説明

異方性導電接続用の絶縁導電性粒子及びその製造方法並びにこれを用いた異方性導電接続材料

本発明は、異方性導電接続用の絶縁導電性粒子及びその製造方法並びに異方性導電接続材料を開示し、電子素子の導電接続の際に接続不良を起す主原因である導電性粒子同士の凝集を避けながら導電性粒子に十分な厚さで均一に絶縁層を形成できる方法及び所望しない剥離及び溶媒による溶解現象等を最小化できる安定した絶縁層の形成に関する。本発明では、導電性粒子とその表面に被覆された絶縁性樹脂層からなる異方性導電接続用の絶縁導電性粒子において、絶縁性樹脂層が金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を塗布させて形成された異方性絶縁導電性粒子が提供される。本発明による絶縁導電性粒子は、複雑な装置無しに高歩留まりで容易に製造することができ、本発明による絶縁導電性粒子を用いた導電接続材料は、異方性導電接続時に、均一かつ優秀な品質の製品生産を保障することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電接続用の絶縁導電性粒子及びその製造方法並びにこれを用いた異方性導電接続材料に関し、特に電子素子の導電接続の際に接続不良を起す主原因である導電性粒子同士の凝集を避けながら、導電性粒子に十分な厚さで均一に絶縁層を形成できる方法、及び、所望しない剥離及び溶媒による溶解現象などを最小化することができる安定した絶縁層の形成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品や半導体素子、基板の接続素子を導電接続するに当たって、異方性導電接続方式が広く使われている。異方性導電接続方式は、平板ディスプレイパネル製造時、TCP端子とガラス基板の透明電極との間の接続、駆動I/CとFPC端子との接続、駆動I/Cと透明電極との間の接続などに広く用いられ、特に最近は、フリップチップ(flip−chip)方式のチップパッケージにおいて、ソルダーボール接続方式を代替する未来型パッケージ方法へと適用が拡大されつつある。
【0003】
近年は、電子部品の薄型化、小型化により接続端子のパターンが更に微細化されており、異方性導電接続を実施するときに、隣接端子間の短絡を防止することが重要な課題になっている。かかる短絡発生を避けるために、異方性導電接続用の導電性粒子として、一般的な導電的粒子の表面を薄い樹脂層で被覆させた、いわゆる絶縁導電性粒子の使用が、次第に拡大している。
【0004】
しかし、これまで開発された絶縁導電性粒子は、製造過程で製品の特性において色々な問題を抱いていた。現在開発されている絶縁導電性粒子の類型は、絶縁層が熱可塑性樹脂からなる場合と、熱硬化性樹脂からなる場合と、部分硬化樹脂からなる場合と、の3つに大別できる。
【0005】
まず、熱可塑性樹脂で絶縁層を被覆する場合、製造過程において絶縁層を十分な厚さに形成することが難しいという、製造上の不具合がある。実際、一定の濃度の溶液に導電性粒子を浸漬してから取り出して乾燥させる過程を繰り返して実施することで一定した厚さを得る溶液浸漬法、及び、特定の反応性基を含むカップリング剤又は表面処理剤で導電性粒子の表面を処理した後、所望する単量体を加えて重合させる界面重合法などが報告されている。しかし、これらの方法は全部複数の工程が求められており、一定の品質及び高歩留まりを保障することができないばかりでなく、製造過程上仕方なく発生する粒子の凝集が避けられず、以降これを用いた異方性導電接続材料が電子素子の接続に用いられるとき、接続不良の主原因となる。さらに、熱可塑性絶縁層を有する絶縁導電性粒子を用いて異方性導電接続材料を製造する場合、溶媒により樹脂被膜が溶解されるか、剥けられることがあり、溶媒が限定されているため、配合組成も限定されるという問題が避けられない。
【0006】
一方、熱硬化性樹脂で被覆層を形成する場合は、熱可塑性樹脂の場合に発生する溶解問題及び凝集問題を多少回避することができるが、絶縁樹脂層の架橋密度調節が容易でないという問題がある。あまりに低い架橋密度では熱可塑性樹脂と同様な問題がある。また、架橋密度があまりに高い場合、異方接続時被覆層が剥けられず、電極間通電を図ることができない恐れがあり、導電性粒子の絶縁性被膜を破壊するために、高い圧力で加圧することが必要であるので、これにより被接続体である電極端子が損傷を受けるようになり、しかも被膜薄片が電極と導電粒子との境界から全く除去されず、電極間通電が信頼性のあるように行われないという短所がある。
【0007】
近年、ソニーケミカルがこれらのような問題を解決するために、適当な架橋度を有する絶縁性ゲル相の樹脂粉末を製造した後、これを物理的、機械的方法で導電性微粒子に粘着させて絶縁導電性微粒子を製造したことが報告されている(韓国公開特許公報第2001−0060234号)。ソニーケミカルは、ゲル分率90%以上の微粒子を50〜99%の被覆率で塗布することにより、前述のような問題点が解決されたと主張した。しかしながら、製造工程上、均一の被覆が不可能であり、被覆後絶縁層が全体的として架橋されておらず、絶縁樹脂粒子が導電性粒子の表面から容易に剥離してしまう。また、乾式で絶縁性樹脂粒子及び導電性粒子を加熱混合して固定化する被覆工程上、凝集粒子の発生が不可避であるため、被覆後に精製しなければならないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は上述した従来の技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、電子素子の導電接続時に接続不良を引き起こす主原因である導電性粒子同士の凝集を避けるとともに、導電性粒子に十分な厚さで均一に絶縁層を形成することができる方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、所望しない剥離及び溶媒による溶解現象などを最小化することができる、安定した絶縁層の形成方法を提供することにある。
【0010】
つまり、本発明の目的は、従来の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂から被覆された異方性導電接続用の絶縁導電性粒子の問題点を解決し、工程安定性及び通電・絶縁特性が大いに改善された異方性導電接続用の絶縁導電性粒子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般に、微粒子の表面に樹脂を数十〜数百nmの厚さに塗布することは、極めて難しいことである。特願平8−13076号では、微粒子を樹脂層で被覆する方法に係り、界面重合法、インシチュ(in situ)重合法、スプレードライ法、真空蒸着法など様々な方法を開示し、特願昭62−71255号では、溶液浸漬法を開示している。しかし、両者とも、厚さが数十〜数百nm以上の絶縁樹脂層を、均一かつ容易に塗布することができないという問題があった。即ち、界面重合法及びインシチュ重合法は、粒子の凝集が発生するばかりでなく、粒子の表面以外にも重合が生じて均一で且つ不純物のない製品が得ることが困難であり、スプレードライ法や真空蒸着法も、凝集が避けられない。特願昭62−71255号の方法は、数回浸漬及び乾燥を繰り返しても、数百nm厚さの絶縁層形成が難しいだけでなく、毎回凝集された粒子の破砕及び分離が問題となり、実際に適用できない方法である。また、最近ソニーケミカルが出願した韓国特許出願第2001−060234号では、予め製造した架橋高分子の微粒子を気相で物理的に導電ボールの表面に取り付ける方法を開示しているが、これは前述にも指摘したように、均一な被覆が方法上源泉的に不可能であり、導電性粒子と絶縁樹脂との間の結合力が弱く、その結果被覆層の機械的強度及び耐溶媒性が劣化するという問題点がある。
【0012】
本発明は、導電性粒子を構成する金属に対して、結合力のある元素及び官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を用いて導電性粒子を被覆すると、従来の問題点を大部分解決することができ、均一で且つ十分な被覆が可能であることに着眼した。
【0013】
硫黄、リンなどは、金を含む複数の金属と共有結合に近い堅固な結合をなすことが知られており、窒素及び酸素も、双極子引力により金属と割合強い結合をなす。従って、これらの金属との結合力を有する硫黄、リン、酸素、窒素のようなヘテロ元素やこれら元素を含む官能基が表面に存在する樹脂微粒子は、金、銀、ニッケル、銅など通常の導電性粒子を構成する伝導性金属を認識して、その表面に固着するようになるので、このような樹脂微粒子を用いれば、簡単且つ容易な方法で導電性粒子に均一に絶縁被覆を実施することができる。また、その結果得られた絶縁導電性粒子は、絶縁層と導電性粒子との間の結合力により安定性に優れているので、導電接続材料の製造時、溶液においても安定的である。
【0014】
また、上記のような絶縁性樹脂微粒子のサイズを調節することで、形成される絶縁層の厚さを制御することができ、分散液内の絶縁性樹脂微粒子の濃度を適当に調節することにより、粒子の凝集が生じないように、絶縁性樹脂が導電性粒子の表面に均一に塗布されるように制御することができる。
【0015】
従って、本発明の目的は、従来の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を絶縁素材として使用する場合はもちろんのこと、絶縁導電性矩形微粒子を絶縁素材として使用する従来の技術(韓国特許出願第2001−060234号)でも解決できなかった問題である均一な絶縁層の形成方法及び制御方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、絶縁導電性粒子の絶縁被覆剤として使用される絶縁性樹脂微粒子の製造方法を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、絶縁導電性粒子を用いた異方性導電接続材料及び接続構造体を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的及び長所は、以下に説明され、本発明の実施形態により一層理解できるであろう。
【0019】
本発明では、導電性粒子と、その表面に被覆された絶縁性樹脂層とからなる異方性導電接続用の絶縁導電性粒子において、絶縁性樹脂層は、金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を塗布させて形成されたものであることを特徴とする、異方性絶縁導電性粒子が提供される。
【0020】
上記のへテロ元素や官能基は、望ましくは硫黄、リン、窒素、及び酸素などのヘテロ元素であるか、これらへテロ元素を少なくとも一つ以上を含む化学群である。
【0021】
上記の絶縁性樹脂微粒子は、架橋されない分子量10万〜100万のオレフィン系重合体、共重合体、縮重合体である熱可塑性樹脂、及び架橋剤により架橋された樹脂のうちいずれか一つからなる。
【0022】
上記の絶縁性樹脂層の好適な平均厚さを10nm〜1μmとすれば、上記の絶縁性樹脂微粒子の好適な直径は、10〜1,000nmである。
【0023】
上記の絶縁性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−30〜200℃である。
【0024】
本発明による異方性絶縁導電性粒子は、通常の異方性導電接続用導電性粒子に、金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を均一に塗布させることにより、製造できる。
【0025】
絶縁性樹脂微粒子の塗布は、絶縁性樹脂微粒子を水又は有機溶媒に分散(或いは溶解)させた分散液(或いは溶液)に導電性粒子を入れて攪拌することで金属との結合力を用いて絶縁性樹脂微粒子を導電性粒子の表面に固着させた後、ろ過、分離、乾燥するという簡単な方法で実施できる。しかし、塗布方法はこれに限定されるわけではなく、絶縁性樹脂微粒子を乾燥して粉末形態にした後、導電性粒子の表面に機械的、熱的方法を用いて結合させるいわゆる“ハイブリダイゼーション”方法も可能である。
【0026】
この際、絶縁性樹脂微粒子のサイズを調節して絶縁層の厚さを制御することができ、分散液(或いは溶液)内の絶縁性樹脂微粒子の濃度を調節することにより、粒子同士の凝集無しに絶縁性樹脂微粒子を導電性粒子の表面に均一に塗布させることができる。
【0027】
また、上記のように塗布した後、絶縁性樹脂微粒子の軟化点よりも高い温度で一定の時間の間放置することにより、形成された絶縁性樹脂層の表面を一層滑らかにすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態において、絶縁性樹脂微粒子は、分散溶媒に1種以上の単量体を入れた後、金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を含む単量体及び、ラジカル開始剤、界面活性剤を加えてラジカル重合により製造した。
【0029】
本発明の一実施形態では、イソチウロニウム塩(isothiuronium salt)を重合反応させた後、粒子の表面に位置した塩を加水分解してメルカプタン基に転換させることで、表面に硫黄を含む絶縁性樹脂微粒子を製造した。
【0030】
また、本発明によれば、絶縁性接着剤の中に本発明の絶縁導電性粒子を均一に分散させた異方性導電接続材料及びこれを用いて接続させた接続構造体が提供される。
【0031】
本明細書における“金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基”とは、導電性粒子を構成する金属に対して共有結合性結合、極性結合などの結語力を有するか、金属に対する親和度が大きいため、金属表面に固着できる全てのヘテロ元素や官能基を意味する。
【0032】
また、本明細書における“導電性粒子”とは、ニッケル、銅、金、銀のような金属や金属合金粒子、プラスチックやセラミックス粒子に導電性金属がコーティング或いはメッキされている多層粒子、形態上矩形若しくは不規則的な様子の粒子など、現在異方性導電接続用として使用されているか、今後使用される可能性があるすべての導電性粒子を意味する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、簡単でかつ容易な方法で所望する十分な厚さで均一に導電性粒子を絶縁性樹脂で被覆することができ、特に複雑な装置無しに高歩留まりで絶縁導電性粒子を容易に製造することができる。本発明の絶縁導電性粒子は粒子同士の凝集がなく、優れた溶液安定性を示すなど、従来の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で被覆された異方性導電接続用の導電性粒子の欠点を改善して、優秀な通電及び絶縁性を示し、これを用いた導電接続材料は異方性導電接続時に均一でかつ優秀な品質の製品生産を保障することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0035】
図1に示したように、本発明による異方性導電接続用の絶縁導電性粒子10は導電性粒子11と、その表面を被覆する絶縁性樹脂層12とからなる。
【0036】
本発明における導電性粒子11は、特に限定されるものではなく、一般的に直径2〜10μm範囲の粒子が用いられる。絶縁性樹脂層12の厚さ(平均厚さ)は、10nm以上1μm以下が好ましい。絶縁性樹脂層の厚さがあまりに大きくなると、通電特性が劣化する恐れがあるのみならず、これを用いる異方性導電接続材料のうち絶縁性樹脂分率が高くなって、接続後、耐熱性及び接着特性などの物性の低下が起こりうる。逆に、あまりに薄くなると、絶縁特性が不十分となりうる。本発明による絶縁性樹脂層の表面形状は、絶縁素材となる絶縁性樹脂微粒子の組成及び絶縁被覆工程条件によって、滑らかでかつ均一な厚さを有することができ、凹凸な表面の不規則的な厚さを有することもできる。
【0037】
絶縁性樹脂層は、図2の絶縁性樹脂粒子の特性によって通常の熱可塑性樹脂から構成されるか、適当な架橋密度を有する架橋高分子から構成されることができる。絶縁性樹脂微粒子は、望ましくは、架橋されない分子量10万〜100万のオレフィン系重合体、共重合体、縮重合体である熱可塑性樹脂、及び架橋剤により架橋された樹脂のうちいずれか一つからなることができる。
【0038】
絶縁性樹脂層の軟化点は、異方性導電接続時の加熱温度よりも高いことが望ましい。加熱温度よりも低い樹脂層を用いれば、絶縁特性が劣化する傾向がある。しかし、軟化点が加熱温度よりあまりに高ければ、端子の間で圧力を受けても、樹脂層が絶縁性導電粒子の表面から容易に取り除かれず、通電特性を悪化させうる。本発明では、絶縁素材として用いられる樹脂粒子(図2)の製造時、種々の単量体と必要な場合に適正量の多官能性単量体を添加して使用することで、絶縁樹脂層の耐熱性、機械的強度、流動性を含む様々な特性を所望のまま調節することができる。
【0039】
絶縁樹脂層から求められる主要物性は、適当な機械的強度及び耐溶媒性及び耐熱性である。絶縁樹脂層は、異方性導電接続材料の製造時、機械的攪拌及び溶媒、樹脂、硬化剤、カップリング剤などとの混合過程で安定に維持されなければならない。このとき、主に用いられる溶媒としては、アセトン、MEK、MIBKのようなケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、そのほかTHFを含む通常の工業用溶媒がある。従って、本発明の絶縁樹脂層のように導電性粒子の金属表面と特別な親和力や結合力がある場合を除いて、このような溶媒を使用する場合、絶縁樹脂層の溶解や剥離を避けることが難しい。
【0040】
本発明で使用する絶縁素材である絶縁性樹脂微粒子20は、粒子内部21の組成が如何なるものであっても、表面に硫黄、リン、窒素、酸素のような金属との結合力を有するヘテロ元素22又はこれら元素を含む官能基を有するので、金属表面と強い結合力を示すようになる(図2)。これによって導電性粒子の表面にしっかりと固着され、このように形成された絶縁性樹脂層は物理的衝撃により剥離されないだけでなく、優れた耐溶媒性を示す。これによって異方性導電接続材料の製造過程中でも変形されるか、溶解されない特性を有することになる。
【0041】
絶縁性樹脂層は加熱したときも、加圧が行われないと、流れなければならない。そうでなければ、異方性導電接続工程時、絶縁性樹脂層の流動に起因して接着剤マトリクス内の相分離及び導電性粒子の凝集が発生し、その結果導電性粒子表面が露出されるよりになり、隣接端子間に短絡が発生することとなる。従って、絶縁性樹脂層の軟化点又はガラス転移温度は、異方導電接続工程の温度と同一であるか、若しくは適宜に高いものがよい。しかし、近年は素子組立会社が生産性向上及び、フレキシブル基板やフィルム上における接続工程性の確保のために、より低い温度及び圧力で接続可能な異方性導電接続材料を求めている実情である。すなわち、低温−速硬化型異方導電性接続工程のためには、絶縁樹脂層が、低温においてより短時間で取り除かれなければならないので、この場合、絶縁性樹脂層の軟化点は、加熱温度よりも低いことがもっと望ましい。ところが、これまでの絶縁導電性粒子は、絶縁性樹脂層の軟化点が加熱温度より低くなると、相分離が起こるため、かかる低温−速硬化型接続工程条件を充たすことができなかった。しかし、本発明による絶縁導電性粒子は、これまでの絶縁導電性粒子とは異なり、絶縁性樹脂層と導電性粒子表面との間に結合力が存在するので、絶縁性樹脂層の軟化点がたとえ加熱温度よりも低くても、相分離が起こることなく接続工程が行われることができる。本発明において、絶縁性樹脂層のガラス転移温度は、望ましくは−30〜200℃であり、通常は異方導電性接続時の加熱温度より高いが、低温−速硬化型工程のためには加熱温度よりも低くてもよい。
【0042】
(絶縁性樹脂微粒子の製造)
本発明では、上記のような条件を満足させる絶縁性樹脂粒子を、用途によって多様な方法で製造することができる。重合方法としては、分散重合、懸濁重合、或いは微細懸濁重合、エマルジョン重合のように、反応結果物が粒子の形態で得られる重合方法を利用することが望ましい。これは、得られた粒子分散液をそのまま導電性粒子の被覆工程に使用することができ、更に粒子の直径調節が可能であるため、その結果絶縁層の厚さを割合容易に制御することができるからである。絶縁性樹脂層の好適な平均厚さを10nm〜1μmとすれば、本発明の絶縁性樹脂微粒子の直径は、望ましくは10〜1000nmである。
【0043】
本発明による絶縁性樹脂微粒子の製造方法を、例えて説明する。水やアルコールのような分散溶媒に絶縁性樹脂粒子の主成分となる任意の単量体又は2種以上の単量体を入れた後、硫黄、リン、窒素、酸素などのヘテロ原子を含む単量体及びラジカル開始剤、界面活性剤をそれぞれ適当量だけ添加して加熱、攪拌する。すると、表面にヘテロ元素が存在する樹脂微粒子が得られる。この際、ヘテロ元素を含む単量体は割合親水性が高いので、結果物である樹脂微粒子の表面に優先分布するようになる。
【0044】
分散重合において、ヘテロ元素を含む単量体である親水性の程度に応じて、分散溶媒として純水又は水とアルコールとの混合物を使用することができる。しかし、アクリルアミドやアクリル酸のようにヘテロ元素を含んでいる高い親水性を有する単量体の場合は、懸濁重合が不適当である。つまり、アクリルアミドとスチレン、メチルメタクリレート単量体の混合物を懸濁重合すれば、アクリルアミド成分が殆ど無いポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート)樹脂粒子及び水に溶解されているポリアクリルアミド高分子のような不均一な結果物が得られるからである。
【0045】
樹脂微粒子の直径と、機械的・熱的特性及び表面の成分及び特性は、各反応物成分の種類や量、温度及び攪拌速度などを調節して制御することができる。絶縁性樹脂層は、導電性粒子の表面に、この樹脂微粒子の結合力をもって付着塗布されて形成されるので、粒子の大きさ及び特性によって絶縁樹脂層の物性が大部分決定される。
【0046】
本発明の一実施形態において、表面にヘテロ元素を含む樹脂粒子は、多段階反応で製造できる。前述したアクリルアミドやアクリル酸類のような親水性単量体とは異なり、硫黄やリンを粒子の表面に付加するためには、多段階反応を用いることが望ましい。
【0047】
特に、4−メチルメルカプトスチレン(4−methylmercaptostyrene)のように硫黄を含む単量体は親水性が少なく、分散重合時に粒子の表面に多量に位置することが期待し難く、更にメルカプタン又はチオール(thiol)化合物は、ラジカル重合において、連鎖移動反応(chain transfer reaction)を引き起こして重合そのものを妨害する。
【0048】
従って、表面にヘテロ元素を含む粒子の合成のためには、まず表面にエポキシ基のような反応性基を含む粒子を合成した後、この粒子の表面を適当な化合物と反応させて、所望する元素を付加した方がよい。硫黄を含む粒子の場合、特にイソチウロニウム塩を前駆体として用いて重合した後、粒子の表面に位置した塩を加水分解してメルカプタン基に転換することができる。
【0049】
絶縁性樹脂粒子の組成は、必ずしもラジカル重合で製造されるオレフィン系付加重合体である必要はない。つまり、ポリエステルやポリアミド、ポリウレタンのような縮重合体微粒子も可能である。この場合は粒子そのものがオレフィン系粒子よりも導電性粒子の金属表面との粘着力が優れているが、表面を改質することで被覆効率性を改善することができる。
【0050】
一方、絶縁性樹脂粒子が必ず矩形の粒子である必要はない。バルク重合や溶液重合で製造した樹脂を粉砕して得た不規則的な粉末も、表面に硫黄や窒素などヘテロ元素を幾らか含むことにより金属との結合力を示す場合は、本発明における絶縁素材として使用可能である。
【0051】
(絶縁導電性粒子の製造)
従来の絶縁被覆工程である溶液浸漬法、界面重合法、インシチュ重合法、スプレードライ法、真空蒸着法、物理的・機械的ハイブリダイゼーションなどが均一且つ十分な厚さの絶縁被覆層を得ることが困難であるという問題点があることに対し、本発明では、微粒子が分散された水溶液又は有機溶液に導電性粒子を混合した後、ろ過・乾燥させるといった簡単な方法で、均一な絶縁被覆を実施することができる。
【0052】
絶縁性樹脂微粒子のエマルジョン又は懸濁液に導電性粒子を添加した後、一定した温度で一定時間攪拌することで、樹脂粒子を導電性粒子の表面に固着させた後、ろ過分離して、常温又は適当な温度に加熱しながら乾燥することにより、本発明による絶縁導電性粒子を製造することができる。このとき、乾燥の際に真空を加えることもできるが、一般の送風式の乾燥オーブンでも十分である。本発明における絶縁素材である絶縁性微粒子は、表面に金属との結合力が強いヘテロ元素や官能基を含んでいるので、単に微粒子分散液に導電性粒子を入れて攪拌することだけでも、導電性粒子の表面に固着されて絶縁性樹脂層を形成するようになる。
【0053】
このとき、分散液内における絶縁性樹脂の濃度を適宜に調節することにより、粒子の凝集することなく、絶縁性樹脂が、導電性粒子の表面に均一に被覆できるように制御することができる。
【0054】
分散液から分離された絶縁導電性粒子を後処理する条件によって、絶縁性樹脂層の形態及び表面が異なるようになる。絶縁性樹脂粒子の軟化点より高い温度で適当な時間放置すれば、一層均一な厚さ及び滑らかな表面を有する絶縁性樹脂層を得ることができる。このとき、粒子同士の粘着性に因って互いに凝集する場合には、沸点が樹脂層の軟化点よりも高い適当な不溶性溶媒に絶縁性導電粒子を分散させて加熱する方法を用いることができる。
【0055】
また、本発明の絶縁性樹脂微粒子を導電性粒子に塗布する方法として、上記のような方法以外にも、絶縁性樹脂微粒子を乾燥して粉末形態にした後、導電性粒子の表面に機械的・熱的方法を用いて結合させる方法なども用いることができる。
【0056】
(異方性導電接続材料及び接続構造体)
本発明による異方性絶縁導電性粒子を通常の技術によって絶縁性接着剤の中に均一に分散させることで、フィルム状又はペースト状の異方性導電接続材料を得ることができる。このとき、絶縁性接着剤としては、公知の接着剤が使用可能である。
【0057】
また、上記のような本発明の異方性接続材料を、互いに対向する2つの被接続体(半導体素子及びその搭載用基板、フレキシブル配線基板及び透明電極アレイなど)の間に介在させて加熱、加圧することで、良好な通電特性、絶縁特性及び接続強度を示す接続構造体を得ることができる。
【0058】
次に、具体的な実施例を通じて、本発明をより詳細に説明する。
【0059】
(製造例1:絶縁性樹脂微粒子の製造)
クロロメチルスチレン(7.0g)とチオウレア(3.7g)をメタノール(15mL)に入れた後、よく混合する。混合物にt−ブチルカテコール(0.20g)を添加した後、48℃にて10時間攪拌した。混合物をエーテルに注いで沈殿を得た後、ろ過して真空乾燥させた。得られたイソチウロニウム塩(2.0g)を蒸留水(80mL)に溶かした後、スチレン(20.0g)、ブチルアクリレート(60.0g)、K(0.25g)を入れて、攪拌しながら加熱した。混合物の温度を70℃に20時間維持した。反応物にPVA(1g)を添加してKOH(2M、5.0mL)を加えたのち、常温で5時間攪拌した。得られた粒子は、遠心分離及びエタノール洗浄で精製し、真空乾燥した。
【0060】
(製造例2:絶縁性樹脂微粒子の製造)
スチレン(8.0g)、ブチルアクリレート(2.0g)、蒸留水(100g)を、250mLフラスコに入れて混合した。混合物にPVP(2.0g)、K(0.20g)を加えた後、70℃にて12時間の間攪拌した。その後、更に反応物にグリシジルメタクリレート(2.0g)、PVA(1.0g)、及び蒸留水(20g)を混合した懸濁液を加え、70℃で12時間更に強く攪拌した。得られた反応物にヘキサメチレンジアミン(2.0g)を入れてから、50℃で24時間の間攪拌した。得られた微粒子は、遠心分離機で分離して、水とエタノールで洗浄した。分析の結果、得られた粒子の平均直径は、約150nmであった。
【0061】
(製造例3:絶縁性樹脂微粒子の製造)
スチレン(7.0g)、ブチルアクリレート(3.0g)、アクリルアミド(1.0g)、K(0.5g)、エタノール(70g)を100mLフラスコに入れて混合した後、混合物に蒸留水(40g)及びPVP(2.0g)の混合溶液を加えた。反応物の温度を90℃に昇温させて、24時間の間攪拌し続けた。製造された粒子は、分離洗浄して、SEMでサイズを観察した。粒子の平均直径は、約105nmであった。
【0062】
(製造例4:絶縁性樹脂微粒子の製造)
ブチルアクリレート(60g)の代わりにブチルアクリレート(59g)とヘキサメチレンジアクリレート(1g)との混合物を使用することを除いては、製造例1と同様にして絶縁性樹脂微粒子を製造した。
【0063】
(実施例1〜8)
直径4μmのヘキサメチレンジアクリレート重合体粒子の表面にNi/Auメッキを施した導電性粒子に対して、下記の表1のような条件により上記の製造例で得られた絶縁性樹脂粉末を水に分散させて被覆することによって、絶縁性樹脂で被覆された異方性導電接続用の絶縁導電性粒子を得た。被覆工程を以下に示す。
【0064】
微粒子粉末を水(或いはエタノールなどの有機溶媒)に入れて超音波を印加しながら攪拌することで、固形分5%微粒子分散液を製造した。この分散液50mLに導電性微粒子(1.0g、積水化学、マイクロパールAUL704)を入れて、50℃で30分間攪拌して混合した後、高速遠心分離機により粒子を分離し、エタノールで数回洗浄した。その後、更に遠心分離して真空乾燥させた。SEM写真から、導電性微粒子の表面は、直径200〜300nmである微粒子で覆われていることを確認した。このような絶縁導電性微粒子を、50mLビーカーに収めてオーブン内に入れ、100℃で5分間放置した後、SEMで観察した。SEM写真から、絶縁導電性微粒子表面の粒子形態が殆ど無くなり、滑らかな表面を有する絶縁層が形成されたことが確認できた。得られた絶縁導電性粒子は、TGA分析結果から、厚さ150nmの絶縁樹脂層を有することが認められた。
【0065】
各実施例に係る絶縁導電性粒子の被覆率(%)、絶縁性樹脂層の平均膜厚(nm)を、表1に示した。表1において、被覆率は、SEM写真上導電ボール50個をランダムに選び、粒子が付いている表面と付いていない表面を計算して算出したものである。
【0066】
【表1】

【0067】
(比較例1〜6)
直径4μmのヘキサメチレンジアクリレート重合体粒子の表面にNi/Auメッキを施した導電性粒子に対して、絶縁性樹脂粒子(スチレン/ブチルアクリレート共重合体、直径約180nm)を、表2の条件によって上記実施例と同様な方法で絶縁被覆を行った(比較例1〜3)。
【0068】
また、トルエン(又はTHF)に上記絶縁性樹脂粒子を溶かした導電性粒子を浸漬する溶液浸漬法により、絶縁被覆を行った(比較例4〜6)。溶液浸漬法は、一般的なエマルジョン重合により得たスチレン/ブチルアクリレート共重合体(スチレン/ブチルアクリレート=7:3重量比、直径180nm)10gをトルエン100gに溶かした溶液に導電ボール2gを入れた後、30℃にて30分間徐々に攪拌した。攪拌終了後、導電ボールをろ過して分離し、エタノールで2回洗浄して、真空オーブンで減圧下に乾燥した。得られた絶縁導電ボールは、ゴム棒を用いて凝集された粒子を破砕した後、SEM及びTGAで分析した。分析結果、多量の凝集された粒子が認められ、樹脂の平均厚さは、約12nmであることが確認された。
【0069】
比較例で得られた各導電性粒子の絶縁性樹脂層の被覆率(%)、絶縁性樹脂層の平均膜厚さ(nm)を、表2に示した。
【0070】
【表2】

【0071】
(実施例9)
上記の実施例1〜8及び比較例により得られた絶縁導電性粒子を、ビスフェノール−A型液相エポキシ樹脂(YDF−128、国道化学(株)製)60重量部と、潜在性硬化剤(H−3842、国道化学(株)製)40重量部と、メチルエチルケトン70重量部とからなる混合物に20重量%になるように添加して、均一に混合した。この混合物を、シリコン処理を施したポリイミドフィルムに乾燥厚さが25μmとなるように塗布し、乾燥することで異方性導電接続フィルムを製作した。
【0072】
製造した異方性導電接続フィルムを、50μmピッチ(バンプサイズ35×80μm、バンプ間隔15μm、バンプ高さ20μm)の半導体素子と50μmピッチのITO(配線幅35μm、配線間隔15μm)を備えたガラス基板との間に配置して、180℃の温度、3kgf/cmの圧力で10秒間圧着し、接続構造体を得た。
【0073】
得られた接続構造体に対して、次のように通電特性及び絶縁特性を判定した。得られた結果を、表3に示した。
【0074】
<通電特性>
ランク:判定基準
○ :接続した100ピンの全ての初期抵抗値が5Ω以下である場合
△ :接続した100ピンの中で初期抵抗値が5Ω以上10Ω未満である場合
× :接続した100ピンの中で初期最大抵抗値が10Ωを超える場合
【0075】
<絶縁特性>
ランク:判定基準
○ :非接続状態の100ピンの抵抗値が10Ω以上である場合
△ :非接続状態の100ピンの最小抵抗値が10Ω以上である場合
× :非接続状態の100ピンの最小抵抗値が10Ω未満である場合
【0076】
【表3】

【0077】
表1〜3の結果、特に表3の結果から表面に金属との結合力を示す元素を含む樹脂粒子で被覆された導電性粒子は、通電特性及び絶縁特性が、一般の樹脂粒子や樹脂溶液でコーティングされた導電性粒子より優れていることが確認できる。また、本発明により製造された絶縁導電性粒子は、トルエンやMEKに入れて常温で3時間攪拌しても、絶縁層の損傷が殆どない。従って、本発明による絶縁導電性粒子は、異方性導電接続材料の製造時、優れた工程安定性を示し、このように製造された接続材料は、異方性接続工程において優れた異方性接続特性を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明による絶縁導電性粒子は、優れた通電及び絶縁特性を有するので、平板ディスプレイ素子パネルの製造時、TCP端子とガラス基板の透明電極との間の接続、駆動I/CとFPC端子との間の接続、駆動I/Cと透明電極との間の接続など、電子部品及び半導体分野における異方性導電接続に広く使用されることができ、特に最近の薄型化、小型化している電子部品に有用に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による異方性導電接続用の絶縁導電性粒子を示す断面図である。
【図2】図1に示した絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂微粒子の構造を概念的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子と、前記導電性粒子の表面に被覆された絶縁性樹脂層とからなる異方性導電接続用の絶縁導電性粒子において、
前記絶縁性樹脂層は、金属との結合力を有するヘテロ元素又は官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を塗布して形成されたものであることを特徴とする、異方性絶縁導電性粒子。
【請求項2】
前記へテロ元素又は官能基は、硫黄、リン、窒素、酸素及びこれら元素を少なくとも一つ以上を含む化学群の中から選択されることを特徴とする、請求項1記載の異方性絶縁導電性粒子。
【請求項3】
前記絶縁性樹脂微粒子は、架橋されない分子量10万〜100万のオレフィン系重合体、共重合体、縮重合体である熱可塑性樹脂、及び架橋剤により架橋された樹脂のうちいずれか一つからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異方性絶縁導電性粒子。
【請求項4】
前記絶縁性樹脂微粒子は、直径が10〜1000nmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異方性絶縁導電性粒子。
【請求項5】
前記絶縁性樹脂のガラス転移温度は、−30〜200℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異方性絶縁導電性粒子。
【請求項6】
異方性導電接続用の絶縁導電性粒子に、金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を均一に塗布させることを特徴とする、異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁性樹脂微粒子は、架橋されない分子量10万〜100万のオレフィン系重合体、共重合体、縮重合体である熱可塑性樹脂、及び架橋剤により架橋された樹脂のうちいずれか一つからなることを特徴とする、請求項6に記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁性樹脂微粒子は、分散溶媒に1種以上の単量体を入れた後、金属との結合力を有するヘテロ元素や官能基を含む単量体と、ラジカル開始剤、界面活性剤を加えてラジカル重合で製造した分子量10万〜100万のオレフィン系付加重合体であることを特徴とする、請求項6記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項9】
前記へテロ元素や官能基は、硫黄、リン、窒素、酸素及びこれら元素を少なくとも一つ以上を含む化学群の中から選択されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁性樹脂微粒子は、イソチウロニウム塩を重合反応させた後、粒子の表面に位置した塩を加水分解してメルカプタン基に転換したことを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁性樹脂微粒子の大きさを調節して絶縁層の厚さを制御することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項12】
前記絶縁性樹脂微粒子を水又は有機溶媒に分散もしくは溶解させた分散液もしくは溶液に前記導電性粒子を入れて攪拌して絶縁性樹脂微粒子を導電性粒子の表面に固着させた後、ろ過、分離、乾燥することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項13】
前記分散液もしくは溶液内の絶縁性樹脂微粒子の濃度を調節することにより、粒子同士の凝集無しに絶縁性樹脂微粒子を導電性粒子の表面に均一に塗布させることを特徴とする、請求項12に記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項14】
絶縁性樹脂微粒子は、導電性粒子の表面に塗布させた後、形成された絶縁性樹脂層の表面を滑らかにするために、絶縁性樹脂微粒子の軟化点よりも高い温度で一定時間放置することを特徴とする、請求項12に記載の異方性絶縁導電性粒子の製造方法。
【請求項15】
請求項1における絶縁導電性粒子を絶縁性接着剤の中に均一に分散させたものであることを特徴とする、異方性導電接続材料。
【請求項16】
請求項15における異方性導電接続材料を互いに対向する2つの被接続材料の間に介在して加熱・加圧して接続させたものであることを特徴とする、接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−537572(P2007−537572A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513062(P2007−513062)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001367
【国際公開番号】WO2005/109448
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506380112)マイクログローブ コープ カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】