説明

痔の治療パッド

痔の治療パッド、その身体に面する面上に物質を有する痔の治療パッド、スキンケア組成物を含む物質。スキンケア組成物は、約0.001重量%〜約0.1重量%のヘキサミジンと;約0.001重量%〜約10重量%の酸化亜鉛と;約0.01重量%〜約10重量%のナイアシンアミドと;キャリアとを有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性肛門用パッドに関する。具体的には、本発明は、痔の治療が必要な人に装着されることを目的とする痔の治療パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
外痔核は、一般に痛みと不快症状を生じる。加えて、痔が傷ついた場合には、それらは出血する場合があり、これにより、驚き心配する場合がある。痔の苦痛緩和パッドの使用は、先行技術において既知である。ベルト及びストラップを使用するパッドが提案されてきたが、これらのパッドは不快である可能性があり、使い捨てでない場合には不衛生である場合がある。ベルト及びストラップの使用は回避するが、極めて侵襲性であり、多くの場合ひどく炎症を起こしている肛門を通って挿入すること及び患部への加圧を必要とする、その他のパッドが提案されてきた。殿裂内への挿入のために、市販の皮膚軟化剤ワイプトリートメントが入手可能である。これらのトリートメントは、非常に油っぽく及び湿潤性である傾向があり、並びに望ましくない残留物をユーザーの手に残す可能性があり、相当な洗浄を必要とし、不便さを伴う。
【0003】
米国特許第2,742,042号(1956年4月17日発行)、及びRE24,385(フランダーズ(Flanders)、1957年10月1日発行)は、肛門に向かう肛門の斜面部分に挿入するためのパッドとして配置され、斜面部分の皮膚表面の保持作用により所定位置に保たれるナプキンを開示する。この手法に関する1つの潜在的な問題は、ナプキンの表面が殿裂の皮膚表面に擦るように接触し、これは直腸の会陰腱中心区域を刺激して、擦りむき及び関連する皮膚疾患を生じる可能性があることである。別の問題は、身体の滲出物がナプキンと皮膚の間に接着力を与え、ナプキンを取り外す時に、組織を剥ぎ取ることを包含する、著しい不快症状を生じる可能性があることである。また、不慮の直腸の排泄物及び衣類の汚れを回避するために、ナプキンが肛門に関して満足に配置されていない場合もある。
【0004】
米国特許第3,570,489号(ブラウン(Brown)、1971年3月16日発行)は、望ましくない直腸の排泄物を遮断するために、肛門の中に挿入するための装置を開示する。ブラウン(Brown)は、直腸の中に挿入する、直腸の排泄物を吸収するための繊維材料に結合された装置を開示する。一般に、直腸への挿入装置は、それらが、装置を所定位置に固定するために適切に発達し及び機能する肛門括約筋を患者が有することを必要とするため、すべての場合において満足であるとは証明されていない。これらの装置は、患者が活動的であり移動できる場合には、組織に対する装置の機械的刺激のために、肛門管に刺激性である可能性があり、安全でない可能性がある。
【0005】
米国特許第4,484,919号(ゾーン(Sohn)ら、1984年11月27日発行)は、殿裂に適合する細長い吸収性パッド、及び直腸区域の別の部分に接着する固定剤に付着した基部を包含する、直腸用包帯を開示する。この装置に関する潜在的な問題は、身体の動きの結果として生じる機械力が、直腸用包帯を殿裂内で移動させる可能性があることである。これは、不快症状、炎症、及び肛門周囲区域の擦り切れを生じる可能性がある。その上、自然な身体の動きによって生じる肛門周囲区域からの装置の何らかの移動が、結果として包帯によって吸収されない直腸の排泄物を生じる可能性がある。
【0006】
米国特許第5,695,484号(コックス(Cox)、1997年12月9日発行)は、鞍状であり貼付剤を所定位置に保つために、貼付剤の表面上に接着剤のコーティングを有する肛門用貼付剤を開示する。この装置に関する潜在的な問題は、特に刺激物に対してより敏感な皮膚を有することが知られている痔を治療するという状況において、接着剤のコーティングが皮膚に刺激性である可能性があることである。
【0007】
米国特許第4,702,237号(ジャノプーロス(Gianopoulos)ら、1987年10月27日発行)は、痔を肛門開口部内に物理的に保持するために肛門区域に接着されるように設計された痔の固定器具を教示する。しかしながら、こうしたパッドを臀部の皮膚に接着することは、痛く及び不快症状を生じる可能性がある。
【0008】
米国特許出願2001/0003157A1(トス(Toth)、2001年6月7日公開)は、痔の苦痛緩和、及び肛門区域に圧力を加えるように設計された肛門用衛生パッドを教示する。特に、パッドは、向かい合う臀部の表面の間に設置される場合に、圧力を加える。パッドの明らかに大きい及び嵩高い形状は、パッドを用いるのを非常に不快にさせる可能性がある。
【0009】
PCT国際公開特許WO00/02508(ゴメス(Gomez)ら、2000年1月20日公開)は肛門区域で用いられることを目的とする衛生タオルを開示する。タオルは、弓形又は円錐形の形状、及びくさび形様の先端を有する。しかしながら、特に相対的に長期の間、どのようにタオルが所定位置に保持されるかについては明らかでない。これらの及びその他の既知のパッド及び装置は従って、有効で衛生的な及び最小限に侵襲的な、痔の問題の解決を所望する人々にとって完全に有効ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故に、長期の間、相対的に快適に装着できる痔の治療パッドを有することは望ましい。
更に、接着剤を使用せずに所定位置に留まることができる痔の治療パッドを有することは望ましい。
最後に、肛門区域の不快症状を和らげ、状態を改善する助けをすること、及び直腸の排泄物を吸収することの両方ができる痔の治療パッドを有することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
痔の治療パッドが開示され、痔の治療パッドは、その身体に面する面上に物質を有し、物質はスキンケア組成物を含む。スキンケア組成物は、約0.001重量%〜約0.1重量%のヘキサミジンと;約0.001重量%〜約10重量%の酸化亜鉛と;約0.01重量%〜約10重量%のナイアシンアミドと;キャリアとを有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書は、本発明の主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明から更に容易に理解できると考えられ、その際:
図1に示される痔の治療パッド20は、「x」軸に沿って伸びる長手方向中心線Lを有する。本明細書で使用する時、「長手方向」という用語は、痔の治療パッド20が装着される場合に、直立した装着者を左半身と右半身とに二等分する鉛直面とほぼ一列に並ぶ(例えば、およそ平行になる)、痔の治療パッド20の平面における線、軸、又は方向を指す。本明細書で使用する時、「横断方向」「横方向」又は「y方向」という用語は互換可能であり、長手方向軸にほぼ垂直である線、軸、又は方向を指す。横方向は、図1において「y」方向として示される。図1に示される痔の治療パッド20はまた、横断方向中心線Tを有する。図2に示される「z」方向は、上記の鉛直面に平行な方向である。「上方の」という用語は、装着者の頭の方に向かうz方向の配向を指す。「下方の」又は「下向きに」とは、装着者の足の方に向かうことである。
【0013】
図1〜図3に示されるように痔の治療パッド20は、上面と呼ばれることもある、身体に面する(又は身体に接触する)側面20A及び向かい合った下面20Bを有する。痔の治療パッドは、パッド様の本体部分(又は「中央吸収性部分」)22、及び本体部分22の下面20Bに接合して全体の痔の治療パッドに「T」形状の断面構造を提供する、任意の設置及び取り外しタブ52を具備する。本体部分22は、いずれかの好適な構造であってもよい。図1のように上から見る場合、本体部分22の形状の非限定例には、卵形、楕円形、台形、長方形、三角形、菱形、又は上記のもののいずれかの組み合わせが挙げられる。図1に示されるように、本体部分22及び痔の治療パッド20の全体の好ましい平面図の形状は、ほぼ卵形又は楕円形である。本体部分22の平面図の形状は、横断方向中心線Tからその前の末端部及び後ろの末端部に向かって次第に細くなる。この実施形態では、本体部分22は、その側面の輪郭において相対的に均一であるが、図3に示されるように、前から後ろに僅かに次第に細くなってもよい。
【0014】
図1〜図4に見られるように、痔の治療パッドは、好ましくは、液体透過性トップシート42、トップシート42に接合した液体不透過性バックシート38、及びトップシート42とバックシート38との間に配置された吸収性コア44を具備する。幾つかの実施形態では、トップシートがバックシートに直接、接合する必要はない。痔の治療パッド20は、好ましくは、パッド20の少なくとも大部分が、装着者の殿裂内に快適に適合し、装着者の肛門の開口部を覆うような、大きさ及び形状である。痔の治療パッド20は、痔からの血液、直腸の排泄物、及び/又は装着者の肛門開口部周囲からのその他の身体の滲出物を少なくとも部分的に遮断し、より好ましくは完全に遮断及び阻止する。痔の治療パッド20はまた、柔らかく、表面を傷つけない圧力を装着者の肛門及び殿裂に提供して、痔に関連する痛みを緩和することができる。
【0015】
痔の治療パッド20の大きさは、その快適性及び有効性に重要である。痔の治療パッド20の長さは、長手方向(又は「x」方向)における長手方向中心線Lに沿って測定される。痔の治療パッド20は、好ましくは約40mmより大きく、及び約130mmより小さい長さL1を有する。より好ましくは、長さL1は、約60mm〜約100mmである。痔の治療パッド20の幅は、横断方向(又は「y」方向)における横断方向中心線Tに沿って測定される。痔の治療パッド20は、好ましくは約25mm〜約60mmの最大幅W1を有する。厚さ(又はキャリパー)は、パッド20の本体部分の「z」方向の寸法である。本明細書に与えられるキャリパーの測定は、0.25psi(1.7kPa)(計器)荷重及び0.96インチ(2.44cm)直径のフットを有するAMES計を用いて測定された。0.96インチ(2.44cm)直径のフットが、特定の試料の大きさにとって適切でない場合には、フットの大きさは変化してもよいが、一方で計器上の荷重は0.25psi(1.7kPa)(計器)の封圧を維持するために、それに応じて変化することを当業者は認識している。痔の治療パッド20の本体部分のキャリパーT1は、好ましくはパッド20の幅W1、及び長さL1より小さい。好ましくは、痔の治療パッド20の本体部分のキャリパーT1は約8mm以下であり、より好ましくはキャリパーT1は約6mm以下であり、更により好ましくはキャリパーは約4mm以下である。
【0016】
痔の治療パッド20の本体部分22は、好ましくは、長手方向軸について容易に折り曲げられるために十分に可撓性であるが、所定位置に保持されるために十分な曲げ剛性を有する。これは、痔の治療パッド20の装着の快適性を増し、痔の治療及び管理が成功する可能性を増す。好ましくは、痔の治療パッド20は、殿裂のいずれの形状にも適合するように十分な可撓性及び曲げ剛性を有する。いずれにせよ、曲げへの抵抗力は、殿裂内での使用のため配置される場合に、装着者の臀部表面上で僅かな外向きの圧力を提供するのに十分であることが必要である。
【0017】
痔の治療パッド20は、好ましくは、いずれかの滲出物、例えば装着者の身体から排泄された血液又は直腸からの漏れを吸収及び保有するために十分な吸収力を有する。実際の収容能力の要件はごく僅かであり得るが、痔の治療パッド20は幾らかの吸収能力を有することが望ましい。吸収能力は、痔の治療パッド20の物理的体積に少なくとも部分的に依存する。
【0018】
本発明の痔の治療パッド20の吸収性コア44は、直腸の排泄物の中程度の量を吸収するために十分な液体収容能力を有することができる。好ましくは、吸収性コア44は、少なくとも約0.2g、より好ましくは少なくとも約1.0g、最も好ましくは少なくとも約5.0gの直腸の排泄物を吸収する収容能力を有する。吸収性コア44は、少なくとも約10.0gの総収容能力を有することができる。
【0019】
吸収性の痔の治療パッド20は、好ましくは少なくとも約1gの0.9重量%の食塩水溶液の収容能力を有し、濡れると膨張する吸収性のゲル又はフォームを用いることにより、約30gまでの収容能力を有してもよい。好ましくは収容能力は、典型的には、生理食塩水について約2〜約10g、好ましくは約0.1g〜約5g、より好ましくは約0.1g〜約3gの範囲である。血液のような直腸の排泄物の吸収のための収容能力は、典型的には生理食塩水の吸収について上記で与えられた収容能力より小さいことを、当業者は認識している。吸収能力の測定のための方法は、「吸収能力試験方法」により、以下の試験方法の項に開示される。
【0020】
痔の治療パッド20は、その完全に組み立てられた構造において示されるように、好ましくは、少なくとも1つの好ましい折り曲げ軸Aを具備する。好ましい折り曲げ軸Aは、好ましくは、痔の治療パッド20の長手方向中心線Lにほぼ沿って設置される。好ましい折り曲げ軸Aは、パッド20の側面32で横断方向に内側に向けられた圧縮力Fを受ける場合に、それに沿って痔の治療パッド20が曲がりやすい又は折り曲げやすい線又は軸である。好ましい折り曲げ軸Aは、製品構造から自然に得られてもよく、又はパッド20は、トップシート42、バックシート38、及びコア44のいずれか若しくはすべてにおいて、好ましい折り曲げ軸Aを作成するために軟化した軸又は領域を付与されてもよい。こうした軟化した軸は、折り目付け、予備折り曲げ、切れ込み、又は同様なものなどのいずれかの様々な既知の技術によって作成されてもよい。痔の治療パッド20は、複数の好ましい折り曲げ軸から構成される好ましい折り曲げ領域を含んでもよい。いずれの数のこのような軸が、こうした領域を構成してもよい。
【0021】
図4に示されるように、痔の治療パッド20は、装着者の殿裂内への挿入前に、好ましい折り曲げ軸Aに沿って折り曲げられる。いったん挿入されたら、パッド20は好ましくは僅かに開かれて、パッド20のトップシート42を装着者の向かい合った臀部の表面の内壁に接触したまま保つ。パッド20がより開きやすくなるように、パッド20は、好ましい折り曲げ軸Aに沿って弾力的に僅かに偏ってもよい。これにより、折り曲げられたパッド20が「ばね」として作用することができ、結果として、痔の治療パッド20が所定の位置にある場合に、パッドのトップシート42が向かい合った臀部表面の内面内に接触したまま残る傾向を増加することができる。上記の好ましい実施形態に従って構築されたパッド20は、しかしながら、こうした接触を維持するための能力を提供するいずれかの追加の構造特性を必ずしも必要としない。
【0022】
図1〜図3に示される痔の治療パッド20(即ちパッドが末端部で次第に細くなるもの)は、パッドが装着者の殿裂に容易に及び快適に適合することを可能にする。こうした次第に細くなる形状を有するパッド20は、好ましい折り曲げ軸Aに沿って折り曲げられる場合に(図4のように)、折り曲げ軸Aに沿った最も高い点(「z」方向に測定される時)が、末端部ではなくパッド20の中央近くにある輪郭を有する。
【0023】
好ましいローションに関して、より詳細に以下に記載されるように、痔の治療パッド20は、好ましくは使用前にトップシート42上に付着される物質46を有し、この物質46は、使用中に痔の治療パッド20を所定の位置に保持するために一定量の接着を提供することができる。痔の治療パッド20を所定の位置に保持するための物質46は、好ましくは幾つかの追加の特徴を有する。それは、痔の治療パッド20を不快症状なしに適切な位置に容易に設置し、刺激なしに装着できるようにすることが必要である。またそれは、トイレでの廃棄に好適であるように、好ましくは生分解性であることが必要である。痔の治療パッド20がフラッシャブル設計である場合は、物質46の存在はまた、痔の治療パッド20のフラッシャブル性を妨げないことが必要である。痔の治療パッド20を所定の位置に保持するための好ましい物質は、剪断力(例えば、装着者が歩行する場合に作用するもの)下での脱離に対しては抵抗力を提供するが、剥離力を用いて快適に取り外すことができるものである。
【0024】
痔の治療パッド20を所定位置に保持するための物質46には、典型的には接着剤として認識される物質、並びに一般に接着剤とは考えられない物質(即ち、非接着剤物質)が挙げられる。好適な接着剤には、感圧接着剤、及び粘着性の非感圧接着剤物質が挙げられる。好適な感圧接着剤には、シリコーン系感圧接着剤、例えばポリシロキサン、変性ポリシロキサン、ヒドロコロイド系接着剤、デンプン系接着剤、水分活性化接着剤、及びいずれかの既知の「身体用」接着剤が挙げられる。
【0025】
任意に、痔の治療パッド20は、その身体接触面上に非接着剤物質46を提供されて、痔の治療パッド20を所定の位置に保持する。非接着剤物質46は、「粘着性」(即ち、粘着し易さ)を有する種類であってもよく、又はそれは「粘着性」を有しない種類であってもよい。好適な非接着剤物質には、ワックス(例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、シリコーンワックス、ポリエチレンワックス(polythylene waxes))、脂肪アルコール、高分子量アルコール、脂肪酸、石油ゼリー、シーリング軟膏、非イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化アルコール、エトキシル化長鎖アルコール、及びエトキシル化脂肪酸、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミノ酸、水分活性化物質、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の好適な非接着剤物質46は、両方共ヤング(Young)らへの米国特許第5,085,884号(1992年2月4日発行)、及び米国特許第5,422,131号(1995年6月6日発行)、並びに米国特許第5,422,131号(エルスン(Elsen)らに発行)のもとで、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(the Procter & Gamble Company)により製造された人工脂肪オリーン(OLEAN)である。いずれかの特定の理論により束縛されることを望むものではないが、こうした物質は、高い粘度又は表面張力のために対象を所定の位置に保持する場合があると考えられている。
【0026】
痔の治療パッド20を所定の位置に保持するための物質46は、痔の治療パッドに適用される前に、他の物質と組み合わせることができる。こうした他の物質は、痔の治療パッド20を所定の位置に保持するための物質46の構成成分として、又は痔の治療パッド20を所定の位置に保持するための物質46のキャリアとしての役目をすることができる。これらの方式のいずれかにおいて役立つことができる物質の非限定例は、ローション、皮膚軟化剤、及び鉱油である。例えば、痔の治療パッドを所定の位置に保持するための物質46は、ローションの処方中に混合されるポリエチレングリコールであってもよく、これは挿入プロセスの間に潤滑性を提供し、水分に接触する場合に粘着性を発現する。別の例では、皮膚軟化剤が、粒子状形態であるPEGのキャリアとして用いられることができる。更に別の例では、PEGは液体形態であってもよく、他の材料のキャリアとしての役目をすることができる。
【0027】
上記の物質46は、痔の治療パッド20の身体接触面に、間欠的な模様、連続的な模様、又は間欠的及び不均一な部分の両方を有する模様において適用することができる。「間欠的」とは、ローション組成物の量、配置、分配の模様などがトップシート表面上で変化できることを意味する。例えば、トップシートの処理された表面の幾つかの部分は、ローション組成物をその上に全く有さない表面部分を包含する、より多い量又はより少ない量のローション組成物を有することができる。物質を間欠的な模様、例えば長手方向に向いた縞(又は複数の縞)で適用することは、痔の治療パッド20中への液体の獲得についての物質の妨害を最小化することが望ましい場合には、液体を物質の間欠的な領域の間の吸収性コア中に運搬することができるため、有用である場合がある。物質を連続的な模様で適用することは、物質46が装着者の身体に行う接触を用いて痔の治療パッドの身体接触面上の滲出物の流れに対して障壁を構築することが望ましい場合には、有用である場合がある。しかしながら、連続的な模様での物質の適用は、痔の治療パッド20が直腸の排泄物、血液、又は糞便を吸収するのを妨げる不浸透性の障壁を形成するべきではない。
【0028】
物質46が間欠的に適用される場合には、いずれの模様が使用されてもよく、例えば小さい液滴(例えば、噴霧により得られる)、不連続なドット(例えば、グラビア印刷により得られる)、物品の長手方向又は横方向に伸びる交互の縞などが挙げられる。交互の縞とは、ローションが適用されない領域により分離される、縞としてローションが適用される領域を意味する。物質46は、痔の治療パッド20に直接適用されることもできるし、又は別の物質若しくは構成要素に適用されてもよく、次にこれが痔の治療パッド20の望ましい部分に接着される。物質46は、本体部分22の身体接触面、中央吸収性部分、可撓性の伸張部分、又は痔の治療パッドの身体接触面全体の表面積をいずれかの割合で覆うことができ、本体部分22の身体接触面が、不連続な未処理領域を含む実施形態では、身体接触面領域の開放区域の割合は非常に広く変化できる。(本明細書で参照する場合、身体接触面の「開放区域の割合」は、(i)身体接触面の表面積を測定すること、(ii)未処理の領域(又は複数の領域)の合計表面積を測定すること、及び(iii)測定値(ii)を測定値(i)で割り算することにより決定される。本明細書で使用する時、「未処理」とは、物質46の約0.05g/m2未満を有する身体接触面領域を意味する。この点に関して、開放区域の割合は約1%〜約99%、約5%〜約95%、約10%〜約90%、約15%〜約85%、約20%〜約80%、約25%〜約75%、約30%〜約70%、又は約35%〜約65%であってもよい。望ましい物質46の効果及びトップシートの望ましい流体処理特性を達成するために必要な開放区域の割合は、物質46の特徴(特にローションの組成、及びその相対的な疎水性/親水性特性)によって大きく影響される。
【0029】
特定のローション組成物(例えば疎水性であるもの)については、トップシート42の未処理領域は、直腸の排泄物の吸収性コア中への通過を更に促進する。驚くべきことに、トップシートが間欠的に処理されている(例えば、トップシートは、ローションが適用されない微視的又は巨視的領域を有する)としても、物品の装着中には、ローションは装着者に、トップシートの非ローション領域に対応する皮膚の領域にまで移動する。皮膚に移動されるローションの量及び均一性は、例えば装着者の皮膚のトップシートへの接触、装着時間中に生成される装着者の皮膚と処理されたトップシートとの間の摩擦、ローションの移動を高める装着者が生成する暖かさ、ローションの特性、ローション組成などが挙げられる、幾つかの要因に依存すると考えられている。
【0030】
1つの好ましい実施形態では、トップシートは、物品の長手方向に伸びるローションの縞を含む。こうした実施形態では、各ローションの縞は、典型的には約1.0mm〜約24.0mm、より典型的には約1.0mm〜約12mmの幅を有することができ、及びローションを含有しない縞の幅は、典型的には約1.0mm〜約24mm、より典型的には約1.0mm〜約12mmであってもよい。
【0031】
物質46は、痔の治療パッド20のいずれかの好適な部分上に設置されることができる。物質46は、痔の治療パッド20の身体接触面の全体上に、又はその一部分上に設置されることができる。例えば、物質46は、本体部分22の身体接触面のすべて又はその一部分上に設置されることができる。痔の治療パッドが、中央吸収性部分、及びそれから伸びる可撓性の伸張部分を具備する種類である場合には、物質46は、中央吸収性部分、可撓性の伸張部分、又は中央吸収性部分及び可撓性の伸張部分の両方の上に設置することができる。物質46は、従って痔の治療パッド20の中央の領域上に設置することはできるが、痔の治療パッドの周囲の部分には設置できない。しかしながら、より好ましくは、物質46は、痔の治療パッドの身体接触面の周囲の部分上に設置されてもよいが、中央の領域上には設置されなくてもよい。物質46が肛門開口部の周囲の敏感な組織に害を及ぼす何らかの傾向を最小化することが望ましい場合には、後者の方式で物質46を配置することは有利である場合がある。物質46はまた、パッドの末端部(及び/又は側面)に向かう滲出物の流れを妨ぐための封止を作り出すために用いることができる。好ましい実施形態では、物質46は、身体接触面の端に沿って、又は例えば端からおよそ5mm伸びる縞において適用することができる。
【0032】
物質46は、痔の治療パッド20に、いずれかの好適な量で適用することができる。これらの目的のため、痔の治療パッド20に適用される物質46の量は、パッド及び物質46の重量を包含する総製品重量の割合として表すことができる。好ましくは、物質46は、痔の治療パッドの全体の重量に過剰に寄与しないように、総製品重量の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、最も好ましくは約5重量%以下を構成する。これにより、総製品重量の大部分を、吸収能力を提供することに当てることができる。
【0033】
あるいは、痔の治療パッド20に適用される物質46の量は、トップシートの身体接触面に適用される量として表すことができる。好ましくは、物質46は、約0.0155g/m2(0.01mg/in2)〜約310g/m2(200mg/in2)、好ましくは約0.155g/m2(0.1mg/in2)〜約155g/m2(100mg/in2)、より好ましくは0.5g/m2(0.32mg/in2)〜約93g/m2(60mg/in2)で吸収性物品に適用することができる。もちろん、身体接触面に相対的に高い割合の開放区域を有する物品については、トップシートによる流体処理に不利に影響せずに、より大きい付加濃度が得られる場合がある。
【0034】
痔の治療パッドが殿裂内の望ましい所定位置に留まるのを助けるために、その上に様々な物質を有する痔の治療パッドについて、多くの可能な具体的な実施形態がある。痔の治療パッドは、本明細書に記載されるいずれかの適用模様でそれに適用される、本明細書に記載される1以上の物質を有することができる。好ましいローション物質46が以下に記載される。
【0035】
本明細書に記載される、痔の治療パッド20を所定位置に保持するための物質の様々な実施形態に加えて、痔の治療パッドは、その他の任意の特性を備えることができる。例えば、本発明の痔の治療パッドは、ユーザーに、身体の滲出物に関連する臭いを制御する効果を提供することができる。追加の臭気制御剤が、臭いの更なる減少のために吸収性コアに添加されてもよい。こうした臭気制御剤には、これらに限定されないが、活性炭、ゼオライト、シリカ、ポリアクリル酸(超吸収剤)、特定の第四級化合物、トリエチルシトレート、シクロデキストリン、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。特に好ましいシクロデキストリン化合物は、米国特許第5,429,628号(トリン(Trihn)らに発行)、及び米国特許第5,780,020号(ピータスン(Peterson)らに発行)に記載されている。加えて、こうした臭いを更に隠すために脱臭剤を添加することができる。
【0036】
更に、店頭販売の肛門用薬品活性物質を、1以上の次の目的:洗浄、鎮静する及び爽快にする効果の提供、脱臭、軽微な炎症の緩和、病原微生物の数の減少、又は収れん補給効果の生成のために身体接触面に添加することができる。こうした店頭販売の肛門用薬品活性物質には:プロピオン酸カルシウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ノノキシノール9、オクトキシノール9、ソルビン酸カリウム、ポビドン−ロジン(lodine)(PVP−ロジン(lodine))、ラウリル硫酸ナトリウム、コルチコステロイド、プラモキシン−HCl、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシンBサルフェート、テトラサイクリン、トリクロサン、及びプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。
【0037】
痔の治療パッド20の様々な実施形態に好適な場合がある個々の構成要素が、ここに図1〜図4を参照してより詳しく開示される。
【0038】
(トップシート)
パッド20の上面はトップシート42であってもよく、これは液体透過性であり、液体(例えば、血液又は直腸の漏出物)がその厚さを容易に突き抜けることを可能にする。トップシート42は、装着者の皮膚に、順応性で、柔らかい感触であり、非刺激性であることが必要である。
【0039】
好適なトップシート42は、不織布材料及びポリマー材料、例えばハイドロフォームの熱可塑性フィルムのような材料の範囲から製造されてもよい。好適な不織布材料は、天然繊維(例えば、疎水処理された木材、レーヨン、又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、若しくはポリエチレン繊維のようなポリマー繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせから構成され得る。トップシートが不織布材料を含む場合には、それはいずれかの好適な方法により製造され得る。例えば、それはカード、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチなどであり得る。
【0040】
上記に記載されたトップシート材料(不織布、フィルムなど)は、生分解性材料又は非生分解性材料から製造できる。本明細書で使用する時、「生分解性材料」は、経済協力及び開発のための組織(the Organization for Economic Cooperation and Development)(フランスの75775パリ・セデクス16、ルー・アンドレ・パスカル2(2 rue Andre Pascal,75775 Paris Cedex 16))により方法301B(Method 301B)と指定されたシュトルム試験(Sturm Test)に従って測定される場合に、28日後に約70%以上の生分解(理論的二酸化炭素の発生割合)を有する材料を指す。好ましくは、本発明の痔の治療パッドを構成する材料は、約80%を超える生分解を有し、より好ましくは、生分解は約90%以上である。
【0041】
トップシート42は、外痔核を包含する装着者の敏感な肛門組織に接触するのにより快適であるように、本明細書に記載される改善された特性を備えることができる。トップシートは、好ましくは、非吸収性の、適度に親水性の材料から実質的に疎水性の材料までを含む。好ましい実施形態では、トップシートは、それが水和した体内組織に接着する傾向を減らすために、可能な限り疎水性に製造される。材料の疎水性は、材料の臨界表面張力を測定することにより測定することができる。トップシート42は、好ましくは約0.45mN/cm(45ダイン/cm)以下、より好ましくは約0.4mN/cm(40ダイン/cm)以下の臨界表面張力を有する。臨界表面張力は、ポリマーフィルムの湿潤張力を測定するためのASTM方法D2578−94に従って測定される。この方法は不織布材料に関しても同様に機能する。本発明のトップシートとして有用な材料の臨界表面張力の例には、ドイツ、パイネのBBA不織布(BBA Nonwovens)より入手可能であるコロリンド(COROLIND)の0.29〜0.3mN/cm(29〜30ダイン/cm);及び日本、東京の昭和高分子株式会社(Showa Hugh Polymer Co.)から得られるビオノーレ(BIONELLE)3001の0.4mN/cm(40ダイン/cm)が挙げられる。
【0042】
トップシート42は、装着者の肛門開口部に隣接して設置される場合に快適であるように、好ましくは圧縮性で及び弾力性であることが必要である。圧縮性は、好ましくは、ユーザーが製品の上にトップシートを有する製品を装着する場合に、典型的に遭遇する荷重下で測定される。トップシートは、容易に変形しやすい隆起部及び谷部分を有する不織布層、例えば「リング・ローリング」として一般的に既知の方法により、又は本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)に発行)に記載されている方法により形成される隆起部を有する不織布層であってもよい。トップシートはまた、三次元有孔成形フィルムのようなフィルム層を含むこともできる。こうしたフィルムは、例えば生理用ナプキンとして既知であり、並びに本明細書に参考として組み込まれる米国特許第4,609,518号、及び同第4,629,643号(クーロ(Curro)らに発行)に示されるように製造できる。
【0043】
トップシートは、好ましくは、250Paの圧力を受けた後、1,000Paの圧力下で約30%以上のキャリパーの変化を受ける。トップシート42は、好ましくは、250Paの圧力を受けた後、1,000Paの圧力下で約0.15mm以上の絶対キャリパー変化を受ける。トップシートの圧縮性は、以下の「トップシートの圧縮性(厚さの変化)試験方法」に従って測定できる。
【0044】
トップシート42は、好ましくはまた、装着者の身体の動きと共に、具体的には装着者の臀部表面の動きと共に、伸張できるような伸張性である。解剖学的にいうと、肛門開口部は、身体の動きの相対的に少ない領域に存在する。しかしながら、歩くこと、及び更には座ることでさえ、これらに関連する通常の身体の動きは、肛門の割れ目の臀部の向かい合った表面の間に相対的な動きを生じる可能性がある。そのため、擦過及びそれが生み出す関連する不快症状を減少するために、トップシートは、50gの力のもとで好ましくは少なくとも一方向に約30%以上の量で伸張性である。トップシート42は、一方向に、二方向に、複数方向に、又は全方向に伸張性であってもよい(即ち、それは無限の方向に伸張性であってもよい)。幾つかの実施形態では、トップシート42は、ただ伸張性であるだけでなく、また伸縮自在に伸張性である。「伸縮自在に伸張性である」とは、伸張時に及び伸張力の解除後に、材料がそのもとの寸法の少なくとも約10%まで戻ることを意味する。少なくとも約10%、より好ましくは約25%、又は更には100%の伸縮自在の伸張性を有することは、使用中に製品に皺が寄ることを回避するのを助ける。
【0045】
その他の実施形態では、本明細書で定量化される性質の1つが本明細書で説明されるものより低い時に、本明細書で定量化されるトップシートのその他の性質の1つが増加する場合には、快適であるトップシート42が提供される場合がある。例えば、1つの非限定例では、トップシート42は、所望であれば圧縮性及び伸張性の異なる組み合わせを有してもよい。例えば、好適なトップシートは、50gの力のもとで少なくとも1つの方向に約20%以上の伸張性を有してもよく、このトップシートは以下の試験方法の項に記載される「トップシートの圧縮性(厚さの変化)試験」に従って試験される場合に、約40%以上のキャリパーの変化を受けてもよい。
【0046】
トップシート42は、トップシートが装着者の身体の動きに応じて伸びるその能力を維持するように、好ましくは吸収性物品の他の構成要素に接合する。トップシート42の内面は、内在する吸収性層と接触する関係において固定されてもよい。トップシート42を内在する層に結合することにより、トップシート42は、内在する層と接触する関係を保ってもよい。しかしながら、トップシート42の面を内在する層の面に結合することは、絶対に必要なことではない。トップシート42は、内在する層の繊維をトップシートと絡み合わせることにより、複数の不連続な個々の融着によりトップシート42を内在する吸収性層に融合することにより、又は当該技術分野において既知のいずれかの他の手段により、内在する吸収性構成要素と接触する関係を維持することができる。トップシートはまた、痔の治療パッドの身体接触面に対して身体の圧力を提供することにより、内在する吸収性材料と接触する関係を維持することができる。
【0047】
本発明のトップシートに好適なトップシートの例は、エアレイド方法又はカード方法のいずれかにより製造される嵩高いウェブである。例えば好適なウェブは、およそ8mmの長さを有する短繊維のブレンド、約10〜25%の二構成成分結合繊維を含むブレンドをエアーレイし、エアレイドェブをカレンダーなしに熱接着することにより製造することができる。例えば、8mm長さのPET短繊維(セラニーズ株式会社(Celanese AG)(米国ニュージャージー州サミット)からセラニーズ(Celanese)#295として入手可能)の40%、8mm長さの1.25デニールのリオセル(Lyocel)(アラバマ州モビールのテンセル社(Tencel Inc.)より入手可能)の40%、及び8mm長さの1.2デニール二構成成分繊維(8mm、1.2デニール、C1.7デシテックス、ファイバービジョンズ・AL・アドヘッション米国(FiberVisions AL Adhesion United States))20%をエアレイドし、カレンダーなしに熱接着して、坪量20g/平方m(gsm)にすることができる。理想的には、構成要素の8mm繊維は、ウェブの柔軟性を改善するために、相対的に低いデニール(例えば、<2デニール)である。あるいは、カレンダープロセス(上記に開示された同じ繊維のより長い繊維を用いる)を、こうしたウェブを寝かせるために用いることもでき、その後ウェブ内の個々の繊維を有効にポイント接着するために通気接着を用いる熱接着工程が続く。
【0048】
(吸収性コア)
生理用ナプキン、陰唇間製品などのようなその他の吸収性物品と異なり、本発明の吸収性コアは、相対的に高い液体吸収能力を有する必要がない。ある場合には、本発明の痔の治療パッドは、いずれの吸収能力の必要もなしに用いることができる。即ち、本発明の痔の治療パッドの効果は、外痔核又は直腸の排泄物からの血液を吸収する必要なしに、圧力誘起による快適性を肛門区域に単に提供することであり得る。しかしながら、製品は、好ましくは幾らかの吸収能力を有し、そのため吸収性コア44の次の記述は、好ましい実施形態についてである。
【0049】
吸収性コア44は、図2に最も良く示されるが、トップシート42とバックシート38との間に配置される。吸収性コア44は、柔軟性、並びに直腸の排泄物、血液、及びその他の体液のような滲出物を吸収するための手段を提供する。吸収性コア44は、好ましくは一般に、圧縮性、適合性であり、ユーザーの皮膚に非刺激性である。吸収性コア44は、いずれかの好適な大きさ及び形状であってもよい。好ましくは、吸収性コア44は、全体的な痔の治療パッド20と同じ概略の形状を有する。
【0050】
吸収性コア44は、液体(例えば、血液)を吸収及び/又は保有できるいずれかの好適な材料を含んでもよい。吸収性コア44は、エアフェルトと一般に呼ばれる粉砕木材パルプのような、吸収性物品に一般的に用いられる多種多様な液体吸収性材料から製造できる。その他の好適な吸収性材料の例には、綿繊維又は綿くず、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding);コンフォーム(conform)を包含するメルトブローンポリマー;化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維;捲縮ポリエステル繊維のような合成繊維;ピートモス;ティッシュラップ及びティッシュ積層体を包含するティッシュ;吸収性発泡体;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー(繊維及び粒子状形態);吸収性ゲル化材料;又はいずれかの等価の材料、又はこれらの材料の組み合わせ若しくは混合物が挙げられる。好ましい吸収性材料は、折り畳まれたティッシュ、脱脂綿、織布材料、不織布ウェブ、ニードルパンチレーヨンを包含するレーヨン、及びフォームの薄層を含む。吸収性コア44は、単一材料又は材料の組み合わせを含んでもよい。
【0051】
吸収性コア44についての1つの好ましい材料は、レーヨン芯又はレーヨン/綿ブレンドである。1つの実施形態では、吸収性コア44は、ベール化漂白綿繊維とベール化レーヨン繊維の50%/50%ブレンドを含む繊維芯である。米国アラバマ州モビールのアコーディス(Acordis)より入手可能なギャラクシー(GALAXY)レーヨンとして既知の三裂状レーヨンは、吸収性コア44を構成する材料として良好に機能することが見出されている。
【0052】
吸収性コア44は、繊維超吸収性材料をいずれかの好適な量で含むことができる。あるいは、繊維超吸収性材料を含む代わりに、超吸収性材料は、粒子の形態、又は当該技術分野において既知のいずれかの他の形態であることができる。他の実施形態では、吸収性コア44は、異なる形態の組み合わせの超吸収性材料を含むことができる。
【0053】
吸収性コア44は、痔の治療パッドが使用される場合に、柔らかく穏やかな圧力を殿裂に提供することができる、並びにトップシート42及びいずれかの中間層、例えばトップシート42と吸収性コア44との間の獲得層(図示せず)から受け取った身体の排泄物を効率的に貯蔵することができるいずれかの好適な構造を含むことができる。1つの実施形態では、吸収性コア44は、超吸収性繊維、エアフェルト、及び二構成成分繊維から構成される、300g/m2のエアレイド層を含む。超吸収性繊維は、吸収性コア内にいずれかの好適な方式で分配され得るが、超吸収性繊維は、好ましくは吸収性コア44全体に実質的に均一に分配される。吸収性コア44は、高濃度(約25重量%以上)の繊維超吸収性材料(又は吸収性ゲル化材料)、好ましくは高いゲル強度の繊維超吸収性材料を含むことができる。
【0054】
1つの実施形態では、トップシート及び吸収性コアは、不織布層を繊維性吸収性ゲル化材料の繊維ウェブを通ってニードルパンチすることにより一体成形される。こうしたトップシート/コアは、米国特許出願09/637,440又は09/905,804に開示されており、これらのそれぞれが本明細書に参考として組み込まれる。これらの出願は、PCT国際公開特許WO02/13750として2002年2月21日に公開された。更に、上記で参照された2つの出願の1つ又は両方に開示されるように、パッド20は型抜きして成形することができ、型抜きした周囲は更に接着することも又は接着しないことも可能である。こうした実施形態では、各層は所望のように組み立て及び接合することができ、並びに全体の層化構造は型抜きして完成したパッド20を形成することができる。
【0055】
(バックシート)
本発明の痔の治療パッド20の主目的は、多量の流体を吸収及び保有することではないため、本明細書に開示されるようなバックシート38は任意であり得る。しかしながら、製品は時に、少なくとも少量の、血液を包含する直腸の排泄物を吸収することを必要とされる傾向があるため、バックシートは好ましくは包含される。更に、本発明の痔の治療パッドが、軽い便失禁用に用いられてもよいことは予測できる。そのため、好ましくは、バックシートは、いずれかの糞便物質が装着者の皮膚又は衣類へとパッドを通過することを防ぐために包含される。
【0056】
バックシート38は、図2及び図3に最も良く示されるが、吸収性コア44に吸収され及び収容されたいずれかの滲出物が、痔の治療パッド20に接触する場合がある物品及び/又は身体部分、例えばパンツ、パジャマ、及び下着を濡らすことを防ぐ。バックシート38は、可撓性で、液体(例えば、血液、糞便)に不透過性であることが必要である。本明細書で使用する時、「可撓性」という用語は、順応性があって、ヒトの身体の概略の形状や輪郭に容易に従う材料を指す。バックシート38はまた、痔の治療パッド20が挿入される時、又は必要であれば、パッドが指で取り外される時に、装着者の指の保護を提供する。
【0057】
バックシート38は、織布材料及び不織布材料、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、フィルムコーティング不織布材料のような複合材料、又はコラーゲンフィルムのような有機材料を含んでもよい。その他の好適な材料には、ポリビニルアルコールのような分散性材料、及びフィルムなどに製造できる生分解性ポリマーが挙げられる。好適な生分解性ポリマーには:日本、東京の昭和高分子株式会社(Showa Hugh Polymer Co.)から得られるビオノーレ(BIONELLE)3001;ドイツ、レバークーゼンのバイエル(Bayer)株式会社から得られるBAK403生分解性ポリマー;イタリア、ローマのノバマウントS.P.A(Novamont S.P.A.)の配給業者バイコープ社(Bicorp Co.)から得られる物質Bi ZF03U−A(Matter Bi ZF03U-A)、及びモンサント(Monsanto)から得られるバイオポール(Biopol)生分解性ポリマーが挙げられる。1つの実施形態では、バックシートは、約0.012mm(0.5mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有するポリエチレンフィルムから製造されてもよい。代表的なポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナティのクロペイ社(Clopay Corporation)により、表記P18−0401として製造される。しかしながら好ましくは、バックシート38は、このポリエチレンフィルムと同様の厚さを有するフィルムを含み、及びこれは上記のビオノーレ(BIONELLE)生分解性ポリマーのような生分解性ポリマーから製造される。
【0058】
バックシート38はまた、滲出物がバックシートを通過するのをなお防ぐ一方で、蒸気が痔の治療パッド20から出ていくことを可能にしてもよい(即ち、通気性である)。好適な通気性バックシート材料は、米国特許第3,929,135号(トンプソン(Thompson)に発行)に記載されるもののような有孔フィルムの積層体であり、これは裏返しにされて、その結果次第に細くなる毛管の小さい方の開口部が、吸収性コア44に面するが、これはエクソン(Exxon)の米国特許第4,777,073号に記載されるもののようにミクロ孔質フィルムに接着剤で積層化されている。
【0059】
好ましい実施形態では、バックシート38は、水中で分散性及び/又は溶解性である。ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールのコポリマーを包含する)は、溶解性バックシート38用の材料として好適であることが見出された。ポリビニルアルコールは、ティッシュ、生分解性不織布材料(例えば、レーヨン)のような不織布材料にコーティングされてもよく、又は水中で溶解する速度を減少するためにパラフィンのようなワックス若しくはその他の疎水性コーティングと共にコーティングされてもよい。これによりバックシート38は、痔の治療パッド20の廃棄中に水中に溶解する能力を保有しながら、使用中にはその完全性を維持することができる。
【0060】
好ましい実施形態では、バックシート38は水中で、分散性及び/又は溶解性である。本明細書で痔の治療パッド及びその構成要素に適用される時、「分散性」という用語は、少し攪拌される水中で少なくとも2つの破片に分散する物品又は材料を指す。こうしたパッドは、従来のトイレ及び/又は家庭内の配管システムにおいて粉々になり、汚水処理装置により最終的に有効に処理される。本明細書で痔の治療パッド又はその構成要素に適用される時、「溶解性」という用語は、少なくとも部分的に溶解し及び本質的に液体形態を取るか、又はさもなければ、裸眼でそれが溶解する液体媒質と区別ができない物品又は材料を指す。
【0061】
その他の実施形態では、バックシートは排除することができる。幾つかの実施形態では、吸収性コアの下面がコーティングされるか、又はさもなければ、下面がそれを液体が通過することに抵抗するように処理される場合には、バックシートを排除することができる。あるいは、痔の治療パッド20が、長手方向軸Aに沿って折り曲げられる場合には(図4に示されるように)、特にパッドが殿裂内に深く主に収容される場合には、通常はバックシートを提供される痔の治療パッド20の2つの半分の下面は、互いに接触し(即ち、ユーザーの指が取り除かれた後に)、パッド20の本体部分は、反転したV又はU形状の断面構造を取る。この場合には、通常はバックシートを提供されるパッド20の部分は、装着者の下着に接触せず、その結果バックシートは必要ない。バックシートの排除はパッドの通気性を改善する。
【0062】
上記の痔の治療パッド20の構成要素(トップシート42、存在する場合はバックシート38、及び存在する場合は吸収性コア44)は、いずれかの好適な方式でも組み立てられる。図1〜図3に示される実施形態では、本体部分22の構成要素は、トップシート42及びバックシート38の端が吸収性コア44の端を超えて外側に伸びるような大きさの構成要素によって「サンドイッチ」構造に組み立てられる。
【0063】
痔の治療パッド20の構成要素は、いずれかの好適な方式で共に接合され得る。本明細書に使用する時、「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって、要素を別の要素に直接固定する構造;ある要素を中間部材(類)に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによって、ある要素を他の要素に間接的に固定する構造;及びある要素が別の要素と一体化する構造、即ちある要素がもう一方の要素の本質的に一部分である構造を包含する。
【0064】
図1〜図3に示される実施形態では、トップシート42及びバックシート38が、既知の技術を用いて、好ましくは少なくとも部分的に周辺部で接合している。図1及び図2に示されるように、トップシート42は、バックシート38に任意の継ぎ目60に沿って固定される。パッド20は、継ぎ目60なしに有効な苦痛緩和及び治療を提供できるために、継ぎ目60は任意である。継ぎ目60は、好ましくは液体不透過性である。継ぎ目60は、この目的のために、当該技術分野において一般的に用いられるいずれかの手段、例えば糊付け、圧接、又は熱融着により形成され得る。継ぎ目60及び継ぎ目60付近の痔の治療パッド20の区域は、柔軟で、圧縮性、及び適合性であることが必要である。継ぎ目60及び周囲の区域が、堅過ぎる又は非圧縮性である場合には、装着者は、痔の治療パッド20を装着する際に、不快に感じる場合がある。
【0065】
周囲の継ぎ目60の代わりに又はそれに加えて、痔の治療パッド20の構成要素は、それらの面において共に接合することができる。痔の治療パッド20の構成要素の面は、接着剤、縫製、熱及び/又は加圧接合、動的機械接合、超音波接合、痔の治療パッド20の構成要素を構成する繊維若しくはその他の構造要素を混ぜ合わせる又は絡み合わせる、例えば1つの構成要素を構成する繊維を別の構成要素上にメルトブローンすることにより、1つの構成要素を別のものの上に押し出すことにより、又はいずれかのその他の当該技術分野において既知の手段により、共に接合され得る。痔の治療パッド20の構成要素は、少し攪拌される水中(例えば、トイレ内)で複数の破片に分散するパッド20の傾向を増加するために、水溶性接着剤により接合されてもよい。そのため、構成要素を接合する材料は、過剰の水にさらされる場合、例えばトイレ内に設置される場合に、強度を失うことが望ましい。水溶性又は水分散性接着剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプンなどに基づくものが、当該技術分野において周知である。
【0066】
前述のように、痔の治療パッド20は、装着者の殿裂内に設置されるように設計される。図4に示されるように、痔の治療パッド20を用いるためには、装着者は、挿入補助、例えばパッド20のタブ52をしっかりと掴む。パッド20がタブ52を備えていない場合には、装着者は折り曲げられたパッド20を側面32で保持し、挿入を開始してもよい。図4に示されるように、パッド20は次に、指、又は折り曲げられたバックシート38により形成される凹部62内の指で押すことにより、更に挿入される。凹部62は、挿入中、装着者の指の先を覆う。この機構は、本発明の痔の治療パッド20の衛生的な挿入を提供する。装着者は、臀部表面を広げるのを助けるために、挿入中にしゃがみこみ姿勢を取ってもよい。
【0067】
タブ52はまた、必要であれば、取り外し補助として用いることもできる。他の実施形態では、紐、ループ、又は同様なものもまた、取り外し補助として用いることができる。例えば、タンポン生理用品に用いられるもののような、取り付けられた綿の紐を用いることができ、紐は殿裂の実質的に外に残り、及びユーザーがパッド20を取り外すためにしっかりと掴み及び引くために十分なほど長い。
【0068】
用いられる場合、タブ52は、多様な材料から製造されてもよく、吸収性である必要はない。1つの例では、タブ52は、ティッシュ層に熱接合した不織布材料から形成されてもよい。好適な不織布材料は、ドイツ、パイネのBBA不織布(BBA Nonwovens)より入手可能であるコロリンド(COROLIND)である。好適なエアレイドティッシュは、約61gsmの坪量を有し及び指定等級番号176を有し、カナダ、ブリティッシュコロンビア州デルタのメルフィン衛生製品社(Merfin Hygenic Products,Ltd.)より入手可能である。
【0069】
(痔の治療パッドのその他の態様)
好ましくは、本発明の痔の治療パッド20は、トイレで使い捨てにできる。本明細書で使用する時、「トイレで使い捨てにできる」という用語は、痔の治療パッドが、トイレの中で廃棄できることを意味する。痔の治療パッドは、好ましくは少なくともフラッシャブルである。特に好ましい実施形態では、痔の治療パッドはまた、1以上の次の特徴:分散性、沈下性、分解性、及び生分解性を備えてもよい。
【0070】
本明細書で使用する時、「フラッシャブル」及び「フラッシャブル性」という用語は、典型的には市販の家庭用トイレ及び排水配管システムを、詰まったり又は製品の物理的構造に直接に関連し得る同様な問題を生じることなく通過できる能力を指す。しかしながら、利用できるトイレの様々な種類の間には多くの違いが存在し得ることが認識されている。
【0071】
好ましくは、本発明の痔の治療パッド20は分散性であり、以下の試験方法の項の「水分散性試験」に記載されるように、少し攪拌される室温の水へ2時間さらす間に、少なくとも2つの破片に分散する。より好ましくは、痔の治療パッド20は、少なくとも2つの破片に、約60分以内に、又は更により好ましくは約30分以内に、最も好ましくは約15分以内に分散する。好ましくは、製品は少なくとも2つの破片に分解し、その際個々の破片は、約38.71cm2(6in2)より小さく、より好ましくは約25.80cm2(4in2)より小さく、最も好ましくは約12.9cm2(2in2)より小さい。本発明の特に好ましい実施形態では、痔の治療パッド20の構成要素のそれぞれが、少し攪拌される水に浸漬される場合に、複数の破片に分散する。あるいは、痔の治療パッド20の構成要素は、それら自体が複数の破片に分解するのではなく、互いに分離してもよい(例えばトップシート42、バックシート38、及びコア44は、それぞれが損なわれないまま、互いにバラバラになってもよい)。
【0072】
「沈下性」とは、痔の治療パッド、例えば痔の治療パッド20が、浄化槽又は処理される汚水の表面に浮かぶのではなく、浄化槽又は他の汚水処理装置の底に最終的に沈下する傾向を指す。
【0073】
分解性及び生分解性は、以下の試験方法の項にある「28日間の汚泥試験」に従って測定できる。好ましくは、痔の治療パッド20は、生分解性材料を含む。生分解性材料は、痔の治療パッド20に好ましいが、用いられる各材料及び全材料が生分解性であることは必要ではない。例えば、痔の治療パッド20は、生物分解しない超吸収性粒子を含んでもよく、これは、痔の治療パッド20全体をなおトイレで使い捨てにでき、汚水処理装置内で有効に処理できる能力に影響しない。全体の重量基準で、痔の治療パッド20は、好ましくは少なくとも約70%生分解性であり、より好ましくは少なくとも約80%生分解性であり、更により好ましくは少なくとも約90%生分解性であり、最も好ましくは少なくとも約95%生分解性である。
【0074】
(好ましいローション)
本発明の好ましい物質46は、紅斑、悪臭、及び細菌による皮膚疾患の予防及び治療に極めて有効である、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドのような皮膚治療剤の選択された組み合わせを含むスキンケア組成物を含むことができ、特にこれらのスキンケア組成物が吸収性物品上の適用から皮膚に投与された場合には極めて有効である。
【0075】
本明細書で使用する時、「皮膚治療剤」という用語は、局所的に及び内部的に皮膚に適用された場合に、皮膚疾患、特に紅斑、悪臭、及び細菌感染に関連する皮膚疾患のいずれかの発生を予防、減少、及び/又は排除することができる物質を指す。
【0076】
本明細書で使用する「皮膚疾患」という用語は、刺激性、急性、又は慢性の皮膚異常に関連する症状を指す。こうした症状の例には、痒み、炎症、発疹、火傷、刺創、紅化、腫れ、過敏症、熱感覚、剥離/鱗屑、悪臭などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本明細書中で使用する時、「周囲条件」という用語は、約1気圧、相対湿度約50%、及び約25℃における周囲条件を指す。
【0078】
本発明のスキンケア組成物は、本明細書に記載される本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載されるいずれかの追加若しくは任意成分、構成成分、又は限定を含み、それらから成り、又はそれらから本質的に成ることができる。
【0079】
すべての割合、部及び比は、特に指定しない限り、全組成物の重量に基づく。列挙する成分に関するこのようなすべての重量は、具体的成分の濃度に基づいており、そのため特に指定しない限り、市販の材料に包含される場合があるキャリアや副生成物を包含しない。
【0080】
(皮膚治療剤)
本発明のスキンケア組成物は、皮膚と湿気の多い空気との間の接触の結果として生じ得る皮膚疾患、湿気若しくはその他の身体の滲出物にさらされた皮膚から生じ得る長期間にわたる湿ったヒトの組織の結果として生じる皮膚疾患、又は皮膚と微生物若しくは細菌媒介物との間の接触から発生する皮膚疾患の発生を減少及び排除することができる皮膚治療剤を含む。皮膚治療剤は、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドを包含し、好ましくはこれらの皮膚治療剤の選択された組み合わせを包含し、その際、この組み合わせは、組み合わせが相対的に低い個々の濃度及び組み合わされた濃度で投与される場合に、皮膚疾患のより一層減少させる。
【0081】
ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドのような皮膚治療剤の組み合わせは、これらの化合物の有効な組み合わせ濃度より高い有効濃度でこれらの化合物を個々に含む皮膚製剤と、皮膚疾患の治療について比べる場合に、等しいか又はより有効であることが見出されている。典型的には、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドのような皮膚治療剤は、本発明のスキンケア組成物中に使用されるものより高い個々の濃度でスキンケア組成物中に包含される。例えば、本発明のスキンケア組成物は、ヘキサミジンを約0.1重量%以下、酸化亜鉛を約30重量%以下、及びナイアシンアミドを約3重量%以下の濃度で包含するが、これらの皮膚治療剤についてヘキサミジンを約1重量%以上、酸化亜鉛を約40重量%以上、及びナイアシンアミドを約4重量%以上で一般に含む既知のスキンケア組成物と比較する場合に、皮膚疾患の予防及び/又は治療において、等しいか又は優れた効果を達成することができる。
【0082】
本発明のスキンケア組成物は、こうした低濃度のヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドの皮膚治療剤を投与することにより、皮膚疾患の治療に有効であることが見出されているために、これらの皮膚治療剤の組成物中の合計有効濃度はまた、これらの成分の最も典型的な組み合わせ濃度よりも低い。しかしながら、本明細書のスキンケア組成物中に包含される皮膚治療剤の合計有効濃度は、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドの合計濃度に限定されない。本発明のスキンケア組成物はまた、組成物がヘキサミジン及び酸化亜鉛の皮膚治療剤の組み合わせの低い合計濃度、又はヘキサミジン及びナイアシンアミドの皮膚治療剤の組み合わせの低い合計濃度のみを含有する場合にも、皮膚疾患の治療に有効であることが見出されている。そのため、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドの皮膚治療剤のいずれかの組み合わせによる合計濃度は、スキンケア組成物の、約0.002重量%〜約34重量%、好ましくは約0.01重量%〜約25重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドの皮膚治療剤は、以下に詳細に記載されている。
【0083】
スキンケア組成物は、好ましくは、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドの皮膚治療剤の組み合わせを含むが、スキンケア組成物はまたいずれかの他の既知の、又はさもなければ有効な皮膚治療活性物質を含むことができる。その他の好適な皮膚治療活性物質の非限定例には、アラントイン;水酸化アルミニウムゲル;カラミン;塩酸システイン;ラセミメチオニン;重炭酸ナトリウム;ビタミンC及びその誘導体;セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパルチルプロテアーゼ、ペプチダーゼ、及びフェニルスルホニルフロライドを包含する蛋白質分解酵素抑制剤;リパーゼ;ジエステラーゼを包含するエステラーゼ;ウレアーゼ;アミラーゼ;エラスターゼ;ヌクレアーゼ;グアニジノ安息香酸、並びにその塩及び誘導体;カモミールを包含するハーブ抽出物;並びにこれらの混合物が挙げられる。グアニジノ安息香酸並びにその塩及び誘導体は、より完全に米国特許第5,376,655号(イマキ(Imaki)ら、1994年12月27日発行)に記載されており、これらの記載は本明細書に参考として組み込まれる。これらの他の好適な皮膚治療活性物質は、典型的にはスキンケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲の濃度で包含される。
【0084】
(ヘキサミジン)
本発明のスキンケア組成物は、ヘキサミジン皮膚治療剤を、組成物の、約0.001重量%〜約0.1重量%、好ましくは約0.005重量%〜約0.1重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲の濃度で含むことができる。ヘキサミジンは、その他の皮膚治療剤、例えば酸化亜鉛及びナイアシンアミドと共に、これらの皮膚治療剤が、皮膚疾患の治療に典型的に用いられるものより低い、個々の及び組み合わせの濃度において用いられたとしても、極めて有効な皮膚治療の効果を提供する。
【0085】
本明細書に用いるのに好適なヘキサミジン皮膚治療剤には、次の式に一般に適合する芳香族ジアミンが挙げられる:
【0086】
【化1】

これらの芳香族ジアミンは、4,4’−[1,6−ヘキサンジイルビス(オキシ)]ビスベンゼンカルボキシイミドアミド;4,4’−(ヘキサメチレンジオキシ)ジベンズアミジン;及び4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンと呼ばれる。ヘキサミジンの最もよく使用される形態は、ヘキサミジン塩の一般的な種類であり、これにはヘキサミジンの、酢酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、及び塩酸塩が挙げられる。ヘキサミジン塩の具体的な非限定例には、イセチオン酸ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、塩酸ヘキサミジン、グルコン酸ヘキサミジン、及びこれらの混合物が挙げられる。イセチオン酸ヘキサミジン、及びジイセチオン酸ヘキサミジンは、ヘキサミジンのβヒドロキシエタンスルホン酸塩であり、これは皮膚疾患の予防及び/又は治療における皮膚治療剤として本明細書に用いるのに好ましい。ジイセチオン酸ヘキサミジンが、本明細書の皮膚治療剤として用いるのに好適な最も好ましいヘキサミジン化合物である。
【0087】
ヘキサミジン化合物は、刺激性及び掻痒性皮膚疾患を導き得る微生物の成長を抑制できる有効な皮膚治療剤として既知である。そのため、これらの皮膚治療剤はしばしば抗菌剤とも呼ばれる。本明細書で使用する「抗菌剤」という用語は、微生物の成長及び代謝を破壊又は抑制するために機能する物質を指し、並びに抗細菌剤、抗カビ剤、抗原虫剤、駆虫剤、及び抗ウイルス剤の一般的な分類を包含する。
【0088】
しかしながら、低濃度(約0.1重量%以下)のヘキサミジンは、特に少量のヘキサミジンが低濃度の酸化亜鉛及びナイアシンアミドのような他の抗菌剤と組み合わされる場合には、皮膚の刺激性感染のより一層の減少及び/又は予防を提供することが見出されている。ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミドのこの組み合わせは、これらの個々の化合物の適用投与量の有効量未満の合計濃度で、局所的に及び内部的に投与され得る。本明細書で使用する「有効量」という用語は、痒み及び炎症を包含する刺激性、急性、又は慢性の症状を生じさせるいずれかの顕著な又は許容できない皮膚の異常を減少及び/又は予防する場合において、拒絶反応が最小限であるか又は全くなく治療の効果を提供する量を指す。
【0089】
本明細書の皮膚治療剤として用いるのに好適な市販のヘキサミジン化合物には、ジイセチオン酸ヘキサミジンが挙げられ、これはラボラトリーズ・セロロバイロジクーズ(Laboratories Serolobilogiques)(フランスのプルノイ(Pulnoy))から、及びコグニス社(Cognis Incorporation)(オハイオ州シンシナティ)からエラスタブ(ELASTAB)HP100の商品名により入手可能である。
【0090】
その他の芳香族ジアミンもまた本明細書の皮膚治療剤として用いるのに好適である。こうした化合物には、イセチオン酸ブタミジン(butamidine)を包含するブタミジン(butamidine)及びその誘導体;イセチオン酸ペンタミジン及び塩酸ペンタミジンを包含するペンタミジン及びその誘導体;イセチオン酸ジブロモプロパミジンを包含するジブロモプロパミジン及びその誘導体;ヒドロキシスチルバミジン、スチルバミジンジヒドロクロリド、及びイセチオン酸スチルバミジンを包含するスチルバミジン及びその誘導体;ジアミノジアミジン及びその誘導体;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
(酸化亜鉛)
本発明のスキンケア組成物は、酸化亜鉛皮膚治療剤を、組成物の約0.001重量%〜約30重量%、好ましくは約0.005重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約2重量%、最も好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の範囲の濃度で含むことができる。酸化亜鉛皮膚治療剤は、抗菌の効果を提供するために、個々の又は組み合わされた酸化亜鉛がヘキサミジン及びナイアシンアミド皮膚治療剤と容易に組み合わされ得るという条件のもとに、個々の酸化亜鉛化合物として、又は酸化亜鉛の組み合わせとして組成物中に包含され得る。
【0092】
本明細書に用いるのに好適な酸化亜鉛皮膚治療剤には、式ZnOに適合する無機の白色粉末及び黄色がかった白色粉末が挙げられ、並びにこれはメルクインデックス(Merck Index)の第11版、登録10050、1599ページ(1989年)に、より詳細に記載されており、この記載は本明細書に参考として組み込まれる。
【0093】
市販の酸化亜鉛には、商品名ウルトラファイン(ULTRAFINE)350として販売される白色の酸化亜鉛粉末が挙げられ、これはニュージャージー州のサウスプレーンフィールド所在のコボ社(Kobo Corporation)から市販されている。その他の好適な酸化亜鉛物質には、酸化亜鉛とポリヒドロキシステアリン酸のような分散剤とのプレミックスが挙げられ、このプレミックスはユニケマ社(Uniqema Incorporation)(デラウェア州ウィルミントン)より商品名アーレセル(Arlecel)(登録商標)P100として入手可能であり;及び酸化亜鉛とイソノニルイソノナノエート分散剤とのプレミックスが挙げられ、これはイケダ・インコ−ポレーション(Ikeda Incorporation)(ニューヨーク州アイランドパーク)より商品名サラコス(Salacos)(登録商標)99として入手可能である。
【0094】
(ナイアシンアミド)
本発明のスキンケア組成物は、ナイアシンアミド皮膚治療剤を、個々のナイアシンアミド又はナイアシンアミドの組み合わせとして、スキンケア組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の範囲のナイアシンアミドの合計濃度で含むことができる。ナイアシンアミド皮膚治療剤はスキンコンディショニングの効果を提供し、並びに皮膚疾患の抑制において皮膚治療剤の改善した有効性を提供する。
【0095】
本発明のスキンケア組成物に用いるのに好適なナイアシンアミド皮膚治療剤の非限定例には、ニコチン酸のアミド誘導体であり、一般に次の式に適合するナイアシンアミド化合物が挙げられる:
【0096】
【化2】

ナイアシンアミド及びニコチン酸は、ビタミンB3及びビタミンB5としても既知であるが、ナイアシンアミドは一般的に用いられる活性形態である。塩誘導体を包含するナイアシンアミド誘導体もまた皮膚治療剤として本明細書に用いるのに好適である。好適なナイアシンアミド誘導体の非限定具体例として、ニコチン尿酸及びニコチニルヒドロキサム酸が挙げられる。
【0097】
ナイアシンアミド皮膚治療剤はまた、酸性化されたナイアシンアミド化合物として組成物中に包含され得る。ナイアシンアミド化合物の酸性化プロセスは、当業者には初歩的なものであり、1つのこうした技術は、ナイアシンアミドをアルコール溶液中に溶解すること、攪拌しながらステアリン酸のような脂肪酸の当モル量を添加すること(例えば一部のナイアシンアミドを2.4部のステアリン酸に混合する)、次いでアルコールが蒸発するまで混合物を空気乾燥することを伴う。ナイアシンアミドの酸性化プロセスに用い得る好適なステアリン酸化合物は、商品名イマーゾール(Emersol)(登録商標)150として販売されるステアリン酸であり、これはコグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)より入手可能である。
【0098】
上記のナイアシンアミド化合物の例は、当該技術分野において周知であり、多数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(the Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス);ICNバイオメディカルズ社(ICN Biomedicals,Incorporation)(カリフォルニア州アービン);アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー);及びEmインダストリーズHHN(Em Industries HHN)(ニューヨーク州ホーソーン)より市販されている。
【0099】
(キャリア)
本発明のスキンケア組成物は、皮膚治療剤のためのキャリアを含む。キャリアは、キャリアの合計濃度が皮膚治療剤の皮膚上への移動及び/又は移行を提供するのに十分であるという条件のもとに、個々のキャリア又はキャリア成分の組み合わせとして組成物中に包含され得る。キャリアは、液体、固体、若しくは半固体キャリア物質か、又はこれらの物質の組み合わせであることができるが、ただしこれは、結果として得られるキャリアが、結果として得られるキャリアシステムの選択された処理温度、及び本明細書のスキンケア組成物を配合する際にキャリアと皮膚治療剤を組み合わせるための処理温度において、均質な混合物又は溶液を形成するという条件による。キャリアシステムの処理温度は、典型的には約60℃〜約90℃、より典型的には約70℃〜約85℃、更により典型的には約70℃〜約80℃の範囲である。
【0100】
本発明のスキンケア組成物は典型的にはキャリアを、スキンケア組成物の約60重量%〜約99.9重量%、好ましくは約70重量%〜約98重量%、より好ましくは約80重量%〜約97重量%の範囲の合計キャリア濃度で含む。好適なキャリア化合物には、約4〜約32個の炭素原子を有する石油系炭化水素、約12〜約24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、ポリシロキサン化合物、脂肪酸エステル、アルキルエトキシレート、約1〜約6個の炭素原子を有する低級アルコール、低分子量グリコール及び多価アルコール、約12〜約28個の炭素原子をその脂肪鎖中に有する脂肪アルコールエーテル、ラノリン及びその誘導体、アセトグリセリド及びC12〜C28脂肪酸のエトキシル化グリセリドを包含するグリセリド及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0101】
約4〜約32個の炭素原子を有する好適な石油系炭化水素の非限定例には、鉱油、ワセリン、イソパラフィン、様々なその他の分枝鎖炭化水素、及びこれらの組み合わせが挙げられる。鉱油は「液体ワセリン」としても既知であり、普通は約16〜約20個の炭素原子を有する炭化水素のそれほど粘稠ではない混合物を指す。ワセリンはまた「ミネラルワックス」、「石油ゼリー」、及び「ミネラルゼリー」としても既知であり、普通は約16〜約32個の炭素原子を有する炭化水素のより粘稠な混合物を指す。鉱油及びワセリンは、本明細書のキャリアとして用いるのに好適な好ましい炭化水素である。ワセリンが最も好ましく、ワセリンの市販例には、プロトペット(Protopet)(登録商標)1Sとして販売されるワセリンが挙げられ、これはコネチカット州グリニッチ所在のウィトコ社(Witco Corporation)より入手可能である。
【0102】
約4〜約30個の炭素原子を有するその他の好適な炭化水素には、これらに限定されないが、エクソン・ケミカル社(Exxon Chemical Corporation)(テキサス州ベイタウン)からイソパー(Isopar)C(C7〜C8イソパラフィン)、イソパー(Isopar)E(C8〜C9イソパラフィン)、イソパー(Isopar)G(C10〜C11イソパラフィン)、イソパー(Isopar)H(C11〜C12イソパラフィン)、イソパー(Isopar)L(C11〜C13イソパラフィン)、イソパー(Isopar)M(C13〜C14イソパラフィン)として入手可能なイソパラフィン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なパラフィンのその他の非限定例には、エクソン・ケミカル社(Exxon Chemical Company)からノルパー(Norpar)12、ノルパー(Norpar)13、及びノルパー(Norpar)15として入手可能なノルパー(Norpar)シリーズが挙げられる。
【0103】
約4〜約30個の炭素原子を有するその他の好適な炭化水素には、これらに限定されないが、分枝鎖炭化水素、例えばパーメチル99A(Permethyl 99A)(イソドデカン)、パーメチル102A(Permethyl 102A)(イソエイコサン)、パーメチル101A(Permethyl 101A)(イソヘキサデカン)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。パーメチルシリーズは、ニュージャージー州サウスプレーンフィールド所在のプリパース社(Preperse Corporation)より入手可能である。好適な分枝鎖炭化水素のその他の非限定例には、フィリップスケミカル(Phillips Chemical)からソルトロール(Soltrol)130、ソルトロール(Soltrol)170として入手可能なもの、及びシェル(Shell)からシェルソル(Shell Sol)70、シェルソル(Shell Sol)71、及びシェルソル(Shell Sol)2033として入手可能なもの、並びにこれらの組み合わせのような石油留出物が挙げられる。
【0104】
約12〜約24個の炭素原子を有する好適な脂肪アルコールの非限定例には、飽和非置換の一価アルコール又はこれらの組み合わせが挙げられ、これは約110℃未満の、好ましくは約45℃〜約110℃の融点を有する。本発明のスキンケア組成物に用いる脂肪アルコールキャリアの具体例には、これらに限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、リグノセリル(lignocaryl)アルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。セテアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが好ましい。市販の好ましいセテアリルアルコールの例は、ステノール(Stenol)1822であり、ベヘニルアルコールは、ラネット(Lanette)22であり、両方共オハイオ州シンシナティ所在のコグニス社(Cognis Corporation)より入手可能である。脂肪アルコールキャリアは、柔軟性、滑らかさ、及び皮膚に潤いを与える効果のようなスキンコンディショニングの効果を提供するのを助ける。
【0105】
好適なポリシロキサン化合物の非限定例には、変性又は有機官能性シリコーン、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエステルシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、ポリフルオロシロキサン、ポリアミノシロキサン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらのポリシロキサンキャリアは、典型的には周囲条件下で液体であり、約0.001Pa・s(約1センチポアズ)〜約100Pa・s(約100,000センチポアズ)(37℃でガラス粘度計を用いて測定した時)、より好ましくは約0.005Pa・s(約5センチポアズ)〜約5Pa・s(約5,000センチポアズ)、更により好ましくは約0.005Pa・s(5センチポアズ)〜約2Pa・s(2,000センチポアズ)、最も好ましくは約0.1Pa・s(約100センチポアズ)〜約1Pa・s(約1000センチポアズ)の範囲の好ましい粘度を有する。約100Pa・s(約100,000センチポアズ)を超える粘度、特に約100Pa・s(約100,000センチポアズ)〜約20,000Pa・s(約20,000,000センチポアズ)の粘度を有するポリシロキサンキャリアもまた本明細書に用いるのに好適であるが、ただしポリシロキサンキャリアが、液体であるか、又は界面活性剤溶液中若しくはヘキサンのようなその他の好適な溶媒中にポリシロキサンを添加することにより溶液中に包含されることを条件とする。ポリシロキサンキャリアは、当該技術分野において既知であり、その幾つかの例が「化粧品、科学技術(Cosmetics,Science and Technology)」、1巻、27〜104ページ、(M.バルサム(M.Balsam)及びE.サガーリン(E.Sagarin)編集、1972年);及び米国特許第5,509,282号(アンパルスキー(Ampulski)ら、1991年10月22日発行)に記載されている。本明細書に用いるのに好適なポリシロキサンキャリアの具体例には、ダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)556流体(556 Fluid)(フェニルジメチコン)として市販されるポリアルキルアリールシロキサン;及びダウ・コーニング2502(Dow Corning 2502)(登録商標)流体(Fluid)(セチル官能ジメチコン)、及びダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)2503流体(2503 Fluid)(ステアリル官能ジメチコン)として市販されるポリアルキルシロキサンが挙げられ;これらのすべてがミシガン州ミッドランド所在のダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)より入手可能である。
【0106】
好適な脂肪酸エステルの非限定例には、C12〜C28脂肪酸及び短鎖(C1〜C8、好ましくはC1〜C3)一価アルコールの混合物、好ましくはC16〜C24飽和脂肪酸及び短鎖(C1〜C8、好ましくはC1〜C3)一価アルコールの混合物から得られる脂肪酸エステルが挙げられる。こうしたエステルの代表的な例には、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルへキシルパルミテート、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルはまた、より長鎖の脂肪アルコール(C12〜C28、好ましくはC12〜C16)、及び乳酸のような、より短鎖の脂肪酸のエステルから得ることができ、その具体例には、ラウリルラクテート及びセチルラクテートが挙げられる。脂肪酸エステルはまた、皮膚に潤い及び滑らかさを与えるなどのスキンコンディショニングの効果を提供する。
【0107】
好適なアルキルエトキシレートの非限定例には、約2〜約30の平均エトキシル化度を有するC12〜C22の脂肪アルコールエトキシレートが挙げられる。好ましくは、脂肪アルコールエトキシレートは、約2〜約23の範囲の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート、セチルエトキシレート、ステアリルエトキシレート、及びベヘニルエトキシレート、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。こうしたアルキルエトキシレートの代表的な例には、ラウレス−3(平均エトキシル化度3を有するラウリルエトキシレート)、ラウレス−23(平均エトキシル化度23を有するラウリルエトキシレート)、セテス−10(平均エトキシル化度10を有するセチルアルコールエトキシレート)、ステアレス−2(平均エトキシル化度2を有するステアリルアルコールエトキシレート)、ステアレス−10(平均エトキシル化度10を有するステアリルアルコールエトキシレート)、ベヘネス−10(平均エトキシル化度10を有するベヘニルアルコールエトキシレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。キャリアが、これらのアルキルエトキシレートをワセリンと組み合わせて包含する場合、アルキルエトキシレートとワセリンとの重量比は、典型的には約1:1〜約1:5、好ましくは約1:2〜約1:4である。市販のC12〜C22の脂肪アルコールエトキシレートの具体例には、マージタール(Mergital)(登録商標)B10としてコグニス社(Cognis Corporation)から市販されているベヘネス−10脂肪アルコールエトキシレート、及びブリジ(Brij)(登録商標)762としてユニケマ社(Uniqema Corporation)から市販されているステアレス−2脂肪アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0108】
約1〜約6個の炭素原子を有する好適な低級アルコールの非限定例には、エタノール、イソプロパノール、ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2ヘキサンジオール、エーテルプロパノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
好適な低分子量グリコール及び多価アルコールの非限定例には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600g/モル)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、分子量425〜2025g/モル)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
好ましくは、キャリアは、前述の1以上の石油系炭化水素及び1以上の脂肪アルコールの組み合わせを含む。約4〜約32個の炭素原子を有する1以上の石油系炭化水素が、約12〜約22個の炭素原子を有する1以上の脂肪アルコールと組み合わせて用いられる場合、石油系炭化水素は、スキンケア組成物の約20重量%〜約99重量%、好ましくは約30重量%〜約85重量%、より好ましくは約40重量%〜約80重量%の範囲の合計濃度で包含され;その際、脂肪アルコールは、スキンケア組成物の約0.2重量%〜約65重量%、好ましくは約1重量%〜約50重量%、より好ましくは約2重量%〜約40重量%の範囲の合計濃度で包含される。キャリアは、石油系炭化水素及び脂肪アルコールに加えてその他の成分を含むことができ、こうした成分には燻蒸シリカが挙げられる。C4〜C32炭化水素、C12〜C22脂肪アルコール、及び燻蒸シリカを含む石油系キャリアシステムは、キャリア、皮膚治療剤、及びいずれかの任意成分の均質な混合物を提供し、その際、この均質な混合物は皮膚と皮膚治療剤との間の十分な接触を確実にし、その結果として皮膚疾患の有効な予防及び治療をもたらすと考えられている。
【0110】
好ましい石油系キャリアシステム中に、又は本明細書に記載されるいずれかのその他のキャリアと共に包含するのに好適な燻蒸シリカには、コロイド状の発熱性シリカ顔料が挙げられ、これはキャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)(登録商標)の商品名で販売され、これはイリノイ州タスコラ所在のキャボット社(Cabot Corporation)より市販されている。これらのコロイド状の発熱性シリカ顔料は、約0.1ミクロン〜約100ミクロンの平均粒径を有する小顆粒発熱性シリカ顔料である。市販のキャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)(登録商標)シリカ顔料の具体例には、キャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)(登録商標)TS−720(ポリジメチルシロキサン処理された燻蒸シリカ)、キャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)(登録商標)TS−530(トリメチルシラン化された燻蒸シリカ)、及びキャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)(登録商標)TS−610(ジメチルジシラン化された燻蒸シリカ)が挙げられる。燻蒸シリカはスキンケア組成物に所望の粘度又は増粘特性を提供し、典型的にはスキンケア組成物の約0.01重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で包含される。
【0111】
燻蒸シリカは単独で用いられることも、又はタルク、処理されたベントナイトを包含するベントナイト、処理されたヘクトライトを包含するヘクトライト、処理されたケイ酸カルシウムを包含するケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ソルビトール、コロイド状二酸化シリコーン、鯨蝋、カルナバワックス、蜜蝋、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カストロールワックス、セレシン、エスパルト、アウリクリ(ouricuri)、レゾワックス(rezowax)、ポリエチレンワックス、C12〜C24脂肪酸、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、ポリメタクリレートポリマー、ポリメタクリレート及びスチレンコポリマー、並びにこれらの組み合わせのような、その他の任意の粘性剤若しくは増粘剤との組み合わせにおいて用いられることも可能である。これらのその他の任意の粘度変性剤又は増粘剤はまた、スキンケア組成物の約0.01重量%〜約15重量%の範囲の合計濃度で包含される。別の好適な粘性剤又は増粘剤の非限定具体例には、ベントン(Bentone)(登録商標)38として販売されるベントナイトが挙げられ、これはレオックス・インコーポレーション(Rheox Incorporation)より入手可能である。
【0112】
キャリアの表面エネルギーが、身体接触面に類似していることは好ましい。例えば、トップシートが疎水性である場合は、キャリアは好ましくは疎水性である。更に、これらの状況において、本発明のローション組成物が界面活性剤を含まないことは好ましい。そのため、本発明の好ましい実施形態では、ローションは少なくともトップシートの疎水性度と同じ大きさの疎水性度を有し、ローションの疎水性度は主として界面活性剤構成成分を欠いていることによる。何らかの条件下で、疎水性キャリアの湿潤性を増加させる必要がある場合には、低いエトキシル化度、及び約7未満のHLB値を一般に有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルエトキシレート、アルキルエトキシレート化アミン、ポリエチレングリコールエステル、及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのような湿潤剤を任意に添加してもよい。好適な添加物は、均質な混合物を形成するためにキャリアと混和性であることが必要である。本発明の生理用品を用いる人々の皮膚感受性が強いこともあるため、これらの湿潤剤は皮膚に対して相対的に低刺激性及び非刺激性であることが必要である。典型的には、これらの湿潤剤は皮膚に非刺激性であるためだけでなく、いずれかの内在するティッシュ積層体構造への他の望ましくない効果、例えば引張り強度の減少を回避するためにも非イオン性である。好適な湿潤剤は典型的には10未満の、好ましくは9未満の、より好ましくは8未満の、更により好ましくは7未満のHLB値を有する。
【0113】
好適な湿潤剤の非限定具体例には、ノニルフェノール又はポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エトキシル化度2;HLB5.7)、オクチルフェノール又はポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(エトキシル化度1;HLB3.5)、ステアリルアルコール又はポリオキシエチレンステアリルエーテル(エトキシル化度2;HLB4.9)、ステアリルアミン又はポリオキシエチレンステアリルアミン(エトキシル化度2;HLB4.9)、ポリエチレングリコール200ジラウレート(HLB5.9)、ポリエチレングリコール200ジステアレート(HLB4.8)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7を有する「スパン(Span)60」)、ソルビタントリステアレート(HLB2.1を有する「スパン(Span)65」)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3を有する「スパン(Span)80」)、ソルビタントリオレエート(HLB1.8を有する「スパン(Span)85」)が挙げられ、これらのそれぞれはセル・ケミカル社(Cell Chemical Company)(韓国インチョン)又はユニケマ(米国デラウェア州ニューカッスル)より入手可能である。
【0114】
ローション組成物の湿潤性を所望の程度に増加させるために必要な湿潤剤の量は、そのHLB値及び用いられるキャリアのHLBの程度並びに同様な要因に依存する。ローション組成物は、組成物の湿潤特性を増加させるために必要とされる場合、約1〜約50%の湿潤剤を含むことができる。好ましくは、ローション組成物は湿潤性を増加させるために必要とされる場合、約1〜約25%、最も好ましくは約10〜約20%の湿潤剤を含む。
【0115】
適用されるローションが疎水性であり、身体に面する材料もまた疎水性である場合には、直腸の分泌物又は血液がパッドに吸収され及び装着者の衣類を汚す可能性を減少するために、ローションを縞、ドットなどのような不均一な方式で適用することは好ましい場合がある。
幾つかの場合には、キャリアの組成が、身体に面する材料の摩擦係数を減少することもまた好ましい。
【0116】
(任意構成成分)
本明細書に記載される必須皮膚治療及びキャリア構成成分に加えて、本発明のスキンケア組成物は更に、スキンケア組成物への使用が既知の、又はさもなければ有効である1以上の任意構成成分を含んでもよいが、ただしこの任意構成成分は、必須皮膚治療及びキャリア構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はさもなければ、製品安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわないことを条件とする。こうした任意構成成分は、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約20重量%、好ましくは0.001重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約10重量%の範囲の濃度で包含され、水、スキンコンディショニング剤、香料、脱臭剤、不透明化剤、収れん剤、防腐剤、抗菌剤、ネオスポリン、バシトラシン、コルチコステロイド、塩酸プラモキシン、乳化剤、皮膜形成剤、かゆみ止め、安定剤、タンパク質、レシチン、尿素、コロイド状オートミール、pH調整剤、及び米国食品医薬品局(FDA)によって、米国連邦法令集第21章§347のもとにヒトの皮膚への使用について安全であると判断されたその他のモノグラフにされた物質などの物質を包含する。スキンケア剤のその他の非限定例は、米国特許第6,153,209号(ベガ(Vega)に発行)に記載されている。
【0117】
本発明のスキンケア組成物に用いるその他の任意構成成分には、脂肪若しくは油、又は精油が挙げられる。これらの油は、組成物の約0.0001重量%〜10重量%の範囲の濃度で存在することができ、アニス油、バームミント油、バジル油、ビーバーム油、ベルガモット油、バーチ油、ビターアーモンド油、ビターオレンジ油、キンセンカ油、カリフォルニアナツメグ油、ヒメウイキョウ油、345カルダモン油、カモミール油、桂皮油、サルビア油、クローバーリーフ油、丁子油、コリアンダー油、サイプレス油、ユーカリ油、ウイキョウ油、クチナシ油、ゼラニウム油、ショウガ油、グレープフルーツ油、ホップ油、ナントウイガクサ油、インディゴブッシュ油、ジャスミン油、ジュニパー油、キーウィ油、月桂樹油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、リンデン油、ラビッジ油、マンダリンオレンジ油、マトリカリア油、ムスクローズ油、ナツメグ油、オリバナーン(Olibanurn)、オレンジフラワー油、オレンジ油、350パチョリ油、ペニローヤル油、ペパーミント油、松根油、松根タール油、ローズヒップ油、ローズマリー油、ローズ油、ルー油、セージ油、ニワトコ油、ビャクダン油、サッサフラス油、シルバーファー油、スペアミント油、スイートマジョラム油、ニオイスミレ油、タール油、茶木油、タイム油、ワイルドミント油、ヤロウ油、イランイラン油、アプリコット核油、アボカド油、ババス油、ボラージシード油、バター、C12−Cl酸トリグリセリド、ツバキ油、キャノーラ油、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸305トリグリセリド、ニンジン油、カシューナッツ油、ヒマシ油、チェリーピット油、キア油、カカオバター、ココナツ油、タラ肝油、トウモロコシ胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、C10−Clトリグリセリド、卵油、エポキシ化大豆油、月見草油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、スフィンゴ糖脂質、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヒト胎盤脂質(Human Placental Upids)、ハイブリッドベニバナ油、ハイブリッドヒマワリ種子油、硬化ヒマシ油、310硬化ヒマシ油ラウレート(310 Hydrogenated Castor Oil Laurate)、硬化ココナツ油、硬化綿実油、硬化C2〜C1トリグリセリド、硬化魚油、硬化ラード、硬化メンハーデン油、硬化ミンク油、硬化オレンジラフィー油、硬化パーム核油、硬化パーム油、硬化ピーナッツ油、硬化鮫肝油、硬化大豆油、硬化タロー、315硬化植物油、ラード、ラウリン酸/パルミチン酸/オレイン酸トリグリセリド、ラノリン及びラノリン誘導体、レスクェレラ油、リンシード油、マカダミアナッツ油、マレイン酸塩化大豆油、メドウファーム(Meadowfoarn)シード油、メンハーデン油、ミンク油、モリンガ油、モルティエラ油、ニーツフット油(Neatsfoot Oil)、オレイン酸/リノール酸トリグリセリド、オレイン酸/パルミチン酸/ラウリン酸/ミリスチン酸/リノール酸トリグリセリド、オレオステアリン(Oleostearine)、オリーブハスク油、オリーブ油、オーネンタル(Ornental)脂質、オレンジ・ラッフィー油、パーム核油、パーム油、320ピーチ核油、ピーナッツ油、ペンガワー・ジャンビ(Pengawar Djambi)油、ペンタデスマ(Pentadesma)バター、リン脂質、ピスタチオナッツ油、胎盤脂質、菜種油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、鮫肝油、シアバター、大豆油、スフィンゴ脂質、ヒマワリ種子油、スイートアーモンド油、トール油、タロー、トリベヘニン、トリカプリン、トリカプリリン、トリヘプタノイン(Triheptanoin)、C10脂肪酸:アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、330カプリル酸、ココナツ酸、コーン酸、綿実酸、硬化ココナツ酸、硬化メンハーデン酸、硬化タロー酸、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、リンシード酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パーム核酸、ペラルゴン酸、リシノール酸、大豆酸、ステアリン酸、トール油酸、タロー酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、小麦胚芽酸など、並びにこれらの混合物のような物質を包含する。
【0118】
本発明のスキンケア組成物に用いるその他の任意構成成分には、様々な植物及び植物性物質の、化学的に「活性な」構成成分を含有する抽出された植物活性物質が挙げられる。抽出された植物活性物質は、特定の植物から抽出されたいずれかの水溶性又は油溶性の活性物質を包含することができる。好適な抽出された植物活性物質の例は、エキナシア、ユッカ、グラウカ、ヤナギラン、バジルの葉、アロエ、トルコ原産オレガノ、ニンジン根、グレープフルーツ果実、ウイキョウの実、ローズマリー、タイム、ブルーベリー、ピーマン、紅茶、クロイチゴ、クロフサスグリの実、中国茶、コーヒー種子、タンポポ根、ナツメヤシの実、イチョウ葉、緑茶ポリフェノール(即ち、エピカテキンガレート、及びエピガロカテキン3−O−ガレートを包含する)、セイヨウサンザシの実、カンゾウ、ウーロン茶、セージ、イチゴ、スイートピー、トマト、バニラの実、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、クロロゲン酸、グルタチオン、グリチルリチン、アブサン、アルニカ、ツボクサ、カモミール、コンフリー、ヤグルマ草、セイヨウトチノキ、セイヨウキヅタ(ヘルデラ・ヘリックス)、モクレン、ミモザ、オート麦抽出物、パンジー、スカルキャップ(scullcap)、シーバックソーン、ホワイトネトル、ウィッチヘーゼル、及びこれらのいずれかの組み合わせから抽出された活性物質である。エキナシア、ユッカ、グラウカ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、中国茶、カモミール、アロエ、及びヤナギランを包含する組成物に関して特定の効果が観察されてきた。本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%の1以上の抽出された植物活性物質を包含することができる。より具体的には、本組成物は、約0.2重量%〜約7重量%の1以上の抽出された植物活性物質を包含することができる。更により具体的には、本組成物は、約1重量%〜約5重量%の抽出された植物活性物質を包含する。)。特定の態様では、抽出された植物活性物質は、少なくとも最小限約0.1重量%であることができる。あるいは抽出された植物活性物質は、改善された性能を提供するために、少なくとも約0.5%であってもよく、任意に少なくとも約1%であってもよい。他の態様では、抽出された植物活性物質は、最大約10重量%以下であってもよい。あるいは抽出された植物活性物質は、約8%以下であってもよく、任意に約5%以下であってもよい。植物物質は主に、その起源である植物の抽出物であるが、植物物質は、抽出溶媒もまた含有する組成物の一部として供給元からも入手可能である。本発明の組成物中の植物物質の量は、活性構成成分(抽出物でない)に関して、約0.000001〜約10重量%の範囲であってもよい。望ましくは、活性な植物物質の量は、本組成物の約0.00001〜約5重量%、より望ましくは、約0.0001〜約1重量%である。更に、活性な植物物質の量が、本組成物の約0.0001〜約0.5重量%、より望ましくは、本組成物の約0.001〜約0.1重量%であることもまた望ましい。本発明の組成物は、抽出された植物活性物質を乳化する又は懸濁するために用い得る追加の構成成分を、組成物の残りと共に包含することが必要である場合もある。抽出された植物活性物質が適切に組成物中に組み込まれない場合、それは皮膚に効果を供給する生物学的利用能を有しない場合がある。処方を修正することに加えて、抽出された植物活性物質はまた、加工技術の使用により良好に組み込むことができる。エキナシア及びカモミールを包含する本発明の組成物について、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、及びグリセロールモノオレエートのような乳化剤を添加することが必要な場合がある。
【0119】
本発明のスキンケアトリートメントに用いるその他の任意構成成分には、非変性親水性粘土及び変性疎水性粘土が挙げられ、スメクタイト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、及びステベンサイト、並びにそれらの合成的に製造された対応物、例えばラポナイトが挙げられる。
本発明のスキンケア組成物は、好ましくは任意のスキンコンディショニング剤、例えば以下に詳細に記載される、パンテノール、グリセリン、及びカモミール油を含む。
【0120】
(パンテノール)
スキンケア組成物は、好ましい任意のパンテノールスキンコンディショニング剤を、スキンケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.005重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約1重量%の範囲の濃度で含むことができる。任意のパンテノールスキンコンディショニング剤は、皮膚組織と皮膚治療剤の相互作用の間及び後に、皮膚に滑らかな、和らいだ、及び柔らかい感触を残し得る皮膚の軟化の効果を提供する。
【0121】
本発明のスキンケア組成物は、個々のパンテノール化合物又はパンテノール化合物の混合物を包含することができるが、ただし組成物中に包含されるパンテノールの合計濃度が、上記のスキンコンディショニングの効果を提供し、その際、こうした合計濃度が一般に組成物の約0.001重量%〜約10重量%であることを条件とする。
【0122】
本発明のスキンケア組成物に用いるのに好適な好ましい任意のパンテノールスキンコンディショニング剤の非限定例には、パントテン酸のアルコール誘導体であるパンテノール化合物が挙げられる。パントテン酸は、B複合体系統の一員であり、ビタミンB3と呼ばれることが多い。パントテン酸のように、この酸のパンテノールアルコール誘導体は立体異性体として、例えばD(+)形態、L(−)形態、ラセミ化合物、及びD(+)とL(−)形態の混合物として存在できる。そのため、本明細書で使用する時、「パンテノール」という用語は、特に指定しない限り、D(+)形態、L(−)形態、ラセミ化合物、及びD(+)とL(−)形態の混合物を指す。パンテノールの具体例には、D−パンテノール(a.k.a.デクスパンテノール)、及びdl−パンテノールが挙げられるが、これらに限定されない。パンテノールは、メルクインデックス(Merck Index)の第11版、登録2924、464ページ(1989年)に、より詳細に記載されており、この記載は参考として本明細書に組み込まれる。
【0123】
市販のパンテノールの例には、F.ホフマン・ラロシュ社(F.Hoffman LaRoche,Ltd.)の子会社であるロシュ・ビタミンズ社(Roche Vitamins Incorporation)(ニュージャージー州ナットレー)より入手可能であるD−パンテノールが挙げられる。
【0124】
(グリセリン)
スキンケア組成物は、好ましい任意のグリセリンスキンコンディショニング剤を、スキンケア組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.02重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含むことができる。任意のグリセリンスキンコンディショニング剤はまた、滑らかで、和らいだ、及び柔らかい皮膚感触といった皮膚軟化の効果並びにナイアシンアミド皮膚治療剤のための分散剤を提供する。
【0125】
グリセリンは、グリセロール、及び1,2,3−プロパントリオールとも呼ばれるC3一価アルコールである。グリセリン誘導体はまた、本明細書の任意のスキンコンディショニング剤として用いるのにも好適であり、こうした誘導体には、約2〜約16の繰り返しグリセロール部分を有するポリグリセロールが挙げられる。好適なグリセリンスキンコンディショニング剤の具体例は、グリセリン、USPコーシャ(USP Kosher)(登録商標)であり、これはオハイオ州シンシナティ所在のプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)から市販されている。
【0126】
(カモミール)
スキンケア組成物は、好ましい任意のカモミール油を、スキンケア組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含むことができる。任意のカモミール油スキンコンディショニング剤はまた、鎮痛のような皮膚の効果を提供する。カモミール油は、カモミールの花の油抽出物として一般的に調製される。市販のカモミール油の例には、フィトコンセントロール(Phytoconcentrol)カモミールが挙げられ、これはドラゴコ社(Dragoco Incorporation)(ニュージャージー州トトワ)より入手可能である。
【0127】
(皮膚を治療する方法)
本発明はまた、肛門周囲の皮膚を、本明細書に記載されるスキンケア組成物で治療する方法に関する。一般に、安全且つ有効な量のスキンケア組成物が、本明細に記載される痔の治療パッドに適用され、その際、こうした安全且つ有効な量は、約0.0155g/m2(0.01mg/in2)〜約310g/m2(200mg/in2)、好ましくは約0.155g/m2(0.1mg/in2)〜約155g/m2(100mg/in2)、より好ましくは0.5g/m2(0.003mg/in2)〜約93g/m2(60mg/in2)のスキンケア組成物を吸収性物品に適用することを包含する。
【0128】
典型的には、安全且つ有効な量の本発明のスキンケア組成物は、少なくとも約0.0015g/cm2(0.001mg/in2)〜約310g/cm2(200mg/in2)、好ましくは約0.006g/cm2(0.004mg/in2)〜約155g/cm2(100mg/in2)、より好ましくは約0.05g/cm2(0.03mg/in2)〜約62g/cm2(40mg/in2)の組成物が、例えば約2時間であり得る吸収性物品の1回使用の間に皮膚に移動するように、痔の治療パッドの身体に面する面上に適用される。痔の治療パッドは、日中は2〜5時間毎に、夜間の使用では1回取り替えることができ、結果として、約0.0045g/cm2(0.003mg/in2)〜約1860g/cm2(1200mg/in2)、好ましくは約0.018g/cm2(0.012mg/in2)〜約930g/cm2(600mg/in2)、より好ましくは約0.15g/cm2(0.09mg/in2)〜約372g/cm2(240mg/in2)の少なくとも安全且つ有効な量のスキンケア組成物が、一日の期間(24時間)内に投与される。本明細書に記載される痔の治療パッドを介した、本発明のスキンケア組成物の装着者の皮膚への移動は、一日、数日、数週間、数ヶ月、又は数年の間、適切な間隔で生じ得るが、ただし、安全且つ有効な量のスキンケア組成物が、本明細書に記載される皮膚治療の効果を送達するために投与されることを条件とする。
【0129】
本発明のスキンケア組成物は、痔の治療パッドにいずれかの既知の、又はさもなければ有効な技術により適用され得る。スキンケア組成物を吸収性物品上に適用する方法の非限定例には、噴霧、印刷(例えばフレキソ印刷)、コーティング(例えば接触スロットコーティング及びグラビアコーティング)、押出成形、又はこれらの適用技術の組み合わせが挙げられる。スキンケア組成物の痔の治療パッドへの適用は、スキンケア組成物の投与及び/又は付着のための、スキンケア組成物の皮膚上への移動又は移行を容易にし、結果として安全且つ有効な量の組成物が、皮膚疾患のより一層の予防及び減少のために適用される。そのため、皮膚に移動又は移行するスキンケア組成物の安全且つ有効な量は、適用されるスキンケア組成物の種類、スキンケア組成物が適用される身体接触面の部分、及びスキンケア組成物を投与するために用いられる吸収性物品の種類といった要因に依存する。
【0130】
スキンケア組成物を含有する痔のパッドの使用中に、装着者の皮膚に移動される本明細書に記載されるスキンケア組成物の量を決定する際に、いずれかの好適な方法を用いることができる。スキンケア組成物の移動量を計算するための具体的な方法の例には、生体内皮膚類似物質の分析を伴うガスクロマトグラフ分析手順及びその他の定量的分析手順が挙げられる。好適なガスクロマトグラフ手順は、PCT国際公開特許WO99/45973(ドナルドC.ロー(Donald C.Roe)ら、1999年9月16日公開)に、より詳細に記載されている。
【0131】
(製造方法)
本発明のスキンケア組成物は、本明細書に定義される必須の皮膚治療剤を含むスキンケア組成物を提供するために好適ないずれかの既知の、又はさもなければ有効な技術により調製されてもよい。
【0132】
一般に、スキンケア組成物は、最初に、ワセリン、ベヘニルアルコール、及びベヘネス−10のような好適なキャリアを含むキャリアシステムを燻蒸シリカ増粘剤と組み合わせて製造することにより調製される。次に、皮膚治療剤及び任意のスキンコンディショニング剤のようないずれかの任意成分を含む混合物がキャリアシステムに、約80℃の融解混合温度で添加される。キャリアシステム、皮膚治療剤、及びいずれかの任意成分が、典型的には約80℃の温度で処理されるが、これらの物質は、約60℃〜約90℃、好ましくは約70℃〜約90℃の範囲の温度で処理され得る。結果として得られるスキンケア組成物は、続いてノードセン(Nordsen)EP11−12−02のような接触塗布器を用いてトップシート42に適用され得る。
【0133】
本発明のスキンケア組成物は、組成物が痔のパッドに適用され、結果として安全且つ有効な量の組成物が吸収性物品の装着者の皮膚上に移動できるように調製される。そのため、スキンケア組成物は、好ましくは、周囲条件下で相対的に不動であり、吸収性物品の装着者接触面上に局在し、体温で装着者に容易に移動可能であるが、過激な貯蔵条件下で完全には液体でないような製品稠度を有する。換言すれば、スキンケア組成物は、組成物が、通常の接触、装着者の動き、及び/又は体温により皮膚上に容易に移動されるように、周囲条件(約25℃)及び/又は体温(約37℃)で固体又は半固体である。スキンケア組成物の稠度は、稠度を測定するための針入度計の使用を伴うASTM D5試験方法に従って測定することができる。典型的には、本発明のスキンケア組成物は、40℃でASTM D5試験方法中に概説された試験手順に従って測定した場合に、約10〜約300、好ましくは約20〜約250、より好ましくは約30〜約200の稠度を有する。
【0134】
スキンケア組成物の固体又は半固体の稠度により、所望のスキンケアの効果を与えるために吸収性物品に適用されるべき組成物の濃度を相対的に低くできる。「半固体」とは、組成物が吸収性物品上の所望の位置に相対的に静止して留まり、並びに物品の望ましくない位置に流動又は移行する傾向がないように、組成物が、擬塑性体又は塑性液体に典型的なレオロジーを有することを意味する。本発明の固体スキンケア組成物も、同様に特定の位置に留まることができ、物品の望ましくない位置に流動又は移行しない。これらの固体及び半固体のスキンケア組成物は、組成物を物品の目的とする位置に局在した状態に保つために十分高いが、装着者の皮膚ヘの移動を妨げる程には高くはない粘度を有する。典型的には、スキンケア組成物の固体及び半固体の最終製品は、40℃で約3×1.03mN/cm2(3×103ダイン/cm2)の剪断応力条件下(吸収性物品が約40℃の温度条件で貯蔵又は輸送される間に組成物に適用される剪断応力)で、約1.0×0.106Pa・s(約1.0×106センチポアズ)〜約1.0×1.01Pa・s(約1.0×1010センチポアズ)の範囲の粘度を有する。
【0135】
しかしながら、固体及び半固体のスキンケア組成物は、結果として組成物の変形をもたらす剪断応力を適用することにより、組成物の皮膚上への移動又は移行のために流動可能にされ得る。約40℃の温度条件下で吸収性物品の装着中に少なくとも一度適用される剪断応力は、典型的には約1.0×1.06mN/cm2(1.0×106ダイン/cm2)であり、この剪断応力は、結果として約1.0×1.01Pa・s(約1.0×101センチポアズ)〜約1.0×1.05Pa・s(約1.0×105センチポアズ)の粘度を有するスキンケア組成物をもたらし得る。適用された剪断応力下で、スキンケア組成物がより低い粘度の値を達成するのは、組成物が固体構成成分を含有する一方で、組成物はまた液体物質も含有するという事実によると考えられている。本明細書に記載される吸収性物品の装着中に、結果としてスキンケア組成物を装着者の皮膚上へ有効に移動させるように、装着者の皮膚と物品の身体接触面との間に十分な潤滑を得るために低粘度を達成することが望ましい。様々な剪断応力での粘度は、レオメトリックス社(Rheometrics Incorporation)より入手可能なレオメーター(Rheometer)SR−2000のような当該技術分野において既知のレオメーターを使用して測定することができる。
【0136】
スキンケア組成物は、好ましくはスキンケア組成物の皮膚の外面上への送達のために、痔の治療パッドに適用される。本明細書に記載される痔の治療パッドのような吸収性物品を組み立てる方法には、使い捨て吸収性物品を構築及び構成するための当該技術分野において既知の従来技術が挙げられる。好適な方法は、トップシートとバックシートとの間に入れられた吸収性コアと共に、トップシート及びバックシート材料を接合することを包含し、その際、スキンケア組成物が好ましくはトップシート上に適用される。本明細書で使用する時、「接合した」及び「接合する」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって、要素を別の要素に直接固定する構造;ある要素を中間部材(類)に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによって、ある要素を他の要素に間接的に固定する構造;及びある要素が別の要素と一体化する構造、即ちある要素がもう一方の要素の本質的に一部分である構造を包含する。例えば、バックシート及び/又はトップシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列により、吸収性コアに接合されるか、又は互いに接合され得る。満足のいくものであることが見出された接着剤は、ミネソタ州セントポールのH.B.フラー社(H.B.Fuller Company)により表記HL−1258又はH−2031として製造されている。あるいは、バックシート及び/又はトップシートは、熱接合、加圧接合、超音波接合、動的機械接合、これらの接着手段の組み合わせ、又は当該技術分野において既知のいずれかの他の好適な接着手段を用いて、吸収性コアに接合されるか、又は互いに接合され得る。
【0137】
トップシート、バックシート、及び吸収性コアは、好ましくは本発明のスキンケア組成物がトップシートに適用されるように接合される。しかしながら、スキンケア組成物は吸収性物品の他の区域に適用することもでき、その際、これらの区域にはウィング、サイドパネル、吸収性コア、コアとトップシートとの中間のいずれかの二次層、又は吸収性物品のいずれかのその他の領域が挙げられることも考えられる。
【0138】
本発明のスキンケア組成物はまた、組成物をエアゾールディスペンサー、引き金式スプレーディスペンサー、ポンプ式スプレーディスペンサー、瓶、スティックディスペンサー、コットンボール、貼付剤、スポンジ、及びいずれかの他の種類の既知の、又はさもなければ有効な送達ビヒクルの中に組み込むことにより皮膚上に送達することができる。スキンケア組成物は、長手方向の縞、横断方向の縞、点、又はその他の非連続の模様によって適用することができる。スキンケア組成物はまた、トップシート全体上の層の中に連続的に適用することもできる。
【実施例】
【0139】
次の例は、本発明の範囲内でスキンケア組成物として好適な物質46を更に記載及び明示する。実施例は、単に説明の目的で与えられるに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施例の多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものと解釈すべきではない。すべての例示した濃度は、特に指定しない限り、重量−重量パーセントである。
【0140】
(実施例I)
表1に例示したスキンケア組成物は、本発明のスキンケア組成物のキャリアシステムの代表例である。キャリアシステムは一般に、重量で、ワセリンとベヘニルアルコールのような脂肪アルコールとを組み合わせ、次いで低速プロペラミキサーを用いて攪拌しながら混合物を約80℃の温度に加熱することにより調製される。次に、粘性剤又は増粘剤が混合物に添加され、成分を最終キャリアシステムへと剪断混合する。好適な粘性剤又は増粘剤には、ベヘネス−10、燻蒸シリカ、ベントナイト、及びステアレス−2が挙げられ、その際粘性剤又は増粘剤は単独で又は組み合わせて用いられる。成分は、IKAウルトラタラックス剪断ミキサー(IKA Ultra Turrax Shear Mixer)を用いて、1分当たり11,000回転(rpm)で剪断混合され得る。
【0141】
あるいは、ワセリン、脂肪アルコール、及び粘性剤又は増粘剤は組み合わされ、成分を融解するため攪拌しながら80℃に加熱され、次いで5,000rpmで動作するトクシュキカTKロボミクス(Tokusyu Kika TK Robo Mics)のような高速ブレードミキサーを用いて最終キャリアシステムに混合され得る。
【0142】
【表1】

重量%−重量パーセント
1−ワセリン、ウィトコ社(Witco Corporation)よりプロトペット(Protopet)(登録商標)1Sとして入手可能
2−ベヘニルアルコール、コグニス社(Cognis Corporation)よりラネット(Lanette)22として入手可能
3−セテアリルアルコール、コグニス社(Cognis Corporation)よりステノール(Stenol)1822として入手可能
4−ベヘネス−10、コグニス社(Cognis Corporation)よりマージタール(Mergital)(登録商標)B10として入手可能
5−燻蒸シリカ、キャボット社(Cabot Corporation)よりキャブオーシル(Cabosil)(登録商標)TS−720として入手可能
6−ベントナイト、レオックス社(Rheox Incorporation)よりベントン(Bentone)(登録商標)38として入手可能
7−ステアレス−2、ユニケマ社(Uniqema Corporation)よりブリジ(Brij)(登録商標)762として入手可能
8.ソルビタンモノステアレート、ユニケマ社(Uniqema Corporation)よりスパン(Span)60として入手可能
【0143】
(実施例II−IX)
下記の表2に説明される次の実施例II〜IXは、表1に識別されるキャリアシステムを包含する本発明のスキンケア組成物の代表例である。スキンケア組成物は、酸化亜鉛皮膚治療剤のプレミックス溶液を配合し、酸化亜鉛プレミックスを他の皮膚治療剤、並びにパンテノール及びグリセリンのようないずれかの任意成分に添加することにより、又はヘキサミジン及びナイアシンアミド皮膚治療剤の皮膚治療溶液といずれかの任意成分とを配合することにより調製される。皮膚治療溶液は次に、表1に記載されるもののようなキャリアシステムに添加されるが、その際皮膚治療溶液及びキャリアシステムは、攪拌しながら約80℃の温度に加熱される。すべての成分は、スキンケア組成物の重量に基づいて包含される。これらのスキンケア組成物は、皮膚紅斑、悪臭、及び皮膚細菌感染のような皮膚疾患の抑制に特に有効である。
【0144】
【表2】

9−酸化亜鉛プレミックス、コボ社(Kobo Incorporation)より入手可能であるウルトラファイン(ULTRAFINE)350酸化亜鉛、ユニケマ社(Uniqema Incorporation)より入手可能であるアーレセル(Arlecel)(登録商標)P100、及びイケダ・インコ−ポレーション(Ikeda Incorporation)より入手可能であるサラコス(Salacos)(登録商標)99の酸化亜鉛混合物70%を含む
10−ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジンとしてラボラトリーズ・セロロバイロジクーズ(Laboratories Serolobilogiques)よりエラスタブ(ELASTAB)HP100の商品名で入手可能
11−パンテノール、ロシュ・ビタミンズ社(Roche Vitamins Incorporation)よりD−パンテノールとして入手可能
12−グリセリン、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)よりグリセリン、USPコーシャ(USP Kosher)(登録商標)として入手可能
13−ナイアシンアミド、EmインダストリーズHHN(Em Industries HHN)より入手可能
14−酸性化ナイアシンアミド、ナイアシンアミドとステアリン酸の反応により製造される
15−カモミール、ドラゴコ(Dragoco)よりフィトコンセントロール(Phytoconcentrol)カモミールとして入手可能
【0145】
実施例IIのスキンケア組成物は、続いて痔の治療パッド20の装着者接触面の身体側表面全体上に組成物を噴霧することにより適用され得る。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約30g/m2(19.4mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式ダイナテク(Dynatec)E84B1758噴霧ヘッドを用いて適用される。
【0146】
実施例IIIのスキンケア組成物は、続いてノードセン(Nordsen)EP11−12−02のような接触塗布器を用いて痔の治療パッド20のトップシート構成要素に適用され得る。スキンケア組成物は、4mmの幅を有する交互の縞として適用され得る。トップシートは次に、身体側表面上の組成物と共に組み立てられ、痔の治療パッド20を形成する。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約155g/m2(100mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに適用される。
【0147】
実施例IVのスキンケア組成物は、続いてノードセン(Nordsen)EP11−12−02のような接触塗布器を用いて痔の治療パッド20のトップシート構成要素に適用され得る。トップシートは次に、身体側表面上の組成物と共に組み立てられ、痔の治療パッド20を形成する。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約0.5g/m2(0.32mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに適用される。
【0148】
実施例Vのスキンケア組成物は、続いて痔の治療パッド20の装着者接触面の身体側表面全体上に組成物を噴霧することにより適用され得る。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約60g/m2(38.7mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式ダイナテク(Dynatec)E84B1758噴霧ヘッドを用いて適用される。
【0149】
実施例VIのスキンケア組成物は、続いてノードセン(Nordsen)EP11−12−02のような接触塗布器を用いて痔の治療パッド20のトップシート構成要素に適用され得る。スキンケア組成物は、5mmの幅を有する交互の縞として適用される。トップシートは次に、身体側表面上の組成物と共に組み立てられ、痔の治療パッド20を形成する。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約31g/m2(20mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに適用される。
【0150】
実施例VIIのスキンケア組成物は、続いてノードセン(Nordsen)EP11−12−02のような接触塗布器を用いて痔の治療パッド20のトップシート構成要素に適用され得る。スキンケア組成物は、3mmの幅を有する交互の縞として適用される。トップシートは次に、身体側表面上の組成物と共に組み立てられ、痔の治療パッド20を形成する。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約5g/m2(3.2mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに適用される。
【0151】
実施例VIIIのスキンケア組成物は、続いて痔の治療パッド20の装着者接触面の身体側表面全体上に組成物を噴霧することにより適用され得る。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約310g/m2(200mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式ダイナテク(Dynatec)E84B1758噴霧ヘッドを用いて適用される。
【0152】
実施例IXのスキンケア組成物は続いて、痔の治療パッド20の疎水性スパンボンド二構成成分ポリエチレン/ポリプロピレントップシート(ワシントン州ワショーガルのBBA)の装着者接触面上に、組成物を縞の構成にスロットコーティング(ノードセン(Nordsen)EP11−12−02)することにより適用され得る。安全且つ有効な量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物はトップシートに縞の構成で適用されるが、その際この縞の構成は、それぞれが5ミリメートル(mm)幅×60mm長さである少なくとも2本の縞を含み、並びにその上に適用された約20g/cm2(12.9mg/in2)の組成物を有する。トップシートは次に、身体側表面上の組成物と共に組み立てられ、痔の治療パッド20を形成する。
【0153】
実施例Xのスキンケア組成物は、続いて痔の治療パッド20の装着者接触面の身体側表面全体上に組成物を噴霧することにより適用され得る。安全且つ有効な量のスキンケア組成物を皮膚上に送達するために、約3.3g/m2(2.13mg/in2)のスキンケア組成物がトップシートに、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式ダイナテク(Dynatec)E84B1758噴霧ヘッドを用いて適用される。
【0154】
(試験方法)
特に指定しない限り、すべての方法は、パルプ製紙業界技術協会(TAPPI)によりT402オーム(om)−93、セクション3のもとに指定されるような標準実験室気候制御(73°F又は23℃±1℃、50%±2%相対湿度)のもとで実行される。すべての試料は、測定前に2時間これらの条件に順応させることが必要である。
【0155】
(吸収能力試験)
物品を、最も近い0.1gまで秤量する。次に物品を、0.9%無菌食塩水溶液(イリノイ州ディアフィールドのバクスター・トラベノール社(Baxter Travenol Company)から得られる)のビーカー中に沈めるが、その場合物品を完全に沈め、曲げたり、又はさもなければねじったり若しくは折り曲げたりしないようにする。物品を10分間沈める。物品を生理食塩水から取り出し、0.25インチ×0.25インチ(0.64cm×0.64cm)の正方形の開口部を有する針金の網目スクリーン上に水平に5分間置き、物品から生理食塩水を流出させる。次に物品の両側を、濾紙#631(ペンシルベニア州マウント・ホーリー・スプリングスの濾過科学社(Filtration Science Corp.)のイートン・ディックマン部門(Eaton-Dikeman Division)より入手可能)のような吸収性のある吸い取り紙で覆う。均一な1ポンド/平方インチ(6.9Pa)の荷重を物品の上に設置し、過剰の流体を絞り出す。吸収性吸い取り紙に移動する流体の量が30秒の間に0.5g未満になるまで、30秒毎に吸収性吸い取り紙を取り替える。次に物品を最も近い0.1gまで秤量し、物品の乾燥重量を引き算する。グラム(g)による差が物品の吸収能力である。
【0156】
(トップシートの圧縮性(厚さの変化)試験)
この試験手順は、圧力下のトップシートのキャリパーの変化を決定する。この手順は、2つの適用された圧力荷重の関数として、トップシートの圧縮性(及び密度)を計算するために用いることができる。これらの圧力は、痔の治療パッドを装着する間に殿裂内に見出されるものの典型であってもよい。しかしながら、この手順は、トップシートの圧縮性が添付の請求項に指定される場合はいつでも、トップシート材料を試験するために用いられることを目的としており、痔の治療製品上にのみ用いられるトップシートを試験することに限定されない。
【0157】
(装置):
この試験手順は、正確な(+/−0.01mmまで)厚さ計、例えば交換可能な円形フットを装備するオノソッキ(Ono-Sokki)GS−503計(米国イリノイ州アディソンのオノソッキ・テクノロジー・インク(Ono-Sokki Technology,Inc.)より入手可能)を必要とする。理想的には、厚さ計は、オノソッキ(Ono-Sokki)のモデルDG−3610のように、デジタル読み出しモジュールに取り付けられている。試料が設置され及び測定される表面上に、測定エラーにつながる有意の不規則性が存在しないことを確実にするために、滑らかに磨いた花崗岩のブロック(例えば、少なくとも0.001mmの平面度まで磨いた、米国バーモント州バリーのロック・オブ・エージズ・サーフェス・プレート(Rock of Ages Surface Plate)により供給されるもの)又は等価なものを、測定表面として用いることが必要である。
【0158】
(円形測定フット):
直径=40.0mm±0.5mmの円形平面フット、及び10gのおもりが選択された。
全体の重量(フット+キャリパーシャフト)=32±1g。
初期測定圧力=250N/m2(2.55g/cm2又は0.036psi)
シャフトに取り付けられた追加のおもり=100g±1g
最終重量(フット+おもり+シャフト)=132g±1g
最終測定圧力=1000N/m2(10.5g/cm2又は0.149psi)
【0159】
パッド試料は、試料を圧縮するために用いられる円形フットの40mmの直径より大きいように切断されることが必要である。10cm×10cmの長方形の打抜型は良好に機能し、切断を行っている間に、回復できない試料圧縮に関連する周辺効果が確実に生じないことが見出された。試験される区域は、平らに置ける(好ましくは、平面度について0.05mm未満の偏差)ことが必要がある。しかしながら試料を平らにするために、トップシートの構造を変えるべきではない。試料は、原材料のロール又は最終製品から切断されてもよいが、切断区域は皺又は屈曲があってはならず、トップシート材料の歪みのない寸法を代表するものでなくてはならない。トップシート層は、その他の材料ときれいに分離されなくてはならない。少なくとも3つの異なる試料が測定され、平均の結果が報告されることが必要である。
【0160】
最終製品から取り外されたトップシート試料について、試料の寸法が上記のように測定されるために十分に大きくない場合には、より小さい直径の円形フットを選択することが必要である。以下に詳述されるように、適用圧力が維持される、及びトップシートの取り外しに関連する不規則な端又は材料の損傷が回避されるという条件で、より小さい直径の円形フットの使用が受け入れられる。より小さい直径のフットが使用される場合には、確実にトップシートの代表的な測定値が得られるように、最小限5つの試料が測定されることが必要である。確実に、トップシートが、その表面構造を変えることなく注意深く取り外されるようにする。
【0161】
(手順):
1.測定を開始する前に標準計を用いて、キャリパー計を確実に較正し、±0.01mmまで正確にする。
2.磨いた花崗岩の表面上に、身体に面する面を上に向けて試料を設置し、キャリパーシャフト及びフットの組み立て装置を試験される試料より上の中央に配置する。試験を、標準円形フット(40mm)及び32gのシャフト+フットの合計重量を用いて開始する。
3.キャリパーシャフト及びフットの組み立て装置を試料上に静かに下げ、並びに5秒間(しかし10秒を超えない)待機した後、初めの試料の厚さを最も近い0.01mmまで記録する。これは、250N/m2(2.55g/cm2又は0.036psi)の圧力下の厚さに相当する。
4.試料をなお円形フットの下に配置したままで、追加のおもり円板(100g)を注意深くキャリパーシャフト上に設置し(合計重量はこれで132gである)、5秒間(しかし10秒を超えない)待機した後、最終の試料の厚さを記録する。これは、1000N/m2(10.5g/cm2又は0.149psi)の圧力下の厚さに相当する。
5.トップシートのキャリパーの変化は、最終キャリパーを初めのキャリパーから引き算することにより決定する(以下の計算を参照のこと)。
【0162】
(計算):
トップシートのキャリパーの変化が、圧縮力の結果として次のように決定される;
トップシートのキャリパーの変化=キャリパー(250N/m2)−キャリパー(1000N/m2
トップシートのキャリパーの変化の数値が大きくなればなるほど、トップシートはより圧縮できるようになり、吸収装置の装着中に、圧縮力に適合できるようになり、こうした力を装着者の身体の敏感な膜組織上に直接伝えないようになる。
【0163】
(水分散性試験)
(装置)
振とう器 ジュニア・オービット振とう器(Junior Orbit Shaker)、イリノイ州メルローズパークのラブ・ライン・インスツルメンツ(Lab Line Instruments)より入手可能。
温度計 −1.1℃〜48.9℃(30〜120°F)で1°の偏差を有する
タイマー デジタルストップウォッチ
蓋付き広口瓶 453.6g(16オンス)の蓋付きガラス製広口瓶。
【0164】
(試験設定)
1.ガラス製広口瓶に、300mlの22.8±1.6℃(73±3°F)の水道水を満たす。
2.ジュニア・オービット振とう器(Junior Orbit Shaker)の速度を製造業者の指示に従って250rpmに設定する。
【0165】
(手順)
1.試料(例えば、吸収性陰唇間装置20)の3〜4インチ(7.6〜10.2cm)を広口瓶中の水面より上に保持する。試料を水面上に静かに落とす。
2.広口瓶に蓋をする。
3.広口瓶をジュニア・オービット振とう器(Junior Orbit Shaker)中に、広口瓶が横向きになるように設置する。
4.ジュニア・オービット振とう器(Junior Orbit Shaker)を、オン/オフのスイッチを用いて始動し、振とう器のスイッチが入力された時にタイマーを始動する。
5.試料が少なくとも2片に分離するまでに必要とされた時間を記録する。それ以外は損なわれていない試料からの、幾つかの個々の繊維の分離は、分離には包含しない。時間は、試料が振とうされた合計時間である。
6.工程1〜5を、3つの更なる試料について繰り返す。
【0166】
(計算及び報告)
試験された4つの試料について、水分散性の時間の平均及び標準偏差を計算し及び報告する。
【0167】
(フラッシャブル性試験)
(概観)
上記のように、「フラッシャブル又はフラッシャブル性」という用語は、典型的には市販の家庭用トイレ及び排水配管システムを、詰まったり又は製品の物理的特徴に直接に関連し得る同様な問題を生じることなく通過できる製品の能力を指す。添付の請求項の目的上、製品はフラッシャブル性について、便器及びトラップの排出、並びにその後の模擬の配管システムを通る移送の相対的な容易さを介して評価される。こうした装置のフラッシャブル性は、次の試験手順により測定されることが必要である。
【0168】
試験手順は、4人(男性2人女性2人)家族の2日間の通常のトイレの使用を模擬するように設計される。試験は、次の状態を模擬するフラッシュの順序を使用する:男性の排尿による使用、女性の排尿による使用(排尿後のティッシュによる乾燥を包含する)、ティッシュを用いた清浄と共に製品(即ち、試験される陰唇間装置又はその他の装置)の廃棄、及び排便による使用。各ティッシュのフラッシュについて用いられるティッシュの量は、7枚のシートの2ストリップによる通常装填である。通常装填は、典型的な習慣及び実践に関する消費者調査に基づいている。試験は、製品が従来のトイレを通って、市営下水中に又は浄化槽中にフラッシュされる場合に、製品が遭遇する状態を模擬するように設計されている。試料は:1)便器及びトラップの通過、2)排水管路の閉塞、及び3)フラッシュ中の分解について評価される。
【0169】
(装置)
フラッシャブル性試験に好適な装置が、図5の平面図に示される。この装置は次のものを包含する:
・210として参照される3.5ガロン(13.2l)の水節約型サイホンボルテックス式トイレ(市販の圧送式トイレのような異なるフラッシュ機構を用いて試験試料の挙動を評価するため、追加のトイレを図5に示される管配列にまた取り付けることができる);
・およそ59フィート(18m)の内径4インチ(10cm)のアクリル管(図5に見られるように、配管は、およそ10フィート(3m)の長さの直線状の管211、213、215、217、219、221を有する、ほぼ正方形の構造に組み立てられる);
・通気のため大気に開放される、トイレ210の僅かに下流の鋳鉄のティー223;
・5つの鋳鉄の90度エルボー212、214、216、218、及び220;
・管の終端部からおよそ15フィートに垂直に配置され、及びおよそ1インチ(2.5cm)長さの障害222(図6);並びに
・分解の評価のために固体の流出物を捕捉するためのスクリーン(No.4タイラー(Tyler)ふるい)。
【0170】
この方法のために用いられる装置は、ガラス質陶磁器(Vitreous Chin)備品のための米国規格協会(ANSI)規格A112.19.2M−1990と等価であるように設定される。配管は、管の長さ1フット当たり0.25インチ(2cm/1m)位置が下がっていくようにつながれる。
【0171】
(材料)
試験に用いられるティッシュ製品:オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)により製造される、標準的な「チャーミン(CHARMIN)」トイレットペーパー。
合成の糞便物質:以下に記載される方法に従って調製された。
【0172】
(試験フラッシュの順序)
試験フラッシュの順序は、4人家族の2日間の通常のトイレの使用(男性2人女性2人;消費者の習慣及び実践に関する調査に基づく)を模擬する。合計34回のフラッシュの順序は、空の便器による14回のフラッシュ、ティッシュのみを伴う8回のフラッシュ、ティッシュと試験される製品を伴う6回のフラッシュ、並びにティッシュ及び模擬糞便物質(SFM)を伴う6回のフラッシュから成る。使用される場合、SFMは便器の中にティッシュを加える直前に設置される。160g±5gのSFMの装填は、1インチ(2.5cm)×4インチ(10cm)の2個、及び1インチ(2.5cm)×2インチ(5cm)の1個から成る。折り畳まれたティッシュストリップ(又は生理用品)を10秒の間隔で便器中に設置する。最終ストリップ又は製品が便器中に設置された後10秒で、トイレをフラッシュする。フッラシュの順序は、次の順番で組み合わされる2つの決まった手順の一続きのものとして以下に記載される。
【0173】
(決まった手順#1(合計30回のフラッシュについて最初に6度実行される))
1)ティッシュのみを伴うフラッシュ−水が模擬障害物に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、更に1分待ち、工程2に移る。
2)空の便器によりフラッシュする。水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、工程3に移る。
3)ティッシュ及び製品を伴うフラッシュ−水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、更に1分待ち、工程4に移る。
4)空の便器によりフラッシュする。水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、工程5に移る。
5)ティッシュ及び模擬糞便物質(SFM)を伴うフラッシュ水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、更に1分待つ。
【0174】
(決まった手順#2(1度実行される))
1)ティッシュのみを伴うフラッシュ−水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、更に1分待ち、工程2に移る。
2)空の便器によりフラッシュする。水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、工程3に移る。
3)ティッシュのみを伴うフラッシュ−水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取し、更に1分待ち、工程4に移る。
4)空の便器によりフラッシュする。水が障害地点に達した後2分で排水管路の閉塞の読みを採取する。
【0175】
手順当たりのフラッシュの合計回数は34である。
フラッシュ手順の内の第2のフラッシュ手順の後に、製品がフラッシュ後に便器又はトラップ中に残っている場合には、ティッシュ及び又は製品を排水管中に手で押しこみ、フラッシュ手順を継続する。各試験装填が完了した後、排水管を、次の試験の開始前にきれいにする。
上記のフラッシュ順序は、各試験製品について3回繰り返される。
【0176】
(データ報告)
排水管路の閉塞度は、障害物の後ろにせき止められた水の長さを測定することにより決定される。目盛は、障害物の上流の排水管上に12インチ(30cm)毎に印を付けられる。水が滞留する長さの各1フットは、障害物の地点での0.25インチ(0.6cm)又は6.25%の閉塞に相当する。排水管を出る試験製品の残留物もまた収集する。
【0177】
次のデータは、各評価について報告される:
1)製品が便器及びトラップを1回のフラッシュで通過することができない発生率(%)
2)製品が便器及びトラップを2回のフラッシュで通過することができない発生率(%)
3)製品が模擬障害上にある発生率
4)排水管路の最高閉塞度(%)
5)2日間の模擬試験期間全体での排水管路の閉塞の累積度(%)
【0178】
本明細書で使用する時、フラッシャブルとは、本明細書に記載される製品が、2回以下のフラッシュの少なくとも約70%の時間、より好ましくは1回のフラッシュの少なくとも約80%の時間、更により好ましくは1回のフラッシュの少なくとも約90%の時間、最も好ましくは1回のフラッシュの少なくとも約95%の時間、完全に便器を通過していることを意味する。本明細書に記載される製品は、好ましくは約80%以下の排水管路の最高閉塞度を有する。本明細書に記載される製品は、好ましくは約50%以下の2日間の模擬試験期間全体での排水管路の閉塞の累積度を有する。
【0179】
(28日間の汚泥試験)
(目的):
吸収性物品が、生物学的に活性な嫌気性汚泥にさらされる際に分解する程度を決定するため嫌気性の状態は、嫌気性消化汚泥の形態で、家庭用浄化槽中並びに市営汚水処理施設中に典型的に見出される。試験製品、例えば吸収性物品は嫌気性消化汚泥と組み合わされ、28日間にわたって試験製品の分解の程度及び比率を測定される。分解(重量の変化で測定される場合)は、典型的には特定の調査の3日、7日、14日、21日、及び28日に測定される。この手順は、ミシガン州アナーバーの米国衛生協会(National Sanitation Foundation)の国際協約(International Protocol):試験製品の嫌気性分解の評価(Evaluation of the Anaerobic Disintegration of a Test Product)(1992年11月)に倣って作られている。
【0180】
(材料):
(対照製品)
タンパックス・レギュラー(TAMPAX Regular)ブランドのタンポンを、嫌気性分解試験の正の対照製品として用いる。
【0181】
(材料の調製)
試験製品及び対照製品を反応容器に添加する前に、材料を熱風炉中で103°±2℃で2時間乾燥させ、次いで初期重量を決定するために秤量する。およそ等しい重量の対象製品及び試験製品をそれぞれの反応容器中に設置する。
【0182】
(嫌気性汚泥):
この評価において用いられる汚泥は、市営下水処理設備から得られた嫌気性汚泥であるか、又は沈殿及び上澄みの水を静かに注ぐことにより濃縮された、下水処理設備からの流入として得られる未処理下水である。評価に用いる前に、汚泥の次のパラメーターが、次のような標準実験室操作手順に従って測定される。
【0183】
固体総量
揮発性固体総量
pH
汚泥は、評価に用いるために次の基準を満たすことが必要である。
pH6.5〜8
固体総量≧15,000mg/L
揮発性固体総量≧10,000mg/L
スラッジの活性についての基準は、対照のタンポン材料が、28日間さらされた後で、初期乾燥重量の少なくとも95%を必ず失うことを必要とする。
【0184】
(手順):
試験製品及び対照製品を、1500mlの嫌気性消化汚泥又は濃縮未処理下水を含有する2Lの広口ガラスフラスコ(反応容器)に添加する。抽出日につき、試験材料当たり3つの反応フラスコを調製する。したがって、分解を3日、7日、14日、21日、及び28日に測定する場合には、試験製品について合計15個の反応フラスコ、及び対照製品について合計15個のフラスコである。反応容器を封止し、35±2℃に維持されたインキュベーター中に設置する。指定された抽出日に、試験及び対照材料について3つずつの反応容器をインキュベーターから取り出す。指定された抽出日に、各反応容器の内容物を1mmの網目スクリーンを通過させていずれかの分解していない材料を回収する。いずれかの収集された材料を水道水ですすぎ、スクリーンから取り除き、103±2℃で熱風炉中に少なくとも2時間設置する。乾燥した材料を坪量して最終重量を決定する。反応容器から回収された場合、材料の物理的概観の目視観察もまた行い、記録する。
【0185】
(結果):
各試験材料及び対照材料の嫌気性分解の比率及び程度は、材料の初期乾燥重量及び抽出日に回収された材料の乾燥重量から決定される。嫌気性分解の割合は、次の方程式を用いて決定される(重量損失%):
【0186】
【数1】

各抽出日について、試験製品及び対照製品についての平均分解割合が提示される。添付の請求項の目的上、分解割合の値は調査の28日についてのものである。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の痔の治療パッドの平面図。
【図2】図1のパッドの断面2−2による断面図。
【図3】本発明の痔の治療パッドの側面図。
【図4】取り扱われる本発明の痔の治療パッドの斜視図。
【図5】フラッシャブル性試験装置の概略平面図。
【図6】フラッシャブル性試験装置の部分の断面の表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア組成物を特徴とする痔の治療パッドであって、該スキンケア組成物が:
(a)約0.001重量%〜約0.1重量%のヘキサミジンと;
(b)約0.001重量%〜約10重量%の酸化亜鉛と;
(c)約0.01重量%〜約10重量%のナイアシンアミドと;
(d)キャリアとを含む、痔の治療パッド。
【請求項2】
該組成物が、約0.01重量%〜約0.05重量%のヘキサミジン、約0.01重量%〜約1重量%の酸化亜鉛、及び約0.2重量%〜約2重量%のナイアシンアミドを含む、請求項1に記載の痔の治療パッド。
【請求項3】
該ヘキサミジンが、イセチオン酸ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、塩酸ヘキサミジン、グルコン酸ヘキサミジン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の痔の治療パッド。
【請求項4】
該組成物がハーブを更に含む、請求項1に記載の痔の治療パッド。
【請求項5】
向かい合う臀部の左右中間部及び隣接する肛門により定義される空間に挿入されることを目的とする吸収性肛門用パッドであって、前記吸収性パッドが液体透過性身体接触面及び下面を含み、前記吸収性パッドが、該パッドを中央長手方向軸に沿って曲げるための軸を更に含み、その際前記液体透過性身体接触面を吸収材料に接合し、該肛門用パッドが、前記液体透過性身体接触面に適用されるスキンケア組成物を有することを特徴とし、その際該吸収性肛門用パッドが、使用中に前記液体透過性上面を該肛門に隣接して設置するために、前記中央長手方向軸に沿って折り曲げられる、吸収性肛門用パッド。
【請求項6】
前記パッドが、一体化したトップシート及びコアを含む、請求項5に記載の吸収性肛門用パッド。
【請求項7】
前記スキンケア組成物が、前記パッドの該身体接触面上に間欠的な模様で適用される、請求項5に記載の吸収性肛門用パッド。
【請求項8】
前記間欠的な模様が、スキンケア組成物の少なくとも1つの縞を含む、請求項7に記載の痔の治療パッド。
【請求項9】
装着者の該肛門領域の快適性を改善するために吸収性パッドを用いる方法であって、前記方法が:
a)吸収性パッドを提供する工程と;
b)前記吸収性パッドを折り曲げて1つの次元に折り目を形成する工程と;
c)前記吸収性パッドを肛門に隣接する殿裂内に挿入する工程とを特徴とする方法。
【請求項10】
前記方法が更に:
d)スキンケア組成物を前記吸収性パッドに提供する工程と;
e)前記スキンケア組成物の一部を該殿裂の該皮膚に移動させる工程とを含む、請求項9に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−518711(P2006−518711A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518585(P2005−518585)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/005083
【国際公開番号】WO2004/073757
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】