枚のプレートのいずれかと比較することは、無意味であろう。有利なことに、デジタル放射線写真と基準画像とのコントラストの等化の結果、デジタル放射線写真と基準画像との直接比較は、ここで可能になる。
【0040】
通常、コンピュータプログラムの命令は、マシンを生成するためにコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上にロードされてもよく、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令がフローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能を実行するための手段を作り出すようになっていてもよい。これらのコンピュータプログラムの命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置にある特定の態様で機能するよう指示することができるコンピュータ読み取り可能メモリに記憶されてもよく、コンピュータ読み取り可能メモリに記憶された命令が、フローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能
を実行する命令手段を含む製造品を生成するようになっていてもよい。コンピュータプログラムの命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令がフローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能を実行するためのステップを提供するような、コンピュータにより実現されるプロセスを生成するように、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるようにしてもよい。
【0041】
したがって、フローチャートまたはスクリーンショットの図のブロックもしくはステップは、特定された機能を行なうための手段と特定された機能を行なうためのプログラム命令手段との組合せをサポートする。フローチャートまたはスクリーンショットの図の各ブロックもしくはステップ、およびフローチャートまたはスクリーンショットの図のブロックもしくはステップの組合せが、特定された機能またはステップ、もしくは特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する特殊用途ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実現可能であることも、理解されるであろう。
【0042】
この発明の好ましい実施例が例示され、説明されてきたが、上述のように、この発明の精神および範囲を逸脱することなく、多くの変更が行なわれ得る。したがって、この発明の範囲は好ましい実施例の開示によって限定されない。代わりに、この発明は特許請求の範囲を参照することによって全面的に判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図2】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図3】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図4】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図5】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図6】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図7】この発明の一実施例に従った例示的な、一般化された方法のフローチャートである。
【図8】図7に示す方法の詳細のフローチャートである。
【図9】この発明の実施例のための例示的なホスト環境のブロック図である。
【図10】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図11】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図12】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図13】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2004年1月9日に出願された仮(米国特許法第119(e)条)出願第60/535,358号の非仮出願である。
【0002】
発明の分野
この発明は一般に非破壊評価に関し、より特定的には、デジタル放射線撮影法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
非破壊評価(NDE:Non-destructive evaluation)は、気孔率などの欠陥、または気泡もしくは異物などの含有物について部品または材料を検査することで周知である。たとえば、配管系などのシステム、構造、および、船、陸上車両、ならびに航空機および宇宙船といった空中車両などの乗物用の製造部品のNDEに、x線が使用されている。さらに別の、かつより特定の一例として、航空機製造ではアルミニウム鋳物が広範囲にわたって使用されているため、アルミニウム鋳物のNDEにかかる検査費用は、航空機にかかる検査費用全体のうち、かなりの割合を占めている。
【0004】
x線のそのような使用は、放射線撮影法と呼ばれることがある。伝統的に、放射線撮影手法は、欠陥について検査される部品をx線源とハロゲン化銀フィルムとの間に配置することを必然的に伴う。しかしながら、伝統的なハロゲン化銀フィルム手法は高価であり、時間がかかるものである。
【0005】
伝統的なハロゲン化銀フィルム手法に関連する費用および時間の削減が、デジタル放射線撮影手法を用いてこれまで達成されてきた。デジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術を包含している。伝統的なフィルム放射線撮影法からデジタル放射線撮影法に切換えると、フィルムの購入、フィルムの処理、および化学廃棄物の処理に関する費用をなくすことができる。加えて、デジタル放射線撮影法が提供するサイクル時間の減少および自動化を通して、かなりの節約が実現され得る。
【0006】
多数の工業的使用のためのデジタル放射線撮影法の実現にとって大きな障害は、デジタル基準画像の欠如である。多くの違いが、現在利用可能な多数のデジタル様式のいずれかによって取込まれた放射線撮影画像に対する、フィルム上に取込まれた放射線撮影画像をもたらす。その結果、デジタル放射線写真とフィルム上に取込まれた現在の基準放射線写真との直接比較は、さまざまなデジタル様式間での、およびデジタル放射線撮影法とフィルム放射線撮影法との間での重大度レベルの異なる特徴付けにつながる。
【0007】
アルミニウム鋳物業界では、既存のフィルム基準放射線写真(アルミニウム鋳物およびマグネシウム鋳物の検査用のASTM E155基準放射線写真)をデジタル画像に変換することによって、これらの違いに対処しようという試みがなされてきた。しかしながら、ASTM E155などの伝統的なフィルム基準放射線写真は、デジタル放射線撮影法の領域には直接つながらない。既存の基準放射線写真は2つの主な理由、すなわち(1)放射線撮影フィルムとデジタル放射線撮影システムとの空間解像度の違い、および(2)フィルムとデジタル検出器の多くとのダイナミックレンジの違いのために不適当であるこ
とがすでにわかっている。
【0008】
既存のフィルム基準放射線写真の使用における第1の欠点に関して、一般的な放射線撮影フィルムの粒度は約3ミクロン(μm)〜約10μmの範囲のサイズであり、一方、幾何学的拡大を使用しない、アルミニウム鋳物の検査にとって好適なデジタル放射線撮影システムについての画素間隔は約50μm〜約139μmの範囲である。解像度のこれらの違いは不連続性の検出に影響を与えないようである。しかしながら、解像度のこれらの違いは、不連続性の重大度レベルの格付けには影響を与える。たとえば、図1は、140μmの画素間隔でデジタル化された伸長気孔率1/4インチのプレート3(ASTM E155)のフィルム放射線写真10であり、図2は、50μmの画素間隔でデジタル化された同じシリーズのプレート5のフィルム放射線写真20であり、図3は、フィルム放射線写真10(図1)と同じであるものの、わずか50μmでデジタル化されたフィルム放射線写真30である。フィルム放射線写真10、20、および30の比較から、50μm〜140μmの検出器の解像度(または、この場合、デジタル化画素サイズ)の違いが、明らかな重大度レベルにおける約2枚のプレートの変化をもたらしていることが見える。
【0009】
既存のフィルム基準放射線写真の使用における第2の欠点に関して、フィルムとデジタル検出器の多くとのダイナミックレンジの違いは、ASTM E155基準放射線写真の使用がアルミニウム鋳物の重大度レベルの格付けには不適当であることを、これまで示してきた。デジタル検出器の幅広いダイナミックレンジは、人間が区別可能な多数のグレーレベル強度に対する制限と相まって、一連のウィンドウを用いて所与の画像のデータをステップスルーすることを必要とする。これは現在、コントラスト(ウィンドウ幅)を調節し、次にデータを見る一連のステップにおいて輝度(ウィンドウレベル)を変更することによって行なわれている。
【0010】
このアプローチでの欠点は、デジタル検出器で取った生成放射線写真のコントラストが調節される際に生じる。高コントラストを使用する場合、不連続性は悪化して見える(つまり、プレート番号がより大きくなる)。低コントラストを使用する場合、不連続性は全く見えなくなるかもしれない。たとえば、この効果は図4〜6に示される。画像はすべて、アルミニウムにおける1/4インチ伸長気孔率についてのASTM E155ハードウェアの単一の16ビットのダイナミックレンジデジタル放射線写真からのものである。図4および図6はそれぞれ、同じコントラスト設定でのデジタル放射線写真40および60であり、図5は、若干高めのコントラスト設定でのデジタル放射線写真50である。デジタル放射線写真40(図4)をデジタル放射線写真50(図5)と比較すると、それらはともにプレート2で、同じ放射線写真からのものであるにもかかわらず、顕著な違いがある。その代わり、デジタル放射線写真50(図5)はデジタル放射線写真60(図6)に、より似ている。しかしながら、デジタル放射線写真60(図6)はプレート7であり、プレート2から重大度レベルが5つ異なるものである(図4および図5を参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
公知の方法を用いて部品の画像に対して標準的基準画像のコントラストを正規化することはこれまで不可能であったため、標準的基準画像と部品の画像との直接比較はこれまで不可能であった。デジタル基準画像の開発はしたがって、デジタル放射線撮影法によって提供される節約を獲得するために必要である。しかしながら、1組のデジタル基準画像を使用する方法論に対して、当該技術分野においてまだ満たされていない要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
この発明の実施例は、異なるコントラストレベルを有する画像を比較する方法論および
システムを提供する。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。有利なことに、この発明の実施例は、電子デジタル基準画像が非フィルム型x線検査システムで使用されることを可能にする。その結果、この発明の使用は、セットアップ時間に関連する費用、および、フィルムの保管、処理ならびに薬品廃棄にかかる費用といったフィルムに関連する費用を著しく削減できる。さらに、この発明の実施例は、放射線撮影法を介して得られた画像だけでなく、どのデジタル画像の比較にも使用されてもよい。
【0013】
例示的な一用途では、電子デジタル基準画像は、非フィルム型デジタル技術を用いたアルミニウム生成鋳物の検査を可能にする。このデジタル基準画像は、アルミニウム鋳物のデジタル放射線写真を見る際に、現在のASTM E155基準放射線写真の代わりに使用可能である。有利なことに、これは、ASTM E155を統計的に有意な方法で使用する伝統的なフィルム放射線撮影法に比べ、アルミニウム鋳物の分類を変更することなく、アルミニウム鋳物のためのデジタル放射線撮影法の使用を可能にする。
【0014】
この発明の一実施例によれば、異なるレベルのコントラストを有する画像が比較される。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。この発明の一局面によれば、コントラストを正規化する際、第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められ、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められ、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。この発明の別の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。
【0015】
この発明の一局面によれば、第1のデジタル画像はデジタル基準画像であってもよく、第2のデジタル画像は撮像された部品の生成デジタル放射線写真であってもよい。有利なことに、コントラストのこの正規化は、使用されるデジタル様式、またはデジタル様式のビット深さにかかわらず、不連続性の重大度レベルの判定を可能にする。基準画像のコントラストは、基準画像とは異なる様式によって生成されたかもしれない生成画像のコントラストに整合するよう調節される。基準画像と「未知の」画像とのコントラストのこの整合は、2つの画像間の有意義な比較を可能にする。
【0016】
この発明の局面によれば、グレーレベルの導関数は、所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。たとえば、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。オペレータは、生成画像などの第2の画像に表示された公知の材料の厚さの変化に対する、(たとえばモニタ上での)グレーの変化を計算してもよい。グレーのこの変化は、対象となる厚さに近い、または対象となる厚さをひとまとまりにする、公知の材料の少なくとも2つの公知の厚さを用いて計算される。正規化は、基準画像などの第1の画像についてのグレー対厚さの変化率と、生成画像などの第2の画像についてのグレー対厚さの変化率との比率を計算することによって進行する。次に、この比率に、基準画像などの第1の画像の現在の画像ウィンドウ幅を乗算し、2つの画像間の正規化されたコントラストをもたらすウィンドウ幅を生成する。この発明のさらに別の局面によれば、対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。加えて、不均一なルックアップテーブルが使用されてもよい。
【0017】
この発明の追加の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。輝度は、ウィンドウレベルを調節することによって手動で設定されてもよい。輝度は、バックグラウンドおよびテキストを除いて平均画素値を計算することによって自動的に設定されても
よい。次に、実質的に計算された平均に、表示ウィンドウの平均が設定される。また、これに代えて、輝度は、ウィンドウの上限を最も明るい(最も高い)画素値に設定し、ウィンドウの下限を最も薄暗い(最も低い)画素値に設定することにより、自動的に設定されてもよい。
【0018】
この発明の別の実施例によれば、異なるコントラストレベルを有する2つの画像間でコントラストを正規化するための、および輝度を自動的に設定するためのコンピュータプログラム製品が提供される。これらのコンピュータプログラム製品は有利にこの発明のプロセスを自動化し、異なるコントラストレベルを有する画像の比較を容易にする。これらのコンピュータプログラム製品はまた、さまざまな工業用設定および製造設定におけるデジタル基準画像の使用を、費用効果がある態様で容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の詳細な説明
概説の目的で、この発明の実施例は、異なるレベルのコントラストを有する画像を比較する方法論およびシステムを提供する。異なるコントラストレベルを有する画像間でコントラストが正規化され、輝度が設定される。この発明の一局面によれば、コントラストを正規化する際、第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められ、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められ、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。この発明の別の局面によれば、輝度は手動または自動で設定されてもよい。第1のデジタル画像はデジタル基準画像であってもよく、第2のデジタル画像は、デジタル放射線写真といった生成部品の画像であってもよい。有利なことに、この発明の実施例は、電子デジタル基準画像が、デジタル放射線撮影法システムなどの非フィルム型x線検査システムで使用されることを可能にする。その結果、この発明の使用は、セットアップ時間に関連する費用、および、フィルムの保管、処理ならびに薬品廃棄にかかる費用といったフィルムに関連する費用を著しく削減できる。さらに、この発明の実施例は、放射線撮影法を介して得られた画像だけでなく、異なるコントラストレベルを有するどのデジタル画像の比較にも使用されてもよい。
【0020】
この発明は、方法、コンピュータソフトウェアプログラム製品、およびシステムに具体化されてもよい。この発明のさまざまな実施例の非限定的な例の詳細を以下に述べる。
【0021】
図7を参照すると、異なるレベルのコントラストを有する画像を比較するための一般化された方法100は、ブロック102で始まる。ブロック103で、コントラストが画像間で正規化される。ブロック104で、第1のコントラストレベルを有する、基準画像などの第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。非限定的な例として挙げると、基準画像は、提案されたASTM E2422基準画像などのデジタル基準画像であってもよい。グレーレベルの導関数は、ある特定の用途について所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。たとえば、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。導関数は、放射線撮影法などの用途において、厚さに対して求められてもよい。さらに別の一例として、導関数を求める際に使用される変数は、グレースケールなどのパレットに対するマッピング変数を表わしていてもよい。たとえば、画像は、ある特定の用途について所望されるような、温度、高度、密度、または他のあらゆる変数のマッピングを表わしていてもよい。それらの画像では、グレースケールの導関数は、その特定の用途において使用される温度、高度、密度、またはあらゆ
る変数に対して求められる。
【0022】
ブロック106で、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する、撮像された生成部品のデジタル画像などの第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数が求められる。しかしながら、この第2のデジタル画像は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル画像であってもよい。ブロック104と同様、対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数を規定するどの関数も実行されてもよい。例示的な一実施例では、生成部品は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル様式によってもデジタル撮像される。非限定的な例として挙げると、好適なデジタル様式は、デジタル放射線撮影法を含む。しかしながら、採用されるデジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術のいずれを含んでいてもよい。ブロック104と同様、グレーレベルの導関数は、ある特定の用途について所望されるようなどの変数に対しても求められてもよい。ブロック106について述べたデジタル様式の例では、グレーレベルの導関数は、厚さに対して求められてもよい。しかしながら、ブロック104と同様、他の用途では、グレースケールの導関数は、その特定の用途において使用される温度、高度、密度、またはあらゆる変数に対して求められる。
【0023】
ブロック108で、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数との比率が求められる。対数関数または多項式適合関数といった、グレーレベルの導関数対厚さを規定するどの関数も実行されてもよい。ブロック110で、第1のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数は、第2のデジタル画像についてのグレーレベルの導関数と等化される。非限定的な一実施例では、等化は、ウィンドウマッピングを求めることによって実行される。ウィンドウマッピングは対数グレースケールおよび線形グレースケールに適用可能である。また、これらに代えて、マッピングは、実験的に予め定められた、不均一なルックアップテーブルなどのルックアップテーブルに行なわれてもよい。
【0024】
ブロック103で第1のデジタル画像と第2のデジタル画像とのコントラストが正規化された後で、オペレータが画像間の比較を行なう前に画像の少なくとも一方の輝度を調節することが望ましい場合がある。輝度の調節はオペレータが画像同士を比較するのに役立つ場合がある。通常、より低いコントラストを有する画像(この場合、第1のデジタル画像)の輝度を調節することが望ましい。
【0025】
ブロック111で、輝度は手動または自動で調節される。輝度設定は、ウィンドウレベルを調節することによって、ソフトウェアにおいて手動で調節されてもよい。
【0026】
また、これに代えて、ブロック111で、一方の画像または双方の画像の輝度が所望されるように自動的に調節されてもよい。たとえば、ウィンドウの上限が最も明るい(最も高い)画素値に設定され、ウィンドウの下限が最も薄暗い(最も低い)画素値に設定されてもよい。また、これに代えて、輝度は、バックグラウンドおよびテキストを除いて平均画素値を計算し、計算された平均画素値に表示ウィンドウの平均を設定することにより、自動的に設定可能である。バックグラウンドおよびテキストは、バックグラウンドまたはテキストの画素値であることが分かっている画素値を除外することにより、除外可能である。通常、nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の画素極値(すなわち、0および2n)が、バックグラウンドまたはテキスト用に使用される。たとえば、16ビットの画像では、バックグラウンドはしばしば、ゼロ(0)または65,535のいずれかに、テキストはしばしば、65,535またはゼロ(0)のいずれかに、それぞれ設定される。このアプローチは、使用されるコントラスト設定および輝度設定にかかわら
ず、テキストがバックグラウンドに対して判読可能であることを確実にする。次に、テキストおよびバックグラウンドが除外された後で計算された平均画素値に表示ウィンドウの平均が設定されるように、輝度が設定される。輝度は、計算された平均画素値そのものに設定される必要はない。輝度は、ほぼまたは実質的に、計算された平均画素値に設定されてもよい。たとえば、表示ウィンドウの平均は、表示ウィンドウ幅の約±1/2内に、または、ある特定の用途について所望されるように設定されてもよい。
【0027】
第1の画像と第2の画像との間でコントラストが正規化され、輝度が所望されるように設定された状態で、オペレータは第1の画像と第2の画像との比較を行なうことができる。方法100はブロック112で終了する。
【0028】
ここで図8を参照すると、方法200は、基準画像などの、第1のコントラストレベルを有する第1の画像と、撮像された部品の生成デジタル画像などの、第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2の画像とを比較するための一般化された方法100(図7)の現在好ましい一実施例を実現している。方法200はブロック202で始まる。ブロック203で、コントラストが画像間で正規化される。ブロック204で、第1のコントラストレベルを有する基準画像について、グレーレベルの変化対厚さなどの別の変数の変化が求められる。この変数は、ブロック104(図7)について上述したように、ある特定の用途について所望されるように選択されてもよい。基準画像におけるグレー値の変化対厚さなどの変数の変化は、各基準画像について同じままであるため、この値または関数は有利なことに、一旦計算され、各正規化についてその基準画像を用いて参照される。ブロック104(図7)について上述した基準画像と同様に、この基準画像は、ASTM E2422基準画像などを含んでいてもよいが、それに限定されない。
【0029】
ブロック206で、撮像された部品のデジタル画像などの、第1のコントラストレベルよりも大きな第2のコントラストレベルを有する第2の画像について、グレーレベルの変化対厚さなどの変数の変化が求められる。この変数は、ブロック106(図7)について上述したように、ある特定の用途について所望されるように選択されてもよい。グレーレベルの変化は、対象となる厚さに近い、または対象となる厚さをひとまとまりにする、公知の材料の少なくとも2つの公知の厚さを用いて計算される。非限定的な例として挙げると、撮像された部品はアルミニウム鋳物であってもよい。しかしながら、この部品は、ある特定の用途について所望されるようなあらゆる作製手法によって作製されるようなどんなタイプの部品を含んでいてもよい。
【0030】
ブロック208で、基準画像についてのグレーレベルの変化対変数の変化と、撮像された部品についてのグレーレベルの変化対変数の変化との比率が求められる。ブロック210で、基準画像についてのグレーレベルの変化対変数の変化と、撮像された部品についてのグレーレベルの変化対変数の変化との比率に、基準画像のウィンドウの幅が乗算される。より低いコントラストレベルを有する画像のウィンドウ幅にこの比率を乗算することによってウィンドウマッピングが求められ、より低いコントラストレベルを有する画像についてのグレーレベルの変化が、より高いコントラストレベルを有する画像についてのグレーレベルの変化と等化される。その結果、基準画像と撮像された部品のデジタル画像との間でコントラストが正規化される。これにより、オペレータは、撮像された部品のデジタル画像を基準画像と比較することができ、それにより、撮像された部品に存在するかもしれない、気孔率などの欠陥の重大度の格付けが容易になる。
【0031】
ブロック111(図7)について上述したように、場合により、オペレータによって比較が行なわれる前に画像の少なくとも一方の輝度設定を調節することが望ましい場合がある。通常、より低いコントラストレベルを有する画像の輝度設定を調節することが望まし
い場合がある。ブロック211で、輝度設定は、ブロック111(図7)で説明されたように、手動または自動で所望されるように調節される。
【0032】
第1の画像と第2の画像との間でコントラストが正規化され、輝度が所望されるように設定された状態で、オペレータは第1の画像と第2の画像との比較を行なうことができる。方法200はブロック212で終了する。
【0033】
ここで図9を参照すると、デジタル画像間のコントラストを正規化し、および/またはデジタル画像の輝度設定を調節し、および/またはデジタル画像を比較するためのシステム302をホストするために、例示的なホスト環境300が使用されてもよい。システム302は、方法100(図7)または方法200(図8)を、所望されるように有利に実行する。例示的な一実施例では、システム302は、コンピュータ304、たとえばパーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末などを含む。システム302はまた、デジタル基準画像を記憶する記憶媒体306も含む。記憶媒体306は、内部ハードドライブ、外部ハードドライブ、光ディスクストレージ、CD−ROM、DVD、フロッピー(登録商標)ディスクなどといった、条件に合うどの記憶媒体を含んでいてもよい。
【0034】
例示的な一環境では、部品のデジタル放射線写真が撮られ、このデジタル放射線写真はシステム302に供給される。公知の態様で、x線源308が、部品312を撮像するx線310を生成する。デジタル検出器314が部品312の画像を検出する。上述のように、採用されるデジタル放射線撮影法は、フラットパネル技術、コンピュータ放射線撮影法、および、蛍光体ならびにデジタルカメラベースのさまざまな技術を含む、広範な技術のいずれを含んでいてもよい。デジタル検出器314は、撮像部品312のデジタル画像をコンピュータ304に供給する。しかしながら、コンピュータ304に供給されるデジタル画像は、ある特定の用途について所望されるようなどんなタイプのデジタル画像であってもよい。
【0035】
ここで図10〜13を参照すると、方法100または200(図7および図8)を実行するために、コンピュータ304(図9)によってコンピュータソフトウェアプログラム製品が実行される。図10を参照すると、2つのスクリーン400および410が並べて示されている。スクリーン400および410は、所望されるように、同じモニタ上または別個のモニタ上に表示されてもよい。スクリーン400は基準画像を示す。非限定的な例として挙げると、この基準画像は、厚さが1/4インチのアルミニウムにおけるガス気孔率欠陥についてのものである。基準画像は、欠陥の重大度を格付けするための8枚のプレートと、0.150インチ、0.200インチ、0.250インチ、0.300インチ、0.400インチ、および0.500インチの厚さを有するステップウェッジとを含む。スクリーン410は、撮像された部品のデジタル放射線写真を示す。非限定的な例として挙げると、図示された部品は、アルミニウム鋳物アングルブラケットである。撮像された部品は、部品のグレー区域に泡状または泡沫状領域として現われている、気孔率欠陥の2つの区域を含んでいる。デジタル放射線写真における気孔率欠陥のこれらの区域は、基準画像と比較される。
【0036】
「デジタル放射線撮影法」の下のプルダウンメニューは、「DR折れ線グラフについての統計」、「DR折れ線グラフ」、「画素サイズ」、「コントラスト較正1/4」、および「コントラスト較正3/4」についての選択肢を含む。「DR折れ線グラフについての統計」および「DR折れ線グラフ」という選択肢は各々、線を選択し、折れ線グラフを生成する。「画素サイズ」という選択肢は、画素のサイズが入力されるようにし、ポイント・ツー・ポイント測定が行なわれるようにする。「コントラスト較正1/4」は、アルミ
ニウムなどの材料の厚さを、コントラストが正規化されるべき0〜1/2インチの間で選択する。また、基準画像に図示されるプレートの厚さは1/4インチに設定される。同様に、「コントラスト較正3/4」は、アルミニウムなどの材料の厚さを、コントラストが正規化されるべき1/2〜2インチの間で選択する。また、基準画面に図示されるプレートの厚さは3/4インチに設定される。この例における部品は厚さが1/2インチ未満であるため、「コントラスト較正1/4」が選択される。
【0037】
「コントラスト較正1/4」が選択されると、図11のスクリーン420および430が生成される。スクリーン430のステップ1のひとまとまりの厚さにおいて、マウスでクリックおよびドラッグすることなどによって、「ステップ1」ラジオボタンがクリックされ、ボックスが描かれる。描かれたボックス内の画素が統計用に分析される。対象となる統計は、ステップ1の0.150インチの厚さについての平均グレーレベル値である。これは、平均グレーレベル値とステップ1の0.150インチの厚さとを用いて、グレーレベル値またはグレーレベル値の導関数の変化対厚さを計算するためである。
【0038】
次のひとまとまりの厚さを選択するために「ステップ2」ラジオボタンがクリックされ、図12のスクリーン440および450が生成される。スクリーン450のステップ2の厚さにおいて、ボックスが描かれる。描かれたボックス内の画素が統計用に分析される。ここでも、対象となる統計は、ステップ2の0.200インチの厚さについての平均グレーレベル値である。
【0039】
「較正」ボタンがクリックされ、図13のスクリーン460および470が生成される。スクリーン460は基本画像を表わし、スクリーン470は撮像された部品のデジタル放射線写真を表わしている。「較正」ボタンがクリックされると、ステップ1およびステップ2についての平均グレーレベルの変化は、それぞれスクリーン460および470について計算され、スクリーン460および470についてのステップ1の厚さとステップ2の厚さとの厚さの変化によって除算される。スクリーン460についての結果をスクリーン470についての結果で除算することにより、比率が求められる。方法200(図8)について上述したように、この比率に、基準画像(すなわち、スクリーン460)についてのウィンドウの幅が乗算される。その結果、スクリーン470に示す撮像された部品のデジタル放射線写真とのコントラストが、スクリーン460に示す基準画像についてのコントラストと等化される。このコントラストの等化は、スクリーン440(図12)に示す8枚のプレートとスクリーン460に示す8枚のプレートとの比較により、顕著に感知される。図示された非限定的な例では、スクリーン470に示す気孔率欠陥は、スクリーン460に示す基準画像のプレート3またはプレート4に示す気孔率欠陥と比較可能である。そのような比較は、デジタル放射線写真と基準画像とのコントラストの等化なしでは行なうことはできないだろう。たとえば、図12を再度簡単に参照すると、スクリーン450に示すデジタル放射線写真を、スクリーン440の基準画像に示す8枚のプレートのいずれかと比較することは、無意味であろう。有利なことに、デジタル放射線写真と基準画像とのコントラストの等化の結果、デジタル放射線写真と基準画像との直接比較は、ここで可能になる。
【0040】
通常、コンピュータプログラムの命令は、マシンを生成するためにコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上にロードされてもよく、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令がフローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能を実行するための手段を作り出すようになっていてもよい。これらのコンピュータプログラムの命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置にある特定の態様で機能するよう指示することができるコンピュータ読み取り可能メモリに記憶されてもよく、コンピュータ読み取り可能メモリに記憶された命令が、フローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能
を実行する命令手段を含む製造品を生成するようになっていてもよい。コンピュータプログラムの命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令がフローチャートまたはスクリーンショットのブロックもしくはステップに特定された機能を実行するためのステップを提供するような、コンピュータにより実現されるプロセスを生成するように、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるようにしてもよい。
【0041】
したがって、フローチャートまたはスクリーンショットの図のブロックもしくはステップは、特定された機能を行なうための手段と特定された機能を行なうためのプログラム命令手段との組合せをサポートする。フローチャートまたはスクリーンショットの図の各ブロックもしくはステップ、およびフローチャートまたはスクリーンショットの図のブロックもしくはステップの組合せが、特定された機能またはステップ、もしくは特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する特殊用途ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実現可能であることも、理解されるであろう。
【0042】
この発明の好ましい実施例が例示され、説明されてきたが、上述のように、この発明の精神および範囲を逸脱することなく、多くの変更が行なわれ得る。したがって、この発明の範囲は好ましい実施例の開示によって限定されない。代わりに、この発明は特許請求の範囲を参照することによって全面的に判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図2】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図3】アルミニウムにおける気孔率の先行技術のフィルム放射線写真のデジタル化された画像を示す図である。
【図4】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図5】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図6】アルミニウムにおける気孔率の変化するコントラスト設定を有する先行技術のデジタル放射線写真の図である。
【図7】この発明の一実施例に従った例示的な、一般化された方法のフローチャートである。
【図8】図7に示す方法の詳細のフローチャートである。
【図9】この発明の実施例のための例示的なホスト環境のブロック図である。
【図10】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図11】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図12】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【図13】図7および図8の方法を実現する例示的なコンピュータソフトウェアプログラム製品からのスクリーンショットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル画像を比較する方法であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像と、前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するステップと、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するステップとを含む、方法。
【請求項2】
コントラストを正規化するステップは、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
輝度設定を調節するステップは、手動および自動のうちの一方で行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
輝度設定を自動的に調節するステップは、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外するステップと、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するステップと、
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
デジタル画像を比較するためのシステムであって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像を少なくとも記憶するよう設定された記憶装置と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像を少なくとも入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記第1のデジタル画像と前記第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するよう設定された第1の構成要素と、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するよう設定された第2の構成要素とを含み、前記システムはさらに、
少なくとも1つの表示装置を含む、システム。
【請求項6】
前記第1の構成要素は、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求め、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求め、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求め、および
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するようさらに設定されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の構成要素は、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外し、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算し、および
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定することによって、輝度設定を自動的に調節するようさらに設定されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
デジタル画像を比較するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像と、前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項9】
前記第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるための第5のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するための第6のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、請求項8に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項10】
前記第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外するための第7のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するための第8のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定するための第9のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、請求項8に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項11】
デジタル画像間のコントラストを正規化する方法であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するステップとを含む、方法。
【請求項12】
等化するステップは、ウィンドウマッピングを求めるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ウィンドウマッピングを求めるステップは、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
等化するステップは、ルックアップテーブルにアクセスするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
導関数を求めるステップは導関数を規定する関数を求め、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
導関数を求めるステップは、厚さに対して導関数を求める、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
デジタル画像間のコントラストを正規化するためのシステムであって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像を少なくとも記憶するよう設定された記憶装置と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像を少なくとも入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるよう設定された第1の構成要素と、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるよう設定された第2の構成要素と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるよう設定された第3の構成要素と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するよう設定された第4の構成要素とを含む、システム。
【請求項19】
前記第4の構成要素は、ウィンドウマッピングを求めるようさらに設定されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第4の構成要素は、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算するようさらに設定されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第4の構成要素は、ルックアップテーブルにアクセスするようさらに設定されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1および第2の構成要素は、導関数を規定する関数を求めるようさらに設定されており、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1および第2の構成要素は、厚さに対して導関数を求めるようさらに設定されて
いる、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
デジタル画像間のコントラストを正規化するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するための第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項26】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、ウィンドウマッピングを求めるようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項27】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算することにより、ウィンドウマッピングを求めるよう設定されている、請求項26に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項28】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、ルックアップテーブルにアクセスするようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項29】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項28に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項30】
前記第1および第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、導関数を規定する関数を求めるようさらに設定されており、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項31】
前記第1および第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、厚さに対して導関数を求めるようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項32】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節する方法であって、
画像を入力するステップと、
前記画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するステップと、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するステップと、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するステップとを含む、方法。
【請求項33】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端お
よび最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節するためのシステムであって、
画像を入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するよう設定された第1の構成要素と、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するよう設定された第2の構成要素と、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するよう設定された第3の構成要素とを含む、システム。
【請求項35】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項37】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項36に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項1】
デジタル画像を比較する方法であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像と、前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するステップと、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するステップとを含む、方法。
【請求項2】
コントラストを正規化するステップは、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
輝度設定を調節するステップは、手動および自動のうちの一方で行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
輝度設定を自動的に調節するステップは、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外するステップと、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するステップと、
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
デジタル画像を比較するためのシステムであって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像を少なくとも記憶するよう設定された記憶装置と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像を少なくとも入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記第1のデジタル画像と前記第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するよう設定された第1の構成要素と、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するよう設定された第2の構成要素とを含み、前記システムはさらに、
少なくとも1つの表示装置を含む、システム。
【請求項6】
前記第1の構成要素は、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求め、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求め、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求め、および
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するようさらに設定されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の構成要素は、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外し、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算し、および
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定することによって、輝度設定を自動的に調節するようさらに設定されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
デジタル画像を比較するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像と、前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像とのコントラストを正規化するための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1および第2のデジタル画像の少なくとも一方の輝度設定を調節するための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項9】
前記第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるための第5のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するための第6のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、請求項8に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項10】
前記第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、
画像ウィンドウ内のテキストおよびバックグラウンドを除外するための第7のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記画像ウィンドウについて、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するための第8のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記計算された平均画素値に前記画像ウィンドウについての平均画素値を設定するための第9のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、請求項8に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項11】
デジタル画像間のコントラストを正規化する方法であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるステップと、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するステップとを含む、方法。
【請求項12】
等化するステップは、ウィンドウマッピングを求めるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ウィンドウマッピングを求めるステップは、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
等化するステップは、ルックアップテーブルにアクセスするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
導関数を求めるステップは導関数を規定する関数を求め、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
導関数を求めるステップは、厚さに対して導関数を求める、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
デジタル画像間のコントラストを正規化するためのシステムであって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像を少なくとも記憶するよう設定された記憶装置と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像を少なくとも入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるよう設定された第1の構成要素と、
前記第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるよう設定された第2の構成要素と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるよう設定された第3の構成要素と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するよう設定された第4の構成要素とを含む、システム。
【請求項19】
前記第4の構成要素は、ウィンドウマッピングを求めるようさらに設定されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第4の構成要素は、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算するようさらに設定されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第4の構成要素は、ルックアップテーブルにアクセスするようさらに設定されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1および第2の構成要素は、導関数を規定する関数を求めるようさらに設定されており、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1および第2の構成要素は、厚さに対して導関数を求めるようさらに設定されて
いる、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
デジタル画像間のコントラストを正規化するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
第1のコントラストレベルを有する第1のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のコントラストレベルよりも大きい第2のコントラストレベルを有する第2のデジタル画像について、グレーレベルの導関数を求めるための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との比率を求めるための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数を、前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と等化するための第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項26】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、ウィンドウマッピングを求めるようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項27】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、前記第1のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数と前記第2のデジタル画像についてのグレーレベルの前記導関数との前記比率に、前記第1のデジタル画像のウィンドウの幅を乗算することにより、ウィンドウマッピングを求めるよう設定されている、請求項26に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項28】
前記第4のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、ルックアップテーブルにアクセスするようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項29】
前記ルックアップテーブルは非線形である、請求項28に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項30】
前記第1および第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、導関数を規定する関数を求めるようさらに設定されており、前記関数は対数関数および多項式適合関数の一方を含む、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項31】
前記第1および第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段は、厚さに対して導関数を求めるようさらに設定されている、請求項25に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項32】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節する方法であって、
画像を入力するステップと、
前記画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するステップと、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するステップと、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するステップとを含む、方法。
【請求項33】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端お
よび最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節するためのシステムであって、
画像を入力するよう設定された入力インターフェイスと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するよう設定された第1の構成要素と、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するよう設定された第2の構成要素と、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するよう設定された第3の構成要素とを含む、システム。
【請求項35】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
デジタル画像の輝度設定を自動的に調節するためのコンピュータソフトウェアプログラム製品であって、
画像内のテキストおよびバックグラウンドを除外するための第1のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
前記画像について、前記テキストおよび前記バックグラウンドを除いて平均画素値を計算するための第2のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段と、
実質的に前記計算された平均画素値に輝度設定を設定するための第3のコンピュータソフトウェアプログラムコード手段とを含む、コンピュータソフトウェアプログラム製品。
【請求項37】
前記画像はnビットの画像であり、
前記画像内のバックグラウンドは、前記nビットの画像のデータ範囲における最下端および最上端の一方の画素値を有しており、
前記画像内のテキストは、前記nビットの画像の前記データ範囲における最上端および最下端の他方の画素値を有している、請求項36に記載のコンピュータソフトウェアプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−524940(P2007−524940A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549468(P2006−549468)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000645
【国際公開番号】WO2005/069218
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000645
【国際公開番号】WO2005/069218
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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