説明

発光ダイオードを含む発光多重ガラスユニット

本発明は、発光多重ガラスユニット(100)を提供する。それは、第1および第2の平らなガラス要素(1,1’)、内部空間に配置された発光ダイオード(3)、内部空間の中のガラスユニットに固定される部分を含む反射器(5)および第1のガラス要素と関連する第1の発光ゾーンを含む。第1の構成では、反射器は、ダイオードのグループにより発光される全光束の少なくとも30%を、光を散乱させるための第1の手段(11’)へ反射するための中央反射領域(50)を有する。また、第2の構成では、反射器(5)はビームスプリッタを形成し、二重像中央反射領域(50,51,52)を有する。二重像中央反射領域は、第1の中央光線を、光を散乱させるための第1の手段(11’)に反射させるための第1の中央領域(51)と、第2の中央光線を、第2の散乱手段(13’)に反射させるための第2の中央領域(52)とからなる。反射器は、グループのダイオードにより発光された全光束の少なくとも30%を反射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光多重ガラスユニットに関し、とくに発光ダイオードを含む発光多重ガラスユニットに関する。
【0002】
発光ダイオードまたはLEDは、電気の用途または電子工学の用途で、現況表示灯または表示灯として元々使用されていた。しかし、発光ダイオードまたはLEDは、信号機などの信号装置、自動車の照明(表示器、側灯)、または懐中電灯もしくは通路灯などの光源として、多年の間、使用されてきた。
【0003】
発光ダイオードは、その長い寿命、その発光効率、その頑強性およびそのコンパクトさの理由で有利である。これにより、システムはより耐久性の高いものになり、メインテナンスが容易になる。
【0004】
文書、独国特許出願公開第10 322 561号明細書は、
− 内面および外面を備える第1の窓ガラス、
− 上記第1のガラス窓に対向し、主要内面および外面を備える第2の窓ガラス、
− ガスで充填された内部空間、
− 外周のシール、
− 上記2つのガラス窓の間に配置され、スペーサを形成し、上記シール手段と接触し、ガラスユニットの2つの対向する縁のそれぞれの上に2つのグループのダイオード(ダイオードは、ガラス窓の主面に対して垂直をなすように配置されている取付部に固定されている)を備えたアルミニウムの外周フレーム、
− 上記第2のガラス窓の内面へ、上記第1のガラス窓の内面へと伝わる光の方向を変えるように配置された、上記フレームの外延を形成するダイオードのそれぞれのグループのための反射器、および
− 上記内面によっておよび/または内面もしくは外面上の1層もしくは2層以上のコーティングによって反射されるか、または偏向される光、
を含む、建物の正面を照明するための断熱二重ガラスユニットを記載している(この文書、独国特許出願公開第10 322 561号明細書の図4に対応する実施形態)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 322 561号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人は、断熱ガラスユニットを含むこの発光ダイオードは、光学的性能の点で最適化されていないということに気づいた。
【0007】
本発明の目的は、産業の要求(作製が容易で速いこと、信頼性が高いことなど)を満たす、好ましくは単純で、より効率的な発光多重(とくに断熱)ガラスユニットを提供することである。
【0008】
本発明は、好ましくは、可能な用途の数をさらに増加させてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は発光多重ガラスユニットをまず第一に提案する。この発光多重ガラスユニットは、
− 無機または有機ガラスで作製され、第1および第2の主面および端面を備えた第1の(実質的に)平らなガラス要素、
− 無機または有機ガラスで作製され、第1のガラス要素の寸法と同様のもしくは同じ寸法、同じ性質および形状(長方形、正方形、円形など)を好ましくは有し、上記第1の面と対向して配置されており第3の面と呼ばれる主面、第4の面と呼ばれる別の主面および端面を備えた第2の(実質的に)平らなガラス要素を含み、
− 上記第1および第2のガラス要素は、しっかりと固定され、相互に間隔が置かれる。この発光多重ガラスユニットは、
− とくに真空に引かれた、または1種もしくは2種以上の不活性ガスもしくは空気などのガスで充填された、少なくとも第1および第3の面の間に設けられた内部空間、
− ガラスユニットの外周にとくに配置され、とくに第1および第2の要素を分離し、とくに上記内部空間の周囲を囲むスペーサ、
− 上記内部空間の中に配置され、1つもしくは2つ以上の(またはダイオード支持体と呼ばれる)取付部に搭載され、軸に沿って並べられ、可視において所与の発光スペクトルを本来有する発光ダイオードの少なくとも1つのグループをさらに含み、
− 上記グループのダイオードのそれぞれが、第1の面に対して実質的に平行である、概して、上記第1の面(または第3の面)に対して+5°または−5°までの角度をなす、所与の主要発光方向を有する。この発光多重ガラスユニットは、
− 上記ダイオードのグループによって発光された光を反射し、上記内部空間内で上記ガラスユニットに固定された部分を含む反射器、および
− 上記第1のガラス要素と関連した第1の発光ゾーンをさらに含む。光は、ダイオードの上記グループから生じる。さらに、第1の構成では、前記反射器の上記部分は、上記第1の面に対して傾斜角度をなす、すなわち、とくにダイオードの上記グループと対向して配置された、中央反射領域(ダイオードの上記グループに対してとくに平面もしくは凹面)を有する。この反射領域は、ダイオードの上記グループのいわゆる中央光線を、第1の位置で、光学的側方反射領域とともに反射することができる。中央光線は、主要発光方向を含み、上記グループのダイオードからの全光束の少なくとも30%、好ましくは上記ダイオードからの全光束の少なくとも50%を形成する。これらの中央光線は、第1の発光ゾーンで反射される。第1の発光ゾーンは、光を散乱させるための第1の手段を備える。その手段は、中央光線を受光する。
【0010】
また、第2の構成では、上記反射器の上記部分は、二重像中央反射領域を有するビームスプリッタ(2つのビームは、所望により同一である)を形成する。二重像中央反射領域は、
− ダイオードの上記グループからの第1の中央光線を、上記第1の発光ゾーン(上記第1の発光ゾーンは、光を散乱させるための第1の手段を備えており、その手段は、上記第1の中央光線を受光する。)で反射することができる、上記第1の面に対して斜角である第1の中央領域、および
− ダイオードの上記グループからの第2の中央光線を、上記第2のガラス要素に関連する第2の発光ゾーン(上記第2の発光ゾーンは、光を散乱させるための第2の手段を備えており、その手段は、上記第2の中央光線を受光する。)で反射することができる、上記第3の面に対して斜角である第2の中央領域、
から構成される。上記第1および第2の中央光線は、実質的に隣接している(たとえば、面取部を備えることができる)。第1および第2の中央光線は、主要発光方向を含み、上記グループからの全光束の少なくとも30%、好ましくは上記ダイオードからの全光束の少なくとも50%を形成する。
【発明の効果】
【0011】
先行技術の発光断熱ガラスユニットでは、(およそ主要発光方向の)中央光線は失われ、特定の側方光のみが、第1のガラス要素へ反射された。
【0012】
本発明による反射器によれば、中央光線は第1の面および/または第3の面へ反射される。したがって、この反射器は、光学的効率を確実によりよくする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
また、本発明による中央領域(二重像領域であろうとなかろうと)は、散乱手段によって後方散乱された光、および/または、ダイオード取付部で反射した光、および/または、取付部がスペーサと結合している場合、二重ガラスユニットのスペーサ、たとえば、金属もしくはメタライズされたスペーサで反射(とくに正反射)した光を再利用するために使用されてもよい。
【0014】
さらに、先行技術の発光断熱ガラスユニットの場合、散乱手段の存在もその手段の位置も明示的に記載されていない。
【0015】
本発明によれば、第1の散乱手段および所望による第2の散乱手段は、第1の発光ゾーンおよび所望による第2の発光ゾーンの範囲をとくに帯状に制限した。散乱手段は、特定の反射角でのとくに激しいまぶしさを防止する。
【0016】
さらに、散乱手段のおかげで、均一な照明が提供される。
【0017】
ダイオードのグループは、たとえば、第1および第2のガラス要素から等距離で配置される。
【0018】
とくに小さなガラス領域の場合、たとえば、長いが狭い長方形の場合、第1の発光ゾーン(別々に第2の発光ゾーン)は、第1のガラス要素の(機能的、視覚的に)全領域(別々に第2のガラス要素のすべて)を、縁を除いて覆ってもよい。ガラスユニットは、たとえば、照明標識、ガードレールなどのための直線的手段を形成する。
【0019】
第1の暗い、すなわち、非発光ゾーン(別々に第2の暗いゾーン)、とくに中央ゾーンは、所与の異なる機能範囲を有するとき、広いガラス領域の場合、第1の発光ゾーン(別々に第2の発光ゾーン)、たとえば、かなり薄い発光ゾーン(帯状など)は、第1のガラス要素の(機能的、視覚的)領域の一部(別々に、第2のガラス要素の一部)を覆ってもよい。
【0020】
(任意の可能な形状を有する)第1の発光ゾーンの(最大)幅L1(その幅は、一定でもよいし変わってもよい)、および/または、所望による(任意の可能な形状を有する)第2の発光ゾーンの(最大)幅L2(その幅は、一定でもよいし変わってもよい)は、とくに広い暗い領域を残すように、200mmよりも好ましくは小さくてもよく、さらに100mm以下でもよい。
【0021】
第1の発光ゾーンは、とくにガラスユニットおよび第1の暗いゾーンの縁に沿って配置されている外周ゾーンであってもよい。第2のより中央にある暗いゾーンは、第1の暗いゾーンに比べてダイオードから遠くにある。
【0022】
第1の発光ゾーンは、ガラスユニットの所与のゾーンに配置されてもよい。そのゾーンは、たとえば、中央ゾーンである。第1の暗いゾーンは、より外周にあることも可能である。
【0023】
第1の(単一の、複数の、均一な、不均一な)暗いゾーンは、
− 第1のガラス要素の(半)透明ゾーン、および/または
− 第1のガラス要素に、とくに第1の面に反射コーティングを堆積させることによって、たとえば、銀めっきすることによって得られる、鏡を形成する反射ゾーン(第1の散乱手段は、好ましくは、上記鏡をエッチングすることにより形成される)、および/または
− たとえば、第1のガラス要素にテクスチャを形成することによって得られる半透明ゾーンまたはサテン仕上げを使用したゾーン(プライバシーを保護する)、および/または、
− 不透明体および/または着色コーティングを使用して、または第1のガラス要素の層に濃淡をつけることによって装飾された装飾ゾーン
から選択されてもよい。
【0024】
第2のガラス要素は、第2の暗いゾーンと呼ばれる、暗い、すなわち、非発光ゾーンを含んでもよい。このゾーンは、第1の暗いゾーンに対向して好ましくは配置され、所望による第2の発光ゾーンに、とくに隣接および/または近接する。
【0025】
第2の(単一の、複数の、均一な、不均一な)暗いゾーンは、
− 第2のガラス要素の(半)透明ゾーン、および/または
− 第2のガラス要素に、とくに第3の面に反射コーティングを堆積させることによって、たとえば、銀めっきすることによって得られる、鏡を形成する反射ゾーン(所望による第2の散乱手段は、好ましくは、上記鏡をエッチングすることにより形成される)、および/または
− たとえば、第2のガラス要素にテクスチャを形成することによって得られる半透明ゾーンまたはサテン仕上げを使用したゾーン(プライバシーを保護する)、および/または、
− 不透明体および/または着色コーティングを使用して、または第2のガラス要素の層に濃淡をつけることによって装飾された装飾ゾーン
から選択されてもよい。
【0026】
第1の暗いゾーンおよび第2の暗いゾーンは、同じ機能(鏡であるか、透明であるか、半透明であるか、または装飾されている。)を有していてもよく、とくに同一の方法を備えていてもよいし、異なる機能を有していてもよい。
− 一方は鏡であってもよく、他方は、透明である、および/または半透明である、および/または装飾されていてもよい。または、
− 一方は透明であってもよく、他方は、半透明である、および/または装飾されていてもよい。
【0027】
ガラスユニットは、第1の構成において、不透明な要素(壁、床など)に固定されてもよい。もしそうでない場合、第1または第2の構成では、第4の面が見えてもよい。
【0028】
反射機能を備えた反射領域は、銀ベース層を使用して得てもよいし、通常得られている。その鏡は、酸化を防止する保護塗料でコーティングされており、Saint-Gobain Glass社から販売されている「SGG Miralite mirror」であってもよい。また、変形例として、Saint-Gobain Glass社によって作られた「SGG Mirastar」などのクロムベースの鏡であってもよい。
【0029】
もちろん、本発明によれば、(反射されることなく)第1の面へ直接伝わる側方光線(すなわち、中央光線以外の光線)の少なくとも一部(さらに全部)は、好ましくは第1の散乱手段に遭遇する。
【0030】
さらに、(反射することなく)第3の面へ直接伝わる側方光線(中央光線以外の光線)の少なくとも一部およびさらに全部は、好ましくは第2の散乱手段に遭遇する。
【0031】
好ましい実施態様では、反射器は、所望による二重像である中央領域および所望による側方領域を超えて所望により延在する。そして、反射器は、
を含む。
− 発光光線の反射の境界を示す第1のゾーン、とくに反射器の第1の端(止め具など)(第1のゾーンは主要発光方向に対して角度α1をなす。角度α1を超える第1の面へ発光した、いわゆる側方光線のほとんど、さらに少なくとも80%、さらに100%が、第1の散乱手段によって一つの作動位置(のみ)で、またはさらに複数のすべての作動位置で散乱されるように第1の拡散手段は延在する。)、
− および、好ましくは、第2の構成の場合、発光光線の反射の境界を示す第2のゾーン、とくに反射器の第1の端と対向する第2の端(止め具など)(第2のゾーンは、主要発光方向に対して角度α2をなす。角度α2を超える第3の面へ発光した、いわゆる側方光線のほとんど、さらに少なくとも80%(さらに100%)が、第2の散乱手段によって一つの作動位置(のみ)で、またはさらに複数のすべての作動位置で散乱されるように第2の拡散手段は延在する。)
を含む。
− また、好ましくは、第1の構成の場合、中央領域および側方反射領域の範囲は、第3の面へ発光されたいわゆる側方光線のほとんど、さらに少なくとも80%(さらに100%)が、第1の散乱手段へ反射するような範囲である。
【0032】
発光された光の反射の境界を示す第1のゾーンが第1の面に達しない場合、とくに、中央領域が短く、側方領域に関連しない場合、光線の最大数が第1の発光ゾーンを照明するために使用されるように、第1の散乱手段を、光源から離して十分な距離延在させることが望ましい。
【0033】
発光光線の反射の境界を示す第1のゾーンが第1の面に達する場合、(光源から離れた)接触ゾーンを越えて第1の散乱手段を延在させることは、もちろん必要ない。
【0034】
さらに、ほとんどの側方(すなわち、最大発光半角に対応する角度によって規定される発散)光線が第1の面に遭遇するところの点またはレベルまで第1の散乱手段を延在させることは好ましい。
【0035】
反射の境界を示す第2のゾーンの場合も同じであることは間違いない。
【0036】
第1の構成の場合、側方領域は、中央領域から、ほとんどの側方(発散)光線、すなわち、最大発光半角に対応する角度によって規定される光線を反射させることが可能であるところの点まで、(とくにその部分を広げることによって、および/または第3の面に反射層を付加することによって)延在させてもよい。
【0037】
多重ガラスユニットは、好ましくは、第2および第4の面などの上に、low−E機能、太陽光制御機能または他の任意の機能性コーティング(耐ひっかき性、防汚性など)を含んでもよい。
【0038】
第1の散乱手段は、第1の面と好ましくは関連してもよい。好ましくは第1の散乱手段は、とくにサンドブラスト、酸エッチングまたは研磨により第1のガラス要素の表面にテクスチャを形成することによって、または、好ましくはエナメルをスクリーン印刷することにより、散乱要素、とくに層を付加することによって、または、第1のガラス要素に積層された散乱プラスチックにより散乱層を形成することによって形成される。
【0039】
第2の散乱手段は、第3の面と好ましくは関連してもよい。好ましくは第2の散乱手段は、とくにサンドブラスト、酸エッチングまたは研磨により第2のガラス要素の表面にテクスチャを形成することによって、または、好ましくはエナメルをスクリーン印刷することにより、散乱要素、とくに層を付加することによって、または、第2のガラス要素に積層された散乱プラスチックにより散乱層を形成することによって形成される。
【0040】
したがって、散乱手段が、ガラスの層の中に、および/または、内面(第1の面および/または第3の面)に配置された場合、それらは保護される。そして、外部の環境と接する外面(第2の面および/または第4の面)は平滑でもよく、容易に掃除される。
【0041】
酸エッチング、サンドブラスト、エッチング(有利なことにはレーザエッチング)またはスクリーン印刷が好ましくは使用され得る。なぜならば、それらは、処理されるゾーンの面積および形状を容易に制御でき、工業的に再現できるからである。
【0042】
Saint-Gobain Glass社の「Satinovo(登録商標)」ガラスが、酸エッチングされたガラスとして挙げられ、Saint-Gobain Glass社の「Smoothlite(登録商標)」ガラスが、散乱層を含むガラスとして挙げられる。
【0043】
第1の(別々に第2の)ガラス要素は、暗いゾーンにおいて、少なくとも85%またはそれよりも大きな高光透過率を有していてもよい。一方、散乱手段に関連するゾーンでは、第1の(別々に第2の)ガラス要素は、85%よりも低い、さらに70%以下であるが好ましくは20%よりも大きな光透過率を有する。
【0044】
ヘイズメータを使用した従来の方法で測定された、第1の(別々に第2の)発光ゾーンにおけるヘイズは、好ましくは70%よりも大きく、さらには85%以上であってもよい。
【0045】
第1のガラス要素および/または第2のガラス要素は、透明なもしくは極−透明な無機ガラスで作製され得る。極−透明ガラスに関して、読者は、極−透明ガラスの組成について国際出願公開第04/025334号パンフレットを参照してもよい。とくに、0.05%未満のFe(III)もしくはFe23の含有率を有するソーダ−石灰−ケイ酸塩ガラスを選択してもよい。たとえば、Saint-Gobain Glass社の「Diamant(登録商標)」ガラス、またはSaint-Gobain Glass社の(テクスチャが形成された、または平滑な)「Albarino(登録商標)」ガラス、またはPilkington社の「OptiWHITE(登録商標)」ガラス、またはSchott社の「B270(登録商標)」ガラスを選択してもよい。
【0046】
さらに、第1のおよび第2のガラス要素には、無機ガラスが好ましい。なぜならば、次のような多くの有利な点を無機ガラスは有するからである。
− ガラスは、良好な耐熱性を有する。ダイオードは熱くなるという事実にかかわらず、ガラスはダイオードのそばに配置され得る。
− ガラスは高い強度を有し、掃除が容易で、引っかき傷が生じない。それは、厳しい衛生規格を守らされる場所に取り付けられたガラスユニットの場合、とくに有利である。そして、
− ガラスは、耐火規格の要求を満たす。
【0047】
ガラス要素は、例として、所望の外観もしくは光学的効果および/または多重ガラスユニットの目的にとくに基づいて以下のもので作製される。
− Saint-Gobain Glass社の「Planilux(登録商標)」ガラスなどの標準的な組成を有し、少し緑色の色を有するガラス。
− Saint-Gobain Glass社の「Diamant(登録商標)」ガラスなどの色なしの極−透明ガラス(無色)。
− Saint-Gobain Glass社の「Albarino(登録商標)」ガラスなどの角錐でパターン化されたガラス。角錐の浮彫は、照明器具の外側の環境に面する基板の外面に形成される。
− より高い強度を有する強化ガラス。または
− 積層された窓ガラス。
【0048】
第1のおよび/または第2のガラス要素は、とくに積層された場合、追加のガラス要素と結合されてもよいし、3重の真空もしくは断熱のガラスユニットを形成してもよい。第1のガラス要素は、たとえば中央もしくは外側の要素である。
【0049】
グループのそれぞれのダイオードについて、光線のセットは、規定されてもよく、中央光線を形成してもよく、主要発光方向の周りの発光円錐の中で発光されてもよく、そして、まさにこのダイオードによって発光された光束の少なくとも30%、さらに50%に対応する。
【0050】
ダイオードのグループから発光された、S2と呼ばれる全光束を測定するために、発光された(主要)光線のすべてを測定できるように配置されたゴニオメータが従来使用される。
【0051】
第1の構成では、S1と呼ばれる全反射光束を測定するために、ダイオードのグループによって発光され、および反射器によって反射した(主要)光線を測定するように配置されたゴニオメータが使用される。S1/S2は、30%以上、さらには50%以上でなければならない。
【0052】
第2の構成では、
− S11と呼ばれる第1の反射光束を測定するために、ダイオードのグループによって発光された、および第1のガラス要素の側の反射器によって反射された(主要)光線を測定するように配置されたゴニオメータが使用され、および
− S12と呼ばれる第2の反射光束を測定するために、ダイオードの部ループによって発光された、および第2のガラス要素の側の反射器によって反射された(主要)光線を測定するように配置されたゴニオメータが使用される。
【0053】
(S11+S12)/S2は、環境に基づいて、30%以上であり、さらに50%以上でなければならない。
【0054】
好ましくは、より単純化のため、上記グループのダイオードは、同じ(単一の)主要発光方向θ0を有するように選択される。
【0055】
また、均一な照明を供給ために、同じ単色もしくは多色のスペクトルを有するように上記グループのダイオードが選択されることが好ましい。
【0056】
好ましくは、光線は、より均一に発散する。
【0057】
したがって、半値全幅θM1(第1の発光ゾーンの方向)および/またはθM2(第2の発光ゾーンの方向)は、少なくとも50°、好ましくは少なくとも60°、さらには少なくとも70°であってもよい。
【0058】
発光円錐は、θ0に関連して対称であっても非対称であってもよい。
【0059】
発光円錐は、たとえば、均等拡散(ランベルト(Lambertian))であってもよい。
【0060】
上記グループのそれぞれのダイオードの出力は、1Wよりも低くてもよく、とくに0.5Wよりも低くてよい。ダイオードのグループは、メートルの表される全長L0を有する取付部にわたって分布している。ワットで表される上記グループの全出力は、加熱を制限するように30[W/m]×L[m]以下である。したがって、これによりダイオードの寿命が長くなる。
【0061】
照明効率をさらに上昇させるために、取付部は、ダイオードのグループを取り囲む、たとえば、ラッカーおよび塗料による自由(平坦もしくは傾いた)散乱領域を含んでもよい。たとえば、白色の反射器が使用される。
【0062】
− 取付部は、とくに、周囲の照明の場合、上記スペーサにしっかりと固定(直接もしくは間接的に固定)されていてもよい。第1の照明ゾーンは、第1の面の縁に沿って延在できる。所望による第2の発光ゾーンも第3の面の縁に沿って延在してもよい。好ましくは、主要方向は、取付部に対して垂直である。
− または、とくに、より中央の照明の場合、取付部は、内部空間の中のパッドにしっかりと固定(直接もしくは間接的に固定)されていてもよい。ダイオードのグループはパッドに固定され得る。所望による追加のダイオードのグループは、上記パッドに対向する別の近接するパッドに固定されてもよい。
【0063】
とくに真空にもしくは断熱ガスが使用されるべきである場合、外周のスペーサは、任意の断面を有するストリップ(strip)(細長片)であり、とくに一体構造のストリップもしくはフレームであってもよい。スペーサは、ガラスユニットの外周に、第1および第3の面の間に、さらに端面上に配置される。
【0064】
パッドは、任意の形状の追加のスペーサを形成してもよい。また、それは、内部空間の高さより低くてもよい。また、それは、取付部の水平面を介して側面発光ダイオードを収容してもよい。
【0065】
さらに、反射器は、スペーサもしくはパッドに固定されてもよく、まさに、上記スペーサもしくはパッドの拡張部分であってもよい。
【0066】
取付部は、任意の形状であってもよい。それは、たとえば、平面であってもよく、正方形もしくは長方形の横断面をとくに有していてもよい。ダイオードは、小さな裸のもしくはカプセルに包まれたチップであってもよい。ダイオードは、たとえば、表面実装デバイス(SMD)もしくは「チップ・オン・ボード(chip on board)」デバイスであってもよい。レンズは必要ない。
【0067】
取付部は、いわゆる印刷回路基板(PCB)であることが多い。それは、プラスチックもしくは金属で、とくにアルミニウムで作製される。
【0068】
好ましくは、取付部は金属で作製され、その金属から電気的に分離されている導電路にダイオードが半田付けされる。
【0069】
取付部の金属は熱を伝導させるので、取付部は、熱を消散させるように、金属のスペーサに対して(または追加の金属パッド、または、取付部とスペーサもしくはパッドとの間の反射器部分の同様な金属領域に対して)直接押し当てられてもよい。
【0070】
取付部は、たとえばクリップ締付け具および/またはネジで、しっかりと固定されてもよい。
【0071】
熱の消散をさらに改善し、それによりダイオードの照明効率および寿命を増加させるために、好ましくは、熱伝導体(熱ペースト、熱テープおよび/または熱接着剤など)は、金属スペーサ(または金属パッドおよび/または反射器の金属領域)と取付部との間に配置された中間体であってもよい。
【0072】
したがって、取付部は、熱伝導接着剤または両側接着テープなどの熱伝導固定手段によって好ましくは固定される。
【0073】
接着テープは、取付部が完全に平坦になるように較正された厚さを有し、ダイオードはすべて、スペーサ(パッドまたは反射器)から同じ距離に確実に配置されるので有利である。さらに、接着テープは、事前に取付部に固定され得る。
【0074】
スペーサまたはパッドまたは反射器上の小さな取付部の相対的位置決めをできるようにするために、両側接着テープまたは(ただちに固定しない)硬化性接着剤を使用して取付部にLEDを取り付けることが好ましい。
【0075】
さらに、取付部と金属スペーサまたは金属パッドまたは反射器との間に熱ペーストを使用してもよい。
【0076】
プラスチックの取付部の場合、ダイオードは、取付部の2つの対向する面に付加され、その厚さを貫く熱パッドに半田付けされる。そのしっかりとした固定は、熱パッドに結合する物質を、電気的に絶縁するが熱的に伝導して固定することによって必然的に得られる。熱的に伝導させて固定する物質は、たとえば、上で述べた熱伝導性接着剤または熱伝導性両側接着テープである。
【0077】
反射器は、好ましくは、70%以上、さらには80%以上の反射係数をとくに有する鏡のような反射器である。しかし、反射器は、所望により散乱反射器である。反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分を、メタライズしてもよいし、金属、とくに陽極処理されたアルミニウムで作製してもよい。
【0078】
反射器は、上記部分で一体構造であってもよく、金属または2種の材料でとくに作製される。たとえば、とくに金属で作製された部分は、二重像を所望により形成する。中央領域は、第3の面またはまさにスペーサ上に配置された1種もしくは2種以上のとくに金属の反射層と結びついてもよい。
【0079】
単純で効果的な実施形態では、反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分は、(ダイオードに関連して)平坦な板でであってもよいし、凹面の板であってもよい。その板は、1回もしくは複数回、所望により折られたり、曲げられたりされ、その板の厚さは1mm以下である。
【0080】
板は、縦の端面および(より短い)横の端面を有し、
− 1つもしくは2つ以上の横の端面によってとくに外周スペーサと、および/または
− ダイオードへ向いている表面領域と対向する少なくとも1つの裏面側の領域によって、とくに側方の領域またはスペーサと第2のガラス要素との間に位置する領域と、たとえば固定されてもよい。
【0081】
反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分は、空洞でもよいし、中実でもよく、側方端面を有しており、とくに三角形の横断面を有する。
− 上記部分は、(後部)領域を備える。(後部)領域は、第1の面を、とくに第1の散乱手段の下で、および/または第3の面を、とくに所望による第2の散乱手段の下で、押しつけるかまたはさらにしっかりと固定される。または、
− 上記部分は、たとえば側方端面もしくは面によって、外周スペーサにとくに固定される。
【0082】
断熱もしくは真空二重ガラスユニットでは、内部空間は、5mmの最小高さを有してもよい。反射器が自由に配置されるようにするために(傾けるなど)、内部空間の高さは可能な限り大きいことが好ましい。
【0083】
一緒にしっかりと単純に固定された2枚の窓ガラスを備えた二重ガラスユニットでは、内部空間は任意の高さを有する。
【0084】
中央領域、所望により二重像中央領域を所望により超える反射器は、第1の面に達するまで、または内部空間の高さに基づいて第1の面と反射器との間に5mm未満の、さらに1mm以下の最大遊びが存在するまで延在してもよい。
【0085】
また、中央領域、所望により二重像中央領域を所望により超える反射器は、第3の面に達するまで、または内部空間の高さに基づいて第3の面と反射器との間に5mm未満の、さらに1mm以下の最大遊びが存在するまで延在してもよい。
【0086】
中央領域もしくは第1の中央領域は、第1の面と、20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなす。所望による第2の中央領域は、第3の面と、20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなす。
【0087】
ダイオードのグループが消灯される不活性位置に動けるように中央領域が選択された場合、少なくとも中央領域、所望により二重像中央領域および反射器のさらにすべてにおける第1の面への垂直突出部および第3の面への垂直突出部は、両方とも3mm以下であり、好ましくは1mm以下である。不活性位置は、第1面に対してとくに実質的に垂直をなす。
【0088】
第1の構成では、反射器は、中央領域を超えて第1の面へ側方に延在し、別の側方反射ゾーンを形成する。側方反射ゾーンは、端を有する第1の面から離されて間隔を置いている。その端は、光線を広げるようにダイオードから離れて湾曲されている。その端は、直線の断面を有する平らなストリップ(とくに金属シート)をとくに折り曲げることによって形成される。
【0089】
第1の構成では、反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分は、
− 中央領域と所望により側方反射領域とを含む第1の傾斜フランジ、
− 内部空間の中のスペーサもしくはパッドと第3の面との間に配置された、またはさらに内部空間のスペーサもしくはパッドの上に配置された、とくに固定するために、延在する第2のフランジ
を含む。第2のフランジは、金属でとくに作製され、熱の散逸を可能にするために取付部の下に配置される。
【0090】
第1の構成では、反射器は、第1の散乱手段に対向して、さらに第3もしくは第4の面のすべてにわたって配置された不透明コーティング、とくにエナメル、鏡、または、たとえば着色された装飾コーティングで覆われてもよい。
【0091】
第1の構成では、反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分は、
− 中央傾斜領域および所望による側方反射領域を含む第1のフランジ、とくに平らもしくはダイオードに対して凹面のフランジ、
− とくに反射器の固定のための、第3の面から離れて間隔を置くかもしくは第3の面上の、延在する別のフランジ、とくに平らもしくはダイオードに対して凹面のフランジ
を含む。
【0092】
第1の構成では、反射器の領域を形成するかまたは反射器を形成する部分は動くことができ、第1の面ととくに平行である軸のまわりをとくに回転する。作動中、第2の位置では、中央領域は、ダイオードのグループの中央光線を第2の散乱手段へ反射する。
【0093】
その部分は、反射器が回転するところの軸で(または移動軸で)ガラスユニットと側方で固定されてもよい。
【0094】
スプリッタ反射器の場合、第1の中央領域は、第1の面と、20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなしてもよい。そして、第1の領域に対して異なるもしくは全く異なる傾斜を有する第2の中央領域は、第3の面と、20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなしてもよい。
【0095】
光源に対向する点は、主要発光方向の中心にあるか、または主要発光方向からシフトしている。
【0096】
好ましくは、反射器は、しっかりと固定され得るように、所望により、この「暗い」ゾーンの中に配置されている散乱手段の下で、第1の発光ゾーン(ダイオードの2つのストリップの間など)からシフトしているゾーンにM形状の横断面を有していてもよい。
【0097】
多重ガラスユニットは、とくに国際公開第2000/179644号パンフレットに記載されているように、第1の面と第3の面との間にもしくは外側に好ましくは配置された、たとえば、マスチックおよびブチルゴムを組み合わせたタイプの、とくに外周密閉システムを備えた二重ガラスユニットまたは真空ガラスユニットであってもよい。
【0098】
スペーサは、(C−形状もしくは閉じた断面、とくに正方形もしくは長方形の断面を有する)フレームを形成する。スペーサは乾燥剤を所望により含む。
【0099】
ガラス要素は、上記第1および第2の要素を結合させることによって第1の面および第3の面の間でしっかりと固定されてもよい。
【0100】
ガラスユニットは、外周の第1の発光ゾーンについて選択される端と対向もしくは近接するとくに端に沿って別のダイオードのグループおよび別の第1のグループを含んでもよい。
【0101】
また、反射器は、上記別の第1のゾーンを備えた単一の部分であってもよい。たとえば、それは、多くのおよびさらにすべての端(角は除く)に沿って配置されている多くのダイオードのグループを含んでもよい。
【0102】
反射器(少なくとも中央領域)は、たとえば、一体部分、とくにフレームである。
【0103】
1つもしくは2つ以上のダイオードのグループは、とくに自然光の量に基づいて、光が不変に発光されるかまたは間欠的に発光されるかのどちらかを、発光された光の明るさを、および所与の色が発光されるかまたは様々な色が発光されるかのどちらかを制御する制御手段と連結してもよい。
【0104】
ガラスユニットは、装飾照明、建築上の照明、または看板もしくはディスプレイのための照明を作り出すために使用されてもよい。
【0105】
ガラスユニットは、
− 発光パネル、発光窓、天井灯、発光床、壁タイル、発光ガラスドア、発光間仕切り壁または階段の段などの建築上のガラスユニットとして、
− 輸送機関の態様で、とくに公共輸送機関、列車、地下鉄車両、路面電車、バスまたは水上輸送のもしくは航空輸送の乗物(飛行機)における発光側窓または発光サンルーフまたは発光窓または発光ガラスドアとして、
− 照明道路または都市空間に対して、
− バス避難所、ガードレール、勘定台、売り場窓、棚構成部品、温室の発光ガラス部分などの都市の備品のためのガラスユニットとして、
− 浴室の発光壁、発光鏡などのインテリアデザインのためのガラスユニットとして、家具の発光ガラス部分として、
− とくにドア、ガラス棚材、カバーまたは家庭用のもしくはプロ用の冷蔵庫のガラス要素として
使用されることを意図されてもよい。
【0106】
発光ダイオードの耐久性は、列車、航空機、長距離用バス、巡航客船などの公共輸送機関などの高度利用の用途においてとくに有利である。
【0107】
本発明の他の詳細および有利な特徴は、次の図によって説明されている本発明による発光多重ガラスユニットの例を調べると明らかになるであろう。
・ 図1、2、3、3a、4、5、6および8は、本発明の様々な実施形態における発光多重ガラスユニットの概略断面図を示す。
・ 図1aおよび1bは、図1に示す第1の実施形態の反射器の概略正面図および側面図を示し、図1dは図1に示す第1の実施形態のダイオードの発光パターンを示す。
・ 図1cおよび8aは、図1および8の発光多重ガラスユニットの概略上面図を示す。そして、
・ 図7a〜7hは、本発明の様々な実施形態の反射器の横断面図を示す。
【0108】
明確性のために、示される対象の様々な要素(および角度)は、必ずしも測定しているわけではないことに留意されるであろう。さらに、図では、示されている光線は必ずしも光学の法則に厳密にしたがっているわけではない。
【0109】
図1は、本発明の第1の実施形態の発光ダイオードを含む多重ガラスユニット100を貫く部分的な縦断面の概略図を示す。
【0110】
ガラスユニット100、ここでは断熱ガラスユニットは、
− 無機ガラスで作製され、第1の主面11および第2の主面12を有する第1の平らなガラス要素1、たとえば、正方形(または長方形など)のガラス板、
− 第3の面13と呼ばれ、第1の面に対向して配置されている主面と、第4の面と呼ばれる別の主面14とを備えた第2のガラス要素1’、たとえば、正方形(または長方形など)のガラス板を含み、
− 第1および第2の要素は、しっかりと固定され、お互いに離れて間隔を置き、
ガラスユニット100は、
− とくに真空に引かれているか、または1種もしくは2種以上の不活性ガスまたは空気などのガスによって充填されている、第1の面および第3の面との間の内部空間、
− ガラスユニットの外周で第1および第2の要素を分離し、内部ガス充填空間を囲み、長方形の横断面を有し、乾燥剤が空間中の空気もしくはガスと接触するように穴が開けられている自由面を有するフレーム2を形成し、所望により様々なミクロスペーサもしくは鋲が付加されたスペーサ2(真空ガラスが形成される)、および
− 内部空間の中の取付部30の上の4つのダイオードのグループ3(換言すれば、ダイオードの4つのストリップが存在する)、
をさらに含み、
それぞれの取付部は上記スペーサの自由面と結合しており、4つのダイオードのグループは、
− 第1の縁に沿って配置されている発光ダイオードの第1のグループ、
− 第2の縁に沿って配置されている発光ダイオードの第2のグループ、
− 第3の縁に沿って配置されている発光ダイオードの第3のグループ、
− 第4の縁に沿って配置されている発光ダイオードの第4のグループに分けられ、
それぞれのグループのそれぞれのダイオードは、第1の面と実質的に平行であり、たとえば、第1および第3の面11,13と等距離である所与の主要発光方向を有する。
【0111】
さらに、4つのダイオードグループのお陰で、
− 4つの第1の発光ゾーンは、第1のガラス要素1と関連する。それぞれの第1のゾーンには、好ましくは第1の面11上に配置されている第1の散乱手段11’が備えられている。これらの第1のゾーンは、たとえば、(図1cに示すように)4つの縁に沿って配置された4つの発光外周バンドを形成する。これらの第1のゾーンの幅L1は、同じかまたは異なり、とくに200mm未満であり、さらに100mm未満である。第1の発光ゾーンは、第1の暗い中央ゾーン15の近傍に配置される。そして、
− 4つの第2の発光ゾーンは、第2のガラス要素1’と関連する。それぞれの第2のゾーンには、好ましくは第3の面上に配置されている第2の散乱手段13’が備えられている。これらの第2のゾーンは、たとえば、4つの縁に沿って配置された4つの外周バンドを形成する。これらの第2のゾーンの幅L2は、L1と同じかまたは異なり、とくに200mm未満であり、さらに100mm未満である。第2の発光ゾーンは、第1の暗いゾーンに対向する第2の暗い中央ゾーン15の近傍に、第1の発光ゾーンに対向して配置される。
【0112】
もちろん、多くのダイオードストリップは、とくにバンドの長さに基づいてそれぞれの発光バンドに使用されてもよい。
【0113】
もちろん、発光バンドは、同じであってもよく、異なる形状、幅、色、性質(、異なる散乱手段)などを有していてもよい。
【0114】
また、望む場合、1つもしくは2つ以上の第2の発光バンドを除くことも可能である。
【0115】
内部空間の中でガラスユニットに固定され、陽極処理されたアルミニウムで作製された金属部分は、ビームスプリッタを形成する反射器5である。そのビームスプリッタは、第1のダイオードのグループから生じた光線を分割し、第1および第2の発光ゾーンの発光効率および均一性の改善に貢献する。
【0116】
これを実施するために、金属部分5は、
− 第1の面11に対して30〜50°の斜めの第1の角度をなす第1の中央領域51(この第1の中央領域は、第1のダイオードのグループによって第1の発光ゾーンの第1の散乱手段11’に発光された第1の中央光線を反射できる。)、および
− 第3の面13に対して第1の角度と同じ30〜50°の斜めの第2の角度をなす第2の中央領域52(この第2の中央領域は、上記ダイオードのグループによって第2の散乱手段13’に発光された第2の中央光線を反射できる。)、
からなる二重像中央反射領域50,51,52を有する。
− その2つの領域51,52は接している(ここで、接点を形成する)。
【0117】
第1および第2の中央光線は、主要発光方向(または適切な場合、主要発光方向)に沿って発光された光線を含み、上記第1のグループのダイオードによって発光された全光束の少なくとも30%、さらに50%以上を形成する。
【0118】
主要発光方向は、ここで示されるように、上記点で反射されてもよいし、変形として、第1の中央領域51によって、または第2の中央領域52によって反射されてもよい。主要発光方向は、取付部30と垂直をなしてもよい。
【0119】
取付部30は、好ましくは金属、とくにアルミニウムで作製され、光線を再利用するためにダイオードのグループを取り囲む散乱領域を所望により含む。
【0120】
取付部30は、たとえば第1の面と実質的に垂直をなす、スペーサの、ここではフレームの内面21に、(接着剤による接着、ネジによる固定などで)たとえば固定される。
【0121】
Jetart社によって販売されている化合物「CK4960(登録商標)」などの熱ペーストを、取付部とスペーサとの間で好ましくは使用してもよい。
【0122】
それぞれのダイオードについて、主要発光方向のまわりの発光円錐の中で発光される、中央光線と呼ばれる発光光線のセットが規定されてもよい。この発光円錐は主要方向θ0に関する第1の半角θ1により、および主要方向θ0に関する第2の半角θ2により特徴付けられる。
【0123】
図1dに示されるように、(第1の発光ゾーンの方向の)半値全幅θM1および/または(第2の発光ゾーンの方向の)θM2は、少なくとも50°、好ましくは少なくとも60°、さらに少なくとも70°であってもよい。発光円錐は、ここでは、ランベルト円錐である。
【0124】
いわゆる中央光線のセットは、それぞれのダイオードによって発光された全光束の少なくとも30%に対応する発光円錐に含まれる。
【0125】
たとえば、発光された光線は、対称であり、2本の同一のビームに分離される場合、および散乱手段が(窓ガラスのような)同一の光学的特性を有する場合、第1および第2の発光バンド11’、13’の(普通の)発光は同じでもよい。
【0126】
図1aおよび1bに示すように、反射器は、2つの第1の平坦な側面部品5’を通して、第1の発光ゾーンの外側の第3の面13におよび/または第1の面11の適当な場所にたとえば(接着剤による接着などによって)固定される。これらの部品は、第1および第2の散乱手段を延在させることによって、またはたとえば1層もしくは2層以上の装飾層によって隠されてもよい。
【0127】
第1の発光バンド11’のゾーンでは、反射器5はM−形状の横断面を有する。反射器は、アルミニウム、とくに陽極処理されたアルミニウムによって、またはメタライズされたプラスチックによって好ましくは作製される。
【0128】
第1および/または第2の散乱手段11’、13’は、たとえば、少なくとも40%(第1の要素1上で測定された値)の光透過率を有する散乱層、たとえばスクリーン印刷された層からなる。
【0129】
反射器5、50は、
− 1つもしくは2つ以上の主要発光方向に対してとくに角度α1をなす第1の側方反射終点A、角度α1を超え、第1の面11の方に発光された、いわゆる側方光線のすべてが第1の散乱手段11’によって散乱されるように延在する第1の散乱手段11’、および
− 1つもしくは2つ以上の主要発光方向に対してとくに角度α2をなす第2の側方反射終点Bによって境界が示される、角度α2を超え、第3の面の方に発光されたいわゆる側方光線のすべてが第2の散乱手段13’によって散乱されるように延在する第2の散乱手段13’
によって、境界が示される。
【0130】
とくに、第1のダイオードのグループからもっとも遠い点Cで第1の面に達する端にある光線は、再利用されるであろう。また、第1のダイオードのグループからもっとも遠い点Dで第3の面に達する他の端にある光線も再利用することができる。
【0131】
第1および第2のガラス要素の(中央の)暗いゾーン15は、透明であるように選択される。
【0132】
実施例では、
− 二重ガラスユニットを形成するために取り付けられた厚さ2.9mmの2枚の極−透明窓ガラスを備えたガラスユニットの面積は600×600mm2であり、
− ダイオードは、(約)0.4Wの出力をそれぞれ有し、450mmの長さL0について20.5W/mの出力を与え、
− それぞれの取付部30はアルミニウムで作製され、450mm×10mm×1.9mmの大きさの23個のダイオードを備え、
− 内部空間の(スペーサ2の)高さは22mmであり、そして、
− 発光バンドの幅L1およびL2は50mmである。
【0133】
それぞれの他のダイオードのグループについて同様の反射器を使用してもよいし、異なるデザイン(形、特性など)または機能(たとえば、第1のガラス要素経由の照明のみを供給するなど)を有する反射器を使用してもよい。
【0134】
さらに、反射器(または少なくとも二重像中央領域50)は、散乱手段11’および散乱手段13’の間に配置され、ガラスユニットに面する観察者からそれを隠してもよいことを留意すべきであろう。
【0135】
したがって、ガラスユニットは、
− 発光パネル、発光窓、天井灯、発光床、壁タイル、発光ガラスドア、発光間仕切り壁または階段の段などの建築上のガラスユニットとして、
− 輸送機関の態様で、とくに公共輸送機関、列車、地下鉄車両、路面電車、バスまたは水上輸送のもしくは航空輸送の乗物(飛行機)における発光側窓または発光サンルーフまたは発光窓または発光ガラスドアとして、
− 照明道路または都市空間に対して、
− 都市の備品におけるバス避難所、ガードレール、勘定台、売り場窓、棚構成部品、温室の発光ガラス部分として、
− インテリアデザイン用途における浴室の発光壁として、または家具の発光ガラス部分として、および
− とくにドア、ガラス棚材、カバーまたは家庭用のもしくはプロ用の冷蔵庫のガラス要素として
使用されてもよい。
【0136】
第1のガラス要素1は、取付の後、たとえば内側向きにされる。変形として、暗い(中央)ゾーン15は、半透明であるように、または反射するように、または(不透明体および/または着色装飾物などで)装飾されるように(独立に)選択される。
【0137】
図2は、本発明の第2の実施形態における発光ダイオードを含む発光多重ガラスユニット200を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0138】
ガラスユニット200は、第2の中央領域における傾斜がより大きくなり、これにより幅L2が幅L1よりも小さくなる点でガラスユニット100と異なる。
【0139】
図3は、本発明の第3の実施形態における発光ダイオード(LED)を含む発光多重ガラスユニット300を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0140】
ガラスユニット300は、ここで使用されている反射器5,50を動かすことができる点で、ガラスユニット100と異なる。それは、
− 第1の位置では、第1の発光ゾーン11’のすべて(および、所望により第2の発光ゾーン12’の一部)が照明され、および
− 第2の位置では、第2の発光ゾーン13’のすべて(および、所望により第1の発光ゾーンの一部)が照明される。
【0141】
第1の位置(実線)では、中央領域50と呼ばれる反射器の第1の反射領域が第1の面に対して傾斜角をなし、1つもしくは2つ以上の側方反射領域53’および51’を備えたこの中央領域は、必要な場合、上記第1のダイオードのグループによって発光されたいわゆる中央光線を反射することができる。中央光線は、主要発光方向に沿って発光された光線を含み、ダイオードの上記グループによって発光された全光束の少なくとも30%を形成する。これらの光線は、光を散乱するための第1の手段11’へ反射される。
【0142】
反射器は、たとえば陽極処理されたアルミニウムで作製された、たとえば0.8mmの厚さを有する、たとえば単純な金属シートである。
【0143】
第1の面にできるだけ近づけた第1の側方反射領域51’を形成するために、反射器を形成する部分は、第1の面11に達するまで、または第1の面と反射器との間の最大遊びが5mm未満になるまで延在してもよい。
【0144】
第3の面にできるだけ近づけた第2の側方反射領域53’を形成するために、反射器を形成する部分は、第3の面13に達するまで、または第3の面と反射器との間の最大遊びが5mm未満になるまで延在してもよい。
【0145】
第2の位置(1点鎖線)では、反射器を形成する部分は、とくに第1の面に対して平行にとくに配置された軸の周りを回転するように動くことができる。作動中、中央領域50は、ダイオードのグループによって発光された中央光線を第2の散乱手段13’へ、その後反射する。
【0146】
中央領域50の傾斜は、ガラスの第1の面に対して45°になるようにたとえば選択される。
【0147】
したがって、たとえば、照明二重鏡が形成される。
【0148】
第1および第2の散乱手段は、2つの暗いゾーン15における第1および第3の面11,13上の鏡、たとえば銀めっき16を(サンドブラストなどで)粗くすることによってたとえば得られる。
【0149】
図3aは、本発明の第3の実施形態の変形例における、可動反射器を備え、発光ダイオード(LED)を含む発光ガラスユニット310を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0150】
ガラスユニット310は、使用される反射器5,50が第2の作動位置に必ずしも切り替わるとは限らない点でガラスユニット100と異なる。
【0151】
さらに、ダイオードが消灯されたとき、不活性位置に配置されるように反射器は設けられている。この不活性位置は、第1の面に対してとくに実質的に垂直をなす。これを実施するために、反射器5は、十分短くなくてはならない。とくに、他の位置では、反射器は、第1の散乱手段11’または第1の面11を擦ってはならない。この理由のため、1mmよりも大きな、さらに5mmよりも大きな遊びを、たとえば残してもよい。
【0152】
不活性位置では、反射器5組立体における第1の面11への垂直突出部および第3の面13への垂直突出部はシートの厚さと等しく、たとえば3mmもしくは1mmもしくはそれよりも薄くてもよい。
【0153】
したがって、より自然な光を透過させることができる。
【0154】
中央暗いゾーン15は、透明または半透明であるようにさらに選択される。
【0155】
図4は、本発明の第4の実施形態における発光ダイオード(LED)を含む発光断熱ガラスユニット400を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0156】
ガラスユニット400は、使用される反射器5,50が、ユニットのちょうど一方側を照明する第1のダイオードのグループを使用する点でガラスユニット310と異なる。
【0157】
反射器は、陽極処理されたアルミニウムで作製された金属部5を含む。金属部5は、
− 光を第1の面11へ反射する斜めの中央領域50および側方反射ゾーン51’を含む第1のとくに平らなフランジ、および
− (接着剤による接着などによって)反射器をとくにしっかりと固定するために第3の面13上に配置された、または、変形として、第3の面から離れて間隔を置いた、スペーサに固定された側方反射領域53を備えた第2のたとえば平らもしくは凹面のフランジ
を備える。
【0158】
それは、たとえば折り曲げられたシートである。
【0159】
中央領域50の範囲および側方反射領域53の範囲は、すべての中央光線および(第3の面へ発光された)側方光線が第1の散乱手段11’へ反射されるような範囲である。
【0160】
(領域53によって効力がないように変えられた)第2の散乱手段17を残しておいてもよいし、反射器5、とくにこちら側の側方領域53を隠すことを望む場合、所望の鏡または装飾コーティングで第2の散乱手段17を置き換えてもよい。
【0161】
図5は、本発明の第5の実施形態における発光ダイオード(LED)を含む発光断熱ガラスユニット500を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0162】
ガラスユニット500は、使用される反射器5,50、たとえば2つの折り目を備えたシートが、
− それをしっかりと固定するための、任意の方法でスペーサ2に結合された(ここではネジを使用してしっかり固定された)領域54、および
− 熱をよりよく消散させるための、金属で作製され、取付部の下に配置された領域54、および
− 好ましくは光線を反射させるための、取付部30を取り囲む金属領域54
を含む点で2つの前述のガラスユニット400と異なる。
【0163】
この構成では、金属反射器およびスペーサ、好ましくは金属スペーサは、熱を消散するように作用する。熱伝導性を高めるために、(熱テープ、接着剤もしくはペーストなどの)熱伝導体は、これら3つの要素(スペーサ、反射器および取付部)のそれぞれの間の中間体に配置されてもよい。
【0164】
(効力がないように変えられた)第2の散乱手段17は、第3の面13全体にわたって延在する。したがって、暗いゾーン15へも延在する。これにより、たとえば、プライバシー(浴室の窓、事務所の間仕切壁など)を維持できるようにガラス1’は半透明になる。
【0165】
図6は、本発明の第6の実施形態における発光ダイオードを含む発光多重ガラスユニット600を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0166】
ガラスユニット600は、使用される反射器5,500が、
− それをしっかり固定するための、スペーサ2と第3の面13との間に配置された領域56、および
− 第1のガラス要素における第1の発光ゾーン11’および暗いゾーン15の間で徐々の移り変わるための曲面部55によって延在されている第1の側方反射領域51、および
− ここで、中央領域50で傾斜して延在している第2の側方反射領域53’
を含む点で、ガラスユニット400と異なる。
【0167】
それは、たとえば2つの折り目を備えたシートであってもよい。
【0168】
さらに、取付部および金属スペーサ2の上に、いわゆる白色反射器57を採用してもよい。金属スペーサは、中実である(乾燥剤なしの)部分であり、中央領域に対して窪んでいる部分である。熱伝導両側接着剤31は取付部30をスペーサ2にしっかり固定する。
【0169】
最後に、必要なことのすべては、窓ガラス1,1’を簡単に取り付けることであり、密閉が必要であるということではない(すなわち、概してマスチックおよびブチルゴムは使用されない)。形成されるガラスユニットは、断熱もしくは真空ガラスユニットではない。
【0170】
図7a〜7hは、一方側の照明のための本発明の様々な実施形態における一体反射器の横断面図を示す。これらの反射器は、
− 平らなもしくは凹面の中央領域50、
− 曲面領域55を所望により備えた第1の側方領域51’、
− 第3の面に対向して配置され、上記面にさらに達する第2の平らなもしくは凹面の側方領域53、および
− しっかりと固定するための、または熱を消散させるための領域54
を含む。
【0171】
図7hは、三角形の横断面を有する部分5をとくに示す。
【0172】
図8は、本発明の第7の実施形態における発光ダイオードを含む発光断熱ガラスユニット700を通じての部分縦断面の概略図を示す。
【0173】
ガラスユニット700は、
− 外周シールを有さない点、
− ダイオード3の位置が異なる、たとえば、それらは、2つの追加のパッド2’,2”と結合した2つの相互に面する2つのダイオードのグループに配置されている点、
− 反射器が、2つの領域54、2つの領域53、二つの領域51’および二つの領域50を含む一体二重像反射器である点、および
− 第1の発光ゾーン11’は、第3の面に対向し、2つの暗い外周ゾーン15の間に配置された中央配置およびゾーン17をここで有し、図8aに示すように電気供給ラインを隠すように端面へ好ましくは開放している点で
ガラスユニット500と異なる。
【図1】

【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図2】

【図3】

【図3bis】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7a】

【図7b】

【図7c】

【図7d】

【図7e】

【図7f】

【図7g】

【図7h】

【図8】

【図8bis】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の主面(11,12)を備え、無機もしくは有機ガラスで作製された第1の平らなガラス要素(1)、および
第3の面(13)と呼ばれ、前記第1の面と対向して配置された主面と第4の面(14)と呼ばれる別の主面とを備え、無機もしくは有機ガラスで作製された第2の平らなガラス要素(1’)を含む発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)であって、
前記第1および第2のガラス要素は相互に間隔を開けてしっかりと固定され、
前記ガラスユニットは、
とくに真空に引かれているかまたはガスで充填されている、少なくとも前記第1および第3の面の間に設けられた内部空間(20)、
上記第1および第2のガラス要素を分離し、前記ガラスユニットの外周に設けられたスペーサ(2)、および
前記内部空間の中に配置され、1つもしくは2つ以上の取付部(30)に搭載された発光ダイオードの少なくとも1つのグループをさらに含み、
前記グループの前記ダイオード(3)は、前記第1の面(11)と実質的に平行である所与の主要発光方向をそれぞれ有し、
前記ガラスユニットは、
前記ダイオードのグループ(5)によって発光された光を反射し、前記内部空間の中に前記ガラスユニットと固定された部分を含む反射器(5)、および
第1のガラス要素と関連する第1の発光ゾーンをさらに含み、
前記光は、ダイオードの前記グループから生じ、
第1の構成では、
前記反射器(5)の前記部分は、前記第1の面に対して傾斜角度をなす中央反射領域(50)を有し、
この反射領域は、第1の位置で反射することができ、
前記反射器(5)の前記部分は、所望により側方反射領域(53,51’,53’)を備え、
前記ダイオードのグループのいわゆる中央光線は、前記主要発光方向を含み、前記ダイオードの前記グループによって発光された全光束の少なくとも30%を形成し、
これらの中央光線は、前記第1の発光ゾーンで反射され、
前記第1の発光ゾーンは、光を散乱させるための第1の方法(11’)を備え、
前記第1の方法は前記中央光線を受光し、
または第2の構成では、
前記反射器(5)の前記部分は、二重像中央反射領域(50,51,52)を有するビームスプリッタを形成し、
前記二重像中央反射領域は、
前記第1の中央光線を受光する、前記光を散乱させるための第1の方法(11’)を、備えた前記第1の発光ゾーンで、ダイオードの前記グループからの第1の中央光線を反射できる、前記第1の面に対して傾斜角度をなす第1の中央領域(51)、および
前記第2の中央光線を受光する、光を散乱させるための第2の方法(13’)を、備えた、前記第2のガラス要素と関連する前記第2の発光ゾーンで、ダイオードの前記グループからの第2の中央光線を反射できる、前記第3の面に対して傾斜角度をなす第2の中央領域(52)からなり、
前記第1および第2の中央領域は、実質的に隣接しており、
前記第1および第2の中央光線は、主要発光方向を含み、前記グループの前記ダイオードからの全光束の少なくとも30%を形成することを特徴とする発光多重ガラスユニット。
【請求項2】
前記第1の発光ゾーン(11’)は、前記第1のガラス要素の領域のほとんどを覆い、
少なくとも1つの、とくに前記第1の発光ゾーンに近接している、第1の暗い、すなわち、非発光ゾーン(15)が、前記第1のガラス要素に残され、
前記暗いゾーンは、鏡(16)を形成する反射ゾーン、透明ゾーン、とくに前記第1のガラス要素にテクスチャを形成することによって得られた半透明ゾーン(17)ならびに半透明体および/または着色コーティングおよび/または前記第1のガラス要素の層に色合いを付けることによる所与の色で装飾された装飾ゾーン(16’)から選択されることを特徴とし、
所望により、前記第2のガラス要素(1’)は、第2の暗いゾーンと呼ばれる、暗い、すなわち非発光ゾーン(15)を含み、
前記第2の暗いゾーンは、前記第1の暗いゾーンと好ましくは対向し、前記所望による第2の発光ゾーンにとくに近接し、
前記第2の暗いゾーンは、鏡(16)を形成する反射ゾーン、透明ゾーン、とくに前記第2のガラス要素にテクスチャを形成することによって得られた半透明ゾーン(17)ならびに半透明体および/または着色コーティングを使用して、または前記第2のガラス要素の厚さに色合いを付けることによって装飾された装飾ゾーン(16’)から選択されることを特徴とする請求項1に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項3】
前記反射器(5,50)は、
前記発光された光線の反射の境界を示し、前記主要発光方向に対して角度α1をなす第1のゾーン(A)、とくに前記反射器の第1の端を含み、
前記第1の散乱手段(11’)は、前記第1の面(11)へ発光された、角度α1を超える、いわゆる側方光線のほとんど、さらに少なくとも80%が前記第1の散乱手段(11’)によって散乱されるように延在し、
好ましくは前記第2の構成の場合、
前記反射器(5,50)は、前記発光された光線の反射の境界を示し、前記主要発光方向と角度α2をなす第2のゾーン(B)、とくに前記反射器(5)の第2の端をさらに含み、
前記第2の散乱手段(13’)は、前記第3の面(13)へ発光された、角度α2を超える、いわゆる側方光線のほとんど、さらに少なくとも80%が前記第2の散乱手段(13’)によって散乱されるように延在し、
または、好ましくは前記第1の構成の場合、
前記中央領域(50)および前記側方反射領域(53’,53)の範囲は、前記第3の面に向けて発光された光線のほとんど、さらに少なくとも80%が前記第1の散乱手段(11’)に向けて反射するような範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項4】
前記第1の散乱手段(11’)が前記第1の面(11)と関連し、および/または前記所望による第2の散乱手段(13’)が前記第3の面(13)と関連し、
好ましくは前記第1の散乱手段および/または所望による第2の散乱手段は、とくにサンドブラスト、酸エッチングもしくは研磨により、または散乱要素、とくに散乱層を付加することにより、前記第1および第2のガラス要素の両方もしくは一方の表面にテクスチャを形成することによって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項5】
ダイオードの前記グループ(3)について半値全幅は、少なくとも50°、好ましくは少なくとも60°、さらには少なくとも70°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項6】
前記グループにおけるそれぞれのダイオード(3)の出力は、1W未満であり、とくに0.5W未満であり、
前記ダイオードのグループは、メートルで表される全長L0を有する取付部(30)にわたって分布し、
上記グループのワットで表される全出力は、30[W/m]×L0[m]未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項7】
前記取付部(30)は、ダイオードの前記グループを取り囲む、とくにラッカーもしくは塗料による、自由散乱領域(57)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項8】
前記取付部(30)は、前記外周スペーサ(2)にしっかり固定され、
前記第1の発光ゾーン(11’)は、前記第1の面(11)の縁に沿って延在し、
前記所望による第2の発光ゾーン(13’)は、前記第3の面(13)に沿って延在することを特徴とし、または
前記取付部(30)は、前記内部空間の中のパッド(2’)に、とくに追加スペーサにしっかりと固定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項9】
前記取付部(30)は金属で作製され、金属で作製されるように選択された前記スペーサ(2)に、または前記内部空間の中に配置された金属パッド(2’)に、または前記取付部と前記スペーサもしくはパッドとの間の前記反射器の前記部分(54)の金属領域に前記取付部(30)は固定され、
前記取付部は、熱伝導固定手段(31)とくに接着剤もしくは接着テープによって固定されることが可能であることを特徴とし、および/または、
熱ペーストが、前記取付部と前記スペーサもしくはパッドもしくは前記反射器の金属領域(54)との間の中間体に配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項10】
所望により前記中央領域(50)を超える前記反射器(5)は、前記第1の面(11)に達するまで、または前記第1の面と前記反射器との間に5mm未満の最大遊びが存在するまで延在することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項11】
前記反射器の領域を形成するかまたは前記反射器を形成する前記部分は、メタライズされるか、または金属、とくに陽極処理されたアルミニウムで作製されることを特徴とし、
好ましくは前記反射器の領域を形成するかまたは前記反射器を形成する前記部分は、
3mm以下、さらに1mm以下の厚さを有する、所望により1回もしくは2回以上折られたもしくは曲げられたプレートである、および/または
前記第3の面および/または前記第1の面に対して押しつけるかまたはしっかり固定される少なくとも1つの面を備えた空洞もしくは中実部分であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項12】
前記中央領域もしくは前記第1の中央領域は、前記第1の面に対して20〜60°の、とくに30〜50°の鋭角をなし、前記第2の中央領域は、前記第3の面に対して20〜60°の、とくに30〜50°の鋭角をなすことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項13】
とくに前記第1の面に対して実質的に垂直でありダイオードのグループが消灯される不活性位置に、動けるように前記中央領域が選択される場合、少なくとも前記中央領域における前記第1の面への垂直突出部および前記第3の面への垂直突出部は、両方とも、3mm以下であり、好ましくは1mm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項14】
前記第1の構成では、前記反射器(5)は、前記中央領域(50)を超えて前記第1の面の方へ側方に延在し、前記第1の面から離れて間隔を置いた別の側方反射ゾーン(51’)を形成し、前記ダイオードから離れるように曲がった傾斜端(55)を備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(600)。
【請求項15】
前記第1の構成では、前記反射器(5)の領域を形成するかまたは前記反射器(5)を形成する前記部分が、
前記中央領域および所望による前記側方反射領域を含む第1の傾斜フランジ(50)、
前記内部空間の中の前記スペーサ(2)もしくはパッドと前記第3の面との間に配置された、または前記内部空間の中の前記スペーサもしくはパッド上に配置された配置され、金属でとくに作製され、熱を消散できるようにするために前記取付部(30)の下に配置された、とくに固定のための延在している第2の平らなフランジ(54,56)を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(600)。
【請求項16】
前記第1の構成では、前記反射器(5)の領域を形成するかまたは前記反射器(5)を形成する部分は、
第1のフランジ、とくに平坦であるかまたは前記ダイオードに対して凹面であり、前記中央傾斜領域(50)および所望による側方反射ゾーン(51’)を含むフランジ、
とくに前記反射器のしっかりとした固定のための、前記第3の面から離れて間隔が置かれているか、前記前記第3の面上にある、とくに平坦であるかまたは前記ダイオードに対して凹面である、延在する別のフランジ(53)を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(600)。
【請求項17】
前記第1の構成では、前記反射器の領域を形成するかまたは前記反射器を形成する前記部分は、動くこと、とくに前記第1の面と平行な軸の周りを回転することができ、
作動中、第2の位置では、前記中央領域(50)は、ダイオードの前記グループの前記中央光線を前記第2の散乱手段(13’)へ反射することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(300)。
【請求項18】
前記第1の中央領域(51)は、前記第1の面に対して20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなし、
前記第1の中央領域と異なるもしくは全く異なる傾斜を有する前記第2の中央領域(52)は、前記第3の面に対して20〜60°、とくに30〜50°の鋭角をなし、
そして、好ましくは、前記反射器は、しっかりと固定されるようにするため、前記第1の発光ゾーンからシフトしたゾーンにM−形状の横断面(5’)を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,400,500)。
【請求項19】
前記多重ガラスユニットは、二重ガラスユニット、または前記第1および第3の面の間に好ましくは配置されたとくに外周密閉システムを備えた真空ガラスユニットであり、
前記スペーサは、所望により乾燥剤を含むフレームを形成することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項20】
装飾照明、建築上の照明または看板もしくはディスプレイ用の照明を作り出すために使用されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)。
【請求項21】
発光パネル、発光窓、天井灯、発光床、壁タイル、発光ガラスドア、発光間仕切り壁、階段の段などの建築上のガラスユニットとしての、
輸送機関の態様で、とくに公共輸送機関、列車、地下鉄車両、路面電車、バスまたは水上輸送のもしくは航空輸送の乗物(飛行機)における発光側窓または発光サンルーフまたは発光窓または発光ガラスドアとしての、
照明道路または都市空間に対する、
バス避難所、ガードレール、勘定台、売り場窓、棚構成部品、温室の発光ガラス部分などの都市の備品のためのガラスユニットとしての、
浴室の発光壁、発光鏡などのインテリアデザイン用のガラスユニットとしての、家具の発光ガラス部分としての、および
とくにドア、ガラス棚材、カバーまたは家庭用のもしくはプロ用の冷蔵庫のガラス要素としての請求項1〜20のいずれか1項に記載の発光多重ガラスユニット(100,200,300,310,400,500,600,700)の用途。

【公表番号】特表2013−518452(P2013−518452A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551663(P2012−551663)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050128
【国際公開番号】WO2011/092421
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】