説明

疲労改善剤

【課題】 肉体疲労や精神疲労のみならず、急性疲労、慢性疲労などの幅広い疲労に対して予防および改善に有用な天然由来の疲労改善剤を提供する。
【解決手段】 マメ目マメ科ゲンゲ属植物の地上部、その抽出物またはその抽出物の分画物を有効成分とすることを特徴とする。また、本発明の疲労改善剤は、飲食品、飲食品用素材 (香料組成物等)、医薬品等に配合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物、具体的には
キバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge] 、ナイモウオウギ(Astragalus mongholicus Bunge)、多花オウギ(Astragalus floridus Benth.)、金翼オウギ(Astragalus chrysopterus Bunge)または塘谷耳オウギ(Astragalus tongolensis Ulbr.)の地上部、その抽出物またはその抽出物の分画物を含有する、肉体疲労および精神疲労を予防および改善するための疲労改善剤、並びに当該疲労改善剤を含有する飲食品、医薬品、香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の深刻な問題の一つに疲労人口の爆発的な増加がある。そもそも疲労とは、「肉体的あるいは精神的活動の結果として生じる、仕事量の減少、遂行の非能率化などを特徴とする状態」と定義されており、一般的には精神的疲労と身体的疲労に分類されている。さらに疲労が進行すると能力の低下だけでなく、免疫力の低下や頭痛、うつ、最悪の場合は過労死などを誘引すると言われている。そこで、疲労に関しては、1999〜2005年には文部科学省生活者ニーズ研究として「疲労と疲労感に関する分子神経メカニズムとその防御に関する研究」が実施され、2003年には産官学連携の「疲労定量化および抗疲労食薬品開発プロジェクト」が発足されるなど、疲労改善に関する食薬品の開発が期待されている。
【0003】
加えて、我が国で疲労感を自覚している人の割合は就労人口の約60%で、その半数が半年以上続く慢性的な疲労に悩んでいることが示されている (1999年 厚生労働省調
査研究班 疫学調査)。一般に慢性的な疲労は、肉体的・精神的疲労により複合して形成されるものであり、休息や睡眠による回復が容易でない回復困難な疲労とされる。
【0004】
このような背景の下、肉体的疲労や精神的疲労の改善効果が期待できる食品や剤について、様々な提案もされている。
例えば、肉体的疲労の改善作用を有するものについては、2−ケトグルタル酸を有効成分とした肉体疲労改善剤 (特許文献1参照)、冬虫夏草およびカイクジンを有効成分とし
た肉体疲労に対する効き目が増強された内服液 (特許文献2参照)、ビオチン、パントテ
ン酸、カルニチンを有効成分とする疲労改善剤 (特許文献3参照) がある。これらは、肉体的疲労の改善を評価しているが、精神的疲労に対する効果は明記されていない。
【0005】
一方、精神的疲労の改善作用を有する発明として、茶に含まれるカフェイン、テアニン
、アルギニンの混合成分を有効成分とする精神疲労軽減組成物 (特許文献4参照) があるが、肉体疲労に対する効果は明記されていない。
【0006】
そこで、肉体的・精神的疲労の両方の疲労改善に有効であり、一時的な疲労のみならず、慢性的な疲労に対して改善作用を有し、さらに様々な機会で摂取が可能な汎用性のある疲労改善剤あるいは疲労回復剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−175855号
【特許文献2】特開2001−158747号
【特許文献3】特開平7−233070号
【特許文献4】特開2002−322063号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、肉体疲労や精神疲労のみならず、急性疲労、慢性疲労などの幅広い疲労に対して予防および改善に有用で、汎用性の高い天然由来の疲労改善剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物、具体的にはキバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge] またはナイモウオウギ(Astragalus mongholicus Bunge)の地上部に優れた疲労改善作用があることを見出し、発明を完成させるに至った。また、キバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge] 、ナイモウオウギ(Astragalus mongholicus Bunge)、多花オウギ(Astragalus floridus Benth.)、金翼オウギ(Astragalus chrysopterus Bunge)または塘谷耳オウギ(Astragalus tongolensis Ulbr.)の地上部を利用することで、飲食品など幅広く、汎用的に使用可能とした。
なお、本発明において疲労改善とは、肉体疲労や精神疲労のみならず、慢性疲労などの回復が難しいとされる疲労に対しても、改善 (軽減) するあるいは回復させることを意味する。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)マメ目マメ科ゲンゲ属植物の地上部、該植物の地上部の抽出物または該植物の地上部の抽出物の分画物を有効成分として含有する疲労改善剤。
(2)マメ目マメ科ゲンゲ属植物がキバナオウギ、ナイモウオウギ、多花オウギ、金翼オウギまたは塘谷耳オウギである上記疲労改善剤。
(3)上記の疲労改善剤を含有することを特徴とする疲労改善用飲食品、疲労改善用医薬品または疲労改善用香料組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明の疲労改善剤およびそれを含んでなる飲食品、医薬品、香料組成物等は、優れた疲労改善作用を奏し、肉体的および精神的健康の維持、増進に有用である。
また、有効利用されずに廃棄されている薬用植物の不要部分を、積極的に活用できるので、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】キバナオウギ葉部の熱水抽出物(オウギ抽出物という)の紫外線吸収スペクトルを示したグラフである。
【図2】正常対照群、水浸対照群、オウギ抽出物投与群の水泳耐久時間を示したグラフである。
【図3】正常対照群、水浸対照群、オウギ抽出物投与群の血液中のアラニン濃度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いられるマメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物は、
具体的にはキバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge] 、ナイモウオウギ
(Astragalus mongholicus Bunge)、多花オウギ(Astragalus floridus Benth.)、金翼オウギ(Astragalus chrysopterus Bunge)または塘谷耳オウギ(Astragalus tongolensis Ulbr.)といった草本であり、その地上部、すなわち草本の根部以外の地上に露出した
部分の葉部、茎部および花部が用いられる。
【0014】
キバナオウギまたはナイモウオウギの根部を乾燥したものは、「黄耆(おうぎ)」として漢方薬の繁用構成生薬の一つであり、朝鮮人参と並んで強力な強壮剤として用いられる和漢生薬として知られている。
黄耆は、「神農本草経」上品に黄耆の名で「癰疽といわれる悪性の腫瘍や久しく治らない腐敗した創を治す。また排膿し、痛みを止める」などの薬能をもつと記載されている。古典的な薬能から、黄耆の作用として止汗作用、利尿作用が考えられるが、黄耆の現代薬理学的研究では、広範な作用が報告されている。例えば、血圧降下作用、利尿作用、循環系・血液線溶、抗炎症・抗アレルギー作用、免疫賦活作用、抗腫瘍作用、肝障害抑制、強壮作用、抗菌作用、記憶改善作用、抗酸化作用などが挙げられている(「モノグラフ 生薬の薬効・薬理」、医歯薬出版株式会社発行、2003年5月10日第1版)。
しかしながら、オウギは、多種多様の生薬成分からなる滋養強壮剤の一成分として配合されることはあっても、それ単独で特に肉体疲労の改善に使用されることは無く、疲労回復に有効な素材として知られているとは言えなかった。
【0015】
一方、キバナオウギまたはナイモウオウギの地上部、すなわち植物体の葉部、茎部および花部は、現状では薬用として用いられておらず、食薬区分において食品に分類される天然素材で、有効成分の検討や有効利用はされずに、ほとんどが廃棄されている。以上のことから、廃棄部分の有効利用および、医薬品のみならず食品への汎用性も、高いキバナオウギまたはナイモウオウギの地上部を素材として着目した。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の疲労改善剤はキバナオウギまたはナイモウオウギの地上部そのものおよび/またはその抽出物、さらには抽出物の分画物を有効成分とすることを特徴とする。
本発明に関わる原料としては、マメ目(Fabales)マメ科(Fabaceae(Leguminosae))ゲンゲ属 (Astragalus)の植物、具体的にはキバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge] 、ナイモウオウギ(Astragalus mongholicus Bunge)、多花オウギ(Astragalus floridus Benth.)、金翼オウギ(Astragalus chrysopterus Bunge)または塘谷耳オ
ウギ(Astragalus tongolensis Ulbr.)の地上部、すなわち葉部、茎部および花部であり、疲労改善作用を有するものであれば、いかなる形態のものでもよい。
キバナオウギまたはナイモウオウギの地上部をそのまま用いてもよく、これらを乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕した粉末を用いることもできる。また、これらを溶媒抽出、圧搾、酵素分解、超臨界抽出、濃縮、希釈、固液分離、精製等の公知の技術を単独あるいは組み合わせて得られるエキスあるいは粉体であってもよい。
【0017】
このとき、好ましい方法としては、溶媒抽出が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノールおよびエタノール水溶液が特に好ましい。
用いる溶媒の量は、特に限定されるものではないが、通常は、キバナオウギまたはナイモウオウギの地上部乾燥体に対して0.5〜50質量部、好ましくは1.0〜30質量部、特に好ましくは5.0〜20質量部で用いられる。溶媒量がキバナオウギまたはナイモウオウギの地上部乾燥体に対して0.5未満の場合は、溶媒の種類によっては抽出が十分でない場合があり、溶媒量が50質量部を超える場合は、経済的に有利でない場合がある。
【0018】
また、得られた抽出物を分画してもよい。特に、合成吸着剤による分画が好ましい。本発明に用いる合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーであって、イオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。
本発明に用いる合成吸着剤としては、その母体がスチレン系のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば三菱化学社製の「セパビーズSP70(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.6mL/g、比表面積870m2/g、最頻度半径が71Å)や「ダイヤイオンHP20(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.3mL/g、比表面積590m2/g、最頻度半径が260Å)等が使用できるが、これらに限るものではない。
【0019】
本発明の疲労改善剤においては、キバナオウギまたはナイモウオウギの地上部またはその抽出物の他に、飲食品用又は医薬用として通常用いられている他の任意成分を含有させてもよい。用いられる任意成分としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤及び香料などであり、これらを添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。
【0020】
本発明で更に用いることのできる香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、
【0021】
酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂
肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、
【0022】
プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成あるいは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油あるいは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、
【0023】
カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、
【0024】
アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、
【0025】
オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、
【0026】
グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、
【0027】
サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、
タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、
【0028】
ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、
【0029】
バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、
【0030】
マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0031】
香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には、本発明の疲労改善剤中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量で用いられる。本発明の疲労改善剤の使用形態は、そのままあるいは希釈した状態、乳化状態、更には、粉化した様々な製剤の形で用いることができる。
【0032】
本発明に関わる疲労改善剤を含有する飲食品を製造するには、上記の方法で製造したキバナオウギまたはナイモウオウギの地上部の成分またはその製剤を用いることができ、慣用の手段を用いて、食用に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。
この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用、あるいは水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。
【0033】
本発明の疲労改善剤の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、一日当たり抽出、乾燥した粉末として1mg〜10g程度、好ましくは10mg〜1gとされ、一日数回に分けて摂取してもよい。
【実施例】
【0034】
本発明を以下の実施例を用いてさらに詳細に説明するが、以下の実施例は、例示の目的にのみ用いられ、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
キバナオウギの乾燥葉1kgに対して、15kgの水を加え1時間加熱還流抽出した。冷却後、残渣を濾過して得られた抽出液を約2Lまで減圧濃縮し、凍結乾燥して250gの粉末を得た。
図1に示すように、抽出物の物性は、以下の通りであった、a)紫外線吸収スペクトル(測定濃度20ppm、希釈溶剤:蒸留水)λmax:200nm、265nm。測定機器は、株式会社島津製作所製「分光光度計UV−2450」を使用した。
【0035】
〔実施例2〕
キバナオウギの乾燥葉1kgに、15kgの50%エタノール水溶液を加え、1時間加熱還流抽出した。冷却後、残渣を濾過して得られた抽出液を約2Lまで減圧濃縮し、凍結乾燥して200gの粉末を得た。
【0036】
〔実施例3〕
キバナオウギの乾燥葉1kgに15kgの水を加え1時間加熱還流抽出した。冷却後、残渣を濾過して得られた抽出液を減圧濃縮し、2kgのエキスを得た。
【0037】
〔実施例4〕
実施例3で得られたエキスを、三菱化学社製の合成吸着剤「SEPABEADS(R) SP70」を充填したカラム(直径135mm×長さ120cm)に注入した。カラムから溶出する水溶液を回収し、その後、さらに7kgの水で溶出したものを濃縮し、2kgの分画エキスを得た。
【0038】
〔実施例5〕錠剤
実施例1で得られた凍結乾燥粉末50gに、トウモロコシデンプン2.0g、乳糖50g、ステアリン酸カルシウム0.2g、タルク1.8gを充分に混合した後、打錠機により打錠し、重量0.52gの錠剤を200錠製造した。
【0039】
〔実施例6〕顆粒剤
実施例3で得られたエキス5.0gに、乳糖5.0g、トウモロコシデンプン5.0gを加えて練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。
【0040】
〔実施例7〕カプセル剤
実施例4で得られた分画エキス5.0g、トウモロコシデンプン5.0g、乳糖5.0g、結晶セルロース1.0gを充分に混合した後、カプセルに充填し、カプセル40個とした。
【0041】
〔実施例8〕キャンデー
水飴280g、グラニュー糖360g、実施例3のエキス120gを混合した後、155℃まで加熱した。その後、120℃まで冷却し、クエン酸12g、香料1.2g、グリセリン50gを添加し、成型、冷却後完成した。
【0042】
〔実施例9〕チューインガム
ガムベース50gに、砂糖100g、香料0.5g、実施例1の凍結乾燥粉末の1重量%水溶液30gを添加し、ニーダーを使用して練り、成型後完成した。
【0043】
〔実施例10〕ドリンク剤
実施例4の分画エキス1000mgを高麗人参エキス500mg、ビタミンB1、10mg、分岐鎖アミノ酸粉末500mg、ぶどう糖0.7kg、蒸留水5.3mgおよび香料6mgと混和し、加熱殺菌後、1本60mlの密封容器に無菌的に充填し、ドリンク剤を得た。
【0044】
〔実施例11〕茶系飲料
緑茶葉10gに、80℃の熱湯1000gを加えて3分間滲出させた後、200メッシュの網で茶葉を除き、緑茶飲料を得た。この緑茶飲料に、実施例4の分画エキス10gを添加し、混合して完成した。
【0045】
〔実施例12〕清涼飲料
バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC100mgに、実施例3のエキス10mlを加え、これに水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に炭酸ガスを封入し、清涼飲料水を得た。
【0046】
本発明の疲労改善剤の抗疲労作用を慢性疲労モデルラットを用いた強制水泳試験で評価した。
〔試験例〕
(1)実験材料
実施例1で得られたキバナオウギの葉部の熱水抽出物 (以下、「オウギ抽出物」という) 及び雄性で9週齢のSDラット18匹を3群に分け、試験を行った。
【0047】
(2)方法1〔慢性疲労ラットの作製〕
プラスチック製ケージの底から1.5cmの高さまで水道水 (水温23±1℃) を入れた水浸用ケージを用いてラットを5日間飼育し、慢性疲労ラットとした。本環境下で飼育したラットは疲労困憊状態にあり、慢性疲労のように肉体疲労と精神疲労をあわせもった現代人に特有の疲労に近い状態の動物モデルであると考えられている (Tanaka M., et. al., Neuroscience Letters 352 (2003) 159-162)。飼育期間中、オウギ抽出物をゾンデを用いて反復経口投与し(1日1回、1,000mg/kg)、オウギ抽出物投与群とした

なお、オウギ抽出物の代わりに蒸留水を投与した群を水浸対照群とした。一方、通常の飼育ケージで飼育した群は正常対照群とした。
【0048】
(3)方法2〔強制水泳試験〕
強制水泳試験は、方法1の通りに通常飼育および水浸飼育したラットについて飼育6日目に実施した。ラットの体重を測定し、体重の8%の錘を尾根部にガムテープで取り付けた後、水道水の入った円形の水槽 (直径:18cm、高さ:70cm、水深:40cm、水温:23±1℃) 中に入れ、水泳開始からラットの鼻部が水面から10秒間沈むまでの時間 (水泳耐久時間) を計測した。その結果を図2に示す。
【0049】
(4)方法3〔血中アミノ酸濃度分析〕
ストレス負荷により血中アミノ酸濃度が変化する。特にアラニンは長期的なストレス負荷下においても減少し続けることが報告されている (Himeaki K., et. al., J Nutr Sci Vitaminol, 48, (2002) 194-200)。
そこで、方法2の強制水泳試験開始約2時間後のラットから採血した。採取した血液中のアミノ酸濃度は以下の操作により測定した。採取した血液から遠心分離 (約4℃、3,
000rpm、15分間) して得た血清に対して同量の0.3%ホスホサリチル酸を加え、4℃で24時間静置後、さらに遠心分離し、得られた上清を分取した。これを0.45μm のメンブランフィルターで濾過し、濾液を株式会社日立製作所製「全自動アミノ酸自動分析機 (L−8500A)」 を用いてアラニンの濃度を測定した。その結果を図3に示す。
【0050】
(5)結果
図2に示すように、水浸対照群は、正常対照群と比較して、有意な水泳時間の短縮が認められたが、オウギ抽出物投与群は、水浸対照群と比較して、水浸対照群の1.8倍に水
泳時間を延長した。また、図3に示すように、オウギ抽出物投与群においては、血中アラニン量についても回復傾向が認められた。以上の結果から、オウギ抽出物による疲労改善効果が示された。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明により、マメ目マメ科ゲンゲ属の植物の地上部またはその抽出物またはその抽出物の分画物を有効成分とする疲労改善剤の提供が可能となった。これに伴い、天然物由来の安全性、汎用性が高くかつ効果の期待できる健康食品等の飲食品または飲食品用素材および医薬品を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物の地上部を有効成分として含有する疲労改善剤。
【請求項2】
マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物の地上部の抽出物を有効成分として含有する疲労改善剤。
【請求項3】
マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物の地上部の抽出物の分画物を有効成分として含有する疲労改善剤。
【請求項4】
マメ目マメ科ゲンゲ属(Fabales Fabaceae Astragalus)植物が、キバナオウギ[Astragalus membranaceus(Fisch.)Bunge]、ナイモウオウギ(Astragalus mongholicus Bunge)、多花オウギ(Astragalus floridus Benth.)、金翼オウギ(Astragalus chrysopterus Bunge)または塘谷耳オウギ(Astragalus tongolensis Ulbr.)である請求項1〜3のいずれかの項に記載の疲労改善剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の疲労改善剤を含有することを特徴とする疲労改善用飲食品。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の疲労改善剤を含有することを特徴とする疲労改善用医薬品。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の疲労改善剤を含有することを特徴とする疲労改善用香料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−126823(P2011−126823A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287573(P2009−287573)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【Fターム(参考)】