説明

癲癇の治療に有用なスルファミド誘導体

本発明は、式(A)の新規スルファミド誘導体、その化合物を含む製薬学的組成物、並びにそれを必要とする被験体に、単独で若しくは1種以上の抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤との併用療法として、その化合物を投与することを含む、癲癇及び関連する障害の治療方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規スルファミド誘導体、その化合物を含む製薬学的組成物、及びそれを必要とする被験体に、単独で若しくは1種以上の抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤との併用療法として、その化合物を投与することを含む、癲癇及び関連する障害の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癲癇とは、人間が慢性的な根源的プロセスにより再発性の発作を有する症状を説明する。癲癇には多くの型及び原因が存在するため、癲癇は、1つの独立した疾患というよりはむしろ臨床的な現象を称する。2回以上の非挑発性発作という癲癇の定義を使用すると、癲癇の発生率は世界中の様々な集団で約0.3〜0.5パーセントと推定され、癲癇の罹患率は1000人あたり5〜10人と推定される。
【0003】
発作患者の評価及び管理の本質的な工程は、生じた発作の型を決定することである。様々なカテゴリの発作を区別する主な特徴は、発作活性が部分的(限局性と同義語)なものか全身的なものかどうかである。
【0004】
部分的発作は、発作の活動が大脳皮質の分離した領域に限定されているものである。発作中意識が完全に保たれている場合、臨床症状は比較的単純であると考えられ、その発作は単純部分発作と呼ばれる。意識が損なわれる場合、発作は複雑部分発作と呼ばれる。重要な追加のサブグループは、部分発作として始まり、次いで皮質全体に拡散的に広がるものを含み、二次的全身化を伴う部分発作として知られている。
【0005】
全身化発作は、両側的に対称な様式で同時に脳の領域に拡散することを伴う。欠神発作又は小発作は、姿勢制御を失うことなく、意識が突然明らかに失われることを特徴とする。非定型欠神発作は、典型的には、意識が失われている期間がより長く、それほど突然発症及び休止せず、限局性又は側性化特性を含む場合がある運動徴候がより明らかであることを含む。全身化発作の主な型である、全身性強直間代性発作又は大発作は、警告なく突然発症することを特徴とする。発作の初期相は、通常、筋肉の強直性収縮、呼吸器障害、心拍数、血圧、及び瞳孔の大きさの増加を導く交感神経系の緊張の著しい高まりである。10〜20秒後、発作の強直相は、典型的には、強直性筋肉収縮に筋肉弛緩期が重なることにより生まれる慢性相に発展する。弛緩期は、発作相が終わるまで徐々に増加し、これは通常1分以上は続かない。発作後相は、喘鳴呼吸及び部分的な気道閉塞の原因となる場合がある、無反応、筋弛緩及び過剰な唾液分泌を特徴とする。無緊張発作は、1〜2秒続く起立性筋緊張が突然失われることを特徴とする。意識は明らかに損なわれているが、通常発作後錯乱は起こらない。ミオクローヌス発作は、体の一部又は体全体に関係する場合がある、突然かつ明らかな筋収縮を特徴とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
癲癇及び関連する障害の有効な治療法を提供することに対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式(A)の化合物、
【0008】
【化1】

及びその鏡像異性体並びに製薬学的に許容できる塩の単離型に関する。ある実施形態では、本発明は式(A)の化合物の(R)鏡像異性体の単離型に関する。別の実施形態では、本発明は式(A)の化合物の(S)鏡像異性体の単離型に関する。追加の実施形態では、本発明は、式(A)の化合物の製薬学的に許容できる塩、式(A)の化合物の(R)鏡像異性体の製薬学的に許容できる塩、及び式(A)の化合物の(S)鏡像異性体の製薬学的に許容できる塩からなる群から選択される化合物の単離型に関する。
【0009】
ある実施形態では、本発明は、以下の本明細書の実施例3に記載の条件に従って測定したとき、式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の単離型に関する。別の実施形態では、本発明は、以下の本明細書の実施例3に記載の条件に従って測定したとき、式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の単離型に関する。追加の実施形態では、本発明は、式(A)の化合物の製薬学的に許容できる塩、式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の製薬学的に許容できる塩、及び式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の製薬学的に許容できる塩からなる群から選択される化合物の単離型に関する。
【0010】
本発明は、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の、(a)式(A)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩の単離型、又は(b)式(A)の化合物の鏡像異性体若しくはその製薬学的に許容できる塩の単離型を投与することを含む、癲癇及び関連する障害の治療方法に関する。
【0011】
本発明は、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の、(a)式(A)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩の単離型、又は式(A)の化合物の鏡像異性体若しくはその製薬学的に許容できる塩の単離型、並びに(b)1種以上の抗痙攣剤又は抗癲癇剤を含む併用療法を投与することを含む、癲癇及び関連する障害の治療方法に関する。
【0012】
本発明は更に、本明細書に記載のいずれかの手順に従って、本明細書に記載の化合物のいずれかを調製及び/又は単離するプロセスに関する。本発明は更に、本明細書に記載されるプロセス又は手順のいずれかに従って調製される製品に関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、
【0014】
【化2】

【0015】
単独で又は1種以上の抗痙攣剤若しくは抗癲癇剤との併用療法として、癲癇及び関連する障害の治療に有用な、N−[(1−オキシドベンゾ[b]チエン−3−イル)メチル]−スルファミド、並びにその光学異性体(すなわち、鏡像異性体)及び製薬学的に許容できる塩としても知られる、式(A)の化合物の単離型に関する。
【0016】
本明細書で定義するとき、式(A)の化合物は、式(A)の化合物の対応する(R)及び(S)鏡像異性体のすべてのあり得る混合物を含むべきである。本明細書で定義するとき、式(A)の化合物は更に、式(A)の化合物の対応する(+)及び(−)鏡像異性体のすべてのあり得る混合物を含むべきである。
【0017】
ある実施形態では、本発明は、以後式(A−R)の化合物と称する、式(A)の化合物の(R)鏡像異性体の単離型に関する。
【0018】
【化3】

【0019】
別の実施形態では、本発明は、以後式(A−S)の化合物と称する、式(A)の化合物の(S)鏡像異性体の単離型に関する。
【0020】
【化4】

【0021】
追加の実施形態では、本発明は、式(A−R)の化合物及び式(A−S)の化合物の製薬学的に許容できる塩に関する。
【0022】
ある実施形態では、本発明は式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の単離型に関する。ある実施形態では、本発明は式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の単離型に関する。追加の実施形態では、本発明は、式(A)の化合物の(+)及び(−)鏡像異性体の製薬学的に許容できる塩に関する。
【0023】
式(A)の化合物及びその対応する鏡像異性体は、式(P)の化合物の代謝産物である。
【0024】
【化5】

【0025】
式(A)の化合物及びその対応する鏡像異性体は、あるいは、例えばマウスに投与したとき、式(P)の化合物に変わることができる。
【0026】
式(P)の化合物は、米国特許公開第2006/0047001(A1)号に記載の新規スルファメート誘導体の例であり、この誘導体は、癲癇及び関連する障害の治療に有用である。式(P)の化合物を含む、このスルファメート誘導体は、双極性鬱病、双極性障害及び躁病の治療のため、鬱病の治療のため、癲癇発生の治療のため、グルコースに関連する障害及び脂質に関連する障害の治療のため、偏頭痛の治療及び/又は予防のため、神経保護、急性及び慢性神経変性障害の治療のため、及び脳、頭部若しくは脊髄損傷若しくは傷害に続く神経細胞死又は損傷の予防のため、疼痛の治療のため、並びに物質乱用及び依存症の治療のため、更に有用である(単独で及び/又は1種以上の製薬学的剤との併用療法として)。
【0027】
本明細書で使用するとき、表記「*」は、立体中心の存在を示すものとする。
【0028】
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、結果としてそれらはエナンチオマーとして存在する可能性がある。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在する可能性がある。こうした異性体及びそれらの混合物はすべて、本発明の範囲に包含されるものである点は理解されるべきである。好ましくは、化合物が鏡像異性体として存在する場合、鏡像異性体は約80%以上の鏡像異性体過剰率で、より好ましくは約90%以上の鏡像異性体過剰率で、更により好ましくは約95%以上の鏡像異性体過剰率で、更により好ましくは約98%以上の鏡像異性体過剰率で、最も好ましくは約99%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。同様に、化合物がジアステレオマーとして存在する場合、ジアステレオマーは約80%以上のジアステレオマー過剰率で、より好ましくは約90%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約95%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約98%以上のジアステレオマー過剰率で、最も好ましくは約99%以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
【0029】
本発明のある実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約50%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約75%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約85%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約90%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約95%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約98%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−R)の化合物の単離型は、約99%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。
【0030】
本発明のある実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約50%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約75%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約85%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約90%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約95%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約98%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A−S)の化合物の単離型は、約99%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。
【0031】
本発明のある実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約50%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約75%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約85%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約90%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約95%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約98%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(+)の化合物の単離型は、約99%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。
【0032】
本発明のある実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約50%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約75%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約85%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約90%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約95%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約98%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。本発明の別の実施形態では、式(−)の化合物の単離型は、約99%以上の鏡像異性体過剰率で存在する。
【0033】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「単離型」は、生きている動物の外、好ましくは人体の外で、任意の固体形又は混合物で存在することを意味する。ある実施形態では、本発明は、本明細書に記載する任意の化合物の単離型に関する。
【0034】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「実質的に純粋な化合物」は、式(P)の化合物が挙げられるが、これらに限定されない、単離した化合物中の不純物のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味する。本発明の別の代替実施形態では、本明細書に記載の任意の化合物は実質的に純粋である。
【0035】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「実質的に対応する塩の型を含まない」及び「実質的に純粋な遊離塩基」は、本明細書に開示の任意の化合物を説明するために用いるとき、単離した化合物中の任意の対応する塩の型のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味する。本発明の別の代替実施形態では、本明細書に記載の任意の化合物は実質的に対応する塩の型を含まない。
【0036】
本発明のある実施形態では、式(A)の化合物の単離型、式(A−R)の化合物の単離型、式(A−S)の化合物の単離型、式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の単離型、又は式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の単離型は、実質的に純粋な化合物として存在する。本発明の別の実施形態では、式(A)の化合物の単離型、式(A−R)の化合物の単離型、式(A−S)の化合物の単離型、式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の単離型、又は式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の単離型は、実質的に任意の対応する塩の形を含まない形で存在する。本発明の別の実施形態では、式(A)の化合物の単離型、式(A−R)の化合物の単離型、式(A−S)の化合物の単離型、式(A)の化合物の(+)鏡像異性体の単離型、又は式(A)の化合物の(−)鏡像異性体の単離型は、対応する製薬学的に許容できる塩として存在する。
【0037】
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、結果としてそれらは鏡像異性体として存在する可能性がある。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在する可能性がある。こうした異性体及びそれらの混合物はすべて、本発明の範囲に包含されるものである点は理解されるべきである。更に、その化合物の結晶型の中には多形として存在できるものもあり、それ自体本発明に含まれることを意図する。加えて、化合物の中には水(すなわち水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成できるものもあり、このような溶媒和物も本発明の範囲に包含されることを意図する。
【0038】
薬剤で使用するために、本発明の化合物の塩は非毒性の「製薬学的に許容できる塩」を指す。しかし他の塩も本発明の化合物又はそれらの製薬学的に許容できる塩の調製に有用である場合がある。化合物の好適な製薬学的に許容できる塩としては、例えば、化合物の溶液を、製薬学的に許容できる酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸の溶液とともに混合することにより形成され得る酸付加塩が挙げられる。更に、本発明の化合物が酸性部分を保有する場合、その好適な製薬学的に許容できる塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、及び第四級アンモニウム塩のような、好適な有機リガンドとともに形成される塩が挙げられる。したがって、代表的な製薬学的に許容できる塩としては、以下が挙げられる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩。
【0039】
製薬学的に許容できる塩の調製に使用してもよい代表的な酸及び塩基としては、以下が挙げられる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロシ(hydrocy)−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン(nicotinc)酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミトリン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバイン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸を含む酸、並びに
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛を含む塩基。
【0040】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「癲癇及び関連傷害」は、被験体(好ましくはヒトの成人、小児又は乳児)が1回以上の発作及び/又は振戦を経験する任意の障害を意味する。好適な例としては、癲癇(局所関連癲癇、全身癲癇、全身化及び局所的発作の両方が起こる癲癇等が挙げられるが、これらに限定されない)、レノックス−ガストー症候群に関連する発作、疾患又は状態の合併としての発作(脳障害、フェニルケトン尿、若年性ゴーシェ病、ルントボルク(Lundborg)進行性間代性筋痙攣癲癇、脳卒中、頭部外傷、ストレス、ホルモン変化、薬物使用又は離脱、アルコール使用又は離脱、睡眠遮断、熱、感染等に伴う発作のような)、本態性振戦、むずむず足症候群等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、障害は、癲癇(型、根本にある原因又は起源にかかわらず)、本態性振戦又はむずむず足症候群から選択され、より好ましくは、障害は癲癇(型、根本にある原因又は起源にかかわらず)又は本態性振戦である。
【0041】
本明細書で使用するとき、用語「被験体」は、治療、観察又は実験に付されている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト成人、小児又は乳児を指す。
【0042】
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
【0043】
用語「治療的に有効な量」は、本明細書で使用するとき、研究者、獣医、医者又は他の臨床医が探求している、組織系、動物若しくはヒトの生物学的又は薬物反応を引き出す活性化合物又は製薬学的剤の量を意味し、それは治療されている疾患若しくは障害の1つ以上の症状を軽減させる、及び/又は治療されている疾患若しくは障害の1つ以上の症状の重篤度を低下させることを含む。
【0044】
本発明は、式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、1種以上の抗痙攣剤又は抗癲癇剤とを投与することを含む、併用療法又は複合療法に関し、治療的に有効な量とは、併用効果が所望の生物学的又は薬物反応を引き出すように一緒に服用される剤の組み合わせの量を意味する。例えば、式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、少なくとも1種の好適な抗癲癇剤とを投与することを含む、併用療法の治療的に有効な量は、式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩の量と、一緒に又は順次服用したときに治療的に有効な併用効果を有する、好適な抗癲癇剤の量である。更に、上記例のように、治療的に有効な量による併用療法の場合、式(A)の化合物若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体又はその製薬学的に許容できる塩の単離型の量、及び/又は好適な抗癲癇剤の量は、個々に治療的に有効であってもよいし、有効でなくてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「併用療法」及び「複合療法」は、1種以上の抗痙攣剤及び/若しくは抗癲癇剤と、式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩とを投与することによる、それを必要とする被験体の治療を意味し、ここで式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤とは、任意の好適な手段により、同時に、順次、別々に、又は単一の製薬学的処方で投与される。式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤が別々の剤形で投与される場合、それぞれの化合物について1日あたりの投与される投薬量の数は同じであっても、異なってもよい。式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤とは、同じ又は異なる投与経路を介して投与してよい。投与の好適な方法の例としては、経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮及び直腸が挙げられるが、これらに限定されない。化合物はまた、頭蓋内若しくは椎骨内針及び/又はポンプ装置を備える若しくは備えないカテーテルを介して送達することにより、脳内、脳室内、側脳室内、くも膜下腔内、嚢内、脊髄内及び/又は脊髄周辺投与経路が挙げられるが、これらに限定されない神経系に直接投与してよい。式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩と、抗痙攣剤及び/若しくは抗癲癇剤は、同時又は交互のレジメンに従って、療法の過程中の同じとき又は異なるときに、分割された又は単一形で一緒に投与してよい。
【0046】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「抗癲癇剤」及び略記「AED」は、「抗痙攣剤」と互換的に用いられ、本明細書で使用するとき、剤が被験体又は患者に投与されたときに発作活動若しくは発作原性を治療する、阻害する又は予防することができる剤を指す。
【0047】
抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤の好適な例としては、
(a)AMP−397、E−2007、NS−1209、タラムパネル(talampanel)等のようなAMPA拮抗剤、
(b)ジアゼパム、ロラゼパム、クロナゼパム、クロバザム等のようなベンゾジアゼピン、
(c)フェノバルビタール、アモバルビタール、メチルフェノバルビタール、プリミドン等のようなバルビツール酸塩、
(d)バルプロ酸、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロミド等のようなバルプロ酸塩、
(e)ガバペンチン、プレガバリン、ビガバトリン、ロシガモン、レチガビン、ルフィナマイド、SPD−421(DP−VPA)、T−2000、XP−13512等のようなGABA剤、
(f)カルバマゼピン、オキシカルバゼピン等のようなイミノスチルベン、
(g)フェニトインナトリウム、メフェニトイン、ホスフェニトインナトリウム等のようなヒダントイン、
(h)ハルコセラミド(harkoseramide)等のようなNMDA拮抗剤、
(i)BIA−2093、CO−102862、ラモトリジン等のようなナトリウム・チャネル阻害剤、
(j)メトスクシミド、エトスクシミド等のようなスクシンイミド、並びに
(k)アセタゾールアミド、クロルメチアゾールエジシル酸塩(edisilate)、ゾニサミド、フェルバメート、トピラメート、チアギャビン、レベチラセタム、ブリバラセタム、GSK−362115、GSK−406725、ICA−69673、CBD大麻誘導体、イソバレルアミド(NPS−1776)、カリスバメート、サフィナミド、セレトラセタム、ソレトリド、スチリペントール、バルロセミド、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド等のようなAEDSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
ある実施形態では、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤は、ブリバラセタム、カリスバメート、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、サフィナミド、セレトラセタム、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸塩、ビガバトリン、ゾニサミド、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩及び鎮静催眠剤からなる群から選択される。
【0049】
別の実施形態では、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤は、カリスバメート、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸塩、ビガバトリン、ゾニサミド及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される。
【0050】
別の実施形態では、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤は、カリスバメート、カルバマゼピン、ラモトリジン、フェノバルビタール、フェニトイン、トピラメート、バルプロ酸塩、ゾニサミド及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される。好ましくは、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤は、カリスバメート、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロ酸塩、トピラメート及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される。より好ましくは、抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤は、カリスバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、バルプロ酸塩、トピラメート及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される。
【0051】
ある実施形態では、本発明は、根本にある原因及び/又は発症段階にかかわらず、それを必要とする被験体に、式(A)の化合物の単離型又はその製薬学的に許容できる塩、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩を、本明細書に記載のように、単独で又は1種以上の抗痙攣剤若しくは抗癲癇剤とともに併用療法として投与することを含む、癲癇及び関連する障害を治療する方法を提供する。本発明の方法は、それ故、発作、痙攣又は類似の発作関連する障害の症状を抑える能力を提供する。この目的を達成するために、本発明の化合物又は組成物は、以下に記載するような正確な治療に有効な量又は投薬量で使用しなければならない。
【0052】
投与する最適投薬量及びスケジュールは、当業者が容易に決定することができ、そして使用する特定の化合物、投与方法、製剤の強度、投与方法、及び疾患状態の進行に応じて変動する。更に、患者の年齢、体重、食事及び投与時間を含む、治療する具体的な患者と関連する因子が、投薬量を調整する必要性をもたらす。
【0053】
本発明は更に、製薬学的に許容できる担体とともに、式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体の単離型又はその製薬学的に許容できる塩を含有する製薬学的組成物を含む。活性成分として本明細書に記載した本発明の化合物の1つ以上を含有する製薬学的組成物は、従来の製薬学的品配合技術に従って、化合物を製薬学的担体とよく混合することによって調製できる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて様々な形態をとってよい。したがって、縣濁剤、エリキシル剤及び液剤のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤等が挙げられ、散剤、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。固体経口製剤は、糖のような物質でコーティングされてもよく、又は主要な吸収部位を調節するために腸溶コーティングされてもよい。非経口投与では、担体は通常、滅菌水からなり、溶解度の上昇又は防腐のために他の成分を添加してよい。注射用の縣濁液又は溶液はまた、水性担体を適切な添加剤とともに用いて調製してもよい。
【0054】
本発明の製薬学的組成物を調製するために、活性成分としての式(A)の化合物の単離型、若しくは式(A)の化合物の鏡像異性体又はその製薬学的に許容できる塩を、従来の製薬学的品配合技術に従って製薬学的担体とよく混合するが、担体は、例えば、経口又は筋肉内のような非経口等の投与に望ましい製剤形に応じて広範な形態をとってよい。経口剤形における組成物の調製には、任意の通常の製薬学的媒体を用いることができる。したがって、例えば、縣濁剤、エリキシル剤及び液剤のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤及び同様物が挙げられ、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ジェルキャップ及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。投与における容易性により、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口投薬量単位形であり、その場合、固体製薬学的担体が明らかに使用される。所望であれば、錠剤は、標準的な技術により、糖コーティング又は腸溶コーティングされてよい。非経口の場合、担体は、通常、滅菌水を含むが、例えば、溶解性を助けるなどの目的のため、又は保存のために他の成分を含んでよい。注射用の縣濁液も調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤等を使用することができる。本明細書の製薬学的組成物は、投薬量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、茶さじ一杯等あたり、上述した有効投薬量を送達するのに必要な活性成分の量を含むであろう。本明細書の製薬学的組成物は、投薬量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、坐薬、茶さじ一杯等あたり、約0.01〜5000mgを含み、かつ約0.01〜100.0mg/kg/日、又はその中の任意の範囲、好ましくは約0.1〜70mg/kg/日、又はその中の任意の範囲、より好ましくは約0.5〜50mg/kg/日、又はその中の任意の範囲、より好ましくは約1.0〜30.0mg/kg/日、又はその中の任意の範囲の投薬量で与えることができる。しかしながら、この投薬量は、患者の必要条件、治療される状態の重篤度、及び使用される化合物に応じて変わり得るものである。連日投与又は周期後投与のいずれかを用いることができる。
【0055】
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与、又は吸入若しくは吹送による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒、無菌非経口溶液又は縣濁液、定量エアゾール又は液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐薬のような単位剤形である。あるいは、組成物は、週1回又は月1回投与に好適な形態で存在することができ、例えば、デカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩は、筋肉内注入のためのデポー製剤を提供するよう適合され得る。錠剤のような固体組成物の調製に関しては、主要活性成分を、製薬学的担体、例えば、トウモロコシ澱粉、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴムのような従来の錠剤化成分、及び他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその製薬学的に許容できる塩の均質混合物を含む固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と称するとき、これは、活性成分が組成物全体にむらなく分散し、その結果、組成物は同等に効果的な、錠剤、丸剤及びカプセル剤のような剤形に容易に分割できることを意味する。この固体予備処方組成物は、次に0.01〜約5000mg(又はその中の任意の範囲)の本発明の活性成分を含む、上述した形の単位剤形に分割される。新規な組成物の錠剤又は丸剤は、長期間作用の利点を付与する剤形を提供するためにコーティングすることができる、又は別の方法で配合することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含むことができ、後者は前者の外被の形態である。2つの成分は、胃での崩壊を阻止し、また内側成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる腸溶性の層により分離されることができる。このような腸溶性層又はコーティング用には様々な材料を使用することができ、そのような材料としては、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料を伴う多数のポリマー酸が挙げられる。
【0056】
投与経口又は注入投与用に本発明の新規な組成物を組み込み得る液体形としては、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性縣濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の製薬学的賦形剤が挙げられる。水性縣濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0057】
本発明の方法は、本明細書に定義される任意の化合物、及び製薬学的に許容できる担体を含む製薬学的組成物を使用して実施してもよい。製薬学的組成物は、約0.1mg〜5000mg、又はその中の任意の範囲、好ましくは約50〜2000mg、又はその中の任意の範囲の活性成分を含んでよく、選択される投与方法に好適な任意の形態に構成することができる。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な製薬学的賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び散剤のような固体形、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び縣濁剤のような液体形が挙げられる。非経口投与用に有用な形態としては、滅菌液剤、エマルション及び縣濁液が挙げられる。
【0058】
有利なことに、本発明の化合物は、1回に1日量を投与してもよく、又は全1日量を1日2回、3回又は4回に分割して投与してもよい。更に、本発明のための化合物は、当業者に周知の、好適な鼻腔内賦形剤の局所使用による経鼻投与形で、又は経皮皮膚パッチを介して投与してもよい。経皮送達系の形で投与するために、投薬量の投与は、勿論、投薬レジメン全体にわたって断続的ではなく連続的であろう。
【0059】
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態での経口投与のために、活性薬物成分をエタノール、グリセロール、水等のような、経口、非毒性、製薬学的に許容できる不活性担体と組み合わせることができる。更に、所望又は必要であれば、好適な結合剤;滑沢剤、崩壊剤及び着色剤を混合物中に組み込むこともできる。好適な結合剤としては、澱粉、ゼラチン、ブドウ糖又はβ−乳糖などの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
液体は、合成及び天然ゴム、例えば、トラガカント、アカシア、メチル−セルロース等のような好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与のためには、滅菌縣濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が所望される場合、適当な保存剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
【0061】
本発明の化合物は、癲癇又は関連する障害疾患の治療が必要なときにはいつでも、任意の前述の組成物で、当技術分野にて確立された投薬レジメンに従って投与することができる。
【0062】
製品の1日量は、ヒト成人につき1日あたり0.01〜10,000mg/kgの幅広い範囲で変動し得る。経口投与用に、組成物は、治療されるべき患者の投薬量を症状によって調整するために、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500、1000、200、2500、5000ミリグラムの活性成分を含む錠剤形態で提供される。薬物の有効量は、通常、1日あたり約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重、又はその中の任意の範囲の投薬量レベルで供給される。好ましくは、範囲は、約0.1〜約70.0mg/kg体重/日又はその中の任意の範囲であり、より好ましくは約0.5mg/kg〜約50mg/kg又はその中の任意の範囲であり、より好ましくは約1.0〜約30mg/kg体重/日又はその中の任意の範囲である。化合物は、1日あたり1〜4回のレジメンで投与されてもよい。
【0063】
本明細書に開示する抗痙攣剤及び抗癲癇剤についての治療的に有効な投薬量水準及び投薬レジメンは、当業者が容易に決定できる。例えば、販売が承認されている製薬学的剤の治療的投薬量及びレジメンは、公けに利用可能であり、例えば包装ラベル、標準的な投薬指針、米医薬品便覧(Physician's Desk Reference)(メディカル・エコノミクス・カンパニー(Medical Economics Company)又はhttp://www.pdrel.comにてオンラインで)のような標準的な投薬参考文献及び他の出典に列挙されている。
【0064】
当業者には、治療的に有効な投薬量の本発明の化合物が、臨床的に顕著な結果を得られる長期治療レジメン内の反復投薬を含むことが明らかであろう。
【0065】
当業者は、好適な、既知の及び一般に認められた細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロの両方での試験が、試験化合物の所定の疾患を治療又は予防する能力を予測できることを認識するであろう。当業者は更に、健康な患者及び/又は所定の疾患に罹患している患者におけるファースト・イン・ヒューマン(first-in-human)試験、投与量決定試験、及び有効性試験を含むヒト臨床試験が、臨床及び医療分野で周知の方法に従って完了し得ることを認識するであろう。
【0066】
有効な投薬用量の決定は、典型的には動物モデル試験、それに続くヒトでの臨床試験に基づき、被験体において標的とする露呈症状若しくは状態の発生又は重篤度を有意に下げる有効な投薬用量及び投与プロトコールを決定することにより導かれる。これに関して好適なモデルとしては、例えば、マウス、ラット、ブタ、ネコ、非ヒト霊長類、及び当該技術分野で知られている認可された他の動物モデル被験体が挙げられる。あるいは、有効な投薬用量はインビトロモデル(例えば、免疫学的及び組織病理学的アッセイ)を使用して決定することができる。このようなモデルを使用すると、典型的には、治療に有効な量の生物学的活性剤を投与するのに適切な濃度及び用量(例えば、所望すの応答を引き出すために、鼻腔内で有効な、経皮的に有効な、静脈内で有効な、又は筋肉内で有効な量)を決定するために必要なのは、通常の計算及び調整だけである。
【0067】
以下の実施例は、本発明の理解を補助するために記載され、以下の特許請求の範囲に記載される本発明を如何様にも限定することを意図するものではなく、また解釈されるべきではない。
【0068】
以下の実施例において、いくつかの合成生成物は、残留物として単離されたものとして列挙されている。当業者は、用語「残留物」が、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば、固体、油、発泡体、ゴム、シロップ等を含み得ることを理解するであろう。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
式(A)の化合物の調製
【0070】
【化6】

【0071】
電磁攪拌器、熱電対、隔壁及び窒素入口アダプタを装備した1Lの3つ口丸底フラスコに、20℃にて、N−(ベンゾ[b]チエン−3−イルメチル)−スルファミド(16.0g、66.03ミリモル)、ジクロロメタン(140mL)、及びトリフルオロ酢酸(100mL、1.31ミリモル)を充填した。得られた混合物を5分間、10℃で攪拌し、次いで過酸化水素(6.2mL、70.49ミリモル)を2分間にわたって滴下し、氷を入れた冷水浴で反応温度を8〜10℃に維持しながら、反応混合物を5分間攪拌した。追加の過酸化水素(0.6mL、0.096等量)を添加し、反応混合物を10℃で更に1時間攪拌した。1.5Mの亜硫酸ナトリウム溶液(2mL、3.00ミリモル)を0℃で添加し、得られた混合物を10分間攪拌した。溶媒を50℃にて減圧下で除去し、得られた物質をメタノール(30mL×2)でチェイスして、黄色がかったろう様固体として表題の化合物を得た。
【0072】
黄味がかったろう様固体(24.1g)をCH2Cl2/メタノール(30/12mL)で粉末化して、黄色がかった固体として表題の化合物を得た。この固体をエチルアセテート/メタノール(90/10mL)で粉末化して、わずかに黄色がかった固体として、ラセミ化合物のような表題の化合物を得た。両方の粉末化から得られた濾液を組み合わせて、濃縮して、更に物質を得た、この物質をCH2Cl2/メタノール(15/15mL)に溶解し、SiO2カラム(900g)上にロードし、次いで(5%メタノール/95%CH2Cl2+0.1%NH4OH)×2L、(8%メタノール/92% CH2Cl2+0.1%NH4OH)×2L、(10%メタノール/90% CH2Cl2+0.2% NH4OH)×2Lで溶出して、オフホワイト固体として更なる量の表題の化合物を得た。
1HNMR(300 MHz、CD3OD)δ7.95(d、J=6.9 Hz、1H)、7.74(d、J=7.5 Hz、1H)、7.75−7.56(m、2H)、7.18(s、1H)、4.31(s、2H)、及び3.34(s、変数H)
【0073】
(実施例2)
式(A)の化合物の調製
【0074】
【化7】

【0075】
N−(ベンゾ[b]チエン−3−イルメチル)−スルファミド(25g、103.17ミリモル)を、ジクロロメタン(175mL、2.73モル)及びトリフルオロ酢酸(100mL、1.32ミリモル)とともに1Lの丸底フラスコに入れた。過酸化水素(水中35重量%;10mL、114.52ミリモル)を得られた溶液に添加し、混合物を室温で3.5時間攪拌した。反応を、シリカゲルプレート上で、CH2Cl2/メタノール(96:4)を溶出剤として用いて、薄層クロマトグラフィー(TLC)により反応を監視した。反応混合物を、水溶液Na2SO3(1.5M、3.75mL、0.05当量)で処理して、得られた混合物を15分間攪拌した。溶媒は、30℃以下の温度にて、減圧下で蒸発させて、油状残留物を得た。残留物を、CH2Cl2(150mL)に溶解させ、室温で攪拌した。酢酸エチル(150mL)を、約2時間にわたって攪拌しながらゆっくりと添加し、添加中黄色がかった白色固体が沈殿した。得られる混合物を一晩室温にて窒素下で攪拌し、次いで氷浴で6℃に冷却した。固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄し、空気乾燥させて、固体として表題の化合物を得た。
【0076】
(実施例3)
式(A)の化合物のラセミ体の、成分の鏡像異性体へのキラル分離
【0077】
【化8】

【0078】
N−[(1−オキシドベンゾ[b]チエン−3−イル)メチル]−スルファミドの鏡像異性体を分離するために、分析的エナンチオ選択クロマトグラフィー法を開発した。移動相としてメタノールを有する、固定相キラルパック(Chiralpak)ADHを選択した。ラセミ化合物を、メタノール溶液中の分取エナンチオ選択クロマトグラフィーカラムに注入した。ラセミ体の全体量が処理されるまで、自動化注入及び回収サイクルを繰り返した。個々の鏡像異性体を含有するフラクションを分離中に回収し、蒸発乾燥させた。
【0079】
クロマトグラフ分離を実行しているとき、凝縮器の温度を−60℃に設定した状態で、低温蒸発(5℃)及び高真空(1kPa(10ミリバール))により、鏡像異性体純度>95ee及び残留メタノール含量<1%の単一の鏡像異性体が得られた。単一鏡像異性体の絶対配置は決定されなかった。
【0080】
ラセミ(ベンゾ[b]チエン−3−イルメチル]スルファミドS−オキシド(8.0g、Xli6−01−65 A3)を、透明な均質溶液が形成されるまで、音波処理をしながらメタノール(80mL)に溶解した。溶液を、45μmのPVDFフィルタを通して濾過した。透明な溶液を4℃で保管した。キラルパック(CHIRALPAK)AD−H SFCカラム((ID 50mm×250mm、5マイクロメートル)を用いて、バリアン・プロスター(Varian ProStar)分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)(検出器モデル330、ポンプモデル215、オートサンプラーモデル410、フラクションコレクタモデル701)によりキラル分離を実施した。試料(0.5mL/注入)をカラムに導入し、235nmでUVモニタリングしながら、50mL/分の速度で、移動相としてのメタノールで溶出した。
【0081】
それぞれの試料注入から選択されたフラクションを、分取フラクションコレクタを用いて回収した。早期に溶出する鏡像異性体(EAと標識される)を8.4〜8.8分の時間枠で、ピーク谷部のラセミ混合物を8.9〜9.03分の時間枠で、後期に溶出する鏡像異性体(EBと標識される)を9.04〜10.0分の時間枠で、暗闇にてアルミニウム箔で包んだ200mLの瓶に回収した。次いで、フラクションを、キラル分析HPLC(HP1100、キラルパックAD−Hカラム、ID4.6mm×250mm、5マイクロメートル、移動相としてメタノール(MeOH)を用い、UV220、235、254、280及び320nmにて0.5mL/分で溶出した)で調べた。単離された鏡像異性体を含有するフラクションを、まとめて2.5Lの瓶に入れ、濃縮前は暗闇にて4℃で保管した。
【0082】
分離したフラクションを高真空(真空コントローラV−855を備えるビュッヒ(Buchi)真空ポンプV−700、23.5kPa(235ミリバール)で開始し、徐々に0.1kPa(1ミリバール)に低下させる)下にて18〜20℃で濃縮し、得られた固体物質をキラル分析HPLC分析による確認後4℃で保管した。
【0083】
すべての早期溶出(EA)鏡像異性体フラクションを濃縮した後、生成物を白色発泡固体(99%ee;99.8%化学純度、HPLC領域%;4.6%残留メタノール、GC重量%)として単離し、(+)鏡像異性体を得た。同様に、EB鏡像異性体フラクションの濃縮から、わずかに黄色がかった固体(92%ee;98.1%化学純度、HPLC領域%;0.54%残留メタノール、GC重量%)として(−)鏡像異性体を得た。円偏光二色性検出器応答は、より早期に溶出された鏡像異性体では右旋性(+)、後期に溶出された鏡像異性体では左旋性(−)であった。測定された旋光度は以下の通りであった。
EAフラクション:(+)−鏡像異性体=+1.11°(20℃及び589nmで、1mLのメタノール中に2.99mg)、
EBフラクション:(−)−鏡像異性体=−1.10°(20℃及び589nmで、1mLのメタノール中に3.00mg)。
【0084】
鏡像異性体の安定性評価:
単離した鏡像異性体の試料を、逆相カラムクロマトグラフィー(試験化合物及び分解産物の存在及び/又は非存在をモニタするため)及びキラルクロマトグラフィー(ラセミ化をモニタするため)を用いて安定性を評価した。単離した鏡像異性体は、室温で約6.5時間、メタノール及びソルトール(Solutol)HS15溶液(12−ヒドロキシステアリン酸の非毒性ポリオキシエチレンエステル、BASFから入手可能)に懸濁したとき、ラセミ化及び分解に対して安定であった。単離した化合物(固相)では、室温で保管中、ラセミ化及び部分的分解が観察された。更に、単離した鏡像異性体の強制温度(60℃、一晩)及び光分解試験(ライトボックス、5時間)は、ラセミ化及び分解の両方を示した。
【0085】
注記:上記実施例中の(+)及び(−)という呼称は、測定した旋光度に基づいて鏡像異性体を示すことを意図する。上記鏡像異性体の立体中心の正確な立体配置は決定されなかった。当業者は更に、正確な立体配置は決定されなかったが(すなわち、2種の鏡像異性体のうちどちらが(R)鏡像異性体であり、どちらが(S)鏡像異性体であるか)、それにもかかわらず、式(A)の化合物の(R)及び(S)鏡像異性体は、以下のように、実施例3に記載のような手順に従って調製及び単離されたことを認めるであろう。
【0086】
(実施例4)
インビボアッセイ:最大電気ショック試験(MES)
抗痙攣活性を、MES試験を用いて決定し、以下に記載の手順に従って実行した。スワィンヤード(Swinyard)EA、ウッドヘッド(Woodhead)JH、ホワイト(White)HS、フランクリン(Franklin)MR、抗痙攣剤の実験的選択、定量及び評価(Experimental selection, quantification, and evaluation of anticonvulsants.)、レヴィイ(Levy)RHら編、抗癲癇薬(Antiepileptic Drugs)第3版、ニューヨーク:レイブン・プレス(New York: Raven Press)、1989年85〜102頁。
【0087】
CF−1雄性アルビノマウス(25〜35g)をランダムに対照及び試験群に選別し、それぞれ、様々な時点及び濃度で賦形剤又は試験化合物を動物に投与した。試験日に、マウスに賦形剤(30%ソルトール)又は試験化合物(50〜250mg/kg)を腹腔内(i.p.)注入により投与した。60Hz交流、50mAを用いて0.2秒間角膜横断電気ショックを与えるにより発作を誘発した。試験群のマウスには、試験化合物投与後15分〜4時間の時間感覚で電気刺激を与えた。ショックは、即座に全身に強直性伸展を生じさせた。痙攣の過程全体が観察されたとき(典型的には、電気刺激後の1分未満)、試験を完了した。
【0088】
全身強直性伸展成分の消滅は、試験化合物が神経組織の発作放射の広がりを防ぐ能力を有することを示した。試験化合物のED50値は、試験したげっ歯類の50%で、MES誘発発作の後肢の強直性伸展成分を遮断するのに必要な投薬量として算出した。プロビット解析を用いて、ED50及び95%信頼区間を算出した。
【0089】
上記に手順に従って、本発明の代表的な化合物を試験し、結果を下の表1に列挙した。結果を(全身強直性伸展が予防されたマウスの数)/(試験したマウスの合計数)(@所与の時間)として列挙する。ED50値を、ピーク効果の時点で決定した(1時間、表1)。
【0090】
【表1】

【0091】
(実施例5)
経口組成物の特定の実施形態として、実施例1で調製した化合物100mgを、十分な微粉乳糖とともに配合し、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセル剤を満たした。
【0092】
前述の明細書は、例示を目的として提供される実施例とともに、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に含まれるすべての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)
【化1】

の化合物若しくはその鏡像異性体又は製薬学的に許容できる塩の単離型。
【請求項2】
請求項1に記載の、実質的に純粋な化合物。
【請求項3】
製薬上許容できる担体及び請求項1に記載の化合物を含む製薬学的組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物と製薬学的に許容できる担体とを混合することにより製造される製薬学的組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物と製薬学的に許容できる担体とを混合することを含む、製薬学的組成物を製造するプロセス。
【請求項6】
それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、癲癇又は関連する障害を治療する方法。
【請求項7】
それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、癲癇を治療する方法。
【請求項8】
前記関連する障害が、本態性振戦又はむずむず足症候群である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
それを必要とする被験体の癲癇又は関連する障害を治療する薬剤の調製における、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
それを必要とする被験体に、請求項1に記載の化合物と1種以上の抗癲癇剤又は抗痙攣剤との併用療法において治療的に有効な量を投与することを含む、癲癇又は関連する障害を治療する方法。
【請求項11】
前記障害が、癲癇である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記関連する障害が、本態性振戦又はむずむず足症候群である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記抗痙攣剤又は抗癲癇剤が、カリスビメート、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸塩、ビガバトリン、ゾニサミド、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩及び鎮静催眠剤からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記抗痙攣剤又は抗癲癇剤が、カリスビメート、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸塩、ビガバトリン、ゾニサミド及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗痙攣剤又は抗癲癇剤が、カリスビメート、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロ酸塩、トピラメート及び(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
(+)旋光性を有する、請求項1に記載の単離された化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の実質的に純粋な化合物。
【請求項18】
約20℃及び約598nmで、約1mLのメタノール中に約3mgという濃度で測定したとき、(+)旋光度が約+1.1°である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
(−)旋光性を有する、請求項1に記載の単離された化合物。
【請求項20】
請求項19に記載の実質的に純粋な化合物。
【請求項21】
約20℃及び約598nmで、約1mLのメタノール中に約3mgという濃度で測定したとき、(−)旋光度が約−1.1°である、請求項20に記載の化合物。

【公表番号】特表2010−535810(P2010−535810A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520311(P2010−520311)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/072509
【国際公開番号】WO2009/021129
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】