説明

癌の予防および治療のための置換イミダゾピリミジン

癌の予防および治療のための置換イミダゾピリミジンであって、一般的 (I) において A1 - A5 および B1 - B5 が H、アルキル、アルコキシル、ハロゲン、カルボキシル誘導体または硫黄誘導体などであり、P1 - P3 が H、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシルなどである。これらの化合物は前癌病変および癌の化学的予防および治療に有用であり得る。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、前癌病変[例えば、家族性腺腫性ポリープ症 (FAP) および光線性角化症 (AK)] および癌 (例えば、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膀胱癌または皮膚癌) の化学的予防および治療のための、新規化合物およびその使用に関する。
【0002】
背景技術
結腸直腸癌 (CRC) は世界的に最もありふれた癌であり、全般的死亡率が 40%を超える。CRC の約 15 %の患者がその病気の家族歴をもつ。遺伝性 CRC は2症候群から一般的に発育することに主に基づく:家族性腺腫性ポリポーシス (FAP) および遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌 (HNPCC) である。FAP は、腫瘍サプレッサー遺伝子・腺腫性ポリポーシス大腸 (APC) における遺伝子系変異により生じ、大腸における複数の腺腫の早い発育を特徴とする。これらの病変が除去されないと、癌腫になり得る。
【0003】
約 90 %の全 CRC 例および死亡が予防可能と考えられる。化学的予防方策の対象は、腺腫ポリープの形成およびその後の CRC への進展を回避することである。化学的予防剤は、種々のレベルで、アポトーシスの増加、細胞増殖の減少および/または腺腫誘発 DNA 障害の低下により作用できる。多くの薬理学的物質が CRC の予防のために研究されており、その中には、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID) およびシクロオキシゲナーゼ (COX)-2-選択性阻害剤がある。COX-2-非依存性メカニズムも記述されているが (Hsu A.L. J. Biol. Chem. 2000, 275, 11397-403)、COX-2 酵素活性の阻害がこれらの化合物の予防作用の部分的基礎をなす(腫瘍細胞における COX-2 の過剰発現がある)。さらに、COX を阻害しないいくつかの NSAID が前癌および癌の過程に対する化学的予防活性を保持し、もって、COX 阻害に独立のメカニズムを介して作用する (Piazza G.A. Cancer Res. 1997, 57, 2909-15)。
【0004】
光線性角化症 (AK) および皮膚癌は数が増加している皮膚疾患である。これらは、慢性的な日光暴露の部位、例えば、顔や手甲に現れる。AK の正確な発生率は不明であるが、40 歳を超えるオーストリア人の 40-50 %が AK をもち、その発生率は年齢とともに増加する。AK がうず形成細胞癌腫 (SCC) に進行し得ることについて強力な証拠があり、事実、約 60 %の SCC が前存在の AK から生じている。皮膚癌の発現は多くの因子に起因する。それには、人の寿命の増大および紫外線照射環境の大きい増加がある。紫外線は分子情報伝達経路を誘発し、皮膚癌の発育に重要である特異的な遺伝子変更 (すなわち p53 の変異) をもたらす。セレコキシブ、COX-2 阻害剤がネズミの UVB-誘発皮膚腫瘍を低下することが示されているが、その作用の正確なメカニズムは解明されていない。さらに、シクロオキシゲナーゼ・ノックアウト線維芽細胞についての報告が、NSAID のいくつかの抗増殖性および抗新生物性作用が COX-1 または COX-2 の阻害に独立的であることを確認している(Zhang X. J. Exp. Med. 1999, 190, 451-459)。
【0005】
化学的予防のための安全で効果的な NSAID の開発は、この疾患を起こす低い蓋然性をもつ健常人に投与されるときに、重い毒性がこの薬物での治療の利点と相反する可能性により複雑となる。さらに、重い消化管反応、心血管系の安全性、重い皮膚反応または過敏反応の危険が COX-2 阻害剤の使用に関連して増加している。このことが、前癌病変および癌の予防および/または治療に対する、これらの臨床適用を現在のところ制限する。このように、毒性の低い効果的な新規薬物の開発が、これらの病態について欠かすことができない。
【0006】
提案されている多くの抗増殖性化合物の中に、本発明のものと構造的に類似している化合物がいくつかある。例えば、下記の式のものが、WO 99/51590 および US 5700826 に記載されており、まだ開発段階にある。
【0007】
WO 00/08024 は、本発明の化合物に構造的に類似するいくつかの化合物を開示する。これらの化合物は、選択的 COX-2 阻害剤であって、炎症および癌の治療に有用なようである。
【0008】
Wang およびその協力者 (J. Med. Chem. 2002, 45, 1697-1711) が、強力な抗テュブリンおよび細胞毒活性を有する 4,5-ジフェニルイミダゾ誘導体を開示している。

【化1】

【0009】
上記の理由から、前癌病変および癌の化学的予防および治療のために新規の化合物を提供する必要がある。
【0010】
本発明の要旨
本発明の化合物は、COX-2 非依存性経路を介して、癌細胞系の増殖を阻害し、癌細胞系におけるアポトーシスを誘発し、もって COX-2 阻害に関連する毒性を減少せしめる。
【0011】
本発明は下記の一般式 (I) の化合物に関する:
【化2】

【0012】
式中、
A1、A2、A3、A4、A5、B1、B2、B3、B4 および B5 は、H、(C1-C4)-アルキル、(C3-C7)-シクロアルキル、CF3、OCF3、CN、(CH2)nOR1、(CH2)nNR1R2、CONR1R2、F、Cl、Br、I、NR1R2、NR2COR1、OR1、COR1、COOR1、COSR1、OCOR1、SR1、SOR1、S(O)OH、SO2R1、SO2NR2R3、SO2NHCOR1 および SCOR1 よりなる群から独立的に選ばれるラジカルであり、うち、n は 1 〜 3 の整数であり;
R1 は、H、CH2OCOR2、CF3、(C1-C4)-アルキルおよび (C3-C7)-シクロアルキルメチルならびに (C3-C7)-シクロアルキルから選ばれるラジカルであり;
R2 は、H および (C1-C4)-アルキルから選ばれるラジカルであり;
R3 は、COR1 および SO2R1 から選ばれるラジカルであり;
あるいは、A2 と A3 または B2 と B3 のいずれかが R4-(C1-C3)-アルキル-R5 ビラジカルを形成することがあり、うち R4 および R5 は、CR1R2、O、NR1、S から独立的に選ばれ;および
P1、P2 および P3 は、H、NR1R2、NR2COR1、CF3、F、Cl、Br、OH、SH、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルコキシルおよび (C1-C4)-アルキルスルファニルよりなる群から独立的に選ばれるラジカルである。
【0013】
先行技術のいくつかの文献に (参照、WO 00/08024; US 3455924; JP 01/43978; Almansa C, et al. J. Med. Chem. 2001, 44, 350-361; Kruglenko V.P. Chem. Heterocycl. Compounds, 1999, 35, 374; y Kruglenko V.P. et al. Ukr. Khim. Zh. 2001, 67, 108)、一般式 (I) に含まれるいくつかの化合物が、化学的に記載されている。それで、下記の条件を満たす式 (I) の化合物を本発明の保護範囲から除外する:同時的に B3 が SO2NH2 または SO2CH3 であり、A3、A4 または A5 が H、F、Cl、Br、(C1-C3)-アルキル、CF3、(C1-C3)-アルコキシルまたは OCF3 であり、そして P1 または P2 が H、CH3、Cl、Br または CH3O であり;同時的に、B3 が CH3O または H であり、A3 が CH3O または H であり、そして P1、P2 および P3 が H であり;または同時的に B3 が F であり、A3 が SO2CH3 であり、そして P1 がメチルであるもの。
【0014】
【化3】

【化4】

【0015】
本発明のこの態様の特定の実施態様において、式 (I) の化合物中、A3 および B3 は、H、(C1-C4)-アルキル、(C1-C3)-シクロアルキル、CF3、OCF3、CN、CONR1R2、F、Cl、Br、I、NR1R2、NR2COR1、OR1、COR1、COOR1、COSR1、OCOR1、SR1、SOR1 および SCOR1 から選ばれるラジカルであり、別の特定の実施態様において、B3 は、SR1 および SOR1 から選ばれるラジカルである。
【0016】
本発明の好ましい化合物は下記のものを含む:
2-(4-メトキシフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-(4-ブロモフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-(4-メトキシフェニル)-7-メチル-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
2-(4-メタンスルホニルフェニル)-7-メチル-3-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
【0017】
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-メチル-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-ブロモ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-m-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-ブロモ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
【0018】
2-(4-メトキシフェニル)-3-(3-メチル-4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-プロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン; および
3-(3-クロロ-4-メタンスルフィニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン。
【0019】
本発明の式 (I) の化合物のいくつかは、1以上のキラル中心を有し得る。本発明は、可能な立体異性体の各1およびその混合物、特にラセミ混合物を含む。単一のエナンチオマーを、通常使用される方法のいずかにより、例えば、静止キラル相のラセミ混合物のクロマトグラフィー分離により、ジアステレオマー塩の分画結晶法によるラセミ混合物の分解により、キラル合成により、酵素的分解により、またはバイオ形質転換により調製できる。
【0020】
薬学的に許容される塩には、とりわけ、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸およびリン酸などの無機酸の付加塩、ならびに酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、ギ酸、酒石酸およびマレイン酸などの有機酸の付加塩がある。同様に、式 (I) の化合物中の酸塩プロトンは、金属性イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオンで置換でき、あるいは有機または無機の塩基で配位し得る。許容され得る有機塩基には、ジエチルアミンおよびトリエチルアミンがある。許容され得る無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムがある。電荷を有する官能基の数ならびにカチオンおよびアニオン価に従って1以上のカチオンまたはアニオンが存在し得る。
【0021】
本発明の式 (I) の化合物のいくつかは、非溶媒和の形態および水和物などの溶媒和の形態で存在し得る、本発明は、医薬的活性である上記のすべての形態を包含する。一般的式 (I) の化合物のいくつかは多形性を示すことがあり、本発明はすべての可能な多形性およびその混合物を含む。
【0022】
本発明の化合物は、下記の方法および有機合成で既知の他の方法により合成し得る。好ましい方法は、限定でないが、反応式に示される一般的方法を含む。
【0023】
反応式 1 において、α-ブロモデスオキシベンゾイン (III) は、デスオキシベンゾイン (II) を Br2/HBr/AcOH、Br2/CCl4 または CuBr2 の酢酸エチル液 (EtOAc) でブロム化して、得ることができる。化合物 (III) と 2-アミノピリミジン (IV) との反応は、炭酸カリウムの存在または過剰のアミノピリミジンで、化合物 (Ia) と (Ib) の混合物をもたらす。
【0024】
反応式 1
【化5】

【0025】
反応式 2 に示すように、出発のデスオキシベンゾイン (II) は、少なくとも下記の異なる4経路の1により調製できる。経路 1 は、芳香族基質 (VI) と置換塩化フェナセチル (V) との Friedel-Crafts 反応からなる。経路 2 は、ベンツアルデヒド (VIII) とフェニル酢酸誘導体 (VII) との Perkin 縮合からなり、2,3-ジフェニルアクリル酸を得て、Curtius 再編成を行い、ついで加水分解処理を行う。経路 3 は、ベンジルマグネシアン (IX) のベンツアルデヒド (VIII) への付加からなり、ついで得られた化合物を酸化する。経路 4 は、ベンゾニトリル (X) のベンジルマグネシアン (IX) への添加からなる。
【0026】
反応式 2
【化6】

【0027】
あるいは、反応式 3 に従って、化合物 (Ia) を、ブロモアセトフェノン (XI) と 2-アミノピリミジン (IV) の反応、つづく得られた化合物 (XII) の N-ブロモサクシニミド (NBS) によるブロム化で化合物 (XIII) を得て、ついで Pd および塩基の存在下での適当なアリルボロン酸との (XIV) Suzuki 反応で、得ることができる。
【0028】
反応式 3
【化7】

【0029】
化合物 (I) において、A1 〜 A5 の1または B1 〜 B5 の1のいずれか(これらの残りは上記に定義)がメチルスルフィドであるとき、これを対応するスルホンアミドに、反応式 4 に示すように転換できる(環 A 上にスルホンアミド置換基のみを表示しているが、環 B について同じ適用をなし得る。環 A および B 上の残りの位置を上記のように置換し得る)。すなわち、メチルスルフィド (XV) をメタクロロ過安息香酸 (mCPBA) で酸化し、スルホキシド (XVI) を得る。(XVI) の Pummerer 反応によりアセトキシメチルチオ (XVII) を得て、これをモノ過オキシフタール酸マグネシウム塩6水和物 (MMPP) で酸化して、化合物 (XVIII) を得る。(XVIII) を NaOH (1N) の MeOH 溶液で処理すると、スルフィネート (XIX) を得る。これを最初に塩化スルフリルのジクロロメタン (DCM) 液で処理し、ついで水性水酸化アンモニウムのテトラヒドロフラン (THF) 液で処理すると、スルホンアミド (XX) を得る。
【0030】
化合物 (XVIII) もスルホンアミド (XX) に NaOAc および K2CO3 による処置により、続く HOSA (ヒドロキシルアミン-O-スルホン酸) との反応により変換できる。
【0031】
反応式 4
【化8】


簡単にするために、上記反応式 4 において環 A および B 中の可能な置換基を表示していない。
【0032】
あるいは、スルホンアミド (XX) を スルホキシド (XVI) から出発して、順次 a) TFAA (無水トリフルオロ酢酸); b) トリエチルアミンの MeOH 液; c) 塩素の酢酸液; および最後に d) 水酸化アンモニウムとの反応により得ることができる。トリエチルアミンの存在下での無水酢酸による (XX) 中のスルファモイル基の N-アセチル化で、その対応するアセチル誘導体 (XXI) を得る。他方、B3 がスルホンアミドである化合物 (XX) も、B3 が H である化合物 (II) から出発して、クロロスルホン化および続くアミン化により得ることができる。
【0033】
反応式 5 に示すように、ピリミジン環上のいくつかの置換基 (すなわち、P1、P2 および P3) をヒドロキシイミダゾピリミジン (XXII) のリン酸オキシクロリドでの処理により得て、クロロ誘導体 (XXIII) を取得する。ついで、これをチオウレアと反応さして対応のメルカプタン (XXIV) を得るか、あるいはアルコールまたはアミンと反応さして、対応するエーテル (XXV) またはアミノ誘導体 (XXVI) をそれぞれ得ることができる。
【0034】
反応式 5
【化9】

【0035】
本発明の化合物は癌性および/または前癌性細胞のアポトーシスを誘導し得る。すなわち、本発明のひとつの態様は、前癌病変(例えば、家族性腺腫性ポリープ症および光線性角化症) および癌 (特に、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膀胱癌または皮膚癌) の化学的予防および治療のための医薬の製造における該化合物の使用に関する。従って、本発明のこの態様は、上記の病因があるヒトを含む動物の予防的および/または治療的処置のための方法に関し、医療的に有効な量の式 (I) の化合物を投与することを含む。
【0036】
本発明の他の態様は、医療的に有効な量の式 (I) の化合物を活性成分として、適当な量の薬学的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物に関する。好ましくは、化合物を経口、非経口または局所的に投与する。
【0037】
明細書および特許請求の範囲を通じて、語 "含む" およびその変形語 "含んでいる" などは、他の添加剤、成分、エレメントまたは工程を除外することを意味しない。本願に添付の要約書および優先権の基になった出願における開示を、出典明示により本明細書の一部とする。明細書および特許請求の範囲を通じて、用語 "アルキル" および "アルコキシル" は直鎖または分枝として構成される。本発明の追加の態様、利点および新しい特性は、明細書中にある部分は記述されており、また記述を検討することである部分は当業者に明らかとなり、また本発明の実行で教示され得る。本発明を下記の実施例でさらに説明する。実施例は例示のためのものであって、限定を構成しない。
【0038】
実施例
本発明の種々の化合物の構造を、1H NMR (特に記述しない限り、CDCl3 中で、VARIAN UNITY 300 MHz 装置を用いる。ここでは、化学的変動は内部対照 TMS から ppm (δ) として表示される) によるか、または Agilent 1100 VL のエレクトロスプレイ・プローブにより分子イオンを取得する質量分析法によって確認する。マイクロ波の照射下で全反応を厚壁の Pyrex 管中で行った。マイクロ波加熱を単一モード腔の Discover Microwave Synthesizer (CEM corporation) で実施した。本発明で用いた命名法は、Beilstein Institute のソフトウエアー AUTONOM (Automatic Nomenclature) に基づく。これは IUPAC 系統的命名法に使用されている。下記の実施例は、例示のためにのみ示すものであって、限定を構成しない。
【0039】
デスオキシベンゾインのブロム化についての一般的方法
a) デスオキシベンゾイン誘導体 (50 mmol) のクロロホルム (210 mL) と CCl4 (826 mL) の混合物に、CCl4 に溶解された臭素 (50 mmol) を滴下した。脱色が完了したとき、有機層を 5% 炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。ついで、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、所望のα-ブロモデオキシベンゾインを得た。
【0040】
b) デスオキシベンゾイン誘導体 (50 mmol) の EtOAc (210 mL) 溶液に臭化銅 (II) (24, 5 g, 110 mmol) を加え、ついで、混合物を 60 ℃で 3 時間攪拌した。反応混合物を冷却し、Celite でろ過し、溶媒を留去して、所望のα-ブロモデオキシベンゾインを得た。
【0041】
2-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン誘導体についての一般的方法
ブロモアセトフェノン誘導体 (7.37 mmol) のジメチルホルムアミド (DMF、75 mL) 溶液に、2-アミノピリミジン誘導体 (18.4 mmol) を加えた。混合物を 70 ℃で 12 時間攪拌した。ついで、これを冷却し、EtOAc で希釈した。溶液を最初に 5% 炭酸水素ナトリウムで、次に水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で精製した。
【0042】
3-ブロモ-2-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジンについての一般的方法
2-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン誘導体 (4.60 mmol) のアセトニトリル (50 mL) 懸濁液に、NBS (750 mg, 4.20 mmol) を少量ずつ 0 ℃で加えた。得られる溶液を同じ温度で 1 時間攪拌し、反応混合物を減圧で濃縮した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で精製した。
【0043】
実施例 1 および 2: 各々、2-(4-エトキシフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジンおよび 3-(4-エトキシフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン
2-ブロモ-2-(4-エトキシフェニル)-1-(4-メチルスルファニルフェニル)エタノン 1.1 g (2.9 mmol) の DMF 30 mL 溶液に、2-アミノピリミジン 0.7 g (7.4 mmol) を加えた。混合物を 70 ℃に加熱しながら 12 時間攪拌した。ついで、ついで、これを冷却し、EtOAc で希釈した。溶液を最初に 5% 炭酸水素ナトリウムで、次に水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、EtOAc を溶出液として用い、300 mg の実施例 1 および 70 mg の実施例 2 を得た。
【0044】
実施例 3: 2-(4-メトキシフェニル)-5,7-ジメチル-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン
2-ブロモ-1-(4-メトキシフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)エタノン (2.1 mmol) 750 mg のアセトニトリル 21 mL 溶液に 2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン (5.3 mmol) 660 mg を加えた。反応混合物を攪拌しながら 72 時間還流せしめ、ついで冷却し EtOAc で希釈した。溶液を最初に 5% 炭酸水素ナトリウムで、次に水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、EtOAc を溶出液として用い、表記化合物 30 mg を得た。
【0045】
実施例 4: 3-(4-フルオロフェニル)-2-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン
3-ブロモ-2-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン (0.55 mmol) 150 mg、4-フルオロボロン酸 (0.66 mmol) 92 mg、Na2CO3 (2.10 mmol) 120 mg およびテトラキス(トリフェニルホスフィン) (0.005 mmol) 0.5 mg の THF 2 mL および水 2 mL の溶液にマイクロ波 (60 W) を温度 170 ℃で 20 分間照射した。密封反応器中の圧を 140 〜150 psi とした。照射後、溶液を EtOAc で希釈し、水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、溶出液として EtOAc:DCM (1:1) を用い精製して、表記化合物 100 mg を得た。
【0046】
実施例 73: 7-クロロ-3-(4-メトキシフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン
実施例 72 (0.55 mmol) 200 mg の POCl3 5 mL 溶液を 3 時間攪拌しながら還流せしめ、ついで冷却した。溶媒を留去し得られた残渣を水で希釈し、アンモニウムを加えて塩基性 pH とした。溶液を EtOAc で抽出し、有機抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、溶出液として EtOAc を用い精製して、表記化合物 80 mg を得た。
【0047】
実施例 102: 5-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-7-オル
2-ブロモ-1-(4-メトキシフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)エタノン 750 mg (2.1 mmol) のアセトニトリル 21 mL 溶液に 2-アミノ-4,6-ジメトキシピリミジン 826 mg (5.3 mmol) を加えた。混合物を攪拌しながら 72 時間還流せしめ、ついで冷却した。EtOAc で希釈し、5% 炭酸水素ナトリウムを加えた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、EtOAc を溶出液として用い、表記化合物 40 mg を得た。
【0048】
実施例 220: 4-(7-メチル-3-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)フェニルスルファニルメチル酢酸エステル
実施例 166 (1.58 mmol) 550 mg の無水酢酸 7 mL 溶液に酢酸カリウム (7.12 mmol) 700 mg を加えた。混合物を攪拌しながら 10 時間還流せしめ、ついで冷却した。得られた残渣を EtOAc で希釈し、溶液を NH4Cl およびブラインの飽和溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固し、表記化合物 610 mg を得た。
【0049】
実施例 221: 4-(7-メチル-3-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-yl)ベンゼンスルホニルメチル酢酸エステル
実施例 220 (1.56 mmol) 610 mg の DCM:MeOH (3:1) 20 mL 溶液に MMPP (1.72 mmol) 1.06 g を加えた。混合物を攪拌しながら 10 時間還流せしめた。反応混合物を飽和重炭酸塩で中性とし、溶媒を留去した。得られた残渣を DCM で希釈し、溶液を 5% 炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィー、シリカゲル (flash) で、EtOAc を溶出液として用い、表記化合物 260 mg を得た。
【0050】
実施例 216: 4-(7-メチル-3-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)ベンゼンスルホンアミド
実施例 221 (0.60 mmol) 250 mg の MeOH 6 mL 溶液に酢酸カリウム 460 mg (4.74 mmol) を加えた。混合物を室温で攪拌しながら 10 時間還流せしめた。ついで、酢酸カリウム 170 mg (1.18 mmol) を加え、反応混合物を 1.5 時間攪拌した。HOSA (2.37 mmol) 270 mg を加え、溶液をさらに 2 時間攪拌し、得られた残渣を EtOAc で希釈した。溶液を 5% 炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた残渣を MeOH で洗浄し、表記化合物 90 mg を得た。
【0051】
下記の実施例を、上記の方法のいずれかを用い調製した。
【0052】
表 1
【表1−1】

【0053】
【表1−2】

【0054】
【表1−3】

【0055】
【表1−4】

【0056】
【表1−5】

【0057】
【表1−6】

【0058】
【表1−7】

【0059】
【表1−8】

【0060】
【表1−9】

【0061】
【表1−10】

【0062】
【表1−11】

【0063】
【表1−12】

【0064】
【表1−13】

【0065】
【表1−14】

【0066】
【表1−15】

【0067】
【表1−16】

【0068】
【表1−17】

【0069】
【表1−18】

【0070】
【表1−19】

【0071】
【表1−20】

【0072】
【表1−21】

【0073】
【表1−22】

【0074】
【表1−23】

【0075】
【表1−24】

【0076】
【表1−25】

【0077】
【表1−26】

【0078】
【表1−27】

【0079】
【表1−28】

【0080】
【表1−29】

【0081】
【表1−30】

【0082】
【表1−31】

【0083】
【表1−32】

【0084】
【表1−33】

【0085】
【表1−34】

【0086】
【表1−35】

【0087】
【表1−36】

【0088】
【表1−37】

【0089】
【表1−38】

【0090】
【表1−39】

【0091】
【表1−40】

【0092】
【表1−41】

【0093】
【表1−42】

【0094】
【表1−43】

【0095】
【表1−44】

【0096】
【表1−45】

【0097】
【表1−46】

【0098】
アポトーシスの検討
本発明化合物の抗増殖性活性がアポトーシス過程により、単にネクローシスによるのでないことを確認するために、ヒストン(モノ-およびオリゴヌクレオソーム) に結合の DNA フラグメントの産生を、ヒト腸癌細胞系 HCT-116 を種々の濃度の本発明化合物とともにインキュベートして調べた。アポトーシス現象の指標であるヌクレオソームの DNA フラグメント化を、DNA に対するモノクローナル抗体およびヒストン (Cell Death Detection ELISAPLUS, Roche Diagnostics, cat #1920685) を用いるサンドイッチ免疫アッセイで定量した。フラグメント化 DNA の量を Enrichment Factor (EF) パラメーターで表した。これは、対照細胞と比較して産物の存在で培養された細胞質基質に遊離されたヌクレオソームの吸収の係数である。
【0099】
細胞増殖阻害の検討
本発明化合物の細胞増殖に対する阻害能力を、ATCC (American Type Collection) で得られたヒト腸腺癌細胞系 (HCT-116) で調べた。細胞を 96-ウエルプレートに撒き、37 ℃に CO2 ヒーター中で、24 時間保ち、細胞-基質-接着を可能にした。ついで、細胞を産物で、濃度 1 〜 100 μM で 48 時間処理した。処理後、培地を除き、細胞をスルホロダミン B で染色した。最後に、染色細胞の脱色を Tris 塩基 10 mM で行い、プレートを 493-530 nm でプレートリーダーで読んだ。IC50 を、処理されていない対象細胞に比して 50% の成長阻害を起こす産物の濃度として計算した。
【0100】
下記の表 2 は、本発明のいくつかの例示物について上記2アッセイの生物学的結果を示す。
【表2】

【0101】
本発明化合物は、抗増殖性およびアポトーシス性剤である セレコキシブ よりも強力であるが、COX-阻害剤である セレコキシブ よりも強力でない。この結果およびヒト癌細胞系 HCT-116 が COX-2 イソ酵素を発現しないという事実が、これらの作用メカニズムが COX-2 阻害性に依存していないことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式 (I) の化合物、その立体異性体および混合物、その多形性および混合物、ならびにこれらすべての薬学的に許容される溶媒和物および付加塩:
【化1】


式中、
A1、A2、A3、A4、A5、B1、B2、B3、B4 および B5 は、H、(C1-C4)-アルキル、(C3-C7)-シクロアルキル、CF3、OCF3、CN、(CH2)nOR1、(CH2)nNR1R2、CONR1R2、F、Cl、Br、I、NR1R2、NR2COR1、OR1、COR1、COOR1、COSR1、OCOR1、SR1、SOR1、S(O)OH、SO2R1、SO2NR2R3、SO2NHCOR1 および SCOR1 よりなる群から独立的に選ばれるラジカルであり、うち、n は 1 〜 3 の整数であり;
R1 は、H、CH2OCOR2、CF3、(C1-C4)-アルキルおよび (C3-C7)-シクロアルキルメチルならびに (C3-C7)-シクロアルキルから選ばれるラジカルであり;
R2 は、H および (C1-C4)-アルキルから選ばれるラジカルであり;
R3 は、COR1 および SO2R1 から選ばれるラジカルであり;
あるいは、A2 と A3 または B2 と B3 のいずれかが R4-(C1-C3)-アルキル-R5 ビラジカルを形成することがあり、うち R4 および R5 は、CR1R2、O、NR1、S から独立的に選ばれ;および
P1、P2 および P3 は、H、NR1R2、NR2COR1、CF3、F、Cl、Br、OH、SH、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルコキシルおよび (C1-C4)-アルキルスルファニルよりなる群から独立的に選ばれるラジカルであり、
ただし、式 (I) は、同時的に B3 が SO2NH2 または SO2CH3 であり、A3、A4 または A5 が H、F、Cl、Br、(C1-C3)-アルキル、CF3、(C1-C3)-アルコキシルまたは OCF3 であり、そして P1 または P2 が H、CH3、Cl、Br または CH3O であり;同時的に、B3 が CH3O または H であり、A3 が CH3O または H であり、そして P1、P2 および P3 が H であり;または同時的に B3 が F であり、A3 が SO2CH3 であり、そして P1 がメチルであるものを含まない。
【請求項2】
A3 および B3 が、H、(C1-C4)-アルキル、(C1-C3)-シクロアルキル、CF3、OCF3、CN、CONR1R2、F、Cl、Br、I、NR1R2、NR2COR1、OR1、COR1、COOR1、COSR1、OCOR1、SR1、SOR1 および SCOR1 から選ばれるラジカルである、請求項1の化合物。
【請求項3】
B3 が SR1 および SOR1 から選ばれるラジカルである、請求項2の化合物。
【請求項4】
下記よりなる群から選ばれる、請求項1の化合物:
2-(4-メトキシフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-(4-ブロモフェニル)-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-(4-メトキシフェニル)-7-メチル-3-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
2-(4-メタンスルホニルフェニル)-7-メチル-3-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(3-メチル-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-ブロモ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-m-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-ブロモ-4-メチルスルファニルフェニル)-2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
2-(4-メトキシフェニル)-3-(3-メチル-4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-プロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン;
3-(4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
3-(3-クロロ-4-イソプロピルスルファニルフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン; および
3-(3-クロロ-4-メタンスルフィニルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2 a]ピリミジン。
【請求項5】
活性成分として医療上有効量の請求項1−4のいずれかの化合物を、適切な量の薬学的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物。
【請求項6】
前癌病変の化学的予防および/または治療のための医薬の製造における、請求項1−4のいずれかで定義された化合物の使用。
【請求項7】
全癌病変が家族性腺腫性ポリポーシスまたは光線角化症である、請求項6の使用。
【請求項8】
癌の化学的予防および/または治療のための医薬の製造における、請求項1−4のいずれかで定義された化合物の使用。
【請求項9】
癌が結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌または皮膚癌である、請求項8の使用。
【請求項10】
医薬を経口的、非経口的または局所的に投与する、請求項6−9のいずれかの使用。
【請求項11】
前癌病変に罹患するヒトを含む動物の予防的および/または治療的な処置方法であって、医療上有効量の請求項1−4のいずれかで定義された化合物を、薬学的に許容される賦形剤とともに投与することを含む方法。
【請求項12】
癌に罹患するヒトを含む動物の予防的および/または治療的な処置方法であって、医療上有効量の請求項1−4のいずれかで定義された化合物を、薬学的に許容される賦形剤とともに投与することを含む方法。



















【公表番号】特表2007−500160(P2007−500160A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521521(P2006−521521)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008476
【国際公開番号】WO2005/014598
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(501048446)ラボラトリオス・エセ・ア・エレ・ベ・ア・テ・ソシエダッド・アノニマ (8)
【氏名又は名称原語表記】LABORATORIOS S.A.L.V.A.T., S.A.
【Fターム(参考)】