説明

異状監視システム

【課題】高い信頼性で異状の有無を判定することができる、異状監視システムを提供すること。
【解決手段】異状監視システム1は、複数の基準位置に対してそれぞれ異なるように設定された監視領域内に侵入した物体と、当該物体が侵入した監視領域に対応する前記基準位置との間の各距離を検知し、当該検知した各距離に基づいて、当該物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定する位置特定部14aと、位置特定部14aにて特定された物体の複数の位置に基づいて、監視領域における異状の有無を判定する異状判定部14bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異状監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、異状の有無を判定する異状監視システムが用いられている。例えば、赤外線ビームを投光する投光部と、当該赤外線ビームを受光する受光部とを備え、投光部と受光部との間で赤外線ビームが人体により遮断されたことを検出して侵入者を検知する防犯用センサ装置や検知システム等が提案されている(特許文献1から3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−91783号公報
【特許文献2】特開平11−232564号公報
【特許文献3】特開平10−162258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の如き従来のシステムでは、赤外線ビームの遮断が人体以外の移動物体に起因するものか、あるいは侵入者等の人体に起因するものかを区別できなかったため、人体以外の移動物体が検出された場合であっても警報を発してしまう等、誤検出により警報の信頼性が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い信頼性で異状の有無を判定することができる、異状監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の異状監視システムは、複数の基準位置に対してそれぞれ異なるように設定された監視領域内に侵入した物体と、当該物体が侵入した監視領域に対応する前記基準位置との間の各距離を検知し、当該検知した各距離に基づいて、当該物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定する位置特定手段と、前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置に基づいて、前記監視領域における異状の有無を判定する異状判定手段とを備える。
【0007】
また、請求項2に記載の異状監視システムは、請求項1に記載の異状監視システムにおいて、前記異状判定手段は、前記位置特定手段にて前記各位置が特定された時間間隔と、前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置の相互距離とに基づいて、当該物体の移動速度を特定し、当該移動速度に基づいて異状の有無を判定する。
【0008】
また、請求項3に記載の異状監視システムは、請求項1に記載の異状監視システムにおいて、前記各基準位置に対して設定された監視領域が、複数の区画領域に分割されており、前記異状判定手段は、前記位置特定手段にて前記各位置が特定された時間間隔と、前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置の各々が含まれる前記区画領域とに基づいて、異状の有無を判定する。
【0009】
また、請求項4に記載の異状監視システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の異状監視システムにおいて、前記監視領域に音波を送波する送波手段と、前記監視領域から音波を受波する受波手段と、を備え、前記位置特定手段は、前記送波手段が前記音波を送波してから前記受波手段が前記音波を受波するまでの時間に基づき、前記送波手段と当該送波手段が送波した前記音波を反射した物体との間の距離を検知する。
【0010】
また、請求項5に記載の異状監視システムは、請求項4に記載の異状監視システムにおいて、複数の前記送波手段が、各送波手段が音波を送波する方向が略並行になるように配置されている。
【0011】
また、請求項6に記載の異状監視システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の異状監視システムにおいて、前記監視領域内に侵入した物体を検出する検出手段を備え、前記位置特定手段は、前記検出手段により前記物体が検出された場合に、当該物体が検出された監視領域に対応する前記基準位置と当該物体との間の距離を検知する。
【0012】
また、請求項7に記載の異状監視システムは、請求項6に記載の異状監視システムにおいて、前記位置特定手段は、前記検出手段が前記物体を検出するために用いる原理とは異なる原理に基づき、前記物体の位置を特定する。
【0013】
また、請求項8に記載の異状監視システムは、請求項1から7のいずれか一項に記載の異状監視システムにおいて、前記位置特定手段により特定された前記物体の位置に基づき、当該物体の軌跡を表示する表示手段を備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の異状監視システムによれば、複数の基準位置とに対してそれぞれ異なるように設定された監視領域内に侵入した物体と、当該物体が侵入した監視領域に対応する基準位置の間の各距離を検知し、当該検知した各距離に基づいて、当該物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定し、その複数の位置に基づいて監視領域における異状の有無を判定するので、例えば物体が存在した位置に応じてその物体が人体であるか否かを判別することができ、高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0015】
請求項2に記載の異状監視システムによれば、位置特定手段にて各位置が特定された時間間隔と、位置特定手段にて特定された物体の複数の位置の相互距離とに基づいて、その物体の移動速度を特定し、その移動速度に基づいて異状の有無を判定するので、例えば物体の移動速度が人体の移動速度として想定しうる範囲内か否か等に基づいてその物体が人体であるか否かを判別することができ、一層高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0016】
請求項3に記載の異状監視システムによれば、位置特定手段にて各位置が特定された時間間隔と、位置特定手段にて特定された物体の複数の位置の各々が含まれる区画領域とに基づいて、異状の有無を判定するので、例えば単位時間あたりの移動区画数や各区画領域における障害物の有無等に基づいてその物体が人体であるか否かを判別することができ、一層高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0017】
請求項4に記載の異状監視システムによれば、送波手段が音波を送波してから受波手段が音波を受波するまでの時間に基づき、送波手段と当該送波手段が送波した音波を反射した物体との間の距離を検知するので、音波を媒体として距離を検知することができる。
【0018】
請求項5に記載の異状監視システムによれば、複数の送波手段が、各送波手段が音波を送波する方向が略並行になるように配置されているので、各送波手段から各監視領域に音波を送波することができ、各監視領域内に侵入した物体の位置を正確に特定することができる。
【0019】
請求項6に記載の異状監視システムによれば、検出手段により物体が検出された場合に、その物体が検出された監視領域に対応する基準位置とその物体との間の距離を検知するので、検出手段による検出結果を考慮して距離検知の要否を判定することができ、異状判定の信頼性を高めることができる。
【0020】
請求項7に記載の異状監視システムによれば、位置特定手段は、検出手段が物体を検出するために用いる原理とは異なる原理に基づき、物体の位置を特定するので、複数の原理に基づいて異状有無の判定を行うことができ、誤検出等を低減し、高い信頼性を得ることができる。
【0021】
請求項8に記載の異状監視システムによれば、位置特定手段により特定された物体の位置に基づき、その物体の軌跡を表示手段に表示させるので、監視領域における物体の移動状況を容易に把握可能な態様で異状に関する情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1に係る異状監視システムの適用例を示した概要図であり、図1(a)は異状監視システムによって異状の有無を判定する対象となる領域の平面図、図1(b)は図1(a)に示した領域の側面図である。
【図2】異状監視システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図3】異状監視システムが実行する異状判定処理のフローチャートである。
【図4】ディスプレイの表示を例示した図である。
【図5】実施の形態2に係る異状監視システムによって異状の有無を判定する対象となる領域の平面図である。
【図6】実施の形態2に係る異状判定処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るディスプレイの表示を例示した図である。
【図8】実施の形態2に係る異状判定のための確認項目を例示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る異状監視システムの各実施の形態を詳細に説明する。ただし、この各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、物体の移動速度に基づいて異状の有無を判定する形態である。
【0025】
(構成)
まず、異状監視システムの構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る異状監視システムの適用例を示した概要図であり、図1(a)は異状監視システムによって異状の有無を判定する対象となる領域の平面図、図1(b)は図1(a)に示した領域の側面図である。図1に示すように、本実施の形態1に係る異状監視システム1は、塀2や門(図示省略)等と建物3との間の敷地を対象領域とし、この対象領域に侵入した者(以下、「侵入者」)の有無を判定するために用いられる。
【0026】
図2は、異状監視システム1の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。この図2に示すように、異状監視システム1は送受部10、反射板11、検出部12、ディスプレイ13、制御部14、及び記憶部15を備えている。
【0027】
(構成−送受部)
異状監視システム1は複数の送受部10を備えている。この送受部10は音波の送波及び受波を行うものであり、送波部10a及び受波部10bを備えている。
【0028】
送波部10aは複数の基準位置の各々に対してそれぞれ異なるように設定された監視領域に音波を送波する送波手段である。この送波部10aとしては、例えば圧電セラミック振動子を用いた公知の超音波送波器を用いることができる。ここで基準位置とは、対象領域に侵入した物体の位置を特定する際の基準となる位置であり、例えば本実施の形態1では各送受部10が設置された位置を基準位置とする。また、各基準位置に対して異なるように設定された監視領域とは、異状監視システム1による監視対象として複数の基準位置の各々について設定された領域であり、例えば本実施の形態1では、各送波部10aから送波される音波ビーム軸を中心とする一定幅の範囲(図1では点線で区切られた範囲)を、各送受部10に対応する基準位置に対して設定された監視領域とする。図1に示すように、各送波部10aが音波を送波する方向が略並行になるように複数の送波部10aを配置することで、各送波部10aから各監視領域に音波を送波することができる。
【0029】
受波部10bは監視領域から音波を受波する受波手段である。この受波手段としては、例えば圧電セラミック振動子を用いた公知の超音波受波器を用いることができる。また、送波部10aと受波部10bとを相互に一体に構成したトランスデューサを送受部10として用いてもよい。この送受部10は、例えば送波部10aが音波を送波してから受波部10bが音波を受波するまでの時間に対応する信号や、受波部10bにおける音波の受波強度に対応する信号等を制御部14に出力する。
【0030】
監視領域内に何らかの物体(図1では人体)が存在する場合、送波部10aから送波された音波の一部はその物体に到達し、反射される。そして、その物体により反射された音波の一部が受波部10bによって受波されることとなる。
【0031】
(構成−反射板)
反射板11は、各監視領域に設置され、送波部10aから送波された音波を受波部10bへ反射する反射手段である。この反射板11は、送波部10a及び受波部10bに対して監視領域を挟んだ反対側に、各送受部10と略対向するように設置される。図1に示す例では、反射板11を設置しなくても送受部10に対向する壁面で音波が反射されて定常状態を維持することができるが、このような対向壁面が無い場合等に、反射板11を設置することが定常状態の安定に役立つ。
【0032】
(構成−検出部)
検出部12は、監視領域内に侵入した物体を検出する検出手段であり、音波とは異なる原理にて各監視領域内に侵入した物体を検出する。この検出部12としては、例えば定常赤外線ビームを投光する投光部12aと、この定常赤外線ビームを受光する受光部12bとを備えた、公知の能動型赤外線センサ(赤外線式遮断型侵入センサ)を用いることができる。図1の例では、投光部12aは送受部10の近傍に、受光部12bは反射板11(反射器)の近傍に設置され、投光部12aと受光部12bを結ぶ線を光軸として定常赤外線ビームを投光するように設定されている。この定常赤外線ビームが人体によって遮断されることを検知することで、監視領域内に侵入した人体を検出することができる。検出部12は、異状監視システム1に必須の構成要素ではないが、これを備えることで異状監視システム1の信頼性を高めることができる等の効果を奏する。この点については後に説明する実施の形態2も同様である。また、検出部12を、投光部12aと受光部12bを一体に備えたものとすることもできる。この場合は、例えば検出部12を送受部10の近傍に設置すると共に、投光部12aからの赤外線を受光部12bへ向けて反射する反射器を、検出部12に対して監視領域を挟んだ反対側に、検出部12と略対向するように設置する。
【0033】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ13は、対象領域における物体の軌跡を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意で、例えば公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きディスプレイを使用することができる。
【0034】
(構成−制御部)
制御部14は、異状監視システム1における各種の制御を行う制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するための、RAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0035】
この制御部14は、機能概念的に、位置特定部14a、及び異状判定部14bを備えている。位置特定部14aは、物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定する位置特定手段である。異状判定部14bは、異状の有無を判定する異状判定手段である。これらの制御部14の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0036】
(構成−記憶部)
記憶部15は、制御部14による制御に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。記憶部15は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。そして、記録内容は必要に応じユーザによって外部から書き換えることが可能になっている。
【0037】
(処理)
次に、上述のように構成された異状監視システム1が実行する処理について説明する。図3は、異状監視システム1が実行する異状判定処理の概略例を示したフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この処理は、例えば、異状監視システム1に電源が投入された場合に起動される。
【0038】
図3に示すように、異状判定処理が起動されると、制御部14は送受部10及び検出部12を起動する(SA1)。
【0039】
次に、位置特定部14aは各送波部10aから監視領域に音波を送波させ、受波部10bに監視領域から音波を受波させると共に、監視領域に侵入した物体を検出するために検出部12に検出動作を行わせる(SA2)。送波部10aは、所定の音波を間欠的に送波し、受波部10bは、監視領域から、この反射音波を受波している。検出部12の検出動作については、本実施の形態1の場合、赤外線式遮断型侵入センサである検出部12の投光部12aから定常赤外線ビームを投光させると共に、受光部12bに当該定常赤外線ビームを受光させ、侵入物体による定常赤外線ビームの遮断、すなわち受光信号断を監視させる。
【0040】
続いて位置特定部14aは、検出部12によって監視領域に侵入した物体が検出されたか否かを判定する(SA3)。具体的には、本実施の形態1の場合、赤外線式遮断型侵入センサの定常赤外線ビームが遮断されたか否かを判定する。
【0041】
その結果、監視領域への物体侵入が判定されなかった場合(SA3、No)、各監視領域には人体等の物体が存在しないと考えられることから、異状判定部14bは異状が無いものと判定し、SA2に戻る。
【0042】
一方、検出部12により監視領域への物体侵入が判定された場合(SA3、Yes)、位置特定部14aは、例えばその物体が検出された監視領域に対して送波部10aが音波を送波してから受波部10bが音波を受波するまでの時間に基づき、送受部10と送波部10aが送波した音波を反射した物体との間の距離を検知する(SA4)。すなわち例えば、送波部10aが音波を送波してから受波部10bが反射音波を受波するまでの時間と音速との積の2分の1を、送受部10から物体までの距離として算出する。
【0043】
次に位置特定部14aは、SA4で算出した送受部10と物体との間の距離に基づいて、物体の位置を特定する(SA5)。すなわち、送波部10aが送波した音波ビーム軸上であって、送波部10aからの距離がSA4で検知した距離である位置を、物体の位置として特定する。ここで特定された物体の位置は、その位置が特定された時刻と対応付けてRAMに記憶される。
【0044】
異状判定部14bは、SA5で位置特定部14aにより位置を特定された物体が、過去の異状判定処理において位置を特定された物体と関連性があるか否かを判定する(SA6)。例えば異状判定部14bは、位置が特定された時刻として最後にRAMに記憶されている時刻と今回の処理において物体の位置が特定された時刻との間隔(経過時間)が所定時間未満である場合に、関連性があると判定する。前回の位置特定から今回の位置特定までの経過時間は、時刻に依らず例えば前回特定時にタイマをスタートしておき今回特定時に当該タイマを停止して参照取得すると共に、次回特定時のために再度タイマをスタートするといった方法によっても知ることができる。
【0045】
その結果、SA5で位置特定部14aにより位置を特定された物体が、過去の異状判定処理において位置を特定された物体と関連性が無いと判定した場合(すなわち、新たな物体の位置が特定されたと判定した場合)(SA6、No)、異状判定部14bは、物体が存在した複数の位置が特定されるまで、すなわち上記の経過時間に基づいて前回位置を特定された物体との関連性があると判定されるまでは異状の有無の判定を保留するものとし、SA2に戻る。
【0046】
一方、SA5で位置特定部14aにより位置を特定された物体が、過去の異状判定処理において位置を特定された物体と関連性があると判定した場合(すなわち、物体が存在した複数の位置が特定されたと判定した場合)(SA6、Yes)、異状判定部14bは、SA5で位置特定部14aにより特定された物体の位置に基づき、ディスプレイ13に物体の軌跡を表示させる(SA7)。図4はこのときのディスプレイ13による表示を例示した図である。例えば図4に示すように、ディスプレイ13には対象領域の平面図が表示されると共に、各送波部10aが送波する音波ビーム軸を示す線(図4では一点鎖線)、及びSA5で位置特定部14aにより特定された物体の位置(図4では丸印)が表示される。さらに、物体の位置が特定された順序と軌跡を示す矢印(図4では点線矢印)が表示される。ここでは連続して関連性ありとされた3点について表示しているが、2点となった時点で表示を開始しても良いし、連続して3点以上の所定数に達した段階で表示を開始するようにしてもよい。また、途中で連続性が絶たれても、その前後複数点の連続性に基づいて、連続性を補完表示するようにしてもよい。
【0047】
続いて、異状判定部14bは、位置特定部14aにて物体の各位置が特定された各時間間隔と、位置特定部14aにて特定された物体の複数の位置の各相互距離とに基づいて、その物体の移動速度を特定する(SA8)。例えば異状判定部14bは、SA5で特定された物体の位置と過去の異状判定処理において最後にRAMに記憶された物体の位置との相互距離を、SA5で物体の位置が特定された時刻とその物体の位置が特定された時刻として最後にRAMに記憶されている時刻との間隔(時間)で除することにより、その物体の移動速度を特定する。
【0048】
次に異状判定部14bは、SA8で特定した移動速度が所定範囲内か否かを判定する(SA9)。この「所定範囲」の具体的な範囲は任意で、例えば人体の移動速度として想定されうる範囲(例えば0.1m/s以上、7m/s未満)を所定範囲とする。このとき、ディスプレイ13には引き続き表示を行わせてもよい。この場合例えば、次回のSA6の判定結果がNoとなった場合(すなわち、新たな物体の位置が特定されたと判定した場合)に、表示を停止するようにすればよい。
【0049】
その結果、SA8で特定した移動速度が所定範囲内ではない場合(所定範囲外である場合)(SA9、No)、異状判定部14bは、SA5で位置が特定された物体は人体ではなく、異状が無いものと判定し、SA2に戻る。
【0050】
一方、SA8で特定した移動速度が所定範囲内である場合(SA9、Yes)、異状判定部14bは、SA5で位置が特定された物体は人体(侵入者)であり、異状が有るものと判定し、警報を出力する(SA10)。警報の内容は任意で、例えば図4に示すように、異状が発生した旨のメッセージ(図4では「侵入者注意!」)をディスプレイ13に表示させたり、スピーカ(図示省略)から警報メッセージや警報音を出力させる。さらに、異状が発生した旨の情報を遠隔の監視センター等に送信してもよい。SA10で警報を出力した後、制御部14はSA2に戻る。
【0051】
なお、SA8で、時間によって関連付けられた3点以上の各位置間における移動速度を特定し、当該特定した移動速度が所定範囲内か否かをSA9で判定してもよい。この場合、各点間の平均移動速度等を適宜用いることができる。
【0052】
(効果)
このように実施の形態1によれば、複数の基準位置に対してそれぞれ異なるように設定された監視領域内に侵入した物体と、当該物体が侵入した監視領域に対応する基準位置との間の各距離を検知し、当該検知した各距離に基づいて、当該物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定し、その複数の位置に基づいて監視領域における異状の有無を判定するので、例えば物体が存在した位置に応じてその物体が人体であるか否かを判別することができ、高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0053】
特に、位置特定部14aにて各位置が特定された時間間隔(前回特定から今回特定までの経過時間)と、位置特定部14aにて特定された物体の複数の位置の相互距離とに基づいて、その物体の移動速度を特定し、その移動速度に基づいて異状の有無を判定するので、例えば物体の移動速度が人体の移動速度として想定しうる範囲内か否か等に基づいてその物体が人体であるか否かを判別することができ、一層高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0054】
また、送波部10aが音波を送波してから受波部10bがその反射音波を受波するまでの時間に基づき、送波部10aと当該送波部10aが送波した音波を反射した物体との間の距離を検知するので、音波を媒体として距離を検知することができる。
【0055】
また、複数の送波部10aが、各送波部10aが音波を送波する方向が略並行になるように配置されているので、各送波部10aから各監視領域に音波を送波することができ、各監視領域内に侵入した物体の位置を正確に特定することができる。
【0056】
また、検出部12により物体が検出された場合に、その物体が検出された監視領域に対応する基準位置とその物体との間の距離を検知するので、検出部12による検出結果を考慮して距離検知の要否を判定することができ、異状判定の信頼性を高めることができる。
【0057】
また、位置特定部14aは、検出部12が物体を検出するために用いる原理(赤外線)とは異なる原理(音波)に基づき、物体の位置を特定するので、複数の原理に基づいて異状有無の判定を行うことができ、誤検出等を低減し、高い信頼性を得ることができる。
【0058】
また、位置特定部14aにより特定された物体の位置に基づき、その物体の軌跡をディスプレイ13に表示させるので、監視領域における物体の移動状況を容易に把握可能な態様で異状に関する情報を表示することができる。
【0059】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、各基準位置に対して設定された各監視領域が、複数の区画領域に分割されている形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0060】
(構成)
まず、異状監視システム1の構成について説明する。図5は、実施の形態2に係る異状監視システム1によって異状の有無を判定する対象となる領域の平面図である。図5に示すように、本実施の形態2では、各基準位置に対して設定された監視領域(図5では「1」、「2」、及び「3」)が、複数の区画(図5では各監視領域について「A」〜「F」の6区画)に分割されている。以下の説明では、各区画領域を「(監視領域の番号)−(区画の記号)」で表すものとする(例えば監視領域「1」の区画「A」であれば、区画領域「1−A」)。なお、本実施の形態2では、対象領域の一部(図5では区画領域「1−E」、及び「2−E」)に障害物があるものとする。
【0061】
(処理)
次に、本実施の形態2に係る異状監視システム1が実行する異状判定処理について説明する。図6は実施の形態2に係る異状判定処理のフローチャートである。なお、実施の形態2における異状判定処理のSB1からSB6は、実施の形態1で説明した図3のSA1からSA6と同様であるので説明を省略する。
【0062】
図6に示すように、SB5で位置特定部14aにより位置を特定された物体が、過去の異状判定処理において位置を特定された物体と関連性があると判定した場合(すなわち、物体が存在した複数の位置が特定されたと判定した場合)(SB6、Yes)、異状判定部14bは、SB5で特定した物体の位置が含まれる区画領域を特定する(SB7)。例えば、各区画領域の範囲を特定するための座標情報を予め記憶部15に記憶させておくものとし、その座標情報とSB5で特定した物体の位置とに基づいて、その物体の位置が含まれる区画領域を特定する。
【0063】
次に、異状判定部14bは、SB5で位置特定部14aにより特定された物体の位置に基づき、ディスプレイ13に物体の軌跡を表示させる(SB8)。図7は実施の形態2に係るディスプレイ13の表示を例示した図である。例えば図7に示すように、ディスプレイ13には対象領域の平面図が表示されると共に、各区画領域の境界を示す線(図7では点線)が表示される。また、SB5で特定した物体の位置を含むとしてSB7で特定された区画には斜線でハッチングが表示され、識別可能となっている。さらに、それらの各区画領域に含まれる物体の位置が特定された順序を示す矢印(図7では点線矢印)が表示される。
【0064】
続いて異状判定部14bは、位置特定部14aにて各位置が特定された時間間隔と、SB7で特定された物体の複数の位置の各々が含まれる区画領域とに基づいて、異状の有無を判定する(SB9)。
【0065】
図8は、異状判定部14bによる異状判定のための確認項目を例示した表である。本実施の形態2において、異状判定部14bは、図8に例示した確認項目毎に、異状有り(侵入者有り)と判定するための条件が満たされているか否かを確認する。
【0066】
図8の例では「単位時間当りの移動区画領域数」、「前回区画領域と今回区画領域の進入可能性」、「前回区画領域と今回区画領域との間の移動可能性」、及び「前回と今回の監視領域の位置関係」が確認項目として設定されている。各確認項目について異状判定部14bが異状有り(侵入者有り)と判定する条件は、確認項目「単位時間当りの移動区画領域数」では「上下及び左右に2区画領域以内」、確認項目「前回区画領域と今回区画領域の進入可能性」では「進入可(前回区画領域と今回区画領域が「1−E」又は「2−E」ではない)」、確認項目「前回区画領域と今回区画領域との間の移動可能性」では「移動可(前回区画領域と今回区画領域との間に「1−E」又は「2−E」が無し)」、確認項目「前回と今回の監視領域の位置関係」では「同一又は隣接」としている。これらの条件を全て満たした場合に、異状判定部14bは異状有りと判定する。
【0067】
ここで、図7の例において、SB7で特定された区画領域が「3−E」、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域が「2−C」であり、単位時間当りの移動区画領域数が図7の図示右方向に2区画、上方向に1区画であった場合を例として説明する。なお「単位時間当りの移動区画領域数」は、例えば、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域からSB7で特定された区画領域までの最短移動区画領域数を、位置特定部14aにてその物体の各位置が特定された時刻の間隔で除することで求める。
【0068】
この場合、図8の確認項目「単位時間当りの移動区画領域数」については、単位時間当りの移動区画領域数が図7の図示右方向に2区画領域、上方向に1区画領域であることから、異状有り(侵入者有り)と判定するための条件「上下及び左右に2区画領域以内」を満たしている。すなわち、侵入者が単位時間あたりに移動可能な区画領域数であると判断する。このような単位時間あたりに移動した区画領域数に基づく判定に代えて、単に移動した区画領域数が所定数以上であるか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、移動した区画領域数が上下及び左右に2区画領域以内であれば異状なし、それを超えれば異状ありとする。また、実施の形態1で説明した図3のSA8及びSA9と同様の処理を行い、これに加えて移動した区画領域数に基づいて侵入者が移動可能か否かを判定してもよい。
【0069】
また、図8の確認項目「前回区画と今回区画の進入可能性」については、SB7で特定された区画領域が「3−E」、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域が「2−C」であり、何れの区画領域も障害物が存在する区画領域(「1−E」又は「2−E」)ではなく侵入者が進入可能であることから、異状有り(侵入者有り)と判定するための条件「進入可(前回区画領域と今回区画領域が「1−E」又は「2−E」ではない)」を満たしている。すなわち、SB7で特定された区画領域、及び過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域に、侵入者が侵入した可能性があると判断する。この確認項目では、例えば前々回に特定された物体の位置を含む区画領域が「1−E」又は「2−E」でないことまでを異状有りの条件としてもよい。すなわち、過去の異状判定処理において連続して関連性があると判定された物体の位置の全て(または最新から所定回数前までの位置)が、進入不可能な区画領域ではないことを異状有りの条件としてもよい。
【0070】
また、確認項目「前回区画領域と今回区画領域との間の移動可能性」については、SB7で特定された区画領域が「3−E」、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域が「2−C」であり、障害物が存在する区画領域(「1−E」又は「2−E」)を経由しなくとも移動可能であることから、異状有り(侵入者有り)と判定するための条件「移動可(前回区画領域と今回区画領域との間に「1−E」又は「2−E」が無し)」を満たしている。すなわち、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域からSB7で特定された区画領域に侵入者が移動した可能性があると判断する。
【0071】
また、確認項目「前回と今回の監視領域の位置関係」については、SB7で特定された区画領域が含まれる監視領域が「3」、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域が含まれる監視領域が「2」であり、相互に隣接していることから、異状有り(侵入者有り)と判定するための条件「同一又は隣接」を満たしている。すなわち、検出された物体が位置を特定されずに監視領域を通過できるような物体ではなく、侵入者の可能性があると判断する。
【0072】
このように、図8に例示した各確認項目の「異状(侵入者)有り」に対応する条件が全て満たされている場合、異状判定部14bは異状有りと判定する。一方、項目「異状(侵入者)有り」に対応する条件の何れかが満たされていない場合には、異状判定部14bは異状無しと判定する。
【0073】
図6に戻り、SB9の判定の結果、異状無しと判定した場合(SB9、No)、異状判定部14bは、SB5で位置が特定された物体は人体ではなく、異状が無いものとし、SB2に戻る。このとき、ディスプレイ13には引き続き表示を行わせてもよい。この場合例えば、次回のSB6の判定結果がNoとなった場合(すなわち、新たな物体の位置が特定されたと判定した場合)に、表示を停止するようにすればよい。
【0074】
一方、異状有りと判定した場合(SB9、Yes)、異状判定部14bは、SB5で位置が特定された物体は人体(侵入者)であり、異状が有るものとし、警報を出力する(SB10)。警報の内容は任意で、例えば図7に示すように、異状が発生した旨のメッセージ(図7では「侵入者注意!」)をディスプレイ13に表示させたり、スピーカ(図示省略)から警報メッセージや警報音を出力させる。さらに、異状が発生した旨の情報を監視センターに送信してもよい。SB10で警報を出力した後、制御部14はSB2に戻る。
【0075】
(効果)
このように実施の形態2によれば、位置特定部14aにて各位置が特定された時間間隔と、位置特定部14aにて特定された物体の複数の位置の各々が含まれる区画領域とに基づいて、異状の有無を判定するので、例えば単位時間あたりの移動区画領域数や各区画領域における障害物の有無等に基づいてその物体が人体であるか否かを判別することができ、一層高い信頼性で異状の有無を判定することができる。
【0076】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0077】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0078】
(適用対象について)
本発明の異状監視システムは、所定領域への侵入監視システムとしてのみならず、建物内の侵入や移動監視、また広域の移動監視等としても適用することができ、防犯以外の目的にも使用することができる。
【0079】
(送受部について)
上述の各実施の形態では、送波部10aが音波を送波してから受波部10bが音波を受波するまでの時間に基づいて音波を反射した物体までの距離や当該距離の変化を検出しているが、音波以外の検出原理(例えばレーザーや電波、マイクロ波等)に基づいて物体までの距離や当該距離の変化を検出してもよいし、光学的な測距による検出としてもよい。また、送波部10aと物体との距離に代えて、受波部10bその他の基準位置と物体との距離に基づいて各種制御を行うようにしてもよい。
【0080】
(検出部について)
上述の各実施の形態では、監視領域内に侵入した物体を検出部12が検出する例を説明したが、検出部12を設けなくともよい。この場合、実施の形態1及び2においては、例えば送波部10aが音波を送波してから当該音波が反射板11や壁面等によって反射され受波部10bによって受波されるまでの時間を初期時間とし、送波部10aが音波を送波してから受波部10bが音波を受波するまでの時間が短くなった場合に、監視領域内に侵入した物体を検出したと判定する。
【0081】
また検出部12を設ける場合、赤外線式遮断型侵入センサに限らず、赤外線式受動型侵入センサやその他のセンサを用いることができる。
【0082】
(異状判定処理について)
上述の各実施の形態では、監視領域に侵入した1つの物体が検出された場合を例として説明したが、監視領域に侵入した複数の物体が検出された場合にも、各実施の形態の異状判定処理を実行することができる。この場合、例えば検出部12によって検出された各物体について並行して異状判定処理を実行し、各物体の複数の位置に基づいて監視領域における異状の有無を判定する。
【0083】
また、物体の移動が検知されない場合、例えば物体が所定時間以上同じ位置(座標)に留まっている(特定された位置に変化がない、または所定範囲内にある)場合には、異状監視システムの障害を予測するようにしてもよい。また、物体が所定時間以上同一区画領域に留まっている場合にも同様に異状監視システムの障害を予測するようにする等、他の処理を追加してもよい。
【0084】
また、例えば検出部12からの赤外線遮断信号に基づいて侵入が検出されたものの、送受部10の、受波部10bの故障等により音波が検出できない場合には、検出部12の赤外線遮断信号に基づいて、ディスプレイ13への表示や警報の出力を行うようにしてもよい。このようにすれば、侵入者の検出洩れを低減することができる。
【0085】
また、実施の形態2では、図6のSB9で異状の有無を判定する際、SB7で特定された区画領域、及び過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域への進入可能性や、過去の異状判定処理において最後に特定された物体の位置を含む区画領域からSB7で特定された区画への移動可能性を判断する例を説明したが、必ずしも区画領域の概念を使用してこれらの判断を行わなくてもよい。例えば、SB5で位置特定部14aにより特定された物体の位置と、対象領域における障害物の位置(例えば座標)情報や形状情報等を含む地図データとから、進入可能性や移動可能性を判断してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 異状監視システム
2 塀
3 建物
10 送受部
10a 送波部
10b 受波部
11 反射板
12 検出部
12a 投光部
12b 受光部
13 ディスプレイ
14 制御部
14a 位置特定部
14b 異状判定部
15 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基準位置に対してそれぞれ異なるように設定された監視領域内に侵入した物体と、当該物体が侵入した監視領域に対応する前記基準位置との間の各距離を検知し、当該検知した各距離に基づいて、当該物体が現在存在している位置、及び過去に存在した複数の位置を経時的に特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置に基づいて、前記監視領域における異状の有無を判定する異状判定手段と、
を備える異状監視システム。
【請求項2】
前記異状判定手段は、前記位置特定手段にて前記各位置が特定された時間間隔と、前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置の相互距離とに基づいて、当該物体の移動速度を特定し、当該移動速度に基づいて異状の有無を判定する、
請求項1に記載の異状監視システム。
【請求項3】
前記各基準位置に対して設定された監視領域が、複数の区画領域に分割されており、
前記異状判定手段は、前記位置特定手段にて前記各位置が特定された時間間隔と、前記位置特定手段にて特定された前記物体の複数の位置の各々が含まれる前記区画領域とに基づいて、異状の有無を判定する、
請求項1に記載の異状監視システム。
【請求項4】
前記監視領域に音波を送波する送波手段と、
前記監視領域から音波を受波する受波手段と、を備え、
前記位置特定手段は、
前記送波手段が前記音波を送波してから前記受波手段が前記音波を受波するまでの時間に基づき、前記送波手段と当該送波手段が送波した前記音波を反射した物体との間の距離を検知する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の異状監視システム。
【請求項5】
複数の前記送波手段が、各送波手段が音波を送波する方向が略並行になるように配置されている、
請求項4に記載の異状監視システム。
【請求項6】
前記監視領域内に侵入した物体を検出する検出手段を備え、
前記位置特定手段は、
前記検出手段により前記物体が検出された場合に、当該物体が検出された監視領域に対応する前記基準位置と当該物体との間の距離を検知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の異状監視システム。
【請求項7】
前記位置特定手段は、前記検出手段が前記物体を検出するために用いる原理とは異なる原理に基づき、前記物体の位置を特定する、
請求項6に記載の異状監視システム。
【請求項8】
前記位置特定手段により特定された前記物体の位置に基づき、当該物体の軌跡を表示する表示手段、
を備える請求項1から7のいずれか一項に記載の異状監視システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−257857(P2011−257857A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130137(P2010−130137)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】