発光デバイス
【課題】所定のスペクトル分布とよく一致する演色を有する光を生成する効率的なLED/蛍燐光体照明系を提供する。
【解決手段】互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイ(14、16)と、LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の成分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料(18)と、を含む発光デバイス(10)。特定の構成では、複数のLEDダイおよび蛍燐光体材料は、(i)1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度、(ii)2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度、および(iii)4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度の中から選択される色温度を有する白色光出力を生成するように配置される。
【解決手段】互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイ(14、16)と、LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の成分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料(18)と、を含む発光デバイス(10)。特定の構成では、複数のLEDダイおよび蛍燐光体材料は、(i)1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度、(ii)2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度、および(iii)4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度の中から選択される色温度を有する白色光出力を生成するように配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的には、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
照明技術分野において、所望のスペクトル特性の光を生成するために、さまざまな方法が利用されてきた。
【0003】
LEDは、小サイズ、長寿命、低エネルギー消費、および低発熱をはじめとする利点を有するため、広範に使用されるようになってきた。
【0004】
2003年2月4日発行の米国特許第6,513,949号明細書には、少なくとも1個のLEDと蛍燐光体−LEDとを含む白色光生成ハイブリッド照明システムが記載されている。このシステムでは、LEDおよび/または蛍燐光体−LEDの蛍燐光体の色および数は、変更可能である。
【0005】
2004年7月29日発行の米国特許第6,600,175号明細書には、第1の相対的により短波長の放射線を放出するLEDと、そのような第1の放射線が照射されるとそれに応答して第2の相対的により長波長の放射線を放出するダウンコンバート発光性媒体、たとえば、ダウンコンバート蛍燐光性媒体と、を含む発光アセンブリーが記載されている。
【0006】
青色LEDと、青色LEDからの青色放射線(470〜480nmに中心を有する)を部分的に吸収して優位な黄色特性(約550〜600nmに中心を有する)を有する広い波長域の光を放出するYAG蛍燐光体(セリウムでドープされたY3Al5O12)と、を利用する白色LEDデバイスが、商品化されている。
【0007】
白色光を生成するための市販のLED/蛍燐光体デバイスは、興味深い種々のスペクトルレジームで高変換効率の演色を提供しない。たとえば、多くの用途では、消費者は、太陽光、従来の白熱電球光、またはキャンドル光のような火炎光に一致する色(色温度および演色指数の値により定量化可能)を有する白色光を好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、所定のスペクトル分布とよく一致する演色を有する光を生成する効率的なLED/蛍燐光体照明系の必要性が当技術分野に依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【0010】
一態様において、本発明は、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイと、LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を含む発光デバイスに関する。
【0011】
他の態様において、本発明は、光を発生させる方法に関する。この方法は、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイを励起して、そのようなダイのそれぞれからスペクトル出力を放出させることと、そのようなダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料上に入射させて、それに応答してそのような光を構成するスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出させることと、含む。
【0012】
本発明の他の態様、特徴、および実施形態については、これ以降に記載の説明および特許請求の範囲からさらに十分に明らかなものとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る発光デバイスの断面立面図である。
【図2】図2は、図1の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図3】図3は、図1の発光デバイスの統合出力について波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図4】図4は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイである(青色LED、緑青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDとして示される)。
【図5】図5は、図5のLEDアレイで利用されるLEDダイ素子のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図6】図6は、図4のLEDアレイの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図7】図7は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイ(青色LED、緑青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDとして示される)と多重ダイアレイ上に配置された蛍燐光体混合物とが組み込まれた本発明の他の実施形態に係る発光デバイスの簡易概略図である。
【図8】図8は、図7の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図9】図9は、図7の発光デバイスの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図10】図10は、2個の可視光LED(緑色および青色)と2種の蛍燐光体とを含む本発明の一実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【図11】図11は、470nmのLEDと527nmのLEDとCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体とZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体との組合せから生じるスペクトル分布を示している。
【図12】図12は、2個の可視光LED(青色および赤色)と青色LEDによってのみ励起される2種の蛍燐光体とを含む本発明の他の実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【図13】図13は、2個のLED(紫外および青色)と1種の蛍燐光体とを含む本発明のさらに他の実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明および好ましい実施形態
本発明は、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【0015】
本発明に係る発光デバイスを用いれば、互いに異なるスペクトル特性を有する少なくとも2個のLEDダイと、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を提供することにより、優れた演色を達成することが可能である。蛍燐光体材料は、多重LEDダイのうちの少なくとも1つからエネルギーを受け取って、それに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置される。発光デバイスは、各LEDダイのスペクトル特性と異なるかつ蛍燐光体出力と異なるスペクトル出力を有する。
【0016】
多重LEDダイと少なくとも1種の蛍燐光体要素を含有する蛍燐光体材料との発光を統合することにより、本発明に係る発光デバイスは、光、たとえば、太陽光、キャンドル光(もしくは他の火災光)、または白熱電球により生成される光の所定のスペクトル分布に一致する優れた演色を達成するように構成可能である。
【0017】
特定例として、本発明に係る発光デバイスは、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C)のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光出力を提供するように作製可能である。
【0018】
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光。
【0019】
さらなる特定例として、キャンドルの色温度は約1500°Kであり、白熱電球の色温度は約2680〜3000°Kであり、日の出および日の入りの色温度は約3200°Kであり、そして晴れの日の正午の色温度は約5500°Kである。LEDダイ要素および蛍燐光体種を適切に選択することにより、発光デバイスの光出力で興味深い色温度にきわめて近づけることが可能である。
【0020】
以上に例示的に記載されるような本発明の種々の特定の実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、白色光でありうる。他の実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、白色光以外の特定の色を有する光でありうる。このほかのさらなる実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、可視光スペクトルの範囲外にある出力を含みうる。
【0021】
本発明を用いれば、良好な変換効率で優れた演色が達成され、しかも最適なスペクトル出力、たとえば、特定のスペクトルプロファイルのスペクトル出力、またはデバイスの耐用期間にわたり色変化に対して耐性を有するスペクトル特性のスペクトル出力の達成を可能にする発光デバイス設計の自由度が提供される。後者に関して、蛍燐光体およびLEDは、老化する傾向があるため、経時により色変化を起こすことが知られている。本発明に係る発光デバイスは、その多重LEDダイ要素および1種以上の蛍燐光体要素に基づいて、LEDおよび/または蛍燐光体の老化を補償するように作製し配置することが可能である。
【0022】
デバイスの老化に伴って強度が変化する可能性があるとはいえ、出力光の色が全耐用期間にわたり保持されるように耐用期間中のデバイス全体の老化の整合性をとって老化プロファイルに関して互いにマッチングされた所定の組合せのLEDおよび蛍燐光体を利用することは、本発明の対象になるとみなされる。これに関して、LEDの寿命は、典型的には何万時間という単位で測定され、そのような期間にわたる出力の変化は、デバイスのLEDについては比較的小さい可能性があることを指摘しておく。
【0023】
より一般的には、LEDと蛍燐光体とを含むデバイスで出力発光の所定の特性が達成されるように選択的にマッチングされた組合せのLEDおよび蛍燐光体は、本発明の対象になるとみなされる。
【0024】
本発明の他の実施形態では、デバイスの耐用期間中の所定の時間点で色の変化を提供するようにマッチングされた組合せのLEDおよび蛍燐光体を発光デバイスで使用することもまた、本発明の対象になるとみなされる。そのような目的では、色の変化は、たとえば、照明デバイスの交換、またはそのようなデバイス用の電池もしくは他の電力供給手段の交換、または他の保守もしくはサービスのような行為、あるいはある動作時間後に望ましくは実行され指示的色変化により示唆しうる他の行為を、一部のユーザーまたは保守技術者に促すべく、比較的早い移行期に起こりうる。
【0025】
本明細書中では主に可視照明出力すなわち可視照明スペクトルの生成に関連して本発明について論述しているが、それにもかかわらず、本発明はまた、非可視スペクトル域、たとえば、IRスペクトル域、UVスペクトル域、または他の非可視スペクトル域における発光出力の生成に広く適用可能である。
【0026】
本発明に係る発光デバイスは、複数の異なるLEDダイをそれぞれデバイス中の蛍燐光体材料に関連付けて提供するという点で、従来のLED−蛍燐光体デバイスと異なる。
【0027】
蛍燐光体材料は、本発明の特定の最終用途の要求に応じて、1種もしくは2種以上の蛍燐光体種を含有しうる。
【0028】
蛍燐光体材料は、特定のスペクトル特性の蛍燐光体出力を生成するように、発光デバイスのLEDダイ素子からの放射線により励起される。したがって、デバイス全体のスペクトル出力は、複合放射線になって、単一LEDダイのみを有する対応するデバイスに対して「平滑化」されたものになるかまたはさもなければ混合されたものになろう。各蛍燐光体種は、所与のLEDダイにより放出された放射線のすべてもしくは実質的にすべてを吸収するように、または他の選択肢としてLEDダイに由来する入射放射線の一部分のみを吸収し、LEDダイからの発光の残り部分は吸収せずに透過して発光デバイスから放出するように、選択可能である。
【0029】
一実施形態では、発光デバイスは、複数のダイが蛍燐光体材料により重畳されてアレイとして配置された状態で保護パッケージ中に複数のLEDダイと蛍燐光体とを含む一体型物品として提供される。複数のLEDダイは、たとえば、ダイ上に重畳される蛍燐光体材料を1層の蛍燐光体材料として提供して1つ以上のリフレクターカップまたは他の支持構造体上に配置することが可能である。複数の蛍燐光体種を含む場合、蛍燐光体材料は、それぞれの蛍燐光体の均一混合物、たとえば、実質的に均一な混合物として構成可能である。
【0030】
一次発光放射線がLEDの全周縁表面または全出力表面にわたり略同一の厚さの蛍燐光体コーティングまたは蛍燐光体塊を通過するように蛍燐光体の厚さをLEDの一次発光にマッチングさせることにより、照明デバイスからのスペクトル出力のより良好な均一性を提供すべく、LED上に重畳コーティングまたは重畳塊として蛍燐光体を造形することは、本発明の対象になるとみなされる。LEDダイの造形により、そのようなLEDダイの造形の不在下で達成しうるよりも指向性の強化された一次放射線発光または均一な一次放射線発光を提供することもまた、本発明の対象になるとみなされる。したがって、本発明に係る種々の実施形態では、発光デバイスの所定の有利な特性が達成されるようにLEDダイ上に蛍燐光体材料をコンフォーマルに被覆することが望ましいこともある。
【0031】
蛍燐光体材料は、たとえば、蛍燐光体要素を層中に均一に分散してなる蛍燐光体材料の層を形成するように、任意の好適な方法で、たとえば、ポッテッング、ディップコーティング、ブラッシング、ローリング、スプレーイング、または他の形で複数のダイ上に適用される硬化性液体配合物の状態で、複数のダイ上に適用することが可能である。
【0032】
特定用途では、それぞれ個別のリフレクターカップ中にLEDダイを配置して、単一の「バルブ」またはパッケージにカップを装着することが望ましいこともある。他の選択肢として、単一のリフレクターパッケージ内にすべてのLEDダイを配置することが望ましいこともある。複数種の蛍燐光体を複数のLEDダイの上に拡げることが可能であるか、または選択された蛍燐光体を特定のLEDダイの上に拡げることが可能である。発光エネルギーを蛍燐光体上に入射させてデバイスから統合出力光を生成させるように各LEDダイを配置した状態で、個別のLEDダイ/蛍燐光体パッケージを利用することが可能である。
【0033】
関連コストおよび配線の複雑さおよび電源の構成が、意図される最終用途に好適であるならば、LEDダイにより放出される光の量を制御するために、各ダイに個別に電流を供給することが可能である。他の選択肢として、ダイ製造、ダイ数、ダイ形状、ダイサイズ(面積)、接点品質、構造全体の抵抗など、またはLED設計の他の側面を変化させることにより、発光デバイスの光出力を制御することが可能である。
【0034】
蛍燐光体材料は、たとえば、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)蛍燐光体、CaGa2S4:Eu2+蛍燐光体、ZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体、SrSCu+、Na蛍燐光体、CaSO4:Bi蛍燐光体を含む任意の好適なタイプまたは任意の他の好適なタイプの蛍燐光体材料でありうる。
【0035】
蛍燐光体材料は、蛍燐光体自体以外の要素、たとえば、蛍燐光体が分散されるキャリヤー媒体を含みうる。一実施形態では、キャリヤー媒体は、たとえば、LEDダイおよび/または蛍燐光体要素からの発光エネルギーを好適に透過して、発光デバイスからの光出力の所望の特性を提供するガラス組成物または高分子組成物を含みうる。そのような目的に有用である高分子組成物は、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、または対応するコポリマー(ただし、これらに限定されるものではない)を含有する組成物を含む任意の適切なタイプでありうる。
【0036】
蛍燐光体は、微粒子形態または他の不連続形態で、キャリヤー媒体中の蛍燐光体からの光出力へのLEDダイ発光エネルギーの変換の所望の特性および度合を保障する量で、キャリヤー媒体中に分散可能である。
【0037】
蛍燐光体材料を含む一体型パッケージの状態で複数の異なるLEDダイを提供することにより、所望のスペクトル特性の高強度光出力を生成しうる緻密かつ効率的な構造体が得られる。発光デバイスに対してさまざまなLEDダイおよび蛍燐光体を適切に選択することにより、太陽光、キャンドル光、または従来の白熱フィラメント電球により放出される光のスペクトルのような所定の照明スペクトルによく一致するように、それぞれのダイおよび蛍燐光体の放射発光を統合することが可能である。
【0038】
したがって、LEDダイおよび蛍燐光体の選択は、高効率の光生成が達成されるように、照明源としてのLEDダイとそのようなダイからのエネルギーの入射に発光応答する蛍燐光体と間の小さいエネルギー差を生じるように行うことが可能である。
【0039】
次に、図面に関連付けて本発明について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る発光デバイス10の断面立面図である。デバイス10は、説明および例示を明確にするために、追加の光抽出光学素子、たとえば反射表面または集束レンズを描画することなく、かつ配線、パッケージリード、ボンド構造、電源などを描画することなく、簡易概略形態で示されている。
【0040】
発光デバイス10は、第1の色のLEDダイ14と第2の色のLEDダイ16とが装着されるリフレクターカップ12または類似の支持構造体を含む。そのようなマルチダイアレイの特定の構成では、第1のLEDダイ14は青色LEDダイであり、第2のLEDダイ16は緑色LEDダイである。
【0041】
マルチダイアレイは、特定の実施形態ではポリカーボネートのような高分子マトリックス中に分散された2種の蛍燐光体の混合物を含みうる蛍燐光体材料18で被覆される。蛍燐光体材料18中の蛍燐光体は、マルチダイアレイから放出された放射線により励起されかつそれに応答して出力放射線を放出して、マルチダイアレイおよび蛍燐光体材料に由来する発光デバイスの統合出力が所望のスペクトル特性になるように、適切に選択される。
【0042】
図2は、図1の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイ(「青色LED」)、第2のLEDダイ(「緑色LED」)、第1の蛍燐光体
(「蛍燐光体1」)、および第2の蛍燐光体(「蛍燐光体2」)の発光のスペクトル強度
を、そのような要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0043】
図3は、図2にスペクトルが示されるLEDダイと蛍燐光体要素とを含む場合の図1の発光デバイスの統合出力(「統合出力1」)について波長の関数としての強度を示すグラフである。そのようなもの統合出力は、キャンドル光のスペクトル分布を近似するスペクトル分布を提供する。
【0044】
図4は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイ22である。ダイA、B、C、D、およびE(それぞれ、「青色LED」、「緑青色LED」、「緑色LED」、「黄色LED」、および「赤色LED」として示される)は、多重ダイアレイを構成する。
【0045】
図5は、図5のLEDダイアレイで利用されるLEDダイのそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイ(「青色LED」)、第2のLEDダイ(「緑青色LED」)、第3のLEDダイ(「緑色LED」)、第4のLEDダイ(「黄色LED」)、および第5のLEDダイ(「赤色LED」)の発光のスペクトル強度を、そのような要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0046】
図6は、図4のLEDダイアレイの白色光統合出力(「統合出力2」)として波長の関数としての強度を示すグラフである。統合光は、5つの個別色よりなるが、従来の白熱フィラメント電球により生成されるスペクトルと比較してスペクトル分布にギャップが存在する。
【0047】
図7は、支持表面26上に配置された5つの異なるLEDダイA、B、C、D、およびE(「青色LED」、「緑青色LED」、「緑色LED」、「黄色LED」、および「赤色LED」として示される)を含むLED多重ダイアレイ22と多重ダイアレイ上に重畳された蛍燐光体混合物24とが組み込まれた本発明の他の実施形態に係る発光デバイスの簡易概略図である。
【0048】
図8は、図7の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイA(「青色LED」)、第2のLEDダイB(「緑青色LED」)、第3のLEDダイC(「緑色LED」)、第4のLEDダイD(「黄色LED」)、および第5のLEDダイE(「赤色LED」)の発光のスペクトル強度ならびに蛍燐光体混合物24の蛍燐光体材料に関連付けられる分布を、そのようなLEDダイおよび蛍燐光体要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0049】
図9は、図7の発光デバイスの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。図6および図9のスペクトル分布を比較することにより、デバイス中で蛍燐光体混合物24を利用すると、それに応じて、蛍燐光体混合物24の欠如する対応するLEDダイアレイよりも所望の白熱電球スペクトルに対してより良好なスペクトルの一致を示すより滑らかに変化するスペクトル分布が得られることがわかる。
【0050】
本発明の特定の態様、特徴、および実施形態の例証としての以下の実施例により、本発明の特徴および利点をより十分に明らかにするが、これらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1。2個の可視光LEDと2種の蛍燐光体とを含む発光デバイス。
【0052】
所望のスペクトル域を含むように、2個のLED、すなわちX−ブライト(X−Brite)濃青色(460nm)LEDおよびX−ブライト(X−Brite)緑色(527nm)LED(いずれも、台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されている)を利用して、図2に示されるタイプの発光デバイスを作製する。LEDは、光源として機能し、2種の蛍燐光体を含む蛍燐光体混合物を励起する。蛍燐光体混合物中の第1の蛍燐光体は、帯黄緑色光を放出し約480nmよりも短い波長を有する光(約25%吸収)で励起されるCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体である。蛍燐光体混合物中の第2の蛍燐光体は、橙赤色の光を放出し約510nmよりも短い波長を有する光(約50%吸収)で励起されるZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体、である。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体混合物中の2種の蛍燐光体のそれぞれの濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0053】
図10は、2個の可視光LED(緑色および青色)と2種の蛍燐光体とを含むそのような発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図10において、バーC、D、E、およびFは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAおよびBは、デバイスの励起域を示す。
【0054】
図11は、470nmのLEDと527nmのLEDとCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体とZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体との組合せから生じるスペクトル分布を示している。LEDの発光強度および蛍燐光体の濃度は、グラフに示されるスペクトル分布を生成するように調整されている。
【0055】
実施例2。青色によってのみ励起される2種の蛍燐光体を有する青色LEDおよび赤色LED。
【0056】
所望のスペクトル域を含むように、2個のLED、すなわちX−ブライト(X−Brite)濃青色(460nm)LEDおよびX−ブライト(X−Brite)赤色(670nm)LED(いずれも、台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されている)を利用して、図2に示されるタイプの発光デバイスを作製する。LEDは、光源として機能し、青色は、2種の蛍燐光体を含む蛍燐光体混合物を励起するために使用される。
蛍燐光体混合物中の第1の蛍燐光体は、530nmに中心を有する緑色光を放出し約490nmよりも短い光(約20%吸収)で励起されるSrSCu+、Na蛍燐光体である。
蛍燐光体混合物中の第2の蛍燐光体は、黄橙色光を放出し約510nmよりも短い光(約10%吸収)で励起されるCaSO4:Bi蛍燐光体である。LEDダイは、作製およびアセンブリーが容易になるようにすべてのダイを単一のパッケージ中に装着した状態で、製造時に蛍燐光体により被覆される。蛍燐光体は、青色LEDダイから放出された青色光で励起されるが、赤色LEDダイにより放出された赤色光は単に透過するにすぎない。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体混合物中の2種の蛍燐光体のそれぞれの濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0057】
図12は、2個の可視光LED(青色および赤色)と青色LEDダイの発光によってのみ励起される2種の蛍燐光体の混合物とを含む発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図11において、バーC、D、E、およびFは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAおよびBは、デバイスの励起域を示す。
【0058】
実施例3。紫外LEDおよび青色LEDならびに1種の蛍燐光体。
【0059】
太陽スペクトルに近い所望のスペクトル域を包むように、2個のLED、すなわち、米国ノースカロライナ州ダラムのクリーInc.(Cree,Inc.,Durham,NC,USA)から市販されているメガブライト(MegaBrite)紫外(460nm)LEDおよび台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されているX−ブライト(X−Brite)シグナル緑色(505nm)LEDを利用して、蛍燐光体材料が1種の蛍燐光体のみを含有する図2に示される一般的なタイプの発光デバイスを作製する。紫外LEDは、蛍燐光体を励起するように作用し、一方、緑色LEDは、発光デバイス
により生成されるスペクトル分布が確実に所望の太陽スペクトルとよく一致するように発光に寄与する。デバイスで利用される蛍燐光体は、青色、黄緑色、橙色、および赤色を放出するCaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体である。この蛍燐光体は、緑色を透過し、X−ブライト(X−Brite)シグナル緑色LEDは、このスペクトル域の光を生成する。蛍燐光体は、410nmよりも短い光(約50%吸収)で励起される。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体の濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0060】
図13は、2個のLED(紫外および青色)と1種のCaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体とが組み込まれた発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図12において、バーB、C、D、およびEは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAは、デバイスの励起域を示す。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る発光デバイスおよび方法を用いれば、互いに異なるスペクトル特性を有する少なくとも2個のLEDダイと、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を提供することにより、LEDダイのそれぞれのスペクトル特性と異なるかつ蛍燐光体出力と異なるスペクトル特性を有する光を放出させて、優れた演色を達成することが可能になる。したがって、そのようなデバイスおよび方法は、光、たとえば、太陽光、キャンドル光(もしくは他の火炎光)、または白熱電球により生成される光の所定のスペクトル分布に一致する演色を達成するように柔軟に設計可能な照明システムを提供する。
【0062】
本発明に係る発光系を用いれば、良好な変換効率で優れた演色が達成され、しかも最適なスペクトル出力、たとえば、特定のスペクトルプロファイルのスペクトル出力、またはデバイスの耐用期間にわたり色変化に対して耐性を有するスペクトル特性のスペクトル出力の達成を可能にする発光デバイス設計の自由度が提供される。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的には、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
照明技術分野において、所望のスペクトル特性の光を生成するために、さまざまな方法が利用されてきた。
【0003】
LEDは、小サイズ、長寿命、低エネルギー消費、および低発熱をはじめとする利点を有するため、広範に使用されるようになってきた。
【0004】
2003年2月4日発行の米国特許第6,513,949号明細書には、少なくとも1個のLEDと蛍燐光体−LEDとを含む白色光生成ハイブリッド照明システムが記載されている。このシステムでは、LEDおよび/または蛍燐光体−LEDの蛍燐光体の色および数は、変更可能である。
【0005】
2004年7月29日発行の米国特許第6,600,175号明細書には、第1の相対的により短波長の放射線を放出するLEDと、そのような第1の放射線が照射されるとそれに応答して第2の相対的により長波長の放射線を放出するダウンコンバート発光性媒体、たとえば、ダウンコンバート蛍燐光性媒体と、を含む発光アセンブリーが記載されている。
【0006】
青色LEDと、青色LEDからの青色放射線(470〜480nmに中心を有する)を部分的に吸収して優位な黄色特性(約550〜600nmに中心を有する)を有する広い波長域の光を放出するYAG蛍燐光体(セリウムでドープされたY3Al5O12)と、を利用する白色LEDデバイスが、商品化されている。
【0007】
白色光を生成するための市販のLED/蛍燐光体デバイスは、興味深い種々のスペクトルレジームで高変換効率の演色を提供しない。たとえば、多くの用途では、消費者は、太陽光、従来の白熱電球光、またはキャンドル光のような火炎光に一致する色(色温度および演色指数の値により定量化可能)を有する白色光を好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、所定のスペクトル分布とよく一致する演色を有する光を生成する効率的なLED/蛍燐光体照明系の必要性が当技術分野に依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【0010】
一態様において、本発明は、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイと、LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を含む発光デバイスに関する。
【0011】
他の態様において、本発明は、光を発生させる方法に関する。この方法は、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイを励起して、そのようなダイのそれぞれからスペクトル出力を放出させることと、そのようなダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料上に入射させて、それに応答してそのような光を構成するスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出させることと、含む。
【0012】
本発明の他の態様、特徴、および実施形態については、これ以降に記載の説明および特許請求の範囲からさらに十分に明らかなものとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る発光デバイスの断面立面図である。
【図2】図2は、図1の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図3】図3は、図1の発光デバイスの統合出力について波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図4】図4は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイである(青色LED、緑青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDとして示される)。
【図5】図5は、図5のLEDアレイで利用されるLEDダイ素子のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図6】図6は、図4のLEDアレイの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図7】図7は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイ(青色LED、緑青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDとして示される)と多重ダイアレイ上に配置された蛍燐光体混合物とが組み込まれた本発明の他の実施形態に係る発光デバイスの簡易概略図である。
【図8】図8は、図7の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図9】図9は、図7の発光デバイスの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。
【図10】図10は、2個の可視光LED(緑色および青色)と2種の蛍燐光体とを含む本発明の一実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【図11】図11は、470nmのLEDと527nmのLEDとCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体とZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体との組合せから生じるスペクトル分布を示している。
【図12】図12は、2個の可視光LED(青色および赤色)と青色LEDによってのみ励起される2種の蛍燐光体とを含む本発明の他の実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【図13】図13は、2個のLED(紫外および青色)と1種の蛍燐光体とを含む本発明のさらに他の実施形態に係る発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明および好ましい実施形態
本発明は、発光ダイオード(LED)と蛍燐光体要素とが組み込まれた発光デバイスに関する。
【0015】
本発明に係る発光デバイスを用いれば、互いに異なるスペクトル特性を有する少なくとも2個のLEDダイと、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を提供することにより、優れた演色を達成することが可能である。蛍燐光体材料は、多重LEDダイのうちの少なくとも1つからエネルギーを受け取って、それに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置される。発光デバイスは、各LEDダイのスペクトル特性と異なるかつ蛍燐光体出力と異なるスペクトル出力を有する。
【0016】
多重LEDダイと少なくとも1種の蛍燐光体要素を含有する蛍燐光体材料との発光を統合することにより、本発明に係る発光デバイスは、光、たとえば、太陽光、キャンドル光(もしくは他の火災光)、または白熱電球により生成される光の所定のスペクトル分布に一致する優れた演色を達成するように構成可能である。
【0017】
特定例として、本発明に係る発光デバイスは、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C)のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光出力を提供するように作製可能である。
【0018】
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光。
【0019】
さらなる特定例として、キャンドルの色温度は約1500°Kであり、白熱電球の色温度は約2680〜3000°Kであり、日の出および日の入りの色温度は約3200°Kであり、そして晴れの日の正午の色温度は約5500°Kである。LEDダイ要素および蛍燐光体種を適切に選択することにより、発光デバイスの光出力で興味深い色温度にきわめて近づけることが可能である。
【0020】
以上に例示的に記載されるような本発明の種々の特定の実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、白色光でありうる。他の実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、白色光以外の特定の色を有する光でありうる。このほかのさらなる実施形態では、発光デバイスのスペクトル出力は、可視光スペクトルの範囲外にある出力を含みうる。
【0021】
本発明を用いれば、良好な変換効率で優れた演色が達成され、しかも最適なスペクトル出力、たとえば、特定のスペクトルプロファイルのスペクトル出力、またはデバイスの耐用期間にわたり色変化に対して耐性を有するスペクトル特性のスペクトル出力の達成を可能にする発光デバイス設計の自由度が提供される。後者に関して、蛍燐光体およびLEDは、老化する傾向があるため、経時により色変化を起こすことが知られている。本発明に係る発光デバイスは、その多重LEDダイ要素および1種以上の蛍燐光体要素に基づいて、LEDおよび/または蛍燐光体の老化を補償するように作製し配置することが可能である。
【0022】
デバイスの老化に伴って強度が変化する可能性があるとはいえ、出力光の色が全耐用期間にわたり保持されるように耐用期間中のデバイス全体の老化の整合性をとって老化プロファイルに関して互いにマッチングされた所定の組合せのLEDおよび蛍燐光体を利用することは、本発明の対象になるとみなされる。これに関して、LEDの寿命は、典型的には何万時間という単位で測定され、そのような期間にわたる出力の変化は、デバイスのLEDについては比較的小さい可能性があることを指摘しておく。
【0023】
より一般的には、LEDと蛍燐光体とを含むデバイスで出力発光の所定の特性が達成されるように選択的にマッチングされた組合せのLEDおよび蛍燐光体は、本発明の対象になるとみなされる。
【0024】
本発明の他の実施形態では、デバイスの耐用期間中の所定の時間点で色の変化を提供するようにマッチングされた組合せのLEDおよび蛍燐光体を発光デバイスで使用することもまた、本発明の対象になるとみなされる。そのような目的では、色の変化は、たとえば、照明デバイスの交換、またはそのようなデバイス用の電池もしくは他の電力供給手段の交換、または他の保守もしくはサービスのような行為、あるいはある動作時間後に望ましくは実行され指示的色変化により示唆しうる他の行為を、一部のユーザーまたは保守技術者に促すべく、比較的早い移行期に起こりうる。
【0025】
本明細書中では主に可視照明出力すなわち可視照明スペクトルの生成に関連して本発明について論述しているが、それにもかかわらず、本発明はまた、非可視スペクトル域、たとえば、IRスペクトル域、UVスペクトル域、または他の非可視スペクトル域における発光出力の生成に広く適用可能である。
【0026】
本発明に係る発光デバイスは、複数の異なるLEDダイをそれぞれデバイス中の蛍燐光体材料に関連付けて提供するという点で、従来のLED−蛍燐光体デバイスと異なる。
【0027】
蛍燐光体材料は、本発明の特定の最終用途の要求に応じて、1種もしくは2種以上の蛍燐光体種を含有しうる。
【0028】
蛍燐光体材料は、特定のスペクトル特性の蛍燐光体出力を生成するように、発光デバイスのLEDダイ素子からの放射線により励起される。したがって、デバイス全体のスペクトル出力は、複合放射線になって、単一LEDダイのみを有する対応するデバイスに対して「平滑化」されたものになるかまたはさもなければ混合されたものになろう。各蛍燐光体種は、所与のLEDダイにより放出された放射線のすべてもしくは実質的にすべてを吸収するように、または他の選択肢としてLEDダイに由来する入射放射線の一部分のみを吸収し、LEDダイからの発光の残り部分は吸収せずに透過して発光デバイスから放出するように、選択可能である。
【0029】
一実施形態では、発光デバイスは、複数のダイが蛍燐光体材料により重畳されてアレイとして配置された状態で保護パッケージ中に複数のLEDダイと蛍燐光体とを含む一体型物品として提供される。複数のLEDダイは、たとえば、ダイ上に重畳される蛍燐光体材料を1層の蛍燐光体材料として提供して1つ以上のリフレクターカップまたは他の支持構造体上に配置することが可能である。複数の蛍燐光体種を含む場合、蛍燐光体材料は、それぞれの蛍燐光体の均一混合物、たとえば、実質的に均一な混合物として構成可能である。
【0030】
一次発光放射線がLEDの全周縁表面または全出力表面にわたり略同一の厚さの蛍燐光体コーティングまたは蛍燐光体塊を通過するように蛍燐光体の厚さをLEDの一次発光にマッチングさせることにより、照明デバイスからのスペクトル出力のより良好な均一性を提供すべく、LED上に重畳コーティングまたは重畳塊として蛍燐光体を造形することは、本発明の対象になるとみなされる。LEDダイの造形により、そのようなLEDダイの造形の不在下で達成しうるよりも指向性の強化された一次放射線発光または均一な一次放射線発光を提供することもまた、本発明の対象になるとみなされる。したがって、本発明に係る種々の実施形態では、発光デバイスの所定の有利な特性が達成されるようにLEDダイ上に蛍燐光体材料をコンフォーマルに被覆することが望ましいこともある。
【0031】
蛍燐光体材料は、たとえば、蛍燐光体要素を層中に均一に分散してなる蛍燐光体材料の層を形成するように、任意の好適な方法で、たとえば、ポッテッング、ディップコーティング、ブラッシング、ローリング、スプレーイング、または他の形で複数のダイ上に適用される硬化性液体配合物の状態で、複数のダイ上に適用することが可能である。
【0032】
特定用途では、それぞれ個別のリフレクターカップ中にLEDダイを配置して、単一の「バルブ」またはパッケージにカップを装着することが望ましいこともある。他の選択肢として、単一のリフレクターパッケージ内にすべてのLEDダイを配置することが望ましいこともある。複数種の蛍燐光体を複数のLEDダイの上に拡げることが可能であるか、または選択された蛍燐光体を特定のLEDダイの上に拡げることが可能である。発光エネルギーを蛍燐光体上に入射させてデバイスから統合出力光を生成させるように各LEDダイを配置した状態で、個別のLEDダイ/蛍燐光体パッケージを利用することが可能である。
【0033】
関連コストおよび配線の複雑さおよび電源の構成が、意図される最終用途に好適であるならば、LEDダイにより放出される光の量を制御するために、各ダイに個別に電流を供給することが可能である。他の選択肢として、ダイ製造、ダイ数、ダイ形状、ダイサイズ(面積)、接点品質、構造全体の抵抗など、またはLED設計の他の側面を変化させることにより、発光デバイスの光出力を制御することが可能である。
【0034】
蛍燐光体材料は、たとえば、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)蛍燐光体、CaGa2S4:Eu2+蛍燐光体、ZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体、SrSCu+、Na蛍燐光体、CaSO4:Bi蛍燐光体を含む任意の好適なタイプまたは任意の他の好適なタイプの蛍燐光体材料でありうる。
【0035】
蛍燐光体材料は、蛍燐光体自体以外の要素、たとえば、蛍燐光体が分散されるキャリヤー媒体を含みうる。一実施形態では、キャリヤー媒体は、たとえば、LEDダイおよび/または蛍燐光体要素からの発光エネルギーを好適に透過して、発光デバイスからの光出力の所望の特性を提供するガラス組成物または高分子組成物を含みうる。そのような目的に有用である高分子組成物は、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、または対応するコポリマー(ただし、これらに限定されるものではない)を含有する組成物を含む任意の適切なタイプでありうる。
【0036】
蛍燐光体は、微粒子形態または他の不連続形態で、キャリヤー媒体中の蛍燐光体からの光出力へのLEDダイ発光エネルギーの変換の所望の特性および度合を保障する量で、キャリヤー媒体中に分散可能である。
【0037】
蛍燐光体材料を含む一体型パッケージの状態で複数の異なるLEDダイを提供することにより、所望のスペクトル特性の高強度光出力を生成しうる緻密かつ効率的な構造体が得られる。発光デバイスに対してさまざまなLEDダイおよび蛍燐光体を適切に選択することにより、太陽光、キャンドル光、または従来の白熱フィラメント電球により放出される光のスペクトルのような所定の照明スペクトルによく一致するように、それぞれのダイおよび蛍燐光体の放射発光を統合することが可能である。
【0038】
したがって、LEDダイおよび蛍燐光体の選択は、高効率の光生成が達成されるように、照明源としてのLEDダイとそのようなダイからのエネルギーの入射に発光応答する蛍燐光体と間の小さいエネルギー差を生じるように行うことが可能である。
【0039】
次に、図面に関連付けて本発明について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る発光デバイス10の断面立面図である。デバイス10は、説明および例示を明確にするために、追加の光抽出光学素子、たとえば反射表面または集束レンズを描画することなく、かつ配線、パッケージリード、ボンド構造、電源などを描画することなく、簡易概略形態で示されている。
【0040】
発光デバイス10は、第1の色のLEDダイ14と第2の色のLEDダイ16とが装着されるリフレクターカップ12または類似の支持構造体を含む。そのようなマルチダイアレイの特定の構成では、第1のLEDダイ14は青色LEDダイであり、第2のLEDダイ16は緑色LEDダイである。
【0041】
マルチダイアレイは、特定の実施形態ではポリカーボネートのような高分子マトリックス中に分散された2種の蛍燐光体の混合物を含みうる蛍燐光体材料18で被覆される。蛍燐光体材料18中の蛍燐光体は、マルチダイアレイから放出された放射線により励起されかつそれに応答して出力放射線を放出して、マルチダイアレイおよび蛍燐光体材料に由来する発光デバイスの統合出力が所望のスペクトル特性になるように、適切に選択される。
【0042】
図2は、図1の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイ(「青色LED」)、第2のLEDダイ(「緑色LED」)、第1の蛍燐光体
(「蛍燐光体1」)、および第2の蛍燐光体(「蛍燐光体2」)の発光のスペクトル強度
を、そのような要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0043】
図3は、図2にスペクトルが示されるLEDダイと蛍燐光体要素とを含む場合の図1の発光デバイスの統合出力(「統合出力1」)について波長の関数としての強度を示すグラフである。そのようなもの統合出力は、キャンドル光のスペクトル分布を近似するスペクトル分布を提供する。
【0044】
図4は、5つの異なるLEDダイの色を含むLED多重ダイアレイ22である。ダイA、B、C、D、およびE(それぞれ、「青色LED」、「緑青色LED」、「緑色LED」、「黄色LED」、および「赤色LED」として示される)は、多重ダイアレイを構成する。
【0045】
図5は、図5のLEDダイアレイで利用されるLEDダイのそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイ(「青色LED」)、第2のLEDダイ(「緑青色LED」)、第3のLEDダイ(「緑色LED」)、第4のLEDダイ(「黄色LED」)、および第5のLEDダイ(「赤色LED」)の発光のスペクトル強度を、そのような要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0046】
図6は、図4のLEDダイアレイの白色光統合出力(「統合出力2」)として波長の関数としての強度を示すグラフである。統合光は、5つの個別色よりなるが、従来の白熱フィラメント電球により生成されるスペクトルと比較してスペクトル分布にギャップが存在する。
【0047】
図7は、支持表面26上に配置された5つの異なるLEDダイA、B、C、D、およびE(「青色LED」、「緑青色LED」、「緑色LED」、「黄色LED」、および「赤色LED」として示される)を含むLED多重ダイアレイ22と多重ダイアレイ上に重畳された蛍燐光体混合物24とが組み込まれた本発明の他の実施形態に係る発光デバイスの簡易概略図である。
【0048】
図8は、図7の発光デバイスで利用されるLEDダイ素子および蛍燐光体種のそれぞれについて孤立要素として波長の関数としての強度を示すグラフである。グラフは、第1のLEDダイA(「青色LED」)、第2のLEDダイB(「緑青色LED」)、第3のLEDダイC(「緑色LED」)、第4のLEDダイD(「黄色LED」)、および第5のLEDダイE(「赤色LED」)の発光のスペクトル強度ならびに蛍燐光体混合物24の蛍燐光体材料に関連付けられる分布を、そのようなLEDダイおよび蛍燐光体要素のそれぞれを個別に考慮した場合について示している。
【0049】
図9は、図7の発光デバイスの統合出力として波長の関数としての強度を示すグラフである。図6および図9のスペクトル分布を比較することにより、デバイス中で蛍燐光体混合物24を利用すると、それに応じて、蛍燐光体混合物24の欠如する対応するLEDダイアレイよりも所望の白熱電球スペクトルに対してより良好なスペクトルの一致を示すより滑らかに変化するスペクトル分布が得られることがわかる。
【0050】
本発明の特定の態様、特徴、および実施形態の例証としての以下の実施例により、本発明の特徴および利点をより十分に明らかにするが、これらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1。2個の可視光LEDと2種の蛍燐光体とを含む発光デバイス。
【0052】
所望のスペクトル域を含むように、2個のLED、すなわちX−ブライト(X−Brite)濃青色(460nm)LEDおよびX−ブライト(X−Brite)緑色(527nm)LED(いずれも、台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されている)を利用して、図2に示されるタイプの発光デバイスを作製する。LEDは、光源として機能し、2種の蛍燐光体を含む蛍燐光体混合物を励起する。蛍燐光体混合物中の第1の蛍燐光体は、帯黄緑色光を放出し約480nmよりも短い波長を有する光(約25%吸収)で励起されるCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体である。蛍燐光体混合物中の第2の蛍燐光体は、橙赤色の光を放出し約510nmよりも短い波長を有する光(約50%吸収)で励起されるZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体、である。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体混合物中の2種の蛍燐光体のそれぞれの濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0053】
図10は、2個の可視光LED(緑色および青色)と2種の蛍燐光体とを含むそのような発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図10において、バーC、D、E、およびFは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAおよびBは、デバイスの励起域を示す。
【0054】
図11は、470nmのLEDと527nmのLEDとCaGa2S4:Eu2+蛍燐光体とZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体との組合せから生じるスペクトル分布を示している。LEDの発光強度および蛍燐光体の濃度は、グラフに示されるスペクトル分布を生成するように調整されている。
【0055】
実施例2。青色によってのみ励起される2種の蛍燐光体を有する青色LEDおよび赤色LED。
【0056】
所望のスペクトル域を含むように、2個のLED、すなわちX−ブライト(X−Brite)濃青色(460nm)LEDおよびX−ブライト(X−Brite)赤色(670nm)LED(いずれも、台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されている)を利用して、図2に示されるタイプの発光デバイスを作製する。LEDは、光源として機能し、青色は、2種の蛍燐光体を含む蛍燐光体混合物を励起するために使用される。
蛍燐光体混合物中の第1の蛍燐光体は、530nmに中心を有する緑色光を放出し約490nmよりも短い光(約20%吸収)で励起されるSrSCu+、Na蛍燐光体である。
蛍燐光体混合物中の第2の蛍燐光体は、黄橙色光を放出し約510nmよりも短い光(約10%吸収)で励起されるCaSO4:Bi蛍燐光体である。LEDダイは、作製およびアセンブリーが容易になるようにすべてのダイを単一のパッケージ中に装着した状態で、製造時に蛍燐光体により被覆される。蛍燐光体は、青色LEDダイから放出された青色光で励起されるが、赤色LEDダイにより放出された赤色光は単に透過するにすぎない。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体混合物中の2種の蛍燐光体のそれぞれの濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0057】
図12は、2個の可視光LED(青色および赤色)と青色LEDダイの発光によってのみ励起される2種の蛍燐光体の混合物とを含む発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図11において、バーC、D、E、およびFは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAおよびBは、デバイスの励起域を示す。
【0058】
実施例3。紫外LEDおよび青色LEDならびに1種の蛍燐光体。
【0059】
太陽スペクトルに近い所望のスペクトル域を包むように、2個のLED、すなわち、米国ノースカロライナ州ダラムのクリーInc.(Cree,Inc.,Durham,NC,USA)から市販されているメガブライト(MegaBrite)紫外(460nm)LEDおよび台湾国台北のキングブライト・コーポレーション(Kingbright Corporation,Taipei,Taiwan)から市販されているX−ブライト(X−Brite)シグナル緑色(505nm)LEDを利用して、蛍燐光体材料が1種の蛍燐光体のみを含有する図2に示される一般的なタイプの発光デバイスを作製する。紫外LEDは、蛍燐光体を励起するように作用し、一方、緑色LEDは、発光デバイス
により生成されるスペクトル分布が確実に所望の太陽スペクトルとよく一致するように発光に寄与する。デバイスで利用される蛍燐光体は、青色、黄緑色、橙色、および赤色を放出するCaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体である。この蛍燐光体は、緑色を透過し、X−ブライト(X−Brite)シグナル緑色LEDは、このスペクトル域の光を生成する。蛍燐光体は、410nmよりも短い光(約50%吸収)で励起される。2個のLEDダイのそれぞれのダイサイズおよび蛍燐光体の濃度は、正午の自然昼光に類似したスペクトル応答を達成するように調整される。
【0060】
図13は、2個のLED(紫外および青色)と1種のCaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体とが組み込まれた発光デバイスについて、nm単位の波長、電子ボルト単位のエネルギー、およびそれらに関連付けられた可視光スペクトルを示すバー、励起域および発光によりカバーされるスペクトル域を示すグラフ図である。図12において、バーB、C、D、およびEは、デバイスからの発光によりカバーされるスペクトル域を示し、バーAは、デバイスの励起域を示す。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る発光デバイスおよび方法を用いれば、互いに異なるスペクトル特性を有する少なくとも2個のLEDダイと、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、を提供することにより、LEDダイのそれぞれのスペクトル特性と異なるかつ蛍燐光体出力と異なるスペクトル特性を有する光を放出させて、優れた演色を達成することが可能になる。したがって、そのようなデバイスおよび方法は、光、たとえば、太陽光、キャンドル光(もしくは他の火炎光)、または白熱電球により生成される光の所定のスペクトル分布に一致する演色を達成するように柔軟に設計可能な照明システムを提供する。
【0062】
本発明に係る発光系を用いれば、良好な変換効率で優れた演色が達成され、しかも最適なスペクトル出力、たとえば、特定のスペクトルプロファイルのスペクトル出力、またはデバイスの耐用期間にわたり色変化に対して耐性を有するスペクトル特性のスペクトル出力の達成を可能にする発光デバイス設計の自由度が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイと、
前記LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、
を含む、発光デバイス。
【請求項2】
前記蛍燐光体材料が、少なくとも2個のLEDダイからのスペクトル出力を受け取るように配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2個のLEDダイのすべてからのスペクトル出力を受け取るように配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記蛍燐光体材料が少なくとも2種の蛍燐光体を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
2個のLEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記蛍燐光体材料が2種の蛍燐光体を含む、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項7】
5個のLEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記発光デバイスのスペクトル出力が白色光スペクトル出力である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記発光デバイスのスペクトル出力が白色光以外の光である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、太陽光、キャンドル光、または白熱フィラメント光の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、火災の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C):
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記白色光が、白色光色レジーム(A)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記白色光が、白色光色レジーム(B)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記白色光が、白色光色レジーム(C)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも2個のLEDダイが、前記蛍燐光体材料により重畳される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上に被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上にコンフォーマルに被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項20】
前記LEDダイのスペクトル出力が前記LEDダイを覆う前記蛍燐光体材料の実質的に一定の厚さを通過するように、前記蛍燐光体材料が前記LEDダイ上に被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項21】
前記蛍燐光体材料が、ガラス組成物中または高分子組成物中に分散される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも2個のLEDダイが、青色LEDダイおよび緑色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項23】
前記蛍燐光体材料が、CaGa2S4:Eu2+蛍燐光体およびZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体を含む、請求項22に記載の発光デバイス。
【請求項24】
前記少なくとも2個のLEDダイが、赤色LEDダイおよび青色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項25】
前記蛍燐光体材料が、SrSCu+、Na蛍燐光体およびCaSO4:Bi蛍燐光体を含む、請求項24に記載の発光デバイス。
【請求項26】
前記蛍燐光体材料がYAG材料を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項27】
前記少なくとも2個のLEDダイが、紫外LEDダイおよび青色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項28】
前記蛍燐光体材料が、CaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体を含む、請求項27に記載の発光デバイス。
【請求項29】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、耐用期間にわたり発光の劣化を含む老化プロファイルを有する第1のLEDダイまたは蛍燐光体と、前記第1のLEDまたは蛍燐光体の発光の劣化を少なくとも部分的に補償する老化プロファイルを有する少なくとも第2のLEDダイまたは蛍燐光体と、を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項30】
前記少なくとも2個のLEDダイが、互いに異なるダイサイズのダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項31】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に存在し、前記蛍燐光体材料が、少なくとも2種の蛍燐光体を互いに混合した状態で含み、前記蛍燐光体材料が、前記一体型パッケージ中の前記少なくとも2個のLEDダイを覆うように堆積される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項32】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2種の蛍燐光体を分散してなるガラス組成物または高分子組成物を含む、請求項31に記載の発光デバイス。
【請求項33】
光を発生させる方法であって、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイを励起して、前記ダイのそれぞれからスペクトル出力を放出させることと、前記ダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料上に入射させて、それに応答して前記光を構成するスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出させることと、を含む、方法。
【請求項34】
前記光が白色光である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記光が白色光以外である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記光が、太陽光、キャンドル光、または白熱フィラメント光の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記光が、火災の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記光が、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C):
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記白色光が、白色光色レジーム(A)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記白色光が、白色光色レジーム(B)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記白色光が、白色光色レジーム(C)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に配置される、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2個のLEDダイに重畳される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上にコンフォーマルに被覆される、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記LEDダイのスペクトル出力が前記LEDダイを覆う前記蛍燐光体材料の実質的に一定の厚さを通過するように、前記蛍燐光体材料が前記LEDダイ上に被覆される、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記蛍燐光体材料がYAG材料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
LEDダイおよび蛍燐光体材料が、前記デバイスの耐用期間にわたりスペクトル出力の所定の特性を提供するようにその老化特性に関してマッチングされる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項48】
前記スペクトル出力の所定の特性が、前記デバイスの前記耐用期間中の所定の時期におけるスペクトル出力の色の変化を含む、請求項47に記載の発光デバイス。
【請求項1】
互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイと、
前記LEDダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を受け取ってそれに応答して発光デバイスのスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出するように配置された1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料と、
を含む、発光デバイス。
【請求項2】
前記蛍燐光体材料が、少なくとも2個のLEDダイからのスペクトル出力を受け取るように配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2個のLEDダイのすべてからのスペクトル出力を受け取るように配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記蛍燐光体材料が少なくとも2種の蛍燐光体を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
2個のLEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記蛍燐光体材料が2種の蛍燐光体を含む、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項7】
5個のLEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記発光デバイスのスペクトル出力が白色光スペクトル出力である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記発光デバイスのスペクトル出力が白色光以外の光である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、太陽光、キャンドル光、または白熱フィラメント光の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、火災の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記発光デバイスのスペクトル出力が、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C):
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記白色光が、白色光色レジーム(A)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記白色光が、白色光色レジーム(B)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記白色光が、白色光色レジーム(C)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも2個のLEDダイが、前記蛍燐光体材料により重畳される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上に被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上にコンフォーマルに被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項20】
前記LEDダイのスペクトル出力が前記LEDダイを覆う前記蛍燐光体材料の実質的に一定の厚さを通過するように、前記蛍燐光体材料が前記LEDダイ上に被覆される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項21】
前記蛍燐光体材料が、ガラス組成物中または高分子組成物中に分散される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも2個のLEDダイが、青色LEDダイおよび緑色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項23】
前記蛍燐光体材料が、CaGa2S4:Eu2+蛍燐光体およびZnGa2S4:Mn2+蛍燐光体を含む、請求項22に記載の発光デバイス。
【請求項24】
前記少なくとも2個のLEDダイが、赤色LEDダイおよび青色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項25】
前記蛍燐光体材料が、SrSCu+、Na蛍燐光体およびCaSO4:Bi蛍燐光体を含む、請求項24に記載の発光デバイス。
【請求項26】
前記蛍燐光体材料がYAG材料を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項27】
前記少なくとも2個のLEDダイが、紫外LEDダイおよび青色LEDダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項28】
前記蛍燐光体材料が、CaMgSi2O6:Eu2+、Mn2+蛍燐光体を含む、請求項27に記載の発光デバイス。
【請求項29】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、耐用期間にわたり発光の劣化を含む老化プロファイルを有する第1のLEDダイまたは蛍燐光体と、前記第1のLEDまたは蛍燐光体の発光の劣化を少なくとも部分的に補償する老化プロファイルを有する少なくとも第2のLEDダイまたは蛍燐光体と、を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項30】
前記少なくとも2個のLEDダイが、互いに異なるダイサイズのダイを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項31】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に存在し、前記蛍燐光体材料が、少なくとも2種の蛍燐光体を互いに混合した状態で含み、前記蛍燐光体材料が、前記一体型パッケージ中の前記少なくとも2個のLEDダイを覆うように堆積される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項32】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2種の蛍燐光体を分散してなるガラス組成物または高分子組成物を含む、請求項31に記載の発光デバイス。
【請求項33】
光を発生させる方法であって、互いに異なるスペクトル出力を有する少なくとも2個のLEDダイを励起して、前記ダイのそれぞれからスペクトル出力を放出させることと、前記ダイのうちの少なくとも1つからのスペクトル出力を、1種以上の蛍燐光体を含む蛍燐光体材料上に入射させて、それに応答して前記光を構成するスペクトル出力の少なくとも一部分として蛍燐光体出力を放出させることと、を含む、方法。
【請求項34】
前記光が白色光である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記光が白色光以外である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記光が、太陽光、キャンドル光、または白熱フィラメント光の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記光が、火災の照明スペクトルに実質的に一致する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記光が、以下の白色光色温度レジーム(A)、(B)、および(C):
(A) 1350°K〜1550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(B) 2400°K〜3550°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
(C) 4950°K〜6050°Kの範囲内の色温度を有する白色光、
のうちの1つに含まれる色温度を有する白色光である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記白色光が、白色光色レジーム(A)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記白色光が、白色光色レジーム(B)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記白色光が、白色光色レジーム(C)に含まれる色温度を有する光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも2個のLEDダイおよび前記蛍燐光体材料が、一体型パッケージ中に配置される、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記蛍燐光体材料が、前記少なくとも2個のLEDダイに重畳される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記蛍燐光体材料が、前記LEDダイ上にコンフォーマルに被覆される、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記LEDダイのスペクトル出力が前記LEDダイを覆う前記蛍燐光体材料の実質的に一定の厚さを通過するように、前記蛍燐光体材料が前記LEDダイ上に被覆される、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記蛍燐光体材料がYAG材料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
LEDダイおよび蛍燐光体材料が、前記デバイスの耐用期間にわたりスペクトル出力の所定の特性を提供するようにその老化特性に関してマッチングされる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項48】
前記スペクトル出力の所定の特性が、前記デバイスの前記耐用期間中の所定の時期におけるスペクトル出力の色の変化を含む、請求項47に記載の発光デバイス。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−147391(P2009−147391A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−81077(P2009−81077)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【分割の表示】特願2007−550362(P2007−550362)の分割
【原出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81077(P2009−81077)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【分割の表示】特願2007−550362(P2007−550362)の分割
【原出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】
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